JP7655438B2 - リフレクトアレイ、リフレクトアレイ装置およびリフレクトアレイの設計方法 - Google Patents
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Description
これらの理由から、広範囲における5G・6G通信を実現するためには、基地局数を増やす必要がある。しかし、基地局を増やすためには多額のコストを要するため、基地局の数を早急に増やすのは難しい状況にある。近年これらの課題を解決すべく、電磁波の方向を制御する技術が注目を集めている。
メタサーフェス反射板は、誘電体基板、誘電体基板の底面に設けられ、全ての向きの偏波に対しメタサーフェス反射板を透過させない金属グラウンド層、および、アーム長の異なる2種以上の十字型の金属共振器を有する複数のスーパーセルを備える。金属共振器を有するスーパーセルは、誘電体基板の上面に形成され、入射波の垂直偏波および水平偏波を反射させ、所定周波数での電磁波を要求される位相で異常波反射させる回折格子の周期で配列されている。
複数の反射素子が基板上に配置され、基板の表面に平行な電界成分を有する第1の偏波及び前記表面に垂直な電界成分を有する第2の偏波を、第1及び第2の所望方向にそれぞれ反射するリフレクトアレーは、複数の反射素子の各々は地板から隔てて設けられたパッチを有し、第1の軸方向に隣接する反射素子のパッチ間のギャップは、第1の偏波が所定の反射位相で反射されるようにギャップの場所に応じた値に設定され、第1の軸に垂直な第2の軸方向に隣接する反射素子のパッチ間のギャップは、第2の偏波が所定の反射位相で反射されるようにギャップの場所に応じた値に設定されている。
このため、リフレクトアレイについて良品率を高めることが難しいといった課題がある。
また、特許文献1および2のいずれにおいても、設計パラメータの設定方法については十分な検討が行われていない。
そこで、本発明では、リフレクトアレイの良品率を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本開示は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本開示において、「リフレクトアレイ(電磁波反射板)」とは、電磁波を反射させる部材である。入射角度と反射角度が等しい対称反射をさせるものに限らず、入射角度と反射角度が異なる非対称反射をさせるものや、複数の方向に電磁波を散乱させるものや、特定の箇所に電磁波を集めるものを含む。以下の説明において、xyz座標系を適用し、xy平面上にリフレクトアレイが配置されるとする。
また、「反射制御領域」とは、リフレクトアレイを構成する領域の一部を指す。反射制御領域は、その領域に入射した電磁波を所定の方向へ反射させることができる最小の領域である。
そして、リフレクトアレイは、反射制御領域を1つ以上組み合わせて構成される。反射制御領域という場合、電磁波が入射領域に平行な方向にある2次元の領域に加えて、領域に垂直な方向に形成される層構造をも含むものとする。
また、「単位セル」とは、反射制御領域を区分した領域を指す。単位セルには1つの素子パターンが含まれる。
また、「θi」は入射波の入射角度を示す。x軸方向の入射角度をθix、y軸方向の入射角度をθiyとする。また、「θr」は反射波の反射角度を示す。x軸方向の反射角度をθrx、y軸方向の反射角度をθryとする。
また、x軸方向の角度θxは、+z軸方向から+x軸方向に向かう方向に広がる場合を正の角度(0°から180°)によって表し、+z軸方向から-x軸方向に向かう方向に広がる場合を負の角度(0°から-180°)によって表す。同様に、y軸方向の角度θyは、+z軸方向から+y軸方向に向かう方向に広がる場合を正の角度(0°から180°)によって表し、+z軸方向から-y軸方向に向かう方向に広がる場合を負の角度(0°から-180°)によって表す。
また、素子長については、x軸方向の素子長はlxと表記され、y軸方向の素子長はlyと表記される。また、素子幅については、x軸方向の素子幅はwx、y軸方向の素子幅はwyと表記される。
(リフレクトアレイの構成)
図1を参照して、リフレクトアレイの構成および素子パターンの構成を説明する。図1は、リフレクトアレイ6の構成を示す図である。リフレクトアレイ6は、複数の素子パターンを平面に周期的に配置し、反射波の方向を所望の値にすることができる。リフレクトアレイ6は、素子パターン(素子)1、誘電体層2、グランド層(地板)3を少なくとも含む。以下の説明において、xyz座標系を適用し、xy平面上にリフレクトアレイ6が配置される。
単位セル4の+z軸方向を向く面には、素子パターンが形成されている。分割数nを用いて、単位セル41、単位セル42、…単位セル4nと表す。単位セル41には素子パターン11が形成される。単位セル42には素子パターン12が形成される。単位セル43には素子パターン13が形成される。単位セル4nには素子パターン1nが形成される。
また、反射制御領域の領域内および同一の反射制御領域が隣接する領域間において、素子パターンは均等な間隔をおいて配置される。具体的には、反射制御領域5の領域内の各素子パターンについて、x軸方向において隣り合う素子パターン同士の最近接間隔の大きさ(以下、「ギャップ」ともいう。)をgxとする場合、反射制御領域5の領域内において、素子パターン11から1nは、gxの等間隔に配置される。また、反射制御領域5の素子パターン1nとx軸方向において反射制御領域5に隣接する反射制御領域5x(破線表示、素子パターン1x 1が形成された単位セル4x 1、素子パターン1x 2が形成された単位セル4x 2、…素子パターン1x nが形成された単位セル4x nを含む。)の素子パターン1x 1の間のギャップをGxとする場合、図1においてはGxとgxは等しい。
なお、反射制御領域5の素子パターンとy軸方向において反射制御領域5に隣接する反射制御領域5y(破線表示、素子パターン1y 1が形成された単位セル4y 1、素子パターン1y 2が形成された単位セル4y 2、…素子パターン1y nが形成された単位セル4y nを含む。)の素子パターンの間のギャップは、図1においては均一でGyとして示される。
(層の構成)
図2および図3を参照して、リフレクトアレイ6の層構成を説明する。図2および図3は、リフレクトアレイ6の層構成の一例を示す図である。リフレクトアレイ6は、少なくとも素子パターン1、誘電体層2、グランド層3が+z軸方向から-z軸方向に向かう向きに積層された構成を有している。以下の説明において、素子パターン1、誘電体層2、グランド層3の3層からなる構成を「基本構成」という。実用上、リフレクトアレイ6は基本構成の素子パターン1側あるいはグランド層3側、もしくは両方に各種機能性を有する層(以下、「機能層」ともいう)を単数あるいは複数積層させることが好ましい。以下の説明において、素子パターン1と誘電体層2とグランド層3以外のリフレクトアレイに含まれる層について、層の種類を特定せずに示す場合、「機能層」ということがある。
リフレクトアレイ6は少なくとも1つの反射制御領域を含む。反射制御領域の配置の仕方によって、リフレクトアレイの性質を変更することが可能である。例えば、ある波長の電磁波がある入射角度で入射した場合に、反射方向が共通である反射制御領域を周期的に配置することにより、リフレクトアレイに、単一方向への反射を行う特性を付与することが可能である。また、ある波長の電磁波がある入射角度で入射した場合に、反射方向がそれぞれ異なる反射制御領域を含むリフレクトアレイを構成することにより、複数の方向へ電磁波を散乱させる特性を付与することも可能である。また、反射制御領域ごとに反射方向を所定の角度ずつずらす構成とすることによって、特定の箇所へ電磁波を集める特性を付与することも可能である。設計時に、リフレクトアレイに適用が予定される周波数を、以下「動作周波数」とする。
図4から図6を参照して、単位セルと反射位相の関係を説明する。図4から図6は、非対称反射を発生させる方向に応じた、単位セルの配置の一例を示す図である。反射制御領域5は少なくとも2つの単位セルを有する。ここで、図4(a)はリフレクトアレイ6fに入射する電磁波(入射波)の方向およびリフレクトアレイ6fから反射する電磁波(反射波)の方向を示す。別の言い方をすると、太い実線で描かれた矢印が波面の進行方向を示しており、リフレクトアレイ6に向かう矢印が入射波の波面の進行方向を示し、リフレクトアレイ6fから離れる方向の矢印が反射波の波面の進行方向を示す。また、図4(b)はリフレクトアレイ6fをz軸方向から見た平面図を示す。図5および図6における(a)および(b)も、図4における(a)および(b)の関係と同様である。
なお、gxは、反射制御領域5cの領域内における素子パターン間のx軸方向のギャップを示す。gyは、反射制御領域5cの領域内における素子パターン間のy軸方向のギャップを示す。x軸方向において素子パターン間の間隔gxは等しく、また、y軸方向において素子パターン間の間隔gyは等しい。gxとgyは異なる場合が示されているが、gxとgyは等しくともよい。
また、Gxは、反射制御領域5cの素子パターンとx軸方向において反射制御領域5cに隣接する反射制御領域の素子パターンの間のギャップを示す。Gyは、反射制御領域5cの素子パターンとy軸方向において反射制御領域5cに隣接する反射制御領域の素子パターンの間のギャップを示す。反射制御領域5cと同一の反射制御領域がx軸方向(またはy軸方向)の位置を変えずにy軸方向(またはx軸方向)に隣接する場合、gxとGxは等しく、またgyとGyは等しい。
反射制御領域内における反射位相の分布は、例えば式(3)、(4)に従うように決定される。ここで、動作周波数の波長をλ(m)、反射制御領域に入射する電磁波の入射角度のx軸成分をθix、y軸成分をθiy、反射制御領域から反射する電磁波の反射角度のx軸成分をθrx、y軸成分をθry、反射制御領域内のx軸と平行な任意の座標x1、x2における反射位相をそれぞれφx1、φx2とし、座標x1、x2の距離をdx、Φx1、Φx2の反射位相差をΔΦxとする。また、y軸と平行な任意の座標y1、y2における反射位相をそれぞれφy1、φy2とする。反射制御領域にx軸方向に沿って非対称反射を行わせようとする場合、式(3)を満たしていることが好ましく、反射制御領域にy軸方向に沿って非対称反射を行わせようとする場合、式(4)を満たしていることが好ましい。また、反射制御領域がx軸方向およびy軸方向のいずれの方向にも非対称反射を行わせようとする場合、式(3)および式(4)のいずれをも満たしていることが好ましい。
なお、x1およびx2は反射制御領域内の相対座標としてのx座標を示し、反射制御領域における任意の座標において基準x=0をとり得る。同様に、y1およびy2は反射制御領域内の相対座標としてのy座標を示し、反射制御領域における任意の座標において基準y=0をとり得る。
また、k1は反射波の波数である。jは虚数単位を示す。反射制御領域にx軸方向に沿って非対称反射を行わせようとする場合、式(5)を満たしていることが好ましく、反射制御領域にy軸方向に沿って非対称反射を行わせようとする場合、式(6)を満たしていることが好ましい。また、反射制御領域がx軸方向およびy軸方向のいずれの方向にも非対称反射を行わせようとする場合、式(5)および式(6)のいずれをも満たしていることが好ましい。
図1、図7から図10を参照して、素子パターンの詳細を説明する。一般的にリフレクトアレイは、素子パターンによる共振を利用して反射特性を変化させる。ここで、線状または長方形の素子パターン(方形パッチ)は、その長軸に沿った方向の偏波を主に共振させるため、これらを直交させた形状の素子パターンを用いた場合、TE、TM両偏波に対応できることが知られている。
リフレクトアレイの基本構成の主な製造方法としては、プリント基板等に用いられる銅張積層板または、誘電体層の片面もしくは両面に蒸着法やスパッタ法のドライコーティング、めっき処理やウェットコーティング等により金属膜を形成した誘電体層に対し、切削またはエッチング等を施すことにより素子パターンを形成する。
具体的には、銅張積層板は、例えば、エポキシ等の樹脂をガラスクロス等の基材に含侵させた絶縁体に銅箔を張り合わせたものである。銅張積層板は板状の形状を有しており、板状の形状の絶縁体の両面に銅箔が張り合わされている。一方の面の銅箔を素子パターン1とし、他方の面の銅箔はグランド層3に適用する。絶縁体は誘電体層2に該当する。
誘電体の両面に金属膜を形成する場合、一方の金属膜から素子パターン1を形成し、他方の金属膜はグランド層3に適用する。誘電体は、誘電体層2となる。
素子パターンは、表面抵抗値が100Ω/□以下であることが好ましい。素子パターンに用いる材料としては、無機酸化物材料、金属材料や導電性を有する有機材料など、導電性を有する材料が用いられる。例えば、無機酸化物材料および金属材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)、酸化スズアンチモン、Ag、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、In、Ag-Cu、Cu-AuおよびNiなどが用いられる。また、これらの材料のうちの少なくとも1つを含むナノ粒子、またはナノワイヤーを用いてもよい。導電性を有する有機材料としては、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。特に材料コスト、導電性、製膜性の観点から、CuやAlが好ましい。また、ITOやポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物(PEDOT/PSS)などを用いることにより、透明性を有するリフレクトアレイを作製することもできる。素子パターンの厚みは、例えば、10nm以上18μm以下である。柔軟性、成膜性、安定性、シート抵抗値および低コストの観点から、蒸着法により成膜されたものを素子パターンとして用いることが好ましい。
誘電体層には、単体の樹脂の他に、紙やガラス繊維や炭素繊維などに樹脂を含侵させた複合材料の使用が挙げられる。
グランド層は、リフレクトアレイに到達する電磁波を反射させるために設けられる。また、誘電体層を支持および保護するために用いられる。グランド層の材料として、無機酸化物材料、金属材料や導電性を有する有機材料など、導電性を有する材料が用いられる。
リフレクトアレイは支持体に設置される。支持体としては、新規にパネルやポールを設置しても構わないし、既存の看板や壁、天井等を用いても構わない。支持体には、リフレクトアレイの角度を上下あるいは左右方向に調節することができる機構を有することが好ましく、さらに、リフレクトアレイの位置を上下左右に動かす機構を有することがより好ましい。支持体にリフレクトアレイを設置し、リフレクトアレイ装置として用いられる。
設置層はリフレクトアレイを支持体と固定するための層である。例えば、接着層や粘着層、支持体が金属製の場合マグネットの使用が挙げられる。マグネットを使用した場合、リフレクトアレイの位置や角度を容易に変えることができる。
意匠層は、リフレクトアレイの表面に意匠性を付与するための層である。例えば、壁紙等の建装材に使用する場合では、空間との調和をとるためにさらに意匠層を設けても良い。また、ホワイトボードとして用いる場合には、機能性フィルムを意匠層として使用しても良い。後述の保護層の機能を意匠層に付与しても構わないとする。
保護層には、素子パターンやグランド層の酸化劣化や物理的な傷や剥がれを防ぐため、ガスバリア性や水蒸気バリア性、耐水性、耐摩耗性、耐擦傷性を有するフィルムまたはシートの使用が挙げられる。
実施例1-4、比較例1-4については表1、また、実施例5-7については、表2に結果をまとめた。
加えて、図12は、実施例1のリフレクトアレイのxy平面における構造を示す図である。ただし、図中の寸法の単位はmmとする。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.018mmの銅を、誘電体層2に厚み1.564mmのガラス/エポキシ樹脂の複合材料を用いた基本構成のリフレクトアレイ6を構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層2の比誘電率の実部は4.5、tanδは0.014とした。
なお、表1および表2、以降の説明における図および文章において、反射制御領域5内に含まれる単位セルを、単位セル1、単位セル2、…単位セルp(pは1以上分割数n以下の整数)と表し、単位セルpにおいて、x軸方向の素子長をlxp、y軸方向の素子長をlyp、x軸方向の素子幅をwxp、y軸方向の素子幅をwypとする。ただし、lxpとlypが等しい場合には添え字x、yを省略し、wxpとwypが等しい場合には添え字x、yを省略し、単位セルを特定しない場合には添え字pを省略することがある。
素子パターン形状以外が比較例1に記載のリフレクトアレイと同様であるリフレクトアレイを用意した。素子パターン形状としては、反射制御領域5内の各素子パターンの素子幅のみが異なるとし、具体的には各素子パターンの素子長はlx1=lx2=lx3=ly1=ly2=ly3=15.000mmとし、同一素子パターン内の素子幅はwx1=wy1、wx2=wy2、wx3=wy3とした。素子幅wに対する単位セルの反射位相および、寸法誤差有/無のリフレクトアレイ6の反射特性をHFSSを使用して解析した。
(ステップ1)まず、狙いとする反射特性(動作周波数、入射角度および反射角度)を設定する。
(ステップ2)続いて、式(1)および式(2)を用いて、反射制御領域のサイズLxおよびLyを決定する。x軸方向にのみ非対称反射をする場合は式(1)によってLxを決定し、Lyが任意のサイズとする。また、y軸方向にのみ非対称反射をする場合、式(2)によってLyを決定し、Lxは任意のサイズとする。
(ステップ3)続いて、反射制御領域のサイズLxをn分割、Lyをm分割する。単位セルのサイズが決定する。
(ステップ4)続いて、単位セルに収まる範囲で、素子パターンの素子長lxおよびlyを決定する。素子パターンは単位セル内に偏りなく均等に配置されるため、結果として、素子パターンの間のギャップgxおよびgyも決定される。
(ステップ5)続いて、素子幅wを設計パラメータとして単位セルの反射位相を解析する。図15に示されるように、素子パターンの素子幅wxおよびwyを設計パラメータとして反射位相を導出し、単位セルにおける素子幅と反射位相の間の関係を示す解析結果を取得する。
(ステップ6)続いて、狙いとする反射制御領域の反射特性を実現するための理想的な反射位相またはインピーダンスを式(3)から式(8)を用いて算出し、上記解析結果に基づいて所望の反射位相またはインピーダンスを実現する素子幅wを選択する。実施例1の場合では3つの素子幅が選択され、3つの単位セルを含む反射制御領域が設定される。
(ステップ7)続いて、反射制御領域を少なくとも1つ含むよう、リフレクトアレイを形成する。リフレクトアレイについて反射特性を解析する。
(ステップ8)なお、ステップ7の解析結果を踏まえ、目的の反射角度のRCSがさらに高まるように、また、目的角度以外のRCSが小さくなるよう、最適化手法を用いて素子幅wx、wyをさらに微調整することも可能である。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.018mmの銅を、誘電体層2に厚み0.764mmのガラス/フッ素樹脂の複合材料を用いた基本構成のリフレクトアレイ6を構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層2の比誘電率の実部は2.6、tanδは0.0025とした。
素子パターン形状以外が比較例2に記載のリフレクトアレイと同様であるリフレクトアレイを用意した。素子パターン形状としては、反射制御領域6内の各素子パターンの素子幅のみが異なるとし、具体的には各素子パターンの素子長はlx1=lx2=lx3=ly1=ly2=ly3=3.250mmとし、素子幅はwx1=wy1、wx2=wy2、wx3=wy3とした。素子幅wに対する単位セルの反射位相および、寸法誤差有/無のリフレクトアレイの反射特性をHFSSを使用して解析した。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.018mmの銅を、誘電体層2に厚み0.200mmのPTFEを用いた基本構成のリフレクトアレイ6を構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層2の比誘電率の実部は2.06、tanδは0.0007とした。
素子パターン形状以外が比較例3に記載のリフレクトアレイと同様であるリフレクトアレイを用意した。素子パターン形状としては、反射制御領域5内の各素子パターンの素子幅のみが異なるとし、具体的には各素子パターンの素子長はlx1=lx2=lx3=ly1=ly2=ly3=1.700mmとし、素子幅はwx1=wy1、wx2=wy2、wx3=wy3とした。素子幅wに対する単位セルの反射位相および、寸法誤差有/無のリフレクトアレイ6の反射特性をHFSSを使用して解析した。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.002mmの銅を、誘電体層2に厚み0.050mmのPETを用いた基本構成のリフレクトアレイ6を構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層2の比誘電率の実部は3.03、tanδは0.00476とした。
素子パターン形状以外が比較例4に記載のリフレクトアレイと同様であるリフレクトアレイを用意した。素子パターン形状としては、反射制御領域5内の各素子パターンの素子幅のみが異なるとし、具体的には各素子パターンの素子長はlx1=lx2=lx3=ly1=ly2=ly3=0.900mmとし、素子幅はwx1=wy1、wx2=wy2、wx3=wy3、wx4=wy4とした。素子幅wに対する単位セルの反射位相および、寸法誤差有/無のリフレクトアレイ6の反射特性をHFSSを使用して解析した。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.018mmの銅を、誘電体層2に厚み0.764mmのガラス/フッ素樹脂の複合材料を用いた基本構成に対し、素子パターン側に0.500mmの空隙を介して図2(c)の方式で厚み0.098mmの意匠層10を積層し、リフレクトアレイ6cを構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層2の比誘電率の実部は2.6、tanδは0.0025とし、意匠層10の比誘電率の実部は2.70、tanδは0.0060とした。
素子パターン1およびグランド層3に厚み0.018mmの銅を、誘電体層2に厚み0.764mmのガラス/フッ素樹脂の複合材料を用いた基本構成に対し、図2(a)の方式で厚み0.060mmのポリイミド系の保護層8を積層し、リフレクトアレイ6aを構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層の比誘電率の実部は2.6、tanδは0.0025とし、保護層8の比誘電率の実部は3.23、tanδは0.0144とした。
素子パターンおよびグランド層に厚み0.002mmの銅を、誘電体層に厚み0.050mmのポリスチレンを用いた基本構成のリフレクトアレイ6を構成した。ただし、銅の導電率は5.8×10^7siemens/mとし、誘電体層の比誘電率の実部は2.47、tanδは0.000644とした。
素子幅を設計パラメータとすることによって、設計パラメータに基づく位相変化を小さくすることができ、寸法誤差に対する反射特性の低下を抑制することができる。結果として、リフレクトアレイの良品率を向上させることができる。
本発明の内容となり得る態様を以下に述べる、ただしこれに限られるものではない。
(態様1)
少なくとも素子パターン、誘電体層、グランド層をこの順に積層したリフレクトアレイであって、
前記リフレクトアレイは少なくとも1つの反射制御領域を含み、
前記反射制御領域は少なくとも第1単位セルおよび第2単位セルを含み、
前記第1単位セルには第1素子パターンが配置され、
前記第2単位セルには、前記第1素子パターンの形状とは異なる形状を有する第2素子パターンが配置され、
前記第1単位セルにおける反射特性は、前記第2単位セルにおける反射特性とは異なることを特徴とするリフレクトアレイ。
(態様2)
前記第1素子パターンおよび第2素子パターンは、第1方向における長さである素子長と前記第1方向に垂直な第2方向における長さである素子幅を有しており、
前記第1素子パターンの素子長である第1素子長と前記第2素子パターンの素子長である第2素子長は同じ長さであり、
前記第1素子パターンの素子幅である第1素子幅と前記第2素子パターンの素子幅である第2素子幅に応じて、前記反射制御領域の反射位相が設定される
ことを特徴とする態様1に記載のリフレクトアレイ。
(態様3)
意匠層を備える態様1または態様2に記載のリフレクトアレイ。
(態様4)
保護層を備える態様1から態様3のいずれか1つに記載のリフレクトアレイ。
(態様5)
支持体に、態様1から態様4のいずれか1つに記載のリフレクトアレイを設けたリフレクトアレイ装置。
(態様6)
少なくとも素子パターン、誘電体層、グランド層をこの順に積層したリフレクトアレイの設計方法であって、
前記リフレクトアレイは少なくとも1つの反射制御領域を含み、
前記反射制御領域は少なくとも第1単位セルおよび第2単位セルを含み、
前記第1単位セルには第1素子パターンが1つ配置され、
前記第2単位セルには、前記第1素子パターンの形状とは異なる形状を有する第2素子パターンが配置され、
前記第1単位セルにおける反射特性は、前記第2単位セルにおける反射特性とは異なるように設定される、
ことを特徴とするリフレクトアレイの設計方法。
2 誘電体層、
3 グランド層、
4、41-4n、4a―4c、4x 1-4x n、4y 1-4y n 単位セル、
5、5a―5h、5x、5y 反射制御領域、
6、6a―6h リフレクトアレイ、
7 機能層、
8 保護層、
9 接着層、
10 意匠層、
11 設置層
Claims (8)
- 反射制御領域を含むリフレクトアレイの設計方法であって、
前記反射制御領域の反射特性を設定するステップと、
前記反射制御領域のサイズを決定するステップと、
前記反射制御領域を分割して単位セルのサイズを決定するステップと、
前記単位セルに配置される素子パターンの素子長を決定するステップと、
前記素子パターンの素子幅を設計パラメータとして反射位相を導出し、素子幅と反射位相の間の関係を示す解析結果を取得するステップと、
前記解析結果に基づいて、所望の反射位相またはインピーダンスを実現する素子幅を選択するステップと、を含む
ことを特徴とするリフレクトアレイの設計方法。 - 前記選択するステップにおいて、複数個の素子幅が選択され、
前記単位セルのサイズを決定するステップにおいて、前記反射制御領域は前記複数個に分割される、
ことを特徴とする請求項1に記載のリフレクトアレイの設計方法。 - 前記リフレクトアレイを形成し、前記形成されたリフレクトアレイの反射特性を解析するステップと、
前記解析結果を踏まえて、前記素子幅を微調整するステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載のリフレクトアレイの設計方法。 - 前記単位セルのサイズを決定するステップにおいて、
前記単位セルのサイズは、前記Lxをn(nは2以上の正の整数。)分割、前記Lyをm(mは2以上の正の整数)分割して決定される
ことを特徴とする請求項4に記載のリフレクトアレイの設計方法。 - 前記素子幅を選択するステップにおいて、
動作周波数の波長をλ(m)、前記反射制御領域に入射する電磁波の入射角度のx軸成分をθix、y軸成分をθiy、前記反射制御領域から反射する電磁波の反射角度のx軸成分をθrx、y軸成分をθryとし、
前記反射制御領域内のx軸と平行な任意の座標x1、x2における反射位相をそれぞれφx1、φx2とし、座標x1、x2の距離をdx、φx1、φx2の反射位相差をΔφxとし、y軸と平行な任意の座標y1、y2における反射位相をそれぞれφy1、φy2とし、座標y1、y2の距離をdy、φy1、φy2の反射位相差をΔφyとする場合、
式(3)または式(4)を満たす
ことを特徴とする請求項1に記載のリフレクトアレイの設計方法。
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