JP7652608B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 - Google Patents
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(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)無機フィラー、および、(E)シランカップリング剤を含み、
前記(D)無機フィラーの配合量が固形分全量中で35質量%未満であり、
前記(E)シランカップリング剤がイミダゾール骨格を有することを特徴とするものである。
(式中、R1は水素原子又は炭素数が1~20のアルキル基を表し、R2は水素原子、ビニル基又は炭素数が1~5のアルキル基を表し、R3は炭素数が1~3のアルキル基を表し、R4は炭素数が1~3のアルキル基を表し、nは1~3の整数を表す。)
(A)カルボキシル基含有樹脂としては、分子中にカルボキシル基を有している従来公知の各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性や耐現像性の面から好ましい。エチレン性不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタクリル酸又はそれらの誘導体由来であることが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、後述する分子中に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物、即ち光反応性モノマーを併用する必要がある。(A)カルボキシル基含有樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下のような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
(14)N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等のマレイミドまたはマレイミド誘導体と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する不飽和基含有化合物と、スチレン、α-メチルスチレン、α-クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香環を有する不飽和基含有化合物とを単量体とするカルボキシル基含有共重合樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレート、α-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる、共重合構造を有するカルボキシル基含有感光性樹脂。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂を含む。
(式中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す)で示される構造を有する2官能エポキシ樹脂を好適に用いることができる。融点60~120℃の結晶性のエポキシ樹脂の市販品としては、三菱ケミカル社製のYX-4000、YX-4000H、YL-6121HA、新日鉄住金化学社製のYSLV-70XY、YSLV-80XYなどを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光重合開始剤を含む。(C)光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもでき、例えば、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(IGM Resins社製Omnirad(オムニラッド)819)等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2-メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(IGM Resins社製Omnirad(オムニラッド)TPO)等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p-メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p-ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(2-(1-ピル-1-イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2-ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。(C)光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもモノアシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類が好ましく、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)無機フィラーを含む。(D)無機フィラーの配合量は、組成物の固形分全量中で35質量%未満である。(D)無機フィラーとしては、特に限定されず、公知慣用の無機フィラー、例えば、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機フィラーを用いることができる。(D)無機フィラーとして、シリカを含むことが好ましい。シリカとしては、溶融シリカ、球状シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカなどが挙げられるが、球状シリカであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)イミダゾール骨格を有するシランカップリング剤(以下、「(E)シランカップリング剤」とも略記する)を含む。(E)シランカップリング剤は、イミダゾール環を有するシランカップリング剤であれば特に限定されず、イミダゾール環とアルコキシリル基を有するシランカップリング剤の例としては、下記式(1)または(2)で表されるシランカップリング剤が挙げられる。
具体的には、式(3)、式(4)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、光重合性オリゴマーや、光重合性ビニルモノマーといった、エチレン性不飽和基を有する化合物を含んでいてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-ジメチルアミノピリジン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS-トリアジン誘導体を用いることもできる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、エラストマーを含むことが好ましい。エラストマーを含むことにより、弾性率を低くすることができるので、硬化時の応力を緩和し、クラック耐性をより向上させることができる。エラストマーとしては、公知のエラストマーを用いることができ、例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、シリコーン系エラストマー等を用いることができる。また、種々の骨格を有するエポキシ樹脂の一部又は全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン-アクリロニトリルゴムで変性した樹脂なども使用することができる。更にはエポキシ含有ポリブタジエン系エラストマー、アクリル含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有イソプレン系エラストマー、ブロック共重合体等も使用することができる。例えば商品名としては、R-45HT、Polybd HTP-9(以上、出光興産社製)、エポリード PB3600(ダイセル化学工業社製)、デナレックスR-45EPT(ナガセケムテックス社製)、タフセレン(住友化学社製)、Ricon130等のRiconシリーズ(クレイバレー社製)、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、ペルプレン(東洋紡社製)、エスペル1612、1620(日立化成社製)等が挙げられる。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種類以上を併用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白等の公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。有機溶剤は、1種を単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、(E)シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、光開始助剤、増感剤、熱可塑性樹脂、有機フィラー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
なお、本発明の感光性樹脂組成物が、光塩基発生剤を含む場合、露光後現像前に加熱することが好ましく、露光後現像前の加熱条件としては、例えば、60~150℃で1~60分加熱することが好ましい。
(カルボキシル基含有樹脂A-1)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製EPICLON N-695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6)1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。
次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に、芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、テトラヒドロ無水フタル酸456.0g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却し、感光性のカルボキシル基含有樹脂A-1の溶液を得た。このようにして得られた樹脂溶液の固形分は65%、固形分の酸価は89mgKOH/gであった。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A-1と称す。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(アイカ工業社製、ショウノールCRG-951OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125~132℃、0~4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、固形分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95~101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形分の酸価87.7mgKOH/gの感光性のカルボキシル基含有樹脂A-2の溶液を得た。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A-2と称す。
(シリカスラリーの調製)
球状シリカ粒子(デンカ株式会社製SFP-20M、平均粒径:400nm)70gと、溶剤としてPMA28gと、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM-503)2gとを均一分散させて、メタクリルシランで表面処理されたシリカスラリーを得た。
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製B-30)70gと、溶剤としてCA(カルビトールアセテート)28gと、分散剤(ビックケミー社製DISPERBYK-111)2gとを均一分散させて、硫酸バリウムスラリーを得た。
上記の樹脂溶液(ワニス)と、表1中に示す種々の成分を、表1中に示す割合(質量部)にて配合し、ビーズミルにて分散可能な粘度まで有機溶剤にて希釈し攪拌機にて予備混合した後、ビーズミルで混練し、感光性樹脂組成物を分散した。得られた分散液を目開き10μmの濾過フィルターを通し感光性樹脂組成物を得た。
上記のようにして得られた感光性樹脂組成物にメチルエチルケトン300gを加えて希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(キャリアフィルム:三菱ケミカル社製T100)上に塗布し、通常、80℃の温度で15分間乾燥し、厚さ20μmの樹脂層を形成した。次いで、樹脂層上に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(カバーフィルム:フタムラ社製OPP-FOA)を貼り合わせて、ドライフィルムを作製した。
BT基板に上記ドライフィルムを真空ラミネーターを用いて加熱ラミネートした。得られた積層体を全面露光しPETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2CO3水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行った。現像後、UVコンベアで積算光量1000mJ/cm2で光照射し、160℃の乾燥炉で60分間熱硬化させて、レジスト膜を形成し、評価基板を得た。
得られた評価基板をプラズマ(ガス:O2、出力:300W、真空度:200mTorr)処理した後、アンダーフィル0.2gを滴下して165℃で2時間硬化した。デジタルマイクロスコープ(VHX-6000、KEYENCE社製)を用いて、ブリード部を測長した。アンダーフィルはU8410-302(ナミックス社製)を使用し、n=6で平均値から評価した。
◎:ブリード量が500μm以下。
〇:ブリード量が500μmより多く600μm以下。
△:ブリード量が600μmより多く700μm以下。
×:ブリード量が700μmより多い。
得られた評価基板をプラズマ(ガス:O2、出力:300W、真空度:200mTorr)にて処理を行った。アンダーフィルを0.2g滴下した上に5mm角で事前にプラズマ処理(ガス:O2、出力:600W、真空度:100mTorr)したシリコンチップをのせ165℃で2時間硬化した。ボンドテスター(4000 Plus/Optima Nordson社製)を用いて、500μm/s、室温下でダイシェア試験を実施した。
◎:アンダーフィルとソルダーレジスト間で剥離が起こらず、シェア強度が100N以上。
○:アンダーフィルとソルダーレジスト間で剥離が起こらず、シェア強度が80N以上100Nより弱い。
△:アンダーフィルとソルダーレジスト間で剥離が起こらず、シェア強度が80Nより弱い。
×:アンダーフィルとソルダーレジスト間で剥離が発生する。
上記で調製した感光性樹脂組成物のインキ粘度をコーンプレート型粘度計を用い、温度25℃で測定した。回転数5rpmにおいて得られる粘度から下記の通り評価した。
◎:粘度が40mPa・s以下。
〇:粘度が40mPa・sより高く100mPa・s以下。
×:粘度が100mPa・sより高い。
CZ処理した銅めっき基板に上記手法で作製したドライフィルムを真空ラミネーターを用いて加熱ラミネートした。この基板を投影露光機を用いてステップタブレット(Photec 41段)を介して露光した後PETフィルムを剥離し、30℃の1wt%Na2CO3水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行った。この基板をUVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cm2の条件で紫外線照射した後、160℃で60分間加熱硬化した。得られた硬化膜のうちステップタブレットで8段の感度を示す時の、マスクデザインの開口部をSEMにより観測し、ハレーション、アンダーカットの発生がないかを確認し、評価を行った。判定基準は以下の通りである。
◎:50μmにて良好な開口径。
×:50μmにて良好な開口径がえられなかった。
得られた評価基板をプラズマ(ガス:O2、出力:300W、真空度:200mTorr)処理した後、アンダーフィル0.2gを滴下して、165℃で2時間硬化した。デジタルマイクロスコープ(VHX-6000 KEYENCE社製)を用いて、アンダーフィル部の面積を測長した。アンダーフィルはU8410-302(ナミックス社製)を使用しn=6で平均値から評価した。
◎:アンダーフィル部が1500mm2以上。
×:アンダーフィル部が1500mm2未満。
A-2:上記で合成したカルボキシル基含有樹脂A-2の溶液
*1:BASFジャパン社製イルガキュアOXE02(光重合開始剤、光塩基発生剤(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム))
*2:IGM Resins社製Omnirad TPO(光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド))
*3:三菱ケミカル社製YX-4000(上記一般式で示される構造を有するビフェニル型エポキシ樹脂(融点105℃の結晶性エポキシ樹脂))
*4:DIC社製N870-75EA(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
*5:上記シリカスラリーの調製1で調製したメタクリル表面処理したシリカスラリー
*6:上記バリウムスラリーの調製で調製したバリウムスラリー
*7:JX金属商事社製IS-1000(下記式で表されるイミダゾール骨格を有するシランカップリング剤)
*8:JX金属商事社製IM-1000(下記式で表されるイミダゾール骨格を有するシランカップリング剤)
*9:ダイセル社製エポリードPB3600
*10:日本化薬社製KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
*11:DICY(ジシアンジアミド)
Claims (7)
- (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)無機フィラー、および、(E)シランカップリング剤を含み、
固形分換算で、前記(B)エポキシ樹脂の全量に対し、融点60~120℃の結晶性エポキシ樹脂を20質量%以上含み、
前記(D)無機フィラーの配合量が固形分全量中で35質量%未満であり、
前記(E)シランカップリング剤がイミダゾール骨格を有することを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記(E)シランカップリング剤の配合量が固形分全量中で0.1~20質量%であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)シランカップリング剤が、2級水酸基を有しないことを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、または、請求項5記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項6記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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