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JP7639982B2 - 文字板 - Google Patents
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Description

本発明は、字板に関する。
特許文献1には、支持体およびマザー・オブ・パール・シートを備える時計のダイアルが開示されている。マザー・オブ・パール・シートは、前面と、支持体に面し、パターンが印刷されている後面とを有する。マザー・オブ・パール・シートは、マザー・オブ・パール・シートの後面に印刷されたパターンが、通常の照明条件下でマザー・オブ・パールを通して透けて見えるように、50μm~100μmの厚さとされている。
特表2021-510820号公報
特許文献1のダイアルは、下地となるマザー・オブ・パール・シートの後面に、シルク・スクリーン印刷、フォトリソグラフィ、インクジェット印刷等でパターンを印刷している。すなわち、ユーザーは印刷されたパターンを、下地越しに視認することになり、印刷されたパターンを視認し難い。このため、下地の表面側にパターンを印刷できて複雑な意匠を実現できる文字板の加飾方法および文字板が求められている。
本開示の文字板の加飾方法は、基材に模様を形成して下地とする下地形成工程と、前記下地の表面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、を有する文字板の加飾方法であって、前記印刷層形成工程は、インクジェット方式で吐出されるインクのドットの密度を変化させることで模様を印刷して前記印刷層を形成することを特徴とする。
本開示の文字板は、表面に下地となる模様が形成された基材と、前記下地の表面側に形成された印刷層と、を有し、前記印刷層は、インクジェット方式で吐出されるインクのドットの密度を変化させることで模様が印刷されていることを特徴とする。
実施形態の文字板の層構成を示す断面図である。 実施形態の文字板の加飾方法を示すフローチャートである。 実施形態の文字板を正面視した場合の反射光を示す説明図である。 実施形態の文字板を斜視した場合の反射光を示す説明図である。 文字板の正面視、50度の斜視、80度の斜視を示す説明図である。 文字板の第1の加飾例を示す図である。 文字板の第2の加飾例を示す図である。
実施形態の文字板の加飾方法および文字板について、図1~図5を参照して説明する。
図1は、文字板1の層構成を示す断面図である。
文字板1は、表面に下地となる模様21が形成された基材2と、基材2の表面に積層された透光層3と、透光層3の表面に撥液処理を行うことで形成された撥液層4と、撥液層4の表面にインクジェット方式で吐出されたインク50によって形成される印刷層5とを備える。印刷層5は、基材2の表面側つまり下地となる模様21の表面側に形成されている。また、印刷層5は、インク50のドットの密度を変化させて模様51を印刷することで形成されている。すなわち、印刷層5の模様51は、インク50の吐出パターンであるドットパターンによって形成されている。
次に、文字板1に模様を形成する加飾方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
文字板1の加飾方法を開始すると、最初に、文字板1の基材2の表面に、めっき、彫刻、塗装などによって模様21を形成して下地とする下地形成工程S1を実施する。基材2としては、真鍮、洋白、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属板や硬質プラスチック板、セラミック板などが利用でき、特に金属板で基材2を構成すれば、プラスチック板を用いた場合に比べて高級感のあるデザインとすることができ、基材2の模様21と、印刷層5の模様51との組合せによる意匠性をより高めることができる。
また、彫刻などで基材2の表面に凹凸を設けて模様21を形成する場合は、基材2の凹凸面によって模様21が形成された下地が構成される。基材2の表面にめっきや塗装などで模様21を形成した場合は、めっきや塗装の層によって下地が構成される。
下地形成工程S1の実施後、基材2の表面に透光性の樹脂を塗布して透光層3を形成する透光層形成工程S2を実施する。透光性の樹脂は、透明、パール系または色付き透明等の樹脂材料が利用でき、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂などが利用できる。透光層3の厚さ寸法は、例えば、40μm以上、100μm以下である。
基材2の表面に透光性の樹脂を塗布する方法は、スプレーによって塗布する方法や、インクジェット方式で吐出して塗布する方法などが利用できる。
透光層形成工程S2の実施後、透光層3の表面に撥液処理を行う撥液処理工程S3を実施する。撥液処理は、例えば、大気圧プラズマで、透光層3の表面に露出している樹脂の分子構造の一部をフッ素に置き換える方法などが利用できる。このような撥液処理によって、透光層3の表面に撥液性を有する撥液層4が形成される。
撥液処理工程S3の実施後、撥液層4の表面にインクジェット方式で模様51を印刷して印刷層5を形成する印刷層形成工程S4を実施する。印刷層5を形成するためにインクジェット方式で吐出されるインク50は、水系インク、溶剤系インク、UV硬化系インクなどが利用できる。インク50は、顔料、染料、微粒子、樹脂などが溶媒に分散されたものであり、例えば、水系インクである銀ナノ微粒子インク、溶剤系クリアインクであるエポキシ樹脂インク、溶剤系白インクである酸化チタンインク、溶剤系黒インクであるカーボンインクなどが利用できる。また、インク50としては、酸化チタンインクのように透過性を有するインクを用いてもよいし、銀ナノ微粒子インクのように非透過性のインクを用いてもよい。
ここで、銀ナノ微粒子インクで印刷層5を形成する場合、基材2の下地は濃色系の色で形成されていることが好ましい。濃色系の色は、黒、緑、紺、紫等、明度や彩度によって白色から離れた色であるため、銀色のインクである銀ナノ微粒子インクが視認し易くなり、印刷層の模様も視認し易くできる。
また、透過性を有するインクで印刷層5を形成する場合、基材2の下地は透過性を有するインクと同色系の色で形成されていることが好ましい。例えば、透過性インクである酸化チタンインクで印刷層5を形成した場合、酸化チタンインクは溶剤系白インクであるため、下地の色も白系統の色とすることが好ましい。下地とインクとを同色系で形成することで、下地の色と透過性のインクの色とが重なって見えることで、2種類の質感が混じり合うような上質な模様を表現できる。なお、透過性を有するインクは、白インクである酸化チタンインク以外でもよく、特に下地の模様が視認し易い点で、明度が高いインクであることが好ましい。また、印刷層5として、複数種類のインクを用いて複数色の模様を印刷してもよい。複数種類のインクとしては、透過性を有する複数種類のインクを用いてもよいし、透過性を有するインクを印刷する領域と、非透過性のインクを印刷する領域を区分けしてもよいし、非透過性の複数種類のインクを異なる領域に印刷してもよい。
インクジェット方式で吐出されて撥液層4の表面に付着されるインク50のドットは、文字板1の表面に対して直交方向から見た正面視において円形状に形成される。インク50のドットの直径は、10μm以上、70μm以下のサイズであり、特に20μm以上、50μm以下のサイズが好ましい。インク50のドットの直径が70μm以下のサイズであれば、1つ1つのドット自体は利用者の肉眼では視認されないドットサイズで印刷されるため、利用者が印刷層5の模様51を視認した場合は、ドットの集合体つまりドットパターンの模様として認識することができる。また、インク50のドットの直径が10μm以上であれば、インクジェット方式で安定して正確な位置にインク50を吐出することができる。このため、例えば、同じ位置にインク50を重ねて吐出することもできる。
印刷層5の厚さ寸法は、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。
印刷層形成工程S4の実施後、印刷層5のインク50を乾燥する乾燥工程S5を実施する。乾燥工程S5は、ホットプレート、オーブン、遠赤外線加熱炉、真空乾燥機などを用いてインク50を乾燥する。なお、インク50がUV硬化系インクの場合は、乾燥工程S5ではUV照射でインク50を硬化する。すなわち、乾燥工程S5は、撥液層4の表面に付着されたインク50を乾燥や硬化によって撥液層4の表面に固定する工程である。
[文字板の視覚効果]
以上の工程で加飾される文字板1を視認したときの模様の見え方について、図3から図5を参照して説明する。本実施形態では、文字板1には、基材2の表面に形成した模様21と、印刷層5のインク50の吐出パターンであるドットパターンで形成した模様51とが設けられる。そして、文字板1を表面に対して直交する方向である0度方向から見た正面視と、文字板1を斜め方向から見た斜視とを比較すると、基材2の模様21は斜視よりも正面視のほうが視認し易くなり、逆に、印刷層5の模様51は正面視より斜視のほうが視認し易くなる。
この視覚効果は、以下の3つの理由による。第1の理由は、印刷層5において0度方向への反射光Rs1の輝度をLs1、斜め方向への反射光Rs2の輝度をLs2とした場合、Ls1<Ls2となるためである。
第2の理由は、印刷層5の輝度をLs、基材2の輝度をLuとした場合、Ls/Luは斜視のほうが正面視よりも大きいためである。
第3の理由は、基材2の露出面積に対するインク50のドットが占有する面積が正面視よりも斜視のほうが大きいためである。
図3および図4に示すように、印刷層5の反射光の輝度は0度方向のほうが斜め方向よりも低い。すなわち、印刷層5の0度方向の反射光Rs1の輝度、つまり正面視での輝度をLs1、斜め方向の反射光Rs2の輝度、つまり斜視での輝度をLs2とすると、Ls1<Ls2である。
また、金属板などで構成される基材2の反射光の量は、印刷層5で反射する光の量に比べて十分に多い。例えば、基材2の0度方向の反射光Ru1の輝度、つまり正面視の輝度をLu1とした場合、Ls1<<Lu1である。
したがって、基材2から反射される光量が十分に多いため、正面視では基材2の表面に形成された模様21は視認しやすい。一方、印刷層5から反射される光量は相対的に少ないため、正面視では印刷層5の模様51は視認し難い。
また、基材2の斜め方向の反射光Ru2の輝度Lu2は、0度方向の反射光Ru1の輝度Lu1に比べて低下する。すなわち、Lu1>Lu2である。これは、基材2において斜め方向に反射する光は、基材2および透光層3間の反射や、基材2の表面の凹凸による減衰などで弱まるためである。このため、印刷層5で斜めに反射する光の量が相対的に大きくなり、印刷層5の模様51を視認し易くなる。すなわち、印刷層5の斜め方向への反射光Rs2の輝度をLs2とし、基材2の斜め方向への反射光Ru2の輝度をLu2とした場合、Ls2<Lu2であるがその輝度の差は、Ls1とLu1との輝度の差に比べて小さくなる。
このため、Ls2/Lu2>Ls1/Lu1であり、文字板1を斜め方向から見た場合は、正面から見た場合に比べて印刷層5の輝度が基材2の輝度に対して相対的に大きくなるので、印刷層5の模様51を視認し易くなる。
さらに、図5に示すように、文字板1の表面に対して直交する0度方向から見た正面視の場合と、直交方向に対して50度の斜め方向から見た50度の斜視の場合と、80度の斜め方向から見た80度の斜視の場合とを比較すると、基材2が露出する面積に対してインク50の露出面積は正面視の場合が最も小さく、80度の場合が最も大きくなる。このため、80度の場合は、正面視に比べて、印刷層5の模様51は視認し易くなる。
この際、印刷層5の模様51を形成するインク50によるドットの間隔は、ドットの直径の1倍より大きく、3倍より小さいことが好ましい。すなわち、ドット間隔がドットの直径の1倍以下の場合、ドット間の隙間が小さいため、特に非透過性のインクを用いた場合に基材2の模様21を視認することが困難になる。一方、ドット間隔がドットの直径の3倍以上の場合、ドット間の隙間が大きいため、文字板1を斜視した場合でもドットが離れるために模様51が不明瞭となる場合がある。これに対し、ドットの間隔を、ドットの直径の1倍より大きく、3倍より小さくすれば、文字板1を正面視した場合に基材2の模様21を視認でき、かつ、文字板1を斜視した場合に印刷層5の模様51を明瞭に視認できる。
なお、文字板1を斜視した場合に印刷層5の模様51が明瞭に見える角度は、ドットの間隔に影響される。例えば、図5に示す例は、ドットの間隔がドットの直径の2倍の場合であり、この場合、直交方向に対して50度以上の角度から見ると、印刷層5の模様51が明瞭に見える傾向にある。また、ドットの間隔がドットの直径の1倍の場合は、直交方向に対して30度以上の角度から見ると印刷層5の模様51が明瞭に見える傾向にあり、ドットの間隔がドットの直径の3倍の場合は、直交方向に対して70度以上の角度から見ると印刷層5の模様51が明瞭に見える傾向にある。すなわち、ドットの直径に対するドット間の間隔が小さくなると、文字板1の直交方向に対する斜視の角度が小さくても、印刷層5の模様51が明瞭となり、ドット間の間隔が大きくなると、文字板1の直交方向に対する斜視の角度を大きくしないと、印刷層5の模様51が明瞭とならない。
なお、基材2の表面に形成される透光層3および撥液層4は、基材2の表面全面に形成してもよいし、部分的に形成してもよい。また、撥液層4の表面に形成される印刷層5は、撥液層4の表面全面に形成してもよいし、部分的に形成してもよい。
[加飾例]
図6は、第1の加飾例として、基材2Bの表面側に印刷層5Bを積層した文字板1Bを示す。図6の例では、基材2Bには下地として放射線状の模様21Bが形成されている。印刷層5Bの模様51Bはインク50のドットパターンで設定され、このドットパターンは、中心部はドットの密度が低く、周辺部に向かってドットの密度が高くなるように設定されている。
このため、基材2Bの表面側に印刷層5を形成すると、図6の文字板1Bに示すように、文字板1Bの中心部はインク50のドットの密度が低いために基材2Bの模様21Bが表示され、文字板1Bの周辺部はドットの密度が高いために基材2Bの模様21Bは目立たず、印刷層5Bの模様51Bが目立つように表示される。
なお、インク50として透過性を有するインクを用いた場合は、文字板1Bの周辺部においては、下地の模様21Bがインク50を透過して視認されるため、模様21Bと模様51Bとが組み合わされた意匠を実現できる。
図7には、第2の加飾例として、基材2Cの表面側に印刷層5Cを積層した文字板1Cを示す。図7の例では、基材2Cには円形の凸部および凹部の模様21Cが形成されている。印刷層5Cの模様51Cはインク50のドットパターンで形成され、図7において上下方向にドットの密度が変化し、左右方向に帯状に連続するパターンで設定されている。
このため、基材2Cの表面側に印刷層5Cを形成すると、図7の文字板1Cに示すように、インク50のドットの密度が低い部分は基材2Cの模様21Cが目立ち、インク50のドットの密度が高い部分は基材2Cの模様21Cは目立たずに模様51Cが目立つように表示される。さらに、印刷層5Cは、基材2Cの表面側に部分的に印刷され、印刷層5Cが印刷されていない部分では、基材2Cの模様21Bを直接視認することができる。
これらの各模様51B、51Cでは、インク50のドットの間隔は、ドットの密度が高い領域においては、ドットの直径の1倍以下となっている部分も存在し、ドットの密度が低い領域においては、ドットの直径の3倍以上となっている部分も存在する。すなわち、ドットの間隔は、印刷層5の模様を形成する際のドットパターンによって設定される。
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、印刷層5、5B、5Cの模様51、51B、51Cは、インク50のドットの密度を変化させて印刷するため、密度が小さい部分では下地の模様21、21B、21Cが視認し易くなる。一方、密度が大きい部分では下地の模様21、21B、21Cは視認し難くなり、印刷層5、5B、5Cの模様51、51B、51Cを視認し易くなる。このため、下地の模様21、21B、21Cと印刷層5、5B、5Cの模様51、51B、51Cとで複雑な意匠を表現でき、文字板1、1B、1Cの意匠性を向上できる。
印刷層5のインク50をインクジェット方式で吐出しているので、様々なインク50を用いて印刷層5を形成できる。このため、透過性を有するインク50を用いることで、インク50のドットの密度が小さい部分だけでなく、密度が大きい部分においても下地の模様21、21B、21Cを視認し易くなり、下地の模様21、21B、21Cをより活かした複雑な意匠を表現できる。
インク50をインクジェット方式で吐出して印刷層5の模様51、51B、51Cを形成しているので、ドットパターンによって様々な模様51、51B、51Cを印刷することができる。このため、文字板1B、1Cの模様51B、51Cのように、ドットの密度を高めることで、印刷層5の模様51、51B、51Cが視認しやすい領域を形成したり、ドットの密度を低くすることで、下地の模様21、21B、21Cが視認しやすい領域を形成することができる。その上、ドットの間隔を適切に設定することで、例えば、ドット直径の1倍より大きく3倍より小さくすることにより、正面視では目立たずに斜視で明瞭に見ることができる模様を形成することもできる。
時計用の文字板1において、透光層3の表面に撥液処理を施して撥液層4を形成しているので、インクジェット方式で吐出されて撥液層4に着弾したインク50はあまり広がることがなく安定した径で付着させることができ、印刷層5の模様51、51B、51Cをシャープな表現にできる。また、印刷層5のインク50が透光層3に吸収されないことで、印刷層5と基材2との間に距離を取ることができ、これらの印刷層5および基材2にそれぞれ模様を形成しているので、文字板1において立体感や奥行きのある複雑な意匠を表現でき、文字板1の意匠性を向上できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記実施形態では、基材2の表面に透光層3および撥液層4を介して印刷層5を積層していたが、透光層3および撥液層4を設けずに基材2の表面にインク50を直接吐出して印刷層5を形成してもよい。
また、印刷層5の表面に透光性の樹脂をさらに積層してもよい。この場合、印刷層5を透光性の樹脂で保護することができる。
さらに、この透光性の樹脂の表面に撥水層を形成し、撥水層の表面にインクを吐出して印刷層を形成し、透光層を挟んで印刷層を2層設けてもよい。この場合、基材2の下地の模様に加えて、各印刷層の模様を重ねることができるため、立体感や奥行きのあるより複雑な意匠を実現できる。
文字板において、下地となる基材2の模様の色やパターンと、印刷層5の模様の色やパターンとの組合せは、文字板のデザインに応じて適宜設定できる。このため、インク50として銀ナノ微粒子インクを用いる場合の下地の色は濃色系に限定されず、酸化チタンインクのように透過性を有するインクを用いる場合の下地の色もインクと同色系の色に限定されない。
透光層3の表面に撥液処理を行う前に、親液処理を行ってもよい。親液処理としては、例えば、紫外線を照射したり、酸素ガスを用いた大気圧プラズマなどで実行できる。親液処理を行えば、透光層3の表面を洗浄できるため、撥液処理によって均一な撥液層4を形成できる。
透光層3の厚さ寸法は、実施にあたって適宜設定してもよい。透光層3の厚さ寸法によって、基材2の模様21と、印刷層5の模様51との距離が変わるため、立体感や奥行き感を調整することができる。
[本開示のまとめ]
本開示の文字板の加飾方法は、基材に模様を形成して下地とする下地形成工程と、前記下地の表面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、を有する文字板の加飾方法であって、前記印刷層形成工程は、インクジェット方式で吐出されるインクのドットの密度を変化させることで模様を印刷して前記印刷層を形成することを特徴とする。
本開示によれば、印刷層の模様は、インクのドットの密度を変化させて印刷するため、密度が小さい部分では下地の模様が視認し易くなり、密度が大きい部分では下地の模様は視認し難くなり、印刷層の模様を視認し易くなるため、下地の模様と印刷層の模様とで複雑な意匠を表現でき、文字板の意匠性を向上できる。
本開示の文字板の加飾方法において、前記印刷層形成工程は、透過性を有するインクを吐出して前記印刷層を形成することが好ましい。
本開示によれば、印刷層のインクとして透過性を有するインクを用いることで、インクのドットの密度が小さい部分だけでなく、密度が大きい部分においても下地の模様を視認し易くなり、下地の模様をより活かした複雑な意匠を表現できる。
本開示の文字板の加飾方法において、前記インクのドットの間隔は、前記ドットの直径の1倍より大きく3倍より小さいことが好ましい。
本開示によれば、ドットの間隔がドット直径の1倍より大きく3倍より小さくすることにより、文字板の表面に対して直交する方向から所定角度傾けた場合に印刷層の模様をより明瞭に見えるようにすることができる。
また、ドットの間隔がドット直径の1倍より大きいため、透過性を有さないインクを用いた場合でも、下地層の模様を視認することができる。また、ドットの間隔がドットの直径の3倍より小さいため、ドットのパターンによる模様を認識することができる。
本開示の文字板の加飾方法において、前記透過性を有するインクは、酸化チタンインクであることが好ましい。
本開示によれば、酸化チタンインクを用いることで、基材の模様も透過により視認できる。特に、酸化チタンインクは、白色の透過性インクであるため、インクのドットの密度が高い領域においても、基材の模様を視認し易くでき、基材および印刷層の各模様が重なって見えて複雑な意匠を表現できる。
本開示の文字板の加飾方法において、前記インクは、銀ナノ微粒子インクまたは酸化チタンインクであることが好ましい。
本開示によれば、銀ナノ微粒子インクまたは酸化チタンインクを用いているので、ピエゾタイプのインクジェットプリンターとして実用化されているインクを用いることができ、低コストで加飾方法を実現できる。
本開示の文字板は、表面に下地となる模様が形成された基材と、前記下地の表面側に形成された印刷層と、を有し、前記印刷層は、インクジェット方式で吐出されるインクのドットの密度を変化させることで模様が印刷されていることを特徴とする。
本開示によれば、印刷層の模様は、インクのドットの密度を変化させて印刷するため、密度が小さい部分では下地の模様が視認し易くなり、密度が大きい部分では下地の模様は視認し難くなるため、下地の模様と印刷層の模様とで複雑な意匠を表現できる。
本開示の文字板において、前記下地は、濃色系の色で形成され、前記印刷層は、銀ナノ微粒子インクで形成され、前記銀ナノ微粒子インクのドットの間隔は、前記ドットの直径の1倍より大きく3倍より小さいことが好ましい。
本開示によれば、下地を黒色や紺色などの濃色系の色、つまり明度や彩度によって白色から離れた色で形成しているので、銀色のインクである銀ナノ微粒子インクが視認し易くなり、印刷層の模様も視認し易くできる。また、銀ナノ微粒子インクは非透過性のインクであるが、ドットの間隔をドットの直径の1倍より大きく3倍より小さい領域を設定することで、ドット間の間隔によって下地層の模様を視認できるとともに、銀ナノ微粒子インクで形成した模様を、文字板を斜め方向から見た場合に見やすくすることができる。
本開示の文字板において、前記印刷層は、透過性を有するインクで形成され、前記下地は、前記透過性を有するインクと同色系の色で形成され、前記印刷層は、前記下地の表面に部分的に形成されていることが好ましい。
本開示によれば、下地とインクとを同色系で形成しているため、下地の色と透過性のインクの色とが重なって見えることで、2種類の質感が混じり合うような上質な模様を表現できる。また、印刷層が下地の表面に部分的に形成されており、かつ、下地とインクとが同色系であるため、印刷層が設けられておらず下地が露出する部分と、印刷層が設けられた下地とインクとが重なる部分との色合いも類似するものにでき、この点でも上質な模様を表現できる。
1、1B、1C…文字板、2、2B、2C…基材、3…透光層、4…撥液層、5、5B、5C…印刷層、21、21B、21C…模様、50…インク、51、51B、51C…模様、S1…下地形成工程、S2…透光層形成工程、S3…撥液処理工程、S4…印刷層形成工程、S5…乾燥工程。

Claims (7)

  1. 金属板で構成され、表面に下地となる第1模様が形成された基材と、
    前記基材の表面に積層された透光層と、
    前記透光層の表面側に前記第1模様に重ねて形成された印刷層と、を有し、
    前記印刷層の表面には、透光性の樹脂が積層されており、
    前記下地は、濃色系の色を有し、
    前記印刷層は、インクジェット方式で吐出されるインクのドットの密度を変化させることで第2模様が印刷されており、
    前記インクは、銀ナノ微粒子インクであり、
    前記印刷層の厚さ寸法は、0.1μm以上、10μm以下であり、
    前記基材に付着された前記銀ナノ微粒子インクのドットの直径は、10μm以上、70μm以下であり、
    前記印刷層の第2模様は、前記ドットの密度が小さくて前記下地の第1模様が視認し易い領域と、前記ドットの密度が大きくて前記下地の第1模様が視認し難い領域とを備えることを特徴とする文字板。
  2. 請求項1に記載の文字板において、
    前記透光層と前記印刷層との間に配置され、撥液性を有する撥液層をさらに有することを特徴とする文字板。
  3. 請求項2に記載の文字板において、
    前記撥液層が形成される前記透光層の表面には、親液処理が施されていることを特徴とする文字板。
  4. 請求項1に記載の文字板において、
    前記印刷層の表面に積層された透光性の樹脂の表面に形成され、撥液性を有する撥液層と、
    前記撥液層の表面に、インクジェット方式で吐出されるインクのドットにより形成された印刷層とを、さらに有することを特徴とする文字板。
  5. 請求項1に記載の文字板において、
    前記銀ナノ微粒子インクのドットの間隔は、前記ドットの直径の1倍より大きく3倍より小さいことを特徴とする文字板。
  6. 請求項1に記載の文字板において、
    前記基材の表面に下地として形成された第1模様は、放射線状の模様であり、
    前記印刷層の前記ドットによる第2模様は、前記ドットの密度が前記基材の中心部では小さく、前記ドットの密度が前記基材の周辺部に向かって大きくなる模様であることを特徴とする文字板。
  7. 請求項1に記載の文字板において、
    前記基材の表面に下地として形成された第1模様は、凹凸による円形の模様であり、
    前記印刷層の前記ドットによる第2模様は、第1方向に沿って前記ドットの密度が変化し、前記第1方向に直交する第2方向に沿って帯状に連続する模様であることを特徴とする文字板。
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