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JP7655609B2 - スマートリングおよびスマートリングシステム - Google Patents
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JP7655609B2 - スマートリングおよびスマートリングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、スマートリングおよびスマートリングシステムに関する。
光電容積脈波法は、LED光源とフォトディテクタで構成される容積脈波センサを用いて、灌流によって生じる毛細血管内の血液の容積の変化を検出する方法である。光源には可視光帯から近赤外光帯のLEDを用いる。血管中のヘモグロビン量の変化に伴う吸光度の変化より、容積脈波を検出することが可能である。LED光源からの光を皮膚に照射し、その拡散反射光もしくは透過光を測定する。
光電容積脈波法によって検出した容積脈波を分析することで、脈拍数や血中酸素飽和度を推定できる。それに加え近年では、血圧や血糖値などが推定できるという研究報告もなされている。
容積脈波センサは、安価な素子で構成され、さらに非侵襲的である。そのため、スマートフォン、スマートウォッチやウェアラブルデバイス(例えば特許文献1)など多くの消費者向け製品で採用されている。こういったデバイスの多くは波長500nm-600nmの光源を用いて検出した容積脈波より、脈拍数を算出する。
医療機器の血中酸素濃度計(pulse oximeter)にも容積脈波センサは採用されている。血中酸素濃度計では630nm-690nmと810nm-990nmの二つの波長光源を用いて、酸化ヘモグロビンと脱酸化ヘモグロビンのそれぞれの波長における吸光度の比より、血中酸素飽和濃度を算出する。
容積センサを用いて血中糖化ヘモグロビン濃度を検出する方法も提案されている。波長範囲600nm-990nmの間で3波長もしくは4波長の光源を用いて、酸化ヘモグロビン、脱酸化ヘモグロビン、糖化ヘモグロビンの吸光度比より、血中糖化ヘモグロビン濃度を算出する。
光電容積脈波法には大きく分けて反射拡散方式と透過方式の二つの方式がある。反射拡散方式は、LED光源からの光を皮膚に照射し、皮膚からの反射拡散光をフォトディテクタで検出する。そのため、反射拡散方式では、手首や額など身体の場所を問わずに容積脈波センサを適用可能である。透過方式では、LED光源を出射し、生体組織を透過した光を出射面からみて裏側の皮膚表面にてフォトディテクタで検出する。そのため、指先などの比較的組織が薄い場所で使用される。耳垂での使用の試みもなされている。
反射拡散方式は透過方式に比べ、外乱による影響を大きく受ける。反射拡散方式では、真皮乳頭層に存在する17ミクロンから26ミクロン径の終末細動脈や、真皮と皮下組織の接合部に存在する150ミクロンから242ミクロン径の細動脈の血中ヘモグロビンの吸光度を検出する。それらの末端の細動脈は外圧によって比較的容易に血流速度やせん断速度が低下するため、容積脈波形状が外圧によって変化する。一方で透過方式では、皮下組織深部にある1mm径前後の比較的太い細動脈の血中ヘモグロビンの吸光度を測定するため、外圧の影響は小さい。
以上の原理的背景より、光電容積脈波法を用いてより正確な容積脈波を測定するためには、太い細動脈にアクセス可能な透過方式が望ましい。近年では、指先測定対象とした医療機器以外にも、指の根本や耳垂を対象とした容積脈波センサを搭載した消費者向け製品が存在する。
米国特許第10893833号明細書(米国特許出願公開第2018/0103902号明細書)
例えば、特許文献1に記載の装置では、センサモジュールとユーザの着用部位との距離に応じて、適切な発光素子または受光素子を選択する。しかしながら、発光素子または受光素子を選択した後に、ユーザの動き等により装置とユーザの着用部位との距離が変化することがあり、選択した発光素子または受光素子が適切でなくなる場合が生じる。
そこで、本発明の目的は、容積脈波を精度良く測定できるスマートリングおよびスマートリングシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るスマートリングは、
第1の光学素子を介して指を照射する第1の光源と、前記第1の光源または他の光源から出射された光を第2の光学素子を介して受光し、容積脈波を取得する第1のフォトディテクタと、前記指が挿通される筐体と、を有し、
前記第1および第2の光学素子は、前記第1の光源および前記第1のフォトディテクタをそれぞれ囲むように配置され、前記指に向けて前記筐体の前記指を挿通する側の主面から突出する。
また、前記第1の光源が配置された位置とリング孔の中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第1の角度が60°を超え、かつ、105°未満であるとよい。
前記第1の光源または他の光源から出射された前記光を第3の光学素子を介して受光する第2のフォトディテクタをさらに有し、
前記第3の光学素子は、前記第2のフォトディテクタを囲むように配置され、
前記第1の光源が配置された位置と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第2の角度が60°を超え、かつ、105°未満であり、
受光強度が最も高いフォトディテクタから得られた信号を選択して容積脈波を取得するとよい。
前記第1、第2および第3の光学素子は、前記光を集光する非球面ミラーを備えるとよい。
また、前記第1、第2および第3の光学素子は、前記光を集光するレンズ、フィルター、プリズムのうち少なくとも1つをさらに備えるとよい。
前記スマートリングの内面の所定の基点と前記中心点と前記第1の光源が配置された位置とが形成する第1の中心角は、前記基点と前記中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第2の中心角より大きく、前記基点と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第3の中心角より小さいとよい。
前記第1の光源は、異なるピーク波長をもつ複数のLEDから構成されるLEDアレイ光源であり、
前記第1および第2のフォトディテクタは、前記異なるピーク波長を、受光感度を有する波長範囲に含むとよい。
前記複数のLEDは、500-550nmにピーク波長をもつLEDを一つ以上と、600-800nmにピーク波長をもつLEDを二つ以上と、900-1000nmにピーク波長をもつLEDを一つ以上と、を含むとよい。
所定の時間が経過する毎に、受光強度が最も高いフォトディテクタから得られた信号を選択して容積脈波を取得するとよい。
前記非球面ミラーは、パラボラ曲面の前記光が入射する側または出射される側の端部がミラーの放物線状の曲面の始点と一致するパラボリックミラーであるとよい。
第4の光学素子を介して前記指を照射する第2の光源をさらに有し、
前記基点と前記中心点と前記第2の光源が配置された位置とが形成する第4の中心角は、前記第2の中心角に前記第1の光源と前記中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第5の中心角を加えた第1の角度より大きく、かつ、前記第2の中心角に前記第2の光源が配置された位置と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第6の中心角を加えた第2の角度より大きいとよい。
前記第1および第2の光源は、互いのパルス・オンの時間とパルス・オフの時間とが逆であるとよい。
本発明の第2の観点に係るスマートリングシステムは、
前記スマートリングと、
前記スマートリングから前記容積脈波を無線通信で受信する電子機器と、を備える。
本発明によれば、容積脈波を精度良く測定できる。
本発明の実施形態に係るスマートリングの斜視図である。 本発明の実施形態に係るスマートリングの側面断面図である。 本発明の実施形態に係るスマートリングを指につけたときの内側筐体を省略した正面断面図である。 本発明の実施形態に係るスマートリングシステムのブロック図である。 本発明の実施形態に係る光学素子の斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学素子の縦断面図である。 本発明の実施形態に係る光学素子をXY面で切断し、右半分を一点鎖線で示した断面図である。 本発明の実施形態に係る光学素子をZY面で切断し、右半分を一点鎖線で示した断面図である。 第1実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した正面断面図である。 第1実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した側面図である。 第1実施形態に係るスマートリングで行われる信号取得処理1のフローチャートである。 第2実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した正面断面図である。 第2実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した側面図である。 第2実施形態に係るスマートリングのPDと光源との駆動タイミングを説明する図である。 第2実施形態に係るスマートリングで行われる信号取得処理2のフローチャートである。 第3実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した正面断面図である。 第3実施形態に係るスマートリングの光学素子を省略した側面図である。 第3実施形態に係るスマートリングのPDと光源との駆動タイミングを説明する図である。 第3実施形態に係るスマートリングで行われる信号取得処理3のフローチャートである。 本発明の変形例に係るスマートリングの側面断面図である。 本発明の他の変形例に係るスマートリングの側面断面図である。 スマートリングの光源に光学素子を取り付けない場合における光源の放射分布を示す図である。 スマートリングの光源に光学素子を取り付けた場合における光源の放射分布を示す図である。 PDと光源との位置関係によるPDの受光強度を示す図である。 PDと光源との位置関係によるPDが受光した光のAC/DC比を示す図である。
本発明の実施形態に係るスマートリングシステムについて、以下、添付図面を参照して説明する。なお、説明におけるxyz方向は、各図の矢印に従う。また、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。
本発明の実施形態に係るスマートリングシステム1は、図1A、図1B、図2等に示すように、ユーザの指200に挿通したスマートリング10によって、ユーザの心拍数、血中酸素濃度、体表面温度等を非侵襲的に測定する。
[第1実施形態]
図2、図3等に示すように、本発明の第1実施形態に係るスマートリングシステム1は、ユーザの指200に挿通するスマートリング10と、スマートリング10で取得したユーザの容積脈派に関するデータを無線通信で受信するホストデバイス300と、を備える。スマートリング10は、スマートリング10に挿通したユーザの指200に向けて複数の波長の光を発する光源30からの光を受光するフォトディテクタ(以下、PD(Photo Detector)とする。)40,41のうち、受光強度の高いPDから得られた容積脈波を取得して、取得した容積脈波からユーザの心拍数、血中酸素濃度、体表面温度等を高精度に算出する。ユーザは、スマートリング10を装着した状態で日常生活を送るので、ユーザが仕事、家事、運動等をすることにより、スマートリング10が指200の周方向に回転し、光源30やPD40,41の位置が容積脈波の測定に適していない位置に移動してしまう場合がある。これを防ぐために、図1A、図1B、図2に示すように、スマートリング10は、光源30、PD40,41をそれぞれ囲むように配置された光学素子50,51が内側筐体22のユーザの指200を挿通する側の主面24からユーザの指200に向けて突出する。ここで、主面24とは、光源30、PD40,41や光学素子50,51等を有さない普通のリングでいうところの、ユーザの指200を挿通する側の部分または面(曲面を含む)に相当する箇所を指す。光学素子50,51は、主面24から突出しているため、ユーザの指200を押圧することにより、ユーザの指200に密着し、スマートリング10をユーザの指200の所定の位置に固定した状態を維持することができ、スマートリング10がずれにくくすることができる。なお、光学素子51は実際には主面24から突出しているが、図2において、図を見やすくするために、突出していないように記載している。また、図6A以降のスマートリング10(或いは11、12)の断面図においては、理解を容易にするために、また、図を見やすくするために、光学素子50,51自体の記載を省略している。
(スマートリング10の構成)
スマートリング10は、外観上、光源30やPD40,41を収容する筐体20と、複数のピーク波長を有する光を発する光源30と、光源30が発する光を受光するPD40,41と、光源30が発する光を集光する光学素子50,51と、各種電子部品が搭載された基板60と、を有する。
筐体20は、スマートリング10の外側を形成する外側筐体21と、スマートリング10の内側を形成する内側筐体22と、を有する。外側筐体21は、金属製、例えばチタン製で、略U字状の断面を有するリングであり、内側筐体22と一体化してスマートリング10の外形を形成する。外側筐体21の外側の一部には、装飾部23が形成されている。装飾部23は、ユーザが指200にスマートリング10を挿通させたときに、手の甲側に位置し、スマートリング10の装飾性を高めるとともに、ユーザがスマートリング10を容積脈波の測定に適した位置に配置しやすくしている。内側筐体22は、400-1000nmの波長の光の透過率が高い透明の樹脂製である。内側筐体22は、外側筐体21内に光源30、受光素子40,41、光学素子50,51や基板60を所定の位置に配置した状態で外側筐体21の内側に形成される。内側筐体22は、光学素子50,51を覆うようにリング孔中心点Cに向けて突出しているが、突出部分の中央は凹んでいてもよいし、平坦であってもよく、突出している部分とそうでない部分とが混在していてもよい。
光源30は、LED(Light Emitting Device)であり、基板60に表面実装されている。光源30は、400-1000nmの間にピーク波長を有する。光源30は、後述する多波長PPG(Photoplethysmography)センサ141の構成部品の1つでもある。光源30は、リング孔中心点Cを基準点に、筐体20の内側の+y方向端部の基点BPと筐体20の内側の-y方向端部に点対称になる位置に配置されている。
フォトディテクタ40,41は、光源30から出射され、ユーザの指200の軟組織を透過・拡散反射された光を受光する受光素子である。本実施形態では、フォトディテクタ40,41は、PIN型フォトダイオードである。フォトディテクタ40,41は、光源30が発する光のピーク波長を含む波長範囲に受光感度を有する。フォトディテクタ40,41は、後述する多波長PPGセンサ141の構成部品の1つであり、基板60に実装されている。
光学素子50,51は、光源30およびPD40,41を囲むように基板60上に配置された、非球面ミラーの1つであるパラボリックミラーである。光学素子50,51は、パラボラ曲面である集光面54の光が入射する側または出射される側の端部がミラーの放物線状の曲面の始点55と一致する。光学素子50,51は、光源30とPD40,41とが後述する所定の位置関係である場合に、光源30が発する光を集光し、容積脈波の取得精度が向上する。本実施形態では、光学素子50は、光学素子51よりもリング孔に挿通したユーザの指200に向けての突出量が大きくなっている。図4A、図4Bに示すように、光学素子50,51は、本体部52と、取付部53と、集光面54と、始点55と、を有する。本体部52の中央には、孔が貫通しており、孔の一方に取付部53が形成され、孔の他方に集光面54が形成されている。取付部53には、光源30、PD40,41のいずれかが取り付けられる。集光面54は、パラボラ曲面関数がx=4・0.4・(y-0.4)を各軸方向に平行移動させて調整したものであり、焦点距離f=0.4mmである。図5A、図5Bに示すように、XY面、ZY面それぞれにおいて集光面54を延長した上記パラボラ曲面が光源30の発光部35のできるだけ近くを通るように本体部52に始点55を設定して集光面54を形成し、光学素子50,51のY方向の寸法を小さく抑える。
基板60は、外側筐体21の略U字部分の両端部を結ぶように跨設されている。基板60の内側筐体22側には、光源30、PD40,41、光学素子50,51および後述する充電IC(Integrated Circuit)61が配置されている。基板60の略U字部分の凹部内側には、後述するMCU(Micro Conputer Unit)100、各種センサIC、各種センサ素子、電源管理IC62が実装されている。
図3に示すように、スマートリング10は、上記の構成に加えて、センサ部140、報知部150、電源部160、を備える。また、MCU100は、制御部110、記憶部120、通信部130、を有する。
MCU100は、マイクロプロセッサベースのコントローラICである。MCU100には、マイクロプロセッサと、スマートリング10の制御に必要な入出力とプログラムやデータを格納するメモリがICに搭載されている。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより、後述する各部(光源制御部111、PD制御部112、測定部113、選択・収集部114)の機能を実現する。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成され、設定記憶部121や測定結果記憶部122を含む。ROMには制御部110のCPUが実行するプログラムや、プログラムを実行する上で予め必要なデータが記憶されている。RAMには、プログラム実行中に作成されたり変更されたりするデータが記憶される。
設定記憶部121には、後述する各種設定(例えば、PDの受光強度を測定する受光強度測定期間、選択したPDから、測定値を取得する期間である信号収集期間等)が記憶される。
測定結果記憶部122には、センサ部140に含まれる各種センサを用いて測定された測定結果が記憶される。記憶された測定結果は、通信部130を介して、ホストデバイス300に無線通信で送信される。
通信部130は、ホストデバイス300と無線通信するためのモジュールである。通信装置131は、例えば、Bluetooth(登録商標)に基づく無線通信をホストデバイス300との間で行う。
センサ部140は、多波長PPGセンサ141と、ジャイロセンサ142と、加速度センサ143と、温度センサ144と、ミリ波センサ145と、マイクロ波センサ146と、光学センサ147と、を有する。多波長PPGセンサ141は、光源30を光源とし、フォトディテクタ40,41を受光素子としてユーザの容積脈波を検出する。ジャイロセンサ142は、傾きを計測し、ユーザの運動量の計測を行う。加速度センサ143は、例えば、ランニング時のペースの算出等に使用する。温度センサ144は、ユーザの体温や外気温等の測定を行う。ミリ波センサ145は、動きの検知や測距機能のために使用される。マイクロ波センサ146は、ユーザの呼吸、心拍、体動等の測定のために使用する。光学センサ147は、(長距離の)測距機能のために使用される。
報知部150は、スマートリング10の充電電池162が所定の残量未満になった際に、ユーザに報知するために使用される。報知装置151は、充電電池162が所定の残量未満になった際に、警告音を発してユーザに報知する。
電源部160は、電源監視ユニット161、充電電池162、充電レシーバ163、を有する。電源部160は、充電装置400から、例えば、NFC(Near Field Communication)ワイヤレス充電でスマートリング10の充電を行う。充電電池162は、外側筐体21の略U字部分の凹部内側に配置された、リチウムポリマー電池である。充電電池162は、電源監視ユニット161および充電レシーバ163を介して、充電装置400の充電トランスミッタ401から無線給電される。
次に、制御部110の機能について説明する。制御部110は、光源制御部111、PD制御部112、測定部113、選択・収集部114を含み、後述する信号取得処理1-3等を実行する。
光源制御部111は、光源30,31(光源31は第3実施形態にて説明する)のON/OFFを制御する。スマートリング10(,11,12)がユーザの指200に挿通されると、光源制御部111は、光源30(,31)から光を出射させる。また、光源制御部111は、光源30,31のいずれか一方を、一定期間停止させる。
PD制御部112は、PD40,41(第2実施形態では、PD40,40,…,40N-1,40)のON/OFFを制御する。スマートリング10がユーザの指200に挿通されると、PD制御部112は、PD40,41(第2実施形態では、PD40,40,…,40N-1,40)を駆動させる。また、PD制御部112は、光源30,31のいずれか一方(第2実施形態では、PD40,40,…,40N-1,40のうち、最大の受光量を受光したPD以外)を、一定期間停止させる。
測定部113は、センサ部140の各種センサを用いてユーザの容積脈波、血中酸素飽和度、血中糖化ヘモグロビン濃度等を測定し、測定結果を測定結果記憶部122に記憶する。
選択・収集部114は、測定結果記憶部122に記憶された測定結果に基づき、どのPDを用いて測定を行うかを選択し、選択したPDからの測定結果を収集する。
(その他の構成)
ホストデバイス300は、本実施形態では、スマートフォンである。専用のアプリ等をダウンロードすることで、スマートリング10から受信した容積脈波のデータを閲覧、解析等することができる。なお、ホストデバイスは、タブレット、PC(Personal Computer)、ルータ等の電子機器であってもよい。
充電装置400は、スマートリング10をワイヤレス充電するための装置である。充電トランスミッタ401に充電レシーバ163を当接させることによりスマートリング10を充電することができる。
(スマートリング10の構造)
図6A、図6Bに示すように、スマートリング10は、装飾部23のスマートリング10の周方向中心の内側筐体22側の基点BPからリング孔中心点Cを通って基点BPと反対側の内側筐体22に光源30が配置されている。ここで、基点BPとリング孔中心点CとPD40とを結ぶ線分が形成する角度(正面視、時計回り、以降の角度についても同じ)をθ1、基点BPとリング孔中心点Cと光源30とを結ぶ線分が形成する角度をθ2(=180°)、基点BPとリング孔中心点CとPD41とを結ぶ線分が形成する角度をθ3とする。PD40は、光源30とリング孔中心点CとPD40とを結ぶ線分が形成する角度θ2-θ1が、60°<θ2-θ1<105°の範囲の所定の値になるように配置されている。PD41は、光源30とリング孔中心点CとPD41とを結ぶ線分が形成する角度θ3-θ2が、60°<θ3-θ2<105°の範囲の所定の値になるように配置されている。θ2-θ1=θ3-θ2とする。なお、60°<θ2-θ1<105°、60°<θ3-θ2<105°の根拠については、後述する実施例で説明する。
(スマートリング10による容積脈波の取得方法)
図7を用いて、スマートリングシステム1のスマートリング10で実行される高精度にユーザの容積脈波を取得するために行われる、信号取得処理1について説明する。
スマートリング10がユーザの指200に挿通され、光源制御部111は、光源30に所定の波長、本実施形態では400-1000nmの間にピーク波長を有する光を出射させる(ステップS1)。
光源30の駆動に合わせて、PD制御部112は、PD40,41を駆動させる。光源30から出射された光は、ユーザの指200の軟組織を透過・拡散反射してPD40,41で受光される。測定部113は、PD40での受光強度T1を受光強度測定期間の間測定し(ステップS2)、また、PD41での受光強度T2を同じく受光強度測定期間の間測定する(ステップS3)。
選択・収集部114は、受光強度T1>受光強度T2であるか否かを判別し(ステップS4)、T1>T2である場合(ステップS4;Yes)、信号収集期間の間PD40の信号を収集し(ステップS5)、ホストデバイス300に送信し、T1>T2でない場合(ステップS4;No)、信号収集期間の間PD41の信号を収集し(ステップS6)、ホストデバイス300に送信する。
ステップS7に進み、ユーザがスマートリング10を指200から外したり、充電電池162の残量が不足した場合、信号取得処理1を終了し(ステップS7;Yes)、そうでない場合(ステップS7;No)ステップS1に戻る。
以上説明したように、スマートリングシステム1に使用するスマートリング10では、光源30とリング孔中心点CとPD40,41それぞれとが形成する角度が60°を超え105°未満の位置にあるので、AC(Alternate Current)/DC(Direct Current)比を改善できる。また、光源30およびPD40,41を囲むように配置された光学素子50,51がユーザの指200を押圧するように突出しているので、ユーザが仕事、家事、運動等をする場合であっても、スマートリング10がリング周方向に回転するのを抑制することができる。さらに、スマートリングシステム1では、一定期間毎に、2つあるPDのうち光源30からの光の受信強度が高い方のPDの信号を収集するので、ユーザが仕事、家事、運動等をすることにより、スマートリング10がユーザの指200でリングの周方向に回転したとしても容積脈波を精度良く測定できる。
[第2実施形態]
図8A、図8Bに示すように、第2実施形態では、スマートリング11には、第1実施形態での2つのPD41,42に代わって、N個のPD40,40,…,40N-1,40が配置され、全てのPDが同時に駆動され受光する構成である。また、光源31は、LEDアレイ光源である点も第1実施形態と異なる。
光源31は、異なるピーク波長λ、λ、…、λをもつ複数のLEDを有し、少なくとも500-550nmの間、600-800nmの間、900-1000nmの間にピーク波長を有する。
PD40,40,…,40N-1,40は、基点BPとリング孔中心点CとそれぞれのPDとが形成する角度がθ、θ、…、θN-1、θである。また、光源31は、基点BPとリング孔中心点Cと光源31とが形成する角度がθである。また、θ<θ<…<θ<…<…<θN-1、<θである。スマートリング11では、θ-θ、θ-θ、θ-θ、…、θ-θN-1、θ-θ、の絶対値は、それぞれ60°を超え、105°未満である(なお、図8A、図8Bでは、図を見やすくするために、60°以下や105°以上の位置にも光源31やPDを配置している。)。その他の構成については、第1実施形態と同様である。
図9に示すように、スマートリング11で実行される、信号取得処理2においては、信号収集期間の間は、受光強度測定期間において最大の受光強度を示したPD以外のPDを停止させる点も第1実施形態と異なっている。
(スマートリング11による容積脈波の取得方法)
図10を用いて、スマートリングシステム1のスマートリング11で実行される、信号取得処理2について説明する。
スマートリング11がユーザの指200に挿通され、光源制御部111は、光源31に所定の波長、本実施形態では、少なくとも500-550nmの間、600-800nmの間、900-1000nmの間にピーク波長を有する、異なるピーク波長λ、λ、…、λをもつ光を出射させる(ステップS11)。
光源31の駆動に合わせて、PD制御部112は、PD40,40,…,40N-1,40を全て同時に駆動させる。光源31から出射された光は、ユーザの指200の軟組織を透過・拡散反射してPD40,40,…,40N-1,40で受光される。測定部113は、PD40,40,…,40N-1,40での受光強度T、T、…、TN-1、Tを受光強度測定期間の間測定する(ステップS12)。
選択・収集部114は、T、T、…、TN-1、Tを比較して最大の受光強度を示すPDMAXを選択し(ステップS13)、信号収集期間の間、PDMAXの信号を収集し、ホストデバイス300に送信する。また、受光強度測定期間において最大の受光強度を示したPD以外のPDを停止させる(ステップS14)。
ステップS15に進み、ユーザがスマートリング11を指200から外したり、充電電池162の残量が不足した場合、信号取得処理2を終了し(ステップS15;Yes)、そうでない場合(ステップS15;No)ステップS11に戻る。
以上説明したように、第2実施形態のスマートリングシステム1では、光源31とリング孔中心点CとPD40,40,…,40N-1,40が形成する角度が60°を超え105°未満の位置にあるので、AC/DC比を改善できる。また、光源31およびPD40,40,…,40N-1,40を囲むように配置された光学素子50,51がユーザの指200を押圧するように突出しているので、ユーザが仕事、家事、運動等をする場合であっても、スマートリング11がリング周方向に回転するのを抑制することができる。さらに、スマートリングシステム1では、一定期間毎に、N個あるPDのうち光源31からの光の受信強度が最も高いPDの信号を収集するので、ユーザが仕事、家事、運動等をすることにより、スマートリング11がユーザの指200でリングの周方向に回転したとしても容積脈波をさらに精度良く測定できる。また、信号収集期間の間は、受光強度測定期間において最大の受光強度を示したPD以外のPDを停止させるので、消費電力を節約でき、スマートリング11の充電電池162の減りを抑制することができる。
[第3実施形態]
図11A、図11Bに示すように、第3実施形態では、スマートリング12は、光源31とPD40とを備えるセンサユニット15、および、光源32とPD41とを備えるセンサユニット16、を有する。光源31,32は、LEDアレイ光源であり、異なるピーク波長λ、λ、…、λをもつ複数のLEDを有し、少なくとも500-550nmの間にピーク波長を有する1つのLED、600-800nmの間にピーク波長を有する2つのLED、900-1000nmの間にピーク波長を有する1つのLEDが含まれる。光源31,32は、図12に示すように、互いのパルス・オンの時間とパルス・オフの時間とが逆になるパルス駆動制御を行い、交互に発光する。
図11A、図11Bに示すように、センサユニット15において、基点BPとリング孔中心点CとPD40とが形成する角度Φに、光源31とリング孔中心点CとPD40とが形成する角度ΦL1を加えた角度が、基点BPとリング孔中心点Cと光源32とが形成する角度Φ未満である。ΦL2は、光源32とリング孔中心点CとPD41とが形成する角度である。また、60°<ΦL1=ΦL2<105°である。その他の構成については、第1実施形態と同様である。
また、スマートリング12で実行される、信号取得処理3においては、図12に示すように、信号収集期間の間は、受光強度測定期間において受光強度が大きい方のPDでない側のPDおよび光源を停止させる。
(スマートリング12による容積脈波の取得方法)
図13を用いて、スマートリングシステム1のスマートリング12で実行される、信号取得処理3について説明する。
スマートリング12がユーザの指200に挿通され、光源制御部111は、センサユニット15の光源31およびセンサユニット16の光源32についてパルス列をインターリーブさせて、所定の波長、本実施形態では、少なくとも500-550nmの間、600-800nmの間、900-1000nmの間にピーク波長を有する、異なるピーク波長λ、λ、…、λをもつ光を出射させる(ステップS21)。
光源31,32の駆動に合わせて、PD制御部112は、PD40,41を駆動させる。光源31,32から出射された光は、それぞれユーザの指200の軟組織を透過・拡散反射してPD40,41で受光される。測定部113は、PD40,41での受光強度T3とT4とを受光強度測定期間の間測定する(ステップS22)。
選択・収集部114は、T3とT4とを比較して受光強度が大きい方のPDを選択し(ステップS23)、信号収集期間の間、他方のPDを有するセンサユニットを停止し、受光強度が大きい方のPDの信号を収集し(ステップS24)、ホストデバイス300に送信する。
ステップS25に進み、ユーザがスマートリング12を指200から外したり、充電電池162の残量が不足した場合、信号取得処理3を終了し(ステップS25;Yes)、そうでない場合(ステップS25;No)ステップS21に戻る。
以上説明したように、第3実施形態のスマートリングシステム1では、光源31とリング孔中心点CとPD40とが形成する角度ΦL1、および光源31とリング孔中心点CとPD40とが形成する角度ΦL2が60°を超え105°未満であるので、AC/DC比を改善できる。また、光源31,32およびPD40,41を囲むように配置された光学素子50,51がユーザの指200を押圧するように突出しているので、ユーザが仕事、家事、運動等をする場合であっても、スマートリング12がリング周方向に回転するのを抑制することができる。さらに、スマートリングシステム1では、一定期間毎に光源31または光源32からの光の受信強度が大きい方のPDの信号を収集するので、ユーザが仕事、家事、運動等をすることにより、スマートリング12がユーザの指200でリングの周方向に回転したとしても容積脈波を精度良く測定できる。また、信号収集期間の間は、受光強度測定期間において受光強度が大きい方のPD以外のPDを有するセンサユニットを停止させるので、消費電力を節約でき、スマートリング12の充電電池162の減りを抑制することができる。
[変形例]
上記各実施形態では、外側筐体21は、チタン製であったが、サージカルステンレス等の他の金属製であってもよく、セラミックや樹脂、木材等で形成されていてもよい。内側筐体22は、樹脂製であったが、金属製やセラミック製であってもよい。
上記各実施形態では、光源30は、複数のピーク波長を有するLEDであったが、異なるピーク波長を有する複数のLEDから構成されるLEDアレイ光源であってもよく、異なるピーク波長を有する光を発することができれば他の光源であってもよい。
上記各実施形態では、フォトディテクタ40,41は、PIN型フォトダイオードであったが、PN型フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードであってもよく、CdSやPbS等の光電導素子であってもよい。
また、上記各実施形態では、光学素子50,51は、パラボリックミラーであったが、放物面、双曲面や楕円面の非球面ミラーであってもよい。また、レンズ、フィルター、プリズム等であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
上記各実施形態では、光源30を囲むように配置された光学素子50は、PD40,41を囲むように配置された光学素子51よりもリング孔に挿通したユーザの指200に向けての突出量が大きくなっていたが、全ての光学素子の突出量を同一にしてもよいし、PDを囲むように配置された光学素子のほうが、突出量が大きくなっていてもよい。
上記各実施形態では、電源部160は、NFCワイヤレス充電を行っていたが、また、充電装置400は、リチウムポリマー電池であったが、リチウムイオン電池や他の充電電池であってもよい。或いは、非充電タイプの小型電池を使用する構成としてもよい。
上記各実施形態では、MCU100は、制御部110、記憶部120、通信部130、を有していたが、MCUの構成はこれと異なっていてもよいし、MCUを使用せず、制御部、記憶部、通信部を設けてもよい。
また、上記各実施形態では、通信装置131は、Bluetoothに基づく無線通信を行っていたが、Wi-Fi(登録商標)に基づく無線通信を行ってもよいし、LoRaWAN(登録商標)に基づく無線通信を行ってもよく、他の規格に基づく無線通信を行ってもよい。
上記各実施形態では、センサ部140は、多波長PPGセンサ141と、ジャイロセンサ142と、加速度センサ143と、温度センサ144と、ミリ波センサ145と、マイクロ波センサ146と、光学センサ147と、を有していたが、さらに他のセンサを有していてもよいし、多波長PPGセンサ141を除いていくつかのセンサを有していなくてもよい。
上記第1実施形態では、光源30とPD41,42とリング孔中心点Cとが形成する角度は、θ2-θ1=θ3-θ2であったが、θ2-θ1とθ3-θ2とは、60°を超え、105°未満の角度であれば異なっていてもよい。
上記各実施形態では、光学素子50,51は、内側筐体22の主面24から突出していたが、図14に示すように、内側筐体22に形成された凹部25に光学素子50,51が配置され、凹部25から突出するようにし、光学素子50,51を覆うように内側筐体22と同様の透明樹脂製の封止体56を充填してもよい。或いは、図15に示すように、光学素子50,51は基板60の孔65および外側筐体21の凹部に配置されるようにしてもよい。封止体56の代わりに、レンズやプリズム等を使用してもよい。
また、上記第3実施形態では、スマートリング12には、2つのセンサユニットが搭載されていたが、3つ以上のセンサユニットが搭載されていていてもよい。
光源とリング孔中心点CとPDとが形成する角度に対するPDの受光強度についての実験結果を以下に記載する。光源およびPDをそれぞれ囲むように光学素子を配置した場合と配置しなかった場合についての4パターンのシミュレーションを行った結果を以下に記載する。
光学シミュレーションにより、上記各実施形態に係るスマートリングの構造最適化を行った。シミュレーションには、米国Lambda Research Corporation社製の光学シミュレーションツールTrace Pro(登録商標)を用いた。図2に示すように、光学シミュレーションは、ユーザの指200の基節骨204部分に、スマートリング10を挿通した状態を想定した。モデルは、外側筐体21、内側筐体22、光源30のダイ(発光エリア:0.28mm×0.28mm)、PD40のダイ(受光エリア:1.5mm×1.5mm)、表皮201、真皮202、皮下脂肪203、基節骨204、屈筋腱205、動脈206、神経207、を有する。それぞれのモデル構成要素に、吸光度、散乱係数、屈折率を定義し、多重散乱系としてシミュレーションを行った。それぞれの光学定数は、以下の参考文献を参照した。
(参考文献1)
V.v.Tuchin,”Light scattering study of tissues”,Phys.-Usp.40(5)、495-515(1997).
(参考文献2)
A.N.Bashkatov,D.M.Zhestkov,E.A.Genina,and V.V.Tuchin,”Immersion clearing of human blood in the visible and near-infrared spectral regions”,Opt.Spectrosc.98(4),638-646(2005).
(参考文献3)
O.Zhernovava,V.S.Tuchin,and A.Douplik,”The refractive index of human hemoglobin in the visible range”,Phys.Med.Biol.56(13),4013-4021(2011).
ここで、指200の組織は、スマートリング10の内側筐体22に圧迫されるため、内側筐体22に沿う形に変形すると想定し、特に光学素子50に押圧される部分には凹部Dが形成されると想定する。
光源30から近赤外線波長の光を出射させ、指200の組織内を多重散乱してPD40に到達する光の強度を解析した。光源30とPD40との位置関係は、スマートリング10のリング孔を円周とした場合の円の中心であるリング孔中心点Cを用いて、光源30とリング孔中心点CとPD40とを結んで形成された角度θで表した。θを45°から105°まで15°ずつ変化させてシミュレーションを行った。
光源30については、光学素子50有りの場合と無しの場合の2通りについて解析を行い、この2通りの場合に対してそれぞれPD40に光学素子51が有る場合と無い場合とについて解析した(合計4通り)。なお、モデルの簡略化のため、光学素子50と光学素子51とは、同一の形状であるとして解析を行った。また、PD41は、モデルの簡略化のために省略した。参考までに、光源30に光学素子50が無い場合の光の放射分布を図16Aに、有る場合を図16Bに示す。光学素子50によって光源30の発する光が0°に向けて集光されていることがわかる。
図17、図18に光学シミュレーションの結果を示す。図17の横軸は、光源30とリング孔中心点CとPD40とが形成する角度θを示し、縦軸は、PDで受光する光の強度を示す。実線で示したグラフは光源30、PD40ともに光学素子が無い場合であり、点線のグラフはPD40にのみ光学素子がある場合である。一点鎖線は光源30のみに光学素子がある場合であり、破線は光源30、PD40ともに光学素子がある場合である。4つの場合のいずれにおいても、θが大きくなればなるほど受光強度が小さくなることがわかる。これは、指の皮膚組織と皮下組織の吸収に起因するものと考えられる。
図18の横軸は、光源30とリング孔中心点CとPD40とが形成する角度θを示し、縦軸は、AC/DC比を示す。AC/DC比は、以下のように定義する。
AC/DC=Iartery/Iall
ここで、Iarteryは、光源30から出射され動脈を通過し、PD40に到達した光線の強度の合計であり、Iallは、光源30から出射されてPD40に到達した全ての光線の強度の合計である。
図17,18より、以下の3つのことがわかる。
1.θが小さい場合(反射型光電容積脈波に近い領域)
θが小さくなればなるほど、反射型光電容積脈波に近い形態であるといえる。シミュレーション結果より、この場合、PD40に届く光線の強度は大きくなるが、一方で、動脈206が存在する指組織深部を経由してPD40に届く光線は極めて少なくなることがわかる。従って、血中酸素飽和度を測定する目的においては、この形態は適していないといえる。また、この領域における光学素子の効果は少ないことがわかる。
2.θが大きい場合(透過型光電容積脈波に近い領域)
θが大きくなればなるほど、透過型光電容積脈波に近い形態であるといえる。
シミュレーション結果より、この場合、動脈206が存在する指組織深部を経由してPD40に届く光線の割合が大きくなるため、血中酸素飽和度を測定する目的に適しているといえる。しかしながら、発光強度を大きくする必要があり、電力確保の観点から考えると、小型化することが求められるスマートリングには適さない可能性がある。また、この領域においても光学素子の恩恵が小さいと推察される。
3.θが1.の場合と2.の場合の中間である場合(準透過型光電容積脈波の領域)
1.の反射型でも2.の透過型でもない形態を準透過型とよぶ。シミュレーション結果より、受光強度とAC/DC比とはトレードオフの関係にあることがわかるので、アプリケーションに応じてθを最適化することが重要である。60°<θ<105°である領域において、光学素子がある場合に、AC/DC比が大幅に改善していることが確認できる。準透過型光電容積脈波センサでは、光源とPDとに光学素子を加えることでAC/DC比を改善できる。
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされているものである。また、上述した各実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。上記各実施形態及び変形例は任意に組み合わせることができる。さらに、必要に応じて実施形態の構成要件の一部を除いても本発明の技術的思想の範囲内となる。
1 スマートリングシステム
10,11,12 スマートリング
15,16 センサユニット
20 筐体
21 外側筐体
22 内側筐体
23 装飾部
24 主面
25 凹部
30,31,32 光源
35 発光部
40,40,40,…,40,41 フォトディテクタ
50,51 光学素子
52 本体部
53 取付部
54 集光面
55 始点
60 基板
61 充電IC
62 電源管理IC
65 孔
100 MCU
110 制御部
111 光源制御部
112 PD制御部
113 測定部
114 選択・収集部
120 記憶部
121 設定記憶部
122 測定結果記憶部
130 通信部
131 通信装置
140 センサ部
141 多波長PPGセンサ
142 ジャイロセンサ
143 加速度センサ
144 温度センサ
145 ミリ波センサ
146 マイクロ波センサ
147 光学センサ
150 報知部
151 報知装置
160 電源部
161 電源監視ユニット
162 充電電池
163 充電レシーバ
200 指
201 表皮
202 真皮
203 皮下脂肪
204 基節骨
205 屈筋腱
206 動脈
207 神経
300 ホストデバイス
400 充電装置
401 充電トランスミッタ
BP 基点
C リング孔中心点

Claims (13)

  1. 環状の第1の光学素子を介して指を照射する第1の光源と、前記第1の光源または他の光源から出射された光を環状の第2の光学素子を介して受光し、容積脈波を取得する第1のフォトディテクタと、前記指が挿通される筐体と、前記第1および第2の光学素子を前記筐体に固定する透明の樹脂製の封止体と、を有し、
    前記第1の光源および前記第1のフォトディテクタは、前記第1および第2の光学素子の貫通孔に配置されており、
    前記第1および第2の光学素子は、前記第1の光源および前記第1のフォトディテクタをそれぞれ囲むように配置され、前記指に向けて前記筐体の前記指を挿通する側の主面から突出し、前記第1および第2の光学素子を覆う前記封止体を介して前記指を押圧して前記封止体を前記指に密着させ前記封止体を介して前記指に対する前記筐体の回転を抑制
    前記第1および第2の光学素子は、前記光を集光するパラボラ曲面が前記貫通孔に形成された非球面ミラーである、
    スマートリング。
  2. 前記第1の光源が配置された位置と前記筐体に形成された前記指を挿通するリング孔の中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第1の角度が60°を超え、かつ、105°未満である、
    請求項1に記載のスマートリング。
  3. 前記第1の光源または他の光源から出射された前記光を環状の第3の光学素子を介して受光する第2のフォトディテクタをさらに有し、
    前記第3の光学素子は、前記第2のフォトディテクタを囲むように配置され、
    前記第1の光源が配置された位置と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第2の角度が60°を超え、かつ、105°未満であり、
    受光強度が最も高いフォトディテクタから得られた信号を選択して容積脈波を取得する、
    請求項2に記載のスマートリング。
  4. 環状の第1の光学素子を介して指を照射する第1の光源と、前記第1の光源または他の光源から出射された光を環状の第2の光学素子を介して受光し、容積脈波を取得する第1のフォトディテクタと、前記第1の光源または他の光源から出射された前記光を環状の第3の光学素子を介して受光する第2のフォトディテクタと、前記指が挿通される筐体と、を有し、
    前記第1の光源および前記第1のフォトディテクタは、それぞれ前記第1および第2の光学素子の貫通孔に配置され、
    前記第1および第2の光学素子は、前記第1の光源および前記第1のフォトディテクタをそれぞれ囲むように配置され、前記指に向けて前記筐体の前記指を挿通する側の主面から突出し、前記指を押圧して前記指に密着し、前記指に対する前記筐体の回転を抑制し、
    前記第1の光源が配置された位置と前記筐体に形成された前記指を挿通するリング孔の中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第1の角度が60°を超え、かつ、105°未満であり、
    前記第2のフォトディテクタは、前記第3の光学素子の貫通孔に配置され、
    前記第3の光学素子は、前記第2のフォトディテクタを囲むように配置され、
    前記第1の光源が配置された位置と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第2の角度が60°を超え、かつ、105°未満であり、
    前記第1、第2および第3の光学素子は、それぞれの前記貫通孔に形成されたパラボラ曲面の前記光が入射する側または出射される側の端部がミラーの放物線状の曲面の始点と一致するパラボリックミラーである、
    スマートリング。
  5. 前記第1、第2および第3の光学素子は、前記光を集光するレンズ、フィルター、プリズムのうち少なくとも1つをさらに備える、
    請求項に記載のスマートリング。
  6. 前記スマートリングの内面の所定の基点と前記中心点と前記第1の光源が配置された位置とが形成する第1の中心角は、前記基点と前記中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第2の中心角より大きく、前記基点と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第3の中心角より小さい、
    請求項5に記載のスマートリング。
  7. 前記第1の光源は、異なるピーク波長をもつ複数のLEDから構成されるLEDアレイ光源であり、
    前記第1および第2のフォトディテクタは、前記異なるピーク波長を、受光感度を有する波長範囲に含む、
    請求項5に記載のスマートリング。
  8. 前記複数のLEDは、500-550nmにピーク波長をもつLEDを一つ以上と、600-800nmにピーク波長をもつLEDを二つ以上と、900-1000nmにピーク波長をもつLEDを一つ以上と、を含む、
    請求項7に記載のスマートリング。
  9. 所定の時間が経過する毎に、受光強度が最も高いフォトディテクタから得られた信号を選択して容積脈波を取得する、
    請求項8に記載のスマートリング。
  10. 前記非球面ミラーは、パラボラ曲面の前記光が入射する側または出射される側の端部がミラーの放物線状の曲面の始点と一致するパラボリックミラーである、
    請求項に記載のスマートリング。
  11. 環状の第4の光学素子を介して前記指を照射する第2の光源をさらに有し、
    前記第2の光源は、前記第4の光学素子の貫通孔に配置され、
    前記第4の光学素子は、前記第2の光源を囲むように配置され、
    前記第4の光学素子は、前記光を集光するパラボラ曲面が前記貫通孔に形成された非球面ミラーであり、
    前記基点と前記中心点と前記第2の光源が配置された位置とが形成する第4の中心角は、前記第2の中心角に前記第1の光源と前記中心点と前記第1のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第5の中心角を加えた第1の角度より大きく、かつ、前記第2の中心角に前記第2の光源が配置された位置と前記中心点と前記第2のフォトディテクタが配置された位置とが形成する第6の中心角を加えた第2の角度より大き
    2つの光源と2つのフォトディテクタとの組み合わせの中から、受光強度が最も高いフォトディテクタから得られた信号を選択して容積脈波を取得する、
    請求項6に記載のスマートリング。
  12. 前記第1および第2の光源は、互いのパルス・オンの時間とパルス・オフの時間とが逆である、
    請求項11に記載のスマートリング。
  13. 請求項1-12のいずれか1項に記載のスマートリングと、
    前記スマートリングから前記容積脈波を無線通信で受信する電子機器と、を備える、
    スマートリングシステム。
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