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JP7657693B2 - 熱溶融式積層方式の立体物造形装置 - Google Patents
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JP7657693B2 - 熱溶融式積層方式の立体物造形装置 - Google Patents

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本発明は、熱溶融式積層方式の立体物造形装置に関する。
従来、3D(3次元)プリンタに関し、熱溶融式積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)の立体物造形装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、樹脂を加熱溶融してテーブル装置に向かって吐出するノズルと3D造形物の表面との間の距離(クリアランス)を維持するために、ノズルを移動させるときの電流値、すなわちノズルが3D造形物と接触している際におけるこれらの摩擦に起因して電流値が変化することを利用して、ノズルをZ軸方向(高さ方向)に移動させることにより、3D造形物の造形不良を抑制していること、が記載されている。
特開2021-54057号公報
上記特許文献1に記載のように、良好な3D造形物を作製するために、3D造形物の表面とノズルとの距離(クリアランス)が重要であるところ、センサを使って当該距離を所定に維持するための技術がある。
ところで、3Dプリンタに搭載される駆動部としては、一般的にベルト式構造が採用されるところ、作製する3D造形物のサイズが大きい場合には、ベルト長さ(動作軸間距離)も大きくなる。このため、ベルトの伸びやたるみなどの影響を受けやすくなり、造形指示に対するノズル位置精度にずれが生じやすくなるという不都合がある。また、ベルト式構造では、経年劣化によるベルトの伸びやたるみ、又バックラッシュが大きいことに起因して、メカ剛性やメカ精度が徐々に悪化する傾向にある。このため、プログラムと動作軸の互換性にズレが生じるという不都合もある。これらの結果、造形安定性と造形精度が低下するという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解消すべくなされたものであって、造形安定性、及び造形精度を向上することが可能な熱溶融式積層方式の立体物造形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成されている。
(1)本発明による熱溶融式積層方式の立体物造形装置は、樹脂を加熱溶融して吐出する樹脂吐出装置と、前記樹脂吐出装置をX軸方向、前記X軸方向に交差するY軸方向、及び、前記X軸方向及び前記Y軸方向の両方向に交差するZ軸方向に沿って独立して駆動可能な駆動装置と、制御装置とを備え、前記駆動装置は、前記X軸方向に沿って移動可能なX軸移動機構、及び前記Y軸方向に沿って移動可能なY軸移動機構、を有しており、前記X軸移動機構は、前記X軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたX方向ガイド部材、前記X方向ガイド部材の前記歯あるいは前記溝に対して噛み合った状態で前記X軸方向に移動可能とされたX方向移動部材、及び前記X方向移動部材を前記X軸方向に移動させるX軸駆動部を備えたものであり、前記Y軸移動機構は、前記Y軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたY方向ガイド部材、前記Y方向ガイド部材の前記歯あるいは前記溝に対して噛み合った状態でY方向に移動可能とされたY方向移動部材、及び前記Y方向移動部材を前記Y軸方向に移動させるY軸駆動部を備えたものであり、前記樹脂吐出装置は、前記X方向移動部材に対して連結されており、前記Y軸移動機構は、前記X軸移動機構を前記Y軸方向に移動可能に連結しており、前記X軸移動機構は、前記Z軸方向に伸縮可能なサポート部材によりZ軸上において吊り下げ支持されており、前記制御装置は、前記サポート部材を伸縮させて前記X軸移動機構及び前記Y軸移動機構における前記Z軸方向への吊下げ高さを変更することにより、前記樹脂吐出装置を前記Z軸方向に移動させる制御を行うこと、を特徴とする。
本発明の立体物造形装置は、X軸移動機構が、X軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたX方向ガイド部材と、X方向ガイド部材の歯あるいは溝に対して噛み合った状態でX軸方向に移動可能とされたX方向移動部材とを備えている。さらに、本発明の立体物造形装置は、Y軸移動機構が、Y軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたY方向ガイド部材と、Y方向ガイド部材の歯あるいは溝に対して噛み合った状態でY軸方向に移動可能とされたY方向移動部材とを備えている。ここで例えば、一般的なX軸及びY軸移動機構としてベルトによる移動機構を用いた場合には、ベルトにおけるX軸方向やY軸方向への伸びやたるみなどの影響を受けやすくなり、造形指示に対する樹脂吐出装置のノズル位置精度にずれが生じやすくなる。しかしながら、本発明の立体物造形装置は、上述のようなX軸移動機構及びY軸移動機構を備えているため、X軸方向やY軸方向への伸びやたるみなどの影響を受け難くなり、造形指示に対するノズル位置精度にずれが生じ難くなる。さらに、本発明の立体物造形装置は、上述したX軸移動機構及びY軸移動機構を備えているため、造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
また、本発明の立体物造形装置は、上述したようにX軸移動機構がZ軸方向に伸縮可能なサポート部材によりZ軸上において吊り下げ支持されている。これにより、本発明の立体物造形装置は、X軸移動機構が大型化(長尺に)することで懸念されるX軸方向におけるたわみを回避することができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、X軸方向へのストローク拡大の制約を無くすことができる。これらの結果、本発明の立体物造形装置は、造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
(2)本発明による熱溶融式積層方式の立体物造形装置において、好ましくは、前記X方向ガイド部材が、前記X軸方向に延びるラックあるいはネジ軸を備えており、前記X方向移動部材が、前記X方向ガイド部材の前記ラックあるいは前記ネジ軸に対して噛み合った状態で前記X軸方向に移動可能とされたピニオンギヤあるいはナットを備えており、前記Y方向ガイド部材が、前記Y軸方向に延びるラックあるいはネジ軸を備えており、前記Y方向移動部材が、前記Y方向ガイド部材の前記ラックあるいは前記ネジ軸に対して噛み合った状態で前記Y軸方向に移動可能とされたピニオンギヤあるいはナットを備えていること、を特徴とするとよい。
本発明の立体物造形装置は、X方向ガイド部材及びY方向ガイド部材として、それぞれラックとピニオンギヤとを組み合わせた場合には、X軸方向及びY軸方向に沿って、ピニオンギヤをラックに対して精度よく移動させることができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、造形指示に対する樹脂吐出装置のノズル位置精度にずれが生じ難いものとすることができ、その結果として造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
また、本発明の立体物造形装置は、X方向ガイド部材及びY方向ガイド部材として、それぞれネジ軸とナットとを組み合わせた場合には、X軸方向及びY軸方向に沿って、ナットをネジ軸に対して精度よく移動させることができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、造形指示に対する樹脂吐出装置のノズル位置精度にずれが生じ難いものとすることができ、その結果として造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
(3)本発明の立体物造形装置は、前記X方向ガイド部材が、前記ラックであり、前記X方向移動部材が、前記ピニオンギヤであり、前記樹脂吐出装置は、前記ピニオンギヤに対して連結されていること、を特徴とするとよい。
本発明の立体物造形装置は、このように構成することにより、X軸移動機構をラックアンドピニオン方式によりギア化するとともに、X軸移動機構をサポート部材により吊り下げ支持することによって、メカ剛性及び造形精度のレベルアップ、及び装置の大型化に対応可能な機構を得ることができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、全体構成が大型化した場合であっても、ピニオンギヤに連結された樹脂吐出装置により精度よく3D造形物を造形することができる。
(4)本発明による熱溶融式積層方式の立体物造形装置において、前記サポート部材は、エアシリンダであること、を特徴とするとよい。
本発明の立体物造形装置は、このように構成することにより、X軸移動機構がエアシリンダにより吊り下げ支持された状態で、エアシリンダを伸縮させることによりX軸移動機構及びY軸移動機構におけるZ軸方向への吊下げ高さを容易に変更することができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、樹脂吐出装置をZ軸方向に容易に移動可能なものとすることができる。
(5)本発明による熱溶融式積層方式の立体物造形装置において、前記サポート部材は、前記Z軸方向への吊下げ高さを所定の位置で固定する固定機構を有していること、を特徴とするとよい。
本発明の立体物造形装置は、このように構成することにより、樹脂吐出装置をZ軸方向に沿って所定の位置で固定することができる。これにより、本発明の立体物造形装置は、樹脂吐出装置におけるZ軸方向への高さ制御を精度よく行うことができ、その結果として造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
本発明に係る態様によれば、造形安定性、及び造形精度を向上することが可能な熱溶融式積層方式の立体物造形装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る3Dプリンタを反作業者側から見た様子を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る3Dプリンタを作業者側から見た様子を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る3Dプリンタにおける3D造形物の造形制御を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る熱溶融式積層方式の立体物造形装置を説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。
図1及び図2を参照して、本実施形態における熱溶融式積層方式の立体物造形装置(以下、3Dプリンタ100)の構成について説明する。
(全体構成)
3Dプリンタ100の基本的な仕組みとしては、コンピュータで作成した3Dデータを設計図として、断面形状を積層していくことにより、3D造形物(立体物)としての3D(三次元)オブジェクトを作成するというものである。また、3Dプリンタ100では、ペレット状の樹脂を熱で溶融した溶融樹脂を、少しずつ積み重ねていく熱溶融積層方式(FDM:Fused Deposition Modeling)により造形処理が行われる。
3Dプリンタ100は、筐体10と、テーブル装置20と、樹脂吐出装置30と、駆動装置40と、制御装置50とを備えている。筐体10には、テーブル装置20と、樹脂吐出装置30と、駆動装置40とが収容されている。筐体10の側面部10aには、制御装置50が設けられている。制御装置50は、テーブル装置20、樹脂吐出装置30、及び駆動装置40と電気的に接続されている。
(テーブル装置)
図1及び図2に示すように、テーブル装置20は、樹脂吐出装置30から吐出された溶融樹脂を積層形成するためのものであり、平面視において四角形状に形成されている。テーブル装置20の表面の温度は、制御装置50によりペレット樹脂の種類に応じて適宜設定されている。
(樹脂吐出装置)
図1及び図2に示すように、樹脂吐出装置30は、ペレット樹脂を加熱溶融して吐出するものである。樹脂吐出装置30は、貯留部31と、吐出部32とを備えている。貯留部31は、原料となるペレット樹脂を貯留するものである。貯留部31は、溶融樹脂の吐出方向の上流側に配置されている。貯留部31の上面部には、ペレット樹脂が供給される供給口(図示せず)が形成されている。
貯留部31に貯留されるペレット樹脂としては、通常の射出成形等で使用されるペレット状の樹脂材料であり、造形物に応じて任意の材料を選択することができる。例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルなどの非晶性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコールなどの結晶性樹脂、オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー、及びそれらの混合物等である。さらに、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、ナノクレイ、マグネシウムなどの無機系の添加剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤などを適宜混合することも可能である。
吐出部32は、3Dプリンタ100のヘッド(ノズル)として機能する。吐出部32は、溶融樹脂の吐出方向の下流側に配置されている。吐出部32は、3Dプリンタ100における造形処理時に、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(三軸方向)への移動が可能である。
(駆動装置)
図1及び図2に示すように、駆動装置40は、樹脂吐出装置30をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に沿って独立して駆動可能となっている。なお、Y軸方向はX軸方向に直交する方向であり、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向の両方向に直交する方向である。
駆動装置40は、X軸移動機構41と、Y軸移動機構42と、Z軸移動機構43とを有している。X軸移動機構41は、樹脂吐出装置30をX軸方向に沿って移動可能となっている。Y軸移動機構42は、樹脂吐出装置30、X軸移動機構41、及びZ軸移動機構43をY軸方向に沿って移動可能となっている。Z軸移動機構43は、樹脂吐出装置30、X軸移動機構41、及びY軸移動機構42をZ軸方向に沿って移動可能となっている。
(Y軸移動機構)
Y軸移動機構42は、テーブル装置20におけるX軸方向の両端部にそれぞれ配置されている。各Y軸移動機構42は、Y軸ラック支持部材421と、Y軸ラック422と、Y軸ピニオンギヤ423と、Y軸ガイド部材424と、支柱部材425(図2参照)と、Y軸駆動モータ426と、Y軸モータ軸427とを備えている。Y軸移動機構42は、後述するZ軸方向に伸縮可能なサポート部材433によりZ軸上において吊り下げ支持されている。なお、Y軸ラック422は、本発明の「Y方向ガイド部材」の一例である。Y軸ピニオンギヤ423は、本発明の「Y方向移動部材」の一例である。Y軸駆動モータ426は、本発明の「Y軸駆動部」の一例である。
Y軸ラック支持部材421は、Y軸方向に沿って延びている。Y軸ラック422は、Y軸ラック支持部材421の上面(Z1方向側の面)に設けられているとともに、Y軸方向に沿って延びている。Y軸ラック422は、Y軸方向に所定のピッチで配された歯を備えている。
図2に示すように、支柱部材425は、X軸方向に沿って延びている。支柱部材425のX軸方向の両端部は、それぞれ、Y軸ガイド部材424に接続されている。Y軸駆動モータ426には、X軸方向に延びるY軸モータ軸427が設けられている。Y軸駆動モータ426及びY軸モータ軸427は、支柱部材425の下部に配置されている。Y軸駆動モータ426は、支柱部材425の下部に設けられたモータ取付部428に取り付けられている。
図1に示すように、Y軸モータ軸427の両端部には、それぞれY軸ピニオンギヤ423が接続されている。Y軸ピニオンギヤ423は、Y軸ラック422の歯に対して噛み合った状態でY軸方向に移動可能となっている。支柱部材425のX軸方向の両端部には、それぞれY軸ガイド部材424が設けられている。Y軸ガイド部材424は、Y軸ラック支持部材421のX軸方向の側面(外側の面)に配置されているとともに、Y軸ラック支持部材421の延びる方向(Y軸方向)に沿って移動可能となっている。すなわち、Y軸駆動モータ426が駆動することによりY軸モータ軸427が回転し、Y軸ピニオンギヤ423がY軸ラック422に対してY軸方向に移動し、支柱部材425及びY軸ガイド部材424がY軸方向に移動する。
(X軸移動機構)
図1及び図2に示すように、X軸移動機構41は、Y軸移動機構42の二つのY軸ラック422上をX軸方向において接続するように架け渡されている。X軸移動機構41は、X軸ラック支持部材411と、モータ取付部412と、X軸ラック413と、X軸ピニオンギヤ414と、X軸駆動モータ415とを備えている。X軸移動機構41は、Z軸方向に伸縮可能な後述するサポート部材433によりZ軸上において吊り下げ支持されている。なお、X軸ラック413は、本発明の「X方向ガイド部材」の一例である。X軸ピニオンギヤ414は、本発明の「X方向移動部材」の一例である。X軸駆動モータ415は、本発明の「X軸駆動部」の一例である。
X軸ラック支持部材411は、X軸方向に沿って延びている。X軸ラック支持部材411は、支柱部材425(図2参照)の上面(Z1方向側の面)に配置されている。X軸ラック支持部材411の反作業者側(Y1方向側)の側面には、X軸ラック413が配置されている。X軸ラック413は、X軸方向に沿って延びているとともに、X軸方向に所定のピッチで配された歯を備えている。
X軸ラック支持部材411の上面(Z1方向側の面)には、モータ取付部412が配置されている。モータ取付部412の上面(Z1方向側の面)には、X軸駆動モータ415が配置されている。X軸駆動モータ415は、モータ軸(図示省略)を介してX軸ピニオンギヤ414を回転駆動させて、X軸方向に移動させるものである。モータ取付部412の反作業者側(Y1方向側)の下面(Z2方向側の面)には、X軸ピニオンギヤ414が設けられている。X軸ピニオンギヤ414は、X軸ラック413の歯に対して噛み合った状態でX軸方向に移動可能である。X軸ピニオンギヤ414のX軸方向への移動に伴い、モータ取付部412がX軸ラック支持部材411上をX軸方向に沿って移動可能となっている。
図2に示すように、モータ取付部412の作業者側(Y2方向側)の側面には、樹脂吐出装置30が連結されている。X軸駆動モータ415が駆動することにより、X軸駆動モータ415の回転力がX軸ピニオンギヤ414に伝達され、X軸ピニオンギヤ414がX軸ラック413上をX軸方向に移動することにより、樹脂吐出装置30がX軸方向に移動可能となっている。
(Z軸移動機構)
図1及び図2に示すように、Z軸移動機構43は、四つの支持部材431と、ステー432と、二つのサポート部材433と、二つの支持部材434と、を備えている。
支持部材431は、Y軸ラック支持部材421のY軸方向の両端部にそれぞれ設けられている。支持部材431は、Z軸方向(高さ方向、上下方向)に沿って延びている。Y軸ラック支持部材421は、支持部材431に対してZ軸方向(高さ方向)に沿って移動可能となっている。
ステー432は、支柱部材425の反作業者側(Y1方向側)の側面に設けられている。ステー432は、X軸方向に沿って延びている。
サポート部材433は、例えば、エアシリンダであり、Z軸方向(高さ方向、上下方向)に沿って伸縮可能となっている。サポート部材433の伸縮量は、エア圧制御で任意に調整可能となっている。サポート部材(エアシリンダ)433は、X軸移動機構41及びY軸移動機構42におけるテーブル装置20に対するZ軸方向(高さ方向)の高さを変更可能となっている。また、サポート部材433は、X軸移動機構41及びY軸移動機構42におけるZ軸方向への吊下げ高さを所定の位置で固定するロックアップ機構(固定機構)を有している。
サポート部材433の下端(Z2方向側の端部)は、ステー432に取り付けられている。サポート部材433は、X軸方向において、所定の間隔(本実施形態では、等間隔)を隔てて配置されている。サポート部材433におけるX軸方向の間隔を適宜設定することにより、X軸移動機構41におけるX軸方向へのたわみを抑制することが可能である。また、X軸移動機構41におけるたわみ量は、ピックテスタ等を用いて物理的に測定し、そのたわみ量分をエア圧力でバランス調整し抑制している。
支持部材434は、Y軸方向に沿って延びているとともに、例えば、筐体10の上面に配置されている。支持部材434には、サポート部材433の上端(Z1方向側の端部)が取り付けられている。サポート部材433は、支持部材434の延びる方向(Y軸方向)にスライド移動可能となっている。
(制御装置)
制御装置50は、コンピュータで作成した3Dデータに基づいて、X軸移動機構41、Y軸移動機構42、及びZ軸移動機構43におけるそれぞれの方向への移動を制御(特にモータの駆動を制御)するとともに、樹脂吐出装置30の溶融樹脂の吐出量を制御することにより、3D造形物を造形する。また、制御装置50は、Z軸方向への移動制御として、サポート部材433をZ軸方向に沿って伸縮させる制御を行うことにより、X軸移動機構41及びY軸移動機構42におけるZ軸方向への吊下げ高さを変更し、樹脂吐出装置30をZ軸方向に移動させる。
図3を参照して、本実施形態における3Dプリンタ(熱溶融式積層方式の立体物造形装置)100の制御について説明する。
最初に、ステップS10において、コンピュータで作成した3Dデータの読み込み(プログラム行読込み)が行われる。
ステップS12において、X軸方向への移動に関する指令(X指令)があるか否かが判断される。ステップS12において、X軸方向への移動に関する指令(X指令)であること(Yes)を条件として、ステップS14に進む。
次に、ステップS14において、樹脂吐出装置30をX軸方向に移動させる。すなわち、X軸駆動モータ415を駆動させて、X軸ピニオンギヤ414を回転させ、樹脂吐出装置30をX軸ラック413に沿ってX軸方向に移動させる。その後、ステップS16に進む。
一方、ステップS12において、X軸方向への移動に関する指令(X指令)ではないこと(No)を条件として、ステップS16に進む。
ステップS16において、Y軸方向への移動に関する指令(Y指令)があるか否かが判断される。ステップS16において、Y軸方向への移動に関する指令(Y指令)であること(Yes)を条件として、ステップS18に進む。
次に、ステップS18において、樹脂吐出装置30をY軸方向に移動させる。すなわち、Y軸駆動モータ426を駆動させて、Y軸ピニオンギヤ423を回転させ、樹脂吐出装置30をY軸ラック422に沿ってY軸方向に移動させる。このとき、サポート部材433も追従して、支持部材434に沿ってY軸方向に移動する。その後、ステップS20に進む。
一方、ステップS16において、Y軸方向への移動に関する指令(Y指令)ではないこと(No)を条件として、ステップS20に進む。
ステップS20において、Z軸方向への移動に関する指令(Z指令)があるか否かが判断される。ステップS20において、Z軸方向への移動に関する指令(Z指令)であること(Yes)を条件として、ステップS22に進む。
次に、ステップS22において、樹脂吐出装置30をZ軸方向(上下方向)に移動させる。すなわち、サポート部材433のロックアップ機構のロックを解除し、エアバランスで吊り上げ量を調整し、動作端でロックする。その後、ステップS10に戻り、当該処理を繰り返す。
一方、ステップS20において、Z軸方向への移動に関する指令(Z指令)ではないこと(No)を条件として、ステップS10に戻り、当該処理を繰り返す。なお、上述したステップS12、S16、及びS20の処理の順番は一例であるため、それぞれのステップを適宜入れ替えてもよいし、これらのステップがほぼ同時に行われてもよい。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(1)~(4)を得ることができる。
(1)上記実施形態による3Dプリンタ100では、サポート部材433を伸縮させてX軸移動機構41及びY軸移動機構42におけるZ軸方向への吊下げ高さを変更することにより、樹脂吐出装置30をZ軸方向に移動させるようにした。上記実施形態によれば、X軸移動機構41が、X軸方向に所定のピッチで配されたX軸ラック413と、X軸ラック413の歯に対して噛み合った状態でX軸方向に移動可能とされたX軸ピニオンギヤ414とを備えた。さらに、Y軸移動機構42が、Y軸方向に所定のピッチで配された歯を備えたY軸ラック422と、Y軸ラック422の歯に対して噛み合った状態でY軸方向に移動可能とされたY軸ピニオンギヤ423とを備えた。これにより、X軸方向やY軸方向への伸びやたるみなどの影響を受け難くなり、造形指示に対する樹脂吐出装置30の吐出部(ノズル)32のノズル位置精度にずれが生じ難くなる。さらに、上記実施形態によれば、バックラッシュを適切な大きさに良化することにより、造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
また、上記実施形態によれば、X軸移動機構41がZ軸方向に伸縮可能なサポート部材433によりZ軸上において吊り下げ支持されているため、大型化(長尺に)することで懸念されるX軸方向におけるたわみを回避することができる。これにより、X軸方向へのストローク拡大の制約を無くすことができる。これらの結果、造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
(2)上記実施形態による3Dプリンタ100では、樹脂吐出装置30をX軸ピニオンギヤ414に対して連結した。これにより、X軸移動機構41をラックアンドピニオン方式によりギア化するとともに、X軸移動機構41をサポート部材433により吊り下げ支持することによって、メカ剛性及び造形精度のレベルアップ、及び装置の大型化に対応可能な機構を得ることができる。このため、装置が大型化した場合であっても、X軸ピニオンギヤ414に連結された樹脂吐出装置30により精度よく3D造形物を造形することができる。
(3)上記実施形態による3Dプリンタ100では、サポート部材433としてエアシリンダを用いた。これにより、X軸移動機構41がエアシリンダにより吊り下げ支持された状態で、エアシリンダを伸縮させることによりX軸移動機構41及びY軸移動機構42におけるZ軸方向への吊下げ高さを容易に変更することができる。このため、樹脂吐出装置30をZ軸方向(高さ方向)に容易に移動させることができる。
(4)上記実施形態による3Dプリンタ100では、サポート部材433がZ軸方向への吊下げ高さを所定の位置で固定するロックアップ機構(固定機構)を有するようにした。これにより、樹脂吐出装置30をZ軸方向に沿って所定の位置で固定することができる。このため、樹脂吐出装置30におけるZ軸方向への高さ制御を精度よく行うことができる。その結果、造形安定性、及び造形精度を向上することができる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
上記実施形態では、Y方向ガイド部材としてY軸ラックを適用し、Y方向移動部材としてY軸ピニオンギヤを適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明では、Y方向ガイド部材としてY軸方向に所定のピッチで配された溝を備えたY軸ネジ軸を適用するとともに、Y方向移動部材としてY方向ガイド部材の溝(ネジ軸)に対して噛み合った状態でY軸方向に移動可能とされたY軸ナットを適用した構成とすることも可能である。
上記実施形態では、X方向ガイド部材としてラックを適用し、X方向移動部材としてピニオンギヤを適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明では、X方向ガイド部材としてX軸方向に所定のピッチで配された溝を備えたネジ軸を適用するとともに、X方向移動部材としてX方向ガイド部材の溝(ネジ軸)に対して噛み合った状態でX軸方向に移動可能とされたナットを適用した構成とすることも可能である。
上記実施形態では、サポート部材の一例として、エアシリンダを適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X軸移動機構及びY軸移動機構をZ軸方向(高さ方向)に昇降可能であれば、エアシリンダ以外のサポート部材を適用することも可能である。
上記実施形態では、サポート部材がZ軸方向への吊下げ高さを所定の位置で固定するロックアップ機構(固定機構)を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X軸移動機構及びY軸移動機構をZ軸方向(高さ方向)への吊下げ高さを所定の位置に移動することが可能であれば、固定機構を省略することも可能である。
上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。
30 :樹脂吐出装置
40 :駆動装置
41 :X軸移動機構
413 :X軸ラック(X方向ガイド部材)
414 :X軸ピニオンギヤ(X方向移動部材)
415 :X軸駆動モータ(X軸駆動部)
42 :Y軸移動機構
422 :Y軸ラック(Y方向ガイド部材)
423 :Y軸ピニオンギヤ(Y方向移動部材)
426 :Y軸駆動モータ(Y軸駆動部)
43 :Z軸移動機構
432 :サポート部材
50 :制御装置
100 :3Dプリンタ(熱溶融式積層方式の立体物造形装置)

Claims (3)

  1. 樹脂を加熱溶融して吐出する樹脂吐出装置と、
    前記樹脂吐出装置をX軸方向、前記X軸方向に交差するY軸方向、及び、前記X軸方向及び前記Y軸方向の両方向に交差するZ軸方向に沿って独立して駆動可能な駆動装置と、
    制御装置とを備え、
    前記駆動装置は、前記X軸方向に沿って移動可能なX軸移動機構、及び前記Y軸方向に沿って移動可能なY軸移動機構、を有しており、
    前記X軸移動機構は、前記X軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたX方向ガイド部材、前記X方向ガイド部材の前記歯あるいは前記溝に対して噛み合った状態で前記X軸方向に移動可能とされたX方向移動部材、及び前記X方向移動部材を前記X軸方向に移動させるX軸駆動部を備えたものであり、
    前記Y軸移動機構は、前記Y軸方向に所定のピッチで配された歯又は溝を備えたY方向ガイド部材、前記Y方向ガイド部材の前記歯あるいは前記溝に対して噛み合った状態で前記Y軸方向に移動可能とされたY方向移動部材、及び前記Y方向移動部材を前記Y軸方向に移動させるY軸駆動部を備えたものであり、
    前記樹脂吐出装置は、前記X方向移動部材に対して連結されており、
    前記Y軸移動機構は、前記X軸移動機構を前記Y軸方向に移動可能に連結しており、
    前記X軸移動機構は、前記Z軸方向に伸縮可能なサポート部材によりZ軸上において吊り下げ支持されており、
    前記制御装置は、前記サポート部材を伸縮させて前記X軸移動機構及び前記Y軸移動機構における前記Z軸方向への吊下げ高さを変更することにより、前記樹脂吐出装置を前記Z軸方向に移動させる制御を行うこと、を特徴とする熱溶融式積層方式の立体物造形装置。
  2. 前記X方向ガイド部材が、前記X軸方向に延びるラックあるいはネジ軸を備えており、
    前記X方向移動部材が、前記X方向ガイド部材の前記ラックあるいは前記ネジ軸に対して噛み合った状態で前記X軸方向に移動可能とされたピニオンギヤあるいはナットを備えており、
    前記Y方向ガイド部材が、前記Y軸方向に延びるラックあるいはネジ軸を備えており、
    前記Y方向移動部材が、前記Y方向ガイド部材の前記ラックあるいは前記ネジ軸に対して噛み合った状態で前記Y軸方向に移動可能とされたピニオンギヤあるいはナットを備えていること、を特徴とする請求項1に記載の熱溶融式積層方式の立体物造形装置。
  3. 前記X方向ガイド部材が、前記ラックであり、
    前記X方向移動部材が、前記ピニオンギヤであり、
    前記樹脂吐出装置は、前記ピニオンギヤに対して連結されていること、を特徴とする請求項2に記載の熱溶融式積層方式の立体物造形装置。
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