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JP7643704B2 - セルロース繊維有機系分散液の製造方法 - Google Patents
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JP7643704B2 - セルロース繊維有機系分散液の製造方法 - Google Patents

セルロース繊維有機系分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロース繊維有機系分散液の製造方法に関する。
塗料などの各種製品に繊維を添加して、各種製品に所望の性能を付与することが知られている。そのような繊維として、環境負荷低減の観点から、天然由来のセルロース繊維が検討されている。
しかし、セルロース繊維は、親水性を有しており、有機溶媒に分散させることが困難である。そのため、セルロース繊維を適用可能な製品には限度がある。そこで、セルロース繊維を有機溶媒に分散させることが望まれている。
例えば、セルロース繊維の水分散液に親水性溶媒を添加した後、脱液して、水分散液を親水性溶媒に置換することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-6609号公報
しかし、特許文献1に記載の脱液方法は、ろ過、圧搾および遠心分離である。そのような脱液方法により脱液すると、セルロース繊維が、親水性溶媒を含む分散媒中で凝集してしまう。
そのため、親水性溶媒を含む分散媒にセルロース繊維を分散させるには、非常に強い攪拌が必要であり、セルロース繊維有機系分散液の製造効率の向上を図るには限度がある。
さらに、特許文献1に記載の脱液方法では、脱液により除去された廃液に微細なセルロース繊維が混入する場合がある。そのため、脱液の前後において、セルロース繊維の流失を生じるおそれがある。
本発明は、セルロース繊維が親水性有機溶媒の含有割合が50質量%を超過する分散媒に分散するセルロース繊維有機系分散液を、セルロース繊維の性状を維持できながら、セルロース繊維を失うことなく、効率よく製造できるセルロース繊維有機系分散液の製造方法を提供する。
本発明[1]は、セルロース繊維が、親水性有機溶媒を含む分散媒に分散されているセルロース繊維有機系分散液の製造方法であって、機械的に解繊されたセルロース繊維が、水を含有する分散媒に分散されるセルロース繊維水系分散液を準備する準備工程と、前記セルロース繊維水系分散液に前記親水性有機溶媒を添加して、水と前記親水性有機溶媒とを混合する溶媒添加工程と、水と前記親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程と、を含み、前記溶媒添加工程と前記溶媒蒸発工程とを少なくとも1回ずつ実施して、分散媒における前記親水性有機溶媒の含有割合を、50質量%を超過するように調整する、セルロース繊維有機系分散液の製造方法を含む。
本発明[2]は、前記溶媒添加工程と前記溶媒蒸発工程とを複数回繰り返して実施する、上記[1]に記載のセルロース繊維有機系分散液の製造方法を含む。
本発明[3]は、今回の前記親水性有機溶媒の添加量が、前回の前記親水性有機溶媒の添加量と同じであるか、前回の前記親水性有機溶媒の添加量よりも多い工程を含む、上記[2]に記載のセルロース繊維有機系分散液の製造方法を含む。
本発明のセルロース繊維有機系分散液の製造方法によれば、機械的に解繊されたセルロース繊維を水系分散媒に分散させて、セルロース繊維水系分散液を準備した後、セルロース繊維水系分散液に親水性有機溶媒を添加し、次いで、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる。そして、親水性有機溶媒の添加と混合溶媒の蒸発とを少なくとも1回ずつ実施して、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合を、50質量%を超過するように調整する。
そのため、セルロース繊維が分散媒中で凝集することを抑制でき、かつ、セルロース繊維の性状を維持できながら、セルロース繊維を失うことなく、セルロース繊維有機系分散液を効率よく製造できる。
図1は、比較例1、実施例から実施例5における、親水性有機溶媒の総添加量に対する、混合液に含まれる親水性有機溶媒の含有割合のグラフを示す。 図2は、B型粘度計の回転数に対する、実施例6のセルロース繊維有機系分散液の粘度のグラフを示す。
<セルロース繊維有機系分散液の製造方法>
セルロース繊維有機系分散液の製造方法は、セルロース繊維水系分散液を準備する準備工程と、セルロース繊維水系分散液に親水性有機溶媒を添加する溶媒添加工程と、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程とを含む。
(1)準備工程
準備工程では、機械的に解繊されたセルロース繊維を水系分散媒に添加して攪拌混合する。これによって、機械的に解繊されたセルロース繊維が水系分散媒に分散されるセルロース繊維水系分散液が準備される。
セルロース繊維は、β-1,4-グルカン構造を有する多糖類の繊維である。セルロース繊維として、例えば、植物由来セルロース繊維、動物由来セルロース繊維、および、再生セルロース繊維が挙げられる。
植物由来セルロース繊維として、例えば、パルプ繊維が挙げられ、具体的には、木材繊維、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維、ジン皮繊維、および、葉繊維が挙げられる。
動物由来セルロース繊維として、例えば、ホヤセルロースが挙げられる。
再生セルロース繊維として、例えば、レーヨンおよびセロファンが挙げられる。
セルロース繊維は、単独使用または2種以上併用することができる。
セルロース繊維のなかでは、好ましくは、植物由来セルロース繊維が挙げられ、より好ましくは、パルプ繊維が挙げられる。
このようなセルロース繊維は、機械的に解繊されている。セルロース繊維は、化学的解繊処理なしに機械的に解繊されてもよく、化学的解繊処理後に機械的に解繊されてもよい。
化学的解繊処理は、セルロース繊維が有する水酸基を化学修飾する。化学的解繊処理として、例えば、TEMPO酸化法、リン酸エステル化法、硫酸エステル化法、および、スルホン化法が挙げられる。
機械的解繊方法として、例えば、グラインダー法、ホモジナイザー法、水中対向衝突法、マイクロフリュイダイザー法、凍結粉砕法、および、超音波解繊法が挙げられる。
セルロース繊維は、好ましくは、化学的解繊処理なしに機械的に解繊されている。セルロース繊維が化学的解繊処理されると、セルロース繊維の径が比較的小さくなり、セルロース繊維有機系分散液においてセルロース繊維が凝集するおそれがある。
セルロース繊維の径は、例えば、5nm以上、好ましくは、20nm以上、また、例えば、20μm以下、好ましくは、10μm以下、より好ましくは、300nm以下である。言い換えれば、セルロース繊維は、より好ましくは、セルロースナノファイバーである。
セルロース繊維の長さは、例えば、20nm以上、好ましくは、500nm以上、また、例えば、3mm以下、好ましくは、500μm以下である。なお、セルロース繊維の径および長さは、走査型電子顕微鏡による観察により測定できる。
水系分散媒は、少なくとも水を含有する。水系分散媒は、水に加えて、後述する親水性溶媒を含有することができる。水系分散媒は、好ましくは、水からなる。
水系分散媒における水の含有割合は、50質量%を超過し、好ましくは、90質量%以上、より好ましくは、95質量%以上、また、例えば、100質量%以下である。
セルロース繊維水系分散液における固形分濃度は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
セルロース繊維水系分散液における固形分濃度が上記上限以下であれば、セルロース繊維水系分散液において、セルロース繊維が不可逆的に凝集することを抑制できる。とりわけ、セルロース繊維水系分散液における固形分濃度が5質量%以下であると、セルロース繊維の凝集を安定して抑制できる。
(2)溶媒添加工程
次いで、セルロース繊維水系分散液に親水性有機溶媒を添加して攪拌混合する。これによって、水と親水性有機溶媒とが混合される。
親水性有機溶媒は、水に可溶である。より詳しくは、親水性有機溶媒は、水との混和性を有しつつ、樹脂とも相溶可能な両親和性を示す。親水性有機溶媒の溶解度パラメータδは、Hildebrandの溶解度パラメータであって、例えば、8.0[cal/cm(1/2)以上、好ましくは、10.0[cal/cm(1/2)以上、また、例えば、15.0[cal/cm(1/2)以下、好ましくは、13.0[cal/cm(1/2)以下である。なお、溶解度パラメータδは、公知の計算手段を用いる計算ソフトにより算出できる。
親水性有機溶媒は、少なくとも1つの水酸基を有する。親水性有機溶媒として、例えば、1価アルコール、および、2価アルコールが挙げられる。
1価アルコールとして、例えば、アルキルアルコール、モノエーテルモノアルコール、および、ポリエーテルモノアルコールが挙げられる。
アルキルアルコールは、例えば、炭素数1以上16以下のアルキル基を有する。アルキルアルコールとして、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、および、2-エチルヘキシルアルコールが挙げられる。
モノエーテルモノアルコールとして、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、および、プロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
ポリエーテルモノアルコールとして、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、および、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
2価アルコールとして、例えば、アルカンジオール、および、エーテルジオールが挙げられる。
アルカンジオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、および、1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。
エーテルジオールとして、例えば、ジエチレングリコール、および、ジプロピレングリコールが挙げられる。
親水性有機溶媒の沸点は、例えば、55℃以上、溶媒置換の効率を考慮すると好ましくは、75℃以上、また、例えば、200℃以下、利用時の溶媒除去を考慮すると好ましくは、130℃以下である。
親水性有機溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
親水性有機溶媒のなかでは、好ましくは、1価アルコールが挙げられ、より好ましくは、アルキルアルコールおよびモノエーテルモノアルコールが挙げられ、さらに好ましくは、イソプロパノールおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が挙げられ、とりわけ好ましくは、PGMEが挙げられる。
また、詳しくは後述するが、溶媒添加工程および溶媒蒸発工程は、好ましくは、複数回繰り返して実施される。
各溶媒添加工程において、親水性有機溶媒の添加量は、セルロース繊維水系分散液が含有する水100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、さらに好ましくは、100質量部以上、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、550質量部以下、より好ましくは、450質量部以下、さらに好ましくは、350質量部以下、とりわけ好ましくは、250質量部以下、特に好ましくは、200質量部以下である。
また、各溶媒添加工程において、親水性有機溶媒の添加量は、セルロース繊維水系分散液100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、とりわけ好ましくは、100質量部以上、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下、より好ましくは、400質量部以下、さらに好ましくは、300質量部以下、とりわけ好ましくは、200質量部以下、特に好ましくは、150質量部以下である。
親水性有機溶媒の添加量が上記下限以上であると、後述する溶媒蒸発工程において、水と親水性有機溶媒との混合溶媒における水の含有割合の低減を円滑に図ることができる。親水性有機溶媒の添加量が上記上限以下であると、親水性有機溶媒の使用量を低減でき、後述する溶媒蒸発工程に要する時間を低減でき、セルロース繊維有機系分散液の製造効率の向上を確実に図ることができる。
また、溶媒添加工程が繰り返される場合、親水性有機溶媒の総添加量は、セルロース繊維水系分散液100質量部に対して、例えば、200質量部以上、好ましくは、300質量部以上、また、例えば、2000質量部以下、好ましくは、1000質量部以下、より好ましくは、500質量部以下、さらに好ましくは、400質量部以下である。
(3)溶媒蒸発工程
次いで、セルロース繊維水系分散液に親水性有機溶媒が添加された混合液から、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる。
溶媒蒸発工程における圧力は、例えば、0.1kPa以上、好ましくは、1kPa以上、また、例えば、常圧(101kPa)以下、好ましくは、10kPa以下である。
溶媒蒸発工程における温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、また、例えば、80℃以下、好ましくは、70℃以下である。
溶媒蒸発工程では、セルロース繊維の凝集を抑制するための強い攪拌(例えば、ホモジナイザー)は、不要である。溶媒蒸発工程において、混合液を攪拌する場合、例えば、攪拌羽根、ロータリーエバポレータが利用される。
溶媒添加工程および溶媒蒸発工程が繰り返される場合、混合溶媒の蒸発量は、直前の溶媒添加工程で添加した親水性有機溶媒100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは、90質量部以上、より好ましくは、100質量部である。言い換えれば、溶媒蒸発工程では、より好ましくは、直前の溶媒添加工程で添加した親水性有機溶媒と同量の混合溶媒を蒸発させる。
溶媒蒸発工程の終了時における混合液の固形分濃度は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上、また、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
溶媒蒸発工程の終了時における混合液における固形分濃度が上記上限以下であれば、混合液において、セルロース繊維が不可逆的に凝集することを抑制できる。とりわけ、混合液における固形分濃度が5質量%以下であると、セルロース繊維の凝集を安定して抑制できる。
そして、上記した溶媒添加工程と上記した溶媒蒸発工程とを少なくとも1回ずつ実施して、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合を50質量%を超過するように調整する。
上記した溶媒添加工程と上記した溶媒蒸発工程とは、好ましくは、複数回繰り返して実施される。これによって、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合の向上を確実に図ることができる。
溶媒添加工程と溶媒蒸発工程との繰り返し回数は、例えば、2回以上、また、例えば、20回以下、好ましくは、15回以下、より好ましくは、5回以下、とりわけ好ましくは、3回である。
溶媒添加工程と溶媒蒸発工程との繰り返し回数が上記下限以上であると、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合の向上をより確実に図ることができる。溶媒添加工程と溶媒蒸発工程との繰り返し回数が上記上限以下であると、セルロース繊維有機系分散液の製造効率の向上を図ることができる。
また、溶媒添加工程と溶媒蒸発工程とを複数回繰り返して実施する場合、前回の溶媒蒸発工程により得られたセルロース繊維水系分散液と親水性有機溶媒との混合液に、親水性有機溶媒を上記した添加量で再度添加した後、上記した条件下で混合溶媒が再度蒸発される。
また、繰り返して実施される溶媒添加工程は、今回の親水性有機溶媒の添加量が、前回の親水性有機溶媒の添加量と同じであるか、前回の親水性有機溶媒の添加量よりも多い工程を含む。
言い換えれば、繰り返して実施される溶媒添加工程は、基準となる添加量の親水性有機溶媒を添加する第1工程と、第1工程の添加量と同量の親水性有機溶媒を添加する第2工程および/または第1工程の添加量よりも多量の親水性有機溶媒を添加する第3工程とを含む。
第1工程が実施された後に、第2工程および/または第3工程が実施されれば、それらの工程の順序は特に制限されない。また、第1工程と第2工程と第3工程との間において、第1工程の添加量よりも少量の親水性有機溶媒を添加する工程が実施されてもよい。
繰り返して実施される溶媒添加工程は、好ましくは、第1工程、第2工程および第3工程を含み、より好ましくは、第1工程、第2工程および第3工程が順次実施される。
以上によって、セルロース繊維有機系分散液が製造される。セルロース繊維有機系分散液において、セルロース繊維が、親水性有機溶媒を含む分散媒に分散されている。セルロース繊維有機系分散液の分散媒は、親水性有機溶媒を主成分として含む。セルロース繊維有機系分散液の分散媒は、副成分として水を含んでもよい。
セルロース繊維有機系分散液の分散媒における親水性有機溶媒の含有割合は、50質量%を超過し、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは、95質量%以上、さらに好ましくは、97質量%以上、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、99質量%以下である。なお、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合が比較的低い場合、親水性有機溶媒の含有割合は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。また、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合が比較的高い場合、親水性有機溶媒の含有割合は、分散媒から、カールフィッシャー式水分測定器により測定される水分量を差し引いた値として算出できる。
セルロース繊維有機系分散液の分散媒における水の含有割合は、例えば、0質量%以上、好ましくは、1質量部以上、また、50質量%未満、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下である。なお、水の含有割合は、カールフィッシャー式水分測定器により測定できる。
セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
このようなセルロース繊維有機系分散液は、疎水性を有する各種材料に混合可能である。
疎水性を有する材料として、例えば、疎水性有機溶媒、反応性希釈剤、および、樹脂が挙げられる。
疎水性有機溶媒として、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、および、エステル類が挙げられる。
脂肪族炭化水素類として、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、および、オクタンが挙げられる。
芳香族炭化水素類として、例えば、ベンゼン、トルエン、および、キシレンが挙げられる。
ケトン類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、および、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル類として、例えば、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および、プロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
エステル類として、例えば、酢酸エチル、および、酢酸ブチルが挙げられる。
セルロース繊維有機系分散液と疎水性有機溶媒との混合物において、セルロース繊維は、親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒に対して良好に分散できる。
また、セルロース繊維有機系分散液の親水性有機溶媒を疎水性有機溶媒に置換することもできる。具体的には、セルロース繊維有機系分散液に疎水性有機溶媒を混合する工程と、親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる工程とを、少なくとも1回ずつ実施する。この場合、親水性有機溶媒に代えて疎水性有機溶媒をセルロース繊維有機系分散液に混合すること以外は、上記したセルロース繊維有機系分散液の製造方法と同様である。
反応性希釈剤は、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と反応可能な重合性モノマーである。反応性希釈剤として、例えば、スチレンが挙げられる。
セルロース繊維有機系分散液と反応性希釈剤との混合物において、セルロース繊維は、親水性有機溶媒と反応性希釈剤との混合溶媒に対して良好に分散できる。また、疎水性有機溶媒と同様に、セルロース繊維有機系分散液の親水性有機溶媒を反応性希釈剤に置換することもできる。
樹脂として、例えば、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ゴムおよびウレタン樹脂が挙げられる。
セルロース繊維有機系分散液と樹脂との混合物において、セルロース繊維は、樹脂に対して良好に分散でき、網目状の組織を形成できる。
<作用効果>
上記したセルロース繊維有機系分散液の製造方法では、機械的に解繊されたセルロース繊維を水系分散媒に分散させて、セルロース繊維水系分散液を準備した後、セルロース繊維水系分散液に親水性有機溶媒を添加し、次いで、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる。そして、親水性有機溶媒の添加と混合溶媒の蒸発とを少なくとも1回ずつ実施して、分散媒における親水性有機溶媒の含有割合を、50質量%を超過するように調整する。
そのため、セルロース繊維が分散媒中で凝集することを抑制でき、かつ、セルロース繊維の性状を維持できながら、セルロース繊維を失うことなく、セルロース繊維有機系分散液を効率よく製造できる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<<比較例1>>
化学的解繊処理なしに機械的に解繊されたセルロース繊維(径30~200nm、長さ0.5~500μm、商品名セルフィムC-100、モリマシナリー社製)を水に分散して、セルロース繊維水分散液を準備した。セルロース繊維水分散液における固形分濃度は、5質量%であった。
次いで、セルロース繊維水分散液100質量部に、PGME(親水性有機溶媒)400質量部を添加して攪拌混合した(溶媒添加工程)。
次いで、セルロース繊維水分散液とPGMEとの混合液から、添加したPGMEと同量の混合溶媒を、5kPaおよび60℃の条件で蒸発させた(溶媒蒸発工程)。
これによって、セルロース繊維有機系分散液を調製した。セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。また、溶媒蒸発工程の終了時の混合溶媒におけるPGMEの含有割合を表1および図1に示す。
<<実施例2>>
比較例1と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。なお、実施例2では、PGMEの添加と混合溶媒の蒸発を3回実施した。第1回目のPGME添加量は、セルロース繊維水分散液100質量部に対して、200質量部であった。第2回目および第3回目のPGME添加量は、前回の溶媒蒸発工程により得られた混合液100質量部に対して、100質量部であった。各溶媒蒸発工程の終了時の混合液における固形分濃度は、5質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。
<<実施例3>>
比較例1と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。なお、実施例3では、PGMEの添加と混合溶媒の蒸発を3回実施した。第1回目のPGME添加量は、セルロース繊維水分散液100質量部に対して、100質量部であった。第2回目のPGME添加量は、第1回目の溶媒蒸発工程により得られた混合液100質量部に対して、100質量部であった。第3回目のPGME添加量は、第2回目の溶媒蒸発工程により得られた混合液100質量部に対して、200質量部であった。各溶媒蒸発工程の終了時における混合液の固形分濃度は、5質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。
<<実施例4>>
比較例1と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。なお、実施例4では、PGMEの添加と混合溶媒の蒸発を4回実施した。第1回目のPGME添加量は、セルロース繊維水分散液100質量部に対して、100質量部であった。第2回目から第4回目のPGME添加量は、前回の溶媒蒸発工程により得られた混合液100質量部に対して、100質量部であった。各溶媒蒸発工程の終了時の混合液における固形分濃度は、5質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。
<<実施例5>>
比較例1と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。なお、実施例5では、PGMEの添加と混合溶媒の蒸発を15回実施した。第1回目のPGME添加量は、セルロース繊維水分散液100質量部に対して、20質量部であった。第2回目から第15回目のPGME添加量は、前回の溶媒蒸発工程により得られた混合液100質量部に対して、20質量部であった。各溶媒蒸発工程の終了時の混合液の固形分濃度は、5質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。
Figure 0007643704000001
<<実施例6>>
実施例3と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、2質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液の分散媒におけるPGMEの含有割合は、99.0質量%であった。
次いで、実施例6で得られたセルロース繊維有機系分散液の粘度を、表2に示すB型粘度計(商品名 アナログ粘度計 LVT、Brookfield社製)の回転数毎に測定した。なお、粘度の測定温度は、20℃であり、ローターは、LV-3号、測定開始から5回転目の値を採用した。その結果を表2および図2に示す。これによって、セルロース繊維有機系分散液のチクソ性を確認し、セルロース繊維有機系分散液においてセルロース繊維が十分に分散されていることを確認した。
Figure 0007643704000002
<<実施例7>>
実施例3と同様にして、セルロース繊維有機系分散液を調製した。なお、実施例7では、PGMEをイソプロパノール(IPA,親水性有機溶媒)に変更した。セルロース繊維有機系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。また、セルロース繊維有機系分散液の分散媒におけるIPAの含有割合は、97.6質量%であった。
次いで、実施例7で得られたセルロース繊維有機系分散液100質量部に、スチレン(反応性希釈剤)50質量部を添加して攪拌混合した(溶媒添加工程)。
次いで、セルロース繊維有機系分散液とスチレンとの混合液から、添加したスチレンと同量の混合溶媒(スチレンおよびIPAの混合溶媒)を、10kPaおよび50℃の条件で蒸発させた(溶媒蒸発工程)。その後、スチレンの添加と混合溶媒の蒸発を2回繰り返した。つまり、スチレンの添加と混合溶媒の蒸発を合計3回実施した。
これによって、セルロース繊維のスチレン系分散液を調製した。セルロース繊維のスチレン系分散液における固形分濃度は、5質量%であった。また、溶媒蒸発工程の終了時の混合溶媒におけるスチレンの含有割合を表3に示す。
Figure 0007643704000003

Claims (1)

  1. セルロース繊維が、親水性有機溶媒を含む分散媒に分散されているセルロース繊維有機系分散液の製造方法であって、
    機械的に解繊されたセルロース繊維が、水を含有する分散媒に分散されるセルロース繊維水系分散液を準備する準備工程と、
    前記セルロース繊維水系分散液に前記親水性有機溶媒を添加して、水と前記親水性有機溶媒とを混合する溶媒添加工程と、
    水と前記親水性有機溶媒との混合溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程と、を含み、
    前記溶媒添加工程と前記溶媒蒸発工程とを複数回繰り返して実施して、分散媒における前記親水性有機溶媒の含有割合を、50質量%を超過するように調整し
    回の前記親水性有機溶媒の添加量が、前回の前記親水性有機溶媒の添加量と同じであるか、前回の前記親水性有機溶媒の添加量よりも多い工程を含む、セルロース繊維有機系分散液の製造方法。
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