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JP7659899B2 - 銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体、及びその製造方法 - Google Patents
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銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体に関する。さらに詳しくは、本発明は、複雑な工程なしで製造することができ、カーケンダルボイド(空隙)の生成が抑制された銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体に関する。
一般的に、電子部品の電極と他部品とを接合するためには、ハンダメッキ、ハンダボール、ハンダペースト等を使用する。例えば半導体チップでは、電気特性の向上やファインピッチへの対応等を理由に、突起電極(銅柱:Copper Pillar)を使用する場合、Cu/Ni/Sn-Ag系やCu/Ni/Sn系等の構造体をメッキ工程によって形成する。さらに近年では、製造工程の煩雑化やコストの上昇を防ぐ観点から、Ni層を挟まないCu/Sn-Ag系の構造体も多く見られる。
しかしながら、CuとSn又はSn合金との接合界面では、それぞれの金属の拡散速度の差からカーケンダルボイドが生じ、得られる構造体について信頼性低下の問題が懸念されている。
そこで、金属同士の接合界面において、前記のごときカーケンダルボイドの生成を抑制するために、従来、例えば特許文献1及び2に開示の技術が提案されている。
特許文献1には、スズを主体とし、これに銀、銅、リン、アンチモン、及びビスマス等を添加することで、銅柱とスズ合金との界面に金属間化合物が形成されるのを抑制し、カーケンダルボイドの生成を抑制する技術が開示されている。
特許文献2には、銅含有柱層上に、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-バナジウム等を含む拡散バリア層を形成することで、カーケンダルボイドの生成を抑制する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の技術のごとき複雑な金属組成のコントロールは、近年行われているメッキ法では事実上不可能である。一方、特許文献2に開示の技術を採用した場合は、工程が複雑となり過ぎる問題があり、また、コスト面を考慮すると、このような技術を採用することが不可能な場合も多い。
特開2004-154845号公報 特許第5756140号公報
本発明は、複雑な工程なしで製造することができ、カーケンダルボイドの生成が抑制された、銅を含むメッキ層を備えた構造体を提供することを課題とする。
本発明(I)は、
銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えており、
前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層は、電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了することにより形成されたものであり、
前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、単一の陰極電流密度にて行う電気メッキ処理でのその陰極電流密度であり、
前記所定の第1陰極電流密度は、5A/dm以上であり、
前記第2陰極電流密度に変更して形成された層は、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部であり、
前記表層部の厚さは、0.05μm~15μmである、構造体
に関する。
本発明(II)は、
銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えており、
前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層は、電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了することにより形成されたものであり、
前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理での、下記式(1)より求められる平均陰極電流密度であり、
平均陰極電流密度
=陰極電流密度n1×(メッキ時間n1/全メッキ時間)
+陰極電流密度n2×(メッキ時間n2/全メッキ時間)・・・
+陰極電流密度n-1×(メッキ時間n-1/全メッキ時間)
+陰極電流密度×(メッキ時間/全メッキ時間) (1)
(ここで、複数の陰極電流密度はn個の陰極電流密度であり、
陰極電流密度n1は1個目の陰極電流密度、
陰極電流密度n2は2個目の陰極電流密度、・・・
陰極電流密度n-1はn-1個目の陰極電流密度、
陰極電流密度はn個目の陰極電流密度で、
メッキ時間n1は陰極電流密度n1にて行ったメッキ時間、
メッキ時間n2は陰極電流密度n2にて行ったメッキ時間、・・・
メッキ時間n-1は陰極電流密度n-1にて行ったメッキ時間、
メッキ時間は陰極電流密度にて行ったメッキ時間である)
前記所定の第1陰極電流密度は、5A/dm以上であり、
前記第2陰極電流密度に変更して形成された層は、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部であり、
前記表層部の厚さは、0.05μm~15μmである、構造体
に関する。
前記本発明(II)において、
前記複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理は、該電気メッキ処理の開始時から前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する最終段階までの間に、該陰極電流密度を順に上昇させて行う電気メッキ処理又は該陰極電流密度を上昇させた後に下降させて行うことを含む電気メッキ処理
であることが好ましい。
本発明の銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体は、複雑な工程なしで製造することができ、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されたものであるので、高い信頼性を奏する。
本発明(I)の構造体及び本発明(II)の構造体は、銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えており、該銅メッキ層又は銅合金メッキ層は、電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了することにより形成される。なお、本明細書において、本発明(I)及び本発明(II)を併せて「本発明」ともいい、本発明(I)の構造体及び本発明(II)の構造体を併せて「本発明の構造体」ともいう。
前記電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴には、例えば、1種以上の銅イオン供給化合物が配合されることが好ましい。
前記銅イオン供給化合物は、基本的に水溶液中でCu2+を発生させる銅可溶性塩であればよく、特に限定がない。該銅イオン供給化合物としては、例えば、硫酸銅、酸化銅、硝酸銅、塩化銅、ピロリン酸銅、炭酸銅の他に、酢酸銅、シュウ酸銅、クエン酸銅等のカルボン酸銅塩;メタンスルホン酸銅、ヒドロキシエタンスルホン酸銅等のアルキルスルホン酸銅塩等が挙げられ、これらの中から1種以上を用いることができる。
前記電気銅メッキ浴における前記銅イオン供給化合物の含有量は、特に限定がないが、1g/L~300g/L程度、さらには30g/L~250g/L程度であることが好ましい。
前記電気メッキ処理に用いるメッキ浴が電気銅メッキ浴の場合には、前記銅イオン供給化合物を配合すればよいが、電気銅合金メッキ浴の場合には、銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩も1種以上配合すればよい。
前記銅と共に合金を生成する金属には特に限定がなく、例えば、ニッケル、銀、亜鉛、ビスマス、コバルト、インジウム、アンチモン、スズ、金、鉛等が挙げられる。なお、後述するように、本発明の構造体が銅合金メッキ層と隣接して銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を備える場合には、銅と共に合金を生成する金属は、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を構成しない金属の中から選べばよい。
ニッケルの可溶性塩としては、例えば、硫酸ニッケル、ギ酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケル、酢酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケル等が挙げられる。
銀の可溶性塩としては、例えば、炭酸銀、硝酸銀、酢酸銀、塩化銀、酸化銀、シアン化銀、シアン化銀カリウム、メタンスルホン酸銀、2-ヒドロキシエタンスルホン酸銀、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸銀等が挙げられる。
亜鉛の可溶性塩としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、ピロリン酸亜鉛、シアン化亜鉛、メタンスルホン酸亜鉛、2-ヒドロキシエタンスルホン酸亜鉛、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸亜鉛等が挙げられる。
ビスマスの可溶性塩としては、例えば、硫酸ビスマス、グルコン酸ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、炭酸ビスマス、塩化ビスマス、メタンスルホン酸ビスマス、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ビスマス等が挙げられる。
コバルトの可溶性塩としては、例えば、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト、ホウフッ化コバルト、メタンスルホン酸コバルト、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸コバルト等が挙げられる。
インジウムの可溶性塩としては、例えば、スルファミン酸インジウム、硫酸インジウム、ホウフッ化インジウム、酸化インジウム、メタンスルホン酸インジウム、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸インジウム等が挙げられる。
アンチモンの可溶性塩としては、例えば、ホウフッ化アンチモン、塩化アンチモン、酒石酸アンチモニルカリウム、ピロアンチモン酸カリウム、酒石酸アンチモン、メタンスルホン酸アンチモン、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸アンチモン等が挙げられる。
スズの可溶性塩としては、例えば、硫酸第一スズ、酢酸第一スズ、ホウフッ化第一スズ、スルファミン酸第一スズ、ピロリン酸第一スズ、塩化第一スズ、グルコン酸第一スズ、酒石酸第一スズ、酸化第一スズ、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム、メタンスルホン酸第一スズ、エタンスルホン酸第一スズ、2-ヒドロキシエタンスルホン酸第一スズ、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸第一スズ、スルホコハク酸第一スズ等が挙げられる。
金の可溶性塩としては、例えば、塩化金酸カリウム、塩化金酸ナトリウム、塩化金酸アンモニウム、亜硫酸金カリウム、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金アンモニウム、チオ硫酸金カリウム、チオ硫酸金ナトリウム、チオ硫酸金アンモニウム等が挙げられる。
鉛の可溶性塩としては、例えば、酢酸鉛、硝酸鉛、炭酸鉛、ホウフッ化鉛、スルファミン酸鉛、メタンスルホン酸鉛、エタンスルホン酸鉛、2-ヒドロキシエタンスルホン酸鉛、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸鉛等が挙げられる。
電気銅合金メッキ浴における、前記銅イオン供給化合物及び前記銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩の合計含有量は、特に限定がないが、1g/L~200g/L程度、さらには10g/L~150g/L程度であることが好ましい。
前記銅イオン供給化合物と、前記銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩との組み合わせ及び割合には、特に限定がなく、電気銅合金メッキ浴から形成される本発明の構造体が所望の組成となるように、両化合物の組み合わせ及び割合を適宜調整すればよい。
電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴には、前記1種以上の銅イオン供給化合物及び前記1種以上の銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩の他に、例えば、電解質、促進剤、高分子界面活性剤、レベラー、pH緩衝剤、キレート剤等の各種添加剤を配合することができる。
前記電解質としては、例えば、酸、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩等が挙げられる。
前記酸としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、炭酸、リン酸、ホウ酸、シュウ酸、乳酸、硫化水素、フッ化水素酸、ギ酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、亜硫酸等が挙げられる。なお、塩酸は、塩化物イオン供給源としても作用する。
前記塩化物は、前記塩酸と同様に塩化物イオン供給源として作用し、該塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化亜鉛、塩化銅(II)、塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化アンモニウム等が挙げられる。
前記硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸亜鉛、硝酸銀、硝酸銅(II)、硝酸アルミニウム、硝酸鉄(III)、硝酸アンモニウム等が挙げられる。なお、これら硝酸塩のうち、硝酸銅(II)は、前記銅イオン供給化合物としても作用し、硝酸亜鉛や硝酸銀は、前記銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩としても作用する。
前記炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
前記リン酸塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素カリウム等が挙げられる。
前記酢酸塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸銅(II)、酢酸アルミニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
前記過塩素酸塩としては、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等が挙げられる。
前記促進剤は、メッキ析出において成長核の生成を促進する成分である。該促進剤としては、例えば、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド(別名:3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸))、ビス(2-スルホプロピル)ジスルフィド、ビス(3-スル-2-ヒドロキシプロピル)ジスルフィド、ビス(4-スルホプロピル)ジスルフィド、ビス(p-スルホフェニル)ジスルフィド、3-ベンゾチアゾリル-2-チオ)プロパンスルホン酸、N,N-ジメチル-ジチオカルバミルプロパンスルホン酸、N,N-ジメチル-ジチオカルバミルプロパンスルホン酸、N,N-ジメチル-ジチオカルバミン酸-(3-スルホプロピル)-エステル、3-[(アミノイミノメチル)チオ]-1-プロパンスルホン酸、o-エチル-ジエチル炭酸-S-(3-スルホプロピル)エステル、メルカプトメタンスルホン酸、メルカプトエタンスルホン酸、メルカプトプロパンスルホン酸、これらの塩等が挙げられる。
前記高分子界面活性剤としては、特にノニオン系界面活性剤が好ましく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック(登録商標)型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテル、スルホン酸基含有ポリアルキレンオキシド付加型アミン類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ビスフェノールAポリエトキシレート、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のノニオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤等が挙げられる。
前記レベラー(平滑化剤)は、電着抑制の機能を有し、電着皮膜を平滑にする作用を呈する。該レベラーは、例えば、アミン類、染料、イミダゾリン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、インドール類、ピリジン類、キノリン類、イソキノリン類、アニリン類、アミノカルボン酸類等から選択されることが好ましい。
前記アミン類としては、スルホン酸基含有アルキレンオキシド付加型アミン類が好ましい。該スルホン酸基含有アルキレンオキシド付加型アミン類は、アルキレンオキシドが付加しているので、前記のとおり、高分子界面活性剤に分類されるが、アミン類として分類することもでき、レベラーとして有効である。
レベラーとして有効な、前記アミン類以外のその他の含窒素有機化合物の具体例としては、例えば、C.I.(Color Index)ベーシックレッド2、トルイジンブルー等のトルイジン系染料、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ベーシックブラック2等のアゾ系染料、3-アミノ-6-ジメチルアミノ-2-メチルフェナジン1塩酸等のフェナジン系染料、ポリエチレンイミン、ジアリルアミンとアリルグアニジンメタンスルホン酸塩の共重合物、テトラメチルエチレンジアミンのEO及び/又はPO付加物、コハク酸イミド、2’-ビス(2-イミダゾリン)等のイミダゾリン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、インドール類、2-ビニルピリジン、4-アセチルピリジン、4-メルカプト-2-カルボキシルピリジン、2,2’-ビピリジル、フェナントロリン等のピリジン類、キノリン類、イソキノリン類、アニリン、3,3’,3”-ニトリロ3プロピオン酸、ジアミノメチレンアミノ酢酸等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ベーシックレッド2等のトルイジン染料、C.I.ダイレクトイエロー1等のアゾ染料、3-アミノ-6-ジメチルアミノ-2-メチルフェナジン1塩酸等のフェナジン系染料、ポリエチレンイミン、ジアリルアミンとアリルグアニジンメタンスルホン酸塩との共重合物、テトラメチルエチレンジアミンのEO及びPO付加物、2’-ビス(2-イミダゾリン)等のイミダゾリン類、ベンゾイミダゾール類、2-ビニルピリジン、4-アセチルピリジン、2,2’-ビピリジル、フェナントロリン等のピリジン類、キノリン類、アニリン類、並びにアミノメチレンアミノ酢酸等のアミノカルボン酸類が好ましい。
前記pH緩衝剤としては、一部前記電解質としての酸の例示と重複するが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸等のジカルボン酸類、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、イソクエン酸等のオキシカルボン酸類、ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等のオキソ酸等が挙げられる。
前記キレート剤としては、一部前記電解質や前記pH緩衝剤としての酸の例示と重複するが、例えば、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸等を用いることができ、具体的には、例えば、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、これらの塩等を用いることができる。さらに、例えば、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジオキシビス(エチルアミン)-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、グリシン類、ニトリロトリメチルホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、これらの塩等が挙げられる。
電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴における前記各種添加剤の含有量は、特に限定がなく、該メッキ浴から目的とする構造体が形成されるように適宜調整すればよい。
電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴は、例えば、1種以上の銅イオン供給化合物、1種以上の銅と共に合金を生成する金属の可溶性塩、例えば電解質、促進剤、高分子界面活性剤、レベラー、pH緩衝剤、キレート剤等の各種添加剤を適宜配合して、建浴することができる。
本発明の構造体を構成する銅メッキ層又は銅合金メッキ層は、前記電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して電気メッキ処理を行って形成することができ、該電気メッキ処理に大きな特徴がある。すなわち、電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了し、銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する。このように、終了時の陰極電流密度をそれまでの陰極電流密度よりも低くして電気メッキ処理を行うことにより、銅メッキ層又は銅合金メッキ層と、例えば後述する銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合界面において、それぞれの金属の拡散速度の差に起因するカーケンダルボイドの生成を抑制することができる。
なお、所定の第1陰極電流密度から、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度への変更は、銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する最終段階にて行う。該最終段階とは、銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部を形成する段階のことをいう。
本発明(I)の構造体において、前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、単一の陰極電流密度にて行う電気メッキ処理でのその陰極電流密度である。
前記単一の陰極電流密度にて行う電気メッキ処理とは、開始時の陰極電流密度を第1陰極電流密度とし、該開始時の陰極電流密度を変更せずに行う電気メッキ処理である。すなわち、所定の第1陰極電流密度でメッキ処理を開始した後、銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する最終段階で初めて、陰極電流密度を低くする。この低くした陰極電流密度が第2陰極電流密度である。
本発明(II)の構造体において、前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理での平均陰極電流密度である。
前記複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理とは、開始時から銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する最終段階までの間に陰極電流密度を1回以上変更して行う電気メッキ処理である。
すなわち、本発明(II)では、前記開始時から最終段階までの間に、何度でも、陰極電流密度をそれまでよりも高くしてもよく、それまでよりも低くしてもよい。このような複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理としては、開始時から最終段階までの間に、陰極電流密度を順に上昇させて行う電気メッキ処理、陰極電流密度を順に下降させて行う電気メッキ処理、陰極電流密度を上昇させた後に下降させて行うことを含む電気メッキ処理、及び、陰極電流密度を下降させた後に上昇させて行うことを含む電気メッキ処理が例示される。これら複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理の中でも、例えば高速メッキにて電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して電気メッキ処理を行った場合に特に、カーケンダルボイドの生成を抑制する効果が顕著であるという点から、陰極電流密度を順に上昇させて行う電気メッキ処理及び陰極電流密度を上昇させた後に下降させて行うことを含む電気メッキ処理が好ましい。
そして、前記開始時から最終段階までの間の平均陰極電流密度を所定の第1陰極電流密度とし、最終段階で該第1陰極電流密度を低くする。この低くした陰極電流密度が第2陰極電流密度である。
なお、前記平均陰極電流密度は、下記式(1)より求められるものである。
平均陰極電流密度
=陰極電流密度n1×(メッキ時間n1/全メッキ時間)
+陰極電流密度n2×(メッキ時間n2/全メッキ時間)・・・
+陰極電流密度n-1×(メッキ時間n-1/全メッキ時間)
+陰極電流密度×(メッキ時間/全メッキ時間) (1)
(ここで、複数の陰極電流密度はn個の陰極電流密度であり、
陰極電流密度n1は1個目の陰極電流密度、
陰極電流密度n2は2個目の陰極電流密度、・・・
陰極電流密度n-1はn-1個目の陰極電流密度、
陰極電流密度はn個目の陰極電流密度で、
メッキ時間n1は陰極電流密度n1にて行ったメッキ時間、
メッキ時間n2は陰極電流密度n2にて行ったメッキ時間、・・・
メッキ時間n-1は陰極電流密度n-1にて行ったメッキ時間、
メッキ時間は陰極電流密度にて行ったメッキ時間である)
前記所定の第1陰極電流密度は、構造体の生産性の点から、5A/dm以上、好ましくは7A/dm以上である。
前記第2陰極電流密度は、1A/dm~4A/dmとすることが好ましく、1.5A/dm~3.0A/dmとすることがさらに好ましい。該第2陰極電流密度が前記下限値未満の場合には、表層部の形成が不充分となる恐れがある。該第2陰極電流密度が前記上限値を超える場合には、カーケンダルボイドの生成の抑制が不充分となる恐れがある。なお、第1陰極電流密度の設定値と第2陰極電流密度の設定値との差には特に限定がなく、第2陰極電流密度は、第1陰極電流密度よりも低く設定されていればよい。
また、前記第2陰極電流密度も、前記第1陰極電流密度と同様に、単一の陰極電流密度にて行う電気メッキ処理でのその陰極電流密度であってもよく、複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理での平均陰極電流密度であってもよい。該平均陰極電流密度は、前記第1陰極電流密度の平均陰極電流密度と同様に、前記式(1)より求められるものである。
前記のごとく第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度へと陰極電流密度を変更することにより、銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部を、その厚さが0.05μm~15μm、好ましくは0.5μm~10μmとなるように形成する。該表層部の厚さが前記下限値未満の場合にはカーケンダルボイドの生成の抑制が不充分となる。逆に該表層部の厚さが前記上限値を超えることは、構造体の生産性の点から不都合である。
前記表層部を含む、銅メッキ層又は銅合金メッキ層全体の厚さには特に限定がないが、構造体を例えば突起電極として用いることを考慮すると、15μm~250μm程度であることが好ましい。
なお、前記電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に電気メッキ処理を行う際には、例えば、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ、カップメッキ、ディップメッキ等の各種メッキ方式を採用することができる。また、電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴の浴温には特に限定がなく、例えば、0℃以上、さらには10℃~50℃程度であることが好ましい。
本発明の構造体は、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えるものであるが、該銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接して、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層をさらに備えることが好ましい。該銅以外の金属又は金属合金のメッキ層をさらに備えることにより、本発明の構造体は、例えば突起電極としての用途が広がる。
銅以外の金属には特に限定がなく、例えば、スズ、銀、亜鉛、ニッケル、ビスマス、コバルト、インジウム、アンチモン、金、鉛等が挙げられる。なお、前記のとおり、該銅以外の金属としては、前記銅と共に合金を生成する金属以外のものを選択すればよい。
銅以外の金属又は金属合金のメッキ層は、銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接するように、銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴に電気メッキ処理を行って形成される。
前記銅以外の金属の電気メッキ浴には、例えば、1種以上の該金属のイオン供給化合物が配合されることが好ましく、銅以外の金属合金の電気メッキ浴には、例えば、合金を構成する2種以上の金属について、各々1種以上の該金属のイオン供給化合物が配合されることが好ましい。金属のイオン供給化合物は、基本的に水溶液中で金属イオンを発生させる可溶性塩であればよく、特に限定がない。
各金属の可溶性塩、例えば、スズの可溶性塩、銀の可溶性塩、亜鉛の可溶性塩、ニッケルの可溶性塩、ビスマスの可溶性塩、コバルトの可溶性塩、インジウムの可溶性塩、アンチモンの可溶性塩、金の可溶性塩、鉛の可溶性塩等としては、各々前記電気銅合金メッキ浴に配合され得る可溶性塩として例示したものが挙げられる。
銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴における、金属のイオン供給化合物の含有量は、特に限定がないが、1g/L~200g/L程度、さらには10g/L~150g/L程度であることが好ましい。
各種金属のイオン供給化合物の組み合わせ及び割合には特に限定がなく、銅メッキ層又は銅合金メッキ層に隣接して銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を備えた本発明の構造体が所望の組成となるように、組み合わせ及び割合を適宜調整すればよい。
なお、各種銅以外の金属又は金属合金のメッキ層の中でも、スズメッキ層又はスズ合金メッキ層が好ましい。該スズメッキ層又はスズ合金メッキ層が前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層に隣接して備えられた構造体は、例えばより性能に優れた突起電極として用いることができる。
銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴には、前記各種金属のイオン供給化合物の他に、例えば、電解質、促進剤、高分子界面活性剤、レベラー、pH緩衝剤、キレート剤等の各種添加剤を配合することができる。これらの各種添加剤としては、各々前記電気銅又は銅合金メッキ浴に配合され得る各種添加剤として例示したものが挙げられる。
銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴における前記各種添加剤の含有量は、特に限定がなく、銅メッキ層又は銅合金メッキ層に隣接して、目的とする銅以外の金属又は金属合金のメッキ層が形成されるように適宜調整すればよい。
銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴は、例えば、1種以上の金属のイオン供給化合物、例えば電解質、促進剤、高分子界面活性剤、レベラー、pH緩衝剤、キレート剤等の各種添加剤を適宜配合して、建浴することができる。
銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴に電気メッキ処理を行う際にも、前記電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に電気メッキ処理を行う際と同様の各種メッキ方式を採用することができる。また、銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴に電気メッキ処理を行う際の条件には特に限定がなく、例えば、陰極電流密度は、0.001A/dm~100A/dm程度、さらには0.01A/dm~40A/dm程度であることが好ましく、浴温は、0℃以上、さらには10℃~50℃程度であることが好ましい。
かくして銅メッキ層又は銅合金メッキ層に隣接して、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層が形成された場合、該銅メッキ層又は銅合金メッキ層の厚さと、該銅以外の金属又は金属合金のメッキ層の厚さとの合計は、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。該厚さの合計が前記下限値未満の場合には、銅メッキ層又は銅合金メッキ層と銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合強度が不足する恐れがある。なお、該厚さの合計の上限値は特に限定されないが、例えば突起電極として構造体を用いることを考慮すると、500μm以下であることが好ましい。
なお、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層の厚さには特に限定がないが、銅メッキ層又は銅合金メッキ層と銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合信頼性を考慮すると、5μm~100μm程度であることが好ましい。
さらに、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を形成させない場合には、電気メッキ処理によって析出した銅又は銅合金を、また、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を形成させる場合には、電気メッキ処理によって析出した銅以外の金属又は金属合金を、必要に応じてリフローして、目的とする構造体を製造することができる。
本発明の構造体は、例えば突起電極であり、例えば、ガラス基板、シリコン基板、サファイア基板、ウエハ、プリント配線板、半導体集積回路、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、スイッチ、リード線、太陽電池等の電子部品に形成することができる。
以下、本発明の銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体αの実施例、及び、該構造体αの銅メッキ層又は銅合金メッキ層に隣接して銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を備えた構造体βについてのカーケンダルボイド生成の評価試験例を順次記載する。
しかしながら、本発明は、前記実施例及び試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲で任意の変形をなし得ることは勿論である。
[本発明(I)の構造体]
まず、本発明(I)の構造体に係る実施例(第1陰極電流密度が単一の陰極電流密度である場合の実施例)及びその比較例を示す。
≪銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体αの実施例≫
下記実施例I-1~I-9のうち、実施例I-1~I-8は、銅メッキ層を備えた構造体αの例であり、実施例I-9は、銅-ニッケル合金メッキ層を備えた構造体αの例である。
また、比較例I-1~I-2は、銅メッキ層を備えた構造体αの例であり、比較例I-3は、銅-ニッケル合金メッキ層を備えた構造体αの例であるが、比較例I-1及びI-3は、第2陰極電流密度を設定しないブランク例であり、比較例I-2は、表層部の厚さが0.05μm未満のブランク例である。
(1)実施例I-1
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約180秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(2)実施例I-2
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:5A/dm
メッキ時間:約1100秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約180秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(3)実施例I-3
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:15A/dm
メッキ時間:約370秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約180秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(4)実施例I-4
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:2A/dm
メッキ時間:約270秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(5)実施例I-5
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約90秒
形成された表層部の厚さ:1μm
(6)実施例I-6
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約450秒
形成された表層部の厚さ:5μm
(7)実施例I-7
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約180秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(8)実施例I-8
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均分子量1000):100mg/L
2-メチルイミダゾール:2mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10A/dm
メッキ時間:約550秒
形成された銅メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約180秒
形成された表層部の厚さ:2μm
(9)実施例I-9
下記組成で電気銅-ニッケル合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):10g/L
硫酸ニッケル(Ni2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):20g/L
塩酸(塩化物イオンとして):80mg/L
ホウ酸(pH緩衝剤として):20g/L
EDTA(キレート剤として):120g/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:5A/dm
メッキ時間:約1180秒
形成された銅-ニッケル合金メッキ層の厚さ:20μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:2A/dm
メッキ時間:約440秒
形成された表層部の厚さ:3μm
(エ)その他
pH:4.0(NaOHで調整)
(10)比較例I-1
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):10A/dm
メッキ時間:約630秒
形成された銅メッキ層の厚さ(全体):23μm
(11)比較例I-2
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:5A/dm
メッキ時間:約1200秒
形成された銅メッキ層の厚さ:22μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約20秒
形成された表層部の厚さ:0.03μm
(12)比較例I-3
下記組成で電気銅-ニッケル合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):10g/L
硫酸ニッケル(Ni2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):20g/L
塩酸(塩化物イオンとして):80mg/L
ホウ酸(pH緩衝剤として):20g/L
EDTA(キレート剤として):120g/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):5A/dm
メッキ時間:約1350秒
形成された銅-ニッケル合金メッキ層の厚さ(全体):23μm
pH:4.0(NaOHで調整)
≪スズ-銀合金メッキ層も備えた構造体βの実施例≫
次に、実施例I-1~I-8及び比較例I-1~I-2の構造体αの銅メッキ層、並びに、実施例I-9及び比較例I-3の構造体αの銅-ニッケル合金メッキ層の上に、スズ-銀合金メッキ層を形成させて、構造体βを製造した。電気スズ-銀合金メッキ浴の組成及びメッキ条件を以下に示す。
[組成]
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸銀(Agとして):0.3g/L
メタンスルホン酸:100g/L
カテコール(酸化防止剤として):0.5g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(EO13モル):5g/L
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:1g/L
5’5-ジチオビス(1-フェニル-1H-テトラゾール)(錯化剤として):5g/L
[メッキ条件]
浴温:25℃
陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約800秒
形成されたスズ-銀合金メッキ層の厚さ:20μm
≪カーケンダルボイド生成の評価試験例≫
得られた構造体βをリフローし、150℃で200時間に亘って熱処理を施した。その後、イオンミリングを用いて構造体βの断面を加工し、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いてカーケンダルボイドの断面を観察した。観察した視野からカーケンダルボイドの大きさ及び量を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
[評価基準]
◎: カーケンダルボイドは確認されなかった。
○: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが5個未満確認され、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドは確認されなかった。
△: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが5個以上50個未満確認されたか、及び/又は、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個未満確認された。
×: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが50個以上確認されたか、又は、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個以上確認された。
××:1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが50個以上確認され、かつ、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個以上確認された。
なお、表1中には、メッキ浴の金属種及びメッキ条件も併せて示す。
Figure 0007659899000001
前記表1より、以下のことが分かる。
従来のように陰極電流密度を変更することなく銅メッキ層を形成させた比較例I-1と対比すると、第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度にて銅メッキ層の表層部を形成させた実施例I-1の構造体では、カーケンダルボイドが生成されておらず、著しく改善されることが確認できた。
通常、電気銅メッキにおいて陰極電流密度を上昇させると、カーケンダルボイドの生成も増大する傾向にある。しかしながら、実施例I-1~I-2よりも第1陰極電流密度を高く設定した実施例I-3であっても、第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度にて銅メッキ層の表層部を形成させることにより、カーケンダルボイドの生成が抑制された構造体を製造することが可能である。
実施例I-5のように、第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度にて形成された銅メッキ層の表層部が薄い場合でも、カーケンダルボイドの生成を抑制する一定の効果が認められる。しかしながら、比較例I-2のように、表層部が0.05μm未満というように余りにも薄い場合は、カーケンダルボイドの生成を充分に抑制することができない。
実施例I-7のように電気銅メッキ浴の組成を変更しても、同様にカーケンダルボイドの生成を充分に抑制することができる。また、実施例I-8のようにレベラーを配合した電気銅メッキ浴を用いた場合であっても、同様にカーケンダルボイドの生成を充分に抑制することができる。
また、従来のように陰極電流密度を変更することなく銅合金メッキ層を形成させた比較例I-3と対比すると、第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度にて銅合金メッキ層の表層部を形成させた実施例I-9の構造体では、カーケンダルボイドの生成の抑制に関して、充分に改善されることが確認できた。
[本発明(II)の構造体]
次に、本発明(II)の構造体に係る実施例(第1陰極電流密度が複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度である場合の実施例)及びその比較例を示す。
≪銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体αの実施例≫
下記実施例II-1~II-16のうち、実施例II-1~II-13は、銅メッキ層を備えた構造体αの例であり、実施例II-14~II-15は、銅-ニッケル合金メッキ層を備えた構造体αの例であり、実施例II-16は、銅-銀合金メッキ層を備えた構造体αの例である。
また、比較例II-1~II-2は、銅メッキ層を備えた構造体αの例であり、比較例II-3は、銅-ニッケル合金メッキ層を備えた構造体αの例であり、比較例II-4は、銅-銀合金メッキ層を備えた構造体αの例である。比較例II-1~II-4は、第2陰極電流密度を設定しないブランク例である。
(1)実施例II-1
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→15.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約14.1A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、357.7秒
(合計:384.8秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(2)実施例II-2
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:5.0A/dm→10.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約9.9A/dm
メッキ時間:それぞれ10.8秒、536.6秒
(合計:547.4秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(3)実施例II-3
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10.0A/dm→20.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約19.0A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、257.5秒
(合計:284.6秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(4)実施例II-4
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10.0A/dm→20.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約19.0A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、257.5秒
(合計:284.6秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm→2.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約2.6A/dm
メッキ時間:それぞれ180.7秒、135.5秒
(合計:316.2秒)
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(5)実施例II-5
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→15.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約14.5A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、719.1秒
(合計:746.2秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:40.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(6)実施例II-6
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→15.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約14.5A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、719.1秒
(合計:746.2秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:40.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:1.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:1.0μm
(7)実施例II-7
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→15.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約14.5A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、719.1秒
(合計:746.2秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:40.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:0.5A/dm
メッキ時間:542.0秒
形成された表層部の厚さ:1.0μm
(8)実施例II-8
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→10.0A/dm→20.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約16.8A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、54.2秒、241.2秒
(合計:322.5秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(9)実施例II-9
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→5.0A/dm→10.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約8.0A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、222.2秒、425.5秒
(合計:674.8秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:180.0秒
形成された表層部の厚さ:2.0μm
(10)実施例II-10
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→20.0A/dm→10.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約10.1A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、27.1秒、482.4秒
(合計:536.6秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(11)実施例II-11
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10.0A/dm→20.0A/dm→15.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約15.3A/dm
メッキ時間:それぞれ5.4秒、27.1秒、321.6秒
(合計:354.1秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(12)実施例II-12
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10.0A/dm→5.0A/dm→2.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約5.9A/dm
メッキ時間:それぞれ406.5秒、108.4秒、406.5秒
(合計:921.4秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(13)実施例II-13
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:10.0A/dm→2.0A/dm→20.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約7.5A/dm
メッキ時間:それぞれ406.5秒、271.0秒、40.7秒
(合計:718.2秒)
形成された銅メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(14)実施例II-14
下記組成で電気銅-ニッケル合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):2.5g/L
硫酸ニッケル(Ni2+として):70g/L
硫酸(遊離酸として):20g/L
塩酸(塩化物イオンとして):80mg/L
ホウ酸(pH緩衝剤として):20g/L
EDTA(キレート剤として):120g/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2A/dm→10A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約9.6A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、536.6秒
(合計:563.7秒)
形成された銅-ニッケル合金メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(エ)その他
pH:4.0(NaOHで調整)
(15)実施例II-15
下記組成で電気銅-ニッケル合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):2.5g/L
硫酸ニッケル(Ni2+として):70g/L
硫酸(遊離酸として):20g/L
塩酸(塩化物イオンとして):80mg/L
ホウ酸(pH緩衝剤として):20g/L
EDTA(キレート剤として):120g/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:1.0A/dm→5.0A/dm→8.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約7.0A/dm
メッキ時間:それぞれ54.2秒、135.5秒、586.0秒
(合計:775.7秒)
形成された銅-ニッケル合金メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:2.0A/dm
メッキ時間:440.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(エ)その他
pH:4.0(NaOHで調整)
(16)実施例II-16
下記組成で電気銅-銀合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50.0g/L
メタンスルホン酸銀(Agとして):0.013g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
DL-メチオニン(キレート剤として):5g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):1000mg/L
[メッキ条件]
(ア)浴温:30℃
(イ)陰極電流密度変更前
第1陰極電流密度:2.0A/dm→10.0A/dmの順に変更
(平均陰極電流密度:約9.6A/dm
メッキ時間:それぞれ27.1秒、536.6秒
(合計:563.7秒)
形成された銅-銀合金メッキ層の厚さ:20.0μm
(ウ)陰極電流密度変更後
第2陰極電流密度:3.0A/dm
メッキ時間:271.0秒
形成された表層部の厚さ:3.0μm
(17)比較例II-1
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):15.0A/dm
メッキ時間:361.3秒
形成された銅メッキ層の厚さ(全体):20.0μm
(18)比較例II-2
下記組成で電気銅メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
3,3’-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム:10mg/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):100mg/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):10.0A/dm
メッキ時間:542.0秒
形成された銅メッキ層の厚さ(全体):20.0μm
(19)比較例II-3
下記組成で電気銅-ニッケル合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):10g/L
硫酸ニッケル(Ni2+として):50g/L
硫酸(遊離酸として):20g/L
塩酸(塩化物イオンとして):80mg/L
ホウ酸(pH緩衝剤として):20g/L
EDTA(キレート剤として):120g/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):10.0A/dm
メッキ時間:約542.0秒
形成された銅-ニッケル合金メッキ層の厚さ(全体):20.0μm
pH:4.0(NaOHで調整)
(20)比較例II-4
下記組成で電気銅-銀合金メッキ浴を建浴した。また、メッキ条件も併せて示す。
[組成]
硫酸銅5水和物(Cu2+として):50.0g/L
メタンスルホン酸銀(Agとして):0.013g/L
硫酸(遊離酸として):100g/L
塩酸(塩化物イオンとして):50mg/L
DL-メチオニン(キレート剤として):5g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量1000):1000mg/L
[メッキ条件]
浴温:30℃
陰極電流密度(変更なし):10.0A/dm
メッキ時間:約542.0秒
形成された銅-銀合金メッキ層の厚さ(全体):20.0μm
≪スズ-銀合金メッキ層も備えた構造体βの実施例≫
次に、実施例II-1~II-13及び比較例II-1~II-2の構造体αの銅メッキ層、実施例II-14~II-15及び比較例II-3の構造体αの銅-ニッケル合金メッキ層、並びに、実施例II-16及び比較例II-4の構造体αの銅-銀合金メッキ層の上に、スズ-銀合金メッキ層を形成させて、構造体βを製造した。電気スズ-銀合金メッキ浴の組成及びメッキ条件を以下に示す。
[組成]
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸銀(Agとして):0.3g/L
メタンスルホン酸:100g/L
カテコール(酸化防止剤として):0.5g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(EO13モル):5g/L
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:1g/L
5’5-ジチオビス(1-フェニル-1H-テトラゾール)(錯化剤として):5g/L
[メッキ条件]
浴温:25℃
陰極電流密度:3A/dm
メッキ時間:約800秒
形成されたスズ-銀合金メッキ層の厚さ:20μm
≪カーケンダルボイド生成の評価試験例≫
得られた構造体βをリフローし、180℃で300時間に亘って熱処理を施した。その後、イオンミリングを用いて構造体βの断面を加工し、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いてカーケンダルボイドの断面を観察した。観察した視野からカーケンダルボイドの大きさ及び量を確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2-Dに示す。
[評価基準]
◎: カーケンダルボイドは確認されなかった。
○: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが5個未満確認され、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドは確認されなかった。
△: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが5個以上50個未満確認されたか、及び/又は、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個未満確認された。
×: 1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが50個以上確認されたか、又は、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個以上確認された。
××:1μm未満の大きさのカーケンダルボイドが50個以上確認され、かつ、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドが5個以上確認された。
なお、表2-A~表2-D中には、メッキ浴の金属種及びメッキ条件も併せて示す。
Figure 0007659899000002
Figure 0007659899000003
Figure 0007659899000004
Figure 0007659899000005
前記表2-A~表2-Dより、以下のことが分かる。
従来のように陰極電流密度を変更することなく銅メッキ層を形成させた比較例II-1~II-2と対比すると、複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度である第1陰極電流密度よりも第2陰極電流密度を低くして銅メッキ層の表層部を形成させた実施例II-1~II-13の構造体では、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されていることが確認できた。
実施例II-1~II-3のように、第1陰極電流密度を、途中で上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合だけでなく、実施例II-4のように、第1陰極電流密度と同様に第2陰極電流密度も複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合も、カーケンダルボイドが生成されておらず、著しく改善されていることがわかる。
実施例II-5のように、第1陰極電流密度を、途中で上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とし、厚い銅メッキ層を形成した場合も、カーケンダルボイドが生成されておらず、著しく改善されていることがわかる。
実施例II-6~II-7のように、第1陰極電流密度を、途中で上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度として、厚い銅メッキ層を形成し、かつ、第2陰極電流密度を小さくして薄い表層部を形成した場合も、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されていることがわかる。
第1陰極電流密度を、実施例II-8~II-9のように、途中で順に上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合、実施例II-10~II-11のように、途中で上昇させた後に下降させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合、実施例II-12のように、途中で順に下降させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合、実施例II-13のように、途中で下降させた後に上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合も、カーケンダルボイドが生成されておらず、著しく改善されていることがわかる。
また、従来のように陰極電流密度を変更することなく、銅-ニッケル合金メッキ層を形成させた比較例II-3、銅-銀合金メッキ層を形成させた比較例II-4と各々対比すると、複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度である第1陰極電流密度よりも第2陰極電流密度を低くして、銅-ニッケル合金メッキ層の表層部を形成させた実施例II-14~II-15の構造体、銅-銀合金メッキ層の表層部を形成させた実施例II-16の構造体でも、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されていることが確認できた。
さらに、実施例II-15のように、第1陰極電流密度を、途中で順に上昇させた複数の陰極電流密度の平均陰極電流密度とした場合も、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されていることがわかる。
なお、実施例II-1~II-16の構造体は、180℃、300時間という、より厳しい条件にて熱処理を行っているにも係わらず、カーケンダルボイドの生成が充分に抑制されている。
本発明の銅メッキ層又は銅合金メッキ層を備えた構造体は、例えば突起電極として各種電子部品に形成され、高い信頼性を付与することができる。

Claims (6)

  1. 銅メッキ層又は銅合金メッキ層と、
    前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接して、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層と
    を備えた構造体であり、
    前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層は、厚さが0.5μm~15μmである表層部を含み、前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層は、該表層部と隣接しており、
    前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層は、スズ又はスズ-銀合金のメッキ層であり(ただし、スズ及び銀はいずれも、前記銅合金メッキ層において銅と共に合金を生成していない)、
    前記構造体を150℃で200時間又は180℃で300時間熱処理した際に、前記表層部と前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合界面において、
    カーケンダルボイドは存在しないか、又は、
    1μm未満の大きさのカーケンダルボイドは5個未満であり、かつ、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドは存在しない、
    構造体。
  2. 前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層の厚さと前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層の厚さとの合計は、20μm~500μmである、請求項1に記載の構造体。
  3. 突起電極である、請求項1又は2に記載の構造体。
  4. 銅メッキ層又は銅合金メッキ層と、
    前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接して、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層と
    を備えた構造体の製造方法であり、
    電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了することにより、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する工程と、
    次いで、銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴に電気メッキ処理を行って、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接するように前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を形成する工程とを含み、
    前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、単一の陰極電流密度にて行う電気メッキ処理でのその陰極電流密度であり、
    前記所定の第1陰極電流密度を、5A/dm以上に設定し、
    前記第2陰極電流密度に変更することにより、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部を形成して、前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を、該表層部と隣接するように形成し、
    前記表層部の厚さは、0.5μm~15μmであり、
    前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層は、スズ又はスズ-銀合金のメッキ層であり(ただし、スズ及び銀はいずれも、前記銅合金メッキ層において銅と共に合金を生成していない)、
    前記構造体を150℃で200時間熱処理した際に、前記表層部と前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合界面において、
    カーケンダルボイドは存在しないか、又は、
    1μm未満の大きさのカーケンダルボイドは5個未満であり、かつ、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドは存在しない、
    製造方法。
  5. 銅メッキ層又は銅合金メッキ層と、
    前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接して、銅以外の金属又は金属合金のメッキ層と
    を備えた構造体の製造方法であり、
    電気銅メッキ又は銅合金メッキ浴に対して、所定の第1陰極電流密度にて電気メッキ処理を行った後、該第1陰極電流密度よりも低い第2陰極電流密度に変更して該電気メッキ処理を終了することにより、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する工程と、
    次いで、銅以外の金属又は金属合金の電気メッキ浴に電気メッキ処理を行って、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層と隣接するように前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を形成する工程とを含み、
    前記所定の第1陰極電流密度は、前記第2陰極電流密度に変更するまでの、複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理での、下記式(1)より求められる平均陰極電流密度であり、
    平均陰極電流密度
    =陰極電流密度n1×(メッキ時間n1/全メッキ時間)
    +陰極電流密度n2×(メッキ時間n2/全メッキ時間)・・・
    +陰極電流密度n-1×(メッキ時間n-1/全メッキ時間)
    +陰極電流密度×(メッキ時間/全メッキ時間) (1)
    (ここで、複数の陰極電流密度はn個の陰極電流密度であり、
    陰極電流密度n1は1個目の陰極電流密度、
    陰極電流密度n2は2個目の陰極電流密度、・・・
    陰極電流密度n-1はn-1個目の陰極電流密度、
    陰極電流密度はn個目の陰極電流密度で、
    メッキ時間n1は陰極電流密度n1にて行ったメッキ時間、
    メッキ時間n2は陰極電流密度n2にて行ったメッキ時間、・・・
    メッキ時間n-1は陰極電流密度n-1にて行ったメッキ時間、
    メッキ時間は陰極電流密度にて行ったメッキ時間である)
    前記所定の第1陰極電流密度を、5A/dm以上に設定し、
    前記第2陰極電流密度に変更することにより、前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層の表層部を形成して、前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層を、該表層部と隣接するように形成し、
    前記表層部の厚さは、0.5μm~15μmであり、
    前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層は、スズ又はスズ-銀合金のメッキ層であり(ただし、スズ及び銀はいずれも、前記銅合金メッキ層において銅と共に合金を生成していない)、
    前記構造体を180℃で300時間熱処理した際に、前記表層部と前記銅以外の金属又は金属合金のメッキ層との接合界面において、
    カーケンダルボイドは存在しないか、又は、
    1μm未満の大きさのカーケンダルボイドは5個未満であり、かつ、1μm以上の大きさのカーケンダルボイドは存在しない、
    製造方法。
  6. 前記複数の陰極電流密度を組み合わせて行う電気メッキ処理は、該電気メッキ処理の開始時から前記銅メッキ層又は銅合金メッキ層を形成する最終段階までの間に、該陰極電流密度を順に上昇させて行う電気メッキ処理又は該陰極電流密度を上昇させた後に下降させて行うことを含む電気メッキ処理である、請求項5に記載の製造方法。
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