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JP7655877B2 - クラフト紙 - Google Patents
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Description

本発明は、包装、封筒及び紙袋の材料に使用できるクラフト紙に関する。
クラフト紙は、クラフト法によって製造されたパルプを原料とした、強度に優れる紙である。クラフト紙は、例えば、包装用紙、封筒、紙袋、段ボール材料及び粘着テープなどに使用される。紙袋用では、JIS P8113:2006に規定された縦方向の破断伸びが2.2%以上で横方向の破断伸びが4.0%以上であり、縦横の破断伸びの比(縦/横)が0.50以上であるクラフト紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。このようなクラフト紙は、製袋加工されたとき、破袋を引き起こすことが少ないように伸び特性や強度特性に優れる。
特開2014-055372号公報
クラフト紙は、包装、封筒及び紙袋の材料として、よく使用される。包装、封筒及び紙袋に使用するクラフト紙は、これら用途に応じた強度を有することが当然であり、さらに製造面及び使用面で、より具体的な品質が求められる。製造面では、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性である。使用面では、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性である。
以上から、本発明の目的は、上記のようなより具体的な品質を有するクラフト紙を提供することである。
本発明の目的は、下記のクラフト紙によって達成できる。
[1]針葉樹未晒クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有するクラフト紙であって、前記クラフト紙が、下記式で求められる比引張強度がクラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上、並びに下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下であるクラフト紙。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m))
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
本発明のクラフト紙は、包装用紙、封筒及び紙袋に使用するにあたり、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性を有することができる。
以下、本発明のクラフト紙について詳細に説明する。
クラフト紙は、クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有する。サイズ剤、紙力剤及び硫酸アルミニウムは、クラフト紙の強度を得るために含有する。
さらに、クラフト紙は、前記以外であって製紙分野で従来公知の添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、填料、定着剤、歩留り剤、耐水化剤、分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、及び防バイ剤を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、実質的に填料を含有しない。一般に填料は、紙の強度を低下させる作用効果を有する。ここで、「実質的に」とは、紙の強度を低下させる程の量で填料を含有しない意味を指す。紙の強度を低下させない程度の少量であれば、クラフト紙は、填料を含有して良い。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、填料を含有しない。
填料は、製紙分野で従来公知の白色無機顔料である。填料の例としては、カオリン、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム及びアルミナなどを挙げることができる。
クラフト紙中の填料の含有量は、灰分で見積もることができる。灰分は、クラフト紙が含有する填料と硫酸アルミニウムなどの無機塩類の金属成分との含有量に依存する。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、ISO1762:2001「Paper, board and pulps-Determination of residue(ash) on ignition at 525 degrees C」に準拠して求められる灰分が2質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、硫酸アルミニウムに依存して、灰分が0.3質量%以上2質量%以下である。
クラフト紙は、クラフトパルプを水に分散したスラリーに、サイズ剤、紙力剤及び硫酸アルミニウム、並びに必要に応じてその他の添加剤を混合した紙料を、長網抄紙機、円網抄紙機及びツインワイヤー抄紙機など従来公知の抄紙機を用いて抄造し、得られた抄造紙に対して必要に応じて、澱粉類、ポリビニルアルコール、スチレンアクリル系樹脂若しくはオレフィンマレイン酸系樹脂などの表面サイズ剤を含むサイズプレス液でサイズプレス処理、及び/又はマシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー若しくはマルチニップカレンダーなどによりカレンダー処理して、得ることができる。
サイズプレス処理は、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置を用いて行う。サイズプレス装置の例としては、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー、フィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーターを挙げることができる。さらに、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレスなどを挙げることができる。
クラフトパルプは、製紙分野で従来公知のクラフト法によって製造された化学パルプの一種である。晒クラフトパルプは、漂白工程により漂白されたクラフトパルプである。未晒クラフトパルプは、前記漂白工程を受けていないクラフトパルプである。
パルプの原料としては従来公知の木材又は非木材であって、例えば、針葉樹及び広葉樹の木材、麻、リンター、わら、竹、サトウキビ、ヨシ、果実、コウゾ、ミツマタ及びガンピなどの非木材を挙げることができる。晒クラフトパルプでは、例えば、パルプの原料が針葉樹であれば針葉樹晒クラフトパルプと称し、未晒クラフトパルプでは、例えば、パルプ原料が針葉樹であれば針葉樹未晒クラフトパルプと称する。
クラフト紙は、クラフトパルプとして針葉樹未晒クラフトパルプを含有する。
クラフト紙は、針葉樹未晒クラフトパルプ以外に従来公知の各種パルプを含有することができる。針葉樹未晒クラフトパルプ以外に従来公知の各種パルプは、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹半晒クラフトパルプ、広葉樹半晒クラフトパルプ、機械パルプ及び脱墨古紙パルプなど挙げることができる。いくつかの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が65質量%以上である。さらにいくつかの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が80質量%以上である。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が100質量%である。これらの理由は、クラフト紙の強度が得易く、並びに上記角割れ耐性及び上記紐穴耐久性を得ることができるからである。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、針葉樹未晒クラフトパルプと共に針葉樹晒クラフトパルプを含有する。またいくつかの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹晒クラフトパルプの含有量が35質量%以下である。少なくとも一つの実施態様において、クラフト紙は、クラフト紙が含有する全パルプにおいて針葉樹晒クラフトパルプの含有量が35質量%以下かつ10質量%以上である。これらの理由は、クラフト紙の上記開封容易性が良化するからである。
クラフト紙は、下記式で求められる比引張強度が、クラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上である。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m))
なおかつ、クラフト紙は、下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下である。
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
クラフト紙は、これら数値を満足することによって、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性を有することができる。クラフト紙は、これら数値を満足しない場合、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性に関して少なくとも一つを有することができない。比引張強度の上限は特に限定しない。これは、比引張強度の上限が、クラフト紙の伸び率と引張強度とは相反する及び紙の強さに限界があるために必然に決まるからである。
クラフト紙の比引張強度及び伸び率は、ISO1924-2:1994「Paper and board-Determination of tensil properties-Part 2 :Constant rate of elongation method」に準拠して求めることができる。これらの測定は、ISO1924-2:1994に準拠する方法に沿った測定装置を用いて、実施することができる。測定装置の例としては、オリエンテック社製のテンシロン万能材料試験機を挙げることができる。比引張強度及び伸び率は、製紙分野で従来公知であって、例えば、原紙の灰分量、密度、紙力、パルプ種類及び濾水度、並びに抄造におけるパルプ噴出速度/長網ワイヤー速度(J/W比)、噴出するパルプ濃度及びワイヤーパートの脱水速度などを調整することで調整することができる。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度が500mlcsf以上である。いくつかの実施態様において、クラフト紙は、針葉樹未晒クラフトパルプと共に針葉樹晒クラフトパルプを含有し、針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度が500mlcsf以上及び針葉樹晒クラフトパルプの濾水度が400mlcsf以上500mlcsf以下である。これらの理由は、クラフト紙が上記の数値範囲を満足し易くなって、結果、クラフト紙が、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性のいずれかが得易くなるからである。
濾水度は、ISO5267-2:2001「Pulps-Determination of drainability-Part2 : Canadian Standard Freeness method」に準拠して求められる値である。濾水度は、パルプの叩解及び/又はリファイニングによって調整できる。パルプの叩解及び/又はリファイニングを進めると、濾水度の値は小さくなる。濾水度が500mlcsf以上の範囲である針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度の上限は、叩解及び/又はリファイニングを施さないパルプの濾水度になる。一般的な針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度の上限は、680mlcsfから740mlcsfの範囲である。
サイズ剤は、サイズ性を付与するために抄紙工程で使用される内添サイズ剤である。サイズ剤の作用機構から、サイズ剤は、紙の強度にも良い影響がある。サイズ剤は、製紙分野で従来公知であって、特に限定されない。サイズ剤の例としては、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、脂肪酸系サイズ剤、及びカチオン性スチレンアクリル樹脂系サイズ剤などを挙げることができる。いくつかの実施態様において、サイズ剤は、ロジン系サイズ剤である。この理由は、実質的に填料を含有しない紙料を抄造して成るクラフト紙のサイズ性を安定的に発現できるからである。
クラフト紙中のサイズ剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。サイズ剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して1質量部以上20質量部以下である。
紙力剤は、紙力増強剤とも呼ばれ、紙の強度を付与するために抄紙工程で使用される内添紙力剤である。紙力剤は、製紙分野で従来公知であって、特に限定されない。紙力剤の例としては、澱粉、並びにジアルデヒド澱粉、酸化澱粉及びカチオン化澱粉などの変性澱粉、グァーガム、ローカストビーンガム及びトラガントガムなどの植物性ガム類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース類、並びにポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂などの合成高分子を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、紙力剤は、澱粉、並びにジアルデヒド澱粉、酸化澱粉及びカチオン化澱粉などの変性澱粉である。この理由は、クラフト紙を食品の包装に使用する場合の安全性のためである。
クラフト紙中の紙力剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。紙力剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。
硫酸アルミニウムは、サイズ剤の紙中への定着に作用効果を有する。特に、サイズ剤が上記ロジン系サイズ剤の場合に有効である。硫酸アルミニウムのアルミニウムイオンはパルプの繊維と結合でき、結果、クラフト紙の引張強度を増すことができる。ただし、硫酸アルミニウムを含有すると紙が酸性化して劣化し易くなる。このために、硫酸アルミニウムの含有量が制限される。
いくつかの実施態様において、クラフト紙は、製紙分野で従来公知の歩留り剤を含有する。この理由は、上記の角割れ耐性及び紐穴耐久性が良化するからである。
歩留り剤は、例えば、カチオン性樹脂又はアニオン性樹脂である。歩留り剤となるカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く及び水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級~3級アミン又は4級アンモニウム塩を含有する樹脂である。カチオン性樹脂は、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド-ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル-ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物及びこれらの塩、さらにジアリルアミンアクリルアミド共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジエチルアンモニウムクロリド)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとメタクリルアミドの共重合体、ジアリルジエチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルジエチルアンモニウムクロリドとメタクリルアミドの共重合体、ジメチルアミンアンモニアエピクロロヒドリン共重合体、ジエチルアミンエピクロロヒドリンアンモニア共重合体等を挙げることができる。
クラフト紙中の歩留り剤は、製紙分野で従来公知の含有量であれば良い。歩留り剤の含有量は、例えば、クラフト紙が含有するパルプ1000質量部に対して0.05質量部以上1質量部以下である。
針葉樹未晒クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有するクラフト紙であって、前記針葉樹未晒クラフトパルプの濾水度が500mlcsf以上であり、前記クラフト紙が、下記式で求められる比引張強度がクラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上、並びに下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下であるクラフト紙。
比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m))
A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量%及び質量部は、乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。表面サイズ剤の付与量は、乾燥固形分の値を示す。
<クラフト紙>
合計で1000質量部になる所定の質量部で、所定の濾水度に調整した未晒クラフトパルプ及び/又は晒クラフトパルプを水に分散したスラリーに、ロジンサイズ剤(星光PMC社、CC-1404)を4質量部、紙力剤としてカチオン化澱粉(Grain Processing Corporation社、CHARGEMASTER R462)を15質量部、硫酸アルミニウムを10質量部、及び歩留り剤としてアクリルアミド系樹脂(ハイモ社、ハイモロック(登録商標)ND300)を0.1質量部混合して、紙料を調成した。前記紙料を長網抄紙機を用いてパルプ濃度及びJ/W及び乾燥工程を制御しながら抄造して抄造紙を得た。前記抄造紙の両面に対して、表面サイズ剤として酸化澱粉(王子コーンスターチ社、王子エースA)及びスチレンアクリル系樹脂(荒川化学工業社、ポリマロン(登録商標)1308S)を含むサイズプレス液でサイズプレス処理を施して表1に記載の比引張強度及び伸び率を有する坪量70g/mのクラフト紙を得た。なお、表面サイズ剤の付与量は、片面あたり酸化澱粉が0.3g/m及びスチレンアクリル系樹脂が0.07g/mとした。灰分は1.5質量%であった。
未晒クラフトパルプ及び晒クラフトパルプの質量部並びに濾水度(mlcsf)を表1に記載する。
表1中の記載について、針葉樹未晒クラフトパルプはNUKP、針葉樹晒クラフトパルプはNBKPと記す。
各クラフト紙について下記の品質に関する評価を行った。各クラフト紙の評価結果を表1に示した。
<角割れ耐性>
試験用の紙袋として縦360mm×横280mm×まち80mmの角底袋をクラフト紙から自動角底製袋機を使用して100部加工した。クラフト紙の縦方向を紙袋の縦方向に合わせた。得た角底袋の折り部での角割れの状態を観察し、下記の基準で評価した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B又はCであれば角割れ耐性を有するものとする。
A:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中1部以下。
B:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中2部以上3部以下。
C:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中4部以上5部以下。
D:一つの箇所で角割れを有した部数が、100部中6部以上、
又は角割れを有した角底袋において複数箇所で角割れが認められる。
<掴み易さ及び開封容易性>
クラフト紙でA4サイズの封筒を作成した。クラフト紙の縦方向を封筒の長辺方向に合わせた。前記封筒に対してモニター10人に封止作業及び開封作業を依頼した。封止作業は、A4サイズのクリアファイルを3部入れて封筒口をスティック糊を用いて封止する方法とした。開封作業は、封止した封筒口端の隙間に親指をこじ入れて、親指を封筒口に沿って移動させながら封筒口のフラップ部を破く方法とした。作業は、モニター1人あたり20部とした。モニターは、これら作業にあたりクラフト紙の掴み易さ及び開封容易性の観点から下記の基準で官能評価した。最終の評価結果は、モニター10人の平均値を算出し、小数点以下を四捨五入した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B及びCであれば掴み易さ及び開封容易性を有するものとする。
A:5点(極めて良い)
B:4点(良い)
C:3点(概ね良い)
D:2点(普通)
E:1点(悪い)
<紐穴耐久性>
上記<角割れ耐性>の評価と同様にして角底袋を作成した。前記角底袋に対して取手を取り付けた。取手用アクリル紐(直径2.5mm/長さ400mm)を取り付ける部分は、クラフト紙を折込二重とした。折込幅は100mmとした。紙袋表面及び裏面のそれぞれには、紙袋の口から50mm及び幅方向中心から各50mmの位置に左右対称に穴(紐穴)を開け、前記紐を穴に通して玉結びを作って留め横穴留型の取手を取り付けた。このようにして作成した取手付き紙袋について紐穴耐久性を評価した。紐穴耐久性は、床置きされた紙袋に市販の未開封500mlのペットボトルを入れて持ち上げて紐穴の状況を目視で観察し、観察結果から下記の基準で評価した。本発明において、クラフト紙は、評価A、B又はCであれば紐穴耐久性を有するものとする。
A:ペットボトル5本以上で、紐穴に裂けの発生が認められない。
B:ペットボトル4本以下で、紐穴に裂けの発生が認められない。
C:ペットボトル3本以下で、紐穴に裂けの発生が認められない。
D:ペットボトル2本以下で、紐穴に裂けの発生が認められる。
表1から、本発明の構成を満たす実施例1~10は、包装、封筒及び紙袋の材料に使用できるクラフト紙であって、包装体、封筒及び袋を形成する際の角割れ耐性、封筒における掴み易さ及び開封容易性、並びに紙袋の取手が紐である場合の紐穴耐久性を有することが分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~5は、前記効果のいずれかを得ることができないと分かる。

Claims (1)

  1. 針葉樹未晒クラフトパルプ、サイズ剤、紙力剤、並びに硫酸アルミニウムを少なくとも含有するクラフト紙であって、前記クラフト紙が、下記式で求められる比引張強度がクラフト紙の縦方向で0.060(kN・m/g)以上及びクラフト紙の横方向で0.040(kN・m/g)以上、並びに下記式で求められるA値がクラフト紙の縦方向において36.0以上46.0以下及びクラフト紙の横方向において141.0以上184.0以下であるクラフト紙。
    比引張強度(kN・m/g)=(引張強度(kN/m)÷坪量(g/m))
    A値=クラフト紙の伸び率(%)÷比引張強度(kN・m/g)
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