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JP7647481B2 - イマージョン回折素子 - Google Patents
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Description

本発明は、イマージョン回折素子に関する。
従来、波長分解能の向上及び小型化の両立が可能な、イマージョン回折素子が提案されていた。近年の微細加工技術や材料技術の進展により、イマージョン回折素子の実現が可能となり、イマージョン回折素子が注目されている。
イマージョン回折素子は、例えば、プリズムに回折部が設けられた構成を有する。回折部においては、複数の回折溝が周期的に設けられている。イマージョン回折素子による分光に際し、光はプリズムを通り、回折部において反射及び分光される。その後、分光された光がプリズムから出射される。
プリズムの屈折率をnとした場合、光がプリズムを通るときには、光の波長は1/nとなる。よって、分光するために必要な回折溝のピッチは1/nとなる。そのため、イマージョン回折素子を小型にしても、多数の回折溝を設けることができ、波長分解能を高めることができる。
下記の特許文献1には、イマージョン回折素子の一例としての回折格子が開示されている。この回折格子においては、InPまたはInAsの結晶材料に、格子溝が設けられている。格子溝は、結晶材料の結晶方位(110)面である面を含んでいる。
特開2015-121605号公報
イマージョン回折素子が用いられた光学デバイスを使用する際、実際には、イマージョン回折素子の回折部の表面に異物が付着することがある。この場合、イマージョン回折素子による光の回折に不具合が生じるおそれがある。さらに、イマージョン回折素子の表面から異物を除去する際に、回折部が破損するおそれもある。
本発明の目的は、回折の不具合を抑制することができ、かつ回折部が破損し難い、イマージョン回折素子を提供することにある。
本発明に係るイマージョン回折素子は、回折部と、回折部を囲むように設けられているリブとを有する本体部と、リブ上に設けられている蓋部とを備えることを特徴とする。
リブを構成する材料と蓋部を構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が170×10-7/℃以下であることが好ましい。
回折部が非晶質ガラスからなることが好ましい。
リブがガラスからなることが好ましい。
蓋部がガラス、セラミック、金属または樹脂からなることが好ましい。
本体部において、回折部及びリブが一体として設けられていることが好ましい。
本体部が、プリズム部を含み、プリズム部及び回折部が一体として設けられていることが好ましい。または、本体部が、主面を有するプリズム部を含み、回折部がプリズム部の主面上に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、回折の不具合を抑制することができ、かつ回折部が破損し難い、イマージョン回折素子を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係るイマージョン回折素子の本体部を、プリズム部の第1の面の法線方向から見た図である。 図3は、本発明のイマージョン回折素子の本体部における分光を説明するための、リブを省略した模式的断面図である。 図4は、図3における回折部の拡大図である。 図5は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るイマージョン回折素子の断面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。 図7は、本発明の第3の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。なお、図1は、イマージョン回折素子の、後述する図2中のI-I線に沿う断面を示す図である。
イマージョン回折素子1は本体部2を有する。本体部2は、プリズム部3と、回折部4と、リブ5とを含む。本実施形態の本体部2においては、プリズム部3、回折部4及びリブ5が一体として設けられている。もっとも、プリズム部3、回折部4及びリブ5は、それぞれ別体として設けられていてもよい。
プリズム部3は三角柱状の形状を有する。プリズム部3は、第1の面3aと、第2の面3bと、第3の面3cとを有する。これらの面は、三角柱状の形状における側面に相当する。プリズム部3の第1の面3aには、複数の回折溝4dが周期的に設けられている。これにより、回折部4が構成されている。より具体的には、複数の回折溝4dは、回折部4の形状が階段状となるように設けられている。各回折溝4dは、第4の面4a及び第5の面4bを有する。本実施形態では、第4の面4a及び第5の面4bは直交している。
図2は、第1の実施形態に係るイマージョン回折素子の本体部を、プリズム部の第1の面の法線方向から見た図である。
プリズム部3の第1の面3aにおいて、回折部4を囲むように、リブ5が設けられている。リブ5は、第1の面3aの法線方向から見たときに、枠状の形状を有する。より具体的には、リブ5は開口部5aと、開口端面部5bとを有する。開口部5a内に回折部4が配置されている。
図1に戻り、本体部2におけるリブ5上に、蓋部6が設けられている。より具体的には、蓋部6は、リブ5の開口部5aを塞ぐように、リブ5の開口端面部5b上に設けられている。本実施形態においては、蓋部6はリブ5の開口端面部5bの全面に接合されている。もっとも、リブ5の開口端面部5bは、蓋部6に接合されていない部分を有していてもよい。リブ5の開口部5aが蓋部6により塞がれていればよい。
蓋部6は板状の形状を有する。蓋部6の厚み方向から見たときに、蓋部6の形状は矩形である。もっとも、蓋部6の上記方向から見た形状は、矩形には限定されず、円形、楕円形または矩形以外の多角形等であってもよい。蓋部6は、リブ5の開口部5aを塞ぐように構成されていればよい。
図3は、イマージョン回折素子の本体部における分光を説明するための、リブを省略した模式的断面図である。図4は、図3における回折部の拡大図である。図3及び図4においてはハッチングを付していない。
図3に示すように、プリズム部3の第2の面3bは、イマージョン回折素子1の入射部である。なお、回折部4は、図4に示す底点部4cを含む。より具体的には、回折部4は複数の底点部4cを含む。図3に示すように、光Aは第2の面3bから入射し、プリズム部3内を通り、回折部4に至る。そして、光Aは、回折部4における各第4の面4a、各底点部4cにおいて反射及び回折されることで分光される。図3中における破線の矢印及び一点鎖線の矢印は、分光された光の例を示す。分光された光は、プリズム部3から出射される。なお、図3中の波状の線により示すように、プリズム部3外における光Aの波長よりも、プリズム部3内における光Aの波長は短くなっている。そのため、分光に必要な回折溝4dのピッチを短くすることができる。従って、イマージョン回折素子1においては、波長分解能の向上及び小型化を両立させることができる。
図1に戻り、本実施形態の特徴は、回折部4を囲むようにリブ5が設けられており、かつリブ5上に蓋部6が設けられていることにある。蓋部6及びリブ5によって回折部4が保護されているため、回折部4の表面に異物が付着し難い。よって、長期の使用にわたっても、イマージョン回折素子1による回折に不具合が生じ難い。さらに、回折部4の表面に異物が付着し難いことから、異物を除去するための部材が回折部4に接触することや、回折部4から異物が剥離すること等も生じ難い。従って、回折部4が破損し難い。加えて、イマージョン回折素子1が光学デバイス等に用いられた際、リブ5及び蓋部6によって、回折部4を他の素子との接触から保護することもできる。このように、回折部4はより一層破損し難い。
以下において、イマージョン回折素子1における各部材の材料の例を示す。
プリズム部3には、例えば、Siまたはガラスを用いることができる。プリズム部3にガラスを用いる場合、非晶質ガラスを用いてもよい。なお、本明細書において、「非晶質ガラス」とは、粉末X線回折による測定で、結晶ピークが認められず、ガラス特有のハローパターンが認められるものをいう。非晶質ガラスとして、例えばカルコゲナイドガラスを用いてもよい。非晶質ガラスの組成としては、モル百分率で、Te 4%~80%、Ge 0%~50%(但し0%を含まない)、Ga 0~20%を含有することが好ましい。あるいは、非晶質ガラスの組成としては、モル百分率で、S 50%~80%、Sb 0%~40%(但し0%を含まない)、Ge 0%~18%(但し0%を含まない)、Sn 0%~20%、Bi 0%~20%を含有することが好ましい。
回折部4には、例えば、プリズム部3の材料の例として挙げたガラスと同様のガラスを用いることができる。なお、回折部4には、プリズム部3の材料の例として挙げた非晶質ガラスと同様の非晶質ガラスを用いることが好ましい。
リブ5には、例えば、ガラス、セラミック、金属または樹脂を用いることができる。なお、リブ5には、ガラスを用いることが好ましく、プリズム部3の材料の例として挙げた非晶質ガラスと同様の非晶質ガラスを用いることがより好ましい。
蓋部6には、例えば、ガラス、セラミック、金属または樹脂を用いることができる。
リブ5を構成する材料と蓋部6を構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が、170×10-7/℃以下であることが好ましく、150×10-7/℃以下であることがより好ましい。これにより、温度変化が生じた際に、熱膨張量や熱収縮量の違いにより、リブ5から蓋部6が剥離し難くなる。
本実施形態のように、プリズム部3及び回折部4が一体として設けられていることが好ましい。この場合には、イマージョン回折素子1は、プリズム部3及び回折部4の界面を有しない。よって、該界面における光の反射は生じないため、光の利用効率を効果的に高めることができる。
回折部4及びリブ5は一体として設けられていることが好ましい。それによって、回折部4及びリブ5を同時に形成することができ、生産性を高めることができる。具体的には、例えば、本体部2の母材としてのプリズムにおける、図1に示す第1の面3aに相当する面にモールドプレス成型を行うことによって、回折部4及びリブ5を形成すればよい。特に、イマージョン回折素子1を小型にする場合には、回折部4及びリブ5の間の距離は狭くなる。そのため、回折部4及びリブ5を個別に設ける場合には、高精度の位置決めを要する。これに対して、上記のようにモールドプレス成型を用いる場合には、回折部4及びリブ5の間における位置ずれは生じ難い。このように、イマージョン回折素子1を容易に小型にすることができる。
リブ5及び蓋部6は、例えば、オプティカルコンタクトまたは表面活性化接合等の常温接合法により接合することが好ましい。それによって、リブ5及び蓋部6の接合部において残留応力が生じ難く、蓋部6の剥離が生じ難い。上記の場合には、リブ5及び蓋部6は、他の部材を介さずに接合されている。もっとも、リブ5及び蓋部6を接着剤等により接合してもよい。
上述したように、回折部4及びリブ5は別体として設けられていてもよい。この例を変形例として示す。
(変形例)
図5に示す第1の実施形態の変形例においては、プリズム部13の第1の面13a上にリブ15が設けられている。リブ15は、回折部4を囲むように設けられている。本変形例においても、第1の実施形態と同様に、イマージョン回折素子による回折に不具合が生じ難く、かつ回折部4が破損し難い。
プリズム部13及びリブ15は、オプティカルコンタクトまたは表面活性化接合等の常温接合法により接合することが好ましい。それによって、プリズム部13及びリブ15の接合部において残留応力が生じ難く、リブ15の剥離が生じ難い。上記の場合には、プリズム部13及びリブ15は、他の部材を介さずに接合されている。もっとも、プリズム部13及びリブ15を接着剤等により接合してもよい。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。
本実施形態は、プリズム部23と、回折部24及びリブ5とが別体として設けられている点において、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、本実施形態のイマージョン回折素子21は第1の実施形態のイマージョン回折素子1と同様の構成を有する。
イマージョン回折素子21の回折部24は、板状部材27を有する。板状部材27は、回折部形成面27aと、接合面27bとを有する。回折部形成面27a及び接合面27bは互いに対向している。回折部形成面27aに、複数の回折溝4dが周期的に設けられている。これにより、回折部24が構成されている。回折溝4dの形状は、第1の実施形態と同様である。
なお、回折部24及びリブ5は一体として設けられている。より具体的には、板状部材27の回折部形成面27a上における、複数の回折溝4dが設けられている部分を囲むように、リブ5が設けられている。本実施形態における回折部24及びリブ5は、例えば、モールドプレス成型によって得ることができる。
一方で、プリズム部23は、第1の面23aと、第2の面3bと、第3の面3cとを有する。第2の面3b及び第3の面3cは第1の実施形態と同様に構成されている。第1の面23aは、本発明におけるプリズム部の主面である。第1の面23a上に回折部24が設けられている。より具体的には、第1の面23a及び板状部材27の接合面27bが接合されている。
プリズム部23及び回折部24は、例えば、オプティカルコンタクトまたは表面活性化接合等の常温接合法により接合すればよい。なお、プリズム部23及び回折部24は、オプティカルコンタクトにより接合することが好ましい。これにより、プリズム部23及び回折部24の間において空隙が生じることをより確実に抑制することができる。よって、プリズム部23及び回折部24の間において反射が生じ難く、光の利用効率をより確実に高めることができる。
本実施形態においては、プリズム部23及び回折部24は他の部材を介さずに接合されている。なお、プリズム部23及び回折部24の間に下地膜が設けられていてもよい。下地膜が接合部材として用いられていてもよい。下地膜には、例えばSiを用いることができる。
図6に示すように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、回折部24を囲むようにリブ5が設けられており、かつリブ5上に蓋部6が設けられている。蓋部6及びリブ5によって回折部24が保護されているため、イマージョン回折素子21による回折に不具合が生じ難く、かつ回折部24が破損し難い。
プリズム部23を構成する材料と、回折部24を構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が、170×10-7/℃以下であることが好ましく、150×10-7/℃以下であることがより好ましい。それによって、温度変化が生じた際においても、プリズム部23から回折部24が剥離し難い。
プリズム部23を構成する材料と、回折部24を構成する材料との波長10μmにおける屈折率差の絶対値が、0.3以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましい。この場合には、プリズム部23及び回折部24の界面における光の反射が抑制されるため、光の利用効率を高めることができる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係るイマージョン回折素子の断面図である。
本実施形態は、プリズム部3の第2の面3bに反射防止膜38が設けられている点、及び回折部4の表面が反射膜39によって覆われている点において、第1の実施形態と異なる。具体的には、反射膜39は、回折部4の第4の面4a及び第5の面4bを覆っている。上記の点以外においては、本実施形態のイマージョン回折素子31は第1の実施形態のイマージョン回折素子1と同様の構成を有する。
プリズム部3の第2の面3bは、イマージョン回折素子31における入射部である。該入射部に反射防止膜38が設けられていることにより、入射光が反射され難い。よって、光の利用効率を高めることができる。なお、反射防止膜38はGe、Si、フッ化物、ZnSe、ZnS、及びダイヤモンドライクカーボンから選択される少なくとも1種以上からなることが好ましい。
上記のように、回折部4の表面は反射膜39によって覆われている。これによって、プリズム部3に入射した光を、回折部4においてより確実に反射させることができ、より確実に分光させることができる。反射膜39には、例えば、Au等の金属を用いることができ、Auの下地膜としてSiを用いてもよい。この場合には、入射光の反射及び分光を容易に、かつより確実に行うことができる。
加えて、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、回折部4を囲むようにリブ5が設けられており、かつリブ5上に蓋部6が設けられている。蓋部6及びリブ5によって回折部4が保護されているため、イマージョン回折素子31による回折に不具合が生じ難く、かつ回折部4が破損し難い。
1…イマージョン回折素子
2…本体部
3…プリズム部
3a~3c…第1~第3の面
4…回折部
4a,4b…第4,第5の面
4c…底点部
4d…回折溝
5…リブ
5a…開口部
5b…開口端面部
6…蓋部
13…プリズム部
13a…第1の面
15…リブ
21…イマージョン回折素子
23…プリズム部
23a…第1の面
24…回折部
27…板状部材
27a…回折部形成面
27b…接合面
31…イマージョン回折素子
38…反射防止膜
39…反射膜

Claims (5)

  1. 回折部と、前記回折部を囲むように設けられているリブと、を有する本体部と、
    前記リブとは別体であり、前記リブ上に設けられている蓋部と、
    を備え、
    前記本体部が、主面を有するプリズム部を含み、
    前記プリズム部の前記主面に、前記回折部及び前記リブが設けられており、
    前記プリズム部の前記主面の法線方向から見たときに、前記リブが前記主面の外周縁の内側に位置しており、
    前記プリズム部、前記回折部及び前記リブが一体として設けられている、イマージョン回折素子。
  2. 前記リブを構成する材料と前記蓋部を構成する材料との熱膨張係数の差の絶対値が170×10-7/℃以下である、請求項1に記載のイマージョン回折素子。
  3. 前記回折部が非晶質ガラスからなる、請求項1または2に記載のイマージョン回折素子。
  4. 前記リブが非晶質ガラスからなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のイマージョン回折素子。
  5. 前記蓋部がガラス、セラミック、金属または樹脂からなる、請求項1~4のいずれか1項に記載のイマージョン回折素子。
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