以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像投影システムおよびスクリーンのさまざまな実施形態を説明する。以下では、3つの実施形態を説明するが、まず、それらの概要を述べる。
第1実施形態は、スクリーンと、円偏光された前面投影用の光を投影する第1投影部および円偏光された背面投影用の光を投影する第2投影部を含む投影装置と、を備えた画像投影システムに関する実施形態である。第2実施形態は、スクリーンと、縦偏光又は横偏光された前面投影用の光を投影する第1投影部および上記光の偏光方向と直交する方向に偏光された背面投影用の光を投影する第2投影部を含む投影装置と、を備えた画像投影システムに関する実施形態である。第3実施形態は、スクリーンと、前面投影用の光と背面投影用の光を切り替えて投影する単一種類の投影装置と、を備えた画像投影システムに関する実施形態である。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態における画像投影システム1は、投影された画像を映すためのスクリーン10と、スクリーン10の片側に設けられた投影装置20と、を備える。
投影装置20は、スクリーン10に対し一方の側(以下「前面側」という)に配置され、縦偏光もしくは横偏光された光、又は、右円偏光もしくは左円偏光された光を射出する第1投影装置20A、および、前面側に配置され、第1投影装置20Aにより射出される光の偏光方向と直交する方向に偏光された光を射出する第2投影装置20B、のうち少なくとも一方を含む。第1実施形態では、投影装置20が第1投影装置20Aと第2投影装置20Bの両方を含み、第1投影装置20Aが右円偏光された光を射出し、第2投影装置20Bが左円偏光された光を射出する構成例を説明する。具体的には、第1投影装置20Aは、偏光されていない光を射出する第1プロジェクタ21Aと、第1プロジェクタ21Aの射出側に設けられた右円偏光板22Aとを含み、第2投影装置20Bは、偏光されていない光を射出する第2プロジェクタ21Bと、第2プロジェクタ21Bの射出側に設けられた左円偏光板22Bとを含む。なお、第1投影装置20A、第2投影装置20Bはそれぞれ1台ずつから構成されることに限定されるものではなく、それぞれ複数台で構成されてもよい。
また、投影装置20は、投影する画像の画像データを記憶した画像DB29を内蔵し、第1プロジェクタ21Aおよび第2プロジェクタ21Bに画像データを供給する制御部28をさらに含む。なお、制御部28は、実行すべき画像投影処理に関する情報(前面投影、背面投影、同じ画像の両面投影、異なる画像の両面投影の何れかを示す情報)を予め保持しているものとし、かかる情報に基づき、実行すべき画像投影処理を判断する。また、前述した第1投影装置20A、第2投影装置20Bのそれぞれにおいて、プロジェクタと円偏光板とは必ずしも接触した状態でなくてもよく、所定の距離を置いて離隔した状態であってもよい。
スクリーン10は、パターンリターダ層11、偏光層12、反射層13、および、投影層14の4つの層で構成され、上記4つの層は、投影される光の受光面側(図1における左側)から厚み方向(図1における左右方向)に沿って、パターンリターダ層11、偏光層12、反射層13、投影層14の順に配置されている。
パターンリターダ層11は、投影される光の偏光方向に、-45度の位相差を与える1/4波長板により構成された第1部分11Aと、投影される光の偏光方向に、+45度の位相差を与える1/4波長板により構成された第2部分11Bとから成る。図2には、パターンリターダ層11を図1における左から見た図を示すが、上記の第1部分11Aと第2部分11Bは、投影される光の進行方向(図1における左右方向)に垂直な方向(図1、図2における上下方向)に沿って交互に形成されている。
偏光層12は、投影される光の偏光方向から+45度又は-45度の位相差が有る方向に対し、偏光機能を有する層である。第1実施形態における偏光層12は、一例として、第2投影装置20Bからの左円偏光された光の偏光方向と+45度の位相差が有る方向である縦方向に対し偏光機能を有する。
反射層13は、投影される光の進行方向に沿って、パターンリターダ層11における第1部分11A又は第2部分11Bのうち一方のみに対応する位置に、光を反射し且つ透過しない反射部分が形成された層である。第1実施形態では、反射部分が、パターンリターダ層11における第1部分11Aのみに対応する位置に形成されている。つまり、反射層13における反射部分は、図2における紙面奥行き方向に沿って、第1部分11Aに対応する位置に形成されているが、第2部分11Bに対応する位置には形成されていない。なお、反射層13における反射部分は、例えば、図3(a)に示すように、光を反射する素材により構成された反射部材13Aと、光を透過しない素材により構成された不透明部材13Bとを含んだ構成としてもよい。
投影層14は、スクリーン10における前面側とは反対の背面側へ光を透過するとともに、透過する光の一部が前面側へ反射することを阻止する層である。例えば、投影層14は、光を透過するが光を殆ど反射しない素材により構成してよく、投影層14をシンプルに構成することができる。また、別の構成例としては、図3(b)に示すように、投影層14は、1/4波長板14Aと、光を透過する素材により構成された投影部材14Bとを含んだ構成としてもよい。このうち1/4波長板14Aは、偏光層12、および反射層13における反射部分の形成されていない部分を通過してきた縦偏光された光の偏光方向に、+45度の位相差を付けて、右偏光された光を透過させ、その後、投影部材14Bで反射して偏光方向が反転した左偏光された光に対し、その偏光方向に、-45度の位相差を付けて、横偏光された光を前面側へ透過させる。ここで透過した横偏光された光は、縦方向に対し偏光機能を有する偏光層12によって吸収され、前面側への透過は阻止される。このような別の構成例により、偏光層12の縦偏光機能を有効に活用して、前面側への反射光が前面側へ透過することを確実に阻止することができる。
また、図3(c)に示すように、反射層13は、光を反射する素材により構成された反射部材13Aと、光を透過しない素材により構成された不透明部材13Bとを含んだ構成とし、さらに、投影層14は、1/4波長板14Aと、光を透過する素材により構成された投影部材14Bとを含んだ構成としてもよい。
次に、図7と図1を参照して、画像投影システム1における処理動作を説明する。まず、制御部28は、実行すべき画像投影処理が「前面投影」、「背面投影」、「同じ画像の両面投影」、「異なる画像の両面投影」の何れであるかを判断し、判断結果に応じた画像データの供給を行う。例えば、制御部28は、図7に示すステップS1で実行すべき画像投影処理が片面投影か否(両面投影)かを判断し、YESであれば、ステップS2で同処理が片面投影のうち前面投影か否(背面投影)かを判断する。一方、ステップS1でNO(両面投影)であれば、ステップS3で同処理が同じ画像を投影するものか否(異なる画像を投影するもの)かを判断する。
実行すべき画像投影処理が前面投影の場合、上記のステップS1、S2でYESとなり、ステップS4へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ供給する。これにより、図1に実線で示すように、前面投影する画像を表す偏光されていない光が第1プロジェクタ21Aから射出され、右円偏光板22Aにより右円偏光された光がスクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した右円偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により横偏光された光となり、この横偏光された光は、縦方向に対し偏光機能を有する偏光層12によって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した右円偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により縦偏光された光となり、この縦偏光された光は、縦方向に対し偏光機能を有する偏光層12を透過して、反射層13における反射部分に至り、この反射部分によって前面側に反射され、背面側へは透過しない。これにより、上記光による画像(前面投影する画像)がスクリーン10の前面側に映り、一方、背面側へは透過しない。即ち、前面投影が実現するとともに、前面投影する画像が背面に透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が背面投影の場合、上記のステップS1でYES、ステップS2でNOとなり、ステップS5へ進み、制御部28は、背面投影する画像データを第2プロジェクタ21Bへ供給する。これにより、図1に破線で示すように、背面投影する画像を表す偏光されていない光が第2プロジェクタ21Bから射出され、左円偏光板22Bにより左円偏光された光がスクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した左円偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により横偏光された光となり、この横偏光された光は、縦方向に対し偏光機能を有する偏光層12によって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した左円偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により縦偏光された光となり、この縦偏光された光は、縦方向に対し偏光機能を有する偏光層12を透過する。偏光層12を透過した光は、反射層13における反射部分が形成されていない部分を通過し、投影層14に至る。投影層14は、背面側へ光を透過するため、背面投影用の光は、背面側へ透過し、これにより、当該光による背面投影用の画像がスクリーン10の背面に映る。また、投影層14は、透過する上記光の一部が前面側へ反射することを阻止するため、背面投影用の画像が前面に映ることは回避される。以上により、背面投影が実現するとともに、前面に画像が透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が異なる画像の両面投影の場合、上記のステップS1、S3でNOとなり、ステップS7へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ、背面投影する画像データを第2プロジェクタ21Bへ、それぞれ供給する。これにより、図1に実線で示すように、前面投影する画像を表す偏光されていない光が第1プロジェクタ21Aから射出され、右円偏光板22Aにより右円偏光された光がスクリーン10へ到達する。また、同時に、背面投影する画像を表す偏光されていない光が第2プロジェクタ21Bから射出され、左円偏光板22Bにより左円偏光された光がスクリーン10へ到達する。以後は、前述したステップS4に係る動作と、ステップS5に係る動作の両方が同時に実行され、その結果、前面投影と背面投影の両方(即ち、両面投影)が実現するとともに、前面投影の画像が背面に透けることおよび背面投影の画像が前面に透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が同じ画像の両面投影の場合、上記のステップS1でNO、ステップS3でYESとなり、ステップS6へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ、前面投影する画像の鏡像の画像データを第2プロジェクタ21Bへ、それぞれ供給する。これにより、前面投影する画像を表す偏光されていない光が第1プロジェクタ21Aから射出され、右円偏光板22Aにより右円偏光された光がスクリーン10へ到達する。また、同時に、前面投影する画像の鏡像を表す偏光されていない光が第2プロジェクタ21Bから射出され、左円偏光板22Bにより左円偏光された光がスクリーン10へ到達する。以後は、前述したステップS4に係る動作と、ステップS5に係る動作の両方が同時に実行され、その結果、前面投影と背面投影の両方(即ち、両面投影)が実現するとともに、前面投影の画像が背面に透けることおよび背面投影の画像が前面に透けることを回避できる。さらに、このとき、前面投影する画像の鏡像が背面投影されることとなり、背面から見た画像は、前面投影する画像と同じになるため、同じ画像の両面投影が実現する。
以上説明した第1実施形態によれば、スクリーンの両側への投影装置の配置を必要とせず、スクリーンの片側に2種類の投影装置を配置して、「前面投影」、「背面投影」、「同じ画像の両面投影」および「異なる画像の両面投影」の計4パターンを自在に切り替えることができる。また、投影したい面の反対側に画像が透けることを回避でき、スクリーンの両面にディスプレイを設置する場合よりも安価に実現することができる。
なお、第1実施形態における投影装置20は、図1の構成に限定されるものではなく、図4(a)、図4(b)、図4(c)のそれぞれに示す変形例を採用してもよい。例えば、図4(a)に示すように、第1投影装置20Aは、偏光されていない光を射出する第1プロジェクタ21Aと、第1プロジェクタ21Aの射出側に設けられた縦偏光板23と、+45度の位相差を与える1/4波長板24Aとを含んだ構成とし、第2投影装置20Bは、偏光されていない光を射出する第2プロジェクタ21Bと、第2プロジェクタ21Bの射出側に設けられた縦偏光板23と、-45度の位相差を与える1/4波長板24Bとを含んだ構成としてもよい。上記構成により、図1の構成と同様に、第1投影装置20Aからは右円偏光された光が射出され、第2投影装置20Bからは左円偏光された光が射出される。
別の変形例としては、図4(b)に示すように、第1投影装置20Aは、偏光されていない光を射出する第1プロジェクタ21Aと、第1プロジェクタ21Aの射出側に設けられた電子的に縦と横で偏光方向を切り替える偏光部材である液晶板25と、+45度の位相差を与える1/4波長板24Aとを含んだ構成とし、第2投影装置20Bは、偏光されていない光を射出する第2プロジェクタ21Bと、第2プロジェクタ21Bの射出側に設けられた電子的に縦と横で偏光方向を切り替える偏光部材である液晶板25と、-45度の位相差を与える1/4波長板24Bとを含んだ構成としてもよい。上記液晶板25は、制御部28によって縦と横で偏光方向を切り替え可能とされ、例えば、液晶板25の偏光方向が縦方向に切り替えられた場合は、図4(a)の縦偏光板23を含んだ構成例と同様の構成であると捉えることができ、第1投影装置20Aからは右円偏光された光が射出され、第2投影装置20Bからは左円偏光された光が射出される。また、上記のように電子的に縦と横で偏光方向を切り替える偏光部材である液晶板に代わり、機械的に縦と横で偏光方向を切り替える偏光部材を採用してもよい。このように実装上の自由度を高めることができる。
さらに、別の変形例としては、図4(c)に示すように、第1投影装置20Aは、縦偏光された光を射出する第1プロジェクタ21Aと、第1プロジェクタ21Aの射出側に設けられた、+45度の位相差を与える1/4波長板24Aとを含んだ構成とし、第2投影装置20Bは、縦偏光された光を射出する第2プロジェクタ21Bと、第2プロジェクタ21Bの射出側に設けられた、-45度の位相差を与える1/4波長板24Bとを含んだ構成としてもよい。この場合も、図4(a)の構成例と同様の構成と捉えることができ、第1投影装置20Aからは右円偏光された光が射出され、第2投影装置20Bからは左円偏光された光が射出される。以上のように、投影装置20の構成としては、図1、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すさまざまな構成を採用することができ、実装上の自由度を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、スクリーンと、縦偏光又は横偏光された前面投影用の光を投影する第1プロジェクタおよび上記光の偏光方向と直交する方向に偏光された背面投影用の光を投影する第2プロジェクタを含む投影装置と、を備えた画像投影システムに関する実施形態である。
図5に示すように、第1実施形態における画像投影システム1は、投影された画像を映すためのスクリーン10と、スクリーン10の片側に設けられた投影装置20と、を備える。ここでは一例として、投影装置20は、横偏光された光を射出する第1プロジェクタ21Aと、縦偏光された光を射出する第2プロジェクタ21Bと、第1実施形態と同様の画像DB29を含む制御部28と、を含んだ構成とされている。なお、第1プロジェクタ21A、第2プロジェクタ21Bはそれぞれ1台ずつから構成されることに限定されるものではなく、それぞれ複数台で構成されてもよい。
スクリーン10は、パターンリターダ層11、円偏光層12A、反射層13、および、投影層14の4つの層で構成され、上記4つの層は、投影される光の受光面側(図5における左側)から厚み方向(図5における左右方向)に沿って、パターンリターダ層11、円偏光層12A、反射層13、投影層14の順に配置されている。このうちパターンリターダ層11、反射層13、および投影層14の構成は第1実施形態と同様であるため、重複した説明は省略する。
円偏光層12Aは、投影される光の偏光方向から+45度又は-45度の位相差が有る方向に対し、偏光機能を有する層である。第2実施形態における円偏光層12Aは、一例として、第2プロジェクタ21Bからの縦偏光された光の偏光方向と+45度の位相差が有る方向である右円偏光の偏光機能を有する。
なお、第1実施形態と同様に、反射層13では、反射部分が、パターンリターダ層11における第1部分11Aのみに対応する位置に形成されている。反射層13における反射部分は、例えば、図6(a)に示すように、光を反射する素材により構成された反射部材13Aと、光を透過しない素材により構成された不透明部材13Bとを含んだ構成としてもよい。
また、第1実施形態と同様に、投影層14は、光を透過するが光を殆ど反射しない素材により構成してよい。別の例としては、図6(b)に示すように、投影層14は、1/4波長板14Aと、光を透過する素材により構成された投影部材14Bとを含んだ構成としてもよい。このうち1/4波長板14Aは、円偏光層12A、および反射層13における反射部分の形成されていない部分を通過してきた右円偏光された光の偏光方向に、+45度の位相差を付けて、横偏光された光を透過させ、その後、投影部材14Bで反射して偏光方向が反転した縦偏光された光に対し、その偏光方向に、-45度の位相差を付けて、左円偏光された光を前面側へ透過させる。ここで透過した左円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aによって吸収され、前面側への透過は阻止される。
また、図6(c)に示すように、反射層13は、光を反射する素材により構成された反射部材13Aと、光を透過しない素材により構成された不透明部材13Bとを含んだ構成とし、さらに、投影層14は、1/4波長板14Aと、光を透過する素材により構成された投影部材14Bとを含んだ構成としてもよい。
次に、図7と図5を参照して、第2実施形態の画像投影システム1における処理動作を説明する。まず、制御部28は、実行すべき画像投影処理が「前面投影」、「背面投影」、「同じ画像の両面投影」、「異なる画像の両面投影」の何れであるかを判断し、判断結果に応じた画像データの供給を行う。例えば、制御部28は、図7に示すステップS1で実行すべき画像投影処理が片面投影(前面投影又は背面投影)か否かを判断し、YESであれば、ステップS2で同処理が片面投影のうち前面投影か否(背面投影)かを判断する。一方、ステップS1でNO(両面投影)であれば、ステップS3で同処理が同じ画像を投影するものか否(異なる画像を投影するもの)かを判断する。
実行すべき画像投影処理が前面投影の場合、上記のステップS1、S2でYESとなり、ステップS4へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ供給する。これにより、図5に実線で示すように、前面投影する画像を表す横偏光された光が第1プロジェクタ21Aから射出され、スクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した横偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により左円偏光された光となり、この左円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aによって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した横偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により右円偏光された光となり、この右円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aを透過して、反射層13における反射部分に至り、この反射部分によって前面側に反射され、背面側へは透過しない。これにより、上記光による画像(前面投影する画像)がスクリーン10の前面側に映り、一方、背面側へは透過しないこととなる。即ち、前面投影が実現するとともに、前面投影する画像が背面に透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が背面投影の場合、上記のステップS1でYES、ステップS2でNOとなり、ステップS5へ進み、制御部28は、背面投影する画像データを第2プロジェクタ21Bへ供給する。これにより、図1に破線で示すように、背面投影する画像を表す縦偏光された光が第2プロジェクタ21Bから射出され、スクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した縦偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により左円偏光された光となり、この左円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aによって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した縦偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により右円偏光された光となり、この右円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aを透過する。円偏光層12Aを透過した光は、反射層13における反射部分が形成されていない部分を通過し、投影層14に至る。投影層14は、背面側へ光を透過するため、背面投影用の光は、背面側へ透過し、これにより、当該光による背面投影用の画像がスクリーン10の背面に映る。また、投影層14は、透過する上記光の一部が前面側へ反射することを阻止するため、背面投影用の画像が前面に映ることは回避される。以上により、背面投影が実現するとともに、前面に画像が透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が異なる画像の両面投影の場合、上記のステップS1、S3でNOとなり、ステップS7へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ、背面投影する画像データを第2プロジェクタ21Bへ、それぞれ供給する。これにより、図5に実線で示すように、前面投影する画像を表す横偏光された光が第1プロジェクタ21Aから射出され、スクリーン10へ到達する。また、同時に、背面投影する画像を表す縦偏光された光が第2プロジェクタ21Bから射出され、スクリーン10へ到達する。以後は、前述したステップS4に係る動作と、ステップS5に係る動作の両方が同時に実行され、その結果、前面投影と背面投影の両方(即ち、両面投影)が実現するとともに、前面投影の画像が背面に透けることおよび背面投影の画像が前面に透けることを回避できる。
実行すべき画像投影処理が同じ画像の両面投影の場合、上記のステップS1でNO、ステップS3でYESとなり、ステップS6へ進み、制御部28は、前面投影する画像データを第1プロジェクタ21Aへ、前面投影する画像の鏡像の画像データを第2プロジェクタ21Bへ、それぞれ供給する。これにより、前面投影する画像を表す横偏光された光が第1プロジェクタ21Aから射出され、スクリーン10へ到達する。また、同時に、前面投影する画像の鏡像を表す縦偏光された光が第2プロジェクタ21Bから射出され、スクリーン10へ到達する。以後は、前述したステップS4に係る動作と、ステップS5に係る動作の両方が同時に実行され、その結果、前面投影と背面投影の両方(即ち、両面投影)が実現するとともに、前面投影の画像が背面に透けることおよび背面投影の画像が前面に透けることを回避できる。さらに、このとき、前面投影する画像の鏡像が背面投影されることとなり、背面から見た画像は、前面投影する画像と同じになるため、同じ画像の両面投影が実現する。
以上説明した第2実施形態によれば、スクリーンの両側への投影装置の配置を必要とせず、スクリーンの片側に2種類の投影装置を配置して、「前面投影」、「背面投影」、「同じ画像の両面投影」および「異なる画像の両面投影」の計4パターンを自在に切り替えることができる。また、投影したい面の反対側に画像が透けることを回避でき、スクリーンの両面にディスプレイを設置する場合よりも安価に実現することができる。
[第3実施形態]
次に、前面投影用の光と背面投影用の光を切り替えて投影する単一種類の投影装置とスクリーンとを備えた画像投影システムに関する第3実施形態を説明する。
図8(a)に示すように、第3実施形態における画像投影システム1は、投影された画像を映すためのスクリーン10と、スクリーン10の片側(前面側)に設けられた投影装置20と、を備える。ここでは一例として、投影装置20は、前面投影用の横偏光された光と、背面投影用の縦偏光された光とを切り替えて射出するプロジェクタ21と、第1、第2実施形態と同様の画像DB29を含む制御部28と、を含んだ構成とされている。なお、投影装置20においてプロジェクタ21は1台から構成されることに限定されるものではなく、同様の動作を行う複数台で構成されてもよい。
スクリーン10は、第2実施形態と同様に、パターンリターダ層11、円偏光層12A、反射層13、および、投影層14の4つの層で構成され、上記4つの層は、投影される光の受光面側(図8(a)における左側)から厚み方向(図8(a)における左右方向)に沿って、パターンリターダ層11、円偏光層12A、反射層13、投影層14の順に配置されている。これら4つの層それぞれの構成は、第2実施形態と同様であるため、重複した説明は省略する。
図8(a)は、前面投影用の横偏光された光がプロジェクタ21から射出され、スクリーン10において前面側へ反射され、前面投影される状態を示しており、図8(b)は、背面投影用の縦偏光された光がプロジェクタ21から射出され、スクリーン10において背面側へ透過され、背面投影される状態を示している。
以下では、図8(a)、図8(b)および図9を参照して、第3実施形態の画像投影システム1における処理動作を説明する。制御部28は、実行すべき画像投影処理が「前面投影」の場合(ステップS11でYES)、前面投影する画像データをプロジェクタ21へ供給する(ステップS12)。これにより、前面投影する場合の構成(図8(a))において、図8(a)に実線で示す前面投影する画像を表す横偏光された光が第1プロジェクタ21Aから射出され、スクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した横偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により左円偏光された光となり、この左円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aによって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した横偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により右円偏光された光となり、この右円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aを透過して、反射層13における反射部分に至り、この反射部分によって前面側に反射され、背面側へは透過しない。これにより、上記光による画像(前面投影する画像)がスクリーン10の前面側に映り、一方、背面側へは透過しないこととなる。即ち、前面投影が実現するとともに、前面投影する画像が背面に透けることを回避できる。
図9へ戻り、制御部28は、実行すべき画像投影処理が「背面投影」の場合(ステップS11でNO)、背面投影する画像データをプロジェクタ21へ供給する(ステップS13)。これにより、背面投影する場合の構成(図8(b))において、図8(b)に破線で示す背面投影する画像を表す縦偏光された光がプロジェクタ21から射出され、スクリーン10へ到達する。
このとき、パターンリターダ層11における第1部分11Aに到達した縦偏光された光は、-45度の位相差を与える1/4波長板により左円偏光された光となり、この左円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aによって吸収される。
一方、パターンリターダ層11における第2部分11Bに到達した縦偏光された光は、+45度の位相差を与える1/4波長板により右円偏光された光となり、この右円偏光された光は、右円偏光の偏光機能を有する円偏光層12Aを透過する。円偏光層12Aを透過した光は、反射層13における反射部分が形成されていない部分を通過し、投影層14に至る。投影層14は、背面側へ光を透過するため、背面投影用の光は、背面側へ透過し、これにより、当該光による背面投影用の画像がスクリーン10の背面に映る。また、投影層14は、透過する上記光の一部が前面側へ反射することを阻止するため、背面投影用の画像が前面に映ることは回避される。以上により、背面投影が実現するとともに、前面に画像が透けることを回避できる。
以上説明した第3実施形態によれば、画像投影システムが単一種類の投影装置とスクリーンとを備えた構成であっても、投影装置から前面投影用の光と背面投影用の光を切り替えて投影することで、前面投影と背面投影の両方を実現できるとともに、画像が投影された側とは反対側に画像が透けることを回避することができる。
なお、第3実施形態では、スクリーン10を第2実施形態と同様に構成した例を示したが、これに代わり、スクリーン10は第1実施形態と同様に構成してもよく、その場合、投影装置20は、図1、図4(a)~図4(c)の何れかに示す、第1投影装置20Aと第2投影装置20Bのうち何れか一方と、制御部28とを含んだ構成とされる。この場合も、第3実施形態と同様に、投影装置から前面投影用の光と背面投影用の光を切り替えて投影することで、前面投影と背面投影の両方を実現できるとともに、画像が投影された側とは反対側に画像が透けることを回避することができる。
[用語、変形態様などについて]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
例えば、制御部28は、上記実施形態における処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、制御部28のハードウェア構成例を示す図である。上述の制御部28は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。制御部28のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
制御部28における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。