発明の概要
本発明は、小胞上のバイオマーカーを検出および定量するための方法、組成物、およびキットに関する。特に、本発明は、固体支持体の目的の表面マーカーを保有する小胞を選択的に捕捉する、ならびに小胞の溶解または透過処理の必要なしで捕捉された小胞の膜結合型のおよび吸着バイオマーカーを検出するための方法を提供する。小胞上のバイオマーカーの測定は、様々な疾病のための診断および予後判定の方法において有用である。特に、本発明は、対象における疾病または障害を診断するまたは予後判定する、疾病または障害のリスクのある対象を同定する、または疾病または障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、対象における神経障害を診断するまたは予後判定する、神経障害のリスクのある対象を同定する、または神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象における免疫学的障害を診断するまたは予後判定する、免疫学的障害のリスクのある対象を同定する、または免疫学的障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象における癌を診断するまたは予後判定する、癌のリスクのある対象を同定する、または癌を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象における胎盤疾患を診断するまたは予後判定する、胎盤疾患のリスクのある対象を同定する、または胎盤疾患を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想する方法を提供する。
一態様では、本発明は、a)小胞を含む生体試料を提供する工程;b)小胞上に存在する場合には、捕捉剤が第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で、固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、それによって固体支持体上で第一のバイオマーカーを有する小胞を捕捉する;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;およびd)第二のバイオマーカーに選択的に結合する検出剤を使用して固体支持体上で捕捉された小胞上の第二のバイオマーカーを検出する工程、ここで、小胞は溶解または透過処理されていない:を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、固体支持体上で捕捉された小胞上の分泌タンパク質を検出することをさらに含む。或る態様では、分泌タンパク質は、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、およびインターロイキンからなる群から選択される。他の態様では、サイトカインは、IL1b、IL34、IL6、IL8、IL16、IL23A、IL32、IL33、CX3CL1、CCL2、CXCL12、TNFアルファ、TNFSF10、IL12B、ノシセプチン、GnRH、FasL、およびTNFSF13からなる群から選択される。
特定の実施形態では、小胞が、エキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、エクトソーム、およびアポトーシス小体からなる群から選択される。
特定の実施形態では、第一および第二のバイオマーカーは、小胞の膜結合型タンパク質または吸着タンパク質である。例えば、第一または第二のバイオマーカーは、エキソソーム表面マーカー(例えば、CD81、CD63、CD171)、神経特異的タンパク質(例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ(Tau)、リン酸化タウ、αβ-42、およびシナプトフィジン)、アストロサイト特異的タンパク質(例えば、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1))、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、ドーパミントランスポータータンパク質(例えば、DAT)、オリゴデンドロサイト特異的タンパク質(例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、またはケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)であってもよい。別の実施形態では、第一または第二のバイオマーカーは、代謝物である。別の実施形態では、該方法は、固体支持体上で捕捉された小胞上のサイトゾルタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、αシヌクレイン(SNCA)、チロシンヒドロキシゲナーゼ(hydroxygenase)(TH)、カテプシンD(CTSD)、AchE、LAMP1、REST、SYT、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasL)を検出することをさらに含む。別の実施形態では、該方法は、固体支持体上で捕捉された小胞上の1以上の付加的なバイオマーカーを検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CD81、アセチルコリンエステラーゼ(AchE)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、CTSD、RE1サイレンシング転写因子(REST)、シナプトタグミン(SYT)、シナプトフィジン(SYP)、シナプトポディン(SYNPO)、シナプス後膜肥厚タンパク質95(PSD95)、シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2A)、NGRN、単球走化性タンパク質-1(CCL2)、IL34、グリコーゲン合成酵素(GYS)、(OR)、細胞死受容体6(DR6)、ヒートショックタンパク質(HSP)、IL12ベータ、アルファ-ベータ(Aβ)、βセクレターゼ(BACE)、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、SNAP25であり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81、タウ、NEFL、TNFa、およびIL8からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、EAAT1であり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81またはGFAPである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、OMGであり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81またはMBPである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、CD11bであり、かつ第二のバイオマーカーは、SYPである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、DATであり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81、SNCA、またはTHである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、CD11bであり、かつ第二のバイオマーカーは、SYPである。
別の実施形態では、固体支持体上で捕捉された小胞が、ニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、およびミクログリア由来エキソソームからなる群から選択される。
特定の実施形態では、固体支持体は、プレート、非磁性ビーズ、磁性ビーズ、フィルター、スライド、ウェハー(wafer)、ロッド、粒子、ストランド(strand)、ディスク、膜、またはチューブの表面、チャネル、カラム、フローセル装置、またはマイクロ流体デバイスである。固体支持体は、例えば、ガラス、石英、ケイ素、金属、セラミック、プラスチック、ナイロン、ポリアクリルアミド、ハイドロゲル、またはレジンを含むことができる。
特定の実施形態では、固体支持体は、1種以上の固体支持体に結合した捕捉剤、例えば、小胞上の異なるバイオマーカーに選択的に結合する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、またはそれ以上の異なる捕捉剤を含む。
特定の実施形態では、固体支持体上で捕捉された小胞上のバイオマーカーの検出は、1種以上の検出剤、例えば、小胞上の異なるバイオマーカーに選択的に結合する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、またはそれ以上の異なる検出剤を使用することを含む。
特定の実施形態では、捕捉剤は、小胞上の第一のバイオマーカーに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含む。他の実施形態では、検出剤は、小胞上の第二のバイオマーカーに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含む。捕捉剤および検出剤は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ナノボディ、抗体の組み換え断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fv断片、またはscFv断片を含んでもよい。
特定の実施形態では、検出剤は、検出可能標識、例えば、蛍光性、化学発光性、電気化学発光性、生物発光性、同位体、または放射性の標識をさらに含む。
特定の実施形態では、小胞上のバイオマーカーを検出することは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)などのイムノアッセイを行うことを含む。
小胞を含む生体試料は対象または細胞培養上清からのものであってもよい。特定の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。
特定の実施形態では、生体試料は、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、FTDP-17、Lytico-Bodig病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、抑うつ、双極性疾患、てんかん、自閉症、統合失調症、脳腫瘍、白質疾患、脳萎縮症、精神遅滞、小脳失調、多系統萎縮症、脳震盪、脳震盪に至るか至らないかの(subconcussive)衝撃、またはパーキンソン病などの神経障害を有すると診断されたまたは疑われている対象から得られる。
いくつかの実施形態では、生体試料は、乳癌、膵癌、肺癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、前立腺癌、肝癌、卵巣癌、脳癌、腟癌、外陰癌、子宮癌、口腔癌、陰茎癌(penic cancer)、精巣癌、食道癌、皮膚癌、ファロピウス管癌、頭頚部癌、消化管間質癌、腺癌、皮膚または眼球内黒色腫、肛門部の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎癌、尿道癌、腎盂の癌、尿管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳下垂体癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脳幹神経膠腫、または脊髄腫瘍などの癌を有すると診断されたまたは疑われている対象から得られる。
いくつかの実施形態では、生体試料は、免疫学的障害を有すると診断されたまたは疑われている対象から得られる。他の実施形態では、生体試料は、胎盤疾患を有すると診断されたまたは疑われている対象から得られる。
一態様では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤がエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で、固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここでエキソソームが固体支持体上で捕捉されている;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの第二のバイオマーカーのレベルを測定する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない;e)第二のバイオマーカーのレベルを第二のバイオマーカーのコントロールレベルと比較することにより疾病または障害を有する対象を診断する工程;およびf)対象が疾病または障害を有すると診断される場合、疾病または障害について対象を治療する工程、を含む、対象における疾病または障害を診断し、かつ治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、またはオリゴデンドロサイト特異的タンパク質である。他の実施形態では、第二のバイオマーカーは、サイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、受容体タンパク質、トランスポータータンパク質、または膜タンパク質である。いくつかの実施形態では、サイトゾルタンパク質は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、SNCA、αβ-42、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasLからなる群から選択される。他の実施形態では、分泌タンパク質は、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、およびインターロイキンからなる群から選択される。或る態様では、サイトカインは、IL1b、IL34、IL6、IL8、IL16、IL23A、IL32、IL33、CX3CL1、CCL2、CXCL12、TNFアルファ、TNFSF10、IL12B、ノシセプチン、GnRH、FasLおよびTNFSF13からなる群から選択される。他の実施形態では、神経伝達物質受容体は、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、および神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)からなる群から選択される。他の実施形態では、膜タンパク質は、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、トランスポータータンパク質は、神経伝達物質輸送体、ドーパミントランスポーター(例えば、DAT)、セロトニントランスポーター、GABAトランスポーター、グルタミン酸トランスポーター、インスリントランスポーター、腫瘍壊死因子トランスポーター、または神経ペプチドトランスポーターである。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。
別の態様では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤が神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、およびオリゴデンドロサイト特異的タンパク質からなる群から選択されるエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここで、ニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームは固体支持体上で捕捉される;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質からなる群から選択される第二のバイオマーカーのレベルを測定する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない;e)第二のバイオマーカーのレベルを第二のバイオマーカーのコントロールレベルと比較することにより神経障害を有する対象を診断する工程;およびf)対象が神経障害を有すると診断される場合に、神経障害について対象を治療する工程、を含む、対象における神経障害を診断し、かつ治療する方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤がエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で、固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここでエキソソームが固体支持体上で捕捉されている;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの第二のバイオマーカータンパク質のレベルを測定する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない、を含む対象における疾病または障害の進行を予後判定するまたはモニタリングする方法を提供し、それにより対象における疾病または障害の進行を予後判定するまたはモニタリングする。いくつかの実施形態では、該方法は、対象からエキソソームを含む第二の生体試料を得る工程および本発明のバイオマーカーのレベルを測定する工程および第二の生体試料におけるバイオマーカーのレベルを第一の生体試料におけるバイオマーカーのレベルと比較する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、またはオリゴデンドロサイト特異的タンパク質である。他の実施形態では、第二のバイオマーカーは、サイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、受容体タンパク質、トランスポータータンパク質、または膜タンパク質である。いくつかの実施形態では、サイトゾルタンパク質は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、SNCA、αβ-42、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD-95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasLからなる群から選択される。他の実施形態では、分泌タンパク質は、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、およびインターロイキンからなる群から選択される。或る態様では、サイトカインは、IL1b、IL34、IL6、IL8、IL16、IL23A、IL32、IL33、CX3CL1、CCL2、CXCL12、TNFアルファ、TNFSF10、IL12B、ノシセプチン、GnRH、FasLおよびTNFSF13からなる群から選択される。他の実施形態では、神経伝達物質受容体は、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、および神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)からなる群から選択される。他の実施形態では、膜タンパク質は、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、トランスポータータンパク質は、神経伝達物質輸送体、ドーパミントランスポーター、セロトニントランスポーター、GABAトランスポーター、グルタミン酸トランスポーター、インスリントランスポーター、腫瘍壊死因子トランスポーター、または神経ペプチドトランスポーターである。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。
他の実施形態では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤が神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、およびオリゴデンドロサイト特異的タンパク質からなる群から選択されるエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここで、ニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームは固体支持体上で捕捉される;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質からなる群から選択される第二のバイオマーカーのレベルを測定する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていないを含む、対象における神経障害の進行を予後判定するまたはモニタリングする方法を提供し、それによって対象における神経疾患の進行を予後判定するまたはモニタリングする。いくつかの実施形態では、該方法は、対象からエキソソームを含む第二の生体試料を得る工程および本発明のバイオマーカーのレベルを測定する工程および第二の生体試料におけるバイオマーカーのレベルを第一の生体試料におけるバイオマーカーのレベルと比較する工程をさらに含む。
さらに別の態様では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤がエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で、固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここでエキソソームが固体支持体上で捕捉されている;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの第二のバイオマーカーを検出する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない;e)第二のバイオマーカーのレベルを第二のバイオマーカーのコントロールレベルと比較することにより疾病または障害を有する対象を診断する工程;およびf)対象が疾病または障害を有すると診断される場合に疾病または障害について対象を治療する工程、を含む対象における疾病または障害を診断し、かつ治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、またはオリゴデンドロサイト特異的タンパク質である。他の実施形態では、第二のバイオマーカーは、サイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、受容体タンパク質、トランスポータータンパク質、または膜タンパク質である。いくつかの実施形態では、サイトゾルタンパク質は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、SNCA、αβ-42、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasLからなる群から選択される。他の実施形態では、分泌タンパク質は、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、およびインターロイキンからなる群から選択される。或る態様では、サイトカインは、IL1b、IL34、IL6、IL8、IL16、IL23A、IL32、IL33、CX3CL1、CCL2、CXCL12、TNFアルファ、TNFSF10、IL12B、ノシセプチン、GnRH、FasLおよびTNFSF13からなる群から選択される。他の実施形態では、神経伝達物質受容体は、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、および神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)からなる群から選択される。他の実施形態では、膜タンパク質は、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、トランスポータータンパク質は、神経伝達物質輸送体、ドーパミントランスポーター、セロトニントランスポーター、GABAトランスポーター、グルタミン酸トランスポーター、インスリントランスポーター、腫瘍壊死因子トランスポーター、または神経ペプチドトランスポーターである。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。
さらに別の態様では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤が神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、およびオリゴデンドロサイト特異的タンパク質からなる群から選択されるエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここで、ニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームは固体支持体上で捕捉される;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームの神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質からなる群から選択される第二のバイオマーカーを検出する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない;e)第二のバイオマーカーのレベルを第二のバイオマーカーのコントロールレベルと比較することにより神経障害を有する対象を診断する工程;およびf)対象が神経障害を有すると診断される場合に神経障害について対象を治療する工程を含む、対象における神経障害を診断し、かつ治療する方法を提供する。
特定の実施形態では、神経障害は、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、FTDP-17、Lytico-Bodig病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、抑うつ、双極性疾患、てんかん、自閉症、統合失調症、脳腫瘍、白質疾患、脳萎縮症、精神遅滞、小脳失調、多系統萎縮症、脳震盪、脳震盪に至るか至らないかの(subconcussive)衝撃、およびパーキンソン病からなる群から選択される。
特定の実施形態では、第一および第二のバイオマーカーは、以下を含むがこれらに限定されない小胞の膜結合型タンパク質または吸着タンパク質である;シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ、リン酸化タウ、およびシナプトフィジンからなる群から選択される神経特異的タンパク質、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)からなる群から選択されるアストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、IL1b、IL34、FasL、またはIL12Bからなる群から選択されるサイトカイン、ケモカイン(CX3CL1)、CD81、CD171、CTSD、CD63、αβ-42、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)およびオリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)からなる群から選択されるオリゴデンドロサイト特異的タンパク質。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CD81、アセチルコリンエステラーゼ(AchE)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、CTSD、RE1サイレンシング転写因子(REST)、シナプトタグミン(SYT)、NGRN、単球走化性タンパク質-1(CCL2)、IL34、グリコーゲン合成酵素(GYS)、嗅覚受容体(OR)、細胞死受容体6(DR6)、ヒートショックタンパク質(HSP)、IL12ベータ、アルファ-ベータ(Aβ)、βセクレターゼ(BACE)、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5、B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、SNAP25であり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81、タウ、NEFL、TNFa、およびIL8からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、EAAT1であり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81またはGFAPである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、OMGであり、かつ第二のバイオマーカーは、CD81またはMBPである。いくつかの実施形態では、第一のバイオマーカーは、CD11bであり、かつ第二のバイオマーカーは、SYPである。
いくつかの実施形態では、生体試料におけるエキソソームの1以上のバイオマーカーのレベルは、コントロール試料における1以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで生体試料の1以上のバイオマーカーのレベルはコントロール試料と比較して上昇している。いくつかの実施形態では、生体試料における1以上のバイオマーカーのレベルはコントロール試料における1以上のバイオマーカーのレベルと比較され、ここで、生体試料の1以上のバイオマーカーのレベルはコントロール試料と比較して減少している。いくつかの実施形態では、バイオマーカーレベルは少なくとも40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%特異度で対象の疾病または障害状態決定する。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。いくつかの実施形態では、神経障害は、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、FTDP-17、Lytico-Bodig病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、抑うつ、双極性疾患、てんかん、自閉症、統合失調症、脳腫瘍、白質疾患、脳萎縮症、精神遅滞、小脳失調、多系統萎縮症、脳震盪、脳震盪に至るか至らないかの(subconcussive)衝撃、およびパーキンソン病からなる群から選択される。他の実施形態では、生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、および脳脊髄液からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、膵癌、肺癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、前立腺癌、肝癌、卵巣癌、脳癌、腟癌、外陰癌、子宮癌、口腔癌、陰茎癌(penic cancer)、精巣癌、食道癌、皮膚癌、ファロピウス管癌、頭頚部癌、消化管間質癌、腺癌、皮膚または眼球内黒色腫、肛門部の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎癌、尿道癌、腎盂の癌、尿管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳下垂体癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脳幹神経膠腫、または脊髄腫瘍である。
別の実施形態では、本発明は、以下:a)対象からエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤がエキソソームの膜マーカーに選択的に結合する条件下で固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここで、膜マーカーは、SNAP25、OMG、CD11b、EAAT1およびCD171からなる群から選択され、ここで、エキソソームは固体支持体上で捕捉された膜マーカーを有する;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉されたエキソソームのCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ、CD63、αβ-42、CX3CL1、IL1b、およびIL34からなる群から選択される1以上のバイオマーカーのレベルを測定する工程、ここで、エキソソームは溶解または透過処理されていない;e)1以上のバイオマーカーのレベルをコントロール試料におけるバイオマーカーのコントロールレベルと比較することにより疾病または障害を有する対象を診断する工程、ここで、コントロール試料における1以上のバイオマーカーのコントロールレベルと比較して増加した1以上のバイオマーカーのレベルおよび/または減少した1以上のバイオマーカーのレベルが、対象が疾病または障害を有すると示す;およびf)対象が疾病または障害を有すると診断される場合に疾病または障害について対象を治療する工程、を含む、対象における疾病または障害を診断し、かつ治療する方法を含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CD81、アセチルコリンエステラーゼ(AchE)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、CTSD、RE1サイレンシング転写因子(REST)、シナプトタグミン(SYT)、NGRN、単球走化性タンパク質-1(CCL2)、IL34、グリコーゲン合成酵素(GYS)、嗅覚受容体(OR)、細胞死受容体6(DR6)、ヒートショックタンパク質(HSP)、IL12ベータ、アルファ-ベータ(Aβ)、βセクレターゼ(BACE)、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。
別の態様では、本発明は、以下:a)固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体、ここで捕捉剤が小胞の表面の第一のバイオマーカーに選択的に結合する;およびb)小胞の表面の第二のバイオマーカーに選択的に結合する少なくとも1つの検出剤、を含む小胞上のバイオマーカーを検出するためのキットを含む。特定の実施形態では、小胞は、エキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソームからなる群から選択される。さらに他の態様では、本発明は、以下:a)固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体、ここで、少なくとも1つの捕捉剤は、エキソソームの神経特異的タンパク質、アストロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質、またはオリゴデンドロサイト特異的タンパク質に選択的に結合する;およびb)1以上の検出剤、ここで、1以上の検出剤は、エキソソームの表面のサイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、神経伝達物質受容体または膜タンパク質に選択的に結合する、を含む、小胞上のバイオマーカーを検出するためのキットを提供する。いくつかの実施形態では、サイトゾルタンパク質は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、SNCA、αβ-42、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasLからなる群から選択される。他の実施形態では、分泌タンパク質は、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、およびインターロイキンからなる群から選択される。或る態様では、サイトカインは、IL1b、IL34、IL6、IL8、IL16、IL23A、IL32、IL33、CX3CL1、CCL2、CXCL12、TNFアルファ、TNFSF10、IL12B、ノシセプチン、GnRH、FasLおよびTNFSF13からなる群から選択される。他の実施形態では、神経伝達物質受容体は、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、および神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)からなる群から選択される。他の実施形態では、膜タンパク質は、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMからなる群から選択される。
特定の実施形態では、キットにおける捕捉剤および検出剤は、小胞上の第一のバイオマーカーに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含む。該抗体は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ナノボディ、抗体の組み換え断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fv断片、およびscFv断片を含んでもよい。別の実施形態では、捕捉剤または検出剤は、抗CD171抗体、抗シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)抗体、抗ニューログラニン(NRGN)抗体、抗タウ抗体、抗シナプトフィジン抗体、および抗CD63抗体、抗αβ-42抗体、抗CD81抗体、抗CTD抗体、抗GAPDH抗体、抗IL1b抗体、抗IL34抗体、抗CX3CL1抗体、抗グリア線維酸性タンパク質(GFAP)抗体、抗興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)抗体、抗ミエリン塩基性タンパク質(MBP)抗体、抗SNCA抗体、抗TH抗体、抗CD11b抗体、および抗オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)抗体からなる群から選択される抗体を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの捕捉剤は、エキソソームのCD171、CD63、CD81、SNAP25、EAAT1、CD11b、またはOMGに選択的に結合する。他の実施形態では、1以上の検出剤は、エキソソームの表面のCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、CD63、αβ-42、CX3CL1、IL1b、またはIL34に選択的に結合する。いくつかの実施形態では、少なくとも1以上の検出剤は、CD81、アセチルコリンエステラーゼ(AchE)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、CTSD、RE1サイレンシング転写因子(REST)、シナプトタグミン(SYT)、NGRN、単球走化性タンパク質-1(CCL2)、IL34、グリコーゲン合成酵素(GYS)、嗅覚受容体(OR)、細胞死受容体6(DR6)、ヒートショックタンパク質(HSP)、IL12ベータ、アルファ-ベータ(Aβ)、βセクレターゼ(BACE)、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、グルタミン酸受容体(1および2)、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、またはNCAMに選択的に結合する。
特定の実施形態では、キットにおける検出剤は、検出可能標識、例えば、蛍光性、化学発光性、電気化学発光性、生物発光性、同位体、または放射性の標識をさらに含む。
別の実施形態では、キットは、イムノアッセイを行うための試薬をさらに含む。例示的なイムノアッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)を含む。
別の実施形態では、本発明は、対象における疾病または障害を診断するまたは予後判定する、疾病または障害のリスクのある対象を同定する、または疾病または障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するためのキットであって、以下を含むキット:a)固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体、ここで、少なくとも1つの捕捉剤は、エキソソームのCD171膜マーカーに選択的に結合する;およびb)少なくとも2つの検出剤、ここで、少なくとも1つの検出剤は、リン酸化タウT181に選択的に結合し、かつ少なくとも1つの検出剤は、エキソソームの表面のニューログラニンに選択的に結合する、を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの捕捉剤または検出剤は、CD171、リン酸化タウT181、またはニューログラニンに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含む。特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ナノボディ、抗体の組み換え断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fv断片、およびscFv断片からなる群から選択される。別の実施形態では、キットは、抗ニューログラニン抗体、抗リン酸化タウT181抗体、および抗CD171抗体を含む。一実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。
いくつかの実施形態では、本発明は、以下:a)対象から小胞またはエキソソームを含む生体試料を得る工程;b)捕捉剤が小胞またはエキソソームの第一のバイオマーカーに選択的に結合する条件下で固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を生体試料と接触させる工程、ここで小胞またはエキソソームは固体支持体上で捕捉される;c)生体試料から固体支持体を分ける工程;d)固体支持体上で捕捉された小胞またはエキソソームの第二のバイオマーカータンパク質のレベルを測定する工程、ここで、小胞またはエキソソームは溶解または透過処理されていない、を含む、対象における疾病または障害の進行を予後判定するまたはモニタリングする方法を提供し、それにより、対象における疾病または障害の進行を予後判定するまたはモニタリングする。他の実施形態では、該方法は、第二の生体試料で第二の時点で(a)、(b)、(c)、および(d)を繰り返すことをさらに含み、ここで、第一の時点でのそのレベルと比較した第二のバイオマーカーのレベルの増加が、疾病または障害が進行していることを示し、第一の時点でのそのレベルと比較した第二のバイオマーカーのレベルの減少が、疾病または障害が退行していることを示す。他の実施形態では、該方法は、疾病または障害が進行している場合に疾病または障害について対象を治療する工程をさらに含む。さらに他の実施形態では、該方法は、疾病または障害が退行している場合に疾病または障害についての治療を減らすまたは治療を停止する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、疾病または障害が神経障害、免疫学的障害、胎盤疾患、または癌である。他の実施形態では、神経障害は、以下からなる群から選択される:アルツハイマー病(AD)、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、FTDP-17、Lytico-Bodig病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、抑うつ、双極性疾患、てんかん、自閉症、統合失調症、脳腫瘍、白質疾患、脳萎縮症、精神遅滞、小脳失調、多系統萎縮症、脳震盪、脳震盪に至るか至らないかの(subconcussive)衝撃、およびパーキンソン病。
本発明のこれらの、および他の実施形態は、容易に、本明細書の開示に照らして当業者に想起され、全てのそのような実施形態が具体的に企図されている。
本発明の各々の限定は、本発明の様々な実施形態を包含し得る。従って、任意の1つの要素または要素の組み合わせを伴う本発明の各々の限定は、本発明の各態様に含まれ得ると考えられる。本発明は、その適用にあたり、以下詳述される構造の詳細および構成要素の配置に限られない。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または具体化することができる。また、本明細書で使用される表現および用語は説明の目的のためであり、限定とみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、およびそれらの活用形の使用は、その後に列挙される項目およびその同等物ならびに追加項目を包含することを意味する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに指示しない限り、複数の言及を含むことに注意しなければならない。
図1Aおよび1Bはエキソソームの細胞特異的バイオマーカーを定量するための方法を示す。図1Aはそれらが由来する細胞(母細胞)のタンパク質を含有するエキソソームの生成を示す概略図を示す。図1Bは膜マーカーおよび吸着マーカーについてエキソソームをスクリーニングする方法を示す。
同上。
図2A-2Fはエキソソームの表面のサイトゾル(非膜)タンパク質の例示的な検出を示す。神経特異的な抗SNAP25(図2A-2C)またはコントロールマウスIgG(図2D-2F)を白色ELISAプレートに固定化した。様々な容積(10、2.5、および0uL)の血漿を最終容積40uLでPBS(▲)、0.1% tween-20 PBS(○)、または0.1%トリトン-X100 PBS(□)において懸濁し、ELISAプレートにアプライした。4℃で一晩インキュベーションした後、未結合の材料を除去した。そして、エキソソーム表面マーカーCD81(図2Aおよび2D)、および2つの異なる可溶性サイトゾルタンパク質GAPDH(図2Bおよび2E))およびCTSD(図2Cおよび2F)に対するビオチンラベル化抗体をELISAプレートにアプライした。PBS試料(▲)について、抗体をtween-20なしでPBSにおいて懸濁した。tween-20(○)およびトリトン-X100(□)の試料について、ラベル化抗体を0.1% tween-20 PBSにおいて懸濁した。従来の化学発光ELISA手順を実施し、相対発光量(Relative Light Unit)(RLU)を決定した。
同上。
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図3A-3Dは本発明のマーカータンパク質の特異度を示す。(図3A)エキソソーム表面マーカーCD81、(図3B)ニューロン表面マーカーSNAP25、(図3C)アストロサイト表面マーカー(EAAT1)、または(図3D)オリゴデンドロサイト表面マーカー(OMG)に対する抗体を白色ELISAプレートに固定化した。40μLのPBSで懸濁した10μLの血漿をELISAプレートにアプライした。4℃で一晩インキュベーションした後、未結合の材料を除去した。エキソソーム表面マーカーCD81、一般的なサイトゾルマーカーGAPDH、ニューロンにおけるサイトゾルタンパク質(NRGN)、オリゴデンドロサイト(MBP)、およびアストロサイト(GFAP)に対するビオチンラベル化抗体をELISAプレートにアプライした。抗体のないコントロール(tPBS)も含んだ。従来の化学発光ELISAを実施し、相対発光量(Relative Light Unit)(RLU)を決定した。
同上。
同上。
同上。
図4A-4Dは本発明のエキソソームバイオマーカーの検出および定量を示す。抗SNAP25(図4Aおよび図4B)、抗EAAT1(図4C)、または抗OMG(図4D)をELISAプレートに固定化した。様々な容積の標準血漿をPBSにおいて懸濁し、最終容積40mLでELISAウェルにアプライした。NRGN(図4A)、タウ(図4B)、GFAP(図4C)、およびMBP(図4D)に対する抗体を検出抗体として使用した。
同上。
同上。
同上。
図5A-5Cはエキソソーム吸着マーカーのスクリーニングを示す。コントロールマウスIgG(白抜きカラム)、マウス抗ヒトCD81(明るいグレーのカラム)、またはマウス抗ヒトシナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)(暗いグレーのカラム)をELISAプレートに固定化し、そしてプールしたヒト血漿をすべてのELISAウェルにアプライした。列挙した様々な検出抗体を使用してELISAを実行した。検出抗体(すべてビオチン化された)はエキソソーム膜タンパク質(CD81、CD171、CD63、およびSNAP25)だけでなく、様々な非膜タンパク質(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、カテプシンD(CTSD)、ニューログラニン(NRGN)、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)、タウ、微小管関連タンパク質タウ(タウ)およびリン酸化タウT181、およびアミロイドb1-42ペプチド(Aベータ42)に対するものであった。陰性コントロールとして、ビオチン化抗体を何も含まないPBSを使用した。図5Aは膜タンパク質、CD81およびCD171、および非膜タンパク質、GAPDHおよびCTSDの検出を示す。図5Bは膜タンパク質、CD63、およびSNAP25の検出を示す。図5Cは非膜タンパク質、NRGN、MBP、GFAP、タウ、T181、およびAベータ42の検出を示す。
同上。
同上。
図6A-6Eはアルツハイマー病の診断についての臨床応用を示す。図6Aにおけるアッセイ概略図で示されるように抗CD171抗体をELISAプレートに固定化した。アルツハイマー病を有する対象からの12のEDTA血漿試料および年齢、性別を一致させたコントロールをELISAウェルにアプライし、および(図6B)CD81、(図6C)CTSD(図6D)NRGN、および(図6E)p-タウT181に対する抗体を検出抗体として使用した。
同上。
同上。
同上。
同上。
図7A-7Lは本発明の様々なエキソソームバイオマーカーの血漿レベルの安定性を示す。抗CD81、抗CD171、抗SNAP25、抗EAAT1、および抗OMGをELISAプレートに固定化した。EDTA血漿を2-3週間毎週7コントロール対象から得て、ELISAウェルにアプライした。図7Aはエキソソーム膜標的を検出するためのアッセイ概略図を示す。図7B-7Fは(図7B)総エキソソーム(TE)についてのCD81プレートの抗CD81プローブ、(図7C)CD171-ベースのNDE(cNDE)についてのCD81プレートの抗CD171プローブ、(図7D)SNAP25-ベースのNDE(sNDE)についてのCD81プレートの抗SNAP25プローブ、(図7E)EAAT1プレート(ADE)の抗CD81プローブ、および(図7F)ODEについてのOMGプレートの抗CD81プローブでの検出を示す。図7Gはエキソソーム表面タンパク質標的についてのアッセイ概略図を示す。図7H-7Lはそれぞれ(図7H)EAAT1プレートのGFAPプローブ、(図7I)OMGプレートのMBPプローブ、(図7J)SNAP25プレートのNRGNプローブ、(図7K)SNAP25プレートのタウプローブ、および(図7L)CD171プレートのNRGNプローブでの検出を示す。
同上。
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同上。
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同上。
図8Aおよび8Bは抗NRGN-固定化ELISAプレートを使用する血漿における本発明のエキソソームバイオマーカーの検出および定量を示す。図8Aは例示的なアッセイ概略図を示す。図8Bはアッセイ結果を示す。抗NRGN(中程度のグレーおよび暗いグレーのカラム)またはコントロールマウスIgG(黒および明るいグレーのカラム)をELISAプレートに固定化した。EDTA血漿(明るいグレーおよび暗いグレーのカラム)またはPBS単独(黒および中程度のグレーのカラム)をELISAウェルにアプライした。NRGN、CD171、SNAP25、CD81、EAAT1、OMGおよびPBSコントロールに対する抗体を検出抗体として使用した。
同上。
図9A-9Dは本発明のエキソソームバイオマーカーのミクログリアターゲティングを示す。図9Aはアッセイ概略図を示す。図9B-9Dはアッセイ結果を示す。抗CD11b(中程度のグレーおよび暗いグレーのカラム)またはコントロールマウスIgG(黒および明るいグレーのカラム)をELISAプレートに固定化した。7つの異なるドナーからのEDTA血漿(IR1-IR7)(明るいグレーおよび暗いグレーのカラム)またはPBS単独(黒および中程度のグレーのカラム)をELISAウェルにアプライした。GFAP(図9B)、MBP(図9C)、またはNRGN(図9D)に対する抗体を検出抗体として使用した。
同上。
同上。
同上。
図10A-10Fは、脳由来エキソソームの表面の分泌タンパク質(サイトカイン(IL1bおよびIL34)およびケモカイン(CX3CL1))の検出を示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
図11は、ELISA定量標準として標準血漿の希釈を示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
図12は、本発明の16エキソソームバイオマーカーの血漿レベルについての二重変動(duplicate variation)を示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
図13は、本発明の16エキソソームバイオマーカーの血漿レベルについての標準曲線を示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
図14は、血漿における標的エキソソーム表面タンパク質バイオマーカーの定量を示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
図15は、CD81に標準化された血漿エキソソームバイオマーカーレベルを示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
図16は、SYTに標準化された血漿エキソソームバイオマーカーレベルを示すデータを示す。
同上。
同上。
同上。
図17は、本発明の例示的なアッセイの原理を示すデータを示す。NDE、ADE、およびODEは抗SNAP25(ニューロンマーカー)、抗EAAT1(アストロサイトマーカー)、および抗OMG(オリゴデンドロサイト(oligodedrocyte)マーカー)が固定化されているELISAプレートで特異的に捕捉される。捕捉されたエキソソームをビオチン化抗CD81(エキソソームの一般的なマーカー)でさらに調査した。
図18A-18Cは、本発明の例示的なアッセイの特異度を示すデータを示す。抗SNAP25(500ng/mL)(A●)、抗EAAT1(830ng/mL)(B●)、抗OMG(830ng/mL)(C●)、およびコントロールマウスIgG(500ng/mL)(△)を方法の項で記載されるようにELISAプレートに固定化した。単一ドナー血漿試料の連続的な希釈を調製し、ELISAプレートにアプライし、そしてビオチン化抗CD81で調べた。ELISA結果は相対発光量(Relative Light Unit)(RLU)として表される。
同上。
同上。
図19A-19Cは、本発明の例示的なアッセイのアッセイ間精度を示すデータを示す。NDE(A)、ADE(B)、およびODE(C)を52試料(コントロール、PD、MSA、およびPSPの各15)を重複して列挙し、および各重複をx-yプロットで解析しアッセイ間変動を示した。点線は45°線および実線は回帰直線である。
同上。
同上。
図20A-20Cは、本発明の例示的なアッセイについてのアッセイ間精度を示すデータを示す。NDE(A)、ADE(B)、およびODE(C)が3つの異なるコントロール血漿試料で9回別々に列挙された。各実験では、標準血漿の7つの希釈(任意に割り当てられた100ユニット/mL)および緩衝液コントロールを同時に解析した、そしてELISA測定値(RLU)をユニット/mLに変換した。コントロール血漿1(△)、2(□)、および3(●)の平均±標準偏差(CV%)は、それぞれNDEについて64.6±9.2ユニット/mL(14.2%)、1.6±0.8ユニット/mL(52.9%)、および44.4±5.5ユニット/mL(12.4%)、ADEについて7.5±1.3ユニット/mL(16.8%)、2.6±0.5ユニット/mL(20.3%)、および0.2±0.1ユニット/mL(63.33%)、およびODEについて12.6±1.3ユニット/mL(10.1%)、2.6±0.3ユニット/mL(11.45%)、および0.2±0.1ユニット/mL(34.5%)であった。
図21A-21Cは、本発明の例示的なアッセイについての希釈直線性を示すデータを示す。様々なコントロール血漿試料のスクリーニング後に、我々は、広範囲なNDE(A)、ADE(B)、およびODE(C)を示す3つの血漿試料(□、●、▲)を見つけた。次に、3つの血漿試料間の直線性と勾配を解析するために、血漿希釈研究を実施した。
図22A-22Cは、パーキンソン病を有するヒト対象における脳由来エキソソームの列挙を示すデータを示す。NDE(A)、ADE(B)、およびODE(C)をコントロール、PD、MSAの各15、および7PSP患者において列挙した。各ドットは1人の個人を表し、およびp値はコントロールに対するものである。
図23A-23Cは、パーキンソン病およびコントロールの鑑別診断についてNDEおよびODEの受信者動作特性(ROC)を示すデータを示す。ROCをパーキンソン病およびコントロールのNDE(A)およびODE(B)データを使用して算出した。曲線下面積(AUC)はそれぞれNDEおよびODEについて88.9%および88%であった。
図24A-24Fは、パーキンソン病を有する対象からの血漿試料における血漿BDEのレベルおよび疾患重症度間相関を示すデータを示す。PD患者のNDE(A、D)、ADE(B、E)、およびODE(C、F)はmRS(A-C)およびHoehn-Yahr(D-F)の重症度スコアで分類され、コントロールのスコアとともに示される。各ドットは1人の個人を表し、および統計学的なp-値は各重症度群およびコントロール間のものであった。
図25A-25Dは、脳由来エキソソーム、およびパーキンソン病重症度の相関を示すデータを示す。A:ADE/NDE比および罹病期間。B:ADE/NDE比およびmRSスコア。C:ADE/NDE比およびUPDRSパート3(運動(motor))。D:ODE/NDE比およびUPDRSパート3(運動)。
図26A-26Dは、MSAにおける血漿BDEのレベルおよび疾患重症度間の相関を示すデータを示す。A:MSA患者のODE(A)はmRSの重症度スコアで分類され、コントロールのスコアとともに示された。各ドットは1人の個人を表す。B:図3Cに示されるのと同じデータ。C-E:各MSA患者のODEは、数か月における罹病期間(C)、および運動失調の国際評価尺度(ICARS)のスコア(D)および統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)3(運動)(E)と比較した。r2およびp値はEで示した。
図27A-27Fは、ニューロン-、アストロサイト-、およびオリゴデンドロサイト由来エキソソームの表面のα-シヌクレインの病的形態の検出を示すデータを示す。
図28A-28Bは、ニューロン由来エキソソーム(NDE)の表面のドーパミン受容体D2(DRD2)の検出を示すデータを示す。
図29A-29Cは、DRD2について血漿希釈研究結果を示すデータを示す。
図30A-30Gは、神経疾患を有するヒトからの血漿試料におけるニューロン由来エキソソームにおけるDRD2検出を示すデータを示す。
図31は、PDおよびコントロール試料間のDRD2レベルについてのROC曲線および曲線下面積(AUC)を示すデータを示す。
図32A-32Dは、DAT+小胞の表面のCD81、SNCA、SNCAオリゴマーF1、およびTHの検出を示すデータを示す。
図33は、血漿における小胞の表面のSNAP25、EAAT1、およびOMGの検出を示すデータを示す。
図34は、血漿における捕捉されたDAT+CD81+小胞についての粒子径を示すデータを示す。
図35は、血漿における小胞の表面の様々なバイオマーカーの検出を示すデータを示す。
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書中に記載された、変化し得るような特定の方法論、プロトコール、細胞株、アッセイ、および薬剤に限られないということが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図し、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに指示しない限り、複数への言及を含むことに注意しなければならない。従って、例えば「断片」への言及は、そのような断片の複数を含み、「抗体」への言及は、1つ以上の抗体および当業者に知られたその同等物などへの言及である。
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと、類似もしくは同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法、装置、および材料が以下に記載されている。本明細書に引用される全ての刊行物は、本発明に関連して使用されてもよい、刊行物で報告された方法論、薬剤、およびツールを説明および開示する目的で、その全体が出典明示により本明細書に組み込まれる。本明細書において、本発明が、先行発明により上述の開示に先行する権利がないと認めるものとして解釈されるべきものはない。
特に指示しない限り、本発明の実施は、当技術分野の技術の範囲内で、化学、生化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝学、免疫学および薬理学の従来の方法を採用するだろう。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Gennaro,A.R.,ed. (1990)Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing Co.; Colowick,S. et al.,eds.,Methods in Enzymology,Academic Press,Inc.; Handbook of Experimental Immunology,Vols. I-IV (D.M. Weir and C.C. Blackwell,eds.,1986,Blackwell Scientific Publications); Maniatis,T. et al.,eds. (1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd edition,Vols. I-III,Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel,F. M. et al.,eds. (1999)Short Protocols in Molecular Biology,4th edition,John Wiley & Sons; Ream et al.,eds. (1998)Molecular Biology Techniques: An Intensive Laboratory Course,Academic Press); PCR (Introduction to Biotechniques Series)、2nd ed. (Newton & Graham eds.,1997,Springer Verlag)を参照のこと。
本発明は、部分的に、小胞上のバイオマーカーを検出および定量するための効率的な方法の開発に関する。特に、小胞は固体支持体上で選択的に捕捉され、捕捉された小胞の膜結合型のおよび吸着バイオマーカーは小胞の溶解または透過処理なしで検出される。本発明は、様々な疾病のための診断および予後判定の方法における小胞上で同定されたかかるバイオマーカーの使用にさらに関する。
その上、本発明は、本明細書に記載の方法で使用するための組成物を提供する。かかる組成物は、固体支持体、小胞の表面マーカー(すなわち、膜タンパク質または吸着タンパク質)に特異的に結合して固体支持体の小胞を捕捉する捕捉剤、小胞上のバイオマーカーに特異的に結合する検出剤、イムノアッセイを行うための試薬、および本明細書に記載の方法を行うための他の試薬を含んでもよい。
本発明は、小胞上のバイオマーカーを検出するためのキットをさらに提供する。当該キットは、固体支持体、固体支持体の小胞に特異的に結合しかつ捕捉する1以上の捕捉剤、小胞上のバイオマーカーに特異的に結合する1以上の検出剤、および所望により、イムノアッセイ試薬および本明細書に記載の方法を行うための他の試薬、生体試料を収集する、および/または保持するための1以上の容器、およびキットの使用説明書を含んでもよい。
本発明は、エキソソームバイオマーカーが例えば、アルツハイマー病(AD)、多発性硬化症(MS)、および前頭側頭型認知症(FTD)を含む神経障害を有するまたは発症する可能性のある対象を有するを同定するためにアッセイされ得るという発見にさらに関する。
本発明は、部分的には、神経疾患(例えば、アルツハイマー病)を有する対象の血液循環中に存在するニューロン由来エキソソーム中の特定のバイオマーカーの予想外の減少または増加の、発見に基づく。本発明は、これらのバイオマーカーのエキソソームレベルが神経疾患を有する対象における神経障害を診断するためにアッセイされることがあることを実証する。本発明は、対象からのニューロン由来のエキソソーム中の特定のバイオマーカーの測定が神経疾患のその後の発症を予想する(例えば、神経障害を発症するリスクのある対象を同定する)ために使用されることがあることをさらに示す。
セクションの見出しは、構成上の目的のためのみに本明細書中で使用され、本明細書に記載の主題を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
生体試料
小胞(例えば、エキソソーム)を含む生体試料は、対象から得られてもよい。対象から得られた生体試料は典型的には血液であるが、解析される小胞を含む体液、組織または細胞からの任意の試料であり得る。生体試料は、全血、血清、血漿、尿、間質液、腹水、脳脊髄液、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、臓器、および生検を含んでもよいが、これらに限られない。あるいは、エキソソームは、周囲の培地から分泌されたエキソソームを収集することにより培養細胞から得られ得る。
いくつかの実施形態では、本発明の生体試料は、血液から得られる。いくつかの実施形態では、約1-10mlの血液が対象から採血される。他の実施形態では、約10-50mlの血液が対象から採血される。血液は、腕、脚、または中心静脈カテーテルを介してアクセス可能な血液を含む、身体の任意の適切な領域から採血できる。いくつかの実施形態では、血液は、処置または活動の後に収集される。例えば、血液は、健康診断の後に収集できる。また、収集のタイミングは、試料中に存在する小胞(例えば、エキソソーム)の数および/または組成を増加するように調整することができる。例えば、血液は、血管拡張を誘導する運動または処置の後に収集できる。
血液は、その後の技術のために、試料を保存または調製するための収集の後に、様々な成分と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、血液は、収集後に、抗凝固剤、細胞固定剤、プロテアーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、タンパク質、DNA、もしくはRNA保存剤で処理される。いくつかの実施形態では、血液は、EDTAまたはヘパリンなどの抗凝固剤を含有する真空採取チューブを用いて静脈穿刺によって収集される。また、血液は、ヘパリンコーティングされた注射器および皮下注射針を用いて収集できる。血液はまた、細胞培養のために有用であろう成分と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、血液は、細胞培養培地または補充した細胞培養培地(例えば、サイトカイン)と組み合わせられる。
小胞(エキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、およびエクトソーム)の濃縮または単離
試料は、ポジティブセレクション、ネガティブセレクション、またはポジティブセレクションおよびネガティブセレクションの組み合わせを通して、小胞について濃縮され得る。いくつかの実施形態では、小胞は直接捕捉される。他の実施形態では、血液細胞が捕捉され、小胞は残りの生体試料から収集される。いくつかの実施形態では、生体試料で濃縮された小胞はエキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。いくつかの実施形態では、生体試料で濃縮された小胞はニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームである。
試料はまた、小胞の生化学的特性の差異に基づいて、小胞について濃縮され得る。例えば、試料は、抗原、核酸、代謝、遺伝子発現、またはエピジェネティックな差異に基づいて、小胞について濃縮され得る。抗原の差異に基づくいくつかの実施形態では、磁場勾配における抗体結合性の磁性もしくは常磁性ビーズまたは蛍光標識された抗体がフローサイトメトリーと使用される。核酸の差異に基づくいくつかの実施形態では、フローサイトメトリーが使用される。代謝の差異に基づくいくつかの実施形態では、フローサイトメトリーまたは他のソーティング技術により測定される色素の取り込み/排出が使用される。遺伝子発現に基づく実施形態のいくつかでは、サイトカインとの細胞培養が使用される。試料はまた、当技術分野で知られた他の生化学的特性に基づいて、小胞について濃縮され得る。例えば、試料は、pHおよび運動性に基づいて、小胞について濃縮され得る。さらに、いくつかの実施形態では、1より多くの方法が小胞についての濃縮のために使用される。他の実施形態では、試料は、抗体、リガンド、または可溶性受容体を使用して小胞について濃縮される。
他の実施形態では、表面マーカーは、試料中の小胞を正に濃縮するために使用される。いくつかの実施形態では、小胞はエキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。他の実施形態では、NCAM、CD171、CD9、CD63、CD81、SNAP25、EAAT1、OMG、ニューロン特異的エノラーゼ、様々なニューロンまたはアストロサイト接着性タンパク質、ミクログリアCD18/11、またはCD3T細胞膜細胞表面マーカーは、エキソソームについての濃縮に使用される。いくつかの実施形態では、小胞集団で見られない細胞表面マーカーは、細胞集団を枯渇させることにより、小胞を負に濃縮するために使用される。フローサイトメトリー選別は蛍光標識にコンジュゲートした細胞表面マーカーまたは細胞内もしくは細胞外マーカーを用いて、エキソソームについてさらに濃縮するために使用されてもよい。細胞内および細胞外マーカーは、核染色、または小胞で優先的に発現する細胞内または細胞外タンパク質に対する抗体を含んでもよい。細胞表面マーカーは、エキソソームで優先的に発現する細胞表面抗原(例えば、NCAM)に対する抗体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、細胞表面マーカーは、例えば、NCAMまたはCD171を含むニューロン由来エキソソーム表面マーカーである。いくつかの実施形態では、モノクローナルNCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体は、試料からエキソソームを濃縮するまたは単離するために使用される。或る態様では、NCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体はビオチン化される。この実施形態では、ビオチン化NCAMまたはCD171抗体はストレプトアビジンアガロースレジンまたはビーズを使用して後で単離できる抗体-エキソソーム複合体を形成できる。他の実施形態では、NCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体は、モノクローナル抗ヒトNCAM、CD9、CD63、CD81、ニューロン特異的エノラーゼまたはCD171抗体である。他の実施形態では、細胞表面マーカーは、神経特異的タンパク質(例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ、リン酸化タウ、αβ-42、およびシナプトフィジン)、アストロサイト特異的タンパク質(例えば、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1))、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、オリゴデンドロサイト特異的タンパク質(例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、サイトゾルタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、αシヌクレイン(SNCA)、カテプシンD(CTSD)、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasL)、またはケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)である。
いくつかの実施形態では、生体試料から濃縮した小胞は、その後、特定のタイプの小胞について濃縮される。例えば、生体試料はエキソソームについて濃縮され、次いで濃縮されたエキソソームはその後神経由来のエキソソームについて濃縮される。いくつかの実施形態では、生体試料は小胞の個々の神経細胞源について濃縮される。或る態様では、小胞の神経細胞源はミクログリア、ニューロン、またはアストロサイトである。
他の実施形態では、小胞は以下を含む方法により生体試料から単離されまたは濃縮される;生体試料中に存在する小胞が薬剤に結合して小胞-薬剤複合体を形成する条件下で、生体試料を薬剤と接触させること、および小胞-薬剤複合体から小胞を単離して小胞を含有する試料を得ることを含み、ここで、試料中に存在する小胞の純度は生体試料中に存在する小胞の純度より高い。特定の実施形態では、薬剤は、抗体またはレクチンである。小胞-レクチン複合体を形成するのに有用なレクチンは米国公開特許公報第2012/0077263号に記載される。いくつかの実施形態では、小胞は、エキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。いくつかの実施形態では、エキソソームはニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームである。いくつかの実施形態では、複数の単離または濃縮工程が行われる。本願実施形態のある特定の態様では、第一の単離工程は血液試料からエキソソームを単離するために行われ、第二の単離工程は他のエキソソームから神経の由来エキソソームを単離するために行われる。
さらに他の実施形態では、該方法は、小胞-薬剤複合体から小胞を放出することをさらに含む。他の実施形態では、小胞は、小胞-薬剤複合体を3.5-1.5間の低pHに曝露することにより放出される。他の実施形態では、小胞は、本発明の方法において使用される選択抗体の結合について競合する競合ペプチドを使用して放出される。さらに他の実施形態では、放出された小胞は高pH溶液を加えることにより中和される。他の実施形態では、放出された小胞は、放出された小胞を溶解溶液とインキュベートすることにより溶解される。さらに他の実施形態では、溶解溶液はプロテアーゼおよびホスファターゼについての阻害剤を含有する。
固体支持体の小胞の捕捉および検出
他の実施形態では、小胞のサブセットは、固体支持体上で固定化された捕捉剤を使用して生体試料における他の小胞から分離される。かかる捕捉剤は小胞の表面マーカー(例えば、膜タンパク質または吸着タンパク質)に選択的に結合するため、捕捉剤が表面マーカーを有する小胞を「捕捉」できる。「捕捉する」とは、捕捉剤が小胞の表面マーカーに結合することにより試料中の他の小胞から標的小胞が分離できることを意味する。
捕捉剤の特異性が固体支持体上で捕捉された生体試料から小胞のサブセットを決定する。1以上の捕捉剤が異なる表面マーカーを有する小胞を捕捉するために組み合わせて使用され得る。例えば、固体支持体は、1種以上の固体支持体に結合した捕捉剤、例えば、小胞上の異なるバイオマーカーに選択的に結合する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、またはそれ以上の異なる捕捉剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、捕捉剤により標的化された小胞はエキソソーム、微小粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、またはエクトソームである。
いくつかの実施形態では、捕捉剤はニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、またはミクログリア由来エキソソームに選択的に結合する。例えば、捕捉剤は、エキソソームを捕捉するためにエキソソーム表面マーカー(例えば、CD81)、一般に、ニューロン由来エキソソームを捕捉するために神経特異的タンパク質(例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ、リン酸化タウ、αβ-42、およびシナプトフィジン)、アストロサイト由来エキソソームを捕捉するためにアストロサイト特異的タンパク質(例えば、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)、ミクログリア由来エキソソームを捕捉するためにミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、オリゴデンドロサイト由来エキソソームを捕捉するためにオリゴデンドロサイト特異的タンパク質(例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)またはオリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG))、脳由来エキソソームを捕捉するためにサイトゾルタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、αシヌクレイン(SNCA)またはカテプシンD(CTSD))、またはケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)タンパク質に選択的に結合するものが選択され得る。いくつかの実施形態では、捕捉剤は一般に細胞外小胞を捕捉するために細胞外小胞(EV)表面マーカー(例えば、DAT)に選択的に結合するものが選択され得る。
典型的には、捕捉剤は直接的にまたは間接的に固体支持体に結合している。捕捉剤はプレート、スライド、ウェハー(wafer)、非磁性ビーズ、磁性ビーズ、ロッド、粒子、ストランド(strand)、ディスク、膜、フィルム、またはチューブの内面、チャネル、カラム、フローセル装置、またはマイクロ流体デバイスなどの固体支持体の表面に固定化されていてもよいが、これらに限定されない。固体支持体は、ガラス、石英、ケイ素、金属、セラミック、プラスチック、ナイロン、ポリアクリルアミド、アガロース、レジン、多孔質ポリマーモノリス、ハイドロゲル、およびそれらの複合材を含む様々な材料を含んでもよいが、これらに限定されない。さらに、捕捉剤の付着を促進するために固体支持体の表面に基質を追加してもよい。
いったん固体支持体上で捕捉されると、小胞の溶解または透過処理の必要なしで検出剤を使用して1以上の膜結合型のおよび吸着バイオマーカーについて小胞を、スクリーニングできる。かかる検出剤は小胞の膜結合型のまたは吸着バイオマーカーに選択的に結合する。特定の実施形態では、検出剤は神経特異的タンパク質(例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、αβ-42、タウ、リン酸化タウ、およびシナプトフィジン)、アストロサイト特異的タンパク質(例えば、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1))、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、オリゴデンドロサイト特異的タンパク質(例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、サイトゾルタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、αシヌクレイン(SNCA)、カテプシンD(CTSD)、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasL)、ケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)、CTSD、GAPDH、CD81、CD63、またはCD171、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12ベータ、Aβ、またはBACEに選択的に結合する。特定の実施形態では、固体支持体上で捕捉された小胞上のバイオマーカーの検出は、1種以上の検出剤、例えば、小胞上の異なるバイオマーカーに選択的に結合する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、またはそれ以上の異なる検出剤を使用することを含む。
捕捉剤および検出剤は、小胞の表面マーカー(例えば、膜結合型のまたは吸着タンパク質)に特異的に結合する例えば、抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含んでもよい。「特異的に(または選択的に)結合する」とは、タンパク質および他の生物製剤の不均一な集団における小胞の表面マーカーの存在を決定できる結合反応を指す。したがって、指定されたアッセイ条件下で、特定の捕捉剤または検出剤は、バックグラウンドの少なくとも2倍、小胞の特定の表面マーカーに結合し、試料に存在する他のタンパク質に実質的に有意な量では結合しない。
特定の実施形態では、捕捉剤または検出剤は、小胞の表面マーカー(例えば、膜タンパク質または吸着タンパク質)に特異的に結合する抗体を含む。以下を含む任意のタイプの抗体が使用されてもよい:ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、ハイブリッド抗体、改変抗体、キメラ抗体および、ヒト化抗体並びに:ハイブリッド(キメラ)抗体分子(例えばWinter et al. (1991)Nature 349:293-299;および米国特許第4,816,567号を参照されたい);F(ab’)2およびF(ab)断片;Fv分子(非共有結合ヘテロ二量体、例えば以下を参照されたい、Inbar et al. (1972)Proc Natl Acad Sci USA 69:2659-2662;およびEhrlich et al. (1980)Biochem 19:4091-4096);一本鎖Fv分子(sFv)(例えば以下を参照されたい、Huston et al. (1988)Proc Natl Acad Sci USA 85:5879-5883);ナノボディまたはシングルドメイン抗体(sdAb)(例えば以下を参照されたい、Wang et al. (2016)Int J Nanomedicine 11:3287-3303、Vincke et al. (2012)Methods Mol Biol 911:15-26;二量体および三量体抗体断片コンストラクト;ミニボディ(例えば以下を参照されたい、Pack et al. (1992)Biochem 31:1579-1584;Cumber et al. (1992)J Immunology 149B:120-126);ヒト化抗体分子(例えば以下を参照されたい、Riechmann et al. (1988)Nature 332:323-327;Verhoeyan et al. (1988)Science 239:1534-1536;および1994年9月21日発行英国特許公報GB2,276,169号);およびかかる分子から得られる任意の機能的断片、ここでかかる断片は親抗体分子の特異的結合特性を維持している(すなわち、小胞の標的表面マーカーに特異的に結合する)。
他の実施形態では、捕捉剤または検出剤は、小胞の標的表面マーカーに特異的に結合するアプタマーを含む。任意のタイプのアプタマーが使用されてもよく、標的抗体アイソタイプに特異的に結合するDNA、RNA、ゼノ核酸(XNA)、またはペプチドアプタマーを含む。かかるアプタマーは例えば、コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同定できる。標的抗体アイソタイプに選択的に結合する核酸アプタマー(例えば、DNAまたはRNAアプタマー)は、指数関数的濃縮によるリガンドの試験管内の選択または系統的進化を繰り返し行うことにより(SELEX)生産され得る。標的抗体アイソタイプに結合するペプチドアプタマーはコンビナトリアルライブラリーから単離されてもよく、および定方向突然変異または頻回回数の突然変異誘発および選択により改善されてもよい。アプタマーの生産方法の説明については、例えばその全体が出典明示により本明細書に組み込まれる以下を参照されたい;Aptamers: Tools for Nanotherapy and Molecular Imaging (R.N. Veedu ed., Pan Stanford, 2016), Nucleic Acid and Peptide Aptamers: Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology, G. Mayer ed., Humana Press, 2009), Nucleic Acid Aptamers: Selection, Characterization, and Application (Methods in Molecular Biology, G. Mayer ed., Humana Press, 2016), Aptamers Selected by Cell-SELEX for Theranostics (W. Tan, X. Fang eds., Springer, 2015), Cox et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9(10):2525-2531; Cox et al. (2002) Nucleic Acids Res. 30(20): e108, Kenan et al. (1999) Methods Mol Biol. 118:217-231; Platella et al. (2016) Biochim. Biophys. Acta Nov 16 pii: S0304-4165(16)30447-0、およびLyu et al. (2016) Theranostics 6(9):1440-1452。
さらに他の実施形態では、捕捉剤または検出剤は、抗体ミメティックを含む。任意のタイプの抗体ミメティックが使用されてもよく、以下を含むが、これらに限定されない;アフィボディ分子、(Nygren (2008)FEBS J. 275(11):2668-2676)、affilins (Ebersbach et al. (2007)J. Mol. Biol. 372(1):172-185)、affimers (Johnson et al. (2012)Anal. Chem. 84(15):6553-6560)、affitins (Krehenbrink et al. (2008)J. Mol. Biol. 383(5):1058-1068)、alphabodies (Desmet et al. (2014)Nature Communications 5:5237)、anticalins (Skerra (2008)FEBS J. 275(11):2677-2683)、avimers (Silverman et al. (2005)Nat. Biotechnol. 23(12):1556-1561)、darpins (Stumpp et al. (2008)Drug Discov. Today 13(15-16):695-701)、fynomers (Grabulovski et al. (2007)J. Biol. Chem. 282(5):3196-3204)、およびmonobodies (Koide et al. (2007)Methods Mol. Biol. 352:95-109)。
検出剤は、小胞上のバイオマーカーの検出および/または定量を促進する検出可能標識をさらに含んでもよい。検出可能標識は、特定の結合剤(例えば、小胞の膜結合型のまたは吸着バイオマーカーに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマー)に付着する蛍光性、化学発光性、電気化学発光性、または生物発光性タグ、金属、色素、放射性核種などを含む。
神経障害
本発明は、対象における神経障害を診断するまたは予後判定する、神経障害のリスクのある対象を同定する、または神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、対象における神経障害の鑑別診断のための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、神経障害は、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、レビー小体型認知症、神経原線維変化優位型老年期認知症、ピック病(PiD)、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、他の運動ニューロン疾患、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、FTDP-17、Lytico-Bodig病、多発性硬化症、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、抑うつ、双極性疾患、てんかん、自閉症、統合失調症、脳腫瘍、白質疾患、脳萎縮症、精神遅滞、小脳失調、脳震盪、脳震盪に至るか至らないかの(subconcussive)衝撃、およびパーキンソン病からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本発明は医療従事者が、対象における1以上の神経障害を診断するまたは予後判定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、診断上の可能性として1以上の神経疾患を除外するまたは除去することを可能にする。他の実施形態では、本発明の方法は、医療従事者がFTDのいくつかの形態とアルツハイマー病を区別することを可能にする。さらに他の実施形態では、本発明は医療従事者が、神経障害を発症するリスクのある対象を同定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、対象が後に神経障害を発生するかどうかを予想することを可能にする。さらなる実施形態では、本発明は医療従事者が、神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想することを可能にする。
癌
本発明は、対象における癌を診断するまたは予後判定する、癌を発症するリスクのある対象を同定する、または癌を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するための方法を提供する。一般に、癌は体のあらゆる場所での異常な細胞の制御不能な増殖に特徴づけられる。異常な細胞は癌細胞、悪性細胞、または腫瘍細胞と呼ばれてもよい。癌はヒトに限定されず;動物および他の生物が癌になり得る。
いくつかの例では、癌は悪性であってもよい。あるいは、癌は良性であってもよい。癌は、再発性および/または難治性の癌であってもよい。ほとんどの癌は、細胞腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または中枢神経系の癌として分類できる。
癌は、肉腫であってもよい。肉腫は骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管、または他の結合組織または支持組織の癌である。肉腫は、以下を含むがこれらに限られない;骨癌、線維肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性血管内皮腫、悪性シュワン細胞腫、両側性前庭神経鞘腫、骨肉腫、軟部肉腫(例えば、胞状軟部肉腫、血管肉腫、葉状嚢胞肉腫、皮膚線維肉腫、類腱腫、類上皮肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管外皮腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、悪性線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、および滑膜肉腫)。
あるいは、癌は、細胞腫であってもよい。細胞腫は、上皮細胞から始まり、体の表面を覆い、ホルモンを産生し、腺を構成する細胞である。非限定的な例として、細胞腫は、乳癌、膵癌、肺癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、腎癌、膀胱癌、胃癌、前立腺癌、肝癌、卵巣癌、脳癌、腟癌、外陰癌、子宮癌、口腔癌、陰茎癌(penic cancer)、精巣癌、食道癌、皮膚癌、ファロピウス管癌、頭頚部癌、消化管間質癌、腺癌、皮膚または眼球内黒色腫、肛門部の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺の癌、副腎癌、尿道癌、腎盂の癌、尿管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳下垂体癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脳幹神経膠腫、および脊髄腫瘍を含む。いくつかの例では、癌は、基底細胞癌、扁平上皮癌、メラノーマ、非黒色腫性の、または光線性(日光)角化症などの皮膚癌である。好ましくは、癌は、前立腺癌である。あるいは、癌は、甲状腺癌、膀胱癌、または膵癌であってもよい。
いくつかの例では、癌は、肺癌である。肺癌は気管から分岐した気道から始まり、肺(気管支)または肺の小さな気嚢(肺胞)に供給される。肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、および中皮腫を含む。NSCLCの例は、扁平上皮癌、腺癌、および大細胞癌を含む。中皮腫は、肺および胸腔の内膜(胸膜)または腹部の内膜(腹膜)の癌性腫瘍であってもよい。中皮腫はアスベスト曝露に起因してもよい。癌は、膠芽腫などの脳癌であってもよい。
あるいは、癌は中枢神経系(CNS)腫瘍であってもよい。CNS腫瘍は神経膠腫または非神経膠腫に分類されてもよい。神経膠腫は悪性神経膠腫、ハイグレード神経膠腫、びまん性内在性橋グリオーマであってもよい。神経膠腫の例は、星状細胞腫、乏突起神経膠腫(または乏突起神経膠腫および星状細胞腫(astocytoma)要素の混合物)、および上衣腫を含む。星状細胞腫は、ローグレード星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形神経膠芽腫、毛様細胞性星状細胞腫、多形黄色星細胞腫、および上衣下巨細胞性星細胞腫を含むがこれらに限られない。乏突起神経膠腫は、ローグレード乏突起神経膠腫(または乏突起星細胞腫(oligoastrocytomas))および未分化の乏突起神経膠腫(oligodendriogliomas)を含む。非神経膠腫は、髄膜腫、下垂体腺腫、原発性CNSリンパ腫、および髄芽腫を含む。いくつかの例では、癌は、髄膜腫である。
癌は、白血病であってもよい。白血病は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、または慢性骨髄性白血病であってもよい。さらなるタイプの白血病は、有毛細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病、および若年性骨髄単球性白血病を含む。
いくつかの例では、癌は、リンパ腫である。リンパ腫はリンパ球の癌であり、かつBまたはTリンパ球のいずれかから発生してもよい。リンパ腫の2つの主要なタイプは以前にホジキン病として知られたホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫である。ホジキンリンパ腫はリードスターンバーグ細胞の存在により特徴づけられる。非ホジキンリンパ腫はホジキンリンパ腫ではないすべてのリンパ腫である。非ホジキンリンパ腫は低悪性度リンパ腫および中悪性度リンパ腫であってもよい。非ホジキンリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、脾臓周辺帯リンパ腫(SMZL)、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、およびリンパ腫様肉芽腫症を含むがこれらに限られない。
いくつかの実施形態では、本発明は医療従事者が、対象における1以上の癌を診断するまたは予後判定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、診断上の可能性として1以上の癌を除外するまたは除去することを可能にする。他の実施形態では、本発明の方法は医療従事者が癌の起源を同定することを可能にする。さらに他の実施形態では、本発明は医療従事者が、癌を発症するリスクのある対象を同定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、対象が後に癌を発生するかどうかを予想することを可能にする。さらなる実施形態では、本発明は医療従事者が、癌を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想することを可能にする。癌診断および予後判定において有用である本発明の例示的なバイオマーカーは、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19を含むがこれらに限られない。
免疫学的障害
本発明は、対象における免疫学的障害を診断するまたは予後判定する、免疫学的障害を発症するリスクのある対象を同定する、または免疫学的障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するための方法を提供する。免疫学的障害は免疫系の機能障害により引き起こされる疾病または状態であり、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、自己炎症性症候群および免疫不全症候群を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は医療従事者が、対象における1以上の免疫学的障害を診断するまたは予後判定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、診断上の可能性として1以上の免疫学的障害を除外するまたは除去することを可能にする。さらに他の実施形態では、本発明は医療従事者が、免疫学的障害を発症するリスクのある対象を同定することを可能にする。他の実施形態では、本発明は医療従事者が、対象が後に免疫学的障害を発生するかどうかを予想することを可能にする。さらなる実施形態では、本発明は医療従事者が、免疫学的障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想することを可能にする。免疫学的障害の診断および予後判定において有用である本発明の例示的なバイオマーカーは、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、およびTREM2を含むがこれらに限られない。
胎盤疾患および胎児評価
本発明は、対象における胎盤疾患を診断するまたは予後判定する、胎盤疾患を発症するリスクのある対象を同定する、または胎盤疾患を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するための方法を提供する。一般に、胎盤疾患は、胎盤の任意の疾病、障害、または病態である。本発明の方法およびバイオマーカーはまた、例えば、胎児性アルコール症候群または胎児遺伝的異常などの胎児障害の胎児評価または診断に使用されてもよい。胎盤疾患または胎児評価の診断および予後判定において有用である本発明の例示的なバイオマーカーは、PLAP、CSH1、およびPSG1を含むがこれらに限られない。
バイオマーカー
小胞上のバイオマーカーレベルは、疾病を有するまたは有するリスクのある対象から得られた生体試料においてアッセイされる。いくつかの実施形態では、小胞上のバイオマーカーレベルは、神経障害(例えば、アルツハイマー病)を有するまたは有するリスクのある対象から得られた生体試料においてアッセイされる。他の実施形態では、小胞上のバイオマーカーレベルは、癌を有するまたは有するリスクのある対象から得られた生体試料においてアッセイされる。さらに他の実施形態では、小胞上のバイオマーカーレベルは、免疫学的障害を有するまたは有するリスクのある対象から得られた生体試料においてアッセイされる。さらに他の実施形態では、小胞上のバイオマーカーレベルは、胎盤障害を有するまたは有するリスクのある対象から得られた生体試料においてアッセイされる。いくつかの実施形態では、1以上のバイオマーカーは、神経特異的タンパク質(例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ、およびシナプトフィジン)、アストロサイト特異的タンパク質(例えば、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1))、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、オリゴデンドロサイト特異的タンパク質(例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG))、および細胞外小胞特異的タンパク質(ドーパミントランスポーター、DAT)からなる群から選択される。別の実施形態では、バイオマーカーはCD171、リン酸化タウT181、SNCA、およびNRGNである。他の実施形態では、バイオマーカーはアセチルコリンエステラーゼ(AchE)、リソソーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、CTSD、RE1サイレンシング転写因子(REST)、シナプトタグミン(SYT)、単球走化性タンパク質-1(CCL2)、IL34、グリコーゲン合成酵素(GYS)、(OR)、細胞死受容体6(DR6)、ヒートショックタンパク質(HSP)、IL12ベータ、アルファ-ベータ(Aβ)、およびβセクレターゼ(BACE)である。いくつかの実施形態では、1以上のバイオマーカーは、サイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、膜タンパク質および受容体ならびに凝集体および変異体を含むそれらの病的形態からなる群から選択される。本発明のバイオマーカーは、例えば、ドーパミン受容体(D1およびD2)、セロトニン受容体(2A、2C、および3B)、GABA受容体(1-6、5.B1、B2)、およびグルタミン酸受容体(1および2)などの神経伝達物質受容体を含む。本発明の他の受容体バイオマーカーは、インスリン受容体、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TRAL、TNF受容体、細胞死受容体5および6)、および神経ペプチド受容体(オレキシン受容体、オピオイド受容体KOR)を含む。本発明のバイオマーカーは、例えば、EpCAM、PD-L1、ErbB2、CK19、TCR、CD16、CD28、CD32、CD79a、TREM2、およびNCAMなどの膜タンパク質を含む。他の既知の神経障害バイオマーカーは本発明のバイオマーカーと組み合わせて使用されてもよい。かかるバイオマーカーの例は、出典明示により組み込まれる米国特許出願公報第2015/0119278号で提供される。
当業者は、本発明のマーカーの検出および解析のために利用可能ないくつかの方法および装置を有する。患者試験試料中の小胞上のポリペプチドまたはタンパク質に関して、多くの場合イムノアッセイ装置および方法が利用される。これらの装置および方法は、目的の解析物の存在または量に関するシグナルを生成するために、様々なサンドイッチ(sandwich)、競合、または非競合アッセイ形式で標識分子を利用することができる。さらに、バイオセンサーおよび光学的イムノアッセイなどの特定の方法および装置が、標識分子を必要とすることなく、解析物の存在および量を決定するために使用されてもよい。
他の方法(例えば、マーカーRNAレベルの測定)は当業者に良く知られているが、好ましくは、マーカーはイムノアッセイを使用して解析される。マーカーの存在または量は、一般的に、各マーカーに特異的な抗体を使用して、かつ特異的な結合を検出して、決定される。任意の適切なイムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ(IFA)、免疫ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、競合的結合アッセイプレーナーウェイブガイド技術などが利用されてもよい。マーカーに対する特異的な抗体の免疫学的結合は、直接的にまたは間接的に決定され得る。直接標識は、抗体に結合した蛍光もしくは発光タグ、金属、色素または放射性核種などを含む。間接標識は、アルカリホスファターゼ、西洋わさびペルオキシダーゼなどの当技術分野でよく知られた種々の酵素を含む。
小胞の表面マーカーに特異的な固定化抗体の使用も、本発明によって企図される。抗体は、磁気もしくはクロマトグラフィーマトリックス粒子、アッセイ場所(マイクロタイターウェルなど)の表面、固体基板材料片(プラスチック、ナイロン、紙など)等などの、種々の固体支持体に固定化され得る。アッセイストリップは固体支持体のアレイに抗体または複数の抗体をコーティングすることによって調製できる。このストリップを、試験試料中に浸漬して表面マーカーへの結合を通じて小胞を捕捉し、次いで、洗浄および上述のように検出試薬での検出段階を経て迅速に処理して、着色されたスポットなどの測定可能なシグナルを生成できる。
複数のマーカーの解析は1つの試験試料と別々にまたは同時に行ってもよい。いくつかの小胞上のマーカーは、複数の試料の効率的な処理のために1つの試験に複数の捕捉剤および/または検出剤の組み合わせを使用して、捕捉されおよび/または検出されてもよい。さらに、当業者は、同じ個体からの複数の試料(例えば、連続した時点)を試験する価値を認識するだろう。そのような連続した試料を試験することは、経時的なマーカーレベルの変化の同定を可能にするだろう。マーカーレベルの増加または減少だけでなく、マーカーレベルの変化の非存在は、事象の開始からのおおよその時間を同定すること、救助可能な組織(salvageable tissue)の存在および量、薬物療法の妥当性、様々な治療法の有効性、事象の重症度の同定、疾患の重症度の同定、ならびに将来の事象のリスクを含む患者の治療結果(アウトカム)の同定に限定されるものではないが、これらを含む、疾患状態についての有用な情報を提供するだろう。
本発明で参照されるマーカーの組み合わせからなるアッセイを構築し、鑑別診断に関する関連情報を提供してもよい。そのようなパネルは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20もしくはそれ以上、または個別のマーカーを使用して構築されてもよい。単一のマーカー、またはより大きなマーカーのパネルを含むマーカーのサブセットの解析を本発明内に記載された方法において実施し、種々の臨床状況における臨床的感度または特異度を最適化することができる。
マーカーの解析は、同様に種々の物理的形式において実施され得る。例えば、マイクロタイタープレートの使用または自動化を用いて、多数の試験試料の処理を容易にすることができる。あるいは、単一試料形式を開発し、例えば、外来輸送(ambulatory transport)または緊急治療室の状況において、時機を逸せずに迅速な処置および診断を容易にすることができる。特に、有用な物理形式は、複数の異なる検体の検出のための、複数の不連続な、アドレス可能な位置を有する表面を含む。かかる形式はプロテインマイクロアレイもしくは「プロテインチップ」およびキャピラリー装置を含む。
本発明のバイオマーカーは、神経障害(例えばアルツハイマー病)の早期検出およびモニタリングにおいて、重要な役割を果たす。かかる障害のマーカーは典型的に、測定することができる身体試料中に見られる物質である。測定された量は、基礎障害もしくは疾患の病態生理、神経障害の存在もしくは非存在、または将来の神経障害の可能性に相関し得る。患者の状態について治療を患者が受ける際に、測定された量はまた、治療の反応性に相関するだろう。いくつかの実施形態では、本発明の1以上のバイオマーカーのレベルにおける減少または増加は神経障害を示す。例えば、CD171膜マーカーを有するエキソソームのリン酸化タウT181レベルの増加および/またはNRGNレベルの減少は、アルツハイマー病を示す。従って、本発明の方法はアルツハイマー病の鑑別診断に有用である。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、免疫組織化学、免疫細胞化学、免疫蛍光法、免疫沈降、電気化学発光イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、免疫ポリメラーゼ連鎖反応、ウエスタンブロット法、およびELISAからなる群から選択される方法により測定される。
臨床アッセイ性能
本発明の方法は、対象における神経障害を診断もしくは予後判定する、神経障害のリスクのある対象を同定する、および/または、神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するために、臨床アッセイにおいて用いられてもよい。臨床アッセイ性能は、アッセイの感度、特異度、ROC曲線下面積(AUC)、精度、陽性適中率(PPV)、および陰性適中率(NPV)を決定することによって評価できる。本明細書中に開示されているものは、対象における神経障害を診断もしくは予後判定する、神経障害のリスクのある対象を同定する、または、神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するためのアッセイである。
アッセイの臨床性能は感度に基づいてもよい。本発明のアッセイの感度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%であってもよい。アッセイの臨床性能は特異度に基づいてもよい。本発明のアッセイの特異度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%であってもよい。アッセイの臨床性能はROC曲線下面積(AUC)に基づいてもよい。本発明のアッセイのAUCは、少なくとも約0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95であってもよい。アッセイの臨床性能は精度に基づいてもよい。本発明のアッセイの精度は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%であってもよい。
組成物
本発明の方法において有用な組成物は、神経障害に関連するバイオマーカーを特異的に認識する組成物を含む。かかる組成物は、例えば、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、αβ-42、ニューログラニン(NRGN)、タウ、リン酸化タウ、およびシナプトフィジンなどの神経特異的タンパク質バイオマーカー、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)などのアストロサイト特異的タンパク質バイオマーカー、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)およびオリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)などのオリゴデンドロサイト特異的タンパク質バイオマーカー、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、サイトゾルタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、αシヌクレイン(SNCA)、カテプシンD(CTSD)、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、GYS、HSP70、BACE、SYMPO、NEFL、カスパーゼ、ユビキチン、PSEN1、GSK、PLAP、CSH1、PSG1、またはFasL)、またはケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)を認識する捕捉剤および/または検出剤を含んでもよい。
さらに他の実施形態では、組成物は、ペプチド、核酸、抗体、および低分子からなる群から選択される。
特定の実施形態では、本発明は、神経障害に関連するバイオマーカーを特異的に検出する組成物に関する。本明細書の他の場所で詳述されるように、本発明は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ、シナプトフィジン、αβ-42、CX3CL1、IL1b、IL34、CD81、CD63、CD171、SNAP25、EAAT1、SNCA、CD11b、OMG、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、およびBACEは、ADおよび他の神経障害についてのバイオマーカーとして使用され得るという発見に基づく。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、かかるバイオマーカーに特異的に結合し、検出する。例えば、組成物は、CD81、CD63、CD171、SNAP25、EAAT1、CD11b、またはOMGに選択的に結合する、固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体を含んでもよい。別の例では、組成物は、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ、シナプトフィジン、αβ-42、SNCA、CX3CL1、IL1b、IL34、OMG、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、および/またはBACEに選択的に結合する検出剤を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、組成物は抗体を含み、前記抗体は本発明のバイオマーカーまたは小胞と特異的に結合する。本明細書中で使用され、さらに以下に説明される「抗体」なる用語は、バイオマーカーまたは小胞(例えばエキソソーム)とも特異的に反応する、それらの断片を含むことを意図している。抗体は従来の技術を用いて断片化することができ、全長抗体(whole antibody)に関して上記に記載したものと同じ方法で、断片は有用性についてスクリーニングできる。例えば、F(ab)2断片は、ペプシンで抗体を処理することによって生成され得る。得られたF(ab)2断片をジスルフィド架橋を還元するように処理して、Fab断片を産生することができる。抗原結合部分はまた、組換えDNA技術により、または無傷の(intact)抗体の酵素的もしくは化学的切断により、産生されてもよい。抗原結合部分は、とりわけ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、dAb、および相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(scFv)、単一ドメイン抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ダイアボディ、および、ポリペプチドに特異的抗原結合を付与するために十分な、少なくとも免疫グロブリンの部分を含有するポリペプチドを含む。特定の実施形態では、抗体は、抗体に結合し、かつ検出され得る、標識をさらに含む(例えば、標識は放射性同位体、蛍光物質、酵素または酵素の補酵素であり得る)。
特定の実施形態では、本発明の抗体はモノクローナル抗体であり、かつ特定の実施形態では、本発明は、本発明のバイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合する新規抗体を生成するための方法を利用可能にする。例えば、バイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成するための方法は、検出可能な免疫応答を刺激するのに有効な、バイオマーカーもしくはエキソソーム、またはそれらのフラグメントを含む免疫原性組成物の量をマウスへ投与すること、マウスから抗体産生細胞(例えば、脾臓由来の細胞)を得て、抗体産生ハイブリドーマを得るために、骨髄腫細胞と抗体産生細胞を融合すること、および、バイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを同定するために抗体産生ハイブリドーマを試験することを含んでもよい。いったん得られると、ハイブリドーマは細胞培養で、任意に、ハイブリドーマ由来の細胞がバイオマーカーまたはエキソソームに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成する培養条件で、増殖され得る。モノクローナル抗体は、細胞培養物から精製されてもよい。
抗体に関して使用される「と特異的に反応する」という用語は、当技術分野において一般に理解されるように、抗体が目的の抗原(例えばバイオマーカーまたはエキソソーム)と目的でない他の抗原の間で、十分に選択的であることを意味することを意図している。治療応用などの抗体を使用する特定の方法では、結合におけるより高い程度の特異性が望まれてもよい。モノクローナル抗体は、一般に、所望の抗原と、交差反応するポリペプチドとの間で効果的に識別する、より大きな傾向(ポリクローナル抗体と比較して)を有する。抗体:抗原相互作用の特異性に影響する1つの特徴は、抗原に対する抗体のアフィニティーである。所望の特異性は異なるアフィニティーの範囲に到達してもよいが、一般に、好ましい抗体は、約10-6、10-7、10-8、10-9またはそれ以下のアフィニティー(解離定数)を有するだろう。
抗体は、例えば、ニューロン由来エキソソーム、アストロサイト由来エキソソーム、オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、およびミクログリア由来エキソソーム、またはシナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)、ニューログラニン(NRGN)、タウ、リン酸化タウ(tar)、およびシナプトフィジンからなる群から選択される神経特異的タンパク質、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)および興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)からなる群から選択されるアストロサイト特異的タンパク質、およびミエリン塩基性タンパク質(MBP)およびオリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)からなる群から選択されるオリゴデンドロサイト特異的タンパク質、ミクログリア特異的タンパク質(CD11b)、およびケモカイン(CX3CL1)またはサイトカイン(IL1b、IL34、FasL、またはIL12B)を含む、本発明のエキソソームまたはバイオマーカーのエピトープに特異的に結合するよう生成できる。別の実施形態では、生産された抗体は、抗CD171抗体、抗シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)抗体、抗ニューログラニン(NRGN)抗体、抗タウ抗体、抗シナプトフィジン抗体、および抗CD63抗体、抗αβ-42抗体、抗CD81抗体、抗CTD抗体、抗GAPDH抗体、抗IL1b抗体、抗IL34抗体、抗CX3CL1抗体、抗グリア線維酸性タンパク質(GFAP)抗体、抗興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)抗体、抗SNCA抗体、抗TH抗体、および抗CD11b抗体、抗ミエリン塩基性タンパク質(MBP)抗体、抗オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)抗体、抗ドーパミントランスポーター(DAT)抗体、抗AchE抗体AchE、抗LAMP1抗体LAMP1、抗REST抗体REST、抗SYT抗体SYT、抗SYP抗体、抗SYNPO抗体、抗PSD95抗体、抗SV2A抗体、抗CCL2抗体CCL2、抗IL34抗体IL34、抗GYS抗体GYS、抗OR抗体OR、抗DR6抗体DR6、抗HSP抗体HSP、抗IL12b抗体IL12b、抗Aβ抗体Aβ、または抗BACE抗体BACEである。
また、所望の抗体を同定する目的で抗体をスクリーニングするために用いられる技術は、得られる抗体の性質に影響してもよい。種々の異なる技術は、特に望ましい抗体を同定するために、抗体抗原間の相互作用を試験するために利用できる。このような技術は、ELISA、表面プラズモン共鳴結合アッセイ(例えば、ビアコア結合アッセイ、ビアコアAB、Uppsala、Sweden)、サンドイッチアッセイ(例えば、常磁性ビーズシステム、IGEN International,Inc.,Gaithersburg,Md.)、ウェスタンブロット、免疫沈降アッセイ、免疫細胞化学、および免疫組織化学を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、神経障害を治療するまたは防ぐために使用される組成物に関する。本明細書の他の場所で詳述されるように、本発明は、CD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、CD63、αβ-42、SNCA、CX3CL1、IL1b、IL34、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、および/またはBACEのレベルが例えば、アルツハイマー病などの種々の神経障害の病理と関係するという知見に基づく。
いくつかの実施形態では、表面バイオマーカーに加えて、小胞内のバイオマーカーが解析される。特定の実施形態では、本発明は、対象から得られた生体試料中の小胞(例えば、エキソソーム)を溶解するための組成物に関する。本発明の方法に有用な溶解剤は、RIPA緩衝液;Tris-HCl(pH6.8);グリセリン;SDS;2-メルカプトエタノール;トリトン-X 100;M-PER試薬;T-PER溶液;およびCHAPSを含む。本発明の小胞の膜を破壊し、その後の解析のために小胞カーゴ(cargo)(例えば、エキソソームタンパク質)を放出させるために溶解剤を生体試料とインキュベートしてもよい。
治療方法
本発明は、対象に有効量の組成物を投与することを含む、対象における神経障害を治療する方法を提供し、ここで、該組成物は対象におけるCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、CD63、αβ-42、SNCA、CX3CL1、IL1b、またはIL34のレベルを増加させ、減少させ、または維持する。さらに他の実施形態では、該組成物はCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、CD63、αβ-42、SNCA、CX3CL1、IL1b、IL34、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、またはBACEレベルにおける増加または減少を防ぐ。他の実施形態では、本発明は、対象に有効量の組成物を投与することを含む対象における神経障害を治療する方法を提供し、ここで、該組成物はCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、シナプトフィジン、CD63、αβ-42、SNCA、CX3CL1、IL1b、IL34、AchE、LAMP1、REST、SYT、TH、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、および/またはBACEのレベルを参照レベルに正常化する。
キット
捕捉剤が結合した固体支持体、検出剤、および所望によりELISA、IFA、免疫ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ECLIA、またはRIAなどのイムノアッセイを行うための試薬を含む上述のアッセイ試薬は、上記のように、小胞上のバイオマーカーを検出するためのアッセイを実施するために適切な指示書および他の必要な試薬とともにキットで提供され得る。キットは通常、捕捉剤が結合した固体支持体、検出剤、コントロール製剤(陽性および/または陰性)、およびアッセイ型式が必要とする他の試薬を別々の容器に含有するであろう。アッセイを実行するための指示書(例えば、書面、CD-ROM、DVD、Blu-ray、フラッシュドライブ、デジタルダウンロードなど)は、通常キットに含まれる。キットはまた、使用される特定のアッセイに応じて、他のパッケージ化された試薬および材料(すなわち、洗浄バッファーなど)を含有できる。上記のようなアッセイは、これらのキットを使用して実施できる。
別の実施形態では、本発明は、対象における神経障害を検出またはモニタリングするためのキットを包含する。様々な構成要素を有する種々のキットが、本発明により企図されている。一般的に言うと、キットは対象における1以上のバイオマーカーを定量するための手段を含むだろう。別の実施形態では、キットは生体試料を収集するための手段、生体試料中の1つ以上のバイオマーカーを定量する手段、およびキットの内容物の使用のための説明書を含むだろう。特定の実施形態では、キットは生体試料中のエキソソームを濃縮または単離するための手段を含むだろう。さらなる態様では、キットは、生体試料からのエキソソームを単離するための結合捕捉剤を有する固体支持体を含む。或る態様では、キットは、バイオマーカーの量を定量するための手段を含む。さらなる態様では、バイオマーカーの量を定量するための手段は、バイオマーカーの量を検出するために必要な試薬を含む。
別の実施形態では、本発明は、対象における神経障害を診断するまたは予後判定する、神経障害のリスクのある対象を同定する、または神経障害を有する対象における治療レジメンを処方するまたは治療の利益を予想するための、以下:a)固体支持体に結合した捕捉剤を含む固体支持体、ここで少なくとも1つの捕捉剤は、CD171、CD63、CD81、SNAP25、EAAT1、またはOMGに選択的に結合する;およびb)1以上の検出剤、ここで、1以上の検出剤は、エキソソームの表面のCD81、GAPDH、CTSD、NRGN、MBP、GFAP、タウ、リン酸化タウ(例えば、T181)、CD63、αβ-42、CX3CL1、IL1b、IL34、AchE、LAMP1、REST、SYT、SYP、SYNPO、PSD95、SV2A、CCL2、IL34、GYS、OR、DR6、HSP、IL12b、Aβ、またはBACEに選択的に結合する、を含むキットを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの捕捉剤または検出剤は、CD171、リン酸化タウT181、またはニューログラニンに特異的に結合する抗体、抗体断片、抗体ミメティック、またはアプタマーを含む。特定の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ナノボディ、抗体の組み換え断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fv断片、およびscFv断片からなる群から選択される。別の実施形態では、キットは、抗ニューログラニン抗体、抗リン酸化タウT181抗体、および抗CD171抗体を含む。
本発明のこれら、および他の実施形態は、容易に、本明細書の開示に鑑みて当業者に想起されるだろう。
本発明は、本発明の単なる例示であるよう意図された、以下の実施例を参照することによってさらに理解されるだろう。これらの実施例は、本発明を例示するためにのみ提供される。本発明は、本発明の単一の態様の例示としてのみ意図されている例示の実施形態によって範囲は限定されない。機能的に同等である任意の方法は、本発明の範囲内である。本明細書に記載したものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の説明から当業者に明らかになるだろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
実施例1:エキソソームの細胞特異的バイオマーカーを定量する方法
体液中のエキソソームは、それらが由来する母細胞および母細胞の近くの微小環境の生理学的および病理学的材料(タンパク質、代謝産物、RNA、小分子など)を運ぶため、様々な疾病の診断の新しいリソースである(図1A)。したがって、エキソソームにおけるそのような病理学的材料の定量は、次世代の診断の基盤となる。
しかしながら、エキソソームの解析のための現在の方法は複雑で高価であり、日常的な診断テストでの使用が制限されている。エキソソーム内物質の定量には、標的エキソソームの単離、エキソソームカーゴ(cargo)の放出のためのエキソソームの溶解または透過処理、および解析のための適切なアッセイ容器への移送が典型的に含まれる。エキソソーム解析の現在の手順に含まれる複数の工程は、労働集約的であり、大きな試料間およびアッセイ間変動を生み出す。
ここでは、元の母細胞に由来するエキソソーム材料をエキソソームの表面で測定する方法、したがって、溶解または透過処理工程の必要性を取り除く方法を説明する。エキソソームの単離と解析は、試料を他のアッセイ容器に移すことなく同じ固体支持体上で行われ、材料の損失を防ぐ。
図1Bに示されるように、当該方法は、エキソソーム膜タンパク質および/または吸着マーカーを含んでもよいエキソソームの表面の少なくとも2つの異なるマーカーに対する抗体を使用して行われる。例えば、膜マーカー(CD81、SNAP25、CD171、EAAT1、OMGなど)または吸着マーカー(タウ、NRGN、GFAP、MBPなど)などのエキソソームマーカーに対する一次抗体はELISAプレートに固定化され、そのマーカーを有するエキソソームの捕捉を可能にする。膜マーカー(CD81、SNAP25、CD171、EAAT1、OMGなど)または吸着マーカー(タウ、NRGN、GFAP、MBPなど)でもあり得る目的の別のエキソソームマーカーに対する二次抗体が続いて一次抗体によって捕捉されたエキソソームをスクリーニングするために使用される。
実施例2:エキソソームの表面のサイトゾル非膜タンパク質の検出
サイトゾル非膜タンパク質を以下のようにエキソソームの表面上で検出した。神経特異的な抗SNAP25(図2A-2C)またはコントロールマウスIgG(図2D-2F)を白色ELISAプレートに固定化した。様々な容積(10、2.5、および0μL)の血漿を最終容積40μLでPBS、0.1% tween-20、または0.1%トリトン-X100PBSにおいて懸濁し、ELISAプレートにアプライした。4℃で一晩インキュベーションした後、未結合の材料を除去し、次いでエキソソーム表面マーカーCD81、および2つの異なる可溶性サイトゾルタンパク質(GAPDHおよびCTSDに対するビオチンラベル化抗体)をELISAプレートにアプライした。PBS試料について、抗体をtween-20なしでPBSにおいて懸濁した。tween-20およびトリトン-X100の試料について、ラベル化抗体を0.1% tween-20 PBSにおいて懸濁した。その後、従来の化学発光ELISA手順を実施し、相対発光量(Relative Light Unit)(RLU)を決定した。
GAPDHおよびCTSDはサイトゾルタンパク質であるため、tween-20またはトリトン-X100によるエキソソームの透過処理後にのみこれらが検出され、膜タンパク質CD81は両方の場合に現れると仮定した。しかしながら、図2A-2Cに示されるように、全3マーカーが血漿量依存的に検出され、他方でマウスIgG-固定化コントロールELISAプレートではシグナルは検出されなかった。これらの結果は、GAPDHおよびCTSDなどの可溶性サイトゾルタンパク質がエキソソームの表面で検出される場合があることを明確に示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物は、バイオマーカーに選択的に結合する検出剤を使用して固体支持体上で捕捉された小胞上のバイオマーカー、ここで、小胞は溶解または透過処理されていない、を検出するのに有用であることをさらに示した。
実施例3:エキソソームの表面のサイトゾル非膜タンパク質の起源
エキソソームの表面のサイトゾル非膜タンパク質の起源を以下のように決定した。エキソソーム表面マーカーCD81、ニューロン表面マーカーSNAP25、アストロサイト表面マーカー(EAAT1)、またはオリゴデンドロサイト表面マーカー(OMG)に対する抗体を白色ELISAプレートに固定化した。40μLのPBSで懸濁した10μLの血漿をELISAプレートにアプライした。4℃で一晩インキュベーションした後、未結合の材料を除去し、次いで、エキソソーム表面マーカーCD81、一般的なサイトゾルマーカーGAPDH、ニューロンにおけるサイトゾルタンパク質(NRGN)、オリゴデンドロサイト(MBP)、およびアストロサイト(GFAP)に対するビオチンラベル化抗体をELISAプレートにアプライした。抗体のないコントロールも含んだ(tPBS)。そして。従来の化学発光ELISA手順を実施し、相対発光量(Relative Light Unit)(RLU)を決定した(図3A-3D)。
CD81およびGAPDHの両方がすべてのELISAプレートで検出され(左)、各ELISAプレートがGAPDHが表面に付着したエキソソームを捕捉したことを示す。エキソソーム全体を捕捉したCD81プレート(図3A)では、MBPおよびGFAPは検出されなかった。NRGNは検出されたが、値は非常に低かった。ニューロン由来エキソソームが捕捉されたSNAP25プレート(図3B)では、神経特異的NRGNが検出されたが、MBPおよびGFAPは非常に低かった。アストロサイト由来エキソソームが捕捉されたEAAT1プレート(図3C)では、アストロサイト特異的GFAPが検出されたがNRGNおよびMBPも検出された。オリゴデンドロサイト由来エキソソームが捕捉されたOMGプレートでは(図3D)、オリゴデンドロサイト特異的MBPが検出されたが、NRGNおよびGFAPも検出された。
これらの結果は、エキソソームの表面の可溶性マーカーが、外部に放出される前の母細胞または母細胞から放出された直後の微小環境に由来することを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを検出するのに有用であることをさらに示した。
実施例4:マーカータンパク質の定量
本発明のマーカータンパク質を以下のように定量した。固定化した抗体およびビオチンラベル化検出抗体は2つの異なる標的分子(CD81およびSNAP25など)に結合するため、検出可能な標的標準は単一分子に両方の抗原が含まれている必要がある。したがって、従来のELISAとはことなり精製タンパク質または組換えタンパク質は定量標準として適用できない。したがって、最初に様々な血漿試料をスクリーニングし、大量の標的エキソソームを含む適切な試料を見つけた。この血漿に100ユニット/mL割り当てることにより、希釈研究をSNAP25、EAAT1、およびOMGプレート上で実施した(図4A-4D)。
図4Aおよび4Bに示されるように、抗SNAP25固定化ELISA(ニューロン由来エキソソーム、NDE)プレートのNRGN(図4A)およびタウタンパク質(図4B)のELISA測定値RLU(x軸)は、線形変化を示した。同様に、抗EAAT1(アストロサイト由来エキソソーム、ADE)および抗OMG(オリゴデンドロサイト由来エキソソーム、ODE)固定化プレートのGFAP(図4C)およびMBP(図4D)はそれぞれ線形変化を示した。したがって、RLUはユニット/mLを変換できる。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを検出し、かつ測定することに有用であることを示した。
実施例5:エキソソーム吸着バイオマーカーのスクリーニング
エキソソーム吸着バイオマーカーを以下のように同定した。コントロールマウスIgG、マウス抗ヒトCD81、またはマウス抗ヒトシナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)をELISAプレートに固定化し、そしてプールしたヒト血漿をすべてのELISAウェルにアプライした(図5A-5C)。様々な検出抗体(すべてビオチン化された)を使用してELISAを実行し、エキソソーム膜タンパク質(CD81、CD171、CD63、およびSNAP25)に対する抗体だけでなく、様々な非膜タンパク質(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)、カテプシンD(CTSD)、ニューログラニン(NRGN)、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)、タウ、微小管関連タンパク質タウ(タウ)およびリン酸化タウT181、およびアミロイドb1-42ペプチド)に対する抗体を含んでいた。陰性コントロールとして、ビオチン化抗体を何も含まないPBSを使用した。
図5Aに示されるように、ELISAシグナル(RLU)は抗CD81および抗SNAP25-固定化プレートの両方で明らかに陽性であったが、他方でコントロールマウスIgG-固定化プレートではほとんどシグナルが検出されず、当該システムがCD81またはSNAP25特異的であることを示した。PBSに示されているように、検出抗体のない非特異的シグナルは非常に低く、アッセイが検出抗体特異的であることを示す。膜タンパク質(CD81、CD171、CD63、およびSNAP25)の検出により当該アッセイがエキソソームを捕捉したことが確認された(図5Aおよび5B)。驚いたことに、GAPDH、CTSD、NRGN、MBPおよびGFAPなどの非膜タンパク質も検出された(図5C)。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。
実施例6:ヒトにおけるアルツハイマー病の診断
本発明の方法および組成物は以下のようにヒトからの生体試料におけるアルツハイマー病を診断するために使用した。抗CD171をELISAプレートに固定化した。アルツハイマー病(AD)を有する対象からのEDTA血漿の12試料および年齢、性別を一致させたコントロールをELISAウェルにアプライし、およびCD81、CTSD、NRGN、p-タウT181に対する抗体を検出抗体として使用した(図6A-6E)。
以下の表1に示すように、NRGN値はAD試料でコントロールよりも低く、T181値はAD試料でコントロールよりも高かった。カイ二乗検定は、表1に示すように、これら2つのグループが有意に異なることを示した(NRGNではp=0.002、T181ではp=0.0001)。これらの結果は、本発明の方法および組成物がアルツハイマー病を診断するために使用できることを示した。
実施例7:血漿エキソソームバイオマーカーレベルの安定性
血漿エキソソームバイオマーカーレベルの安定性を以下のように決定した。抗CD81、抗CD171、抗SNAP25、抗EAAT1、および抗OMGを別々のELISAプレートに固定化した。EDTA血漿を2-3週間毎週7コントロール対象から得て、ELISAウェルにアプライした。エキソソーム膜標的の検出について(図7A-7F)、抗CD81プローブは、CD81プレートで使用し(総エキソソーム、TE);抗CD171プローブは、CD81プレートで使用し(CD171-ベースのNDE、cNDE);抗SNAP25プローブは、CD81プレートで使用し(SNAP25-ベースのNDE、sNDE);抗CD81プローブは、EAAT1プレートで使用し(ADE);および抗CD81プローブは、OMGプレートで使用した(ODE)。エキソソーム表面タンパク質標的の検出について(図7G-7L)、それぞれEAAT1プレートのGFAPプローブ、OMGプレートのMBPプローブ、SNAP25プレートのNRGNプローブ、SNAP25プレートのタウプローブ、およびCD171プレートのNRGNプローブ。
各値は試験対象者の間で大きく分散していた(SNAP25プレートのタウ以外)が、値はSANP25プレートのNRGNを除いて同じ個体内で非常に一定であった。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例8:抗NRGN固定化ELISAプレートの血漿
血漿エキソソームバイオマーカーを以下のように同定した。抗NRGNまたはコントロールマウスIgGをELISAプレートに固定化した。EDTA血漿またはPBS単独をELISAウェルにアプライした。NRGN、CD171、SNAP25、CD81、EAAT1、OMGに対する抗体を検出のために使用し、PBSコントロールを比較のために使用した。
図8Bに示されるように、抗NRGN固定化ELISAプレートにアプライされた血漿はEAAT1およびOMGではなくNRGN、CD171、SNAP25、およびCD81に陽性であることを試験し、SアストロサイトまたはオリゴデンドロサイトではなくNAP25プレートのNRGNのニューロンに特異的であることを示す(図8B)。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例9:エキソソームバイオマーカーのミクログリアターゲティング
エキソソームバイオマーカーのミクログリアターゲティングを以下のように行った。抗CD11b抗体またはコントロールマウスIgGをELISAプレートに固定化した。7つの異なるドナーからのEDTA血漿(IR1-IR7)またはPBS単独をELISAウェルにアプライした。GFAP(図9B)、MBP(図9C)、またはNRGN(図9D)に対する抗体を検出抗体として使用した。
図9B-9Dに示されるように、ミクログリア特異的な抗体は利用できず、抗CD11bがミクログリアおよび末梢性マクロファージの両方に結合するにもかかわらず、ミクログリア解析はCD11b+エキソソームの表面の脳由来タンパク質を評価することにより行うことができる。4(GFAP)から5(MBP)のドナーは、3つのコントロール(IgGプレートのPBS、IgGプレートの血漿およびCD1bプレートのPBS)より高い陽性シグナルを示し、これらのドナーにおけるミクログリアと、アストロサイトおよびオリゴデンドロサイトの相互作用を示した。しかしながら、7の対象のいずれもNRGNを示さなかった(図9D)。
これらの結果は、本発明の方法がミクログリア由来エキソソームのバイオマーカー(GFAP、MBP、NGRN)を検出するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例10:脳由来エキソソームの表面の分泌タンパク質(サイトカインIL1bおよびIL34およびケモカインCX3CL1)の検出
脳由来エキソソームの表面の分泌タンパク質(サイトカインおよびケモカイン)を以下のように検出した。様々な濃度の標準血漿(図10A、10C、および10E)および7のコントロール血漿試料の固定希釈(IL1bおよびIL34について1/8希釈およびCX3CL1について1/4希釈)およびPBSコントロールをそれぞれNDE、ADE、およびODEを捕捉するために固定化した抗体(抗SNAP25、抗EAAT1、抗OMG、およびコントロールマウスIgG)を含有するELISAプレートにアプライした。コントロールマウスIgGは非特異的結合を評価するために使用した。
図10A、10C、よび10Eに示されるように、標準血漿は、コントロールIgG-固定化プレートと比較してSNAP25、EAAT1、およびOMG ELISAプレートのIL1b、IL34およびCX3CL1レベルにおいて容積依存性増加を示した。抗OMG-固定化プレートのIL1bおよびIL34は2.5%血漿で飽和した(図10Aおよび10C参照)。
陰性コントロールPBS単独のものと同様に、血漿試料(IR1、IR4、IR6)はIL1b、IL34、およびCX3CL1について陰性であった。しかしながら、IR2はSNAP25 ELISAプレートでIL1b陽性であり、IR3はEAAT1およびOMG ELISAプレートでCX3CL1陽性であった。IR5は、SNAP25プレートのIL1bレベルおよびIL34で陽性であり、ならびにEAAT1およびOMG ELISAプレートのCX3CL1の検出可能レベルを示した。IR7は、全ELISAプレートのIL1b、SNAP25 ELISAプレートのIL34で陽性であり、ならびにEAAT1およびOMG ELISAプレートの両方でCX3CL1の検出可能レベルを示した。
これらの結果は、本発明の方法がエキソソームの表面のサイトカイン(IL1bおよびIL34)およびケモカイン(CX3CL1)を検出するのに有用であることを示した(SNAP25+NDE、EAAT1+ADE、およびOMG+ODE)。これらの結果はまた、サイトカインおよびケモカイン特性が脳由来エキソソームの各サブセット(NDE、ADE、およびODE)に固有であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例11:エキソソームの表面の膜タンパク質および受容体の検出
エキソソームの表面の複数の膜タンパク質および受容体を以下のように検出した。様々な抗体をコーティング緩衝液において懸濁し、ELISAプレートにアプライした。1時間のインキュベーション後、各ウェルを1回洗浄し、その後、ブロッキング溶液(ブロッカーカゼイン中0.5%BSA)を添加し、インキュベーションをさらに1時間続けた。各ウェルを2回洗浄した後、血漿または緩衝液コントロール(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)を追加したその後、冷蔵庫で一晩インキュベーションを続けた。各ウェルを2回洗浄した後、ビオチン化抗CD81または抗SNAP25を加えて1時間インキュベーションを続けた。各ウェルを2回洗浄した後、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼを加え、さらに30分インキュベーションを続けた。各ウェルを3回洗浄した後、SuperSignal基質を添加し、化学発光シグナルをルミノメーターで測定した。
以下の表2に示されるように、複数のサイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、および膜タンパク質および受容体がエキソソームの表面で検出された。
表2.CD81/SNAP25でプローブした抗体固定化。
上記表2で検出されたタンパク質を確認するために、次のように2回の一連の実験を行った。陽性の抗体をビオチン化し、PBSまたは血漿を抗SNAP25-、またはコントロールIgG-固定化プレートにアプライしたELISA上で使用した。以下の表3に示すように、表2の陽性抗体はすべて、この一連の実験でも陽性であった。
表3.様々なビオチン化抗体で調べた抗SNAP25またはコントロールIgG-固定化プレート。
これらの結果は、本発明の方法がエキソソームの表面のサイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、および膜タンパク質および受容体を検出するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていないエキソソームのバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例12:マルチ標的ELISAの定量標準。
ELISAアッセイは試験試料の標的分子のレベルを決定するための定量標準を必要とする。本発明の例示的なアッセイは、異なる標的分子に対する2つの抗体を利用する。従って、精製または組換えタンパク質は、このようなELISAアッセイの標準として適用できない。したがって、NDE、ADE、およびODE陽性のエキソソームを含むエキソソームの高い値を有することについて、様々な血漿試料がスクリーニングされ、1つの特定の血漿試料が選択した。その後、この血漿試料を定量標準として使用した。図11に示すように、この血漿試料は、本発明の複数のELISAの標準として良好に機能した。4つのパラメーターロジスティック回帰解析を使用して、各ターゲットの標準曲線を生成した。
実施例13:ヒトにおけるアルツハイマー病および軽度認知障害の鑑別診断
本発明の方法および組成物は、以下のようにヒトからの生体試料におけるアルツハイマー病および軽度認知障害の鑑別診断のために使用された。抗SNAP25抗体をELISAプレートに固定化した。アルツハイマー病(AD、n=4)または軽度認知障害(MCI、n=4)を有する対象からのEDTA血漿の8の試料および年齢および性別を一致させた8のコントロールをELISAウェルにアプライし、16のサイトゾルタンパク質、分泌タンパク質、および膜タンパク質および受容体に対する抗体を検出抗体として使用した(図12)。
図12に示されるように、すべての16バイオマーカーの二重変動(duplicate variation)は小さかった。図13は全16バイオマーカーの標準曲線を示す。標的表面タンパク質バイオマーカーの定量は図14に示される。図14に示されるように、AchE、LAMP1、およびCCL2レベルはコントロール試料レベルと比較してMCIにおいて有意に高かった。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、MCIを診断するために、アルツハイマー病およびMCIの鑑別診断のために、使用できることを示した。
血漿試料におけるCD81レベルの変動を説明するために、残りの15エキソソームバイオマーカーレベルをCD81レベルで標準化した。図15に示されるように、AchEおよびLAMP1レベルはコントロール試料と比較してMCIおよびAD+MCIを有する対象からの血漿試料において有意に大きかった。さらにNGRN、GYS、およびDR6、HSP、IL12b、およびBACEレベルは、AD、MCI、AD+MCIおよびコントロール試料間で有意に異なった。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、AD、MCIを診断するため、およびADおよびMCIの鑑別診断のために使用できることを示した。
別の一連の実験では、上記でアッセイした血漿試料の標的バイオマーカーレベルをSYTレベルに標準化した。神経の由来エキソソームはSNAP25-固定化プレートにより捕捉されたため、SYT規準化はニューロンマーカーの第二の規準化をもたらす。図16に示されるように、AchE/SYT、LAMP1/SYT、REST/SYT、CCL2/SYT、HSP/SYT、およびIL12b/SYTレベルはAD、MCI、AD+MCI、およびコントロール試料間で有意に異なった。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、AD、MCIを診断するため、およびADおよびMCIの鑑別診断のために使用できることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例14:パーキンソニズム-プラス症候群を有するヒト対象における脳由来エキソソームの列挙
本発明の方法および組成物は、パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)を有する患者およびコントロール対象から得られたニューロン-由来の、アストロサイト-由来の、およびオリゴデンドロサイト由来エキソソーム(それぞれNDE、ADEおよびODE)の血漿レベルを列挙するために以下のように使用した。PDを有する15の患者(年齢46-79、平均±SD 64.7±10.8、男性9および女性6)、MSAを有する15の患者(年齢44-74、平均±SD 63.3±8.16、男性10および女性5)、PSPを有する7の患者(年齢58-81、平均±SD 71.6±9.8、男性2および女性5)、および15の疾病コントロール(年齢47-77、平均±SD 64.7±8.5、男性10および女性5)を含む合計52の対象がこの研究に含まれ、これらのグループは年齢が一致した。
静脈穿刺により血漿試料を採取し、合計8mLの血液をEDTA含有チューブに収集した。収集後、2,000gで15分間の遠心分離により血漿を分離し、ポリプロピレンバイアルに入れ、解析まで-80℃で保存した。
様々な濃度の抗体を1xコーティング緩衝液(BioLegend, San Diego, CA)において懸濁し、50μLを白の平底ストリップマイクロプレート(Sigma-Aldrich, St. Louise, MO)の各ウェルにアプライした。室温で1時間インキュベートした後、各ウェルを1x洗浄緩衝液(BioLegend)で洗浄し、その後1%ブロッカーウシ血清アルブミン(BSA)(Thermo Fisher)を添加した75μLのブロッカーカゼイン(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)を加え、およびインキュベーションをさらに1時間続けた。各ウェル洗浄後、各プレートをすぐに酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)に使用した。
各40μLの標準、コントロール、および血漿試料をELISAプレートの各ウェルにアプライし、冷蔵庫で一晩インキュベートした。翌日、各ウェルを洗浄した後、0.1%tween-20(Sigma-Aldrich)、1%ブロッカーBSA(Thermo Fisher)、8μg/mLマウスIgG(Equitech-Bio, Kerrville, TX)を加えたリン酸緩衝液生理食塩水、pH7.4(PBS)に懸濁した40μLのビオチン化検出抗体を加え、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、各ウェルを洗浄し、その後、0.1%Tween-20、1%ブロッカーBSA(Thermo Fisher)、および5%ブロッカーカゼインを添加したPBSで懸濁した40μLのストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ(SA-HRP)(Thermo Fisher)をアプライした。30分間のインキュベーション後、各ウェルを洗浄し、次に50μLの基質(SuperSignal、Thermo)をアプライした。4分間のインキュベーション後、化学発光シグナル(相対発光量(Relative Light Unit)、RLU)をルミノメーター(ANSH Labs, Webster, TX)で決定した。
我々のサンドイッチELISAは、抗CD81および抗SNAP25(シナプトソーム関連タンパク質25)などの2つの異なる標的抗体の組み合わせを使用したため、精製または組換えタンパク質は定量標準として適用できなかった。したがって我々は商用ソース(Innovative Research, Novi, MI, and EquiTech Enterprise, Kerrville, TX)から得られた様々な血漿試料を最初にスクリーニングし、NDE、ADE、およびODEのすべての高濃度の血漿試料を見つけた。この血漿に100ユニット/mLを割り当てることにより、各ELISAで希釈試験を実施し、各希釈でRLUを得た。次に、4パラメーターロジスティック解析を使用して、各試料のRLUをユニット/mLに変換した。
血漿におけるNDE、ADE、およびODEに対する抗体を見つけるために、血漿の様々な希釈を、全エキソソームを捕捉するための抗CD81モノクローナル抗体(clone JS-81、BD Biosciences, Sparks, MD)固定化ELISAプレート並びに陰性コントロールとして使用されるコントロールマウスIgG(Santa Cruz Biotechnology, Dallas, Texas)固定化ELISAプレートにアプライした。各ウェルから非結合物質を除去するための広範な洗浄工程の後、様々な標的に対するビオチン化抗体をアプライし、上記のようにELISAを実施した。ビオチン標識について、我々はEZ-Link Sulfo-NHS-LC-ビオチン(Thermo, Rockford, USA)を使用した。このことから、SNAP25(clone B-8、Santa Cruz Biotechnology)に対するモノクローナル抗体、興奮性アミノ酸トランスポーター1(EAAT1)(=グルタミン酸アスパラギン酸トランスポーター(GLAST))およびオリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)(Bioss Antibodies, Woburn, MA)に対するポリクローナル抗体が、コントロールマウスIgG-固定化プレートではなくCD81-固定化プレート上で非常に強いシグナルを示すことがわかった。適切な抗体の発見後、抗SNAP25、抗EAAT1、および抗OMGをELISAプレートに固定し、ビオチン化抗CD81(Clone 1.3.3.22、LS Bio, Seattle, WA)で調べた。我々はそれぞれSNAP25+、CD81+ELISA結果についてNDE、EAAT1+、CD81+ELISA結果についてADE、およびOMG+、CD81+ELISA結果についてODEとした(図17)。
BDEの測定値の対数変換を特定の解析に適切に使用して、グループの違いやパラメーター間の回帰の解析における過度のゆがみや外れ値の影響を減らした。診断グループ間のBDEの平均差、およびBDEレベルと臨床パラメーター間の回帰は、t検定(Excel)によって評価した。試料の数が限られていたため、追加のノンパラメトリックマン・ホイットニーのU検定を行った(Prism, GraphPad, La Jolla, CA)。我々ははまた、予測因子としてBDEのレベルを使用して、PDの診断のための受信者動作特性(ROC)曲線を導出し、曲線下面積(AUC;AUC=0.5は違いがないことを示し、AUC=1は診断検査を示すであろう)を推定して、各予測因子(NDE、ADEおよびODEの血漿レベル)の診断上の能力を評価した。有意水準はp<0.05に設定した。
ELISA特異性を以下のように決定した。ELISAプレートを標的抗体(抗SNAP25、抗EAAT1、および抗OMG)またはコントロールIgGのいずれかで固定化し、血漿の連続希釈をアプライした。図18A-18Cに示されるように、ELISA測定値(RLU)は、コントロールIgG-固定化プレート(白抜き三角;△)ではなく標的抗体固定化ELISAプレート(黒丸;●)の血漿の容積に比例して増加した。我々はまた、ビオチン抗体なしでELISAを試験して、SA-HRPの非特異的結合を評価したが、シグナルは検出されなかった。ビオチン抗体を10倍の容積のコントロールマウスIgGと混合したため、非特異的なIgG結合は当該アッセイで除去された。
次に、ELISAアッセイの性能を決定した。アッセイ内の精度は、52の異なる対象を使用して2回実行されたELISAによって決定した。図19A-19Cに示されるように、二重変動(duplicate variation)はすべての3つのELISAにおいて非常に小さかった(それぞれNDE、ADE、およびODEについてr2=0.9644、0.9541、および0.9791および傾き=1.08、0.99、および1.01)。アッセイ間精度を9回実行された3つのコントロール血漿試料を使用して決定した。図20A-20Cに示されるように、高および中範囲の血漿のCV%は<=20%以下でったが、非常に低範囲の血漿(NDEについて<10ユニット/mL、ADEおよびODEについて<1ユニット/mL)は35-63%であった。各実験でELISAプレートを構築したため、CV%は許容範囲であった。
このELISAでは、標的血漿試料の定量は、標準血漿の希釈曲線に基づく。この計算は、試料と標準間の希釈曲線が同じ場合に適用できる。この仮説を検証するために、希釈直線性は、高、中、低範囲の血漿試料によって決定した。図21A-21Cに示されるように、これらの3つの血漿の量は約1,000倍で大きく変動するが、すべての3つの血漿は、ほとんど同一の傾きでNDE、ADE、およびODE線形希釈を示した。図21A-21Cに示されるように、線形検出範囲はそれぞれ0.1-5uL血漿(NDE)、0.01-5uL血漿(ADEおよびODE)であった。
NDE、ADE、およびODEの検出限界(LOD)はそれぞれ0.519、0、および0.062ユニット/mLであった。
血漿BDEの列挙および患者とコントロール間の比較を以下のように決定した。それぞれNDE、ADEおよびODEの血漿レベルはコントロール試料におけるものよりもPD試料で有意に高かった(図22A-22C;NDEについてp=0.003(t検定)、p=0.003(U検定)、ADEについてp=0.028(t検定)、p=0.021(U検定)、およびODEについてp=0.016(t検定)、p=0.008(U検定))。PDおよびMSAグループ間を比較すると、NDEの血漿レベルはMSAのものよりもPDを有する患者で有意に高かった(図22A-22C;p=0.028(t検定)、p=0.023(U検定))、他方でADEおよびODEにおいて有意差はみられなかった。PSPを有する患者はまた、コントロールのものと比較して血漿NDE、およびADEの有意な高レベルを示した(図22A-22B;NDEについてp=0.038(t検定)、p=0.041(U検定)、およびADEについてp=0.012(t検定)、p=0.025(U検定))。
図23A-23Cは、血漿NDE、ADE、およびODEのレベルに基づく、PDを有する患者およびコントロールの分類のROC曲線を示す。血漿NDE、ADE、およびODEについてのROC曲線のAUCはそれぞれ0.89、0.83、および0.88であり、NDE、ADE、およびODEの血漿レベルが実質的な精度でPDの診断検査に適用可能であるだろうことを示す。
PDおよびMSAを有する対象の、BDEおよび臨床重症度間の相関を以下のように決定した。我々はPDを有する患者における、血漿BDEのレベルおよび臨床重症度のスコア間の相関を研究した。図24A-24Fに示されるように、すべてのBDE(NDE、ADEおよびODE)の血漿レベルはコントロールグループと比較して、進行したPDを有する患者、すなわちmRSグレード4のグループ(n=4)(NDEについてp=0.003(t検定)、p=0.008(U検定)、ADEについてp=0.001(t検定)、p=0.006(U検定)、およびODEについてp<0.001(t検定)、p=0.006(U検定)と、ホーン・ヤール(HY)ステージ4のもの(n=5)(NDEについてp=0.001(t検定)、p=0.003(U検定)、ADEについてp=0.001(t検定)、p=0.003(U検定)、およびODEについてp<0.001(t検定)、p=0.003(U検定)の両方において、有意に高かった。さらに、NDEの血漿レベルはコントロールと比較して、mRSグレード1-2(n=5)(p=0.001(t検定)、p=0.002(U検定))またはHYステージ1-2(n=4)(p=0.003(t検定)、p=0.004(U検定))の軽度PD患者においてでさえも有意に高かった。それほど顕著ではないが、それでもODEの血漿レベルもコントロールと比較して、mRSグレード1-2(p=0.002(t検定)、p=0.005(U検定))またはHYステージ1-2(p=0.011(U検定))を有する軽度PD患者においてでさえも有意に高かった。さらに、ADEの血漿レベルもコントロールと比較して、mRSグレード1-2(p=0.023(U検定))を有する軽度PD患者においてでさえも高かった。これらの結果は、NDEおよびODEの血漿レベルが、特に初期の疾患段階のPD患者の診断バイオマーカーとして有用であり得ることを示す。mRSおよびYahrスコア1-3の初期疾患コースにおいてODEのレベルは変動したが、ODEのレベルはスコア1-3よりmRSおよびYahrスコア4で有意に高かった(mRSについてp=0.002(t検定)、p=0.011(U検定)、およびYahrにおけるp=0.004(t検定)、p=0.0024(U検定))。これは、ODEがPDの疾患進行のモニタリングの潜在的な代替バイオマーカーである可能性があることを示唆する。
我々はBDEのレベルまたはそれらの間の比率(ADE/NDE、ODE/NDE、およびODE/ADE)およびPDグループにおける様々な臨床パラメータ間の相関をさらに研究した(表4参照)。UPDRSパートIIIスコアについてのODE/NDE(r
2=0.51、n=14、p=0.0041)と同様、ADE/NDEの比は、患者の罹病期間(r
2=0.51、n=15、p=0.0028)、mRSのグレード(r
2=0.47、n=15、p=0.0048)、およびUPDRSパートIIIスコア(r
2=0.52、n=14、p=0.0036)について統計学的に有意な高いr
2値を示した(図25A-25D)。これらの結果はまた、BDEの血漿レベルがPDを有する患者の重症度のモニタリングにおそらく有用であることを示唆する。
表4. BDEおよびPD重症度間の相関。*=r
2値。
次に、BDEのレベルとMSAグループの様々な臨床パラメーター間の相関を調査した。図26A-26Dに示されるように、ODEの血漿レベルは全体としてmRSのグレードまたはMSAを有する患者における罹病期間と相関せず、またはMSA-CにおけるICARSスコアと相関しなかったが、UPDRSパートIIIスコアと有意な相関を示した(r2=0.57、n=6、p=0.048)。
これらの結果は、NDEおよびODEの両方の血漿レベルが、PDの初期であってもコントロールと比較して有意にしたこと、およびODEのレベルがPDにおける疾患重症度の進行に従って増加することを示した。これらの結果は、BDEの血漿レベルがPDおよび関連疾患についての診断上および重症度レベルのバイオマーカーであり得ることをさらに示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていないエキソソームのバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例15:ニューロン-、アストロサイト-、およびオリゴデンドロサイト由来エキソソームの表面のα-シヌクレインの病的形態の検出。
ニューロン-、アストロサイト-、およびオリゴデンドロサイト由来エキソソームの表面のα-シヌクレインの病的形態の検出を以下のように行った。40uLのEDTA血漿試料(PBSで1/4希釈)を、ニューロン-(NDE)、アストロサイト-(ADE)、およびオリゴデンドロサイト-(ODE)由来のエキソソームを捕捉する抗SNAP25-、EAAT1-およびOMG-固定化ELISAプレートに加えた。各ウェルを洗浄した後、α-シヌクレインの凝集形態(病的形態)に対するビオチン化抗体(BioLegendからSyn-F1、Syn-O2)をアプライし、さらに1時間のインキュベーションを続け、その後通常のELISA手順を行った(HRP反応、Supersignal、化学発光シグナルの測定)。図27A-27Fに示されるように、病的なα-シヌクレインをPD、MSA、およびPSPを有する患者において検出した。統計学的有意性はマン・ホイットニーのU検定に基づいた。
これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていないエキソソームのバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例16:ニューロン由来エキソソームの表面のドーパミン受容体D2(DRD2)の検出。
ニューロン由来エキソソームの表面のドーパミン受容体D2(DRD2)の検出を以下のように行った。抗SNAP25(ニューロンマーカー)、抗DRD2、およびコントロールマウスIgGをELISAプレートに固定化した。次に、ヒトEDTA血漿または緩衝液コントロール(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)をELISAプレートにアプライした、その後、ビオチン化抗SNAP25と反応させた。図28Aに示されるように、血漿は抗SNAP25および抗DRD2抗体ELISAプレートの両方で陽性であったが、他方でPBSは違った。
別の一連の実験では、抗SNAP25およびコントロールマウスIgGをELISAプレートに固定化し、ヒトEDTA血漿またはPBS ELISAプレートにアプライし、その後、SNAP25、CD81(エキソソームの一般的なマーカー)、DRD2に対するビオチン化抗体、並びにPBSコントロールと反応させた。図28Bに示されるように、血漿は抗SNAP25抗体ELISAプレートの抗SNAP25、CD81、およびDRD2プローブで陽性であった。
血漿希釈研究を以下のように行った。抗SNAP25をELISAプレートに固定化し、ヒトEDTA血漿試料(3つの異なるドナー)の連続希釈をELISAプレートにアプライし、その後、ビオチン化抗DRD2および抗CD81と反応させた。図29Aおよび29Bに示されるように、血漿希釈の傾きは3つのドナー間でほとんど同じであった。従って、DRD2/CD81の比は一定だった(図29C参照)。
別の一連の実験では、神経疾患を有するヒトからの血漿試料におけるニューロン由来エキソソームにおいてDRD2を検出した。標準血漿100ユニット/mLに割り当て、次いで希釈曲線を使用して、各試料のELISA測定値(SNAP25プレートのDRD2プローブ、およびSNAP25プレートのCD81プローブ(NDE))をユニット/mL(U/mL)に変換した。コントロール、パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症(MSA)の各15、および進行性核上性麻痺(PSP)を有する7の患者からの血漿試料を解析した。PDおよびMSA患者を疾患の重症度(mRSスコア)によりさらに分類した。図30A-30Gに示されるように、PDにおけるDRD2のレベルはコントロールより有意に低かったが、NDEのレベルはコントロールよりPDにおいて有意に高かった。したがって、当該比(DRD2/NDE)は、PD試料およびコントロール試料間でより優有意な差を示した。さらに、DRD2における減少はPDの軽症例(mRSスコア1+2)で示され、PD患者の早期スクリーニング並びにPD進行のモニタリングのマーカーとして使用されてもよいことを示す。PDおよびコントロール試料間のDRD2レベルについてのROC曲線および曲線下面積(AUC)は図31に示される。
これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、対象における神経障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例17:DAT陽性細胞外小胞の検出
DAT陽性細胞外小胞は以下のようにELISAプレートで捕捉され、解析した。3つの異なるヒトコントロールドナーから得られた血漿試料をPBSで希釈した。試料を1対の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)ウェルにアプライし、1つのウェルを抗DATマウスモノクローナル抗体と固定化し(図32、●▲■)、かつ他方のウェルをコントロールマウスIgGと固定化した(図32、○△□)。DAT+細胞外小胞(EV)をELISAウェルで捕捉した後、未結合の材料を広範な洗浄により除去し、次いで、ラベル化抗CD81で調べてDAT+-CD81+二重陽性シグナル(=DAT+ EV)を定量し(図32A)、並びに単量体(図32B)、オリゴマーα-シヌクレイン(SNCA)(図32C)、およびチロシンヒドロキシラーゼ(hydroxylase)(TH)(図32D)に対する抗体でDAT+ EVの表面のSNCAおよびTHを定量した。
図32に示されるように、DAT+ ELISAウェルの血漿試料のすべては、用量依存的なシグナル変化を示し、他方でコントロールIgG ELISAウェルのものはDAT+ ELISAウェルのものよりも非常に低く、1/10-1/100低かった。より重要なことには、3つの血漿試料の傾きは非常に類似しており、1つの特定の血漿の希釈曲線を普遍的な定量標準として使用できることを示す。
これらの結果は、本発明の方法および組成物が、DAT陽性細胞外小胞を捕捉し、検出するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることをさらに示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例18:SNAP25-陽性、EAAT1-陽性、およびOMG陽性細胞外小胞の検出
SNAP25-陽性、EAAT1-陽性、およびOMG陽性細胞外小胞を以下のようにELISAプレートで捕捉し、解析した。コントロールドナーから得られた血漿試料をSNAP25、EAAT1、およびOMGに対する抗体が以前に固定化されたELISAプレートにアプライした。捕捉された細胞外小胞(EV)を広範に洗浄した後、EVをpH12.5溶出緩衝液で5分間インキュベーションすることにより溶出し、すぐに中和した。これらの試料をナノ粒子トラッキング解析(NanoSight)にアプライした。
図33に示されるように、EVをサイズ範囲が100-400nmのすべての試料において検出した。さらに、SNAP25のEVサイズはEAAT1およびOMGのものよりも小さかった。
これらの結果は、本発明の方法および組成物がSNAP25-陽性、EAAT1-陽性、およびOMG陽性細胞外小胞を捕捉し、検出するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていない小胞上のバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることをさらに示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
実施例19:エキソソームの表面のバイオマーカーの検出
複数の膜バイオマーカーをエキソソームの表面で以下のように検出した。様々な抗体をコーティング緩衝液において懸濁し、ELISAプレートにアプライした。1時間のインキュベーション後、各ウェルを1回洗浄し、その後、ブロッキング溶液(ブロッカーカゼイン中0.5%BSA)を添加し、インキュベーションをさらに1時間続けた。各ウェルを2回洗浄した後、血漿または緩衝液コントロール(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)を追加したその後、冷蔵庫で一晩インキュベーションを続けた。各ウェルを2回洗浄した後、ビオチン化抗EAAT1、抗SNAP25、抗OMG、または抗CD11bを加えて1時間インキュベーションを続けた。各ウェルを2回洗浄した後、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼを加え、さらに30分インキュベーションを続けた。各ウェルを3回洗浄した後、SuperSignal基質を添加し、化学発光シグナルをルミノメーターで測定した。
図35に示されるように、複数のバイオマーカーをSNAP25+、EAAT1+、OMG+、およびCD11b+エキソソームの表面で検出した。
図34に示されるように、すべての3つのコントロール血漿は、サイズが50-400nmの範囲の粒子を示した。これらの結果は、上記の実施例17で記載された方法により捕捉された粒子が細胞外小胞であることを実証した。
これらの結果は、本発明の方法がエキソソームの表面のバイオマーカーを検出するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が、溶解または透過処理されていないエキソソームのバイオマーカーを同定し、検出し、かつ測定するのに有用であることを示した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が対象における神経疾患を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。これらの結果は、本発明の方法および組成物が疾病または障害を診断するのに有用であろうことをさらに示唆した。
本明細書に示され記載されたものに加え、本発明の種々の改変が、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
本明細書中で引用されるすべての参考文献は、その全体が出典明示により本明細書に組み込まれる。