JP7655714B2 - ビールテイスト飲料 - Google Patents
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Description
第391頁、下から第15~13行、要約
「GC-MSの技術を使用して、淡色麦芽及び濃色麦芽中のパンのような芳香特性及び非常に低い風味閾値をする数種類の化合物を初めて同定した。」。
「麦芽を焙燥するか又は麦汁を煮沸する場合、・・・[中略]・・・今までにまだ知られていない焙煎したような、ポップコーンのような、パンのような芳香を有する化合物が生じる。パンのような芳香特性を有する香気物質は、ビールにとって中心的な重要性がある。この香気物質は麦芽中の芳香の主成分であるが、この香気物質は、加熱殺菌された、高温環境で貯蔵した及び劣化したビールにおける悪い芳香の原因となることがある。」
「パンのような悪い芳香成分は、特に、ビールに熱負荷をかけるか又はビールを不適切に輸送しかつ貯蔵した場合に検出される。高すぎる温度及び長すぎる作用時間での加熱殺菌の場合に、特に際立った「オフフレーバー」の印象が感じられる。図11は、典型的なパンのような悪い芳香を示す「過剰加熱殺菌された」ビールのガスクロマトグラムを示す。特性決定されたプロリン誘導体とほとんど同等の保持時間を示す、官能特性を有するいくつかのクロマトグラム部分が生じることが認められる。分取GC、キャピラリー-GC-NSD及びキャピラリー-GC-MSを用いて、4種の2-アセチルテトラヒドロピリジンを示準成分として特性決定することができた。」
該3-メチル-2-ブテン-1-チオールの濃度が2.0ng/l以上であり、
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度が5.0μg/l以上である、ビールテイスト飲料を提供する。
該3-メチル-2-ブテン-1-チオールの濃度を2.0ng/l以上に調節する工程、及び該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度を5.0μg/l以上に調節する工程を包含する、ビールテイスト飲料の製造方法を提供する。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる3-メチル-2-ブテン-1-チオールは、チオール基を有する揮発性物質であり、ホップなどに微量に含まれる。また、煮沸などのビールテイスト飲料の製造工程において、増減することが知られている。3-メチル-2-ブテン-1-チオールは、微量であっても、波長350~550nmの紫外線の照射により、ビール中の苦味成分であるイソフムロンのアリル側鎖から生じたラジカルと反応し、日光臭と称される臭いを生成する。しかしながら、3-メチル-2-ブテン-1-チオールを含有させることで、麦芽使用量の低いビールテイスト飲料に対してコクが付与される。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジンは、互変異性体として2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンを有する。したがって、2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジンをビールテイスト飲料に添加した場合、ビールテイスト飲料には、一般に、2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及び2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンが両方とも含有される。それらの存在比率は、周囲のpH環境等に依存して決定される。
プロリンとは、タンパク質を構成するアミノ酸である。本発明のビールテイスト飲料に含まれるプロリンは、多くが麦芽に由来するものである。
本発明のビールテイスト飲料は、発酵工程を経て製造されたビールテイスト飲料であっても、発酵工程を経ずに製造されたビールテイスト飲料であってもよい。本発明のビールテイスト飲料は、好ましくは、麦芽使用量が低いものである。麦芽使用量が低いビールテイスト飲料の例には、[麦芽比率(重量%)、原麦汁エキス濃度(重量%)]の組み合わせが、それぞれ[50~100、1~10]、[1~50、10~20]、又は[1~50、1~10]であるビールテイスト飲料が挙げられる。ここで、麦芽比率とは、デンプン質原料の重量に対する麦芽の重量の比率であり、原麦汁エキス濃度とは、麦汁やそれに含まれる糖分、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、麦芽とホップから抽出されたエキス濃度のことで、麦汁全体に対する割合を示すものである。また、原麦汁エキス濃度は、ビールテイスト飲料の濾過工程の後に、水を加えることで調整することができる。
本発明のビールテイスト飲料は、以下の発酵工程を含む製造工程及び発酵工程を含まない製造工程によって製造される。
原料として麦芽の粉砕物を用意する。また、副原料として、米、コーンスターチ等のデンプン質材料、たんぱく質又はたんぱく質分解物、等を用意する。原料と副原料とを混合し、温水を加え、加温し、麦芽を糖化させる。得られた麦汁を濾過し、添加物を添加する。このとき、原麦汁エキスの濃度を加水調整した。次いで、煮沸釜において麦汁を煮沸する。煮沸後、麦汁を沈殿槽(ワールプール等と呼ばれる)に移送し、ホップ粕等の沈殿物を除去する。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により、適切な発酵温度にまで冷却する。冷却後、麦汁に酵母を接種してアルコール発酵させ、濾過を行い、発酵ビールテイスト飲料を得る。得られた発酵ビールテイスト飲料に対し、香料としてMBT及び/又ATHPをそれぞれ添加し、各成分の濃度を調整してもよい
麦芽等のデンプン質原料を糖化して糖溶液を得る。糖溶液と、甘味料、香料、穀物エキス、食物繊維、苦味料、色素、ホップ等の副原料、及び要すればアルコールとを混合して調合液を得る。糖溶液に、各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。次いで、調合液に炭酸ガスを添加することで非発酵ビールテイスト飲料を得る。炭酸ガスの添加は、常法により行うことができる。例えば、調合工程により得られた調合液、及び炭酸水を混合してよく、調合工程により得られた調合液に炭酸ガスを直接加えて溶け込ませてもよい。得られた非発酵ビールテイスト飲料に対し、香料としてMBT及び/又ATHPをそれぞれ添加し、各成分の濃度を調整してもよい。
実施例1では、麦芽比率が低いビールテイスト飲料における、MBT及びATHPの効果を調べた。
[ビールテイスト飲料の製造]
原料として麦芽の粉砕物を用意した。また、副原料として、米、コーンスターチ等のデンプン質材料、たんぱく質又はたんぱく質分解物、等を用意した。原料と副原料とを混合し、麦芽比率100%のデンプン質原料を調製した。デンプン質原料に温水を加えて、加温し、麦芽を糖化させた。得られた麦汁を濾過し、添加物を添加した。このとき、加水調整により、原麦汁エキスの濃度を12重量%にした。次いで、煮沸釜において麦汁を煮沸した。煮沸後、麦汁を沈殿槽(ワールプール等と呼ばれる)に移送し、ホップ粕等の沈殿物を除去した。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により、適切な発酵温度にまで冷却した。冷却後、麦汁に酵母を接種して発酵させた。発酵後、濾過を行い、発酵麦芽ビールテイスト飲料を得た。
MBTの濃度は、岸本らの方法(Kishimoto, T. et al., Odorants comprising hop aroma of beer: hop-derived odorants increased in the beer hopped with aged hops, Proceedings of the 31st E BC Congress, Venice 2007)を使用して測定した。
20gのビールテイスト飲料に50μLの内部標準溶液(4μg/mLのATHP安定同位体)及び、200μLのギ酸及び10mLの蒸留水を加え、OASIS MCX 500mg/6ml(Waters)へ負荷した。
ビールテイスト飲料中のプロリンは、(米国)ウォーターズ社製AcquityUPLC分析装置を用いて、アキュタグウルトラ(AccQ-TagUltra)ラベル化法により測定した。検量線は、アミノ酸混合標準液H型(和光純薬社製)を用いて作成した。
デンプン質原料の麦芽比率を45%に調節すること以外は参考例1と同様にして、ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。MBT濃度は1ng/l、ATHPの濃度は1.5μg/l、プロリンの濃度は200mg/lであった。
比較例1-1のビールテイスト飲料にMBTを添加することでMBT濃度を、それぞれ、2ng/l、3ng/l及び5ng/lに増加させた。
比較例1-2のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例1-3のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例1-4のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
評点
4: とても弱い
3: 弱い
2: 強い
1: とても強い
評点
4: とても強い
3: 強い
2: 弱い
1: とても弱い
実施例2では、原麦汁エキス濃度が低いビールテイスト飲料における、MBT及びATHPの効果を調べた。
原麦汁エキス濃度を5%に調節すること以外は参考例1と同様にして、ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。MBT濃度は1ng/l、ATHPの濃度は2μg/l、プロリンの濃度は200mg/lであった。
比較例2-1のビールテイスト飲料にMBTを添加することでMBT濃度を、それぞれ、2ng/l、3ng/l及び5ng/lに増加させた。
比較例2-2のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例2-3のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例2-4のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
実施例3では、麦芽比率及びプロリンの濃度が低いビールテイスト飲料における、MBT及びATHPの効果を調べた。
デンプン質原料の麦芽比率を30%に調節すること以外は参考例1と同様にして、ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。MBT濃度は1ng/l、ATHPの濃度は1.5μg/l、プロリンの濃度は120mg/lであった。
比較例3-1のビールテイスト飲料にMBTを添加することでMBT濃度を、それぞれ、2ng/l、3ng/l及び5ng/lに増加させた。
比較例3-2のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例3-3のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例3-4のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
実施例4では、麦芽比率及び原麦汁エキス濃度が低いビールテイスト飲料における、MBT及びATHPの効果を調べた。
デンプン質原料の麦芽比率、及び原麦汁エキス濃度をそれぞれ6%、及び7%に調節すること以外は参考例1と同様にして、ビールテイスト飲料を得、スペックの分析を行った。MBT濃度は1ng/l、ATHPの濃度は0.4μg/l、プロリンの濃度は20mg/lであった。
比較例4-1のビールテイスト飲料にMBTを添加することでMBT濃度を、それぞれ、2ng/l、3ng/l及び5ng/lに増加させた。
比較例4-2のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例4-3のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
比較例4-4のビールテイスト飲料にATHPを添加することでATHP濃度を、それぞれ、5μg/l及び10μg/lに増加させた。
Claims (5)
- 3-メチル-2-ブテン-1-チオール、及び2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及びその互変異性体である2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンから成る群から選択される少なくとも一種の2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物を含み、
麦芽比率が50~100重量%であり、原麦汁エキス濃度が1~10重量%であるか、
麦芽比率が1~50重量%であり、原麦汁エキス濃度が10~20重量%であるか、又は
麦芽比率が1~50重量%であり、原麦汁エキス濃度が1~10重量%であり、
プロリンを含有し、プロリンの濃度(mg/l)に対する2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度(μg/l)の比率が0.02を超えるものであり、
プロリンの濃度が400mg/l以下であり、
該3-メチル-2-ブテン-1-チオールの濃度が2.0~5ng/lであり、
該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度が5.0~10μg/lである、ビールテイスト飲料。 - 前記3-メチル-2-ブテン-1-チオールは、添加された香料に由来するものである、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- 前記2‐アセチル‐3,4,5,6‐テトラヒドロピリジンは、添加された香料に由来するものである、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
- 3-メチル-2-ブテン-1-チオール、2-アセチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリジン及びその互変異性体である2-アセチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリジンから成る群から選択される少なくとも一種の2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物を含み、
麦芽比率が50~100重量%であり、原麦汁エキス濃度が1~10重量%であるか、
麦芽比率が1~50重量%であり、原麦汁エキス濃度が10~20重量%であるか、又は
麦芽比率が1~50重量%であり、原麦汁エキス濃度が1~10重量%であり、
プロリンを含有し、プロリンの濃度(mg/l)に対する2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度(μg/l)の比率が0.02を超えるものであり、
プロリンの濃度が400mg/l以下である、ビールテイスト飲料の製造方法であって、
該3-メチル-2-ブテン-1-チオールの濃度を2.0~5ng/lに調節する工程、及び該2-アセチルテトラヒドロピリジン化合物の濃度を5.0~10μg/lに調節する工程を包含する、ビールテイスト飲料の製造方法。 - 酵母によるアルコール発酵工程を経て製造される、請求項4に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
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