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JP7652298B2 - 精製装置および精製装置の制御方法 - Google Patents
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JP7652298B2 - 精製装置および精製装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精製装置および精製装置の制御方法に関する。
回収対象の成分を回収するために、当該成分が含まれた混合試料を精製することが行なわれている。非特許文献1では、海中から収集した混合試料を重液を用いて比重分離することで、当該混合試料に含まれるマイクロプラスチックを回収する精製器が開示されている。
Hannes K. Imhof et al.,"A novel, highly efficient method for the separation and quantification of plastic particles in sediments of aquatic environments",LIMNOLOGY and OCEANOGRAPHY:METHODS,Volume10,Issue7,pp.524-537,17 July 2012,https://doi.org/10.4319/lom.2012.10.524
このような精製器において、重液による比重分離の前に、混合試料中に含まれる夾雑物を分解液を用いて分解することが行われる。当該分解液による分解においては、夾雑物が多く残った状態の試料に高濃度の分解液を加えると過剰反応による気泡が生じ、後の反応の妨げとなる可能性がある。一方で、分解液の濃度が低すぎると、分解反応がなかなか進行せず、時間内に完了しない可能性がある。このような実情を鑑みて、分解液による分解を適切に完了し、残留する夾雑物を低減する方法が求められていた。
本開示の第1の局面に係る精製装置は、試料を精製する精製装置であって、容器と、制御装置とを備える。容器には、試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される。制御装置は、容器に対し、複数回の分解液の導入を行うように制御する。複数回の分解液の導入は、第1導入と、後続の第2導入を含む。第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より、第2導入時に導入される分解液中の分解物質の量が多い。
本開示の第2の局面に係る制御方法は、試料を精製する精製装置において、制御装置によって実行される制御方法である。精製装置は、容器と、制御装置とを備える。容器には、試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される。制御装置は、容器に対し、第1導入と第2導入を含む複数回の分解液の導入を行なうように制御する。制御方法は、第1導入を行なうステップと、第2導入を行なうステップとを備える。第2導入を行なうステップにおいて、第2導入される分解液中の分解物質の量は、第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より多い。
本開示による精製装置によれば、容器に対して第1導入と後続の第2導入を含む複数回の分解液の導入が行なわれ、後の導入ほど分解液中に含まれる分解物質の量が多くなる。これにより、試料中に未分解の夾雑物が多く含まれている第1導入においては、比較的少ない量の分解物質により、穏やかに分解を行なうことができる。そして、未分解の夾雑物が少なくなった状態で、第1導入より多量の分解物質を加えることで、残った夾雑物を確実に分解することができる。したがって、分解液による分解を適切に完了し、混合試料中の夾雑物の残留を低減することができる。
実施の形態に係る精製装置を模式的に示す図である。 精製装置のハードウェア構成を説明するための図である。 精製装置が実行する精製処理のフローチャートである。 比較例における分解処理のフローチャートである。 実施の形態における分解処理のフローチャートである。 実施の形態1における分解処理のフローチャートである。 実施の形態2における分解処理のフローチャートである。 変形例に係る精製装置を模式的に示す図である。 変形例における分解処理のフローチャートである。
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
[1.精製装置の構成]
図1を参照しながら、実施の形態に係る精製装置1の主な構成を説明する。図1は、実施の形態に係る精製装置1を模式的に示す図である。図1に示すように、精製装置1は、混合試料を精製するための精製器100と、精製器100を制御する制御装置500とを備える。実施の形態に係る精製装置1は、制御装置500によって精製器100を制御することによって、混合試料を精製し、混合試料に含まれる回収対象となる成分を回収する。「精製」とは、混合物から純物質(成分)を取り出すことを含む。
精製装置1によって精製される「混合試料」は、回収対象となる成分を含むものであればどのような形態であってもでもよい。たとえば、「混合試料」としては、海中または海岸から収集される海水および砂、食品および化粧品などの加工品などが挙げられる。実施の形態においては、「混合試料」として、海中または海岸から収集される海水および砂が例示される。なお、以下では、「混合試料」を単に「試料」とも称する。
精製装置1の回収対象となる「成分」は、精製装置1によって回収される成分であればいずれのものでもよい。たとえば、「成分」としては、5mm以下の大きさを有する微細なプラスチック粒子であるマイクロプラスチックが挙げられる。実施の形態においては、「成分」として、海中または海岸から収集される海水および砂に含まれるマイクロプラスチックが例示される。
精製器100は、試料を収容する容器50と、配管11~22と、ポンプ31~33と、電磁弁41~43と、ポート61~64と、スターラ71と、撹拌子72と、排出管80と、分解液リザーバ110と、重液リザーバ120と、リンス液リザーバ130と、廃液リザーバ140,150と、検出フィルタ210と、上澄み液リザーバ215とを備える。
配管11は、分解液リザーバ110と電磁弁41とを接続する。配管12は、電磁弁41とポンプ31とを接続する。配管13は、ポンプ31と容器50の外周部分に設けられたポート61とを接続する。このように、分解液リザーバ110と容器50のポート61とは、電磁弁41およびポンプ31を介して、配管11,12,13によって接続されている。
配管14は、重液リザーバ120と電磁弁42とを接続する。配管15は、電磁弁42とポンプ32とを接続する。配管16は、ポンプ32と容器50の外周部分に設けられたポート62とを接続する。このように、重液リザーバ120と容器50のポート62とは、電磁弁42およびポンプ32を介して、配管14,15,16によって接続されている。
配管17は、リンス液リザーバ130と電磁弁41とを接続する。すなわち、電磁弁41は、配管11によって分解液リザーバ110に接続されている一方で、配管14によってリンス液リザーバ130にも接続されている。このように、リンス液リザーバ130と容器50のポート61とは、電磁弁41およびポンプ31を介して、配管17,12,13によって接続されている。
配管18は、リンス液リザーバ130と電磁弁42とを接続する。すなわち、電磁弁42は、配管14によって重液リザーバ120に接続されている一方で、配管18によってリンス液リザーバ130にも接続されている。このように、リンス液リザーバ130と容器50のポート62とは、電磁弁42およびポンプ32を介して、配管18,15,16によって接続されている。
配管19は、廃液リザーバ140と電磁弁43とを接続する。配管20は、電磁弁43とポンプ33とを接続する。配管21は、ポンプ33と容器50の外周部分に設けられたポート63とを接続する。このように、廃液リザーバ140と容器50のポート63とは、電磁弁43およびポンプ33を介して、配管19,20,21によって接続されている。
配管22は、ポンプ33と容器50の外周部分に設けられたポート64とを接続する。すなわち、ポンプ33は、配管21によって容器50のポート63に接続されている一方で、配管22によって容器50のポート64にも接続されている。このように、廃液リザーバ140と容器50のポート64とは、電磁弁43およびポンプ33を介して、配管19,20,22によって接続されている。
配管23は、廃液リザーバ150と電磁弁43とを接続する。すなわち、電磁弁43は、配管19によって廃液リザーバ140に接続されている一方で、配管23によって廃液リザーバ150にも接続されている。このように、廃液リザーバ150と容器50のポート63とは、電磁弁43およびポンプ33を介して、配管23,20,21によって接続されている。また、廃液リザーバ150と容器50のポート64とは、電磁弁43およびポンプ33を介して、配管23,20,22によって接続されている。
分解液リザーバ110は、夾雑物を処理するための分解液を貯留する。「夾雑物」は、混合試料のうち、回収対象の成分以外の異物である。実施の形態においては、「夾雑物」として、有機物の性質を有する有機夾雑物が例示される。「分解液」は、夾雑物を分解処理させるものであればいずれのものでもよい。実施の形態においては、「分解液」は、有機夾雑物を分解する。たとえば、「分解液」としては、過酸化水素水(H)、過酸化水素水(H)と酸化鉄(II)(FeO)との混合物などの酸化剤が挙げられる。「混合試料」が海水および砂である場合、「有機夾雑物」としては、海水または砂に混じった木くずおよびプランクトンなどが挙げられる。
重液リザーバ120は、比重差により試料を分離させるための重液を貯留する。「重液」は、比重差により試料を分離させるものであればいずれのものでもよい。実施の形態においては、「重液」は、無機物の性質を有する無機夾雑物を比重差で沈降させる。たとえば、「重液」としては、塩化ナトリウム(NaCl)、ヨウ化ナトリウム(Nal)、塩化亜鉛(ZnCl2)などが挙げられる。「混合試料」が海水および砂である場合、「無機夾雑物」としては、砂、ガラス、および石などが挙げられる。「重液」の比重は、精製装置1の回対象となる「成分」の比重よりも大きく、かつ、「無機夾雑物」の比重よりも小さく設定されている。たとえば、精製装置1の回収対象となる「成分」がマイクロプラスチックであり、「無機夾雑物」が砂、ガラス、および石などの場合、「重液」の比重は、マイクロプラスチックの比重よりも大きく、かつ、砂、ガラス、および石などの比重よりも小さく設定されればよい。具体的には、「重液」の比重は、約1.5~約1.7に設定されればよい。
リンス液リザーバ130は、容器50内を洗浄するためのリンス液を貯留する。「リンス液」は、容器50内を洗浄するためのものであればいずれのものでもよい。たとえば、「リンス液」としては、水が挙げられる。なお、「リンス液」は、容器50内を洗浄する役割の他、容器50に導入される分解液を薄める役割を有する。
廃液リザーバ140,150は、容器50から排出された重液、リンス液、および混合試料に含まれる海水などの廃液を貯留する。
ポンプ31は、制御装置500の制御に基づき、分解液リザーバ110から吸い込んだ分解液またはリンス液リザーバ130から吸い込んだリンス液を、ポート61を介して容器50に導入する。
ポンプ32は、制御装置500の制御に基づき、重液リザーバ120から吸い込んだ重液またはリンス液リザーバ130から吸い込んだリンス液を、ポート62を介して容器50に導入する。
ポンプ33は、制御装置500の制御に基づき、ポート63またはポート64を介して容器50から吸い込んだ廃液を、廃液リザーバ140または廃液リザーバ150に排出する。
電磁弁41は、配管11と、配管17および配管1の接合部に設けられる調節弁である。電磁弁41には、配管11から導入される分解液と、配管17から導入されるリンス液とが、電磁弁41の開度に応じた比率で導入される。
電磁弁41に導入される分解液とリンス液との比率が1:0である場合、分解液リザーバ110の分解液が容器50に導入される。電磁弁41に導入される分解液とリンス液との比率が0:1である場合、リンス液リザーバ130のリンス液が容器50に導入される。換言すると、電磁弁41は、制御装置500の制御に基づき、分解液リザーバ110と容器50のポート61との間の経路(配管11,12,13を介した経路)と、リンス液リザーバ130と容器50のポート61との間の経路(配管17,12,13を介した経路)とで、ポート61に接続される経路を切り替えることができる。
一方、電磁弁41に導入される分解液とリンス液との比率が1:0もしくは0:1でない場合、電磁弁41において分解液とリンス液は当該比率で混合される。すなわち、電磁弁41において、分解液は当該比率に基づいてリンス液で希釈される。よって、制御装置500は、電磁弁41の開度を制御することにより、容器50に導入される分解液の濃度を制御できる。
電磁弁42は、制御装置500の制御に基づき、重液リザーバ120と容器50のポート62との間の経路(配管14,15,16を介した経路)と、リンス液リザーバ130と容器50のポート62との間の経路(配管18,15,16を介した経路)とで、ポート62に接続される経路を切り替える。
電磁弁43は、制御装置500の制御に基づき、廃液リザーバ140と容器50のポート63,64との間の経路(配管19,20,21を介した経路または配管19,20,22を介した経路)と、廃液リザーバ150と容器50のポート63,64との間の経路(配管23,20,21を介した経路または配管23,20,22を介した経路)とで、ポート63,64に接続される経路を切り替える。
ポート61は、ポンプ31によって吸い込まれた分解液リザーバ110内の分解液またはリンス液リザーバ130内のリンス液を容器50に導入する。ポート62は、ポンプ32によって吸い込まれた重液リザーバ120内の重液またはリンス液リザーバ130内のリンス液を容器50に導入する。ポート63,64は、ポンプ33によって吸い込まれた容器50内の廃液を廃液リザーバ140または廃液リザーバ150に排出する。
ポート61~64の内部には、フィルタ(図示せず)が設けられており、試料に含まれる成分が容器50から排出されないようになっている。フィルタは、回収対象のマイクロプラスチックをトラップできる大きさの網目を有するメッシュである。たとえば、フィルタ(メッシュ)は、SUS(Steel Use Stainless)製の金網またはPTFE(polytetrafluoroethylene)(テフロン(登録商標))製のメンブレンフィルタである。マイクロプラスチックを回収対象とする場合、フィルタ(メッシュ)の網目の大きさは、0.1~5.0mmの粒子を通さない大きさが必要であり、約0.1mmが好ましい。
スターラ71は、たとえば、恒温スターラであり、容器50の下方に配置されている。スターラ71は、制御装置500の制御に基づき容器50内に設けられた撹拌子72を回転させることによって、容器50内の試料を撹拌する。さらに、スターラ71は、制御装置500の制御に基づき容器50の下方から容器50に熱を加えることによって、容器50内の試料の温度を一定に保つ。
排出管80は、容器50の最上部に設けられた排出口55に接続されており、容器50からオーバーフローした試料の上澄み液を外部に排出する。
検出フィルタ210は、排出管80から排出された試料の上澄み液を濾過することによって、上澄み液に含まれる回収対象の成分を回収する。検出フィルタ210を通過した上澄み液は、上澄み液リザーバ215によって回収される。検出フィルタ210は、回収対象のマイクロプラスチックをトラップできる大きさの網目を有するメッシュである。たとえば、検出フィルタ210(メッシュ)は、SUS製の金網またはPTFE製のメンブレンフィルタである。マイクロプラスチックを回収対象とする場合、検出フィルタ210(メッシュ)の網目の大きさは、0.1~5.0mmの粒子を通さない大きさが必要であり、約0.1mmが好ましい。
制御装置500は、汎用コンピュータで実現されてもよいし、精製器100を制御するための専用コンピュータで実現されてもよい。また、制御装置500の一部あるいはすべてを、専用のハードウェア回路として構築してもよい。制御装置500は、精製器100における、ポンプ31~33、電磁弁41~43、およびスターラ71を制御する。
[2.ハードウェア構成]
図2を参照しながら、実施の形態に係る精製装置1のハードウェア構成を説明する。図2は、実施の形態に係る精製装置1のハードウェア構成を説明するための図である。図2に示すように、制御装置500は、主なハードウェア要素として、演算装置501と、メモリ502と、通信装置503と、表示装置504と、入力装置505と、データ読取装置506と、ストレージ510とを備える。
演算装置501は、ストレージ510に記憶されたプログラム(たとえば、制御プログラム511およびOS(Operating System)513)を読み出し、読み出したプログラムをメモリ502に展開して実行するコンピュータである。たとえば、演算装置501は、制御プログラム511を実行することによって、精製器100を制御するための精製処理(図3で後述する)を実行する。演算装置501は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはMPU(Multi Processing Unit)などで構成される。なお、演算装置501は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されてもよい。
メモリ502は、演算装置501が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ502は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、あるいは、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。
通信装置503は、ネットワーク(図示せず)を介して、他の装置との間でデータを送受信する。通信装置503は、たとえば、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの任意の通信方式に対応する。
表示装置504は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、プログラムの設計画面および異常時のアラート画面などを表示する。
入力装置505は、たとえば、キーボードまたはマウスなどで構成され、プログラムの設計時に、ユーザによって設計情報などの入力に用いられる。入力装置505は、演算装置501による精製処理の実行を開始するためのスタートスイッチを含んでいてもよい。
データ読取装置506は、記録媒体507に格納されているデータを読み出す。記録媒体507は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、またはUSB(Universal Serial Bus)メモリなど、各種のデータを記録することができるものであれば他の構成であってもよい。
ストレージ510は、精製処理などに必要な各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ510は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリデバイスで構成される。ストレージ510は、制御プログラム511と、制御用データ512と、OS513とを格納する。
制御プログラム511は、精製処理の内容が記述されたプログラムであり、演算装置501によって実行される。制御プログラム511は、入力装置505を用いてユーザによって設計されてもよいし、データ読取装置506によって記録媒体507から読み取られてもよいし、通信装置503によってサーバなどの他の装置からネットワークを介して取得されてもよい。
制御用データ512は、演算装置501が制御プログラム511を実行する際に用いるデータである。たとえば、制御用データ512は、ポンプ31~33、電磁弁41~43、およびスターラ71を制御するための設定値などのデータを含む。制御用データ512は、入力装置505を用いてユーザによって入力されてもよいし、データ読取装置506によって記録媒体507から読み取られてもよいし、通信装置503によってサーバなどの他の装置からネットワークを介して取得されてもよい。
OS513は、演算装置501によって各種の処理を実行するための基本的な機能を提供する。
[3.試料の精製処理]
次に、図3を参照しながら、試料の精製処理を説明する。図3は、精製装置1が実行する精製処理のフローチャートである。図3に示す各ステップは、制御装置500の演算装置501が、OS513および制御プログラム511を実行することによって実現される。なお、図中において、「S」は「STEP」の略称として用いられる。
準備として、ユーザは、精製装置1の容器50に試料を導入する。たとえば、ユーザは、図示しない導入口から、容器50内に試料を投入する。その後、ユーザは、制御装置500の入力装置505を用いて開始操作を行うことによって、制御装置500による精製器100の制御を開始する。
制御装置500による精製器100の制御が開始すると、図3に示すように、制御装置500は、ポンプ33および電磁弁43を制御することによって、配管20~23およびポート63,64を介して、容器50内の廃液を廃液リザーバ150に排出する(S1)。なお、試料に含まれる回収対象となるマイクロプラスチックなどは、ポート63,64の内部に設けられたフィルタによって外部に排出されず、容器50内に残る。
次に、制御装置500は、分解液を用いた分解処理を行なう(S2)。S2の詳細については、図5~図7で後述する。
次に、制御装置500は、排出側のポンプ33を停止し、ポンプ31および電磁弁41を制御することによって、配管17,12,13およびポート61を介して、リンス液リザーバ130内のリンス液を容器50に導入し、容器50内を洗浄する(S3)。このとき、制御装置500は、ポンプ31の吸込量を制御することによって、ユーザによって予め設定された量のリンス液を容器50に導入する。
次に、制御装置500は、ポンプ33および電磁弁43を制御することによって、配管20~23およびポート63,64を介して、リンス液が導入された後の容器50内の廃液を廃液リザーバ150に排出する(S4)。これにより、リンス液によって容器50内が洗浄される。なお、試料に含まれる回収対象となるマイクロプラスチックなどは、ポート63,64の内部に設けられたフィルタによって外部に排出されず、容器50内に残る。なお、その後、制御装置500は、所定期間(たとえば、1日間)に亘って試料をそのまま放置することによって試料を乾燥させてもよい。
次に、制御装置500は、ポンプ32および電磁弁42を制御することによって、配管14~16およびポート62を介して、重液リザーバ120の重液を容器50に導入する(S5)。このとき、制御装置500は、ポンプ32の吸込量を制御することによって、ユーザによって予め設定された量の重液を容器50に導入する。
その後、制御装置500は、所定期間(たとえば、1~3時間)に亘って試料をそのまま放置する(S6)。このようにして重液が容器50内の試料に導入されて放置されると、試料に含まれる無機夾雑物が比重差によって容器50の底付近に沈降する。
次に、制御装置500は、再びポンプ32および電磁弁42を制御することによって、配管14~16およびポート62を介して、重液リザーバ120の重液を容器50に再び導入する(S7)。このとき、制御装置500は、ポンプ32の吸込量を制御することによって、ユーザによって予め設定された量の重液を容器50に導入する。このようにして重液が容器50内の試料に再び導入されると、比重分離された試料の液面が容器50内を徐々に上昇し、やがて試料の上澄み液が容器50の排出口55に到達する。そして、試料の上澄み液は、排出口55および排出管80を介して外部に排出される。
排出管80を介して排出された試料の上澄み液は、検出フィルタ210によって濾過され、廃液のみが上澄み液リザーバ215によって回収される。検出フィルタ210には、重液よりも比重の軽い成分であるマイクロプラスチックが残る。
試料の精製によってマイクロプラスチックが回収された後、制御装置500は、後処理として容器50を洗浄する。具体的には、制御装置500は、ポンプ33および電磁弁43を制御することによって、配管19~22およびポート63,64を介して、マイクロプラスチックが回収された後の容器50内の廃液を廃液リザーバ140に排出する(S8)。
次に、制御装置500は、排出側のポンプ33を停止し、ポンプ32および電磁弁42を制御することによって、配管18,15,16およびポート62を介して、リンス液リザーバ130内のリンス液を容器50に導入し、容器50内を洗浄する(S9)。このとき、制御装置500は、ポンプ32の吸込量を制御することによって、ユーザによって予め設定された量のリンス液を容器50に導入する。
次に、制御装置500は、ポンプ33および電磁弁43を制御することによって、配管19~22およびポート63,64を介して、リンス液が導入された後の容器50内の廃液を廃液リザーバ140に排出する(S10)。これにより、リンス液によって容器50内が洗浄される。
[4.比較例における分解処理]
図4は、比較例における分解処理のフローチャートである。図4に示す各ステップは、図3に示す精製処理において、S2に代わって行なわれる。換言すると、比較例の一実現例においては、図4のS101~S103は図3のS1の後に行なわれ、図4のS101~103を実施した後図3のS3~S10が行なわれる。
図4を参照して、制御装置500は、排出側のポンプ33を停止し、ポンプ31および電磁弁41を制御することによって、配管11~13およびポート61を介して、分解液リザーバ110内の分解液を容器50に導入する(S101)。
次に、制御装置500は、スターラ71を制御することによって、容器50に一定の熱を加えながら容器50内に設けられた撹拌子72を回転させて試料を撹拌する(S102)。容器50の温度と、撹拌子72の回転速度および回転時間は、ユーザによって予め設定されている。このようにして試料が撹拌されることによって、酸化剤による酸化処理が行われ、試料に含まれる有機夾雑物が分解される。なお、試料の撹拌時においては、必ずしも加熱は必要ないが、加熱によって試料の温度を一定温度に保つことによって酸化処理による分解が促進し易くなる。
次に、制御装置500は、ポンプ33および電磁弁43を制御することによって、配管20~23およびポート63,64を介して、有機夾雑物が分解された後の試料に含まれる容器50内の廃液を廃液リザーバ150に排出する(S103)。なお、試料に含まれる回収対象となるマイクロプラスチックなどは、ポート63,64の内部に設けられたフィルタによって外部に排出されず、容器50内に残る。
図4に示した比較例における分解処理において、例えば、夾雑物を多く含む状態の試料に、高濃度の分解液を加えると、過剰反応による気泡が生じて、そののちの分解反応の妨げとなる可能性がある。この場合、結果的に試料中の夾雑物が分解しきれない可能性がある。また、逆に、過酸化水素水の濃度が低すぎると、分解の進行が遅すぎて、時間内に分解しきれない可能性もあった。そこで、本実施の形態に係る精製装置1においては、分解液を複数回導入し、後続の分解液ほど分解液中の分解物質の量が多くなるように制御する。これにより、試料中に夾雑物の量が多い先の導入時には、後続の導入より少ない分解物質で穏やかに反応を進めることができる。また、先の導入により、未分解の夾雑物が少なくなった状態での後続の導入時には、先の導入に比べ多量の分解物質により、残った夾雑物の分解を徹底できる。これにより、分解処理後の夾雑物の残留を低減することができる。
[5.本実施の形態における分解処理]
図5は、実施の形態における分解処理のフローチャートである。図5に示す各ステップは、制御装置500の演算装置501が、OS513および制御プログラム511を実行することによって実現される。
図5に示す各ステップは、図3のS2のサブルーチンに相当する。換言すると、演算装置501は、図3のS1の後に、図5のS21~26を実施し、その後図3のS3~S10を実施する。
図5を参照して、S21において、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1量の分解物質を導入する。以下、この導入を第1導入と称する。
S22において、演算装置501は、スターラ71を制御することによって、容器50に一定の熱を加えながら容器50内に設けられた撹拌子72を回転させて試料を撹拌する。容器50の温度と、撹拌子72の回転速度および回転時間は、ユーザによって予め設定されている。このようにして試料が撹拌されることによって、酸化剤による酸化処理が行われ、試料に含まれる有機夾雑物が分解される。なお、試料の撹拌時においては、必ずしも加熱は必要ないが、加熱によって試料の温度を一定温度に保つことによって酸化処理による分解が促進し易くなる。
S23において、演算装置501は、ポンプ33および電磁弁43を制御して、容器50から分解液を排出する。
S24において、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1量より多い第2量の分解物質を導入する。以下、この導入を第2導入と称する。
S25において、演算装置501は、スターラ71を制御することによって、容器50に一定の熱を加えながら容器50内に設けられた撹拌子72を回転させて試料を撹拌する。容器50の温度、ならびに、撹拌子72の回転速度および回転時間は、たとえば、S22におけるそれらの設定値と同じであるが、異なってもよい。
S26において、演算装置501は、ポンプ33および電磁弁43を制御して、容器50から分解液を排出する。
図5で示した処理によれば、第1導入において、試料中の夾雑物と過剰反応を起こさないように第2量より少ない量である第1量の分解物質を導入し、穏やかに反応を進めることができる。そして、夾雑物が減少した状態で、第2導入において、第1量より多い第2量の分解物質を導入することで、残った夾雑物を確実に分解することができる。これにより、分解処理の後に、残留する夾雑物の量を低減することができる。
また、導入は2回に限定されず、3回以上行なわれてもよい。例えば、第1導入の前、第1導入と第2導入との間および第2導入の後の少なくとも1つに、1回以上の分解液の導入を行なってもよい。その場合も、演算装置501は、先の導入に比べ後続の導入時に導入される分解物質が多くなるように制御する。
また、図5に示したように、分解液を導入後、所定期間分解処理を行なったのちには、当該分解液を容器50から排出してから、次の導入を行なうことが望ましい。これは、次の導入時に導入された分解液が、先の導入時に導入された分解液で希釈されることを防ぐためである。また、先の導入により分解処理された夾雑物を排出することで、これらの分解処理された夾雑物が次の導入時の分解反応の妨げになることを抑止できる。しかし、次の導入時に導入される分解液中の分解物質が比較的多く、先の導入時の分解液で希釈されたり、分解処理された夾雑物がある状態であっても、先の導入時の分解液より分解能力が高い状態を保つのであれば、必ずしも次の導入前の分解液の排出は必須ではない。
これら複数回の導入における分解液中の分解物質の量は、たとえば、分解液の量および/または濃度で制御される。次に、分解液の量および濃度の制御について説明する。
(5-1.実施の形態1)
まず、分解液の量の制御により、分解物質の量を制御する方法を説明する。図6は、実施の形態1における分解処理のフローチャートである。図6においては、図5のS21,S24が、S21A,S24Aに変更されている。図6のS21A,S24Aは、図5のS21,S24の一実現例である。図6の他のステップについては、図5の他のステップに相当するので、説明は省略する。S21A,S24Aは、制御装置500の演算装置501が、OS513および制御プログラム511を実行することによって実現される。
S21Aにおいて、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1液量の分解液を第1導入する。具体的には、演算装置501は、ポンプ31を、第1液量に相当する所定の回転数および所定の回転時間回転させるように制御する。また、演算装置501は、電磁弁41の開度を所定の開度になるように制御する。一実現例では、演算装置501は、電磁弁41の開度を、分解液リザーバ110の分解液のみが容器50に導入されるように制御する。第1液量の分解液中の分解物質は、第1量に相当する。
S24Aにおいて、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1液量より多い第2液量の分解液を第2導入する。第2導入時に導入される分解液の濃度は、第1導入時に導入される分解液の濃度と同じに制御される。このように構成すると、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量は多い。
具体的には、S24Aにおいて、演算装置501は、ポンプ31を、第2液量に相当する所定の回転数および所定の回転時間回転させるように制御する。また、演算装置501は、電磁弁41の開度をS21Aにおける所定の開度と同じになるように制御する。第2液量の分解液中の分解物質の量は、第2量に相当する。
このように、演算装置501は、ポンプ31の制御により、分解液リザーバ110から容器50に導入される分解液の量を制御することで、分解物質の量を制御できる。
S21A,S24Aにおいて、演算装置501は、ポンプ31の回転数および回転時間を制御することで、導入する分解液の量を制御している。このような構成によると、容器50への分解液の導入の駆動力を提供するためのポンプ31を、導入する分解液の量の制御にも援用できる。すなわち、簡易な構成で導入する分解液の量の制御が可能である。
しかし、導入する分解液の量の制御はこれに限定されず、精製器100に当該量を検出するセンサ(図示せず)を設け、演算装置501はセンサの検出値に基づいて当該量を制御してもよい。当該センサは、たとえば、容器50内の液量を検出する液量センサ(たとえば重量センサおよび/または液面センサ)、容器50に導入される分解液の量を検出するセンサ(たとえば配管16に設けられる流量センサ)、および/または、分解液リザーバ110に残った分解液の量を検出する液量センサである。また、分解液の量の制御は、第1量および第2量の分解液をそれぞれ貯留する2つの分解液リザーバを準備し、第1導入においては、第1量の分解液を貯留する分解液リザーバの分解液を全て使用し、第2導入においては、第2量の分解液を貯留する分解液リザーバの分解液を全て使用する構成としてもよい。しかし、1つの分解液リザーバ110から容器50に導入される分解液の量を制御する方が、簡易な構成で容器50に導入される分解液の量を制御できる。
なお、第1導入時に導入される分解液の量より、第2導入時に導入される分解液の量が多くなるように制御することで、第1導入時の分解処理において液面付近であった容器内壁に試料の一部が付着した場合においても、第2導入時にはより液面が高くなるので、当該付着した試料についても分解処理を行なうことができる。
(5-2.実施の形態2)
次に、分解液の濃度の制御により、分解物質の量を制御する方法を説明する。図7は、実施の形態2における分解処理のフローチャートである。図7においては、図5のS21,S24が、S21B,S24Bに変更されている。図7のS21B,S24Bは、図5のS21,S24の一実現例である。図7の他のステップについては、図5の他のステップに相当するので、説明は省略する。S21B,S24Bは、制御装置500の演算装置501が、OS513および制御プログラム511を実行することによって実現される。
S21Bにおいて、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1濃度の分解液を第1導入する。具体的には、演算装置501は、ポンプ31を、所定の液量に相当する所定の回転数および所定の回転時間回転させるように制御する。また、演算装置501は、電磁弁41の開度を所定の開度になるように制御する。一実現例では、演算装置501は、電磁弁41の開度を、分解液の数倍のリンス液が電磁弁41に導入されるように制御する。これにより、リンス液により数倍希釈された分解液が容器50に導入される。第1濃度の分解液中の分解物質は、第1量に相当する。
S24Bにおいて、演算装置501は、ポンプ31および電磁弁41を制御して、容器50に第1濃度より濃い第2濃度の分解液を第2導入する。第2導入時に導入される分解液の液量は、第1導入時に導入される分解液の液量と同じに制御される。このように構成すると、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量は多い。
具体的には、S24Bにおいて、演算装置501は、ポンプ31を、第1導入時と同じ回転数および回転時間で回転させるように制御する。また、演算装置501は、電磁弁41の開度を、S21Bにおける所定の開度よりも、分解液の比率が高くなるように制御する。一実現例では、演算装置501は、電磁弁41の開度を、分解液リザーバ110の分解液のみが電磁弁41に導入されるように制御する。これにより、分解液の原液が容器50に導入される。第2液量の分解液中の分解物質の量は、第2量に相当する。
このように、演算装置501は、電磁弁41の制御により、容器50に導入される分解液の濃度を制御することで、分解物質の量を制御できる。
S21B,S24Bにおいて、演算装置501は、電磁弁41の開度を制御することで、当該開度に応じた希釈率で分解液をリンス液によって希釈し、分解液の濃度を制御している。このような構成によると、容器50を洗浄するためのリンス液を、分解液の濃度の制御にも援用できる。また、容器50に分解液を導入するか、リンス液を導入するかを切り替えるための電磁弁41を、容器50に導入する分解液の濃度の制御にも援用できる。すなわち、簡易な構成で分解液の濃度の制御が可能である。
しかし、分解液の濃度の制御はこれに限定されず、たとえば、第1濃度および第2濃度の分解液をそれぞれ貯留する2つの分解液リザーバを準備し、第1導入においては、第1濃度の分解液を貯留する分解液リザーバの分解液を使用し、第2導入においては、第2濃度の分解液を貯留する分解液リザーバの分解液を使用する構成としてもよい。
また、容器50に分解液リザーバ110と接続される配管と独立に、リンス液リザーバ130と接続される配管を設け、容器50内に分解液とリンス液との各々が導入され、容器50内で混合される構成としてもよい。しかし、電磁弁41において分解液とリンス液とが混合される構成の方が、分解液が試料に加えられる時点でその濃度が概ね均一であると考えられる点で優れている。
図6および図7で示したように、精製装置1は、分解液の量または濃度を制御することで、第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より、第2導入時に導入される分解液中の分解物質の量が多くなるように制御する。これにより、夾雑物が多い第1導入では穏やかに分解処理を行ない、夾雑物が少ない第2導入では確実に分解処理を完了することができる。よって、分解液による分解後における試料中の夾雑物の残留を低減することができる。
当然ながら、精製装置1は、第2導入時に、容器50に導入される分解液の量および濃度の両方を変更することで、第1導入時に比べて、分解液中の分解物質の量が多くなるように制御してもよい。
[6.変形例]
変形例においては、以上の実施の形態で説明した分解液による分解処理の前に、容器50に収容される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つに基づいて、第1導入および第2導入の各々において導入する分解物質の量を決定する処理を行なう。
図8は、変形例に係る精製装置を模式的に示す図である。図8の精製装置1Aの精製器100Aは、図1の精製装置1の精製器100の構成に加え、重量センサ95を含む。
重量センサ95は、容器内に収容される物質の重量を検出するセンサである。重量センサ95の検出値は、制御装置500に送信される。制御装置500が、当該検出値を受信して行なう処理を図9で説明する。
図9は、変形例における分解処理のフローチャートである。図9のフローチャートは、図5のフローチャートのS21の前に、S17~S20が追加されたものである。S17~S20は、制御装置500の演算装置501が、OS513および制御プログラム511を実行することによって実現される。
S17において、演算装置501は、重量センサ95の検出値を受信し、記憶する。
S18において、演算装置501は、検出値に基づき、試料の量および/または夾雑物の量を算出する。一実現例においては、制御装置500において、試料中の夾雑物の割合が記録媒体507に格納されている。演算装置501は、まず、検出値に基づいて試料の量を算出する。そして、演算装置501は、算出した試料の量に対し、夾雑物の割合を算することで、夾雑物の量を算出する。
S19において、演算装置501は、試料の量および/または夾雑物の量に基づいて、第1導入および第2導入の各々で導入する分解物質の量を決定する。一実現例としては、制御装置500において、「試料および/または夾雑物の量」と、「第1導入および第2導入の各々で導入することが好ましい分解物質の量」との関係を示すデータが記録媒体507に格納されている。当該関係を示すデータは、たとえば、数式、グラフまたは表の形式で格納される。演算装置501は、当該関係を示すデータにおいて、算出した「試料の量および/または夾雑物の量」に対応する「第1導入および第2導入の各々で導入することが好ましい分解物質の量」を読み出す。そして、制御装置500は、「第1導入および第2導入の各々で導入することが好ましい分解物質の量」を、第1導入および第2導入の各々で導入する分解物質の量として決定する。
S20において、演算装置501は、第1導入および第2導入の各々で導入する分解物質の量に基づいて、第1導入および第2導入の各々のポンプ31および電磁弁41の制御を決定する。一実現例において、演算装置501は、第1導入および第2導入の各々で導入する分解物質の量に基づいて、第1導入および第2導入の各々で導入する分解液の量と濃度とを決定する。そして、演算装置501は、第1導入および第2導入の各々で導入する分解液の量と濃度とを実現する、ポンプ31の回転数および回転時間、ならびに、電磁弁41の開度を決定する。
なお、容器に収容される試料の量を検出するセンサは、試料中の夾雑物の量を検出するセンサであってもよい。これらのセンサは、重量センサ95に限定されず、たとえば、容器50に設けられた液面センサ(図示せず)であってもよい。また、容器50に設けられた濃度センサまたは濁度センサ(図示せず)等、他のセンサを組み合わせて利用してもよい。
また、容器50に収容される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを検出するセンサは精製装置1Aの外部に含まれ、精製装置1Aで当該センサの検出値を取得して、S18以降の処理を行なってもよい。より具体的な例としては、ユーザが自ら精製装置1Aの外部のセンサを用いて、試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを測定し、測定値を精製装置1Aに入力することも可能である。しかし、精製装置1Aに容器50に収容される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを自動で検出するセンサを備える構成の方が、検出値の取得の手間が省ける点で優れている。
このように、変形例に係る精製装置1Aは、センサにより、容器50に導入される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを検出できる。そして、精製装置1Aは、当該試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つに基づいて、第1導入および第2導入の各々において導入する分解物質の量を決定することができる。これにより、ユーザにおいて、試料の量および試料中の夾雑物の量に基づいて、第1導入および第2導入の各々において導入する分解物質の量を手動で算出する手間が省ける。よって、ユーザにとって、精製装置1を用いて、分解液による分解を適切に完了させ、混合試料中の夾雑物の残留を低減させることがより容易になる。
なお、図3において説明したように、精製装置1,1Aにおいては、容器50における分解処理の最後のステップ(図5~図7のS26)において分解液が排出されたのち、容器50が自動で洗浄され、そののち重液が容器50に自動で導入され、試料の比重分離が行なわれる。精製装置1,1Aにおいては、実施の形態および変形例における分解処理により、夾雑物の残留が低減されているので、残留した夾雑物が比重分離処理以降の処理を阻害する可能性も低減される。分解処理を確実に行なうことで、その後の分析誤差を低減させ、余分な夾雑物を分析する手間が省ける。すなわち、精製装置1,1Aにおける精製処理全体の効率が向上する。
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る精製装置は、試料を精製する精製装置であって、容器と、制御装置とを備える。容器には、試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される。制御装置は、容器に対し、複数回の分解液の導入を行うように制御する。複数回の分解液の導入は、第1導入と、後続の第2導入を含む。第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より、第2導入時に導入される分解液中の分解物質の量が多い。
第1項に記載の精製装置によれば、容器に対して第1導入と後続の第2導入を含む複数回の分解液の導入が行なわれ、後の導入ほど分解液中に含まれる分解物質の量が多くなる。これにより、試料中に未分解の夾雑物が多く含まれている第1導入においては、比較的少ない量の分解物質により、穏やかに分解を行なうことができる。そして、未分解の夾雑物が少なくなった状態で、第1導入より多量の分解物質を加えることで、残った夾雑物を確実に分解することができる。したがって、分解液による分解を適切に完了し、混合試料中の夾雑物の残留を低減することができる。
(第2項)第1項に記載の精製装置において、制御装置は、第1導入後、所定期間分解処理を行なったのち、分解液を容器から排出してから、第2導入を行なうように制御する。
第2項に記載の精製装置によれば、第2導入時に導入された分解液が、第1導入時に導入された分解液で希釈されることを防ぐことができる。また、第1導入により分解処理された夾雑物を排出することで、これらの分解処理された夾雑物が次の導入時の分解反応の妨げになることを抑止できる。
(第3項)第1または2項に記載の精製装置は、制御装置は、第1導入時に導入される分解液の量より、第2導入時に導入される分解液の量が多くなるように制御することで、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量が多くなるように制御する。
第3項に記載の精製装置によれば、分解液の量を制御することにより、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量を多くすることが可能である。
(第4項)第3項に記載の精製装置は、容器に導入される分解液を貯留するための分解液リザーバをさらに備える。制御装置は、分解液リザーバから容器に導入される分解液の量を、第1導入時より、第2導入時に多くなるように制御する。
第4項に記載の精製装置によれば、精製装置は、分解液リザーバから容器に導入される分解液の量を制御することにより、容器に導入される分解液の量を、第1導入時より、第2導入時に多くなるように制御する。これにより、簡易な構成で容器に導入される分解液の制御が可能である。
(第5項)第4項に記載の精製装置は、分解液リザーバから容器に分解液を導入するためのポンプをさらに備える。制御装置は、ポンプの回転数および回転時間を制御することにより、容器に導入される分解液の量を制御する。
第5項に記載の精製装置によれば、容器への分解液の導入の駆動力を提供するためのポンプを、導入する分解液の量の制御にも援用できる。すなわち、簡易な構成で導入する分解液の量の制御が可能である。
(第6項)第1~5項のいずれか1項に記載の精製装置において制御装置は、第1導入時に導入される分解液の濃度より、第2導入時に導入される分解液の濃度を濃くするように制御することで、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量が多くなるように制御する。
第6項に記載の精製装置によれば、分解液の濃度を制御することで、第1導入時に導入される分解物質の量より、第2導入時に導入される分解物質の量を多くすることが可能である。
(第7項)第6項に記載の精製装置は、容器内部をリンスするためのリンス液を導入するためのリンス液リザーバをさらに備える。制御装置は、分解液とリンス液リザーバから導入されるリンス液とを所定の比率で混合することにより、容器に導入される分解液の濃度を制御する。
第7項に記載の精製装置によれば、容器を洗浄するためのリンス液を、分解液の濃度の制御にも援用できる。すなわち、簡易な構成で分解液の濃度の制御が可能である。
(第8項)第7項に記載の精製装置は、開度を制御することで、混合する比率が制御できる調節弁をさらに備える。制御装置は、開度を制御することにより、混合する比率を制御する。
第8項に記載の精製装置によれば、調節弁を制御することにより、容器に導入する分解液の濃度を制御できる。また、容器に分解液を導入するか、リンス液を導入するかを切り替えるための調節弁を、容器に導入する分解液の濃度の制御にも援用できる。すなわち、簡易な構成で分解液の濃度の制御が可能である。
(第9項)第1~8項のいずれか1項に記載の精製装置において、制御装置は、容器に導入される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つに基づいて、第1導入および第2導入の各々において導入する分解物質の量を決定する。
第9項に記載の精製装置によれば、ユーザにおいて、試料の量および試料中の夾雑物の量に基づいて、第1導入および第2導入の各々において導入する分解物質の量を手動で算出する手間が省ける。よって、ユーザにとって、精製装置を用いて、分解液による分解を適切に完了させ、混合試料中の夾雑物の残留を低減させることがより容易になる。
(第10項)第9項に記載の精製装置は、容器に導入される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを検出するセンサをさらに備える。
第10項に記載の精製装置によれば、ユーザが自ら精製装置の外部のセンサを用いて、試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを測定し、測定値を精製装置に入力する場合に比べ、検出値の取得の手間が省ける。
(第11項)第1~10項のいずれか1項に記載の精製装置は、分解液による夾雑物の分解の完了後、重液による比重分離により試料を分離して精製する。
第11項に記載の精製装置によれば、精製装置は、比重分離を用いた精製装置にも適用できる。また、容器における分解処理後において、分解液の排出後に試料を比重分離用の別の容器に移し替えるというステップが必要ない。また、分解処理において、夾雑物の残留が低減されているので、残留した夾雑物が比重分離処理以降の処理を阻害する可能性も低減される。分解処理を確実に行なうことで、その後の分析誤差を低減させ、余分な夾雑物を分析する手間が省ける。すなわち、精製処理全体の効率が向上する。
(第12項)他の態様に係る制御方法は、試料を精製する精製装置において、制御装置によって実行される制御方法である。精製装置は、容器と、制御装置とを備える。容器には、試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される。制御装置は、容器に対し、第1導入と第2導入を含む複数回の分解液の導入を行なうように制御する。制御方法は、第1導入を行なうステップと、第2導入を行なうステップとを備える。第2導入を行なうステップにおいて、第2導入される分解液中の分解物質の量は、第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より多い。
第12項に記載の制御方法によれば、容器に対して第1導入と後続の第2導入を含む複数回の分解液の導入が行なわれ、後の導入ほど分解液中に含まれる分解物質の量が多くなる。これにより、試料中に未分解の夾雑物が多く含まれている第1導入においては、比較的少ない量の分解物質により、穏やかに分解を行なうことができる。そして、未分解の夾雑物が少なくなった状態で、第1導入より多量の分解物質を加えることで、残った夾雑物を確実に分解することができる。したがって、分解液による分解を適切に完了し、混合試料中の夾雑物の残留を低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 精製装置、11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23 配管、31,32,33 ポンプ、41,42,43 電磁弁、50 容器、55 排出口、61,62,63,64 ポート、71 スターラ、72 撹拌子、80 排出管、95 重量センサ、100,100A 精製器、110 分解液リザーバ、120 重液リザーバ、130 リンス液リザーバ、140,150 廃液リザーバ、210 検出フィルタ、215 上澄み液リザーバ、500 制御装置、501 演算装置、502 メモリ、503 通信装置、504 表示装置、505 入力装置、506 データ読取装置、507 記録媒体、510 ストレージ、511 制御プログラム、512 制御用データ。

Claims (12)

  1. 試料を精製する精製装置であって、
    試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される容器と、
    分解液の導入を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記容器に対し、複数回の分解液の導入を行うように制御し、
    前記複数回の分解液の導入は、第1導入と、後続の第2導入を含み、
    前記第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より、前記第2導入時に導入される分解液中の分解物質の量が多い、精製装置。
  2. 前記制御装置は、前記第1導入後、所定期間分解処理を行なったのち、分解液を前記容器から排出してから、前記第2導入を行なうように制御する、請求項1に記載の精製装置。
  3. 前記制御装置は、前記第1導入時に導入される分解液の量より、前記第2導入時に導入される分解液の量が多くなるように制御することで、前記第1導入時に導入される分解物質の量より、前記第2導入時に導入される分解物質の量が多くなるように制御する、請求項1に記載の精製装置。
  4. 前記容器に導入される分解液を貯留するための分解液リザーバをさらに備え、
    前記制御装置は、前記分解液リザーバから前記容器に導入される分解液の量を、前記第1導入時より、前記第2導入時に多くなるように制御する、請求項3に記載の精製装置。
  5. 前記分解液リザーバから前記容器に分解液を導入するためのポンプをさらに備え、
    前記制御装置は、前記ポンプの回転数および回転時間を制御することにより、前記容器に導入される分解液の量を制御する、請求項4に記載の精製装置。
  6. 前記制御装置は、前記第1導入時に導入される分解液の濃度より、前記第2導入時に導入される分解液の濃度を濃くするように制御することで、前記第1導入時に導入される分解物質の量より、前記第2導入時に導入される分解物質の量が多くなるように制御する、請求項1に記載の精製装置。
  7. 前記容器内部をリンスするためのリンス液を導入するためのリンス液リザーバをさらに備え、
    前記制御装置は、分解液と前記リンス液リザーバから導入されるリンス液とを所定の比率で混合することにより、前記容器に導入される分解液の濃度を制御する、請求項6に記載の精製装置。
  8. 開度を制御することで、前記混合する比率が制御できる調節弁をさらに備え、
    前記制御装置は、前記開度を制御することにより、前記混合する比率を制御する、請求項7に記載の精製装置。
  9. 前記制御装置は、容器に導入される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つに基づいて、前記第1導入および前記第2導入の各々において導入する分解物質の量を決定する、請求項1に記載の精製装置。
  10. 前記容器に導入される試料の量および試料中の夾雑物の量の少なくとも1つを検出するセンサをさらに備える、請求項9に記載の精製装置。
  11. 前記精製装置は、分解液による夾雑物の分解の完了後、前記容器に重液を導入し、重液による比重分離により試料を分離して精製する、請求項1に記載の精製装置。
  12. 試料が収容され、試料中の夾雑物を分解するための分解物質を含む分解液が導入される容器と、
    分解液の導入を制御する制御装置とを備える、試料を精製する精製装置において、制御装置によって実行される制御方法であって、
    前記制御装置は、前記容器に対し、第1導入と第2導入を含む複数回の分解液の導入を行なうように制御し、
    前記制御方法は、
    前記第1導入を行なうステップと、
    前記第2導入を行なうステップとを備え、
    前記第2導入を行なうステップにおいて、前記第2導入される分解液中の分解物質の量は、前記第1導入時に導入される分解液中の分解物質の量より多い、制御方法。
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