以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(第1の実施形態)
(印刷システムの構成)
図1は、本開示の第1の実施形態における電子部品実装システム5の構成例を示す模式図である。
電子部品実装システム5は、印刷装置100、印刷検査装置200、管理装置300、作業コンベアM3、及び実装装置M4,M5を含む構成である。印刷装置100、印刷検査装置200、作業コンベアM3及び実装装置M4,M5は、連結されて電子部品実装ラインを構成し、管理装置300によって制御される。印刷装置100、印刷検査装置200、及び実装装置M4,M5の各装置は、通信ネットワークNTを介して管理装置300に接続される。
印刷装置100は、スクリーン印刷装置であり、基板に形成された電子部品接合用の電極に対してペースト状の半田をスクリーン印刷することにより、電極上に半田を印刷する。印刷検査装置200は、SPI(Solder Paste Inspection)であり、印刷装置100により半田が印刷された非印刷物(例えば基板)の印刷状態を検査する。
この印刷状態は、例えば、被印刷物の印刷領域に印刷された半田の位置、高さ、面積、体積、位置ずれ、体積率、等の状態を含む。この体積率は、印刷領域のサイズに対する半田の充填量を示す。この印刷領域は、例えば、基板の電極の上面の領域であり、後述する基板の上面に当接するマスクの開口である。
作業コンベアM3は、印刷状態が良好と判定された基板を下流の実装装置M4に搬送する。印刷状態が不良と判断された基板は、作業コンベアM3による搬送を停止してオペレータにより取り出される。実装装置M4,M5は、電子部品装着装置であり、半田部が形成された基板の電子部品装着位置に電子部品を装着する。
その後、電子部品が装着された基板はリフロー機(図示せず)に送られ、所定の温度プロファイルに従って加熱される。この加熱により半田に含まれる半田粒子が溶融し、電子部品と基板とが半田接合される。管理装置300は、電子部品実装システム5内の各装置を管理する。管理装置300は、例えば任意のコンピュータやサーバであってよい。
図2は、印刷装置の構造例を示す正面図である。
図2では、基板の搬送方向(図2の紙面奥行方向)をX方向、X方向と水平面内において直交する方向(図2の左右方向)をY方向、水平面に直交する方向(図1の上下方向)をZ方向と定義する。
印刷装置100は、印刷制御部152を備える。印刷装置100は、基板搬送機構102及びマスク104を備える。基板搬送機構102は、印刷装置100の基台上に、X方向に沿って設置される。基板搬送機構102は、印刷制御部152によって制御され、上流側から搬入された基板103をX方向に沿って搬送する。クランパ141(図4参照)は、搬送されてきた基板103をマスク104に対して位置合わせし、所定のクランプ位置で保持する。クランパ141は、基板103をX方向、Y方向、及びZ方向に沿って移動可能である。基板搬送機構102は、印刷装置100による印刷作業が完了した基板103を下流側に搬出する。基板103は、半田SR、フラックス、導電性接着剤、銀、又はインク等が転写される被印刷物の1つである。
マスク104は、クランプ位置に保持された基板103の上方に配置される。マスク104は、基板103に半田SR等を印刷(転写)するための複数の開口104h(パターン孔)を有する。マスク104は、交換可能であり、汚れ等を除去するためにクリーニングすることも可能である。
印刷装置100は、印刷ヘッド移動機構105と、印刷ヘッド移動機構105によってY方向に沿って移動する印刷ヘッド106と、を備える。印刷ヘッド移動機構105は、Y方向に沿って延伸する送りねじ107と、送りねじ107を回転駆動するモータ108と、を備える。印刷ヘッド106は、マスク104の上方に設置される。
印刷ヘッド106は、移動ベース109を備える。移動ベース109は、送りねじ107のネジ山と係合するネジ山を有し、送りねじ107の回転によってY方向に沿って移動する。モータ108は、印刷制御部152によって制御され、送りねじ107を正方向または逆方向に回転駆動する。これにより、移動ベース109を備える印刷ヘッド106がY方向に沿って往復移動する。
印刷ヘッド106は、移動ベース109の上部にスキージ駆動部110を備える。スキージ駆動部110には、第1駆動部110Aと第2駆動部110BとがY方向に沿って並設されている。第1駆動部110Aは、下方に延伸する第1昇降軸111Aを昇降駆動するシリンダなどを備える。第2駆動部110Bは、下方に延伸する第2昇降軸111Bを昇降駆動するシリンダなどを備える。
第1駆動部110Aは、印刷制御部152によって制御され、X方向に沿って所定の間隔で設けられた2本の第1昇降軸111Aを、同時に昇降させる。第2駆動部110Bは、印刷制御部152によって制御され、2本の第1昇降軸111Aの間隔と同じ間隔でX方向に沿って設けられた2本の第2昇降軸111Bを、同時に昇降させる。このように、スキージ駆動部110は、第1昇降軸111Aと第2昇降軸111Bを個別に昇降させる。
印刷装置100は、揺動部材112を含むリンク機構120を備える。第1昇降軸111Aと第2昇降軸111Bの下端(すなわち、印刷ヘッド106の下端)に、リンク機構120が接続されている。揺動部材112は、第1昇降軸111A及び第2昇降軸111Bの昇降動作によって、X軸(水平軸)回りに回動する。
印刷装置100は、スキージ130(スキージユニット)を備える。スキージ130は、揺動部材112の下面に装着される。スキージ130は、2枚のブレードを保持する。2枚のブレードは、直線状のエッジを有してX方向に沿って延伸する。2枚のブレードは、Y方向に沿って所定の間隔で離間されている。第1昇降軸111A側のブレードを第1ブレード131Aとも称し、第2昇降軸111B側のブレードを第2ブレード131Bと称する。スキージ駆動部110は、揺動部材112を介して第1昇降軸111A及び第2昇降軸111Bを昇降させることで、スキージ130(例えば第1ブレード131A又は第2ブレード131B)のアタック角度を調整する。
このように、印刷制御部152は、スキージ駆動部110を制御することにより、スキージ130のX軸回りの回転方向の姿勢と高さを制御する。また、印刷制御部152は、印刷ヘッド移動機構105を制御することにより、印刷ヘッド106の下方に装着されたスキージ130をY方向に沿って往復移動させる。
印刷制御部152は、クランプ位置に基板103を保持した状態でスキージ130を回動させて一方のブレード(図2では、第1ブレード131A)をマスク104の上面に当接させる。この場合、印刷制御部152は、スキージ駆動部110を制御することにより、マスク104に対するブレードの角度(スキージ130のアタック角度とも称する)や印圧を制御してよい。そして、印刷装置100は、印刷制御部152が、スキージ130をY方向の一方向(図1では、左方向)に向かって移動させながら、印刷ヘッド106が、マスク104の上面に供給された半田SR等をマスク104の下に配置された基板103に、複数の開口104h(図3参照)を通じて転写(印刷)する。つまり、印刷ヘッド106は、マスク104の開口104hを介して、基板103上に形成された複数の電極にスキージ130を用いて半田SRを印刷する。
図3は、マスク104を介した基板103への半田SRの印刷及び印刷検査を説明するための図である。
印刷装置100は、基板103上の印刷部位の情報を予め保持している。印刷部位は、電子部品の端子を基板103の電極と半田接合するために、半田SRが印刷されるべき基板103上の位置にあり、部品実装位置に対応する。また、印刷部位は、印刷時(マスク104と基板103との当接時)のマスク104の開口104hの位置に対応する。よって、マスク104の開口104hに半田SRが印刷されることで、印刷部位に半田SRが印刷される。
スクリーン印刷では、まず、印刷制御部152が、マスク104の下面に基板103を当接させ、半田SRが供給されたマスク104の上面でスキージ130を摺動させることにより、開口104h内に半田SRを充填するスキージング動作を行う。次いで、印刷制御部152が、スキージング後に基板103をマスク104の下面から離す版離れ動作を行わせる。これにより、基板103の上面の各印刷部位には、開口104hの内側形状に応じた立体形状の半田SRが印刷される。そして、半田SRが印刷された後の基板103を対象として、印刷検査装置200によって印刷検査が行われる。
スクリーン印刷では、各印刷部位に印刷された半田SRの平面位置や立体形状は、必ずしも開口104hの位置や内側形状に厳密に合致したものであるとは限らず、各種の要因によってばらつきがある場合がある。
例えば、マスク104の開口104hのサイズ(単に開口サイズとも称する)に応じて、開口104h内への半田SRの進入のし易さが異なる。図3では、マスク104の開口104hとして、様々なサイズの開口104hが示されている。図3では、小開口104h1と大開口104h2とが示されている。小開口104h1は、開口サイズが所定閾値未満の小さな開口である。大開口104h2は、開口サイズが所定閾値以上の大きな開口である。
マスク104上を摺動するスキージ130のアタック角度は、1つの基板103の印刷中には変更されない。そのため、マスク104が有する小開口104h1においても大開口104h2においてもスキージ130による押圧力は同じであるが、小開口104h1よりも大開口104h2の方が、半田SRが進入し易い。そのため、小開口104h1での半田SRの体積率は、大開口104h2での半田SRの体積率よりも大きくなる傾向にある。
また、例えば、基板103とマスク104との位置合わせが不良である場合には、基板103における半田SRの位置ずれを生じ得る。またスキージング動作における充填不良や版離れ動作における版離れ不良などを原因として、印刷量不良を生じ得る。印刷量不良は、半田SRの立体形状が部分的に欠落して印刷量(半田体積)が規定量に満たない「欠け」と、半田SRの印刷量が過大であり印刷範囲からはみ出した「滲み」と、を含む。印刷量不良は、例えば体積率によって示される。
このような印刷された半田SRの位置ずれ又は印刷量不良(例えば印刷量の不足又は過多)等は、電子部品が実装された後のリフローによる半田接合において接合不良の原因となる。そのため、印刷検査装置200の検査実行部253(図4参照)が、実装装置M4,M5による電子部品搭載に先立って半田SRの印刷状態を検査し、印刷状態の良否を判定する。そして、印刷検査装置200は、この良否判定とともに、印刷状態の位置ずれ又は印刷量不良などを示す検査結果のデータを、必要に応じて印刷装置100へフィードバックする。検査結果のデータは、印刷された半田SRの位置の座標、面積、高さ、又は体積等が含まれてよい。また、検査結果のデータは、所望の印刷部位に対する実際の印刷位置の位置ずれの情報又は体積率の情報等を含んでよい。
印刷検査装置200は、半田SRの平面的な位置ずれを検査する場合、印刷後の基板103をカメラによって平面的に撮像し、得られた画像データを認識処理することにより、印刷形状を示す2次元データを導出し、この2次元データに基づいて半田SRの印刷位置を検査してよい。また、印刷検査装置200は、この2次元データを印刷部位の高さ方向で積分することで、3次元での半田SRの位置ずれ又は印刷量不足などの検査結果のデータを算出してよい。また、印刷検査装置200は、3次元測定器によって印刷後の基板103を3次元計測し、計測により得られた3次元データに基づいて、半田SRの位置ずれ又は印刷量不良などの検査結果を導出してもよい。3次元測定器は、印刷検査装置200に設けられてよい。
印刷装置100の印刷制御部152は、検査結果のデータのフィードバックを受け、検査結果のデータ(例えば位置ずれの情報)に基づいて、基板103とマスク104との相対的な位置を変更するクランパ141又は印刷ヘッド106の移動を制御してよい。これにより、印刷装置100は、半田SRの位置ずれを抑制できる。
また、印刷制御部152は、検査結果のデータのフィードバックを受け、検査結果のデータ(例えば体積率の情報)に基づいて、スキージ130のアタック角度を制御してよい。これにより、印刷装置100は、マスク104の開口104hに印刷された半田SRの体積率を、開口サイズに応じて異なる所望の範囲に維持できる。
なお、3次元測定器は、印刷後の基板103に対して移動させることにより、基板103の任意の範囲を対象として3次元形状計測してよい。そして、検査実行部253は、基板103を3次元測定器によって計測した計測データを処理することにより、基板103上に印刷された半田SRの形状や体積を3次元的に検出してよい。なお、半田SRの面積や体積や体積の導出方法は、本実施形態で記載した具体的な方法に限られず、他の公知の方法であってもよい。
図4は、電子部品実装システム5の機能的な構成例を示すブロック図である。
電子部品実装システム5は、印刷装置100、印刷検査装置200、並びに、印刷装置100及び印刷検査装置200と通信ネットワークNTを介して接続された管理装置300と、を有する。図4では、作業コンベアM3及び実装装置M4,M5の図示は省略されている。
印刷装置100は、通信部151、印刷制御部152、記憶部153、クランパ141、印刷ヘッド106、印刷ヘッド移動機構105、スキージ駆動部110、及びマスククリーニング機構140を備える。印刷装置100は、表示部154、スピーカ155、及び操作部156を備えてもよい。
通信部151は、通信ネットワークNTと接続され、印刷制御部152及び記憶部153等と接続される。通信部151は、各種のデータや情報を通信する。印刷制御部152は、印刷装置100の各部による各種処理を統括し、例えば、クランパ141、印刷ヘッド106、印刷ヘッド移動機構105、スキージ駆動部110、及びマスククリーニング機構140を制御する。マスククリーニング機構140は、マスク104の下面をクリーニングする。
記憶部153は、各種のデータや情報を記憶し、例えば、印刷条件データ153aを記憶する。印刷条件データ153aは、印刷装置100による印刷条件に係るデータであり、スキージのアタック角度、スキージの印圧、又はスキージ130がマスク上を摺動する際の摺動速度等を含んでよい。印刷制御部152は、印刷条件データ153aに基づいて、印刷装置100の各部を制御することにより、マスク104を介して作業対象の基板103へのスクリーン印刷を実行する。
表示部154は、液晶パネルなどのモニタであり、印刷装置100への操作入力の入力画面などの各種の画面を表示する。表示部355は、各種データや情報を表示し、印刷条件又は印刷検査の検査結果等の情報を表示してよい。スピーカ155は、各種の音や音声を出力し、例えば、印刷条件、検査結果又は検査結果に基づく情報を音声で出力する。各種の表示や音声出力は、オペレータにより確認されてよい。操作部156は、キー、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、各種の操作を受け付ける。各種の操作は、オペレータにより行われてよい。
印刷検査装置200は、通信部251、検査制御部252、検査実行部253、及び記憶部254を備える。通信部251は、通信ネットワークNTと接続され、検査制御部252、検査実行部253、及び記憶部254等と接続される。通信部251は、各種のデータや情報を通信する。検査制御部252は、印刷検査装置200の各部による各種処理を統括し、例えば検査実行部253を制御する。検査制御部252は、例えば、通信部251を介して、管理装置300が保持する後述するガーバーデータ、基板データ、及び実装データを取得し、取得された各データを記憶部254に記憶させてよい。
ガーバーデータは、マスク104における開口104hの形状や配置を規定するデータである。ガーバーデータは、マスク104における各開口104hに関する情報を含んでよい。マスク104の各開口104hに関する情報は、マスク104における各開口104hの位置、各開口104hの高さ、各開口104hの平面的な面積、各開口サイズ(体積)、各開口104hの形状、開口104hの数、その他の開口104hに関する情報を含んでよい。
基板データは、基板103の形状に関するデータ、すなわち電極形成面における電極パターン、レジスト、及びシルクの形状や配置を規定するデータである。実装データは、基板103における部品実装点の位置座標など実装動作に関連するデータである。
記憶部254は、各種データや情報を記憶し、例えば、検査に係る検査用データ254aを記憶する。検査用データ254aは、検査実行部253における撮像時の照明条件、又は良否の判定に適用される判定閾値、等を含む。また、検査用データ254aは、管理装置300から取得されたガーバーデータ、基板データ、及び実装データを含んでよい。
検査実行部253は、検査制御部252による制御に従って、検査用データ254aに基づいて、作業対象の基板103に対して印刷検査を実行する。この場合、検査実行部253は、ガーバーデータ、基板データ、及び実装データの少なくとも1つに基づいて、印刷検査を実行してよい。検査実行部253は、印刷検査において、マスク104の全ての開口104hを介して全ての電極に印刷された半田SRの印刷状態を検査してよい。この印刷検査により取得された検査結果のデータは、通信部251及び通信ネットワークNTを介して、管理装置300に送信される。
検査実行部253は、印刷検査において、印刷装置100によって印刷が行われた後の基板103をカメラによって撮像し、撮像によって取得した画像を認識処理することにより、印刷状態の良否を検査してよい。例えば、検査実行部253は、各開口104hに印刷された各半田SRの充填量(体積)を導出してよい。この場合、検査実行部253は、例えば、上述のように印刷された半田SRの2次元データを積分したり、3次元計測器によって半田SRの3次元データを計測したりすることで、印刷された各半田SRの体積を導出してよい。検査実行部253は、ガーバーデータに含まれる各開口サイズと、導出された各半田SRの充填量と、に基づいて、各開口104hに印刷された半田SRの体積率を算出してよい。この体積率は、検査対象の印刷状態の1つである。
管理装置300は、通信部351、管理制御部352、記憶部353、及び表示部355、を備える。通信部351は、通信ネットワークNTを介して印刷装置100及び印刷検査装置200と接続され、これら各装置との間でデータの授受が可能となっている。通信部351は、各種データや情報を通信する。例えば、通信部351は、印刷検査装置200から、印刷検査の検査結果のデータを受信する。また、通信部351は、管理制御部352、記憶部353、及び表示部355と接続される。
表示部355は、液晶パネルなどのモニタであり、管理装置300への操作入力の入力画面などの各種の画面を表示する。表示部355は、各種データや情報を表示する。記憶部353は、各種データや情報を記憶し、例えば、ガーバーデータ353a、基板データ353b及び実装データ353cを記憶する。
管理制御部352は、管理装置300による各種処理を統括する。管理制御部352は、例えば、ガーバーデータ、基板データ、及び実装データを、通信部351を介して他の装置(例えば印刷検査装置200)に送信して提供可能である。管理制御部352は、例えば、印刷検査装置200による印刷検査の検査結果のデータを、通信部351を介して印刷装置100に送信する。
なお、各種の制御部(例えば印刷制御部152、検査制御部252、及び管理制御部352)は、プロセッサにより構成される。プロセッサは、例えばMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)を含む。各種の制御部は、各種の記憶部(例えば記憶部153、記憶部254、及び記憶部353)に保持されたプログラムを実行することで、各種処理又は制御等を行う。各種の記憶部は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)を含む。各種の記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等を含んでもよい。各種の記憶部は、光ディスク又はSDカード等を含んでもよい。各種の記憶部は、例えば各種データ、各種情報、又は各種プログラムを記憶する。
次に、印刷検査装置200による印刷検査の検査結果に基づく印刷条件の調整について説明する。ここでは、主に、検査結果のデータに含まれる体積率に基づくスキージ130のアタック角度の調整について説明する。
前述のように、印刷装置100は、印刷制御部152がスキージ駆動部110の駆動を制御することで、スキージ130のアタック角度を調整可能である。スキージ130のアタック角度が小さい程、マスク104への半田SRの充填力が大きく、半田SRが印刷される体積率が大きくなる。一方、スキージ130のアタック角度が大きい程、マスク104への半田SRの充填力が小さく、半田SRが印刷される体積率が小さくなる。
図5は、スキージ130のアタック角度と半田SRの充填量との相関関係の一例を示す模式図である。図5に示すように、スキージ130のアタック角度の減少に比例して、充填量が大きくなり、体積率も大きくなる。スキージ130のアタック角度と充填量とは線形な相関を有する。
図6は、スキージ130のアタック角度を70度としてマスク104を介して半田SRを基板103へ印刷することを示す模式図である。図7は、スキージ130のアタック角度を50度としてマスク104を介して半田SRを基板103へ印刷することを示す模式図である。
図6及び図7に示すように、スキージ130のアタック角度が70度の場合よりも50度の場合の方が、印刷面における充填区間(充填領域)が大きく、充填力が強く、半田SRの体積も大きい。これは、スキージ130のアタック角度が50度の方が、スキージ130のアタック角度が小さい分、マスク面において広範囲で半田SRが押圧されて広範囲に充填され、マスク面の近くにスキージ130が配置されるためである。また、スキージ130のアタック角度が70度の場合よりも50度の場合の方が、半田SRのマスク面に対するローリング速度が大きくなる。
図8は、印刷検査の検査結果のフィードバックの有無に応じた体積率の時間変化を示す図である。
例えば、半田SRが開封されてから長時間が経過し、又は、各種部品の取り換えや休憩のために基板103上に載置されてから長時間が経過したとする。この場合、半田SRは、時間経過とともに半田SRの粘度が大きくなる。半田SRがチキソ性を有するためである。そのため、スキージ130でマスク面に半田SRを押圧しても半田SRが開口104hに進入し難くなり、印刷される半田SRの体積率が低下する。また、印刷によってマスク104の汚れ(例えば半田SRの残存)が増大すると、時間経過とともに、開口104hに対する半田SRの体積率が大きくなることもあり得る。例えば、印刷後にマスク104の下面のクリーニングをせずに印刷し続けた場合、マスク104の下面に汚れが残り、滲みが生じて、印刷体積が増大し得る。
印刷検査装置200の検査実行部253は、電子部品実装システム5の動作中(運転中)に、基板103を1枚ずつ検査する。そして、通信部251が、管理装置30を経由して印刷装置100へ又は直接に印刷装置100へ検査結果のデータを送信することで、印刷装置100へ検査結果をフィードバックする。
印刷装置100の印刷制御部152は、通信部151を介して管理装置300から又は印刷検査装置200から、印刷検査の検査結果のデータを取得する。検査結果のデータは、体積率の情報を含む。印刷制御部152は、上記の相関情報を参照し、取得された検査結果のデータ(例えば体積率)に基づいて、この体積率が所望の値になるように、例えば一定になるように、スキージ130のアタック角度を決定し、決定されたスキージ130のアタック角度となるように制御する。なお、所望の体積率の値は、マスク104の開口サイズに応じて異なる。
このアタック角度の制御は、検査結果のデータの取得する毎に実施されてよい。検査結果のデータは、基板103毎の印刷状態を示すデータとして得られてよい。したがって、例えば、印刷制御部152は、基板103毎の検査結果のデータとして、時系列で半田SRの体積率が減少した場合、スキージ130のアタック角度を小さくし(つまりスキージを倒し)、時系列で半田SRの体積率が増加した場合、スキージ130のアタック角度を大きくして(つまりスキージを立てて)よい。このようにして、印刷装置100は、印刷される半田SRの体積率を安定化させることが可能である。
図8の(A)では、比較例として、印刷検査装置200による印刷状態の検査結果をフィードバックしない場合を示している。この場合、スキージ130のアタック角度は固定されており、スキージ130による押圧力は変化しない。図8(A)では、例えば、時間経過に伴って半田SRの粘度が大きくなることで、半田SRが印刷される体積率が低下している。
図8の(B)では、本実施形態として、印刷検査装置200による印刷状態の検査結果をフィードバックする場合を示している。この場合、印刷制御部152は、検査結果に含まれる体積率が100%(所望の体積率の値の一例)を挟んで所定範囲内(例えば90%~110%)の体積率である場合、スキージ130のアタック角度を変更しない。スキージ130のアタック角度を変更しなくても、開口に対する半田SRの充填具合が許容範囲であるためである。なお、所定範囲内が、体積率100%のみであってもよい。なお、例えば、体積率100%(SPI100%)とは、半田SRを充填すべき印刷領域(開口104h)の体積と同じ体積の半田SRが充填されていて、且つ、版離れした(マスク104から基板103から離れた)ときに、基板103側にこの半田SRが全部残っている状態である。
一方、印刷制御部152は、検査結果に含まれる体積率が100%を挟んで所定範囲外(例えば90%未満又は110%より大きい)の体積率である場合、スキージ130のアタック角度を変更する。例えば、図8の(B)では、体積率が上記の所定範囲の下限値(例えば90%)未満である場合、スキージ130のアタック角度を小さくするよう制御する。これにより、マスク104の開口104hに対する半田SRの充填力が大きくなり、半田SRが印刷される体積率が大きくなることが期待できる。
一方、不図示であるが、体積率が上記の所定範囲の上限値(例えば110%)より大きい場合、スキージ130のアタック角度を大きくするよう制御する。これにより、マスク104の開口104hに対する半田SRの充填力が小さくなり、半田SRが印刷される体積率が小さくなることが期待できる。
図8の(B)では、体積率が上記の所定範囲の下限値(例えば90%)未満である場合に、スキージ130のアタック角度を小さくするよう制御することで、スキージ130のアタック角度の変更直後には、体積率が100%に戻ることが示されている。そして、時間経過とともに再度体積率が小さくなるが、再度スキージ130のアタック角度を小さくするよう制御することで、再度体積率が100%に戻ることが示されている。
次に、検査結果のフィードバックに基づくスキージ130のアタック角度の制御の詳細について説明する。
図9は、マスク104の開口サイズを加味した体積率とスキージ130のアタック角度との相関関係の一例を示す模式図である。
図9では、横軸をアタック角度とし縦軸を体積率として、マスク104の開口サイズを加味したアタック角度と体積率との相関関係を二次元のマップMPで示している。このマップMPの情報は、印刷装置100の記憶部153に保持される。印刷装置100は、半田SRの印刷に用いるアタック角度を所定のアタック角度とし、このアタック角度で半田SRを印刷する。このアタック角度で半田SRが印刷された場合の体積率を含む印刷状態が、印刷検査装置200によって検査される。よって、印刷に用いられたアタック角度と、このアタック角度に対応して検査により得られた体積率とを、マップMP上にマッピング点としてマッピングすると、二次元平面のマップMP上のいずれかの位置にマッピングされる。
また、上述したように、スキージ130のアタック角度が小さい程、半田SRの充填力が大きくなるので体積率が大きくなり、スキージ130のアタック角度が大きい程、半田SRの充填力が小さくなるので体積率が小さくなる。また、開口104h(小開口104h1)のサイズが小さい程、体積率が小さくなり、開口104h(大開口104h2)のサイズが大きい程、体積率が大きくなる。したがって、アタック角度に対する体積率は、基本的には、アタック角度が小さい程、また、開口サイズが大きい程、体積率が大きくなり、アタック角度が大きい程、また、開口サイズが小さい程、体積率が小さくなる。
よって、開口サイズの最大値を仮定し、開口サイズの最小値を仮定すると、マップMPにおいて、開口サイズの最小値を示す直線L1と、開口サイズの最大値を示す直線L2と、が得られる。直線L1は、開口サイズが最小である小開口104h1を介して半田SRを印刷する場合のスキージ130のアタック角度と体積率との相関を示す線である。直線L2は、開口サイズが最大である大開口104h2を介して半田SRを印刷する場合のスキージ130のアタック角度と体積率との相関を示す線である。同様に、開口サイズの平均値を示す直線L3も得られる。直線L3は、開口サイズが平均値である開口104hを介して半田SRを印刷する場合のスキージ130のアタック角度と体積率との相関を示す線である。
したがって、印刷に用いられたアタック角度と、このアタック角度に対応して検査により得られた体積率と、に対応するマッピング点は、マップMPにおいて、直線L1と直線L2とに挟まれた領域であるマッピング範囲MPAに配置される。図9では、マッピング範囲MPAは、平行四辺形の形状の範囲である。なお、ここでの開口サイズの最大値、最小値、及び平均値は、印刷装置100により過去に半田SRが印刷された1つ以上の基板に対応するマスク104の開口104hについての情報であってよい。
マッピング範囲MPAにおいて、体積率が所定範囲にある範囲が、OKエリアA0となる。マッピング範囲MPAにおいて、OKエリアA0の外側に警告エリアA1が位置し、更に警告エリアA1の外側にNGエリアA2が位置する。
OKエリアA0とは、体積率が所望の状態であり、開口104hに対して半田SRが好適に印刷されたエリアである。警告エリアA1とは、開口104hに対して半田SRが好適に印刷されておらず、印刷装置100が、検査結果に含まれる体積率に基づいて電子部品実装システム5の動作を停止させないが、警告情報を出力するエリアである。警告エリアA1は、電子部品実装システム5の動作停止が発生しないように、予めNGエリアA2に入らないように設けられたエリアである。NGエリアA2とは、開口104hに対して半田SRが好適に印刷されておらず、印刷装置100が、検査結果に含まれる体積率に基づいて電子部品実装システム5の動作を停止させるエリアである。
警告エリアA1は、マッピング範囲MPAにおいて体積率が小さい領域にある警告エリアA11と、マッピング範囲MPAにおいて体積率が大きい領域にある警告エリアA12と、を含む。NGエリアA2は、マッピング範囲MPAにおいて体積率が小さい領域にあるNGエリアA21と、マッピング範囲MPAにおいて体積率が大きい領域にあるNGエリアA22と、を含む。警告エリアA1よりもNGエリアA2の方が、平行四辺形の形状のマッピング範囲MPAの角部に近い方に位置する。
例えば、NGエリアA21は、マッピング範囲MPAにおいて、体積率が閾値th1未満のエリアである。例えば、警告エリアA11は、マッピング範囲MPAにおいて、体積率が閾値th2(>th1)未満のエリアであり、且つ、NGエリアA21を除外したエリアである。警告エリアA12は、マッピング範囲MPAにおいて、体積率が閾値th3(>th2)より大きいエリアであり、且つ、NGエリアA22を除外したエリアである。例えば、NGエリアA22は、マッピング範囲MPAにおいて、体積率が閾値th4(>th3)より大きいエリアである。例えば、OKエリアA0は、マッピング範囲MPAにおいて、体積率が閾値th2以上であり閾値th3以下であるエリアである。
図9に示すように、OKエリアA0の体積率の下限値である閾値th2は、例えば55%であり、OKエリアA0の体積率の上限値である閾値th3は、例えば125%である。開口サイズの最小値を示す直線L1と体積率55%を示す直線との交点は、アタック角度が58度の点である。つまり、開口サイズが最小の小開口104h1へ印刷された半田SRの体積率が55%となるアタック角度は、約58度である。また、開口サイズの最大値を示す直線L2と体積率125%を示す直線との交点は、アタック角度が55度の点である。つまり、開口サイズが最大の大開口104h2へ印刷された半田SRの体積率が125%となるアタック角度は、約58度である。よって、アタック角度が約55度~58度のうちのいずれかの角度であれば、いずれの開口サイズの開口104hへ半田を印刷する場合でも、マッピング点がOKエリアA0内に収まる。そのため、印刷制御部152は、例えば、検査結果に含まれる体積率を基に、スキージ130のアタック角度が約55度~58度のいずれかの角度に近づくようにアタック角度を制御する。
印刷装置100の印刷制御部152は、通信部151を介して、フィードバックのデータとして、基板103毎に印刷状態の検査結果のデータを受信する。また、印刷制御部152は、印刷検査された基板103への半田SRの印刷に用いたスキージ130のアタック角度の情報を取得する。このアタック角度の情報は、例えば記憶部153に保持されている。印刷制御部152は、得られたアタック角度及び体積率に対応するマッピング点をマップMP上に配置する。
マッピング点の数は、例えば、半田SRが充填されるマスク104の開口104hの数に応じた数でよく、基板103の電極の数に応じた数でよい。マッピング点の数は、例えば基板103毎に計数されてよい。例えば、1つの基板103上に、半田SRを充填すべき印刷領域が3000個ある場合、又は、マスク104の印刷対象の開口104hが3000個ある場合、マップMP上に3000個のマッピング点が配置される。
マッピング点は、基本的にマッピング範囲MPAに含まれる。各マッピング点は、OKエリアA0に含まれることもあり得るし、警告エリアA1に含まれることもあり得るし、NGエリアA2に含まれることもあり得る。印刷制御部152は、マッピング点が警告エリアA1に含まれるか、NGエリアA2に含まれるか、又はOKエリアA0に含まれるかに基づいて、スキージ130のアタック角度を決定してよい。また、印刷制御部152は、警告エリアA1に含まれるマッピング点の数、NGエリアA2に含まれるマッピング点の数、又はOKエリアA0に含まれるマッピング点の数に基づいて、スキージ130のアタック角度を決定してよい。また、印刷制御部152は、各エリア(NGエリアA2、警告エリアA1、OKエリアA0)に含まれるマッピング点の数の代わりに、マッピング点の全数に対する各エリアに含まれるマッピング点の割合、又はその他のマッピング点に基づく指標によって、スキージ130のアタック角度を決定してもよい。そして、印刷制御部152は、決定されたスキージ130のアタック角度になるように制御する。制御後のアタック角度は、記憶部153に保持されてよい。
また、アタック角度を決定することには、アタック角度の変更量を決定することを含んでよい。変更前のアタック角度は既知の角度であるので、印刷制御部152は、アタック角度の変更量(後述するフィードバック角度FA)を決定することで、変更後のアタック角度を決定可能である。
ここで、スキージ130のアタック角度の決定例について説明する。
ここでは、小開口104h1を介して半田SRが充填された際のアタック角度及び体積率に対応するマッピング点を、小開口マッピング点とする。大開口104h2を介して半田SRが充填された際のアタック角度及び体積率に対応するマッピング点を、大開口マッピング点とする。また、小開口マッピング点がマップMPのNGエリアA21に含まれる数を、小開口マッピング点のNG数N1とする。大開口マッピング点がマップMPのNGエリアA22に含まれる数を、大開口マッピング点のNG数N2とする。小開口マッピング点が警告エリアA11に含まれる数を、小開口マッピング点の警告数W1とする。大開口マッピング点が警告エリアA12に含まれる数を、大開口マッピング点の警告数W2とする。
印刷制御部152は、小開口マッピング点のNG数N1と大開口マッピング点のNG数N2とに基づいて、スキージ130のアタック角度を決定してよい。また、印刷制御部152は、NG数N1及びNG数N2とともに、小開口マッピング点の警告数W1と大開口マッピング点の警告数W2とに基づいて、スキージ130のアタック角度を決定してよい。印刷制御部152は、スキージ130のアタック角度を決定する際、まず角度決定用の中間パラメータ(途中経過のパラメータ)を算出し、中間パラメータに基づいてスキージ130のアタック角度を導出してよい。
印刷制御部152は、NG数N1、NG数N2、警告数W1、及び警告数W2に基づいてスキージ130のアタック角度を決定する場合、例えば以下の式(1)に従って、角度決定用の中間パラメータWを算出してよい。中間パラメータWは、基板103毎に算出されてよい。
W=(N1×A)+(W1×B)-(N2×C)-(W2×D) ・・・式(1)
なお、係数AはNG数N1に対する重みづけの係数である。係数Bは警告数W1に対する重みづけの係数である。係数CはNG数N2に対する重みづけの係数である。係数Dは警告数W2に対する重みづけの係数である。
例えば、小開口マッピング点のNG数N1が6個であり、重みづけの係数Aが5であるとする。また、小開口マッピング点の警告数W1が24個であり、重みづけの係数Bが2であるとする。また、大開口マッピング点のNG数N2が8個であり、重みづけの係数Cが3であるとする。また、大開口マッピング点の警告数W2が26個であり、重みづけの係数Bが1であるとする。この場合、式(1)に従った中間パラメータWは、以下のような値となる。
W=(6個×5)+(24個×2)-(8個×3)-(26個×1)=+28
印刷制御部152は、中間パラメータWに基づいて、フィードバック角度FAを決定してよい。フィードバック角度FAは、現状のスキージ130のアタック角度からの角度の変更量を示す。
印刷制御部152は、例えば、算出された中間パラメータWが正の値である場合、中間パラメータWの絶対値の大きさに応じて、フィードバック角度FAを小さくして、スキージ130のアタック角度を小さくしてよい。つまり、この場合、印刷制御部152は、変更後のスキージ130を変更前の状態よりも寝かせてよい。これにより、現状では体積率が過小である場合でも、半田SRの充填力を増大でき、体積率が大きくなることが期待できる。
また、印刷制御部152は、算出された中間パラメータWが負の値である場合、中間パラメータWの絶対値の大きさに応じて、フィードバック角度FAを大きくして、スキージ130のアタック角度を大きくしてよい。つまり、この場合、印刷制御部152は、変更後のスキージ130を変更前の状態よりも立たせてもよい。これにより、現状では体積率が過大である場合でも、半田SRの充填力を小さくでき、体積率が小さくなることが期待できる。
印刷制御部152は、スキージ130のアタック角度のフィードバック用のテーブルT1を参照して、中間パラメータWに基づいてフィードバック角度FAを算出してよい。このテーブルT1は、例えば印刷装置100の記憶部153に保持されていてよい。図10は、フィードバック角度の情報を保持するテーブルT1の一例を示す図である。テーブルT1では、中間パラメータWの値の範囲毎に、フィードバック角度FAが予め定められている。印刷制御部152は、中間パラメータWが大きい程、フィードバック角度FAつまりスキージ130のアタック角度を小さくし、中間パラメータWが小さい程、フィードバック角度FAつまりスキージ130のアタック角度を大きくする。なお、図10のテーブルT1は一例であり、印刷制御部152は、このテーブルT1以外の情報に基づいて、フィードバック角度FAを決定してよい。
なお、式(1)において、係数Aと係数Cとは、両方ともNG数に対する重みづけの係数であるが、係数Aが係数Cよりも大きく設定される。同様に、係数Bと係数Dとは、両方とも警告数に対する重みづけの係数であるが、係数Aが係数Cよりも大きく設定される。これは、小開口104h1に対する半田SRの体積率の方が、大開口104h2に対する半田SRの体積率よりも、印刷品質の向上のために重要な指標であることを示している。小開口104h1で半田SRが過小である場合には、半田SRが足りずに印刷不良となって不良品が生成され易くなる。大開口104h2で半田SRの充填量が過大である場合には、ブリッジができやすくなる。なお、半田SRの不足する方が、半田SRが過大である場合よりも生産性が低下する。
また、式(1)において、係数Aと係数Bとは、同じ小開口104h1の体積率に対する重みづけの係数であるが、係数Aが係数Bよりも大きく設定される。同様に、係数Cと係数Dとは、同じ大開口104h2の体積率に対する重みづけの係数であるが、係数Cが係数Dよりも大きく設定される。これは、マッピング点がNGとなって電子部品実装システム5が停止する方が、警告情報を単に出力するよりも、生産性の低下に大きく影響することを示している。
電子部品実装システム5は、マップMPのNGエリアA2に、得られたアタック角度及びこのアタック角度で充填した場合の体積率に対応するマッピング点が含まれる場合、印刷不良であると判定し、電子部品実装システム5を停止させる。これにより、電子部品実装システム5のオペレータは、印刷に係る設定を見直したり、古い半田SRの使用を取りやめたり、半田SRが印刷されるマスク104を交換したりクリーニングしたりできる。よって、印刷装置100は、印刷不良の状態で半田SRの印刷が継続されることを抑制できる。一方、システムが停止するので、生産効率は低下する。
また、電子部品実装システム5は、マップMPのNGエリアA2に、得られたアタック角度及びこのアタック角度で充填した場合の体積率に対応するマッピング点が含まれる場合、印刷不良に近い状態であると判定し、電子部品実装システム5を停止させないが、警告情報を出力する。例えば、印刷制御部152は、表示部154又はスピーカ155を介して、警告情報を出力してよい。これにより、オペレータは、体積率に対応するマッピング点がNGエリアに近づいており、印刷状態に留意する必要があることを認識でき、例えば印刷エラーとなる前に事前の対応を行うことができる。例えば、体積率が過大であるという警告情報を確認したオペレータが、操作部156を介してマスククリーニング機構140を駆動して、マスク104の下面を清掃することで、体積率が下がるように対応してもよい。一方、オペレータの留意が必要となり、やはり生産効率は低下する。
生産効率の低下に対し、電子部品実装システム5は、印刷状態(例えば体積率)を検査結果としてフィードバックし、検査結果を基に印刷条件(例えばスキージ130のアタック角度)を調整できる。この場合、印刷状態(例えば体積率)を所望の状態(例えばマッピング点がOKエリアA0に含まれる状態)に近づけることができる。
よって、電子部品実装システム5は、フィードバックによりスキージ130のアタック角度を調整することで、調整されたアタック角度及びこのアタック角度で充填した場合の体積率に対応するマッピング点がマップMPのNGエリアA2に入ることを抑制でき、電子部品実装システム5の動作が停止する頻度を小さくできる。よって、電子部品実装システム5は、例えばオペレータが、電子部品実装システム5の動作の停止に伴う電子部品実装システム5の確認作業や印刷状態を改善するための作業を実施する頻度を小さくできる。
同様に、電子部品実装システム5は、フィードバックによりスキージ角度を調整することで、調整されたアタック角度及びこのアタック角度で充填した場合の体積率に対応するマッピング点がマップMPの警告エリアA1に入ることを抑制でき、警告情報の出力頻度を小さくできる。よって、警告情報の出力をオペレータが留意する頻度が減り、オペレータの負担を低減できる。また、電子部品実装システム5は、体積率に対応するマッピング点がNGエリアA2に含まれることを予備的に防止でき、生産性の低下を一層抑制できる。
また、印刷装置100は、印刷条件(例えばスキージ130のアタック角度)の変更を繰り返すことで、調整後のスキージ角度で印刷された半田SRの体積率が徐々に変化し、体積率に対応するマッピング点が警告エリアA1内に含まれ始めた場合、体積率が適正になるように、スキージ130のアタック角度を変更する。印刷制御部152は、このようなアタック角度の変更を、警告エリアA1に含まれ始める毎に実施してよい。よって、印刷装置100は、体積率は、多少上下しながらも、適正な体積率(例えば体積率100%)を継続的に維持可能である(図8の(B)参照)。
また、比較例として、以下のようなことも想定される。
小開口104h1(例えば0402チップを実装するための開口)に対して半田SRが印刷される体積率は、平均70%程である。また、大開口104h2に対して半田SRが印刷される体積率は、平均140%程である。つまり、半田SRが充填される開口サイズに応じて、最適な半田SRの充填量(体積)が異なる。小開口104h1での最適な体積率は、大開口104h2での最適な体積率よりも小さい。そのため、小開口104h1での体積率を100%にしようとすると、大開口104h2での体積率が過大となって滲みが発生し、隣接する複数の大開口104h2から半田SRがそれぞれはみ出すことで、ブリッジが多発し得る。逆に、大開口104h2での体積率を100%にしようとすると、小開口104h1での体積率が過小となり、半田Rの欠けが発生して、電子部品の装着性が不十分となる。また、マスク104全体を加味した最適な充填量をフィードバックすることは、開口サイズに応じて最適な充填量が異なるので、困難である。
これに対し、本実施形態の電子部品実装システム5は、例えば、小開口104h1での体積率に対応するマッピング点のNG数や警告数、及び、大開口104h2での体積率に対応するマッピング点のNG数や警告数、に基づいて、スキージ130のアタック角度を調整できる。この場合、調整後のスキージ130のアタック角度でマスク104の開口104hを介して印刷された半田SRの体積率に対応するマッピング点が、マップMPのOKエリアA0に収まるように、アタック角度が調整される。よって、電子部品実装システム5は、小開口104h1でも大開口h2でも印刷された体積率が所望の範囲に収まるようにでき、つまり開口サイズに依存せずに、開口104hを介した半田SRの印刷を安定して実施できる。よって、電子部品実装システム5は、電子部品の実装の信頼性も高く維持しつつ、生産性も高く維持できる。
また、電子部品実装システム5は、スキージ130のアタック角度を順次調整でき、半田SRの充填量(体積)を適切に調整でき、連続的に良品の生産を実現できる。
次に、本実施形態のバリエーションについて説明する。
本実施形態では、印刷装置100が、印刷検査の検査結果に基づくスキージ130のアタック角度を決定し、そのアタック角度となるように制御することを例示したが、これに限られない。つまり、印刷装置100以外の装置(例えば管理装置300)の制御部(例えば管理制御部352)が、印刷検査の検査結果に基づくスキージ130のアタック角度を決定し、通信部(例えば通信部351)を介して、決定されたアタック角度を印刷装置100に送信してよい。そして、印刷装置100は、通信部151が、決定されたアタック角度を受信し、印刷制御部152が、決定されたアタック角度となるように制御してよい。
本実施形態では、印刷された半田SRの体積(例えば体積率)を基に、スキージ130のアタック角度を制御することを例示したが、これに限られない。体積の代わりに、面積を用いてもよい。印刷された半田SRの面積(例えば面積率)を基に、スキージ130のアタック角度を制御してもよい。この面積率は、例えば、二次元の印刷領域(印刷面)のサイズに対する半田が実際に印刷された二次元の面積を示す。この印刷面は、例えば、基板103の電極の上面であり、基板103の上面に当接するマスクの開口面でよい。
以上のように、本実施形態の電子部品実装システム5(印刷システムの一例)は、基板103に半田SRを印刷するシステムである。電子部品実装システム5は、印刷装置100と、印刷検査装置200(検査装置の一例)と、管理装置300と、を備える。印刷装置100の印刷ヘッド106(印刷部の一例)は、所定の開口104hを有するマスク104を介して、基板103上に形成された複数の電極にスキージ130を用いて半田SRを印刷する。印刷検査装置200の検査実行部253は、開口104hのサイズに対する印刷された半田SRの充填量を示す体積率を検査する。管理装置300の通信部351は、印刷検査装置200から体積率の検査結果を取得すると共に、印刷装置100へ検査結果を送信する。印刷装置100は、通信部151(受信部の一例)が、印刷検査装置200から体積率の検査結果を受信し、印刷制御部152(制御部の一例)が、検査結果に基づいてスキージ130のアタック角を変更する。
半田SRの物性が変化すると、半田SRの粘土が変化し、半田SRの充填力が変化し、所望の印刷状態と実際の体積率等の印刷状態とで乖離が生じ得る。また、マスク104上に汚れ等がある場合でも、所望の印刷状態と実際の印刷状態とで乖離が生じ得る。これに対し、印刷装置100は、実際に印刷された半田SRに対して印刷検査装置200で検査された体積率の検査結果を例えばリアルタイムにフィードバックとして取得し、スキージ130のアタック角度を調整できる。よって、印刷装置100は、半田の物性又はマスク104の状態等に基づく現状の印刷状態を加味して印刷条件を決定でき、印刷不良の発生を抑制できる
また、基板103は、複数存在してよい。印刷装置100は、印刷ヘッド106が、開口104hを介して複数の基板103に半田SRを順次印刷し、通信部151が、順次印刷された半田SRに対する体積率の検査結果を順次取得し、印刷制御部152が、順次取得された検査結果の体積率が時系列で減少した場合、スキージ130のアタック角を小さくしてよい。
これにより、印刷装置100は、マスク104の開口104hに対する半田SRの充填力を大きくでき、体積率を大きくするよう変更できる。よって、印刷装置100は、例えばマスク104の開口104hに対する半田SRが不足し、半田SRによる部品の実装の信頼性が低下することを抑制できる。
また、基板103は、複数存在してよい。印刷装置100は、印刷ヘッド106が、開口104hを介して複数の基板103に半田SRを順次印刷し、通信部151が、順次印刷された半田SRに対する体積率の検査結果を順次取得し、印刷制御部152が、順次取得された検査結果の体積率が時系列で増大した場合、スキージ130のアタック角を大きくしてよい。
これにより、印刷装置100は、マスク104の開口104hに対する半田SRの充填力を小さくでき、体積率を小さくするよう変更できる。よって、印刷装置100は、例えば、マスク104の開口104hに対して半田SRの印刷が余剰となり、マスク104において隣接する開口104hに印刷された半田SRとともにブリッジが形成され、実装の信頼性が低下することを抑制できる。
また、マスク104は、第1の体積を有する複数の小開口104h1(第1の開口の一例)と、第1の体積よりも大きな第2の体積を有する複数の大開口104h2(第2の開口の一例)と、を有してよい。印刷検査装置200は、小開口104h1に対して印刷された半田SRの体積率である第1の体積率と、大開口に104h2に対して印刷された半田SRの体積率である第2の体積率と、を検査してよい。印刷装置100の印刷制御部152は、複数の小開口104h1のうち、第1の体積率が第1の所定範囲(例えばOKエリアA0と警告エリアA1とを含むエリア)の外側(例えばNGエリアA2)にある小開口104h1の数を示す第1の数(例えばNG数N1)と、複数の大開口104h2のうち、第2の体積率が第1の所定範囲の外側にある大開口104h2の数を示す第2の数(例えばNG数N2)と、に基づいて、スキージ130のアタック角を変更してよい。
これにより、印刷装置100は、変更されたアタック角度のスキージ130を用いて開口104hを介して半田SRを印刷した場合、どのような開口サイズの開口104hであっても、印刷に支障をきたす程に体積率が過小又は過大となることを抑制できる。よって、印刷装置100は、電子部品実装システム5の運転に影響を与える(例えば停止する)頻度を低減できる。よって、印刷装置100は、例えばオペレータによる人為的作業を低減でき、システムの稼働効率を向上でき、生産性を向上できる。
また、印刷装置100の印刷制御部152は、複数の小開口104h1のうち、第1の体積率が第1の所定範囲に含まれると共に第1の所定範囲よりも狭い第2の所定範囲(例えばOKエリアA0)の外側(例えば警告エリアA1)にある小開口104h1の数を示す第3の数(例えば警告数W1)と、複数の大開口104h2のうち、第2の体積率が第1の所定範囲に含まれると共に第2の所定範囲の外側にある大開口104h2の数を示す第4の数(例えば警告数W2)と、に基づいて、スキージ130のアタック角を変更してよい。
これにより、変更されたアタック角度のスキージ130を用いて開口104hを介して半田SRを印刷した場合、どのような開口サイズの開口104hであっても、体積率が過小又は過大となることを一層抑制でき、電子部品実装システム5の運転に影響を与える頻度を更に低減できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
また、上記実施形態では、プロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。