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JP7643311B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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JP7643311B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両の車線逸脱防止装置に係る。
車線逸脱防止装置は、車両位置検出装置により車線に対する車両の位置を検出し、検出された車両の位置に基づいて車両が車線から逸脱する虞があると判定したときには、転舵輪の自動転舵及び警報の発出の少なくとも一方の車線逸脱予防制御を実行する。
車両が走行している際に、ドライバーが手放し運転をすることがある。ドライバーが手放し運転をしているときには、車両が車線から逸脱する虞が高くなると共に、ドライバーが車線逸脱を防止するための操舵操作をするまでに要する時間が長くなる。よって、ドライバーが手放しをしているときには、ドライバーが手放しをしていないときに比して、車線逸脱予防制御が早期に開始されることが好ましい。
例えば、下記の特許文献1には、手放しの継続時間に基づいて、ドライバーがステアリングホイールを把持する運転に戻るまでの復帰時間を推定し、推定された復帰時間が長いほど早くなるように、復帰時間に基づいて警報のタイミングを決定する車線逸脱防止装置が記載されている。この種の車線逸脱防止装置よれば、手放しの継続時間に基づく復帰時間に基づいて警報のタイミングが決定されない場合に比して、手放しの継続時間が長い状況における警報のタイミングを早くし、車線逸脱の防止効果を向上させることができる。
特開2016-193683号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
車両が走行している際に、ドライバーが運転の疲労などに起因して低覚醒状態になることがある。ドライバーが低覚醒状態になって手放し運転をすると、ドライバーが覚醒した状態にて手放し運転をする場合に比して、ドライバーが車線逸脱を防止するための操舵操作をするまでに要する時間が長くなる。
しかるに、上記特許文献1に記載された車線逸脱防止装置のような従来の車線逸脱防止装置においては、ドライバーの覚醒状態は考慮されないため、ドライバーが低覚醒状態になって手放し運転をする状況において、警報のタイミングを早くすることができず、車線逸脱の防止効果を向上させることができない。
本発明の主要な課題は、ドライバーが低覚醒状態になって手放し運転をする状況においても、車線逸脱予防制御の開始を早くし、車線逸脱の防止効果を向上させることができるよう改良された車線逸脱防止装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車線(54)に対する車両(50)の位置を検出する車両位置検出装置(車外撮影カメラセンサ11)と、操舵入力装置(ステアリングホイール28)に対するドライバーの把持状況を検出する把持状況検出装置(トルクセンサ32)と、車両位置検出装置により検出された車両の位置に基づいて車両が車線から逸脱する虞があると判定したときには(S80)、転舵輪(24)の自動転舵及び警報の発出の少なくとも一方の車線逸脱予防制御を実行する(S90)よう構成された制御ユニット(LDA・ECU10)と、を含み、制御ユニットは、把持状況検出装置により検出された把持状況に基づいてドライバーが手放しをしていると判定したときには(S50)、ドライバーが手放しをしていないと判定したときに比して、車線逸脱予防制御を早期に実行する(S70)よう構成された車線逸脱防止装置(100)が提供される。
制御ユニットは、把持状況検出装置(トルクセンサ32)により検出された操舵トルク(Ts)の絶対値が基準トルク(Tsc)未満である時間(Tn)が基準時間(Tnc)を越えていると判定したときに(S51、S54)、ドライバーが手放しをしていると判定する(S56)よう構成される。車線逸脱防止装置(100)は、更に、ドライバーの覚醒状態を検出する覚醒状態検出装置(車内撮影カメラセンサ13)を含み、制御ユニットは、車速(V)が高いほど基準トルク及び基準時間が小さくなるよう、車速に応じて基準トルク及び基準時間を可変設定し(S30、S40)、覚醒状態検出装置により検出されたドライバーの覚醒状態に基づいてドライバーが覚醒していないと判定したときには(S20)、基準トルクを大きくし且つ基準時間を小さくしてドライバーの手放しを判定するための条件を緩和することにより、ドライバーが手放しをしていると判定し易くする(S40)よう構成される。
上記の構成によれば、ドライバーが手放しをしていると判定されたときには、ドライバーが手放しをしていないと判定されたときに比して、車線逸脱予防制が早期に実行れる。更に、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、ライバーの手放しを判定するための条件緩和される。よって、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、ドライバーが手放しをしていると判定し易くされる。
よって、ドライバーが覚醒していないときには、ドライバーが手放しをしていると判定され易くなるので、ドライバーが覚醒していないときには、ドライバーが覚醒しているときに比して早期にドライバーが手放しをしていると判定される。従って、ドライバーが覚醒しておらず且つドライバーが手放しをしているときには、ドライバーが覚醒しているか否かが考慮されない場合に比して、早期に車線逸脱予防制御を開始し、車両が車線から逸脱する虞を効果的に低減することができる。
特に、上記の構成によれば、操舵トルクの絶対値が基準トルク未満である時間が基準時間を越えていると判定されたときに、ドライバーが手放しをしていると判定される。更に、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、基準トルクが大きくされ且つ基準時間が小さくされる。よって、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、ドライバーの手放しを判定するための条件を確実に緩和することができる。
更に、上記の構成によれば、基準トルク及び基準時間は、車速が高いほど小さくなるよう車速に応じて可変設定される。よって、基準トルク及び基準時間が車速に関係なく一定である場合に比して、ドライバーが手放しをしているか否かの判定を適正に行うことができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いられる名称及び/又は符号が括弧書きで添えられている。しかし、本発明の各構成要素は、括弧書きで添えられた名称及び/又は符号に対応する実施形態の構成要素に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明による車線逸脱防止装置の実施形態を示す概略構成図である。 実施形態における車線逸脱防止制御ルーチンを示すフローチャートである。 図2に示されたフローチャートのステップS50において実行されるドライバーの手放し判定ルーチンを示すフローチャートである。 車両が車線の長手方向に対し傾斜して走行する状況を示す図である。 車速Vに基づいて操舵トルクTsの基準値Tscの標準値Tscn及び緩和値Tschを演算するためのマップである。 車速Vに基づいて経過時間についての基準値Tncの標準値Tncn及び緩和値Tncrを演算するためのマップである。 基準値Tncが緩和値Tncrである場合には、基準値Tncが標準値Tncnである場合よりも、早期に手放しと判定されることを説明するための図である。 基準値Dycが緩和値Dychである場合には、基準値Dycが標準値Dycnである場合よりも、早期に車線逸脱予防制御が開始されることを説明するための図である。
以下に添付の図を参照して、本発明の実施形態にかかる車線逸脱防止装置について詳細に説明する。
<構成>
図1に示されているように、実施形態にかかる車線逸脱防止装置100は、車両50に適用され、車線逸脱防止ECU10及び電動パワーステアリングECU20を備えている。本明細書においては、車線逸脱防止は必要に応じてLDA(Lane Departure Alert with Controlの略)と呼称され、電動パワーステアリングは必要に応じてEPS(Electric Power Steeringの略)と呼称される。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電子制御装置(Electronic Control Unit)であり、CAN(Controller Area Network)52を介して相互に情報を送受信可能に接続されている。各マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェースなどを含んでいる。CPUは、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。これらのECUは、一つのECUに統合されてもよい。
後に詳細に説明するように、LDA・ECU10のROMは、図2及び図3に示されたフローチャートに対応する車線逸脱防止制御のプログラムを記憶しており、CPUは、該プログラムに従って車線逸脱防止制御を実行する。
LDA・ECU10には、車外撮影カメラセンサ11、レーダーセンサ12、車内撮影カメラセンサ13、車速センサ14、LDAスイッチ15及び警報装置16が接続されている。
車外撮影カメラセンサ11は、カメラ部と、カメラ部によって撮影して得られた画像データを解析して道路の白線や障害物を認識する認識部とを備えている。カメラセンサ11(カメラ部)は、車両50の前方の風景を撮影する。カメラセンサ11(認識部)は、認識した白線や障害物に関する情報を所定の演算周期が経過する毎に繰り返しLDA・ECU10に供給する。
図4に示されているように、カメラセンサ11は、車線54の境界(車線境界という)である白線56L及び56Rを認識すると共に、白線と車両50の位置との関係に基づいて、車線54に対する車両の相対的な位置関係を検出することができるようになっている。ここで、車両50の位置とは、車両の重心50Aの位置であるが、車両の平面視における中心位置であってもよい。後述する車両の横位置とは、車両の重心位置の車線幅方向における位置を表し、車両の横速度は、車両の重心位置の車線幅方向における速度を表す。これらは、カメラセンサ11によって検出される白線と車両との相対的な位置関係に基づいて求められる。
レーダーセンサ12は、レーダ送受信部及び信号処理部(図示せず)を備えており、レーダ送受信部が、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する)を放射し、放射範囲内に存在する立体物(例えば、他車両、自転車、ガードレール、路側の構造物など)によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間などに基づいて、自車両と立体物との距離、自車両と立体物との相対速度、自車両に対する立体物の相対位置(方向)などを表す情報(以下、周辺情報と呼ぶ)を所定時間の経過毎に取得してLDA・ECU10に供給する。
車内撮影カメラセンサ13は、運転席の前方に設置され、ドライバーの顔面を撮像する。カメラセンサ13は、ドライバーを複数の方向から撮像し得るよう、複数個設けられていてもよい。カメラ部と、カメラ部によって撮影して得られた顔の画像の認識処理により、ドライバーの開眼度、視線の方向、瞬きの早さなどを判定する判定部とを備えている。 画像の認識処理は、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシンなど、公知のパターン認識手法であってよい。本実施形態では、判定部は、ドライバーの開眼度が大きいほど、視線の方向の移動速度が早いほど、及び瞬きが早いほど、ドライバーの覚醒度が高いと判定する。カメラセンサ13は、後述のようにドライバーの覚醒状態を検出する覚醒状態検出装置として機能する。
車速センサ14は、車両50の車速Vを検出し、車速Vを示す信号を所定の制御周期にて繰り返しLDA・ECU10に供給する。LDAスイッチ15は、ドライバーにより操作され、オンであるか否かを示す信号をLDA・ECU10に供給する。LDAスイッチ15がオンであることは、図2に示されたフローチャートに従って車線逸脱防止制御が実行されることを意味する。
警報装置16は、LDA・ECU10により車両50が車線54から逸脱する虞があると判定されたときに作動され、車線逸脱予防制御の一つとしての警報の発出、即ち車両50が車線から逸脱する虞がある旨の警報の発出を行う。警報装置16は、警報ランプのような視覚警報を発する警報装置、警報ブザーのような聴覚警報を発する警報装置、シートの振動のような体感警報を発する警報装置の何れであってもよく、それらの任意の組合せであってもよい。
EPS・ECU20は、EPS装置22を制御することにより、転舵輪24を必要に応じて転舵することができる。よって、EPS・ECU20及びEPS装置22は、必要に応じて転舵輪24を自動的に転舵する転舵装置26を構成している。EPS・ECU20は、LDA・ECU10により車両50が車線から逸脱する虞があると判定されたときには、他の一つの車線逸脱予防制御として、車両が車線から逸脱することを予防するための転舵輪24の自動転舵を行う。
図1に示されているように、ドライバーにより操作されるステアリングホイール28が一体的に連結されたステアリングシャフト30には、操舵トルクTsを検出するトルクセンサ32及び操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられている。トルクセンサ32により検出された操舵トルクTsを示す信号及び操舵角センサ34により検出された操舵操舵角θを示す信号は、EPS・ECU20へ入力される。ステアリングホイール28は操舵入力装置であり、トルクセンサ32は後述のようにステアリングホイール28に対するドライバーの把持状況を検出する把持状況検出装置として機能する。なお、本実施形態においては、操舵トルクTs及び操舵角θは、車両50の左旋回時に正の値になり、車両の右旋回時に負の値になる。
EPS・ECU22は、操舵トルクTs及び車速センサ14により検出された車速Vに基づいて、当技術分野において公知の要領にてEPS装置22を制御することにより、操舵アシストトルクを制御し、ドライバーの操舵負担を軽減する。操舵トルクTsを示す信号は、EPS・ECU20からCAN52を介してLDA・ECU10へ入力される。
<車線逸脱防止制御ルーチン>
次に、図2に示されたフローチャートを参照して実施形態における車線逸脱防止制御ルーチンについて説明する。図2に示されたフローチャートによる車線逸脱防止制御は、LDAスイッチ15がオンであるときに、所定の制御周期にて繰返しLDA・ECU10のCPUにより実行される。なお、以下の説明においては、車線逸脱防止制御を単に「制御」と指称する。
まず、ステップS10においては、CPUは、車外撮影カメラセンサ11により検出された車線54に対する車両50の相対的な位置関係に基づいて、車両が車線から逸脱する可能性があるか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには制御をステップS20へ進める。
この場合、車両50が車線から逸脱する可能性があるか否かの判定は、例えば以下の要領にて行われてよい。まず、図4に示されているように、車両50の前方の画像情報に基づいて、車線54の長手方向60に対し車両の進行方向62がなす角度(傾斜角)θyが推定される。車線54の長手方向60に対し垂直な方向への車両50の移動速度Vyが、角度θy及び車速Vに基づいてVsinθyとして推定される。なお、角度θyは、白線56L及び56Rに対する傾斜角と同一であるので、車両50の斜行角度でもある。
また、車両50が接近する側の白線56L(車線境界)と車両の重心50Aとの間の車線幅方向の距離Dy(図示せず)が推定される。更に、Δtを予め設定された時間として、判定距離ΔDy(=Dy-VyΔt)が予め設定された基準値Dycp(正の定数)以下であるときに、車両50が車線から逸脱する可能性があると判定される。
ステップS20においては、CPUは、車内撮影カメラ13により判定されたドライバーの覚醒度が基準値以上であるか否かの判定、即ちドライバーは覚醒しているか否かの判定を行う。CPUは、肯定判定をしたときには制御をステップS30へ進め、否定判定をしたときには、即ちドライバーは覚醒していないと判定したときには、制御をステップS40へ進める。
ステップS30においては、CPUは、車速Vに基づいて図5及び図6において実線にて示されたマップを参照することにより、後述のステップS50において行われる手放し判定の基準値Tsc及びTncをそれぞれ標準値Tscn及びTncnに設定する。
ステップS40においては、CPUは、車速Vに基づいて図5及び図6において破線にて示されたマップを参照することにより、後述のステップS50において行われる手放し判定の基準値Tscを標準値Tscnよりも大きい緩和値Tschに設定すると共に、基準値Tncを標準値Tncnよりも小さい緩和値Tncrに設定する。
なお、標準値Tscn及び緩和値Tschは、正の定数であってもよい。しかし、転舵輪が運転者の操舵操作によって転舵されるときの操舵抵抗は、車速Vが高いほど小さくなる。よって、図5に示されているように、標準値Tscn及び緩和値Tschは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。
また、標準値Tncn及び緩和値Tncrは、正の定数であってもよい。しかし、ドライバーが手放しをしていることに起因して車両50が車線から逸脱する虞は、車速Vが高いほど早期に高くなるので、車速Vが高いほど早期にドライバーの手放しが検出されることが好ましい。よって、図6に示されているように、標準値Tncn及び緩和値Tncrは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。
ステップS50においては、CPUは、図3に示されたフローチャートによる手放し判定ルーチンに従って、ドライバーが手放しをしているか否かの判定を行う。CPUは、肯定判定をしたときには、制御をステップS70へ進め、否定判定をしたときには、制御をステップS60へ進める。
ステップS60においては、CPUは、後述のステップS80において行われる車線逸脱の虞判定の基準値Dycを標準値Dycnに設定する。なお、標準値Dycnは、上記ステップS10における基準値Dycpよりも小さい正の定数である。
ステップS70においては、CPUは、後述のステップS80において行われる車線逸脱の虞判定の基準値Dycを、標準値Dycnよりも大きく基準値Dycpよりも小さい正の定数である緩和値Dychに設定する。
ステップS80においては、CPUは、判定距離ΔDy(=Dy-VyΔt)が、基準値Dyc以下であるか否かの判定により、車両50が車線から逸脱する虞があるか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには制御をステップS90へ進める。なお、CPUは、後述の車線逸脱予防制御を実行している状況において否定判定をしたときには、車線逸脱予防制御を終了する。
ステップS90においては、CPUは、車線逸脱予防制御を実行する。即ち、CPUは、警報装置16を作動させることにより、車両50が車線から逸脱する虞がある旨の警報を発出する。また、CPUは、EPS・ECU22へ自動転舵の指令信号を出力することにより、車両50が車線から逸脱しないよう、EPS装置22によって転舵輪24を自動的に転舵する。
<手放し判定ルーチン>
次に、図3に示されたフローチャートを参照して実施形態における手放し判定ルーチンについて説明する。
ステップS51においては、CPUは、操舵トルクTsの絶対値がステップS30又はS40において設定された基準値Tsc未満であるか否かの判定を行う。CPUは、否定判定をしたときには、ステップS51において手放し継続時間Tnを0にリセットする。これに対し、CPUは、肯定判定をしたときには、手放し継続時間Tnの前回値をTnfとし、図2に示された手放し判定ルーチンのサイクルタイムをΔTとして、ステップS52において手放し継続時間TnをTnf+ΔTにインクリメントする。
ステップS54においては、CPUは、手放し継続時間TnがステップS30又はS40において設定された基準値Tncを越えているか否かの判定を行う。CPUは、否定判定をしたときには、ステップS55においてドライバーは手放しをしていないと判定し、肯定判定をしたときには、ステップS56においてドライバーは手放しをしていると判定する。
<実施形態の作動>
車両が車線から逸脱する可能性があり、ステップS10において肯定判定が行なわれる場合であって、ドライバーの覚醒度及びドライバーの手放しの有無が異なる種々の場合について、実施形態の作動を説明する。
<C1.ドライバーは覚醒し、手放しをしていない場合>
ステップS20において、肯定判定が行われるので、ステップS30において、手放し判定の基準値Tsc及びTncがそれぞれ標準値Tscn及びTncnに設定される。ステップS50において、否定判定が行われるので、ステップS60において、車線逸脱の虞判定の基準値Dycが標準値Dycnに設定される。なお、ステップS80において、判定距離ΔDyが基準値Dyc(=Dycn)以下であると判定されれば、ステップS90において、車線逸脱予防制御が実行される。
<C2.ドライバーは覚醒しているが、手放しをしている場合>
上記C1の場合と同様に、ステップS20において、肯定判定が行われるので、ステップS30において、手放し判定の基準値Tsc及びTncがそれぞれ標準値Tscn及びTncnに設定される。しかし、ステップS50において、肯定判定が行われるので、ステップS70において、車線逸脱の虞判定の基準値Dycが標準値Dycnよりも大きい正の定数である緩和値Dychに設定される。よって、判定距離ΔDyが基準値Dyc(=Dych)以下であると判定され易くなるので、上記C1の場合に比して早期に、ステップS90において、車線逸脱予防制御が開始される。
<C3.ドライバーは覚醒しておらず、手放しをしていない場合>
ステップS20において、否定判定が行われ、ステップS40において、手放し判定の基準値Tscが標準値Tscnよりも大きい緩和値Tschに設定されると共に、基準値Tncが標準値Tncnよりも小さい緩和値Tncrに設定される。よって、ステップS51及びS54において、肯定判定が行われ易くなるが、ステップS50において、ドライバーは手放しをしていないと判定される。
上記C1の場合と同様に、ステップS60において、車線逸脱の虞判定の基準値Dycは標準値Dycnに設定される。なお、ステップS80において、判定距離ΔDyが基準値Dyc(=Dycn)以下であると判定されれば、ステップS90において、車線逸脱予防制御が実行される。
<C4.ドライバーは覚醒しておらず、手放しをしている場合>
上記C3の場合と同様に、ステップS20において、否定判定が行われ、ステップS40において、手放し判定の基準値Tscが標準値Tscnよりも大きい緩和値Tschに設定されると共に、基準値Tncが標準値Tncnよりも小さい緩和値Tncrに設定される。よって、ステップS51及びS54において、肯定判定が行われ易くなるので、上記C1の場合に比して早期に、ステップS50において、ドライバーが手放しをしていると判定される。
更に、ステップS70において、車線逸脱の虞判定の基準値Dycが標準値Dycnよりも大きい正の定数である緩和値Dychに設定される。よって、判定距離ΔDyが基準値Dyc(=Dych)以下であると判定され易くなるので、上記C1乃至C3の場合に比して早期に車線逸脱予防制御が開始される。
図7は、手放し継続時間Tnが継続的に増大し、基準値Tncとしての緩和値Tncr及び標準値Tncnよりも順次大きくなる状況を示している。基準値Tncが標準値Tncnである場合には、手放し継続時間Tnが標準値Tncnを越える時点t2において、ステップS54の判定が肯定判定になり、ドライバーが手放しをしていると判定される。
これに対し、基準値Tncが緩和値Tncrである場合には、手放し継続時間Tnが緩和値Tncrを越える時点t1において、ステップS54の判定が肯定判定になり、ドライバーが手放しをしていると判定される。緩和値Tncrは標準値Tncnよりも小さいので、時点t1は時点t2よりも早い時点である。即ち、基準値Tncが緩和値Tncrである場合には、基準値Tncが標準値Tncnである場合よりも、早期に手放しをしていると判定することができる。
図8は、判定距離Dyが継続的に減少し、基準値Dycp、緩和値Dych及び標準値Dycnよりも順次小さくなる状況を示している。判定距離Dyが基準値Dycpよりも小さくなった時点t3よりも後の基準値Dycが緩和値Dychである場合には、判定距離Dyが緩和値Dych以下になった時点t4において、ステップS80の判定が肯定判定になり、車線逸脱予防制御が開始される。
これに対し、基準値Dycが標準値Dycnである場合には、基準値Dycが標準値Dycn以下になった時点t5において、ステップS80の判定が肯定判定になり、車線逸脱予防制御が開始される。緩和値Dychは標準値Dycnよりも大きいので、時点t4は時点t5よりも早い時点である。即ち、基準値Dycが緩和値Dychである場合には、基準値Dycが標準値Dycnである場合よりも、早期に車線逸脱予防制御を開始させることができる。
以上の説明から解るように、ドライバーが手放しをしていると判定されたときには(S50)、ドライバーが手放しをしていないと判定されたときに比して、車線逸脱の虞判定の条件が緩和されることにより(S70)、車線逸脱予防制御が早期に実行される(S80、S90)。更に、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには(S20)、ドライバーの手放しを判定するための条件が緩和されることにより(S40)、ドライバーが手放しをしていると判定し易くされる。
よって、ドライバーが覚醒していないときには、ドライバーが手放しをしていると判定され易くなるので、ドライバーが覚醒していないときには、ドライバーが覚醒しているときに比して早期にドライバーが手放しをしていると判定される。従って、ドライバーが覚醒しておらず且つドライバーが手放しをしているときには、ドライバーが覚醒しているか否かが考慮されない場合に比して、早期に車線逸脱予防制御を開始し、車両50が車線から逸脱する虞を効果的に低減することができる。
特に、実施形態によれば、図5に示されているように、標準値Tscn及び緩和値Tschは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。従って、標準値Tscn及び緩和値Tschが車速に関係なく一定である場合に比して、ドライバーが手放しをしているか否かの判定を適正に行うことができる。
また、実施形態によれば、図6に示されているように、標準値Tncn及び緩和値Tncrは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。従って、標準値Tncn及び緩和値Tncrが車速に関係なく一定である場合に比して、ドライバーが手放しをしているか否かの判定を適正に行うことができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態においては、車線逸脱予防制御として、警報装置16の作動による警報の発出及びEPS装置22による転舵輪24の自動転舵が行なわれる。しかし、警報の発出及び転舵輪24の自動転舵の一方が省略されてもよい。
また、上述の実施形態においては、ステップS80において肯定判定が行なわれると、警報の発出及び転舵輪24の自動転舵が同時に開始される。しかし、判定距離ΔDyが警報の基準値以下であると判定されると、警報の発出が開始され、判定距離ΔDyが警報の基準値よりも小さい自動転舵の基準値以下であると判定されると、転舵輪24の自動転舵が開始されるよう修正されてもよい。
また、上述の実施形態においては、標準値Tscn及び緩和値Tschは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。しかし、標準値Tscn及び緩和値Tschの少なくとも一方が車速に関係なく一定であってもよい。
また、上述の実施形態においては、標準値Tncn及び緩和値Tncrは、車速Vが高いほど小さくなるよう、車速に応じて可変設定される。しかし、標準値Tncn及び緩和値Tncrの少なくとも一方が車速に関係なく一定であってもよい。
また、上述の実施形態においては、ステップS50において実行されるドライバーが手放しをしているか否かの判定は、操舵トルクTsの絶対値が基準値Tsc未満である状況の継続時間Tnに基づいて行われる。しかし、ドライバーが手放しをしているか否かの判定は、所定の時間に亘る操舵トルクTsの絶対値の移動平均値が基準値未満であるか否かの判定により行われてもよい。その場合、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、ドライバーが手放しをしていると判定され易くなるよう、所定の時間が短くされること及び基準値が大きくされることの少なくとも一方により、ドライバーが手放しをしているか否かの判定の条件が緩和されてよい。
更に、ドライバーによるステアリングホイール28のグリップ力がグリップセンサにより検出され、ドライバーが手放しをしているか否かの判定は、所定の時間に亘るグリップ力の移動平均値が基準値未満であるか否かの判定により行われてもよい。その場合、ドライバーが覚醒していないと判定されたときには、ドライバーが手放しをしていると判定され易くなるよう、所定の時間が短くされること及び基準値が大きくされることの少なくとも一方により、ドライバーが手放しをしているか否かの判定の条件が緩和されてよい。
10…車線逸脱防止ECU(LDA・ECU)、11…車外撮影カメラセンサ、12…レーダーセンサ、13…車内撮影カメラセンサ、14…車速センサ、16…警報装置、20…電動パワーステアリングECU(EPS・ECU)、22…EPS装置、24…転舵輪、28…ステアリングホイール、32…トルクセンサ、34…操舵角センサ、50…車両、54…車線、56L,56R…白線、100…車線逸脱防止装置

Claims (1)

  1. 車線に対する車両の位置を検出する車両位置検出装置と、操舵入力装置に対するドライバーの把持状況を検出する把持状況検出装置と、前記車両位置検出装置により検出された前記車両の位置に基づいて前記車両が車線から逸脱する虞があると判定したときには、転舵輪の自動転舵及び警報の発出の少なくとも一方の車線逸脱予防制御を実行するよう構成された制御ユニットと、を含み、前記制御ユニットは、前記把持状況検出装置により検出された把持状況に基づいてドライバーが手放しをしていると判定したときには、ドライバーが手放しをしていないと判定したときに比して、前記車線逸脱予防制御を早期に実行するよう構成された車線逸脱防止装置において、
    前記制御ユニットは、前記把持状況検出装置により検出された操舵トルクの絶対値が基準トルク未満である時間が基準時間を越えていると判定したときに、ドライバーが手放しをしていると判定するよう構成され、
    前記車線逸脱防止装置は、更にドライバーの覚醒状態を検出する覚醒状態検出装置を含み、前記制御ユニットは、車速が高いほど前記基準トルク及び前記基準時間が小さくなるよう、車速に応じて前記基準トルク及び前記基準時間を可変設定し、前記覚醒状態検出装置により検出されたドライバーの覚醒状態に基づいてドライバーが覚醒していないと判定したときには、前記基準トルクを大きくし且つ前記基準時間を小さくしてドライバーの手放しを判定するための条件を緩和することにより、ドライバーが手放しをしていると判定し易くするよう構成された車線逸脱防止装置。
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