JP7656296B2 - 制振装置及びこれを用いた建物の制振構造 - Google Patents
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Description
コンテナを建物として利用する際は、利用する場所に置いて、用途に合わせて改良を行うだけであり、新築の建物に比べて低コストで済むだけでなく、コンテナを置く場所があれば良いため、鉄道高架下などの空きスペースを有効に利用することができる。
木造住宅向けには特許文献1に記載されているような制振ダンパーが知られている。
しかし、特許文献1の制振ダンパーは一般住宅の架構に設けるものであり、コンテナハウスに適用することはできない。
前記固定部材は、背面ボルト用開口部を有し、前記中間プレートは、長孔である背面用中間ボルト孔を有し、前記建物固定部材は、背面ボルト孔を有し、前記背面ボルト用開口部と前記背面用中間ボルト孔と前記背面ボルト孔に挿通する背面ボルトに背面ナットを螺合して、前記中間プレートと前記建物固定部材との間隔を規定してもよい。
また、本発明の制振装置は、建物下部のコンクリート基礎に固定する固定部材と、前記建物の躯体に固定する建物固定部材と、を含み、前記固定部材は、前記コンクリート基礎の上面に固定する基礎固定プレートと、前記基礎固定プレートに対して前記躯体の表面と略平行に立設する前面プレートと、を有し、前記建物固定部材は平板状であり、前記固定部材の前記前面プレートの背面には、中間プレートを当接し、粘弾性体を介して前記中間プレートと前記建物固定部材とを接着する。
前記固定部材は、長孔である前面ボルト孔を有し、前記中間プレートは、長孔である中間ボルト孔を有し、前記前面ボルト孔と前記中間ボルト孔のうち、いずれか一方は横方向の長孔であり、他方は縦方向の長孔であってもよい。
前記前面ボルト孔と前記中間ボルト孔に挿通するボルトにナットを螺合して、前記固定部材と前記中間プレートとを一体としてもよい。
前記固定部材は、前記基礎固定プレートと、前記前面プレートと、を分割して構成し、前記前面プレートは、両側辺から前記基礎固定プレート側に略垂直に立設する側壁を有し、前記基礎固定プレートは、両側辺から立設する側板を有し、前記前面プレートは、前記基礎固定プレートの両側壁間に嵌合可能であり、前記側壁は、側壁ボルト孔を有し、前記側板は、側板ボルト孔を有し、前記側壁ボルト孔と前記側板ボルト孔に挿通する底部ボルトに底部ナットを螺合して、前記基礎固定プレートと前記前面プレートを一体としてもよい。
前記下制振部材の周囲を保護材により包囲してもよい。
(1)粘弾性体が変形し、制振部材とともに建物の制振を行うことができる。
(2)前面ボルト孔と中間ボルト孔は縦方向の長孔と横方向の長孔の組み合わせであるため、ボルトの前面ボルト孔と中間ボルト孔内での位置を調整することで、固定部材を傾いた状態でコンクリート基礎の上面に固定できる。
(3)建物固定部材は立設部を有するため、例えばコンテナハウスのダイヤフラムに干渉しない位置に中間プレートと固定部材を配置することができる。
<1>制振装置の概要
本発明の制振装置1は、コンクリート基礎2の上面とコンテナハウスの柱材3の表面に連結して配置する部材である(図1)。
制振装置1は、コンクリート基礎2に固定する固定部材4、固定部材4の背面に設ける中間プレート5、柱材3の表面に固定する建物固定部材6、及び中間プレート5と建物固定部材6の両面に接着する粘弾性体7からなる(図2)。
本実施例においては、制振装置1はコンテナハウスの矩形の柱材3の一面に設けたが、複数面に設けてもよい。
固定部材4は、コンクリート基礎2の上面に固定する基礎固定プレート41と、基礎固定プレート41の後方の端部から柱材3の表面と略平行に立設する前面プレート42と、からなる側面視略L字状の鋼製の部材である。
前面プレート42には、柱材3の開口部31に対応する位置に、前面開口部422を設けてもよい。
前面プレート42は、その両側辺から基礎固定プレート41側に略垂直に立設した側壁43を有する。側壁43の下端は、基礎固定プレート41の上面に溶接により固定する。
固定部材4は基礎固定プレート41を貫通するあと施工アンカー44により、コンクリート基礎2に固定する。
中間プレート5は、固定部材4の前面プレート42の背面に設ける鋼板である。
中間プレート5の背面には、粘弾性体7を接着する。
中間プレート5は粘弾性体7により建物固定部材6に接着されており、粘弾性体7の弾性の範囲内で、建物固定部材6の背面プレート61と平行方向に移動可能である。
中間プレート5は、上下端付近に中間ボルト孔51を有する。中間ボルト孔51は、縦方向の長孔である。
また、固定部材4の前面プレート42は、中間ボルト孔51と対応する位置に前面ボルト孔421を有する。前面ボルト孔421は、横方向の長孔である。
中間プレート5は、前面ボルト孔421と中間ボルト孔51に挿通するボルト52にナット53を螺合して、固定部材41の前面プレート42の背面に配置する。
中間プレート5は、建物固定部材6及び粘弾性体7を介して柱材3に固定する。一方、固定部材4はコンクリート基礎2に固定するが、コンクリート基礎2の上面に不陸がある場合には、柱材3に対して斜めに傾いてしまう場合がある。このとき、前面ボルト孔421と中間ボルト孔51は縦方向の長孔と横方向の長孔の組み合わせであるため、ナット53を緩めてボルト52の前面ボルト孔421と中間ボルト孔51内での位置を調整することで、固定部材4を傾いた状態でコンクリート基礎2の上面に固定できる。
本実施例においては、前面ボルト孔421を縦方向の長孔とし、中間ボルト孔51を横方向の長孔としたが、前面ボルト孔421と横方向の長孔とし、中間ボルト孔51を縦方向の長孔としてもよい。
建物固定部材6は、柱材3の表面と略平行の背面プレート61、背面プレート61の幅方向の両端から柱材3の方向に立設する2枚の立設部62、及び立設部62の端辺から柱材3の幅方向の外側に折曲して立設する建物固定部63からなる鋼製の部材である。
建物固定部材6は、建物固定部63の背面を柱材3の表面に当接し、ビス等(図示せず)により固定する。
建物固定部材6は、背面プレート61が立設部62の立設高さ分だけ建物固定部63から離れている。この立設高さをコンテナハウスのダイヤフラム32の高さよりも高くすることで、ダイヤフラム32に干渉しない位置に中間プレート5及び固定部材4を配置することができる。立設部62及び固定部63は、ダイヤフラム32の上下に分割して設けてもよい。
建物固定部材6の背面プレート61の前面には、粘弾性体7を接着する。
粘弾性体7は高減衰ゴム、アクリルゴム等からなる。
粘弾性体7は、一方の面を中間プレート5の背面に接着し、他方の面を建物固定部材6の背面プレート61の前面に接着して、固定部材4、中間プレート5、及び建物固定部材6が一体となり、制振装置1となる。
粘弾性体7の両面に中間プレート5と建物固定部材6を接着することにより、粘弾性体7は、中間プレート5と建物固定部材6の相対的な変位に合わせて変形し、制振を行う。
次に、上述の制振装置1を用いたコンテナハウスの制振構造について説明する。
柱材3の下部には、コンクリート基礎2に埋設するアンカーボルト91を設ける。
コンクリート基礎2の上面には、ウレタンや樹脂等からなる所定の厚さの下制振部材8aを配置する(図3)。
下制振部材8aの上面には柱材3の底板となるベースプレート33が位置する。
ベースプレート33の上面には鋼製の下アンカープレート92a、上アンカープレート92bで挟持した、下制振部材8aと同様にウレタンや樹脂等からなる所定の厚さの上制振部材8bを配置する。
コンクリート基礎2から立設するアンカーボルト91は、下制振部材8a、ベースプレート33の開口331、下アンカープレート92a、上制振部材8b、上アンカープレート92bを貫通し、上部からアンカーナット93を螺合することで、コンクリート基礎2上に下制振部材8aと柱材3を固定する(図4)。
下制振部材8aはウレタンや樹脂等からなるため、コンテナハウスの自重により圧縮される。このため、コンテナハウスの自重による圧縮量を計算して、下制振部材8aの厚さを決定する。
下制振部材8aはウレタンや樹脂等からなるため、防火、防水対策として鋼製の保護材81により周囲を包囲して保護してもよい。保護材81は柱材3のベースプレート33が内部に収まる大きさとする。
なお、本実施例においては、下制振部材8aを柱材3の直下に設け、上制振部材8bを柱材3の内部に設けたが、底板が柱材3から外部に突出している場合には、突出した底板の上下に下制振部材8a、上制振部材8bを設けてもよい。
(i)下方向への変位(図5)
コンテナハウスに振動が作用すると、下制振部材8aが圧縮されて、柱材3が沈み込み、柱材3に固定された建物固定部材6が下方に変位する。
一方、コンクリート基礎2に固定された固定部材4とその背面の中間プレート5は変位しない。
よって、振動により柱材3が沈み込むと、中間プレート5と建物固定部材6の相対的な変位が生じるため、粘弾性体7が変形し、下制振部材8aとともに制振を行う。特に固定部材4は鋼製であり、側壁43の下端を基礎固定プレート41の上面に溶接固定しているため強固なため、柱材3の沈み込み量が小さい場合でもその相対的な変位が粘弾性体7の変形に反映される。
このとき、ナット53を緩めることで、ボルト52が縦方向の長孔である中間ボルト孔51内で移動し、中間プレート5の建物固定部材6に対する位置を当初の位置に戻すことができる。
コンテナハウスに振動が作用すると、上振動部材8bが圧縮されて、柱材3が浮き上がり、柱材3に固定された建物固定部材6が上方に変位する。
一方、コンクリート基礎2に固定された固定部材4とその背面の中間プレート5は変位しない。
よって、振動により柱材3が浮き上がると、中間プレート5と建物固定部材6の相対的な変位が生じるため、粘弾性体7が変形し、上制振部材8bとともに制振を行う。特に固定部材4は鋼製であり、側壁43の下端を基礎固定プレート41の上面に溶接固定しているため強固なため、柱材3の浮き上がり量が小さい場合でもその相対的な変位が粘弾性体7の変形に反映される。
<1>建物の形態
上記実施例1では、コンテナハウスの柱材3に制振装置を取り付けた、コンテナハウスの制振構造について説明したが、コンテナハウスに限らず、コンクリート基礎2上に固定する建物であれば、適宜、本発明の制振装置を適用することができる。
また、建物固定部材6は、柱材3に限らず、土台等の躯体に取り付けてもよい。
上記実施例1では、建物固定部材6を、背面プレート61、背面プレート61の幅方向の両端から立設する立設部62、及び立設部62の端辺から立設する建物固定部63により構成したが、所定の厚さを有する平板により構成してもよい(図7、8)。
また、発揮したい制振効果に合わせて、建物固定部材6や粘弾性体7の大きさや個数を適宜変更してもよい。
平板の厚さをボルト52の頭部の高さよりも厚くすることにより、ボルト52が柱材3に干渉することがない(図9)。平板の厚さをダイヤフラム32の高さよりも高くすれば、実施例1のコンテナハウスにも適用することができる。
中間プレート5は、上下端付近に縦方向の長孔である背面用中間ボルト孔54を有する。
また、建物固定部材6の背面プレート61は、背面用中間ボルト孔54と対応する位置に背面ボルト孔611を有する。
背面用中間ボルト孔54と背面ボルト孔611に挿通する背面ボルト55に背面ナット56を螺合して、中間プレート5と建物固定部材6との間隔を規定し、粘弾性体7により建物固定部材6に接着した中間プレート5が剥がれるのを防止する。背面用中間ボルト孔54は縦方向の長孔のため、中間プレート5は背面プレート6に対して上下方向に変位することができる。
また、固定部材4の前面プレート42は、背面用中間ボルト孔54と対応する位置に背面ボルト用開口部423を有する。背面ボルト用開口部423は、中間ボルト孔51と背面用中間ボルト孔54を合わせた程度の縦方向(図11)、及び前面ボルト孔421と同じ横方向に背面ボルト55が移動できる大きさの開口とする。これにより、固定部材4を傾いた状態でコンクリート基礎2の上面に固定しても、中間プレート5の建物固定部材6に対する変位を妨げることなく、制振を行うことができる。
固定部材4は、基礎固定プレート41と前面プレート42を分割して構成してもよい(図12)。
基礎固定プレート41は、両側辺から立設する側板411を有する。
前面プレート42は、両側辺から基礎固定プレート41側に略垂直に側壁43を立設する。
前面プレート42は側壁43の下部を、基礎固定プレート41の両側壁43間に嵌合可能とする。
側壁43は、側壁ボルト孔431を有する。
側板411は、側壁ボルト孔431と対応する位置に側板ボルト孔412を有する。
そして、側壁ボルト孔431と側板ボルト孔412に挿通する底部ボルト45に底部ナット46を螺合して、基礎固定プレート41と前面プレート42を一体とすることで、底部ボルト45を支点として、前面プレート42を基礎固定プレート41に対して前後方向に変位することができる。
2 コンクリート基礎
3 柱材、31 開口部、32 ダイヤフラム、33 ベースプレート、331 開口
4 固定部材、41 基礎固定プレート、411 側板、412 側板ボルト孔、42 前面プレート、421 前面ボルト孔、422 前面開口部、43 側壁、431 側壁ボルト孔、44 あと施工アンカー、45 底部ボルト、46 底部ナット
5 中間プレート、51 中間ボルト孔、52 ボルト、53 ナット
6 建物固定部材、61 背面プレート、62 立設部、63 建物固定部
7 粘弾性体
8a 下制振部材、8b 上制振部材、81 保護材
91 アンカーボルト、92a 下アンカープレート、92b 上アンカープレート、93 アンカーナット
Claims (8)
- 建物下部のコンクリート基礎に固定する固定部材と、
前記建物の躯体に固定する建物固定部材と、を含み、
前記固定部材は、前記コンクリート基礎の上面に固定する基礎固定プレートと、前記基礎固定プレートに対して前記躯体の表面と略平行に立設する前面プレートと、を有し、
前記建物固定部材は、前記躯体の表面と略平行に配置する背面プレートと、前記背面プレートの幅方向の両端から前記躯体の表面方向に立設する2枚の立設部と、前記立設部の端辺から前記躯体の幅方向の外側に向けて折曲して立設し、前記躯体の表面に当接する建物固定部と、を有し、
前記固定部材の前記前面プレートの背面には、中間プレートを当接し、
粘弾性体を介して前記中間プレートと前記建物固定部材の前記背面プレートとを接着する、
制振装置。 - 前記固定部材は、背面ボルト用開口部を有し、
前記中間プレートは、長孔である背面用中間ボルト孔を有し、
前記建物固定部材は、背面ボルト孔を有し、
前記背面ボルト用開口部と前記背面用中間ボルト孔と前記背面ボルト孔に挿通する背面ボルトに背面ナットを螺合して、前記中間プレートと前記建物固定部材との間隔を規定することを特徴とする、
請求項1に記載の制振装置。 - 建物下部のコンクリート基礎に固定する固定部材と、
前記建物の躯体に固定する建物固定部材と、を含み、
前記固定部材は、前記コンクリート基礎の上面に固定する基礎固定プレートと、前記基礎固定プレートに対して前記躯体の表面と略平行に立設する前面プレートと、を有し、
前記建物固定部材は平板状であり、
前記固定部材の前記前面プレートの背面には、中間プレートを当接し、
粘弾性体を介して前記中間プレートと前記建物固定部材とを接着する、
制振装置。 - 前記固定部材は、長孔である前面ボルト孔を有し、
前記中間プレートは、長孔である中間ボルト孔を有し、
前記前面ボルト孔と前記中間ボルト孔のうち、いずれか一方は横方向の長孔であり、他方は縦方向の長孔であり、
前記前面ボルト孔と前記中間ボルト孔に挿通するボルトにナットを螺合して、前記固定部材と前記中間プレートとを一体とすることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制振装置。 - 前記固定部材の前記前面プレートの両側辺から前記基礎固定プレート側に略垂直に立設する側壁を有し、
前記側壁の下端と前記基礎固定プレートの上面を溶接により固定することを特徴とする、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の制振装置。 - 前記固定部材は、前記基礎固定プレートと、前記前面プレートと、を分割して構成し、
前記前面プレートは、両側辺から前記基礎固定プレート側に略垂直に立設する側壁を有し、
前記基礎固定プレートは、両側辺から立設する側板を有し、
前記前面プレートは、前記基礎固定プレートの両側壁間に嵌合可能であり、
前記側壁は、側壁ボルト孔を有し、
前記側板は、側板ボルト孔を有し、
前記側壁ボルト孔と前記側板ボルト孔に挿通する底部ボルトに底部ナットを螺合して、前記基礎固定プレートと前記前面プレートを一体とすることを特徴とする、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の制振装置。 - 前記コンクリート基礎の上面と、前記躯体の底板との間に設ける下制振部材と、
前記躯体の底板の上部と、前記コンクリート基礎から立設するアンカーボルトに挿通したアンカープレートとの間に設ける上制振部材と、を有する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制振装置を用いた、建物の制振構造。 - 前記下制振部材の周囲を保護材により包囲することを特徴とする、
請求項7に記載の建物の制振構造。
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