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JP7649852B2 - 3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体、3軸工作機械、及び3軸工作機械の幾何偏差を補正するための方法 - Google Patents
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JP7649852B2 - 3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体、3軸工作機械、及び3軸工作機械の幾何偏差を補正するための方法 - Google Patents

3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体、3軸工作機械、及び3軸工作機械の幾何偏差を補正するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体、幾何学的精度が向上した3軸工作機械、及び3軸工作機械の幾何偏差を検証し補正する方法に関する。
工作機械の幾何学的精度は、工作機械においてよく知られた課題であった。工作機械の幾何学的精度は、ワークに対する工具の実位置と向きが、公称位置と向きから相対的にずれていることで決定される。従って、この誤差は、理想的なワークの形状から逸脱し、工作機械の作業精度を低下させる原因となる。幾何学的精度を向上させるためには、一般的に単軸のずれだけでなく、単軸の互いの位置や向きも考慮される。
剛体モデルを想定すると、3軸工作機械は3つの直線偏差(1回は軸方向、2回は軸方向に垂直な方向)と3つの回転偏差(ヨー、ピッチ、ロール)を有する。従って、各直線軸に6つの偏差があり、結果的に3つの直線軸で18の偏差があることになる。また、直線軸の互いの垂直偏差を3つ考慮する必要がある。従って、3軸工作機械では、合計21個の形状誤差が発生する可能性がある。個々の偏差が重なり合い、実際には大きな総合誤差となり、工作機械の幾何学的精度に好ましくない影響を与えることがある。
本発明の課題は、3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体、3軸工作機械、及び3軸工作機械の幾何偏差を検証し補正する方法を提供することであり、測定体及び3軸工作機械は、できるだけ単純かつ安価に設計され、方法は、できるだけ安価かつ迅速に実施することができる。
この課題は、請求項1の特徴を有する測定体、請求項9の特徴を有する3軸工作機械、及び請求項11の特徴を有する方法によって達成されるであろう。本発明の好ましい更なる実施形態は、それぞれの従属請求項に示される。
一方、請求項1の特徴を有する3軸工作機械の幾何偏差を検証するための本発明に係る測定体は、3軸工作機械の幾何偏差を、測定体を用いて補正することができるため、3軸工作機械が直線偏差と垂直偏差を持たないという利点を有する。これは、3軸工作機械を用いて、ワークを最高精度で加工できることを意味する。測定体に基づいて決定された補正データは、3軸工作機械の誤差補正にそのまま用いることができる。これは、本発明によれば、測定体が、ベースプレート、第1壁、及び第2壁を有することによって達成されるであろう。第1壁は、ベースプレート上に配置され、ベースプレートから垂直に突出している。第2壁も、ベースプレートから垂直方向に突出するように配置される。ここで、ベースプレートには、第1孔列と第2孔列が形成されている。更に、第1壁は、ベースプレートから離間する側に複数の段差を有する階段状に形成されている。同様に、第2壁も、ベースプレートから離間する側に複数の段差を有する階段状に形成されている。従って、第1壁の段差領域及び第2壁の段差領域は、それぞれ第1壁及び第2壁の上部露出領域に位置する。このように、第1壁及び第2壁の上部露出領域は、ベースプレートがX方向及びY方向のベース平面にまたがることで、Z方向に異なる位置を検出できる階段を形成することができる。第1壁及び第2壁の上部の露出した段差領域に起因して、第1壁及び第2壁は、略三角形の形状を有する。
好ましくは、第1壁はベースプレートの第1縁に沿って配置され、第2壁はベースプレートの第2縁に沿って配置される。更に、第1孔列はベースプレートの第3縁に沿って配置され、第2孔列はベースプレートの第4縁に沿って配置される。従って、矩形、好ましくは正方形のベースプレートは、2つの縁に沿って第1壁及び第2壁を有し、他の2つの縁に沿って第1孔列及び第2孔列を有する。
最も好ましくは、第1壁及び第2壁は、ベースプレートの角において互いに隣接するように、又は角領域を形成するように配置される。この場合、第1壁及び第2壁は、ベースプレート上に配置することができ、あるいは、第1壁及び第2壁は、ベースプレートの側方領域上に配置され、ベースプレートの角は、接触する第1壁及び第2壁のコーナーラインに位置する。
好ましくは、測定体の製作を容易にするために、第1壁と第2壁とが同一に形成される。更に好ましくは、各壁の階段状領域の各段差面は、基準孔を有する。好ましくは、基準孔は、段差面の中央に形成される。更に好ましくは、各段差面は研削加工又はミーリング加工される。好ましくは、基準孔はボアである。これにより、孔と切削面をそれぞれ基準要素とし、段差の切削面を用いてZ座標を決定し、孔の中心点をX、Y座標とすることができる。
更に好ましくは、第1孔列に隣接してベースプレートに第1基準面が形成され、第2孔列に隣接してベースプレートに第2基準面が形成される。従って、2つの基準面は基準要素でもあり、それぞれZ座標を決定するために構成される。
測定作業をできるだけ簡単にするために、第1孔列の孔は第1直線上に配置され、第2孔列の孔は第2直線上に配置される。第1直線は、好ましくは、第2直線に対して垂直である。
更に好ましくは、第1基準面及び第2基準面は、帯状で孔列に隣接し、孔列と平行に配置される。最も好ましくは、第1基準面及び第2基準面は、研削面又はミーリング面である。更に好ましくは、第1基準面及び第2基準面は、ベースプレートの縁に平行に延在する。
最も好ましくは、第1孔列及び第2孔列は、同一の孔数、同一の孔間隔、及び同一の孔径で構成されることである。
測定体は、好ましくはインバー製である。インバーは熱膨張係数が非常に小さいため、特に測定体の製造に適している。更に好ましくは、第1壁及び第2壁の厚みとベースプレートの厚みが同じであることである。
更に、本発明は、工具スピンドルと、工具スピンドルにクランプ可能な測定装置、特に3次元測定プローブと、3軸工作機械を制御するための制御部と、を備える3軸工作機械に関する。更に、3軸工作機械は、本発明に係る測定体を備え、制御部は、測定体の予め決定した幾何学的公称寸法と3軸工作機械の測定装置によって決定された測定体の幾何学的実寸との公称/実測比較に基づいて、3軸工作機械の幾何学的データの補正を行うよう構成される。従って、制御部は、測定機において直前の工程で決定された測定体の幾何学的公称寸法が記憶されるメモリを有する。3軸工作機械における測定体の実際の幾何学的寸法を決定するに際し、制御部は、好ましくは、測定体の実測値を求めるために、測定体を測定するためのNCプログラムを起動する。このように、公称値と実測値を比較することで、3軸工作機械の幾何学的データの補正を行うことができ、3軸工作機械によるワークの加工精度を大幅に向上させることができる。従って、3軸工作機械の幾何学的誤差の補正を簡単な方法で実現することができる。公称値は、好ましくは、メモリに格納される。更に好ましくは、測定体は、測定体を工作台上に設置又はクランプするために用いる3点アバットメントを備える。つまり、測定体は3本の足で立ち、それらはベースプレートの下に可能な限り離れて配置される。
更に、本発明は、3軸工作機械の幾何偏差を検証し補正するための方法に関し、この方法は、
-測定装置、特に3次元測定プローブを3軸工作機械のスピンドルにクランプする工程と、
-測定体を3軸工作機械の作業領域に配置する工程と、
-測定体の複数の異なる位置に移動して測定体の幾何学的実測値を収集する工程と、
-取得した実測値と測定体の所定の公称値との間で公称/実測比較を行い、幾何偏差を決定する工程と、
-3軸工作機械の制御部において3軸工作機械の幾何偏差を補正して3軸工作機械の作業精度を向上させる工程と、
を備える。

本発明に係るプロセスは、比較的迅速かつ安全に実施することができる。特に、本発明に係る方法は、3軸工作機械を顧客に納入した後、短時間で実行することも可能であり、その結果、当該場所での優位な条件、特に顧客の所在地における温度条件が、動作中の3軸工作機械の幾何学的精度に対し、もはや害をなさなくなる。
勿論、必要に応じて、3軸工作機械の製造に際して本方法を実施し、3軸工作機械の製造元での製造工程を最適化することも可能である。
好ましくは、測定体の公称値は、座標測定機において予め決定され、その後、測定体は、測定体の座標系が3軸工作機械の座標系と一致するように3軸工作機械の作業領域内に配置されることになる。
更に好ましくは、3軸工作機械において測定体を測定する際に、作業空間の温度を検出し、検出された作業領域の温度に基づいて実データの補正が行われることになる。これにより、幾何偏差の補正精度が更に向上する。
本発明に係る方法は、好ましくは、それぞれの軸のX方向、Y方向及びZ方向の位置偏差をそれぞれ決定し、更に、それぞれの軸の2つの真直偏差を決定する。このように、幾何学的な誤差の源を、合計9つ検出することができる。
更に好ましくは、3軸、すなわちX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの間で垂直性誤差を算出し、それによって幾何偏差を補正する精度が更に向上し、合計12個の幾何偏差を検出することができる。
以下、本発明の好ましい例示的な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の好ましい例示的な実施形態に係る3軸工作機械における測定体の模式的な斜視図である。 図2は、図1の測定体を別の視点から見た模式的な斜視図である。 図3は、図2の測定体の模式的な上面図である。 図4は、図1の3軸工作機械の模式的な斜視全体図である。
以下、図1~図4を参照しながら、3軸工作機械の幾何偏差を検証するための測定体2を有する3軸工作機械1について詳細に説明する。
更に、図1~図4を参照しながら、3軸工作機械の幾何偏差を検証し補正する方法についても説明する。
図1及び図4から分かるように、3軸工作機械1は、作業領域3、スピンドル4及び制御部10を備える。
図1及び図4から分かるように、3軸工作機械1の工作台6上には、測定体2が配置されている。
測定体2は、図2及び図3に詳細に示されている。測定体2は、3軸工作機械の幾何偏差を検証するために構成されている。特に、測定体2を用いて、3軸工作機械1の工具を位置決めするための座標を非常に精密に決定することができる。
測定体2は、X方向及びY方向にベース平面をまたぐ平面状のベースプレート20を備える。更に、測定体2は、第1壁21と第2壁22とを備える。第1壁21及び第2壁22は、ベースプレート20上に配置され、ベースプレート20から垂直に突出している。
図2から分かるように、ベースプレート20の底面には、第1壁21と第2壁22とが配置される。
第1壁21及び第2壁22は、ベースプレート20の縁に沿って配置される。より具体的には、第1壁21は、ベースプレート20の第1縁20aに沿って配置され、第2壁22は、ベースプレート20の第2縁20bに沿って配置される。
これにより、第1壁及び第2壁21,22は、ベースプレートの角において互いに接触するように、ベースプレート20上に配置される。これにより、ベースプレート20の底面に対して垂直なコーナーライン27(図1参照)が形成される。
図1及び図2から分かるように、第1壁21及び第2壁22は三角形状であり、第1壁及び第2壁の各々の上部自由端に段差が形成されている。このように、段差の三角形が形成され、各壁に段差領域25が露出する。図2に示すように、各段差25aは、基準孔26と、研削加工又はミーリング加工された段差面26aを有する。第1壁及び第2壁の厚さは、好ましくは、同じになるように選択される。更に好ましくは、ベースプレート20の厚さも、壁21,22の壁厚と同じである。
更に、測定体2は、ベースプレート20に、第1孔列23と第2孔列24とを備える。第1孔列23は、第1直線31上に配置された複数の孔23aを備える。第2孔列24は、第2直線32上に配置された複数の第2孔24aを備える。ここで、孔23a,24aのそれぞれの中心は、直線31,32上に配置される。第1直線及び第2直線31,32は、直角に交差している。
図2から分かるように、第1帯状基準面28は、第1孔列23の隣に配置される。第2帯状基準面29は、第2孔列24の隣に配置される。基準面は、孔列の間に位置し、それぞれ第3縁20c及び第4縁20dである(図2参照)。
ベースプレート20は四角形状であるため、第1孔列及び第2孔列23,24の孔数は同一である。壁部同士が接触する角とは反対側の角には、両孔列に共通する孔30が設けられる。
図2に示すように、Z方向は、X方向に垂直で、Y方向に垂直である。
測定体2は、3軸工作機械1の工作台6上に固定される。更に、スピンドル4には、測定体2により3軸工作機械の実座標の決定を行うための3次元測定プローブが配置されている。
3軸工作機械1は、3軸工作機械を制御するように構成された制御部10を更に備える。制御部10は、更に、測定体2の幾何学的寸法の公称/実測比較に基づいて、3軸工作機械1の幾何学的データの補正を行うように構成される。
以上説明したように、3軸工作機械は、X方向の第1軸、Y方向の第2軸、Z方向の第3軸の3つの直線軸を備える。
3つの直線軸の合計で21の偏差が生じるが、そのうち3つは直線軸の互いの垂直偏差となる。このように、3軸工作機械では、合計21個の誤差パラメータが結果として得られる。
本発明に係る方法を用いると、こうして、ガントリー機である図4に示すような3軸工作機械の位置偏差、真直偏差、垂直偏差の検証と補正を行うことができる。
このため、まず、測定体2を図示しない座標測定機で測定し、公称値を生成する。そして、これらの公称値を、3軸工作機械1の制御部10に供給し、メモリに格納する。測定体2を測定するために、X-Y平面がベースプレート20に平行となるような座標系を設定する。こうして、好ましくはインバー製である測定体2の幾何学的形状を、繰り返し決定される測定体2の様々な基準要素のZ位置、X位置及びY位置に基づいて決定する。同時に、測定体2の座標系のゼロ点も決定する。基準要素としては、例えば、切削段差面26aやZ位置用の第1基準面及び第2基準面28,29などが用いられる。孔列23,24の孔、並びに段差における孔26は、X位置とY位置の基準要素になる。
次に、測定体2を3軸工作機械の作業領域3内の工作台6に載置して、3軸工作機械の幾何偏差を測定する。この過程では、測定体2を、クランプやその他の方法で工作台上に固定することができる。この場合、測定体のX-Y-Z座標系は、基本的に3軸工作機械のX-Y-Z座標系と平行に合わせる必要がある。そして、3軸工作機械1における測定体2の測定は、3次元測定装置5、例えば3次元測定プローブを用いて行うことになる。一般的に、最近の3軸工作機械には、部品位置や部品形状を検出するために、例えばこのような3次元測定プローブがある。
測定に先立ち、3軸工作機械の座標系は、このように、以前に測定体2を測定した座標測定機の座標系と同一に整列される。
測定体2を3軸工作機械の作業領域3に固定した後、制御部10は、好ましくは、3次元測定プローブ5を用いて測定体2を測定するための全自動NCプログラムを実行し、それによって3軸工作機械1の実測値を決定できる。
好ましくは、3軸工作機械1の作業領域における測定体2の測定時に、3軸工作機械1の作業領域3の温度も測定して格納しておく。この作業領域の温度が基準温度、例えば20℃と異なる場合、3軸工作機械で加工するワークの熱膨張係数をワークの加工中に考慮する必要がある。従って、この時点で、3軸工作機械の実測値を補正する必要がある。
3軸工作機械1における測定体2の測定の完了と、必要に応じて実測値の熱調整の後、3軸工作機械の実測値が決定され、測定体の公称値と比較することができる。公称値と実測値を比較することで、3軸工作機械の位置偏差、真直偏差、垂直偏差という幾何偏差を算出することができ、それによって検証と修正を行うことができる。図3は、測定体2の上面図において、真直偏差G、垂直偏差R、位置偏差Pの一例を示す図である。
例えば、X軸位置偏差は、まず、X軸に沿ってベースプレート20上の測定された基準要素のX方向における実位置と公称位置の差を評価することによって決定できる。測定体2のゼロ点及びゼロ点に対する基準要素の位置は既知であるため、決定された差は、3軸工作機械のX軸位置に割り当てることができる。この結果、3軸工作機械のX軸位置と、そのX軸位置におけるX方向の位置偏差が表となる。これにより、これらの位置偏差は、制御部10における3軸工作機械の誤差補正のための補正データとして、格納し、そのまま使用することができる。
あるいは、偏差を数学的に前処理することも可能である。例えば、偏差を様々な数学的関数で近似することも可能である。特に、基準要素の少ない小型の測定体2の場合、例えば、直線(回帰直線)で差分を近似することが考えられる。この場合、スケーリング誤差のみが修正される。
測定体2は3軸工作機械の作業領域3の一部しかカバーしていないため、取得した実測値は、対応する数学関数を用いて外挿するのが好ましい。このようにして、3軸工作機械1の作業領域3全体について偏差を求める。
X軸の真直偏差Gも同様にして求める。ここで、X軸方向の位置には、Y方向とZ方向の位置偏差Pがそれぞれ割り当てられる。Y方向における実位置と公称位置との差は、段差領域25上の孔列23,24の孔と基準孔26の中心が決定されていることに起因する。Z方向における実位置と公称位置との差は、ベースプレート20上の基準面28,29と切削段差面26aに起因する。また、ここでは、数学的な前処理や近似が可能である。
X軸の位置偏差と真直偏差の補正データを算出したら、X軸の位置偏差、X軸のY方向の真直偏差、X軸のZ方向の真直偏差の補正データを用いて、基準要素の実位置の全ての測定データを調整して、更に評価する。このとき、調整後の実位置にX方向の誤差がなくなったとすることが好ましい。これにより、このZの誤差がX方向の誤差に影響されることなく、その後の評価でZ方向の誤差を算出することができる。これは、壁21をX方向に配置した状態で、異なるZ軸位置で基準孔26を測定できるようにX軸を移動させる必要があるためである。
次の工程では、X軸とY軸の垂直性誤差Rを算出することができる。そのために、2本の回帰直線を算出する。第1回帰直線は、X方向に沿ったベースプレート2上の基準要素のX軸方向の位置と、それらのY方向の位置偏差から生じる。第2回帰直線は、Y方向に沿ったベースプレート2上の基準要素のY軸位置と、それらのX方向の位置偏差から生じる。そして、2本の回帰直線の間の角度αを算出する(図3参照)。決定した偏差は、制御部10における誤差補正のための補正値としてそのまま使用することができる。
その後、測定データにX-Yの垂直性誤差が含まれなくなるように、測定データ中の全ての基準要素の実位置を、垂直性誤差に基づいてそのY位置に応じて調整する。
次に、X軸の場合と同様にY軸の位置偏差と真直偏差を算出する。このために、ベースプレート2上の基準位置のY軸に沿った実際の位置と公称位置の差分を評価する(図3参照)。これにより、ゼロ点と合わせて、3軸工作機械のY軸位置と、そのY軸位置でのX、Y、Z方向の位置偏差が表になる。このデータは、X軸の場合と同様に更に処理することもできるし、3軸工作機械の誤差補正用の補正データとして制御部10に直接転送することもできる。この場合も、補正データを適切な数学的関数で外挿し、作業領域3全体を定義する必要がある。
その後、Y軸の位置偏差と2つの真直偏差の補正データを用いて、基準要素の全ての実位置を調整し、更に評価を行う。このとき、調整後の実位置にY方向の誤差がなくなったとすることが好ましい。これにより、この誤差がY方向の誤差に影響されることなく、更なる評価でZ方向の誤差を算出することができる。これは、第2壁22をY方向に配置した状態で、異なるZ軸位置で孔26を測定できるようにY軸を移動させる必要があるためである。
次の工程では、X軸とZ軸の垂直度を計算する。そのために、2本の回帰直線を算出する。第1回帰直線は、X方向に沿ったベースプレート2上の基準要素のX軸方向の位置と、それらのZ方向の位置偏差から生じる。第2回帰直線は、X方向に沿った第1壁21(段差三角形)上の基準要素のZ軸位置と、それらのX方向の位置偏差から生じる。そして、2本の回帰直線の間の角度αを算出する。得られた偏差値は、制御部10における誤差補正のための補正値としてそのまま使用することができる。
同様に、Y軸とZ軸の間の垂直度も計算する。第1回帰直線は、Y方向に沿ったベースプレート20上の基準要素のY軸方向の位置と、それらのZ方向の位置偏差から生じる。第2回帰直線は、Y方向に沿った第2壁22上の基準要素のZ軸位置と、それらのY方向の位置偏差から生じる。この2本の直線間の垂直偏差は、誤差補正のための補正値として、再度そのまま使用することができる。
そして、測定データにX-Zの垂直性誤差とY-Zの垂直性誤差が含まれなくなるように、全ての基準要素の実位置を、垂直性誤差に基づいてそのZ位置に応じて、測定データ中で調整する。
最後の工程では、Z軸の幾何偏差を計算する。このために、2つの三角壁21,22の基準要素(基準孔26及び切削段差面26a)を用いる。X軸とY軸の誤差、及び3つの垂直性誤差は、直前の評価で測定データから既に算出されているため、本工程では、段差の測定に必要なX方向又はY方向のプロセスが、Z軸の幾何偏差に影響しないとする。
これにより、両壁21,22におけるZ方向の基準位置の実位置と目標位置との差を評価することにより、Z軸の位置偏差を判定する。測定体2のゼロ点及びゼロ点に対する基準要素の位置は既知であるため、決定された差は、3軸工作機械のZ軸位置に割り当てることができる。この結果、Z軸位置のテーブルが作成され、3軸工作機械の誤差補正のための補正データとしてそのまま利用することができる。このデータは、X軸やY軸の場合と同様に更に処理することもできるし、補正データとしてそのまま利用することもできる。この場合も、補正データは適切な数学的関数を用いて外挿することができる。
Z軸の真直偏差は、他の軸と同様の方法で決定される。ここで、Y方向又はX方向の位置偏差は、Z軸の位置に割り当てられる。実位置と公称位置の差は、決定された孔の中心に起因する。真直偏差の更なる処理は、Z軸の位置偏差と同様に行うことができる。
このようにして、ヨー、ピッチ、ロールを除く全ての幾何学的誤差を、測定体2を用いて検証し修正することができる。この場合、通常は線形誤差が発生し、それをスムーズに外挿することができるため、この方法は、熱条件の変化後の3軸工作機械形状の補正に特に適している。また、この方法は、作業領域の温度が基準温度と異なる場合、熱膨張係数の異なる材料に3軸工作機械の形状を適合させるために用いることもできる。
本発明の上記の書面による説明に加えて、補足的な開示として、図1~図4の本発明の図解を明示的に参照する。
1 3軸工作機械
2 測定体
3 作業領域
4 スピンドル
5 測定装置(3次元プローブ)
6 工作台
10 制御部
20 ベースプレート
20a 第1縁
20b 第2縁
20c 第3縁
20d 第4縁
21 第1壁
22 第2壁
23 第1孔列
23a 第1孔列の孔
24 第2孔列
24a 第2孔列の孔
25 段差領域
25a 段差
26 基準孔
26a 切削段差面
27 コーナーライン
28 第1基準面
29 第2基準面
30 共通孔
31 第1直線
32 第2直線
G 真直偏差
R 垂直性
P 位置偏差
X X軸
Y Y軸
Z Z軸

Claims (15)

  1. 3軸工作機械(1)における幾何偏差を検証するための測定体であって、
    ベースプレート(20)と、
    前記ベースプレート(20)上に配置されて前記ベースプレート(20)から垂直に突出する第1壁(21)と、
    前記ベースプレート(20)上に配置されて前記ベースプレート(20)から垂直に突出する第2壁(22)と、
    を備え、
    前記ベースプレート(20)には、第1孔列(23)と第2孔列(24)が形成されており、
    前記第1壁(21)は、その上部露出領域において、複数の段差(25a)を有する段差領域(25)を有しており、
    前記第2壁(22)は、上部露出領域において、複数の段差(25a)を有する段差領域(25)を有している、
    測定体。
  2. 前記第1壁(21)が、前記ベースプレート(20)の第1縁(20a)に沿って配置されており、前記第2壁(22)が、前記ベースプレート(20)の第2縁(20b)に沿って配置されており、前記第1孔列(23)が、前記ベースプレート(20)の第3縁(20c)に沿って配置されており、第2孔列(24)が、前記ベースプレート(20)の第4縁(20d)に沿って配置されている、請求項1に記載の測定体。
  3. 前記第1壁(21)及び前記第2壁(22)が、前記ベースプレート(20)の角において互いに隣接している、請求項1又は2に記載の測定体。
  4. 前記第1壁(21)及び前記第2壁(22)の前記段差(25a)が、等しい段差高さ及び/又は等しい段差長さ及び/又は等しい段数を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の測定体。
  5. 各段差(25a)が、研削加工又はミーリング加工された段差面(26a)と基準孔(26)とを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定体。
  6. 第1孔列(23)に隣接して、Z方向の基準として第1基準面(28)が配置されており、第2孔列(24)に隣接して、前記Z方向の基準として第2基準面(29)が配置されており、前記Z方向が前記ベースプレート(20)に対して垂直である、請求項1~5のいずれか一項に記載の測定体。
  7. 前記第1孔列(23)の孔が第1直線(31)上に位置しており、及び/又は前記第2孔列(24)の孔が第2直線(32)上に位置している、請求項1~6のいずれか一項に記載の測定体。
  8. 前記第1基準面(28)及び前記第2基準面(29)が、帯状に配置されており、前記第1孔列(23)及び前記第2孔列(24)に対して平行である、請求項6に記載の測定体。
  9. 3軸工作機械であって、
    工具スピンドル(4)と、
    請求項1~8のいずれか一項に記載の測定体(2)と、
    前記工具スピンドル(4)にクランプ可能であり、前記3軸工作機械(1)に固定された前記測定体(2)の実測値を検出するように構成された測定装置(5)と、
    前記3軸工作機械(1)を制御するように構成された制御部(10)と
    を備え、
    前記制御部(10)は、前記測定体(2)の寸法の幾何学的な公称値と、前記測定装置(5)を用いて前記3軸工作機械(1)に対して決定された、前記3軸工作機械(1)に固定された前記測定体(2)の実測値とに基づいて公称-実測比較を行い、前記公称値と前記実測値の間に偏差が生じる場合、前記制御部(10)の制御プログラムにおいて、前記3軸工作機械(1)の幾何学的データの補正を行うよう更に構成されている、
    3軸工作機械。
  10. 前記制御部が、前記測定体(2)の前記公称値が格納されたメモリを備えている、請求項9に記載の3軸工作機械。
  11. 3軸工作機械の幾何偏差を検証し補正する方法であって、
    前記3軸工作機械の工具スピンドル(4)に測定装置(5)をクランプする工程と、
    前記3軸工作機械の作業領域(3)に請求項1~8のいずれかに記載の測定体(2)を配置する工程と、
    前記測定体(2)の複数の位置に移動して、測定体(2)を用いて3軸工作機械の幾何学的実測値を収集する工程と、
    格納されている前記測定体(2)の公称値と前記幾何学的実測値との公称/実測比較を行って幾何偏差を決定する工程と、
    前記3軸工作機械の制御部(10)において幾何偏差を補正する工程と
    を備える、方法。
  12. 前記測定体(2)の前記公称値が座標測定機において予め決定され、前記測定体(2)が、前記測定体(2)を測定した座標測定機の座標系と前記3軸工作機械の座標系とが一致するように、前記3軸工作機械の前記作業領域(3)に配置される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記3軸工作機械(1)における前記測定体(2)の測定中に、前記作業領域(3)の温度が検出され、前記作業領域(3)の前記検出温度に基づいて、前記幾何学的実測値の補正が行われる、請求項11又は12に記載の方法。
  14. それぞれの軸の位置偏差及びそれぞれの軸の2つの真直偏差が、それぞれX方向、Y方向及びZ方向において決定される、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. X軸、Y軸及びZ軸の間の垂直性誤差を算出する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
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