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JP7644658B2 - エッチング処理に用いられる薬液 - Google Patents
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JP7644658B2 - エッチング処理に用いられる薬液 - Google Patents

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Description

本発明は、基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる薬液、及び当該薬液を用いる銅めっき造形物を備える基板の製造方法に関する。
半導体デバイスの高機能化や小型化に対応して、基板上に半導体デバイスを搭載・接合する方法としてフリップチップ実装が広く採用されている。フリップチップ実装では、基板上の主に銅からなるシード層上に、多数の電極(バンプ)を形成し、かかる電極により半導体デバイスが基板に接続される。
フリップチップ実装に適用可能なバンプ付き配線基板の製造方法としては、無電解めっきにより形成された基板上のシード層上に、電極形成用の鋳型としてのレジスト膜を設けた後に、基板に対して電解めっきを施すことにより鋳型内に銅からなるポストバンプを形成し、次いで、レジスト膜の除去と、基板表面に露出したシード層のエッチングによる除去とを行う、方法が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2018-157051号公報
しかしながら、特許文献1では、めっき用の鋳型除去後にシード層としての銅薄膜のエッチングによる除去について十分に検討されていない。特許文献1に記載される方法において、従来知られる方法によりシード層のエッチングを行うと、シード層としての銅薄膜のみならず、めっきにより形成された銅端子のような銅めっき造形物まで多量にエッチングされてしまう。
本発明は、上記の状況に鑑みなされたものであり、シード層としての銅薄膜を良好にエッチングしつつ、銅めっき造形物の過度のエッチングを防ぐことができる、エッチング処理用の薬液と、当該薬液を用いてエッチングを行うことを含む、銅めっき造形物を備える基板の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、基板、めっき以外の方法により形成された銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる薬液に、酸化性物質(A)と、水(W)とを含有させ、酸化性物質(A)として、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を用い、且つ酸化性物質(A)に、オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を含ませることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる薬液であって、
薬液は、酸化性物質(A)と、水(W)とを含み、
酸化性物質(A)が、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を含み、
酸化性物質(A)が、オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を含み、
銅薄膜が、基板の主面の少なくとも一部を被覆し、
銅薄膜が、めっき以外の方法により形成された膜であり、
銅めっき造形物が、銅薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物である、薬液である。
本発明の第二の態様は、
基板上に銅薄膜を形成する工程と、
銅薄膜上に、めっき用の鋳型を形成する工程と、
鋳型を備える基板に対して銅めっきを施し、鋳型内に銅めっき造形物を形成する工程と、
銅めっき造形物の形成後に、鋳型を剥離する工程と、
鋳型の剥離後に、第1の態様にかかる薬液を用いて銅薄膜をエッチングする工程と、を含む、銅めっき造形物を備える基板の製造方法である。
本発明によれば、シード層としての銅薄膜を良好にエッチングしつつ、銅めっき造形物の過度のエッチングを防ぐことができる、エッチング処理用の薬液と、当該薬液を用いてエッチングを行うことを含む、銅めっき造形物を備える基板の製造方法とを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪薬液≫
薬液は、基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる。
銅薄膜は、前記基板の主面の少なくとも一部を被覆する。銅薄膜は、めっき以外の方法により形成された膜である。銅めっき造形物は、前記銅薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物である。
上記の被処理体を、後述する薬液によりエッチングすることにより、銅めっき造形物を少量しかエッチングしない一方で、めっき以外の方法により形成された銅薄膜を所望する程度の多量エッチングできる。
薬液は、酸化性物質(A)と、水(W)とを含む。
酸化性物質(A)は、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を含む。また、酸化性物質(A)は、オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を含む。
また、薬液は、防食剤(B)や界面活性剤(C)のような任意成分を含んでいてもよい。
薬液は、酸化性物質(A)、及び水(W)とともに、必要に応じて任意成分を含む1液型の組成物であってもよい。また、薬液は、組成の異なる2種以上の液からなる多液型の組成物であってもよい。
薬液が多液型の組成物である場合の例としては、
1)酸化性物質(A)及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)を含む第2液とかなる薬液、
2)酸化性物質(A)及び水(W)を含む第1液と、界面活性剤(C)を含む第2液とからなる薬液、
3)酸化性物質(A)及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第2液とかなる薬液、
4)オキソ酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液とからなる薬液、
5)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液とからなる薬液、
6)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、オキソ酸(A1a)としての酢酸以外のオキソ酸、及び水(W)を含む第2液と、過酸化物(A1b)を含む第3液とからなる薬液、
7)オキソ酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、防食剤(B)を含む第3液とかなる薬液、
8)オキソ酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、界面活性剤(C)を含む第3液とかなる薬液、
9)オキソ酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第3液とかなる薬液、
10)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、防食剤(B)を含む第3液とかなる薬液、
11)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、界面活性剤(C)を含む第3液とかなる薬液、
12)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第3液とかなる薬液、
13)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、オキソ酸(A1a)としての酢酸以外のオキソ酸、及び水(W)を含む第2液と、過酸化物(A1b)を含む第3液と、防食剤(B)を含む第4液とかなる薬液、
14)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、オキソ酸(A1a)としての酢酸以外のオキソ酸、及び水(W)を含む第2液と、過酸化物(A1b)を含む第3液と、界面活性剤(C)を含む第4液とかなる薬液、
15)オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、オキソ酸(A1a)としての酢酸以外のオキソ酸、及び水(W)を含む第2液と、過酸化物(A1b)を含む第3液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第4液とかなる薬液、
16)過酸(A1b)及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)を含む第2液とからなる薬液、
17)過酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、界面活性剤(C)を含む第2液とからなる薬液、
18)過酸(A1a)及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第2液とからなる薬液、
19)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)を含む第2液とからなる薬液、
20)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、界面活性剤(C)を含む第2液とからなる薬液、
21)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第2液とからなる薬液、

22)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸(A1b)としての過酢酸以外の過酸、及び水(W)を含む第2液と、防食剤(B)を含む第3液とからなる薬液、
23)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸(A1b)としての過酢酸以外の過酸、及び水(W)を含む第2液と、界面活性剤(C)を含む第3液とからなる薬液、並びに、
24)過酸(A1b)としての過酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸(A1b)としての過酢酸以外の過酸、及び水(W)を含む第2液と、防食剤(B)及び界面活性剤(C)を含む第3液とからなる薬液、
が挙げられる。
多液型の組成物である薬液は、上記1)~24)の例には限定されない。
多液型の組成物である薬液の例において、防食剤(B)、及び界面活性剤(C)が液状である場合、防食剤(B)、及び/又は界面活性剤(C)を含む液は、溶媒を含んでいなくてもよい。溶媒としては、水(W)を用いることができる。溶媒としては、所望する効果が損なわれない限りにおいて、種々の有機溶媒を用いることもできる。
銅めっき造形物を少量しかエッチングしない一方で、めっき以外の方法により形成された銅薄膜を所望する程度の多量にエッチングするという効果が良好であることと、薬液の調製及び使用が容易であることとから、多液型の組成物である薬液としては、オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液と、過酸化物(A1b)を含む第2液とからなる薬液が好ましい。
オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液は、酢酸以外のオキソ酸を含んでいてもよい。
オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び水(W)を含む第1液、及び過酸化物(A1b)を含む第2液は、それぞれ、防食剤(B)及び/又は界面活性剤(C)を含んでいてもよい。
薬液が多液型の組成物である場合、多液型の組成物を構成する2以上の液を混合した混合液を用いて、上記の被処理体をエッチングする。
以下、上記の薬液によるエッチングに供される被処理体と、薬液に含まれる必須又は任意の成分について説明する。
<被処理体>
前述の通り、上記の薬液によるエッチングの対象物として、基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体が用いられる。
銅薄膜は、前記基板の主面の少なくとも一部を被覆する。銅薄膜は、めっき以外の方法により形成された膜である。銅めっき造形物は、薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物である。
被処理体を構成する基板としては、フリップチップ実装のような実装方法に適用されている基板を特に限定なく用いることができる。基板における後述の銅薄膜で被覆される面の材質としては、例えば、従来より、銅薄膜と組合わせて使用されているアンダーバンプメタル層の材質として使用される金属を用いることができる。アンダーバンプメタル層の材質として使用される金属としては、チタン、チタン-タングステン合金、及びチタン-銅合金等が挙げられる。基板におけるアンダーバンプメタル層に相当する層と接触する他の層の材質としては、例えばシリコン等の半導体を用いることができる。つまり、少なくとも一方の主面に、上記のアンダーバンプメタル層に相当する層を備える半導体基板を、被処理体を構成する基板として好ましく使用できる。
銅薄膜は、めっき以外の方法により基板の主面の少なくとも一部を被覆するように形成される。銅薄膜を形成する方法としては、物理蒸着法(PVD法)、イオンプレーティング法、及びスパッタリング法等が挙げられる。これらの方法の中では、薬液によりエッチングされやすい銅薄膜を形成しやすい点から物理蒸着法が好ましい。
銅薄膜の膜厚は、特に限定されない。銅薄膜の膜厚は、典型的には、50nm以上300nm以下が好ましく、70nm以上250nm以下がより好ましく、100nm以上200nm以下がさらに好ましい。
銅めっき造形物は、銅薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物である。銅めっき造形物の製造方法は特に限定されない。典型的には、シード層としての銅薄膜上に、銅めっき造形物が形成される位置に、銅めっき造形物の形状に応じた空隙を有する鋳型を形成した後に、当該鋳型を備える基板に対して周知の方法により銅めっきを施して、銅めっき造形物が形成される。なお、前述の空隙においては、シード層としての銅薄膜が露出している。
鋳型の形成方法は特に限定されない。典型的には、感光性組成物を用いて一般的なフォトリソグラフィー法により鋳型が形成され得る。
感光性組成物は、めっき液に対する耐久性を有する膜を形成できる限り特に限定されない。感光性組成物は、露光により硬化することで現像液に対して不溶化するネガ型の組成物であっても、露光により現像液に対して可溶化するポジ型の組成物であってもよい。
上記のように銅めっきを行った後に、鋳型の形成に用いた組成物の種類に応じた周知の方法により、鋳型が基板上から剥離される。
銅めっき造形物は、典型的にはメタルポストのようなバンプ(電極)であったり、銅配線や銅再配線であったりする。銅めっき造形物の形状は特に限定されない、銅めっき造形物の、基板の厚さ方向の高さは、再配線層の場合は2μm以上6μm以下が好ましく、2.5μm以上4μm以下がより好ましく、バンプの場合は10μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上70μm以下がより好ましい。
<酸化性物質(A)>
酸化性物質(A)は、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を含む。
また、酸化性物質(A)は、オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を必須に含む。
薬液が、上記の酸化性物質(A)を含むことにより、銅めっき造形物を少量しかエッチングしない一方で、めっき以外の方法により形成された銅薄膜を所望する程度の多量エッチングできる。
〔オキソ酸(A1a)〕
前述の通り、オキソ酸(A1a)は酢酸を必須に含む。薬液における酢酸の含有量は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。薬液における酢酸の含有量は、薬液の質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.002質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.003質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
なお、薬液は、後述するように、2液型以上の多液型であってもよい。薬液が多液型である場合、薬液における酢酸の含有量は、複数の液の質量の合計に対する酢酸の質量の比率である。
オキソ酸(A1a)は、酢酸のみを含んでいてもよく、酢酸と、酢酸以外のオキソ酸を含んでいてもよい。なお、本出願の明細書において、オキソ酸(A1a)は、-O-O-結合を有する過酸化物に該当しないオキソ酸である。酢酸以外のオキソ酸の例としては、酢酸以外のカルボン酸類、ハロゲンオキソ酸類、ケイ酸、亜硝酸、硝酸、亜リン酸、リン酸、亜硫酸、硫酸、及びスルホン酸類等が挙げられる。
なお、オキソ酸(A1a)は、分子中に1つの酸性基を有する一塩基酸であって、分子中に2つ以上の酸性基を有する多塩基酸ではない。
酢酸以外のカルボン酸類の具体例としては、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、安息香酸、及び乳酸等が挙げられる。ハロゲンオキソ酸類の具体例としては、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、及び臭素酸等が挙げられる。
酢酸とともに使用され得る上記のオキソ酸の中では、めっき以外の方法により形成された銅薄膜をエッチングしやすいことからリン酸(HPO)が好ましい。
薬液における酢酸以外のオキソ酸の含有量は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。薬液における酢酸以外のオキソ酸の含有量は、薬液の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
なお、薬液は、後述するように、2液型以上の多液型であってもよい。薬液が多液型である場合、薬液における酢酸以外のオキソ酸の含有量は、複数の液の質量の合計に対する酢酸以外のオキソ酸の質量の比率である。
〔過酸化物(A1b)〕
過酸化物(A1b)は、-O-O-結合を有する化合物であれば特に限定されない。過酸化物は後述する過酸(A1c)に該当する化合物であってもよい。本出願の明細書において、薬液が、オキソ酸(A1a)とともに過酸を含有する場合には、薬液が、オキソ酸(A1a)と、過酸化物(A1b)としての過酸とを含むこととする。
過酸化物(A1b)の具体例としては、過酸化水素、過酸過リチウム、及び過酸化カリウム等の無機過酸化物、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジメチジオオキシラン、過酸化アセトン、メチルエチルケトンペルオキシド、及びヘキサメチレントリペルオキシドジアミン等の有機過酸化物;過硫酸、過炭酸、過リン酸、次過塩素酸、次過臭素酸、次過ヨウ素酸、及び過カルボン酸等の過酸が挙げられる。
過カルボン酸の例としては、過ギ酸、過安息香酸、及びm-クロロ過安息香酸が挙げられる。
上記の過酸化物(A1b)の中では、安価であり、且つ取り扱いが容易であることや、薬液を用いて、めっき以外の方法により形成された銅薄膜をエッチングしやすいことから過酸化水素が好ましい。
薬液における過酸化物(A1b)の含有量は、薬液全体の質量に対して、5質量%以下であり、1質量%以下であるのが好ましい。
〔過酸(A2)〕
薬液は、酸化性物質(A)として、過酸(A2)を含んでいてもよい。前述の通り、本出願の明細書において、薬液が、オキソ酸(A1a)とともに過酸を含有する場合には、薬液が、オキソ酸(A1a)と、過酸化物(A1b)としての過酸とを含むこととする。
薬液が過酸(A2)を含む場合、薬液は過酸(A2)として過酢酸を含む。薬液における過酢酸の含有量は、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。
薬液における過酢酸の含有量は、薬液の質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.002質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.003質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
なお、薬液は、後述するように、2液型以上の多液型であってもよい。薬液が多液型である場合、薬液における過酢酸の含有量は、複数の液の質量の合計に対する過酢酸の質量の比率である。
薬液は、過酢酸とともに、過酢酸以外の過酸を過酸(A2)として含んでいてもよい。過酢酸以外の過酸としては、過酸化物(A1b)について説明した過酸と同様の化合物を用いることができる。
過酢酸とともに使用され得る過酢酸以外の過酸の中では、めっき以外の方法により形成された銅薄膜をエッチングしやすいことから過リン酸が好ましい。
薬液における過酢酸以外の過酸の含有量は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。薬液における過酢酸以外の過酸の含有量は、薬液の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
なお、薬液は、後述するように、2液型以上の多液型であってもよい。薬液が多液型である場合、薬液における過酢酸以外の過酸の含有量は、複数の液の質量の合計に対する過酸以外の過酸の質量の比率である。
〔防食剤(B)〕
薬液は、防食剤(B)を含んでいてもよい。薬液が防食剤(B)を含むことにより、エッチング後の銅めっき造形物の表面粗さの増大を抑制しつつ、銅薄膜をエッチングできる。防食剤(B)としては、銅に対して防食剤として使用されることが知られている化合物を、特に限定なく用いることができる。
防食剤(B)の好ましい例としては、1H-イミダゾール類、ピラゾール類、チアゾール類、トリアゾール類、グアニジン類から選択される窒素含有化合物が挙げられる。を含有していてもよい。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上併用することができる。
1H-イミダゾール類としては、1H-イミダゾール、2-メチル-1H-イミダゾール、2-エチル-1H-イミダゾール、2-イソプロピル-1H-イミダゾール、2-プロピル-1H-イミダゾール、2-ブチル-1H-イミダゾール、4-メチル-1H-イミダゾール、2,4-ジメチル-1H-イミダゾール、2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール、2-アミノ-1H-イミダゾール、1H-ベンゾイミダゾール-2-チオール(2-メルカプトベンゾイミダゾール)等が挙げられる。
ピラゾール類としては、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ピラゾロン、3-アミノ-5-メチルピラゾール、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3-アミノ-5-メチルピラゾール等が挙げられる。
チアゾール類としては、2-アミノチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2,4-ジメチルチアゾール、2-アミノ-4-メチルチアゾール等が挙げられる。
トリアゾール類としては、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、グアニジン、1,3‐ジフェニルグアニジン、1-(オルトトリル)ビグアナイド等が挙げられる。
薬液における防食剤(B)の含有量は、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。薬液における防食剤(B)の含有量の好ましい範囲は、薬液の質量に対して、0.0001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.001質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
〔界面活性剤(C)〕
薬液が界面活性剤(C)を含むことにより、銅めっき造形物等の被処理体を構成する材料に対する薬液の濡れ性が改良される。その結果、銅薄膜が、ごく近い位置に隣接する複数の銅めっき造形物の下部の近傍に位置する場合であっても、銅めっき造形物間の隙間に薬液か良好に侵入でき、銅薄膜を良好にエッチングできる。
界面活性剤(C)としては、特に限定されず、従来公知の界面活性剤を用いることができる。アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤のいずれも、界面活性剤(C)として用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、炭素-炭素三重結合を有するジオールのアルキレンオキシド付加体や、炭素-炭素三重結合を有するモノオールのアルキレンオキシド付加体が好ましい。
炭素-炭素三重結合を有するジオールのアルキレンオキシド付加体としては、例えば、下記式(c-1)で表されるノニオン系界面活性剤が好ましい。
HO-(Rc6-O)n1-CRc3c4-C≡C-CRc1c2-(O-Rc5n2-OH・・・(c-1)
式(c-1)中、Rc1~Rc4は、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。Rc5、及びRc6は、それぞれ独立に、炭素原子数2以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン鎖である。n1及びn2は、それぞれ独立に0以上30以下の整数である。
c1~Rc4としては、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基が好ましい。Rc5、及びRc6としては、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、及びブタン-1,4-ジイル基が好ましい。n1及びn2としては、0以上16以下の整数が好ましい。
炭素-炭素三重結合を有するジオールのアルキレンオキシド付加体や、炭素-炭素三重結合を有するモノオールのアルキレンオキシド付加体の具体例としては、日信化学工業株式会社製のオルフィンEXP4200、それぞれエアプロダクツ社製のサーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104PA、及びサーフィノール104PG-50等の「サーフィノール104シリーズ」、並びに、それぞれエアプロダクツ社製のサーフィノール420、サーフィノール445、サーフィノール465、及びサーフィノール485等の「サーフィノール400シリーズ」等を挙げることができる。これらのうち、「サーフィノール400シリーズ」が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、下記式(c-2)で表されるアニオン系界面活性剤が挙げられる。
c7-SOH・・・(c-2)
式(c-2)において、Rc7は炭素原子数7以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。当該アルキル基は、水酸基及び/又はカルボキシル基を有していてもよく、フェニレン基及び/又は酸素原子によって中断されていてもよい。
c7としては、炭素原子数8以上11以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。
式(c-2)で表されるアニオン系界面活性剤としては、具体的には、n-オクタンスルホン酸、n-ノナンスルホン酸、n-デカンスルホン酸、及びn-ウンデカンスルホン酸を挙げることができる。この中でも、n-オクタンスルホン酸、n-ノナンスルホン酸及びn-デカンスルホン酸が好ましい。
薬液における界面活性剤(C)の含有量は、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。薬液における界面活性剤(C)の含有量の好ましい範囲は、薬液の質量に対して、0.0001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.001質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
〔キレート剤(D)〕
薬液は、キレート剤(D)を含んでいてもよい。キレート剤(D)は、分子中に酸性基を1つ有する一塩基酸である前述のオキソ酸(A1a)に該当しない化合物である。薬液が、キレート剤(D)を含むことにおり、薬液中の過酸化物(A1b)や過酸(A2)が安定化される。
キレート剤としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロ3酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(HEDTA)、グルタミン酸2酢酸(CMGA)、アミノトリメチレンホスホン酸(ATMP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミン6酢酸(TTHA)、及びグリコールエーテルジアミンン4酢酸(GEDTA)等が挙げられる。
これらのキレート剤は、アルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩として使用されてもよい。
薬液におけるキレート剤(D)の含有量は、所望する効果が損なわれない範囲で特に限定されない。薬液におけるキレート剤(D)の含有量の好ましい範囲は、薬液の質量に対して、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。
〔水溶性有機溶媒(O)〕
所望する効果が損なわれない範囲で、薬液は、水溶性有機溶媒(O)を含んでいてもよい。薬液に水溶性有機溶媒(O)を含有させることにより、水(W)に溶解しにくい成分を薬液に溶解させやすくできる。
水溶性有機溶媒(O)の具体例としては、スルホラン;ヘキサメチルリン酸トリアミド;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、3-メチルスルホン、ビス(2-ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド等のアミド類;N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-プロピル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシメチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン等のラクタム類;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジイソプロピル-2-イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルカノール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコール類;β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-ペンチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ノナラクトン等のラクトン類;炭酸プロピレン;テトラヒドロフラン;上記のラクタム類、並びに1-メチルイミダゾール、及び1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、ピペリジン、2-オキサゾリジノン等の防食剤(B)に該当しない、大気圧下で25℃において液状である含窒素複素環化合物等が挙げられる。
薬液における水溶性有機溶媒(O)の含有量は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。薬液における水溶性有機溶媒(O)の含有量は、例えば、薬液の質量に対して50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。薬液は、溶媒として、水(W)のみを含むのが好ましい。
〔その他の成分〕
薬液は、上記の成分以外に、消泡剤等を含んでいてもよい。これらの成分の使用量は、各成分が通常使用される量を勘案して適宜定められる。
〔水(W)〕
水(W)としては、所望する効果を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の品質の水を用いることができる。水(W)としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、イオン交換蒸留水等が好ましく、イオン交換蒸留水がより好ましい。
それぞれ所望する量の、以上説明した薬液の必須又は任意の成分を水(W)に溶解させることにより薬液が調製される。
以上説明した薬液を用いることにより、シード層としての銅薄膜を良好にエッチングしつつ、銅めっき造形物の過度のエッチングを防ぐことができる。
より具体的には、以上説明した薬液について、銅めっき造形物に対するエッチング速度ER1と、銅薄膜に対するエッチング速度ER2との比率、ER2/ER1が2.5以上であるのが好ましく、2.9以上であるのがより好ましく、3.0以上であるのが特に好ましい。
薬液における酢酸、又は過酢酸の含有量が多いほど、上記比率ER2/ER1の値が大きい傾向がある。
また、銅めっき造形物の表面における薬液の接触角は、100°未満であるのが好ましく、95°以下であるのがより好ましく、90°以下であるのがさらに好ましく、85°以下であるのが特に好ましい。ここで、上記の接触角は、めっき造形物が薬液に接触する前に測定される値である。
銅めっき造形物の表面における薬液の接触角が上記の条件を満たすことにより、銅薄膜が、ごく近い位置に隣接する複数の銅めっき造形物の下部の近傍に位置する場合であっても、銅めっき造形物間の隙間に薬液か良好に侵入でき、銅薄膜を良好にエッチングできる。
上記の薬液の接触角を低下させる方法としては、薬液に界面活性剤(C)を含有させる方法や、薬液に水溶性有機溶媒を添加する方法等が挙げられる。
ここで、上記の薬液の接触角は、静的接触角である。薬液の静的接触角は、例えば、Dropmaster 700(協和界面化学株式会社製)を用い、薬液と接触した後の銅めっき造形物の表面に薬液の液滴2.0μLを滴下した後に、滴下5秒後における接触角として測定される。
銅めっき造形物に薬液を200秒接触させた場合の、原子間力顕微鏡(AFM)により測定される銅めっき造形物の表面における算術平均高さRaは、35nm以下であるのが好ましく、30nm以下であるのがより好ましく、20nm以下であるのがさらに好ましい。
銅めっき造形物に薬液を200秒接触させた場合に、原子間力顕微鏡(AFM)により測定される銅めっき造形物の表面における二乗平均平方根高さRqは、50nm以下であるのが好ましく、40nm以下であるのがより好ましく、30nm以下であるのがさらに好ましい。
銅めっき造形物に薬液を200秒接触させた場合に、原子間力顕微鏡(AFM)により測定される銅めっき造形物の表面におけるZレンジは、500nm以下であるのが好ましく、400nm以下であるのがより好ましく、300nm以下であるのがさらに好ましい。Zレンジは、原子間力顕微鏡(AFM)により得られた平面フィッティング処理前の、測定対象面の凹凸に関する高さ情報に関して、最高の高さの値と、最低の高さの値との差である。
≪銅めっき造形物を備える基板の製造方法≫
銅めっき造形物を備える基板の製造方法は、
基板上に銅薄膜を形成する工程と、
銅薄膜上に、めっき用の鋳型を形成する工程と、
鋳型を備える基板に対して銅めっきを施し、鋳型内に銅めっき造形物を形成する工程と、
銅めっき造形物の形成後に、鋳型を剥離する工程と、
鋳型の剥離後に、前述の薬液を用いて銅薄膜をエッチングする工程と、を含む。
基板上に銅薄膜を形成する工程と、銅薄膜上に、めっき用の鋳型を形成する工程と、鋳型を備える基板に対して銅めっきを施し、鋳型内に銅めっき造形物を形成する工程と、銅めっき造形物の形成後に、鋳型を剥離する工程とに関しては、薬液について前述した通りである。
鋳型の剥離後に、前述の薬液を用いて銅薄膜をエッチングする工程において、エッチング方法は、銅薄膜と前述の薬液を接触させることができる方法であれば特に限定されない。
基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体に対して上記の薬液を接触させてエッチングを行う方法としては、スプレー法、浸漬法、液盛り法等が例示される。
スプレー法でのエッチングにおいては、例えば、被処理体を所定の方向に搬送もしくは回転させ、その空間にエッチング液を噴射して被処理体にエッチング液を接触させる。必要に応じて、スピンコーターを用いて被処理体を回転させながらエッチング液を噴霧してもよい。
浸漬法でのエッチングにおいては、薬液からなる液浴に被処理体を浸漬させ、液浴内で被処理体と薬液とを接触させる。
液盛り法でのエッチングにおいては、被処理体のエッチングされる面に薬液を盛って、被処理体と薬液とを接触させる。
これらのエッチング方式は被処理体の構造や材料等により適宜使い分ければよい。
薬液と、被処理体を接触させる時間は、銅薄膜の厚さ等を勘案して適宜定められる。エッチングを行う際の薬液の温度は、銅めっき造形物が過度にエッチングされたり、基板にダメージが生じたりしない限り特に限定されない。薬液の温度は、典型的には、10℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上30℃以下がより好ましい。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~9、及び比較例1〕
実施例、及び比較例において、一方の主面においてチタン薄膜を備えるシリコン基板と、シリコン基板中のチタン薄膜が露出した面を被覆する、物理蒸着法で形成された厚さ800nmの銅薄膜と、銅薄膜の一部を被覆する厚さ4μmの銅めっき造形物とを備える被処理体を用いた。
表1に記載種類及び量の各成分を均一に混合して、実施例1~9、及び比較例1の薬液を得た。
実施例において、防食剤(B)として1,2,4-トリアゾールを用いた。実施例において、界面活性剤(C)として下記のC1~C3を用いた。実施例、及び比較例において、キレート剤(D)として、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)を用いた。
C1:オルフィンEXP4200(日信化学工業製)
C2:サーフィノール104(エアプロダクツ製)
C3:サーフィノール465(エアプロダクツ製)
なお、過酸化水素は、過酸化水素0.56質量部と水1.24質量部とを含む濃度31質量%の過酸化水素水として、薬液に加えた。つまり、表1に記載の水(W)の量のうち、1.24質量部が過酸化水素水に由来する。
得られた薬液を用いて、以下の方法に従ってエッチング速度の測定と、銅薄膜の表面、及び銅めっき造形物の表面における薬液の接触角測定と、薬液との接触後の銅めっき造形物表面の表面粗さの測定とを行った。これらの測定結果を表2に記す。
<エッチング速度の測定>
約20℃の各実施例、及び比較例の薬液に、上記の被処理体を200秒浸漬させた後に、シート抵抗測定器を用いて、銅薄膜の膜厚と、銅めっき造形物の膜厚とを測定し、エッチング速度(Å/秒)を算出した。
<薬液との接触角測定>
薬液と接触させる前の被処理体を試料として用いて、前述の方法により、銅薄膜の表面、及び銅めっき造形物の表面における薬液の接触角を測定した。
<薬液との接触後の銅めっき造形物表面の表面粗さ測定>
約20℃の各実施例、及び比較例の薬液に、上記の被処理体を200秒浸漬させたその後、被処理体の表面をイオン交換蒸留水で30秒間リンスした。リンス後、窒素ガスを20秒間被処理体に吹き付け、被処理体を乾燥させた。
乾燥した被処理体を測定試料として用い、銅めっき造形物の表面の算術平均高さRa、二乗平均平方根高さRq、及びZレンジを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。
Figure 0007644658000001
Figure 0007644658000002
表1及び表2によれば、チタン薄膜を備えるシリコン基板と、物理蒸着法で形成された銅薄膜と、銅めっき造形物がこの順で積み上げられた被処理体を、オキソ酸(A1a)及び過酸化物(A1b)を含有する酸化性物質(A)、並びに水(W)を含み、且つオキソ酸(A1a)として酢酸を含む実施例の薬液によりエッチング処理すると、銅薄膜を良好にエッチングしつつ、銅めっき造形物の過度のエッチングを防ぐことができることが分かる。
他方、表1及び表2によれば、オキソ酸(A1a)及び過酸化物(A1b)を含有する酸化性物質(A)、並びに水(W)を含むが、酢酸を含まない薬液を用いる場合、銅めっき造形物が多量にエッチングされることが分かる。

Claims (8)

  1. 基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる薬液であって、
    前記薬液は、酸化性物質(A)と、水(W)とを含み、
    前記酸化性物質(A)が、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を含み、
    前記酸化性物質(A)が、前記オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び前記過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を含み、
    前記銅薄膜が、前記基板の主面の少なくとも一部を被覆し、
    前記銅薄膜が、めっき以外の方法により形成された膜であり、
    前記銅めっき造形物が、前記銅薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物であり、
    前記銅めっき造形物に対するエッチング速度ER1と、前記銅薄膜に対するエッチング速度ER2との比率、ER2/ER1が2.5以上である、薬液。
  2. 基板、銅薄膜、及び銅めっき造形物が、この順で、基板の厚さ方向に積み上げられた被処理体のエッチング処理に用いられる薬液であって、
    前記薬液は、酸化性物質(A)と、水(W)とを含み、
    前記酸化性物質(A)が、オキソ酸(A1a)と過酸化物(A1b)との組合わせ、又は過酸(A2)を含み、
    前記酸化性物質(A)が、前記オキソ酸(A1a)としての酢酸、及び前記過酸(A2)としての過酢酸の少なくとも一方を含み、
    前記銅薄膜が、前記基板の主面の少なくとも一部を被覆し、
    前記銅薄膜が、めっき以外の方法により形成された膜であり、
    前記銅めっき造形物が、前記銅薄膜をシード層としてめっきにより形成された造形物であり、
    前記薬液と接触していない状態の前記銅めっき造形物の表面における前記薬液の接触角が、100°未満である、薬液。
  3. さらに、防食剤(B)を含む、請求項1又は2に記載の薬液。
  4. さらに、界面活性剤(C)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬液。
  5. 前記オキソ酸(A1a)が、リン酸を含むか、又は前記過酸(A2)が過リン酸を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  6. 前記オキソ酸(A1a)としての前記酢酸と、水(W)とを含む、第1液と、
    前記過酸化物(A1b)を含む第2液と、からなる2液型の薬液である、請求項1~のいずれか1項に記載の薬液。
  7. 基板上に銅薄膜を形成する工程と、
    前記銅薄膜上に、めっき用の鋳型を形成する工程と、
    前記鋳型を備える前記基板に対して銅めっきを施し、前記鋳型内に銅めっき造形物を形成する工程と、
    前記銅めっき造形物の形成後に、前記鋳型を剥離する工程と、
    前記鋳型の剥離後に、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬液を用いて前記銅薄膜をエッチングする工程と、を含む、銅めっき造形物を備える基板の製造方法。
  8. 物理蒸着法によって、前記基板上に前記銅薄膜が形成される、請求項に記載の、銅めっき造形物を備える基板の製造方法。
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