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JP7642382B2 - 磁性トナー - Google Patents
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JP7642382B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法又は磁性トナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
複写機およびプリンターが広く普及するに従い、トナーに要求される性能もより高度になっている。近年では、プリントオンデマンド(POD)と呼ばれる、製版工程を経ずに直接印刷するデジタル印刷技術が注目されている。POD市場では、従来以上の高速化、高画質化が求められることに加え、様々な環境下で使用されたとしても、従来以上に長期に渡って安定した画像を提供できるトナーが求められている。一方、画像形成システムにおける現像方式としては、トラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、シンプルな構造の現像器を用いた一成分現像方式が好ましく用いられる。
この一成分現像方式にはいくつか手法が知られている。その中の一つに磁性酸化鉄をトナーに内包させた磁性トナーを用いたジャンピング現像法がある。ジャンピング現像法とは、現像スリーブとの摩擦帯電によって帯電した磁性トナーを、現像バイアスを用いて静電潜像担持体上に飛翔・付着させて、静電潜像担持体上の静電荷像を磁性トナー画像として顕像化する方法である。ジャンピング現像法は、磁性トナーの搬送制御が容易であること、複写機又はプリンターなどの内部汚染が少ないことから、数多く実用化されている。
磁性トナーにおいて、トナー中の磁性酸化鉄の量および形状が画質に大きく影響を与えることが知られている。特許文献1では、トナー粒子中に立方体状又は八面体状の磁性体と、球状磁性体との質量比を9:1~1:9で含有するトナーが開示されている。
また、POD市場においては、さらなる生産性追求のためにトナーの低温定着性に加え、クリーニング部材等の交換によるダウンタイムを極力発生させないことが求められている。そこで、特許文献2では、酸価を有するワックスを用いることで部材汚染を極力低減する技術が提案されている。
一方で、印刷市場では、印刷された後の成果物品位に対する要求も高くなってきている。使用するメディアによっては、印刷物を運搬する際の振動によりメディア間で画像表面の摺擦が発生した場合、トナー像が擦りとられて、メディアの裏汚れが発生する場合があった。そこで、特許文献3では、トナーの表面ワックス量を制御することで印刷物の耐摩擦性を向上させる技術が提案されている。
特許5815740 特開2007-322504号公報 特開2020-8818号公報
しかしながら、特許文献2のように酸価を有するワックスを用いて、ワックスをトナーに保持する構成とすると、部材汚染は抑制することができるが、印刷物の耐摩耗性の向上が限定的となる。また、特許文献3のように印刷物の耐摩耗性を向上させるために印刷物の表面ワックス量を増大させようとすると、定着部材に付着するワックス量も増大する傾向にあり、定着部材のクリーニング機構の高機能化が必要となる。従来技術によれば、ワックスによる部材汚染を抑制することと、印刷物の耐摩耗性向上の両立には課題が残されている。
本発明は上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、長期に渡って使用された場合においても、部材汚染が抑制され安定した画像を提供でき、耐摩耗性に優れた印刷物を出力することが可能なトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂、炭化水素ワックス、磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーであって、
該磁性酸化鉄粒子の該トナー中における含有量が30質量%以上70質量%以下であり、
該磁性酸化鉄粒子は、ケイ素およびアルミニウムを含む被覆層を有し、
該磁性酸化鉄粒子は、
(i)球状磁性酸化鉄粒子と、
(ii)六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子
とを含有し、
該炭化水素ワックスは、カルボキシル基を有し、酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする磁性トナーに関する。
本発明によれば、長期に渡って使用された場合においても、部材汚染が抑制され、かつ、耐摩耗性に優れた印刷物を出力することが可能なトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明者らは、長期に渡って使用された場合においても、部材汚染が抑制され、かつ、耐摩耗性に優れた印刷物を出力することが可能なトナーを提供することを目的として、鋭意検討を行った。その結果、トナー粒子中に酸価を有するワックスを含有させ、トナー粒子中の磁性酸化鉄量と、トナー粒子中の球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子との比率を特定の範囲に制御する構成に到達した。このようなトナーを用いることで、長期に渡って使用された場合においても、部材汚染が抑制され、かつ、耐摩耗性に優れた印刷物が得られるようになることを見出した。
本発明の効果が得られた理由は以下のように考えている。
酸価を有するワックスが結着樹脂および磁性酸化鉄粒子と相互作用することで、ワックスがトナーおよび印刷された画像表面に過多とならないよう制御される。また、本発明のトナーに含有される磁性酸化鉄粒子は、球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子と、を含有しており、トナー粒子中の磁性酸化鉄量と、更にはトナー粒子中の球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子との比率を特定の範囲に制御することで、ワックスと結着樹脂および磁性酸化鉄粒子との相互作用がより強くなる。前記の増強された相互作用は、トナーからワックスが遊離することにより発生する部材汚染を抑制させるだけでなく、印刷された画像強度を増大させる。画像強度の増大と、画像表面に量的に制御されたワックスによる潤滑効果が相まって、耐摩耗性に優れた印刷物を得ることが可能となる。
以下に本発明の効果が得られた理由をさらに詳しく説明する。
本発明の磁性トナーにおける磁性酸化鉄の含有量は、30質量%以上70質量%以下である。また、45質量%以上55質量%以下であるとより好ましい。30質量%以上であると、前述した相互作用により耐摩耗性に必要な画像強度が得られる。また、70質量%以下であると相互作用によりトナーが硬くなりすぎることを防ぎ、印刷物の高生産性に必要な低温定着性に優れたトナーを得ることができる。
また本発明の磁性トナーにおける磁性酸化鉄は、(i)球状磁性酸化鉄粒子と、(ii)六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子と、を含有し、該磁性酸化鉄粒子中の該球状磁性酸化鉄粒子の割合が、1.0個数%以上30.0個数%以下であることが好ましく、3.0個数%以上15.0個数%以下であるとより好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子との比率を上記範囲に制御することで、耐摩耗性に必要な画像強度と、高画質化が両立できることを見出した。その理由は明確ではないが、以下のように推察している。
六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子は、凸部を有する形状のため、トナーの過剰な帯電をリークしやすく、トナーの帯電が均一となるため、現像スリーブ上における穂立ちの均一形成に有利である。
一方、球状磁性酸化鉄粒子は、微結晶体の集合体であるため抵抗が高くなる傾向があり、電荷の局所集中化が生じやすい。電荷が局所集中した部分に、酸価を有するワックスの酸基が静電的引力により引き寄せられることで、強い相互作用を発現させ画像強度が向上する。磁性酸化鉄粒子中の該球状磁性酸化鉄粒子の割合が、1.0個数%より少ないと、耐摩耗性に必要な画像強度が得られ難くなり、30.0個数%より多いと、現像スリーブ上における穂立ちが不均一になり画質が悪化しやすくなる。このような現象は、特にPOD市場に用いられるような高速機において、トナーが長期に渡って使用されることで、トナーの流動性が悪化してきた場合に顕著になる。
以下、本発明における磁性酸化鉄粒子について詳細に記載する。
本発明の磁性酸化鉄粒子は、(i)球状磁性酸化鉄粒子と、(ii)六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子とを含有する。ここで、磁性酸化鉄粒子の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した写真(倍率40,000倍)により確認することができる。
球状磁性酸化鉄粒子とは、主に板状面を有さず、表面が全てなめらかな凸線で囲まれた例えば楕円形のもの、更には完全な球形までを含む粒子を示す。
また、六面体状磁性酸化鉄粒子とは、凸部を有し、立方体状の形状の粒子を示す。走査型電子顕微鏡(SEM)により観察すると、外周部に直線部分を有し、ほぼ正方形に見える面を有するものが六面体状磁性酸化鉄粒子である。
また、八面体状磁性酸化鉄粒子とは、凸部を有し、八個の三角形で囲まれた凸多面体である形状の粒子を示す。走査型電子顕微鏡(SEM)により観察すると、外周部に直線部分を有し、三角形に見える面を有するひし形の形状のものが八面体状磁性酸化鉄粒子である。
また、本発明の磁性トナーは、本発明の磁性酸化鉄粒子がトナー粒子内部に存在することで本発明の効果を得ることができる。「トナー粒子内部に存在する」とは、結着樹脂中に磁性酸化鉄粒子が分散した状態で存在することである。このような状態とすることで、耐摩耗性に必要な強度が付与され、ワックスによる部材汚染が抑制される。よって、本発明の効果を得るためには、トナー粒子内部における、磁性酸化鉄粒子を前述の範囲に制御することが重要である。
本発明の磁性酸化鉄中における、(i)球状磁性酸化鉄粒子と、(ii)六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子は、それぞれ別々に作製してブレンドしても良いが、同一の反応によって双方の磁性酸化鉄粒子が含まれることがより好ましい。同一の反応によって双方の磁性酸化鉄粒子が含まれる磁性体酸化鉄を用いることにより、磁性酸化鉄中における双方の粒子の分散が良好となる。その結果、トナー粒子全体における帯電性および前述の相互作用による強度増強効果が均一化される。
磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径は、0.10μm以上0.30μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.18μm以下であることがより好ましい。磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径が上記範囲にあることにより、トナー中の磁性酸化鉄粒子の分散性が良好になるため、トナー粒子間における帯電性および前述の相互作用による強度増強効果が均一化される。
磁性酸化鉄粒子の796kA/mにおける磁化の強さは、85Am2/kg以上90Am2/kg以下であることが好ましく、85Am2/kg以上87Am2/kg以下であることがより好ましい。796kA/mにおける磁化の強さが85Am2/kg以上であることで、現像スリーブ上での穂立ちの安定性が増す。その結果、よりドット再現性が向上し、さらに尾引き、飛び散りを抑制することができる。また、796kA/mにおける磁化の強さが90Am2/kg以下であることで、現像スリーブ上での穂の太さがより細く均一になる。その結果、長期に渡って使用された場合においても画質の良好な印刷物が得られる。
磁性酸化鉄粒子の0kA/m~796kA/mにおける最大比透磁率は、2.70以上2.80以下であることが好ましく、2.71以上2.75以下であることがより好ましい。0kA/m~796kA/mにおける最大比透磁率が上記の範囲にあることで、現像スリーブ上におけるトナーの磁化スピードがより適度になる。その結果、現像スリーブの磁力線に沿ってトナーがより分散した状態で穂を形成することができるため、長期に渡って使用された場合においても画質の良好な印刷物が得られる。
本発明の磁性酸化鉄粒子は、現像スリーブ上におけるトナーの磁化量を適切な範囲に制御するために、磁性酸化鉄粒子のコア粒子に特定の種類の金属元素を含有させ、且つコア粒子の表面に特定の種類の金属元素を含む被覆層を形成することが好ましい。特に磁化量と、摩擦帯電性、耐熱性とを両立できる点で、磁性酸化鉄粒子のコア粒子にケイ素や亜鉛を含有させ、磁性酸化鉄粒子の表面にケイ素、アルミニウム或いは亜鉛を含む被覆層を形成することがより好ましい。特に好ましくは、コア粒子にケイ素を含有させ、表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成することが挙げられる。
また、磁性酸化鉄粒子のコア粒子に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子全体に対し、ケイ素元素として0.15原子%以上1.50原子%以下が好ましく、より好ましくは、0.20原子%以上0.80原子%である。
上記の範囲にコア粒子に含まれるケイ素の量を制御することで、磁性酸化鉄粒子中での磁化量の均一性が向上する。その結果、トナー中での磁化量の均一性が増すことで、画質の良好な印刷物が得られる。また、該被覆層に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子の全体に対し、ケイ素元素として0.01原子%以上0.50原子%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05原子%以上0.30原子%以下である。
さらに、被覆層に含まれるアルミニウムの量が磁性酸化鉄粒子の全体に対しAlとして0.01原子%以上0.50原子%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05原子%以上0.30原子%以下である。
上記のような被覆層を形成することで、トナーの帯電均一性が向上し、画質の良好な印刷物が得られる。
本発明における磁性酸化鉄粒子を得るための好適な製造方法を以下に述べるが、これに限定されるわけではない。
本発明における磁性酸化鉄は、磁性酸化鉄の種粒子を形成する第1反応工程、第1反応工程後に、pHを調整して上記種粒子をほぼ反応終点まで成長させる第2反応工程、さらに第2反応工程後に再度pHを調整して、目的とする磁性酸化鉄を得る第3反応工程を行うことで得ることができる。このように、反応工程を3段階に分けることで、球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子を含有する磁性酸化鉄を得ることが出来る。また第3反応工程と同時に、または第2反応工程と第3反応工程の間で磁性酸化鉄の表面を被覆する工程を行ってもよい。
磁性酸化鉄の粒径や、形状は、各工程でのpHや酸素含有ガスの流量、反応温度、酸化反応率、原料比等で調整できる。
次に、磁性酸化鉄を得るための各反応工程について詳細に説明するが、これに限定されるわけではない。
<第1反応工程>
第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し0.90~1.00当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させる。得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩溶液に水可浴性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.05~1.00原子%添加する。なお、Feに対しSi換算で0.05~1.00原子%というのは、溶液に含まれるFe原子の量を100としたときにSi原子の量が0.05~1.00であることを意味する。次いで、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応液のpHを8.0~9.0に調整する。次いで、70~100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気して鉄の酸化反応率が7~14%となるまで酸化反応を行い、マグネタイト核晶粒子を生成させる。
<第2反応工程>
得られたマグネタイト核晶粒子と水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応液に対し1.01~1.50当量となるように水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ水溶液を添加し、pHを8.5以上、より好ましくは9.5以上に再調整する。そして反応液を70~100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気して、酸化反応を行う。
<第3反応工程>
第2反応工程終了後の磁性酸化鉄を含む懸濁液中の温度を80℃以上、好ましくは90℃以上とし、pHを6.0以下に調整して反応を終了する。
また、磁性酸化鉄の粒子表面に、Si、及び/又はAlを含有する化合物を形成する場合には、以下の操作を行う。
第2反応工程終了後の磁性酸化鉄を含む懸濁液中に水可溶性珪酸塩、又は水可溶性珪酸塩及び水可溶性アルミニウム塩を添加する。その後、懸濁液の温度を80℃以上、好ましくは90℃以上とし、pHを5~9の範囲に調整して、Si及び/又はAlを含有する化合物を磁性酸化鉄表面に析出沈着させ、さらにpHを6.0以下に調整して反応を終了する。この際、水可溶性珪酸塩を投入する際に、同時に他の元素を含有する水溶液を投入しても良い。
また、第3反応工程終了後の磁性酸化鉄にメカノケミカル処理や熱処理を行うことで、Si及び/又はAlを含有する化合物を磁性酸化鉄表面に固着させることによっても、得ることができる。
必要により、各段反応において、鉄以外の元素で、Mn、Zn、Ni、Cu、Al,Ti、Siから選ばれる1種又は2種以上の元素の塩を添加することにより、前記元素を含有させることができる。前記塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等を使用することができる。前記塩の添加量は、総量としてFeに対して好ましくは0~10原子%、より好ましくは0~8原子%、さらに好ましくは0~5原子%である。
本発明において結着樹脂は、一般にトナーに使われている樹脂を使用することができる。中でも、ポリエステルユニットを有する樹脂であることが、酸価を有するワックスおよび磁性酸化鉄との相互作用の観点から好ましい。本発明において「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを有する樹脂の例としては、ポリエステル樹脂やポリエステルユニットとその他の樹脂ユニットとが結合したハイブリッド樹脂が挙げられる。上記その他の樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂を構成する成分について詳述する。なお、以下の成分は種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
ポリエステル樹脂を構成する2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;炭素数1乃至50のアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル。
一方、ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、下記一般式(1)で表されるビスフェノール及びその誘導体:並びに下記一般式(2)で示されるジオール類。
Figure 0007642382000001
(式中、Rは、エチレンまたはプロピレン基であり、x、yは、それぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0乃至10である。)
Figure 0007642382000002
本発明で使用される、ポリエステル樹脂の構成成分は、上述の2価のカルボン酸化合物および2価のアルコール化合物以外に、3価以上のカルボン酸化合物、3価以上のアルコール化合物を構成成分として含有してもよい。
3価以上のカルボン酸化合物としては、特に制限されないが、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。また、3価以上のアルコール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
本発明の優れた効果を充分に発揮させるは、ポリエステル樹脂のアルコール成分として前述のビスフェノール誘導体とエチレングリコールが含まれていることが好ましい。ビスフェノール誘導体とエチレングリコールの含有比は、ビスフェノール誘導体のmol%/エチレングリコールのmol%が、2.0以上6.0以下であることが好ましく、3.0以上5.0以下であることがより好ましい。上記範囲とすることにより、結着樹脂中のエステル基濃度を高くすることが可能となり、酸変性ワックスおよび磁性酸化鉄との相互作用をより効果的に発現することが可能となり、部材汚染性および印刷物の耐摩耗性が向上する。
さらに、本発明のポリエステル樹脂においては、特定の炭素数の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた少なくとも一種の脂肪族化合物を縮合させることが、本発明の効果を充分に発揮させるために有効である。
ポリエステル樹脂に導入する脂肪族化合物は、炭素数30以上102以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた少なくとも一種の脂肪族化合物であることが重要である。ここで炭素数とは、該脂肪族化合物の炭素数の平均値を表わす。炭素数は、好ましくは32以上80以下、より好ましくは32以上60以下である。また、上記脂肪族化合物は1価であることが重要である。1価であることにより、脂肪族化合物はポリエステルユニットの末端に縮合することになる。末端に縮合した脂肪族化合物由来の炭素鎖が、酸価を有するワックスと親和性を有し相互作用が効果的に発現するようになる。脂肪族化合物の炭素数が29以下であると、ワックスとの親和性が不十分となり、脂肪族化合物の炭素数が103以上であると、ワックスとの親和性が大きくなりワックスの結晶化を阻害して印刷物の耐摩耗性に対し不利に働く。
上記脂肪族化合物の添加量は、上記脂肪族化合物が縮合したポリエステル樹脂を構成するモノマーの合計質量100質量%に対して、0.10質量%以上10質量%以下含有されることが好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下含有されることがより好ましい。脂肪族化合物の添加量が上述の範囲にあることで、酸価を有するワックスの結晶化を阻害することなく、酸価を有するワックスとの相互作用を効果的に発現させることができる。
本発明に用いられる脂肪族化合物は、特定の鎖長を有する脂肪族モノカルボン酸又は脂肪族モノアルコールであれば、その他は特に制限はされない。例えば、1級、2級、3級のいずれでも用いることができる。具体的には、脂肪族モノカルボン酸としては、メリシン酸、ラクセル酸、テトラコンタン酸、ペンタコンタン酸などが挙げられる。
また、脂肪族モノアルコールとしては、メリシルアルコール、テトラコンタノール等が挙げられる。
脂肪族化合物をポリエステル樹脂の末端に縮合する方法は、特に限定されるわけではない。好適な態様としては、ポリエステル樹脂を製造する際、ポリエステル樹脂を構成するモノマーに脂肪族化合物を同時に添加し、縮重合を行うことが好ましい。これによって、ポリエステル樹脂の末端に、より均一に脂肪族化合物を縮合することができる。
本発明において、ポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述の2価のカルボン酸化合物および2価のアルコール化合物を、脂肪族モノカルボン酸又は脂肪族モノアルコールと同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、および縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、ポリエステル樹脂を製造する際の重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルユニットの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、本発明における結着樹脂は、チタン系触媒を使用して重合されたポリエステルユニットを含有することがより好ましい。チタン系触媒を使用することで、トナー内における帯電均一性が向上する。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)1(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)1〕等が挙げられる。これらの中では、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましい。
この他のチタン触媒の具体例としては、テトラ-n-ブチルチタネート〔Ti(C49O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)2(C817O)2〕等が挙げられる。これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えば、ハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができる。
また、チタン化合物は、芳香族カルボン酸チタン化合物を含むことが、より好ましい。芳香族カルボン酸チタン化合物は、芳香族カルボン酸とチタンアルコキシドとが反応することにより得られるものであることが好ましい。また、芳香族カルボン酸としては、2価以上の芳香族カルボン酸(即ち、2つ以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸)及び/又は芳香族オキシカルボン酸であることが好ましい。上記の2価以上の芳香族カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類又はその無水物、トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸類又はその無水物、エステル化物等が挙げられる。また、上記芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル酸、m-オキシ安息香酸、p-オキシカルボン酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等が挙げられる。これらの中でも、芳香族カルボン酸としては2価以上のカルボン酸を用いることがより好ましく、特に、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸又はナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましい。
本発明に用いられる酸価を有するワックスについて詳細に説明する。
本発明の酸価を有するワックスは、主骨格がオレフィンからなる炭化水素鎖であり、一般的に炭化水素系ワックスと称されるものが変性工程を経て水酸基又はカルボキシル基を導入されたものである。上記変性された炭化水素系ワックスの例を製造方法も含めて説明する。例えば、エチレンを、チーグラー触媒を用いて重合し、重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのアルコキシドを生成した後、加水分解する製造方法が挙げられる。
また、炭化水素系ワックスを、ホウ酸および無水ホウ酸の存在下で、分子状酸素含有ガスで液相酸化する製造方法が挙げられる。触媒としてはホウ酸と無水ホウ酸との混合物や、メタホウ酸及びピロホウ酸も使用可能である。また、ホウ素の酸素酸、リンの酸素酸、及びイオウの酸素酸が挙げられる。具体的には、ホウ酸、硝酸、リン酸又は硫酸が挙げられる。反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとしては、酸素、空気、又はそれらを不活性ガスで希釈した広範囲ものが使用可能である。液相酸化反応は通常溶媒を使用せず、原料の炭化水素系ワックスの溶融状態下で行なわれる。反応温度は120~280℃、好ましくは150~250℃である。反応時間は1~15時間が好ましい。
本発明の酸価を有するワックスの酸価は、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であり、好ましくは20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である。
また、本発明に用いられる酸価を有するワックスは、示差走査熱量計(DSC)により測定される炭化水素鎖からなる結晶構造が融解する際の最大吸熱ピーク温度が、80℃以上150℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは90℃以上140℃以下である。最大吸熱ピーク温度および酸価が上述した範囲内であると、部材汚染性抑制と印刷物の耐摩耗性を両立させることが可能となる。
本発明の酸価を有するワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して2.0質量部以上16.0質量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは6.0質量部以上12.0質量部以下である。酸価を有するワックスの含有量が前記範囲内であると、部材汚染性抑制と印刷物の耐摩耗性を両立させることが可能となる。
[その他の成分]
本発明のトナーには、その帯電特性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他のトナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、トナー中に結着樹脂100.0質量部当たり0.10質量部以上10.0質量部以下含まれることが好ましく、0.10質量部以上5.0質量部以下含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
電荷制御剤としてトナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。この中でも特に、安定な帯電特性が得られるモノアゾの金属錯体又は金属塩が好ましい。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
荷電制御樹脂としては、以下に述べるような方法で製造された含イオウ重合体及び含イオウ共重合体が上げられる。
含イオウ重合体及び含イオウ共重合体は種々の重合方法により製造可能であるが、好ましい重合法としては重合溶媒を使用しないか、もしくは少量の重合溶媒を使用する塊状重合法あるいは溶液重合法で製造する場合である。反応溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、プロパノン、2-ブタノン、ジオキサンの如き溶媒を使用することができる。これらの溶媒を混合して使用する場合にはメタノール、2-ブタノン及び2-プロパノールを質量比で2:1:1乃至1:5:5で混合することが好ましい。重合開始剤としては、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t-ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシー2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、1,1’-ジ(t-ブチルパーオキシ)3-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-ジ(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチルー4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バリレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパ-オキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ-t-ブチルパーオキシα-メチルサクシネート、ジ-t-ブチルパ-オキシジメチルグルタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシアゼラート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール-ビス(t-ブチルパーオキシカーボネート)、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t-ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t-ブチルパーオキシ)シランが挙げられる。これらが単独あるいは併用して使用できる。好ましくは2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド、1,1’-ジ(t-ブチルパーオキシ)3-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを単独あるいは併用して使用するのが良い。含イオウ重合体又は共重合体の分子量を本発明のトナーに好適な範囲に調整することができ、未反応モノマーを減少させ重合添加率を挙げることができる点でこれらの重合開始剤は好ましい。
一方、電荷制御剤としてトナーを正帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩。本発明ではこれらの一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が好ましい。
本発明のトナーにおいて、トナー表面への流動性付与能が高い、一次粒子の個数平均粒径のより小さい流動性向上剤を使用することが好ましい。該流動性向上剤としては、トナーに外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものならば使用可能である。例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。流動性向上剤は、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が30m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは50m2/g以上300m2/g以下のものである。上記流動性向上剤は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下添加することが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上4.0質量部以下である。
本発明のトナーには、必要に応じて導電性を有する外部添加剤を添加してもよい。導電性を有する外部添加剤の例としてはカーボンブラック等が挙げられる。
また、本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、保存安定性の観点から45℃以上であることが好ましい。また、低温定着性の観点からTgが75℃以下であることが好ましい。さらに好ましくはTgが50℃以上65℃以下であることが好ましい。また、本発明のトナーの軟化点は95℃以上130℃以下が好ましい。さらに好ましくは100℃以上120℃以下である。Tgおよび軟化点が上述した範囲内であると、前述した本発明のワックスが画像形成時に画像表面に過多となることを抑制することができ、低温定着性と印刷物の耐摩耗性を両立させることが可能となる。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーの製造方法(粉砕法)の具体例を以下に記載するが、本発明はこれに限定される訳ではない。
例えば、結着樹脂及び離型剤、並びに必要に応じて、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、トナーを得る。更に、必要に応じて、該トナーにシリカ微粒子等をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、流動性向上剤が添加されたトナーとすることも出来る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
[トナーの測定方法]
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<1>磁性酸化鉄の形状と個数平均粒子径の測定
磁性酸化鉄の粒子形状、及び個数平均粒径は、「走査型電子顕微鏡S-4800」((株)日立ハイテクノロジーズ製)により観察・測定する。観察は以下の手順で行う。
まず、サンプル(磁性酸化鉄粒子)0.025gを秤量し、純水10gを加える。この溶液を超音波分散器で5分分散する。その後、この分散液をアルミホイルの上に広げ、水分を十分乾燥させる。乾燥後のサンプルをSEM台に採取して、観察を行う。
磁性酸化鉄の個数平均粒径は、電子顕微鏡写真(倍率40,000倍)から磁性酸化鉄粒子の縦横2辺の長さを測定し、2辺の長さの平均を粒径とする。視野を変えて写真を何枚か撮影して、球状磁性酸化鉄粒子と、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子の合計500個の磁性酸化鉄の平均粒径の算術平均として算出する。
この500個中に含まれる球状磁性酸化鉄粒子の平均粒径の算術平均を、球状磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径とする。
また、500個中に含まれる六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子の平均粒径の算術平均を、六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径とする。
ただし、いずれの粒子も合計個数が5個に満たない場合は、最低5個以上観察できるまで観察する。その場合は、最も少ない形状の粒子が5個以上カウントできた場合の総粒子個数を全体の個数として、磁性酸化鉄の個数平均粒径を算出する。
なお、磁性トナーに含まれる磁性酸化鉄は、テトラヒドロフラン溶液またはトルエン溶液に磁性トナーを加温等して溶解させた後、磁石を用いて上記の溶液から磁性酸化鉄のみを取り出すことにより得ることができる。
<2>酸化反応率
第1反応工程の第一鉄塩の酸化反応率は、反応溶液中のFe2+含有量を測定し、下記式によって算出することができる。
(A-B)÷A×100=酸化反応率(%)
上記式において、Aは、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液との混合直後の反応溶液中のFe2+含有量、Bは、水酸化第一鉄とマグネタイト粒子との混合物を含む第一鉄塩反応溶液中のFe2+含有量である。
<3>磁性酸化鉄粒子の内部Si量の定量方法
磁性酸化鉄粒子の内部Si量は、次のように測定する。磁性酸化鉄とイオン交換水を混合した後、分散させて懸濁液としたものを、水酸化アルカリ水溶液と混合して30分間以上撹拌した後、懸濁液を濾過、乾燥する。このサンプルを「蛍光X線分析装置RIX-2100」(理学電気工業株式会社製)にて測定し、磁性酸化鉄のSi量を内部Si量として、磁性酸化鉄に含まれるFeに対して元素換算で求めた値として算出する。
<4>磁性酸化鉄粒子の表面Si量及び表面Al量
まず、磁性酸化鉄中の全Si及びAl元素量を求める。磁性酸化鉄のSi量及びAl量は「蛍光X線分析装置RIX-2100」(理学電気工業株式会社製)にて測定し、磁性酸化鉄に含まれるFeに対して元素換算で求めた値として算出する。
次に、磁性酸化鉄粒子の表面Si量及び表面Al量は、磁性酸化鉄とイオン交換水を混合した後、分散させて懸濁液としたものを、水酸化アルカリ水溶液と混合して30分間以上撹拌した後、懸濁液を濾過、乾燥して得られた磁性酸化鉄のSi量及びAl量を測定し、前記アルカリによる処理前の全Si量及びAl量との差を以って磁性酸化鉄表面のSi量及びAl量とし、磁性酸化鉄に含まれるFeに対して元素換算で求めた値として算出する。
<5>磁気特性の測定方法
東英工業製振動試料型磁力計VSM-P7を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
<6>ワックスの酸価
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価はJIS K 0070-1992に準じ、以下のように測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。上記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウム溶液の量から求める。上記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(即ちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
<7>ワックスの吸熱ピークのピークトップ温度
示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30~180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30℃~180℃の範囲における温度―吸熱量曲線から、ワックスのピークトップ温度を算出する。
<8>トナーの軟化点
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度Tmである。
測定試料は、約1.3gのサンプルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<9>トナーの重量平均粒径(D4)測定
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。
本発明の磁性トナーに用いられる磁性酸化鉄は、以下のようにして製造した。
<磁性酸化鉄1の製造例>
(第1反応工程)
Fe2+1.5mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液16L(Fe2+24mol)と3.0Nの水酸化ナトリウム溶液15.2L(Fe2+に対し0.95当量に相当する。すなわち、2OH/Fe=0.95)を混合し、pH8.3に調整して第一鉄塩懸濁液を調製した。この際、ケイ素成分として、3号水ガラス(SiO2 28.8質量%)26.6g(Feに対してSi換算で0.50原子%に相当する。すなわち、Si/Fe(原子%)=0.50)を0.5Lのイオン交換水に希釈したものを、水酸化ナトリウムに添加した。上記第一鉄塩懸濁液を温度90℃において毎分70Lの空気を通気して、第一鉄塩の酸化反応率が12%になるところまで酸化反応を行い、マグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液を得た。
(第2反応工程)
上記マグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液に3.0Nの水酸化ナトリウム溶液を適量加えpH10.5に調整し、温度90℃において毎分70Lの空気を通気して磁性酸化鉄コア粒子前駆体1を得た。
(第3反応工程+コート処理)
磁性酸化鉄コア粒子前駆体1を含む懸濁液に、ケイ素成分として3号水ガラスを、アルミニウム成分として1.9mol/Lの硫酸アルミニウム溶液を、それぞれSi/Fe及びAl/Feが表1に示す値になるように適量加えた。さらに希硫酸を加えpH5.8、懸濁液の温度を90℃に調整して被覆層を形成し、磁性酸化鉄1を得た。
得られた磁性酸化鉄1をフィルタープレスで水洗した。水洗後の電気伝導度は40mSであった。さらに常法により、濾別、乾燥及び粉砕した。得られた磁性酸化鉄1は、粒子形状が球状の磁性酸化鉄粒子を8.0個数%、八面体状の磁性酸化鉄粒子を92.0個数%含み、個数平均粒子径が0.14μmであった。
表1、表2に磁性酸化鉄1の調整条件および組成を記す。
<磁性酸化鉄粒子2~6の製造例>
磁性酸化鉄1の製造例において、製造条件を表1の如く調整することで磁性酸化鉄粒子2~6を得た。得られた磁性酸化鉄粒子2~6の組成値を表2に示す。
Figure 0007642382000003
Figure 0007642382000004
<結着樹脂1の製造例>
結着樹脂1を製造する際に使用されるポリエステルユニットを構成するモノマーを以下に列挙する。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2mol付加物):80.0mol部
・エチレングリコール:20.0mol部
・テレフタル酸:100.0mol部
まず上記モノマーをポリエステルユニットを構成するモノマーの全量に対して95質量%、及び炭素数50の脂肪族モノアルコール(パラフィンワックスに水酸基を有する2級のモノアルコール、炭素数の平均値50)をポリエステルユニットを構成するモノマーの全量に対して5質量%となる成分100質量部を、チタンテトラブトキシド0.2質量部と共に5リットルオートクレーブに仕込んだ。そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。尚、反応を行う際は、所望の軟化点になるように反応時間を調整した。反応終了後、容器から樹脂を取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。
<結着樹脂2の製造例>
結着樹脂2を製造する際に使用されるポリエステルユニットを構成するモノマーを以下に列挙する。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2mol付加物):80.0mol部
・エチレングリコール:20.0mol部
・テレフタル酸:100.0mol部
上記モノマー100質量部をチタンテトラブトキシド0.2質量部と共に5リットルオートクレーブに仕込んだ。そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。尚、反応を行う際は、所望の軟化点になるように反応時間を調整した。反応終了後、容器から樹脂を取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂2を得た。
<結着樹脂3の製造例>
結着樹脂3を製造する際に使用されるポリエステルユニットを構成するモノマーを以下に列挙する。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2mol付加物):100mol部
・テレフタル酸:100.0mol部
上記モノマー100質量部をチタンテトラブトキシド0.2質量部と共に5リットルオートクレーブに仕込んだ。そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。尚、反応を行う際は、所望の軟化点になるように反応時間を調整した。反応終了後、容器から樹脂を取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂3を得た。
<酸価を有するワックス1の製造例>
・脂肪族炭化水素系ワックス:100mol部
・ホウ酸と無水ホウ酸混合物(ホウ酸mol部/無水ホウ酸mol部=1.5)
:2mol部
脂肪族炭化水素ワックス(最大吸熱ピーク温度125.1℃)を容器温度200℃にして溶融させ、ホウ酸と無水ホウ酸混合物を添加して、酸素濃度5体積%のO2/N2ガス中でワックスの酸化処理を行った。所望の酸価が得られるように酸化処理時間を調整した。酸化処理終了後、水を加えた後に精製を行って酸価を有するワックス1、2、3を得た。其々の酸価および示差走査熱量計(DSC)により測定される最大吸熱ピーク温度は以下のようであった。
ワックス1:30mgKOH/g、123.9℃
ワックス2:48mgKOH/g、122.3℃
ワックス3:6mgKOH/g、125.2℃
〔実施例1〕
(トナーNo.1の製造例)
トナーNo.1の製造の際に用いられる材料を以下に示す。尚、表3に、用いられた結着樹脂と磁性酸化鉄粒子との組合せと質量部、トナーの軟化点を示す。
・結着樹脂1:46.0質量部
・ワックス1:4.0質量部
・磁性酸化鉄粒子1:50.0質量部
まず上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が140℃になるように滞留時間をコントロールした。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)を用いて分級し、重量平均粒径(D4)が7.3μmのトナーを得た。該トナー100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g、疎水化処理としてヘキサメチルジシラザン処理)2.0質量部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナーNo.1を得た。
トナーNo.1について、下記の様な評価を行った。評価結果を表4に示す。
[低温定着性の評価]
本評価には、市販のデジタル複写機(image press 1135 キヤノン株式会社製)の定着器を外部に取り出し、定着ローラー温度を任意に設定可能とし、プロセススピードを1000mm/sに改造した評価機を用いた。常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行った。評価紙は80g/m2紙(OCE BLACK LABEL、A4)を用いた。画像濃度が1.2になるようにimage press 1135の現像バイアスを設定してベタ黒未定着画像を9枚出力させた。次いで、定着器の温調を80℃から120℃まで5℃おきに変えて各温度で1枚づつ通紙した。定着させた画像を45mm×210mm幅となるように切り出し、長辺の中心から画像部が内側になるように二つ折りした状態とし150g/cm2の荷重をかけた。折り曲げ箇所をハケで擦った後の濃度を測定して、折り曲げ前の濃度と比較した。画像濃度は、X-Riteカラー反射濃度計(X-rite社製、X-rite 500Series)を用いて測定した。折り曲げ後の濃度を折り曲げ前の濃度で除した値を各定着温度に対してプロットして近似曲線を作成し、折り曲げ後の濃度を折り曲げ前の濃度で除した値が0.95以上となる温度を定着可能温度とした。
(評価基準)
A:定着可能温度が95℃未満である。
B:定着開始温度が95℃以上100℃未満である。
C:定着開始温度が100℃以上105℃未満である。
D:定着開始温度が105℃以上110℃未満である。
E:定着開始温度が110℃以上である。
[印刷画像の耐摩耗性の評価]
本評価には、市販のデジタル複写機(image press 1135 キヤノン株式会社製)のプロセススピードを1000mm/sに、定着温調を120℃に改造した評価機を用いた。評価紙は80g/m2紙(OCE BLACK LABEL、A4)を用いた。画像濃度が1.0になるように現像バイアスを設定してベタ黒画像を出力させた。新東科学株式会社の摩擦摩耗試験機トライボギアTYPE40を用いて、出力した画像を未使用の評価紙で荷重をかけながら摺擦し、擦り紙に付着したトナー量を評価した。摺擦条件は以下のようにした。
錘:500g
擦り紙との接触領域:2mm×20mm
摺擦速度:1000mm/分
摺擦距離:40mm
擦り紙の付着トナー量の評価は以下のように行った。光学顕微鏡像を用いて、摺擦領域すべてが含まれるように100倍率の写真を複数枚撮影した。撮影した画像を画像処理により2値化して付着部の面積率を算出した。撮影した写真すべての付着部面積率の平均値をトナー付着量とした。
(評価基準)
A:付着面積率が1.5%未満である。
B:付着面積率が1.5%以上2.5%未満である。
C:付着面積率が2.5%以上3.5%未満である。
D:付着面積率が3.5%以上4.0%未満である。
E:付着面積率が4.0%以上である。
[部材汚染性の評価]
本評価には、市販のデジタル複写機(image press 1135 キヤノン株式会社製)のプロセススピードを1000mm/sに、定着温調を120℃に、定着ローラーのクリーニング機構を取り外して改造した評価機を用いた。評価紙は80g/m2紙(OCE BLACK LABEL、A4)を用いた。画像濃度が1.0になるように現像バイアスを設定して、A4紙の短軸方向に幅45mmのパターンを出力させ、高温高湿(30℃、80%RH)環境下に於いて5000枚の画像を出力させた。その後に、定着ローラーを取り外して、画像パターンに対応した定着ローラー上のワックス付着量を、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いて評価した。評価方法の詳細を以下に記した。
フーリエ変換赤外分光分析装置:Spectrum One:PerkinElmer社製)
測定モード:ATR法
赤外光(λ=5μm)の入射角:45°
ATR結晶:Ge(屈折率:4.0)
測定範囲:4000cm-1から600cm-1
取得波長幅:4.00cm-1
積算回数:16
上記条件により取得した赤外線吸収スペクトルをAutomatic Correctionでベースライン補正を行う。炭化水素ワックスのメチレン由来の吸収ピークである2800cm-1~2900cm-1の範囲のピーク強度の最大値を算出する(Wp)。定着ローラー表層部材由来のピークである1100cm-1と1250cm-1の吸収強度の平均値を算出する(Bp)。Wp/Bpの値をワックス付着量とした。
(評価基準)
A:Wp/Bpが0.01%未満である。
B:Wp/Bpが0.01%以上0.02%未満である。
C:Wp/Bpが0.02%以上0.04%未満である。
D:Wp/Bpが0.04%以上0.08%未満である。
E:Wp/Bpが0.08%以上
[ドット再現性の評価]
本評価には、市販のデジタル複写機(image RUNNER ADVANCE 8105 PRO キヤノン株式会社製)のプロセススピードを600mm/sに改造した評価機を用いた。各磁性トナーを用いて、高温高湿(30℃、80%RH)環境下に於いて10万枚耐久後、ハーフトーン(30H)画像を形成し、この画像のガサツキについて以下の基準に基づき評価した。用紙はCS-068 A4紙(坪量68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を使用した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白(非画像)とし、FFHをベタ黒(全面画像)とするときのハーフトーン画像である。画像はデジタルマイクロスコープVHX-500(レンズワイドレンジズームレンズVH-Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
(評価基準)
A:Iが2.0未満
B:Iが2.0以上4.0未満
C:Iが4.0以上6.0未満
D:Iが6.0以上8.0未満
E:Iが8.0以上
[ハーフトーンムラの評価]
本評価には、市販のデジタル複写機(image RUNNER ADVANCE 8105 PRO キヤノン株式会社製)のプロセススピードを600mm/sに改造した評価機を用いた。ハーフトーンムラの評価は、低温低湿(5℃、5%RH)環境下において、600dpiの解像度で2ドット3スペースのハーフトーン画像を出力し、得られた画像についてハーフトーン画質(現像の濃淡ムラ)を目視で評価した。
評価紙はCS-520(坪量52.0g/m2紙、A4、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用い、該評価紙を高温高湿環境下に48時間以上放置して十分に吸湿させた状態で使用した。
(評価基準)
A:濃淡ムラは感じられない。
B:濃淡ムラがわずかにみられるが、ほぼ気にならない。
C:濃淡ムラが若干みられる。
D:濃淡ムラが確認できる。
E:濃淡ムラが非常に目立つ。
〔実施例2~10〕
表3に記載の様に処方を変更し、それ以外は実施例1と同様にして、重量平均粒径(D4)が7.3μmのトナーNo.2~10を作製した。そして、トナーNo.2~10を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表4に示した。
Figure 0007642382000005
Figure 0007642382000006
〔比較例1~3〕
表5に記載の様に処方を変更し、それ以外は実施例1と同様にして、重量平均粒径(D4)が7.3μmのトナーNo.11~13を作製した。トナーNo.12のワックス4には、酸価を有していないフィッシャートロプッシュワックス(サゾール社製C105:吸熱ピークトップ温度104.8℃)を用いた。そして、トナーNo.11~13を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表6に示した。
Figure 0007642382000007
Figure 0007642382000008

Claims (4)

  1. 結着樹脂、炭化水素ワックス、磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーであって、
    該磁性酸化鉄粒子の該トナー中における含有量が30質量%以上70質量%以下であり、
    該磁性酸化鉄粒子は、ケイ素およびアルミニウムを含む被覆層を有し、
    該磁性酸化鉄粒子は、
    (i)球状磁性酸化鉄粒子と、
    (ii)六面体状磁性酸化鉄粒子または八面体状磁性酸化鉄粒子
    とを含有し、
    該炭化水素ワックスは、カルボキシル基を有し、酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 該磁性酸化鉄粒子中の該球状磁性酸化鉄粒子の割合が、1.0個数%以上30.0個数%以下である請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径が0.10μm以上0.30μm以下である請求項1または2に記載の磁性トナー。
  4. 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂はアルコール成分としてエチレングリコールを含み、炭素数30以上102以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールから選択される少なくとも一種の脂肪族化合物が縮合されており、該脂肪族化合物は、該ポリエステル樹脂を構成するモノマーの全量に対して0.10質量%以上10質量%以下含有される請求項1から3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
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