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JP7644482B2 - 害虫防除方法 - Google Patents
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JP7644482B2 - 害虫防除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸散性を有する害虫防除剤を用いた空間の害虫防除方法に関する。
例えば、常温で空気中に蒸散する蒸散性を有する害虫防除剤を用いて、空間内の害虫を防除する害虫防除方法が知られている。例えば特許文献1には、30℃における蒸気圧が2×10-4~1×10-2mmHgである害虫防除剤を8畳の空間あたり0.01~40mg程度放出することで床や壁の内面などに害虫防除剤を付着させ、床や壁の内面などに付着した害虫防除剤が再蒸散することで空間内の害虫を防除する方法が記載されている。
一方、例えば特許文献2には、難揮散性のピレスロイド系化合物から選ばれる害虫防除剤を塗布することで害虫の侵入などを防ぐ方法が知られている。
特開2009-35569号公報 特開2016-155774号公報
特許文献1のように常温で蒸散性を有する害虫防除剤を用いる場合、空間全体に蒸散させて効果を発揮させることができるというメリットがある反面、空間内に害虫が存在しない場合でも薬剤が放散され続けて無駄になる場合があり、またこの結果として効力の持続時間が比較的短くなるというデメリットがある。従って、特許文献1の方法は、空間内で害虫を発見したとき、または空間中に害虫が存在する可能性が高いと考えられたときに使用される。
一方、特許文献2のように蒸散性が低い難揮散性害虫防除剤を用いる場合、効力の持続時間が比較的長いというメリットがある反面、害虫防除剤空間に蒸散しないので空間全体に効果を発揮させることができず、塗布した部分にしか効力がないというデメリットがある。
ところで、ある種の害虫は、越冬のために空間内に入り込み、冬の間(気温が低い期間)は冬眠することがある。この点、特許文献2のような侵入防止方法により空間への侵入を防ぐことが考えられるが、害虫の侵入を完全に防ぐことは現実的には不可能な場合が多い。
空間内への害虫の侵入を許してしまった場合でも、そのことにすぐ気づくことができれば、特許文献1のような方法で空間を処理することで駆除できる可能性がある。しかし、気づくことに遅れた場合、当該害虫は冬眠のために隙間に入り込むので、発見が難しく、侵入されたことに気づかないままである可能性が高い。この場合、そもそも特許文献1のような方法で空間を処理する機会が無い。
そして、温かい季節になると、冬眠から覚めた害虫が一斉に活動を開始するが、すぐにはそのことに気づかないので、知らないうちに空間内で様々な害虫被害が生じてしまうおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、越冬のために害虫が入り込む可能性がある空間において、当該害虫を効果的に防除する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面では、空間内の害虫を防除する害虫防除方法を前提とすることができる。防除対象の害虫が冬眠を開始する冬眠開始温度以下から、当該冬眠状態の害虫が活動を開始する活動開始温度以上まで室温が上昇する前記空間内に、蒸散性を有する害虫防除剤を保持した保持手段を、前記室温が前記冬眠開始温度以下の時に用意しておく。その後、前記室温の上昇によって、前記保持手段からの前記害虫防除剤の前記空間中への蒸散量を増大させ、前記室温が前記活動開始温度以上となって活動を開始した害虫を防除する。
すなわち、空間の室温が低く、冬眠開始温度以下であるときには、害虫が例えば隙間等の奥に入り込んでいて活動性も低下しているので、仮に空間中に害虫防除剤を散布したとしても効果が低い。この点、本開示によれば、空間の室温が上昇して、害虫が活動を開始して隙間等から這い出してくるときに、保持手段からの害虫防除剤の蒸散量が増加し、空間内の空気中の害虫防除剤の濃度が上昇する。つまり、冬眠していた害虫が活動を開始するタイミングと、害虫防除剤の蒸散量を増加させるタイミングとを合わせることができる。これにより、空間内で冬眠していた害虫が活動を開始したときに、当該害虫を効果的に防除することができる。また、空間の室温が低いときには、高いときに比べて保持手段からの害虫防除剤の蒸散量が少なくなるので、防除効果が低い状態で害虫防除剤が無駄に蒸散することを低減できる。
本開示の第2の側面では、30℃における蒸気圧が1×10-5~1×10-3mmHgである前記害虫防除剤を前記保持手段に保持させることができる。
この構成によれば、蒸気圧が上記範囲にある害虫防除剤は、冬眠開始温度以下ではほとんど蒸散せず、活動開始温度またはその近傍の温度になったときに適度に蒸散するので、上述した防除効果をより一層高めることができる。
本開示の第3の側面では、前記害虫防除剤がトランスフルトリン及びメトフルトリンの少なくとも一方である。
すなわち、トランスフルトリン及びメトフルトリンの少なくとも一方を保持手段に保持させておくことで、冬眠開始温度以下での蒸散量が極めて少なくなり、無駄な薬剤消費を抑制でき、一方、活動開始温度またはその近傍の温度になったときには十分な量を蒸散させて高い防除効力を得ることができる。
本開示の第4の側面では、前記冬眠開始温度は15℃とすることができ、また、前記活動開始温度は20℃とすることができる。
本開示の第5の側面では、前記空間は、人の居住しない非居住空間とすることができる。
すなわち、人の居住する空間は、冬の間も暖房装置等によって一定以上の温度に保たれる場合が多いので、当該空間内で害虫が冬眠することは少ない。しかし、人が居住しない空間、例えば倉庫においては、冬の間は室温が冬眠開始温度以下に下がって害虫が冬眠し、その後、春が来ると室温が上昇して害虫が活動を開始し、倉庫内の荷物などに害虫被害が生じ得る。本開示の方法は、このような人が住居しない空間を対象とすることができ、これにより、冬眠から覚めて活動を開始した害虫を効果的に防除することができるので特に好適である。
本開示の第6の側面では、前記冬眠開始温度以下のときに、前記空間の床または前記壁部の内面に前記害虫防除剤を付着させることで、当該床または壁面を前記保持手段となし、前記室温の上昇により、前記床または前記壁部の内面からの前記害虫防除剤の蒸散量を増大させる。
この構成によれば、空間を区画している床や壁部の内面を保持手段として用いることができるので、本害虫防除方法を実施する上で専用の保持手段を設ける必要はなく、本害虫防除方法の実施が容易に行える。また、床や壁部の内面は面積が広いので、害虫防除剤を広い表面積から効率よく蒸散させることができる。
本開示の第7の側面では、前記害虫防除剤をエアゾール容器に収容しておき、前記害虫防除剤を前記エアゾール容器から前記空間の床または前記壁部の内面に向けて噴射することによって当該床または前記壁部の内面に付着させる。
この構成によれば、害虫防除剤を床または壁部の内面の広範囲に容易に付着させることができる。
本開示の第8の側面では、前記空間内の室温及び前記空間外の気温が、防除対象の害虫が冬眠を開始する冬眠開始温度以下のときに、前記害虫防除剤を含浸させた含浸体を、前記空間を区画する壁部に設けられた外気取入孔から取り入れられる外気が当たるように設置しておく。その後、前記外気取入孔から外気を取り入れるとともに前記空間外の気温の上昇によって、前記含浸体からの前記害虫防除剤の前記空間中への蒸散量を増大させ、前記室温が前記冬眠状態の害虫の活動開始温度以上となって活動を開始した害虫を防除する。
すなわち、外気取入孔から取り入れられる外気の温度は、例えば季節が変わることで変動し、冬眠開始温度以下から活動開始温度以上となる場合がある。外気取入孔から取り入れられる外気の温度が高まることで低いときに比べて、含浸体からの害虫防除剤の蒸散量が増大する。また、外気の温度が活動開始温度以上になると、空間内の室温も活動開始温度以上になるので、害虫の活動性が向上する。つまり、冬眠していた害虫が活動を開始するタイミングと、害虫防除剤の蒸散量を増加させるタイミングとを合わせることができるので、空間内で冬眠していた害虫が活動を開始したときに、当該害虫を効果的に防除することができる。
以上説明したように、室温の上昇に伴って空間中への害虫防除剤の蒸散量を増大させることができるので、越冬のために害虫が入り込む可能性がある空間において、当該害虫を効果的に防除することができる。
本発明の実施形態1に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫の斜視図である。 害虫防除剤の蒸散量と室温との関係を示すグラフである。 メトフルトリンを使用した場合の害虫の致死率を示すグラフである。 トランスフルトリンを使用した場合の害虫の致死率を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫の断面図である。 本発明の実施形態3に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫の断面図である。 本発明の実施形態4に係る害虫防除方法によって害虫を防除する家屋の断面図である。 本発明の実施形態5に係る害虫防除方法によって害虫を防除するトラックの荷台の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫1を示すものである。実施形態1では、害虫防除方法によって倉庫1の空間R内の害虫を防除する場合について説明する。倉庫1は、例えば床2、側壁部3及び屋根4によって構成されている。床2は、例えばコンクリート製、木製、鋼板製のいずれであってもよく、その素材は問わない。側壁部3は、床2を囲むように配設されており、上方へ延びている。側壁部3の素材も問わない。側壁部3の上部に、屋根4が設置されている。屋根4は、天井であってもよい。床2、側壁部3及び屋根4により、空間Rが区画されている。実施形態1に係る空間Rは、人の居住しない非居住空間であり、暖房器具は設置されていない。
倉庫1の広さや容積、形状等は任意に設定することができる。倉庫1は、地面に固定されていてもよいし、例えば鉄道車両、自動車、航空機、船舶等に設けられていて、移動可能とされていてもよい。移動可能な倉庫1は、例えば荷台、貨物室、積載室等を呼ぶことができる。いずれの場合も空間Rを有している。
倉庫1の空間R内の室温(空間R内の空気の温度)は、例えば、外気温の変化や、日射の強さ等によって変動する。外気温や日射は、季節によって変わることがあり、例えば冬の間は空間R内の室温が15℃以下になり、春から秋の間は空間R内の室温が20℃以上になる場合がある。倉庫1が固定されている場合には、季節の変化によって空間R内の室温が15℃以下から20℃以上まで上昇することがある。なお、例えば外気温の日内変動により、倉庫1の空間R内の室温が一日の間に変動することがあり得るが、このような短時間の温度変動のみで冬眠中の害虫が活動を開始することは考えにくい。従って、本発明で言う「室温」は、ある期間中における室温の平均値として考えることが適切な場合がある。例えば、倉庫1の空間R内における一日間の室温の平均値をもって「室温」とすることができる。
また、外気温や日射は、地域によって変わることもあり、赤道から離れれば離れるほど、即ち北極及び南極へ近づくほど外気温が低く、日射が弱くなる。従って、季節が変わらなくても、倉庫1が移動可能なものである場合には、緯度が高い地域から低い地域まで移動することによって空間R内の室温が15℃以下から20℃以上まで上昇することがある。
倉庫1の空間Rには、物品5が収容されている。物品5は、不動産以外の有体物であり、特に限定されないが、例えば生活用品、医薬品、電化製品、書籍、食料、飲料などである。これらは通常は段ボール箱等によって包装された状態で倉庫1内に収容される。しかし、物品5が例えば家具、建築材料、自動車、自動二輪車、自転車等などであれば、特に包装されずにそのままの状態(露出した状態)で倉庫1内に収容されることもあり得る。なお、空間R内に物品5が収容されていなくても良い。
倉庫1には、人が出入りするための出入り口や、通気口(図略)などの開口部があり、これらを介して、倉庫1の外部にいる害虫が空間R内に侵入することがあり得る。また、物品5が倉庫内に搬入される際に、当該物品5に付着した害虫が空間R内に持ち込まれることもあり得る。これは、例えば物品5が家具等であり、包装されていない(露出した)状態で屋外に一時保管されているあいだに当該家具の隙間や内部空洞に害虫が入り込むことによって起こり得る。
害虫防除方法は、上述のようにして空間R内に持ち込まれたり、空間R内に侵入した害虫を防除する方法である。防除とは、害虫による被害を予防すること、及び被害を未然に防止するために害虫を駆除することであり、当該害虫を殺虫することを含む。ここで害虫による被害とは、害虫によって物品5が汚れたり齧られたりするなど、物品5に対する被害を含む。また、空間R内に立ち入った人が害虫に刺されたり、空間R内で害虫が活動する様子を見た人が不快な気分になるなど、人に対する被害も含む。また、空間R内で活動を開始した害虫が、倉庫1の外に進出して、周囲に感染症や農業被害等をもたらすことも含む。従って、害虫による被害は、必ずしも空間R内でのみ生じるわけではない。なお、空間R内での害虫被害のみを防止できれば良い場合は、必ずしも当該害虫を殺虫しなくて良く、例えば害虫を空間Rから追い出すことによって駆除しても良い。ところで、害虫は、冬眠している期間中は活動性が低下しているので、その期間中は実質的に害虫被害が生じない。この点、本発明は冬眠から覚めて活動を開始したタイミングで害虫を防除するものであり、これによって害虫被害を効果的に予防することができる。
害虫防除方法によって防除対象となる害虫は、冬眠する害虫であり、例えばアカイエカ等のイエカの仲間、ハエの仲間、マイマイガやメイガ等のガの仲間、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ、マルカメムシ等のカメムシの仲間等を挙げることができる。これら害虫の大部分は、気温が15℃以下になると冬眠を開始するので、15℃は、冬眠開始温度である。冬眠開始温度は、防除対象とする害虫によって変えてもよく、例えば12℃以上15℃以下の範囲で設定することができる。また、冬眠していた大部分の害虫が活動を開始する気温は20℃以上であり、20℃は、活動開始温度である。活動開始温度は、防除対象とする害虫によって変えてもよく、例えば20℃以上25℃以下の範囲で設定することができる。つまり、倉庫1の空間R内の室温は、季節の変化や長距離の移動により、害虫の冬眠開始温度以下から、冬眠していた害虫が活動を開始する活動開始温度以上まで上昇する。またはその反対に、活動開始温度以上から冬眠開始温度以下まで下がることもある。
害虫防除方法では、蒸散性を有する害虫防除剤を使用する。ここで、「蒸散性を有する」とは、常温常圧で固体または液体であり、しかも徐々に蒸散していく程度の蒸気圧を有する事をいう。30℃における蒸気圧が1×10-5~1×10-3mmHgである害虫防除剤が本防除方法には適している。害虫防除剤としては、公知の殺虫剤を用いることができる他、忌避作用を有する香料等であっても良い。上記害虫防除剤として、具体的には、例えばピレスロイド系化合物であるトランスフルトリン、メトフルトリン、エムペントリン、プロフルトリン等を挙げることができ、これらの中ではトランスフルトリンまたはメトフルトリンが好ましい。上記害虫防除剤のうち1つのみを用いてもよいし、2つ以上を混合または併用して用いてもよい。
害虫防除方法は、複数の工程として、準備工程と、薬剤蒸散工程とを備えている。準備工程では、倉庫1の空間R内に、害虫防除剤を保持した保持手段を、空間R内の室温が冬眠開始温度以下の時に用意する。保持手段の例としては、例えば床2や側壁部3の内面等を挙げることができる。害虫防除剤を保持手段に保持させる方法としては、エアゾール容器やポンプ式噴霧器を用いた噴霧、刷毛やローラー等を用いた塗布、シャワー容器を用いた散布などによって、害虫防除剤を含む薬液を床2や側壁部3の内面等に付着させる方法を例に挙げることができるが、これに限るものではない。
一例として、エアゾール容器6を用いる場合について説明する。このエアゾール容器6には、害虫防除剤と、害虫防除剤を溶かすための溶剤と、害虫防除剤及び溶剤を噴射させるための噴射剤とが収容されている。噴射剤としては、例えば液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等を挙げることができ、これらのうち、任意の1種のみまたは任意の複数種を混合して使用することができる。噴射剤には、窒素ガスや炭酸ガスが含まれていてもよい。またエアゾール容器6には、必要に応じて展着剤や揮散調整剤、共力剤などを配合することができ、これによって害虫防除剤の効力や持続時間等を調整することができる。害虫防除剤を収容したエアゾール容器6をエアゾール製品と呼ぶこともできる。
エアゾール容器6には、例えば噴射ノズル及び噴射ボタン等(図示せず)が設けられている。使用者は、エアゾール容器6を手で持って噴射ボタンを押動操作することで、噴射ノズルから害虫防除剤が噴射される。準備工程では、冬眠開始温度以下のときに、害虫防除剤をエアゾール容器6から空間Rの床2または側壁部3の内面に向けて噴射することによって当該床2または側壁部3の内面に付着させることができる。この場合、害虫防除剤が付着した床2または側壁部3の内面が保持手段となる。害虫防除剤を床2及び側壁部3の内面の両方に付着させてもよいし、床2にのみ付着させてもよいし、側壁部3の内面にのみ付着させてもよい。害虫防除剤は、床2の全面に付着させてもよいし、一部にのみ付着させてもよい。同様に、害虫防除剤は、側壁部3の内面の全面に付着させてもよいし、一部にのみ付着させてもよい。また、害虫防除剤を屋根4の天井に付着させてもよい。この場合、天井が保持手段となる。
また、準備工程で用意する保持手段としては、空間Rに固定されていない部材、例えば布材や板材等であってもよい。この場合、害虫防除剤を保持した布材や板材を空間R内の任意の場所に設置することが可能である。また、この場合は、保持手段(布剤や板材等)に害虫防除剤に付着させる作業を必ずしも空間Rの内部で行う必要は無く、空間Rの外部で保持手段に害虫防除剤を付着させた後、当該保持手段を倉庫R内に持ち込んでも良い。このように、害虫防除剤を保持させた保持手段を外部から倉庫R内に持ち込むことによって当該保持手段を用意することもできる。
準備工程は、物品5を倉庫1内に搬入する前に行ってもよいし、物品5を倉庫1内に搬入した後に行ってもよいし、物品5の搬入と並行して行ってもよい。ただし、倉庫1内で害虫防除剤を噴霧、塗布または散布等することによって保持手段に付着させる場合、近くに物品5が存在していると当該物品5に害虫防除剤が付着して染みや汚れの原因になる可能性がある。これを避けるという観点では、準備工程は、物品5を倉庫1内に搬入する前に行うのが好ましい。
なお、後述の薬剤蒸散工程において害虫防除剤を効率よく空間R内に蒸散させるという観点からすると、準備工程において害虫防除剤を付着させる保持手段は、薬剤蒸散工程において空間Rに露出していることが好ましい。例えば、床2に害虫防除剤を付着させた後で当該床2の上に物品5が置かれた場合、当該物品5が接触している床2の部分は空間Rに露出しないので、その部分に付着した害虫防除剤は効率よく蒸散できない。従って、倉庫1内に物品5を搬入する前に準備工程を行う場合には、床2や側壁部3のうち物品5が接触する部分には害虫防除剤を付着させないのが好ましく、接触しない部分にのみ害虫防除剤を付着させておくのが好ましい。なお、物品5と、害虫防除剤を保持させた床2や側壁部3と、の間に数センチメートルの隙間があれば、害虫防除剤の蒸散性に問題は無い。
準備工程の後、薬剤蒸散工程が行われる。すなわち、準備工程で保持手段に害虫防除剤を保持させた時の空間R内の室温は冬眠開始温度以下の低温であるため、保持手段に保持されている害虫防除剤はほとんど蒸散しない。その後、季節の変化や倉庫1の移動によって空間R内の室温は次第に上昇する。空間R内の室温の上昇によって、保持手段に保持されている害虫防除剤の温度が上昇し、これにより、保持手段からの害虫防除剤の空間R中への蒸散量を増大させる。
以上に述べた害虫防除方法の効果について説明すると以下の通りである。
すなわち、空間R内の室温が冬眠開始温度以下の低いときには、害虫は例えば物品5同士の隙間や、側壁部3の溝や亀裂等の奥に入り込んで冬眠している。この状態の害虫を見つけ出すことは困難なので、一匹一匹を個別に駆除することは現実的ではない。また、仮にこの室温において蒸散する害虫防除剤を用いて空間Rを処理したとしても、害虫は隙間等の奥にいて活動性も低下しているので効果的に防除することができず、蒸散した害虫防除剤が無駄になってしまう。
この点、本実施形態によれば、空間Rの室温が低いときには高いときに比べて保持手段からの害虫防除剤の蒸散量が少なくなるので、防除効果が低い状態(害虫が冬眠している状態)においては害虫防除剤が空間Rに蒸散する量が少なく、当該害虫防除剤が無駄になることが抑制される。
そして、空間R内の室温の上昇によって、室温が活動開始温度以上になると、冬眠していた害虫が活動を開始し、隙間等の奥から這い出てくる。また、空間Rの室温が上昇すると、保持手段からの害虫防除剤の蒸散量が増加し、空間R内の空気中の害虫防除剤の濃度が上昇する。つまり、冬眠していた害虫が活動を開始するタイミングと、害虫防除剤の蒸散量を増加させるタイミングとを合わせることができる。これにより、空間R内で冬眠していた害虫が空間Rに這い出てきたときに、当該空間Rの空気中の害虫防除剤の濃度を上昇させることができ、当該害虫を効果的に防除することができる。
次に、害虫防除剤の蒸散量と温度の関係について図2に示すグラフに基づいて説明する。このグラフは、害虫防除剤としてのメトフルトリンと、トランスフルトリンの蒸散量が温度によってどのように変化するかを示している。グラフの横軸は、室温(℃)であり、この室温はメトフルトリンの温度、トランスフルトリンの温度とほぼ同じである。グラフの縦軸は、蒸散量比であり、室温が25℃のときの蒸散量を1としたときの比を示している。蒸散量比が例えば「2」であれば、室温が25℃のときの蒸散量の2倍の量が蒸散するということである。蒸散量は、室温が35℃、30℃、27℃、25℃、22℃のそれぞれで測定した。測定方法は、所定量の害虫防除剤を不織布に含浸させてファンによって送風し、不織布の下流側において当該不織布を通過した空気を吸引し、空気中に含まれる害虫防除剤をシリカゲルよって捕集し、その捕集量を測定した。
図2からわかるように、メトフルトリン及びトランスフルトリンは、共に室温が高くなればなるほど蒸散量が増加し、反対に室温が低くなればなるほど蒸散量が減少する。メトフルトリンの蒸散量が0になる温度は、直線近似で求めると18.8℃であり、上記活動開始温度以下である。トランスフルトリンの蒸散量が0になる温度は、直線近似で求めると13.6℃であり、上記冬眠開始温度以下であるが、冬眠開始温度以下では、トランスフルトリンはほとんど蒸散しない。
以上のように、メトフルトリンおよびトランスフルトリンは、害虫が活動する温度以上では適度な蒸散性を有し、害虫が活動しない温度以下、特に冬眠開始温度以下になるとほとんど蒸散しないため、上記害虫防除方法に用いる害虫防除剤として好適であることが分かる。なお、温度が低いほど蒸散性が低く、温度が高いほど蒸散性が高くなるのは、蒸散性を有する物質の一般的な性質であるため、メトフルトリンやトランスフルトリンと同程度の蒸気圧を有する害虫防除剤であれば、本発明の害虫防除方法に用いることができる。
(害虫防除試験)
次に、実際に害虫を防除するために必要となる害虫防除剤の量を決定するための試験について説明する。供試虫(防除対象の害虫)としてクサギカメムシの雄と雌を用意した。尚、カメムシは害虫防除剤(特にピレスロイド系薬剤)に対して非常に強いことが知られているため、カメムシに対して防除効果が発揮される場合には、カ、ハエ、ガ等の他の害虫に対しても十分に高い防除効果が期待できる。
試験室は約8畳(33m)の無風恒温室である。供試虫をポリカップに入れ、16メッシュのナイロン製の網で蓋をした。供試虫が入ったポリカップを試験室の床の4隅に載置した。試験室の床の中央には、害虫防除剤(メトフルトリン)を蒸散させるファン式の蒸散装置を設置した。試験室の試験中の室温は25℃であり、試験中は換気なしの密閉条件とした。試験中、供試虫にはエサとして大豆と水を与え、試験開始から1週間経過するまでの供試虫の状態を観察した。メトフルトリンの蒸散量は、1時間当たり2.5mg(試験例1)、5.0mg(試験例2)とした。
図3に示すように、試験開始から4日経過すると、試験例1、2ともに致死率が50%を超えており、メトフルトリンによる防除効果が十分に高いことが分かる。特に、5.0mg/hr(試験例2)の蒸散量で7日間経過すれば、致死率を100%とすることができることが分かる。
以上のことから、カメムシを100%駆除するために最低限必要なメトフルトリンの量は、
5.0mg/hr × 168hr(7日間) / 33m= 25mg/m
と推定される。従って、害虫防除方法を用いる空間Rの容積が分かっていれば、カメムシを100%駆除するために最低限必要なメトフルトリンの量を算出することができる。そして、当該量以上のメトフルトリンを保持手段に保持させ、空間R内に配置しておくことにより、空間Rの室温が活動開始温度以上になって冬眠していたカメムシが活動を開始したときに、当該カメムシを駆除することができる。なお、カメムシを100%駆除することを目的としない場合、例えば単にカメムシを空間Rから追い出すことができれば良い場合などは、上記よりもメトフルトリンの量を少なくすることができる。
メトフルトリンの代わりに他の害虫防除剤を使用する場合、または複数の害虫防除剤を併用する場合も、同様の試験を行うことにより空間R内のカメムシ防除に必要な最低薬量を算出することができる。
続いて、害虫防除剤としてトランスフルトリンを収容したエアゾール容器6を用い、試験室の床を保持手段としてカメムシの防除効果を確認した試験について説明する。
試験室及び供試虫は上記蒸散装置を用いた場合と同じである。なお、トランスフルトリンはメトフルトリンの約2倍の蒸気圧を有するため早めに蒸散して消費されてしまうことなどを考慮し、メトフルトリンの2倍量(50mg/m)程度のトランスフルトリンがあればカメムシを100%駆除できると見込んだ。そこで、試験室(33m)の容積から予想される必要量のトランスフルトリン(50mg/m×33m=1.65g)を、エアゾール容器6に収容した。このエアゾール容器6の内容物の全量を、試験室の床面に噴霧することで付着させた。その後、16メッシュのナイロン製の網で蓋をしたポリカップに入れた供試虫を試験室に設置した。試験室の試験中の室温は25℃であり、換気条件として、無換気と、1時間に6回の換気を行った場合を設定した。
試験開始当日と、試験開始から4日後、試験開始から6日後の供試虫の致死率を求めた結果、図4に示すグラフのようになった。つまり、無換気の場合は、試験開始当日で致死率が100%になり、1時間に6回の換気を行った場合は、試験開始当日で致死率が90%になった。このように、算出した必要量の害虫防除剤(この場合はトランスフルトリン)を保持手段(この場合は床面)に保持させておくことにより、空間内で活動中のカメムシに対する防除効果が十分に得られることが分かる。なお、換気される場合は効果が低下するので、保持手段に保持させる害虫防除剤の量は、換気条件に応じて上記量よりも増加させることが好ましい。
また前述のように、カメムシは害虫防除剤に強い害虫であるため、カメムシに対して防除効果が発揮される場合には、カ、ハエ、ガ等に対して十分に高い防除効果が発揮される。例えば、本願発明者らの研究により、イエカは、カメムシの約1/170の害虫防除剤で効果があり、また、ハエは、カメムシの約1/19の害虫防除剤で効果があり、また、メイガ、マイマイガは、カメムシの約1/4.5の害虫防除剤で効果があることが分かっている。そこで、カメムシを対象とせず、カ、ハエまたはガのように比較的弱い害虫のみを対象とする場合には、上記に応じて害虫防除剤の量を減らすことができる。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫1の断面図である。実施形態2では、外部から取り入れられる外気を利用して害虫防除剤を空間R内に拡散させる点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
倉庫1の側壁部3には、外気導入ダクト11が設けられている。外気導入ダクト10は、側壁部3を厚み方向に貫通するようにして設置されている。外気導入ダクト10内には、倉庫1外の空気(外気)を倉庫1内に取り入れるための外気取入孔10aが形成されている。外気取入孔10aの上流端開口は倉庫1外に臨むように開口する一方、外気取入孔10aの下流端開口は倉庫1内に臨むように開口している。外気導入ダクト10内には、ファン11と、ファン11を駆動するモータ12とが配設されている。モータ12には、図示しない電源回路が接続されており、所望のタイミングでモータ12を起動、停止させることができるとともに、所望の回転数でモータ12を回転させることができるようになっている。尚、図示しないが、倉庫1には排気口も設けられており、外気導入時には適度に開くことで外気の導入が妨げられないようにしている。排気口から排出される害虫防除剤の量を見込んで害虫防除剤を含浸体13に含浸させておけばよい。
外気取入孔10a内の下流側には、実施形態1で使用した害虫防除剤を含浸させた含浸体13が配設されている。含浸体13は、例えば不織布や発泡材、メッシュ材等のような通気性を有する部材で構成することができ、平板状であってもよいし、プリーツ状に折り曲げられたものであってもよい。外気取入孔10a内の下流側に含浸体13を配設することで、外気取入孔10aから取り入れられる外気が当たるように含浸体13を設置することができる。ファン11と含浸体13とは、どちらが空気流れ方向上流側に配置されていてもよく、含浸体13をファン11よりも空気流れ方向上流側に配置してもよい。
含浸体13は、新しいものに交換可能になっている。例えば、薬剤カートリッジに含浸体13を組み込んでおき、害虫防除剤の含浸量が少なくなった場合には、古い薬剤カートリッジを新しい薬剤カートリッジと交換する。害虫防除剤の含浸量は、ファン11の運転時間に基づいて推測することができる。
実施形態2の準備工程では、空間R内の室温及び空間R外の気温が冬眠開始温度以下のときに、害虫防除剤を含浸させた含浸体13を、外気取入孔10aから取り入れられる外気が当たるように設置しておく。空間R内の室温が冬眠開始温度以下であるため、空間R内の害虫は冬眠状態にある。また、空間R外の気温が冬眠開始温度以下であるため、外気取入孔10aから外気を導入したとしても空間R内の室温は冬眠開始温度以下のままである。また、冬眠開始温度以下の外気が含浸体13に当たるので、害虫防除剤は殆ど蒸散しない。
その後の薬剤蒸散工程では、外気取入孔10aから外気を導入する。季節の変化や倉庫1の移動によって空間R外の気温が上昇すると、活動開始温度以上の外気が含浸体13に当たる。これにより、含浸体13に含浸されている害虫防除剤の温度が活動開始温度以上になるので、含浸体13からの害虫防除剤の空間R中への蒸散量を増大させることができる。また、活動開始温度以上の外気が導入されることで、空間Rの室温が活動開始温度以上となって害虫が活動を開始する。したがって、実施形態2の場合も、冬眠していた害虫が活動を開始するタイミングと、害虫防除剤の蒸散量を増加させるタイミングとを合わせることができるので、空間R内で冬眠していた害虫が活動を開始したときに、当該害虫を効果的に防除することができる。
尚、外気取入孔10aからの外気の導入は、常時行っても良いし、薬剤蒸散工程でのみ行っても良い。外気取入孔10aからの外気の導入を常時行う場合(すなわち、冬の間も常にファン11を駆動する場合)、含浸体13に対して常に気流が当たっていることになるので、冬の間にも含浸体13から害虫防除剤が若干蒸散する可能性はある。この場合であっても、外気が冬眠開始温度以下であれば、害虫防除剤の蒸散量は押さえられるので、害虫防除剤が無駄に蒸散することを抑制できる。しかし、害虫防除剤が無駄に蒸散することをより一層抑制するという点では、薬剤蒸散工程でのみ外気の導入を行うようにする(すなわち、冬の間はファン11を駆動しないようにする)ことが好ましい。外気取入孔10a及び含浸体13は、1つの倉庫1に複数設けてもよい。外気取入孔10a及び含浸体13は、天井に設けてもよい。また、実施形態1の保持手段と実施形態2の含浸体13とを併用してもよい。
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3に係る害虫防除方法によって害虫を防除する倉庫1の断面図である。実施形態2では、暖房装置20が設置されている点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
倉庫1には空間R内の空気を加温するための暖房装置20が設置されている。暖房装置20は、例えばストーブや電気ヒータ、ヒートポンプ式エアコン等を挙げることができ、その形式は特に限定されない。また、暖房装置20が倉庫1の外部に設置されていてもよく、この場合、暖房装置20から送られた温風を空間R内に導入するダクトを設けることができる。冬に暖房装置20を切った状態では、空間R内の室温が冬眠開始温度以下となる。このときに、準備工程を行い、害虫防除剤を例えば床2や側壁部3の内面等に保持させる。
倉庫1には人が居住していないので、通常は暖房装置20を切ったままである。従って、季節が春に変わるまでは害虫防除剤がほとんど蒸散しない。しかし、倉庫1内に害虫が入り込んで冬眠しているおそれが高いことが発覚した場合や、何らかの理由により冬の間に害虫を駆除する必要が生じた場合などは、暖房装置20を作動させて倉庫1内の温度を強制的に上昇させて活動開始温度以上にする。これにより、害虫を這い出させるとともに、害虫防除剤の蒸散量を多くして害虫を防除することができる。したがって、実施形態3の場合も、冬眠していた害虫が活動を開始するタイミングと、害虫防除剤の蒸散量を増加させるタイミングとを合わせることができるので、空間R内で冬眠していた害虫が活動を開始したときに、当該害虫を効果的に防除することができる。尚、実施形態3の暖房装置20に加えて、実施形態2の含浸体13を設置してもよい。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係る害虫防除方法によって害虫を防除する家屋30の断面図である。実施形態4では、人が居住する家屋30に本発明を適用した点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
家屋30は、例えば冬の間は人が居住せず、春から秋の間だけ人が居住する別荘等である。家屋30は、室内空間R1を区画するための床32、側壁部33及び屋根34を有している。室内空間R1には、物品として家具35Aや電化製品35B等が置かれており、これらの隙間や内部に害虫が入り込んで冬眠している恐れがあるが、冬の間は出てこない。
実施形態4では、冬の初めに、エアゾール容器6に収容されている害虫防除剤を床32や側壁部33の内面等に塗布しておく。季節が春に変わって外気温が上昇するとともに、室内空間R1内の気温が活動開始温度以上になると、害虫が活動を開始する。害虫が活動を開始したときには害虫防除剤の蒸散量が増加し、害虫を防除することができる。従って、温かい季節になって人が家屋30に住むときには既に害虫が防除されており、害虫被害に合うことを防止できる。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5に係る害虫防除方法によって害虫を防除するトラックの荷台40の斜視図である。実施形態5では、トラックの荷台40に本発明を適用した点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。図8では車体を省略している。
図8は、トラックの荷台40を車両後方から見た斜視図であり、このトラックは長距離トラックである。荷台40には、床42、側壁部43及び上壁部44によって区画された荷室(空間)R2が設けられている。荷室R2は、扉46によって開閉可能になっている。尚、長距離トラックの代わりに、貨物列車のコンテナ、長距離輸送船の荷室に本発明を適用することもできる。
長距離トラックは、例えば外気温が15℃(冬眠開始温度)以下の寒冷な地域から20℃(活動開始温度)以上の温暖な地域まで移動する。このような長距離トラックの荷室R2内の温度は、外気温と同様に変化し、冬眠開始温度以下から活動開始温度以上まで上昇する。荷室R2内の温度が冬眠開始温度以下のときに、荷室R2の床42や側壁部43の内面、上壁部44の内面等に害虫防除剤を保持させておく。冬眠開始温度以下のときに荷室R2内で害虫が冬眠しているおそれがあるが、温暖な地域に移動したときには、害虫が這い出てくるとともに害虫防除剤の蒸散量が増加し、害虫を防除することができるので、荷物等に害虫被害が生じることを防止できる。
また、実施形態5において、実施形態2と同様に外気取入孔49を設け、害虫防除剤を含浸させた含浸体48を設置してもよい。この場合、荷室R2内の室温及び荷室R2外の気温が冬眠開始温度以下のときに、含浸体48を、側壁部43に設けられた外気取入孔49から取り入れられる外気が当たるように設置しておく。
その後、外気取入孔49から外気を取り入れるとともに荷室R2外の気温の上昇によって、含浸体48からの害虫防除剤の荷室R2中への蒸散量を増大させる。室温R2が害虫の活動開始温度以上となって活動を開始した害虫を防除することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。例えば、屋根裏部屋、冬の間は人が使わない店舗、車庫等に本発明を適用することもできる。
以上説明したように、本発明に係る害虫防除方法は、例えば越冬のために害虫が入り込む可能性がある空間に対して使用することができる。
1 倉庫
2 床(保持手段)
3 側壁部(保持手段)
6 エアゾール容器
10a 外気導入孔
13 含浸体
R 空間

Claims (6)

  1. 空間内の害虫を防除する害虫防除方法において、
    防除対象の害虫が冬眠を開始する冬眠開始温度以下から、当該冬眠状態の害虫が活動を開始する活動開始温度以上まで室温が上昇する前記空間内に、30℃における蒸気圧が1×10 -5 ~1×10 -3 mmHgである蒸散性を有する害虫防除剤を保持した保持手段を、前記室温が前記冬眠開始温度以下の時に用意しておき、
    その後、前記室温の上昇によって、前記保持手段からの前記害虫防除剤の前記空間中への蒸散量を増大させ、前記室温が前記活動開始温度以上となって活動を開始した害虫を防除する害虫防除方法。
  2. 請求項1に記載の害虫防除方法において、
    前記害虫防除剤がトランスフルトリン及びメトフルトリンの少なくとも一方である害虫防除方法。
  3. 請求項1または2に記載の害虫防除方法において、
    前記冬眠開始温度は15℃であり、
    前記活動開始温度は20℃である害虫防除方法。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載の害虫防除方法において、
    前記空間は、人の居住しない非居住空間である害虫防除方法。
  5. 空間内の害虫を防除する害虫防除方法において、
    防除対象の害虫が冬眠を開始する冬眠開始温度以下から、当該冬眠状態の害虫が活動を開始する活動開始温度以上まで室温が上昇する前記空間の床または壁部の内面に、蒸散性を有する害虫防除剤を付着させることで当該床または壁面を前記害虫防除剤の保持手段とし、前記室温が前記冬眠開始温度以下の時に前記害虫防除剤が付着した前記保持手段を用意しておき、
    その後、前記室温の上昇によって、前記保持手段からの前記害虫防除剤の前記空間中への蒸散量を増大させ、前記室温が前記活動開始温度以上となって活動を開始した害虫を防除する害虫防除方法。
  6. 請求項に記載の害虫防除方法において、
    前記害虫防除剤をエアゾール容器に収容しておき、
    前記害虫防除剤を前記エアゾール容器から前記空間の床または前記壁部の内面に向けて噴射することによって当該床または前記壁部の内面に付着させる害虫防除方法。
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