JP7655877B2 - クラフト紙 - Google Patents
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以上から、本発明の目的は、上記のようなより具体的な品質を有するクラフト紙を提供することである。
[1]針葉樹未晒クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有するクラフト紙であって、前記クラフト紙が、下記式で求められる比引張強度がクラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上、並びに下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下であるクラフト紙。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m2))
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
さらに、クラフト紙は、前記以外であって製紙分野で従来公知の添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、填料、定着剤、歩留り剤、耐水化剤、分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、及び防バイ剤を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、ISO1762:2001「Paper, board and pulps-Determination of residue(ash) on ignition at 525 degrees C」に準拠して求められる灰分が2質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、硫酸アルミニウムに依存して、灰分が0.3質量%以上2質量%以下である。
パルプの原料としては従来公知の木材又は非木材であって、例えば、針葉樹及び広葉樹の木材、麻、リンター、わら、竹、サトウキビ、ヨシ、果実、コウゾ、ミツマタ及びガンピなどの非木材を挙げることができる。晒クラフトパルプでは、例えば、パルプの原料が針葉樹であれば針葉樹晒クラフトパルプと称し、未晒クラフトパルプでは、例えば、パルプ原料が針葉樹であれば針葉樹未晒クラフトパルプと称する。
クラフト紙は、針葉樹未晒クラフトパルプ以外に従来公知の各種パルプを含有することができる。針葉樹未晒クラフトパルプ以外に従来公知の各種パルプは、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹半晒クラフトパルプ、広葉樹半晒クラフトパルプ、機械パルプ及び脱墨古紙パルプなど挙げることができる。いくつかの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が65質量%以上である。さらにいくつかの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が80質量%以上である。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が100質量%である。これらの理由は、クラフト紙の強度が得易く、並びに上記角割れ耐性及び上記紐穴耐久性を得ることができるからである。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m2))
なおかつ、クラフト紙は、下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下である。
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
クラフト紙は、これら数値を満足することによって、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性を有することができる。クラフト紙は、これら数値を満足しない場合、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性に関して少なくとも一つを有することができない。比引張強度の上限は特に限定しない。これは、比引張強度の上限が、クラフト紙の伸び率と引張強度とは相反する及び紙の強さに限界があるために必然に決まるからである。
濾水度は、ISO5267-2:2001「Pulps-Determination of drainability-Part2 : Canadian Standard Freeness method」に準拠して求められる値である。濾水度は、パルプの叩解及び/又はリファイニングによって調整できる。パルプの叩解及び/又はリファイニングを進めると、濾水度の値は小さくなる。濾水度が500mlcsf以上の範囲である針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度の上限は、叩解及び/又はリファイニングを施さないパルプの濾水度になる。一般的な針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度の上限は、680mlcsfから740mlcsfの範囲である。
クラフト紙中のサイズ剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。サイズ剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して1質量部以上20質量部以下である。
いくつかの実施態様において、紙力剤は、澱粉、並びにジアルデヒド澱粉、酸化澱粉及びカチオン化澱粉などの変性澱粉である。この理由は、クラフト紙を食品の包装に使用する場合の安全性のためである。
クラフト紙中の紙力剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。紙力剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。
歩留り剤は、例えば、カチオン性樹脂又はアニオン性樹脂である。歩留り剤となるカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く及び水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級~3級アミン又は4級アンモニウム塩を含有する樹脂である。カチオン性樹脂は、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド-ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル-ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物及びこれらの塩、さらにジアリルアミンアクリルアミド共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジエチルアンモニウムクロリド)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとメタクリルアミドの共重合体、ジアリルジエチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルジエチルアンモニウムクロリドとメタクリルアミドの共重合体、ジメチルアミンアンモニアエピクロロヒドリン共重合体、ジエチルアミンエピクロロヒドリンアンモニア共重合体等を挙げることができる。
クラフト紙中の歩留り剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。歩留り剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して0.05質量部以上1質量部以下である。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m2))
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
合計で1000質量部になる所定の質量部で、所定の濾水度に調整した未晒クラフトパルプ及び/又は晒クラフトパルプを水に分散したスラリーに、ロジンサイズ剤(星光PMC社、CC-1404)を4質量部、紙力剤としてカチオン化澱粉(Grain Processing Corporation社、CHARGEMASTER R462)を15質量部、硫酸アルミニウムを10質量部、及び歩留り剤としてアクリルアミド系樹脂(ハイモ社、ハイモロック(登録商標)ND300)を0.1質量部混合して、紙料を調成した。前記紙料を長網抄紙機を用いてパルプ濃度及びJ/W及び乾燥工程を制御しながら抄造して抄造紙を得た。前記抄造紙の両面に対して、表面サイズ剤として酸化澱粉(王子コーンスターチ社、王子エースA)及びスチレンアクリル系樹脂(荒川化学工業社、ポリマロン(登録商標)1308S)を含むサイズプレス液でサイズプレス処理を施して表1に記載の比引張強度及び伸び率を有する坪量70g/m2のクラフト紙を得た。なお、表面サイズ剤の付与量は、片面あたり酸化澱粉が0.3g/m2及びスチレンアクリル系樹脂が0.07g/m2とした。灰分は1.5質量%であった。
表1中の記載について、針葉樹未晒クラフトパルプはNUKP、針葉樹晒クラフトパルプはNBKPと記す。
試験用の紙袋として縦360mm×横280mm×まち80mmの角底袋をクラフト紙から自動角底製袋機を使用して100部加工した。クラフト紙の縦方向を紙袋の縦方向に合わせた。得た角底袋の折り部での角割れの状態を観察し、下記の基準で評価した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B又はCであれば角割れ耐性を有するものとする。
A:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中1部以下。
B:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中2部以上3部以下。
C:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中4部以上5部以下。
D:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中6部以上、
又は角割れを有した角底袋において複数箇所で角割れが認められる。
クラフト紙でA4サイズの封筒を作成した。クラフト紙の縦方向を封筒の長辺方向に合わせた。前記封筒に対してモニター10人に封止作業及び開封作業を依頼した。封止作業は、A4サイズのクリアファイルを3部入れて封筒口をスティック糊を用いて封止する方法とした。開封作業は、封止した封筒口端の隙間に親指をこじ入れて、親指を封筒口に沿って移動させながら封筒口のフラップ部を破く方法とした。作業は、モニター1人あたり20部とした。モニターは、これら作業にあたりクラフト紙の掴み易さ及び開封容易性の観点から下記の基準で官能評価した。最終の評価結果は、モニター10人の平均値を算出し、小数点以下を四捨五入した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B及びCであれば掴み易さ及び開封容易性を有するものとする。
A:5点(極めて良い)
B:4点(良い)
C:3点(概ね良い)
D:2点(普通)
E:1点(悪い)
上記<角割れ耐性>の評価と同様にして角底袋を作成した。前記角底袋に対して取手を取り付けた。取手用アクリル紐(直径2.5mm/長さ400mm)を取り付ける部分は、クラフト紙を折込二重とした。折込幅は100mmとした。紙袋表面及び裏面のそれぞれには、紙袋の口から50mm及び幅方向中心から各50mmの位置に左右対称に穴(紐穴)を開け、前記紐を穴に通して玉結びを作って留め横穴留型の取手を取り付けた。このようにして作成した取手付き紙袋について紐穴耐久性を評価した。紐穴耐久性は、床置きされた紙袋に市販の未開封500mlのペットボトルを入れて持ち上げて紐穴の状況を目視で観察し、観察結果から下記の基準で評価した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B又はCであれば紐穴耐久性を有するものとする。
A:ペットボトル5本以上で、紐穴に裂けの発生が認められない。
B:ペットボトル4本以下で、紐穴に裂けの発生が認められない。
C:ペットボトル3本以下で、紐穴に裂けの発生が認められない。
D:ペットボトル2本以下で、紐穴に裂けの発生が認められる。
Claims (1)
- 針葉樹未晒クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有するクラフト紙であって、前記クラフト紙が、下記式で求められる比引張強度がクラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上、並びに下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下であるクラフト紙。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m2))
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
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