以下、本発明に係る車両用表示装置及び車両用表示方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する車両は、車両の左側に運転席が設置されているものとし、車両の右側に運転席が設置されている車両については、以下の説明の右と左を対称にして読み替えるものとする。
[車両用表示装置の構成]
図1は、本発明に係る車両用表示装置1を示すブロック図である。従来の車両用表示装置では、メニュー画面から地図情報の画面に表示を変更させる場合など、画面の表示が大きく変わる場合に、複数の情報の表示部分に対して同時に演出を実行していた。これにより、演出を実行する前後において、表示される画面の明暗の差、彩度の差などが大きく変化し、画面にちらつきが生じる場合があった。特に、暗い色で表示されたメニュー画面から、明るい背景色を有する地図情報の画面に変更する場合に、複数の情報の表示部分を同時に変化させると、画面が急に明るくなり、ユーザーがまぶしさを感じて地図情報が見にくくなるおそれがあった。本発明に係る車両用表示装置1は、一部の情報を他の情報よりも先に表示することで、表示される画面の明暗の差、彩度の差などが大きく変化することを抑制するものである。これにより、画面におけるちらつきの発生が抑制され、情報の表示部分の視認性が低下することを抑制することができる。
図1に示すように、車両用表示装置1は、表示部11、タッチ操作部12、入力部13、及び制御装置14を備える。車両用表示装置1を構成する機器は、たとえばCAN(Controller Area Network)に代表される、有線又は無線LANなどの公知の手段により、互いにデータの授受が可能な状態で接続されている。なお、制御装置14は、表示部11、タッチ操作部12、及び入力部13と共に設けられている必要はなく、車両から離れた遠隔地のサーバーに設けられていてもよい。
表示部11は、ユーザーに情報を提供するための表示装置であり、たとえば液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)などのプロジェクターなどである。ユーザーには、運転者のほかに、助手席及び後部座席の乗員、並びに、車両から離れた位置に存在し、アバター(分身)を用いて仮想的に乗車している乗員が含まれる。本実施形態では、表示部11は、車両の運転席の前方に設置され、その車幅方向の長さは、たとえば、一般的な車両の全幅に対して30~50%である。一般的な車両の全幅が1.5m程度であれば、表示部11の長さは45~75cmであり、これは、ディスプレイのサイズに換算すると、20~35型(インチ)程度になる。これにより、ユーザーの操作性と、表示部11の大きさとをバランスさせることができる。また、表示部11は、ハードウェアデバイスとして単一の表示部であってもよいが、たとえば図1に示すように、ハードウェアデバイスとして、第1表示部11aと、第1表示部11aとは異なり、車幅方向において第1表示部11aより助手席側に設置された第2表示部11bとの二つの表示部を備えていてもよい。また、表示部11は、ハードウェアデバイスとして3つ以上の表示部から構成されていてもよいし、情報を表示する画面に加えて、スピーカーを備えていてもよい。
図2Aは、表示部11の一例を示す平面図である。図2Aにおいて、表示部11は、車両のインストルメントパネルIP内に設置されており、車両の走行制御に用いられる情報を表示する第1領域A1と、車両の走行制御に用いられない情報を表示する第2領域A2とを有する。第1領域A1と第2領域A2とは、表示部11の中央付近に破線にて示してた境界Bにより区切られており、第1領域A1と第2領域A2の大きさは、ユーザーの操作、及び制御装置14からの指示により変更することができる。車両の走行制御に用いられる情報は、主に運転者が利用する情報であるため、第1領域A1は、表示部11において運転席側に設けられる。つまり、第1領域A1は、第2領域A2よりも運転席に近い位置に設けられる。
図2Aの第1領域A1では、車両の走行制御に用いられる情報が、ハッチングが付されたD1aで示す部分に表示されている。車両の走行制御に用いられる情報とは、たとえば、車両の速度制御、操舵制御、及び安定性制御などの制御に用いられる情報であり、車両の走行状態を示す情報として、車両の各種センサーから取得された情報が含まれる。車両の安定性制御とは、たとえば、車両のロール角度及びヨー角度を制御して車両の横滑りを抑制するような制御のことである。第1領域A1に表示される情報としては、車両の走行速度と加速度、エンジンの回転数、冷却水及びエンジンオイルの温度、パーキングブレーキの作動状態、変速ギアの位置、方向指示器の作動状態、前照灯の灯火状態、ワイパーの作動状態、車両の角速度などが挙げられる。また、車両の走行状態を示す情報として、センサーから取得された情報以外に、車両の自律走行支援の状態を示す情報が含まれる。たとえば、自律速度制御又は自律操舵制御のいずれか一方の支援のみを行っていることを示す情報、速度制御と操舵制御とを自律制御していることを示す情報、車線変更支援を実行していることを示す情報、自律走行支援で先行車両に追従していることを示す情報などが挙げられる。
一方、図2Aの第2領域A2では、車両の走行制御に用いられない情報が、ハッチングが付されたD2a、D2b、及びD2cで示す部分に表示されている。車両の走行制御に用いられない情報とは、たとえば、車両の速度制御、操舵制御、及び安定性制御などの制御に用いられない情報であり、車両の走行状態を示さない情報である。たとえば、ナビゲーション装置の地図情報、ラジオ、音楽プレーヤー、DVDプレーヤーなどの車内のAV機器の操作情報、ゲームなどのアプリケーションの情報、表示部11の背景となる画像情報などが挙げられる。図2Aの第2領域A2では、D2a、D2b、及びD2cの3つの部分に分けて情報が表示されているが、第2領域A2における情報表示の形態は特に限定されず、情報ごとに複数の部分に分けて表示してもよいし、一つの部分としてまとめて表示してもよい。また、第2領域A2に何も情報が表示されていない部分が存在してもよい。
図2Aに示す領域Xは、運転者から見てステアリングホイールが存在する領域と、運転者から見てステアリングホイールを操作する運転者の手が通過する領域とを合わせた領域である。以下、領域Xをステアリングホイール操作領域ともいう。本実施形態の表示部11は、第1領域A1のうちステアリング操作領域Xに含まれる部分、つまり、運転者から見てステアリングホイール又は運転者の手と重なる部分には、情報を表示しない。これは、ステアリングホイールや手の陰に表示された情報は運転者から視認できないため、車両の走行制御に用いられる情報がステアリングホイール操作領域Xと重なる部分に表示されると、運転者が車両の走行状態を把握できず、運転に集中できなくなるからである。図2Aの場合では、第1領域A1にて車両の走行制御に用いられる情報がD1aの部分に表示されているが、D1aの外縁は、運転者から見て領域Xに含まれないようになっている。これに対して、第2領域A2に表示される情報は、図2Aの表示部分D2aのように、運転者から見てステアリングホイール操作領域Xに含まれていてもよい。これは、車両の走行制御に用いられない情報を運転者が視認できないとしても、運転操作に支障がないからである。
本発明に係る車両用表示装置1は、情報の表示を変更する場合に、画面におけるちらつきの発生を抑制し、あわせて情報の表示部分の視認性悪化を抑制するものである。そのため、車両用表示装置1に係る表示の変更は、第1領域A1に表示された情報の表示部分と、第2領域A2に表示された情報の表示部分とのどちらに対しても適用され得る。
次に、図2Bは、表示部11の別の例を示す平面図である。図2Bの表示部は、第1表示部11a及び第2表示部11bからなり、どちらも車両のインストルメントパネルIP内に設置されている。第1表示部11aと第2表示部11bは異なる表示部であり、第2表示部11bは、車幅方向において第1表示部11aより助手席側に設置されている。図2Bでは、第1表示部11aが第1領域A1に、第2表示部11bが第2領域A2に、それぞれ設定されている。そのため、第1表示部11aには車両の走行制御に用いられる情報が表示され、第2表示部11bには車両の走行制御に用いられない情報が表示されることになる。また、第1表示部11aと第2表示部11bとを一つの表示領域として、表示される情報を制御することができ、第1表示部11aと第2表示部11bとをまたいで、第1領域A1又は第2領域A2を設定してもよい。
図2Bの第1領域A1では、図2Aの第1領域A1と異なり、車両の走行制御に用いられる情報が、ハッチングが付されたD1b、D1c、及びD1dの3つの部分に分けて表示されている。表示部分D1bには、たとえば車速が表示され、図2Bでは車両が40km/hで走行しているので、「40」と表示される。表示部分D1cには、たとえばエンジンの回転数がrpmの単位で表示される。表示部分D1dには、たとえば、パーキングブレーキの作動状態、ギアの位置、方向指示器の作動状態、前照灯の灯火状態、ワイパーの作動状態、自律走行支援の状態などを示すアイコンが表示される。
図2Bの第1領域A1にてステアリングホイール操作領域Xに含まれている部分には、図2Aの場合と同様に、表示部分D1b、D1c、及びD1dの外縁が含まれていない。また、図2Bの第1領域A1では、D1b、D1c、及びD1dの3つの部分に分けて情報が表示されているが、第1領域A1における情報表示の形態は特に限定されず、情報ごとに複数の部分に分けて表示してもよいし、図2Aの第1領域A1のように、一つの部分としてまとめて表示してもよい。また、第2領域A2に何も情報が表示されていない部分が存在してもよい。
一方、図2Bの第2領域A2では、図2Aの第2領域A2と異なり、車両の走行制御に用いられない情報が、ハッチングが付されたD2d、D2e、D2f、及びD2gの4つの部分に分けて表示されている。また、運転者が視認できなくとも運転操作に支障がないため、図2Aの表示部分D2aと同様に、図2Bの表示部分D2dは、その外縁が運転者から見てステアリングホイール操作領域Xに含まれる位置に表示される。なお、第1領域A1が第1表示部11aに対応し、第2領域A2が第2表示部11bに対応している必要はなく、第1表示部11aの一部が第1領域A1設定され、第1表示部11aのうち第1領域A1に含まれない部分と第2表示部11bが第2領域A2に設定されてもよい。
図1に戻り、タッチ操作部12は、ユーザーの指触又はスタイラスペンによって入力された指示を受け付けて、受け付けた指示に従って車両用表示装置1を操作するための装置であり、タッチパネルとして表示部11と共に設けられていてもよい。タッチ操作部12に対する入力は、たとえば、タッチ操作部12に接触したユーザーの指やスタイラスペンの動きから検出する。たとえば、ユーザーが、情報の表示部分の外縁に一本の指でタッチし、指をタッチ操作部12に接触させたまま、タッチしている外縁を移動させた場合には、外縁が移動された方向に表示部分を拡大する入力を検出する。また、ユーザーが、表示部分に2本の指でタッチし、2本の指をそのまま平行移動させた場合は、指の移動方向に沿って表示部分を平行移動する入力を検出する。さらに、ユーザーが、表示部分に3本の指でタッチし、3本の指をそのまま平行移動させた場合は、指の移動方向に向かって表示部分を平行移動させ、表示部分を画面外に移動する入力を検出する。なお、ユーザーの指やスタイラスペンの動きはこれらに限定されず、他のあらゆる動きに対応した入力が予め設定されている。
タッチ操作部12は、第2領域A2の表示を変更する入力は受け付けるが、第1領域A1の表示を変更する入力は受け付けない。これは、運転者が、ステアリングホイール操作領域Xと重なる部分に指触して表示部11を操作できると、ステアリングホイールの操作に集中できなくなるおそれがあるからある。また、運転者以外のユーザーが第1領域A1の表示の変更を指示できると、走行制御に用いられる情報の表示が運転者の意図に反して変更される恐れがあり、運転者が運転に集中できなくなるからである。
入力部13は、表示部11への操作を入力するための装置で、たとえば、ステアリングホイールにおいて、運転者がステアリングホイールを握ったまま指で操作できるような位置に設けられ、その数も特に限定されない。図3は、ステアリングホイールに備えられた入力部の一例を示す正面図であり、ステアリングホイールを回転していない状態(つまり舵角が0°の状態)で、図3左側に示す第1入力部13aがステアリングホイールの左側に備えられ、図3右側に示す第2入力部13bがステアリングホイールの右側に備えられる。第1入力部13a及び第2入力部13bは、運転者のステアリングホイールの操作に支障をきたさない範囲内で適宜の位置に備えられる。第1入力部13a及び第2入力部13bには、表示部11の表示を変更する指示を入力するスイッチSW1~SW15が設けられている。運転者は、第2入力部13bのスイッチSW1を押すことで、表示部11にメニュー画面を表示されることができる。メニュー画面における操作(上下左右の入力)及び決定の入力は、スイッチSW2で行い、前の画面に戻る場合は、スイッチSW3を押す。また、スイッチSW4は音声認識を用いた音声による入力機能を起動するスイッチである。このように、第1入力部13a及び第2入力部13bからの入力は、音声でも行うことができる。
車両の速度制御、操舵制御、及び安定性制御などの走行制御に用いられる情報の表示は、第1入力部13aのスイッチSW5を押すことで切替えることができる。また、自律走行支援の機能は、第1入力部13aのスイッチSW6を押すことで起動され、スイッチSW7により設定された車速や車間距離の調整などを行う。具体的には、スイッチSW8を押すことでで、定速走行制御時の設定車速を変更することができ、スイッチSW9を押すことで、追従走行時の車間距離を変更することができる。また、スイッチSW10を押すことで、車線変更支援の機能を起動することができる。さらに、第1入力部13aのスイッチSW11及びSW12は、音楽プレーヤーを起動している場合に、再生している曲を変更するためのスイッチであり、第2入力部13bのスイッチスイッチSW13及びSW14は、再生している音楽の音量を変更するためのスイッチである。なお、第2入力部13bのスイッチSW15は、電話機能を起動するためのスイッチであり、各国の法規に基づく所定条件が満たされた場合にのみ入力を受け付ける。
本実施形態では、入力部13に操作を入力できるのは運転者のみであるため、入力部13から入力された操作は、運転者による承諾が得られているものと判断する。たとえば、図示しない撮像装置にて取得された車両の周囲の画像を、表示部11の全体に表示する操作は、車両の走行制御に用いられる情報の表示が限定的になるため、入力部13から入力された場合以外は受け付けないとすることもできる。
図1に戻り、制御装置14は、車両において、ユーザーに必要な情報を提供し、また、ユーザーの操作に応じて、ユーザーに提供する情報を切り替えるための装置である。ユーザーの操作は、タッチ操作部12及び入力部13から入力される。制御装置14は、プロセッサ15を用いて、ユーザーに必要な情報を提供する機能と、ユーザーにより入力された操作に従って表示する情報を切り替える機能とを実現する。プロセッサ15は、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)152と、ROM152に格納されたプログラムを実行することで、制御装置14として機能するための動作回路であるCPU(Central Processing Unit)151と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)153とを備える。
本実施形態の制御装置14で用いるプログラムは、制御装置14にて、ユーザーに情報を提供する機能と、ユーザーに提供する情報を切り替える機能とを実現するための機能ブロックである制御部2を含む。制御部2は、表示部11に表示される情報の表示を制御する機能と、タッチ操作部12及び入力部13の少なくとも一方から入力された操作に応じて、表示部11に表示される情報を切り替える機能とを有する。制御部2は、表示部11に表示される全ての種類の情報について、直接的に表示を制御することができる。ただし、車両用表示装置1にて表示が制御される情報の種類は多岐に渡り、その全てを制御部2のみで制御すると、制御部2の演算処理が過大になるおそれがある。そのため、制御部2は、通常、スレーブとして複数の表示部を備え、当該複数の表示部を介して、間接的に表示部11の情報の表示を制御する。
本実施形態の制御部2は、第1制御部21、第2制御部22、第3制御部23、第4制御部24、及び第5制御部25を備え、マスター装置として、第1制御部21~第5制御部25の各制御部を統括する機能を有する。第1制御部21は、第1レイヤーL1における情報の表示を制御し、第2制御部22は、第2レイヤーL2における情報の表示を制御し、第3制御部23は、第3レイヤーL3における情報の表示を制御し、第4制御部24は、第4レイヤーL4における情報の表示を制御し、そして第5制御部25は、第5レイヤーL5における情報の表示を制御する。レイヤーとは、画像のような情報を表示するための仮想的な面のことをいい、各レイヤーに表示される情報の種類は、車両の走行制御における重要度などに応じて予め設定されている。また、本実施形態の制御部2は、第1レイヤーL1~第5レイヤーL5に表示された各種情報を重ね合わせて、表示部11に表示する情報である表示用情報を生成する重ね合わせ部3と、ユーザーにより入力された操作に応じて表示部11に表示される情報の切り替えを実行する切り替え部4とを備える。図1には、各部を便宜的に抽出して示す。
[制御部の機能]
次に、図4を用いて、図1に示す各機能ブロックが果たす機能について説明する。図4は、車両用表示装置1における表示部11、タッチ操作部12、第1入力部13aと第2入力部13bとを備える入力部13、及び制御装置14、並びに制御部2、重ね合わせ部3、切り替え部4、第1制御部21~第5制御部25、及び第1レイヤーL1~第5レイヤーL5の関係を示すブロック図である。図4にて、表示部11は、制御装置14に接続され、制御装置14に含まれる制御部2により制御されている。制御部2は、重ね合わせ部3にて生成された表示用情報を取得し、表示部11に出力する。これにより、表示部11に表示用情報が表示され、当該表示を介して、必要な情報がユーザーに提供される。なお、図4では、制御部2が制御装置14に含まれている機能ブロックであることを示すため、制御部2と制御装置14とは破線にて接続されている。
タッチ操作部12、第1入力部13a及び第2入力部13bは、制御装置14に接続されており、これらのうち少なくとも一つから、表示部11の表示を変更する操作が制御装置14に入力される。たとえば、表示部11とタッチ操作部12とがタッチパネルとして共に設けられている場合に、ユーザーが、表示部11の表示されているアプリケーションのウィンドウを閉じるボタンにスタイラスペンでタッチしたときには、表示部11に表示されているアプリケーションのウィンドウを閉じる操作が制御装置14に入力される。また、ユーザーが、表示部11にメニュー画面を表示させるために、ステアリングホイールに設けられた第2入力部13bのスイッチSW1を押したときには、表示部11にメニュー画面を表示させる操作が制御装置14に入力される。制御装置14に入力されたユーザーの操作は、制御部2により取得され、操作を取得した制御部2は、取得した操作に対応する表示の切り替えを切り替え部4に実行させる。
制御部2は、少なくとも、第1レイヤーL1の情報の表示と、第2レイヤーL2のダミー背景の表示と、第3レイヤーL3の情報の表示とを制御する機能を有し、あわせて、重ね合わせ部3にて生成され、表示部11に表示される表示用情報の表示を制御する機能も有する。また、制御部2は、第1レイヤーL1の情報の表示と、第2レイヤーL2のダミー背景の表示と、第3レイヤーL3の情報の表示に加えて、第4レイヤーL2の情報の表示と、第5レイヤーL5の背景の表示とを制御する機能を有していてもよい。図4では、制御部2には重ね合わせ部3が接続しており、重ね合わせ部3には第1制御部21~第5制御部25が接続しており、第1制御部21~第5制御部25には、それぞれ、第1レイヤーL1~第5レイヤーL5が接続している。この場合、制御部2は、重ね合わせ部3を介して第1制御部21~第5制御部25を制御し、各レイヤーの情報の表示を制御する。なお、制御部2が第1制御部21~第5制御部25を制御する形態は図4に示すものに限られず、制御部2が、重ね合わせ部3を介せずに、第1制御部21~第5制御部25と直接接続していてもよい。
上述した第1レイヤーL1~第5レイヤーL5は、それぞれ、画像などの情報を表示する仮想的な面であるが、各レイヤーに表示された情報は、セル画のように重ね合わせることができる。この重ね合わせは、重ね合わせ部3の機能を用いて実行され、重ね合わされた情報は、制御部2を介して、表示用情報として表示部11に出力される。
重ね合わせ部3は、第1レイヤーL1~第5レイヤーL5の各レイヤーに表示された情報を重ね合わせる機能を有し、少なくとも、第1レイヤーL1の上に第2レイヤーL2を重ね合わせ、第2レイヤーL2の上に第3レイヤーL3を重ね合わせて表示用情報を生成することができる。また、重ね合わせ部3は、表示用情報を生成するときに、第3レイヤーL3の上に第4レイヤーL4を重ね合わせることもでき、第2レイヤーL2と第3レイヤーL3との間に第5レイヤーL5を挿入し、第2レイヤーL2の上に第5レイヤーL5を重ね合わせ、第5レイヤーL5の上に第3レイヤーL3を重ね合わせることもできる。
本実施形態の第1レイヤーL1~第5レイヤーL5は、図4に示すように第1レイヤーL1を最下レイヤーとして、第2レイヤーL2、第5レイヤーL5、第3レイヤーL3の順に並んでおり、第4レイヤーL4が最上レイヤーである。重ね合わせ部3の機能により各レイヤーの情報を重ね合わせた場合、第4レイヤーL4に表示される情報は、その全体が表示部11に表示される。一方、第3レイヤーL3に表示される情報は、第4レイヤーL4において情報が表示されている部分には表示されず、第4レイヤーL4において情報が表示されていない部分にだけ表示される。つまり、第3レイヤーL3に表示される情報のうち、第4レイヤーL4において情報が表示されている部分に表示される情報は、第4レイヤーL4に表示された情報に隠れて、表示部11には表示されないことになる。同様に、第5レイヤーL5、第3レイヤーL3、及び第1レイヤーL1についても、上位のレイヤーにおいて情報が表示されている部分については、上位のレイヤーに表示された情報が優先して表示され、下位のレイヤーに表示された情報のうち、上位のレイヤーに表示された情報に隠れた部分は、表示部11には表示されない。
一例として、図5A及び5Bを用いて、重ね合わせ部3によるレイヤーの重ね合わせを説明する。この例では、図5Aに示すように、第4レイヤーL4の左側には、タッチ操作部12に操作を入力するときにタッチするボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されており、第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するときにタッチ操作部12に操作を入力するためのアイコンとなる画像と、方位磁針の形をした、地図情報の方位を示す画像とが表示されているものとする。また、第5レイヤーL5及び第2レイヤーL2には何も表示されておらず、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されているものとする。この場合、重ね合わせ部3の機能によって第1レイヤーL1~第5レイヤーL5を重ね合わせると、図5Bに示す表示用情報が生成され、表示部11に表示される。図5Bに示す表示用情報では、第1レイヤーL1に表示された地図情報の上に、上位のレイヤーである第3レイヤーL3に表示された画像と、第4レイヤーL4に表示された画像及び時計が表示されている。すなわち、第3レイヤーL3のアイコンと、第4レイヤーL4の画像及び時計とが表示された部分では、地図情報が隠れてしまい、表示部11には表示されていない。なお、図4に示すレイヤーは、第1レイヤーL1~第5レイヤーL5の5レイヤーであるが、図1に図示しない外部の機器から入力された情報を表示するためのレイヤーがさらに設けられていてもよい。
<レイヤーの表示内容>
次に、図4に示す、第1制御部21~第5制御部25と第1レイヤーL1~第5レイヤーL5とについて説明する。第1制御部21は、第1レイヤーL1に表示される情報の表示を制御する機能を有する。第1レイヤーL1に表示される情報は、たとえば、車両の走行位置に応じて表示する内容が変化する情報である。このような情報として、ナビゲーション装置の地図情報が挙げられる。地図情報には、道路情報、施設情報、それらの属性情報が含まれ、道路情報及び道路の属性情報には、道路の幅、道路の曲率半径、路肩の構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点と分岐地点、車線数の増加・減少位置などの情報が含まれている。また、地図情報は、各地図座標における二次元位置情報及び/又は三次元位置情報、各地図座標における道路・レーンの境界情報、道路属性情報、レーンの上り・下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報などが含まれる高精細地図情報であってもよい。
高精細地図情報の道路・レーンの境界情報は、自車両が走行する走路とそれ以外との境界を示す情報である。自車両が走行する走路とは、自車両が走行するための道であり、走路の形態は特に限定されない。境界は、自車両の進行方向に対して左右それぞれに存在し、形態は特に限定されない。境界には路面標示、道路構造物などが含まれ、路面標示には車線境界線、センターラインなどが、道路構造物には中央分離帯、ガードレール、縁石、トンネル、高速道路の側壁などがそれぞれ含まれる。
ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)用の衛星から受信した電波、道路に設置されたビーコンから受信した信号などから、自車両の現在位置を算出する機能を有する。第1制御部21は、ナビゲーション装置の当該機能により算出された自車両の現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報に基づいて、自車両の現在位置周辺の地図情報を表示する。つまり、第1制御部21は、変化する車両の走行位置に応じて、表示する地図情報の内容を変化させ続けることになる。一般的に、車両のナビゲーション装置で用いる地図情報の情報量は大きく、このような情報量の大きい情報の表示を、車両の走行位置にあわせて変化させ続けるために、第1制御部21には演算処理の大きな負荷がかかる。
また、車両の走行位置に応じて表示する内容が変化する情報には、車両周辺の画像情報が含まれる。車両周辺の画像情報とは、車両に搭載された撮像装置によって取得された、自車両の周辺の画像データであり、たとえば、車両のフロントガラスの上部、リアガラスの上部などに取付けられたカメラにて取得された、自車両の周囲の対象物を含む画像データである。画像データは、静止画であっても動画であってもよい。また、対象物には、自車両以外の自動車(他車両)、オートバイ、自転車、歩行者など、自車両の走行に影響を与える可能性がある障害物のほかに、道路の車線境界線、センターライン、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、高速道路の側壁、道路標識、信号機、横断歩道、工事現場、事故現場などが含まれる。
さらに、自車両周辺の画像データには、赤外線カメラなどの暗視装置を用いて取得された画像データが含まれる。第1制御部21は、暗視装置から取得された画像データを基に、夜間の走行時に、肉眼では視認しにくい障害物を強調して表示した画像情報を生成し、いわゆるナイトビジョンとして第1レイヤーL1に表示することができる。さらに、自車両周辺の画像データには、拡張現実(AR)の技術を用いて、様々な情報を付加することができる。たとえば、画像データから検出された障害物に対して、その障害物の種別及び接近度を付すことができる。具体的には、検出された障害物ごとに、自車両との接近度を算出し、自車両との接近度が高い障害物、つまり自車両に接近しつつある障害物だけを赤く囲んで表示する。
このような自車両の周辺の画像データは、自車両が駐車スペースに駐車する場合、見通しの悪い交差点を右左折する場合、車庫から道路に出庫する場合などに、表示部11に表示される。この場合、運転者の運転を支援するためには、自車両が障害物を回避できるように、表示部11に表示される画像情報をリアルタイムで更新する必要があり、リアルタイムの画像処理によって、第1制御部21には大きな演算量が要求される。
第1レイヤーL1に表示される情報は、車両の走行状態に応じて変化する情報であってもよい。車両の走行状態に応じて変化する情報として、車両の走行速度と加速度、エンジンの回転数、及び車両の角速度などが挙げられる。特に、車両の走行速度には、自車両が走行する道路ごとに制限速度が設定されており、自車両の走行速度が制限速度を超えないように走行するため、第1制御部21は、車速センサーのような検出装置から高い頻度で検出結果を取得し、リアルタイムで走行速度を表示する必要がある。また、エンジンの効率が最も良くなる範囲内にエンジンの回転数を保つため、第1制御部21は、エンジンの回転数についても、検出装置から高い頻度で検出結果を取得し、リアルタイムで表示することが好ましい。
第1レイヤーL1に表示される情報の表示を制御する際に、第1制御部21は、第1レイヤーL1に表示される情報の表示部分を変更することができる。たとえば、第1レイヤーL1に表示された情報の表示部分を拡大したり、縮小したりすることができ、また表示部分の透過率を変更することができる。また、第1制御部21は、第1レイヤーL1に表示される情報の色相、明度、及び彩度のうち少なくとも一つを、自車両の周囲の環境に応じて変更することができる。たとえば、自車両が暗い場所を走行している場合、及び自車両が夜間に走行している場合などには、表示する地図情報の明度を下げることができる。また、第1制御部21は、地図情報の背景の色を黒、濃紺などの明度の低い色に変更することができ、逆に、地図情報の背景の色を白などの明度の高い色に変更することもできる。
たとえば、第1制御部21は、図6A~6Cに示すように、第1レイヤーL1に表示する情報の内容、及び情報の表示部分の大きさを変更することができる。図6Aでは、第1レイヤーL1には地図情報のみが表示されており、図6Bでは、左側には地図情報が表示され、右側には自車両の前方の画像が表示されている。また、図6Cでは、左側に、自車両を平面視したときの周囲の画像が表示され、右側には、自車両の前方の画像が表示されている。第1制御部21は、タッチ操作部12及び入力部13のうち少なくとも一方から入力された操作にしたがい、第1レイヤーL1の表示を、図6A、図6B、及び図6Cに示した表示形態のうちいずれか一つの形態に切り替えることができる。
本実施形態の制御部2は、第1制御部21を介して、日中に表示される地図情報と、夜間に表示される地図情報とを変更することができる。日中とは日の出から日没までの時間を言い、たとえば午前6時から午後6時までである。これに対して、夜間とは日没から翌朝の日の出までの時間を言い、たとえば午後6時から午前6時までである。これらの時間は、季節及び自車両の位置(緯度)に応じて変化する。日中に表示される地図情報の一例を図7Aに示し、夜間に表示される地図情報の一例を図7Bに示す。図7Aに示す地図情報では、背景の色が明度の高い色(白色、薄い灰色など)であり、道路の形状、及び警察署や工場といった施設の情報は明度の低い色(黒色、紺色など)で記載されている。これに対して、図7Bに示す地図情報では、背景の色が明度の低い色(黒色、紺色、濃い灰色など)であり、道路の形状、及び警察署や工場といった施設の情報は明度の高い色(白色、黄色、薄い灰色など)で記載されている。日没後、ユーザーの周囲が暗い夜間に、図7Aのような背景の色が明るい地図情報を表示すると、地図情報とユーザーの周囲の環境とのコントラストで、画面にちらつきが生じ、情報の表示部分の視認性が低下する。夜間に表示する地図情報を、図7Bに示す、日中よりも背景の色が暗いものに変更することで、画面のちらつき発生を抑制し、情報の表示部分の視認性を向上させる。
図4に戻り、第2制御部22は、第2レイヤーL2に表示される情報の表示を制御する機能を有する。第2レイヤーL2には、ダミー背景が表示される。ダミー背景とは、重ね合わせ部3にて生成された表示用情報において、ユーザーの操作に応じて、第1レイヤーL1に表示された情報をユーザーが見ることができない状態(以下、「第1状態」ともいう。)と、第1レイヤーL1に表示された情報をユーザーが見ることができる状態(以下、「第2状態」ともいう。)とを切り替えるために用いる背景である。第1状態と第2状態とを切り替えるときは、ダミー背景の透過率を変化させる。ダミー背景の透過率と、第1状態と第2状態とを切り替えの関係を図8A及び8Bを用いて説明する。
図8Aは、図5Aにおいて、第2レイヤーL2に、不透明なダミー背景を表示した場合を示している。不透明とは、たとえば透過率が0~5%の範囲内であることをいう。この場合、重ね合わせ部3の機能によって第1レイヤーL1~第5レイヤーL5を重ね合わせると、図8Bに示す表示用情報が生成され、表示部11に表示される。図8Bに示す表示用情報では、第1レイヤーL1に表示された地図情報は、第2レイヤーL2に表示されたダミー背景に隠れて、表示部11には表示されない。つまり、図8Bに示した状態が、第1状態である。そして、第2レイヤーL2に透明なダミー背景を表示した場合、つまり図5Aに示す場合には、地図情報が表示部11に表示される。この状態が第2状態である。ここで、透明とは、たとえば透過率が95~100%の範囲内であることをいう。このように、第2レイヤーL2に表示されるダミー背景の透過率を変化させることで、第1レイヤーL1に表示された情報の表示部分に対して演出処理を実行することなく、第1レイヤーL1に表示された情報が、表示部11に表示されるか否かを制御することができる。つまり、第1レイヤーL1の表示を、演算処理の負荷が大きい第1制御部21を用いずに、第2制御部22を用いて部分的に制御することができる。
ダミー背景の色は、画面のちらつきの発生を抑制するために、明度の低い色、たとえば黒、濃紺などが好ましい。また、第2制御部22がダミー背景の透過率を変化させる割合は、画面のちらつきの発生を抑制することができる範囲内で所定の値を設定することができ、たとえば、第3レイヤーL3及び第5レイヤーL5のうち少なくとも一方において行われる演出処理の時間に合わせて、当該演出処理が完了するまでに、切り替えの後の状態の透過率に変化させるような値に設定する。
図4に戻り、第3制御部23は、第3レイヤーL3に表示される情報の表示を制御する機能を有する。第3レイヤーには、第1レイヤーL1に表示される情報以外の情報が表示される。第3レイヤーに表示される情報は特に限定されないが、たとえば図9A及び9Bに示すような情報が表示される。図9Aは、主に第1状態において第3レイヤーL3に表示される情報を示す図である。第1状態では、地図情報又は車両の周囲の画像情報が表示部11に表示されていないので、第3レイヤーL3に表示される情報は、車両の走行制御に用いられない情報となる。たとえば、第3レイヤーL3の左側に表示されている情報Y1は、音楽を再生するアプリケーションを示しており、情報Y1の右側に表示されている情報Y2は、車両の電力消費量を表示するアプリケーションを示している。また、第3レイヤーL3の右側に表示されている情報Y3及びY4は、ドライブレコーダーを制御するアプリケーションを起動するボタン、ユーザーサポートに接続するためのボタン、音声入力によりユーザーを支援する人工知能(AI)を起動するためのボタンなどである。さらに、図9Aに示す情報以外にも、第3レイヤーL3には、動画再生を制御する情報、ウェブブラウザーの情報、自車両の現在位置及び目的地周辺の天気を示す情報などが表示される。
一方、図9Bは、主に第2状態において第3レイヤーL3に表示される情報を示す図である。第2状態では、地図情報又は車両の周囲の画像情報が表示部11に表示されているので、第3レイヤーL3に表示される情報は、車両の走行制御に用いられる情報となる。図9Aの第3レイヤーL3下部に表示されている情報Y5は、タッチ操作部12に操作を入力するためのアイコンとなる画像である。アイコンは、左から順に、画面を戻すアイコン、地図情報の表示を自車両の現在位置の周辺に設定するアイコン、電気自動車の充電設備を検索するアイコン、予め設定しておいた目的地を表示するアイコン、ハンズフリーによる電話機能を起動するアイコン、音楽再生機能を起動するアイコン、そして、表示部11の表示の設定を変更するメニュー画面を開くアイコンである。第3レイヤーL3の左側に表示されている情報Y6は、方位磁針を表す画像であり、表示される地図情報における方位を示す。第3レイヤーL3の中心部分に表示されている情報Y7は、表示される地図情報の縮尺を変更するための画像であり、上のアイコンをタッチすると、表示される地図の縮尺が大きくなり、広域地図が表示される。これに対して、下のアイコンをタッチすると、表示される地図の縮尺が小さくなり、詳細な地図が表示される。第3レイヤーL3の右側に表示されている情報Y8は、ナビゲーション装置によって設定された経路に沿って走行するための情報である。たとえば、次の交差点までの距離や、次の交差点における右左折の情報などが、文字、記号、アイコンなどを用いてユーザーに通知される。
第3レイヤーL3に表示される情報の表示を制御する際に、第3制御部23は、第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分を変更することができる。たとえば、第3レイヤーL3に表示された情報の表示部分に対して、表示部分を拡大したり、縮小したりすることができ、また、表示部分の透過率を変更することができる。この際、第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分の大きさ及び透過率は、情報の表示部分の視認性が確保される範囲内で適宜に設定することができる。さらに、第3制御部23は、第3レイヤーL3に表示される情報の色相、明度、及び彩度のうち少なくとも一つを、自車両の周囲の環境に応じて変更することができる。たとえば、自車両が暗い場所を走行している場合、及び自車両が夜間に走行している場合などには、表示する情報の明度を下げることができる。ほかの例として、第3制御部23は、第3レイヤーL3に表示される情報の背景の色を黒、濃紺などの明度の低い色に変更することができ、逆に、地図情報の背景の色を白などの明度の高い色に変更することもできる。
図4に戻り、第4制御部24は、第4レイヤーL4に表示される情報の表示を制御する機能を有する。第4レイヤーL4には、第3レイヤーL3と同様に、第1レイヤーL1に表示される情報以外の情報が表示される。ここで、第4レイヤーL4に表示される情報は、第3レイヤーL3に表示される情報と同じであってもよく、異なっていてもよい。ただし、第3レイヤーL3と異なり、切り替え部4が第1状態と第2状態とを切り替えるときに、第4レイヤーL4に表示された情報の表示部分に対しては演出処理が実行されない。そのため、第1状態と第2状態のどちらの状態でも表される情報は、第4レイヤーL4に表示されることになる。また、第4制御部24による第4レイヤーL4に表示される情報の表示を制御は、第3制御部23による第3レイヤーL3に表示される情報の表示を制御と同様に行うことができる。なお、第4制御部24及び第4レイヤーL4は必須の構成ではなく、必要に応じて設けることができる。
第5制御部25は、第5レイヤーL5に表示される情報の表示を制御する機能を有する。第5レイヤーL5には、一部が他の部分に比べて明度が高い背景が表示される。一つの背景画像の中で明度に差をつけることで、表示部11に表示される表示用情報において、一部にスポットライトが当てられたような演出を実現できる。第5制御部25は、スポットライトが当てられたような演出を、表示用情報のどの部分にて実現するかに応じて、背景の明度を適宜に設定することができる。たとえば、図10Aに示す画像のように、下部の中心部において最も明度が高く、そこから放射状に明度が下がるように設定すると、表示用情報において、下部の中心部にスポットライトが当てられたような演出効果が得られる。また、表示用情報において、右上にスポットライトが当てられたような演出効果を得たい場合には、図10Bに示す画像のように、右上において明度が最も高くなり、そこから放射状に明度が下がるグラデーションを付すことになる。
第5レイヤーL5に表示される背景の色は、スポットライトが当てられたような演出を実現するために、明度の低い色が好ましく、たとえば、黒、濃紺などである。また、第5レイヤーL5に表示される情報の表示を制御する場合に、第5制御部25は、第5レイヤーL5に表示される背景の透過率を変更することができる。具体的には、第1状態では、第1レイヤーL1に表示された情報を表示部11に表示させないために、第5レイヤーL5に表示される背景の透過率は、たとえば0%に設定する。これに対して、第2状態では、第1レイヤーL1に表示された情報を表示部11に表示させるため、第5レイヤーL5に表示される背景の透過率は、たとえば100%に設定する。なお、第5制御部25及び第5レイヤーL5は必須の構成ではなく、必要に応じて設けることができる。
ここまで、第1制御部21~第5制御部25と第1レイヤーL1~第5レイヤーL5とについて説明したが、図4に示すように第1レイヤーL1~第5レイヤーL5のそれぞれに対して制御部が設けられている必要はなく、一つの制御部が複数のレイヤーの表示を制御してもよい。たとえば、第4制御部24と第5制御部25とを設けずに、第1制御部21が第1レイヤーL1の情報の表示を制御し、第2制御部22が第2レイヤーL2と第5レイヤーL5との情報の表示を制御し、第3制御部23が第3レイヤーL3と第4レイヤーL4との情報の表示を制御してもよい。また、第3制御部23と、第4制御部24と、第5制御部25とを設けずに、第1制御部21が第1レイヤーL1の情報の表示を制御し、第2制御部22が第2レイヤーL2~第5レイヤーL5の情報の表示を制御してもよいし、第1制御部21が第1レイヤーL1と第2レイヤーL2との情報の表示を制御し、第2制御部22が第3レイヤーL3~第5レイヤーL5の情報の表示を制御してもよい。このように、一つの制御部が複数のレイヤーの表示を制御することで、各制御部の演算負荷を最適化し、制御部の数が増加することを抑制できる。
<状態の切り替え>
次に、切り替え部4による、第1状態と第2状態との切り替えについて説明する。切り替え部4は、ユーザーの操作に応じて、第1状態(ダミー背景が不透明で、表示用情報において第1レイヤーL1に表示された情報をユーザーが見ることができない状態のことをいう。)と、第2状態(ダミー背景が透明で、表示用情報において第1レイヤーL1に表示された情報をユーザーが見ることができる状態のことをいう。)とを切り替える機能を有する。本実施形態の第1レイヤーL1に表示される情報には、特に地図情報が含まれる。図4に示すように、切り替え部4には、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25が接続されている。切り替え部4は、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25を介して、表示の切り替え処理を実行する間、第1レイヤーL1~第3レイヤーL3及び第5レイヤーL5の情報の表示を制御し、表示の切り替え処理を実行する。
なお、第4制御部24は、切り替え部4に接続していない。これは、上述のとおり、第4制御部24により制御される第4レイヤーに表示される情報は、切り替え部4により実行される表示の切り替え処理において表示が変更されないためである。
切り替え部4は、タッチ操作部12、第1入力部13a及び第2入力部13bのうち少なくとも一つから入力された操作を制御部2から取得すると、表示の切り替え処理を実行する。当該表示の切り替え処理において、切り替え部4は、表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。たとえば、切り替え部4は、表示された情報の表示部分に対して、移動、縮小、拡大、透過率の変化のうち少なくとも1つを含む演出処理を実行する。具体的な演出処理については、以下に説明する。
切り替え部4は、第1状態と第2状態とが切り替わる間において、第2レイヤーL2に表示されたダミー背景の透過率を、切り替え後の状態のものに変化させる。つまり、第1状態から第2状態に切り替える場合は、ダミー背景の透過率を、たとえば0%から100%に変化させ、第2状態から第1状態に切り替える場合は、ダミー背景の透過率を、たとえば100%から0%に変化させる。透過率を変更させる割合は、画面のちらつきの発生が抑制できる範囲内で適宜の値を設定することができる。また、以下に述べる、切り替え部4による、第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分に対する演出処理の実行と同期するように、透過率を変更させてもよい。
また、切り替え部4は、第1状態と第2状態とが切り替わる間において、第1状態において第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分と、第2状態において第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分との少なくとも一方に対して演出処理を実行する。当該演出処理は、第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分を変更することをいい、具体的には、第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分に対する、移動、縮小、拡大、透過率の変化のうち少なくとも1つを含む演出処理である。このように、第3レイヤーL3に表示された情報の表示部分に演出処理を実行することで、第1レイヤーL1に表示された情報の表示部分に演出処理を実行しなくとも、画面におけるちらつきの発生を抑制しつつ、ユーザーの満足度を高める演出を実行し、情報の表示を変更することができる。また、第1制御部21の演算負荷の増加を抑制することができる。
切り替え部4の機能により実行される演出処理の例を図11A~11Cに示す。図11A~11Cは、第3レイヤーL3に表示された情報Y1の表示部分に対して、表示部分の透過率を変化させる演出処理を実行した場合に、情報Y1の表示部分がどのように変化するのかを示す。図11Aでは、第1状態において、第3レイヤーL3に情報Y1が表示されているものとする。図11Aの状態で、切り替え部4による演出処理が実行されると、情報Y1の表示部分の透過率は、透過率が0~5%である状態(図11A)から徐々に増加し、透過率が30~60%である状態(図11B)を経て、最終的に図11Cに示すような、透過率が100%の状態になる。これにより、情報Y1の表示部分を第3レイヤーL3からフェードアウトさせる演出効果が得られる。逆に、情報Y1の表示部分が第3レイヤーL3にフェードインする演出効果を得る場合には、情報Y1が表示される位置に、図11Bに示すような高い透過率の情報Y1aが表示させ、その後、透過率を低下させる。情報Y1aの表示部分の透過率は、たとえば30~60%程度である。そして、切り替え部4による演出処理が完了すると、図11Aに示すように、情報Y1が第3レイヤーL3に表示される。透過率を変化させる割合は、ユーザーが、情報の表示部分に対するフェードイン及びフェードアウトの演出効果を認識できる範囲内で適宜の割合を設定することができる。
図12A~12Cは、切り替え部4の機能により実行される演出処理の別の例を示す図である。図12A~12Cは、第3レイヤーL3に表示される情報Y5の表示部分に対して、表示部分を第3レイヤーL3の右下から、表示部分の透過率を低下させながら移動させる演出処理を実行した場合に、情報Y5の表示部分がどのように変化するのかを示す。図12Aでは、第1状態から第2状態に切り替わる途中であり、第3レイヤーL3には何も表示されているものとする。この場合に、切り替え部4により演出処理が実行されると、第3レイヤーL3に何も情報が表示されていないところに、情報Y5の表示部分が、第3レイヤーL3の右下の位置から、図12Bに示す矢印Zの方向に平行移動される。当該平行移動の間、情報Y5の表示部分の透過率は徐々に低下する。図12Bの情報Y5aの透過率は、たとえば30~60%である。そして、情報Y5の表示部分を図12Cの位置で停止させ、その透過率をたとえば0~5%にする。これにより、情報Y5の表示部分が第3レイヤーL3の右下の位置から出現するような演出効果を得られる。
一方、情報Y5の表示部分が第3レイヤーL3の右下の方向に消えるような演出効果が得るためには、上述した演出処理を逆の順番で実行する。この場合には、たとえば、図12Cの状態から開始し、第3レイヤーL3の下部に表示された情報Y5の表示部分に対して、透過率が増加する演出処理が実行される。そして、透過率が増加すると共に、情報Y5の表示部分が右下に向けて平行移動する。図12Bには、演出処理が実行されている間の情報Y5aが表示されている。図12Bに示す情報Y5aは、図12Cに示す情報Y5の表示部分と比較して透過率が増加しており、図12Cの情報Y5が表示されていた位置から、矢印Zの方向と反対の方向に平行移動している。切り替え部4による演出処理が完了すると、図12Aに示すように、情報Y5の表示部分は第3レイヤーL3に表示されなくなる。
図12A~12Cに示す演出処理では、情報Y5の表示部分を平行移動させたが、移動は平行移動に限られず、回転移動であっても、回転移動と平行移動との組み合わせであってもよい。また、情報Y5の表示部分を移動している間に、情報Y5の表示部分を拡大、又は縮小してもよい。図12A~12Cに示す演出処理で、情報Y5の表示部分が第3レイヤーL3の右下の位置から出現する演出効果を得る場合には、最初は縮小した情報Y5を表示し、図12Cに示す位置まで移動する途中で、情報Y5の表示部分の大きさを徐々に拡大していくと、演出効果がより強調される。これに対して、情報Y5の表示部分が第3レイヤーL3の右下の方向に消える演出効果を得る場合には、図12Bに示す平行移動をしている間に、情報Y5の表示部分を縮小すると演出効果がより強調される。
また、切り替え部4は、切り替え前の状態で第3レイヤーL3に表示された情報の表示部分に対して演出処理を実行し、表示用情報において、切り替え前の状態で第3レイヤーL3に表示された情報の表示部分をユーザーが見ることができない状態になった後に、切り替え後の状態で第3レイヤーに表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。たとえば、第1状態から第2状態に切り替える場合は、図11A~11Cに示す演出処理を実行し、情報Y1の表示部分が表示部11からフェードアウトした後に、図12A~12Cに示す演出処理を実行して、情報Y5を第3レイヤーL3に表示する。逆に、第2状態から第1状態に切り替える場合は、図12A~12Cに示す演出処理を実行して、情報Y5の表示部分を第3レイヤーL3からフェードアウトさせた後に、図11A~11Cに示す演出処理を実行し、情報Y1の表示部分を第3レイヤーL3にフェードインさせる。
本実施形態の切り替え部4は、第1レイヤーL1に表示された地図情報などをユーザーが見ることができない第1状態から、ユーザーが当該地図情報を見ることができる第2状態への切り替えを実行する場合に、第2状態において表示される情報の一部を、第2状態において表示される情報の他の部分よりも先に表示させる。第2状態において表示される情報は特に限定されず、第1レイヤーL1~第3レイヤーL3及び第5レイヤーL5に表示される情報のうち、いずれであってもよい。以下、図13A~13Cを用いて、第2状態において表示される情報について説明する。
図13Aは、第2状態において各レイヤーに表示される情報の一例を示す図である。第2状態では、たとえば図13Aに示すように、第4レイヤーL4の左側に、タッチ操作部12に操作を入力するときにタッチするボタンの画像が表示され、右上には時計が表示される。第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するときにタッチ操作部12に操作を入力するためのアイコンとなる画像、方位磁針の形をした、地図情報の方位を示す画像、自車両の走行位置を示すアイコンとなる画像、電気自動車ようの充電設備を示す画像などが表示されている。また、第5レイヤーL5及び第2レイヤーL2には何も表示されておらず、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。
図13Aの第3レイヤーL3に表示される情報について、図13Bを用いてさらに説明する。図13Bに示す第3レイヤーL3には、下部中央に、タッチ操作部12に操作を入力するためのアイコンとなる情報Y5が表示されている。各アイコンに対応する機能は、図9Bに示す情報Y5と同様であるので、説明は省略する。第3レイヤーL3の左側には、方位磁針を表す画像であり、表示される地図情報における方位を示す情報Y6が表示されている。第3レイヤーL3の右側には、表示される地図情報の縮尺を変更するための画像である情報Y7が表示されている。情報Y7の上のアイコンをタッチすると、表示される地図の縮尺が大きくなり、下のアイコンをタッチすると、表示される地図の縮尺が小さくなる。
第3レイヤーL3の左上には、ナビゲーション装置によって設定された経路に沿って走行するための、自車両の進行方向の情報である情報Y8aが表示されている。図9Bに示す第3レイヤーL3には、2つ先の交差点までの右左折に関する情報Y8が表示されていたが、図13Bに示す情報Y8aは、次の交差点における詳細な車線情報が表示されている。情報Y8aの左側には、右向きの矢印が示されており、これは、ナビゲーション装置によって設定された経路に沿って走行するために、次の交差点で自車両が右折する必要があることを示している。情報Y8aの右側は、2つの部分に分かれており、上側の部分には、次の交差点までの距離や、次の交差点の位置情報などが、文字にて示されている。情報Y8aの右下部分には、矢印のアイコンが4つ表示されている。これは、次の交差点の車線情報を示しており、図13Bに示す情報Y8aの場合、次の交差点には4つの車線が存在し、左側の車線が左折専用車線であり、左から2番目の車線は直進することができ、右側の2車線は右折専用車線であることを示している。情報Y8aの左側のアイコンで示すとおり、設定された経路に沿って走行するためには次の交差点を右折する必要があるので、図13Bでは、運転者に右折専用車線への進入を促すため、右折専用車線を示す右側の2つのアイコンが太線にて強調して表示されている。
第3レイヤーL3の下部中央には、地図情報において自車両の走行位置を示すためのアイコンとなる情報Y9が表示されている。図13Bに示す情報Y9は、矢じりのような形状の画像により、自車両の走行位置と走行方向とを示す。情報Y9に示す画像の中心部分が自車両の現在位置を示し、矢じりの先端部分の向く方向が、自車両の走行方向を示す。図13Bの場合であれば、自車両は、表示された情報Y9の中心部分の位置を走行しており、走行方向は北西の方向(図13Bにおいて左上に向かう方向)である。情報Y9は、自車両の走行位置と走行方向とに応じて移動及び回転してもよい。又はこれに代えて、情報Y9を移動も回転もさせずに、自車両の走行位置と走行方向とに応じて地図情報を移動及び回転してもよい。また、図13Bでは、矢じりのような形状の画像を用いたが、アイコンとなる画像はこれに限定されず、たとえば円形又は矩形の形状の画像であってもよく、たとえば四角形、三角形の形状の画像をアイコンとして用いることもできる。
情報Y9の左側には、ナビゲーション装置によって設定された走行経路を示す情報Y10が表示されている。図13Bに示す走行経路は、情報Y9にて示される現在位置から、情報Y11bにて示される給電設備の位置まで走行する経路である。図13Bでは走行経路を矢印にて示したが、走行経路の表示形態はこれに限定されず、たとえば、地図情報において走行経路に対応する道路の部分に、彩度の高い色(赤色、オレンジ色、緑色など)を付して表示してもよい。この場合、道路の形状に対応した、高彩度の色の線が第3レイヤーL3に表示される。
また、図13Bには、主に電気自動車(EV)及びプラグインハイブリッド車(PHV)が利用する充電設備を示すアイコンとなる情報Y11a~Y11cが表示されている。このような充電設備の位置情報は、プロセッサ15のROM152に予め記憶されていてもよく、制御部2の機能により、制御装置14を外部のサーバーに接続させ、当該サーバーから取得してもよい。また、図13Bでは3つの充電設備を同じアイコンにて示しているが、充電設備の仕様に応じてアイコンを変更してもよい。たとえば、急速充電が可能な充電設備、同時に複数台の充電が可能な充電設備などについて、図13Bに示すアイコンとは異なるアイコンを使用してもよい。
そして、図13Aに示す情報が表示された各レイヤーを、重ね合わせ部3の機能によって重ね合わせると、図13Cに示す表示用情報が生成され、表示部11に表示される。本実施形態の切り替え部4は、第1状態と第2状態との切り替えを実行する場合に、図13Cに示す表示用情報のうち、地図情報における方位を示す情報Y6、設定された経路に沿って自車両が走行するための進行方向の情報である情報Y8a、自車両の走行位置を示す情報Y9、設定された走行経路を示す情報Y10、及び充電設備を示す情報Y11a~Y11cのうち少なくとも一つを、他の部分よりも先に表示する。このように、走行制御に用いられる情報を、他の情報よりも先に表示することで、表示部11における明暗の差、彩度の差などが大きく変化することが抑制される。その結果、画面におけるちらつきの発生が抑制され、情報の表示部分の視認性が向上する。
また、切り替え部4は、第1状態から前記第2状態への切り替えを実行するとき、第1レイヤーL1に表示された地図情報の一部を、地図情報の他の部分よりも先に表示させる。たとえば、図13Cにおいて、方位を示す情報Y6の周辺の地図情報、自車両の進行方向を示す情報Y8aの周辺の地図情報、自車両の走行位置を示す情報Y9の周辺の地図情報、設定された走行経路を示す情報Y10の周辺の地図情報、及び充電設備を示す情報Y11a~Y11cの周辺の地図情報のうち少なくとも一つを、地図情報の他の部分よりも先に表示させる。これにより、特に走行制御に用いられる情報が先に表示され、ユーザーに走行制御に用いられる情報を的確に提示できる。
上述した情報、及びそれら周辺の地図情報をどの程度先に表示するのかは、画面におけるちらつきの発生が抑制され、情報の表示部分の視認性悪化が抑制される範囲内で適宜に設定することができる。たとえば、表示用情報において、情報Y6、Y8a、Y9、Y10、及びY11a~Y11cのうち少なくとも一つを、他の情報よりも0.5~5秒先に表示する。ほかの例として、情報Y6、Y8a、Y9、Y10、及びY11a~Y11cのうち少なくとも一つの周辺の地図情報を、地図情報の他の部分よりも0.5~5.0秒先に表示する。また、切り替え時に演出処理を実行する場合、日中に演出処理を実行するときに要する時間よりも、夜間に演出処理を実行するときに要する時間を長く設定してもよい。夜間はユーザーの周囲が暗く、情報の表示部分の視認性に対する明度や彩度の変化の影響が大きいからである。
図14A~14Cは、第1状態から第2状態への切り替えを実行する場合に、切り替え部4の機能により、第2状態において表示される情報の表示部分に対して実行される演出処理の例を示す図である。図14A~14Cは、重ね合わせ部3により生成された表示用情報である。図14A~14Cに示す例は、第1状態から第2状態に切り替わる途中で、第1状態において第3レイヤーL3に表示されていた情報は全て表示されなくなり、第5レイヤーL5には何も表示されておらず、第2レイヤーL2のダミー背景が不透明の状態から開始するものとする。この状態から、図14A~14Cに示すように、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を低下させつつ、第2状態において第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分と、第1レイヤーL1に表示された地図情報とに対して演出処理を実行する。なお、説明のために、第2レイヤーL2のダミー背景の色は白色としている。
まず、切り替え部4は、図14Aに示すように、方位を示す情報、自車両の進行方向を示す情報、自車両の走行位置を示す情報、設定された走行経路を示す情報、及び充電設備を示す情報を、第3レイヤーL3にフェードインさせる。つまり、これらの情報の表示部分に対して、透過率を徐々に低下させる演出処理を実行する。当該演出処理の実行に要する時間は、たとえば0.5~5秒である。ここで、第4レイヤーL4に表示された時計などの情報については、演出処理が実行されていない。
次に、第3レイヤーL3に表示される情報の一部についてフェードインの演出処理が完了した後、図14Bに示すように、第3レイヤーL3に表示されるアイコンなどの情報を全て表示させる。この際、図14Aに示した情報以外の情報の表示部分に対して、必ずしもフェードインの演出処理を実行する必要はない。また、第3レイヤーL3に表示される情報を表示させるとともに、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を増加させる。そして、第1レイヤーL1に表示された地図情報のうち、図14Bの中心付近、自車両の周囲の部分の地図情報のみを表示させる。図14Bに示す地図情報を表示においても、0.5~5秒の時間を要するフェードインの演出処理を実行してもよい。これにより、図14Bに示すような、第3レイヤーL3に表示される情報と、自車両の周囲の地図情報のみが表示される表示用情報が生成できる。
図14Bに示す、地図情報に対する演出処理が完了した後、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を95~100%の状態(透明な状態)にする。これにより、残りの部分の地図情報が表示部11に表示される。最終的には、図14Cに示す表示用情報が表示部11に表示され、切り替え部4による、第1状態から第2状態への切り替えが完了する。なお、図14Cに示す地図情報の表示では、フェードインなどの演出処理を必ずしも実行する必要はなく、第2レイヤーL2のダミー背景を透明にすることで、速やかに地図情報の全体を表示してもよい。
ここまで、制御装置14に含まれる各機能ブロックについて説明したが、単一の制御装置14が全ての機能ブロックを備える必要はなく、上記の機能ブロックのうち一部のものを、車両用表示装置1に含まれる他の機器、又は図示しない別の情報処理装置に設けてもよい。また、各機能ブロックの処理の全てを単一の装置で実行する必要はなく、データが授受できる状態で接続された複数の装置をまたいで、各機能ブロックの機能を実現してもよい。たとえば、図1の車両用表示装置1において、重ね合わせ部3にて実行される処理のうち、一部の処理を表示部11にて実行し、残りの処理を重ね合わせ部3にて実行するようにしてもよい。この場合には、表示部11のCPU、ROM、及びRAMを用いて、重ね合わせ部3の機能を実現するための処理の一部が行われることになる。
[車両用表示装置における処理]
図15A~15Eを参照して、制御装置14が情報を処理する際の手順を説明する。図15A~15Eは、本実施形態の車両用表示装置1における情報の処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、制御装置14のプロセッサ15において、第1状態から第2状態へ表示を切り替えるときに実行される。
また、以下の説明において、図15A~15Eに示すルーチンが実行される前の第1状態では、各レイヤーに、図16Aに示す情報が表示されているものとする。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されているものとする。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報が表示され、第5レイヤーL5には、一部の明度が、他の部分の明度よりも高く設定されている背景が表示されているものとする。第2レイヤーL2には、透明なダミー背景が表示され(つまり何も表示されていない)、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されているものとする。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図16Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、第5レイヤーL5に表示された背景の上に、第3レイヤーL3に表示された情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。第1レイヤーL1に表示された地図情報は、第5レイヤーL5に表示された背景の影となり、ユーザーから見ることができない状態である。
まず、図15AのステップS1にて、制御部2の機能により、タッチ操作部12及び入力部13のうち少なくとも一方から入力されたユーザーの操作を取得し、続くステップS2にて、取得した操作が、第1状態を第2状態に切り替える操作であるか否かを判定する。取得した操作が、第1状態を第2状態に切り替える操作ではない場合は、ルーチンの実行を中止し、制御装置14による処理が終了する。これに対して、取得した操作が、第1状態を第2状態に切り替える操作である場合は、ステップS3に進み、制御部2のマスター装置としての機能により、切り替え部4に、第1状態から第2状態への切り替え開始を指示する。
ステップS4にて、切り替え部4は、第1状態から第2状態への切り替え開始の指示を取得する。続くステップS5にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第2制御部22に、第2レイヤーL2のダミー背景を不透明にする指示を出す。ステップS6にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を、たとえば100%(透明な状態)から0%(不透明な状態)に変化させる。
ステップS6では、各レイヤーに、たとえば図17Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報が表示され、第5レイヤーL5には、一部の明度が、他の部分の明度よりも高く設定されている背景が表示されている。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図17Bに示す情報となる。つまり、表示部11に表示される表示用情報は、図16Bに示すものと同じである。
図15Aに戻り、ステップS7にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、ダミー背景の不透明化が完了したことを出力する。ステップS8にて、切り替え部4は、第2制御部22の出力を取得し、ダミー背景が不透明になったことを確認する。続くステップS9にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、表示の切り替え処理を継続する指示を制御部2に要求する。なお、ステップS8は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
図15Bに進み、切り替え部4から、表示の切り替え処理を継続する指示を要求された制御部2は、制御部2のマスター装置としての機能により、各制御部がレイヤーにおける情報の表示を制御できる状態か否かを確認する。具体的には、ステップS10aにて、制御部2は、第1制御部21が、第1レイヤーL1の情報の表示を制御できる状態か否かを確認する。続くステップS10bにて、制御部2は、第2制御部22が、第2レイヤーL2の情報の表示を制御できる状態か否かを確認する。続くステップS10cにて、制御部2は、第3制御部23が、第3レイヤーL3の情報の表示を制御できる状態か否かを確認する。続くステップS10dにて、制御部2は、第5制御部25が、第5レイヤーL5の情報の表示を制御できる状態か否かを確認する。ステップS10a~ステップS10dは、図15Bに示すように順次実行されてもよいし、同じタイミングで(たとえば同時に)実行されてもよい。
情報の表示の制御状態を確認された各制御部は、レイヤーの情報の表示の制御を制御する機能により、制御部2に、レイヤーの情報の表示の制御状態を出力する。具体的には、ステップS11aにて、第1制御部21は、第1レイヤーL1の情報の表示の制御状態を出力する。続くステップS11bにて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示の制御状態を出力する。続くステップS11cにて、第3制御部23は、第3レイヤーL3の情報の表示の制御状態を出力する。続くステップS11dにて、第5制御部25は、第5レイヤーL5の情報の表示の制御状態を出力する。なお、ステップS11a~ステップS11dが実行される順序は、図15Bに示すものに限定されず、各ステップが処理される順番が入れ替わっていてもよいし、複数のステップが同じタイミングで(たとえば同時に)実行されてもよい。続くステップS12にて、制御部2は、マスター装置としての機能により、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25の出力を取得する。
図15Cに進み、ステップS13にて、制御部2は、マスター装置としての機能により、取得した出力に基づいて、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25の全てが、レイヤーの情報の表示を適切に制御できる状態であるか否かを確認する。第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25に、レイヤーの情報の表示を適切に制御できない状態であるものが含まれている場合は、ステップS10a~ステップS10dに戻り、再度、制御状態を確認する。又はこれに代えて、ルーチンの実行を中止し、制御装置14による処理を終了させてもよい。これに対して、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25の全てが、レイヤーの情報の表示を適切に制御できる状態である場合は、ステップS14に進み、制御部2は、切り替え部4に、表示の切り替え処理の継続を指示する。
ステップS15にて、切り替え部4は、制御部2から、第1状態から第2状態への切り替えを継続する指示を取得する。続くステップS21にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第5制御部25に、背景を透明にすることを指示する。背景の透明化の指示を取得した第5制御部25は、ステップS22にて、第5レイヤーL5の情報の表示を制御する機能により、背景の透過率を増加させる。
ステップS22では、各レイヤーに、たとえば図18Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報が表示されている。第5レイヤーL5には、透明な(透過率がたとえば100%である)背景が表示されており、何の情報も表示されていない状態と同じである。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図18Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、第2レイヤーL2に表示されたダミー背景の上に、第3レイヤーL3に表示された情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
図15Cに戻り、ステップS23にて、第5制御部25は、第5レイヤーL5の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、背景の透明化が完了したことを出力する。ステップS24にて、切り替え部4は、第5制御部25の出力を取得し、背景が透明化されたことを確認する。なお、ステップS24は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
図15Dに進み、ステップS25にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第3制御部23に、第1状態において表示されている情報の表示部分に対して演出処理の実行を指示する。演出処理の実行の指示を取得した第3制御部23は、ステップS26にて、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、第1状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。
ステップS26では、各レイヤーに、たとえば図19Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報の表示部分に対して、第3レイヤーL3の右上に画像がフェードアウトする演出処理が実行されている。第5レイヤーL5には、何も表示されていないか、透過率が100%の背景が表示されている。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図19Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、第5レイヤーL2に表示されたダミー背景の上に、演出処理が実行されている第3レイヤーL3の情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
図15Dに戻り、ステップS27にて、第3制御部23は、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、第1状態において表示される情報の表示部分に対する演出処理の実行が完了したこと、つまり第1状態において表示される情報の表示部分が、表示部11に表示されなくなったことを出力する。ステップS28にて、切り替え部4は、第3制御部23の出力を取得し、背景に対する演出処理の実行が完了したことを確認する。なお、ステップS28は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
続くステップS29にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第3制御部23に、第2状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理の実行を指示する。演出処理の実行の指示を取得した第3制御部23は、ステップS30にて、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、第2状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。また、ステップS31にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第2制御部22に、第2レイヤーL2のダミー背景を透明にする指示を出す。ステップS30にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を、たとえば0%(不透明な状態)から100%(不透明な状態)に変化させる。
ステップS30では、各レイヤーに、たとえば図20Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第2状態で表示される情報の表示部分に対して、第3レイヤーL3の右下から画像がフェードインする演出処理が実行されている。ここで、第3レイヤーL3における情報の表示部分に対する演出処理は、図14A~14Cに示したような、自車両の表示位置など一部の情報が先にフェードインする演出処理である。第5レイヤーL5には、何も表示されていないか、透過率が100%の背景が表示されている。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図20Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、第5レイヤーL2に表示されたダミー背景の上に、演出処理が実行されている第3レイヤーL3の情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
また、ステップS32では、各レイヤーに、たとえば図21Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第2状態で表示される情報が表示されている。第5レイヤーL5には何も表示されておらず、第2レイヤーL2には、透過率が徐々に減少する演出処理が実行されたダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図21Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、透過率が変化している、第2レイヤーL2に表示されたダミー背景の上に、第3レイヤーL3の情報と第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
図15Eに進む。ステップS33にて、第3制御部23は、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、第2状態において表示される情報の表示部分に対する演出処理の実行が完了したことを出力する。ステップS34にて、切り替え部4は、第3制御部23の出力を取得し、第2状態において第3レイヤーL3に表示される情報の表示部分に対する演出処理の実行が完了したことを確認する。続くステップS35にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、第2レイヤーL2のダミー背景の透明化が完了したことを出力する。ステップS36にて、切り替え部4は、第2制御部22の出力を取得し、ダミー背景の透明化が完了したことを確認する。
ステップS36では、各レイヤーに、たとえば図22Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するためのアイコンとなる画像が表示されている。また、第5レイヤーL5及び第2レイヤーL2には何も表示されておらず、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。そして、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図22Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、ユーザーが地図情報を見ることができる状態であり、第3レイヤーL3及び第4レイヤーL4に表示された情報は、地図情報の上に表示されている。この段階で、第1状態から第2状態に状態が切り替わっている。
図15Eに戻り、ステップS61にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、表示の切り替え処理が完了したことを制御部2に出力する。そして、ステップS62にて、制御部2は、切り替え部4の出力を取得し、表示の切り替え処理が完了したことを確認する。その後、制御装置14による処理を終了する。
なお、図15DのステップS32と、図15EのステップS33との間に、切り替え部4が、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第1制御部21に、地図情報の表示部分に対して演出処理の実行を指示するステップを加えてもよい。この場合、第1制御部21は、第1レイヤーL1の情報の表示を制御する機能により、地図情報のうち、第3レイヤーL3に表示された、自車両の走行位置を示すアイコンの周囲の部分だけを先に表示する演出処理を実行する。当該演出処理の実行が完了すると、第1制御部21は、第1レイヤーL1の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、地図情報の表示部分に対する演出処理の実行が完了したことを出力する。このステップは、図15EのステップS35とS36との間に設けられる。
次に、図23A~23Eを参照して、制御装置14が情報を処理する際の手順を説明する。図23A~23Eは、本実施形態の車両用表示装置1における情報の処理を示すフローチャートの別の例である。以下に説明する処理は、制御装置14のプロセッサ15において、第2状態から第1状態へ表示を切り替えるときに実行される。なお、図23A~23Eに示すフローチャートにおいて、図15A~15Eに示すフローチャートと同じ処理を行うステップには、図15A~15Eに示すフローチャートと同じ番号を付している。
また、以下の説明において、図23A~23Eに示すルーチンが実行される前の第2状態では、各レイヤーに、図24Aに示す情報が表示されているものとする。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されているものとする。第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するためのアイコンとなる画像が表示されているものとする。また、第5レイヤーL5及び第2レイヤーL2には何も表示されておらず、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されているものとする。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図24Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、ユーザーが地図情報を見ることができる状態であり、第3レイヤーL3及び第4レイヤーL4に表示された情報は、地図情報の上に表示されている。
まず、図23AのステップS1にて、制御部2の機能により、タッチ操作部12及び入力部13のうち少なくとも一方から入力されたユーザーの操作を取得し、続くステップS2aにて、取得した操作が、第2状態を第1状態に切り替える操作であるか否かを判定する。取得した操作が、第2状態を第1状態に切り替える操作ではない場合は、ルーチンの実行を中止し、制御装置14による処理が終了する。これに対して、取得した操作が、第2状態を第1状態に切り替える操作である場合は、ステップS3aに進み、制御部2のマスター装置としての機能により、切り替え部4に、第2状態から第1状態への切り替え開始を指示する。
ステップS4aにて、切り替え部4は、第2状態から第1状態への切り替え開始の指示を取得する。続くステップS5にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第2制御部22に、第2レイヤーL2のダミー背景を不透明にする指示を出す。ステップS6にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を、たとえば100%(透明な状態)から0%(不透明な状態)に変化させる。
ステップS6では、各レイヤーに、たとえば図25Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するためのアイコンとなる画像が表示されている。第5レイヤーL5には何も表示されておらず、第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図25Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、ダミー背景に隠れることで、ユーザーは地図情報を見ることはできない状態である。なお、第3レイヤーL3及び第4レイヤーL4に表示された情報は、ダミー背景の上に表示されている。
図23Aに戻り、ステップS7にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、ダミー背景の不透明化が完了したことを出力する。ステップS8にて、切り替え部4は、第2制御部22の出力を取得し、ダミー背景が不透明になったことを確認する。続くステップS9にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、表示の切り替え処理を継続する指示を制御部2に要求する。なお、ステップS8は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
図23Bに進み、ステップS10a~ステップS10d、ステップS11a~ステップS11d、及びステップS12を実行する。これらのステップは、上述した図15Bに示すステップと同じであるため、ここでの説明は省略する。
図23Cに進み、ステップS13にて、制御部2は、マスター装置としての機能により、取得した出力に基づいて、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25の全てが、レイヤーの情報の表示を適切に制御できる状態であるか否かを確認する。第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25に、レイヤーの情報の表示を適切に制御できない状態であるものが含まれている場合は、ステップS10a~ステップS10dに戻り、再度、制御状態を確認する。又はこれに代えて、ルーチンの実行を中止し、制御装置14による処理を終了させてもよい。これに対して、第1制御部21~第3制御部23及び第5制御部25の全てが、レイヤーの情報の表示を適切に制御できる状態である場合は、ステップS14aに進み、制御部2は、切り替え部4に、表示の切り替え処理の継続を指示する。
ステップS15aにて、切り替え部4は、制御部2から、第2状態から第1状態への切り替えを継続する指示を取得する。続くステップS41にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第3制御部23に、第2状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理の実行を指示する。演出処理の実行の指示を取得した第3制御部23は、ステップS22にて、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、第2状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。
ステップ42では、各レイヤーに、たとえば図26Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、表示部11の表示を変更するためのアイコンとなる画像に対して、第3レイヤーL3の右下に画像が消える演出処理が実行されている。第5レイヤーL5には何も表示されておらず、第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図26Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、ダミー背景上に、演出処理が実行されている第3レイヤーL3の情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
図23Cに戻り、ステップS43にて、第3制御部23は、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、演出処理の実行が完了したことを出力する。ステップS44にて、切り替え部4は、第3制御部23の出力を取得し、演出処理の実行が完了したことを確認する。なお、ステップS44は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
図23Dに進み、ステップS45にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第5制御部25に背景の表示を指示する。背景の表示の指示を取得した第5制御部25は、ステップS46にて、第5レイヤーL5の情報の表示を制御する機能により、背景の表示を開始する。また、ステップS47にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第3制御部23に、第1状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理の実行を指示する。演出処理の実行の指示を取得した第3制御部23は、ステップS48にて、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、第1状態において表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行する。
ステップS48では、各レイヤーに、たとえば図27Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報の表示部分に対して、第3レイヤーL3の右上から画像がフェードインする演出処理が実行されている。第5レイヤーL5には、透過率が徐々に減少する演出処理が実行された背景が表示されている。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図27Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、透過率が変化している、第5レイヤーL5に表示された背景の上に、演出処理が実行されている第3レイヤーL3の情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。
図23Dに戻り、ステップS49にて、第5制御部25は、第5レイヤーL5の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、背景に対する演出処理の実行が完了し、背景が表示されたことを出力する。ステップS50にて、切り替え部4は、第5制御部25の出力を取得し、背景に対する演出処理の実行が完了したことを確認する。また、ステップS51にて、第3制御部23は、第3レイヤーL3の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、第1状態において表示される情報の表示部分に対する演出処理の実行が完了したことを出力する。ステップS52にて、切り替え部4は、第3制御部23の出力を取得し、背景に対する演出処理の実行が完了したことを確認する。
ステップS52では、各レイヤーに、たとえば図28Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報が表示されている。第5レイヤーL5には、一部の明度が、他の部分の明度よりも高く設定されている背景が表示されている。第2レイヤーL2には、不透明なダミー背景が表示されている。また、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図28Bに示す情報となる。つまり、表示部11にて、第5レイヤーL5に表示された背景の上に、第3レイヤーL3に表示された情報と、第4レイヤーL4に表示された情報とが表示されている。第2レイヤーL2に表示されたダミー背景と、第1レイヤーL1に表示された地図情報とは、ユーザーから見ることができない状態になっている。
図23Dに戻る。ステップS50及びステップS52は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。また、ステップS45及びステップS47は、同じタイミングで(たとえば同時に)実行することができる。
図23Eに進み、ステップS53にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、第2制御部22に、第2レイヤーL2のダミー背景を透明にする指示を出す。ステップS54にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、第2レイヤーL2のダミー背景の透過率を、たとえば0%(不透明な状態)から100%(透明な状態)に変化させる。
ステップS54では、各レイヤーに、たとえば図29Aに示す情報が表示されている。すなわち、第4レイヤーL4には、左側にタッチ操作用のボタンの画像が表示され、右上には時計が表示されている。第3レイヤーL3には、第1状態で表示される情報が表示され、第5レイヤーL5には、一部の明度が、他の部分の明度よりも高く設定されている背景が表示されている。第2レイヤーL2には、透明なダミー背景が表示され(つまり、何も表示されていない状態と同じである。)、第1レイヤーL1には、地図情報が表示されている。この場合、重ね合わせ部3により生成される表示用情報は、図29Bに示す情報となる。つまり、図28Bと同じ表示用画像が表示部11に表示されることになる。
図23Eに戻り、ステップS55にて、第2制御部22は、第2レイヤーL2の情報の表示を制御する機能により、切り替え部4に、ダミー背景の透明化が完了したことを出力する。ステップS56にて、切り替え部4は、第2制御部22の出力を取得し、ダミー背景が透明になったことを確認する。続くステップS61にて、切り替え部4は、第1状態と第2状態とを切り替える機能により、表示の切り替え処理が完了したことを制御部2に出力する。そして、ステップS62にて、制御部2は、切り替え部4の出力を取得し、表示の切り替え処理が完了したことを確認する。その後、制御装置14による処理を終了する。なお、ステップS56は必須のステップではなく、必要に応じて設けることができる。
[本発明の実施態様]
以上のとおり、本実施形態の車両用表示装置によれば、ユーザーの操作に応じて、前記ユーザーが地図情報を見ることができない第1状態と、前記ユーザーが地図情報を見ることができる第2状態とを切り替える切り替え部4を備え、前記切り替え部4は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えを実行する場合に、表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行し、前記切り替え部4は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを実行するときは、前記第2状態において表示される情報の一部を、前記第2状態において表示される情報の他の部分よりも先に表示させる、車両用表示装置1が提供される。これにより、表示される画面の明暗の差、彩度の差などが大きく変化することを抑制することができる。その結果、画面におけるちらつきの発生が抑制され、情報の表示部分の視認性悪化が抑制される。
また、本実施形態の車両用表示装置によれば、情報の表示を制御する制御部2を備え、前記制御部2は、夜間に表示される前記地図情報を、日中に表示される前記地図情報よりも背景が暗いものに変更し、前記切り替え部4は、夜間に前記演出処理を実行するときは、日中に前記演出処理を実行するときよりも、前記演出処理に要する時間を長く設定する。これにより、地図情報とユーザーの周囲の環境とのコントラストで、画面にちらつきが生じ、情報の表示部分の視認性が低下することを抑制する。
また、本実施形態の車両用表示装置によれば、前記切り替え部4は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを実行するときは、前記地図情報の一部を、前記地図情報の他の部分よりも先に表示させる。これにより、特に走行制御に用いられる情報が先に表示され、ユーザーに走行制御に用いられる情報を的確に提示できる。
また、本実施形態の車両用表示装置によれば、前記地図情報の一部は、自車両の走行位置を示すアイコン、前記自車両の周辺の地図、設定された走行経路、及び前記走行経路に沿って走行する場合の前記自車両の進行方向のうち少なくとも一つである。これにより、走行制御に用いられる情報が他の情報よりも先に表示され、情報の表示部分の視認性が向上する。
また、本実施形態の車両用表示装置によれば、前記切り替え部4は、表示された情報の表示部分に対して、移動、縮小、拡大、透過率の変化のうち少なくとも1つを含む演出処理を実行する。これにより、ユーザーの満足度を高める演出を実行することができる。
また、本実施形態の車両用表示方法によれば、プロセッサ15を用いて表示を行う車両用表示方法において、前記プロセッサ15は、ユーザーの操作に応じて、前記ユーザーが地図情報を見ることができない第1状態と、前記ユーザーが地図情報を見ることができる第2状態とを切り替え、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える場合に、表示される情報の表示部分に対して演出処理を実行し、前記第1状態から前記第2状態に切り替えるときは、前記第2状態において表示される情報の一部を、前記第2状態において表示される情報の他の部分よりも先に表示させる、車両用表示方法が提供される。これにより、表示される画面の明暗の差、彩度の差などが大きく変化することを抑制することができる。その結果、画面におけるちらつきの発生が抑制され、情報の表示部分の視認性悪化が抑制される。