以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略斜視図である。図1において、車両1は、車体2を備えている。車体2の上部にはルーフパネル3が設けられ、車体2の両側部にはサイドパネル4が設けられている。車体2の後側下部には、リアバンパ5が配置されている。車体2の後端部には、ルーフパネル3、サイドパネル4及びリアバンパ5により画成される開口部6が設けられている。開口部6は、図2に示されるように、バックドア7により開閉される。
車両1の後部には、荷物M(図9参照)が積載される荷室8が配置されている。荷室8は、車両1における後部座席9の後側の領域に配置されている。荷室8には、本実施形態の移動デッキモジュール10が具備されている。
移動デッキモジュール10は、図2及び図3に示されるように、枠体状のベース部材11と、このベース部材11に対して車両1の前後方向に移動可能な移動デッキ12とを備えている。なお、図2は、車両1の後部を示す概略側面図である。図3は、移動デッキモジュール10の分解斜視図である。
移動デッキ12は、ベース部材11に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられた枠体状のサポート13と、このサポート13に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられた平板状のデッキボード14とを備えている。なお、図1(a)は、移動デッキ12が荷室8に格納された状態を概略的に示している。図1(b)は、移動デッキ12が荷室8から引き出された状態を概略的に示している。
ベース部材11は、左右2つの前側支持部15及び左右2つの後側支持部16を介して車体2に支持されている。前側支持部15及び後側支持部16については、後で詳述する。ベース部材11の左右両側の上部には、車両1の前後方向に延びる凸状のレール17が設けられている。また、ベース部材11の左右両側の後端部の上部には、スライドブロック18がレール17に隣接して設けられている。
サポート13は、ベース部材11に車両1の前後方向にスライド可能に取り付けられている。サポート13の左右両側の下部の前端部近傍には、ベース部材11のレール17と嵌合するスライドブロック19が設けられている。スライドブロック19は、レール17と係合し、レール17に沿って移動する係合部である。また、サポート13の左右両側の下部には、車両1の前後方向に延びる凸状のレール20がスライドブロック19に隣接して設けられている。ベース部材11のスライドブロック18は、レール20と嵌合している。スライドブロック18は、レール20と係合し、レール20に沿って移動する係合部を構成している。
従って、サポート13は、2つのスライドブロック18及び2つのスライドブロック19によりベース部材11に移動可能に支持されている。サポート13の左右両側の上部には、車両1の前後方向に延びるレール21が設けられている。
デッキボード14は、サポート13に車両1の前後方向にスライド可能に取り付けられている。デッキボード14の左右両側の下部の前側及び後側には、サポート13のレール21と嵌合するスライドブロック22がそれぞれ設けられている。スライドブロック22は、レール21と係合し、レール21に沿って移動する係合部である。従って、デッキボード14は、4つのスライドブロック22によりサポート13に移動可能に支持されている。
また、移動デッキモジュール10は、特に図示はしないが、移動デッキ12が荷室8内に格納されている状態のときと、移動デッキ12が荷室8から後側に引き出された状態のときに、移動デッキ12をベース部材11に対してロックする機構を備えている。
前側支持部15は、ベース部材11の前端側部分と車体2の一部を構成するリアフレーム24とを連結し、ベース部材11を車体2に対して支持する。前側支持部15は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の一方と車体2とを連結する第1支持部を構成している。前側支持部15の一端は、ベース部材11の前端部にピン接合等により取り付けられている。前側支持部15の他端は、リアフレーム24の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。
後側支持部16は、ベース部材11の後端側部分とリアフレーム24とを連結し、前側支持部15と協働してベース部材11を車体2に対して支持する。後側支持部16は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の他方と車体2とを連結する第2支持部を構成している。後側支持部16の一端は、ベース部材11の後端部の近傍にピン接合等により取り付けられている。後側支持部16の他端は、リアフレーム24の後端側部分にピン接合等により取り付けられている。
リアフレーム24は、車両1の前後方向に延びる左右1対のリアサイドメンバ25と、車両1の左右方向(車幅方向)に延び、各リアサイドメンバ25同士を連結するリアクロスメンバ26と、車両1の左右方向に延び、リアクロスメンバ26よりも後方において各リアサイドメンバ25同士を連結するリアリーンフォースメント27とを有している。リアクロスメンバ26の両端部は、各リアサイドメンバ25の前側部分に固定されている。リアクロスメンバ26は、例えばリアサイドメンバ25の上面から突出している。リアリーンフォースメント27は、例えばリアサイドメンバ25の上側に配置され、リアクロスメンバ26と協働してリアフレーム24を補強する。
また、リアサイドメンバ25の後側には、車両1の左右方向に延びるバンパリーンフォースメント28が配置されている。バンパリーンフォースメント28は、リアバンパ5を補強する。
前側支持部15の両端部は、車両1の前側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端部及びリアフレーム24のリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられている。また、前側支持部15の両端部は、車両1の後方から車体2のリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11がリアフレーム24に対して車両1の上下方向に回動可能となるようにベース部材11の前端部及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられている。
なお、前側支持部15の両端部は、車両1の前後方向に真っ直ぐ延びるようにベース部材11の前端部及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられていてもよい。また、前側支持部15の両端部は、ベース部材11の前端部及びリアサイドメンバ25の前端側部分にそれぞれ取り付けられていてもよい。
後側支持部16の両端部は、車両1の後側(前側支持部15の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端部の近傍及びリアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にそれぞれ取り付けられている。
以上のように構成された移動デッキモジュール10において、移動デッキ12が荷室8に格納された状態で、図4(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及び車体2のリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、リアフレーム24は、車両1の前方に押されて変形する。
このとき、図4(b)に示されるように、後側支持部16がきっかけとなって、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動する。このとき、ベース部材11は、前側支持部15の何れかの箇所を支点として回動する。このため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。
そして、リアフレーム24が更に車両1の前方に押されると、図4(c)に示されるように、バリア30が移動デッキモジュール10の下に入り込む。従って、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して更に車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が更に持ち上がる。
図5は、比較例としての移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図5において、本比較例の移動デッキモジュール100は、ベース部材11を車体2のリアフレーム24に対して支持する左右2つの前側支持部101及び左右2つの後側支持部102を備えている。前側支持部101及び後側支持部102は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。
このような比較例では、図5(a)に示されるように、車両1の後方から車両1にバリア30が追突すると、リアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図5(b)に示されるように、移動デッキモジュール100が後部座席9に当たって後部座席9を押し込んでしまう。
そのような課題に対し、本実施形態では、ベース部材11を車体2に対して支持する前側支持部15は、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材11が車体2に対して車両1の上下方向に回動可能となるように車体2に取り付けられる。従って、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、前側支持部15によってベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11が移動デッキ12と共に持ち上がるようになる。このため、車両1の前方へのベース部材11及び移動デッキ12の移動量が減少する。これにより、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10が後部座席9を押し込むことが抑制される。
また、本実施形態では、ベース部材11を車体2に対して支持する後側支持部16が備えられている。従って、前側支持部15及び後側支持部16によってベース部材11が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10の剛性が高くなる。このため、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に効率的に受けることができる。
また、本実施形態では、後側支持部16は、車両1の後側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端側部分と車体2とを連結している。このため、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、後側支持部16が車体2の変形によるベース部材11の回動のきっかけとなり得る。従って、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方にスムーズに回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がりやすくなる。
また、本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。従って、バリア30(追突物)はベース部材11の下に入り込むため、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方に更に回動するようになる。これにより、ベース部材11及び移動デッキ12が十分に持ち上がる。
なお、本実施形態では、前側支持部15及び後側支持部16によってベース部材11が車体2のリアフレーム24に対して支持されているが、特にそのような形態には限られない。例えば、ベース部材11の前端部が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して支持されていると共に、ベース部材11の後端部がリアフレーム24に対して直接支持されていてもよい。
図6は、本発明の第2実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図6において、本実施形態の移動デッキモジュール10Aは、上記の前側支持部15及び後側支持部16に代えて、前側支持部35及び後側支持部36を備えている。
後側支持部36は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の一方と車体2のリアフレーム24とを連結する第1支持部を構成している。後側支持部36の一端は、ベース部材11の後端部にピン接合等により取り付けられている。後側支持部16の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にピン接合等により取り付けられている。
後側支持部36の両端部は、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11がリアフレーム24に対して車両1の上下方向に回動可能となるようにベース部材11の後端部及びリアサイドメンバ25の後端部にそれぞれ取り付けられている。なお、後側支持部36の両端部は、ベース部材11の後端部及びリアリーンフォースメント27にそれぞれ取り付けられていてもよい。
前側支持部35は、ベース部材11の前端側部分及び後端側部分の他方とリアフレーム24とを連結する第2支持部を構成している。前側支持部35の一端は、ベース部材11の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。前側支持部35の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の前端側部分にピン接合等により取り付けられている。
前側支持部35の両端部は、車両1の前側(後側支持部36の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端側部分及びリアサイドメンバ25の前端側部分にそれぞれ取り付けられている。なお、前側支持部35の両端部は、車両1の前側に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の前端側部分及びリアクロスメンバ26にそれぞれ取り付けられていてもよい。
以上のような移動デッキモジュール10Aにおいて、図6(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図6(b)に示されるように、前側支持部35がきっかけとなって、ベース部材11が後側支持部36を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動する。このとき、ベース部材11は、後側支持部36の何れかの箇所を支点として回動する。このため、ベース部材11及び移動デッキ12の前側部分が持ち上がる。
このように本実施形態においては、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、後側支持部36によってベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動する。これにより、上記第1実施形態と同様に、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10が後部座席9を押し込むことが抑制される。
図7は、本発明の第3実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図8は、図7に示された移動デッキモジュールの分解斜視図である。図7及び図8において、本実施形態の移動デッキモジュール10Bは、上記の第1実施形態における構成に加えて、左右2つの中間支持部41を備えている。
中間支持部41は、ベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の部分と車体2のリアフレーム24とを連結し、前側支持部15及び後側支持部16と協働してベース部材11を車体2に対して支持する第3支持部を構成している。中間支持部41は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。
中間支持部41の一端は、例えばベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の中間部分に溶接等により固定されている。中間支持部41の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25にボルト締結等により固定されている。
ベース部材11には、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材11の折れの始点となる凹部42が左右両側に設けられている。凹部42は、ベース部材11のレール17における車両1の前後方向の中間部分に設けられている。つまり、中間支持部41は、凹部42の真下に位置している。凹部42は、ベース部材11のレール17の上面に開口するように設けられている。凹部42は、例えば断面V字状の切り欠きである。
以上のような移動デッキモジュール10Bにおいて、図9(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図9(b)に示されるように、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12の後側部分が持ち上がる。
また、図9(b)に示されるように、ベース部材11に設けられた凹部42をきっかけとして、ベース部材11が車両1の上方にV字状に折れるようになる。このため、移動デッキ12がベース部材11に追従して車両1の上方にV字状に折れる。なお、ここでいうV字状は、完全なV字状だけでなく、略V字状も含んでいる。
このような本実施形態では、ベース部材11における前側支持部15と後側支持部16との間の部分と車体2とを連結し、ベース部材11を車体2に対して支持する中間支持部41が備えられている。従って、前側支持部15、後側支持部16及び中間支持部41によってベース部材11が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10Bの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に一層効率的に受けることができる。
また、本実施形態では、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材11の折れの始点となる凹部42がベース部材11に設けられている。よって、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材11が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部42をきっかけとしてベース部材11が折れる。このため、車両1の前方へのベース部材11及び移動デッキ12の移動量が更に減少する。また、移動デッキ12も、ベース部材11に追従して、車両1の上方に回動すると共に折れる。従って、荷室8の容量減少量が抑えられるため、例えば移動デッキ12の上に載せられた荷物Mが変形しにくくなる(図9(b)参照)。
また、本実施形態では、凹部42は、ベース部材11の上面に開口するように設けられている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、凹部42をきっかけとしてベース部材11が車両1の上方に折れやすくなる。従って、ベース部材11の折れ方向がベース部材11の回動方向と一致するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がりやすくなる。
また、本実施形態では、中間支持部41は、ベース部材11の凹部42の真下に位置している。このため、ベース部材11に凹部42を設けることによる移動デッキモジュール10Bの剛性の低下が、中間支持部41により効果的に抑制される。従って、移動デッキ12の上に重い荷物が載せられても、荷物の荷重を車両1の上下方向に十分に受けることができる。
なお、本実施形態では、中間支持部41は、ベース部材11の凹部42の真下に位置しているが、特にそのような形態には限られない。中間支持部41は、凹部42に対して車両1の前後方向にずれた位置に配置されていてもよい。また、そのような凹部42は、特にベース部材11に設けられていなくてもよい。
図10は、本発明の第4実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図10において、本実施形態の移動デッキモジュール10Cでは、ベース部材11の折れの始点となる凹部42は、ベース部材11の下面に開口するように設けられている。
図10(a)に示されるように、車両1の後方から車両1にバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図10(b)に示されるように、ベース部材11が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材11及び移動デッキ12が持ち上がる。
また、図10(b)に示されるように、ベース部材11に設けられた凹部42をきっかけとして、ベース部材11が車両1の下方に逆V字状に折れるようになる。このため、移動デッキ12がベース部材11に追従して車両1の下方に逆V字状に折れる。なお、ここでいう逆V字状は、完全な逆V字状だけでなく、略逆V字状も含んでいる。
ところで、車両1が追突されたときは、車体2のリアフレーム24が車両1の上方に曲がるばかりでなく、車両1のサイズ及びバンパ等の高さ位置等によっては、車体2のリアフレーム24が車両1の下方に曲がることもある。
本実施形態では、凹部42がベース部材11の下面に開口するように設けられているため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、凹部42をきっかけとしてベース部材11が車両1の下方に折れるようになる。従って、車両1が追突されたときに車体2が車両1の下方に曲がる場合でも、車体2が曲がる方向に沿ってベース部材11が折れることになり、荷室8の容量減少量が抑えられる。
図11は、本発明の第5実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図11において、本実施形態の移動デッキモジュール10Dは、上記の第1実施形態における後側支持部16に代えて、後側支持部46を備えている。
後側支持部46は、ベース部材11の後端側部分に取り付けられた傾斜部47と、この傾斜部47に接続されると共に、車両1の上下方向に延びるように車体2のリアフレーム24に固定された立設部48とを有している。傾斜部47及び立設部48同士は、溶接等により固定されている。
傾斜部47は、車体2の後側(前側支持部15の反対側)に向かって傾斜して下がるようにベース部材11の後端部の近傍にピン接合等により取り付けられている。立設部48の基端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部の近傍にボルト締結等により固定されている。立設部48の先端は、ベース部材11に接触している。立設部48は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びており、ベース部材11からの荷重を支えている。
このような本実施形態では、後側支持部46において、立設部48が車両1の上下方向に延びるように車体2に固定され、その立設部48に傾斜部47が接続されているので、移動デッキモジュール10Dの剛性が更に高くなる。従って、移動デッキ12の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に更に効率的に受けることができる。
図12は、本発明の第6実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図12において、本実施形態の移動デッキモジュール10Eは、上記の第1実施形態におけるベース部材11及び移動デッキ12に代えて、ベース部材51及び移動デッキ52を備えている。
ベース部材51は、図13にも示されるように、車両1の前後方向に延びる左右1対のレール55を有している。各レール55は、凹状を呈している。ベース部材51は、基部57aと、この基部57aの左右両縁部と一体化された側壁部57b,57bとを有している。凹状のレール55は、基部57aの上面及び側壁部57b,57bの内側面によって画成されている。ベース部材51の前端部及び後端部には、レール55を閉鎖する端壁部56がそれぞれ設けられている。
移動デッキ52は、枠体状のサポート53と、上記のデッキボード14とを備えている。サポート53は、ベース部材51に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられている。サポート53の左右両側の前端側部分には、図13にも示されるように、ベース部材51のレール55に沿って車両1の前後方向に走行する左右複数組(ここでは左右2組)のローラ59が設けられている。ローラ59は、レール55と係合し、レール55に沿って移動する係合部である。各ローラ59は、サポート53の前端側部分に設けられた支持部58,58に自由回転可能に支持されている。従って、サポート53は、4つのローラ59によりベース部材51に移動可能に支持されている。
なお、デッキボード14についても、4つのローラによりサポート53に移動可能に支持されていてもよい。この場合には、例えばデッキボード14の各ローラが走行する凹状のレールがサポート53に設けられることとなる。
前側支持部15は、ベース部材51の前端側部分と車体2のリアフレーム24とを連結し、ベース部材51を車体2に対して支持する。後側支持部16は、ベース部材51の後端側部分とリアフレーム24とを連結し、前側支持部15と協働してベース部材51を車体2に対して支持する。その他の構造は、上記の第1実施形態と同様である。
このような本実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に、前側支持部15及び後側支持部16が備えられているので、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動する。従って、車両1の前方へのベース部材51及び移動デッキ52の移動量が減少する。これにより、車両1が追突された際に、移動デッキモジュール10Eが後部座席9を押し込むことが抑制される。
図14は、本発明の第7実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を示す概略側面図である。図14において、本実施形態の移動デッキモジュール10Fは、上記の第6実施形態における後側支持部16に代えて、後側支持部66を備えている。
後側支持部66は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。後側支持部66の上端は、ベース部材51の後端部に溶接等により固定されている。後側支持部66の下端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の後端部にボルト締結等により固定されている。つまり、後側支持部66の両端部は、ベース部材11及びリアサイドメンバ25とそれぞれ剛接合されている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときには、ベース部材51に曲げモーメントが発生する。
また、ベース部材51における前側支持部15と後側支持部66との間の部分には、車両1の後方からリアフレーム24に荷重が入力されたときに、リアフレーム24の変形によりベース部材51が逆V字状に折れ曲がる始点となる凹部60が左右両側に設けられている。このとき、凹部60は、移動デッキモジュール10Fの側方から見て逆V字状に折れ曲がる始点となる。凹部60は、ベース部材51の側壁部57b(図13参照)に設けられている。凹部60は、ベース部材51の上面に開口するように設けられている。凹部60は、例えば断面V字状の切り欠きである。
凹部60は、ベース部材51における車両1の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられている。具体的には、凹部60は、移動デッキ52が荷室8に格納された状態において、ベース部材51における各組のローラ59よりも後側の位置に設けられている。また、凹部60は、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、移動デッキ52が車体2のリアフレーム24に対して荷室8内に収まる角度で傾くようにベース部材51に設けられている(図15参照)。
以上のように構成された移動デッキモジュール10Fにおいて、移動デッキ52が荷室8に格納された状態で、図15(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及び車体2のリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、リアフレーム24は、車両1の前方に押されて変形する。
このとき、図15(b)に示されるように、後側支持部66がきっかけとなってベース部材51に曲げモーメントが発生するため、ベース部材51が前側支持部15を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動し、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がる。また、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材51が逆V字状に折れ曲がる。ただし、移動デッキ52は、ベース部材51に追従して逆V字状に折れ曲がることはない。
そして、リアフレーム24が更に車両1の前方に押されると、図15(c)に示されるように、バリア30が移動デッキ52の下に入り込む。従って、ベース部材51がリアフレーム24に対して更に車両1の上方に回動するため、ベース部材51及び移動デッキ52が更に持ち上がる。このとき、移動デッキ52は、荷室8内に収まった状態に保たれる。
以上のような本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材51が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材51が逆V字状に折れ曲がる。従って、車両1の前方へのベース部材51及び移動デッキ52の移動量が更に減少する。
また、本実施形態では、凹部60は、ベース部材51における車両1の前後方向の中央部よりも後側の位置に設けられている。よって、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときに、車体2に対するベース部材51の回動量が少なくなるため、車体2に対する移動デッキ52の傾き角度が小さくて済む。このため、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がり過ぎることが防止される。従って、例えば移動デッキ52の上に載せられた荷物が変形しにくくなる。
また、本実施形態では、凹部60は、移動デッキ52が荷室8に格納された状態において、ベース部材51における複数組のローラ59よりも後側の位置に設けられている。このため、移動デッキ52が荷室8に格納された状態で、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときに、ベース部材51は凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がるが、移動デッキ52は折れ曲がりにくい。従って、移動デッキ52の破損等を抑制することができる。その結果、例えば移動デッキ52を再利用することが可能となる。
また、本実施形態では、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されても、移動デッキ52が荷室8内に収まるため、移動デッキ52が車体2に干渉しにくい。従って、移動デッキ52の破損等を更に抑制することができる。
なお、本実施形態では、後側支持部66は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びているが、特にそのような形態には限られない。例えば、後側支持部66は、ベース部材11及びリアフレーム24とそれぞれ剛接合されていれば、ベース部材11及びリアフレーム24に対して斜め方向に延びていてもよい。
図16は、本発明の第8実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図16において、本実施形態の移動デッキモジュール10Gは、上記の第7実施形態における構成に加えて、左右2つの中間支持部71と、左右2つの連結具72(図17参照)とを備えている。なお、図16では、連結具72が便宜上省略されている。
中間支持部71は、車体2のリアフレーム24における前側支持部15と後側支持部66との間の部分に取り付けられている。中間支持部71は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25にボルト締結等により固定されている。中間支持部71は、前側支持部15及び後側支持部66と協働してベース部材51を車体2に対して支持する第3支持部を構成している。中間支持部71は、車両1の上下方向に真っ直ぐ延びている。中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置している。
連結具72は、図17に示されるように、ベース部材51と中間支持部71とを着脱可能に連結する。連結具72は、図17~図19に示されるように、ベース部材51に固定されたクランク状の連結部材73と、中間支持部71に固定され、連結部材73を中間支持部71に対して押し付けるJ字状の押付部材74とを有している。連結部材73及び押付部材74は、何れも金属の板で形成されている。
連結部材73は、例えばベース部材51の下面に溶接等により固定されている。押付部材74は、中間支持部71の上端面に溶接等により固定されている。押付部材74は、中間支持部71に固定された基部74aと、この基部74aと協働して連結部材73を挟み込む係止部74bとを有している。基部74aと係止部74bとが連結部材73を挟み込むことで、連結部材73が中間支持部71に対して押し付けられる。これにより、ベース部材51と中間支持部71とが連結された状態となる(図17(a)参照)。
以上のような移動デッキモジュール10Gにおいて、図16(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24に衝突荷重が入力される。すると、図16(b)に示されるように、ベース部材51がリアフレーム24に対して車両1の上方に回動するため、ベース部材51及び移動デッキ52が持ち上がると共に、ベース部材51が凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がる。
このとき、図17(b)及び図18の2点鎖線に示されるように、押付部材74の係止部74bが連結部材73により上方に押されることで、係止部74bが塑性変形し、基部74aと係止部74bとの間から連結部材73が抜け出るため、ベース部材51と中間支持部71との連結が外れる。このため、連結具72があっても、ベース部材51がスムーズに逆V字状に折れ曲がるようになる。
以上のような本実施形態では、前側支持部15、後側支持部66及び中間支持部71によってベース部材51が車体2に対して支持されるため、移動デッキモジュール10Gの剛性が一層高くなる。従って、移動デッキ52の上に荷物が載せられたときに、荷物の荷重を車両1の上下方向に一層効率的に受けることができる。また、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、連結具72によるベース部材51と中間支持部71との連結が外れるため、凹部60をきっかけとしたベース部材51の折れ曲がりを阻害することはない。
また、本実施形態では、中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置している。このため、ベース部材51に凹部60を設けたことによる移動デッキモジュール10Gの剛性の低下が、中間支持部71により効果的に抑制される。従って、移動デッキ52の上に重い荷物が載せられても、荷物の荷重を車両1の上下方向に十分に受けることができる。
また、本実施形態では、通常状態時には、押付部材74が連結部材73を中間支持部71に対して押し付けることで、ベース部材51と中間支持部71とが連結される。車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、ベース部材51が逆V字状に折れ曲がることで、連結部材73が押付部材74から抜けて、ベース部材51と中間支持部71の連結が外れる。このように連結具72を簡単な構造で実現することができる。
なお、本実施形態では、中間支持部71は、ベース部材51の凹部60の真下に位置しているが、特にそのような形態には限られない。中間支持部71は、ベース部材51の凹部60に対して車両1の前後方向にずれた位置に配置されていてもよい。
図20は、本発明の第9実施形態に係る移動デッキモジュールが搭載された車両の後部を移動デッキモジュールの動作と共に示す概略側面図である。図20において、本実施形態の移動デッキモジュール10Hは、上記の第7実施形態におけるベース部材51及び移動デッキ52に代えて、ベース部材81及び移動デッキ82を備えている。
ベース部材81の左右両側の後端側部分には、支持部85がそれぞれ設けられている。各支持部85には、左右複数組(ここでが左右2組)のローラ86が自由回転可能に支持されている。また、ベース部材81には、上記の凹部60が設けられている。凹部60は、移動デッキ82が荷室8に格納された状態において、ベース部材81における各組のローラ86よりも前側に設けられている。
移動デッキ82は、枠体状のサポート83と、上記のデッキボード14とを備えている。サポート83は、ベース部材81に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられている。サポート83は、車両1の前後方向に延びる左右1対のレール87を有している。ベース部材81の各ローラ86は、レール87に沿って相対的に走行する。ローラ86は、レール87と係合し、レール87に沿って相対的に移動する係合部である。従って、サポート83は、4つのローラ86によりベース部材81に移動可能に支持されている。
また、移動デッキモジュール10Hは、上記の第7実施形態における前側支持部15及び後側支持部66に代えて、前側支持部88及び上記の第2実施形態における後側支持部36を備えている。
前側支持部88は、ベース部材81の前端側部分と車体2のリアフレーム24とを連結する。前側支持部88の一端は、ベース部材81の前端側部分に溶接等により固定されている。前側支持部88の他端は、リアフレーム24のリアサイドメンバ25の前端側部分にボルト締結等により固定されている。つまり、前側支持部88の両端部は、ベース部材81及びリアサイドメンバ25とそれぞれ剛接合されている。このため、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されたときには、ベース部材81に曲げモーメントが発生する。
以上のような移動デッキモジュール10Hにおいて、図20(a)に示されるように、車両1の後方から車両1に衝突試験用のバリア30が追突すると、リアバンパ5及びリアフレーム24が車両1の前方に押されて変形する。すると、図20(b)に示されるように、ベース部材81が後側支持部36を介してリアフレーム24に対して車両1の上方に回動し、ベース部材81及び移動デッキ82が持ち上がると共に、ベース部材81が凹部60をきっかけとして逆V字状に折れ曲がる。
このように本実施形態においても、上記の第7実施形態と同様に、車両1が追突されることで、車両1の後方から車体2に衝突荷重が入力されると、車体2の変形によって、ベース部材81が車体2に対して車両1の上方に回動すると共に、凹部60をきっかけとしてベース部材81が逆V字状に折れ曲がる。従って、車両1の前方へのベース部材81及び移動デッキ82の移動量が更に減少する。
以上、本発明の実施形態について幾つか説明してきたが、本発明は上記実施形態には限定されない。例えば、ベース部材に折れの始点となる凹部が設けられている場合、凹部の適切な位置は、車両の種類、寸法及び仕様等によって異なるため、車両に応じて種々変更可能である。
また、車両1の後方から車体2に荷重が入力されたときに、車体2の変形によりベース部材が車体2に対して車両1の上下方向に回動可能となるように、前側支持部または後側支持部を軸部を介して車体2に回動可能に取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、移動デッキがサポート及びデッキボードという2部品からなり、サポートがベース部材に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられ、デッキボードがサポートに車両1の前後方向に移動可能に取り付けられているが、特にそのような形態には限られない。例えば、デッキボードがサポートに対して車両1の前後方向に移動しない構造であってもよい。また、移動デッキがデッキボードのみの1部品からなり、デッキボードが直接ベース部材に車両1の前後方向に移動可能に取り付けられていてもよい。