以下、本発明に係る車両用前照灯の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する各実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
(第1実施形態)
本発明の第1の態様としての第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態の車両10を概念的に示す平面図である。車両10は、車両用前照灯20と、検知装置150と、ライトスイッチ200とを備える。本実施形態の車両用前照灯20は、自動車用の前照灯とされる。車両用前照灯20は、車両10の前方部位の左右のそれぞれに配置される一対の灯具ユニット30と、一対の灯具ユニット30を制御する制御部110と、記録部130とを備える。なお、本明細書において「右」とは車両10の進行方向において右側を意味し、「左」とは車両10の進行方向において左側を意味する。
一対の灯具ユニット30において、それぞれの灯具ユニット30は、形状が左右方向に概ね対称であることを除いて、同じ構成とされる。このため、以下において、それぞれの灯具ユニット30の構成を、一方の灯具ユニット30を用いて説明する。
灯具ユニット30は、水平方向に並べられている第1灯具40、第2灯具60、及び第3灯具80を備える。第2灯具60は車両10の最も中心側に、第3灯具80は車両10の最も外側に、第1灯具40は第2灯具60と第3灯具80との間に配置される。灯具40,60,80の並び順は、特に限定されるものではない。
次に、図2を参照して第1灯具40について説明する。図2は、第1灯具40を概略的に示す側面図である。第1灯具40は、前方に向かって第1光を出射する第1光源部41と、第1光源部41に配置される温度センサ47と、第1光源部41の前方に配置される投影レンズ49と、第1光源部41、温度センサ47、及び投影レンズ49を収容する筐体51とを備える。図2では、筐体51は、第1灯具40の鉛直方向の概略的な断面にて示されている。
筐体51は、ランプハウジング51a、フロントカバー51b、及びバックカバー51cを備える。ランプハウジング51aの前方は開口しており、当該開口を塞ぐようにフロントカバー51bがランプハウジング51aに固定されている。また、ランプハウジング51aの後方には前方よりも小さな開口が形成されており、当該開口を塞ぐようにバックカバー51cがランプハウジング51aに固定されている。こうして、筐体51には、ランプハウジング51a、フロントカバー51b、及びバックカバー51cによって囲まれる灯室51dが形成される。灯室51d内には、第1光源部41、温度センサ47、及び投影レンズ49が配置されている。ランプハウジング51a及びバックカバー51cは、例えば、樹脂で構成される。フロントカバー51bは透光性を有する材料で構成されており、第1光源部41から出射する第1光は投影レンズ49及びフロントカバー51bを透過する。
図3は、図2に示す第1光源部41及び温度センサ47を概略的に示す正面図である。図2及び図3に示すように、第1光源部41は、白色光である第1光を出射する複数の発光素子43と、複数の発光素子43が実装される回路基板45とを備える。それぞれの発光素子43としては、LEDまたはLDを挙げることができる。このような発光素子43は、マトリックス状に配置されて上下方向及び左右方向に配列される。発光素子43は、左右方向に96個、上下方向に32個並んでいるが、数は特に限定されるものではない。これら発光素子43は、マイクロLEDであり、所謂マイクロLEDアレイであることが好ましい。それぞれの発光素子43の出射面の形状は、概ね同じ大きさで正方形形状であるが、特に限定されるものではない。それぞれの発光素子43は、互いに異なる波長の光を出射するLEDまたはLDであってもよい。
それぞれの発光素子43は、不図示の電源部から回路基板45を経由して電力を個別に供給されると第1光を出射し、第1光を出射すると発熱する。それぞれの発光素子43の熱は、回路基板45に伝わる。それぞれに供給される電力が大きいほど、それぞれの発光素子43の発光量及び発熱量が増加し、第1光源部41の温度は上昇する。なお、回路基板45の発熱量はそれぞれの発光素子43全体の発熱量に比べて非常に少ないため、第1光源部41の温度はそれぞれの発光素子43全体の発熱量を基にした温度とみなせる。
温度センサ47は、回路基板45に実装されており、第1光源部41の温度を推定する。このような温度センサ47としては、例えば、サーミスタを挙げることができる。温度センサ47は、制御部110に電気的に接続されており、推定した温度に係る温度信号を制御部110に出力する。本実施形態の温度センサ47はそれぞれの発光素子43から離れて配置されており、それぞれの発光素子43の熱が温度センサ47に伝わるまでに、熱の温度が下がることもある。従って、制御部110は、温度センサ47からの温度信号、及びそれぞれの発光素子43と温度センサ47との間の距離を基に、第1光源部41の温度を推定してもよい。また、制御部110がそれぞれの発光素子43の電力量を基に第1光源部41の温度を推定してもよい。
温度センサ47の構成及び取り付け位置は、温度センサ47が第1光源部41の温度を推定できれば特に限定されるものではない。例えば、温度センサ47は、それぞれの発光素子43に取り付けられてもよいし、回路基板45に電気的に接続されている別の回路基板に実装されてもよい。
投影レンズ49は、投影レンズ49に入射した第1光の発散角を調節するレンズである。投影レンズ49では、入射面は後方に向かって凸状に形成され、出射面は前方に向かって凸状に形成される。投影レンズ49の後方焦点は、いずれかの発光素子43の出射面上またはその近傍に位置する。投影レンズ49で発散角が調節された第1光は、筐体51のフロントカバー51bを透過して第1灯具40から車両10の前方へ向けて出射する。
次に、図4を参照して、第1灯具40から出射する第1光によって形成される第1配光パターン400について説明する。図4は、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される第1配光パターン400を示す図である。図4において、Sは水平線を示し、Vは車両10の左右方向の中心を通る鉛直線を示す。
第1配光パターン400は、それぞれの発光素子43から出射する第1光が照射される照射領域401aを含む。複数の発光素子43がマトリックス状に配置されているため、照射領域401aはマトリックス状に配置される。それぞれの照射領域401aは、1つの発光素子43に対応している。複数の発光素子43のうちの特定の発光素子43の相対的な位置と、複数の照射領域401aのうちの当該特定の発光素子43に対応する特定の照射領域401aの相対的な位置とは、上下左右で反転している。図4では、理解を容易にするため、照射領域401aの数が発光素子43の数よりも少なくされている。照射領域401aは、発光素子43の出射面の形状に対応している。
図4では、理解を容易にするために、隣り合う照射領域401aは、互いに接しているが、互いに重なっている。図4では、全ての照射領域401aから形成される領域を照射領域401bとして示しており、照射領域401bは第1灯具40が第1光を照射可能な領域である。照射領域401bは、左右方向に長尺な長方形状であり、水平線S及び鉛直線Vに重なる。照射領域401bの上縁は、水平線Sよりも上方に位置し、水平方向に延在している。また、照射領域401bの下縁は、水平線Sよりも下方に位置し、水平方向に延在している。照射領域401bが上記のように配置されるように、発光素子43の位置や向き等が調整されている。
なお、隣り合う照射領域401aは、互いに接していても、互いに離れて隙間が形成されていてもよい。しかし、複数の照射領域401aは隙間なくマトリックス状に配置されていることが好ましい。また、照射領域401aの大きさや形状は特に限定されるものではなく、それぞれの照射領域401aの大きさや形状は互いに異なっていてもよい。
第1配光パターン400の大きさ及び形状は、第1光を出射させる発光素子43の選択に応じて変化する。また、第1配光パターン400における第1光の強度分布は、それぞれの発光素子43の発光量が調節されることで、調節される。
次に、図5を参照して第2灯具60について説明する。図5は、第2灯具60を概略的に示す側面図である。第2灯具60は、前方に向かって第2光を出射する第2光源部61と、シェード67と、第2光源部61の前方に配置される投影レンズ69と、第2光源部61、シェード67、及び投影レンズ69を収容する筐体51とを備える。図5では、筐体51は、第2灯具60の鉛直方向の概略的な断面にて示されている。
図6は、図5に示す第2光源部61及びシェード67を概略的に示す正面図である。図5及び図6に示すように、第2光源部61は、白色光である第2光を出射する発光素子63と、発光素子63が実装される回路基板65とを備える。発光素子63としては、LEDまたはLDを挙げることができる。発光素子63の出射面の形状は、左右方向に長尺な概ね長方形状とされるが、特に限定されるものではない。当該出射面は、第1光源部41の発光素子43の出射面より大きくされている。
シェード67は、板状部材を曲げ加工することで一体に成形されている遮光部67a及び固定部67bを有する。遮光部67aは発光素子63より前方において左右方向に延在し、遮光部67aの下端部には固定部67bが接続されている。固定部67bは遮光部67aの下端部から後方に向かって延在し、固定部67bの端部は回路基板65に固定されている。遮光部67aの上縁は、発光素子63の光軸より下方に位置している。遮光部67aの上縁の左右方向における中央部には、上方に向かって概ね等脚台形状に突出する突起67cが設けられている。このような遮光部67aは、発光素子63から出射する第2光の一部を遮る。
投影レンズ69は、投影レンズ49と同じ構成とされ、シェード67よりも前方に配置され、投影レンズ69に入射した第2光の発散角を調節するレンズである。投影レンズ69の後方焦点は、遮光部67aにおける上縁またはその近傍に位置している。上記のように、発光素子63から出射する第2光の一部はシェード67の遮光部67aによって遮光され、発光素子63から出射する第2光の他の一部が投影レンズ69に入射する。投影レンズ69で発散角が調節された第2光は、筐体51のフロントカバー51bを透過して第2灯具60から車両10の前方へ向けて出射する。
次に、図7を参照して、第2灯具60から出射する第2光によって形成される第2配光パターン600について説明する。図7は、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される第2配光パターン600を示す図である。第2配光パターン600の形状は、遮光部67aの形状に対応し、遮光部67aによって一部の第2光が遮光された際の配光パターンが上下左右に反転した配光パターンである。
第2配光パターン600は、水平線S及び鉛直線Vに重なる。第2配光パターン600の上縁は、突起67cを含む遮光部67aの上縁の形状に対応している。第2配光パターン600の上縁は、第1縁601、第2縁602、第3縁603、第4縁604、及び第5縁605を含む。第1縁601は、水平線Sより下方に位置し、鉛直線Vから水平方向の一方側である右側に及び水平方向の他方側である左側に水平に延在している。第2縁602は、第1縁601における左側の端から左側に斜め上方に向かって延在している。第2縁602における第1縁601側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置している。第3縁603は、第2縁602における第1縁601側と反対側の端から左側に水平方向に延在し、水平線Sより上方に位置している。第4縁604及び第5縁605は、第1縁601を基準に第2縁602及び第3縁603と概ね対称に位置している。第2配光パターン600の下縁は、水平線Sより下方に位置し、鉛直線Vに交わり、水平方向に延在している。第2配光パターン600の左縁は、第3縁603における第2縁602とは反対側の端から第2配光パターン600の下縁の左端に向かって延在している。第2配光パターン600の右縁は、第5縁605における第4縁604とは反対側の端から第2配光パターン600の下縁の右端に向かって延在している。
第2配光パターン600における第2光の強度分布は、発光素子63の発光量が調節されることで、調節される。
次に、図8を参照して第3灯具80について説明する。図8は、第3灯具80を概略的に示す側面図である。第3灯具80は、前方に向かって第3光を出射する第3光源部81と、第3光源部81の前方に配置される投影レンズ89と、第3光源部81、及び投影レンズ89を収容する筐体51とを備える。図8では、筐体51は、第3灯具80の鉛直方向の概略的な断面にて示されている。
図9は、図8に示す第3光源部81を概略的に示す正面図である。第3光源部81は、白色光である第3光を出射する複数の発光素子83a~83jと、複数の発光素子83a~83jが実装される回路基板85とを備える。それぞれの発光素子83a~83jとしてはLEDまたはLDを挙げることができ、発光素子83a~83jは左右方向に一列にアレイ状に配列される。それぞれの発光素子83a~83jの出射面の形状は、概ね同じ大きさで上下方向に長尺な概ね長方形とされるが、特に限定されるものではない。当該出射面は、第1光源部41における発光素子43の出射面より大きくされている。発光素子の数は1つ以上であれば特に限定されるものではない。それぞれの発光素子83a~83jは、互いに異なる波長の光を出射するLEDまたはLDであってもよい。発光素子の数は、2つ以上であればよい。それぞれの発光素子83a~83jは、不図示の電源部から回路基板85を経由して電力を個別に供給されると第3光を出射し、第3光を出射すると発熱する。それぞれに供給される電力が大きいほど、それぞれの発光素子83a~83jの発光量が増加する。
投影レンズ89は、投影レンズ49と同じ構成とされ、投影レンズ89に入射した第3光の発散角を調節するレンズである。投影レンズ89の後方焦点は、複数の発光素子83a~83jのうちの左右の概ね中心に位置する発光素子83fの出射面上またはその近傍に位置している。投影レンズ89で発散角が調節された第3光は、筐体51のフロントカバー51bを透過して第3灯具80から車両10の前方へ向けて出射する。
次に、図10を参照して、第3灯具80から出射する第3光によって形成される第3配光パターン800について説明する。図10は、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される第3配光パターン800を示す図である。
第3配光パターン800は、発光素子83a~83jから出射する第3光が照射される照射領域801a~801jを含む。発光素子83a~83jが左右方向に一列に配列されるため、照射領域801a~801jも左右方向に一列に配列される。照射領域801a~801jは、発光素子83a~83jの出射面の形状に個別に対応しており、概ね同じ大きさで上下方向に長尺な長方形状である。隣り合う照射領域は、互いに接している。
第3配光パターン800は左右方向に長尺な長方形状であり、照射領域801a~801jは水平線Sに重なり、照射領域801e,801fは鉛直線Vに接している。第3配光パターン800の上縁である各照射領域の上縁は、水平線Sよりも上方に位置し、水平方向に延在している。また、第3配光パターン800の下縁である各照射領域の下縁は、水平線Sよりも下方に位置し、水平方向に延在している。照射領域801a~801jが上記のように配置されるように、発光素子83a~83jの位置や向き等が調整されている。
なお、隣り合う照射領域の一部は、互いに重なってもよい。或いは、隣り合う照射領域は互いに離れて、隙間が形成されてもよい。しかし、照射領域801a~801jは左右方向に隙間なく並んでいることが好ましい。また、照射領域801a~801jの大きさや形状は、特に限定されるものではなく、互いに異なっていてもよく、照射領域401aより大きければよい。
第3配光パターン800の大きさ及び形状は、第3光を出射させる発光素子83a~83jの選択に応じて変化する。また、第3配光パターン800における第3光の強度分布は、それぞれの発光素子83a~83jの発光量が調節されることで、調節される。
図1に戻り、車両10の説明を続ける。
検知装置150はステアリングセンサを備え、ステアリングセンサは車両10のステアリングホイールの回転方向及び回転角度、つまり車両10が曲がる方向及び車両10の操舵角を検知する。従って、ステアリングセンサは、右の操舵角と左の操舵角とを異なる操舵角と識別しつつこれらの操舵角を検知する。ステアリングセンサは、制御部110に電気的に接続されており、車両10の直進時を基準とした操舵角に応じた信号を制御部110に出力する。なお、ステアリングセンサは、車両10の不図示のECU(Electronic Control Unit)を経由して制御部110に電気的に接続されてもよく、ECUを経由して制御部110に信号を入力してもよい。
記録部130は、制御部110に電気的に接続されている。記録部130は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。
制御部110は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。また、制御部110は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。制御部110は、車両10のECUの一部とされてもよい。
制御部110には、ライトスイッチ200が電気的に接続されている。ライトスイッチ200は、ロービームの出射、ハイビームの出射、光の非出射のいずれかを選択するスイッチである。例えば、ライトスイッチ200は、ロービームの出射が選択された場合にロービームの出射を示す制御信号を、ハイビームの出射が選択された場合にハイビームの出射を示す制御信号を、それぞれ制御部110に出力する。このように、制御信号は、灯具ユニット30からの光の出射の開始を指示する信号である。また、ライトスイッチ200は、光の非出射が選択された場合に制御部110に制御信号を出力しない。制御部110は、制御信号が入力されていない場合には、灯具ユニット30の駆動を停止させる。
制御部110は、ライトスイッチ200から制御信号が入力されると、電源部及び回路基板45,65,85を経由して発光素子43,63,83a~83jへの電力の供給または電力の供給を停止する。これにより、光を出射する発光素子43,63,83a~83jが選択され、灯具ユニット30から出射する光によって形成される配光パターン400,600,800が当該選択に応じて変化する。また、制御部110は、発光素子43,63,83a~83jに供給される電力を調節する。これにより、それぞれの発光素子43,63,83a~83jの発光量が調節され、配光パターン400,600,800における光の強度分布が調節される。
次に、第1光源部41における温度ディレーティングについて説明する。
第1光源部41では、他の光源部61,81に比べて発光素子43が密集して配置されてるため、第1光源部41の温度は他の光源部61,81に比べて、上昇し易い。従って、本実施形態では、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。
制御部110は、温度センサ47によって推定された第1光源部41の温度Tが温度ディレーティングを開始する際の所定値である例えば80℃といった温度T0よりも低い場合には温度ディレーティングを行わない。また、制御部110は、温度Tが温度T0以上の場合には温度ディレーティングを行う。温度Tが温度T0の場合、制御部110は、温度ディレーティングが行われない場合に供給される電力よりも小さい電力E0を発光素子43に供給する。この場合、制御部は、発光素子43のうちの電力E0よりも大きい電力を供給される発光素子43に電力E0を供給し、当該発光素子43に供給する電力を下げる。また、温度Tが温度T0よりも高い温度T1の場合、制御部110は、電力E0よりも小さい電力E1を発光素子43に供給する。この場合、制御部110は、複数の発光素子43のうちの電力E1よりも大きい電力を供給される発光素子43に電力E1を供給し、当該発光素子43に供給する電力を下げる。温度T0が80℃であれば、温度T1は例えば110℃である。推定された温度Tが温度T1よりも大きい温度T2であれば、制御部110は、電力E1よりも小さい電力E2を発光素子43に供給する。温度T1が110℃であれば、温度T2は例えば120℃である。推定された温度Tが温度T2より高い場合、制御部110は、例えば消灯を避けるために電力E2を発光素子43に供給する。このように、制御部110は、温度Tが温度T0以上である場合に、温度Tに応じて電力Eを制御する。電力Eが下がると、それぞれの発光素子43の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。なお、温度T1は、ハイビームが出射する場合とロービームが出射する場合とで同じであってもよいし、ロービームが出射する場合よりもハイビームが出射する場合において高くても低くてもよい。
次に、本実施形態の車両用前照灯20の動作について説明する。
図11は、本実施形態における制御部110の制御フローチャートの一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態の制御フローは、ステップSP11からステップSP18を含む。なお、制御フローは、これに限定されるものではない。図11に示す開始の状態では、温度センサ47が第1光源部41の温度Tを推定し、温度信号は制御部110に入力しているものとする。
(ステップSP11)
制御部110は、ライトスイッチ200から制御信号が入力されていなければ、発光素子43,63,83a~83jに電力を供給せず、ステップSP11を繰り返す。制御部110は、ライトスイッチ200がONとなり、ライトスイッチ200から制御信号が入力されていれば、制御フローをステップSP12に進める。
(ステップSP12)
本ステップでは、制御部110は、ライトスイッチ200からの制御信号がロービームの出射を示す信号であれば、制御フローをステップSP13に進める。制御部110は、ライトスイッチ200からの制御信号がロービームの出射を示す信号でなければ、制御フローをステップSP16に進める。
(ステップSP13)
本ステップでは、制御部110は、発光素子43,63に電力を供給して、第1,2光を出射させ、ロービームの配光パターンを形成する。図12は、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービームの配光パターン910を示す図である。図12では、配光パターン910を太線で示している。
本ステップでは、第1光によって第1配光パターン400が形成され、第2光によって第2配光パターン600が形成される。ロービームが出射される場合に、第1配光パターン400は、全ての発光素子43ではなく一部の発光素子43の一部からの第1光によって形成されるが、少なくとも一部の発光素子43からの第1光によって形成されてもよい。図12では、第1配光パターン400における照射領域401bの上縁、左縁の一部、及び右縁の一部を破線で示している。
配光パターン910は、第1配光パターン400及び第2配光パターン600の重なりによって形成される。具体的には、第1配光パターン400の一部は、第2配光パターン600の少なくとも一部に重なる。また、第1配光パターン400の他の一部は、第2配光パターン600に重ならず、第2配光パターン600の上縁の第1縁601の高さ位置よりも上方において第2配光パターン600の外側に位置する。
上記のような配光パターン910は、上縁に、カットオフラインCL11~CL15を有する。カットオフラインCL11は、水平線Sより下方かつ鉛直線V上またはその近傍に位置するエルボー点EPから左右方向の一方側である右側に水平方向に延在している。カットオフラインCL12は、エルボー点EPから左右方向の他方側である左側に斜め上方に向かって延在している。カットオフラインCL12におけるエルボー点EP側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL13は、カットオフラインCL12におけるエルボー点EP側と反対側の端から、左右方向の他方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL13は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL14は、カットオフラインCL11におけるエルボー点EP側と反対側の端から左右方向の一方側に斜め上方に向かって延在している。カットオフラインCL14におけるカットオフラインCL11側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置しており、カットオフラインCL13と概ね同じ高さ位置に位置している。カットオフラインCL15は、カットオフラインCL14におけるカットオフラインCL11側と反対側の端から左右方向の一方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL15は、水平線Sより上方に位置しており、カットオフラインCL13と概ね同じ高さ位置に位置している。
配光パターン910のカットオフラインCL11,CL12,CL14は、第1配光パターン400の上縁の一部である。また、カットオフラインCL13のうちのカットオフラインCL12と連続するカットオフラインCL13の一部は、第1配光パターン400の上縁の別の一部である。カットオフラインCL13の他の一部は、第2配光パターン600の上縁における第3縁603である。また、カットオフラインCL15のうちのカットオフラインCL14と連続するカットオフラインCL15の一部は、第1配光パターン400の上縁の残りの一部である。カットオフラインCL15の他の一部は、第2配光パターン600の上縁における第5縁605である。制御部110は、第1配光パターン400の上縁がカットオフラインCL11とカットオフラインCL12とカットオフラインCL14とカットオフラインCL13の一部とカットオフラインCL15の一部となるように、発光素子43への電力の供給を制御する。従って、配光パターン910のうちの第1配光パターン400は、第1灯具40のうちの全ての発光素子43ではなく発光素子43の一部から出射する第1光によって形成される。
また、配光パターン910の左縁、右縁、及び下縁は、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。従って、左右方向において、第2配光パターン600は、第1配光パターン400よりも長くされる。また、第2配光パターン600の左縁は第1配光パターン400の左縁よりも左側に位置し、第2配光パターン600の右縁は第1配光パターン400の右縁よりも右側に位置する。また、上下方向において、第1配光パターン400の下縁は、第2配光パターン600の上縁と下縁との間に位置している。
配光パターン910は、第1配光パターン400の一部が第2配光パターン600の一部と重なる第1領域である領域911と、第1配光パターン400の他の一部が第2配光パターン600と重ならない第2領域である領域913とを含む。配光パターン910では、第1灯具40からの第1光と第2灯具60からの第2光とが領域911を照射し、第1灯具40からの第1光が領域913を照射する。領域911は、領域913よりも大きくされている。なお、第2光の光量が当該光量のピーク値の所定の割合よりも低ければ、第1光及び当該第2光が重なっている領域を領域913とみなし得る。所定の割合は例えば2%であり、この場合だと人間の視覚的に第1光及び当該第2光が重なっていないとみなし得る。或いは、縁601,602,604等の第2配光パターン600の外縁を形成する第2光の所定の光度よりも低い光度の第2光が第1光に重なった領域を領域913とみなし得る。所定の光度は例えば500cdであり、人間の視覚的に第1光及び当該第2光が重なっていないとみなし得る。
領域913は、2つである。一方の領域913は、鉛直線Vよりも左側においてカットオフラインCL12とカットオフラインCL13の一部とエルボー点EPを通る第1縁601の一部と第2縁602とによって囲まれる。他方の領域913は、鉛直線Vよりも右側においてカットオフラインCL14とカットオフラインCL15の一部とエルボー点EPを通る第1縁601の他の一部と第4縁604とによって囲まれる。それぞれの領域913は、左右方向において、離れて位置している。このような領域913は、第1配光パターン400のうちの領域911を除く領域であり、領域911と連続し、第2配光パターン600の外側において領域911の上方に位置する。
配光パターン910において光の強度が最も高い領域であるホットゾーンHZLは、領域911内におけるエルボー点EPの近傍に位置している。この配光パターン910における光の強度が、例えばホットゾーンHZLから離れるほど低くなるように、それぞれの発光素子43,63から出射する第1,2光の光量が制御部110によって調節される。
制御部110は、ロービームの配光パターン910を車両10の前方に形成すると、制御フローをステップSP14に進める。
(ステップSP14)
本ステップでは、制御部110は、温度センサ47からの温度信号が示す温度Tが温度T0未満であれば、制御フローをステップSP11に戻す。また、制御部110は、温度Tが温度T0以上であれば、制御フローをステップSP15に進める。
(ステップSP15)
制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41の温度を基に第1光源部41に温度ディレーティングを行う。
本ステップでは、制御部110は、配光パターン910において第1配光パターン400のうちの少なくとも領域911を照射する少なくとも一部の第1光を出射する発光素子43に供給する電力を温度ディレーティング前に比べて下げる。これにより、領域911を照射する第1光の光量が温度ディレーティング前に比べて減少する。第1光の光量が減少すると、発光素子43の発熱量は減少し、第1光源部41の温度上昇が抑制される。なお、第1光源部41の温度Tが温度T0よりも低くなると、制御部110は、上記発光素子43に供給する電力を、温度ディレーティング前の電力に戻す。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400のうちの領域913を照射する第1光を出射する複数の発光素子43に供給する電力を温度ディレーティング前と同じにしている。これにより、領域913を照射する第1光の光量は温度ディレーティング前と同じとなり、温度ディレーティングが行われても、領域913における明るさの変化が抑制される。また、配光パターン910のうちのカットオフラインCL12,CL13の一部,CL14,CL15の一部側の明るさの変化が抑制される。
なお、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域913を照射する少なくとも一部の第1光を出射する発光素子43に供給する電力を温度ディレーティング前に比べて下げてもよい。これにより、温度ディレーティング前に比べて発光素子43の発熱量は減少し、第1光源部41の温度上昇が抑制され得る。また、例えば、領域913が温度ディレーティング前において第2配光パターン600よりも明るい場合、温度ディレーティングによって、領域913は、第2配光パターン600と同じ明るさとなることがある。領域913が第2配光パターン600と同じ明るさとなると、領域913が第2配光パターン600と同じ明るさとならない場合に比べて、領域913と第2配光パターン600とにおける明るさの過度な変化が抑制され得る。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第2光を出射する発光素子63に供給する電力を温度ディレーティング前と同じにしている。これにより、ロービームの配光パターン910うちの第2配光パターン600を照射する第2光の光量は温度ディレーティング前と同じとなり、温度ディレーティングが行われても、第2配光パターン600における明るさの変化が抑制される。
制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行うと、制御フローをステップSP11に戻す。
(ステップSP16)
本ステップでは、ステップSP12における制御信号がハイビームの出射を示す信号となり、制御部110は、発光素子43,63,83a~83jに電力を供給し、第1,2,3光を出射させ、ハイビームの配光パターンを形成する。図13は、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビームの配光パターン930を示す図である。図13では、配光パターン930を太線で、図12に示すロービームの配光パターン910を破線で示している。
本ステップでは、ロービームが出射される場合と同様に、配光パターン400,600が形成されると共に、第3光によって第3配光パターン800が形成される。ハイビームが出射される場合、ロービームが出射される場合とは異なり、第1配光パターン400は、全ての発光素子43からの第1光によって形成される。従って、ハイビームが出射する場合、第1配光パターン400はロービームが出射する場合よりも大きくされている。
配光パターン930は、配光パターン400,600,800の重なりによって形成される。具体的には、配光パターン930において、第3配光パターン800は、上下方向において第2配光パターン600に並んでいる。また、第3配光パターン800の一部は第2配光パターン600の一部に重なり、第3配光パターン800の他の一部は第2配光パターン600に重ならず第2配光パターン600の外側に位置する。また、配光パターン930において、第1配光パターン400の一部は第2配光パターン600のみと重なり、第1配光パターン400の別の一部は第3配光パターン800のみと重なる。また、第1配光パターン400の残りの一部は、第2配光パターン600及び第3配光パターン800と重なる。
第2配光パターン600は、第3配光パターン800よりも左右に長くされている。第2配光パターン600の左縁は第3配光パターン800の左縁よりも左側に位置し、第2配光パターン600の右縁は第3配光パターン800の右縁よりも右側に位置している。第2配光パターン600の下縁は第3配光パターン800の下縁よりも下方に位置している。第2配光パターン600の上縁のうち、縁602~605は、第3配光パターン800の下縁よりも上方に位置している。第2縁602と、第3縁603の一部と、第4縁604と、第5縁605の一部とは第3配光パターン800の内側に位置し、第3縁603の他の一部と、第5縁605の他の一部とは第3配光パターン800の外側に位置する。また、第1縁601は、第3配光パターン800の下縁の一部に重なる。従って、第2配光パターン600の一部は第3配光パターン800の一部に重なり、第2配光パターン600の他の一部は第3配光パターン800に重ならず第3配光パターン800の外側に位置する。
第2配光パターン600は、第1配光パターン400よりも左右に長くされている。第2配光パターン600の左縁は第1配光パターン400の左縁よりも左側に位置し、第2配光パターン600の右縁は第1配光パターン400の右縁よりも右側に位置している。第2配光パターン600の上縁は、第1配光パターン400の上縁と下縁との間を横切る。縁601,602,604は第1配光パターン400の内側に位置し、縁603,605は第1配光パターン400の外側に位置している。
第1配光パターン400は、第3配光パターン800よりも左右に短くされている。第1配光パターン400の左縁は第3配光パターン800の左縁よりも右側に位置し、第1配光パターン400の右縁は第3配光パターン800の右縁よりも左側に位置している。第1配光パターン400の下縁は、第3配光パターン800の下縁及び第2配光パターン600の上縁よりも下方に位置している。また、第1配光パターン400の上縁は、第3配光パターン800の上縁よりも下方に位置し、第2配光パターン600の上縁よりも上方に位置する。
上記のような配光パターン930の上縁は、第3配光パターン800の外側に位置する第2配光パターン600の第3縁603の一部と、第2配光パターン600の外側に位置する第3配光パターン800の左縁の一部とである。また、配光パターン930の上縁は、第3配光パターン800の上縁と、第2配光パターン600の外側に位置する第3配光パターン800の右縁と、第3配光パターン800の外側に位置する第2配光パターン600の第5縁605の一部とである。配光パターン930の左縁、右縁、及び下縁は、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。
配光パターン930は、第1配光パターン400の一部が第2配光パターン600の一部と重なる第1領域である領域931と、第1配光パターン400の他の一部が第2配光パターン600と重ならない第2領域である領域933とを含む。
領域931は、ロービームの配光パターン910における第1領域である領域911と同じであるが、説明の便宜上、符号を分けている。領域931の一部では、第1配光パターン400の一部は、第2配光パターン600のみと重なる。また、領域931の他の一部では、第1配光パターン400の別の一部は、第2配光パターン600及び第3配光パターン800と重なる。従って、領域931は、第1配光パターン400が少なくとも第2配光パターン600と重なっている領域となる。領域931の一部は、領域931の他の一部よりも大きくされている。配光パターン930では、領域931の一部を第1,2光が照射し、領域931の他の一部を第1~3光が照射する。
領域933の少なくとも一部は、第1配光パターン400の残りの一部が第3配光パターン800の一部と重なる第3領域を含む。本実施形態では、領域933の全体において、第1配光パターン400の残りの一部が第3配光パターン800の一部と重なっているため、領域933全体は第3領域でもある。領域933は、領域931よりも大きくされている。本実施形態では領域933は、ロービームの配光パターン910における第2領域である領域913を含み、当該913よりも大きくされている。領域933は領域931と上下方向に連続しており、領域933の下縁は領域931の上縁と連続している。配光パターン930では、領域933を第1,3光が照射する。
配光パターン930において光の強度が最も高い領域であるホットゾーンHZHは、配光パターン400,800が互いに重なる領域933内における水平線Sと鉛直線Vとの交点上またはその近傍に位置している。配光パターン930における光の強度が、例えばホットゾーンHZHから離れるほど低くなるように、それぞれの発光素子43,83a~83jから出射する第1,3光の光量が制御部110によって調節される。
制御部110は、ハイビームの配光パターン930を車両10の前方に形成すると、制御フローをステップSP17に進める。
(ステップSP17)
本ステップでは、制御部110は、温度センサ47からの温度信号が示す温度Tが温度T0未満であれば、制御フローをステップSP11に戻す。また、制御部110は、温度Tが温度T0以上であれば、制御フローをステップSP18に進める。
(ステップSP18)
制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41の温度を基に第1光源部41に温度ディレーティングを行う。
本ステップでは、制御部110は、配光パターン930において第1配光パターン400のうちの領域931及び領域933の少なくとも一方を照射する少なくとも一部の第1光を出射する発光素子43に供給する電力を温度ディレーティング前に比べて下げる。これにより、領域931及び領域933の少なくとも一方を照射する少なくとも一部の第1光の光量が温度ディレーティング前に比べて減少する。第1光の光量が減少すると、発光素子43の発熱量は減少し、第1光源部41の温度上昇が抑制される。なお、第1光源部41の温度Tが温度T0よりも低くなると、制御部110は、上記発光素子43に供給する電力を、温度ディレーティング前の電力に戻す。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第2光を出射する発光素子63に供給する電力及び第3光を出射する発光素子83a~83jに供給する電力を温度ディレーティング前と同じにしている。これにより、ハイビームの配光パターン930うちの第2配光パターン600を照射する第2光の光量及び第3配光パターン800を照射する第3光の光量は、温度ディレーティング前と同じとなる。従って、温度ディレーティングが行われても、配光パターン600,800における明るさの変化が抑制される。
制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行うと、制御フローをステップSP11に戻す。
以上のように、本実施形態の車両用前照灯20では、制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400のうちの少なくとも領域911を照射する少なくとも一部の第1光の光量が温度ディレーティング前に比べて減少するように、複数の発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御する。
この車両用前照灯20では、ロービームの配光パターン910において、領域911では、第1光と第2光とが照射している。従って、温度ディレーティングが行われる場合、領域911において、上記のように第1光の光量が減少しても、第2光が第1領域を照射しない場合に比べて、ロービームの配光パターン910の明るさの低下は抑制され、前方の視認性の低下が抑制され得る。また、第1光の光量が減少すると、発光素子43の発熱量は減少し、第1光源部41の温度上昇が抑制され得る。
また、本実施形態の車両用前照灯20では、領域933の少なくとも一部は、第3配光パターン800の一部と重なる第3領域を含む。本実施形態では、領域933全体が第3領域となっている。制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域931と領域933との少なくとも一方を照射する少なくとも一部の第1光の光量が温度ディレーティング前に比べて減少するように、複数の発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御する。
この車両用前照灯20では、ハイビームの配光パターン930において、領域931では第1光、第2光、及び第3光が照射し、領域933では第1光及び第3光が照射している。上記の構成によれば、温度ディレーティングが行われる場合、第1光の光量が減少しても、第2光及び第3光が領域931を照射しない場合及び第3光が領域933を照射しない場合に比べて、ハイビームの配光パターン930の明るさの低下は抑制され得る。従って、前方の視認性の低下が抑制され得る。また、第1光の光量が減少すると、発光素子43の発熱量は減少し、第1光源部41の温度上昇が抑制され得る。
なお、制御部110がロービームの配光パターン910が形成される状態で第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、制御部110は領域911を照射する第1光を出射する発光素子43への電力の供給を停止し、第1光の光量がゼロとなってもよい。これにより、第1光源部41の温度上昇は、より抑制され得る。また、電力の供給が停止すると、領域911では、第2光のみが照射する。領域911において、第1光の光量がゼロとなっても、第2光が領域911を照射しない場合に比べて、ロービームの配光パターン910の明るさの低下は抑制され、前方の視認性の低下が抑制され得る。
また、制御部110がハイビームの配光パターン930が形成される状態で第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、制御部110は発光素子43への電力の供給を停止し、第1光の光量がゼロとなってもよい。これにより、第1光源部41の温度上昇は、より抑制され得る。また、電力の供給が停止すると、領域931の一部では第2光のみが照射し、領域931の他の一部は第2光及び第3光が照射し、領域933は第3光のみが照射する。領域931,933において、第1光の光量がゼロとなっても、第2,3光が領域931を照射しない場合及び第3光が領域933を照射しない場合に比べて、ハイビームの配光パターン930の明るさの低下は抑制され、前方の視認性の低下が抑制され得る。
本実施形態の制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、上記のように、領域911,913を照射する第1光を出射する発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御する。しかし、発光素子43への制御部110の制御について、上記に限定される必要はない。以下に、発光素子43への制御部110の他の制御について説明する。
制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域911を照射する少なくとも一部の第1光の光量が領域913を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも多く減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。これにより、領域913を照射する第1光の光量が領域911を照射する第1光の光量よりも多く減少する場合に比べて、配光パターン910のうちのカットオフラインCL12,CL13の一部,CL14,CL15の一部側の明るさの低下が抑制され得る。また、領域911が領域913よりも大きい場合、上記の構成によれば、領域911が領域913よりも小さい場合に比べて、第1光源部41の温度上昇が抑制される。なお、領域911の光量は、領域913の光量と同じだけ減少してもよいし、領域913の光量よりも少なく減少してもよい。
また、制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域913を照射する少なくとも一部の第1光の光量が領域911を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも後に減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。これにより、領域913を照射する第1光の光量が領域911を照射する第1光の光量よりも前に減少する場合に比べて、配光パターン910のうちのカットオフラインCL11,CL12,CL13の一部,CL14,CL15の一部側の明るさの低下の開始が遅くなり得る。このため、当該カットオフラインの視認性の低下の開始が遅くなり得る。なお、領域913の光量は、領域911の光量と同時に減少してもよいし、領域911の光量よりも前に減少してもよい。
また、制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400における光量が領域913に含まれる第1配光パターン400の上縁側から領域911に含まれる第1配光パターン400の下縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。これにより、光量が第1配光パターン400の下縁側から上縁側に向かって減少する場合に比べて、配光パターン910のうちのカットオフラインCL11,CL12,CL13の一部,CL14,CL15の一部側の明るさの低下が抑制され得る。このため、当該カットオフラインの視認性の低下が抑制され得る。なお、第1配光パターン400における光量は、第1配光パターン400の下縁側から第1配光パターン400の上縁側に向かって減少してもよい。上記において、制御部110は、光量を徐々に下げてもよいし、光量を段階的に下げてもよい。光量が第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって徐々に減少すると、光量が徐々に減少しない場合に比べて、第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって低下する第1配光パターン400の明るさの過度な変化が抑制され得る。
また、制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400における光量がホットゾーンHZL側から第1配光パターン400の周縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。車両10の運転者の視線は、第1配光パターン400の周縁側よりもホットゾーンHZL側に集中する傾向にある。上記の構成によれば、光量が第1配光パターン400の周縁側からホットゾーンHZLに向かって減少する場合に比べて、運転者の視線が集中するホットゾーンHZL側の明るさの低下が抑制され得る。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400の上縁側を照射する少なくとも一部の第1光の光量が第1配光パターン400の下縁側を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも後に減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。上記の構成によれば、第1配光パターン400の上縁側の光量が下縁側の光量より前に減少する場合に比べて、配光パターン910のうちのカットオフラインCL11,CL12,CL13の一部,CL14,CL15の一部側の明るさの低下の開始が遅くなり得る。このため、当該カットオフラインの視認性の低下の開始が遅くなり得る。なお、第1配光パターン400の上縁側の光量は、第1配光パターン400の下縁側の光量と同時に減少してもよいし、第1配光パターン400の下縁側の光量よりも前に減少してもよい。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域911の光量が第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。
或いは、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域913の光量が第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。
また、制御部110は、領域913の光量が領域911の光量と同じとなるように、複数の発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。
本実施形態の制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、上記のように、領域931,933の少なくとも一方を照射する第1光を出射する発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御する。しかし、発光素子43への制御部110について、上記に限定される必要はない。以下に、発光素子43への制御部110の他の制御について説明する。
例えば、制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域931を照射する少なくとも一部の第1光の光量が領域933を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも多く減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。領域933は領域931よりも上方に位置しているため、運転者の視線は、領域931よりも領域933に集中する傾向にある。上記の構成によれば、領域931の光量が領域933の光量よりも少なく減少する場合に比べて、ハイビームの配光パターンのうちの運転者の視線が集中する領域933の明るさの低下が抑制され、前方の視認性の低下が抑制され得る。なお、領域931の光量は、領域933の光量と同じだけ減少してもよいし、領域933の光量よりも少なく減少してもよい。
また、制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、領域933を照射する少なくとも一部の第1光の光量が領域931を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも後に減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。領域933が領域931よりも大きい状態の配光パターン930が形成される場合、運転者の視線は、領域931よりも領域933に集中する傾向にある。領域933が領域931よりも大きい場合、上記の構成によれば、領域933の光量が領域931の光量よりも前に減少する場合に比べて、運転者の視線が集中する領域933の明るさの低下の開始が遅くなり得、領域933における視認性の低下が抑制される。
なお、領域933の光量は、領域931の光量と同時に減少してもよいし、領域931の光量よりも前に減少してもよい。領域933が領域931よりも大きい場合、領域933の光量が領域931の光量よりも前に減少すると、領域933の光量が領域931の光量よりも後に減少する場合に比べて、第1光源部41の温度上昇がより抑制される。
また、制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400における光量が第3領域に含まれる第1配光パターン400の上縁側から領域931に含まれる第1配光パターン400の下縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。配光パターン930が形成される場合、運転者の視線は、領域931よりも領域933に集中する傾向にある。上記の構成によれば、光量が第1配光パターン400の下縁側から第1配光パターン400の上縁側に向かって減少する場合に比べて、運転者の視線が集中する領域933の明るさの低下が抑制され、領域933における視認性の低下が抑制され得る。なお、第1配光パターン400における光量は、第1配光パターン400の下縁側から第1配光パターン400の上縁側に向かって減少してもよい。上記において、制御部110は、光量を徐々に下げてもよいし、光量を段階的に下げてもよい。光量が第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって徐々に減少すると、光量が徐々に減少しない場合に比べて、第1配光パターン400の上縁側から下縁側に向かって低下する第1配光パターン400の明るさの過度な変化が抑制され得る。
また、制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第1配光パターン400における光量がホットゾーンHZH側から第1配光パターン400の周縁側に向かって減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。運転者の視線は、第1配光パターン400の周縁側よりもホットゾーンHZH側に集中する傾向にある。上記の構成によれば、光量が第1配光パターン400の周縁側からホットゾーンHZHに向かって減少する場合に比べて、運転者の視線が集中するホットゾーンHZH側の明るさの低下が抑制され得る。
また、制御部110は、第1配光パターン400の上縁側を照射する少なくとも一部の第1光の光量が第1配光パターン400の下縁側を照射する少なくとも一部の第1光の光量よりも後に減少するように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御してもよい。上記の構成によれば、領域933が領域931よりも大きい場合、第1配光パターン400の上縁側の光量が下縁側の光量よりも前に減少する場合に比べて、配光パターン930のうちの運転者の視線が集中する上縁側の明るさの低下の開始が抑制される。従って、上縁側における視認性の低下が抑制される。なお、第1配光パターン400の上縁側の光量は、第1配光パターン400の下縁側の光量と同時に減少してもよいし、第1配光パターン400の下縁側の光量よりも前に減少してもよい。
また、制御部110は、領域933の光量が領域931の光量と同じとなるように、発光素子43を制御してもよい。
次に、第2灯具60の第1変形例について詳細に説明する。なお、上記において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、特に説明する場合を除き、重複する説明は省略する。
図14は、本変形例の第2光源部61及びシェード67を概略的に示す正面図である。遮光部67aの上縁は、実施形態の当該上縁とは異なり、概ね水平方向に延在している。このようなシェード67の遮光部67aは、発光素子63からの第2光の一部を遮る。
図15は、本変形例の第2配光パターン600を示す図である。第2配光パターン600は、左右方向に長尺な長方形状であり、鉛直線Vに重なる。第2配光パターン600の上縁は、第3灯具80における遮光部67aの上縁の形状に対応し、水平線Sより下方に位置し、鉛直線Vに交わり、水平方向に延在している。
次に、図16を参照して、本変形例のロービームの配光パターン910について説明する。図16は、本変形例のロービームの配光パターン910を示す図である。本変形例の配光パターン910のうちの配光パターン400,600の相対位置は、実施形態の配光パターン910のうちの配光パターン400,600の相対位置と異なっており、以下に説明する。
配光パターン910は、上縁に、カットオフラインCL21~CL29を有する。カットオフラインCL21は、エルボー点EPから左右方向の一方側である右側に水平方向に延在している。カットオフラインCL22は、エルボー点EPから左右方向の他方側である左側に斜め上方に向かって延在している。カットオフラインCL22におけるエルボー点EP側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL23は、カットオフラインCL22におけるエルボー点EP側と反対側の端から、左右方向の他方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL23は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL24は、カットオフラインCL23におけるカットオフラインCL22側と反対側の端から、鉛直線V方向に沿って下方に向かって延在している。カットオフラインCL24におけるカットオフラインCL23側と反対側の端は、水平線Sより下方に位置している。カットオフラインCL25は、カットオフラインCL24におけるカットオフラインCL23側と反対側の端から、左右方向の他方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL25は、カットオフラインCL21と概ね同じ高さ位置に位置している。
カットオフラインCL26は、カットオフラインCL21におけるエルボー点EP側と反対側の端から左右方向の一方側に斜め上方に向かって延在している。カットオフラインCL26におけるカットオフラインCL21側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置しており、カットオフラインCL23と概ね同じ高さ位置に位置している。カットオフラインCL27は、カットオフラインCL26におけるカットオフラインCL21側と反対側の端から、左右方向の一方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL27は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL28は、カットオフラインCL27におけるカットオフラインCL26側と反対側の端から、鉛直線V方向に沿って下方に向かって延在している。カットオフラインCL28におけるカットオフラインCL27側と反対側の端は、水平線Sより下方に位置している。カットオフラインCL29は、カットオフラインCL28におけるカットオフラインCL27側と反対側の端から、左右方向の一方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL29は、カットオフラインCL21と概ね同じ高さ位置に位置している。
上記のような配光パターン910において、配光パターン910のカットオフラインCL21~CL23,CL26,CL27は、第1配光パターン400の上縁である。また、カットオフラインCL24は第1配光パターン400の左縁の一部であり、カットオフラインCL28は第1配光パターン400の右縁の一部である。カットオフラインCL25は、水平方向において第1配光パターン400の左縁よりも左側に延在する第2配光パターン600の上縁である。また、カットオフラインCL29は、水平方向において第1配光パターン400の右縁よりも右側に延在する第2配光パターン600の上縁である。制御部110は、第1配光パターン400の上縁がカットオフラインCL21~CL23,CL26,CL27、左縁の一部がカットオフラインCL24、右縁の一部がカットオフラインCL28となるように、発光素子43のそれぞれに供給する電力を制御する。従って、実施形態の配光パターン910と同様に、本変形例の配光パターン910のうちの第1配光パターン400は、第1灯具40のうちの全ての発光素子43ではなく発光素子43の一部から出射する第1光によって形成される。
また、配光パターン910の左縁、右縁、及び下縁は、実施形態の配光パターン910と同様に、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。従って、左右方向において、第2配光パターン600は、第1配光パターン400よりも長くされる。また、第2配光パターン600の左縁は第1配光パターン400の左縁よりも左側に位置し、第2配光パターン600の右縁は第1配光パターン400の右縁よりも右側に位置する。また、上下方向において、第2配光パターン600の上縁は第1配光パターン400の上縁と下縁との間を横切る。
配光パターン910は、実施形態の配光パターン910と同様に、領域911,913を含む。実施形態とは異なり、領域911は領域913よりも小さくされている。領域913は、領域911に隣り合い領域911よりも上方に位置する。
領域913は、2つである。一方の領域913は、鉛直線Vよりも左側においてカットオフラインCL22~CL24と第1配光パターン400の内側に位置する第2配光パターン600の上縁の一部とによって囲まれる。他方の領域913は、鉛直線Vよりも右側においてカットオフラインCL26~CL28と第1配光パターン400の内側に位置する第2配光パターン600の上縁の他の一部とによって囲まれる。それぞれの領域913は、左右方向において、離れて位置している。
制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、実施形態における発光素子43,63と同様に、発光素子43,63を制御する。このため、発光素子43,63の制御については、説明を省略する。
次に、図17を参照して、本変形例のハイビームの配光パターン930について説明する。図17は、本変形例のハイビームの配光パターン930を示す図である。図17では、配光パターン910を太線で示し、図16に示すロービームの配光パターン910を破線で示している。
本変形例の配光パターン930のうちの配光パターン400,600,800の相対位置が実施形態の配光パターン930のうちの配光パターン400,600,800の相対位置と異なっており、以下に説明する。
第3配光パターン800及び第2配光パターン600は、上下方向に隙間なく並んでいる。また、第3配光パターン800の下縁は第2配光パターン600の上縁に接し、第3配光パターン800は第2配光パターン600に重ならず第2配光パターン600の上縁の高さ位置よりも上方において第2配光パターン600の外側に位置する。
第2配光パターン600の上縁は、第1配光パターン400の上縁と下縁との間を横切る。
本変形例の配光パターン930において、配光パターン930の上縁は、第2配光パターン600の上縁のうちの第3配光パターン800の下縁と接していない上縁の一部である。また、配光パターン930の上縁は、第3配光パターン800の左縁、上縁、及び右縁と、第2配光パターン600の上縁のうちの第3配光パターン800の上縁と接していない上縁の他の一部とである。また、本変形例の配光パターン930の左縁、右縁、及び下縁は、実施形態の配光パターン930と同様に、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。
配光パターン930は、実施形態の配光パターン930と同様に、領域931,933を含む。実施形態は異なり、領域933では第1配光パターン400が第3配光パターン800のみと重なる。従って、配光パターン930では、第1光と第2光とが領域931を照射し、第1光と第3光とが領域933を照射する。このように、本変形例の配光パターン930では、配光パターン400,600,800が重なる領域は形成されていない。
配光パターン930において光の強度が最も高い領域であるホットゾーンHZHは、領域933内における水平線Sと鉛直線Vとの交点上またはその近傍に位置している。配光パターン930における光の強度が、例えばホットゾーンHZHから離れるほど低くなるように、それぞれの発光素子43,83a~83jから出射する第1,3光の光量が制御部110によって調節される。
制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、制御部110は、実施形態における発光素子43,63,83a~83jと同様に、発光素子43,63,83a~83jを制御する。このため、発光素子43,63,83a~83jの制御については、説明を省略する。
次に、第2灯具60の第2変形例について詳細に説明する。なお、上記において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、特に説明する場合を除き、重複する説明は省略する。
図18は、本変形例の第2光源部61及びシェード67を概略的に示す正面図である。遮光部67aの上縁は、第1本変形例の当該上縁とは異なり、第1縁67e、第2縁67f、及び第3縁67gを含む。第1縁67eは概ね水平方向に延在している。第2縁67fは、第1縁67eの一方側の端から第1縁67e側と反対側かつ下方に向かって直線状に延在している。第3縁67gは、第2縁67fのうちの第1縁67e側と反対側の端から第1縁67e側と反対側に向かって概ね水平方向に延在している。このようなシェード67の遮光部67aは、発光素子63からの第2光の一部を遮る。
図19は、本変形例の第2配光パターン600を示す図である。第2配光パターン600は、鉛直線Vに重なる。第2配光パターン600の上縁は、第3灯具80における遮光部67aの上縁の形状に対応し、第1縁601、第2縁602、及び第3縁603を含む。第1縁601は、水平線Sより下方に位置し、鉛直線Vから水平方向の一方側である右側に及び水平方向の他方側である左側に水平に延在している。鉛直線Vから水平方向の一方側に延在している第1縁601の一部は、鉛直線Vから水平方向の他方側に延在している第1縁601の他の一部よりも長くされている。
次に、図20を参照して、本変形例のロービームの配光パターン910について説明する。図20は、本変形例のロービームの配光パターン910を示す図である。図20において、Sは水平線を示し、Vは車両10の左右方向の中心を通る鉛直線を示し、車両10の25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターン910が太線で示される。
配光パターン910は、上縁に、カットオフラインCL31~CL33を有する。カットオフラインCL31は、エルボー点EPから左右方向の一方側である右側に水平方向に延在している。カットオフラインCL32は、エルボー点EPから左右方向の他方側である左側に斜め上方に向かって延在している。カットオフラインCL32におけるエルボー点EP側と反対側の端は、水平線Sより上方に位置している。カットオフラインCL33は、カットオフラインCL32におけるエルボー点EP側と反対側の端から、左右方向の他方側に水平方向に延在している。カットオフラインCL33は、水平線Sより上方に位置している。
上記のような配光パターン910では、配光パターン910のカットオフラインCL31は、第1配光パターン400の上縁の一部と、水平方向において第1配光パターン400の右縁よりも右側に延在する第2配光パターン600の第1縁601の一部とである。カットオフラインCL32は、第1配光パターン400の上縁の別の一部である。カットオフラインCL33は、第1配光パターン400の上縁の残りの一部と、水平方向において第1配光パターン400の左縁よりも左側に延在する第2配光パターン600の第3縁603である。制御部110は、第1配光パターン400の上縁がカットオフラインCL31の一部とカットオフラインCL32とカットオフラインCL33の一部となるように、発光素子43への電力の供給を制御している。従って、第1本変形例の配光パターン910と同様に、本変形例の配光パターン910のうちの第1配光パターン400は、第1灯具40のうちの全ての発光素子43ではなく発光素子43の一部から出射する第1光によって形成される。
また、本変形例の配光パターン910の左縁、右縁、及び下縁は、第1本変形例の配光パターン910と同様に、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。また、第1本変形例の配光パターン910と同様に、上下方向において、第1配光パターン400の下縁は、第2配光パターン600の上縁と下縁との間に位置している。
配光パターン910は、第1本変形例の配光パターン910と同様に、領域911,913を含む。領域911は、実施形態と同様に、領域913よりも大きくされている。
領域913は、鉛直線Vよりも左側においてカットオフラインCL32とカットオフラインCL33の一部と第1縁601の一部と第2縁602とによって囲まれる。
制御部110は、ロービームの配光パターン910が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、実施形態における発光素子43,63と同様に、発光素子43,63を制御する。このため、発光素子43,63の制御については、説明を省略する。
次に、図21を参照して、本変形例のハイビームの配光パターン930について説明する。図21は、本変形例のハイビームの配光パターン930を示す図である。図21では、配光パターン910を太線でし、図20に示すロービームの配光パターン910を破線で示している。
本変形例の配光パターン930のうちの配光パターン400,600,800の相対位置が第1本変形例の配光パターン930のうちの配光パターン400,600,800の相対位置と異なっており、以下に説明する。
左右方向において、第2配光パターン600は、第3配光パターン800よりも長くされている。第2配光パターン600の左縁は第3配光パターン800の左縁よりも左側に位置し、第2配光パターン600の右縁は第3配光パターン800の右縁よりも右側に位置している。第2配光パターン600の下縁は第3配光パターン800の下縁よりも下方に位置している。第2配光パターン600の上縁のうち、第1縁601の一部は第3配光パターン800の下縁の一部に重なり、第1縁601の他の一部は第3配光パターン800の外側に位置する。また、第2配光パターン600の上縁のうち、第2縁602と、第3縁603とは、第3配光パターン800の下縁よりも上方に位置している。第2縁602と第3縁603の一部とは第3配光パターン800の内側に位置し、第3縁603の他の一部は第3配光パターン800の外側に位置する。従って、第2配光パターン600の一部は第3配光パターン800の一部に重なり、第2配光パターン600の他の一部は第3配光パターン800に重ならず第3配光パターン800の外側に位置する。
第2配光パターン600の上縁のうち、第1縁601の一部と、第2縁602とは、第1配光パターン400の内側に位置している。また、第2配光パターン600の上縁のうち、第3縁603と第1縁601の他の一部とは、第1配光パターン400の外側に位置している。
本変形例の配光パターン930において、配光パターン930の上縁は、第2配光パターン600の上縁のうちの第3配光パターン800の外側に位置する第3縁603の一部である。また、配光パターン930の上縁は、第2配光パターン600の外側に位置する第3配光パターン800の左縁の一部と、第3配光パターン800の上縁及び右縁とである。また、配光パターン930の上縁は、第2配光パターン600の上縁のうちの第3配光パターン800の外側に位置する第1縁601の一部である。配光パターン930の左縁、右縁、及び下縁は、第1本変形例の配光パターン930と同様に、第2配光パターン600の左縁、右縁、及び下縁である。
配光パターン930は、第1本変形例の配光パターン930と同様に、領域931,933を含む。領域931,933の構成は、第1本変形例の領域931,933の構成と同じとされる。
制御部110は、ハイビームの配光パターン930が形成される状態で、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、制御部110は、実施形態における発光素子43,63,83a~83jと同様に、発光素子43,63,83a~83jを制御する。このため、発光素子43,63,83a~83jの制御については、説明を省略する。
以上、本発明の第1の態様について、上記第1実施形態及び変形例を例に説明したが、本態様はこれらに限定されるものではない。
第1灯具40の構成は、特に上記に限定されるものではない。第1灯具40の構成は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)やガルバノミラー等を用いて光源から出射する光を走査させて光を前方に出射する構成であってもよい。第1灯具40の構成は、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)や回折格子等を用いて光源から出射する光を回折して所望の配光パターンを形成して前方に出射する構成であってもよい。
なお、第2灯具60及び第3灯具80の構成は、特に限定されるものではなく、他の灯具の構成と同じとされてもよい。従って、第2光源部61は、第1光源部41のようにマイクロLEDアレイであってもよいし、第3光源部81のようにLEDアレイであってもよいし。また、第3光源部81は、第1光源部41のようにマイクロLEDアレイであってもよい。第1灯具40及び第3灯具80は、例えば、パラボラ型や、直射レンズ型の灯具とされてもよい。
領域911と領域913との一方は、他方と同じ大きさであってもよいし、他方より小さくてもよい。
配光パターン930は、領域933のみを含んでもよい。
配光パターン930において、第2配光パターン600の第1縁601は、第3配光パターン800の下縁の一部に接してもよいし、第1配光パターン400を横切ると共に第3配光パターン800の下縁の一部よりも上方または下方に位置してもよい。
配光パターン930において、第1配光パターン400の下縁は、第3配光パターン800の下縁の一部に接してもよいし、第3配光パターン800の下縁に重なってもよいし、第3配光パターン800の下縁よりも上方に位置にしてもよい。
配光パターン930において、第1配光パターン400の上縁は、第3配光パターン800の上縁に接してもよいし、第3配光パターン800の上縁に重なってもよいし、第3配光パターン800の上縁よりも上方に位置にしてもよい。
第1変形例の配光パターン930において、第3配光パターン800の下縁は、第2配光パターン600の下縁に重なってもよいし、第2配光パターン600の下縁よりも下方に位置してもよい。実施形態及び第2変形例の配光パターン930において、第3配光パターン800の下縁の一部は第2配光パターン600の第1縁601に接してもよいし、第3配光パターン800の下縁は第1縁601よりも上方または下方に位置してもよい。
また、配光パターン930において、上下方向において第3配光パターン800と第2配光パターン600との間に隙間が形成されていてもよい。この場合、第1配光パターン400は、当該隙間、第3配光パターン800、及び第2配光パターン600に重なるように形成されていてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2の態様としての第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
一対の灯具ユニット30のそれぞれにおいて、第1実施形態では3つの灯具40,60,80が設けられているが、本実施形態では、第1灯具40のみが設けられ、第1灯具40の第1光源部41の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の第1灯具40は、ロービームまたはハイビームを車両10の前方に出射する。
図22は、本実施形態の第1光源部41及び温度センサ47を概略的に示す正面図である。図22では、第1光源部41における発光素子43のそれぞれを発光素子43a~43lとして示している。発光素子43a~43lは、第1実施形態の第3灯具80の発光素子83a~83jと同様の構成とされ、左右方向に一列にアレイ状に配列されており、所謂LEDアレイである。それぞれの発光素子43a~43lの出射面は、例えば白色光を出射し、上下方向に長尺な概ね長方形形状とされる。
制御部110は、電源部及び回路基板45を経由してそれぞれの発光素子43a~43lへの電力の供給または電力の供給を停止する。これにより、光を出射する発光素子43a~43lが選択され、第1光源部41から出射する光によって形成される配光パターンの大きさ及び形状が当該選択に応じて変化する。また、制御部110は、それぞれの発光素子43a~43lに供給される電力を調節する。例えば、制御部110は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって当該電力を調節してもよい。この場合、制御部110は、それぞれの発光素子43a~43lのデューティー比の調節によってそれぞれに供給する電力を調節し、電力の調整によってそれぞれの発光素子43a~43lの発光量を調節する。デューティー比が大きいほど、発光素子43に印加される電力が大きくなる。発光量の調節によって、第1光源部41から出射する光によって形成される配光パターンにおける光の強度分布が調節される。なお、制御部110は、それぞれの発光素子43b~43lに供給される電流の調節によってそれぞれの発光素子43a~43lの発光量を調節してもよい。
次に、操舵角が基準角度以下の状態で、車両用前照灯20がハイビームを出射する場合において、それぞれの発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDについて説明する。基準角度は例えば5°とされ、この場合、車両10は直進している状態とされる。図23は車両10が直進している状態におけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図であり、図23ではデューティー比43aD~43lDの値を図23に示す矩形の高さで表している。図23に示すデューティー比43aD~43lDは、温度ディレーティングが行われていない場合におけるデューティー比である。
本実施形態では、制御部110は、発光素子43a~43fのデューティー比43aD~43fDを順に、20%、30、40%、60%、80%、100%に設定している。また、制御部110は、発光素子43l~43gのデューティー比43lD~43gDを順に、上記と同様に、20%、30、40%、60%、80%、100%に設定している。デューティー比43aD~43lDの値は記録部130に記録されており、制御部110は記録部130から当該値を読み出して上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御する。なお、デューティー比の上記値は、特に限定されるものではない。
制御部110が上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御すると、左右方向の中央側に位置する発光素子43f,43gの発光量が最も多くなる。また、発光素子43fから発光素子43aの順及び発光素子43gから発光素子43lの順で、発光量が少なくなる。発光素子43a~43lにおいて、デューティー比が同じであれば発光量は同じであるため、発光量は発光素子43f,43gを基準に左右の発光素子で対称とされる。これにより、ハイビームの配光パターンにおける光の強度が最も高い領域であるホットゾーンは、左右方向においてハイビームの配光パターンの概ね中央に位置する。
それぞれの発光素子43a~43lは、上記のデューティー比で光を出射すると、発熱する。それぞれの発光素子43a~43lの発熱に伴う第1光源部41の温度は上記したように温度センサ47によって推定され、温度センサ47は温度信号を制御部110に出力する。制御部110は、温度信号を基にそれぞれの発光素子43a~43lに温度ディレーティングを行う。
次に、第1光源部41における本実施形態の温度ディレーティングについて説明する。図24は、温度センサ47によって推定された第1光源部41の温度T(℃)と発光素子43のデューティー比D(%)との関係を示す図である。図24の横軸は温度Tを示し、縦軸はデューティー比Dを示している。図24では、温度T0,T1,T2は例えば80℃,110℃,120℃とされている。温度T0は、制御部110が温度ディレーティングを開始する温度である。温度Tが温度T0よりも低い場合には、温度ディレーティングが行われず、温度Tが温度T0以上の場合、温度ディレーティングが行われる。温度T0よりも低い温度に対応するデューティー比D0は100%とされ、温度T1,T2に対応するデューティー比D1,D2は例えば50%,30%とされる。デューティー比D2では、温度ディレーティングが行われる場合におけるデューティー比の減少量が最大とされる。温度T及びデューティー比Dの関係、温度T0,T1,T2の値、及びデューティー比D1,D2の値は、記録部130に記録されている。なお、これら値は、特に限定されるものではない。
制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、温度T0以上の温度に応じて基準となるデューティー比Dを設定する。例えば、温度Tが温度T1である場合、制御部110は、基準となるデューティー比Dをデューティー比D1に設定する。また、温度Tが温度T2以上の場合、制御部110は、消灯を避けるために、基準となるデューティー比Dをデューティー比D2に設定する。本実施形態の温度ディレーティングでは、制御部110は、温度Tが温度T0以上である場合、デューティー比43aD~43lDのうちの当該温度Tに対応する基準となるデューティー比Dよりも高いデューティー比の少なくとも一部を下げる。デューティー比が下がると、発光素子43の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。制御部110は、デューティー比を基に上記のように温度ディレーティングを行うが、それぞれの発光素子43b~43lに流れる電流を基に温度ディレーティングを行ってもよい。従って、制御部110は、それぞれに発光素子43b~43lに供給される電力を基に温度ディレーティングを行えばよい。
次に、本実施形態の車両用前照灯20の動作について説明する。
図25は、本実施形態における制御部110の制御フローチャートの一例を示す図である。図25に示すように、本実施形態の制御フローは、ステップSP31からステップSP33を含む。なお、制御フローは、これに限定されるものではない。図25に示す開始の状態では、車両VEは直進して、ハイビームの配光パターンが形成されているものとする。発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDは、図23に示す通りである。また、開始の状態では、温度センサ47が第1光源部41の温度を推定し、温度信号は制御部110に入力しているものとする。
(ステップSP31)
本ステップでは、制御部110は、温度センサ47からの温度信号が示す温度Tが温度T0未満であれば、ステップSP31を繰り返す。また、制御部110は、温度Tが温度T0以上であれば、制御フローをステップSP32に進める。
制御部110は、温度Tが温度T0以上であれば、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、当該温度Tに対応するデューティー比を基準にして発光素子43のデューティー比を制御する。このようなデューティー比の制御について、ステップSP32,SP33では、ステップSP31での温度Tが例えば温度T1であり、当該温度T1に対応するデューティー比D1を温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例に用いて説明する。
(ステップSP32)
本ステップでは、制御部110は、温度ディレーティングの前に、デューティー比D1以下のデューティー比で駆動する少なくとも一部の発光素子43のデューティー比を上げる。図26は本ステップにおけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図であり、図26では、図23に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図23に示すデューティー比43aD~43lDのうちの上がる前の部分を破線で示している。デューティー比D1は50%であるため、デューティー比D1以下のデューティー比は発光素子43a~43c,43j~43lのデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDである。そこで、制御部110は、例えばデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDを図23に示す状態から上げる。本ステップでは、制御部110は、例えば、デューティー比43aD,43lDを図23に示すデューティー比43aD,43lDよりも大きくデューティー比D1よりも小さいデューティー比に上げる。また、制御部110は、デューティー比43bD,43kDをデューティー比D1に上げ、デューティー比43cD,43jDをデューティー比D1よりも上げる。この場合、制御部110は、例えば、デューティー比43aD,43lDを30%、デューティー比43bD,43kDを50%、デューティー比43cD,43jDを55%に設定する。デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDが上がると、第1光源部41の発光量が増加し、配光パターンは明るくなる。
なお、制御部110は、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDの少なくとも1つを上記のように上げればよく、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDの上げ方は上記に限定されない。例えば、制御部110は、デューティー比D1以下のデューティー比のうちのデューティー比D1との差が大きいデューティー比を他のデューティー比よりも優先的に上記のように上げてもよい。或いは、制御部110は、差が小さいデューティー比を他のデューティー比よりも優先的に上記のように上げてもよい。或いは、制御部110は、差が大きいデューティー比を差が小さいデューティー比よりも大きくまたは小さく上げてもよい。或いは、制御部110は、デューティー比D1以下のデューティー比の複数を同じ量だけ上げてもよい。また、制御部110は、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDのいずれかを上げなくてもよい。
ところで、発光素子43がデューティー比D1で駆動する場合、当該発光素子43に供給される電力を第1電力とする。この場合、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43には第1電力よりも大きい第2電力が供給され、デューティー比D1以下のデューティー比で駆動する発光素子43には第1電力以下の第3電力が供給される。ステップSP32では、制御部110は、第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げることになる。
また、制御部110は、ステップSP32では、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を、第1電力まで、または、第1電力よりも上げることになる。電力が第1電力まで上がる場合、図26では対象となる発光素子は発光素子43b,43kであり、電力が第1電力まで上がらない場合に比べて、配光パターンは明るくなり、前方の視認性の低下が抑制され得る。また、電力が第1電力よりも上がる場合、図26では対象となる発光素子は発光素子43c,43jであり、電力が第1電力まで上がらない場合に比べて、配光パターンはさらに明るくなり、前方の視認性の低下がさらに抑制され得る。
なお、制御部110は、ステップSP32において、第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を第1電力よりも上げて一定時間経過した後に、当該発光素子に供給される電力を第1電力以下に下げてもよい。一定時間の値は、例えば5分である。図26では、この場合の対象となる発光素子は、発光素子43c,43jである。電力が第1電力よりも上がったままだと、第1光源部41の温度は上がってしまう。上記の構成よれば、一定時間が経過すると、電力が第1電力以下に下がるため、第1光源部41の温度が下がり、第1光源部41の温度の上昇が抑制され得る。なお、制御部110は、一定時間経過した後に、電力を第1電力以下に下げなくてもよい。
また、デューティー比D1よりも小さく、第3電力が供給される場合のデューティー比で駆動する発光素子43には第4電力が供給される。第4電力は、第1電力よりも小さく第3電力よりも大きい電力である。制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、ステップSP32において、発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を第3電力よりも大きく第1電力よりも小さい第4電力に上げてもよい。図26では、この場合の対象となる発光素子は、発光素子43a,43lである。
制御部110は、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDを上げると、制御フローをステップSP33に進める。
(ステップSP33)
本ステップでは、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。制御部110は、ステップSP32でのデューティー比の制御終了後の例えば1秒後に温度ディレーティングを行うが、制御終了と同時に温度ディレーティングを行ってもよく、温度ディレーティングを行うタイミングは特に限定されない。温度ディレーティングにおいて、制御部70は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する少なくとも一部の発光素子43のデューティー比をデューティー比D1以下に下げる。図27は本ステップにおけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図であり、図27では、図26に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図26に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。デューティー比D1は50%であるため、デューティー比D1よりも大きいデューティー比は発光素子43c~43jのデューティー比43cD~43jDである。そこで、制御部110は、本ステップでは、例えば、発光素子43d~43iのデューティー比43dD~43iDをデューティー比D1に下げて50%に設定している。デューティー比43dD~43iDが下がると、第1光源部41の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。
なお、本ステップでは、デューティー比D1よりも大きいデューティー比を、図26に示す時点でデューティー比D1よりも大きいデューティー比43cD~43jDとしているが上記に限定する必要はない。例えば、デューティー比D1よりも大きいデューティー比を、制御フローの開始の時点でデューティー比D1よりも大きいデューティー比43dD~43iDとしてもよい。この場合、制御部110は、図27に示すデューティー比43cD,43jDを維持する。
また、制御部110は、デューティー比43dD~43iDの少なくとも1つを上記のように下げればよく、デューティー比43dD~43iDの下げ方は上記に限定されない。例えば、制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比のうちのデューティー比D1との差が大きいデューティー比を他のデューティー比よりも優先的に上記のように下げてもよい。或いは、制御部110は、差が小さいデューティー比を他のデューティー比よりも優先的に上記のように下げてもよい。或いは、制御部110は、差が大きいデューティー比を差が小さいデューティー比よりも大きくまたは小さく下げてもよい。或いは、制御部110は、デューティー比D1よりも大きい複数のデューティー比を同じ量だけ下げてもよい。また、制御部110は、デューティー比D1よりも最も大きいデューティー比で駆動する発光素子43f,43gの少なくとも一部の発光素子のデューティー比を、デューティー比D1以下に下げてもよい。
ところで、上記のように、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43には、第1電力よりも大きい第2電力が供給される。第2電力を供給される発光素子43にて、ステップSP33では、制御部110は、第1電力よりも大きい第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力を、第2電力から第1電力以下に下げることになる。
なお、制御部110は、ステップSP33において第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力の下げ量が大きいほど、ステップSP32において第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力の上げ量を予め多くしてもよい。上記の構成によれば、上記電力の下げ量が大きいほど上記電力の上げ量が少ない場合に比べて、配光パターンは明るくなり得る。なお、制御部110は、発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力の下げ量が大きいほど、発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力の上げ量を多くしなくてもよい。
制御部110は、デューティー比43dD~43iDを下げると、制御フローを終了する。
以上のように、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、ステップSP33において、発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力を、第2電力から第1電力以下に下げる。また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、ステップSP32において、第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げる。
上記の構成によれば、制御部110が第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部の電力が第2電力から第1電力以下に下がる。このため、第1光源部41は発光素子43からの熱から保護されるが、第1光源部41から出射する光によって形成される配光パターンは暗くなる傾向にある。そこで、上記の構成では、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げる。電力が上がると、配光パターンは明るくなり得る。従って、前方の視認性の低下が抑制され得る。
また、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、ステップSP33において第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力を第2電力から第1電力以下に下げる前に、ステップSP32において発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げる。
上記の構成によれば、電力が第2電力から第1電力以下に下がることによって配光パターンが暗くなる前に、電力が第3電力から上がることによって配光パターンが明るくなる。従って、配光パターンが暗くなった後に明るくなる場合に比べて、温度ディレーティングが第1光源部41に行われる前に比べて配光パターンが暗くなることが抑制され得、視認性の低下が抑制され得る。
なお、制御部110は、ステップSP32及びステップSP33を同時に行ってもよい。従って、制御部110は、第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力を第2電力から第1電力以下に下げると同時に、発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げてもよい。或いは、制御部110は、制御フローを、ステップSP33、ステップSP32の順で進めてもよい。従って、制御部は、第2電力で駆動する発光素子43d~43iの少なくとも一部に供給される電力を第2電力から第1電力以下に下げた後に、発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げてもよい。この場合、制御部110は、電力を第1電力以下に下げてから例えば1秒後に或いは電力を第1電力以下に下げたと同時に発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を上げてもよい。
(第1変形例)
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。上記の実施形態では、車両10が直進している場合におけるそれぞれの発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの制御について説明している。これに対して本変形例では、車両10が曲がる場合におけるデューティー比43aD~43lDの制御について説明するものである。本変形例では、操舵角が基準角度を超えて左への操舵角に変わり、車両10は左に曲がる状態として説明する。図28は、車両10が左に曲がる状態におけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。
本変形例の車両用前照灯20では、ステアリングセンサから制御部110に入力される信号によって示される操舵角が左の操舵角である場合、制御部110は、発光素子43b,43cのデューティー比43bD,43cDを100%に設定している。また、制御部110は、発光素子43a,43dのデューティー比43aD,43dDを80%、発光素子43eのデューティー比43eDを70%、発光素子43fのデューティー比43fDを60%に設定している。また、制御部110は、発光素子43gのデューティー比43gDを50%、発光素子43h,43iのデューティー比43hD,43iDを30%に設定している。さらに、制御部110は、発光素子43j,43kのデューティー比43jD,43kDを20%、発光素子43lのデューティー比43lDを10%に設定している。本変形例においても、デューティー比43aD~43lDの値は記録部130に記録されており、制御部110は記録部130から当該値を読み出して上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御する。なお、デューティー比の上記値は、特に限定されるものではない。
制御部110が上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御すると、車両10が左に曲がる場合のハイビームの配光パターンにおけるホットゾーンは、車両10が直進する場合に比べて左側にずれる。また、車両10が左に曲がる場合のハイビームの配光パターンにおける光の強度分布は、ハイビームの配光パターンの左側の領域が右側の領域よりも明るくなるように、車両10が直進する場合に比べて変わる。
ところで、車両10が左に曲がる状態であっても、車両用前照灯20の動作は上記実施形態と同じであり、制御フローはステップSP31からステップSP33を含み、温度ディレーティングが第1光源部41に行われる。
図29は、ステップSP32におけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図28及び図29におけるデューティー比43aD~43lDを比較するために、図29では、図28に示すデューティー比のうちの上がる前の部分を破線で示している。本変形例では、上記実施形態と同様に、温度センサ47から制御部110に入力された温度Tが温度T1であり、当該温度T1に対応するデューティー比D1を温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例に用いて説明する。本ステップでは、制御部110は、発光素子43h~43lのデューティー比43hD~43lDを図28に示す状態から上げる。制御部110は、例えば、デューティー比43hD,43iDをデューティー比D1よりも上げ、デューティー比43jD,43kDをデューティー比D1に上げる。また、制御部110は、デューティー比43lDを図28に示すデューティー比43lDよりも大きくデューティー比D1よりも小さいデューティー比に上げる。この場合、制御部110は、例えば、デューティー比43lD,43iDを55%、デューティー比43jD,43kDを50%、デューティー比43lDを30%に設定する。デューティー比43hD~43lDが上がると、第1光源部41の発光量が増加し、配光パターンは明るくなる。
制御部110は、デューティー比43hD~43lDを上げると、制御フローをステップSP33に進める。
ステップSP33では、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。温度ディレーティングにおいて、制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する少なくとも一部の発光素子43のデューティー比をデューティー比D1以下に下げる。図30は本ステップにおけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図であり、図30では、図29に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図29に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。本ステップでは、例えば、制御部110は、発光素子43a~43fのデューティー比43aD~43fDをデューティー比D1に下げて50%に設定する。デューティー比43aD~43fDが下がると、第1光源部41の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。
本変形例では、制御部110は、デューティー比43aD~43fDを下げると、制御フローを終了する。なお、本変形例では、制御部110は、デューティー比によって上記のように発光素子43を制御するが、実施形態と同様にデューティー比で駆動する発光素子43に供給される電力によっても上記のように発光素子43を制御できる。
(第2変形例)
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。本変形例は、車両10が直進している状態から左に曲がる状態に切り替わり配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDについて説明するものである。本変形例では、上記実施形態と同様に、温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例にデューティー比D1を用いて説明する。
本変形例では、操舵角が基準角度を超えて左への操舵角に変わり、ステアリングセンサは、操舵角に係る信号を制御部110に出力している。図31は、車両10が直進している状態から左に曲がる状態に切り替わり配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の温度ディレーティング後の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図31では、図28に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図28に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。制御部110は、発光素子43a~43lのうちのデューティー比D1よりも大きい発光素子43a~43fのデューティー比43aD~43fDを下げる。例えば、制御部110は、デューティー比43aD~43fDをデューティー比D1に下げ、デューティー比43aD~43fDを50%に設定する。なお、制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43a~43fの少なくとも一部の発光素子のデューティー比を、デューティー比D1以下に下げてもよい。また、制御部110は、デューティー比D1以下のデューティー比で駆動する発光素子43g~43lのデューティー比43gD~43lDを図28に示す状態に維持する。
また、本変形例では、制御部110は、図23に示す発光素子43a~43cのデューティー比43aD~43cDに比べて、図31に示すデューティー比43aD~43cDを、上げている。図31では、図23に示すデューティー比43aD~43cDと比較するために、図23に示すデューティー比43aD~43cDのうちの上がる前の部分を破線で示している。従って、制御部110は、配光パターンにおける光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前にデューティー比D1以下のデューティー比43aD~43cDを、上げている。この場合、例えば、制御部110は、デューティー比43aD~43cDをデューティー比D1まで上げており、デューティー比43aD~43cDを50%に設定する。なお、制御部110は、発光素子43a~43cの少なくとも一部のデューティー比を、上記のように上げてもよい。
本変形例では、制御部110は、デューティー比によって上記のように発光素子43を制御するが、デューティー比で駆動する発光素子43に供給される電力によっても上記のように発光素子43を制御できる。そこで、以下に電力を用いた発光素子43の制御について説明する。本変形例では、制御部110は、図31に示すように光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、第1電力よりも大きい第2電力で駆動する発光素子43a~43fの少なくとも一部に供給される電力を第1電力以下に下げることになる。また、本変形例では、制御部110は、図31示すように光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、図23に示すように光の強度分布を変更する前に上記した第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力を上げることになる。本変形例では、制御部110は、上記のように当該電力を第1電力まで上げることになる。
以上のように、制御部110は、光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、第2電力で駆動する発光素子43a~43fの少なくとも一部に供給される電力を第1電力以下に下げる。また、制御部110は、光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力を上げる。
上記の構成によれば、制御部110が光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合でも、第1光源部41は発光素子43からの熱から保護されるが、配光パターンが暗くなる傾向にある。そこで、上記の構成では、制御部110は、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部の供給される電力を上げる。電力が上がると、配光パターンが明るくなり得る。従って、制御部110が光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行っても、当該電力が上がらない場合に比べて、前方の視認性の低下が抑制され得る。また、電力が上がると、夜間では視認性の低下がより抑制され得る。
なお、制御部110は、図31に示すデューティー比D1へのデューティー比43aD~43fDの下げ量の総和を、図27に示すデューティー比D1へのデューティー比43dD~43iDの下げ量の総和よりも多く、少なく、または当該総和と同じにしてもよい。また、図31に示す発光素子43a~43cのデューティー比43aD~43cDは、図27に示すデューティー比43aD~43cDよりも上がっている。この場合、制御部110は、図31に示すデューティー比D1へのデューティー比43aD~43cDの上げ量の総和を、図27に示すデューティー比D1へのデューティー比43dD~43iDの下げ量の総和よりも少なくしているが、同じ、または多くしてもよい。
(第3変形例)
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。車両10が直進している状態から左に曲がる状態に切り替わり配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの制御は、上記に限定されない。本変形例では、実施形態と同様に、温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例にデューティー比D1を用いて説明する。
図32は、車両10が直進している状態から左に曲がる状態に切り替わり光の配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの別の一例を示す図である。図32では、図28に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図28に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。
第2変形例と同様に、本変形例では、制御部110は、発光素子43a~43lのうちのデューティー比D1よりも大きい発光素子43d~43fのデューティー比43dD~43fDを下げる。例えば、制御部110は、デューティー比43dD~43fDをデューティー比D1に下げ、デューティー比43aD~43fDを50%に設定する。
また、制御部110は、図23に示すデューティー比43aD~43cDに比べて、図32に示すデューティー比43aD~43cDを上げている。図32では、図23に示すデューティー比43aD~43cDと比較するために、図23に示すデューティー比43aD~43cDのうちの上がる前の部分を破線で示している。従って、制御部110は、配光パターンにおける光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前にデューティー比D1以下のデューティー比43aD~43cDをデューティー比D1よりも上げている。この場合、例えば、制御部110は、デューティー比43aD~43cDを、80%,100%,100%に設定している。なお、制御部110は、発光素子43a~43cの少なくとも一部のデューティー比を、上記のように上げてもよい。
本変形例では、制御部110は、デューティー比によって上記のように発光素子43を制御するが、電力によっても上記のように発光素子43を制御できる。そこで、以下に電力を用いた発光素子43の制御について説明する。本変形例では、制御部110は、図32に示すように、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に上記した第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力を、第1電力よりも上げていることになる。
上記の構成によって、電力が第1電力まで上がらない場合に比べて、配光パターンはさらに明るくなり、前方の視認性の低下がさらに抑制され得る。
なお、制御部110は、デューティー比43aD~43cDの少なくとも一部をデューティー比D1よりも上げて一定時間経過した後に、デューティー比D1以下に下げてもよい。従って、制御部110は、光の強度分布を変更した後に第1光源部41に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力を第1電力よりも上げて一定時間経過した後に、発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力を第1電力以下に下げてもよいことになる。発光素子43a~43cの電力が第1電力よりも上がったままだと、第1光源部41の温度は上がってしまう。上記の構成よれば、一定時間が経過すると、電力が第1電力以下に下がるため、第1光源部41の温度が下がり、第1光源部41の温度の上昇が抑制され得る。
また、制御部110は、第2電力で駆動する発光素子43d~43fの少なくとも一部に供給される電力の下げ量が大きいほど、第3電力で駆動する発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力の上げ量を多くしてもよい。上記の構成によれば、上記電力の下げ量が大きいほど上記電力の上げ量が少ない場合に比べて、配光パターンは明るくなり得る。なお、制御部110は、発光素子43d~43fの少なくとも一部に供給される電力の下げ量が大きいほど、発光素子43a~43cの少なくとも一部に供給される電力の上げ量を多くしなくてもよい。
また、図32に示す車両10が左に曲がる状態において、制御部110は、デューティー比43aD~43cDの上げ量の総和を、デューティー比43dD~43fDの下げ量の総和よりも多くしているが、特に限定されるものではない。制御部110は、当該上げ量の総和を、当該下げ量の総和と同じとしてもよいし、当該下げ量の総和よりも少なくしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第2の態様の第3実施形態について詳細に説明する。なお、第2の態様の第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態の車両10の構成は、検知装置150を除いて、第1実施形態の車両10の構成と同じである。本実施形態の検知装置150は、車両10の前方に位置する先行車を検知する。検知装置150は、例えば、図示しないカメラ、検知部、算出部、及び判定部等を主に備える。
カメラは、車両10の前方部位に取り付けられ、所定の時間間隔、例えば1/30秒間隔で車両10の前方を撮影する。カメラによって撮影される撮影画像には、一対の灯具ユニット30から出射する光が照射される領域の少なくとも一部が含まれる。カメラとして、例えば、CMOS(Complementary metal oxide semiconductor)カメラや、CCD(Charged coupled device)カメラが挙げられる。
検知部は、カメラによって撮影された撮影画像から、撮影画像における先行車の存在、撮影画像における先行車の存在位置、撮影画像における先行車の割合、及び、撮影画像における先行車の大きさの時間的な変化量等の情報を検知する。時間が経過して先行車から離れている車両10が先行車に近づいた場合には、撮影画像における先行車の大きさの変化量は小さくなる。また、時間が経過して車両10が前進して先行車に近い車両10が先行車にさらに近づいた場合には、先行車の大きさの変化量はより大きくなる。先行車の大きさとは、例えば、撮影画像における先行車の割合や、撮影画像における先行車の幅などを示す。撮影画像には先行車の尾灯から出射される光による赤色系の一対の光点が映り込む。検知部は、当該光を基に、先行車を検知する。検知部は、撮影画像から先行車を検知した場合に、撮影画像、撮影画像における先行車の存在、撮影画像における先行車の存在位置、撮影画像における先行車の割合、及び、撮影画像における先行車の大きさの時間的な変化量等の情報を示す信号を算出部に出力する。一方、検知部は、撮影画像から先行車を検知しない場合には、算出部に信号を出力しない。また、検知装置150は撮影画像を記録部130に出力し、記録部130は撮影画像を記録する。検知部の構成として、例えば、制御部110と同様の構成が挙げられる。
算出部は、検知部からの情報を基に、車両10と先行車との距離を算出する。算出部は、検知部からの情報における上記割合及び上記変化量を基に、距離を算出する。なお、算出部は、他の方法で距離を算出してもよい。例えば、撮影画像には先行車の尾灯から出射される光による赤色系の一対の光点が映り込む。算出部は、この赤色系の一対の光点間の距離等に基づいて、車両10と先行車との距離を算出する。算出部は、算出した距離を示す信号を判定部に出力する。算出部の構成として、例えば、制御部110と同様の構成が挙げられる。
車両10と先行車との距離を示す信号が算出部から判定部に入力されると、判定部は、記録部130から所定の要件を読み出し、距離が所定の要件を満たした状態であるか否かを判定する。判定部は、距離が所定の要件を満たした状態である場合には、距離が所定の要件を満たすことを示す信号を制御部110に出力し、距離が所定の要件を満たしていない状態である場合には、信号を制御部110に出力しない。なお、判定部からの信号は、ECUを経由して制御部110に入力されてもよい。所定の要件を満たした状態とは、例えば、車両10と先行車との距離が所定の距離未満の状態であることを示す。このように、判定部は、算出部から入力される信号に応じて、距離が所定の要件を満たした状態か否かを判定する。所定の距離は例えば130mであり、距離の数値は閾値として記録部130に記録されている。数値は、日中や夜間といった車両10の走行状況などに応じて適宜変更可能にされてもよい。判定部の構成として、例えば、制御部110と同様の構成が挙げられる。
検知装置150が検知する対象物、対象物の種類の数、検知装置150の構成、及び、検知装置150による先行車の検知方法は、特に限定されるものではない。また、車両10から先行車までの距離の演算方法、検知部によって検知される情報、及び、算出部から判定部に入力される情報も、特に限定されるものではない。例えば、検知装置150は、カメラによって撮影された撮影画像に画像処理を施す画像処理部を更に備えてもよい。検知部は、画像処理部によって画像処理された情報から、撮影画像における先行車の存在、撮影画像における先行車の存在位置、撮影画像における先行車の割合、及び、撮影画像における先行車の大きさの時間的な変化量等の情報を検知してもよい。また、検知装置150は、車両10の前方に位置する物体を検知可能なミリ波レーダやライダー等を更に備えてもよい。検知部は、カメラによって撮影された撮影画像と、ミリ波レーダやライダー等から入力される信号とに基づいて、車両10の前方に位置する先行車の存在、車両10に対する当該先行車の位置、及び車両10から先行車までの距離を検知してもよい。
次に、車両10と先行車との距離が所定の距離未満の状態で、車両用前照灯20がハイビームを出射する場合において、それぞれの発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDについて説明する。図33は、車両10と先行車との距離が所定の距離未満の状態におけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図33に示すデューティー比43aD~43lDは、温度ディレーティングが行われていない場合におけるデューティー比である。なお、判定部から制御部110に信号が入力されない場合、デューティー比43aD~43lDは、図23に示す通りである。
本実施形態の車両用前照灯20では、判定部から制御部110に信号が入力されると、制御部110は、発光素子43e~43hのデューティー比43eD~43hDを0%、発光素子43d,43iのデューティー比43dD,43iDを100%に設定している。図33では、デューティー比43eD~43hDが0%であるため、発光素子43e~43hにおける矩形の記載が省略されている。また、制御部110は、発光素子43c,43jのデューティー比43cD,43jDを80%、発光素子43b,43kのデューティー比43bD,43kDを60%、発光素子43a,43lのデューティー比43aD,43lDを40%に設定している。上記のデューティー比43aD~43lDの値は記録部130に記録されており、制御部110は記録部130から当該値を読み出して上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御する。なお、デューティー比の上記値は、特に限定されるものではない。
制御部110が上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御すると、発光素子43e~43hは消灯し、発光素子43dから発光素子43aの順及び発光素子43iから発光素子43lの順で発光量が少なくなり、発光量は左右の発光素子で対称とされる。上記によって、ハイビームの配光パターンのうちの先行車と重なる領域は光が投影されない非投影領域となり、先行車へのハイビームの照射が抑制される。また、ハイビームの配光パターンのうちの非投影領域を除く領域に光が投影される。なお、デューティー比43aD~43lDの値は、配光パターンのうちの先行車に重なる領域が暗くなれば、特に限定されるものではない。従って、制御部110は、デューティー比43eD~43hDを0%にする必要はない。
ところで、上記のように車両10と先行車と距離が所定の距離未満の状態であっても、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。本実施形態の温度ディレーティングについて、第1実施形態と同様に、温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例にデューティー比D1を用いて説明する。
図34は、車両10と先行車との距離が所定の距離未満の状態において、温度ディレーティング後におけるそれぞれの発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図34では、図33に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図33に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。
制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43b~43d,43i~43kのうちの一部の発光素子43d,43iのデューティー比43dD,43iDをデューティー比D1に下げて50%に設定する。また、制御部110は、残りの一部の発光素子43b,43c,43j,43kのデューティー比43bD,43cD,43jD,43kDを図33に示す状態に維持する。なお、制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43b~43d,43i~43kの少なくとも一部のデューティー比を、デューティー比D1以下に下げてもよい。また、制御部110は、発光素子43a~43lのうちのデューティー比D1以下のデューティー比で駆動する発光素子43a,43e~43h,43lのデューティー比43aD,43eD~43hD,43lDを図33に示す状態に維持する。
デューティー比43dD,43iDが下がると、第1光源部41の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。
次に、車両10が直進して車両10と先行車との距離が所定の距離以上の状態から車両10と先行車との距離が所定の距離未満の状態に切り替わり配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの制御について説明する。
制御部110は、図23に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDに比べて、図34に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDを、上げている。図34では、図23に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDと比較するために、図23に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDのうちの上がる前の部分を破線で示している。制御部110は、デューティー比43aD,43lDをデューティー比D1よりも小さいデューティー比に上げて40%に設定する。従って、制御部110は、配光パターンにおける光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前にデューティー比D1よりも小さい一部のデューティー比43aD,43lDを、当該デューティー比43aD,43lDよりも大きくデューティー比D1よりも小さいデューティー比にまで上げている。
本変形例では、制御部110は、デューティー比によって上記のように発光素子43を制御するが、デューティー比で駆動する発光素子43に供給される電力によっても上記のように発光素子43を制御できる。そこで、以下に電力を用いた発光素子43の制御について説明する。本変形例では、制御部110は、図34に示すように、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に上記した第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a,43lの少なくとも一部に供給される電力を、第3電力よりも大きく第1電力よりも小さい第4電力に上げていることになる。
上記の構成によれば、制御部110が光の強度分布を変更した後において、電力が第4電力に上がらない場合に比べて、第1光源部41の発光量は増加し、配光パターンは明るくなり得る。
また、例えば、制御部110は、図23に示す発光素子43b,43c,43j,43kのデューティー比43bD,43cD,43jD,43kDに比べて、図34に示すデューティー比43bD,43cD,43jD,43kDを上げている。例えば、制御部110は、デューティー比43bD,43cD,43jD,43kDをデューティー比D1よりも上げている。この場合、例えば、制御部110は、デューティー比43bD,43cD,43jD,43kDを60%,80%,80%,60%に設定している。従って、制御部110は、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に温度ディレーティングを行う際のデューティー比D1よりも小さい残りの一部のデューティー比43bD,43cD,43jD,43kDを、デューティー比D1よりも上げている。なお、制御部110は、デューティー比43bD,43cD,43jD,43kDの少なくとも一部を、デューティー比D1以上に上げてもよい。つまり、制御部110は、図34に示すように、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に上記した第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43b,43c,43j,43kの少なくとも一部に供給される電力を、第1電力よりも上げることになる。
上記の構成によって、制御部110が配光パターンの光の強度分布を変更した後において、第1光源部41の発光量はより増加し、配光パターンはより明るくなり、前方の視認性の低下が抑制され得る。
また、上記のようにデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDが上がると、配光パターンのうちの非投影領域を除く領域は車両10が直進している場合に比べて明るくなり、運転者の視認性の低下が抑制される。なお、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDは、デューティー比D1まで上がってもよい。
(変形例)
次に本実施形態の変形例について説明する。本変形例の車両10の構成は、検知装置150を除いて、第1実施形態の車両10の構成と同じである。本変形例では、検知装置150が雨滴を検知するものである。
本変形例の検知装置150は、車両10のフロントウインドウに付着した雨滴を検知するレインセンサを主に備える。レインセンサは、赤外線を出射する発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、及び検知部を含んでいる。LEDによって車室側から車外に出射する赤外線はフロントウインドウで全反射するが、フロントウインドウの表面に雨滴が付着する場合赤外線の一部は雨滴を透過して外部に放出される。このため、フロントウインドウでの赤外線の反射量が減少し、受光素子であるフォトダイオードに入る赤外線の光量が減少する。検知部は、当該光量の減少量に基づいて、フロントウインドウの表面の雨滴の有無及び雨滴の付着量を検知する。或いは、レインセンサは、車両10のフロントウインドウを撮影するカメラと、カメラによって撮影されたフロントウインドウの撮影画像からフロントウインドウに付着した雨滴を検知する検知部とを主に備えてもよい。上記の検知部の構成は、制御部110の構成と同じとされる。レインセンサの構成やレインセンサの取り付け位置は、雨滴を検知できれば、特に限定されるものではない。レインセンサは、制御部110に電気的に接続されており、雨滴が付着したこと及び雨滴の付着量を示す信号を制御部110に出力する。なお、レインセンサは、雨滴を検知していない場合には信号を制御部110に出力しない。レインセンサからの信号は、ECUを経由して制御部110に入力されてもよい。レインセンサは、雪を検知してもよい。
次に、車両10が雨天の中にある状態で、車両用前照灯20がハイビームを出射する場合において、それぞれの発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDについて説明する。図35は、車両10が雨天の中にある状態におけるデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図35に示すデューティー比43aD~43lDは、温度ディレーティングが行われていない場合におけるデューティー比である。なお、レインセンサから制御部110に信号が入力されない場合、デューティー比43aD~43lDは、図23に示す通りである。
本実施形態の車両用前照灯20では、レインセンサから信号が入力されると、制御部110は、発光素子43a,43lのデューティー比43aD,43lDを80%、発光素子43b,43kのデューティー比43bD,43kDを70%に設定する。また、制御部110は、発光素子43c,43d,43i,43jのデューティー比43cD,43dD,43iD,43jDを60%、発光素子43e~43hのデューティー比43eD~43hDを40%に設定する。デューティー比43aD~43lDの値は記録部130に記録されており、制御部110は記録部130からこれら値を読み出して上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御する。なお、デューティー比の上記値は、特に限定されるものではない。
制御部110が上記のようにデューティー比43aD~43lDを制御すると、左右方向の中央側に位置する発光素子43e~43hの発光量が最も少なくなる。また、発光素子43dから発光素子43aの順及び発光素子43iから発光素子43lの順で発光量が多くなり、発光量は左右の発光素子で対称とされる。上記によって、ハイビームの配光パターンのうちの中央側の領域よりも左右の両端側の領域が明るくなる。この場合におけるデューティー比の値は、ハイビームの配光パターンのうちの中央側の領域よりも左右の両端側の領域が明るくなれば、特に限定されるものではない。
ところで、上記のように車両10が雨天の中にある状態であっても、制御部110は、第1光源部41に温度ディレーティングを行う。本変形例の温度ディレーティングについて、第1実施形態と同様に、温度ディレーティングの際の基準となるデューティー比の一例にデューティー比D1を用いて説明する。
図36は、車両10が雨天の中にある状態において、温度ディレーティング後における発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの一例を示す図である。図36では、図35に示すデューティー比43aD~43lDと比較するために、図35に示すデューティー比43aD~43lDのうちの下がる前の部分を点線で示している。
制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43a~43d,43i~43lのうちの一部の発光素子43d,43iのデューティー比43dD,43iDをデューティー比D1に下げて50%に設定する。また、制御部110は、発光素子43a~43d,43i~43lのうちの残りの一部の発光素子43a~43c,43j~43lのデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDを図35に示す状態に維持する。なお、制御部110は、デューティー比D1よりも大きいデューティー比で駆動する発光素子43a~43d,43i~43lの少なくとも一部のデューティー比を、デューティー比D1以下に下げてもよい。また、制御部110は、発光素子43a~43lのうちのデューティー比D1以下のデューティー比で駆動する発光素子43e~43hのデューティー比を図35に示す状態に維持する。
デューティー比43dD,43iDが下がると、第1光源部41の発光量及び発熱量が減少し、第1光源部41の温度は下降する。
次に、車両10が直進して車両10が雨天の中にない状態から車両10が雨天の中にある状態に切り替わり配光パターンにおける光の強度分布が変更された場合の発光素子43a~43lのデューティー比43aD~43lDの制御について説明する。
制御部110は、図23に示す発光素子43a~43c,43j~43lのデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDに比べて、図36に示す発光素子43a~43c,43j~43lのデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDをデューティー比D1よりも上げている。図36では、図23に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDと比較するために、図23に示すデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDのうちの上がる前の部分を破線で示している。制御部110は、デューティー比43aD,43lDを80%、デューティー比43bD,43kDを70%、デューティー比43cD,43jDを90%に設定する。従って、制御部110は、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前にデューティー比D1よりも小さいデューティー比43aD~43cD,43jD~43lDを、デューティー比D1よりも上げている。なお、制御部110は、デューティー比43aD~43cD,43jD~43lDの少なくとも一部を、上記のように上げてもよい。つまり、制御部110は、図36に示すように、光の強度分布を変更した後に温度ディレーティングを行う場合、光の強度分布を変更する前に上記した第1電力以下の第3電力で駆動する発光素子43a~43c,43j~43lの少なくとも一部に供給される電力を、第1電力よりも上げることになる。
上記の構成によって、制御部110が配光パターンの光の強度分布を変更した後において、第1光源部41の発光量はより増加し、配光パターンはより明るくなり、前方の視認性の低下がより抑制され得る。
以上、本発明の第2の態様について、上記第2,3実施形態及び変形例を例に説明したが、本態様はこれらに限定されるものではない。
デューティー比の制御について、ハイビームの配光パターンを用いて説明したが、ロービームの配光パターンにおいても、ハイビームの配光パターンと同様に制御されてもよい。
制御部110は、左右のそれぞれの第1灯具40の温度センサ47によって第1光源部41の温度を基に、左右のそれぞれの第1灯具40における発光素子43のデューティー比を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、温度センサ47は左右のそれぞれの第1灯具40の一方に配置され、制御部110、一方の灯具における第1光源部41の温度を基に左右のそれぞれの第1灯具40における発光素子のデューティー比を制御してもよい。
本発明によれば、温度ディレーティングが行われる場合に、前方の視認性の低下が抑制され得る車両用前照灯が提供され、自動車等の車両用前照灯などの分野において利用可能である。