本開示は一般に、被検物質の検出のための1つ以上の酵素を採用した被検物質センサを記載している。例えば、限定するものではないが、本開示は、被検物質、例えば1つ又はケトン類の検出のための多数の酵素を採用した被検物質センサを提供する。特定の実施形態では、本開示は、2つの異なる被検物質を検出するための多数の酵素を採用した、例えばケトン類及び第2の被検物質、例えばグルコースの検出のための多数の酵素を採用した被検物質センサをさらに提供する。センサの構成に応じて、本開示の被検物質センサは、1つの被検物質又は多数の被検物質を同時に又はほぼ同時に検出するように構成され得る。本開示は、開示される被検物質センサを使用して1つ以上の被検物質を検出する方法をさらに提供する。
グルコース応答性被検物質センサはよく研究されており、現在でも糖尿病の個体がその健康をよりよく管理することを助けるために発展中の分野である。糖尿病の個体においては合併した被検物質の調節異常が多いにも関わらず、ケトン類と一般に調節異常である他の被検物質との検出に適したセンサ化学は、よりよく開発されたグルコース検出化学より大幅に遅れている。本開示は、広範囲のケトン類の濃度にわたって良好な応答安定性でケトン類を検出するために適したセンサ化学、特にケトン類の検出を容易にするために協奏的に作用することができる少なくとも2つの酵素を備える酵素系を利用する検出化学を提供することによって、この不足を緩和する。本明細書で使用される場合、用語「協奏的に」は、第1の酵素反応の産生物が第2の酵素反応の基質になり、第2の酵素反応が第1の酵素反応の間に反応した基質(例えば被検物質)の濃度を測定するための基礎として働く、共役酵素反応を意味する。特定の実施形態では、反応の産生物及び/又は基質は、酵素系の酵素の共因子又は共酵素の還元型及び/又は酸化型、例えばNAD又はNADPであってよい。2つの共役酵素反応に関して定義されるが、ある場合には3つ以上の共役酵素反応も起こり得ることを認識すべきである。例えば、第1の酵素反応の産生物が第2の酵素反応の基質となり、第2の酵素反応の産生物が第3の酵素反応の基質となり、第3の酵素反応が第1の酵素反応の間に反応した基質(例えば被検物質)の濃度を測定するための基礎として働いてよい。本開示によってケトン類を検出するために適した酵素系についての考察を以下に述べる。
明確にするために、限定するものではないが、ここで開示された主題の詳細な説明を、以下の小区分に分割する。
I.定義;及び
II.被検物質センサ;
1.被検物質センサシステムの一般的構造;
2.酵素;
3.酸化還元メディエータ;
4.ポリマー骨格;
5.物質移動制限膜;
6.干渉ドメイン;及び
7.製造;
III.使用方法;及び
IV.例示的な実施形態
I.定義
本明細書において使用される用語は一般に、本開示の文脈の中で及びそれぞれの用語が使用される特定の文脈において、当技術分野における通常の意味を有する。本開示の組成物及び方法及びそれらを作製し使用する方法の記載において実施者にさらなる指導を提供するために、特定の用語については以下に又は本明細書の他の箇所で論じる。
本明細書で使用される場合、特許請求の範囲及び/又は明細書における用語「備える」と併せて使用される単語「1つの」(「a」又は「an」)の使用は「1つの」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも矛盾しない。
本明細書で使用される用語「備える(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「し得る(can)」、「含む(contain(s))」、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造を排除しないオープンエンドの移行句、用語、又は単語であることが意図される。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に示される実施形態又は要素を「備える」、「からなる」、及び「から本質的になる」他の実施形態を想定する。
用語「約」又は「ほぼ」は、当業者によって決定される特定の値の許容できる誤差範囲内を意味し、これはその値がどのように測定又は決定されたか、すなわち測定系の限界に部分的に依存する。例えば、「約」は当技術分野における慣例によって3以内又は3以上の標準偏差を意味し得る。代わりに、「約」は所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。代わりに、特に生物学的なシステム又はプロセスに関しては、この用語はある値の1桁分以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
本明細書で使用される場合、「被検物質センサ」又は「センサ」は、説明のためであって限定されないが、体温センサ、血圧センサ、パルス又は心拍数センサ、グルコースレベルセンサ、被検物質センサ、身体活動性センサ、体動センサ、又は身体的又は生物学的な情報を収集するための他の任意のセンサを含む、ユーザからセンサ情報を受信することができる任意の装置を意味し得る。被検物質センサによって測定される被検物質には、例としてであって限定ではないが、グルコース、ケトン類、乳酸塩、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、乳酸塩、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸、その他が含まれ得る。
用語「生体液」は、本明細書で使用される場合、その中で被検物質が測定できる任意の体液又は体液誘導体を意味する。生体液の非限定的な例には、皮膚液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、汗、涙、その他が含まれる。特定の実施形態では、生体液は皮膚液又は間質液である。
用語「電気分解」は、本明細書で使用される場合、電極で直接の、又は1つ以上の電子移動剤(酸化還元メディエータ又は酵素)を介する、化合物の電気酸化又は電気還元を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「均一の膜」は、単一の種類の膜ポリマーを備える膜を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「多成分膜」は、2つ以上の種類の膜ポリマーを備える膜を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「ポリビニルピリジン系ポリマー」は、ポリビニルピリジン(例えばポリ(2-ビニルピリジン)又はポリ(4-ビニルピリジン))又はそれらの誘導体を備えるポリマー又はコポリマーを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「酸化還元メディエータ」は、直接に又は1つ以上のさらなる電子移動剤を介して、被検物質又は被検物質還元酵素又は被検物質酸化酵素と電極との間に電子を運搬する電子移動剤を意味する。特定の実施形態では、ポリマー骨格を含む酸化還元メディエータは、「酸化還元ポリマー」とも称され得る。
本明細書で使用される用語「参照電極」は、参照電極又は参照電極と対電極の両方として機能する電極を意味し得る。同様に、用語「対電極」は、本明細書で使用される場合、対電極と参照電極としても機能する対電極の両方を意味し得る。
II.被検物質センサ
本主題を詳細に述べる前に、本開示は記載した特定の実施形態に限定されず、従ってもちろん変動し得ることを理解されたい。本開示の範囲は添付した特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用した用語は特定の実施形態を記載することのみを目的とし、限定することを意図していないことも理解されたい。
本明細書で論じる出版物は単に本出願の出願日の前の開示を提供するに過ぎない。本明細書における何物も、本開示が先行する開示によってそれらの出版物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供した出版日は実際の出版日と異なることがあり、実際の出版日は独立に確認する必要がある。
一般に、本開示の実施形態には、インビボの被検物質モニタリングシステムとともに使用するための被検物質センサ挿入アプリケータの使用のためのシステム、装置、及び方法が含まれる。アプリケータは、その中に含まれるセンサ制御装置の電子機器ハウジングとともに無菌パッケージの中でユーザに提供することができる。いくつかの実施形態によれば、アプリケータとは別の構造、例えば容器も、その中に含まれるセンサモジュール及び尖端モジュールとともに無菌パッケージとしてユーザに提供することができる。ユーザはセンサモジュールを電子機器ハウジングに連結することができ、特定された様式でアプリケータを容器の中に挿入することを含む組立てプロセスで、尖端をアプリケータに連結することができる。他の実施形態では、アプリケータ、センサ制御装置、センサモジュール、及び尖端モジュールを、単一のパッケージで提供することができる。アプリケータを用いてセンサ制御装置を人体上に位置決めしてセンサを装着者の体液に接触させることができる。本明細書で提供する実施形態は、センサが不適正に挿入され又は損傷され、又は有害な生理的応答を誘発する可能性を低減する改善である。他の改善及び利点も提供される。これらの装置の様々な構成を、単に例である実施形態によって詳細に記述する。
さらに、多くの実施形態は、身体の少なくとも1つの被検物質に関する情報を得るためにセンサの少なくとも一部がユーザの体内に位置するか位置することができるように構造的に構成されたインビボ被検物質センサを含む。しかし、本明細書で開示する実施形態は、インビトロの能力を組み込んだインビボ被検物質モニタリングシステム、及び完全に非侵襲的なシステムを含む純粋なインビトロ又はエクスビボの被検物質モニタリングシステムとともに使用できることに留意されたい。
さらに、本明細書で開示する方法の1つ1つの実施形態について、これらの実施形態の各々を実施することができるシステム及び装置は、本開示の範囲内に包含されている。例えば、センサ制御装置の実施形態が開示され、これらの装置は、あらゆる方法工程を実施し又はあらゆる方法工程の実行を容易にすることができる1つ以上のセンサ、被検物質モニタリング回路(例えばアナログ回路)、メモリ(例えば命令を保存するための)、電源、通信回路、トランスミッタ、レシーバ、プロセッサ、及び/又はコントローラ(例えば命令を実行するための)を有し得る。これらのセンサ制御装置の実施形態は、本明細書で記載されるあらゆる方法からセンサ制御装置によって実行される工程を実施するために使用することができ、使用することが可能であり得る。
さらに、本明細書で提示するシステム及び方法は、例えばそれに限らないが、ウェルネス、フィットネス、食事、研究、情報、又は経時的な被検物質検知を含む任意の目的等の被検物質モニタリングシステムにおいて使用されるセンサの操作のために使用することができる。本明細書で使用される場合、「被検物質センサ」又は「センサ」は、説明のためであって限定されないが、体温センサ、血圧センサ、パルス又は心拍数センサ、グルコースレベルセンサ、被検物質センサ、身体活動性センサ、体動センサ、又は身体的又は生物学的な情報を収集するための他の任意のセンサを含む、ユーザからセンサ情報を受信することができる任意の装置を意味し得る。本開示の被検物質センサはケトン類を測定する。特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、それに限らないが、グルコース、ケトン類、乳酸塩、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、乳酸塩、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸等を含む被検物質をさらに測定することができる。
上述したように、インビボの被検物質モニタリングシステムとともに使用するための皮膚センサ挿入装置の改善された組立て及び使用を提供するシステム、装置、及び方法のいくつかの実施形態を本明細書に述べる。特に、インビボの被検物質モニタリングシステムに関するセンサ挿入方法を改善するため、及び特にセンサ挿入プロセスの間の挿入尖端の早すぎる後退を防止するために、本開示のいくつかの実施形態が設計される。例えばいくつかの実施形態は、発射速度が増大し、尖端の後退が遅くなった皮膚センサ挿入機構を含む。他の実施形態では、尖端後退機構を動作によって作動するようにし、それにより、ユーザがアプリケータを皮膚から引き外すまで尖端が後退しないようにすることができる。その結果、これらの実施形態は、いくつかの利点を挙げれば、センサ挿入プロセスの間に挿入尖端が時期尚早に引っ込められる可能性を低減し、不適切なセンサ挿入の可能性を低下させ、センサ挿入プロセスの間のセンサの損傷の可能性を低下させることができる。本開示のいくつかの実施形態は、小スケールの皮膚センサ及び対象の皮膚層に存在する比較的浅い挿入経路の理由となる改善された挿入尖端モジュールも提供する。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、センサ挿入の間のアプリケータ部品の望ましくない軸方向運動及び/又は回転運動を防止するために設計される。従って、これらの実施形態は、いくつかの利点を挙げれば、配置された皮膚センサの不安定性、挿入部位における刺激、周囲組織への損傷、及び皮膚液の血液による汚染をもたらす毛細血管の破壊の可能性を低減することができる。さらに、挿入部位における傷害によって起こり得る不正確なセンサ読み取りを軽減するため、本開示のいくつかの実施形態は、挿入の間のセンサチップに対する針の末端深度までの貫通を低減することができる。
しかし実施形態のこれらの態様を詳細に述べる前に、最初に、例えば、インビボの被検物質モニタリングシステムの中に存在し得る装置の例、及びそれらの操作の例を述べることが望ましく、それらの全ては、本明細書に記載した実施形態とともに使用することができる。
様々な種類のインビボの被検物質モニタリングシステムがある。例えば、「連続被検物質モニタリング」システム(又は「連続グルコースモニタリング」システム)は、指示することなく、例えば自動的にスケジュールに従って、センサ制御装置からのデータを連続的にリーダ装置に送信することができる。「フラッシュ被検物質モニタリング」システム(又は「フラッシュグルコースモニタリング」システム又は単に「フラッシュ」システム)は、別の例として、リーダ装置によるデータのスキャン又は要求に応じ、例えば近距離無線通信(NFC)又は無線自動識別(RFID)プロトコルによって、センサ制御装置からのデータを送信することができる。インビボの被検物質モニタリングシステムは、フィンガースティック較正の必要なしに動作することもできる。
インビボの被検物質モニタリングシステムは、体外で(すなわち「エクスビボ」で)生物学的サンプルと接触し、一般に、ユーザの血糖レベルを決定するために分析することができる体液を運搬する被検物質テストストリップを受容するポートを有する測定装置を含む「インビトロ」システムとは区別することができる。
インビボのモニタリングシステムは、インビボで配置されている間にユーザの体液と接触し、その中に含まれる被検物質のレベルを検知するセンサを含み得る。センサは、ユーザの身体上に存在し、被検物質の検知を可能にして制御する電子機器及び電源を含むセンサ制御装置の一部であってよい。センサ制御装置及びその変形は、いくつかを挙げれば、「センサ制御ユニット」、「オンボディエレクトロニクス」装置又はユニット、「オンボディ」装置又はユニット、又は「センサデータ通信」装置又はユニットとも称することができる。
インビボモニタリングシステムは、検知された被検物質データをセンサ制御装置から受信し、その検知された被検物質データを任意の数の形態でユーザに処理及び/又は表示する装置も含んでよい。この装置及びその変形は、いくつかを挙げれば、「ハンドヘルドリーダ装置」、「リーダ装置」(又は単に「リーダ」)、「ハンドヘルド電子機器」(又は単に「ハンドヘルド」)、「携帯型データ処理」装置又はユニット、「データレシーバ」、「レシーバ」装置又はユニット(又は単に「レシーバ」)、又は「リモート」装置又はユニットと称することができる。パーソナルコンピュータ等のその他の装置も、インビボ及びインビトロのモニタリングシステムとともに利用され、又はその中に組み込まれている。
1.被検物質センサシステムの一般的構造
A.例示的なインビボの被検物質モニタリングシステム
本開示の被検物質センサ及びその部品をさらに詳細に述べる前に、本開示の実施形態がより良く理解されるように、好適なインビボの被検物質センサの構成及び被検物質センサを採用したセンサシステムの簡単な概観を提供する。
図1Aは、センサアプリケータ150、センサ制御装置102、及びリーダ装置120を含む被検物質モニタリングシステム100の実施形態の例を描いた概念略図である。ここで、センサアプリケータ150はセンサ制御装置102をユーザの皮膚上のモニタリング位置に送達するために使用することができ、センサ104はある期間、接着性パッチ105によって適所に維持される。センサ制御装置102については図2B及び2Cにさらに記載するが、これは有線又は無線技術を用い、通信経路140を介してリーダ装置120と通信することができる。無線プロトコルの例には、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE、BTLE、Bluetooth(登録商標)SMART、その他)、近距離無線通信(NFC)、その他が含まれる。ユーザは、スクリーン122を用いて、リーダ装置120上のメモリにインストールされたアプリケーションをモニタリングすることができ、入力121及び装置バッテリは電力ポート123を用いて再充電することができる。リーダ装置120に関するさらなる詳細を下の図2Aに関して記載する。リーダ装置120は、有線又は無線技術を用い、通信経路141を介してローカルコンピュータシステム170と通信することができる。ローカルコンピュータシステム170には、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、セットトップボックス、ビデオゲームコンソール、又はその他のコンピューティング装置の1つ以上が含まれ、無線通信には、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BTLE)、Wi-Fi、又はその他を含む適用可能な無線ネットワークプロトコルのいくつかのいずれかが含まれ得る。ローカルコンピュータシステム170は、既に述べた有線又は無線の技術によって、リーダ装置120が通信経路142を介してネットワーク190と通信することができるのと同様にして、通信経路143を介してネットワーク190と通信することができる。ネットワーク190は、私的ネットワーク及び公衆ネットワーク、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワーク、その他のいくつかのネットワークのいずれかであってよい。信頼できるコンピュータシステム180にはサーバが含まれ、認証サービス及び保証されたデータストレージを提供することができ、有線又は無線の技術によって、通信経路144を介してネットワーク190と通信することができる。
図1Bは、本明細書に記載した技術を具現化することができる被検物質モニタリングシステム100aの動作環境を示す。被検物質モニタリングシステム100aには、ヒト又は動物の身体の被検物質レベル等のパラメータのモニタリングを提供するように設計された部品のシステムが含まれ、又は様々な部品の構成に基づくその他の動作を提供することができる。本明細書で具現化されるように、システムには、ユーザが着用する、又はそれについて情報が収集される身体に取り付けられる、低出力の被検物質センサ110又は単に「センサ」が含まれ得る。本明細書で具現化されるように、被検物質センサ110は、所定の能動的使用寿命(例えば1日、14日、30日、その他)を有するシールされた使い捨ての装置であってよい。センサ110はユーザの身体の皮膚に取り付けることができ、センサの寿命の期間にわたって接着されたままであるか、選択的に除去され、再び取り付けられたときに機能性を保っているように設計することができる。低出力被検物質モニタリングシステム100aは、被検物質センサ110からの被検物質データを含むデータの検索及び送達を容易にするために本明細書に記載したように構成されたデータリーダ装置120又は多目的データ受信装置130をさらに含んでよい。
本明細書で具現化されるように、被検物質モニタリングシステム100aは、例えばリモートアプリケーションサーバ150又はアプリケーションストアフロントサーバ160を介して第三者に提供され、モバイルフォン、タブレット、パーソナルコンピューティング装置、又は通信リンクを介して被検物質センサ110と通信することができる他の同様のコンピューティング装置等の多目的ハードウェア装置130に組み込まれるソフトウェア又はファームウェアライブラリー又はアプリケーションを含んでよい。多目的ハードウェアは、被検物質センサ110と通信するように構成された埋め込まれたライブラリを有する、インスリンポンプ又はインスリンペンを含むがそれらに限らない埋め込まれた装置をさらに含んでよい。被検物質モニタリングシステム100aの図示した実施形態は図示した装置の各々の1つだけを含むが、本開示は、被検物質モニタリングシステム100aにはシステム全体で相互作用するそれぞれの部品の多数が組み込まれることを意図している。例えば、限定されないが、本明細書で具現化されるように、データリーダ装置120及び/又は多目的データ受信装置130は、多数の各々を含んでよい。本明細書で具現化されるように、多重データ受信装置130は、本明細書に記載したセンサ110と直接通信することができる。さらに又は代わりに、データ受信装置130は、ユーザ又はその他の認可された関係者への二次表示のため、被検物質データ又はデータの可視化又は分析を提供するために二次データ受信装置130と通信することができる。
図1Cは、本開示の被検物質センサを組み込むことができる例示的な検知システムの略図を示す。示されるように、検知システム100には、有線又は無線でよく、一方向又は双方向でよく、及び暗号化され又は暗号化されていなくてよいローカル通信経路又はリンク140を介して相互に通信するように構成されたセンサ制御装置102及びリーダ装置120が含まれる。リーダ装置120は、特定の実施形態によれば、被検物質濃度及びセンサ104又はそれに付随するプロセッサによって決定される警告又は注意を視認するため、及び1つ以上のユーザ入力を可能にするための出力媒体を構成してもよい。リーダ装置120は多目的スマートフォン又は専用の電子リーダ機器であってよい。ただ1つのリーダ装置120を示しているが、特定の場合には多数のリーダ装置120が存在してもよい。リーダ装置120はリモートターミナル90170及び/又は信頼できるコンピュータシステム90180と、それぞれ有線又は無線でもよく、一方向又は双方向でもよく、及び暗号化され又は暗号化されなくてもよい通信経路(複数)/リンク(複数)90141及び/又は90142を介して通信してもよい。リーダ装置120はまた又は代わりに、通信経路/リンク151を介してネットワーク150(例えばモバイル電話ネットワーク、インターネット、又はクラウドサーバ)と通信してもよい。ネットワーク150はさらに、通信経路/リンク152を介してリモートターミナル90170及び/又は通信経路/リンク153を介して信頼できるコンピュータシステム90180と通信可能に接続されてもよい。代わりに、センサ104が、介在するリーダ装置120の存在なしにリモートターミナル90170及び/又は信頼できるコンピュータシステム90180と直接通信してもよい。例えば、限定するものではないが、米国特許出願公開第2011/0213225号に記載され、その全体が参照によって本明細書に援用される特定の実施形態に従って、センサ104は、ネットワーク150への直接通信リンクを介してリモートターミナル90170及び/又は信頼できるコンピュータシステム90180と通信してもよい。通信経路又はリンクの各々のために、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)、Bluetooth(登録商標)又はBluetooth(登録商標)低エネルギープロトコル、WiFi、その他の任意の好適な電子的通信プロトコルを使用することができる。特定の実施形態によれば、リモートターミナル90170及び/又は信頼できるコンピュータシステム90180は、ユーザの被検物質レベルに関心がある一次ユーザ以外の個人がアクセスすることが可能である。リーダ装置120は表示部122及び任意選択の入力部品121を含んでよい。特定の実施形態によれば、表示部122はタッチスクリーンインターフェースを含んでよい。
センサ制御装置102はセンサハウジング103を含み、センサハウジング103はセンサ104を動作するための回路及び電源を収容することができる。任意選択で、電源及び/又は能動的回路を省略してもよい。プロセッサ(図示無し)はセンサ104に通信可能に接続してよく、プロセッサはセンサハウジング103又はリーダ装置120の中に物理的に位置している。特定の実施形態によれば、センサ104はセンサハウジング103の下側から突出し、センサハウジング103を皮膚等の組織表面に接着するように適合された接着層105を介して延在している。
センサ104は、皮膚層又は皮膚の皮下層の中のような目的の組織の中に少なくとも部分的に挿入されるように適合されている。センサ104は、所与の組織における所望の深さへの挿入のために十分な長さのセンサ尾部を含んでよい。センサ尾部は少なくとも1つの作用電極を含んでよい。特定の構成では、センサ尾部は被検物質を検出するための活性領域を含んでよい。少なくとも1つの作用電極と組み合わせて対電極が存在してもよい。センサ尾部の上の特定の電極構成を、以下により詳細に述べる。
活性領域は特定の被検物質を検出するために構成してよい。特定の実施形態では、ここで開示するセンサの活性領域はケトン類を検出するために構成されている。特定の実施形態では、活性領域は2つ以上の被検物質を検出するために構成してよい。特定の実施形態では、本開示のセンサを用いて検出すべきさらなる被検物質は、ケトン類とともに異常調節された任意の被検物質を含む。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、ケトン類及びクレアチニン、酸素、グルコース、及び/又は乳酸塩等のさらなる被検物質を検出することができる。特定の実施形態では、さらなる被検物質はグルコースである。
本開示の特定の実施形態では、1つ以上の被検物質は、皮膚液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、その他の任意の目的の生体液においてモニタリングされ得る。特定の実施形態では、本開示の被検物質センサはインビボにおける1つ以上の被検物質の濃度を決定するために、皮膚液又は間質液をアッセイするように適合され得る。特定の実施形態では、生体液は間質液である。
まだ図1Cを参照して、センサ104はデータを自動的にリーダ装置120に送ることができる。例えば、限定するものではないが、被検物質濃度のデータ(すなわちグルコース及び/又はケトン類の濃度)は、データが得られたときに、又はある時間が経過した後で、例えばある頻度で、自動的かつ定期的に通信することができ、データは伝送まで(例えば毎分、5分ごと、又はその他の所定の期間)メモリに保存される。他の特定の実施形態では、センサ104は、非自動的な様式で、設定されたスケジュールに従わずに、リーダ装置120と通信してもよい。例えば、限定するものではないが、センサの電子機器がリーダ装置120の通信範囲に入った際にRFID技術を用いてセンサ104からデータを通信してもよい。リーダ装置120に通信されるまでは、データはセンサ104のメモリに保存されたままでよい。すなわち、ユーザはリーダ装置120と常に緊密な近接を維持している必要はなく、代わりに、都合の良いときにデータをアップロードすることができる。他の特定の実施形態では、自動的及び非自動的なデータ移送の組合せを実行してもよい。例えば、限定するものではないが、リーダ装置120がもはやセンサ104の通信範囲でなくなるまで、データ移送を自動的に継続してもよい。
センサ104の組織への導入を促進するために、イントロデューサが一時的に存在してもよい。特定の例示的な実施形態では、イントロデューサは針又は同様の尖端を含んでよい。当業者には容易に認識されるように、シース又はブレード等の他の種類のイントロデューサが代替の実施形態に存在してもよい。より具体的には、組織への挿入の前に針又はその他のイントロデューサがセンサ104の近位部に一時的に存在し、その後で引き戻されてもよい。存在している間、針又はその他のイントロデューサは、センサ104がそれに続くアクセス経路を開くことによって、センサ104の組織への挿入を容易にすることができる。例えば、限定するものではないが、1つ以上の実施形態によれば、針は、センサ104の埋め込みが行われることを可能にするために、真皮へのアクセス経路として表皮の貫通を促し得る。アクセス経路を開いた後で、尖端による損傷を表さないように、針又はその他のイントロデューサを引き戻すことができる。特定の実施形態では、好適な針は中実又は中空、斜角又は非斜角、及び/又は断面が円形又は非円形であってよい。より具体的な実施形態では、好適な針は断面直径及び/又は先端のデザインにおいて鍼治療用の針と同様であってよく、これらは約250ミクロン(250μm)の断面直径を有してよい。しかし、特定の適用のために必要であれば、好適な針は、より大きな又はより小さな断面直径を有してもよい。
特定の実施形態では、針の先端(存在している間)は、センサ104の末端を越えて角度がついており、それにより、針が組織を最初に穿通し、センサ104のためのアクセス経路を開くようにしてよい。特定の実施形態では、センサ104は針のルーメン(lumen)又は溝の中に存在して、針が同様にセンサ104のためのアクセス経路を開くようにしてもよい。いずれの場合でも、針はセンサの挿入を容易にした後で引き続いて引き戻される。
B.例示的なリーダ装置
図2Aは、スマートフォンとして構成されたリーダ装置の実施形態の例を示すブロック略図である。ここでは、リーダ装置120は、表示部122、入力部品121、及びメモリ223に連結された通信プロセッサ222及びメモリ225に連結されたアプリケーションプロセッサ224を含む処理コア206を含んでよい。別個のメモリ230、アンテナ229を有するRFトランシーバ228、及び電力管理モジュール238を有する電源226が含まれてもよい。Wi-Fi、NFC、Bluetooth(登録商標)、BTLE、及びGPSを介してアンテナ234と通信することができる多機能トランシーバ232がさらに含まれてもよい。当業者には理解されるように、これらの部品は、機能的装置を作製する様式で、電気的かつ通信可能に接続されている。
C.例示的なデータ受信装置のアーキテクチャ
説明のためであって限定ではないが、図2Bに示す開示された主題による使用のためのデータ受信装置120の例示的な実施形態を参照する。データ受信装置120及び関連する多目的データ受信装置130は被検物質センサ110の考察に密接に関連する部品を含み、その動作及びさらなる部品が含まれ得る。特定の実施形態では、データ受信装置120及び多目的データ受信装置130は第三者によって提供される部品であるかそれを含んでよく、センサ110と同じ製造者によって作製された装置を必ずしも含むように制限されなくてよい。
図2Bで示すように、データ受信装置120は、マイクロコントローラ4010、メモリ4020、及びストレージ4030を含み、通信モジュール4040に通信可能に接続されているASIC4000を含む。データ受信装置120の部品のための電力は電力モジュール4050によって送達することができ、これは本明細書で具現化されるように再充電可能なバッテリを含んでよい。データ受信装置120は、被検物質センサ110又はその他の装置(例えばユーザ装置140又はリモートアプリケーションサーバ150)から受信した被検物質データの確認を容易にするための表示部4070をさらに含んでよい。データ受信装置120は別個のユーザインターフェース部品(例えば物理鍵、光センサ、マイクロフォン、その他)を含んでよい。
通信モジュール4040はBLEモジュール4041及びNFCモジュール4042を含んでよい。データ受信装置120は、被検物質センサ110と無線で接続され、被検物質センサ110に命令を送信し、これからデータを受信するように構成してよい。本明細書で具現化されるように、データ受信装置120は、本明細書に記載した被検物質センサ110に関し、通信モジュール4040の特定のモジュール(例えばBLEモジュール4042又はNFCモジュール4043)を介してNFCスキャナ及びBLEエンドポイントとして動作するように構成してよい。例えば、データ受信装置120は、通信モジュール4040の第1のモジュールを用いて被検物質センサ110への命令(例えば、センサのデータブロードキャストモードのための始動命令、データ受信装置120を特定するためのペアリング命令)を発行し、通信モジュール4040の第2のモジュールを用いて被検物質センサ110からのデータを受信し、これにデータを送信することができる。データ受信装置120は、通信モジュール4040のユニバーサルシリアルバス(USB)モジュール4045を介するユーザ装置140との通信のために構成してよい。
別の例として、通信モジュール4040は、例えばセルラーラジオモジュール4044を含んでよい。セルラーラジオモジュール4044は、第3世代(3G)、第4世代(4G)、及び第5世代(5G)ネットワークを含むがそれらに限らないブロードバンドセルラーネットワークを用いて通信するための1つ以上のラジオトランシーバを含んでよい。さらに、データ受信装置120の通信モジュール4040は、IEEE802.11規格(例えば802.11a、802.11b、802.11g、802.11n(Wi-Fi4ともいう)、802.11ac(Wi-Fi5ともいう)、802.11ax(Wi-Fi6ともいう))の1つ以上による無線ローカルエリアネットワークを用いて通信するためのWi-Fiラジオモジュール4043を含んでよい。セルラーラジオモジュール4044又はWi-Fiラジオモジュール4043を用いて、データ受信装置120はリモートアプリケーションサーバ150と通信し、被検物質データを受信するか、又は(例えば1つ以上のユーザインターフェースを介して)ユーザから受信した更新又は入力を提供し得る。示していないが、被検物質センサ120の通信モジュール5040は同様に、セルラーラジオモジュール又はWi-Fiラジオモジュールを含んでよい。
本明細書で具現化されるように、データ受信装置120のオンボードストレージ4030は、被検物質センサ110から受信した被検物質データを保存することができる。さらに、データ受信装置120、多目的データ受信装置130、又はユーザ装置140は、広域ネットワークを介してリモートアプリケーションサーバ150と通信するように構成することができる。本明細書で具現化されるように、被検物質センサ110はデータ受信装置120又は多目的データ受信装置130にデータを提供することができる。データ受信装置120はユーザコンピューティング装置140にデータを送信することができる。次に、ユーザコンピューティング装置140(又は多目的データ受信装置130)は、そのデータを処理及び分析のためにリモートアプリケーションサーバ150に送信することができる。
本明細書で具現化されるように、データ受信装置120は、被検物質センサ110の検知ハードウェア5060と同様の又はそれから拡張された検知ハードウェア4060をさらに含んでよい。特定の実施形態では、データ受信装置120は、被検物質センサ110と連携し、被検物質センサ110から受信した被検物質データに基づいて動作するように構成してよい。例として、被検物質センサ110がグルコースセンサである場合には、データ受信装置120はインスリンポンプ又はインスリン注射ペンであるか、これらを含んでよい。連携して、互換性のある装置130は、被検物質センサから受信したグルコース値に基づいて、ユーザのためのインスリン投薬量を調整し得る。
D.例示的なセンサ制御装置
図2C及び2Dは、被検物質センサ104及び最終結果のデータをユーザへの表示に適するようにするための処理能力の大部分を有し得るセンサ電子機器160(被検物質モニタリング回路を含む)を有するセンサ制御装置102の実施形態の例を示すブロック略図である。図2Cでは、カスタム特定用途向け集積回路(ASIC)であってよい単一の半導体チップ161が示されている。ASIC161の中には、アナログフロントエンド(AFE)162、電力管理(又は制御)回路164、プロセッサ166、及び通信回路168(これはトランスミッタ、レシーバ、トランシーバ、受動回路として、又は通信プロトコルに従った他の方法で、実装され得る)を含む特定の高レベル機能性ユニットが示されている。この実施形態では、AFE162とプロセッサ166の両方が被検物質モニタリング回路として使用されるが、他の実施形態ではいずれかの回路が被検物質モニタリング機能を実施することができる。プロセッサ166は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、及び/又はマイクロコントローラを含むことができ、それらの各々は、別個のチップであるか、又は多数の異なるチップ(及びその一部)の間で分散され得る。
メモリ163もASIC161の中に含まれ、ASIC161の中に存在する様々な機能性ユニットによって共有されてもよく、又はそれらの2つ以上の間に分散されてもよい。メモリ163はまた、別個のチップであり得る。メモリ163は、揮発性及び/又は不揮発性メモリであり得る。この実施形態では、ASIC161は、電源170に接続され、これは、ボタン電池などであり得る。AFE162はインビボ被検物質センサ104とインターフェース接続し、それから測定データを受信し、データをデジタルの形態でプロセッサ166に出力し、次に、プロセッサ166はデータを処理して、最終結果のグルコースの離散値及びトレンド値(trend values)等に到達させる。このデータは次に、例えばデータを表示するために常駐ソフトウェアアプリケーションが最小のさらなる処理を必要とする場合に、リーダ装置120(図示無し)にアンテナ171を経由して送信するように、通信回路168に提供され得る。
図2Dは図2Cと同様であるが、代わりに2つの離散した半導体チップ162及び174を含み、これらは一緒に又は個別に包装してよい。ここで、AFE162はASIC161に常駐している。プロセッサ166はチップ174の上の電力管理回路164及び通信回路168と一体化されている。AFE162はメモリ163を含み、チップ174はメモリ165を含み、これらは隔離されていても、その中に分散していてもよい。一実施形態の例では、AFE162は1つのチップの上の電力管理回路164及びプロセッサ166と組み合わされている一方、通信回路168は別個のチップの上にある。別の実施形態の例では、AFE162と通信回路168の両方が1つのチップの上にあり、プロセッサ166と電力管理回路164が別のチップの上にある。3つ以上のチップを含み、それぞれが記載した別個の機能を担うか、又はフェイルセーフ冗長性のために1つ以上の機能を共有する、他のチップの組合せも可能であることに留意されたい。
例示のためであって限定ではないが、図2Eに示す開示された主題による使用のための被検物質センサ110の例示的な実施形態を参照する。図2Eは、本明細書に記載したセキュリティアーキテクチャ及び通信スキームに適合する例示的な実施形態による被検物質センサ110の例のブロック略図を示す。
本明細書で具現化されるように、被検物質センサ110は、通信モジュール5040と通信可能に接続された特定用途向け集積回路(「ASIC」)5000を含んでよい。ASIC5000は、マイクロコントローラコア5010、オンボードメモリ5020、及びストレージメモリ5030を含んでよい。ストレージメモリ5030は、認証及び暗号化のセキュリティアーキテクチャにおいて使用されるデータを保存することができる。ストレージメモリ5030は、センサ110のためのプログラミング命令を保存することができる。本明細書で具現化されるように、特定の通信チップセットをASIC5000(例えばNFCトランシーバ5025)の中に埋め込んでよい。ASIC5000は、電力モジュール5050、例えばオンボードバッテリ又はNFCパルスからの電力を受容することができる。ASIC5000のストレージメモリ5030は、同定及び追跡の目的のためのセンサ110の識別子等の情報を含むようにプログラムすることができる。ストレージメモリ5030は、センサ110及びその様々な部品による使用のための構成又は較正パラメータとともにプログラムすることもできる。ストレージメモリ5030は、再書き込み可能な又はワンタイムプログラミング(OTP)メモリを含んでよい。ストレージメモリ5030は、センサ110の有用性を拡張するために、本明細書に記載する技法を使用して更新され得る。
本明細書で具現化されるように、センサ100の通信モジュール5040は、被検物質センサ110が被検物質モニタリングシステム100の他の装置と通信することを支援する1つ以上のモジュールであるか、それを含んでよい。例としてのみであって限定ではないが、通信モジュール5040の例は、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(「BLE」)モジュール5041を含んでよい。本開示を通して使用される場合、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(「BLE」)は、エンドユーザにとってBluetooth(登録商標)装置のペアリングを簡単にするように最適化された短距離通信プロトコルを意味する。通信モジュール5040は、データ受信装置120又はユーザ装置140の同じく能力のある通信モジュールとの相互作用を介してデータ及びコマンドを送信及び受信することができる。通信モジュール5040は、IEEE802.15プロトコルによるパーソナルエリアネットワーク、IEEE802.11プロトコル、赤外線データ協会規格(IrDA)による赤外通信、その他の同様の短距離通信スキームによる使用のための追加の又は代替のチップセットを含んでよい。
その機能性を遂行するため、センサ100はその機能に適した好適な検知ハードウェア5060をさらに含んでよい。本明細書で具現化されるように、検知ハードウェア5060は対象の体液と接触して経皮又は皮下に配置される被検物質センサを含んでよい。被検物質センサは体液中の1つ以上の被検物質のレベルに対応する値を含むセンサデータを生成することができる。
E.センサ制御装置のための例示的な組立てプロセス
センサ制御装置102の部品は、適切なユーザの位置への送達の前に、ユーザが最終の組立てを必要とする多重包装でユーザが取得することができる。図3A~3Dは、送達用にセンサを準備するために部品を連結する前に別個の部品を準備することを含む、ユーザによるセンサ制御装置102の組立てプロセスの実施形態の例を示す。図3E~3Fは、適切な送達位置を選択し、装置102をその位置に当てはめることによって、センサ制御装置102を適切なユーザの位置に送達する実施形態の例を示す。
図3Aは、組立てプロセスのために本明細書でトレイとして構成された(他の包装も使用できるが)容器810を準備するユーザの実施形態の例を示す近位斜視図である。ユーザは、例えば蓋812の非接着部分をトレイ810から剥がして蓋812の接着部分が取り外されるようにトレイ810から蓋812を取り外し、プラットフォーム808を露出することによって、この準備を達成することができる。プラットフォーム808がトレイ810の中で適切に露出する限り、蓋812の取り外しは様々な実施形態で適切であってよい。次に、蓋812を横に置いてよい。
図3Bは、ユーザが組立てのためにアプリケータ装置150を準備する実施形態の例を示す側面図である。アプリケータ装置150はキャップ708によってシールされた無菌パッケージで提供してよい。アプリケータ装置150の準備はハウジング702をキャップ708から取り外してシース704を露出することを含んでよい(図3C)。これはキャップ708をハウジング702からねじを廻して外す(又は他の方法で外す)ことによって達成することができる。次に、キャップ708が横に置かれ得る。
図3Cは、ユーザが組立ての間にアプリケータ装置150をトレイ810の中に挿入する実施形態の例を示す近位斜視図である。最初に、ユーザはハウジング配向形体1302(又はスロット又は凹部)及びトレイ配向形体924(当接部又は戻り止め)を整列させた後で、シース704をトレイ810の内部のプラットフォーム808に挿入することができる。シース704をプラットフォーム808の中に挿入することにより、シース704がハウジング702に対して一時的にロック解除され、プラットフォーム808もトレイ810に対して一時的にロック解除される。この段階で、トレイ810からのアプリケータ装置150の取り外しは、トレイ810へのアプリケータ装置150の最初の挿入前と同じ状態をもたらすであろう(すなわち、このプロセスは、この時点で反転又は中断され、次に、結果なく繰り返され得る)。
ハウジング702が遠位方向に前進している間に、シース704はハウジング702に対してプラットフォーム808の中の位置に維持され、プラットフォーム808と連結してプラットフォーム808をトレイ810に対して遠位方向に前進させる。この工程によってプラットフォーム808がトレイ810の中でロック解除されて折り畳まれる。シース704がハウジング702に対してロック解除され、ハウジング702がプラットフォーム808を遠位方向に前進させ続けている間にシース704が(相対的に)移動することを防止するトレイ810の中の固定形体(図示無し)とシース704は接触して、これを係合解除する。ハウジング702及びプラットフォーム808の前進が終了したときに、シース704はハウジング702に対して永久的にロック解除される。ハウジング702の遠位への前進の終了時に、トレイ810の中の尖端及びセンサ(図示無し)は、ハウジング702の中の電子機器ハウジング(図示無し)と連結することができる。アプリケータ装置150及びトレイ810の動作及び相互作用については、以下にさらに述べる。
図3Dは、ユーザが組立ての間にアプリケータ装置150をトレイ810から取り外す実施形態の例を示す近位斜視図である。ユーザは、ハウジング702をトレイ810に対して近位方向に前進させるか、アプリケータ150とトレイ810との連結解消と同じ最終効果を有する他の動作によって、アプリケータ150をトレイ810から取り外すことができる。アプリケータ装置150は、センサ制御装置102(図示無し)がその中に完全に組み立てられ(尖端、センサ、電子機器)送達のために配置された状態で取り外される。
図3Eは、患者がアプリケータ装置150を用いてセンサ制御装置102を皮膚の標的領域、例えば腹部又はその他の適切な位置に適用する実施形態の例を示す近位斜視図である。ハウジング702を遠位方向に前進させることによってハウジング702内にシース704が折り畳まれ、センサが標的の位置に適用され、その結果、センサ制御装置102の底側の接着層が皮膚に接着する。ハウジング702が完全に前進されたときに尖端が自動的に後退される一方で、センサ(図示無し)がその位置に取り残されて被検物質レベルを測定する。
図3Fは、センサ制御装置102が取り付けられた位置にある患者の実施形態の例を示す近位斜視図である。次に、ユーザはアプリケータ150を取り付けた部位から取り外すことができる。
図3A~3F及び本明細書の他の箇所に関して記載したシステム100は、従来技術のシステムと比較して偶然の破損、永久的な変形、又はアプリケータ部品の不適正な組立ての機会を低減又は排除することができる。シース704を介する間接的な係合ではなく、シース704がロック解除する間に、アプリケータハウジング702がプラットフォーム808と直接係合するので、シース704とハウジング702との間の相対的角度はアーム又はその他の部品の破損又は永久的な変形をもたらさない。組立ての間の比較的大きな力(例えば従来の装置における)がかかる可能性が低減され、それにより、ユーザの組立てが不成功となる機会が低減される。
F.例示的なセンサアプリケータ装置
図4Aは、スクリューキャップ708に連結されたアプリケータ装置150の実施形態の例を示す側面図である。これは、アプリケータ150がユーザによってセンサと組み立てられる前にどのようにユーザに出荷されて受け取られるかの例である。図4Bは、連結を取り外した後のアプリケータ150とキャップ708を示す側面斜視図である。図4Cは、キャップ708が所定の位置にあるときに、電子機器ハウジング706及び接着性パッチ105がシース704のセンサキャリア710の中に保持されていた位置から取り外されたアプリケータ装置150の遠位端の実施形態の例を示す斜視図である。
例示の目的のためであって限定ではない図4D~Gを参照して、アプリケータ装置20150を単一の一体化されたアセンブリとしてユーザに提供することができる。図4D及び4Eはそれぞれアプリケータ装置20150の上面斜視図及び底面斜視図を提供し、図4Fはアプリケータ装置20150の分解図を提供し、図4Gは側面断面図を提供する。斜視図は、アプリケータ20150がどのように出荷されユーザに受け取られるかを示す。分解図及び断面図は、アプリケータ装置20150の部品を示す。アプリケータ装置20150は、ハウジング20702、ガスケット20701、シース20704、尖端キャリア201102、スプリング205612、センサキャリア20710(「パックキャリア」とも称する)、尖端ハブ205014、センサ制御装置(「パック」とも称する)20102、接着性パッチ20105、乾燥剤20502、キャップ20708、シリアルラベル20709、及びタンパーエビデンス形体20712を含んでよい。ユーザに受け取られたときには、ハウジング20702、キャップ20708、タンパーエビデンス形体20712、及びラベル20709のみが見えている。タンパーエビデンス形体20712は、例えばハウジング20702とキャップ20708の各々に連結されたステッカーであってよく、タンパーエビデンス形体20712は例えばハウジング20702とキャップ20708との連結を外すことによって修復不能に損傷され、それにより、ハウジング20702とキャップ20708の連結が以前に外されたことをユーザに示すことができる。これらの形体を以下により詳細に述べる。
G.例示的なトレイ及びセンサモジュールの組立て
図5は、滅菌蓋812が取り外し可能に連結されたトレイ810の実施形態の例を示す近位斜視図であり、これはパッケージが組立ての前にどのように出荷され、ユーザによって受け取られるかを示し得る。
図6Aは、トレイ810の中のセンサ送達部品を示す近位斜視断面図である。プラットフォーム808は、トレイ810の中に摺動可能に連結されている。乾燥剤502は、トレイ810に対して固定される。センサモジュール504はトレイ810の中に備え付けられている。
図6Bは、センサモジュール504をより詳細に示す近位斜視図である。ここでは、プラットフォーム808の保持アーム延長部1834がセンサモジュール504を所定位置に解放可能に固定している。モジュール2200はコネクタ2300、尖端モジュール2500、及びセンサ(図示無し)に連結されており、それにより、組立ての間、これらはセンサモジュール504として一緒に取り外すことができる。
H.ワンピースアーキテクチャのための例示的なアプリケータ及びセンサ制御装置
再び簡単に図1A及び図3A~3Gを参照して、ツーピースのアーキテクチャシステムについては、センサトレイ202及びセンサアプリケータ102は別個のパッケージとしてユーザに提供され、従ってユーザが各々のパッケージを開き、最終的にシステムを組み立てることを必要とする。いくつかの用途では、別個にシールされたパッケージによって、センサトレイ202とセンサアプリケータ102が各々のパッケージの内容物に特有でさもなければ他のパッケージの内容物には適合しない別個の滅菌プロセスによって滅菌されることが可能になる。より具体的には、センサ110及び尖端220を含むプラグアセンブリ207を含むセンサトレイ202は、電子線(すなわち「e-ビーム」)照射等の放射線滅菌を用いて滅菌され得る。好適な放射線滅菌プロセスには、それだけに限らないが、電子線(e-ビーム)照射、ガンマ線照射、X線照射、又はそれらの任意の組合せが含まれる。しかし、放射線滅菌は、センサ制御装置102の電子機器ハウジングの中に配置された電気部品に損傷を与えることがある。従って、センサ制御装置102の電子機器ハウジングを含むセンサアプリケータ102を滅菌する必要がある場合には、これは別の方法、例えばエチレンオキシドを用いる気体化学滅菌等によって滅菌され得る。しかし気体化学滅菌は、センサ110に含まれる酵素又はその他の化学物質及び生物学的物質に損傷を与えることがある。この滅菌の不適合性により、センサトレイ202とセンサアプリケータ102は通常、別個の滅菌プロセスによって滅菌され、続いて個別に包装され、そのため、ユーザは使用のために最終的に部品を組み立てることが必要になる。
図7A及び7Bはそれぞれ、1つ以上の実施形態によるセンサ制御装置3702の分解上面図及び分解底面図である。シェル3706及びマウント3708は、センサ制御装置3702の様々な電子部品を含んでいるか、又は別様に実質的にカプセル化する、対向するクラムシェル半体として動作する。示すように、センサ制御装置3702は、複数の電子モジュール3806が接続されたプリント回路基板(PCB)3804を含むプリント回路基板アセンブリ(PCBA)3802を含み得る。電子モジュール3806の例には、それだけに限らないが、レジスタ、トランジスタ、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、及びスイッチが含まれる。従来のセンサ制御装置は一般にPCBの一方の側のみにPCB部品を積層している。対照的に、センサ制御装置3702におけるPCB部品3806は、PCB3804の両側の表面領域(すなわち上面と底面)に分散され得る。
電子モジュール3806の他に、PCBA3802は、PCB3804に取り付けられたデータ処理ユニット3808を含んでよい。データ処理ユニット3808は、例えばセンサ制御装置3702の動作に付随する1つ以上の機能又はルーチンを実行するように構成された特定用途向け集積回路(ASIC)を備え得る。より具体的には、データ処理ユニット3808はデータ処理機能を実施するように構成されてよく、そのような機能には、それだけに限らないが、その各々がユーザのサンプリングされた被検物質レベルに対応するデータ信号のフィルタリング及びエンコーディングを含み得る。データ処理ユニット3808はまた、リーダ装置106(図1A)と通信するためのアンテナを含み得るか、又は他の方法でそれと通信し得る。
バッテリアパチャ3810はPCB3804の中で規定され、センサ制御装置3702に電力を供給するように構成されたバッテリ3812を受容して着座させる大きさであり得る。軸方向のバッテリ接点3814a及び半径方向のバッテリ接点3814bをPCB3804に連結し、バッテリ3812からPCB3804への電力の送達を容易にするために、バッテリアパチャ3810の中に延在させてよい。それらの名称が示唆するように、軸方向のバッテリ接点3814aはバッテリ3812に軸方向の接点を提供するように構成され、半径方向のバッテリ接点3814bはバッテリ3812に半径方向の接点を提供してよい。バッテリ3812をバッテリ接点3814a及びbを有するバッテリアパチャ3810の中に位置付けることは、センサ制御装置3702の高さHを低くすることの助けになり、それにより、PCB3804が中央に位置し、その部品が両側(すなわち上面及び底面)に分散することが可能になる。これはまた、チャンバ3718を電子機器ハウジング3704の上に備え付けることを容易にすることを助ける。
センサ3716は、PCB3804に対して中心に配置されてもよく、尾部3816と、フラグ3818と、尾部3816及びフラグ3818を相互接続するネック3820とを含み得る。尾部3816は、ユーザの皮膚の下に経皮的に受け入れられるマウント3708の中央アパチャ3720を介して延在するように構成され得る。さらに、尾部3816は、被検物質のモニタリングを容易にすることを助ける酵素又はそれに含まれるその他の化学物質を有してよい。
フラグ3818は、その上に配置された1つ以上のセンサ接点3822(図7Bに3つ示す)を有する略平坦な表面を含み得る。センサ接点(複数)3822は、PCB3804の上に備えられた対応する1つ以上の回路接点3824(図7Aには3つ示す)と整列し、これに係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ接点(複数)3822は、フラグ3818にプリントされ又は他の方法でデジタル的に適用された炭素含浸ポリマーを備え得る。従来のセンサ制御装置は、一般に、センサとPCBとの間の導電性接点として働く1つ以上のコンプライアント炭素含浸ポリマーモジュールを封入したシリコーンゴムから作られたコネクタを含んでいる。対照的に、本開示のセンサ接点(複数)3822は、センサ3716とPCB3804との接続の間に直接の接続を提供し、それにより、従来技術のコネクタの必要性がなく、有利なことに高さHが低減する。さらに、コンプライアント炭素含浸ポリマーモジュールを除外することによって、回路抵抗が顕著に排除され、従って回路の導電性が改善される。
センサ制御装置3702はコンプライアント部材3826をさらに含んでよく、これはフラグ3818とシェル3706の内面との間に介在するように配置され得る。より具体的には、シェル3706とマウント3708が互いに組み立てられるときに、コンプライアント部材3826は、センサ接点(複数)3822を対応する回路接点(複数)3824に連続的に係合させるように強制する受動的な付勢負荷をフラグ3818に提供するように構成され得る。示す実施形態では、コンプライアント部材3826はエラストマーOリングであるが、代わりに、本開示の範囲から逸脱することなく、圧縮ばね等の他の任意の種類の付勢装置又はメカニズムを備え得る。
センサ制御装置3702は、第1のシールド3828a及び第2のシールドとして示す1つ以上の電磁シールドをさらに含んでよい。シェル3706は、第1のクロッキングレセプタクル3830a(図7B)及び第2のクロッキングレセプタクル3830b(図7B)を備えるか又は他の方法で規定してよく、マウント3708は、第1のクロッキングポスト3832a(図7A)及び第2のクロッキングポスト3832b(図7A)を備えるか他の方法で規定してよい。第1及び第2のクロッキングレセプタクル3830a、bと第1及び第2のクロッキングポスト3832a、bとをそれぞれ対にすることによって、シェル3706をマウント3708に適切に整列させる。
具体的に図7Aを参照して、マウント3708の内面は、シェル3706がマウント3708と対になったときにセンサ制御装置3702の様々な部品を収容するように構成された複数のポケット又は凹部を備えるか又は他の方法で規定してよい。例えば、マウント3708の内面は、センサ制御装置3702が組み立てられたときに、バッテリ3812の一部を収容するように構成されたバッテリロケータ3834を規定してよい。隣接するコンタクトポケット3836は、軸方向接点3814aの一部を収容するように構成され得る。
さらに、PCB3804の底に配置された様々な電子モジュール3806を収容するために、複数のモジュールポケット3838がマウント3708の内面に規定されてよい。さらに、センサ制御装置3702が組み立てられるときに第2のシールド3828bの少なくとも一部を収容するために、シールドロケータ3840がマウント3708の内面に規定され得る。バッテリロケータ3834、コンタクトポケット3836、モジュールポケット3838、及びシールドロケータ3840は全て、マウント3708の内面に短い距離、延在し、その結果として、センサ制御装置3702の全体の高さHは、従来のセンサ制御装置と比較して低減され得る。モジュールポケット3838は、PCB部品を両側(すなわち上面及び底面)に配置することによって、PCB3804の直径を最小化することも助け得る。
さらに図7Aを参照して、マウント3708は、マウント3708の外周付近に規定される複数のキャリアグリップ形体3842(2つ示す)をさらに含んでよい。キャリアグリップ形体3842は、マウント3708の底3844から軸方向にオフセットしており、組立ての間、ここにトランスファ接着剤(transfer adhesive)が塗布され得る。一般にマウントの底と交差する円錐形のキャリアグリップ形体を含む従来のセンサ制御装置とは対照的に、本開示のキャリアグリップ形体3842は、トランスファ接着剤が塗布される平面(すなわち底3844)からオフセットされる。これは、送達システムが組み立て中にトランスファ接着剤に不注意に接着しないことを確実にするのを助けるのに有利であることを示し得る。さらに、本開示のキャリアグリップ形体3842は、波形トランスファ接着剤の必要性を排除し、これは、トランスファ接着剤の製造を単純化し、マウント3708に対してトランスファ接着剤を正確に記録する必要性を排除する。これにより接着面積も増大し、従って接着強度も増大する。
図7Bを参照して、マウント3708の底3844は複数の溝3846を備えるか他の方法で規定してもよく、これはマウント3708の外周で又はその付近で規定され、相互に等距離で離れている。トランスファ接着剤(図示無し)は底3844と連結されてよく、溝3846は使用中に湿気をセンサ制御装置3702から離れてマウント3708の周囲の方に運ぶ(移送する)ことを助けるように構成してよい。いくつかの実施形態では、溝3846の間隔は、マウント3708の反対側(内面)に規定されたモジュールポケット3838(図7A)を間に挟み得る。認識されるように、溝3846とモジュールポケット3838の位置を交互にすることによって、マウント3708のいずれかの側の対向する形体が相互に延在しないことが保証される。これにより、マウント3708用の材料の使用量を最大化することが助けられ、センサ制御装置3702の最小高さHを維持することに役立ち得る。モジュールポケット3838はまた、モールドシンクを顕著に低減させ、トランスファ接着剤が接着する底3844の平坦度を改善し得る。
さらに、図7Bを参照して、シェル3706の内面は、シェル3706がマウント3708と対にされるときにセンサ制御装置3702の様々な部品を収容するように構成された複数のポケット又は凹部を備えるか他の方法で規定してよい。例えば、シェル3706の内面は、センサ制御装置3702が組み立てられるときに、マウント3708のバッテリロケータ3834(図7A)に対向して配置可能であり、バッテリ3812の一部を収容するように構成された対向するバッテリロケータ3848を規定してよい。対向するバッテリロケータ3848は、シェル3706の内面に短い距離だけ延在し、それにより、センサ制御装置3702の全体の高さHを低減するのに役立つ。
シェル3706の内面には、尖端及びセンサロケータ3852が備えられ又は他の方法で規定されてよい。尖端及びセンサロケータ3852は、尖端(図示無し)及びセンサ3716の一部の両方を受容するように構成してよい。さらに、尖端及びセンサロケータ3852は、マウント3708の内面に備えられた対応する尖端及びセンサロケータ2054(図7A)と整列するかつ/又は対となるように構成され得る。
本開示の実施形態によって、代替のセンサアセンブリ/電子機器アセンブリ接続アプローチを図8A~8Cに示す。示すように、センサアセンブリ14702はセンサ14704、コネクタ支持体14706、及び尖端14708を含む。特に、電子機器アセンブリ14712のマウントの底に凹部又はレセプタクル14710が規定され、センサアセンブリ14702が受容されて電子機器アセンブリ14712に連結され、それによりセンサ制御装置が完全に組み立てられる場所を提供し得る。センサアセンブリ14702のプロファイルは、エラストマーシーリング部材14714(回路ボードに連結され、センサ14704の電気接点と整列した導電性材料を含む)を含むレセプタクル14710と一致するか、これと相補的な様式で成形されていてよい。従って、センサアセンブリ14702を電子機器アセンブリ14712の一体的に形成された凹部14710に駆動することによって、センサアセンブリ14702が電子機器アセンブリ14712にスナップフィットするか又は他の方法で接着されたときに、図8Cに示すオンボディ装置14714が形成される。この実施形態は、電子機器アセンブリ14712の中のセンサアセンブリ14702のための一体化されたコネクタを提供する。
センサアセンブリに関するさらなる情報は、米国公開番号第2013/0150691号及び米国公開番号第2021/0204841号で提供され、その各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
本開示の実施形態によれば、センサ制御装置102は、ワンピースアーキテクチャセンサ制御装置のために特別に設計された滅菌技術を受けることができるワンピースアーキテクチャを提供するために改変してよい。ワンピースアーキテクチャは、最終のユーザ組立て工程を何ら必要としない単一のシールされたパッケージでセンサアプリケータ150及びセンサ制御装置102をユーザに出荷することを可能にする。むしろユーザは1つのパッケージを開封し、続いてセンサ制御装置102を標的モニタリング位置に送達するだけでよい。本明細書に記載したワンピースシステムアーキテクチャは、部品、様々な製造プロセス工程、及びユーザの組立て工程を削減することにおいて有利であることを証明し得る。結果として、包装材及び廃棄物が低減され、システムに対するユーザのエラー又は汚染の可能性が軽減される。
図9A及び9Bはそれぞれ、アプリケータキャップ210が連結されたセンサアプリケータ102の実施形態の例の側面図及び側面断面図である。より具体的には、図9Aはセンサアプリケータ102がどのようにユーザに出荷され受容されるかを示しており、図9Bはセンサアプリケータ102の中に配置されたセンサ制御装置4402を示す。従って、完全に組み立てられたセンサ制御装置4402はユーザに送達される前に既に組み立てられ、センサアプリケータ102の中に取り付けられていてよく、それにより、そうでなければユーザが実施しなければならないいずれの追加の組立て工程も除かれる。
完全に組み立てられたセンサ制御装置4402をセンサアプリケータ102に取り付け、続いてアプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102に連結し得る。いくつかの実施形態では、アプリケータキャップ210はハウジング208に螺合されてもよく、タンパーリング4702を含んでもよい。アプリケータキャップ210をハウジング208に対して回転させる(例えばねじを緩める)際に、タンパーリング4702が剪断して、それによりアプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102から解放することができる。
本開示によれば、センサアプリケータ102に取り付けられている間に、センサ制御装置4402は、電子機器ハウジング4404及びセンサ制御装置4402の他の任意の露出した部分を滅菌するように構成された気体化学滅菌4704を受け得る。これを達成するため、センサアプリケータ102及び相互連結されたキャップ210によって協調的に規定される滅菌チャンバ4706の中に化学物質を注入してよい。いくつかの実施形態では、アプリケータキャップ210によってその近位端610に規定される1つ以上のベント4708を介して滅菌チャンバ4706の中に化学物質を注入してよい。気体化学滅菌4704に使用できる化学物質の例には、それだけに限らないが、エチレンオキシド、蒸気化した過酸化水素、酸化窒素(例えば亜酸化窒素、二酸化窒素、その他)及び水蒸気が含まれる。
センサ4410及び尖端4412の遠位部分はセンサキャップ4416の中にシールされているので、気体化学滅菌プロセスの間に使用される化学物質は、尾部4524に備えられた酵素、化学物質、及び生物製剤、及び例えば被検物質の流入量を調節する膜コーティング等の他のセンサ成分と相互作用しない。
滅菌チャンバ4706の中でいったん所望の滅菌保証レベルが達成されれば、気体溶体を除去し、滅菌チャンバ4706を通気してよい。通気は滅菌チャンバ4706を通る一連の真空及びそれに続く気体(例えば窒素)又は濾過された空気の循環によって達成してよい。滅菌チャンバ4706が適正に通気されれば、シール4712(点線で示す)によってベント4708を閉塞してよい。
いくつかの実施形態では、シール4712は異なる材料の2つ以上の層を備え得る。第1層は、例えばDuPont(登録商標)から入手可能なTyvek(登録商標)等の合成材料(例えばフラッシュスパン高密度ポリエチレン繊維)から作製してよい。Tyvek(登録商標)は高耐久性かつ穿刺耐性であり、蒸気の透過が可能である。Tyvek(登録商標)層は、気体化学滅菌プロセスの前に適用されることができ、気体化学滅菌プロセスに続いて、ホイル又は他の蒸気及び防湿性材料層が、滅菌チャンバ4706の中への汚染物質及び湿気の進入を防止するために、Tyvek(登録商標)層を覆って密閉(例えば、熱シール)され得る。他の実施形態では、シール4712は、アプリケータキャップ210に適用された単一の保護層のみを備え得る。そのような実施形態では、その単一層は滅菌プロセスのためには気体透過性であってよいが、滅菌プロセスが完了すれば、湿気及びその他の有害要素に対して保護することもできる。
シール4712が配置されれば、アプリケータキャップ210は外部の汚染に対するバリアを提供し、それにより、ユーザがアプリケータキャップ210を取り外す(ねじを緩める)まで、組み立てられたセンサ制御装置4402に対する無菌環境を維持する。アプリケータキャップ210はまた、出荷及び保存の間、接着性パッチ4714を不潔になることから防止する無塵環境を生成し得る。
図10A及び10Bはそれぞれ、本開示の1つ以上の実施形態によるセンサ制御装置5002の別の例の等角図及び側面図である。センサ制御装置5002はいくつかの点で図1Aのセンサ制御装置102と同様であってよく、従ってそれを参照することによって最もよく理解され得る。さらに、センサ制御装置5002は図1Aのセンサ制御装置102を置き換えてよく、従ってセンサ制御装置5002をユーザの皮膚上の標的モニタリング位置に送達し得る図1Aのセンサアプリケータ102と併せて使用してよい。
しかし図1Aのセンサ制御装置102とは異なり、センサ制御装置5002は、ユーザが適用の前に複数のパッケージを開封し、最終的にセンサ制御装置5002を組み立てることを必要としないワンピースシステムアーキテクチャを備え得る。むしろ、ユーザが受け取った際に、センサ制御装置5002は既に完全に組み立てられており、センサアプリケータ150(図1A)の中で適正に配置されていてよい。センサ制御装置5002を使用するため、ユーザは即座にセンサ制御装置5002を使用のための標的モニタリング位置に送達する前に、1つのバリア(例えば図3Bのアプリケータキャップ708)を開けるだけでよい。
示すように、センサ制御装置5002は、略ディスク形状であって円形断面を有し得る電子機器ハウジング5004を含む。しかし他の実施形態では、電子機器ハウジング5004は本開示の範囲から逸脱することなく、他の断面形状、例えば卵形又は多角形を示し得る。電子機器ハウジング5004は、センサ制御装置5002を動作するために使用される様々な電気部品を収容するか又は他の方法で含むように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、接着性パッチ(図示無し)を電子機器ハウジング5004の底に配置してもよい。接着性パッチは図1Aの接着性パッチ105と同様であってもよく、従って使用のためのユーザの皮膚へのセンサ制御装置5002の接着に役立ち得る。
示すように、センサ制御装置5002は、シェル5006及びシェル5006と対をなすことができるマウント5008を含む電子機器ハウジング5004を含む。シェル5006は、スナップフィット係合、締まり嵌め、音波溶接、1つ以上の機械的締結具(例えば、ねじ)、ガスケット、接着剤、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々な方法を介して、マウント5008に固定され得る。いくつかの例では、シェル5006は、シールされた界面がその間に生成されるようにマウント5008に固定してよい。
センサ制御装置5002は、センサ制御装置5002を適用する間にユーザの皮膚の下にセンサ5010を経皮送達することを助けるために用いられるセンサ5010(部分的に可視)及び尖端5012(部分的に可視)をさらに含んでよい。示すように、センサ5010及び尖端5012の対応する部分は、電子機器ハウジング5004の底(例えば、マウント5008)から遠位に延在する。尖端5012は、尖端5012を固定し送達するように構成された尖端ハブ5014を含んでよい。図10Bに最も良く見られるように、尖端ハブ5014は嵌合部材5016を含むか又は他の方法で規定し得る。尖端5012をセンサ制御装置5002に連結するため、尖端ハブ5014がシェル5006の上面と係合し、嵌合部材5016がマウント5008の底から遠位に延在するまで、電子機器ハウジング5004を介して尖端5012を軸方向に前進し得る。尖端5012が電子機器ハウジング5004を貫通すると、センサ5010の露出した部分が尖端5012の中空部又は凹部(アーチ部)の中に受容され得る。センサ5010の残りの部分は、電子機器ハウジング5004の内部に配置される。
センサ制御装置5002は、図10A~10Bの電子機器ハウジング5004から分解されて又は分離されて示すセンサキャップ5018をさらに含んでよい。センサキャップ5016は、マウント5008の底において又はその付近でセンサ制御装置5002(例えば電子機器ハウジング5004)に取り外し可能に連結してよい。センサキャップ5018は、センサ5010及び尖端5012の露出した部分を取り囲み、これらを気体化学滅菌から保護するシールされたバリアを提供することに役立ち得る。示すように、センサキャップ5018は、第1の端部5020aと第1の端部5020aに対向する第2の端部5020bとを有する略円筒形の本体を備え得る。第1の端部5020aは本体の中に規定される内部チャンバ5022へのアクセスを提供するために開口していてよい。対照的に、第2の端部5020bは閉じていてよく、係合形体5024を備えるか又は他の方法で規定してよい。本明細書に記載したように、係合形体5024は、センサキャップ5018をセンサアプリケータ(例えば図1及び図3A~3Gのセンサアプリケータ150)のキャップ(例えば図3Bのアプリケータキャップ708)と対を形成させることに役立ってもよく、センサアプリケータからキャップを取り外す際にセンサ制御装置5002からセンサキャップ5018を取り外すことに役立ってもよい。
センサキャップ5018は、マウント5008の底において又はその付近で電子機器ハウジング5004に取り外し可能に連結してよい。より具体的には、センサキャップ5018は、マウント5008の底から遠位に延在する嵌合部材5016に取り外し可能に連結してよい。少なくとも1つの実施形態では、例えば嵌合部材5016は、センサキャップ5018によって規定される雌ねじ5026b(図10A)の組と嵌合可能な雄ねじ5026a(図10B)の組を規定してよい。いくつかの実施形態では、雄ねじ及び雌ねじ5026a、bは平坦ねじ山設計(例えばらせん形の湾曲が無い)を備えてよく、これは部品を成形する際に有利であることが証明され得る。代わりに、雄ねじ及び雌ねじ5026a、bは、らせん形のねじ係合を備え得る。従って、センサキャップ5018は、尖端ハブ5014の嵌合部材5016においてセンサ制御装置5002に螺合によって連結されてよい。他の実施形態では、センサキャップ5018は、締まり嵌め又は摩擦嵌め、又は最小の分離力(例えば軸方向力又は回転力)によって破壊され得る壊れやすい部材又は物質を含むがそれらに限らない他の種類の係合を介して、嵌合部材5016に取り外し可能に連結してよい。
いくつかの実施形態では、センサキャップ5018は、第1及び第2の端部5020a、bの間に延在するモノリシック(単一)構造を含んでよい。しかし他の実施形態では、センサキャップ5018は2つ以上の部品を備え得る。示す実施形態では、例えばセンサキャップ5018は、第1の端部5020aに配置されたシールリング5028及び第2の端部5020bに配置された乾燥剤キャップ5030を含んでよい。シールリング5028は、以下により詳細に述べるように、内部チャンバ5022をシールすることに役立つように構成してよい。少なくとも1つの実施形態では、シールリング5028はエラストマーOリングを備え得る。乾燥剤キャップ5030は、内部チャンバ5022の中の好ましい湿度レベルを維持することに役立つ乾燥剤を収容するか又はこれを備え得る。乾燥剤キャップ5030はまた、センサキャップ5018の係合形体5024を規定又は他の方法で備え得る。
図11A~11Cは、1つ以上の実施形態によるセンサ制御装置5002を伴うセンサアプリケータ102のアセンブリを示す段階的側面断面図である。センサ制御装置5002が完全に組み立てられると、センサ制御装置はセンサアプリケータ102内に取り付けられ得る。図11Aを参照して、尖端ハブ5014は、センサ制御装置5002をセンサアプリケータ102に連結するのに役立つように構成されたハブスナップポール5302を含むか又は他の方法で規定してよい。より具体的には、センサ制御装置5002をセンサアプリケータ102の内部に前進させてよく、ハブスナップポール5302が、センサアプリケータ102の中に配置された尖端キャリア5306の対応するアーム5304によって受容され得る。
図11Bでは、センサ制御装置5002が尖端キャリア5306によって受容され、従ってセンサアプリケータ102の中に固定されることが示されている。センサ制御装置5002がセンサアプリケータ102の中に取り付けられれば、アプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102に連結してよい。いくつかの実施形態では、アプリケータキャップ210及びハウジング208は、アプリケータキャップ210をハウジング208に時計回り(又は反時計回り)の方向にねじ込み、それによりアプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102に固定することを可能にするねじ山5308の対向する嵌合可能な組を有してよい。
示すように、シース212はまたセンサアプリケータ102の中に配置され、センサアプリケータ102は、衝撃発生中にシース212が時期尚早に折り畳まれないことを確実にするように構成されたシース固定メカニズム5310を含んでよい。示す実施形態では、シース固定メカニズム5310は、アプリケータキャップ210とシース212との間に螺合係合を備え得る。より具体的には、1つ以上の雌ねじ5312aがアプリケータキャップ210の内面に規定されるか他の方法で備えられてもよく、1つ以上の雄ねじ5312bがシース212の上に規定されるか他の方法で備えられてもよい。雌ねじ又は雄ねじ5312a、bは、アプリケータキャップ210がねじ山5308においてセンサアプリケータ102に螺合するとともに螺合によって係合するように構成され得る。雌ねじ及び雄ねじ5312a、bは、アプリケータキャップ210がハウジング208にねじ込まれることを可能にするねじ山5308と同じねじピッチを有してよい。
図11Cでは、アプリケータキャップ210がハウジング208に完全にねじ込まれている(連結されている)ように示されている。示すように、アプリケータキャップ210は、アプリケータキャップ210の内部の中心に位置し、その底から近位に延在するキャップポスト5314をさらに備えるか又は他の方法で規定してよい。キャップポスト5314は、アプリケータキャップ210がハウジング208にねじ込まれるとともにセンサキャップ5018の少なくとも一部を受容するように構成してよい。
センサ制御装置5002がセンサアプリケータ102の中に取り付けられ、アプリケータキャップ210が適正に固定されると、電子機器ハウジング5004及びセンサ制御装置5002の他の任意の露出した部分を滅菌するように構成された気体化学滅菌をセンサ制御装置5002が受け得る。センサ5010及び尖端5012の遠位部分はセンサキャップ5018の中にシールされているので、気体化学滅菌工程の間に使用される化学物質は、尾部5104に備えられた酵素、化学物質、及び生物製剤、及び被検物質の流入量を調節する膜コーティング等の他のセンサ成分と相互作用することができない。
図12A~12Cは、1つ以上のさらなる実施形態による、センサ制御装置5002を伴うセンサアプリケータ102の代替の実施形態の組立て及び解体を示す段階的側面断面図である。一般に上述したように、完全に組み立てられたセンサ制御装置5002を、センサアプリケータ102の中に配置された尖端キャリア5306のアーム5304の中にハブスナップポール5302を連結することによって、センサアプリケータ102に取り付けてよい。
示す実施形態では、シース212のシースアーム5604は、ハウジング208の内部に規定された第1の戻り止め5702a及び第2の戻り止め5702bと相互作用するように構成してよい。第1の戻り止め5702aは代わりに「固定(locking)」戻り止めと称してよく、第2の戻り止め5702bは代わりに「発射(firing)」戻り止めと称してよい。センサ制御装置5002を最初にセンサアプリケータ102に取り付けるとき、シースアーム5604は第1の戻り止め5702aの中に受容されてよい。以下に論じるように、シース212はシースアーム5604を第2の戻り止め5702bに移動させるように作動してよく、それによりセンサアプリケータ102は発射位置に置かれる。
図12Bでは、アプリケータキャップ210はハウジング208と整列されてハウジング208に向かって前進し、それにより、シース212はアプリケータキャップ210の中に受容される。アプリケータキャップ210をハウジング208に対して回転させる代わりに、アプリケータキャップ210のねじ山をハウジング208の対応するねじ山にスナップ留めしてアプリケータキャップ210をハウジング208に連結してもよい。アプリケータキャップ210に規定された軸方向のカット又はスロット5703(1つ示す)により、そのねじ山の近くのアプリケータキャップ210の部分が外側に屈曲してハウジング208のねじ山と係合するようにスナップ留めされることを可能にし得る。アプリケータキャップ210がハウジング208にスナップ留めされると、センサキャップ5018が対応してキャップポスト5314にスナップ留めされ得る。
図11A~11Cの実施形態と同様に、センサアプリケータ102は、衝撃発生中にシース212が時期尚早に折り畳まれないことを保証するように構成されたシース固定メカニズムを含んでよい。示す実施形態では、シース固定メカニズムは、シース212のベース付近に規定され、1つ以上のリブ5706(2つ示す)と相互作用するように構成された1つ以上のリブ5704(1つ示す)及びアプリケータキャップ210のベース付近に規定されたショルダ5708を含む。リブ5704は、アプリケータキャップ210がハウジング208に取り付けられている間にリブ5706とショルダ5708との間にインターロックするように構成してよい。より具体的には、アプリケータキャップ210がハウジング208にスナップ留めされると、アプリケータキャップ210が回転し(例えば時計方向に)、それにより、アプリケータキャップ210のリブ5706とショルダ5708との間にシース212のリブ5704を位置付け、その結果、ユーザが使用のためにアプリケータキャップ210を逆回転させてアプリケータキャップ210を取り外すまで、アプリケータキャップ210は所定の位置に「ロック」される。アプリケータキャップ210のリブ5706とショルダ5708との間のリブ5704の係合も、シース212が時期尚早に折り畳まれることを防止し得る。
図12Cでは、アプリケータキャップ210がハウジング208から取り外される。図21A~21Cの実施形態と同様、一般に上述したように、アプリケータキャップ210はアプリケータキャップ210を逆回転させることによって取り外すことができ、これにより、対応してキャップポスト5314が同じ方向に回転し、センサキャップ5018と嵌合部材5016との螺合が外れる。さらに、センサキャップ5018をセンサ制御装置5002から取り外すことにより、センサ5010及び尖端5012の遠位部分が露出される。
アプリケータキャップ210のハウジング208との螺合が外れると、シース212の上に規定されたリブ5704は、アプリケータキャップ210の上に規定されたリブ5706の上部と摺動しながら係合し得る。リブ5706の上部は、アプリケータキャップ210が回転するとともにシース212の上方移動をもたらす対応する傾斜面を提供してもよく、シース212を上方に移動させることは、シースアーム5604が第2の戻り止め5702b内に受け取られるように第1の戻り止め5702aとの係合から外れて撓ませる。シース212が第2の戻り止め5702bに移動すると、半径方向のショルダ5614がキャリアアーム(複数)5608との半径方向の係合から外れる方向に移動し、それにより、ばね5612の受動的ばね力が尖端キャリア5306を上向きに押し、キャリアアーム(複数)5608を溝(複数)5610との係合から外れるようにすることが可能になる。尖端キャリア5306がハウジング208の中で上方移動すると、嵌合部材5016は対応して、センサ制御装置5002の底と同一平面、実質的に同一平面、又は準同一平面になるまで後退し得る。この時点で、センサアプリケータ102は発射位置にある。従って、この実施形態では、アプリケータキャップ210を取り外すことにより、対応して嵌合部材5016が後退する。
I.ワンピース及びツーピースのアプリケータの例示的な発射メカニズム
図13A~13Fは、センサ制御装置222をユーザに適用するためにアプリケータ216を「発射」し、尖端1030を使用済みアプリケータ216の中に安全に後退させる内部装置機構の実施形態の詳細な例を示す。全て併せて、これらの図面は、尖端1030(センサ制御装置222に連結されたセンサを支持する)をユーザの皮膚の中に駆動し、ユーザの間質液と動作可能に接触するようにセンサを残して尖端を後退させ、及びセンサ制御装置を接着剤でユーザの皮膚に接着させるシーケンスの例を表す。代替のアプリケータアセンブリ実施形態及び部品とともに使用するためのそのような動作の修正は、当業者によって同じことを参照して理解され得る。さらに、アプリケータ216は、本明細書で開示するように、ワンピースアーキテクチャ又はツーピースアーキテクチャを有するセンサアプリケータであってよい。
ここで図13Aを参照すると、センサ1102は、尖端1030内で、ユーザの皮膚1104のすぐ上に支持される。シース318に対するアプリケータ216の動きを制御するために、上側ガイドセクション1108のレール1106(任意選択で、それらのうちの3つ)が設けられ得る。シース318は、アプリケータ216内の戻り止め形体1110によって保持され、アプリケータ216の長手方向の軸線に沿った適切な下向きの力が、戻り止めメカニズム1110によってもたらされる抵抗力に打ち勝って、尖端1030及びセンサ制御装置222が長手方向の軸線に沿ってユーザの皮膚1104の中へ(及び上へ)並進し得る。さらに、センサキャリア1022のキャッチアーム1112が尖端後退アセンブリ1024と係合して、尖端1030をセンサ制御装置222に対する位置に維持する。
図13Bでは、ユーザの力が戻り止め形体1110を乗り越え又は上回るように加えられ、シース318がハウジング314の中で折り畳まれて、センサ制御装置222を(付随する部品とともに)長手方向の軸線に沿って矢印Lで示すように下向きに並進させる。シース318の上側ガイドセクション1108の内径が、センサ/尖端の挿入プロセスの全ストロークを介してキャリアアーム1112の位置を拘束する。尖端後退アセンブリ1024の相補面1116に対するキャリアアーム1112の停止面1114の保持が、完全に付勢された伸縮ばね1118とともに部材の位置を維持する。実施形態によれば、ユーザの力を採用してセンサ制御装置222を長手方向の軸線に沿って矢印Lで示すように下向きに並進させるよりむしろ、駆動ばね(例えば、しかし限定ではないがコイルばね)を作動させてセンサ制御装置222を駆動するボタン(例えば、しかし限定ではないが押しボタン)をハウジング314に含ませてもよい。
図13Cでは、センサ1102及び尖端1030が完全に挿入された深さに到達している。それにより、キャリアアーム1112は上側ガイドセクション1108の内径から離れる。次に、コイル伸縮ばね1118の圧縮力が角度のある停止面1114を半径方向外向きに駆動し、力を放出することで、尖端後退アセンブリ1024の尖端キャリア1102を駆動し、図13Dの矢印Rで示すように、(スロットを有するか他の方法で構成された)尖端1030をユーザから外側へ、センサ1102から離れる方に引き出す。
図13Eに示すように尖端1030が完全に後退した状態で、シース318の上側ガイドセクション1108は最終固定形体1120によって固定される。図13Fに示すように、使用済みのアプリケータアセンブリ216はセンサ制御装置222を残して挿入部位から取り外され、尖端1030はアプリケータアセンブリ216の内側に安全に固定される。使用済みアプリケータアセンブリ216は、ここで、処分の準備ができている。
センサ制御装置222を適用するときのアプリケータ216の操作は、尖端1030の挿入と後退の両方がアプリケータ216の内部メカニズムによって自動的に実施されるという感覚をユーザに提供するように設計される。換言すれば、本発明によって、ユーザは尖端1030をユーザの皮膚に手動で駆動しているという感覚を経験することが避けられる。すなわち、ユーザがアプリケータ216の戻り止め形体による抵抗を克服するために十分な力を適用すれば、結果として生じるアプリケータ216の動作は、「誘発された」アプリケータに対する自動的な応答として知覚される。駆動力の全てがユーザによって提供され、尖端1030を挿入するためにさらなる付勢/駆動手段は用いられないにも関わらず、ユーザは尖端1030を駆動して皮膚を穿刺するためにさらなる力を供給しているとは知覚しない。図13Cにおいて上述するように、尖端1030の後退は、アプリケータ216のコイル伸縮ばね1118によって自動化されている。
本明細書に記載したアプリケータの実施形態のいずれか、及び尖端、尖端モジュール、及びセンサモジュールの実施形態を含むがそれらに限らないそれらの部品のいずれかに関して、当業者であれば、対象の表皮、真皮、又は皮下組織における体液中の被検物質レベルを検知するように構成されたセンサとともに使用するために前記実施形態が寸法決めされ、構成され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、例えば本明細書で開示する被検物質センサの尖端及び遠位部分は、いずれも特定の末端深度(すなわち対象の身体の組織又は層、例えば表皮、真皮、又は皮下組織における貫通の最も遠い点)に位置するように寸法決めし、構成することができる。いくつかのアプリケータの実施形態に関して、当業者であれば、被検物質センサの最終の末端深度に対する対象の身体における異なる末端深度に位置するように、尖端の特定の実施形態を寸法決めし、構成することができることを認識することになる。いくつかの実施形態では、例えば尖端は後退の前に対象の表皮における第1の末端深度に位置してよく、一方被検物質センサの遠位部分は対象の真皮における第2の末端深度に位置してよい。他の実施形態では、尖端は後退の前に対象の真皮における第1の末端深度に位置してよく、一方被検物質センサの遠位部分は対象の皮下組織における第2の末端深度に位置してよい。さらに他の実施形態では、尖端は後退の前に第1の末端深度に位置し、被検物質センサは第2の末端深度に位置してよく、ここで第1の末端深度と第2の末端深度はいずれも対象の身体の同じ層又は組織の中にある。
さらに、本明細書に記載したアプリケータの実施形態のいずれかに関し、当業者であれば、被検物質センサ及び1つ以上のばねメカニズムを含むがそれらに限らない、それに連結された1つ以上の構造部品がアプリケータの中でアプリケータの1つ以上の軸線に対して偏心位置に配置されてもよいことが理解されよう。いくつかのアプリケータの実施形態では、例えば被検物質センサ及びばねメカニズムはアプリケータの第1の側におけるアプリケータの軸線に対して第1の偏心位置に配置されてよく、センサ電子機器はアプリケータの第2の側におけるアプリケータの軸線に対して第2の偏心位置に配置されてよい。他のアプリケータの実施形態では、被検物質センサ、ばねメカニズム、及びセンサ電子機器は、同じ側のアプリケータの軸線に対して偏心位置に配置してよい。当業者であれば、被検物質センサ、ばねメカニズム、センサ電子機器、及びアプリケータのその他の部品のいずれか又は全てがアプリケータの1つ以上の軸線に対して中心又は偏心位置に配置されるその他の並べ替え及び構成が可能であり、完全に本開示の範囲内にあることが認識されよう。
好適な装置、システム、方法、成分、及びそれらの動作のさらなる詳細を、関連する特徴とともにRao等の国際公開第WO2018/136898号、Thomas等の国際公開第WO2019/236850号、Thomas等の国際公開第WO2019/236859号、Thomas等の国際公開第WO2019/236876号、及び2019年6月6日に出願された米国特許公開第2020/0196919号で記載されており、これらの各々は、その全体が参照により本願明細書に援用される。アプリケータ、それらの部品、及びそれらの変形の実施形態に関するさらなる詳細は、米国特許公開第2013/0150691号、同第2016/0331283号、及び同第2018/0235520号に記載されており、これらの全ては、それらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。尖端モジュール、尖端、それらの部品、及びそれらの変形の実施形態に関するさらなる詳細は、米国特許公開第2014/0171771号に記載されており、それは、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
J.被検物質センサを較正する例示的な方法
生化学センサは1つ以上の検知特性によって記述することができる。一般的な検知特性は生化学センサの感度と称され、これはそれが検出するように設計された化学物質又は組成物の濃度に対するセンサの応答性の尺度である。電気化学センサについては、この応答は電流(電流測定)又は電荷(電量測定)の形態であってよい。他のタイプのセンサについては、応答は光子強度(例えば光学光)等の異なった形態であってよい。生化学被検物質センサの感度は、センサがインビトロの状態にあるかインビボの状態にあるか等のいくつかの要因に応じて変動し得る。
図14は、電流測定被検物質センサのインビトロ感度を示すグラフである。インビトロ感度は様々な被検物質濃度でセンサをインビトロ試験し、得られたデータについて回帰(例えば線形又は非線形)又はその他のカーブフィッティングを実施することによって得ることができる。本例では、被検物質センサの感度は線形又は実質的に線形であり、y=mx+bの式でモデル化することができる。ここでyはセンサの電気出力電流、xは被検物質のレベル(又は濃度)、mは感度の勾配、bは感度の切片であり、切片は一般にバックグラウンド信号(例えばノイズ)に対応する。線形又は実質的に線形の応答を有するセンサについては、所与の電流に対応する被検物質レベルを、感度の勾配及び切片から決定することができる。非線形感度を有するセンサは、センサの出力電流から生じる被検物質レベルを決定するために、さらなる情報を必要とし、当業者であれば非線形感度をモデル化する方法については熟知している。インビボセンサの特定の実施形態では、インビトロの感度はインビボの感度と同じであってよいが、他の実施形態では、インビトロの感度をセンサが意図しているインビボ用途に適用できるインビボの感度に置き換えるために、伝達(又は変換)関数が用いられる。
較正は、センサの測定出力を調整してセンサの予想出力との差を低減することによって精度を改善又は維持するための技術である。その感度のようなセンサの検知特性を記載する1つ以上のパラメータが、較正調整における使用のために確立される。
ある種のインビボ被検物質モニタリングシステムでは、センサがユーザ又は患者に埋め込まれた後で、ユーザによる介在又は自動化された様式でシステム自体によって較正を行なうことが必要になる。例えば、ユーザによる介在が必要とされるとき、ユーザは、被検物質センサが埋め込まれている間に、インビトロ測定(例えば、指先穿刺及びインビトロテストストリップを使用した血糖(BG)測定)を行い、これをシステムに入力する。次に、システムはインビトロ測定値をインビボ信号と比較し、その差を用いて、センサのインビボ感度の推定値を決定する。次に、インビボ感度は、センサで収集したデータをユーザの被検物質レベルを示す値に変換するアルゴリズムプロセスで用いることができる。較正を実施するユーザの動作を必要とするこの及びその他のプロセスは、「ユーザ較正」と称される。システムは、感度が経時的にドリフト又は変化するセンサの感度の不安定性のために、ユーザ較正を必要とすることがある。従って、複数のユーザ較正(例えば定期的な(例えば毎日の)スケジュール、可変スケジュール、又は必要に応じてのスケジュールによる)が精度を維持するために必要なことがある。本明細書に記載した実施形態は特定の実行のためにある程度のユーザ較正を組み込むことがあるが、これはユーザに苦痛があるか、さもなければ面倒なBG測定の実施を要求し、ユーザエラーを生じることがあるので、一般に好ましくない。
いくつかのインビボ被検物質モニタリングシステムは、システム自体によって作成されたセンサの特性の自動測定(例えば処理回路実行ソフトウェア)を用いることによって、較正パラメータを定期的に調整することができる。システム(ユーザではない)によって測定された変数に基づくセンサの感度の繰り返し調整は、一般に「システム」(又は自動)較正と示され、早期BG測定などのユーザ較正とともに、又はユーザ較正なしで実行され得る。繰り返されるユーザ較正の場合と同様に、繰り返されるシステム較正は、一般的には、経時的なセンサの感度のドリフトによって必要とされる。従って、本明細書に記載した実施形態はある程度の自動化されたシステム較正を伴って用いることができるが、好ましくはセンサの感度は経時的に比較的安定であり、従って埋め込み後の較正は必要でない。
いくつかのインビボ被検物質モニタリングシステムは、工場較正されたセンサを用いて動作する。工場較正は、ユーザ又は医療従事者(HCP)への流通に先立つ1つ以上の較正パラメータの決定又は推定を意味する。較正パラメータは、センサの製造者(又は2つの部品が異なる場合にはセンサ制御装置の他の部品の製造者)によって決定することができる。多くのインビボセンサ製造プロセスは、製造ロット、製造ステージロット、又は単にロットと称されるグループ又はバッチでセンサを組み立てる。1つのロットには数千個のセンサが含まれ得る。
センサは、1つ以上のセンサ製造プロセスの間に誘導又は決定され、製造プロセスの一部として被検物質モニタリングシステムのデータ処理装置の中にコード又はプログラムされ、又は例えばバーコード、レーザタグ、RFIDタグ、又はセンサに備えられた機械読み取り可能なその他の情報としてセンサ自体に提供される較正コード又はパラメータを含み得る。コードがレシーバ(又はその他のデータ処理装置)に提供されると、センサのインビボ使用中のユーザ較正を不要にすることができ、又はセンサの着用中のインビボ較正の頻度を低減することができる。センサの使用の開始前又は開始時に較正コード又はパラメータがセンサ自体に提供される実施形態では、較正コード又はパラメータは被検物質モニタリングシステムのデータ処理装置に自動的に送信又は提供され得る。
いくつかのインビボ被検物質モニタリングシステムは、工場較正、システム較正、及び/又はユーザ較正の1つ以上であり得るセンサを用いて動作する。例えば、センサは工場較正を可能にし得る較正コード又はパラメータを提供され得る。情報がレシーバに提供されると(例えばユーザによって入力されると)、センサは工場較正されたセンサとして動作し得る。情報がレシーバに提供されなければ、センサはユーザ較正センサ及び/又はシステム較正センサとして動作し得る。
さらなる態様では、時変調整アルゴリズムを使用の間にインビボセンサに提供するため、プログラム命令又は実行可能な命令を被検物質モニタリングシステムのデータ処理装置及び/又はレシーバ/コントローラユニットに提供又は保存することができる。例えば、インビボで用いた被検物質センサの遡及的な統計分析及び対応するグルコースレベルのフィードバックに基づいて、時間ベースである所定の又は分析的な曲線又はデータベースを生成することができ、安定性プロファイルにおける潜在的なセンサドリフトを補償する1つ以上のインビボのセンサパラメータ又はその他の因子に対するさらなる調整を提供するように構成され得る。
開示される主題に従うと、被検物質モニタリングシステムは、センサドリフトプロファイルに基づいてセンサ感度を補償又は調整するように構成され得る。時間変動パラメータβ(t)は、インビボ使用中のセンサ挙動の分析に基づいて定義又は決定されてもよく、時間変動ドリフトプロファイルが決定され得る。特定の態様では、センサデータを被検物質センサから受信したときに補償又は調整又はその両方が自動的に及び/又は反復的に実行され得るように、センサ感度に対する補償又は調整は、被検物質モニタリングシステムのレシーバユニット、コントローラ又はデータプロセッサにおいてプログラム化され得る。開示される主題に従うと、被検物質センサ感度プロファイルに対する調整又は補償が、対応する機能又はルーチンのユーザによる開始又は作動時に、又はユーザがセンサ較正コードを入力する時に実施又は実行されるように、調整又は補償アルゴリズムが、(自己開始又は実行ではなく)ユーザによって開始又は実行され得る。
開示された主題によれば、センサロット中の各々のセンサ(いくつかの実施形態ではインビトロ試験に使用したサンプルセンサは含まない)は、その特性、例えばセンサの1つ以上の点における膜の厚さを決定又は測定するために非破壊的に検査することができ、活性領域の表面積/体積等の物理的特性を含む他の特性を測定又は決定することができる。そのような測定又は決定は、例えば光学スキャナ又はその他の好適な測定装置又はシステムを用いて自動化された様式で実施することができ、センサロットの中のそれぞれのセンサについて決定されたセンサ特性は、各々のセンサに割り当てられた較正パラメータ又はコードの可能な補正のためのサンプルセンサに基づく対応する平均値と比較される。例えば、センサ感度として定義される較正パラメータについては、感度は膜の厚さにほぼ反比例し、従って、例えば、あるセンサと同じセンサロットからサンプリングされたセンサの平均の膜の厚さよりほぼ4%厚い測定された膜の厚さを有するセンサについては、一実施形態においてそのセンサに割り当てられる感度は、サンプリングされたセンサから決定される平均感度を1.04で割った値である。同様に、感度はセンサの活性面積にほぼ比例するので、同じセンサロットからサンプリングされたセンサの平均活性領域よりほぼ3%小さい測定された活性領域を有するセンサについては、そのセンサに割り当てられる感度は、平均感度に0.97を掛けた値である。割り当てられた感度は、センサの各検査又は測定に対する複数の連続的な調整によって、サンプリングされたセンサからの平均感度から決定され得る。特定の実施形態では、各センサの検査又は測定は、膜の厚さ及び/又は活性検知領域の表面積又は体積に加えて、膜の均一性又は構造の測定をさらに含み得る。
センサ較正に関するさらなる情報は、米国公開番号第2010/00230285号及び米国公開番号第2019/0274598号に提供されており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に援用される。
K.例示的なBluetooth(登録商標)通信プロトコル
センサ110のストレージメモリ5030は、通信モジュールの通信プロトコルに関連するソフトウェアブロックを含み得る。例えば、ストレージメモリ5030はBLEモジュール5041をセンサ110のコンピューティングハードウェアに利用可能にするインターフェースを提供する機能を有するBLEサービスソフトウェアブロックを含み得る。これらのソフトウェア機能は、BLEロジカルインターフェース及びインターフェースパーサを含み得る。通信モジュール5040によって提供されるBLEサービスは、汎用アクセスプロファイルサービス、汎用属性サービス、汎用アクセスサービス、装置情報サービス、データ伝送サービス、及びセキュリティサービスを含み得る。データ伝送サービスは、センサ制御データ、センサステータスデータ、被検物質測定データ(過去及び現在)、及びイベントログデータ等のデータを送信するために使用される一次サービスであり得る。センサステータスデータは、エラーデータ、現在アクティブ時間、及びソフトウェア状態を含み得る。被検物質測定データは、現在及び過去の生の測定値、適切なアルゴリズム又はモデルを使用して処理した後の現在及び過去の値、測定レベルの予測及び傾向、他の値と患者固有の平均値との比較、アルゴリズム又はモデルによって決定された行動要請、及び他の同様のタイプのデータ等の情報を含み得る。
開示される主題の態様に従うと、本明細書に具現化されるように、センサ110は、センサ110のハードウェア及び無線機によってサポートされる通信プロトコル又は媒体の特徴を適合させることによって、複数の装置と同時に通信するように構成され得る。一例として、通信モジュール5040のBLEモジュール5041は、中央装置としてのセンサ110と周辺装置としての他の装置との間の、又は別の装置が中央装置である場合の周辺装置としてのセンサ110の複数の同時接続を可能にするために、ソフトウェア又はファームウェアを備え得る。
BLEなどの通信プロトコルを使用する2つの装置間の接続及び後続の通信セッションは、2つの装置(例えば、センサ110及びデータ受信装置120)間で動作する同様の物理チャネルによって特徴付けられ得る。物理チャネルは、単一のチャネル又は一連のチャネルを含むことができ、たとえば、限定はしないが、コモンクロック及びチャネル又は周波数ホッピングシーケンスによって決定される同意された一連のチャネルを使用することを含む。通信セッションは同様の量の利用可能な通信スペクトルを用いることができ、多数のそのような通信セッションが近接して存在してよい。特定の実施形態では、通信セッションにおける装置の各集合は、異なる物理チャネル又は一連のチャネルを使用して、同じく近接する装置の干渉を管理する。
例示の目的のためであって限定ではないが、開示された主題による使用のためのセンサとレシーバとの接続のための処理の例示的な実施形態を参照する。第1に、センサ110は、データ受信装置120の探索において、その接続情報をその周囲に繰り返し知らせる。センサ110は、接続が確立されるまで定期的に繰り返し知らせることができる。データ受信装置120は、アドバタイジングパケットを検出し、センサ120がアドバタイジングパケット内に提供されたデータを介して接続するためにスキャン及びフィルタリングを行う。次に、データ受信装置120はスキャン要求コマンドを送信し、センサ110は、追加の詳細を提供するスキャン応答パケットで応答する。次に、データ受信装置120は、データ受信装置120に関連付けられたBluetooth(登録商標)装置アドレスを使用して接続要求を送信する。データ受信装置120はまた、特定のBluetooth(登録商標)装置アドレスを有するセンサ110への接続を確立するように連続的に要求し得る。次に、装置は初期接続を確立して、データ交換を開始可能にする。装置は、データ交換サービスを初期化するプロセスを開始し、相互認証処理を実行する。
センサ110とデータ受信装置120との間の第1の接続中に、データ受信装置120は、サービス、特性、及び属性発見処理を初期化し得る。データ受信装置120は、センサ110のこれらの特徴を評価し、次の接続中に使用するためにそれらを保存し得る。次に、装置は、センサ110及びデータ受信装置120の相互認証に使用されるカスタマイズされたセキュリティサービスについての通知を可能にする。相互認証処理は自動化することができ、ユーザによる介在を必要としない。相互認証処理が正常に完了した後、センサ110は、接続パラメータ更新を送信して、データ受信装置120に、センサ110にとって好適であり、寿命を最大化するように構成された接続パラメータ設定を使用するように要求する。
次に、データ受信装置120は、センサ制御処理を実行して、履歴データ、現在のデータ、イベントログ、及び工場データをバックフィルする。一例として、データのタイプごとに、データ受信装置120は、バックフィルプロセスを開始する要求を送信する。要求は、必要に応じて、例えば、測定値、タイムスタンプなどに基づいて定義された記録の範囲を指定し得る。センサ110は、センサ110のメモリ内の以前に送信されていない全てのデータがデータ受信装置120に配信されるまで、要求されたデータで応答する。センサ110は、データ受信装置120からのバックフィル要求に対して、全てのデータがすでに送信されていることを応答し得る。バックフィルが完了すると、データ受信装置120は、定期的な測定値を受信する準備ができていることをセンサ110に通知し得る。センサ110は、繰り返しベース(repeating basis)で複数の通知結果にわたって測定値を送信し得る。本明細書に具現化されるように、複数の通知は、データが正しく送信されることを保証するための冗長な通知であり得る。代わりに、複数の通知が単一のペイロードを構成し得る。
限定ではなく例示の目的で、シャットダウンコマンドをセンサ110に送信する処理の例示的な実施形態を参照する。シャットダウン動作は、例えば、センサ110がエラー状態、挿入失敗状態、又はセンサ期限切れ状態である場合に実行される。センサ110がそれらの状態にない場合、センサ110は、コマンドを記録し、センサ110がエラー状態又はセンサ期限切れ状態に移行したときにシャットダウンを実行し得る。データ受信装置120は、適切にフォーマットされたシャットダウンコマンドをセンサ110に送信する。センサ110が別のコマンドをアクティブに処理している場合、センサ110は、センサ110がビジーであることを示す標準エラー応答で応答する。そうでない場合、センサ110は、コマンドを受信すると応答を送信する。さらに、センサ110がコマンドを受信したことを知らせるために、センサ110はセンサ制御特性を介して成功通知を送信する。センサ110はシャットダウンコマンドを登録する。次の適切な機会に(例えば、本明細書で記載されるように、現在のセンサ状態に応じて)、センサ110はシャットダウンする。
L.例示的なセンサ状態及び作動
限定ではなく例示の目的で、図15に示すセンサ110によって行われ得るアクションの状態機械表示6000の高レベル描写の例示的な実施形態を参照する。初期化の後、センサはセンサ110の製造に関連する状態6005に入る。製造状態6005では、センサ110は、動作のために構成されることができ、例えば、ストレージメモリ5030は書き込まれ得る。状態6005にある間の様々な時間に、センサ110は、保存状態6015に進むための受信したコマンドをチェックする。保存状態6015に入ると、センサはソフトウェア整合性チェックを実行する。保存状態6015にある間、センサはまた、挿入検出状態6025に進む前に作動要求コマンドを受信し得る。
状態6025に入ると、センサ110は、作動中に設定されたセンサと通信するために認証された装置に関する情報を保存することができ、又は検知ハードウェア5060からの測定を実行し、解釈することに関するアルゴリズムを初期化し得る。センサ110はまた、センサ110の動作時間のアクティブカウントを維持することに関与するライフサイクルタイマを初期化し、記録されたデータを送信するために認証された装置との通信を開始し得る。挿入検出状態6025にある間、センサは状態6030に入ることができ、ここでセンサ110は、動作時間が所定の閾値に等しいかどうかをチェックする。この動作時間閾値は、挿入が成功したかどうかを判定するためのタイムアウト機能に対応し得る。動作時間が閾値に達した場合、センサ110は状態6035に進み、平均データ読み取り量が挿入成功の検出を誘発するための予想データ読み取り量に対応する閾値よりも大きいか否かを、センサ110がチェックする。状態6035にある間にデータ読み取り量が閾値よりも低い場合、センサは、挿入失敗に対応する状態6040に進む。データ読み取り量が閾値を満たす場合、センサは、アクティブペア状態6055に進む。
センサ110のアクティブペア状態6055は、センサ110が測定値を記録し、測定値を処理し、それらを必要に応じて報告することによって正常に動作している間の状態を示す。アクティブペア状態6055にある間、センサ110は、測定結果を送信するか、又は受信装置120との接続を確立しようと試みる。センサ110はまた、動作時間を増加する。センサ110が所定の動作時間閾値に達すると(例えば、動作時間が所定の閾値に達すると)、センサ110は、アクティブ期限切れ状態6065に移行する。センサ110のアクティブ期限切れ状態6065は、センサ110がその最大の所定時間にわたって動作している間の状態を示す。
アクティブ期限切れ状態6065にある間、センサ110は、一般に、動作の終了に関連し、収集された測定値が必要に応じて受信装置に安全に送信されたことを保証する動作を実行し得る。例えば、アクティブ期限切れ状態6065にある間、センサ110は、収集されたデータを送信することができ、接続が実行可能でない場合、近くの認証された装置を発見し、それとの接続を確立するための試みを増加し得る。アクティブ期限切れ状態6065にある間、センサ110は、状態6070においてシャットダウンコマンドを受信し得る。シャットダウンコマンドが受信されない場合、センサ110はまた、状態6075において、動作時間が最終動作閾値を超えたかどうかをチェックし得る。最終動作閾値は、センサ110のバッテリ寿命に基づき得る。正常終了状態6080は、センサ110の最終動作に対応し、最終的にセンサ110をシャットダウンする。
センサが作動される前に、ASIC5000は、低電力保存モード状態にある。例えば、入射RFフィールド(例えば、NFCフィールド)は、ASIC5000への電源の電圧がリセット閾値を上回るように駆動し、それによりセンサ110がウェイクアップ状態に進むときに、作動プロセスは開始し得る。ウェイクアップ状態にある間、ASIC5000は作動シーケンス状態に入る。次に、ASIC5000は、通信モジュール5040を起動する。通信モジュール5040が初期化され、パワーオンセルフテストを誘発する。パワーオンセルフテストは、ASIC5000が、メモリ及びワンタイムプログラム可能メモリが破損していないことを検証するために、データを読み書きする所定のシーケンスを使用して通信モジュール5040と通信することを含み得る。
ASIC5000が初めて測定モードに入るとき、挿入検出シーケンスが実行されて、適切な測定が行われ得る前に、センサ110が患者の身体上に適切に設置されていることを検証する。まず、センサ110は、コマンドを解釈して測定設定プロセスを作動し、ASIC5000を測定コマンドモードに入らせる。次に、センサ110は、一時的に測定ライフサイクル状態に入り、いくつかの連続測定を実行して、挿入が成功したかどうかを検査する。通信モジュール5040又はASIC5000は、測定結果を評価して挿入の成功を判定する。挿入が成功したと見なされると、センサ110は測定状態に入り、センサ110は、検知ハードウェア5060を使用して定期的な測定を行い始める。センサ110が、挿入が成功しなかったと判定する場合、センサ110は、挿入失敗モードに誘発され、通信モジュール5040がそれ自体を無効にする間、ASIC5000は、保存モードに戻るように命令される。
M.例示的なオーバージエア更新
図1Bは、本明細書で記載する技法とともに使用するためのオーバージエア(「OTA」)更新を提供するための動作環境の例をさらに示す。被検物質モニタリングシステム100のオペレータは、データ受信装置120又はセンサ110のための更新を、多目的データ受信装置130上で実行するアプリケーションのための更新に束ね得る。データ受信装置120と、多目的データ受信装置130と、センサ110との間の利用可能な通信チャネルを使用して、多目的データ受信装置130は、データ受信装置120又はセンサ110のための定期的な更新を受信し、データ受信装置120又はセンサ110への更新のインストールを開始し得る。多目的データ受信装置130が被検物質センサ110、データ受信装置120及び/又はリモートアプリケーションサーバ150と通信することを可能にするアプリケーションは、広域ネットワーク機能無しでデータ受信装置120又はセンサ110上のソフトウェア又はファームウェアを更新することができるので、多目的データ受信装置130は、データ受信装置120又はセンサ110のためのインストール又は更新プラットフォームとして機能する。
本明細書に具現化されるように、被検物質センサ110の製造者及び/又は被検物質モニタリングシステム100のオペレータによって作動されるリモートアプリケーションサーバ150は、被検物質モニタリングシステム100の装置にソフトウェア及びファームウェア更新を提供し得る。特定の実施形態では、リモートアプリケーションサーバ150は、更新されたソフトウェア及びファームウェアをユーザ装置140に、又は直接多目的データ受信装置に提供し得る。本明細書に具現化されるように、リモートアプリケーションサーバ150はまた、アプリケーションストアフロントによって提供されるインターフェースを使用して、アプリケーションソフトウェア更新をアプリケーションストアフロントサーバ160に提供し得る。多目的データ受信装置130は、更新をダウンロードしてインストールするために、アプリケーションストアフロントサーバ160に定期的に連絡し得る。
多目的データ受信装置130が、データ受信装置120又はセンサ110のためのファームウェア又はソフトウェア更新を含むアプリケーション更新をダウンロードした後、データ受信装置120又はセンサ110及び多目的データ受信装置130は、接続を確立する。多目的データ受信装置130は、ファームウェア又はソフトウェアの更新がデータ受信装置120又はセンサ110に利用可能であると判定する。多目的データ受信装置130は、データ受信装置120又はセンサ110への配信のためにソフトウェア又はファームウェア更新を準備し得る。一例として、多目的データ受信装置130は、ソフトウェア又はファームウェア更新に関連付けられたデータを圧縮又は分割することができ、ファームウェア又はソフトウェア更新を暗号化又は復号化することができ、又はファームウェア又はソフトウェア更新の整合性チェックを実行することができる。多目的データ受信装置130は、ファームウェア又はソフトウェア更新のためのデータをデータ受信装置120又はセンサ110に送信する。多目的データ受信装置130はまた、データ受信装置120又はセンサ110にコマンドを送信して、更新を開始し得る。加えて又は代わりに、多目的データ受信装置130は、多目的データ受信装置130のユーザに通知を提供することができ、更新が完了するまで、データ受信装置120及び多目的データ受信装置130を電源に接続して近接させておく命令等、更新を容易にするための命令を含むことができる。
データ受信装置120又はセンサ110は、更新のためのデータ及び更新を開始するためのコマンドを多目的データ受信装置130から受信する。次に、データ受信装置120は、ファームウェア又はソフトウェア更新をインストールし得る。更新をインストールするために、データ受信装置120又はセンサ110は、それ自体を、動作機能が制限された、いわゆる「セーフ」モードにするか、又は再起動することができる。更新が完了すると、データ受信装置120又はセンサ110は、標準動作モードに再び入るか、又はリセットされる。データ受信装置120又はセンサ110は、ファームウェア又はソフトウェア更新が正常にインストールされたことを判定するために、1つ以上の自己テストを実行し得る。多目的データ受信装置130は、更新成功の通知を受信し得る。次に、多目的データ受信装置130は、更新成功の確認をリモートアプリケーションサーバ150に報告し得る。
特定の実施形態では、センサ110のストレージメモリ5030は、ワンタイムプログラム可能(OTP)メモリを含む。用語OTPメモリは、メモリ内の特定のアドレス又はセグメントへの所定の回数の書込みを容易にするためのアクセス制限及びセキュリティを含むメモリを示し得る。メモリ5030は、複数の事前に割り当てられたメモリブロック又はコンテナに事前配置され得る。コンテナは、固定されたサイズに事前に割り当てられている。ストレージメモリ5030がワンタイムプログラム可能メモリである場合、コンテナは、プログラム不可能状態にあるとみなされ得る。まだ書き込まれていない追加のコンテナは、プログラム可能又は書込み可能な状態にすることができる。このようにストレージメモリ5030をコンテナ化することで、ストレージメモリ5030に書き込むべきコード及びデータの輸送性を向上させることができる。OTPメモリに保存された装置(例えば、本明細書に記載されるセンサ装置)のソフトウェアを更新することは、メモリ内のコード全体を置き換えるのではなく、特定の以前に書き込まれた1つ以上のコンテナ内のコードのみを、新しい1つ以上のコンテナに書き込まれた更新されたコードで置き換えることによって実行され得る。第2の実施形態では、メモリは事前配置されていない。代わりに、データのために割り振られる空間は、必要に応じて動的に割り振られるか又は決定される。更新が予想される様々なサイズのコンテナを定義することができるので、インクリメンタルアップデートを発行することができる。
図16は、開示される主題による、センサ装置100内のストレージメモリ5030のオーバージエア(OTA)プログラミング、及びセンサ装置110によるプロセスの実行におけるOTAプログラミング後のメモリの使用のための例示的な動作及びデータフローを示す略図である。図5に示されるOTAプログラミング500の例では、OTAプログラミング(又は再プログラミング)を開始するために要求が外部装置(例えばデータ受信装置130)から送信される。511において、センサ装置110の通信モジュール5040は、OTAプログラミングコマンドを受信する。通信モジュール5040は、OTAプログラミングコマンドをセンサ装置110のマイクロコントローラ5010に送信する。
531において、OTAプログラミングコマンドを受信した後、マイクロコントローラ5010は、OTAプログラミングコマンドを検証する。マイクロコントローラ5010は、例えば、OTAプログラミングコマンドが適切なデジタル署名トークンで署名されているかどうかを判定し得る。OTAプログラミングコマンドが有効であると判定すると、マイクロコントローラ5010は、センサ装置をOTAプログラミングモードに設定し得る。532において、マイクロコントローラ5010は、OTAプログラミングデータを検証し得る。533において、マイクロコントローラ5010は、センサ装置110をリセットして、センサ装置110をプログラミング状態に再初期化し得る。センサ装置110がOTAプログラミング状態に移行すると、マイクロコントローラ5010は、534においてセンサ装置の書換え可能メモリ540(例えば、メモリ5020)へのデータの書き込みを開始し、535においてセンサ装置のOTPメモリ550(例えば、ストレージメモリ5030)へのデータの書き込みを開始し得る。マイクロコントローラ5010によって書き込まれるデータは、検証されたOTAプログラミングデータに基づき得る。マイクロコントローラ5010は、データを書き込んで、OTPメモリ550の1つ以上のプログラミングブロック又は領域を無効又はアクセス不能とマーキングし得る。OTPメモリの空き又は未使用部分に書き込まれたデータは、OTPメモリ550の無効化された又はアクセス不可能なプログラミングブロックを置換するために使用され得る。マイクロコントローラ5010が534及び535でそれぞれのメモリにデータを書き込んだ後、マイクロコントローラ5010は、書き込みプロセス中にプログラミングブロックにエラーが導入されなかったことを保証するために、1つ以上のソフトウェア整合性チェックを実行し得る。マイクロコントローラ5010は、データがエラー無く書き込まれたと判断できると、マイクロコントローラ5010は、センサ装置の標準動作を再開し得る。
536において、実行モードでは、マイクロコントローラ5010は、書換え可能メモリ540からプログラミングマニフェスト又はプロファイルを取り出すことができる。プログラミングマニフェスト又はプロファイルは、有効なソフトウェアプログラミングブロックのリストを含むことができ、センサ110のためのプログラム実行へのガイドを含むことができる。プログラミングマニフェスト又はプロファイルに従うことによって、マイクロコントローラ5010は、OTPメモリ550のどのメモリブロックが実行するのに適切であるかを判断し、期限切れ又は無効化されたプログラミングブロックの実行又は期限切れデータへの参照を回避し得る。537において、マイクロコントローラ5010は、OTPメモリ550からメモリブロックを選択的に取り出し得る。538において、マイクロコントローラ5010は、メモリに格納されたプログラミングコードを実行することによって、又はメモリに格納された変数を使用することによって、取り出されたメモリブロックを使用し得る。
N.例示的なセキュリティ及びその他のアーキテクチャの特徴
本明細書に具現化されるように、被検物質センサ110と他の装置との間の通信のためのセキュリティの第1の層は、通信のために使用される通信プロトコルによって指定され、その通信プロトコルに一体化されたセキュリティプロトコルに基づいて確立され得る。セキュリティの別の層は、通信装置の近接性を必要とする通信プロトコルに基づき得る。さらに、特定のパケット及び/又はパケット内に含まれる特定のデータは暗号化され得るが、一方、他のパケット及び/又はパケット内のデータは、別の方法で暗号化されるか、又は暗号化されない。加えて又は代わりに、アプリケーション層暗号化は、1つ以上のブロック暗号又はストリーム暗号とともに使用され、被検物質モニタリングシステム100内の他の装置との相互認証及び通信暗号化を確立し得る。
被検物質センサ110のASIC5000は、ストレージメモリ5030内に保持されたデータを使用して認証及び暗号化鍵を動的に生成するように構成され得る。ストレージメモリ5030はまた、特定のクラスの装置とともに使用するために、有効な認証及び暗号化鍵のセットで事前にプログラムされ得る。ASIC5000は、受信したデータを使用して他の装置との認証処理を実行し、機密データを送信する前に、生成された鍵を機密データに適用するようにさらに構成され得る。生成された鍵は、被検物質センサ110に固有のもの、装置のペアに固有のもの、被検物質センサ110と他の装置との間の通信セッションに固有のもの、通信セッション中に送信されるメッセージに固有のもの、又はメッセージ内に含まれるデータのブロックに固有のものであり得る。
センサ110及びデータ受信装置120の両方は、例えば、コマンドを発行するか、又はデータを受信するように、通信セッションにおける相手方の認証を確実にし得る。特定の実施形態では、アイデンティティ認証は、2つの機構を介して実行され得る。第1に、そのアイデンティティを主張する当事者は、装置の製造者又は被検物質モニタリングシステム100のオペレータによって署名された有効な証明書を提供する。第2に、認証は、被検物質モニタリングシステム100の装置によって確立され、又は被検物質モニタリングシステム100のオペレータによって確立される公開鍵及び秘密鍵、及びそれらから導出される共有秘密鍵を使用することによって実施され得る。他の当事者のアイデンティティを確認するために、当事者は、当事者がその秘密鍵の制御権を有することの証明を提供し得る。
被検物質センサ110、データ受信装置120の製造者、又は多目的データ受信装置130のためのアプリケーションの提供者は、装置が安全なプログラミング及び更新を介して安全に通信するために必要な情報及びプログラミングを提供し得る。例えば、製造者は、必要に応じて、装置、セッション、又はデータ伝送に固有の暗号化値を生成するために、装置特有の情報及び動作データ(例えば、エントロピーベースのランダム値)と組み合わせて使用され得る、被検物質センサ110及び任意でデータ受信装置120のための安全なルート鍵を含む、各装置のための暗号化鍵を生成するために使用され得る情報を提供し得る。
ユーザに関連付けられた被検物質データは、少なくとも部分的に機密データであり、その理由は、この情報が、健康モニタリング及び薬剤投与決定を含む様々な目的のために使用され得るからである。ユーザデータに加えて、被検物質モニタリングシステム100は、リバースエンジニアリングに対する外部当事者による実施に対してセキュリティ強化を実行し得る。通信接続は、装置固有又はセッション固有の暗号化鍵を使用して暗号化され得る。任意の2つの装置間の暗号化された通信又は暗号化されていない通信は、通信に組み込まれた送信整合性チェックを用いて検証され得る。被検物質センサ110の動作は、通信インターフェースを介したメモリ5020への読み出し及び書き込み機能へのアクセスを制限することによって、改ざんから保護され得る。センサは、「ホワイトリスト」内に提供される既知の又は「信頼できる」装置のみに、又は製造者又は他の方法で認証されたユーザに関連付けられた所定のコードを提供することができる装置のみに、アクセスを許可するように構成され得る。ホワイトリストは、ホワイトリストに含まれる接続識別子以外の接続識別子は用いられないことを意味する排他的な範囲、又はホワイトストが最初に検索されるがそれでも他の装置も使用できる好ましい範囲を表し得る。センサ110はさらに、要求者が所定の時間内(例えば、4秒以内)に通信インターフェースを介してログイン処理を完了できない場合、接続要求を拒否し、シャットダウンし得る。これらの特性は、特定のサービス妨害攻撃、特にBLEインターフェースに対するサービス妨害攻撃から保護する。
本明細書に具現化されるように、被検物質モニタリングシステム100は、鍵の漏洩及び悪用の可能性をさらに低減するために、定期的な鍵ローテーションを使用し得る。被検物質モニタリングシステム100によって採用される鍵ローテーション戦略は、現場配置装置又は流通した装置の後方互換性をサポートするように設計され得る。一例として、被検物質モニタリングシステム100は、上流側装置によって使用される複数世代の鍵と互換性があるように設計された下流側装置(例えば、現場にあるか、又は更新を実行可能に提供することができない装置)用の鍵を採用し得る。
限定ではなく例示の目的で、図17に示され、一対の装置、特にセンサ110とデータ受信装置120との間のデータ交換の例を示す、開示された主題とともに使用するためのメッセージシーケンス図600の例示的な実施形態を参照する。データ受信装置120は、本明細書に具現化されるように、データ受信装置120又は多目的データ受信装置130であり得る。工程605において、データ受信装置120は、例えば短距離通信プロトコルを介して、センサ作動コマンド605をセンサ110に送信し得る。センサ110は、工程605の前に、主に休止状態であってもよく、完全な作動が必要とされるまで、そのバッテリを温存する。作動後、工程610中に、センサ110は、センサ110の検知ハードウェア5060に適切なように、データを収集するか、又は他の動作を実行し得る。工程615において、データ受信装置120は、認証要求コマンド615を開始し得る。認証要求コマンド615に応答して、センサ110とデータ受信装置120の両方が、相互認証プロセス620に関与し得る。相互認証プロセス620は、他方の装置が本明細書で記載される同意されたセキュリティフレームワークに十分に準拠可能であることを、センサ110及びデータ受信装置120が保証することを可能にするチャレンジパラメータを含む、データの転送に関与し得る。相互認証は、チャレンジレスポンスを介して秘密鍵の確立を検証するために、オンラインの信頼された第三者の有無にかかわらず、2つ以上のエンティティを互いに認証するためのメカニズムに基づき得る。相互認証は、2パス認証、3パス認証、4パス認証又は5パス認証、又はそれらの類似のバージョンを使用して実行され得る。
相互認証プロセス620の成功に続いて、工程625において、センサ110は、データ受信装置120にセンサシークレット625を提供し得る。センサシークレットは、センサ固有値を含むことができ、製造中に生成されたランダム値から導出され得る。センサシークレットは、第三者がシークレットにアクセスすることを防止するために、送信前又は送信中に暗号化され得る。センサシークレット625は、相互認証プロセス620によって、又はそれに応答して生成された鍵のうちの1つ以上を介して暗号化され得る。工程630において、データ受信装置120は、センサシークレットからセンサ固有暗号化鍵を導出し得る。センサ固有暗号化鍵はさらに、セッション固有であり得る。従って、センサ固有暗号化鍵は、センサ110又はデータ受信装置120の間で送信されることなく、各装置によって決定され得る。工程635において、センサ110は、ペイロードに含まれるデータを暗号化し得る。工程640において、センサ110の適切な通信モデルとデータ受信装置120との間に確立された通信リンクを使用して、センサ110は暗号化されたペイロード640をデータ受信装置120に送信し得る。工程645において、データ受信装置120は、工程630の間に導出されたセンサ固有暗号化鍵を使用してペイロードを復号化し得る。工程645に続いて、センサ110は、追加の(新たに収集されたものを含む)データを配信することができ、データ受信装置120は、受信したデータを適切に処理し得る。
本明細書に記載されるように、センサ110は、制限された処理能力、バッテリ供給、及びストレージを有する装置であり得る。センサ110によって使用される暗号化技術(例えば、暗号アルゴリズム又はアルゴリズムの実装の選択)は、これらの制限に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。データ受信装置120は、この性質の制限がより少ない、より強力な装置であり得る。従って、データ受信装置120は、暗号アルゴリズム及び実装などの、より高度で計算集約的な暗号化技術を採用し得る。
O.例示的なペイロード/通信周波数
被検物質センサ110は、その発見可能性挙動を変更して、受信装置が適切なデータパケットを受信する確率及び/又は応答信号を提供する確立を増加させるか、又は応答信号を受信できなくする可能性がある制限を他の方法で低減するように試みるように構成され得る。被検物質センサ110の発見可能性挙動を変更することは、例えば、限定するものではないが、接続データがデータパケットに含まれる頻度を変更すること、データパケットが一般的に送信される頻度を変更すること、データパケットのブロードキャストウィンドウを延長又は短縮すること、ブロードキャスト後に被検物質センサ110が応答又はスキャン信号を受け入れる時間を変更すること、被検物質センサ110と以前に通信した1つ以上の装置(例えば、1つ以上の試みられた送信を介する)及び/又はホワイトリスト上の1つ以上の装置への直接送信を含ませること、(例えば、ブロードキャストの範囲を増加させるか、消費されるエネルギーを減少させ、被検物質センサのバッテリの寿命を延ばすために)データパケットをブロードキャストするときに通信モジュールに関連付けられた送信電力を変更すること、データパケットを準備及びブロードキャストする速度を変更すること、又は1つ以上の他の変更の組み合わせを含み得る。加えて又は代わりに、受信装置は、接続データを含むデータパケットを受信する可能性を増加させるために、装置のリスニング挙動に関するパラメータを同様に調整し得る。
本明細書に具現化されるように、被検物質センサ110は、2つのタイプのウィンドウを使用してデータパケットをブロードキャストするように構成され得る。第1のウィンドウは、被検物質センサ110が通信ハードウェアを動作させるように構成される速度を示す。第2のウィンドウは、被検物質センサ110が能動的にデータパケットを送信する(例えば、ブロードキャストする)ように構成される速度を示す。一例として、第1のウィンドウは、被検物質センサ110が通信ハードウェアを動作させて、各60秒間の最初の2秒間にデータパケット(接続データを含む)を送信及び/又は受信することを示し得る。第2のウィンドウは、各2秒のウィンドウの間に、被検物質センサ110が60ミリ秒ごとにデータパケットを送信することを示し得る。2秒のウィンドウ中の残りの時間、被検物質センサ110は走査している。被検物質センサ110は、いずれかのウィンドウを長くしたり短くしたりして、被検物質センサ110の発見可能性挙動を変更し得る。
特定の実施形態では、被検物質センサの発見可能性挙動が発見可能性プロファイルに保存されることができ、被検物質センサ110の状態などの1つ以上の要因に基づいて、及び/又は被検物質センサ110の状態に基づいてルールを適用することによって、変更され得る。例えば、被検物質センサ110のバッテリレベルがある量を下回るとき、ルールは、被検物質センサ110に、ブロードキャストプロセスによって消費される電力を減少させ得る。別の例として、パケットをブロードキャストする又は他の方法で送信することに関連付けられた構成設定は、周囲温度、被検物質センサ110の温度、又は被検物質センサ110の通信ハードウェアの特定の部品の温度に基づいて調整され得る。送信電力を変更することに加えて、被検物質センサ110の通信ハードウェアの送信能力又はプロセスに関連する他のパラメータを変更することができ、これは、限定されないが、送信速度、周波数、及びタイミングを含む。別の例として、対象が負の健康事象を経験している又は経験しつつあることを、被検物質データが示すとき、ルールは、被検物質センサ110に対して、負の健康事象を受信装置へ警告するためにその発見可能性を増加させ得る。
P.例示的なセンサ感度の初期化/調整機構
本明細書に具現化されるように、被検物質センサ110の検知ハードウェア5060のためのある較正機構は、外部又は区間環境特徴に基づいて、及び使用されていない期間(例えば、使用前の「保管時間」)の間の検知ハードウェア5060の減衰を補償するように、調整され得る。検知ハードウェア5060の較正機構は、センサ110によって(例えば、メモリ5020又はストレージ5030内の特徴を変更するためのASIC5000の動作によって)自律的に調整されることができ、又は被検物質モニタリングシステム100の他の装置によって調整されることができる。
一例として、検知ハードウェア5060のセンサ感度は、外部温度データ又は製造からの時間に基づいて調整され得る。センサの保存中に外部温度がモニタリングされるとき、開示される主題は、装置が保存条件の変化を経験すると、経時的にセンサ感度に対する補償を適応的に変更し得る。限定ではなく例示を目的として、被検物質センサ110が定期的に起動して温度を測定する「アクティブ」保存モードにおいて、適応感度調整が実行され得る。これらの機構は、被検物質装置のバッテリを節約し、被検物質センサの寿命を延ばし得る。各温度測定において、被検物質センサ110は、測定された温度に基づいて、その期間の感度調整を計算し得る。次に、温度で重み付けされた調整値は、アクティブ保存モード期間にわたって累積されて、アクティブ保存モードの終了時(例えば、挿入時)総センサ感度調整値を計算し得る。同様に、挿入時に、センサ110は、センサ110(ASIC5000のストレージ5030に書き込むことができる)又は検知ハードウェア5060の製造間の時間差を決定し、1つ以上の既知の減衰率又は式に従ってセンサ感度又は他の較正機構を変更し得る。
加えて、限定ではなく例示の目的で、本明細書に具現化されるように、センサ感度調整は、センサドリフトなどの他のセンサ条件を考慮し得る。センサ感度調整は、例えば、センサドリフトの場合、平均センサがどれだけドリフトするかの推定に基づいて、製造中にセンサ110内にハードコードされ得る。センサ110は、センサオフセット及びゲインのための時変関数を有する較正関数を使用することができ、これは、センサの摩耗期間にわたるドリフトを考慮し得る。従って、センサ110は、経時的なセンサ110のドリフトを記載する装置依存関数を利用して、間質電流を間質グルコースに変換するために使用される関数を利用することができ、これは、センサ感度を示すことができ、グルコースプロファイルのベースラインと組み合わされた装置固有のものであり得る。センサ感度及びドリフトを考慮するためのそのような関数は、ユーザ較正を伴うことなく、摩耗期間にわたってセンサ110の精度を改善し得る。
Q.例示的なモデルベースの被検物質測定
センサ110は、検知ハードウェア5060から生の測定値を検出する。例えば、生の測定値を解釈するように訓練された1つ以上のモデル等によって、オンセンサ処理が実行され得る。モデルは、1つ以上の被検物質のレベルを検出、予測、又は解釈するために、生の測定値を検出、予測、又は解釈するようにオフ装置で訓練された機械学習モデルであり得る。追加の訓練されたモデルは、生の測定値と相互作用するように訓練された機械学習モデルの出力で動作し得る。一例として、モデルは、生の測定値及び検知ハードウェア5060によって検出された被検物質(複数)の種類に基づいて事象を検出、予測、又は推奨するために使用され得る。事象は、身体活動の開始又は完了、食事、医療処置又は投薬の適用、緊急の健康事象、及び同様の性質の他の事象を含み得る。
モデルは、製造中又はファームウェア又はソフトウェア更新中に、センサ110、データ受信装置120、又は多目的データ受信装置130に提供され得る。モデルは、例えば、センサ110の製造者又は被検物質モニタリングシステム100のオペレータなどによって、個々のユーザ又は総じて複数のユーザのセンサ110及びデータ受信装置から受信したデータに基づいて、定期的に改良され得る。特定の実施形態では、センサ110は、センサ110が取り付けられるユーザの固有の特徴に基づくなど、機械学習モデルのさらなる訓練又は改良を支援するのに十分な計算構成要素を含む。機械学習モデルは、限定ではなく例として、決定木分析、勾配ブースティング、adaブースティング、人工ニューラルネットワーク又はその変形、線形判別分析、最近傍分析、サポートベクターマシン、教師あり又は教師なし分類などを使用又は包含して訓練されたモデルを含み得る。モデルはまた、機械学習モデルに加えて、アルゴリズム又はルールベースのモデルを含み得る。モデルベースの処理は、センサ110(又は他の下流装置)からデータを受信すると、データ受信装置120又は多目的データ受信装置130を含む他の装置によって実行され得る。
R.例示的なアラーム機構
センサ110とデータ受信装置120との間で送信されるデータは、生の測定値又は処理された測定値を含み得る。センサ110とデータ受信装置120との間で送信されるデータは、ユーザに表示するためのアラーム又は通知をさらに含み得る。データ受信装置120は、生の測定値又は処理された測定値に基づいてユーザに通知を表示するか、又は他の方法で伝えることができ、又はセンサ110から受信したときにアラームを表示することができる。ユーザへの表示のために誘発され得るアラームは、直接被検物質値(例えば、閾値を超える、又は閾値を満たさない1回読み取り)、被検物質値傾向(例えば、閾値を超える、又は閾値を満たさない設定期間にわたる平均読み取り、勾配)、被検物質値予測(例えば、閾値を超える、又は閾値を満たさない被検物質値に基づくアルゴリズム計算)、センサアラート(例えば、検出された疑わしい誤動作)、通信アラート(例えば、閾値期間にわたってセンサ110とデータ受信装置120との間に通信がないこと、未知の装置がセンサ110との通信セッションを開始しようとしている、又は開始し損なっていること)、リマインダ(例えば、データ受信装置120を充電するリマインダ、薬剤を服用する、又は他の活動を行うリマインダ)、及び同様の性質の他のアラートに基づくアラームを含む。限定ではなく例示の目的で、本明細書に具現化されるように、本明細書で記載されるアラームパラメータは、ユーザによって構成可能であり得るか、又は製造中に固定され得るか、又はユーザ設定可能及びユーザ設定不可能パラメータの組み合わせであり得る。
S.例示的な電極構成
対応する単一の被検物質の検出のために構成された単一の活性領域を特徴とするセンサ構成は、図18A~図18Cを参照して本明細書にさらに記載されるように、2電極又は3電極検出モチーフを使用し得る。別の作用電極上又は同じ作用電極上のいずれかで、別の被検物質の検出のための二つの異なる活性領域を特徴とするセンサ構成は、図19A~図21Cを参照して後に個別に記載される。各活性領域からの信号寄与が、より容易に決定され得るので、複数の作用電極を有するセンサ構成は、同じセンサ尾部内に二つの異なる活性領域を組み込むのに特に有利であり得る。
単一の作用電極が被検物質センサ内に存在するとき、3電極センサ構成は、作用電極、対電極、及び参照電極を含み得る。関連する2電極のセンサ構成は作用電極及び第2の電極を含み、その中で第2の電極は対電極と参照電極(すなわち対/参照電極)の両方として機能し得る。様々な電極は、少なくとも互いに部分的に積み重ねられ(層状にされ)てもよく、及び/又はセンサ尾部上で互いに横方向に離間されてもよい。適切なセンサ構成は、実質的に平坦な形状、又は実質的に円筒形の形状であり得る。本明細書に開示されるセンサ構成のいずれかにおいて、様々な電極は、誘電体材料又は同様の絶縁体によって互いに電気的に絶縁され得る。
複数の作用電極を特徴とする被検物質センサは、同様に、少なくとも一つの追加の電極を含み得る。一つの追加の電極が存在するとき、一つの追加の電極は、複数の作用電極の各々に対する対/参照電極として機能し得る。二つの追加の電極が存在するとき、追加の電極の一方は、複数の作用電極の各々の対電極として機能してもよく、追加の電極の他方は、複数の作用電極の各々の参照電極として機能してもよい。
図18Aは、本明細書の開示における使用に適合する、例示的な2電極被検物質センサ構成の略図を示す。示すように、被検物質センサ200は、作用電極214と対/参照電極30216との間に配置された基板30212を含む。代わりに、作用電極214及び対/参照電極30216は、誘電体材料を間に挟んで基板30212の同じ側に配置され得る(構成は図示無し)。活性領域218は、作用電極214の少なくとも一部分の上に少なくとも一つの層として配置される。活性領域218は、本明細書においてさらに議論されるように、被検物質(例えば、ケトン類)の検出のために構成された複数のスポット又は単一のスポットを含み得る。特定の実施形態では、活性領域218は、NADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を含む。
さらに図18Aを参照すると、膜220が少なくとも活性領域218を被覆している。特定の実施形態では、膜220は、作用電極214及び/又は対/参照電極30216の一部又は全部、又は被検物質センサ200の全体を被覆し得る。被検物質センサ200の片面又は両面は、膜220に覆われ得る。膜220は、活性領域218への被検物質フラックスを制限する能力を有する一つ以上のポリマー膜材料を含み得る(すなわち、膜220は、対象の被検物質(例えば、ケトン類)に対していくつかの透過性を有する物質移動制限膜である)。本明細書の開示によれば、以下にさらに記載するように、膜220は、特定のセンサ構成では、分岐架橋剤によって架橋され得る。例えば、限定するものではないが、膜220は分岐グリシジルエーテルによって架橋される。膜220の組成及び厚さは、活性領域218への所望の被検物質(例えば、ケトン類)フラックスを促進し、それによって所望の信号強度及び安定性を提供するように変動し得る。被検物質センサ200は、クーロメトリー、アンペロメトリー、ボルタンメトリー、又はポテンショメトリーの電気化学的検出技術のうちのいずれかによって被検物質をアッセイするように動作可能であり得る。
特定の実施形態では、干渉ドメイン及び物質移動制限膜を含む1つ以上の膜が、作用電極の露出された電気活性表面、例えば白金表面の上に堆積される。例えば、限定するものではないが、干渉ドメインが作用電極の上に配置され、活性領域が干渉ドメインの上に配置され、物質移動制限膜が活性領域の上に配置され得る。
図18B及び図18Cは、例示的な3電極被検物質センサ構成の略図を示し、これらはまた、本明細書の開示における使用に適合する。3電極被検物質センサ構成は、被検物質センサ201及び202内に追加の電極217を含むこと(図18B及び図18C)を除き、図18Aの被検物質センサ200として示すものと同様であり得る。追加の電極217を用いると、対/参照電極30216は、次に、対電極又は参照電極のいずれかとして機能してもよく、追加の電極217は、他に説明されない他の電極機能を果たす。作用電極214は、その本来の機能を果たし続ける。追加の電極217は、誘電体材料の分離層を間に挟んで、作用電極214又は電極30216のいずれかの上に配置され得る。例えば、限定するものではないが、図18Bに示すように、誘電体層219a、219b及び219cは、電極214、30216及び217を互いに分離し、電気的絶縁を提供する。代わりに、図18Cに示すように、電極214、30216、及び217の少なくとも1つを基板30212の反対面上に位置させてもよい。従って、特定の実施形態では、電極214(作用電極)及び電極30216(対電極)は、基板30212の反対面上に配置されてもよく、電極217(参照電極)は、電極214又は電極30216の内の一つの上に配置され、誘電体材料によってそれから離間される。参照材料層30230(例えば、Ag/AgCl)は、電極217上に存在してもよく、参照材料層30230の位置は、図18B及び図18Cに示す位置に限定されない。図18Aに示すセンサ200と同様に、被検物質センサ201及び202における活性領域218(ケトン類の検出のための)は、複数のスポット又は単一のスポットを含み得る。加えて、被検物質センサ201及び202は、クーロメトリー、アンペロメトリー、ボルタンメトリー、又はポテンショメトリーの電気化学的検出技術のうちのいずれかによって被検物質をアッセイするように動作可能であり得る。
被検物質センサ200と同様に、膜220はまた、被検物質センサ201及び202において、活性領域218並びに他のセンサ構成要素を覆ってもよく、それによって物質移動制限膜として機能する。特定の実施形態では、追加の電極217は膜220に覆われ得る。図18B及び図18Cは、電極214、30216、及び217が膜220に覆われているように示すが、特定の実施形態では、作用電極214のみが覆われることを認識されたい。さらに、電極214、30216及び217の各々における膜220の厚さは、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。2電極被検物質センサ構成(図18A)におけるように、被検物質センサ201及び202の一方又は両方の面は、図18B及び図18Cのセンサ構成において膜220に覆われてもよく、又は被検物質センサ201及び202の全体が覆われてもよい。従って、図18B及び図18Cに示す3電極センサ構成は、本明細書に開示される実施形態の限定をしないものとして理解されるべきであり、代替の電極及び/又は層の構成は、本開示の範囲内に留まる。
図19Aは、二つの異なる活性領域が上に配置された単一の作用電極を有するセンサ203の例示的な構成を示す。図19Aは、作用電極214上に二つの活性領域、すなわち第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bが存在することを除いて、図18Aと同様であり、これらは異なる被検物質に応答し、作用電極214の表面上で互いに横方向に離間されている。活性領域218a及び218bは、各被検物質の検出のために構成された複数のスポット又は単一のスポットを含み得る。膜220の組成は、活性領域218a及び218bにおいて変化してもよく、又は組成的に同じであってもよい。第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bは、以下でさらに議論されるように、互いに異なる作用電極電位においてそれらの対応する被検物質を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、活性領域218a及び218bのいずれか一方又はその両方は、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、活性領域218a及び218bのいずれか一方のみが、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成される。特定の実施形態では、他の活性領域が、第2の被検物質、例えば乳酸塩、グルコース、クレアチニン、及び/又は酸素を検出するように構成される。特定の実施形態では、第2の被検物質はグルコースである。
図19B及び図19Cは、それぞれセンサ204及び205のための例示的な3電極センサ構成の断面図を示し、各々は、上に配置された第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bを有する単一の作用電極を特徴とする。図19B及び図19Cは、その他の点では図18B及び図18Cと同様であり、それらを参照することによってより理解され得る。図19Aと同様に、膜220の組成は、活性領域218a及び218bにおいて変化してもよく、又は組成的に同じであってもよい。
複数の作用電極、具体的には二つの作用電極を有する例示的なセンサ構成が、図4~図21Cを参照してさらに詳細に記載される。以下の説明は、主に、二つの作用電極を有するセンサ構成を対象とするが、本明細書の開示の拡張によって、二つより多くの作用電極が組み込まれ得ることを理解されたい。第1の被検物質及び第2の被検物質だけでなく、例えば第3及び/又は第4の被検物質の検出のためのさらなる検知能力を被検物質センサに付与するために、追加の作用電極が用いられ得る。
図4は、本明細書の開示における使用に適合する、二つの作用電極、参照電極及び対電極を有する例示的な被検物質センサ構成の断面図を示す。示すように、被検物質センサ300は、基板302の反対面上に配置された作用電極304及び306を含む。第1の活性領域310aは、作用電極304の表面上に配置され、第2の活性領域310bは、作用電極306の表面上に配置される。対電極320は、誘電体層322によって作用電極304から電気的に絶縁されており、参照電極321は、誘電体層323によって作用電極306から電気的に絶縁されている。外側誘電体層330及び332は、それぞれ参照電極321及び対電極320上に配置される。膜340は、様々な実施形態によれば、少なくとも活性領域310a及び310bを覆ってもよく、被検物質センサ300の他の構成要素又は被検物質センサ300の全体も、任意で、第1の膜部分340a及び/又は第2の膜部分340bに同様に覆われる。さらに、膜340は連続であってよいが、各々の位置における被検物質フラックスを別個に調節するための異なる透過性値を可能にするために、第1の膜部分340aと第2の膜部分340bとの中で(すなわち、活性領域310aと310bの上で)組成的に変動し得る。例えば、異なる膜配合物を、被検物質センサ300の反対面に噴霧及び/又は印刷し得る。特に活性領域310a及び310bの一方の上に二層膜の少なくとも一部を堆積させるために、ディップコーティング技術も適切であり得る。従って、本開示の特定の実施形態によれば、第1の膜部分340aと第2の膜部分340bの一方は二層膜を備えてもよく、第1の膜部分340aと第2の膜部分340bの他方は単一の膜ポリマーを備えてもよい。被検物質センサ200、201、及び202と同様に、被検物質センサ300は、クーロメトリー、アンペロメトリー、ボルタンメトリー、又はポテンショメトリーによる電気化学的検出技術のいずれかによってケトン類(及び/又は第2の被検物質)をアッセイするために動作可能であり得る。特定の実施形態では、被検物質センサは1つの膜340より多く、例えば2つ以上の膜を含み得る。例えば、限定するものではないが、被検物質センサは、1つ以上の活性領域、例えば310a及び310aを被覆する膜、及び図20に示すようにセンサ全体を被覆するさらなる膜を含み得る。特定の実施形態では、活性領域310a及び310bのいずれか一方又はその両方は、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、活性領域310a及び310bのいずれか一方のみが、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成される。特定の実施形態では、他の活性領域が、第2の被検物質を検出するように構成される。特定の実施形態では、第2の被検物質はグルコースである。
複数の作用電極を有し、図20に示す構成とは異なる代替的なセンサ構成は、別の対電極及び参照電極320、321の代わりに対/参照電極を特徴としてもよく、及び/又は明示的に示されるものとは異なる層及び/又は膜の配置を特徴としてもよい。例えば、限定ではないが、対電極320及び参照電極321の位置は、図20に示すものと反対であり得る。さらに、作用電極304及び306は、必ずしも図20に示す位置のように基板302の反対面上に存在する必要はない。
好適なセンサ構成は、特性として実質的に平面である電極を特徴とすることができるが、非平面の電極を特徴とするセンサ構成が有利であってもよく、特に本明細書の開示における使用のために好適であり得ることを認識されたい。特に、相互に同心円状に配置された実質的に円筒状の電極は、以下に記載するように、物質移動制限膜の堆積を容易にし得る。特に、センサ尾部の長さに沿って間隔を空けて配置された同心円状の作用電極は、実質的に平面状のセンサ構成について上述と同様の様式で、連続的なディップコーティング操作による膜堆積を容易にし得る。図21A~21Cは、相互に同心円状に配置された2つの作用電極を特徴とする被検物質センサの斜視図を示す。同心円状の電極配置を有するが第2の作用電極を有しないセンサ構成も本開示で可能であることを認識されたい。
図21Aは、複数の電極が実質的に円筒状であり、中心基板に対して相互に同心円状に配置された例示的なセンサ構成の斜視図を示す。示すように、被検物質センサ400は、その周囲に全ての電極及び誘電体層が相互に同心円状に配置された中心基板402を含む。特に、作用電極410が中心基板402の表面上に配置され、誘電体層412がセンサ先端404に対して遠位の作用電極410の一部の上に配置されている。作用電極420が誘電体層412の上に配置され、誘電体層422がセンサ先端404に対して遠位の作用電極420の一部の上に配置されている。対電極430が誘電体層422の上に配置され、誘電体層432がセンサ先端404に対して遠位の対電極430の一部の上に配置されている。参照電極440が誘電体層432の上に配置され、誘電体層442がセンサ先端404に対して遠位の参照電極440の一部の上に配置されている。従って、作用電極410、作用電極420、対電極430、及び参照電極440の露出した表面は被検物質センサ400の長手方向の軸線Bに沿って互いに離間している。
さらに図21Aを参照して、異なる被検物質又は同じ被検物質に関与する第1の活性領域414a及び第2の活性領域414bが、それぞれ作用電極410及び420の露出した表面の上に配置され、それにより、検知のために流体との接触が起こることを可能にする。特定の実施形態では、活性領域414aと414bのいずれか一方又は両方は、例えばNADHオキシダーゼとβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、活性領域414a及び414bのいずれか一方のみが、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを備える酵素系を用いることによってケトン類を検出するように構成される。特定の実施形態では、他の活性領域が、第2の被検物質を検出するように構成される。特定の実施形態では、第2の被検物質はグルコースである。図21Aでは活性領域414a及び414bは3つの別個のスポットとして示されているが、代替のセンサ構成では活性領域の連続層を含む3つより少ない又は多いスポットが存在し得ることを理解されたい。
図21Aでは、センサ400は作用電極410及び420及びその上に配置された活性領域414a及び414bの上で膜450によって部分的に被覆されている。図21Bは、センサ401の実質的に全部が膜450によって被覆されている代替のセンサ構成を示す。膜450は、活性領域414a及び414bにおいて同じであってもよく又は組成的に異なっていてもよい。例えば、膜450は活性領域414aを被覆する二層膜を含んでよく、活性領域414bを被覆する均一な膜であってもよい。
図21A及び21Bにおける様々な電極の位置決めは明示的に示されたものと異なってもよいことをさらに理解されたい。例えば、対電極430及び参照電極440の位置は図21A及び21Bに示した構成から逆にしてもよい。同様に、作用電極410及び420の位置は、図21A及び21Bに明示的に示した位置に限定されない。図21Cは、図21Bに示したセンサ構成の代替を示し、ここではセンサ405は、センサ先端404に対してより近位に位置する対電極430及び参照電極440、及びセンサ先端404に対してより遠位に位置する作用電極410及び420を含む。作用電極410及び420がセンサ先端404に対してより遠位に位置するセンサ構成は、活性領域414a及び414bの堆積のためのより広い表面積を提供し(図21Cでは5つの別個の検知スポットを例示的に示している)、それによりいくつかの場合に信号強度の増大を容易にすることによって、有利であり得る。同様に、本明細書に開示した任意の同心円状センサ構成において中心基板402を省略することができ、その場合には最も内側の電極が代わりに、続いて堆積する層を支持し得る。
特定の実施形態では、電極はワイヤー電極である。特定の実施形態では、センサ尾部は作用電極及び作用電極の周囲にらせん状に巻かれた参照電極を備える。特定の実施形態では、絶縁体が作用電極と参照電極との間に配置される。特定の実施形態では、電極の一部は、以下に記載するように電極上での1つ以上の酵素と被検物質との反応を可能にするように露出される。特定の実施形態では、各々の電極は約25.4マイクロメートル(0.001インチ)以下から約254マイクロメートル(0.010インチ)以上までの直径を有する細いワイヤーから形成される。特定の実施形態では、作用電極は約25.4マイクロメートル(0.001インチ)以下から約254マイクロメートル(0.010インチ)以上、例えば約50.8マイクロメートル(0.002インチ)~約203マイクロメートル(0.008インチ)、又は約102マイクロメートル(0.004インチ)~約127マイクロメートル(0.005インチ)の直径を有する。特定の実施形態では、電極は、めっきされた絶縁体、めっきされたワイヤー又はバルクの導電性材料から形成される。特定の実施形態では、作用電極は、例えば白金、白金-イリジウム、パラジウム、グラファイト、金、炭素、導電性ポリマー、合金、その他の導電性材料から形成されたワイヤーを備える。特定の実施形態では、電極は様々な製造技術(例えばバルク金属処理、基材上への金属の堆積、その他)によって形成することができ、電極はめっきされたワイヤー(例えばスチールワイヤー上の白金)又はバルク金属(例えば白金ワイヤー)から形成することができる。特定の実施形態では、電極は白金で被覆されたタンタルワイヤーから形成される。
特定の実施形態では、参照電極単独として又は参照電極及び対電極の二重電極として機能し得る参照電極は、銀、銀/塩化銀等から形成される。特定の実施形態では、参照電極は作用電極とともに又はその周囲に並置され及び/又はねじられる。特定の実施形態では、参照電極は作用電極の周囲にらせん状に巻きつけられる。特定の実施形態では、絶縁性アタッチメントを提供するために、ワイヤーのアセンブリを絶縁材料とともに被覆又は接着してもよい。
特定の実施形態では、追加の電極をセンサ尾部に含ませてよい。例えば、限定するものではないが、3電極システム(作用電極、参照電極、及び対電極)及び/又は追加の作用電極(例えば第2の被検物質を検出するための電極)。センサが2つの作用電極を備える特定の実施形態では、2つの作用電極が並置され、その周囲に参照電極が配置されてよい(例えば2つ以上の作用電極の周囲にらせん状に巻きつけられる)。特定の実施形態では、2つ以上の作用電極は互いに平行に延在してよい。特定の実施形態では、参照電極は作用電極の周囲に巻回され、センサ尾部の遠位端(すなわちインビボ端)に向かって延在する。特定の実施形態では、参照電極は作用電極の露出された領域に(例えばらせん状に)延在する。
特定の実施形態では、1つ以上の作用電極は参照電極の周囲にらせん状に巻きつけられている。2つ以上の作用電極が提供される特定の実施形態では、作用電極は、センサ尾部の長さに沿って二重、三重、四重等のらせん構成(例えば参照電極、絶縁されたロッド又はその他の支持構造を包囲する)に形成され得る。特定の実施形態では、電極、例えば2つ以上の作用電極は同軸上に形成される。例えば、限定するものではないが、電極は全て同じ中心軸線を共有する。
特定の実施形態では、作用電極は、その間に絶縁体を含んでその中に参照電極が配置又は巻回された管を備える。代わりに、参照電極が、その間に絶縁体を含んでその中に作用電極が配置又は巻回された管を備える。特定の実施形態では、ポリマー(例えば絶縁性の)ロッドが提供され、1つ以上の電極(例えば1つ以上の電極層)が(例えば電気めっきによって)その上に配置される。特定の実施形態では、(本明細書に記載した)絶縁材料で被覆され、その上に1つ以上の作用電極及び参照電極が配置された金属(例えばスチール又はタンタル)ロッド又はワイヤーが提供される。例えば、限定するものではないが、本開示は1つ以上のタンタルワイヤーを備えるセンサ、例えばセンサ尾部を提供し、白金が1つ以上のタンタルワイヤーの一部の上に配置されて作用電極として機能する。特定の実施形態では、白金被覆したタンタルワイヤーが絶縁材料で覆われ、絶縁材料は参照及び/又は対電極として機能する銀/塩化銀組成物で部分的に覆われている。
絶縁体が作用電極の上(例えば電極の白金表面の上)に配置される特定の実施形態では、絶縁体の一部を剥離し又は他の方法で除去して、作用電極の電気活性表面を露出することができる。例えば、限定するものではないが、絶縁体の一部は、手、エキシマレーザ、化学的エッチング、レーザアブレーション、グリットブラスト、その他によって除去され得る。代わりに、電極の一部は、露出された電気活性表面領域を維持するために絶縁体の堆積前にマスクされ得る。特定の実施形態では、剥離及び/又は除去された絶縁体の一部は、長さ約0.1mm(約0.004インチ)以下から約2mm(約0.078インチ)以上、例えば長さ約0.5mm(約0.02インチ)から約0.75mm(0.03インチ)であってよい。特定の実施形態では、絶縁体は非導電性ポリマーである。特定の実施形態では、絶縁体はパリレン、フッ素化ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリイミド、及びその他の非導電性ポリマーを備える。特定の実施形態では、ガラス又はセラミック材料を絶縁体層に用いることもできる。特定の実施形態では、絶縁体はパリレンを備える。特定の実施形態では、絶縁体はポリウレタンを備える。特定の実施形態では、絶縁体はポリウレタン及びポリビニルピロリドンを備える。
本開示の被検物質センサの活性領域及び膜のいくつかの成分を以下にさらに記載する。
2.酵素
本開示の被検物質センサの活性領域は、1つ以上の被検物質を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは2つ以上の活性領域を含んでよく、各々の活性領域は同じ被検物質又は異なる被検物質を検出するように構成される。開示された被検物質センサを用いて検出され得る被検物質の非限定的な例には、ケトン類、グルコース、酸素、クレアチニン、アルコール、例えばエタノール、及び乳酸塩が含まれる。特定の実施形態では、被検物質は1つ以上のケトン類である。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、ケトン類応答性活性領域、グルコース応答性活性領域、乳酸塩応答性活性領域、クレアチニン応答性活性領域、アルコール応答性活性領域、又はそれらの組合せを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、ケトン類を検出するための1つ以上の酵素を含み得る。特定の実施形態では、グルコース応答性活性領域は、グルコースを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。特定の実施形態では、乳酸塩応答性活性領域は、乳酸塩を検出するための1つ以上の酵素を含み得る。特定の実施形態では、クレアチニン応答性活性領域は、クレアチニンを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。特定の実施形態では、アルコール応答性活性領域は、アルコールを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。特定の実施形態では、活性領域は、被検物質に集合的に応答する2つ以上の酵素を備える酵素系を含み得る。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、ケトン類を検出するように構成された少なくとも1つの活性領域を含む。ケトン類を検出するために使用され得る特定の酵素系が、図22に記載される。示した酵素反応において、β-ヒドロキシブチレートは、インビボで形成されたケトン類の代用物として働く。図22に示すように、1対の協奏的な酵素が、本明細書の開示によってケトン類を検出するために使用され得る。例えば、限定するものではないが、1対の協奏的酵素は、デヒドロゲナーゼ及びオキシダーゼを含み得る。特定の実施形態では、デヒドロゲナーゼはβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼである。特定の実施形態では、オキシダーゼはNADHオキシダーゼである。酵素共因子NAD+及びNADHは、本明細書で開示し、図22に示す協奏的酵素反応の促進を助ける。ケトン類応答性活性領域がこの1対の協奏的酵素を含むときに、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ(HBDH)は、β-ヒドロキシブチレート及び酸化されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をそれぞれアセトアセテート及び還元されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)に変換し得る。次に、NADHオキシダーゼ(NADHOx)は、分子状酸素とNADHとの反応を触媒して、過酸化水素及びNAD+を生成し得る。次に、過酸化水素はアノード、すなわち作用電極において以下の式に従って触媒的に酸化され得る。
H2O2→2H++O2+2e-[1]
この反応の間に移動した電子は作用電極におけるケトンの検出の基礎を提供し、酸化還元メディエータの必要性を排除する。次に、得られた電気化学信号をサンプル中に最初に存在していたケトン類の量に相関させることができる。
特定の実施形態では、作用電極は、過酸化水素を酸化することができる金属を備える。特定の実施形態では、作用電極は、白金、白金合金、炭素、又はそれらの組合せを備え得る。特定の実施形態では、作用電極は白金電極である。特定の実施形態では、作用電極は白金-炭素混合物を含み得る。
β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備えるケトン検知酵素系は、以前に開示された酵素系に対していくつかの利点を提供する。例えば、酵素系は、電子移動剤、例えばオスミウム錯体等の酸化還元メディエータの使用の必要性を排除する。さらに、NADHの不可逆的酸化を防止するためにより低い電位が使用され得る。例えば、以前に開示されたシステムは、Ag/AgCl参照に対して約+0.7Vの電位の印加を必要とする。この電位ではNADHも不可逆的に酸化され、これは望ましくない。本明細書で開示するように、Ag/AgCl参照に対して約+0.7V未満の電位、例えばAg/AgCl参照に対して約+0.6V未満、約+0.5V未満、又は約+0.4V未満の電位が、本開示のセンサ(例えば作用電極又は酵素系)に印加される。特定の実施形態では、本開示の酵素系に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.2V~約+0.5V、例えばAg/AgCl参照に対して約+0.3V~約+0.4Vである。特定の実施形態では、本開示の酵素系に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.35Vである。この電位では、NADHは酸化されず、例えば不可逆的に酸化されない。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、少なくとも1つの作用電極及び作用電極の表面上に配置されたケトン類応答性活性領域(例えば活性領域218又は310a)を備えるセンサ尾部を含んでもよく、ケトン類応答性活性領域はデヒドロゲナーゼ及びオキシダーゼを備える酵素系を含む。特定の実施形態では、酵素系はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを含む。特定の実施形態では、酵素系は本質的にβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼからなる。特定の実施形態では、酵素系はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼからなる。特定の実施形態では、酵素系はスーパーオキシドジスムターゼを含まない。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、約2:1又は約1:1のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約5:1~約1:5のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約3:1~約1:3のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼとの比を含み得る。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約80%、例えば重量で約15%~約75%、約20%~約70%、約25%~約65%、又は約30%~約60%の酵素系の1つ以上の酵素、例えばβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及び/又はNADHオキシダーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約80%、例えば重量で約15%~約75%、約20%~約70%、約25%~約65%、約30%~約60%、約20%~約60%、又は約20%~約50%の酵素系の両方の酵素、例えばβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約80%、例えば重量で約15%~約75%、約20%~約70%、約25%~約65%、又は約30%~約60%のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約80%、例えば重量で約15%~約75%、約20%~約70%、約25%~約65%、又は約30%~約60%のNADHオキシダーゼを含み得る。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約15%~約35%の酵素系の1つの酵素、例えばβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及び/又はNADHオキシダーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約50%、例えば重量で約15%~約45%、約20%~約40%、約20%~約35%、又は約20%~約30%のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約15%~約35%のβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約50%、例えば重量で約15%~約45%、約20%~約40%、約20%~約35%、又は約20%~約30%のNADHオキシダーゼを含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約15%~約35%のNADHオキシダーゼを含み得る。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、例えば酵素を安定化するための安定剤をさらに含み得る。例えば、限定するものではないが、安定剤はアルブミン、例えば血清アルブミンであり得る。血清アルブミンの非限定的な例には、ウシ血清アルブミン及びヒト血清アルブミンが含まれる。特定の実施形態では、安定剤はヒト血清アルブミンである。特定の実施形態では、安定剤はウシ血清アルブミンである。特定の実施形態では、安定剤はカタラーゼであり得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の安定剤と酵素系の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の安定剤と酵素系の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及びβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の安定剤とNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の安定剤とNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の安定剤とβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の安定剤とβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約50%、例えば約15%~約45%、約20%~約40%、約20%~約35%、又は約20%~約30%の安定剤を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約15%~約35%の安定剤を含み得る。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、本明細書で開示した酵素系の酵素のための共因子(又はその誘導体)をさらに含み得る。共因子の非限定的な例には、NADH又はNADPH又はそれらの誘導体が含まれる。特定の実施形態では、共因子はNADH又はその誘導体である。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の共因子とNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の共因子とNADHオキシダーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の共因子とβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の共因子とβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約10%~約50%、例えば重量で約15%~約45%、約20%~約40%、約20%~約35%、約20%~約30%の共因子を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約15%~約35%の共因子を含み得る。特定の実施形態では、共因子、例えばNADHは、ケトン類応答性活性領域の中に物理的に保持され得る。例えば、限定するものではないが、ケトン類応答性活性領域を被覆する膜は、ケトン類の検出を可能にするために十分なケトン類の内方拡散を可能にする一方で、ケトン類応答性活性領域の中に共因子を保持することを助けることができる。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、作用電極の一部の上に配置される。例えば、限定するものではないが、ケトン類応答性活性領域は、スポットパターン、例えば作用電極の上の2つ以上のスポットで、作用電極の一部の上に配置される。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、スロット状のパターンで作用電極の一部の上に配置される。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、作用電極の全長の上に、又は作用電極上の連続したパターンで、配置される。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約0.01mm2~約2.0mm2、例えば約0.1mm2~約1.0mm2、又は約0.2mm2~約0.5mm2の面積を有する。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、例えばケトン類応答性活性領域と同じ作用電極上に、又は第2の作用電極上に、ケトン類とは異なる被検物質を検出するための第2の活性領域を含み得る。特定の実施形態では、第2の活性領域は、グルコース応答性活性領域、乳酸塩応答性活性領域、クレアチニン応答性活性領域、又はアルコール応答性活性領域である。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサの第2の活性領域は、グルコースを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、例えば第2の作用電極上に配置された、グルコースを検出するための1つ以上の酵素を備える活性領域(例えば第2の活性領域)を含み得る。特定の実施形態では、被検物質センサは、グルコースを検出するためのグルコースオキシダーゼ及び/又はグルコースデヒドロゲナーゼを備える活性部位を含み得る。特定の実施形態では、グルコースは、産生物としてH2O2を産生する、第2の活性領域に存在するグルコースオキシダーゼを利用して検出され得る。H2O2は第2の作用電極の電気化学的反応性表面、例えば白金表面と反応して、検出可能な電流を発生する。
特定の実施形態では、第2の活性領域は、乳酸塩を検出するための1つ以上の酵素を含み得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、例えば第2の作用電極上に配置された、乳酸塩を検出するための1つ以上の酵素(例えば、酵素系)を備える活性領域(例えば第2の活性領域)を含み得る。特定の実施形態では、被検物質センサは、乳酸塩デヒドロゲナーゼ及び/又は乳酸塩オキシダーゼを備える活性部位を含み得る。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサの例えば第2の作用電極上に存在する第2の酵素応答性活性領域は、アルコールを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、例えば第2の作用電極上に配置された、アルコールを検出するための1つ以上の酵素(例えば、酵素系)を備える活性領域(例えば第2の活性領域)を含み得る。特定の実施形態では、被検物質センサは、アルコールデヒドロゲナーゼを備える活性部位を含み得る。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサの例えば第2の作用電極上に存在する第2の酵素応答性活性領域は、クレアチニンを検出するための1つ以上の酵素を含み得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、例えば第2の作用電極上に配置された、クレアチニンを検出するための1つ以上の酵素(例えば、酵素系)を備える活性領域(例えば第2の活性領域)を含み得る。特定の実施形態では、被検物質センサは、アミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、及び/又はサルコシンオキシダーゼを備える活性部位を含み得る。
特定の実施形態では、被検物質センサは、2つの作用電極、例えば第1の作用電極上に配置された第1の活性領域及び第2の作用電極上に配置された第2の活性領域を含み得る。特定の実施形態では、第1の活性領域及び第2の活性領域は異なる被検物質を検出するように構成されている。特定の実施形態では、第1の活性領域はケトン類を検出するように構成されている。特定の実施形態では、第2の活性領域は、ケトン類とは異なる被検物質、例えばグルコース、クレアチニン、乳酸塩、及び/又はアルコールを検出するように構成されている。例えば、限定するものではないが、本明細書で開示される被検物質センサは、第1の作用電極の表面上のケトン類応答性活性領域及び異なる作用電極、例えば第2の作用電極の表面上の異なる被検物質を検出するように構成された第2の活性領域、例えばグルコース応答性活性領域を特徴とし得る。特定の実施形態では、そのような被検物質センサは、少なくとも第1の作用電極及び第2の作用電極を有するセンサ尾部、第1の作用電極の表面上に配置されたケトン類応答性活性領域、及び第2の作用電極の表面上に配置されたグルコース応答性酵素を備えるグルコース応答性活性領域を含み得る。例えば、限定するものではないが、センサが2つ以上の被検物質を検出するように構成されるときには、各々の被検物質の検出は、各々の作用電極に個別に電位を印加し、それにより各々の被検物質から個別の信号が得られるようにすることを含み得る。次に、各々の被検物質から得られた信号を、較正曲線又は関数の使用によって、又はルックアップテーブルを採用することによって、被検物質濃度に相関され得る。特定の実施形態では、被検物質信号と被検物質濃度との相関は、プロセッサの使用によって実施され得る。
特定の他の被検物質センサの構成では、第1の活性領域及び第2の活性領域は単一の作用電極の上に配置され得る。第1の信号は、第1の活性領域から例えば低い電位で得ることができ、両方の活性領域からの信号の寄与を含む第2の信号は、高い電位で得ることができる。次に、第2の信号から第1の信号を差し引くことによって、第2の被検物質から生じる信号寄与を決定することが可能になる。次に、各々の被検物質からの信号寄与を、複数の作用電極を有するセンサ構成について記載した様式と同様の様式で被検物質濃度と相関させることができる。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域及び異なる被検物質を検出するように構成された第2の活性領域、例えばグルコース応答性活性領域がこの様式で単一の作用電極の上に配置されるときに、活性領域の1つは、各々の被検物質の検出を容易にするように別々に応答することができるように構成され得る。例えば、ケトン類応答性活性領域又はグルコース応答性活性領域は、他の活性領域とは独立に信号を生成し得る。
各々の被検物質に向けられた被検物質センサの感度(出力電流)は、活性領域の被覆(面積又は大きさ)、相互に対する活性領域の面積比、同一性、活性領域を被覆する物質移動制限膜の厚さ及び/又は組成を変更することによって変動し得ることも理解されたい。本明細書の開示の恩恵が認められれば、これらのパラメータの変化は当業者によって容易に実施することができる。
3.酸化還元メディエータ
特定の実施形態では、本明細書で開示する被検物質センサは電子移動剤を含み得る。上で論じたように、本明細書で開示した例示的なセンサ構成のいずれかにおけるケトン類応答性活性領域の組成、例えば酵素組成及び作用電極の組成により、電子移動剤はケトン類応答性活性領域に含まれない。例えば、限定するものではないが、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを含む酵素系を備えるケトン類応答性活性領域は、電子移動剤、例えば酸化還元メディエータ、例えばオスミウム酸化還元メディエータを含まない。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサの中に存在する別の被検物質、例えばグルコースを検出するように構成された活性領域は、電子移動剤を含み得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、少なくとも第1の作用電極及び第2の作用電極を有するセンサ尾部、第1の作用電極の表面上に配置されたβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備えるケトン類応答性活性領域、第2の作用電極の表面上に配置されたグルコース応答性酵素及び電子移動剤を備えるグルコース応答性活性領域を含み得る。特定の実施形態では、第1の作用電極は白金を備え、ケトン類応答性活性領域は電子移動剤を含まない。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域はケトンの存在下で過酸化水素を発生し、これは白金を備える作用電極の表面において電子移動剤を必要とせずに直接酸化されて、例えばサンプル中のケトン類の濃度と相関する検出可能な電流を生じる。代わりに又はさらに、特定の実施形態では、第2の作用電極は白金を備え、第2の作用電極の上に配置されたグルコース応答性活性領域は電子移動剤を含まない。特定の実施形態では、グルコース応答性活性領域はグルコースの存在下で過酸化水素を発生し、これは白金を備える作用電極の表面において電子移動剤を必要とせずに直接酸化されて、例えばサンプル中のグルコースの濃度と相関する検出可能な電流を生じる。
適切な電子移動剤は、被検物質が対応する活性領域内で酵素的酸化還元反応を受けた後に、隣接する作用電極への電子の伝達を容易にすることができ、それによって特定の被検物質の存在を示す電流を生成することができる。生成される電流の量は、存在する被検物質の量に比例する。
特定の実施形態では、適切な電子移動剤は、標準カロメル電極(SCE)の酸化還元電位より数百ミリボルト高い又は低い酸化還元電位を有する電気還元可能及び電気酸化可能なイオン、錯体又は分子(例えば、キノン)を含み得る。特定の実施形態では、酸化還元メディエータは、オスミウム錯体及びその他の遷移金属錯体、(例えば、参照によりその全体が本願明細書に援用される米国特許第6,134,461号及び同第6,605,200号に記載される)を含み得る。適切な酸化還元メディエータの更なる例は、米国特許第6,736,957号、同第7,501,053号、及び同第7,754,093号に記載されているものを含み、これらの各々の開示はまた、参照によりその全体が本明細書に援用される。他の適切な酸化還元メディエータの例は、ルテニウム、オスミウム、鉄(例えば、ポリビニルフェロセン又はヘキサシアノ鉄酸塩)、又はコバルトの金属化合物又は錯体(例えば、それらのメタロセン化合物を含む)を含む。金属錯体のための適切な配位子は、例えば、ビピリジン、ビイミダゾール、フェナントロリン、又はピリジル(イミダゾール)のような二座以上の配位子も含み得る。他の適切な二座配位子は、例えば、アミノ酸、シュウ酸、アセチルアセトン、ジアミノアルカン、又はo-ジアミノアレーンを含み得る。単座配位子、二座配位子、三座配位子、四座配位子、又はより高い座数の配位子の任意の組合せが、完全な配位圏を達成するように金属錯体中に存在し得る。
特定の実施形態では、本明細書で開示する電子移動剤は、以下にさらに論じるように、活性領域の中のポリマー(本明細書でポリマー骨格と称する)への共有結合を促進するために好適な官能基を備え得る。例えば、限定するものではないが、本開示における使用のための電子移動剤は、ポリマーに結合した電子移動剤を含み得る。適切なポリマー結合電子移動剤の非限定的な例は、米国特許第8,444,834号、同第8,268,143号、及び同第6,605,201号に記載されるものを含み、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。特定の実施形態では、電子移動剤は、本明細書に記載したポリマー、例えば以下のセクション4に記載したポリマー骨格に結合した二座のオスミウム錯体である。特定の実施形態では、米国特許第8,444,834号の図3に示されたポリマー結合電子移動剤が、本開示のセンサにおいて使用され得る。
4.ポリマー骨格
特定の実施形態では、被検物質の検出を促進するための1つ以上の活性部位は、酵素及び/又は酸化還元メディエータが共有結合しているポリマーを含み得る。任意の好適なポリマー骨格が、酵素及び/又は酸化還元メディエータのそれへの共有結合を介した被検物質の検出を容易にするために、活性領域の中に存在し得る。活性領域の中の好適なポリマーの非限定的な例は、例えば四級化ピリジン基が酸化還元メディエータ又は酵素のそれへの結合点として働く、ポリビニルピリジン類、例えばポリ(4-ビニルピリジン)及び/又はポリ(2-ビニルピリジン)、及びポリビニルイミダゾール類、例えばポリ(N-ビニルイミダゾール)及びポリ(1-ビニルイミダゾール)、又はそれらのコポリマーを含む。活性領域に含めるために好適であり得る例示的なコポリマーは、例えばスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はアクリロニトリル等のモノマー単位を含むものを含む。特定の実施形態では、活性領域の中に存在し得るポリマーは、ポリウレタン又はそのコポリマー及び/又はポリビニルピロリドンを含む。特定の実施形態では、活性領域に存在し得るポリマーは、限定されないが、ポリ(アクリル酸)、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GANTREZポリマー)、ポリ(ビニルベンジルクロリド)、ポリ(アリルアミン)、ポリリジン、カルボキシペンチル基で四級化されたポリ(4-ビニルピリジン)、及びポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)のような、米国特許第6,605,200号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているものを含む。被検物質センサが2つの活性部位を含む特定の実施形態では、各々の活性領域の中のポリマーは同じでも異なっていてもよい。
特定の実施形態では、ポリマーはポリビニルピリジン又はそのコポリマーである。特定の実施形態では、ポリマーはビニルピリジンとスチレンのコポリマーである。
特定の実施形態では、NADHオキシダーゼを含む複数の酵素を含む酵素系が所与の活性領域に存在するときに、複数の酵素の全てがポリマーに共有結合していてよい。特定の他の実施形態では、複数の酵素の一部のみがポリマーに共有結合している。例えば、限定するものではないが、酵素系の中の1つ以上の酵素がポリマーに共有結合してもよく、少なくとも1つの酵素がポリマーと非共有結合してもよく、それにより非共有結合した酵素がポリマーの中に物理的に保持されていてよい。特定の実施形態では、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼは、開示された被検物質センサのケトン類応答性活性領域の中でポリマーに共有結合され得る。特定の実施形態では、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼがポリマーに共有結合してもよく、NADHオキシダーゼがポリマーと非共有結合してもよい。代わりに、NADHオキシダーゼがポリマーに共有結合し、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼがポリマーと非共有結合してもよい。特定の実施形態では、NAD+がポリマーに共有結合していてよい。特定の実施形態では、NAD+がポリマーに共有結合していない。NAD+がポリマーに共有結合していない特定の実施形態では、NAD+はケトン類応答性活性領域の中に物理的に保持され得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域を被覆する膜は、ケトン類の検出を可能にするために十分なケトン類の内方拡散を依然として可能にしながら、ケトン類応答性活性領域の中にNAD+を保持することを助けることができる。ケトン類応答性活性領域を被覆するために好適な膜ポリマーについては、本明細書でさらに論じる。
代わりに又はさらに、活性領域、例えばケトン類応答性活性領域は、ポリビニルピリジン又はビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含まない。特定の実施形態では、活性領域の中に存在する1つ以上の酵素は、安定剤の存在下で、本明細書に記載したように、架橋剤の使用によって活性領域の中に固定され得る。例えば、限定するものではないが、本開示のケトン類応答性活性領域の中の1つ以上の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼは、架橋剤、例えばポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いることによって活性領域の中に固定され得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域の中の1つ以上の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼは、架橋剤を用いることによって、活性領域の中の安定剤に共有結合することができる。特定の実施形態では、安定剤は血清アルブミン、例えばウシ血清アルブミン(BSA)である。
特定の実施形態では、所与の活性領域におけるポリマー及び/又は安定剤への1つ以上の酵素及び/又は酸化還元メディエータの共有結合は、好適な架橋剤によって導入される架橋を介して起こり得る。好適な架橋剤は、それだけに限らないが、ビニル、アルコキシ、アセトキシ、エノキシ、オキシム、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、アクリレート、エポキシド、及びイソシアナート基等の1つ以上の架橋可能な官能基を含み得る。特定の実施形態では、架橋剤は1つ以上、2つ以上、3つ以上、又は4つ以上のエポキシド基を備える。例えば、限定するものではないが、本開示を用いるための架橋剤は、モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラ-エチレンオキシドを含み得る。特定の実施形態では、酵素中の遊離アミノ基との(例えばリジン中の遊離側鎖アミンとの)反応のための架橋剤は、例えばポリエチレングリコールジブチルエーテル類、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル類、ポリアルキレングリコールアリルメチルエーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、又はその他のポリエポキシド類、塩化シアヌル、N-ヒドロキシスクシンイミド、イミドエステル類、エピクロロヒドリン、又はそれらの誘導体化バリアント等の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、架橋剤は、例えば約200~1000、例えば約400の平均分子量(Mn)を有するPEGDGEである。特定の実施形態では、架橋剤はPEGDGE400である。特定の実施形態では、架橋剤はグルタルアルデヒドであり得る。酵素中の遊離のカルボン酸基との反応のために好適な架橋剤は、例えばカルボジイミド類を含み得る。特定の実施形態では、ポリマー又は安定剤への酵素の架橋は、一般に分子間である。
特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1の架橋剤と酵素系の1つ以上の又は両方の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約5:1~約1:5の架橋剤と酵素系の1つ以上の又は両方の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約3:1~約1:3の架橋剤と酵素系の1つ以上の又は両方の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、約2:1~約1:2の架橋剤と酵素系の1つ以上の又は両方の酵素、例えばNADHオキシダーゼ及び/又はβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとの比を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約5%~約50%の架橋剤を含み得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、重量で約5%~約20%、例えば重量で約10%~約15%の架橋剤を含み得る。
5.物質移動制限膜
特定の実施形態では、本明細書で開示される被検物質センサは、被検物質に対して透過性があり、少なくとも活性領域、例えば第1の活性領域及び/又は第2の活性領域を被覆する膜をさらに含む。
特定の実施形態では、被検物質応答性活性領域を被覆する膜は、物質移動制限膜として、及び/又は生体適合性を改善するために、機能し得る。物質移動制限膜は、被検物質の物質移動の速度を低減するための拡散制限バリアとして作用し得る。例えば、限定するものではないが、物質移動制限膜によって被検物質応答性活性領域への被検物質、例えばケトンのアクセスを制限することによって、センサの過負荷(飽和)を避けることに役立ち、それにより、検出性能及び精度を改善し得る。
特定の実施形態では、物質移動制限膜は均一であってよく、単一成分であってよい(単一膜ポリマーを含む)。代わりに、物質移動制限膜は多成分であってよい(2つ以上の異なる膜ポリマーを含む)。特定の実施形態では、物質移動制限膜は、2つ以上の層、例えば二層又は三層の膜を含み得る。特定の実施形態では、各々の層は異なる濃度又は厚さで、異なるポリマー又は同じポリマーを備え得る。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆われていてもよく、第2の被検物質応答性活性領域は単一の膜で覆われていてもよい。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆われていてもよく、第2の被検物質応答性活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆われていてもよい。
特定の実施形態では、物質移動制限膜は、ヘテロ環窒素基を含む架橋ポリマーを含み得る。特定の実施形態では、物質移動制限膜は、ポリビニルピリジン系ポリマーを含み得る。ポリビニルピリジン系ポリマーの非限定的な例は、その内容が参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許公開第2003/0042137号(例えば式2b)に開示されている。特定の実施形態では、物質移動制限膜は、ポリビニルピリジン(例えばポリ(4-ビニルピリジン)又はポリ(4-ビニルピリジン)、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジンコポリマー(例えばビニルピリジンとスチレンのコポリマー)、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、生体安定性ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマー、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジフルオリド、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、セルロースポリマー、ポリスルホン及び例えばジブロック、トリブロック、交互、ランダム、及びグラフトコポリマーを含むそれらのブロックコポリマー、又は化学的に関連する材料その他を含み得る。
特定の実施形態では、本開示における使用のための膜、例えば単一成分膜は、ポリビニルピリジン(例えばポリ(4-ビニルピリジン)及び/又はポリ(2-ビニルピリジン)を含み得る。特定の実施形態では、本開示における使用のための膜、例えば単一成分膜は、ポリ(4-ビニルピリジン)を含み得る。特定の実施形態において、本開示において使用するための膜、例えば、単一成分膜は、ビニルピリジンとスチレンとのコポリマーを含み得る。特定の実施形態では、膜はポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーを備え得る。例えば、限定するものではないが、本開示における使用のためのポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーは、ピリジン窒素原子の一部が架橋されていないポリエチレングリコール尾部によって官能化され、かつピリジン窒素原子の一部がアルキルスルホン酸基によって官能化されたポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーを含み得る。特定の実施形態では、膜ポリマーとしての使用のための誘導体化されたポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーは、その内容が参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第8,761,857号に記載された10Q5ポリマーであり得る。特定の実施形態では、ポリビニルピリジン系ポリマーは、約50Da~約500kDaの分子量を有する。
特定の実施形態では、膜は、それだけに限らないが、ポリ(スチレン-コ-無水マレイン酸)、ドデシルアミン及びポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル)で架橋されたポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)(2-アミノプロピルエーテル);ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド);ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のコポリマー;又はそれらの組合せ等のポリマーを備え得る。
特定の実施形態では、膜は、親水性と疎水性の両方の領域を備えるポリウレタン膜を含む。特定の実施形態では、疎水性ポリマー成分は、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、又はポリ(エーテル-ウレタン-ウレア)である。特定の実施形態では、ポリウレタンは、ジイソシアナートと二官能性ヒドロキシル含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。特定の実施形態では、ポリウレタンウレアは、ジイソシアナートと二官能性アミン含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。特定の実施形態では、本明細書における使用のためのジイソシアナートは、例えば約4~約8個のメチレン単位を含む脂肪族ジイソシアナート、又は脂環式部分を含むジイソシアナートを含む。本開示のセンサの膜の生成のために使用され得るポリマーのさらなる非限定的な例は、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、無機ポリマー(例えばポリシロキサン及びポリカルボシロキサン)、天然ポリマー(例えばセルロース系及びタンパク質ベース材料)、及び混合物(例えば混合された又は層化された構造)、又はそれらの組合せを含む。特定の実施形態では、親水性ポリマー成分は、ポリエチレンオキシド及び/又はポリエチレングリコールである。例えば、限定するものではないが、本開示における使用のための疎水性-親水性コポリマー成分は、約10%~約50%、例えば約20%の親水性ポリエチレンオキシドを備えるポリウレタンポリマーである。
特定の実施形態では、膜はシリコーンポリマー/疎水性-親水性ポリマーブレンドを含む。特定の実施形態では、ブレンド中での使用のための疎水性-親水性ポリマーは、それだけに限らないが、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール又はポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、及び例えばジブロック、トリブロック、交互、ランダム、くし型、星型、樹状、及びグラフトコポリマーを含むそれらのコポリマー等の任意の好適な疎水性-親水性ポリマーであり得る。特定の実施形態では、疎水性-親水性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)とポリ(プロピレンオキシド)(PPO)のコポリマーである。PEOとPPOのコポリマーの非限定的な例は、PEO-PPOジブロックコポリマー、PPO-PEO-PPOトリブロックコポリマー、PEO-PPO-PEOトリブロックコポリマー、PEO-PPOの交互ブロックコポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー、及びそれらのブレンドを含む。特定の実施形態では、コポリマーはヒドロキシ置換基によって置換され得る。
特定の実施形態では、親水性又は疎水性の改質剤を用いて、目的の被検物質、例えばケトン類に対する得られた膜の透過性を「微調整」することができる。特定の実施形態では、ポリエチレングリコール、ヒドロキシル又はポリヒドロキシル改質剤等の親水性改質剤、及びそれらの任意の組合せを用いて、ポリマー又は得られる膜の生体適合性を向上させることができる。
複数の活性領域が存在する特定の実施形態では、物質移動制限膜が、異なる活性領域における組成の変更の選択を含めて各活性領域を被覆することができ、これはセンサ先端により密接に配置された作用電極において二層膜部分を生成する連続的なディップコーティング操作を介して達成され得る。
複数の活性領域が存在する特定の実施形態では、別個の物質移動制限膜が、各活性領域を被覆し得る。例えば、限定するものではないが、物質移動制限膜が、第1の活性領域、例えばケトン類応答性活性領域の上に配置されてもよく、別個の第2の物質移動制限膜が、第2の活性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆してもよい。特定の実施形態では、2つの物質移動制限膜は空間的に分離されており、相互に重ならない。特定の実施形態では、第1の物質移動制限膜は第2の物質移動制限膜と重ならず、第2の物質移動制限膜は第1の物質移動制限膜と重ならない。特定の実施形態では、第1の物質移動制限膜は第2の物質移動制限膜とは異なるポリマーを備える。代わりに、第1の物質移動制限膜は第2の物質移動制限膜と同じポリマーを備える。特定の実施形態では、第1の物質移動制限膜は第2の物質移動制限膜と同じポリマーを備えるが、異なる架橋剤を備える。
特定の実施形態では、2つの活性領域を有する被検物質センサ上に配置された物質移動制限膜の組成は、物質移動制限膜が各活性領域を被覆している場合に、同じでも異なってもよい。例えば、限定するものではないが、ケトン類応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜の部分は多成分でよく、及び/又は第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜の部分は単一成分でよい。代わりに、ケトン類応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜の部分は単一成分でよく、及び/又は第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜の部分は多成分でよい。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜は単一成分でよく、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜は単一成分であってもよい。特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜は、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜とは異なるポリマーを備える。
本開示の特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域はポリビニルピリジン(例えばポリ(4-ビニルピリジン))を備える単一成分膜で被覆されてもよく、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域はポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーを備える膜で被覆されてもよい。特定の実施形態では、例えばケトン類応答性活性領域の上に二層膜を生成するために、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域を被覆する膜が、ケトン類応答性活性領域を被覆する膜を被覆してもよい。特定の実施形態では、グルコース応答性活性領域は、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、又はポリ(エーテル-ウレタン-ウレア)を備える膜に被覆され得る。特定の実施形態では、グルコース応答性活性領域は、ポリウレタンを備える膜に被覆され得る。
本開示の特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域及び第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域が、ポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマーを備える膜に被覆され得る。特定の実施形態では、多成分膜は、二層膜として又は2つ以上の膜ポリマーの均一な混合物として存在し得る。均一な混合物は、2つ以上の膜ポリマーを溶液中で混合し、次に、この溶液を作用電極上に堆積することによって堆積され得る。本開示の特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、ポリビニルピリジン及びポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマー(又はそれらの誘導体)を二層膜又は均一な混合物として備える多成分膜に被覆されてもよく、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域は、ポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマー(又はそれらの誘導体)を備える膜に被覆され得る。本開示の特定の実施形態では、ケトン類応答性活性領域は、ポリビニルピリジン及びポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマー(又はそれらの誘導体)を二層膜として備える多成分膜に被覆されてもよく、第2の被検物質応答性領域、例えばグルコース応答性活性領域は、ポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマー(又はそれらの誘導体)を備える単一成分膜に被覆され得る。
ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマー(ポリビニルピリジン-コ-スチレンコポリマー)は、約0.01%~約50%モルパーセント、又は約0.05%~約45%モルパーセント、又は約0.1%~約40%モルパーセント、又は約0.5%~約35%モルパーセント、又は約1%~約30%モルパーセント、又は約2%~約25%モルパーセント、又は約5%~約20%モルパーセントの範囲のスチレン含量を有し得る。置換スチレン類が同様に同様の量で使用され得る。ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマーは、5kDa以上、又は約10kDa以上、又は約15kDa以上、又は約20kDa以上、又は約25kDa以上、又は約30kDa以上、又は約40kDa以上、又は約50kDa以上、又は約75kDa以上、又は約90kDa以上、又は約100kDa以上の分子量を有し得る。非限定的な例では、ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマーは、約5kDa~約150kDa、又は約10kDa~約125kDa、又は約15kDa~約100kDa、又は約20kDa~約80kDa、又は約25kDa~約75kDa、又は約30kDa~約60kDaの範囲の分子量を有し得る。
特定の他の実施形態では、1つ以上の活性領域を被覆する膜ポリマーは、本明細書及び上のセクション4で開示された架橋剤を用いて架橋され得る。2つの物質移動制限膜、例えば第1の物質移動制限膜と第2の物質移動制限膜が存在する特定の実施形態では、各膜が異なる架橋剤に架橋され得る。例えば、限定するものではないが、架橋剤は、例えば膜の中の細孔のサイズに影響を及ぼすことによって、特定の化合物、例えば膜の中の被検物質の拡散をより制限するか、又は特定の化合物の拡散をあまり制限しない膜をもたらし得る。例えば、限定するものではないが、ケトン類及びグルコースを検出するように構成されたセンサにおいて、ケトン類応答性領域を被覆する物質移動制限膜は、ケトン類より大きな化合物、例えばグルコースの膜を介する拡散を制限する細孔径を有し得る。
特定の実施形態では、本開示における使用のための架橋剤は、ポリエポキシド、カルボジイミド、塩化シアヌル、トリグリシジルグリセロール、N-ヒドロキシスクシンイミド、イミドエステル類、エピクロロヒドリン、又はそれらの誘導体化バリアントを含み得る。特定の実施形態では、1つ以上の活性領域を被覆する膜ポリマーは、例えば物質移動制限膜から得られる抽出物の量を減少させることができる分岐架橋剤に架橋され得る。分枝架橋剤の非限定的な例は、例えば2つ、3つ、又はそれ以上の架橋性基を含む分枝グリシジルエーテル架橋剤を含む分岐グリシジルエーテル架橋剤を含む。特定の実施形態では、分岐架橋剤は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2つ以上の架橋性基を含み得る。特定の実施形態では、分岐架橋剤は、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル等の3つ以上の架橋性基を含み得る。特定の実施形態では、物質移動制限膜は、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2つ又は3つの架橋性基を含む分岐グリシジルエーテル架橋剤に架橋されたポリビニルピリジン又はビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含み得る。特定の実施形態では、ポリエポキシド、例えばポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシド基は、エポキシド環の開環によってピリジン又はイミダゾールと共有結合を形成し、架橋剤の本体と膜ポリマーのヘテロ環とを架橋するヒドロキシアルキル基をもたらすことができる。
特定の実施形態では、架橋剤はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)である。特定の実施形態では、2つ以上の膜ポリマー骨格の間の架橋(例えば分子間架橋)を促進するために用いられるPEGDGEは、広範囲の好適な分子量を示し得る。特定の実施形態では、PEGDGEの分子量は、約100g/モル~約5000g/モルの範囲であり得る。PEGDGEの各アームにおけるエチレングリコール繰り返し単位の数は同じでも異なってもよく、一般に、平均分子量が得られる所与のサンプルの中の範囲にわたって変動し得る。特定の実施形態では、本開示における使用のためのPEGDGEは、約200~1000、例えば約400の平均分子量(Mn)を有する。特定の実施形態では、架橋剤はPEGDGE400である。
特定の実施形態では、2つ以上の膜ポリマー骨格の間の架橋(例えば分子間架橋)を促進するために用いられるポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルは、広範囲の好適な分子量を示し得る。4つまでのポリマー骨格が、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル架橋剤の単一分子によって架橋され得る。特定の実施形態では、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの分子量は、約1000g/モル~約5000g/モルの範囲であり得る。ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの各アームにおけるエチレングリコール繰り返し単位の数は同じでも異なってもよく、一般に、平均分子量が得られる所与のサンプルの中の範囲にわたって変動し得る。
特定の実施形態では、ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、本明細書で開示される物質移動制限膜のいずれかに組み込まれ得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載した被検物質センサは、少なくとも第1の作用電極を備えるセンサ尾部、第1の作用電極の表面上に配置された第1の活性領域、及び少なくとも第1の活性領域を被覆し、第1の被検物質に対して透過性のある物質移動制限膜を備え得る。特定の実施形態では、第1の活性領域は、少なくとも1つの酵素(任意選択で第1のポリマー及び/又は安定剤に共有結合している)を備え、第1の被検物質に応答する、第1の被検物質、例えばケトン類に応答する酵素系を備える。例えば、限定するものではないが、本明細書に記載した被検物質センサは、少なくとも第1の作用白金電極を備えるセンサ尾部、第1の作用電極の表面上に配置されたβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼ(ここで一方又は両方の酵素は、任意選択でポリマー及び/又は安定剤と共有結合している)を備える酵素系を備えるケトン類応答性活性領域、及びケトン類応答性活性領域を被覆し、ケトン類に対して透過性のある物質移動制限膜を備え得る。特定の実施形態では、物質移動制限膜は2つ以上の架橋性基、例えばポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルを備える分岐グリシジルエーテル架橋剤に架橋された膜ポリマーを備える。
特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、センサ尾部の長さに沿って相互に離間している少なくとも第1の作用電極及び第2の作用電極を備えるセンサ尾部を含む。特定の実施形態では、第1の活性領域は第1の作用電極の表面上に配置され、第2の活性領域は第2の作用電極の表面上に配置されており、第1の活性領域と第2の活性領域は異なる被検物質に対して応答する。例えば、限定するものではないが、第1の活性領域はケトン類応答性活性領域である。特定の実施形態では、第2の活性領域はグルコースに対して応答し得る。特定の実施形態では、物質移動制限膜が第1の活性領域と第2の活性領域を被覆しており、物質移動制限膜は、第1の活性領域を被覆する二層膜部分及び第2の活性領域を被覆する均一な膜部分を備える。特定の実施形態では、二層膜部分の各層は異なる膜ポリマーを備える。特定の実施形態では、第1の活性領域の上の二層部分の底層は、第2の活性領域の上の均一な膜部分とは異なる膜ポリマー、例えばポリビニルピリジンポリマーを備える。
特定の実施形態では、異なる被検物質をアッセイするように構成された第1の活性領域と第2の活性領域が別の作用電極の上に配置されると、物質移動制限膜は第1の被検物質と第2の被検物質に対して異なる透過性値を有し得る。例えば、限定するものではないが、活性領域の少なくとも1つを被覆する物質移動制限膜は、第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーの混合物、又は第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーの二層を含み得る。均一な膜が混合物又は二層によって被覆されていない活性領域を被覆してもよく、均一な膜は第1の膜ポリマー又は第2の膜ポリマーの一方のみを含む。有利なことに、本明細書に開示された被検物質センサのアーキテクチャは、均一な膜部分を有する連続膜が被検物質センサの第1の活性領域の上に配置されること、及び、多成分膜部分が被検物質センサの第2の活性領域の上に配置されることを可能にし、それにより、各被検物質に対する透過性値が同時に平準化され、感度及び検出精度を改善する。特定の実施形態では、連続的なディップコーティング操作によって連続的な膜堆積を行なうことができる。
6.干渉ドメイン
特定の実施形態では、本開示のセンサ、例えばセンサ尾部は干渉ドメインをさらに備え得る。特定の実施形態では、干渉ドメインは、例えば作用電極の表面への1つ以上の干渉物質の流れを制限するポリマードメインを含み得る。特定の実施形態では、干渉ドメインは、作用電極によって測定される被検物質及び他の物質を通過させる一方、干渉物質等の他の物質の通過を防止する分子ふるいとして機能し得る。特定の実施形態では、干渉物質は、作用電極で得られる信号に影響を及ぼし得る。干渉物質の非限定的な例は、アセトアミノフェン、アルコルビン酸塩、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドーパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L-ドーパ、メチルドーパ、サリチル酸塩、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリド、尿素、及び尿酸を含む。
特定の実施形態では、干渉ドメインは、作用電極と1つ以上の活性領域、例えばケトン類応答性活性領域の間に配置される。特定の実施形態では、干渉ドメインにおいて使用され得るポリマーの非限定的な例は、ポリウレタン、ペンダントイオン性基を有するポリマー、及び制御された孔径を有するポリマーを含む。特定の実施形態では、干渉ドメインは1つ以上のセルロース系誘導体から形成される。セルロース系誘導体の非限定的な例は、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、2-ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートトリメリテート等のポリマーを含む。
特定の実施形態では、干渉ドメインは、非膨潤性で高分子量種の拡散を制限する薄い疎水性膜を含む。例えば、限定するものではないが、干渉ドメインは比較的低分子量の物質、例えば過酸化水素に対して透過性がある一方、高分子量の物質、例えばケトン類、グルコース、アセトアミノフェン、及び/又はアスコルビン酸等の通過を制限する。
特定の実施形態では、干渉ドメインは作用電極の上に、例えば作用電極の白金表面の上に、直接堆積され得る。特定の実施形態では、干渉ドメインは、約0.1μm~約1000μm、例えば約1μm~約500μm、約10μm~約100μm、又は約10μm~約100μmの範囲の厚さ、例えば乾燥厚さを有する。特定の実施形態では、干渉ドメインは、約0.1μm~約10μm、例えば約0.5μm~約10μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、又は約0.1μm~約5μmの厚さを有し得る。特定の実施形態では、センサは干渉ドメインの溶液に2回以上浸され得る。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサ(又は作用電極)は、所望の干渉ドメインの厚さを得るために、干渉ドメインの溶液に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、又は少なくとも5回、浸され得る。
7.製造
本開示は、1つ以上の活性部位を含む開示された被検物質センサを製造するための方法をさらに提供する。特定の実施形態では、本方法は、1つ以上の作用電極をスクリーン印刷することを含む。特定の実施形態では、作用電極の1つは白金電極である。特定の実施形態では、1つ以上の作用電極の例えば白金を備える導電性材料が、基板の上にスクリーン印刷される。
特定の実施形態では、本方法は、酵素を備える組成物を作用電極の表面上に添加して、作用電極の上に活性部位を生成することをさらに含み得る。例えば、限定するものではないが、組成物は、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを、例えば本明細書で開示する量及び/又は比で含み得る。特定の実施形態では、組成物は、組成物中に存在する酵素の共因子、例えばNADを、例えば本明細書で開示する量及び/又は比でさらに含み得る。特定の実施形態では、組成物は、架橋剤、例えばポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及び安定剤(例えばBSA)を、例えば本明細書で開示する量及び/又は比でさらに含み得る。特定の実施形態では、本方法は酵素組成物を硬化させることをさらに含み得る。
特定の実施形態では、本方法は、酵素組成物、例えば硬化した酵素組成物の上に膜組成物を添加することをさらに含み得る。特定の実施形態では、膜組成物は、ポリマー、例えばポリビニルピリジン及び/又は架橋剤、例えばポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを含み得る。特定の実施形態では、膜は酵素組成物の上の作用電極にディップコーティング(又は同様の技術)、スプレーコーティング、ペインティング、インクジェット印刷、ローラーコーティング等によって塗布される。特定の実施形態では、本方法は膜ポリマー組成物を硬化させることを含み得る。
特定の実施形態では、被検物質センサは第2の作用電極をさらに含んでよく、そのようなセンサを製造する方法は、例えば第2の被検物質を検出するための第2の酵素組成物を第2の作用電極の表面上に堆積させることを含む。特定の実施形態では、本方法は、第2の酵素組成物を硬化又は乾燥させること、及び第2の酵素組成物の上に第2の膜組成物を堆積させることをさらに含み得る。
特定の実施形態では、第1のディップコーティング操作は、第1の膜ポリマーを第1の活性領域(例えばケトン類応答性活性領域)の上に堆積させ、第2のディップコーティング操作は、第2の膜ポリマーを第1の活性領域と第2の活性領域(例えば第2の被検物質応答性活性領域)の両方の上に堆積させて、第1の活性領域の上に二層膜部分を規定し、第2の活性領域の上に均一な膜部分を規定する。特定の実施形態では、第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーは互いに異なる。特定の実施形態では、二層膜部分の下層と均一な膜部分とは同じ膜ポリマーを備える。特定の実施形態では、二層膜部分の上層と均一な膜部分とは同じ膜ポリマーを備える。特定の実施形態では、二層膜部分の下層と均一な膜部分とは異なる膜ポリマーを備える。
特定の実施形態では、第1のディップコーティング操作は、第1の膜ポリマーを第1の活性領域と第2の活性領域の両方の上に堆積させ、第2のディップコーティング操作は、第2の膜ポリマーを第1の活性領域の上に堆積して、第1の活性領域の上に二層膜部分を規定する。特定の実施形態では、第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーは互いに異なる。
一般に、膜の厚さは、膜溶液の濃度、塗布する膜溶液の液滴の数、センサを膜溶液に浸す又はセンサに膜溶液を噴霧する回数、センサに噴霧する膜溶液の体積等、及びこれらの要素の任意の組合せによって制御される。特定の実施形態では、本明細書に記載した膜は、約0.1マイクロメートル(μm)~約1000μm、例えば約1μm~約500μm、約10μm~約100μm、又は約10μm~約100μmの範囲の厚さを有し得る。特定の実施形態では、センサは膜溶液に2回以上浸され得る。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサ(又は作用電極)は、所望の膜の厚さを得るために、膜溶液に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、又は少なくとも5回、浸され得る。
特定の実施形態では、膜は1つ以上の活性領域を覆うことができ、特定の実施形態では、活性領域は約0.1μm~約10μm、例えば約0.5μm~約10μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、又は約0.1μm~約5μmの厚さを有し得る。特定の実施形態では、活性領域及び/又は膜の所望の厚さを達成するために、塗布する液滴の直径を実質的に増加させることなく(すなわち所望の直径又はその範囲を維持しながら)、一連の液滴を互いの上に塗布してよい。特定の実施形態では、各単一の液滴を塗布し、次に、放冷又は乾燥させ、続いて1つ以上のさらなる液滴を塗布し得る。例えば、限定するものではないが、活性領域の所望の厚さを達成するために、少なくとも1つの液滴、少なくとも2つの液滴、少なくとも3つの液滴、少なくとも4つの液滴、又は少なくとも5つの液滴を互いの上に添加する。
III.使用方法
本開示は、本明細書に開示された被検物質センサを使用する方法をさらに提供する。特定の実施形態では、本開示は、被検物質を検出するための方法を提供する。例えば、限定するものではないが、本開示は、ケトン類、グルコース、アルコール、乳酸塩、及び/又はクレアチニン、又はそれらの組合せを含む1つ以上の被検物質を検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、1つ以上のケトン類を検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、1つ以上のケトン類及び第2の被検物質を検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、第2の被検物質は、グルコース、アルコール、乳酸塩、及びクレアチニンからなる群から選択され得る。特定の実施形態では、第2の被検物質はグルコースを備える。
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、対象におけるインビボのケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、対象における間質液中のケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、糖尿病の対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、ケトン食を受けている対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、ケトーシスの状態にある対象におけるケトンレベルを検出するための方法又はケトーシスの状態を維持する対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示の被検物質センサは、対象がケトン食を遵守することを保証するために使用され得る。例えば、限定するものではないが、本開示の被検物質センサは、サンプル中のケトン類のレベルを測定して、ケトーシスを維持するために対象に食事を調整又は修正するように伝えるために使用され得る。特定の実施形態では、本開示は、ケトアシドーシスを発症するリスクにある対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、糖尿病性ケトアシドーシスを発症するリスクにある対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、本開示のセンサは、糖尿病性ケトアシドーシスをモニタリング及び/又は防止するために使用され得る。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサは、対象、例えば糖尿病の対象における糖尿病性ケトアシドーシスをモニタリング及び/又は防止するためにケトン類及びグルコースを検出するための検知化学物質を含む。代わりに又はさらに、本開示のセンサは、糖尿病性ケトアシドーシスをモニタリング及び/又は防止するためにグルコースセンサと組み合わせて使用され得る。特定の実施形態では、本開示のセンサは、対象におけるケトン類のレベルをモニタリングするため、例えばケトン食の遵守をモニタリングするため、ケトーシスの状態を維持するため、及び/又は糖尿病性ケトアシドーシスをモニタリング及び/又は防止するための用途で使用され得る。
特定の実施形態では、ケトン類を検出するための方法は、(i)(a)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部、(b)第1の作用電極の表面上に配置され、例えば低電位でケトン類に応答するケトン類応答性活性領域であって、ケトン類に応答するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備える酵素系及び任意選択で第1のポリマーを含む、ケトン類応答性活性領域、及び(c)ケトン類応答性活性領域を被覆し、ケトン類に対して透過性のある物質移動制限膜を含む被検物質センサを提供すること、(ii)第1の作用電極に電位、例えば低電位を印加すること、(iii)ケトン類応答性活性領域の酸化還元電位以上であって、ケトン類応答性活性領域と接触している流体中のケトン類の濃度に比例する第1の信号を得ること、及び(iv)第1の信号を流体中のケトン類の濃度と相関させることを含む。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、NADHが酸化されない電位である。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、NADHが可逆的に酸化されない電位である。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.2V~約+0.5Vである。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.3V~約+0.4V、例えばAg/AgCl参照に対して約+0.35Vである。
特定の実施形態では、本開示の方法は、(i)(a)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部、(b)第1の作用電極の表面上に配置され、例えば低電位でケトン類に応答するケトン類応答性活性領域であって、ケトン類に応答するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備える酵素系及び任意選択で第1のポリマーを含む、ケトン類応答性活性領域、及び(c)ケトン類応答性活性領域を被覆し、ケトン類に対して透過性のある物質移動制限膜を含む被検物質センサを、ケトン類を備える流体に曝露すること、(ii)第1の作用電極に電位、例えば低電位を印加すること、(iii)ケトン類応答性活性領域の酸化還元電位以上であって、流体中のケトン類の濃度に比例する第1の信号を得ること、及び(iv)第1の信号を流体中のケトン類の濃度と相関させることを含み得る。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、NADHが酸化されない電位である。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、NADHが可逆的に酸化されない電位である。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.2V~約+0.5Vである。特定の実施形態では、第1の作用電極に印加される電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.3V~約+0.4V、例えばAg/AgCl参照に対して約+0.35Vである。
特定の実施形態では、本開示の方法は、第2の活性領域を含む被検物質センサを提供することによって、及び/又は第2の活性領域を含む被検物質センサをケトン類及び第2の被検物質、例えばグルコースを備える流体に曝露することによって、第2の被検物質を検出することをさらに含み得る。特定の実施形態では、ケトン類及び第2の被検物質を検出するための方法における使用のための被検物質センサは、第2の作用電極及び第2の作用電極の表面上に配置され、第1の被検物質とは異なる第2の被検物質に応答する第2の活性領域をさらに含んでよく、第2の活性領域は第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した第2の被検物質に応答する少なくとも1つの酵素、及び任意選択で第2のポリマーに共有結合した酸化還元メディエータを含み、物質移動制限膜の一部、例えば第2の部分が第2の活性領域を被覆している。代わりに、第2の活性部位は、ケトン類応答性活性領域を被覆する物質移動制限膜とは別の及び/又は異なる第2の物質移動制限膜によって被覆され得る。特定の実施形態では、第2の被検物質に応答する少なくとも1つの酵素は、第2の被検物質に集合的に応答する複数の酵素を備える酵素系を備える。特定の実施形態では、第2の被検物質はグルコースを備える。
特定の実施形態では、膜ポリマーはポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを備える。特定の実施形態では、膜ポリマーはビニルピリジンとスチレンのコポリマーを備える。特定の実施形態では、被検物質センサの物質移動制限膜は2つ以上又は3つ以上の架橋性基を備える分岐架橋剤で架橋された膜ポリマーを備える。特定の実施形態では、分岐架橋剤はポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを備える。特定の実施形態では、分岐架橋剤はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルを備える。
IV.例示的な実施形態
A.特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題は、(i)少なくとも第1の作用電極を備えるセンサ尾部、(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備える酵素系を備えるケトン類応答性活性領域、及び(iii)ケトン類応答性活性領域の少なくとも一部を被覆し、ケトン類に対して透過性のある物質移動制限膜、を備える被検物質センサを提供する。
A1.ケトン類応答性活性領域が電子移動剤を含まない、Aに記載の被検物質センサ。
A2.ケトン類応答性活性領域がスーパーオキシドジスムターゼを含まない、A又はA1に記載の被検物質センサ。
A3.作用電極が白金を備える、A~A2のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A4.ケトン類応答性活性領域が安定剤をさらに備える、A~A2のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A5.安定剤が血清アルブミンである、A4に記載の被検物質センサ。
A6.ケトン類応答性活性領域が架橋剤をさらに備える、A~A5のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A7.架橋剤がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである、A6に記載の被検物質センサ。
A8.物質移動制限膜が、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジンコポリマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、又はそれらの組合せを備える、A~A7のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A9.物質移動制限膜が、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ビニルピリジンとスチレンのコポリマー、又はそれらの組合せを備える、A~A7のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A10.物質移動制限膜がポリビニルピリジンを備える、A8又はA9に記載の被検物質センサ。
A11.センサ尾部が組織への挿入のために構成されている、A~A10のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A12.ケトン類応答性活性領域の中に存在するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼの比が約5:1~約1:5である、A~A11のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A13.ケトン類応答性活性領域の中に存在するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼの比が約2:1~約1:2である、A~A12のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A14.β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼが、ケトン類応答性活性領域の重量で約10%~約80%の量でケトン類応答性活性領域の中に存在する、A~A13のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A15.ケトン類応答性活性領域が、Ag/AgCl参照に対して約+0.2V~約+0.5Vの電位でケトン類に応答する、A~A14のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A16.ケトン類応答性活性領域が、Ag/AgCl参照に対して約+0.3V~約+0.4Vの電位でケトン類に応答する、A~A15のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A17.(iv)第2の作用電極、及び(v)第2の作用電極の表面上に配置され、ケトン類とは異なる第2の被検物質に応答する第2の活性領域であって、第2の被検物質に応答する少なくとも1つの酵素を備える第2の活性領域をさらに備える、A~A16のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A18.物質移動制限膜の第2の部分が第2の活性領域を被覆する、A17に記載の被検物質センサ。
A19.第2の物質移動制限膜が第2の活性領域を被覆する、A17に記載の被検物質センサ。
A20.第2の物質移動制限膜が第2の活性領域及び第1の活性領域を被覆する、A17に記載の被検物質センサ。
A21.第2の被検物質がグルコース、乳酸塩、クレアチニン、又はアルコールを備える、A17~A20のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A22.第2の被検物質がグルコースを備える、A21に記載の被検物質センサ。
A23.対象からの間質液中のケトン類を検出するように構成された、A~A22のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A24.糖尿病を有する対象に埋め込まれる、A~A23のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A25.ケトアシドーシスを受けているか受けるリスクのある対象に埋め込まれる、A~A24のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A26.ケトン食を摂取している対象に埋め込まれる、A~A24のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A27.ケトーシスの状態にあるか、ケトーシスの状態を維持する必要がある対象に埋め込まれる、A~A24のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A28.ケトン類応答性活性領域における酵素系とケトンとの反応によって生成した過酸化水素が作用電極において検出される、A~A27のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A29.ケトン類応答性活性領域がポリマーをさらに備える、A~A28のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
A30.ポリマーがポリウレタンを備える、A~A29のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
B.特定の非限定的な実施形態では、本開示の主題はケトン類を検出するための方法を提供し、本方法は、(i)(a)少なくとも第1の作用電極を備えるセンサ尾部、(b)第1の作用電極の表面上に配置され、β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼを備える酵素系を備えるケトン類応答性活性領域、及び(c)ケトン類応答性活性領域の少なくとも一部を被覆し、ケトン類に対して透過性のある物質移動制限膜を備える被検物質センサを提供すること、(ii)第1の作用電極に電位を印加すること、(iii)ケトン類応答性活性領域の酸化還元電位以上であって、ケトン類応答性活性領域と接触している流体中のケトン類の濃度に比例する第1の信号を得ること、及び(iv)第1の信号を流体中のケトン類の濃度と相関させることを含む。
B1.ケトン類応答性活性領域が電子移動剤を含まない、Bに記載の方法。
B2.ケトン類応答性活性領域がスーパーオキシドジスムターゼを含まない、B又はB1に記載の方法。
B3.作用電極が白金を備える、B~B2に記載の方法。
B4.ケトン類応答性活性領域が安定剤をさらに備える、B~B3のいずれか1つに記載の方法。
B5.安定剤が血清アルブミンである、B4に記載の方法。
B6.ケトン類応答性活性領域が架橋剤をさらに備える、B~B5のいずれか1つに記載の方法。
B7.架橋剤がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである、B6に記載の方法。
B8.物質移動制限膜が、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ビニルピリジンとスチレンのコポリマー、又はそれらの組合せを備える、B~B7のいずれか1つに記載の方法。
B9.物質移動制限膜がポリビニルピリジンを備える、B8に記載の方法。
B10.物質移動制限膜がポリウレタンを備える、B8に記載の方法。
B11.ケトン類応答性活性領域がポリマーをさらに備える、B~B10のいずれか1つに記載の方法。
B12.ポリマーがポリウレタンを備える、B11に記載の方法。
B13.センサ尾部が組織への挿入のために構成されている、B~B12のいずれか1つに記載の方法。
B14.ケトン類応答性活性領域の中に存在するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼの比が約5:1~約1:5である、B~B13のいずれか1つに記載の方法。
B15.ケトン類応答性活性領域の中に存在するβ-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼとNADHオキシダーゼの比が約2:1~約1:2である、B~B14のいずれか1つに記載の方法。
B16.β-ヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼが、ケトン類応答性活性領域の重量で約10%~約80%の量でケトン類応答性活性領域の中に存在する、B~B15のいずれか1つに記載の方法。
B17.ケトン類応答性活性領域が、Ag/AgCl参照に対して約+0.2V~約+0.5Vの電位でケトン類に応答する、B~B16のいずれか1つに記載の方法。
B18.ケトン類応答性活性領域が、Ag/AgCl参照に対して約+0.3V~約+0.4Vの電位でケトン類に応答する、B~B17のいずれか1つに記載の方法。
B19.被検物質センサが、(d)第2の作用電極、及び(e)第2の作用電極の表面上に配置され、ケトン類とは異なる第2の被検物質に応答する第2の活性領域をさらに備える、B~B18のいずれか1つに記載の方法。
B20.物質移動制限膜の第2の部分が第2の活性領域を被覆する、B19に記載の方法。
B21.第2の物質移動制限膜が第2の活性領域を被覆する、B19に記載の方法。
B22.第2の被検物質がグルコース、乳酸塩、クレアチニン、又はアルコールを備える、B19~B21のいずれか1つに記載の方法。
B23.第2の被検物質がグルコースである、B22に記載の方法。
B24.流体が対象からの間質液である、B~B23のいずれか1つに記載の方法。
B25.被検物質センサが糖尿病を有する対象に埋め込まれる、B~B24のいずれか1つに記載の方法。
B26.被検物質センサがケトアシドーシスを受けている又は受けるリスクにある対象に埋め込まれる、B~B25のいずれか1つに記載の方法。
B27.被検物質センサがケトン食を摂取している対象に埋め込まれる、B~B26のいずれか1つに記載の方法。
B28.被検物質センサがケトーシスの状態にあるか、又はケトーシスの状態を維持する必要がある対象に埋め込まれる、B~B27のいずれか1つに記載の方法。
B29.ケトン類応答性活性領域における酵素系とケトンとの反応によって生成した過酸化水素が作用電極において検出される、B~B28のいずれか1つに記載の方法。
C.被検物質センサを必要とする対象におけるケトン類の検出における使用のためのA~A30のいずれか1つに記載の被検物質センサ。
C1.対象が糖尿病を有する、Cの使用のための被検物質センサ。
C2.対象がケトアシドーシスを受けているか受けるリスクのある、Cの使用のための被検物質センサ。
C3.対象がケトン食を摂取している、Cの使用のための被検物質センサ。
C4.対象がケトーシスの状態にあるか、ケトーシスの状態を維持する必要がある、Cの使用のための被検物質センサ。
実施例
本開示の主題は、ここで開示された主題の例示として提供され、限定するものではないが、以下の実施例を参照することによって、よりよく理解される。
実施例1:電極電位の選択
本実施例は、本明細書で開示されるように、ケトン類応答性活性領域を有する被検物質センサのための電極電位を選択するためのプロセスを提供する。
白金(Pt)電極を用いて、リン酸緩衝生理食塩水緩衝液(PBS)中の過酸化水素とNADHの酸化特性を決定した。溶液を33℃の温度に維持した。CH InstrumentのCHI1030Bポテンシオスタットを用いてリニアスキャンボルタンメトリーを実施し、Ag/AgCl参照電極に対する結果を記録した。結果を図23に示す。図23に示すように、NADHの酸化電位は、Ag/AgCl参照に対して約+0.6Vである。さらに、図23は、Ag/AgCl参照に対して+0.35Vの電位で過酸化水素の酸化は平坦になり、NADHの酸化は極めて少ないことを示している。この電位を本明細書に記載したケトンセンサの動作電位として選択し、実施例2で用いた。
実施例2:ケトンセンサ
本実施例は、インビボでケトン類の代用物として使用されるβ-ヒドロキシブチレートを検出するためのセンサを提供する。本実施例については、ケトン類の検出を容易にするために図22の酵素系を用いた。特に、NADHオキシダーゼ(NADHOx)及びヒドロキシブチレートデヒドロゲナーゼ(HBDH)を含む酵素系を用いてβ-ヒドロキシブチレートを検出した。センサの化学組成を表1に示す。成分は、10mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液、pH5.5であった。
センサ電極としてPt電極を用いた。表1の配合物をPt電極上に堆積させた。NADHOxが配合物に含まれていないことを除いて、表1と同じ検知化学配合物を用いて対照センサも作製した。センサを一晩硬化させた。硬化プロセスに続いて、センサをポリビニルピリジン(PVP)とポリエチレングリコールジグリシジルエーテル400(PEGDGE400)との混合物に浸した。次に、センサを再び一晩硬化させた。続いて、100mM PBS緩衝液中、33℃でビーカー試験を行った。CH InstrumentのCHI1030Bポテンシオスタットを用いて、Ag/AgCl参照電極に対して+0.35Vでセンサ電流を記録した。
図24は、4つのNADHOxセンサ及び対照についての電流応答を示す。示すように、電流は、β-ヒドロキシブチレートの新たな濃度に曝露した後、数分の経過にわたって増加し、その後安定化した。この効果は対照センサでは観察されないことも示され、これは、過酸化水素の生成が提案された検知メカニズムを介して進行していることを示している。図25は、NADHOxセンサの各々及び対照についての電流応答とβ-ヒドロキシブチレートの濃度との例示的なプロットを提供する。
ここで開示された主題及びその利点を詳細に述べたが、開示された主題の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び変形が本明細書で実施できることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載したプロセス、機械、製造、及び物質の組成物、方法及びプロセスの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、ここで開示された主題の開示された主題から容易に理解するように、本明細書に記載した対応する実施形態と実質的に同じ機能を発揮するか、実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成物、方法、又は工程がここで開示された主題に従って利用され得る。従って、添付した特許請求の範囲は、その範囲の中に、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成物、方法、又は工程を含むことを意図している。
様々な特許、特許出願、出版物、製品説明書、プロトコル、及び配列受託番号が本出願を介して引用されており、それらの発明はあらゆる目的のためにその全体が参照により本願明細書に援用される。