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JP7659766B2 - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents
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情報処理装置、情報処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、例えば任意のクラスに属する入力ベクトルを順次入力して当該入力ベクトルの入力分布構造を学習する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
学習中に必要に応じてニューロンを増殖させる学習手法として、自己組織化ニューラルネットワーク(SOINN:Self-Organizing Incremental Neural Network)と呼ばれる手法が提案されている(特許文献1)。SOINNでは、ノード数を自律的に管理することにより非定常的な入力を学習することができ、複雑な分布形状を有するクラスに対しても適切なクラス数及び位相構造を抽出できるなど多くの利点を有する。SOINNの応用例として、例えばパターン認識においては、ひらがな文字のクラスを学習させた後に、カタカナ文字のクラスなどを追加的に学習させることができる。
このようなSOINNの一例として、E-SOINN(Enhanced SOINN)と称される手法が提案されている。E-SOINNでは、学習を随時追加するオンライン追加学習が可能であり、バッチ学習ではなく学習効率が良いという利点を有している。このため、E-SOINNでは、学習環境が新しい環境に変化した場合においても追加学習が可能である。また、E-SOINNでは、入力データに対するノイズ耐性が高いという利点をも有している。
ところが、E-SOINNを含むSOINNにおいては、入力データの入力順序によって学習結果が異なってしまうという問題や、例えば1000次元以上の高次元データを入力データとする場合に学習精度が低下するという問題が有った。こうした問題を解決するため、LB-SOINN(Load Balance Self-Organizing Incremental Neural Network)と称される手法が提案された(特許文献2)。LB-SOINNは、ネットワークにおけるノードの負荷をノード学習時間として扱い、ノード学習時間が大きなノードを検出し、検出したノードとこれに隣接するノードを接続する辺上に、検出したノードの重みベクトルに基づいて決定された重みベクトルを有する新たなノード生成する。これにより、検出したノードの学習時間の増大を緩和し、かつ、その付近に新たなノードを生成することで、入力データの構造をより正確に学習することができる。
特開2008-217246号公報 特開2014-164396号公報
しかしながら、上述のようなSOINNによって入力ベクトルを学習する場合、ノイズの影響によって、本来分離されるべきクラスタが辺で接続されてしまい、入力ベクトルの分布を正確に学習できないという問題が生じうることが見出された。
図13に、ノイズが少ない入力データの例を示す。図13に示す入力データは、2次元の入力ベクトルが円弧状に分布した部分を2つ合わせたデータである。図14に、図13の入力データを上述のSOINNで学習して取得したネットワーク構造を示す。この場合には、ノイズが少ないため、ほぼ正確に入力ベクトルの分布を学習できている。
しかし、ノイズが多い入力データでは、入力データが分布する領域(クラスタ)の間でノイズに起因する入力ベクトルの影響が大きくなる。図15に、図13の入力データにノイズを付与した入力データの例を示す。図15に示す入力データは、2次元の入力ベクトルが円弧状に分布した部分を2つ有するものの、ノイズの影響によって境界が不明瞭になっている。図16に、図15の入力データを上述のSOINNで学習して取得したネットワーク構造を示す。この場合には、ノイズの影響により、本来分離されるべき2つのクラスタがノイズに起因する辺によって接続され、1つのクラスタになってしまっている。そのため、入力ベクトルの分布を正確に学習できないことがわかる。
このように、本来分離すべきクラスタが分離していない場合でも、不要な辺を削除することで、クラスタを好適に分離することが考え得る。例えば、削除する辺の長さを指定する長さ閾値を与え、長さ閾値よりも長い辺を削除すればよい。しかし、長さ閾値として好適な値を決定するには、長さ閾値を変更しながら辺削除処理を繰り返して辺削除後の学習結果を観察し、好適な長さ閾値を発見するための試行錯誤が求められる。
例えば、辺の長さの平均値を長さ閾値として用いて辺を削除したとしても、辺の削除が十分ではない場合があり得る。図17に、辺の削除の例を示す。図17に示すように、上側の辺削除前のネットワークにおいて辺の長さの平均値を長さ閾値として用いて辺を削除したものの、辺削除後の中央のネットワークのように不要な辺が残存することが有る。このような場合、人手によって、長さ閾値をより短い値に調整して再度辺削除を行うことで、図17の下側のネットワークのように、不要な辺を削除できる。しかしながら、人手による作業を要するため、時間を要してしまい、非効率的である。
このように、単一の長さ閾値を用いるとクラスタが分離できない場合が多いが、ある長さ閾値を用いて辺削除処理を行ってクラスタを分離した後に、別の長さ閾値を用いて再度辺削除処理を行う、多段階の辺削除処理も考え得る。しかし、この場合でも長さ閾値として好適な値、及び、辺削除の繰り返しの好適な回数は、試行錯誤により求めるよりない。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、自動的に辺削除処理を行うことで入力データの構造を正確に学習できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する情報処理装置において、同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得する学習処理部と、前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記初期学習結果に含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記選択された初期学習結果から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記選択された初期学習結果から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出する分離度合い算出部と、前記複数の辺について算出したクラスタ分離度合いのうちでM番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択された初期学習結果から削除する辺削除処理部と、前記辺削除処理部による辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した前記学習結果ペアの前記2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出する距離行列算出部と、各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出する評価指数算出部と、全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出する得点算出部と、各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出する画一度算出部と、前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了する終了判定部と、前記終了判定部が辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、前記得点算出部で算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択する学習結果選択部と、前記最終学習結果をクラスタリングするクラスタリング部と、を有し、前記Mの値が更新されるごとに、前記辺削除処理部、前記距離行列算出部、前記得点算出部、前記画一度算出部及び前記終了判定部は処理を繰り返すものである。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが辺を削除した後に2つのクラスタに分離しないときは0であり、分離するときは0以外の値を持つことが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときは、正又は負の値を持つことが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときに、分離した2つのクラスタのノード数が近似しているほど、正の値の場合には値が大きくなり、負の値の場合には値が小さくなることが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときに、分離した2つのクラスタに含まれるノード数が多いほど、正の値の場合には値が大きくなり、負の値の場合には値が小さくなることが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、
k1を注目する辺よりも長い辺を削除した場合に存在するクラスタk1のそれぞれのノード数、nk2を注目する辺以上の長さの辺を削除した場合に存在するクラスタk2のそれぞれのノード数としたときに、前記クラスタの分離度合いDは以下の式で定義されることが望ましい。
Figure 0007659766000001
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記得点算出部は、全ての距離行列について算出した評価指数に基づいて、前記2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタ間の全てのペアについての評価指数で構成される評価指数行列を生成し、前記評価指数行列に含まれる評価指数に基づいて、1つの学習結果に含まれるクラスタが他の学習結果のクラスタに似ているかを示す得点を算出し、全ての学習結果に属するクラスタについての得点を含む得点行列を生成し、前記学習結果選択部は、前記得点行列に基づいて、前記複数の学習結果から最終学習結果を選択することが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記評価指数算出部は、前記2つのクラスタのそれぞれに属するノード間の平均的距離を求め、求めた2つの平均的距離の平均値を求め、各距離行列の各列及び各行の前記最小値のうちで、前記平均値以上のものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出することが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記評価指数は、各距離行列の各列及び各行の前記最小値のうちで、前記平均値以上のものの個数を、前記2つのクラスタに属するノードの総数で除算した値であることが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記得点算出部は、評価指数行列に含まれる各評価指数を閾値と比較し、比較結果に基づいて得点を与え、各クラスタの合計得点を算出することが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理装置は、上記の情報処理装置において、前記学習結果選択部は、各中間学習結果に属するクラスタの合計得点のうちで最小値を取得し、取得した最小値のうちで最大の値に対応する前記中間学習結果を選択することが望ましい。
一実施の形態にかかる情報処理方法は、入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する情報処理方法において、同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得し、前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記1つの初期学習結果から順に1つのクラスタを選択し、選択されたクラスタ含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出し、各注目辺について算出したクラスタ分離度合いに基づいて、M番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択されたクラスタから削除し、辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出し、各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出し、全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出し、各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出し、前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了し、辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択し、前記最終学習結果をクラスタリングするクラスタリングし、前記Mの値が更新されるごとに、前記辺の削除、前記距離行列の算出、前記得点の算出、前記画一度の算出及び前記終了の判定を繰り返すものである。
一実施の形態にかかるプログラムは、入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する処理をコンピュータに行わせるプルグラムにおいて、同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得する処理と、前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記1つの初期学習結果から順に1つのクラスタを選択する処理と、選択されたクラスタ含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出する処理と、各注目辺について算出したクラスタ分離度合いに基づいて、M番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択されたクラスタから削除する処理と、辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出する処理と、各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出する処理と、全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出する処理と、各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出する処理と、前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了する処理と、辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択する処理と、前記最終学習結果をクラスタリングするクラスタリングする処理と、をコンピュータに実行させ、前記Mの値が更新されるごとに、前記辺を削除する処理、前記距離行列を算出する処理、前記得点を算出する処理、前記画一度を算出する処理及び前記終了を判定する処理が繰り返されるものである。
本発明によれば、自動的に辺削除処理を行うことで入力データの構造を正確に学習できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
実施の形態1にかかる情報処理装置を実現するためのシステム構成の一例を示す図である。 実施の形態1にかかる情報処理装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる情報処理装置における処理のフローチャートである。 実施の形態1にかかる情報処理装置における処理のフローチャートである。 ある辺についてその辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)とその辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)との間におけるクラスタの変化の第1の例を模式的に示す図である。 ある辺についてその辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)とその辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)との間におけるクラスタの変化の第2の例を模式的に示す図である。 クラスタ多様性変化量dSが0となる場合の例を模式的に示す図である。 クラスタ多様性変化量dSが0とならない場合の例を模式的に示す図である。 実施の形態1における辺の削除の概要を示す図である。 実施の形態1における辺削除に用いた入力データの例を示す図である。 図10の入力データに対して辺削除処理を行ったときのネットワーク構造を示す図である。 2段階の辺削除処理が行われた場合に得られるネットワークと画一度の例を示す図である。 ノイズが少ない入力データの例を示す図である。 図13の入力データを上述のSOINNで学習して取得したネットワーク構造を示す図である。 図13の入力データにノイズを付与した入力データの例を示す図である。 図15の入力データを上述のSOINNで学習して取得したネットワーク構造を示す図である。 辺の削除の例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置を実現するためのシステム構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、専用コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータ1000により実現可能である。但し、コンピュータは、物理的に単一である必要はなく、分散処理を実行する場合には、複数であってもよい。図1に示すように、コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002及びRAM(Random Access Memory)1003を有し、これらがバス1004を介して相互に接続されている。尚、コンピュータを動作させるためのOSソフトなどは、説明を省略するが、この情報処理装置を構築するコンピュータも当然有しているものとする。
バス1004には、入出力インターフェイス1005も接続されている。入出力インターフェイス1005には、例えば、キーボード、マウス、センサなどよりなる入力部1006、CRT、LCDなどよりなるディスプレイ、並びにヘッドフォンやスピーカなどよりなる出力部1007、ハードディスクなどより構成される記憶部1008、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部1009などが接続されている。
CPU1001は、ROM1002に記憶されている各種プログラム、又は記憶部1008からRAM1003にロードされた各種プログラムに従って各種の処理、本実施の形態においては、例えば後述する情報処理装置100の各部の処理を実行する。なお、GPU(Graphics Processing Unit)を設けて、CPU1001と同様に、ROM1002に記憶されている各種プログラム、又は記憶部1008からRAM1003にロードされた各種プログラムに従って各種の処理、本実施の形態においては、例えば後述する情報処理装置100の各部の処理を行ってもよい。なお、GPUは、定型的な処理を並列的に行う用途に適しており、後述するニューラルネットワークにおける処理などに適用することで、CPU1001に比べて処理速度を向上させることも可能である。RAM1003には又、CPU1001及びGPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
通信部1009は、例えば図示しないインターネットを介しての通信処理を行ったり、CPU1001から提供されたデータを送信したり、通信相手から受信したデータをCPU1001、RAM1003、記憶部1008に出力したりする。記憶部1008はCPU1001との間でやり取りし、情報の保存・消去を行う。通信部1009は又、他の装置との間で、アナログ信号又はディジタル信号の通信処理を行う。
入出力インターフェイス1005はまた、必要に応じてドライブ1010が接続され、例えば、磁気ディスク1011、光ディスク1012、フレキシブルディスク1013、又は半導体メモリ1014などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部1008にインストールされる。
続いて、本実施の形態にかかる情報処理装置100における各処理について説明する。情報処理装置100は、多次元ベクトルで記述されるノードが配置される非階層構造のニューラルネットワークを有し、ニューラルネットワークは、例えばRAM1003などの記憶部に格納されている。
本実施の形態におけるニューラルネットワークは、入力ベクトルをニューラルネットワークに入力し、入力される入力ベクトルに基づいて、ニューラルネットワークに配置されるノードを自動的に増加させる自己増殖型ニューラルネットワークであり、自己増殖型ニューラルネットワークを用いることで、ノードを自動的に増加させることができるため、入力ベクトル空間からランダムに入力ベクトルが与えられる定常的な環境に限られず、例えば一定期間毎に入力ベクトルの属するクラスが切替えられて、切替後のクラスからランダムに入力ベクトルが与えられる非定常的な環境にも対応することができる。
本実施の形態におけるニューラルネットワークは、非階層構造を有するものである。非階層構造を採用することで、他の層での学習を開始するタイミングを指定せずに追加学習を実施することができる。すなわち、オンラインでの追加学習を実施することができる。
入力データは、任意のクラスに属する多次元の入力ベクトルとして入力される。例えば、入力ベクトルは一時記憶部(例えばRAM1003)に格納され、一時記憶部に格納されたニューラルネットワークに対して順次入力される。
なお、以下では、簡略化のため、本実施の形態におけるニューラルネットワークを、単にネットワークとも称する。
以下、実施の形態1にかかる情報処理装置100について具体的に説明する。情報処理装置100は、複数の多次元ベクトルをデータ要素として含む入力データを教師なし学習手法、例えば上述の各種のSOINN法によって学習(クラスタリング)し、複数のノードと2つのノード間を接続する辺とで構成されるネットワークとして表される学習結果を取得する。そして、情報処理装置100は、自動的に辺削除の基準となる長さ閾値を求めて、この長さ閾値以上の辺を削除することでより好適な構造のネットワークを有する学習結果を取得することができる。
図2に、実施の形態1にかかる情報処理装置100の構成を模式的に示す。情報処理装置100は、学習処理部1、分離度合い算出部2、辺削除処理部3、距離行列算出部4、評価指数算出部5、得点算出部6、画一度算出部7、終了判定部8、学習結果選択部9及びクラスタリング部10を有する。なお、ハードウェア上においては、ソフトウェアと上記のCPU1001などのハードウェア資源とが協働して、図2に示す機能構成が実現される。
学習処理部1は、例えば上述のE-SOINNやLB-SOINNなどによって複数の入力ベクトルを学習して、ノード及び辺で構成されるネットワーク構造を取得する。本実施の形態では、学習処理部1は、複数の多次元ベクトルを含む入力データを、異なる複数の教師なし学習条件で学習(クラスタリング)して、ネットワーク構造が異なる複数の学習結果を取得するものとして構成される。以下では、学習処理部1が取得する、ネットワーク構造が異なる複数の学習結果を、複数の初期学習結果と称する。
分離度合い算出部2は、選択したクラスタの辺を削除したときに、辺の削除によってクラスタが分離される度合いを算出する。
辺削除処理部3は、算出されたクラスタ分離度合いに基づいて辺削除に用いる長さ閾値を決定し、決定した長さ閾値に基づいて選択したクラスタ中の辺を削除する処理を行う。なお、辺の削除は、学習結果を取得した後に一括して行えるため、比較的簡便な処理で済み、容易に導入することが可能である。また、ノードと辺とで構成されるネットワークであれば学習手法に依存することなく適用することが可能である。なお、以下では、初期学習結果に対して辺の削除を行った後に得られるネットワーク構造を、中間学習結果と称する。
距離行列算出部4は、全ての初期学習結果に含まれる全てのクラスタの辺削除処理が完了して複数の中間学習結果を取得した後に、2つの異なる中間学習結果のそれぞれから選択した2つのクラスタを選択して、それらに含まれるノード間の距離を成分とする距離行列を算出する。
評価指数算出部5は、距離行列に基づいて、選択された2つのクラスタの類似度を示す評価指数を算出する。評価指数算出部5は、選択した2つの異なる中間学習結果から選択可能な2つのクラスタのペアの全てについて評価指数を算出した後で、2つの異なる中間学習結果の間でのクラスタの類似度を成分とする評価指数行列を出力してもよい。
得点算出部6は、評価行列指数に基づいて、選択した2つの異なる中間学習結果の類似度を示す得点を算出する。得点算出部6は、選択可能な2つの異なる中間学習結果のペアの全てについて得点を算出した後で、2つの異なる中間学習結果の得点を成分とする得点行列を出力してもよい。
画一度算出部7は、複数の中間学習結果の類似度を示す画一度を算出する。
終了判定部8は、算出された画一度に基づいて、辺削除処理を繰り返すかを判定する。
学習結果選択部9は、辺削除処理が完了したと判定された場合には、所定の条件にしたがって、辺削除処理が行われた後の複数の中間学習結果から、1つの中間学習結果を選択する。
クラスタリング部10は、選択された1つの初期学習結果をクラスタリングし、最終学習結果を出力する。
以下、情報処理装置100が行う処理について具体的に説明する。図3及び図4に、実施の形態1にかかる情報処理装置100における処理のフローチャートを示す。
ステップSA1
学習処理部1は、以下のステップSA11及びSA12により、入力データの学習を行う。
ステップSA11
学習処理部1は、入力データを読み込む。入力データは、例えば上述のRAM1003や記憶部1008などに格納され、学習処理部1は、入力データを適宜読み込むことができる。
ステップSA12
学習処理部1は、入力データの要素である多次元入力ベクトルを順次入力、学習して、ノードとノード間を接続する辺とによって構成されるネットワーク構造を有する学習結果を取得する。本実施の形態では、学習処理部1は、同じ入力データを複数の異なる教師なし学習条件で学習することで、複数の異なる初期学習結果を取得する。ここでいう複数の異なる教師なし学習条件とは、同じ教師なし学習手法において学習に用いるパラメータなどを変更したものでもよいし、それぞれ異なる教師なし学習手法を用いてもよいし、両者を混合した条件であってもよい。上述したように、学習処理部1によって得られた学習結果を、初期学習結果と称する。なお、言うまでもないが、複数の異なる教師なし学習条件にて学習することで得られた複数の初期学習結果のネットワーク構造は、それぞれ異なっている。
ステップSA2
分離度合い算出部2は、以下のステップSA21~SA27により、クラスタ分離度合いであるクラスタ多様性変化量を算出する。
ステップSA21
分離度合い算出部2は、複数の初期学習結果のうちで未だ選択学習結果SRとして選択されていないものが有るかを判定する。
ステップSA22
選択学習結果SRとして選択されていない初期学習結果が有る場合には、分離度合い算出部2は、その中から1つの初期学習結果を選択学習結果SRとして選択する。
ステップSA23
分離度合い算出部2は、選択学習結果SRに含まれる辺のうちで、注目辺として選択されていないものが有るかを判定する。注目辺として選択されていない辺が無い場合には、処理をステップSA21へ戻す。
ステップSA24
選択クラスタに含まれる辺のうちで、注目辺として選択されていない辺が有る場合には、分離度合い算出部2は、その中から1本の辺を注目辺として選択する。
ステップSA25
分離度合い算出部2は、注目辺よりも長い辺を除去した場合のクラスタ多様性量S1と、注目辺以上の長さの辺を除去した場合のクラスタ多様性量S2とを算出する。
次いで、本実施の形態で、長さ閾値の決定に用いるクラスタ分離度合いについて説明する。長さ閾値を決定するにあたっては、クラスタ間を接続する辺の中で最も短い辺の長さを長さ閾値として選択できることが望ましい。言い換えれば、クラスタ間の辺を長い順に削除していったときに、初めてクラスタが分離したときに削除した辺の長さを、長さ閾値として選択できることが望ましい。このように設定できれば、クラスタ間に辺が残存することもなく、また、クラスタ内の辺をむやみに削除することなく、クラスタを分離できる。しかしながら、ノイズノードやノイズクラスタ(ノイズノードが集合してできたクラスタ)の辺を削除しても一種のクラスタ分離として認識されるが、この種のクラスタ分離を起こす長さ閾値は適切とは言えない。そのため、長さ閾値の決定にあたり、分離してできたクラスタの状態(特に、クラスタに属するノードの個数及び分割したノード割合)を考慮に入れる必要がある。
そこで、本実施の形態では、各辺に対して、その辺長さ以上の辺を削除したときに、初めてクラスタが分離するかどうか、かつ、その分離したクラスタがノイズクラスタではないかを判定するため、クラスタ分離度合い(本実施の形態においては、後述するクラスタ多様性変化量)を導入している。これにより、本実施の形態では、クラスタ分離度合いに基づいて決定した適切な長さ閾値を用いて、辺を削除することが可能となる。
本実施の形態では、クラスタ分離度合いは各辺が有する値であり、各辺についてその辺よりも長い辺を削除した場合(場合1と称する)と、その辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2と称する)とを比較して、場合1に比べて場合2でクラスタ数が増えていれば第1の方向に有限の値を取り、変わらなければ0となる性質を有する指標である。
以下、場合1と場合2とを比較した場合のクラスタの変化について、図を参照して説明する。図5に、ある辺についてその辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)とその辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)との間におけるクラスタの変化の第1の例を模式的に示す。この例では、辺E2を注目辺として辺の削除を行っているが、場合1及び場合2のいずれにおいても辺削除前のクラスタは辺が減少しながらも分離することなく、1つのクラスタとして残存している。本実施の形態では、上述の通り、このときのクラスタ分離度合いは0となる。
次いで、図6に、ある辺についてその辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)とその辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)との間におけるクラスタの変化の第2の例を模式的に示す。この例では、辺E1を注目辺として辺の削除を行っているが、場合1では辺削除前のクラスタは辺が減少しながらも分離することなく1つのクラスタとして残存しているが、場合2では2つのクラスタに分離している。本実施の形態では、上述の通り、このときのクラスタ分離度合いは第1の方向の有限の値となる。
図5及び図6のいずれにおいても、場合1の辺の接続構造と場合2の辺の接続構造との間で異なるのは、注目辺が削除されずに残っているか否かである。クラスタ変化のモードとしては、この注目辺を削除したとしても元のクラスタが分離しない非分離モード(図5)と、注目辺を削除することで元のクラスタが新たな2つのクラスタに分離する分離モード(図6)と、の2つのモードが存在することが理解できる。上述のように、非分離モードでは注目辺(図5の辺E2)が有するクラスタ分離度合いは0となり、分離モード(図6の辺E1)ではクラスタ分離度合いは第1の方向の有限の値となる。したがって、ある注目辺についてクラスタ分離度合いを取得することで、その注目辺状の辺を削除することで、元のクラスタが分離しない(非分離モード)か、又は、元のクラスタが2つのクラスタに分離するか、を判定することが可能となる。
本実施の形態では、クラスタ分離度合いDを、以下のように定義したものを使用した。
Figure 0007659766000002
ここで、nk1は注目する辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)に存在するクラスタk1のノード数であり、右辺第1項(nk1を含む項)は全てのクラスタk1に対する総和を意味する。nk2は注目する辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)に存在するクラスタk2のノード数であり、右辺第2項(nk2を含む項)は全てのクラスタk2に対する総和を意味する。ここでは、クラスタ分離度合いDを式[2]のように定義したが、以下の式[3]のように定義しても同じ意味である。
Figure 0007659766000003
ここで、nj0は注目する辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)に、注目する辺が属するクラスタ(古クラスタ)に含まれるノード数である。nは注目する辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)に、古クラスタが分離されて生じた2つクラスタのそれぞれ(クラスタj)のノード数、又は、分離しない場合では古クラスタのノード数である。
上述したように、式[2]及び[3]に示したクラスタ分離度合いは、クラスタが増えなければ0であり、クラスタが増えると第1の方向に有限の値(本実施の構成では正の値)をとる。
これにより、どの辺の長さを閾値に用いればクラスタが分離するかを検出することができる。また、後述するように、クラスタ分離度合いは、それに対応する分離前のクラスタが分離する場合、新クラスタ1と新クラスタ2のノード割合が近似しているほど第1の方向(本実施の構成では正方向)に大きくなり、さらに古クラスタのノード数が多いほど第1の方向(本実施の構成では正方向)に大きくなる性質を有している。よって、クラスタ分離度合いの大きさに基づいて、元のクラスタが好適なクラスタに分離する長さ閾値を検出することができる。
式[2]及び[3]はクラスタ分離度合いの一例に過ぎず、式[2]及び[3]で定義される値に所定の値を乗じた値をクラスタ分離度合いとして用いてもよい。なお、式[2]及び[3]のような関数以外でも、同様な振る舞いをする他の関数を用いてクラスタ分離度合いを定義してもよい。
クラスタが分離する場合には、どのように分割してもクラスタ分離度合いの値は第1の方向に有限の値(本実施の構成では正の値)をとることが望ましいが、小さなクラスタと大きなクラスタとに分割されるような場合には、第1の方向に有限の値を取らなくてもよい(本実施の構成では、0や負の値でも良い)。例えば、自然対数を用いて、クラスタ分離度合いを以下の式のように定義してもよい。
Figure 0007659766000004
式[4]において、ノード数100のクラスタが、ノード数が99のクラスタとノード数が1のクラスタとに分割される場合を想定すると、クラスタ分離度合いは、-0.010...となり、負の値をとる。なお、この割合以外の割合で2つのクラスタに分割される場合には、クラスタ分離度合いは正の値をとる。ノード数100のクラスタが、ノード数が99のクラスタとノード数が1のクラスタとに分割されるのは、ノイズなどによって生じたノードが別のクラスタに分割された場合と考えられ、このような分割は重要ではないと考えられる。そのため、式[4]で定義されるクラスタ分離度合いを用いても、好適にクラスタ分割を表現できるものと考え得る。
上述では第1の方向として正の方向を想定しているが、第1の方向は負の方向でもよい。例えば、式[4]の右辺にマイナスを乗じた値をクラスタ分離度合いとしてもよい。
本実施の形態では、クラスタ分離度合いは、以下の式[5]で定義されるクラスタ多様性量Sの差分であるクラスタ多様性変化量dSとして算出してもよい。
Figure 0007659766000005
式[5]において、nALLは全ノード数、Nはクラスタの数、kはクラスタのラベルであり1以上N以下の整数、nはクラスタkのノード数である。
式[5]のように定義したクラスタ多様性量Sを用いて、各辺に対して、その辺よりも長い辺を削除した場合(場合1)におけるクラスタ多様性量と、その辺以上の長さの辺を削除した場合(場合2)におけるクラスタ多様性量を算出し、その差分dSを算出すると、式[2]と同様になる。
以下、本実施の形態では、理解を容易にするため、クラスタ分離度合いとして、場合1と場合2の両方でクラスタ多様性を算出し、その差分であるクラスタ多様性変化量dSを算出する例について説明する。なお、言うまでもないが、以下の例は一例に過ぎず、クラスタ多様性量を式[5]のように明示的に定義せずに、直接的にクラスタ分離度合いを算出してもよい。
ステップSA26
分離度合い算出部2は、クラスタ分離度合いとして上述のクラスタ多様性変化量dS=S2-S1を算出し、処理をステップSA23に戻す。
ステップSA27
ステップSA21において、複数の初期学習結果のうちで選択学習結果SRとして選択されていないものが無いと判定された場合、分離度合い算出部2は、学習結果及び辺の選択履歴をリセットする。その後、処理をステップSA3へ進める。
ここで、クラスタ多様性変化量dSについて、簡潔に説明する。図7に、クラスタ多様性変化量dSが0となる場合の例を模式的に示す。図7では、縦方向3個、横方向4個の合計12個のノードを有し、これらの12個のノードが辺によって格子状に接続されるクラスタを例としている。また、中央の横方向に延在する3本の辺を下から順にE1~E3とし、辺E1、辺E2、辺E3の順に辺の長さが長くなるものとする。
図7において、注目辺が辺E2である場合、辺E3を除去した状態でクラスタ多様性量S1を計算すると、S1=12・log(12)-12・log(12)=0となる。また、辺E2及びE3を除去した状態でクラスタ多様性量S2を計算すると、S2=12・log(12)-12・log(12)=0となる。この場合、クラスタ多様性変化量dSはS2-S1=0となるが、これは注目辺がE2である場合にはクラスタが分離しなかったためである。図7に示す通り、注目辺がE2である場合、場合1から場合2でクラスタが分離していないことがわかる。よって、クラスタ多様性量も変化しない。上述したように、クラスタ分離度合いであるクラスタ多様性変化量は、クラスタ数が変化しない場合は0となる。
次いで、図8に、クラスタ多様性変化量dSが0とならない場合の例を模式的に示す。図8のクラスタは、図7と同様である。図8において、注目辺が辺E1である場合、辺E2及びE3を除去した状態でクラスタ多様性量S1を計算すると、S1=12・log(12)-12・log(12)=0となる。これに対し、辺E1~E3を除去した状態でクラスタ多様性量S2を計算すると、S2=12・log(12)-6・log(6)-6・log(6)=8.137となる。この場合、クラスタ多様性変化量dSはS2-S1=8.317となるが、これは注目辺がE1である場合にはクラスタが分離したためである。図8に示す通り、注目辺がE1である場合、場合1から場合2でクラスタが分離していることがわかる。よって、クラスタ多様性量も変化する。上述したように、クラスタ分離度合いであるクラスタ多様性変化量は、クラスタ数が変化する場合には、第一の方向の(本実施の形態の場合は正方向)有限の値となる。
このように、注目辺についてクラスタ多様性変化量dSを算出し、クラスタ多様性変化量dSが0以外の値をとるかを調べることで、クラスタが分割されるか否かを判定することができる。
クラスタ多様性変化量dSは、クラスタが均等に分割される場合に大きな値となり、不均等に分割される場合に小さな値となる性質を有する。例えば、ノード数100のクラスタがノード数10のクラスタとノード数90のクラスタに分割される場合、クラスタ多様性変化量dSは32.5となる。これに対し、ノード数100のクラスタがノード数50の2つのクラスタに分割される場合、クラスタ多様性変化量dSは69.3となる。このように、同じノード数のクラスタが分割される場合でも、分割されたノード数が均等である方が、クラスタ多様性変化量dSが大きくなることが理解できる。
また、クラスタ多様性変化量dSは、分割後のクラスタ数が同じであっても、各クラスタに属するノード数が多いほど大きな値となる性質も有している。ノード数2のクラスタをノード数1の2つのクラスタに分割する場合を想定すると、分割後の2つのクラスタのノード数は同じであるものの、このときのクラスタ多様性変化量dSは1.39と小さな値となる。このように、元のクラスタのノード数が小さい場合には、クラスタ多様性変化量dSは小さな値となる。この場合には、ノイズ等によって生じた小さなクラスタが分割されたものとして解釈できる。
以上のクラスタ多様性変化量dSの性質に基づき、クラスタ多様性変化量dSの値の大小に基づいて削除する辺の長さを指定することで、ノード数が大きくかつ略均等なクラスタに分割されるケースを好適に検出し、ノード数が不均衡なクラスタに分割されるケースや分割前のクラスタのノード数が少ないケースを排除することが可能となる。
ステップSA3
辺削除処理部3は、以下のステップSA31~SA37により、各学習結果から所定の辺を削除する。
ステップSA31
辺削除処理部3は、辺削除処理の繰り返し回数の上限値を示す辺削除レベルMの初期値として「0」と設定する(すなわち、M=0)。
ステップSA32
辺削除処理部3は、複数の初期学習結果のうちで未だ選択学習結果SRとして選択されていないものが有るかを判定する。複数の初期学習結果のうちで選択学習結果SRとして選択されていないものが無い場合には、処理をステップSA37へ進める。
ステップSA33
選択学習結果SRとして選択されていない初期学習結果が有る場合には、辺削除処理部3は、
その中から1つの初期学習結果を選択学習結果SRとして選択する。
ステップSA34
辺削除処理部3は、選択学習結果SRの各辺について算出されたクラスタ多様性変化量dSのうちでM番目に大きな値が有るかを判定する。例えば、辺削除処理部3は、算出したクラスタ多様性変化量dSを降順にソートし、M番目のクラスタ多様性変化量dSが有るかを判定してもよい。M番目のクラスタ多様性変化量dSが無い場合には、辺削除処理部3は、処理をステップSA32に戻す。
ステップSA35
辺削除処理部3は、選択学習結果SRの各辺について算出したクラスタ多様性変化量dSのうちでM番目に大きな値のものを選択し、選択したクラスタ多様性変化量dSに対応する注目辺の長さを長さ閾値LTHとして決定する。なお、M=0は辺の削除がなされないように実行される。例えば、すべての辺の長さより長い辺長さを閾値LTHとして決定する。
ステップSA36
辺削除処理部3は、選択学習結果SRに含まれる各辺の長さを長さ閾値LTHと比較し、辺の長さが長さ閾値LTH以上の辺を選択学習結果SRから削除する。その後、処理をステップSA32へ戻す。
なお、上述したように、初期学習結果に対して上述の辺の削除が行われた後に得られるネットワーク構造を、中間学習結果と称する。
以下、本実施の形態にかかる辺削除処理の効果について検討する。図9に、実施の形態1における辺の削除の概要を示す。まず、最大のクラスタ多様性変化量dS1に対する長さ閾値LTH1が設定され、これに基づいて、注目辺EA1が属するクラスタの辺のうち、閾値LTH1以上の長さの辺が削除される(一回目の辺削除)。これより、元のクラスタは、左右の2つのクラスタに分離される。
次いで、最大のクラスタ多様性変化量dS1の次に大きなクラスタ多様性変化量dS2に対応する長さ閾値LTH2が設定され、注目辺EA2が属する左側のクラスタの辺のうち、閾値LTH2以上の長さの辺が削除される(二回目の辺削除)。これにより、左側のクラスタは、さらに2つのクラスタに分離される。
次いで、クラスタ多様性変化量dS2の次に大きなクラスタ多様性変化量dS3に対応する長さ閾値LTH3が設定され、注目辺EA3が属する右側のクラスタの辺のうち、閾値LTH3以上の長さの辺が削除される(三回目の辺削除)。これにより、右側のクラスタは、さらに2つのクラスタに分離される。
ここで、本実施の形態にかかる辺削除の実施例について説明する。図10に、実施の形態1における辺削除に用いた入力データの例を示す。本実施の形態での入力データは、入力データが6つのクラスタに分かれて分布しており、そのうち3つのクラスタが近接した領域と、2つのクラスタが近接した領域とが存在し、ノイズによって境界が不明瞭になっている。
図11に、図10の入力データに対して辺削除処理を行ったときのネットワーク構造を示す。辺削除の前では、近接したクラスタに対応するノードは辺で接続されてしまっており、クラスタが分離できていないことが認められる。さらに、3つのクラスタが近接している領域に有るクラスタと、近接した2つのクラスタが近接している領域に有るクラスタとが、1本の辺で接続されてしまっている。これに対し、辺削除後においては、ノイズの影響による辺が適切に削除され、6つのクラスタが分離できていることが認められる。
以上説明したように、本構成によれば、段階的に辺を削除することで、注目辺が属するクラスタごとに、より適切な辺削除処理を行うことができる。これにより、不要な辺削除処理を抑制し、入力ベクトルの分布をさらに正確に学習することが可能となる。
ステップSA37
ステップSA32にて複数の初期学習結果のうちで未だ選択学習結果SRとして選択されていないもの複数の学習結果のうちで選択学習結果SRとして選択されていないものが無いと判定された場合、辺削除処理部3が行った初期学習結果の選択履歴をリセットする。その後、処理をステップSA4へ進める。
ステップSA4
距離行列算出部4は、以下のステップSA41~SA45により、2つの辺削除済みの中間学習結果のペアから2つのクラスタのペアを選択し、選択した2つのクラスタについて距離行列を算出する。
ステップSA41
距離行列算出部4は、複数の中間学習結果から任意に選択した、2つの中間学習結果からなるペアのうちで、未だ処理対象として選択されていないものが有るかを判定する。選択されていない中間学習結果のペアがない場合には、処理をステップSA8へ進める。
ステップSA42
選択されていない中間学習結果のペアが有る場合には、距離行列算出部4は、その中から1つの中間学習結果のペアを選択する。以下、ここで選択された中間学習結果のペアを選択学習結果ペアと称し、選択学習結果ペアに含まれる中間学習結果をSA及びSBとする。
ステップSA43
距離行列算出部4は、選択学習結果ペアの中間学習結果SAから任意に選択した1つのクラスタと、中間学習結果SBから任意に選択した1つのクラスタとからなるクラスタのペアのうちで、未だ処理対象として選択されていないものが有るかを判定する。選択されていないクラスタのペアがない場合には、処理をステップSA6へ進める。
ステップSA44
選択されていないクラスタのペアが有る場合には、距離行列算出部4は、その中から1つのクラスタのペアを選択する。具体的には、距離行列算出部4は、辺削除済みの中間学習結果SAに含まれるp個(pは、1以上の整数)のクラスタCA1~CApから任意に選択したクラスタAと、辺削除済みの中間学習結果SBに含まれるq個(qは、1以上の整数)のクラスタCB1~CBqから任意に選択したクラスタBとを含む、1つのクラスタのペアを選択する。以下、ここで選択されたクラスタのペアを、選択クラスタペアと称する。
ステップSA45
距離行列算出部4は、クラスタAに含まれるノードa1~am(ai、1≦i≦m)と、クラスタBに含まれるノードb1~bn(bj、1≦j≦n)と、のペアの全てについてノード間の距離daibjを計算し、選択クラスタペアにかかるm行n列の距離行列Dを算出する。
Figure 0007659766000006
ステップSA5
ステップSA45の後、評価指数算出部5は、以下のステップSA51~SA54により、選択クラスタペアの2つのクラスタの類似度合いを示す評価指数を算出する。
ステップSA51
評価指数算出部5は、距離行列Dの各行(daib1~daibn)について、最小値minai(すなわち、mina1~minam)を取得し、かつ、距離行列Dの各列(da1bj~dambj)について、最小値minb(すなわち、minb1~minbn)を取得する。
ステップSA52
評価指数算出部5は、同じクラスタに属するノード間の平均的な距離dmeanを算出する。dmeanは、同一クラスタと識別されているノード間の平均的な距離なので、この平均値以上であれば異なるノードと識別し、これより短ければ同一ノードとして識別できる指標と考えることができる。dmeanは例えば以下のように記載できる。
Figure 0007659766000007
式[7]において、dはノードiとノードiの属するクラスタに含まれるノードとの距離の最小値である。
なお、式[7]のdmeanは例であり、例えば以下の式[8]のように定義してもよい。
Figure 0007659766000008
また、dmeanは、以下の式[9]及び[10]で示す値のうちで、大きな方の値としてもよいし、小さな方の値としてもよい。
Figure 0007659766000009
Figure 0007659766000010
さらに、各行の最小値mina1~minamと各列の最小値minb1~minbnとで別々のdmeanを用意して、使い分けても良い。各行の最小値mina1~minamに対しては、例えば式[11]に示す様に、クラスタAのみで算出されたdmeanを使用してもよい。各列の最小値minb1~minbnに対しては、例えば式[12]に示す様に、クラスタBのみで算出されたdmeanを使用してもよい。
Figure 0007659766000011
Figure 0007659766000012
上述では、複数のノードを含むネットワークについて説明したが、SOINNなどによって入力データを学習した場合には、ネットワークは、複数のノードと2つのノード間を接続する複数の辺とを含むこととなる。このように、ノード間に辺が存在する場合は、同じクラスタに属する辺の平均長さをdmeanとして用いることが望ましい。辺はノード間の関係性を表し、辺長さはその類似性を表しているので、辺を用いることで、ノイズの影響でたまたま近傍に存在しているノードとの距離がdmeanの算出に用いられることを防止することができる。また、本実施の形態では、平均長さとして算術平均(相加平均)を使用したが、近傍ノード間の距離分布の中心的傾向を数値で示すことができればこれに限らない。例えば、2乗平均、相乗平均、調和平均など別の平均指標を平均長さとして使用してもよいし、中央値、最頻値など別の統計的な代表値を使用してもよい。以下では、算術平均の他に説明した平均指標や統計的な代表値を含むものとして、「平均的距離」を用いるものとする。
ステップSA53
評価指数算出部5は、各行の最小値mina1~minamのうちで平均的距離dmean以上のものの個数NUMaをカウントし、各列の最小値minb1~minbnのうちで平均的距離dmean以上のものの個数NUMbをカウントする。
ステップSA54
評価指数算出部5は、取得した個数NUMa及びNUMbの和を、クラスタA及びBのノード総数(m+n)で除算した値を、評価指数ESとして算出する。
Figure 0007659766000013
ここでは、取得した最小値のうちで平均値dmean以上のものの個数を数えることで、2つのクラスタ間において近似していないノードの数を検出していると考えることができる。また、式[13]で近似していないノードの数を2つのクラスタのノードの総数で除算することで、ノード総数に対して近似していないノードの数の割合を算出している。つまり、評価指数ESは、大きな値を取る場合には2つのクラスタは類似しておらず、小さな値を取る場合には2つのクラスタは類似していることを示す、非類似度を表す値であるといえる。
本実施の形態では、評価指数算出部5は、中間学習結果SAに含まれるp個のクラスタCA1~CApの任意の1つと、中間学習結果SBに含まれるq個のクラスタCB1~CBqの任意の1つとの全てのペアについて実行する。そして、評価指数算出部5は、2つのクラスタのペアの全てについて、評価指数の算出を行う。
ステップSA6:評価指数行列生成
ステップSA43にて、選択学習結果ペアのうちで未だ処理対象として選択されていないクラスタのペアがないと判定された場合、評価指数算出部5は、p行q列の評価指数行列EMを生成する。つまり、評価指数行列EMの行番号は中間学習結果SAに含まれるクラスタの番号を示し、列番号は中間学習結果SBに含まれるクラスタの番号を示している。
Figure 0007659766000014
ステップSA7:得点算出
得点算出部6は、評価指数行列EMに含まれる各評価指数を閾値THと比較し、閾値TH以下(似ている)の評価指数ESを構成する両クラスタに高い得点を与え(例えば得点+1)、閾値よりも大きい(似ていない)の評価指数ESを構成する両クラスタに低い得点(例えば得点0)を与える。そして、中間学習結果SAの各クラスタ(CA1~CAp)の合計得点をそれぞれ算出する。換言すれば、評価指数行列EMの各行(ESi1,…,SEiq)に与えられた得点の合計を各行について算出する。(ESi1,…,ESiq)の得点の合計は、クラスタCAiの得点となる。また、中間学習結果SBの各クラスタ(CB1~CBq)の合計得点を各々算出する。換言すれば、評価指数行列EMの各列(ES1j,…,SEpj)に与えられた得点の合計を各列で各々算出する。(ES1j,…,SEpj)の得点の合計はクラスタCBjの得点となる。なお、得点算出の方法はこれに限らず、例えば閾値TH以下でかつ各行でもっとも評価指数ESが低いもの(最もよく似ているもの)や、各列でもっとも評価指数ESが低いもの(最もよく似ているもの)に高い得点を加えるなどの応用を加えてもよい。
本実施の形態では、複数の中間学習結果から選択した任意の2つの中間学習結果の全てのペアについて、上記の合計得点の算出を行う。つまり、距離行列算出部4及び評価指数算出部5は、上述の距離行列算出、評価指数算出及び評価指数行列生成を、複数の中間学習結果から選択した任意の2つの中間学習結果の全てのペアについて行う。そして、得点算出部6は、これらの計算結果に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、合計得点を取得する。その後、処理をステップSA41に戻す。
ステップSA8
ステップSA41にて、複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなるペアのうちで、未だ処理対象として選択されていないものが無いと判定された場合、得点算出部6は、得点行列を生成する。具体的には、得点算出部6は、取得した合計得点に基づいて、以下の式[15]に示すように、クラスタ番号を行番号とするr列の得点行列SMを生成する。ここで、行列SMの要素Sijはj番目の中間学習結果(jは1以上M以下の整数)のクラスタiにおける全合計得点である。具体的には、j番目の中間学習結果とそのほか全ての中間学習結果との全てのペアについて、得点算出部6が算出したj番目の中間学習結果のクラスタiの合計得点を全て合計したものである。また、行列SMには存在しない要素もある。例えば、j番目の中間学習結果のクラスタiが存在していない場合、Sijは空となっており、計算などに関与しない。
Figure 0007659766000015
ステップSA9
画一度算出部7は、以下のステップSA91及びSA92により、画一度を算出する。
ステップSA91
画一度算出部7は、得点行列SMを参照し、各中間学習結果について最小得点Sm1~Smrを取得する。つまり、画一度算出部7は、得点行列SMの各行の最小得点Sm1~Smrを取得する。
ステップSA92
画一度算出部8は、取得した最小得点Sm1~Smrに基づいて、画一度UNを算出する。画一度UNは、例えば以下のような式で算出される。なお、Nは全学習結果の数である。
Figure 0007659766000016
式[16]にあるように、画一度UNは、最小得点Sm1~Smrの最大値から求められる。換言すると、画一度UNは、所属する全てのクラスタが好適に他の学習結果のクラスタと似ている学習結果から求められる。
画一度UNの値が大きい場合には、少なくとも一つの学習結果ではその学習結果に所属するすべてのクラスタの得点が高い、すなわち、他の学習結果のクラスタと良く似ていることを意味している。画一度UNの値が小さい場合には、どの学習結果でも少なくとも一つのクラスタの得点が低いこと、すなわち、他の学習結果のクラスタと似ていないことを意味している。
画一度UNは、辺削除レベルMの値が大きくなるに連れて、すなわち、辺削除処理の繰り返し回数が多くなるに連れて、辺の削除が進行してクラスタが多様化するので、減少する傾向を示す。つまり、辺削除処理の繰り返し回数を増やすことで画一度UNが所定の値よりも小さくなれば、クラスタが多様化しどの学習結果でも似通っていないクラスタが存在してきたことが把握できる。そのため、画一度UNを用いて辺削除処理の繰り返しを停止するタイミングを決定できる。
図12に、2段階の辺削除処理が行われた場合に得られる中間学習結果と画一度UNの例を示す。図12では、似通っているクラスタを破線で囲んでいる。図12から分かるように、1段階目の辺削除処理後には入力データ構造に依存したクラスタが辺削除により発生しているが、2段階目の辺削除処理後では各学習結果の方法やパラメータなどに依存したノイズ的なクラスタが発生している。1段階目の辺削除処理後の結果はクラスタリングとして好適だが、2段階目の辺削除処理後の結果はクラスタリングとしては好適ではない。
この例では、画一度UNは、辺削除処理前では全ての学習結果での最小得点(S01~S04)で3となり100%、1段階目の辺削除処理後では学習結果1~3での最小得点(S11~S13)で2となり75%、2段階目の辺削除処理後では全ての学習結果での最小得点(S01~S04)で0となりで25%となるように推移している。このとき、例えば、画一度閾値THUNを40%に設定しておくことで、クラスタが適切に分離されている状態ないしは適切に分離されている状態に近似した状態であると認められる2段階目の辺削除処理後の状態で辺削除処理を停止することができる。
ステップSB1
終了判定部8は、画一度UNを所定の画一度閾値THUNと比較する。
ステップSB2
画一度UNが画一度閾値THUN以上の場合(UN≧THUN)、終了判定部8は、辺削除レベルMを1だけ増加させ(M=M+1)、処理をステップSA32に戻す。
ステップSB3
画一度UNが画一度閾値THUNよりも小さい場合(UN<THUN)には、学習結果選択部9は、以下のステップSB31~SB33に基づいて、最終学習結果を選択する。
ステップSB31
学習結果選択部9は、辺削除レベルM-1の辺削除済みの複数の中間学習結果からなるグループを選択する。いずれのグループを選択するかは、用途に応じて適宜決定してもよい。なお、ここでは、学習結果選択部9は、辺削除レベルM-1の辺削除済みの複数の中間学習結果からなるグループを選択するものとして説明したが、必要に応じて、辺削除レベルMの辺削除済みの複数の中間学習結果からなるグループを選択してもよい。
ステップSB32
学習結果選択部9は、得点行列SMを参照し、各中間学習結果について最小得点Smin1~Sminrを取得する。
ステップSB33
学習結果選択部9は、取得した最小得点Smin1~Sminrのうちで最大値を取る中間学習結果を、採用する最終学習結果として選択する。換言すれば、学習結果選択部9は、各中間学習結果について他の中間学習結果に含まれるクラスタに最も似通っていないクラスタの得点を抽出した後に、その中から一番似通っているクラスタを有する中間学習結果を最終学習結果として選択している。
ステップSB4
クラスタリング部10は、選択された最終学習結果のノード及び辺を参照し、クラス分類を行う。ここでのクラス分類においては、例えば、最終学習結果に含まれるクラスタにクラスタ番号やラベリングを行うなどの処理が行われる。
以上、本構成によれば、辺削除レベルMを自動的に決定することで、辺削除処理を好適な回数だけ繰り返すことが可能である。これにより、自動的に辺削除処理を行うことで入力データの構造を正確に学習することができる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、ノード間の距離を示す距離尺度についてであるが、ノード間の距離尺度としては、ユークリッド距離、コサイン距離、マンハッタン距離、フラクショナル距離など、任意の距離尺度を適用することができる。一般に、入力データが低次元である場合にユークリッド距離が用いられ、入力データが高次元である場合にコサイン距離、マンハッタン距離及びフラクショナル距離が用いられる。
上述の実施の形態において、2つの値の大小判定について説明したが、これは例示に過ぎず、2つの値の大小判定において2つの値が等しい場合については、必要に応じて取り扱ってもよい。すなわち、第1の値が第2の値以上であるか又は第2の値よりも小さいかの判定と、第1の値が第2の値よりも大きいか又は第2の値以下であるかの判定とについては、必要に応じていずれを採用してもよい。第1の値が第2の値以下であるか又は第2の値よりも大きいかの判定と、第1の値が第2の値よりも小さいか又は第2の値以上であるかの判定については、いずれを採用してもよい。換言すれば、2つの値の大小判定を行って2つの判定結果を得る場合、2つの値が等しい場合については、必要に応じて2つの判定結果のいずれに含めてもよい。
また、SOINNにおいては、入力ベクトルの学習において辺を接続する処理を行っている。この場合には、長さ閾値LTH以下の辺のみを接続することで、上記の辺削除処理と同等の処理を行うことも可能である。すなわち、ネットワークにおいて、長さ閾値LTH以下の長さの辺のみがノードに接続されているネットワークを取得すればよく、ノードに接続する辺の選別は、上述の辺削除処理によって行ってもよいし、SOINNにて入力ベクトルを学習する過程で行う辺を接続する処理において行ってもよい。
上述の実施の形態では、本発明を主にハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 学習処理部
2 分離度合い算出部
3 辺削除処理部
4 距離行列算出部
5 評価指数算出部
6 得点算出部
7 画一度算出部
8 終了判定部
9 学習結果選択部
10 クラスタリング部
1000 コンピュータ
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 バス
1005 入出力インターフェイス
1006 入力部
1007 出力部
1008 記憶部
1009 通信部
1010 ドライブ
1011 磁気ディスク
1012 光ディスク
1013 フレキシブルディスク
1014 半導体メモリ
100 情報処理装置

Claims (13)

  1. 入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する情報処理装置において、
    同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得する学習処理部と、
    前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記初期学習結果に含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記選択された初期学習結果から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記選択された初期学習結果から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出する分離度合い算出部と、
    前記複数の辺について算出したクラスタ分離度合いのうちでM番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択された初期学習結果から削除する辺削除処理部と、
    前記辺削除処理部による辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した前記学習結果ペアの前記2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出する距離行列算出部と、
    各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出する評価指数算出部と、
    全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出する得点算出部と、
    各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出する画一度算出部と、
    前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了する終了判定部と、
    前記終了判定部が辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、前記得点算出部で算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択する学習結果選択部と、
    前記最終学習結果をクラスタリングするクラスタリング部と、を備え、
    前記Mの値が更新されるごとに、前記辺削除処理部、前記距離行列算出部、前記得点算出部、前記画一度算出部及び前記終了判定部は処理を繰り返す、
    情報処理装置。
  2. 前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが辺を削除した後に2つのクラスタに分離しないときは0であり、分離するときは0以外の値を持つ、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときは、正又は負の値を持つ、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときに、分離した2つのクラスタのノード数が近似しているほど、正の値の場合には値が大きくなり、負の値の場合には値が小さくなる、
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記クラスタの分離度合いは、前記注目辺が属するクラスタが2つのクラスタに分離したときに、分離した2つのクラスタに含まれるノード数が多いほど、正の値の場合には値が大きくなり、負の値の場合には値が小さくなる、
    請求項3又は4に記載の情報処理装置。
  6. k1を注目する辺よりも長い辺を削除した場合に存在するクラスタk1のそれぞれのノード数、nk2を注目する辺以上の長さの辺を削除した場合に存在するクラスタk2のそれぞれのノード数としたときに、前記クラスタの分離度合いDは以下の式で定義される、
    Figure 0007659766000017
    請求項2乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記得点算出部は、
    全ての距離行列について算出した評価指数に基づいて、前記2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタ間の全てのペアについての評価指数で構成される評価指数行列を生成し、
    前記評価指数行列に含まれる評価指数に基づいて、1つの学習結果に含まれるクラスタが他の学習結果のクラスタに似ているかを示す得点を算出し、
    全ての学習結果に属するクラスタについての得点を含む得点行列を生成し、
    前記学習結果選択部は、前記得点行列に基づいて、前記複数の中間学習結果から最終学習結果を選択する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 前記評価指数算出部は、
    前記2つのクラスタのそれぞれに属するノード間の平均的距離を求め、求めた2つの平均的距離の平均値を求め、
    各距離行列の各列及び各行の前記最小値のうちで、前記平均値以上のものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出する、
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記評価指数は、各距離行列の各列及び各行の前記最小値のうちで、前記平均値以上のものの個数を、前記2つのクラスタに属するノードの総数で除算した値である、
    請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記得点算出部は、評価指数行列に含まれる各評価指数を閾値と比較し、比較結果に基づいて得点を与え、各クラスタの合計得点を算出する、
    請求項7又は8に記載の情報処理装置。
  11. 前記学習結果選択部は、各中間学習結果に属するクラスタの合計得点のうちで最小値を取得し、取得した最小値のうちで最大の値に対応する前記中間学習結果を選択する、
    請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する、コンピュータが実行する情報処理方法において、
    前記コンピュータが、
    同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得し、
    前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記1つの初期学習結果から順に1つのクラスタを選択し、
    選択されたクラスタ含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出し、
    各注目辺について算出したクラスタ分離度合いに基づいて、M番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択されたクラスタから削除し、
    辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出し、
    各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出し、
    全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出し、
    各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出し、
    前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了し、
    辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択し、
    前記最終学習結果をクラスタリングし
    前記Mの値が更新されるごとに、前記辺の削除、前記距離行列の算出、前記得点の算出、前記画一度の算出及び前記終了の判定を繰り返す、
    情報処理方法。
  13. 入力ベクトルを順次入力して、当該入力ベクトルの入力分布構造を、多次元ベクトルで記述される複数のノード及び2つの前記ノード間を接続する複数の辺が配置されるネットワーク構造として学習する処理をコンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    同じ入力データに対して複数の教師なし学習方法によって学習して得られた複数の初期学習結果を取得する処理と、
    前記複数の初期学習結果から1つの初期学習結果を順に選択し、選択された前記1つの初期学習結果から順に1つのクラスタを選択する処理と、
    選択されたクラスタ含まれる複数の辺のそれぞれを順に注目辺として選択し、前記注目辺よりも長い辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、前記注目辺以上の長さの辺を前記ネットワーク構造から削除した場合と、におけるクラスタの分離度合いを算出する処理と、
    各注目辺について算出したクラスタ分離度合いに基づいて、M番目に大きなクラスタ分離度合いに対応する注目辺の長さである長さ閾値以上の辺を前記選択されたクラスタから削除する処理と、
    辺削除後の前記複数の初期学習結果である複数の中間学習結果から選択可能な2つの中間学習結果からなる学習結果ペアを選択し、選択した2つの中間学習結果のそれぞれから1つずつ選択した2つのクラスタからなるクラスタペアを選択し、選択可能なクラスタペアの全てについて、一方のクラスタに属するノードと他方のクラスタに属するノードとの間の距離を示す距離行列を算出する処理と、
    各距離行列について各列及び各行の最小値を取得し、取得した前記最小値のうちで所定条件を満たすものの個数に基づいて各距離行列にかかる評価指数を算出する処理と、
    全ての前記学習結果ペアについて算出した距離行列の評価指数に基づいて、各中間学習結果の各クラスタについて、1つの中間学習結果に含まれる1つのクラスタと、他の中間学習結果のクラスタとが類似している度合いを示す得点を算出する処理と、
    各中間学習結果の各クラスタについて算出した前記得点のうちの最小値を取得し、取得した複数の前記最小値のうちの最大値を画一度として算出する処理と、
    前記画一度が画一度閾値よりも大きい場合にMに1を加算してMの値を更新し、前記画一度が画一度閾値よりも小さい場合に辺を削除する処理を終了する処理と、
    辺を削除する処理を終了すると判定した場合に、算出された各中間学習結果の各クラスタの得点に基づいて、前期複数の中間学習結果から最終学習結果を選択する処理と、
    前記最終学習結果をクラスタリングする処理と、をコンピュータに実行させ、
    前記Mの値が更新されるごとに、前記辺を削除する処理、前記距離行列を算出する処理、前記得点を算出する処理、前記画一度を算出する処理及び前記終了を判定する処理が繰り返される、
    プログラム。
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