JP7648868B2 - 鋼材 - Google Patents
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Description
C:0.0010~0.15%、
Si:0.10~0.80%、
Mn:0.50~1.00%、
Cu:0.20~0.50%、
Sb:0.050~0.300%、
Ni:0.10~0.80%、
Cr:0.20~1.50%、
Co:0.002~0.020%、
MoおよびWの一方または両方:合計で0.002~0.30%、
Ti:0.001~0.050%、
N:0.0005~0.0050%、
P:0.050%以下、
S:0.0020~0.0200%、
O:0.0010~0.0045%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるRIが5.5~27.5であり、
下記(ii)式で定義されるYIが50~160であり、
鋼材中にMnSおよびMnS酸化物を含み、最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度が50.0/mm2未満であり、かつ最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度に対する、最大長さが2.0μm以上のMnS酸化物の個数密度の比が0.10以上である、
鋼材。
RI=1000×((Cr/52)+(Co/59)) ・・・(i)
YI=((Cr/52)+(Mo/96)+(W/184))/(O/16) ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
Nb:0.10%以下、
V:0.10%以下、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載の鋼材。
Sn:0.10%以下、
を含有する、
上記(1)または(2)に記載の鋼材。
RI=1000×((Cr/52)+(Co/59)) ・・・(i)
YI=((Cr/52)+(Mo/96)+(W/184))/(O/16) ・・・(ii)
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、鋼材の強度を向上させる元素である。しかしながら、耐食性を向上させつつ、冷間加工性を確保するためには、C含有量を極力低減する必要がある。そのため、C含有量は0.0010~0.15%とする。強度が要求される場合は、C含有量は0.0030%以上であるのが好ましい。また、C含有量は0.13%以下であるのが好ましく、0.10%以下であるのがより好ましい。
Siは、脱酸および強度の向上に寄与し、酸化物の形態を制御する元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合、酸化物が増加し、耐食性を損なう。そのため、Si含有量は0.10~0.80%とする。Si含有量は0.15%以上であるのが好ましく、0.20%以上であるのがより好ましい。また、Si含有量は0.70%以下であるのが好ましく、0.60%以下であるのがより好ましい。
Mnは、強度を向上させる元素である。しかしながら、Mnが過剰に含有された場合、粗大なMnSが生成し、耐食性および機械特性が劣化する。そのため、Mn含有量は0.50~1.00%とする。Mn含有量は0.60%以上であるのが好ましく、0.70%以上であるのがより好ましい。また、Mn含有量は0.95%以下であるのが好ましく、0.90%以下であるのがより好ましく、0.85%以下であるのがさらに好ましい。
Cuは、Sbと同時に含有させると、硫酸および塩酸に対する耐食性を顕著に発現する元素である。しかしながら、Cuが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下し、生産性を損なう。そのため、Cu含有量は0.20~0.50%とする。Cu含有量は0.25%以上、0.30%以上、または0.35%以上であるのが好ましい。また、Cu含有量は0.45%以下であるのが好ましく、0.40%以下であるのがより好ましい。
Sbは、Cuと同時に含有させると、硫酸および塩酸に対する耐食性を顕著に発現する元素である。しかしながら、Sbが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下し、生産性を損なう。そのため、Sb含有量は0.050~0.300%とする。Sb含有量は0.060%以上であるのが好ましく、0.070%以上であるのがより好ましく、0.100%以上であるのがさらに好ましい。また、Sb含有量は0.250%以下であるのが好ましく、0.200%以下であるのがより好ましい。
Niは、酸腐食環境での耐食性を向上させる元素であり、加えてCuを含有する鋼において、製造性を高める効果を有する。Cuは、耐食性を向上させる効果が大きいが、偏析し易く、単独で含有させると鋳造後の割れを助長する場合がある。これに対して、NiはCuの表面偏析を軽減する作用がある。Niを含有させることで、Cuの偏析および鋳片割れの抑制に加えて、偏析に起因する局部腐食の発生も抑制されるため、耐食性を向上させる効果が得られる。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、Ni含有量を0.10~0.80%とする。Ni含有量は0.15%以上であるのが好ましく、0.30%以上であるのがより好ましく、0.45%以上であるのがさらに好ましい。また、Ni含有量は0.70%以下であるのが好ましく、0.60%以下であるのがより好ましい。
Crは、焼入れ性を高めて強度を向上させるとともに、耐硫酸性を向上させる効果を有する元素である。しかしながら、Crが過剰に含有された場合、鋼材表面で腐食起点となりやすい酸化物を形成する。また、耐塩酸性を低下させる。そのため、Cr含有量は厳密に制限する必要があり、0.20~1.50%とする。Cr含有量は0.30%以上であるのが好ましく、0.50%以上であるのがより好ましく、0.70%以上であるのがさらに好ましい。また、Cr含有量は1.40%以下であるのが好ましい。
Coは、耐酸性を向上させる効果を有する元素である。特に、CuおよびSbと同時に含有させることで酸性環境において優れた耐食性を発揮する。しかしながら、Coが過剰に含有された場合、経済性が低下する。そのため、Co含有量は0.002~0.020%とする。Co含有量は0.004%以上であるのが好ましく、0.010%以上であるのがより好ましく、0.013%以上であるのがさらに好ましい。また、Co含有量は0.018%以下であるのが好ましく、0.016%以下であるのがより好ましい。
MoおよびWは、CuおよびSbと同時に含有させることにより、酸腐食環境での耐食性を向上させる元素である。しかしながら、MoおよびWは高価な元素であるため、過剰な含有は経済性の低下を招く。また、酸化物を形成して耐食性を損なう。そのため、MoおよびWの合計含有量は0.002~0.30%とする。MoおよびWは、一方を単独で含有させてもよく、両方を同時に含有させてもよい。MoおよびWの合計含有量は0.010%以上であるのが好ましく、0.050%以上であるのがより好ましい。また、MoおよびWの合計含有量は0.25%以下であるのが好ましく、0.20%以下であるのがより好ましい。
Tiは、窒化物を形成し、結晶粒の微細化および強度の向上に寄与する元素である。しかしながら、Tiが過剰に含有された場合、窒化物が粗大になり、機械的特性が劣化する。そのため、Ti含有量は0.001~0.050%とする。Ti含有量は0.004%以上であるのが好ましく、0.010%以上であるのがより好ましく、0.015%以上であるのがさらに好ましい。また、Ti含有量は0.040%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましい。
Nは、微細な窒化物を形成し、鋼材の機械特性の向上に寄与する。しかしながら、Nが過剰に含有された場合、鋼材の機械特性および生産性を低下させる。そのため、N含有量は0.0005~0.0050%とする。N含有量は0.0010%以上であるのが好ましく、0.0020%以上であるのがより好ましい。また、N含有量は0.0040%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましい。
Pは、不純物であり、鋼材の機械特性および生産性を低下させる。そのため、P含有量に上限を設けて0.050%以下とする。P含有量は0.030%以下であるのが好ましく、0.020%以下であるのがより好ましい。なお、P含有量は可能な限り低減することが好ましく、つまり含有量が0%でもよいが、極度の低減は製鋼コストの増大を招く。そのため、P含有量は0.001%以上としてもよい。
Sは、一般的に不純物であり、鋼材の機械特性および生産性を低下させる。しかしながら、本発明において、Sは、CuおよびSbと同時に含有させることにより、酸腐食環境での耐食性を向上させる効果を有する。そのため、S含有量は0.0020~0.0200%とする。S含有量は0.0025%以上、または0.0050%以上であるのが好ましい。また、S含有量は0.0180%以下であるのが好ましく、0.0150%以下であるのがより好ましい。
Oは、MnSと結合することで、MnSを無害化し、耐食性および機械特性の悪化を防ぐ効果を有する元素である。しかしながら、Oが過剰に含有された場合、酸腐食環境において腐食の起点となる粗大な酸化物を生成する。そのため、O含有量は0.0010~0.0045%とする。O含有量は0.0013%以上であるのが好ましく、0.0020%以上であるのがより好ましい。また、O含有量は0.0043%以下であるのが好ましく、0.0035%以下であるのがより好ましい。
Nbは、Tiと同様に、窒化物を形成し、結晶粒の微細化および強度の向上に寄与する元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nbが過剰に含有された場合、窒化物が粗大になり、機械特性が劣化する。そのため、Nb含有量は0.10%以下とする。Nb含有量は0.085%以下であるのが好ましく、0.070%以下であるのがより好ましく、0.050%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果をより確実に得たい場合には、Nb含有量は0.005%以上であるのが好ましく、0.010%以上であるのがより好ましく、0.015%以上であるのがさらに好ましい。
Vは、Ti、Nbと同様に、窒化物を形成し、結晶粒の微細化および強度の向上に寄与する元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Vが過剰に含有された場合、窒化物が粗大になり、機械特性が劣化する。そのため、V含有量は0.10%以下とする。V含有量は0.080%以下であるのが好ましく、0.060%以下であるのがより好ましく、0.040%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果をより確実に得たい場合には、V含有量は0.010%以上であるのが好ましい。
Snは、Cuと同時に含有させると酸腐食環境での耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Snが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下する。そのため、Sn含有量は0.10%以下とする。Sn含有量は0.09%以下であるのが好ましく、0.08%以下であるのがより好ましく、0.07%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果をより確実に得たい場合には、Sn含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.02%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
RIは、鋼中にCrおよびCoを含有させた上で、腐食の起点となる酸化物、炭化物および窒化物の形成を抑制するために導出された指標であり、優れた耐食性を得るために、RIは5.5~27.5とする。RIは、6.0以上であるのが好ましく、9.0以上であるのがより好ましく、12.0以上であるのがさらに好ましい。また、RIは27.0以下であるのが好ましく、26.0以下であるのがより好ましく、25.0以下であるのがさらに好ましい。
RI=1000×((Cr/52)+(Co/59)) ・・・(i)
耐酸性腐食指数YIは、鋼材表面で腐食起点となりやすい酸化物を抑制するために導出された指標である。Cr、MoおよびWは、耐食性の向上に有効であるが、それらの含有量が過剰であると腐食の起点となる酸化物を形成しやすくなる。酸腐食環境での耐食性を顕著に向上させるには、耐酸性腐食指数YIは50~160とする。耐酸性腐食指数YIは、60以上であるのが好ましく、80以上であるのがより好ましく、100以上であるのがさらに好ましい。また、耐酸性腐食指数YIは、150以下であるのが好ましく、140以下であるのがより好ましく、130以下であるのがさらに好ましい。
YI=((Cr/52)+(Mo/96)+(W/184))/(O/16) ・・・(ii)
本発明に係る鋼材は、鋼材中にMnSおよびMnS酸化物を含む。そして、最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度が50.0/mm2未満である。加えて、最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度に対する、最大長さが2.0μm以上のMnS酸化物の個数密度の比が0.10以上である。
本発明の一実施形態に係る鋼材の製造方法について説明する。本実施形態に係る鋼材には、熱間圧延を施し、さらに必要に応じて冷間圧延を施して製造される鋼板、形鋼、鋼管等が含まれる。中でも、本発明に係る鋼材は、フィン材等に使用される薄板として好適に用いることができる。そのため、鋼材の厚さは、0.5~2.5mmであることが好ましく、0.7~2.3mmであることがより好ましく、1.0~1.6mmであることがさらに好ましい。
各鋼板から板厚1mm、幅25mm、長さ25mmの試験片を板厚中央部から採取し、湿式#400研磨で仕上げ、耐食性評価用の試験片とした。耐食性の評価は硫酸浸漬試験および塩酸浸漬試験によって行った。硫酸浸漬試験では、試験片を70℃の50%硫酸水溶液に6時間浸漬し、塩酸浸漬試験では、試験片を80℃の10%塩酸水溶液中に5時間浸漬した。
上記条件で圧延した熱間圧延材の表面を外観目視し、割れが生じていたものを×、割れが生じていないものを〇として、熱間加工性を評価した。
JIS Z 2241:2011に準拠して、厚さ1mmの引張試験片を作製し、引張試験を行い、引張強さおよび全伸びを求めた。引張強さが350MPa以上のものを○、350MPa未満のものを×とした。全伸びは冷間加工性の指標とし、30%以上のものを○、30%未満のものを×とした。
Claims (3)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.0010~0.15%、
Si:0.10~0.80%、
Mn:0.50~1.00%、
Cu:0.20~0.50%、
Sb:0.050~0.300%、
Ni:0.10~0.80%、
Cr:0.20~1.50%、
Co:0.002~0.020%、
MoおよびWの一方または両方:合計で0.002~0.30%、
Ti:0.001~0.050%、
N:0.0005~0.0050%、
P:0.050%以下、
S:0.0020~0.0200%、
O:0.0010~0.0045%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるRIが12.1~27.5であり、
下記(ii)式で定義されるYIが50~160であり、
鋼材中にMnSおよびMnS酸化物を含み、最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度が50.0/mm2未満であり、かつ最大長さが2.0μm以上のMnSの個数密度に対する、最大長さが2.0μm以上のMnS酸化物の個数密度の比が0.10以上である、
鋼材。
RI=1000×((Cr/52)+(Co/59)) ・・・(i)
YI=((Cr/52)+(Mo/96)+(W/184))/(O/16) ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。 - 前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.10%以下、
V:0.10%以下、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載の鋼材。 - 前記化学組成が、質量%で、
Sn:0.10%以下、
を含有する、
請求項1または請求項2に記載の鋼材。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2020149541A JP7648868B2 (ja) | 2020-09-07 | 2020-09-07 | 鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020149541A JP7648868B2 (ja) | 2020-09-07 | 2020-09-07 | 鋼材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022044092A JP2022044092A (ja) | 2022-03-17 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2020149541A Active JP7648868B2 (ja) | 2020-09-07 | 2020-09-07 | 鋼材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
| WO2018038196A1 (ja) | 2016-08-25 | 2018-03-01 | Jfeスチール株式会社 | 耐硫酸露点腐食鋼 |
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-
2020
- 2020-09-07 JP JP2020149541A patent/JP7648868B2/ja active Active
Patent Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
| WO2018038196A1 (ja) | 2016-08-25 | 2018-03-01 | Jfeスチール株式会社 | 耐硫酸露点腐食鋼 |
| JP2019196538A (ja) | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 日本製鉄株式会社 | 鋼材 |
| JP6743996B1 (ja) | 2019-11-13 | 2020-08-19 | 日本製鉄株式会社 | 鋼材 |
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| JP2022044092A (ja) | 2022-03-17 |
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