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JP7649866B2 - 正極組成物の製造方法及び正極の製造方法 - Google Patents
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正極組成物の製造方法及び正極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、正極組成物の製造方法及び正極の製造方法に関する。
環境・エネルギー問題の高まりから、化石燃料への依存度を減らす低炭素社会の実現に向けた技術の開発が盛んに行われている。このような技術開発としては、ハイブリッド電気自動車や電気自動車等の低公害車の開発、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギー発電・蓄電システムの開発、電力を効率よく供給し、送電ロスを減らす次世代送電網の開発等があり、多岐に渡っている。
これらの技術に共通して必要となるキーデバイスの一つが電池であり、このような電池に対しては、システムを小型化するための高いエネルギー密度が求められる。また、使用環境温度に左右されずに安定した電力の供給を可能にするための高い出力特性が求められる。さらに、長期間の使用に耐えうる良好なサイクル特性等も求められる。そのため、従来の鉛蓄電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-水素電池から、より高いエネルギー密度、出力特性及びサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池への置き換えが急速に進んでいる。
従来、リチウムイオン二次電池の正極は、正極活物質、導電材及び結着材(バインダーとも言う)を含有する正極ペーストを、集電体に塗工することより製造されている。正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム含有複合酸化物が用いられてきた。また、正極活物質は導電性に乏しいことから、導電性を付与する目的で、正極ペーストにカーボンブラック等の導電材を添加することが行われてきた(例えば、特許文献1)。
特開2008-227481号公報
近年、リチウムイオン二次電池の更なる性能向上が求められている。
本発明は、放電レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる正極組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、放電レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現可能な正極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、下記<1>~<6>に関する。
<1>結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤と、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、混合液を得る第一の工程と、前記混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る第二の工程と、を含む、正極組成物の製造方法。
<2>結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤とを混合して、第一の混合液を得る第一の工程と、前記第一の混合液とカーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、第二の混合液を得る第二の工程と、前記第二の混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る第三の工程と、を含む、正極組成物の製造方法。
<3>前記カーボンブラックが、100~400m/gのBET比表面積、及び、15~26Åの結晶子サイズ(Lc)を有する、<1>又は<2>に記載の製造方法。
<4>前記カーボンナノチューブが、5~15nmの平均直径を有し、前記カーボンナノチューブのBET比表面積に対する前記平均直径の比(平均直径/BET比表面積)が、0.01~0.068nm/(m/g)である、<1>~<3>のいずれか一つに記載の製造方法。
<5>前記カーボンブラックの含有量が、前記カーボンブラック及び前記カーボンナノチューブの合計量を基準として、40~90質量%である、<1>~<4>のいずれか一つに記載の製造方法。
<6><1>~<5>のいずれか一つに記載の製造方法で正極組成物を製造する第一の工程と、前記正極組成物を集電体上に塗布して、前記集電体上に前記カーボンブラック、前記カーボンナノチューブ、前記結着材及び前記活物質を含有する合材層を形成する第二の工程と、を含む、正極の製造方法。
本発明によれば、放電レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる正極組成物が提供される。また、本発明によれば、放電レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現可能な正極の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の正極組成物の製造方法は、結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤と、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤と、活物質と、を所定の順序で混合して、正極組成物を得る方法である。
本実施形態の正極組成物の製造方法によれば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、結着材及び活物質を同時に混合した場合と比較して、優れた放電レート特性及びサイクル特性を実現可能な正極組成物が得られる。
本実施形態において、カーボンブラック及びカーボンナノチューブは導電材として機能する。導電材の基本的な役割は、導電性に乏しい正極活物質に導電性を付与することである。また、リチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返す事で正極活物質が膨張収縮するため、正極活物質同士の接点が徐々に失われるが、導電材は接点の失われた正極活物質同士をつなぐ役割もある。正極活物質に対する導電材の分散性が悪い場合には、正極活物質と導電材とが充分に接触できず、導電経路を形成しにくくなり、活物質の性能を充分に引き出せないという問題が生じる。結果として、正極内に導電性の劣る部分が局所的に現れるため、活物質が充分に利用されず、放電容量が低下して、電池の寿命が短くなると考えられる。また、導電経路の確保のために導電材の含有量を多くすることが考えられるが、電池特性向上の観点から、正極中で充放電容量に寄与しない導電材の含有量を減らし、正極活物質の含有量を多くすることが望ましい。本実施形態の正極組成物の製造方法によれば、カーボンブラック及びカーボンナノチューブの凝集が抑制され、導電材の均一な分散性が確保されるため、活物質の含有量が多い場合でも優れた電池特性が得られると考えられる。
本実施形態の正極組成物の製造方法は、例えば、下記第一の態様、又は、下記第二の態様であってよい。
第一の態様において、正極組成物の製造方法は、結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤と、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、混合液を得る第一の工程と、前記混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る第二の工程と、を含む。
第一の態様によれば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、結着材及び活物質を同時に混合した場合と比較して、優れた放電レート特性及びサイクル特性を実現可能な正極組成物が得られる。第一の態様の製造方法により上記効果が奏される理由は、第一の工程において、結着材とカーボンブラックとの相互作用によって、凝集しにくく、カーボンナノチューブと絡み合いにくい分散状態が実現され、カーボンブラックの凝集又はカーボンブラックとカーボンナノチューブとの絡み合いに起因する電極構造の不均一化が抑制されることが一因と考えられる。
第一の態様の第一の工程は、結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤と、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、混合液を得る工程である。
第一の態様の第一の工程において、第一剤、第二剤及び第三剤を混合する方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、ボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等による撹拌混合)により実施してよい。第一の態様の第一の工程は、例えば、第一剤、第二剤及び第三剤を混合容器に投入した後、撹拌して、混合液を得る工程であってよい。
第一の態様の第二の工程は、第一の工程で得た混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る工程である。
第一の態様の第二の工程において、混合液と活物質とを混合する方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、ボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等による撹拌混合)により実施してよい。第一の態様の第二の工程は、例えば、混合液を含む混合容器に活物質を投入した後、撹拌して、正極組成物を得る工程であってよい。
第二の態様において、正極組成物の製造方法は、結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤とを混合して、第一の混合液を得る第一の工程と、第一の混合液とカーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、第二の混合液を得る第二の工程と、第二の混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る第三の工程と、を含む。
第二の態様によれば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、結着材及び活物質を同時に混合した場合と比較して、優れた放電レート特性及びサイクル特性を実現可能な正極組成物が得られる。第一の態様の製造方法により上記効果が奏される理由は、第一の工程において、結着材とカーボンブラックとの相互作用によって、凝集しにくく、カーボンナノチューブと絡み合いにくい分散状態が実現され、カーボンブラックの凝集又はカーボンブラックとカーボンナノチューブとの絡み合いに起因する電極構造の不均一化が抑制されることが一因と考えられる。
第二の態様の第一の工程は、結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤とを混合して、第一の混合液を得る工程である。
第二の態様の第一の工程において、第一剤及び第二剤を混合する方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、ボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等による撹拌混合)により実施してよい。第二の態様の第一の工程は、例えば、第一剤及び第二剤を混合容器に投入した後、撹拌して、第一の混合液を得る工程であってよい。
第二の態様の第二の工程は、第一の工程で得た第一の混合液と、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、第二の混合液を得る工程である。
第二の態様の第二の工程において、第一の混合液及び第三剤を混合する方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、ボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等による撹拌混合)により実施してよい。第二の態様の第二の工程は、例えば、第一の混合液を含む混合容器に第三剤を投入した後、撹拌して、第二の混合液を得る工程であってよい。
第二の態様の第三の工程は、第二の工程で得た第二の混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る工程である。
第二の態様の第三の工程において、第二の混合液及び活物質を混合する方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、ボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等による撹拌混合)により実施してよい。第二の態様の第三の工程は、例えば、第二の混合液を含む混合容器に活物質を投入した後、撹拌して、正極組成物を得る工程であってよい。
以下、本実施形態の正極組成物の製造方法で用いる各成分について詳述する。
第一剤は、結着材と第一の液状媒体とを含む。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。結着材のポリマーの構造は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等であってよい。結着材としては、耐電圧性が優れる観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
第一剤中の結着材の含有量は、特に限定されず、正極組成物中の結着材の含有量が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。正極組成物中の結着材の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば0.3質量%以上であってよく、正極板の結着性がより向上し、サイクル特性がより優れる観点からは、0.5質量%以上、1.0質量%以上、又は1.5質量%以上であってもよい。正極組成物中の結着材の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば5.0質量%以下であってよく、正極板の抵抗がより小さくなり、放電レート特性がより向上する観点からは、4.5質量%以下、4.0質量%以下、又は3.5質量%以下であってもよい。すなわち、正極組成物中の結着材の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば0.3~5.0質量%、0.3~4.5質量%、0.3~4.0質量%、0.3~3.5質量%、0.5~5.0質量%、0.5~4.5質量%、0.5~4.0質量%、0.5~3.5質量%、1.0~5.0質量%、1.0~4.5質量%、1.0~4.0質量%、1.0~3.5質量%、1.5~5.0質量%、1.5~4.5質量%、1.5~4.0質量%又は1.5~3.5質量%であってもよい。
第一の液状媒体は、結着材を溶解可能であり、第二の液状媒体及び第三の液状媒体との相溶性を有するものであれば特に限定されない。第一の液状媒体としては、例えば水、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち、溶解性の観点からは、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
第一剤中の第一の液状媒体の含有量は、特に限定されず、結着材を溶解可能な範囲であれば特に限定されず、正極組成物の固形分濃度が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。
第一剤の固形分濃度は特に限定されず、例えば、1.0質量%以上であってよく、2.0質量%以上、3.0質量%以上又は4.0質量%以上であってもよい。また、第一剤の固形分濃度は、例えば、11.0質量%以下であってよく、10.0質量%以下、9.0質量%以下であってもよい。すなわち、第一剤の固形分濃度は、例えば1.0~11.0質量%、1.0~10.0質量%、1.0~9.0質量%、2.0~11.0質量%、2.0~10.0質量%、2.0~9.0質量%、3.0~11.0質量%、3.0~10.0質量%、3.0~9.0質量%、4.0~11.0質量%、4.0~10.0質量%又は4.0~9.0質量%であってもよい。
第一剤は、結着材及び第一の液状媒体以外の成分を更に含有していてよい。第一剤は、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース又はカルボン酸変性(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を更に含有していてよい。
第二剤は、カーボンブラックと第二の液状媒体とを含む。
カーボンブラックは、一般的な電池用導電材として用いられるカーボンブラックであってよく、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等であってよい。カーボンブラックは、純度に優れ、優れた電池特性を得やすい観点から、好ましくはアセチレンブラックである。
カーボンブラックとしては、100~400m/gのBET比表面積、及び、15~26Åの結晶子サイズ(Lc)を有するカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックのBET比表面積は、100m/g以上であることが好ましい。カーボンブランクのBET比表面積が100m/g以上であることで、活物質及び導電材との電気的接点が多くなり、導電性の付与効果がより良好となるため、より優れた電池特性が得られる。カーボンブラックのBET比表面積は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは130m/g以上であり、より好ましくは150m/g以上であり、170m/g以上、200m/g以上、240m/g以上、280m/g以上、320m/g以上、又は360m/g以上であってもよい。
また、カーボンブラックのBET比表面積は、400m/g以下であることが好ましい。カーボンブラックのBET比表面積が400m/g以下であると、液状媒体と導電材と間の相互作用、及び、導電材間の相互作用が小さくなり、活物質に対して均一に分散しやすくなる。これにより、導電経路が形成されやすくなり、より優れた電池特性が得られる。カーボンブラックのBET比表面積は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは350m/g以下であり、より好ましくは300m/g以下、250m/g以下、又は150m/g以下であってもよい。
すなわち、カーボンブラックのBET比表面積は、例えば、100~400m/g、100~350m/g、100~300m/g、100~250m/g、100~150m/g、130~400m/g、130~350m/g、130~300m/g、130~250m/g、130~150m/g、150~400m/g、150~350m/g、150~300m/g、150~250m/g、170~400m/g、170~350m/g、170~300m/g、170~250m/g、170~150m/g、200~400m/g、200~350m/g、200~300m/g、200~250m/g、240~400m/g、240~350m/g、240~300m/g、240~250m/g、280~400m/g、280~350m/g、280~300m/g、320~400m/g、320~350m/g又は360~400m/gであってもよい。
カーボンブラックのBET比表面積は、吸着質として窒素を使用し、JIS Z8830に準拠して静的容量法により測定することができる。
カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、15Å以上であることが好ましい。結晶子サイズ(Lc)が15Å以上であることで、π電子が結晶層を動き易くなり、集電体から流れてきた電子を活物質へと運ぶ導電経路がより形成されやすくなり、より優れた電池特性が得られる。カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、16Å以上、18Å以上、又は20Å以上であってもよい。
また、カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、26Å以下であることが好ましい。結晶子サイズ(Lc)が26Å以下であることで、カーボンブラックの粒子形状がより丸みを帯び易くなるため、粒子間相互作用が小さくなり、活物質に対してより均一に分散しやすくなることから、導電経路がより形成されやすくなり、より優れた電池特性が得られる。カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは24Å以下であり、22Å以下又は20Å以下であってもよい。
すなわち、カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、例えば、15~26Å、15~24Å、15~22Å、15~20Å、16~26Å、16~24Å、16~22Å、16~20Å、18~26Å、18~24Å、18~22Å、18~20Å、20~26Å、20~24Å又は20~22Åであってもよい。
カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、JIS R7651に準拠して測定される。なお、カーボンブラックの結晶子サイズ(Lc)は、カーボンブラック結晶層のc軸方向の結晶子サイズを意味する。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、17nm以上であることが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径が17nm以上であることで、液状媒体と導電材との間の相互作用、及び、導電材間の相互作用が小さくなることで、活物質に対してより均一に分散しやすくなり、導電経路が形成されやすくなり、優れた電池特性がより得やすくなる。カーボンブラックの平均一次粒子径は、18nm以上、19nm以上又は20nm以上であってもよい。
また、カーボンブラックの平均一次粒子径は、30nm以下であることが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径が30nm以下であることで、活物質及び導電材との電気的接点が多くなり、導電性の付与効果が良好となるため、優れた電池特性がより得やすくなる。カーボンブラックの平均一次粒子径は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは26nm以下であり、24nm以下、22nm以下又は20nm以下であってもよい。
すなわち、カーボンブラックの平均一次粒子径は、例えば、17~30nm、17~26nm、17~24nm、17~22nm、17~20nm、18~30nm、18~26nm、18~24nm、18~22nm、18~20nm、19~30nm、19~26nm、19~24nm、19~22nm、19~20nm、20~30nm、20~26nm、20~24nm又は20~22nmであってもよい。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)でカーボンブラックを観察した際の画像をもとに測定される円相当径の平均値を意味し、具体的には、透過型電子顕微鏡JEM-2000FX(日本電子社製)を用いて、カーボンブラックを10万倍の倍率で10枚撮像し、得られる画像について無作為に抽出したカーボンブラックの一次粒子200個の円相当径を画像解析により測定して、算術平均することにより得られる。
カーボンブラックの昇温脱離ガス分析法により検出される質量数m/z57のピークのピーク面積をSとし、質量数m/z128のピークのピーク面積をSとしたとき、ピーク面積Sに対するピーク面積Sの比(S/S)は、0.2~1.9であることが好ましい。比(S/S)は、カーボンブラックの表面に吸着している有機成分の割合を示している。比(S/S)が1.9以下であることで、カーボンブラックの表面に吸着している有機成分が十分に少なくなり、有機成分がπ電子をトラップすることに起因する導電性の低下が顕著に抑制される。また、比(S/S)が0.2以上であることで、カーボンブラックの表面に吸着している有機成分が分散剤の役割を担い、液状媒体中での分散性が向上するため、スラリー粘度がより低減される。質量数m/z57のピークのピーク面積Sと質量数m/z128のピークのピーク面積Sは、発生ガス質量分析(EGA-MS)により測定することができる。例えば、熱分解装置を有するガスクロマトグラフ質量分析計にカーボンブラックをセットし、大気圧Heフロー中で、50℃で5分間保持した後、80℃/minで800℃まで昇温し、昇温により脱離した成分の質量分析を行うことで、質量数m/z57のピークのピーク面積Sと質量数m/z128のピークのピーク面積Sを測定できる。
比(S/S)は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点から、1.5以下、1.0以下、0.8以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、又は0.3以下であってよい。また、比(S/S)は、0.25以上又は0.3以上であってもよい。すなわち、比(S/S)は、例えば、0.2~1.9、0.2~1.5、0.2~1.0、0.2~0.8、0.2~0.6、0.2~0.5、0.2~0.4、0.2~0.3、0.25~1.9、0.25~1.5、0.25~1.0、0.25~0.8、0.25~0.6、0.25~0.5、0.25~0.4、0.25~0.3、0.3~1.9、0.3~1.5、0.3~1.0、0.3~0.8、0.3~0.6、0.3~0.5又は0.3~0.4であってもよい。
カーボンブラックの体積抵抗率は、導電性に優れる観点から、0.30Ω・cm以下又は0.25Ω・cm以下であってよい。カーボンブラックの体積抵抗率は、例えば、7.5MPaの荷重下で圧縮した状態で測定される。
カーボンブラックの灰分量及び水分量は特に限定されるものではない。カーボンブラックの灰分量は、例えば、0.04質量%以下であってよく、カーボンブラックの水分量は、例えば、0.10質量%以下であってよい。
カーボンブラックの製造方法は特に限定されない。カーボンブラックは、例えば、炭化水素を含む原料ガスを円筒状分解炉で処理して、カーボンブラックを得る合成工程と、合成工程で得られたカーボンブラックから磁石により磁性異物を除去する高純度化工程と、を含む製造方法により製造されたものであってよい。
合成工程では、原料ガスを円筒状分解炉で処理する。円筒状分解炉は、例えば、炭化水素の熱分解反応を行う熱分解部と、熱分解反応生成物を改質する熟成部と、を備えるものであってよい。円筒状分解炉は、原料ガスを熱分解部に供給する供給口と、熟成部から生成したカーボンブラックを回収する回収口とを更に備えていてよい。
熱分解部は、供給された原料ガスが、1900℃以上の温度で30~150秒滞留することが好ましい。原料ガスの滞留時間が30秒以上であることで、熱分解反応の完結及び連鎖構造の発達によるカーボンエアロゾルの形成をより確実に実施できる。また、原料ガスの滞留時間が150秒以下であることで、カーボンエアロゾルの凝集化が抑制されるため、高純度化工程で磁性異物をより除去しやすくなり、高純度のカーボンブラックが得られやすくなる。
熟成部は、熱分解部から供給された熱分解反応生成物が、1700℃以上の温度で20~90秒滞留することが好ましい。熱分解反応生成物の滞留時間が20秒以上であることで、カーボンエアロゾルの改質及びアグリゲートの発達促進によって、より高品質のカーボンブラックが得られやすくなる。また、熱分解反応生成物の滞留時間が90秒以下であることで、カーボンエアロゾルの凝集化が抑制されるため、高純度化工程で磁性異物をより除去しやすくなり、高純度のカーボンブラックが得られやすくなる。
熱分解部及び熟成部における滞留時間は、それぞれ、流通するガスのガス線速度を調整することで適宜調整できる。熟成部における滞留時間は、熱分解部における滞留時間より短いことが好ましい。すなわち、熟成部におけるガス線速度は、熱分解部におけるガス線速度より速いことが好ましい。
本実施形態において、原料ガスは、炭素源として、アセチレンを含むことが好ましい。原料ガス中の炭素源(例えばアセチレン)の含有量は、例えば10体積%以上であり、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30体積%以上であり、100体積%であってもよい。なお、原料ガス中の各成分の含有量は、100℃、1気圧での体積を基準として体積比を示す。
原料ガスは、炭素源(例えばアセチレン)以外の他の炭化水素を更に含んでいてもよい。他の炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ガソリン、灯油、軽油、重油等が挙げられる。これらの他の炭化水素の添加により、反応温度を変化させて、カーボンブラックの比表面積を増減させることができる。他の炭化水素は、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素及びエチレン、プロピレン等の不飽和炭化水素からなる群より選択されることが好ましい。
原料ガスが、アセチレンと他の炭化水素とを含有する場合、他の炭化水素の含有量は、アセチレン100体積部に対して、例えば0.1~99体積部であり、好ましくは0.2~50体積部であり、より好ましくは0.3~30体積部である。すなわち、他の炭化水素の含有量は、アセチレン100体積部に対して、例えば0.1~99体積部、0.1~50体積部、0.1~30体積部、0.2~99体積部、0.2~50体積部、0.2~30体積部、0.3~99体積部、0.3~50体積部又は0.3~30体積部であってもよい。
原料ガスは、水蒸気ガス、酸素ガス、水素ガス、二酸化炭素ガス等を更に含んでいてもよい。これらのガスとしては、99.9体積%以上の高純度ガスを用いることが好ましい。このような高純度ガスを用いることで、磁性異物が少なく、BET比表面積及びオイル吸収量が安定したカーボンブラックが製造しやすくなる傾向がある。
水蒸気ガスの含有量は、原料ガス中の炭素源(例えばアセチレン)100体積部に対して、例えば0~80体積部であってよく、好ましくは0.1~70体積部、より好ましくは1~60体積部、更に好ましくは3~55体積部である。水蒸気ガスの含有量が上記範囲であると、カーボンブラックのBET比表面積がより大きくなる傾向がある。すなわち、水蒸気ガスの含有量は、原料ガス中の炭素源100体積部に対して、例えば0~80体積部、0~70体積部、0~60体積部、0~55体積部、0.1~80体積部、0.1~70体積部、0.1~60体積部、0.1~55体積部、1~80体積部、1~70体積部、1~60体積部、1~55体積部、3~80体積部、3~70体積部、3~60体積部又は3~55体積部であってもよい。
合成工程では、原料ガスと共に酸素ガスを熱分解部に供給することが好ましく、原料ガスを熱分解部に供給する供給口の周囲から酸素ガスを噴射することで、酸素ガスを熱分解部に供給することがより好ましい。
円筒状分解炉は、原料ガスの供給口の近傍に酸素ガスの噴射口を有することが好ましく、供給口を取り囲むように均等間隔に設けられた複数の噴射口を有することがより好ましい。噴射口の数は、好ましくは3以上、より好ましくは3~8である。
また、円筒状分解炉は、原料ガスの供給口とその周囲から酸素ガスを噴射する噴射口とを有する多重管構造(例えば、二重管構造、三重管構造等)のノズルを備えていてもよい。二重管構造の場合、例えば、内筒側の空隙部から原料ガスを、外筒側の空隙部から酸素ガスを噴射してよい。内管、中管及び外管からなる三重管構造の場合、例えば、中管の外壁と外管の内壁とによって形成される空隙部から酸素ガスを噴射し、残りの空隙部から原料ガスを噴射してよい。
酸素ガスの噴射量は、カーボンブラックの生成収率を考慮しなければ特に制限はない。必要以上に多くの酸素ガスを噴射してもカーボンブラックを製造できる。酸素ガスの噴射量は、原料ガス中の炭素源(例えばアセチレン)100体積部に対して、例えば、0~300体積部、0~250体積部、0~220体積部又は0~200体積部であってよく、好ましくは0.1~190体積部、より好ましくは0.5~180体積部、更に好ましくは1~160体積部である。酸素ガスの噴射量が多くなると、カーボンブラックのBET比表面積、及び、上記の比(S/S)がより大きくなる傾向があり、酸素ガスの噴射量が少なくなると、カーボンブラックの一次粒子径が大きくなる傾向がある。すなわち、酸素ガスの噴射量は、原料ガス中の炭素源100体積部に対して、例えば、0~300体積部、0~250体積部、0~220体積部、0~200体積部、0~190体積部、0~180体積部、0~160体積部、0.1~300体積部、0.1~250体積部、0.1~220体積部、0.1~200体積部、0.1~190体積部、0.1~180体積部、0.1~160体積部、0.5~300体積部、0.5~250体積部、0.5~220体積部、0.5~200体積部、0.5~190体積部、0.5~180体積部、0.5~160体積部、1~300体積部、1~250体積部、1~220体積部、1~200体積部、1~190体積部、1~180体積部又は1~160体積部であってもよい。
合成工程では、例えば、アセチレン以外の他の炭化水素の添加率、噴射する酸素ガスの量等を調整することによって、得られるカーボンブラックの一次粒子径、BET比表面積、結晶子サイズ(Lc)を調整することができる。
高純度化工程は、合成工程で得られたカーボンブラックから、磁石により磁性異物を除去する工程である。高純度化工程は、例えば、合成工程で得られたカーボンブラックを、磁石に接触させて、又は、磁石の近傍に配置して(例えば、磁石の近傍を通過させて)、カーボンブラックから磁性異物を除去する工程であってよい。
磁石の最大表面磁束密度は特に限定されないが、例えば700mT以上であってよく、好ましくは1000mT以上、より好ましくは1200mT以上である。これにより、カーボンブラックに付着した微細な磁性異物がより強力に吸着されるため、ニッケル含有量のより少ないカーボンブラックが得られやすくなる。磁石の最大表面磁束密度の上限は特に限定されず、例えば、1400mT以下であってよい。すなわち、磁石の最大表面磁束密度は、例えば700~1400mT、1000~1400mT又は1200~1400mTであってもよい。
高純度化工程では、ニッケル含有量が50ppb以下(好ましくは40ppb以下、より好ましくは30ppb以下、更に好ましくは20ppb以下)となるように、カーボンブラックから磁性異物を除去する工程であってよい。ニッケル含有量の下限に特に制限はないが、カーボンブラック中のニッケル含有量は、例えば1ppb以上であってよく、コスト及び生産性の観点からは、10ppb以上であってもよく、15ppb以上であってもよい。すなわち、カーボンブラック中のニッケル含有量は、1~50ppb、1~40ppb、1~30ppb、1~20ppb、10~50ppb、10~40ppb、10~30ppb、10~20ppb、15~50ppb、15~40ppb、15~30ppb又は15~20ppbであってもよい。
第二剤中のカーボンブラックの含有量は、特に限定されず、正極組成物中のカーボンブラックの含有量が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。正極組成物中のカーボンブラックの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上又は0.5質量%以上であってよい。正極組成物中のカーボンブラックの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下又は2質量%以下であってよい。すなわち、正極組成物中のカーボンブラックの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば0.01~10質量%、0.01~7質量%、0.01~5質量%、0.01~4質量%、0.01~3質量%、0.01~2質量%、0.05~10質量%、0.05~7質量%、0.05~5質量%、0.05~4質量%、0.05~3質量%、0.05~2質量%、0.1~10質量%、0.1~7質量%、0.1~5質量%、0.1~4質量%、0.1~3質量%、0.1~2質量%、0.2~10質量%、0.2~7質量%、0.2~5質量%、0.2~4質量%、0.2~3質量%、0.2~2質量%、0.3~10質量%、0.3~7質量%、0.3~5質量%、0.3~4質量%、0.3~3質量%、0.3~2質量%、0.4~10質量%、0.4~7質量%、0.4~5質量%、0.4~4質量%、0.4~3質量%、0.4~2質量%、0.5~10質量%、0.5~7質量%、0.5~5質量%、0.5~4質量%、0.5~3質量%又は0.5~2質量%であってもよい。
第二剤中のカーボンブラックの含有量は、正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量(C)に対するカーボンブラックの含有量(C)の比(C/C)(質量比)が、所望の範囲内となるように適宜変更してよい。上記比(C/C)は、例えば0.1以上であってよく、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.3以上、0.4以上、0.5以上、又は0.6以上であってよい。また、上記比(C/C)は、例えば0.95以下であってよく、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.9以下、0.85以下又は0.8以下であってよい。すなわち、上記比(C/C)は、例えば、0.1~0.95、0.1~0.9、0.1~0.85、0.1~0.8、0.3~0.95、0.3~0.9、0.3~0.85、0.3~0.8、0.4~0.95、0.4~0.9、0.4~0.85、0.4~0.8、0.5~0.95、0.5~0.9、0.5~0.85、0.5~0.8、0.6~0.95、0.6~0.9、0.6~0.85又は0.6~0.8であってもよい。
第二の液状媒体は、カーボンブラックを分散可能であり、第一の液状媒体及び第三の液状媒体との相溶性を有するものであれば特に限定されない。第二の液状媒体としては、例えば水、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち、カーボンブラックの易分散性の観点からは、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。第二の液状媒体は、第一の液状媒体及び第三の液状媒体と同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第二剤中の第二の液状媒体の含有量は、特に限定されず、カーボンブラックを分散可能な範囲であれば特に限定されず、正極組成物の固形分濃度が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。
第二剤の固形分濃度は特に限定されず、例えば、1.5質量%以上であってよく、2.5質量%以上、3.5質量%以上又は5.0質量%以上であってもよい。また、第二剤の固形分濃度は、例えば、25.0質量%以下であってよく、22.0質量%以下、20.0質量%以下又は18.0質量%以下であってもよい。すなわち、第二剤の固形分濃度は、例えば、1.5~25.0質量%、1.5~22.0質量%、1.5~20.0質量%、1.5~18.0質量%、2.5~25.0質量%、2.5~22.0質量%、2.5~20.0質量%、2.5~18.0質量%、3.5~25.0質量%、3.5~22.0質量%、3.5~20.0質量%、3.5~18.0質量%、5.0~25.0質量%、5.0~22.0質量%、5.0~20.0質量%又は5.0~18.0質量%であってもよい。
第二剤は、カーボンブラック及び第二の液状媒体以外の成分を更に含有していてよい。第二剤は、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース又はカルボン酸変性(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を更に含有していてよい。
第三剤は、カーボンナノチューブと第三の液状媒体とを含む。
カーボンナノチューブとしては、5~15nmの平均直径を有し、BET比表面積に対する平均直径の比(平均直径/BET比表面積)が0.01~0.068nm/(m/g)であるカーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの平均直径が5~15nmと小さく、且つ、BET比表面積に対する平均直径の比が0.01~0.068nm/(m/g)であると、正極中により多くの導電経路を形成することができる。
カーボンナノチューブの平均直径は、5nm以上であることが好ましい。カーボンナノチューブの平均直径が5nm以上であることで、液状媒体と導電材との間の相互作用、及び、導電材間の相互作用が小さくなり、活物質に対してより均一に分散しやすくなる。これにより、導電経路が形成されやすくなり、より優れた電池特性が得られる。カーボンナノチューブの平均直径は、6nm以上であってもよい。
また、カーボンナノチューブの平均直径は、15nm以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの平均直径が15nm以下であることで、活物質と導電材との電気的接点が多くなり、導電性の付与効果が良好となり、より優れた電池特性が得やすくなる。カーボンナノチューブの平均直径は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは12nm以下であり、より好ましくは10nm以下であり、9nm以下、8nm以下又は7nm以下であってもよい。
すなわち、カーボンナノチューブの平均直径は、例えば、5~15nm、5~12nm、5~10nm、5~9nm、5~8nm、5~7nm、6~15nm、6~12nm、6~10nm、6~9nm、6~8nm又は6~7nmであってもよい。
カーボンナノチューブの平均直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)でカーボンナノチューブを観察した際の画像をもとに測定される直径の平均値を意味し、具体的には、透過型電子顕微鏡JEM-2000FX(日本電子社製)を用いて、カーボンナノチューブを20万倍の倍率で10枚撮像し、得られる画像について無作為に抽出したカーボンナノチューブ100個の直径を画像解析により測定して、算術平均することにより得られる。
カーボンナノチューブのBET比表面積は、170~320m/gであることが好ましい。カーボンナノチューブのBET比表面積が170m/g以上であることで、活物質及び導電材との電気的接点が多くなり、導電性の付与効果が良好となるため、優れた電池特性がより得やすくなる。カーボンナノチューブのBET比表面積が320m/g以下であることで、液状媒体と導電材との相互作用、及び、導電材間の相互作用が小さくなり、活物質に対してより均一に分散しやすくなる。これにより、導電経路が形成されやすくなり、より優れた電池特性が得やすくなる。カーボンナノチューブのBET比表面積は、吸着質として窒素を使用し、JIS Z8830に準拠して静的容量法により測定することができる。
カーボンナノチューブのBET比表面積は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、180m/g以上、200m/g以上、230m/g以上、250m/g以上、280m/g以上、又は300m/g以上であってよい。カーボンナノチューブのBET比表面積は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、300m/g以下であってよい。すなわち、カーボンナノチューブのBET比表面積は、例えば、170~320m/g、180~320m/g、200~320m/g、230~320m/g、250~320m/g、280~320m/g、300~320m/g、170~300m/g、180~300m/g、200~300m/g、230~300m/g、250~300m/g又は280~300m/gであってもよい。
カーボンナノチューブのBET比表面積に対する平均直径の比(平均直径/BET比表面積)は、0.01~0.068nm/(m/g)であることが好ましい。上記比(平均直径/BET比表面積)は、カーボンナノチューブの平均直径をカーボンナノチューブのBET比表面積で除した値である。比(平均直径/BET比表面積)が0.01nm/(m/g)以上であることで、カーボンナノチューブ同士の絡み合いが少なくなり、活物質に対してより均一に分散しやすくなる。これにより、導電経路が形成されやすくなり、より優れた電池特性が得られる。比(平均直径/BET比表面積)が0.068nm/(m/g)以下であることで、単位重量当たりのカーボンナノチューブ本数が増加し、活物質全体により効率よく電気を流す事ができるようになるため、より優れた電池特性が得られる。
比(平均直径/BET比表面積)は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.06nm/(m/g)以下、0.04nm/(m/g)以下、0.03nm/(m/g)以下、又は0.02nm/(m/g)以下であってよい。比(平均直径/BET比表面積)は、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.02nm/(m/g)以上であってよい。すなわち、比(平均直径/BET比表面積)は、例えば、0.01~0.068nm/(m/g)、0.01~0.04nm/(m/g)、0.01~0.03nm/(m/g)、0.01~0.02nm/(m/g)、0.02~0.068nm/(m/g)、0.02~0.04nm/(m/g)又は0.02~0.03nm/(m/g)であってもよい。
カーボンナノチューブの製造方法は特に限定されない。カーボンナノチューブは、例えば、従来公知のカーボンナノチューブの製造方法により製造されたものであってよい。
カーボンナノチューブは、例えば、マグネシア(酸化マグネシウム)に鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器内の反応器の水平断面方向全面に存在させ、当該反応器内にメタンを鉛直方向に流通させ、メタンと上記触媒を500~1200℃で接触させた後、得られた生成物(未酸化のカーボンナノチューブ)を酸化処理することにより製造することができる。このようなカーボンナノチューブの製造方法により、数層のグラフェン層からなる、平均直径が5~15nm、BET比表面性が160~300m/gのカーボンナノチューブが得られやすい。
上記の生成物の酸化処理は、例えば、焼成処理であってよい。焼成処理の温度は特に限定されず、例えば、300~1000℃であってよい。焼成処理の温度は、雰囲気ガスに影響されるため、酸素濃度が高い場合には比較的低温で、酸素濃度が低い場合には比較的高温で焼成処理することが好ましい。具体的には、生成物の焼成処理としては、大気下、酸化処理前のカーボンナノチューブの燃焼ピーク温度±50℃の範囲内で焼成する方法が挙げられるが、酸素濃度が大気よりも高い場合は、焼成ピーク温度よりも低めの温度範囲で焼成を行い、酸素濃度が大気よりも低い場合は、焼成ピーク温度よりも高めの温度範囲が選択される。特に大気下で酸化処理前のカーボンナノチューブの焼成処理を行う場合は、酸化処理前のカーボンナノチューブの燃焼ピーク温度±15℃の範囲で行うことが好ましい。
上記の生成物の酸化処理は、過酸化水素、混酸、硝酸等による処理であってもよい。上記の生成物を過酸化水素により処理する方法としては、例えば、上記の生成物を34.5%過酸化水素水中に0.01~10質量%になるように混合し、0~100℃の温度にて0.5~48時間反応させる方法が挙げられる。また、上記の生成物を混酸で処理する方法としては、例えば、上記の生成物を濃硫酸と濃硝酸との混合溶液(濃硫酸:濃硝酸=3:1)中に0.01~10質量%になるように混合し、0~100℃の温度にて0.5~48時間反応させる方法が挙げられる。混酸の混合比(濃硫酸:濃硝酸)は、上記の生成物中の単層カーボンナノチューブの量に応じて、1:10~10:1の範囲内で調整することができる。上記の生成物を硝酸で処理する方法としては、例えば、上記の生成物を濃度40~80質量%の硝酸中に0.01~10質量%になるように混合し、60~150℃の温度にて0.5~48時間反応させる方法が挙げられる。
上記の生成物に対して酸化処理を行うことで、生成物中のアモルファスカーボン等の不純物及び耐熱性の低い単層カーボンナノチューブを選択的に除去することができ、数層のグラフェン層、特に2~5層のカーボンナノチューブの純度を向上することができる。それと同時に生成物に対して酸化処理を行うことで、カーボンナノチューブの表面に官能基が追加されるため、分散媒及び添加剤との親和性が向上し、分散性が向上する。上記の酸化処理の中でも、硝酸を用いた処理が好ましい。
上記の酸化処理は、酸化処理前のカーボンナノチューブを得た直後に行ってもよく、別の精製処理後に行った後に行ってもよい。例えば、触媒として鉄/マグネシアを用いる場合、酸化処理の前に触媒を除去するために塩酸等の酸により精製処理を行った後に酸化処理を行ってもよく、酸化処理を行った後に触媒除去のために精製処理を行ってもよい。
第三剤中のカーボンナノチューブの含有量は、特に限定されず、正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば0.01質量%以上であってよく、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.03質量%以上、0.05質量%以上、0.07質量%以上、0.1質量%以上又は0.2質量%以上であってよい。また、正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば5質量%以下であってよく、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.9質量%以下、0.8質量%以下又は0.7質量%以下であってもよい。すなわち、正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば、0.01~5質量%、0.01~3質量%、0.01~2質量%、0.01~1質量%、0.01~0.9質量%、0.01~0.8質量%、0.01~0.7質量%、0.03~5質量%、0.03~3質量%、0.03~2質量%、0.03~1質量%、0.03~0.9質量%、0.03~0.8質量%、0.03~0.7質量%、0.05~5質量%、0.05~3質量%、0.05~2質量%、0.05~1質量%、0.05~0.9質量%、0.05~0.8質量%、0.05~0.7質量%、0.07~5質量%、0.07~3質量%、0.07~2質量%、0.07~1質量%、0.07~0.9質量%、0.07~0.8質量%、0.07~0.7質量%、0.1~5質量%、0.1~3質量%、0.1~2質量%、0.1~1質量%、0.1~0.9質量%、0.1~0.8質量%、0.1~0.7質量%、0.2~5質量%、0.2~3質量%、0.2~2質量%、0.2~1質量%、0.2~0.9質量%、0.2~0.8質量%又は0.2~0.7質量%であってもよい。
第三剤中のカーボンナノチューブの含有量は、正極組成物中のカーボンナノチューブの含有量(C)に対するカーボンブラックの含有量(C)の比(C/C)(質量比)が、所望の範囲内となるように適宜変更してよい。上記比(C/C)は、例えば0.1以上であってよく、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.3以上、0.4以上、0.5以上、又は0.6以上であってよい。また、上記比(C/C)は、例えば0.95以下であってよく、内部抵抗をより小さくする観点、並びに、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、0.9以下、0.85以下又は0.8以下であってよい。すなわち、上記比(C/C)は、例えば、0.1~0.95、0.1~0.9、0.1~0.85、0.1~0.8、0.3~0.95、0.3~0.9、0.3~0.85、0.3~0.8、0.4~0.95、0.4~0.9、0.4~0.85、0.4~0.8、0.5~0.95、0.5~0.9、0.5~0.85、0.5~0.8、0.6~0.95、0.6~0.9、0.6~0.85又は0.6~0.8であってもよい。
第三の液状媒体は、カーボンナノチューブを分散可能であり、第一の液状媒体及び第二の液状媒体との相溶性を有するものであれば特に限定されない。第三の液状媒体としては、例えば水、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらのうち、カーボンナノチューブの易分散性の観点からは、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。第三の液状媒体は、第一の液状媒体及び第二の液状媒体と同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第三剤中の第三の液状媒体の含有量は、特に限定されず、カーボンナノチューブを分散可能な範囲であれば特に限定されず、正極組成物の固形分濃度が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。
第三剤の固形分濃度は特に限定されず、例えば、0.2質量%以上であってよく、0.8質量%以上、1.5質量%以上又は2.5質量%以上であってもよい。また、第三剤の固形分濃度は、例えば、15.0質量%以下であってよく、12.5質量%以下、10.0質量%以下又は7.5質量%以下であってもよい。すなわち、第三剤の固形分濃度は、例えば、0.2~15質量%、0.2~12.5質量%、0.2~10.0質量%、0.2~7.5質量%、0.8~15質量%、0.8~12.5質量%、0.8~10.0質量%、0.8~7.5質量%、1.5~15質量%、1.5~12.5質量%、1.5~10.0質量%、1.5~7.5質量%、2.5~15質量%、2.5~12.5質量%、2.5~10.0質量%又は2.5~7.5質量%であってもよい。
第三剤は、カーボンナノチューブ及び第三の液状媒体以外の成分を更に含有していてよい。第三剤は、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース又はカルボン酸変性(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を更に含有していてよい。
活物質は、カチオンを可逆的に吸蔵放出可能な物質であればよい。活物質は、例えば、体積抵抗率1×10Ω・cm以上のマンガンを含むリチウム含有複合酸化物、又は、リチウム含有ポリアニオン化合物であってよい。マンガンを含むリチウム含有複合酸化物としては、例えば、LiMnO、LiMnO、LiMn、Li1+xMn2-x(但し、x=0~0.33)等のマンガン酸リチウム;LiMnNiCo(但し、x+y+z=1、0≦y<1、0≦z<1、0≦x<1)、Li1+xMn2-x-y(但し、x=0~0.33、y=0~1.0、2-x-y>0)、LiMn2-x(但し、x=0.01~0.1)、LiMnMO等の1種類以上の遷移金属元素を含む複合酸化物が挙げられる。リチウム含有ポリアニオン化合物としては、LiFePO、LiMnPO、LiMPOF(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Znより選ばれた少なくとも1種の金属である)等のポリアニオン化合物が挙げられる。各組成式中のMは、Fe、Co、Ni、Al、Cu、Mg、Cr、Zn、Taからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
活物質の平均粒子径(D50)は、導電材と結着材との結着性が充分に優れ、サイクル特性により優れる電池が得やすくなる観点から、20μm以下又は10μm以下であってよい。活物質の平均粒子径(D50)は、レーザー光散乱法で測定することができる。
活物質の使用量は、正極組成物中の活物質の含有量が所望の範囲内となるように適宜変更してよい。正極組成物中の活物質の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば、80質量%以上であってよく、電池特性がより向上する観点からは、好ましくは85質量%以上であり、87質量%以上、90質量%以上、92質量%以上、又は95質量%であってもよい。また、正極組成物中の活物質の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば99.9質量%以下であってよく、99.5質量%以下、99質量%以下又は98質量%以下であってもよい。すなわち、正極組成物中の活物質の含有量は、正極組成物中の固形分の全質量を基準として、例えば、80~99.9質量%、80~99.5質量%、80~99質量%、80~98質量%、85~99.9質量%、85~99.5質量%、85~99質量%、85~98質量%、87~99.9質量%、87~99.5質量%、87~99質量%、87~98質量%、90~99.9質量%、90~99.5質量%、90~99質量%、90~98質量%、92~99.9質量%、92~99.5質量%、92~99質量%、92~98質量%、95~99.9質量%、95~99.5質量%、95~99質量%又は95~98質量%であってもよい。
本実施形態の製造方法で得られる正極組成物は、結着材、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び活物質を含有する。正極組成物中の各成分の含有量の好適な範囲は、上述のとおりである。
正極組成物の固形分濃度は特に限定されず、例えば50質量%以上であってよく、分散性をより高くし、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、65質量%以上又は70質量%以上であってもよい。また、正極組成物の固形分濃度は、例えば90質量%以下であってよく、正極組成物の粘度をより低くし、放電レート特性及びサイクル特性がより優れる観点からは、好ましくは86質量%以下、より好ましくは82質量%以下であり、78質量%以下又は74質量%以下であってもよい。すなわち、正極組成物の固形分濃度は、例えば、50~90質量%、50~86質量%、50~82質量%、50~78質量%、50~74質量%、55~90質量%、55~86質量%、55~82質量%、55~78質量%、55~74質量%、60~90質量%、60~86質量%、60~82質量%、60~78質量%、60~74質量%、65~90質量%、65~86質量%、65~82質量%、65~78質量%、65~74質量%、70~90質量%、70~86質量%、70~82質量%、70~78質量%又は70~74質量%であってもよい。
正極組成物の25℃、せん断速度10(1/sec)における粘度は、例えば6000mPa・s以下であってよく、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは4000mPa・s以下であり3000mPa・s以下であってもよい。また、正極組成物の25℃、せん断速度10(1/sec)における粘度は、例えば500mPa・s以上であってよく、好ましくは600mPa・s以上、より好ましくは700mPa・s以上であり、800mPa・s以上であってもよい。すなわち、正極組成物の25℃、せん断速度10(1/sec)における粘度は、例えば、500~6000mPa・s、500~5000mPa・s、500~4000mPa・s、500~3000mPa・s、600~6000mPa・s、600~5000mPa・s、600~4000mPa・s、600~3000mPa・s、700~6000mPa・s、700~5000mPa・s、700~4000mPa・s、700~3000mPa・s、800~6000mPa・s、800~5000mPa・s、800~4000mPa・s又は800~3000mPa・sであってもよい。
(正極の製造方法)
本実施形態の正極の製造方法は、上述の製造方法で正極組成物を製造する第一の工程と、正極組成物を集電体上に塗布して、集電体上にカーボンブラック、カーボンナノチューブ、結着材及び活物質を含有する合材層を形成する第二の工程と、を含む。
第一の工程では、上述の製造方法で正極組成物を製造する。第一の工程は、上述の第一の態様に係る製造方法で正極組成物を製造する工程であってよく、上述の第二の態様に係る製造方法で正極組成物を製造する工程であってもよい。
第二の工程では、正極組成物を集電体上に塗布して、集電体上に合材層を形成する。合材層は、正極組成物中の固形分(少なくとも、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、結着材及び活物質)を含有する層であり、正極組成物から液状媒体の少なくとも一部を除去してなる層であってよい。
集電体は特に限定されず、公知の集電体を特に制限無く用いることができる。集電体としては、例えば、金属箔(金、銀、銅、白金、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛、タングステン、及びチタン等の金属並びにこれらの何れか一種を主成分とする合金)が使用される。中でも、正極にはアルミニウムを、負極には銅を用いることが好ましい。集電体は、箔の形態で提供されるのが一般的であるが、それに限られるものではなく、穴あき箔状及びメッシュ状の集電体も使用できる。
集電体上に正極組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えば、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、及び静電塗装法等の方法であってよい。
正極組成物の塗布量は特に限定されず、合材層の厚みが所望の範囲内となるよう適宜調整してよい。
合材層は、集電体上に形成された正極組成物の塗膜から、液状媒体の少なくとも一部を除去することで形成されてよい。液状媒体の除去方法は特に限定されず、例えば、加熱及び/又は減圧により液状媒体の少なくとも一部を気化させて除去する方法として、放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が挙げられる。
本実施形態の正極の製造方法は、第二の工程で形成された合材層と集電体とを積層方向に加圧する第三の工程を更に含んでいてもよい。第三の工程により、合材層と集電体とを密着させることができる。
第三の工程における加圧方法は特に限定されず、例えば、ロールプレス、金型プレス、カレンダープレス等の方法であってよい。
正極中の合材層の厚さは特に限定されず、例えば50μm以上であってよく、電池の高容量化の観点からは、好ましくは55μm以上、より好ましくは60μm以上であり、65μm以上又は70μm以上であってもよい。また、正極中の合材層の厚さは、例えば150μm以下であってよく、放電レート特性をより高める観点からは、好ましくは140μm以下、より好ましくは130μm以下であり、120μm以下又は110μm以下であってもよい。すなわち、正極中の合材層の厚さは、例えば、50~150μm、50~140μm、50~130μm、50~120μm、50~110μm、55~150μm、55~140μm、55~130μm、55~120μm、55~110μm、60~150μm、60~140μm、60~130μm、60~120μm、60~110μm、65~150μm、65~140μm、65~130μm、65~120μm、65~110μm、70~150μm、70~140μm、70~130μm、70~120μm又は70~110μmであってもよい。
本実施形態における正極は、電池、特に二次電池(リチウムイオン二次電池)の正極として好適に用いることができる。
本実施形態における電池(好ましくは二次電池、より好ましくはリチウムイオン二次電池)は、上述の製造方法により製造された正極を備える。本実施形態の電池において、正極以外の構成は公知の電池と同様の構成であってよい。
本実施形態における電池の用途は特に限定されず、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルオーディオプレイヤー、携帯液晶テレビ等の携帯AV機器、ノート型パソコン、スマートフォン、モバイルPC等の携帯情報端末、その他、携帯ゲーム機器、電動工具、電動式自転車、ハイブリット自動車、電気自動車、電力貯蔵システム等の幅広い分野において使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(カーボンブラック)
カーボンブラック反応炉(炉長6m、炉直径0.65m)の上流部に設置されたノズルから原料であるアセチレンを12Nm/h、トルエンを32kg/h、酸素を22Nm/h供給してカーボンブラックを製造し、反応炉の下流部に設置したバグフィルターで捕集した。その後、乾式サイクロン装置、鉄除去用磁石を通過させてタンクに回収した。尚、アセチレン、トルエン、酸素は115℃に加熱してから反応炉へ供給し、カーボンブラックAを得た。得られたカーボンブラックAは、BET比表面積が240m/g、平均一次粒子径が20nm、結晶子サイズ(Lc)が16Åであった。
(第一剤)
第一剤として、ポリフッ化ビニリデンのN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPと記載)溶液(クレハ社製、「L#7208」、固形分濃度8.0重量%)を用意した。
(第二剤)
カーボンブラックA、分散媒としてNMP、分散剤としてポリビニルアルコール(デンカ社製、ポバールB05、けん化度86.5モル%、平均重合度600)を用意した。89.0質量%のNMPに、1.0質量%のポリビニルアルコール及び10.0質量%のカーボンブラックAを加えて、プラネタリーミキサー(プライミクス社製、ハイビスディスパーミックス3D-5型)で120分撹拌して、カーボンブラックAを含有するスラリーを調製した。ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を搭載したビーズミル(アシザワ・ファインテック社製、ムゲンフローMGF2-ZA)に得られたスラリーを投入し、分散処理を行った。分散処理を行った後、ろ過にてジルコニアビーズを取り除き、第二剤を得た。
(第三剤)
カーボンナノチューブ(CNano社製、「Flotube6000」、平均直径6nm、BET比表面積300m/g、平均直径/BET比表面積が0.02)、分散媒としてNMP、分散剤としてポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製、ピッツコールK90)を用意した。95.0質量%のNMPに、1.0質量%のポリビニルピロリドン及び4.0質量%のカーボンナノチューブ加えて、プラネタリーミキサー(プライミクス社製、ハイビスディスパーミックス3D-5型)で120分撹拌して、カーボンナノチューブを含有するスラリーを調製した。ジルコニアビーズ(直径0.5mm)を搭載したビーズミル(アシザワ・ファインテック社製、ムゲンフローMGF2-ZA)に得られたスラリーを投入し、分散処理を行った。分散処理を行った後、ろ過にてジルコニアビーズを取り除き、第三剤を得た。
(正極組成物の製造)
活物質として平均粒子径D50が10μmのニッケルマンガンコバルト酸リチウム(北京当升社製、「ME6E」)を用意した。
第一段階として、第一剤、第二剤及び第三剤を、カーボンブラックが0.7質量部、カーボンナノチューブが0.3質量部、結着材が2質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、混合液を得た。
第二段階として、第一段階で得られた混合液に、97質量部の活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
(正極の製造)
正極組成物を、厚さ15μmのアルミニウム箔(UACJ社製)の片面上に、アプリケーターにて成膜して積層体を作製し、乾燥機内に静置して105℃で1時間予備乾燥させて、NMPを完全に除去した。次いで、乾燥後の積層体をロールプレス機にて200kg/cmの線圧でプレスし、積層体全体の厚さが80μmになるように調製した。次いで、170℃で3時間真空乾燥させて、残留水分を完全に除去し、集電体と合材層とを備える正極を得た。
(負極の製造)
溶媒として純水(関東化学社製)、負極活物質として人造黒鉛(日立化成社製、「MAG-D」)、結着材としてスチレンブタジエンゴム(日本ゼオン社製、「BM-400B」、以下、SBRと記載)、分散剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル社製、「D2200」、以下、CMCと記載)をそれぞれ用意した。次いで、CMCが固形分で1質量%、人造黒鉛が固形分で97質量%となるように秤量して混合し、この混合物に純水を添加し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、均一になるまで混合して混合物を得た。次いで、SBRが固形分で2質量%となるように秤量し、得られた混合物に添加し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、均一になるまで混合して、負極組成物を得た。次いで、負極組成物を、厚さ10μmの銅箔(UACJ社製)上にアプリケーターにて成膜して積層体を作製し、乾燥機内に静置して60℃で1時間予備乾燥させた。次いで、ロールプレス機にて50kg/cmの線圧でプレスし、積層体全体の厚さが60μmになるように調製した。次いで、120℃で3時間真空乾燥させて、残留水分を完全に除去し、集電体と合材層とを備える負極を得た。
(電池の製造)
露点-50℃以下に制御したドライルーム内で、作製した正極を40×40mmに加工し、作製した負極を44×44mmに加工した後、正極にアルミ製タブ、負極にニッケル製タブをそれぞれ溶接した。正極と負極それぞれの合材塗工面が中央で対向するようにし、正極と負極との間に45×45mmに加工したポリオレフィン微多孔質膜を配置した。次いで、70×140mm角に切断・加工したシート状の外装を長辺の中央部で二つ折りにした。次いで、正極用アルミ製タブと負極用ニッケル製タブが外装の外部に露出するように外装を配置しながら、二つ折りにした外装によって正極/ポリオレフィン微多孔質膜/負極の積層体を挟んだ。次いで、ヒートシーラーを用いて、外装の正極用アルミ製タブと負極用ニッケル製タブが露出した辺を含む二辺を加熱融着した後、加熱融着していない一辺から、2gの電解液(キシダ化学製、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2(体積比)と1MのLiPF溶液とを含む溶液)を注液し、正極、負極及びポリオレフィン微多孔膜に電解液を充分に染み込ませてから、真空ヒートシーラーにより、内部を減圧しながら、外装の残り一辺を加熱融着してリチウムイオン二次電池を得た。
<実施例2>
実施例1と同様の第一剤、第二剤、第三剤及び活物質を用意した。
第一段階として、第一剤及び第二剤を、カーボンブラックが0.7質量部、結着材が2質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、第一の混合液を得た。
第二段階として、第一の混合液に、カーボンナノチューブが0.3質量部となるように第三剤を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、第二の混合液を得た。
第三段階として、第二の混合液に、97質量部の活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
<実施例3>
カーボンブラックAを、BET比表面積が133m/g、平均一次粒子径が26nm、結晶子サイズ(Lc)が25Åのカーボンブラックに変更したこと以外は、実施例1と同様にして第二剤を調製した。また、実施例1と同様の第一剤、第三剤及び活物質を用意した。
第一段階として、第一剤、第二剤及び第三剤を、カーボンブラックが1.4質量部、カーボンナノチューブが0.6質量部、結着材が2質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、混合液を得た。
第二段階として、第一段階で得られた混合液に、96質量部の活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
<実施例4>
カーボンナノチューブを、平均直径が9nm、BET比表面積が250m/g、平均直径/BET比表面積が0.036のカーボンナノチューブ(CNano社製、「Flotube7000」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして第三剤を作製した。
この第三剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして正極組成物、正極及び電池を製造した。
<実施例5>
カーボンナノチューブを、平均直径が9nm、BET比表面積が250m/g、平均直径/BET比表面積が0.036のカーボンナノチューブ(CNano社製、「Flotube7000」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして第三剤を作製した。また、実施例1と同様の第一剤、第二剤及び活物質を用意した。
第一段階として、第一剤及び第二剤を、カーボンブラックが0.7質量部、結着材が2質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合し、第一の混合液を得た。
第二段階として、第一の混合液に、カーボンナノチューブが0.3質量部となるように第三剤を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、第二の混合液を得た。
第三段階として、第二の混合液に、97質量部の活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
<比較例1>
実施例1と同様の第一剤、第二剤、第三剤及び活物質を用意した。
第一剤、第二剤、第三剤及び活物質を、カーボンブラックが0.7質量部、カーボンナノチューブが0.3質量部、結着材が2質量部、活物質が97質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合し、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
<比較例2>
実施例1と同様の第一剤、第二剤、第三剤及び活物質を用意した。
第一段階として、第一剤及び第三剤を、カーボンナノチューブが0.3質量部、結着材が2質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して第一の混合液を得た。
第二段階として、第一段階で得られた混合液に、カーボンブラックが0.7質量部、活物質が97質量部となるように第二剤及び活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
<比較例3>
実施例1と同様の第一剤、第二剤、第三剤及び活物質を用意した。
第一段階として、第二剤及び第三剤を、カーボンブラックが0.7質量部、カーボンナノチューブが0.3質量部となるようにポリ容器に計量し、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、混合液を得た。
第二段階として、第一段階で得られた混合液に、結着材が2質量部、活物質が97質量部となるように第一剤及び活物質を加えて、自転公転式混合機(シンキー社製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて、公転回転数2000rpmで5分間混合して、正極組成物を得た。
得られた正極組成物を用いて、実施例1と同様にして正極及び電池を製造した。
作製したリチウムイオン二次電池について、以下の方法により電池性能を評価した。
(電池の評価)
[内部抵抗]
作製した電池を、25℃において、4.3V、0.2C制限の定電流定電圧充電をした後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。次いで、同一条件で5サイクル充電/放電した後、充電深度50%になるように充電した。その後、周波数範囲10MHz~0.001Hz、振動電圧5mVでインピーダンス測定を行い、内部抵抗を測定した。内部抵抗の測定結果を表1に示す。
[放電レート特性(レート容量維持率)]
作製した電池を、25℃において、4.3V、0.2C制限の定電流定電圧充電をした後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。次いで、再度4.3V、0.2C制限の定電流定電圧で回復充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電させ、このときの放電容量を測定した。次いで、回復充電の条件は4.3V、0.2C制限の定電流定電圧にして充電を行い、一方で放電電流は0.5C、1C、2C、3Cと段階的に変化させながら、回復充電と放電とを繰り返して、各放電電流に対する放電容量を測定した。電池の放電レート特性の指標として、0.2C放電時に対する3C放電時の容量維持率をレート容量維持率として算出した。レート容量維持率の算出結果を表1に示す。
[サイクル特性(サイクル容量維持率)]
作製した電池を、25℃において、4.3V、1C制限の定電流定電圧充電をした後、1Cの定電流で3.0Vまで放電した。上記の充放電を500サイクル繰り返し、各サイクルにおける放電容量を測定した。電池のサイクル特性の指標として、1サイクル後の容量維持率に対する500サイクル後の容量維持率をサイクル容量維持率として算出した。サイクル容量維持率の算出結果を表1に示す。
Figure 0007649866000001

Claims (5)

  1. 結着材及び第一の液状媒体を含有する第一剤と、カーボンブラック及び第二の液状媒体を含有する第二剤とを混合して、第一の混合液を得る第一の工程と、
    前記第一の混合液とカーボンナノチューブ及び第三の液状媒体を含有する第三剤とを混合して、第二の混合液を得る第二の工程と、
    前記第二の混合液と活物質とを混合して、正極組成物を得る第三の工程と、
    を含む、正極組成物の製造方法。
  2. 前記カーボンブラックが、100~400m/gのBET比表面積、及び、15~26Åの結晶子サイズ(Lc)を有する、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブが、5~15nmの平均直径を有し、
    前記カーボンナノチューブのBET比表面積に対する前記平均直径の比(平均直径/BET比表面積)が、0.01~0.068nm/(m/g)である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記カーボンブラックの含有量が、前記カーボンブラック及び前記カーボンナノチューブの合計量を基準として、40~90質量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の製造方法で正極組成物を製造する第一の工程と、
    前記正極組成物を集電体上に塗布して、前記集電体上に前記カーボンブラック、前記カーボンナノチューブ、前記結着材及び前記活物質を含有する合材層を形成する第二の工程と、
    を含む、正極の製造方法。
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