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JP7659466B2 - シートヒータ制御装置 - Google Patents
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JP7659466B2 - シートヒータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のシートに設けられたシートヒータへの通電を制御するためのシートヒータ制御装置に関する。
特許文献1が開示する暖房装置付き座席は、発熱体と、前記発熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段にて検出した温度に応じて前記発熱体への通電を制御する制御手段と、座席の座面カバー下に位置し座面の温度を検出する座面温度検出手段と、人が前記座席に着座しているか否かを判定する着座判定手段とを備え、前記着座判定手段は、所定時間の間の前記座面温度検出手段により検出した温度の変化量により着座か否かを判定する。
特開2008-285145号公報
ところで、座面の温度変化量に基づき着座の有無を判定する場合、シートに保温性に優れた物が置かれた場合などにおいて、着座の有無を誤判定する可能性がある。
係る誤判定の抑止にはサーモカメラを着座判定に用いることが有効であることを、本発明者は見出した。
但し、サーモカメラの熱画像におけるシートヒータの加温領域の大きさは、リクライニング角度やシートの前後位置などのシートポジションによって変化するため、シートポジションの違いを考慮した着座判定が必要になる。
しかし、シートポジションの全てのパターンは膨大な数になるため、シートポジションの違いに対応しつつ、簡易な構成で着座判定を行えるようにすることが望まれる。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サーモカメラの熱画像に基づく着座判定を、シートポジションの違いに対処しつつ簡易な構成で実現できる、シートヒータ制御装置を提供することにある。
本発明によれば、その一態様において、シートヒータへの通電中でかつシートに乗員が着座していない状態での前記シートにおける熱分布の情報である基準熱分布情報と、シートポジションとを対応付けたテーブルを参照して、実際のシートポジションに対応する前記基準熱分布情報を求め、求めた前記基準熱分布情報と、サーモカメラが撮影した前記シートヒータによる加温領域を含む熱画像の情報とを比較して、前記シートにおける乗員の着座の有無を検出し、着座の有無に応じて前記シートヒータへの通電を制御する、シートヒータ制御装置において、前記テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似するシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報を、実際のシートポジションでの基準熱分布情報として求める第1取得部と、前記テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似する複数のシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報に基づく補間処理を行って、実際のシートポジションでの基準熱分布情報を求める第2取得部と、着座検出の条件に応じて、前記第1取得部と前記第2取得部とのうちのいずれか一方を選択し、選択した取得部によって実際のシートポジションでの基準熱分布情報を取得する選択部と、を有する。
本発明によれば、サーモカメラの熱画像に基づく着座判定を、シートポジションの違いに対処しつつ簡易な構成で実現できる。
シートヒータシステムのブロック図である。 シートヒータの配置を示す図である。 シートバック部の基準熱分布テーブルを示す図である。 シートクッション部の基準熱分布テーブルを示す図である。 基準熱分布情報を示す図である。 シートヒータ制御装置の機能ブロック図である。 1列目のシートを撮影するサーモカメラを天井に配置した状態を示す図である。 1列目のシートを撮影するサーモカメラをセンターコンソールに配置した状態を示す図である。 2列目のシートを撮影するサーモカメラを天井に配置した状態を示す図である。 2列目のシートを撮影するサーモカメラをセンターコンソールに配置した状態を示す図である。 シートヒータ制御装置による着座検出処理を示すフローチャートである。 シートクッション部の基準熱分布情報を求める第1取得部の処理を示すフローチャートである。 シートバック部の基準熱分布情報を求める第2取得部の処理を示すフローチャートである。 シートクッション部の基準熱分布情報を求める第2取得部の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るシートヒータ制御装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、シートヒータ制御装置を含む車両用のシートヒータシステムの一態様を示すブロック図である。
シートヒータシステム100は、車両のシート20を加温するためのシステムであり、基本的な構成として、シートヒータスイッチ200、シートヒータ制御装置300、サーミスタ400、シートヒータ500を有する。
シートヒータ500は、電気抵抗タイプのヒータユニットであり、シートバックヒータ500Aとシートクッションヒータ500Bとを対として、シート20に設けられる。
シートヒータスイッチ200は、車両の乗員が操作するスイッチである。乗員は、シートヒータスイッチ200のオンオフ操作によって、シートヒータ500による加温の実行・停止を任意に選択する。
サーミスタ400は、シートヒータ500を備えたシート20の表皮温度を検出するための素子である。
シートヒータ制御装置300は、マイクロプロセッサやメモリなどを含むマイクロコンピュータを備える電子制御装置であって、シートヒータ500への通電を制御する。
シートヒータ制御装置300は、シートヒータスイッチ200のオンオフ信号、及び、サーミスタ400によるシート表皮温度の検出信号を取得する。
そして、シートヒータ制御装置300は、シートヒータスイッチ200がオンに操作されている場合、サーミスタ400が検出するシート表皮温度が設定温度になるようにシートヒータ500の通電量を調整する。
一方、シートヒータ制御装置300は、シートヒータスイッチ200がオフに操作されている場合、シートヒータ500への通電を遮断する。
また、シートヒータ制御装置300は、シートヒータ500を備えるシート20に乗員が着座しているか否かを検出する機能部としての着座検出部を備える。
更に、シートヒータ制御装置300は、シート20における乗員の着座の有無に応じてシートヒータ500への通電を制御する機能部としてのヒータ制御部を備える。
シートヒータ制御装置300のヒータ制御部は、シート20に乗員が着座していないときに、当該シート20が備えるシートヒータ500への通電を自動停止する。
シートヒータ制御装置300がヒータ制御部を備えることで、乗員がシートヒータスイッチ200のオフ操作を忘れても、シートヒータ500への通電が停止され、電力消費が抑止される。
また、シートヒータシステム100は、シートヒータ制御装置300が、シート20に対する乗員の着座の有無を検出するのに用いる、サーモカメラ600を備える。
サーモカメラ600は、シートヒータ500を備えたシート20の前方から、シートヒータ500による加温領域、換言すれば、シートヒータ500が設置されているシート表皮を含む領域を撮影して、熱画像を出力する。
シートヒータ制御装置300は、シートヒータ500への通電中に、当該シート20をサーモカメラ600が撮影した熱画像に基づき、シートヒータ500による加温領域の熱分布を求める。
そして、シートヒータ制御装置300は、サーモカメラ600の熱画像に基づき求めた実際の熱分布が、非着座状態での熱分布に相当するか否かを判断することで、当該シート20における乗員の着座の有無を検出する。
図2は、車両10におけるサーモカメラ600及びシートヒータ500の配置の一態様を示す図である。
シート20は、シートバック部20A(換言すれば、背もたれ部)とシートクッション部20B(換言すれば、座面部)と、ヘッドレスト部20Cとを有する。
そして、シートバック部20Aにはシートバックヒータ500Aが設けられ、シートクッション部20Bにはシートクッションヒータ500Bが設けられる。
運転席及び助手席がシートヒータ500を備えたシート20である場合、サーモカメラ600は、たとえば、車室30内のルームミラー40付近の天井11に設置される。
この場合、サーモカメラ600は、運転席のシート20のシートヒータ500による加温領域、及び、助手席のシート20のシートヒータ500による加温領域を含む熱画像を撮影できるように視野角やカメラ向きなどが設定される。
つまり、サーモカメラ600は、運転席及び助手席の熱画像を撮影できるように設置される。
なお、運転席及び助手席がシートヒータ500を備えたシート20である場合、シートヒータスイッチ200は運転席用と助手席用とが個別に用意されるのが一般的である。
この場合、シートヒータ制御装置300は、シートヒータスイッチ200がオンに操作されている運転席及び/又は助手席について、サーモカメラ600の熱画像に基づく着座・非着座の判断をシート20毎にそれぞれ行い、シート20毎に通電停止と通電継続とのいずれかに決定する。
以下で、シートヒータ制御装置300による着座・非着座の検出処理をより詳しく説明する。
シートヒータ制御装置300が内蔵する不揮発性メモリには、シートヒータ500への通電中であって乗員が着座していないときにサーモカメラ600から得られると見込まれる熱画像の熱分布に関する情報、換言すれば、シートヒータ500への通電中であって乗員が着座していないときシート20の表皮温度に関する情報が、基準熱分布情報(判定基準データ)として予め保存されている。
シート20に乗員が着座すると、シートヒータ500による加温領域であるシート表皮が、着座した乗員によってサーモカメラ600から見えなくなり、サーモカメラ600は加温領域のシート表皮に代えて乗員を撮影することになる。
ここで、シートヒータ500への通電中におけるシート20の加温領域の表皮温度は一般的には40℃程度であり、係る温度は、人の表面温度(体温若しくは服の表面温度)よりも高い。
このため、サーモカメラ600の熱画像において、シートヒータ500による加温領域であったところの温度が、乗員が着座することで下がることになる。
換言すれば、乗員がシート20に着座することで、サーモカメラ600の実際の熱画像における加温領域(40℃程度の表皮温度領域)と、非着座状態でのサーモカメラ600の熱画像における加温領域とが不一致になる。
そこで、シートヒータ制御装置300は、シートヒータ500への通電中であって乗員がシート20に着座していない状態での加温領域の熱分布の情報である基準熱分布情報を不揮発性メモリに記憶する。
そして、シートヒータ制御装置300は、基準熱分布情報と、サーモカメラ600が実際に撮影した熱画像における熱分布の情報とを比較し、両者の一致、不一致を判断することで当該シート20に乗員が着座しているか否かを検出する。
ここで、シート20のシートポジションが変更されると、サーモカメラ600とシートヒータ500の加温領域との相対位置が変化することで、シートヒータ500への通電中であって乗員がシート20に着座していない状態でのサーモカメラ600の熱画像における熱分布、換言すれば、熱画像における加温領域の大きさが異なってくる。
そこで、シートヒータ制御装置300は、基準熱分布情報とシートポジションとを対応付けたテーブルを内蔵の不揮発性メモリに保存し、前記テーブルを参照してそのときの実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報を求める機能部である、基準熱分布情報取得部を備える。
これにより、シートヒータ制御装置300は、シートポジションが変更されても、サーモカメラ600の熱画像に基づく着座検出の精度を維持できる。
シートヒータシステム100は、シートヒータ制御装置300がシート20のシートポジションに応じて基準熱分布情報の設定するために、シート20のシートポジションを検出するシートポジションセンサを備える。
シートヒータシステム100は、シートポジションセンサとして、シート前後位置センサ610、シート角度位置センサ620、シート高さ位置センサ630、シート座面傾きセンサ640を備える。
シート前後位置センサ610は、シートスライド機能を備えたシート20の前後スライド位置、換言すれば、シート20全体の前後スライド量[mm]を検出する。
シート角度位置センサ620は、シートリクライニング機能を備えたシート20のシートバック部20Aのリクライニング角度[deg]検出する。
シート高さ位置センサ630は、シートリフタ機能を備えたシート20のシートクッション部20B全体のリフト量[mm]を検出する。
シート座面傾きセンサ640は、シート座面角度調整機能を備えたシート20のシートクッション部20Bの傾き角度[deg](若しくは、シートクッション部20Bの前端のリフト量[mm])を検出する。
なお、シート20を、シート20全体の前後スライド位置の調整機構、シートバック部20Aのリクライニング角度の調整機構、シートクッション部20B全体の高さの調整機構、及び、シートクッション部20Bの傾きの調整機構の全て備えるシート20に限定するものではない。
シート20が何らかのシートポジションの調整機構を備える場合に、当該シートポジションを検出するセンサを備えればよい。
ところで、基準熱分布情報とシートポジションとを対応付けたテーブル(以下、基準熱分布テーブルと称する。)において、シートポジションの全パターン毎に基準熱分布情報を登録させる場合、シートポジションのパターン数が多いため、基準熱分布テーブルを保存するためのメモリ容量が大きくなってしまう。
そこで、シートヒータ制御装置300が記憶する基準熱分布テーブルにおいては、シートポジションの全パターンから間引いたパターンに対して基準熱分布情報を登録させることで、基準熱分布テーブルを保存するためのメモリ容量を節約する。
たとえば、シート20のシートポジションの可変範囲及び調整ステップ単位が以下であると仮定する。
・シート20全体の前後スライド位置:0mmから200mmの可変範囲内において1mm単位で調整可能
・シートバック部20Aのリクライニング角度:90degから180degの可変範囲内において1deg単位で調整可能
・シートクッション部20Bの高さ:0mmから100mmの可変範囲内において1mm単位で調整可能
・シートクッション部20Bの傾き:固定
この場合、シートバック部20Aについては、シート20全体の前後スライド位置とシートバック部20Aのリクライニング角度との組み合わせでポジションが変わるため、ポジションの全パターンは、201×91=18291パターンとなる。
また、シートクッション部20Bについては、シート20全体の前後スライド位置とシートクッション部20Bの高さとの組み合わせでポジションが変わるため、ポジションの全パターンは、201×101=20301パターンとなる。
これに対し、シートヒータ制御装置300の不揮発性メモリに保存する基準熱分布テーブルにおいては、たとえば、シートバック部20Aのリクライニング角度の分解能を10degとし、また、シートクッション部20Bの高さの分解能を50mmとする。
係るシートポジションの間引きを実施すれば、基準熱分布テーブルにおけるシートバック部20Aのポジションのパターン数は、調整可能な全パターンである18291パターンから、201×10=2010パターンに減る。
また、基準熱分布テーブルにおけるシートクッション部20Bのポジションのパターン数は、調整可能な全パターンである20301パターンから、201×3=603パターンに減る。
そして、ポジションのパターン数が減れば、基準熱分布テーブルの保存に要する容量が減ることになる。
なお、上記の例では、シート20全体の前後スライド位置については、調整可能単位である1mmをそのまま基準熱分布テーブルの分解能とするが、たとえば、基準熱分布テーブルの設定において、シート20全体の前後スライド位置の分解能を4mmとすることで、前後スライド位置のパターンの間引きを実施することができる。
図3は、シート20全体の前後スライド位置の分解能を4mmとし、シートバック部20Aのリクライニング角度の分解能を10degとしたときの、シートバック部20Aの基準熱分布テーブルを示す。
また、図4は、シート20全体の前後スライド位置の分解能を4mmとし、シートクッション部20Bの高さの分解能を50mmとしたときの、シートクッション部20Bの基準熱分布テーブルを示す。
更に、図5は、シートバック部20Aの基準熱分布テーブル、及び、シートクッション部20Bの基準熱分布テーブルにおいて、シートポジション毎に加温領域の熱分布の情報として保存されるデータを示す。
シートバック部20Aの基準熱分布テーブルにおいては、シート20全体の前後スライド位置とシートバック部20Aのリクライニング角度との組み合わせ毎に、シートバックヒータ500Aによる加温領域の横寸法SBxと加温領域の縦寸法SByが保存される。
一方、シートクッション部20Bの基準熱分布テーブルにおいては、シート20全体の前後スライド位置とシートクッション部20Bの高さとの組み合わせ毎に、シートクッションヒータ500Bによる加温領域の横寸法SKxと加温領域の縦寸法SKyが保存される。
シートヒータ制御装置300は、図3、図4に示すような基準熱分布テーブルを参照して、そのときのシートポジションに対応する加温領域の熱分布の情報、詳細には、各寸法SBx、SBy、SKx、SKyの情報を検索する。
そして、シートヒータ制御装置300は、サーモカメラ600の熱画像から、シートバック部20Aについては横寸法SBx、縦寸法SByの加温領域が検出され、シートクッション部20Bについては横寸法SKx、縦寸法SKyの加温領域が検出されたかに基づき、乗員が当該シート20に着座しているか否かを検出する。
ここで、基準熱分布テーブルにおけるシートポジションのパターンを間引くことで、基準熱分布テーブルの容量は減ることになるが、実際のシートポジションが、基準熱分布テーブルにおけるシートポジションのいずれにも該当しない場合が生じる。
たとえば、シート20全体の前後スライド位置が0mmで、シートクッション部20Bの高さが10mmであるとき、図4のシートクッション部20Bの基準熱分布テーブルにおいて、該当するシートポジションは存在しない。
そこで、シートヒータ制御装置300は、実際のシートポジションが、基準熱分布テーブルにおけるシートポジションのいずれにも該当しない場合、実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報を取得する機能部として2つの機能部を備え、係る2つの機能部を選択的に用いるよう構成されている。
シートヒータ制御装置300は、基準熱分布テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似するシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報を、実際のシートポジションでの基準熱分布情報として求める機能部である第1取得部を備える。
また、シートヒータ制御装置300は、基準熱分布テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似する複数のシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報に基づく補間処理を行って、実際のシートポジションでの基準熱分布情報を求める機能部である第2取得部を備える。
更に、シートヒータ制御装置300は、着座検出の条件に応じて、上記第1取得部と第2取得部とのうちのいずれか一方を選択し、選択した取得部によって実際のシートポジションでの基準熱分布情報を取得させる機能部である選択部を備える。
以下では、第1取得部による基準熱分布情報の取得処理の一態様を、具体例に基づき説明する。
ここで、図4に示したシートクッション部20Bの基準熱分布テーブルを用いる場合で、実際のシートポジションが、シート20全体の前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが10mmであると仮定する。
この条件では、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量に合致する前後スライド量=0mmの列が存在するため、第1選択部は、検索対象として前後スライド量=0mmの列を選択する。
一方、図4の基準熱分布テーブルにおいては、シートクッション部20Bの高さの分解能が50mmに設定されていて、シートクッション部20Bの高さは、0mm、50mm、100mmのいずれかに限定されている。
つまり、図4の基準熱分布テーブルにおいて、実際のシートクッション部20Bの高さである10mmに対応する基準熱分布情報は保存されていない。
ここで、第1選択部は、図4の基準熱分布テーブルにおける高さの行である、0mmの行、50mmの行、100mmの行のうち、実際のシートクッション部20Bの高さである10mmに最も近似する0mmの行を選択する。
つまり、第1選択部は、シート20全体の前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが10mmであるとき、図4の基準熱分布テーブルにおける前後スライド量と高さとの組み合わせのうち、前後スライド量が0mmでシートクッション部20Bの高さが0mmであるときを実際のシートポジションに最も近似するシートポジションとして選定する。
そして、第1選択部は、前後スライド量が0mmでシートクッション部20Bの高さが0mmであるときに対応して保存されている基準熱分布情報(SKx1,SKy1)を、実際のシートポジションでの基準熱分布情報として求める。
次に、第2取得部による基準熱分布情報の取得処理の一態様を、具体例に基づき説明する。
ここで、図3に示したシートバック部20Aの基準熱分布テーブルを用いる場合で、実際のシートポジションが、シート20全体の前後スライド量が0mmで、シートバック部20Aのリクライニング角度が94degであると仮定する。
この条件では、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量に合致する前後スライド量=0mmの列が存在するため、第2取得部は、検索対象として前後スライド量=0mmの列を選択する。
一方、図3の基準熱分布テーブルにおいては、シートバック部20Aのリクライニング角度の分解能が10degに設定されていて、リクライニング角度は、90degの次は100degになる。
つまり、図3の基準熱分布テーブルにおいて、実際のシートバック部20Aのリクライニング角度である94degに対応する基準熱分布情報は保存されていない。
ここで、第2取得部は、図3の基準熱分布テーブルにおけるリクライニング角度の行(90degの行、100degの行、110degの行・・・)のうち、94degよりも角度が小さい方向で最も近似する90degと、94degよりも角度が大きい方向で最も近似する100degとを選定する。
換言すれば、第2取得部は、前後スライド量=0mmの列のうち、実際のリクライニング角度(94deg)を挟む2つの角度の行を、実際のシートポジションに近似する複数のシートポジションとして選定する。
そして、第2取得部は、前後スライド量=0mmでかつリクライニング角度=90degであるときに対応して保存されている基準熱分布情報(SBx1,SBy1)を読み出し、更に、前後スライド量=0mmでかつリクライニング角度=100degであるときに対応して保存されている基準熱分布情報(SBx2,SBy2)を読み出す。
次いで、第2取得部は、リクライニング角度=90degでの基準熱分布情報(SBx1,SBy1)及びリクライニング角度=100degでの基準熱分布情報(SBx2,SBy2)に基づく補間処理で、実際のリクライニング角度=94degでの基準熱分布情報(SBx,SBy)を求める。
第2取得部は、下式にしたがって、実際のリクライニング角度=94degでの縦寸法SByを算出する。
SBy=SBy1-ΔBy
ΔBy={(SBy1-SBy2)/10}*(94-90)
同様に、第2取得部は、下式にしたがって、実際のリクライニング角度=94degでの横寸法SBxを算出する。
SBx=SBx1-ΔBx
ΔBx={(SBx1-SBx2)/10}*(94-90)
上式における「10」は、基準熱分布テーブルにおけるリクライニング角度の分解能である10degであり、(SBy1-SBy2)/10、及び、(SBx1-SBx2)/10は、単位リクライニング角度当たりの寸法変化量を示す。
また、上式における「94」は実際のリクライニング角度、「90」は、基準熱分布テーブルにおいて実際のリクライニング角度=94degに角度が小さい方向で最も近似するリクライニング角度である90degを示す。
たとえば、SBy1=400mm、SBy2=360mmである場合、実際のシートポジションでの縦寸法SByは、上式から以下のように求まる。
ΔBy={(400-360)/10}*(94-90)=16
SBy=400-16=384
同様に、SBx1=300mm、SBx2=300mmである場合、実際のシートポジションでの縦寸法SBxは、上式から以下のように求まる。
ΔBx={(300-300)/10}*(94-90)=0
SBx=300-0=300
なお、上記は、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量に合致する前後スライド量の列が存在する場合の例であるが、第2取得部は、実際の前後スライド量に合致する前後スライド量の列が存在しない場合においても、補間処理による基準熱分布情報の取得を行なえる。
たとえば、図3の基準熱分布テーブルにおいては、前後スライド量の分解能は比較的細かいので、第2選択部は、前後スライド量の列については実際の前後スライド量に最も近似する列を選択した上で、上記のようなリクライニング角度のずれに応じた補間処理を実施することができる。
また、第2選択部は、前後スライド量のずれに応じた補間処理と、リクライニング角度のずれに応じた補間処理との双方を実施することも可能である。
また、第2取得部は、シートバック部20Aの場合と同様にして、シートクッション部20Bの基準熱分布テーブルを参照し、実際のシートポジションに合致する基準熱分布情報を補間処理によって求める。
図6は、シートヒータ制御装置300の機能ブロック図である。
シートヒータ制御装置300は、基準熱分布情報取得部310、着座検出部320、ヒータ制御部330を備える。
基準熱分布情報取得部310は、シートポジションに関する情報を取得し、基準熱分布情報を出力する。
着座検出部320は、基準熱分布情報取得部310から基準熱分布情報を取得し、また、サーモカメラ600から熱画像の情報を取得し、シート20に対する乗員の着座の有無に関する情報を出力する。
そして、ヒータ制御部330は、着座検出部320から着座の有無に関する情報を取得し、シートヒータ500への通電を制御する。
ここで、基準熱分布情報取得部310は、第1取得部311、第2取得部312、選択部313を備える。
第1取得部311及び第2取得部312は、基準熱分布テーブルを参照して実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報を求める機能部である。
選択部313は、着座検出の条件に応じて、第1取得部311と第2取得部312とのいずれか一方を作動させて、作動させた取得部から実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報を出力させる。
以下では、選択部313が実施する、第1取得部311と第2取得部312とのいずれか一方を選択する処理を、詳細に説明する。
第1取得部311は、実際のシートポジションに近似するシートポジションに対応して基準熱分布テーブルに保存されている基準熱分布情報を検索する処理を実施し、補間処理を実施しない。
これに対し、第2取得部312は、実際のシートポジションに近似する複数のシートポジションに対応して基準熱分布テーブルに保存されている基準熱分布情報を検索し、これらに基づく補間処理を実施することで、第1取得部311によって得られる基準熱分布情報よりも実際のシートポジションでの値により近い基準熱分布情報を取得する。
したがって、第1取得部311は、基準熱分布情報を求めるための演算負荷が、補間処理を行う第2取得部312に比べて小さい。
しかし、第1取得部311によって基準熱分布の情報を取得する場合、実際のシートポジションからずれているシートポジションに対応する基準熱分布情報が着座検出に用いられることになるため、シートポジションの違いによる基準熱分布情報の違いが大きい場合は、着座検出の精度が第2取得部312を用いる場合よりも低下することになる。
そこで、選択部313は、着座検出の精度を確保しつつ、基準熱分布情報を求めるときの演算負荷を極力軽減できるように、着座検出の条件に応じて第1取得部311と第2取得部312とのうちのいずれか一方を選択し、選択した取得部によって実際のシートポジションでの基準熱分布情報を取得する。
つまり、選択部313は、着座検出の条件が、着座検出の精度を確保できる基準熱分布情報を第1取得部311によって取得できる条件であるときは、第1取得部311を選択する。
一方、選択部313は、着座検出の条件が、着座検出の精度を確保できる基準熱分布情報を第1取得部311によって取得できない条件であるときは、第2取得部312を選択する。
ここで、サーモカメラ600とシート20(シートヒータ500)との位置関係が、シートポジションの変動によるサーモカメラ600の熱画像における加温領域の変化が大きい位置関係であると、第1取得部311で取得する基準熱分布情報の誤差が大きくなり、着座検出の精度を低下させることになる。
そこで、選択部313は、サーモカメラ600とシート20との位置関係に応じて第1取得部311と第2取得部312とのうちのいずれか一方を選択する。
つまり、選択部313は、サーモカメラ600とシート20との位置関係が、シートポジションの変動による熱画像における加温領域の変化が閾値よりも小さくなる位置関係である場合、第1取得部311を選択する。
一方、選択部313は、サーモカメラ600とシート20との位置関係が、シートポジションの変動による熱画像における加温領域の変化が閾値よりも大きくなる位置関係である場合、第2取得部312を選択する。
更に、シートポジションの変動による熱画像における加温領域の変化は、シートバック部20Aとシートクッション部20Bとで異なる。
そこで、選択部313は、シートバック部20Aの基準熱分布情報を取得する取得部と、シートクッション部20Bの基準熱分布情報を取得する取得部とを個別に選択する。
そして、選択部313は、サーモカメラ600とシート20との位置関係によって、シートクッション部20Bについては第1取得部311を選択し、シートバック部20Aについては第2取得部312を選択し、或いは、シートバック部20A及びシートクッション部20Bについて第2取得部312を選択する。
以下では、サーモカメラ600とシート20との位置関係と、選択部313がシートバック部20A及びシートクッション部20Bのそれぞれについて選択する取得部との相関を具体的に説明する。
図7は、運転席及び助手席(換言すれば、最前列である1列目の左右の座席)のシート20の熱画像を撮影するサーモカメラ600が、天井11の車幅中央付近に設置される場合を示す。
係るサーモカメラ600とシート20との位置関係の場合、選択部313は、シートバック部20A(シートバックヒータ500A)及びシートクッション部20B(シートクッションヒータ500B)の双方について第2取得部312を選択する。
図8は、同じく、運転席及び助手席のシート20の熱画像を撮影するサーモカメラ600の設置場所を、天井11よりも低いダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)とした場合を示す。
係るサーモカメラ600とシート20との位置関係の場合、選択部313は、シートクッション部20B(シートクッションヒータ500B)については第1取得部311を選択し、シートバック部20A(シートバックヒータ500A)については第2取得部312を選択する。
サーモカメラ600をダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置した場合、サーモカメラ600の熱画像におけるシートクッションヒータ500Bによる加温領域は、シートクッション部20Bの高さや前後位置の変化による変動が小さい。
したがって、基準熱分布情報取得部310が、シートクッション部20Bについて第1取得部311で基準熱分布情報を取得しても、シートクッション部20Bの高さや前後位置の変化に対して必要十分な精度で基準熱分布情報を取得できる。
そして、シートヒータ制御装置300は、シートクッション部20Bについて第1取得部311で基準熱分布情報を取得することで、基準熱分布情報の取得処理における演算負荷が軽減される。
一方、サーモカメラ600をダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置した場合、サーモカメラ600の熱画像におけるシートバックヒータ500Aによる加温領域は、シートバック部20Aのリクライニング角度によって大きく変化する。
したがって、基準熱分布情報取得部310が、シートバック部20Aについて第1取得部311で基準熱分布情報を取得した場合、シートバック部20Aのリクライニング角度によって基準熱分布情報の精度が低下する。
そこで、選択部313は、シートバック部20Aについては第2取得部312を選択することで、シートバック部20Aのリクライニング角度の変動があっても基準熱分布情報を高い精度で取得できるようにする。
一方、サーモカメラ600が天井11に設置される場合、サーモカメラ600からシートバック部20A、シートクッション部20Bまでの距離が遠く、シートクッション部20Bの高さの変動や、シートバック部20Aのリクライニング角度の変動によって、熱画像における加温領域の変化が大きくなる。
そこで、選択部313は、サーモカメラ600が天井11に設置される場合、シートバック部20A及びシートクッション部20Bについて第2取得部312を選択することで、シートクッション部20Bの高さの変動や、シートバック部20Aのリクライニング角度の変動があっても、基準熱分布情報を高い精度で取得できるようにする。
このように、選択部313は、サーモカメラ600の設置位置、詳細には設置高さによって、シートバック部20A及びシートクッション部20Bそれぞれについて第1取得部311と第2取得部312とのいずれかを選択する。
つまり、選択部313は、サーモカメラ600の設置高さが所定高さよりも低い場合、たとえば、図8に示したように、サーモカメラ600がダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置される場合、シートクッションヒータ500Bについては第1取得部311を選択し、シートバックヒータ500Aについては第2取得部312を選択する。
一方、選択部313は、サーモカメラ600の設置高さが前記所定高さよりも高い場合、たとえば、図7に示したように、サーモカメラ600が天井11に設置される場合、シートクッションヒータ500B及びシートバックヒータ500Aについて第2取得部312を選択する。
上記では、運転席及び助手席のシート20の熱画像を撮影するサーモカメラ600の設置位置(設置高さ)と、選択部313による取得部の選択処理との相関を説明したが、選択部313は、車両10の2列目以降のシート20についても、運転席及び助手席のシート20と同様の制御特性に基づき取得部の選択を実施する。
図9は、2列目の左右のシート20-2がシートヒータ500を備え、係る2列目のシート20-2を撮影するサーモカメラ600-2が天井11に設置される場合を示す。
係るシート20-2とサーモカメラ600-2の位置関係である場合、サーモカメラ600-2の設置高さが所定高さよりも高く、シートクッション部20Bの高さの変動や、シートバック部20Aのリクライニング角度の変動によって、熱画像における加温領域の変化が大きくなる。
そこで、選択部313は、2列目のシート20-2のシートバック部20A及びシートクッション部20Bについて、第2取得部312による基準熱分布情報の取得を選択する。
図10は、2列目のシート20-2を撮影するサーモカメラ600-2が前列の左右のシート20(1列目の運転席、助手席のシート20)の間に設けられたセンターコンソール13に設置される場合、つまり、サーモカメラ600-2の設置高さが所定高さよりも低い場合を示す。
この場合、シート20-2とサーモカメラ600-2の位置関係は、運転席、助手席のシート20を撮影するサーモカメラ600がダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置される場合と同様となる。
したがって、選択部313は、2列目のシート20-2のシートバック部20Aについては、第2取得部312による基準熱分布情報の取得を選択し、2列目のシート20-2のシートクッション部20Bについては、第1取得部311による基準熱分布情報の取得を選択する。
なお、車両10が3列目の左右のシート20を備える場合も、3列目のシート20を撮影するサーモカメラ600が天井とセンターコンソールとのいずれに設置されているか、換言すれば、サーモカメラ600の設置高さが所定高さよりも高いか低いかに応じて、選択部313は、シートバック部20A、シートクッション部20Bのそれぞれについて、第1取得部311,第2取得部312のいずれかを選択する。
図11は、シートヒータ制御装置300による着座検出処理の一態様を示すフローチャートである。
シートヒータ制御装置300は、まず、ステップS801で、着座検出処理の対象とするシート20の選定を行う。
車両10がたとえば3列シートの6人乗りであって、全シート20がシートヒータ500を備え、各例にサーモカメラ600を設置してある場合、シートヒータ制御装置300は、たとえば、助手席(第1例の左側シート)、運転席(第1例の右側シート)、第2列の左側シート、第2列の右側シート、第3列の左側シート、第3列の右側シートの順を、着座検出処理の実施順とする。
そして、シートヒータ制御装置300は、6席のうちシートヒータ500に通電していないシート20があれば、当該シート20については着座検出処理を実施することなく、次の順番のシート20についてシートヒータ500に通電していれば着座検出処理を実施する。
シートヒータ制御装置300は、ステップS801で、着座検出処理の対象とするシート20を選定すると、ステップS802に進む。
シートヒータ制御装置300は、ステップS802で、着座検出処理の対象としたシート20が備える、シート前後位置センサ630、シート角度位置センサ640、シート高さ位置センサ650、及びシート座面傾きセンサ660それぞれの出力信号を取得して、当該シート20のシートポジションを検知する。
次いで、シートヒータ制御装置300は、ステップS803に進み、ステップS802で取得したシートポジションに関する情報に基づき、現状のシートポジションでシートヒータ500に通電したときの非着座状態での熱画像の熱分布の情報である基準熱分布情報を取得する。
ここで、シートヒータ制御装置300は、前述したように、基準熱分布情報とシートポジションとを対応付けた基準熱分布テーブルを参照して、現状のシートポジションでの基準熱分布情報を求める。
更に、シートヒータ制御装置300は、基準熱分布テーブルを参照して現状のシートポジションでの基準熱分布情報を求める際に、前述したように、演算負荷を低減できる方法(第1取得部311)と、演算負荷が比較的高いものの高い精度で現状のシートポジションでの基準熱分布情報を求めることができる方法(第2取得部312)とを、サーモカメラ600とシート20との位置関係に基づき使い分ける。
たとえば、運転席、助手席を撮影するサーモカメラ600がダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置される場合(図8参照)、シートヒータ制御装置300は、シートクッション部20Bについては、演算負荷を低減できる方法(第1取得部311)を選択して基準熱分布情報を求め、シートバック部20Aについては、高い精度で現状のシートポジションでの基準熱分布情報を求める方法(第2取得部312)を選択する。
シートヒータ制御装置300は、次のステップS804において、ステップS803で求めた基準熱分布情報と、サーモカメラ600で撮影した熱画像から求めた加温領域の熱分布とを比較して、熱分布の状態が一致するか否かを判断する。
ここで、サーモカメラ600で撮影した熱画像における加温領域の熱分布と、基準熱分布情報とが一致する状態とは、サーモカメラ600で撮影した熱画像が、非着座状態での熱分布に相当している状態、つまり、サーモカメラ600から加温領域のシート表皮が直接見えている状態である。
そこで、シートヒータ制御装置300は、サーモカメラ600で撮影した熱画像における加温領域の熱分布と、基準熱分布情報とが一致する場合、当該シート20に乗員は着座していないと判断して、ステップS805に進む。
シートヒータ制御装置300は、ステップS805で、当該シート20のシートヒータ500(シートバックヒータ500A及びシートクッションヒータ500B)への通電を自動停止する。
係る自動停止制御によって、乗員が着座していないシート20のシートヒータ500への通電が継続されて電力が無駄に消費されることが抑止される。
なお、シートヒータ制御装置300は、シート20への非着座を検出したときに、シートヒータ500への通電量を低下させたり、非着座判定の継続時間が所定時間に達してから通電量の低下若しくは通電停止を実施したりすることができる。
一方、シートヒータ制御装置300は、サーモカメラ600で撮影した熱画像における加温領域の熱分布と、基準熱分布情報とが一致しない場合、つまり、サーモカメラ600から加温領域のシート表皮が直接見えていないと推定される場合、ステップS806に進み、第2の着座検出処理を実施する。
つまり、サーモカメラ600で撮影した熱画像における加温領域の熱分布と、基準熱分布情報とが一致しない状態は、サーモカメラ600と加温領域のシート表皮との間に物体が存在する状態であって、乗員がシート20に着座している状態の他、荷物がシート20に置かれている状態があり得る。
このため、シートヒータ制御装置300は、サーモカメラ600で撮影した熱画像における加温領域の熱分布と、基準熱分布情報とが一致しない場合、ステップS806に進み、乗員がシート20に着座しているのか荷物がシート20に置かれているのかを判別するための第2の着座検出処理を実施する。
シートヒータ制御装置300は、ステップS806の第2の着座検出処理において、たとえば、人の表面温度の領域がシート20に占める割合に基づき、乗員がシート20に着座しているのか荷物がシート20に置かれているのかを判別する。
詳細には、シートヒータ制御装置300は、シート20のヘッドレスト部20Cの領域において、人の体温の温度域(例えば、36℃-37℃)を示す領域の割合が一定以上であるか否かを判別することで、乗員がシート20に着座しているのか荷物がシート20に置かれているのかを判別する。
また、シートヒータ制御装置300は、シートバック部20A或いはシートクッション部20Bの領域において、服の表面温度及び体温を含む温度域、つまり、人の表面温度域が占める割合が一定以上であるか否かなどを判別することで、乗員がシート20に着座しているのか荷物がシート20に置かれているのかを判別する。
そして、シートヒータ制御装置300は、荷物がシート20に置かれていると判別すると、当該シート20のシートヒータ500(シートバックヒータ500A及びシートクッションヒータ500B)への通電を自動停止する。
シートヒータ制御装置300は、ステップS805又はステップS806での処理を終えると、ステップS807に進んで、シートヒータ500に通電中である全てシート20について着座・非着座判定を行ったか否かを判断する。
そして、シートヒータ制御装置300は、シートヒータ500に通電中である全てシート20について着座・非着座判定を行った場合はそのまま本ルーチンを終了させ、着座・非着座判定を行うべきシート20が残っていれば、ステップS808に進んで、次に着座・非着座判定の対象とするシート20を選定した後、ステップS802に戻る。
図12は、第1取得部311が、シートクッション部20Bの基準熱分布情報を取得する処理を示すフローチャートである。
たとえば、運転席、助手席を撮影するサーモカメラ600がダッシュボード12(或いはセンタークラスター13)に設置される場合(図8参照)、シートクッション部20Bの基準熱分布情報は、図12のフローチャートにしたがって取得される。
第1取得部311は、まず、ステップS821で、シート前後位置センサ610が検出したシート20全体の前後スライド量の情報を取得する。
また、第1取得部311は、次のステップS822で、シート高さ位置センサ630が検出したシートクッション部20Bの高さの情報を取得する。
次いで、第1取得部311は、ステップS823で、基準熱分布テーブル(図4参照)において、取得した前後スライド量とシートクッション部20Bの高さとの組み合わせに対応する基準熱分布情報が保存されているか否かを判断する。
たとえば、図4の基準熱分布テーブルを用いるときに、前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが50mmであれば、第1取得部311は、実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報(SKx2,SKy2)が保存されていると判断する。
第1取得部311は、前後スライド量とシートクッション部20Bの高さとの組み合わせに対応する基準熱分布情報が基準熱分布テーブルにおいて保存されている場合、ステップS824に進む。
そして、第1取得部311は、ステップS824で、基準熱分布テーブルにおいて、前後スライド量とシートクッション部20Bの高さとの組み合わせ(換言すれば、実際のシートポジション)に対応して保存されている基準熱分布情報を読み出し、シートクッション部20Bの着座検出に用いる基準熱分布情報に設定する。
一方、前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが10mmである場合など、基準熱分布テーブルに実際のシートポジションに対応する基準熱分布情報が保存されていない場合、第1取得部311は、ステップS825に進む。
第1取得部311は、ステップS825で、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量に一致するか又は最も近似する前後スライド量の列を選択する。
次いで、第1取得部311は、ステップS826に進み、ステップS825で選択した例のうちの実際のシートクッション部20Bの高さに一致するか又は最も近似する高さに対応して保存されている基準熱分布情報を読み出し、シートクッション部20Bの着座検出に用いる基準熱分布情報に設定する。
たとえば、前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが10mmである場合、第1取得部311は、図4の基準熱分布テーブルにおいて、前後スライド量が0mmで、シートクッション部20Bの高さが0mmの欄の基準熱分布情報(SKx1,SKy1)を、着座検出に用いる基準熱分布情報とする。
図13は、第2取得部312が、シートバック部20Aの基準熱分布情報を取得する処理を示すフローチャートである。
第2取得部312は、まず、ステップS831で、実際の前後スライド量の情報を取得し、次のステップS832で、実際のリクライニング角度の情報を取得する。
次いで、第2取得部312は、ステップS833に進み、基準熱分布テーブル(図3参照)において、取得した前後スライド量とリクライニング角度との組み合わせ(実際のシートポジション)に対応する基準熱分布情報が保存されているか否かを判断する。
そして、実際の前後スライド量と実際のリクライニング角度との組み合わせに対応する基準熱分布情報が保存されている場合、第2取得部312は、ステップS834に進み、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量と実際のリクライニング角度との組み合わせに対応して保存されている基準熱分布情報を読み出し、シートバック部20Aの着座検出に用いる基準熱分布情報に設定する。
一方、実際の前後スライド量と実際のリクライニング角度との組み合わせに対応する基準熱分布情報が基準熱分布テーブルに保存されていない場合、第2取得部312は、ステップS835に進む。
第2取得部312は、ステップS835で、基準熱分布テーブル(図3参照)において実際の前後スライド量に一致するか又は最も近似する前後スライド量の列を選択する。
次いで、第2取得部312は、ステップS836で、基準熱分布テーブルのリクライニング角度のうち、実際のリクライニング角度に近似する2つのリクライニング角度、つまり、実際のリクライニング角度よりも小さい側で最も近い第1リクライニング角度と、実際のリクライニング角度よりも大きい側で最も近い第2リクライニング角度を求める。
そして、第2取得部312は、第1リクライニング角度のときの基準熱分布情報と、第2リクライニング角度のときの基準熱分布情報とに基づく補間処理で、実際のリクライニング角度での基準熱分布情報を求める。
たとえば、第1リクライニング角度のときの基準熱分布情報を(SBx1、SBy1)とし、第2リクライニング角度のときの基準熱分布情報を(SBx2、SBy2)とした場合、第2取得部312は、実際のシートポジションでの基準熱分布情報のうちの縦寸法SByを、下式にしたがって算出する。
なお、下式において、RAaは実リクライニング角度を示し、RA1は第1リクライニング角度を示し、10は基準熱分布テーブルのリクライニング角度のステップである10degを示す。
ΔBy={(SBy1-SBy2)/10}*(RAa-RA1)
SBy=SBy1-ΔBy
同様に、第2取得部312は、実際のシートポジションでの基準熱分布情報のうちの横寸法SBxを、下式にしたがって算出する。
ΔBx={(SBx1-SBx2)/10}*(RAa-RA1)
SBx=SBx1-ΔBx
図14は、第2取得部312が、シートクッション部20Bの基準熱分布情報を取得する処理を示すフローチャートである。
第2取得部312は、まず、ステップS841で、実際の前後スライド量の情報を取得し、次のステップS842で、実際のシートクッション部20Bの高さの情報を取得する。
次いで、第2取得部312は、ステップS843に進み、基準熱分布テーブル(図4参照)において、取得した前後スライド量と高さとの組み合わせ(実シートポジション)に対応する基準熱分布情報が保存されているか否かを判断する。
そして、実際の前後スライド量と実際の高さとの組み合わせに対応する基準熱分布情報が基準熱分布テーブルに保存されている場合、第2取得部312は、ステップS844に進み、基準熱分布テーブルにおいて、実際の前後スライド量と実際の高さとの組み合わせに対応して保存されている基準熱分布情報を読み出し、シートクッション部20Bの着座検出に用いる基準熱分布情報に設定する。
一方、実際の前後スライド量と実際の高さとの組み合わせに対応する基準熱分布情報が保存されていない場合、第2取得部312は、ステップS845に進む。
第2取得部312は、ステップS845で、基準熱分布テーブル(図4参照)において実際の前後スライド量に一致するか又は最も近似する前後スライド量の列を選択する。
次いで、第2取得部312は、ステップS846で、基準熱分布テーブルの高さのうち、実際の高さに近似する2つの高さ、つまり、実際の高さよりも小さい側で最も近い第1高さと、実際の高さよりも大きい側で最も近い第2高さを求める。
そして、第2取得部312は、第1高さのときの基準熱分布情報と、第2高さのときの基準熱分布情報とに基づく補間処理で、実際の高さでの基準熱分布情報を求める。
たとえば、第1高さのときの基準熱分布情報を(SKx1、SKy1)とし、第2高さのときの基準熱分布情報を(SKx2、SKy2)とした場合、第2取得部312は、実際のシートポジションでの基準熱分布情報のうちの縦寸法SKyを、下式にしたがって算出する。
なお、下式において、CHaは実高さを示し、CH1は第1高さを示し、50は基準熱分布テーブルの高さのステップである50mmを示す。
ΔKy={(SKy1-SKy2)/50}*(CHa-CH1)
SKy=SKy1-ΔKy
同様に、第2取得部312は、実際のシートポジションでの基準熱分布情報のうちの横寸法SKxを、下式にしたがって算出する。
ΔKx={(SKx1-SKx2)/50}*(CHa-CH1)
SKx=SKx1-ΔKx
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
たとえば、シートヒータ制御装置300は、第1取得部311で取得した基準熱分布情報に基づく着座検出において、実際の熱分布が基準熱分布情報に一致しないと判断したときに、第2取得部312によりあらためて基準熱分布情報を取得し、実際の熱分布が基準熱分布情報に一致するか否かを再度確認することができる。
また、シートヒータ制御装置300は、たとえば、シートバック部20Aの基準熱分布情報を求めるときに、リクライニング角度の大きさに応じて第1取得部311と第2取得部312とを使い分けることができる。
つまり、シートヒータ制御装置300は、リクライニング角度の変化に対する基準熱分布情報の変化が比較的小さいリクライニング角度の領域では第1取得部311によって基準熱分布情報を取得し、リクライニング角度の変化に対する基準熱分布情報の変化が比較的大きいリクライニング角度の領域では第2取得部312によって基準熱分布情報を取得することができる。
また、シートヒータ制御装置300は、シートヒータ500に通電中のシート20に乗員が着座していないと判定したときに、乗員が着座していないシート20のシートヒータスイッチ200がオンに操作されていることを警告する表示や音声案内などを実施することができる。
そして、シートヒータ制御装置300は、上記の警告を行なっても、シートヒータスイッチ200がオフに操作されなかったときに、シートヒータ500への通電量を減らす若しくは通電停止する処理を実施することができる。
10…車両、20…シート、100…シートヒータシステム、300…シートヒータ制御装置、310…基準熱分布情報取得部、311…第1取得部、312…第2取得部、313…選択部、320…着座検出部、330…ヒータ制御部、500…シートヒータ、600…サーモカメラ

Claims (5)

  1. 車両のシートに設けられたシートヒータへの通電を制御するためのシートヒータ制御装置であって、
    前記シートヒータへの通電中でかつ前記シートに乗員が着座していない状態での前記シートにおける熱分布の情報である基準熱分布情報と、シートポジションとを対応付けたテーブルを参照して、実際のシートポジションに対応する前記基準熱分布情報を求める基準熱分布情報取得部と、
    前記基準熱分布情報取得部が求めた前記基準熱分布情報と、サーモカメラが撮影した前記シートヒータによる加温領域を含む熱画像の情報とを比較して、前記シートにおける乗員の着座の有無を検出する着座検出部と、
    前記着座検出部が検出した前記シートにおける乗員の着座の有無に応じて前記シートヒータへの通電を制御するヒータ制御部と、
    を有し、
    前記基準熱分布情報取得部は、
    前記テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似するシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報を、実際のシートポジションでの基準熱分布情報として求める第1取得部と、
    前記テーブルに保存されている基準熱分布情報のうちの実際のシートポジションに近似する複数のシートポジションに対応して保存されている基準熱分布情報に基づく補間処理を行って、実際のシートポジションでの基準熱分布情報を求める第2取得部と、
    前記着座検出部による着座検出の条件に応じて、前記第1取得部と前記第2取得部とのうちのいずれか一方を選択し、選択した取得部によって実際のシートポジションでの基準熱分布情報を取得する選択部と、
    を有する、
    シートヒータ制御装置。
  2. 請求項1記載のシートヒータ制御装置であって、
    前記選択部は、
    前記サーモカメラと前記シートとの位置関係に応じて、前記第1取得部と前記第2取得部とのうちのいずれか一方を選択する、
    シートヒータ制御装置。
  3. 請求項1記載のシートヒータ制御装置であって、
    前記選択部は、
    前記シートのシートポジションの変動による前記熱画像における加温領域の変化が閾値よりも小さい場合は前記第1取得部を選択し、前記シートのシートポジションの変動による前記熱画像における加温領域の変化が前記閾値よりも大きい場合は前記第2取得部を選択する、
    シートヒータ制御装置。
  4. 請求項1記載のシートヒータ制御装置であって、
    前記シートヒータは、
    前記シートの座面部に内蔵されたシートクッションヒータと、
    前記シートの背もたれ部に内蔵されたシートバックヒータと、
    を含み、
    前記選択部は、
    前記第1取得部と前記第2取得部とのうちのいずれか一方の選択を、前記シートクッションヒータと前記シートバックヒータとのそれぞれについて個別に実施し、前記シートクッションヒータについての基準熱分布情報と、前記シートバックヒータについての基準熱分布情報とをそれぞれ取得する、
    シートヒータ制御装置。
  5. 請求項4記載のシートヒータ制御装置であって、
    前記選択部は、
    前記サーモカメラの設置高さが所定高さよりも低い場合、前記シートクッションヒータについては前記第1取得部を選択し、前記シートバックヒータについては前記第2取得部を選択し、
    前記サーモカメラの設置高さが前記所定高さよりも高い場合、前記シートクッションヒータ及び前記シートバックヒータについて前記第2取得部を選択する、
    シートヒータ制御装置。
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