以下、実施形態の距離画像撮像装置を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図1に示した構成の距離画像撮像装置1は、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。図1には、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象物である被写体OBも併せて示している。
光源部2は、距離画像処理部4からの制御に従って、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体OBが存在する測定対象の空間に光パルスPOを照射する。光源部2は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光型の半導体レーザーモジュールである。光源部2は、光源装置21と、拡散板22とを備える。
光源装置21は、被写体OBに照射する光パルスPOとなる近赤外の波長帯域(例えば、波長が850nm~940nmの波長帯域)のレーザー光を発光する光源である。光源装置21は、例えば、半導体レーザー発光素子である。光源装置21は、タイミング制御部41からの制御に応じて、パルス状のレーザー光を発光する。
拡散板22は、光源装置21が発光した近赤外の波長帯域のレーザー光を、被写体OBに照射する面の広さに拡散する光学部品である。拡散板22が拡散したパルス状のレーザー光が、光パルスPOとして出射され、被写体OBに照射される。
受光部3は、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体OBによって反射された光パルスPOの反射光RLを受光し、受光した反射光RLに応じた画素信号を出力する。受光部3は、レンズ31と、距離画像センサ32とを備える。
レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32に導く光学レンズである。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32側に出射して、距離画像センサ32の受光領域に備えた画素に受光(入射)させる。
距離画像センサ32は、距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子である。距離画像センサ32は、二次元の受光領域に複数の画素を備える。距離画像センサ32のそれぞれの画素の中に、1つの光電変換素子と、この1つの光電変換素子に対応する複数の電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に電荷を振り分ける構成要素とが設けられる。つまり、画素は、複数の電荷蓄積部に電荷を振り分けて蓄積させる振り分け構成の撮像素子である。
距離画像センサ32は、タイミング制御部41からの制御に応じて、光電変換素子が発生した電荷をそれぞれの電荷蓄積部に振り分ける。また、距離画像センサ32は、電荷蓄積部に振り分けられた電荷量に応じた画素信号を出力する。距離画像センサ32には、複数の画素が二次元の行列状に配置されており、それぞれの画素の対応する1フレーム分の画素信号を出力する。
距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1を制御し、被写体OBまでの距離を演算する。距離画像処理部4は、タイミング制御部41と、距離演算部42と、測定制御部43とを備える。
タイミング制御部41は、測定制御部43の制御に応じて、測定に要する様々な制御信号を出力するタイミングを制御する。ここでの様々な制御信号とは、例えば、光パルスPOの照射を制御する信号、反射光RLを複数の電荷蓄積部に振り分ける信号、1フレームあたりの振り分け回数を制御する信号などである。振り分け回数とは、電荷蓄積部CS(図3参照)に電荷を振り分ける処理を繰返す回数である。この電振り分け回数と、電荷を振り分ける処理1回あたりに各電荷蓄積部に電荷を蓄積させる時間(後述する蓄積時間Ta)の積が露光時間となる。
距離演算部42は、距離画像センサ32から出力された画素信号に基づいて、被写体OBまでの距離を演算した距離情報を出力する。距離演算部42は、複数の電荷蓄積部に蓄積された電荷量に基づいて、光パルスPOを照射してから反射光RLを受光するまでの遅延時間Td(図4A参照)を算出する。距離演算部42は、算出した遅延時間Tdに応じて被写体OBまでの距離を演算する。
距離演算部42は、各画素における複数の電荷蓄積部に蓄積された電荷量に基づいて、各画素における被写体OBまでの距離区分(例えば、近距離、遠距離などの区分)に分類する。そして、距離演算部42は、分類結果に応じて、複数の電荷蓄積部から遅延時間Tdを算出する電荷蓄積部を選択する。距離演算部42は、選択した電荷蓄積部に応じた演算式を用いて被写体OBまでの距離を算出する。距離演算部42が、画素毎に距離区分を分類する方法、電荷蓄積部を選択する方法、及び距離を算出する方法については後で詳しく説明する。
測定制御部43は、タイミング制御部41を制御する。例えば、測定制御部43は、1フレームの振り分け回数及び蓄積時間Taを設定し、設定した内容で撮像が行われるようにタイミング制御部41を制御する。
本実施形態では、測定制御部43は、同一の画素に設けられた複数の電荷蓄積部について、それぞれの露光時間が互いに異なる時間となるように設定する。すなわち、測定制御部43は、同一画素に設けられた複数の電荷蓄積部のそれぞれの振り分け回数と蓄積時間Taとの積が異なる値とする。測定制御部43は、例えば、複数の電荷蓄積部に同一の蓄積時間Taを適用する一方で、互いに異なる振り分け回数を適用することによって、それぞれの露光時間を互いに異なる時間に設定する。
以下では、測定制御部43が、1フレーム内に複数の測定ステップを設け、それぞれの測定ステップにおいて、各電荷蓄積部の振り分け回数が異なる回数となるように設定する場合を例に説明する。測定ステップの詳細については、後で詳しく説明する。
しかしながらこの構成に限定されることはない。測定制御部43は、少なくとも、同一の画素に設けられた複数の電荷蓄積部について、それぞれの露光時間が互いに異なる時間となるようにタイミング制御部41を制御すればよい。例えば、測定制御部43は、各電荷蓄積部について、振り分け回数を同一とするが蓄積時間Taを異なる時間とすることによって、各電荷蓄積部の露光時間を異なる時間とするようにしてもよい。また、測定制御部43は、1フレーム内に複数の測定ステップを設けることなく、各電荷蓄積部の振り分け回数、又は/及び蓄積時間Taを異なる値とすることにより各電荷蓄積部の露光時間を異なる時間とするようにしてもよい。
このような構成によって、距離画像撮像装置1では、光源部2が被写体OBに照射した近赤外の波長帯域の光パルスPOが被写体OBによって反射された反射光RLを受光部3が受光し、距離画像処理部4が、被写体OBとの距離を測定した距離情報を出力する。
なお、図1においては、距離画像処理部4を内部に備えた構成の距離画像撮像装置1を示しているが、距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1の外部に備える構成要素であってもよい。
次に、距離画像撮像装置1において撮像素子として用いられる距離画像センサ32の構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の概略構成を示したブロック図である。
図2に示すように、距離画像センサ32は、例えば、複数の画素321が配置された受光領域320と、制御回路322と、振り分け動作を有した垂直走査回路323と、水平走査回路324と、画素信号処理回路325とを備える。
受光領域320は、複数の画素321が配置された領域であって、図2では、8行8列に二次元の行列状に配置された例を示している。画素321は、受光した光量に相当する電荷を蓄積する。制御回路322は、距離画像センサ32を統括的に制御する。制御回路322は、例えば、距離画像処理部4のタイミング制御部41からの指示に応じて、距離画像センサ32の構成要素の動作を制御する。なお、距離画像センサ32に備えた構成要素の制御は、タイミング制御部41が直接行う構成であってもよく、この場合、制御回路322を省略することも可能である。
垂直走査回路323は、制御回路322からの制御に応じて、受光領域320に配置された画素321を行ごとに制御する回路である。垂直走査回路323は、画素321の電荷蓄積部CSそれぞれに蓄積された電荷量に応じた電圧信号を画素信号処理回路325に出力させる。この場合、垂直走査回路323は、光電変換素子により変換された電荷を画素321の電荷蓄積部それぞれに振り分ける。つまり、垂直走査回路323は、「画素駆動回路」の一例である。
画素信号処理回路325は、制御回路322からの制御に応じて、それぞれの列の画素321から対応する垂直信号線に出力された電圧信号に対して、予め定めた信号処理(例えば、ノイズ抑圧処理やA/D変換処理など)を行う回路である。
水平走査回路324は、制御回路322からの制御に応じて、画素信号処理回路325から出力される信号を、水平信号線に順次出力させる回路である。これにより、1フレーム分蓄積された電荷量に相当する画素信号が、水平信号線を経由して距離画像処理部4に順次出力される。
以下では、画素信号処理回路325がA/D変換処理を行い、画素信号がデジタル信号であるものとして説明する。
ここで、距離画像センサ32に備える受光領域320内に配置された画素321の構成について説明する。図3は、第1の実施形態の距離画像センサ32の受光領域320内に配置された画素321の構成の一例を示した回路図である。図3には、受光領域320内に配置された複数の画素321のうち、1つの画素321の構成の一例を示している。画素321は、3つの画素信号読み出し部を備えた構成の一例である。
画素321は、1つの光電変換素子PDと、ドレインゲートトランジスタGDと、対応する出力端子Oから電圧信号を出力する3つの画素信号読み出し部RUとを備える。画素信号読み出し部RUのそれぞれは、読み出しゲートトランジスタGと、フローティングディフュージョンFDと、電荷蓄積容量Cと、リセットゲートトランジスタRTと、ソースフォロアゲートトランジスタSFと、選択ゲートトランジスタSLとを備える。それぞれの画素信号読み出し部RUでは、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって電荷蓄積部CSが構成されている。
なお、図3においては、3つの画素信号読み出し部RUの符号「RU」の後に、「1」、「2」または「3」の数字を付与することによって、それぞれの画素信号読み出し部RUを区別する。また、同様に、3つの画素信号読み出し部RUに備えたそれぞれの構成要素も、それぞれの画素信号読み出し部RUを表す数字を符号の後に示すことによって、それぞれの構成要素が対応する画素信号読み出し部RUを区別して表す。
図3に示した画素321において、出力端子O1から電圧信号を出力する画素信号読み出し部RU1は、読み出しゲートトランジスタG1と、フローティングディフュージョンFD1と、電荷蓄積容量C1と、リセットゲートトランジスタRT1と、ソースフォロアゲートトランジスタSF1と、選択ゲートトランジスタSL1とを備える。画素信号読み出し部RU1では、フローティングディフュージョンFD1と電荷蓄積容量C1とによって電荷蓄積部CS1が構成されている。画素信号読み出し部RU2および画素信号読み出し部RU3も同様の構成である。電荷蓄積部CS1は「第1電荷蓄積部」の一例である。電荷蓄積部CS2は「第2電荷蓄積部」の一例である。電荷蓄積部CS3は「第3電荷蓄積部」の一例である。
光電変換素子PDは、入射した光を光電変換して電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する埋め込み型のフォトダイオードである。光電変換素子PDの構造は任意であってよい。光電変換素子PDは、例えば、P型半導体とN型半導体とを接合した構造のPNフォトダイオードであってもよいし、P型半導体とN型半導体との間にI型半導体を挟んだ構造のPINフォトダイオードであってもよい。また、光電変換素子PDは、フォトダイオードに限定されるものではなく、例えば、フォトゲート方式の光電変換素子であってもよい。
画素321では、光電変換素子PDが入射した光を光電変換して発生させた電荷を3つの電荷蓄積部CSのそれぞれに振り分け、振り分けられた電荷の電荷量に応じたそれぞれの電圧信号を、画素信号処理回路325に出力する。
距離画像センサ32に配置される画素の構成は、図3に示したような、3つの画素信号読み出し部RUを備えた構成に限定されるものではなく、複数の画素信号読み出し部RUを備えた構成の画素であればよい。つまり、距離画像センサ32に配置される画素に備える画素信号読み出し部RU(電荷蓄積部CS)の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、図3に示した構成の画素321では、電荷蓄積部CSを、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって構成する一例を示した。しかし、電荷蓄積部CSは、少なくともフローティングディフュージョンFDによって構成されればよく、画素321が電荷蓄積容量Cを備えない構成であってもよい。
また、図3に示した構成の画素321では、ドレインゲートトランジスタGDを備える構成の一例を示したが、光電変換素子PDに蓄積されている(残っている)電荷を破棄する必要がない場合には、ドレインゲートトランジスタGDを備えない構成であってもよい。
次に、距離画像撮像装置1における、従来の画素321の駆動タイミングについて図4A、図4Bを用いて説明する。図4A、図4Bは、従来の画素321を駆動するタイミングを示すタイミングチャートである。図4Aには、近距離からの反射光を受光する画素(近距離受光画素)のタイミングチャートが示されている。図4Bには、遠距離からの反射光を受光する画素(遠距離受光画素)のタイミングチャートが示されている。ここで、近距離は「第1距離」の一例である。遠距離は、「第2距離」の一例である。
図4A、図4Bでは、光パルスPOを照射するタイミングを「L」、反射光が受光されるタイミングを「R」、駆動信号TX1のタイミングを「G1」、駆動信号TX2のタイミングを「G2」、駆動信号TX3のタイミングを「G3」、駆動信号RSTDのタイミングを「GD」、の項目名でそれぞれ示している。なお、駆動信号TX1は、読み出しゲートトランジスタG1を駆動させる信号である。駆動信号TX2、TX3についても同様である。
図4A、図4Bに示すように、光パルスPOが照射時間Toで照射され、遅延時間Td遅れて反射光RLが距離画像センサ32に受光されるとする。垂直走査回路323は、光パルスPOの照射に同期させて、電荷蓄積部CS1、CS2、及びCS3の順に、電荷を蓄積させる。図4A、図4Bでは、1回の振り分け処理において、光パルスPOを照射して電荷蓄積部CSに順に電荷を蓄積させるまでの時間を「単位蓄積時間」と表している。
まず、図4Aを用いて近距離にある物体からの反射光RLを受光する場合について説明する。垂直走査回路323は、光パルスPOを照射させるタイミングに同期させて、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG1をオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオン状態としてから蓄積時間Taが経過した後に、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態にする。これにより、読み出しゲートトランジスタG1がオン状態に制御されている間に光電変換素子PDにより光電変換された電荷は、読み出しゲートトランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Taオン状態にする。これにより、読み出しゲートトランジスタG2がオン状態に制御されている間に光電変換素子PDにより光電変換された電荷は、読み出しゲートトランジスタG2を介して電荷蓄積部CS2に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CS2への電荷の蓄積を終了させたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG3をオン状態にし、蓄積時間Taが経過した後に、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態にする。これにより、読み出しゲートトランジスタG3がオン状態に制御されている間に光電変換素子PDにより光電変換された電荷は、読み出しゲートトランジスタG3を介して電荷蓄積部CS3に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CS3への電荷の蓄積を終了させたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。これにより、光電変換素子PDにより光電変換された電荷はドレインゲートトランジスタGDを介して破棄される。
垂直走査回路323は、上述したような駆動を、1フレームに渡って所定の振り分け回数分繰り返し行う。その後、垂直走査回路323は、それぞれの電荷蓄積部CSに振り分けられた電荷量に応じた電圧信号を出力する。具体的に、垂直走査回路323は、選択ゲートトランジスタSL1を所定時間オン状態にすることにより、画素信号読み出し部RU1を介して電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量に対応する電圧信号を出力端子O1から出力させる。同様に、垂直走査回路323は、順次、選択ゲートトランジスタSL2、SL3をオン状態とすることにより、電荷蓄積部CS2、CS3に蓄積された電荷量に対応する電圧信号を出力端子O2、O3から出力させる。そして、画素信号処理回路325、及び水平走査回路324を介して、電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積された、1フレーム分の電荷量に相当する電気信号が距離演算部42に出力される。
なお、上記では、光源部2が読み出しゲートトランジスタG1がオン状態となったタイミングで、光パルスPOを照射する場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されることはない。光源部2は、少なくとも近距離にある物体からの反射光RLが電荷蓄積部CS1、CS2に跨って受光されるようなタイミングで照射されればよい。例えば、光源部2は、読み出しゲートトランジスタG1がオン状態となる手前のタイミングで照射されるようにしてもよい。また、上記では、光パルスPOを照射する照射時間Toが蓄積時間Taと同じ長さである場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されることはない。照射時間Toと蓄積時間Taとが異なる時間間隔であってもよい。
図4Aに示すような近距離受光画素においては、光パルスPOを照射するタイミングと、電荷蓄積部CSのそれぞれに電荷を蓄積させるタイミングとの関係から、電荷蓄積部CS1及びCS2に、反射光RL及び外光成分に相当する電荷量が振り分けられて保持される。また、電荷蓄積部CS3には背景光などの外光成分に相当する電荷量が保持される。電荷蓄積部CS1及びCS2に振り分けられる電荷量の配分(振り分け比率)は、光パルスPOが被写体OBに反射して距離画像撮像装置1に入射されるまでの遅延時間Tdに応じた比率となる。
距離演算部42は、この原理を利用して、従来の近距離受光画素においては、以下の(1)式により、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q2-Q3)/(Q1+Q2-2×Q3) …(1)
ここで、Toは光パルスPOが照射された期間、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。なお、(1)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、近距離受光画素においては、(1)式で求めた遅延時間Tdに、光速(速度)を乗算させることにより、被写体OBまでの往復の距離を算出する。そして、距離演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体OBまでの距離を求める。
次に、図4Bを用いて遠距離にある物体からの反射光RLを受光する場合について説明する。垂直走査回路323が、光パルスPOを照射させるタイミング、読み出しゲートトランジスタG1~G3、及びドレインゲートトランジスタGDをオン状態とするタイミング等は、図4Aと同様であるため、その説明を省略する。
図4Bに示すような遠距離受光画素においては、図4Aの近距離受光画素と比較して遅延時間Tdが大きい。このため、電荷蓄積部CS1に外光成分に相当する電荷量が保持され、電荷蓄積部CS2及びCS3に反射光RL及び外光成分に相当する電荷量が振り分けられて保持される。電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられる電荷量の配分(振り分け比率)は遅延時間Tdに応じた比率となる。
距離演算部42は、従来の遠距離受光画素においては、以下の(2)式により、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q3-Q1)/(Q2+Q3-2×Q1) …(2)
ここで、Toは光パルスPOが照射された期間、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。なお、(2)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、遠距離受光画素においては、(2)式で求めた遅延時間Tdに、光速(速度)を乗算させることにより、被写体OBまでの往復の距離を算出する。そして、距離演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体OBまでの距離を求める。
ここで、図4Bに示すような遠距離受光画素の場合、図4Aのような近距離受光画素の場合と比較して、反射光RLの光量が低下する。反射光RLの光量が低下すると、測定する距離の精度が劣化する要因となる。このため、遠距離にある物体までの距離を測定する場合には、振り分け回数を増やす等して、露光時間を増加させ、測定の精度を向上させることが考えられる。
しかし、一般的に、距離画像撮像装置1では、全ての画素において同一のタイミングで蓄積の動作が行われる。このため、特定の画素(ここでは、遠距離受光画素)だけを別のタイミングで駆動させて露光時間を増加させることは困難である。すなわち、近距離受光画素と、遠距離受光画素とは同じ露光時間に設定される。
したがって、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体が混在している場合、近距離受光画素における電荷蓄積部CS1を飽和させない振り分け回数で電荷を蓄積させた場合には遠距離にある物体までの距離の精度が劣化する。一方、遠距離にある物体までの距離の精度が向上するように遠距離受光画素における電荷蓄積部CS2、CS3の露光時間を増加させた場合には、近距離受光画素における電荷蓄積部CS1が飽和してしまい近距離にある物体までの距離を正しく演算することができなくなる。つまり、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が受光する反射光RLの強度によって、全ての画素における露光時間の上限が決まってしまう。このため、近距離にある物体と遠距離にある物体が混在している場合に、遠距離にある物体を精度よく測定することが困難となる。
この対策として、本実施形態では、同一の画素に設けられた複数(本実施形態では三つ)の電荷蓄積部CSの各々が異なる露光時間となるように、電荷蓄積部CSの各々の振り分け回数を制御する。距離演算部42が、電荷蓄積部CSの各々の振り分け回数を制御する方法について、以下に詳しく説明する。
(測定モードM1)
まず、測定モードM1について、図5A、図5Bを用いて説明する。図5A、図5Bは、第1の実施形態における画素321を駆動するタイミングの第1例を示すタイミングチャートである。図5Aには、近距離からの反射光を受光する画素(近距離受光画素)のタイミングチャートが示されている。図5Bには、遠距離からの反射光を受光する画素(遠距離受光画素)のタイミングチャートが示されている。図5A、図5Bにおける「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。
図5A、図5Bに示すように、本実施形態の測定モードM1では、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる。1stSTEPでは、従来の駆動方法が適用される電荷の蓄積が行われる。従来の駆動タイミングとは、例えば、図4A、図4Bのタイミングチャートに示されるような、光パルスPOの照射タイミングに同期させて、読み出しゲートトランジスタG1~G3に、順次、電荷を蓄積させる方法である。
そして、2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS1には電荷が蓄積されず、電荷蓄積部CS2及びCS3に電荷が蓄積されるように制御される。具体的に、図5Aに示すように、垂直走査回路323は、2ndSTEPでは読み出しゲートトランジスタG1をオン状態に制御しない。一方、垂直走査回路323は、1stSTEPと同様のタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2、G3をオン状態とする。
すなわち、垂直走査回路323は、光パルスPOの照射から蓄積時間Ta遅れたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Taオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Taオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。2ndSTEPでは、ドレインゲートトランジスタGDがオフ状態となるのは、電荷蓄積部CS2及びCS3に電荷を蓄積させる時間(2×Ta)となる。
このような構成とすることにより、図5Aに示すような近距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS1、CS2に電荷を振り分けて蓄積させ、図5Bに示すような遠距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS2、CS3に電荷を振り分けて蓄積させることができる。しかも、本実施形態では、同一の画素に設けられた電荷蓄積部CS1と、CS2及びCS3とで露光時間を異なる時間とすることができる。これにより、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲で電荷を蓄積させると共に、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2及びCS3により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体が混在している場合であっても、遠距離にある物体を精度よく測定することが可能となる。
なお、本実施形態の測定モードM1における1stSTEP、及び2ndSTEPの振り分け回数は、状況に応じて任意に設定されてよい。例えば、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲を上限に設定される。また、2ndSTEPの振り分け回数は、画素321(近距離受光画素、及び遠距離受光画素を含む)の電荷蓄積部CS2、CS3が飽和しない範囲で、且つ、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2、CS3に蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定される。
ここで、本実施形態において図5Aのタイミングチャートにしたがって画素321を駆動させた場合、距離演算部42は、近距離にある物体までの距離を演算する過程において(1)式を適用することができない。電荷蓄積部CS1とCS2とでは、1フレームにおいて反射光RLを受光した時間(露光時間)が異なり、電荷蓄積部CS1とCS3とでは1フレームにおいて外光を受光した時間(露光時間)が異なるためである。そこで、距離演算部42は、電荷蓄積部CS1とCS2の露光時間、及び電荷蓄積部CS1とCS3の露光時間が同等の露光時間となるように補正する。
例えば、距離演算部42は、測定モードM1の近距離受光画素においては、以下の(3)式、及び(4)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1#=Q1×{(x+y)/x} …(3)
Td=To×(Q2-Q3)/(Q1#+Q2-2×Q2) …(4)
ここで、(3)式におけるQ1#は電荷蓄積部CS1に蓄積された(補正後の)電荷量である。xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3の露光時間である。Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量である。また、(4)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は電荷蓄積部CS1に蓄積された(補正後の)電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。また、(4)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する成分が電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、本実施形態の近距離受光画素においては、(4)式で求めた遅延時間Tdに、光速(速度)を乗算させることにより、被写体OBまでの往復の距離を算出する。そして、距離演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体OBまでの距離を求める。
同様な考え方を適用し、距離演算部42は、遠距離受光画素においては、以下の(5)式、及び(6)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1#=Q1×{(x+y)/x} …(5)
Td=To×(Q3-Q1#)/(Q2+Q3-2×Q1#) …(6)
ここで、(5)式におけるxは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3の露光時間である。Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量である。また、(6)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は補正後の電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。また、(6)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、本実施形態の遠距離受光画素においては、(6)式で求めた遅延時間Tdに、光速(速度)を乗算させることにより、被写体OBまでの往復の距離を算出する。そして、距離演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体OBまでの距離を求める。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。上述したように、反射光RLの強度は、距離画像撮像装置から対象物までの距離、照射光パルス自体の強度、及び対象物の反射率によって変化する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。具体的には、近距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合と、そうでない場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が異なる時間となるように制御する。
図5A、図5Bでは、図5Aのように近距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、図5Bのように遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図5Aの場合と、図5Bの場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図5Aの場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、図5Bの場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には電荷蓄積部CSに多くの電荷が蓄積されるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS1を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS2、CS3)に多くの電荷を蓄積させることが可能となる。ここで、図5Aにおける電荷蓄積部CS1及びCS2は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図5A、図5Bでは、1フレーム期間に、全ての電荷蓄積部CS1~CS3に電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS1には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS2及びCS3に電荷を蓄積させる2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS3のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2及びCS3のそれぞれの露光時間である。
距離演算部42は、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体とが混在している場合、画素に応じて上記の(4)式、又は(6)式を適用することにより、遠距離にある物体の距離精度を向上させることができる。しかし、距離演算部42は、画素321に上記の(4)式、又は(6)式の何れの式を適用させればよいかが、予め判らない。そこで、距離演算部42は、距離を演算する過程において、補正後の電荷量Q1(つまり、電荷量Q1#)と、電荷量Q3とを比較することにより、画素321に(4)式、又は(6)式の何れの式を適用するか判定する。
上述したように、画素321が近距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS1及びCS2に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS3に受光される。この場合、電荷量Q1#は電荷量Q3よりも大きい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q1#>電荷量Q3である場合に、画素321が近距離受光画素であると判定し、距離の演算に(4)式を適用すると判定する。
一方、画素321が遠距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1に受光される。この場合、電荷量Q1#は電荷量Q3よりも小さい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q1#≦電荷量Q3である場合に、画素321が遠距離受光画素であると判定し、距離の演算に(6)式を適用すると判定する。
ここで、第1の実施形態の測定モードM1における距離画像撮像装置1が行う処理の流れを、図6を用いて説明する。
工程S10:
距離画像撮像装置1は、まず、測定制御部43によって、予め1stSTEPの露光時間x、及び2ndSTEPの露光時間yを設定する。
工程S11:
距離画像撮像装置1は、動作を開始する。距離画像撮像装置1は、例えば、操作者により撮像ボタンが押下されるなどの操作をトリガとして距離測定のための動作を開始する。
工程S12:
距離画像撮像装置1は、予め設定した露光時間x、yで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる。例えば、距離画像撮像装置1は、1stSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS1~CS3に露光時間xに対応する電荷を蓄積させる。また、距離画像撮像装置1は、2ndSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS2、CS3に、さらに露光時間yに対応する電荷を蓄積させる。
工程S13:
距離画像撮像装置1は、距離画像撮像装置1に設けられた複数の画素321の各々に1フレーム分の蓄積を行った後、距離を演算する画素321を選択する。
工程S14:
距離画像撮像装置1は、選択した画素321における補正後の電荷量Q1#が、電荷量Q3より大きいか否かを判定する。距離画像撮像装置1は、(3)式に基づいて補正後の電荷量Q1#を算出し、算出した電荷量Q1#と電荷量Q3とを比較することにより、電荷量Q1#が電荷量Q3より大きいか否かを判定する。
工程S15:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q1#が電荷量Q3より大きい場合、測定モードM1における近距離受光画素に対応する演算式(上述した(4)式)を適用して測定距離を演算する。
工程S16:
距離画像撮像装置1は、次の画素321に移行し、工程S13に戻る。距離画像撮像装置1は、例えば、算出した距離を画素321の位置座標に対応づけて保持し、未だ距離を演算していない画素321の距離を算出する処理に移行する。
工程S17:
一方、距離画像撮像装置1は、工程S14において電荷量Q1#が電荷量Q3以下である場合、測定モードM1における遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(6)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、演算後に工程S16に進み次の画素321に移行する。
(測定モードM2)
次に、測定モードM2について、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態における画素321を駆動するタイミングの第2例を示すタイミングチャートである。図7には、遠距離からの反射光を受光する画素(遠距離受光画素)のタイミングチャートが示されている。図7における「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。
図7に示すように、本実施形態では、1フレームに三つの測定ステップ(1stSTEP、2ndSTEP、及び3rdSTEP)を備える。測定制御部43は、1stSTEPでは従来のタイミングを適用した電荷の蓄積を行う。測定制御部43は、2ndSTEPでは測定モードM1の2ndSTEPと同様のタイミングを適用した電荷の蓄積を行う。
そして、測定制御部43は、3rdSTEPでは、電荷蓄積部CS1及びCS2に電荷を蓄積させず、電荷蓄積部CS3にのみ電荷が蓄積されるように制御する。具体的に、図5Cに示すように、垂直走査回路323は、3rdSTEPでは読み出しゲートトランジスタG1及びG2をオン状態に制御しない。一方、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3を、1stSTEPと同様のタイミングでオン状態とする。
すなわち、垂直走査回路323は、光パルスPOの照射から(蓄積時間Ta)×3遅れたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG3をオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオン状態としてから蓄積時間Taが経過した後に、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態にする。これにより、読み出しゲートトランジスタG3がオン状態に制御されている間に光電変換素子PDにより光電変換された電荷は、読み出しゲートトランジスタG3を介して電荷蓄積部CS3に蓄積される。
また、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CS3への電荷の蓄積を終了させたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。これにより、光電変換素子PDにより光電変換された電荷はドレインゲートトランジスタGDを介して破棄される。すなわち、3rdSTEPでは、ドレインゲートトランジスタGDがオフ状態となるのは、電荷蓄積部CS3に電荷を蓄積させる時間(1×Ta)となる。
このような構成とすることにより、本実施形態では、同一の画素に設けられた電荷蓄積部CS1~CS3の各々の露光時間を異なる時間とすることができる。これにより、電荷蓄積部CS1~CS3の各々を飽和しない範囲で、より多くの電荷を蓄積させることが可能となる。
例えば、測定範囲において、近距離、中距離、及び遠距離にある物体が混在している場合を考える。中距離にある物体とは、電荷蓄積部CS1及びCS2に反射光RLが振り分けて蓄積され、その際に電荷蓄積部CS2により大きい比率で電荷が蓄積されるような距離にある物体である。このような場合、2ndSTEPで振り分け回数を増やすと、中距離受光画素(中距離にある物体からの反射光RLを受光する画素321)の電荷蓄積部CS2を飽和させてしまう可能性がある。このような場合に、2ndSTEPにおける振り分け回数を中距離受光画素の電荷蓄積部CS2を飽和させない範囲とし、3rdSTEPにおいて、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS3により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。
測定モードM2が適用された場合、距離演算部42は、以下の(7)式~(10)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1##=Q1×{(x+y+z)/x } …(7)
Q2# =Q2×{(x+y+z)/(x+y)} …(8)
Td=To×(Q2#-Q3 )/(Q1##+Q2-2×Q3 ) …(9)
Td=To×(Q3-Q1##)/(Q2# +Q3-2×Q1##) …(10)
ここで、(7)式におけるQ1##は電荷蓄積部CS1に蓄積された(補正後の)電荷量である。xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3の露光時間である。zは3rdSTEPにおける電荷蓄積部CS3の露光時間である。Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量である。また、(8)式におけるQ2#は電荷蓄積部CS2に蓄積された(補正後の)電荷量である。Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量である。また、(9)式のTdは、近距離受光画素における遅延時間である。また、(10)式のTdは、遠距離受光画素における遅延時間である。(9)式、及び(10)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1##は電荷蓄積部CS1に蓄積された(補正後の)電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。また、(9)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。(10)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図7のように中距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図7の場合と、遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図7の場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS2を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS3)に多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図7における電荷蓄積部CS2及びCS3は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図7では、1フレーム期間に、全ての電荷蓄積部CS1~CS3に電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS1には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS2及びCS3に電荷を蓄積させる2ndSTEPと、電荷蓄積部CS1及びCS2には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS3のみに電荷を蓄積させる3rdSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とし、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間を(x+y+z)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS3のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2及びCS3のそれぞれの露光時間である。zは3rdSTEPにおける電荷蓄積部CS3の露光時間である。
ここで、第1の実施形態の測定モードM2における距離画像撮像装置1における処理の流れを、図8を用いて説明する。図8に示すフローチャートにおける工程S21、S23、及びS26は、図6の工程S11、S13、及びS16と同様であるため、その説明を省略する。
工程S20:
距離画像撮像装置1は、まず、測定制御部43によって、予め1stSTEPの露光時間xと、2ndSTEPの露光時間yと、3rdSTEPの露光時間zとを設定する。
工程S22:
距離画像撮像装置1は、予め設定した露光時間x、y、zで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる。例えば、距離画像撮像装置1は、1stSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS1~CS3に露光時間xに対応する電荷を蓄積させる。また、距離画像撮像装置1は、2ndSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS2、CS3に、さらに露光時間yに対応する電荷を蓄積させる。また、距離画像撮像装置1は、3rdSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS3に、さらに露光時間zに対応する電荷を蓄積させる。
工程S24:
距離画像撮像装置1は、選択した画素321における補正後の電荷量Q1##が、電荷量Q3より大きいか否かを判定する。距離画像撮像装置1は、(7)式に基づいて補正後の電荷量Q1##を算出し、算出した電荷量Q1##と電荷量Q3とを比較することにより、電荷量Q1##が電荷量Q3より大きいか否かを判定する。
工程S25:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q1##が電荷量Q3より大きい場合、測定モードM2における近距離受光画素に対応する演算式(上述した(9)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、(8)式に基づいて補正後の電荷量Q2#を算出し、算出した電荷量Q2#と、先に算出した電荷量Q1##、及び電荷量Q3を(9)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(近距離受光画素)における測定距離を算出する。
工程S27:
一方、距離画像撮像装置1は、工程S24において電荷量Q1##が電荷量Q3以下である場合、測定モードM2における遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(10)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、(8)式に基づいて補正後の電荷量Q2#を算出し、算出した電荷量Q2#と、先に算出した電荷量Q1##、及び電荷量Q3を(10)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(遠距離受光画素)における測定距離を算出する。
上記では、近距離、及び遠距離に物体がある場合を例示して説明した。この距離の範囲は、例えば、光パルスPOの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの振り分け時間Taで表される時間幅により決定される。光の速さは既知であり、1秒間に約30万Km進むことが知られている。その為、往復の行路で考えると、光は1nsあたり15cm進む。距離の範囲は、例えば、光パルスPOの照射時間Toが10nsである場合、近距離が取りうる範囲は概ね0~150cm、遠距離は概ね150cm~300cmとなる範囲である。
測定が可能となる距離の範囲をさらに広げるために、光パルスの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの蓄積時間Taを長くする(時間幅を大きくする)ことが考えられる。しかし、光パルスPOを長く照射すると、距離の分解能が低下する。このため、測定範囲と分解能とのトレードオフを考慮して、所望の設定(照射時間To、及び蓄積時間Ta)を選択する必要がある。
また、分解能を維持したまま測定可能な距離を広げる方法として、電荷蓄積部CSの数を増やす方法が考えられる。電荷蓄積部CSの数を増やすことにより、被写体OBまでの距離が大きくなり遅延時間Tdが増加した場合であっても、被写体OBからの反射光RLを電荷蓄積部CSで振り分けて受光することが可能となる。以下では、第2の実施形態として、電荷蓄積部CSの数を四つに増やした場合について説明する。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、距離画像撮像装置1の画素321が四つの電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS4)を備え、外光成分のみが蓄積される電荷蓄積部CSが予め決定されている(固定する)点において、上述した実施形態と相違する。第2の実施形態では、読み出しゲートトランジスタG1~G4の駆動タイミングが上述した実施形態と異なる。電荷蓄積部CS4は「第4電荷蓄積部」の一例である。
(測定モードM3)
まず、本実施形態の測定モードM3について、図9A、図9Bを用いて説明する。図9A、図9Bは、第2の実施形態における画素321を駆動するタイミングの第1例を示すタイミングチャートである。図9Aには、近距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図9Bには、遠距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図9A、図9Bにおける「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。
測定モードM3では、電荷蓄積部CS1に外光成分のみが蓄積されるようにする。以下、測定モードM3では、電荷蓄積部CS1が蓄積時間Taの間オン状態に制御された後に、オフ状態となるタイミングで光パルスPOが照射される場合を例に説明する。これによって、電荷蓄積部CS1に外光成分のみを蓄積させることができる。
また、図9A、図9Bに示すように、本実施形態の測定モードM3では、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる。
測定モードM3における1stSTEPでは、従来の駆動方法が適用される電荷の蓄積が行われる。従来の駆動タイミングとは、例えば、図9A、図9Bに示すように、光パルスPOの照射タイミングに同期させて、読み出しゲートトランジスタG1~G4に、順次、電荷を蓄積させる方法である。
具体的に、図9Aに示すように、垂直走査回路323は、1ndSTEPでは、まず、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG1を蓄積時間Taオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオン状態とする間、光パルスPOを照射させない。これにより、読み出しゲートトランジスタG1がオン状態に制御されている間に、外光成分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで、光パルスPOを照射時間To照射させると共に、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG2がオン状態に制御されている間に、外光成分及び反射光RLの一部に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG2を介して電荷蓄積部CS2に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG3がオン状態に制御されている間に、外光成分及び反射光RLの残りの部分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG3を介して電荷蓄積部CS3に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG4を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG4がオン状態に制御されている間に、外光成分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG4を介して電荷蓄積部CS4に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG4をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。これにより、光電変換素子PDにより光電変換された電荷はドレインゲートトランジスタGDを介して破棄される。
垂直走査回路323は、上述したような駆動を、1stSTEPに渡って所定の振り分け回数分繰り返し行う。この場合において、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素における電荷蓄積部CS2を飽和させない範囲に設定される。
測定モードM3における2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS2に電荷が蓄積されず、電荷蓄積部CS1、CS3及びCS4に電荷が蓄積されるように制御される。具体的に、図9Aに示すように、垂直走査回路323は、2ndSTEPでは読み出しゲートトランジスタG2をオン状態に制御しない。一方、垂直走査回路323は、1stSTEPと同様のタイミングで、読み出しゲートトランジスタG1、G3及びG4をオン状態とする。
すなわち、垂直走査回路323は、まず、読み出しゲートトランジスタG1を蓄積時間Taオン状態とする。読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで光パルスPOを照射時間To照射する。光パルスPOの照射を止めたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Taオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG4を蓄積時間Taオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG4をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。測定モードM3における2ndSTEPでは、ドレインゲートトランジスタGDがオフ状態となるのは、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させる時間(蓄積時間Ta)と、電荷蓄積部CS3及びCS4に電荷を蓄積させる時間(2×Ta)となる。
垂直走査回路323は、上述したような駆動を、2ndSTEPに渡って所定の振り分け回数分繰り返し行う。その後、垂直走査回路323は、それぞれの電荷蓄積部CSに振り分けられた電荷量に応じた電圧信号を出力する。垂直走査回路323は、電荷量に応じた電圧信号を出力する方法は、図4Aと同様であるため、その説明を省略する。
このような構成とすることにより、図9Aに示すような近距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS2、CS3に電荷を振り分けて蓄積させ、図9Bに示すような遠距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS3、CS4に電荷を振り分けて蓄積させることができる。しかも、本実施形態では、同一の画素に設けられた電荷蓄積部CS2と、CS1、CS3及びCS4とで露光時間を異なる時間とすることができる。これにより、近距離受光画素の電荷蓄積部CS2が飽和しない範囲で電荷を蓄積させると共に、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS3及びCS4により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体が混在している場合であっても、遠距離にある物体を精度よく測定することが可能となる。
なお、本実施形態の測定モードM3における1stSTEP、及び2ndSTEPの振り分け回数は、状況に応じて任意に設定されてよい。例えば、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素の電荷蓄積部CS2が飽和しない範囲を上限に設定される。また、2ndSTEPの振り分け回数は、画素321(近距離受光画素、及び遠距離受光画素を含む)の電荷蓄積部CS3、CS4が飽和しない範囲で、且つ、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS3、CS4に蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定される。
ここで、本実施形態において図9Aのタイミングチャートにしたがって画素321を駆動させる場合、距離演算部42は、電荷蓄積部CS2と、他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1、CS3及びCS4)の露光時間が同等の露光時間となるように補正する。
例えば、距離演算部42は、測定モードM3の近距離受光画素においては、以下の(11)式、及び(12)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q2#=Q2×{(x+y)/x} …(11)
Td=To×(Q3-Q1)/(Q2#+Q3-2×Q1) …(12)
ここで、(11)式におけるxは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2の露光時間である。yは2ndSTEPにおける他の電荷蓄積部CSの露光時間である。Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量である。また、(12)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q2#は補正後の電荷量、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。また、(12)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
また、例えば、距離演算部42は、測定モードM3の遠距離受光画素においては、以下の(13)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q4-Q1)/(Q3+Q4-2×Q1) …(13)
ここで、(13)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量、を示す。また、(13)式では、電荷蓄積部CS3及びCS4に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体とが混在している場合、画素に応じて上記の(12)式、又は(13)式を適用することにより、遠距離にある物体の距離精度を向上させることができる。距離演算部42は、距離を演算する過程において、補正後の電荷量Q2(つまり、電荷量Q2#)と、電荷量Q4とを比較することにより、画素321に(12)式、又は(13)式の何れの式を適用するか判定する。
上述したように、画素321が近距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1、CS4に受光される。この場合、電荷量Q2#は電荷量Q4よりも大きい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q2#>電荷量Q4である場合に、画素321が近距離受光画素であると判定し、距離の演算に(12)式を適用すると判定する。
一方、画素321が遠距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS3及びCS4に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1、CS2に受光される。この場合、電荷量Q2#は電荷量Q4よりも小さい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q2#≦電荷量Q4である場合に、画素321が遠距離受光画素であると判定し、距離の演算に(13)式を適用すると判定する。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図9A、図9Bにおいて、図9Aのように近距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、図9Bのような遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図9Aの場合と、図9Bの場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図9Aの場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、図9Bの場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS2を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS3、CS4)に多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図9Aにおける電荷蓄積部CS2及びCS3は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図9A、図9Bでは、1フレーム期間に、全ての電荷蓄積部CS1~CS4に電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS2には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS1、CS3及びCS4に電荷を蓄積させる2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS3の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS3及びCS4のそれぞれの露光時間である。
ここで、第2の実施形態の測定モードM3における距離画像撮像装置1が行う処理の流れを、図10を用いて説明する。図10に示すフローチャートにおける工程S30、S31、S33、及びS36は、図6の工程S10、S11、S13、及びS16と同様であるため、その説明を省略する。
工程S32:
距離画像撮像装置1は、予め設定した露光時間x、y、zで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる。例えば、距離画像撮像装置1は、1stSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS1~CS4に露光時間xに対応する電荷を蓄積させる。また、距離画像撮像装置1は、2ndSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS1、CS3及びCS4に、さらに露光時間yに対応する電荷を蓄積させる。
工程S34:
距離画像撮像装置1は、選択した画素321における補正後の電荷量Q2#が、電荷量Q4より大きいか否かを判定する。距離画像撮像装置1は、(11)式に基づいて補正後の電荷量Q2#を算出し、算出した電荷量Q2#と電荷量Q4とを比較することにより、電荷量Q2#が電荷量Q4より大きいか否かを判定する。
工程S35:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q2#が電荷量Q4より大きい場合、測定モードM3における近距離受光画素に対応する演算式(上述した(12)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、工程S34で算出した電荷量Q2#、及び電荷量Q1、Q3を(12)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(近距離受光画素)における測定距離を算出する。
工程S37:
一方、距離画像撮像装置1は、工程S34において電荷量Q2#が電荷量Q4以下である場合、測定モードM3における遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(13)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、電荷量Q1、Q3、Q4を(13)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(遠距離受光画素)における測定距離を算出する。
(測定モードM4)
次に、本実施形態の測定モードM4について、図11A、図11Bを用いて説明する。図11A、図11Bは、第2の実施形態における画素321を駆動するタイミングの第2例を示すタイミングチャートである。図11Aには、近距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図11Bには、遠距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図11A、図11Bにおける「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。
測定モードM4では、電荷蓄積部CS4に外光成分のみが蓄積されるようにする。以下、測定モードM4では、光パルスPOが照射された後、遠距離にある物体からの反射光RLが受光されるまでの時間が十分経過した後に電荷蓄積部CS4を蓄積時間Taの間オン状態とする場合を例に説明する。これによって、電荷蓄積部CS4に外光成分のみを蓄積させることができる。
また、図11A、図11Bに示すように、本実施形態の測定モードM4では、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる。
測定モードM4における1stSTEPでは、従来の駆動方法が適用される電荷の蓄積が行われる。従来の駆動タイミングとは、例えば、図11A、図11Bに示すように、光パルスPOの照射タイミングに同期させて、読み出しゲートトランジスタG1~G4に、順次、電荷を蓄積させる方法である。
具体的に、図11Aに示すように、垂直走査回路323は、1ndSTEPでは、まず、光パルスPOを照射時間To照射させる。垂直走査回路323は、光パルスPOを照射時間To照射させるタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG1を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG1がオン状態に制御されている間に、外光成分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG2がオン状態に制御されている間に、外光成分及び反射光RLの残りの部分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG2を介して電荷蓄積部CS2に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG3がオン状態に制御されている間に、外光成分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG3を介して電荷蓄積部CS3に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG4を蓄積時間Taオン状態とする。これにより、読み出しゲートトランジスタG4がオン状態に制御されている間に、外光成分に対応する電荷が、読み出しゲートトランジスタG4を介して電荷蓄積部CS4に蓄積される。
次に、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG4をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。これにより、光電変換素子PDにより光電変換された電荷はドレインゲートトランジスタGDを介して破棄される。
垂直走査回路323は、上述したような駆動を、1stSTEPに渡って所定の振り分け回数分繰り返し行う。この場合において、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素における電荷蓄積部CS1を飽和させない範囲に設定される。
測定モードM4における2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積されず、電荷蓄積部CS2~CS4に電荷が蓄積されるように制御される。具体的に、図11Aに示すように、垂直走査回路323は、2ndSTEPでは読み出しゲートトランジスタG1をオン状態に制御しない。一方、垂直走査回路323は、1stSTEPと同様のタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2~G4をオン状態とする。
すなわち、垂直走査回路323は、まず、光パルスPOを照射時間To照射する。光パルスPOの照射を止めたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Taオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Taオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで、読み出しゲートトランジスタG4を蓄積時間Taオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG4をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。測定モードM4における2ndSTEPでは、ドレインゲートトランジスタGDがオフ状態となるのは、電荷蓄積部CS2~CS4に電荷を蓄積させる時間(3×Ta)となる。
垂直走査回路323は、上述したような駆動を、2ndSTEPに渡って所定の振り分け回数分繰り返し行う。その後、垂直走査回路323は、それぞれの電荷蓄積部CSに振り分けられた電荷量に応じた電圧信号を出力する。垂直走査回路323は、電荷量に応じた電圧信号を出力する方法は、図4Aと同様であるため、その説明を省略する。
このような構成とすることにより、図11Aに示すような近距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS1、CS2に電荷を振り分けて蓄積させ、図9Bに示すような遠距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS2、CS3に電荷を振り分けて蓄積させることができる。しかも、本実施形態では、同一の画素に設けられた電荷蓄積部CS1と、CS2~CS4とで露光時間を異なる時間とすることができる。これにより、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲で電荷を蓄積させると共に、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2及びCS3により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体が混在している場合であっても、遠距離にある物体を精度よく測定することが可能となる。
なお、本実施形態の測定モードM3における1stSTEP、及び2ndSTEPの振り分け回数は、状況に応じて任意に設定されてよい。例えば、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲を上限に設定される。また、2ndSTEPの振り分け回数は、画素321(近距離受光画素、及び遠距離受光画素を含む)の電荷蓄積部CS2、CS3が飽和しない範囲で、且つ、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2、CS3に蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定される。
ここで、本実施形態において図11Aのタイミングチャートにしたがって画素321を駆動させる場合、距離演算部42は、電荷蓄積部CS1と、他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS2~CS4)の露光時間が同等の露光時間となるように補正する。
例えば、距離演算部42は、測定モードM4の近距離受光画素においては、以下の(14)式、及び(15)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1#=Q1×{(x+y)/x} …(14)
Td=To×(Q2-Q4)/(Q1#+Q2-2×Q4) …(15)
ここで、(14)式におけるQ1#は補正後の電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量電荷量、Q1は補正前の電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2の露光時間である。yは2ndSTEPにおける他の電荷蓄積部CSの露光時間である。また、(15)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は補正後の電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量を示す。また、(15)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
また、例えば、距離演算部42は、測定モードM4の遠距離受光画素においては、以下の(16)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q3-Q4)/(Q2+Q3-2×Q4) …(16)
ここで、(16)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量、を示す。また、(16)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、測定範囲に近距離にある物体と遠距離にある物体とが混在している場合、画素に応じて上記の(15)式、又は(16)式を適用することにより、遠距離にある物体の距離精度を向上させることができる。距離演算部42は、距離を演算する過程において、補正後の電荷量Q1(つまり、電荷量Q1#)と、電荷量Q3とを比較することにより、画素321に(15)式、又は(16)式の何れの式を適用するか判定する。
上述したように、画素321が近距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS1及びCS2に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS3、CS4に受光される。この場合、電荷量Q1#は電荷量Q3よりも大きい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q1#>電荷量Q3である場合に、画素321が近距離受光画素であると判定し、距離の演算に(15)式を適用すると判定する。
一方、画素321が遠距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1、CS4に受光される。この場合、電荷量Q1#は電荷量Q3よりも小さい値となる。この性質を利用して、距離演算部42は、電荷量Q1#≦電荷量Q3である場合に、画素321が遠距離受光画素であると判定し、距離の演算に(16)式を適用すると判定する。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図11A、図11Bにおいて、図11Aのように近距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、図11Bのような遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図11Aの場合と、図11Bの場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図11Aの場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、図11Bの場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS1を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する他の電荷蓄積部CSに多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図11Aにおける電荷蓄積部CS1及びCS2は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図11A、図11Bでは、1フレーム期間に、全ての電荷蓄積部CS1~CS4に電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS1には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS2~CS4に電荷を蓄積させる2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2~CS4のそれぞれの露光時間である。
ここで、第2の実施形態の測定モードM4における距離画像撮像装置1が行う処理の流れを、図12を用いて説明する。図12に示すフローチャートにおける工程S40、S41、S43、及びS46は、図6の工程S10、S11、S13、及びS16と同様であるため、その説明を省略する。
工程S42:
距離画像撮像装置1は、予め設定した露光時間x、yで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる。例えば、距離画像撮像装置1は、1stSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS1~CS4に露光時間xに対応する電荷を蓄積させる。また、距離画像撮像装置1は、2ndSTEPのタイミングにしたがった動作を行うことによって電荷蓄積部CS2~CS4に、さらに露光時間yに対応する電荷を蓄積させる。
工程S44:
距離画像撮像装置1は、選択した画素321における補正後の電荷量Q1#が、電荷量Q3より大きいか否かを判定する。距離画像撮像装置1は、(14)式に基づいて補正後の電荷量Q1#を算出し、算出した電荷量Q1#と電荷量Q3とを比較することにより、電荷量Q1#が電荷量Q3より大きいか否かを判定する。
工程S45:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q1#が電荷量Q3より大きい場合、測定モードM4における近距離受光画素に対応する演算式(上述した(15)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、工程S44で算出した電荷量Q1#、及び電荷量Q2~Q4を(15)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(近距離受光画素)における測定距離を算出する。
工程S47:
一方、距離画像撮像装置1は、工程S44において電荷量Q1#が電荷量Q3以下である場合、測定モードM4における遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(16)式)を適用して測定距離を演算する。距離画像撮像装置1は、電荷量Q2~Q4を(16)式に適用することにより遅延時間Tdを演算する。距離画像撮像装置1は、演算した遅延時間Tdに基づいて、画素321(遠距離受光画素)における測定距離を算出する。
上述した第2の実施形態では、外光成分を蓄積させる電荷蓄積部CSを固定できることが大きな利点である。計測距離の演算を行う際に、外光成分のみを蓄積させる電荷蓄積部CSが既知であれば、演算の負荷を低減させることが可能である。一方、外光成分を蓄積させる電荷蓄積部CSを固定しないことにより、対象物の測定範囲を近距離、遠距離だけでなく、更に遠い距離(以下、超遠距離という)まで測定することが可能となる利点がある。以下では、第3の実施形態として、外光成分を蓄積させる電荷蓄積部CSを固定しない場合について説明する。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、距離画像撮像装置1の画素321が四つの電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS4)を備え、外光成分のみが蓄積される電荷蓄積部CSが予め決定されていない(固定されていない)点において、上述した実施形態と相違する。
(測定モードM5)
本実施形態の測定モードM5について、図13A、図13B、及び図13Cを用いて説明する。図13A、図13B、及び図13Cは、第3の実施形態における画素321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。図13Aには、近距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図13Bには、遠距離受光画素のタイミングチャートが示されている。図13Cには、超遠距離受光画素のタイミングチャートが示されている。超遠距離受光画素とは、超遠距離にある物体からの反射光RLを受光する画素321である。図13A、図13B、及び図13Cにおける「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。ここで、超遠距離は「第3距離」の一例である。
測定モードM5では、外光成分のみが蓄積される電荷蓄積部CSを固定しないにようにする。測定モードM5では、近距離にある物体からの反射光RLに対応する電荷が電荷蓄積部CS1、CS2に振り分けて蓄積されるように制御する。この場合、電荷蓄積部CS3、CS4に外光成分に対応する電荷が蓄積される。測定モードM5では、遠距離にある物体からの反射光RLに対応する電荷が電荷蓄積部CS2、CS3に振り分けて蓄積されるように制御する。この場合、電荷蓄積部CS1、CS4に外光成分に対応する電荷が蓄積される。測定モードM5では、超遠距離にある物体からの反射光RLに対応する電荷が電荷蓄積部CS3、CS4に振り分けて蓄積されるように制御する。この場合、電荷蓄積部CS1、CS2に外光成分に対応する電荷が蓄積される。これによって、測定可能となる距離を広げることができる。
また、図13A、図13B、及び図13Cに示すように、本実施形態の測定モードM5では、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる。
測定モードM5における1stSTEPでは、従来の駆動方法が適用される電荷の蓄積が行われる。垂直走査回路323は、例えば、図11A、図11Bの1stSTEP同様に、光パルスPOの照射タイミングに同期させて、読み出しゲートトランジスタG1~G4に、順次、電荷を蓄積させる。
測定モードM5における2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS1に電荷が蓄積されず、電荷蓄積部CS2~CS4に電荷が蓄積されるように制御される。垂直走査回路323は、例えば、図11A、図11Bの2ndSTEPと同様に、2ndSTEPでは読み出しゲートトランジスタG1をオン状態に制御しない。一方、垂直走査回路323は、1stSTEPと同様のタイミングで、読み出しゲートトランジスタG2~G4をオン状態とする。
このような構成とすることにより、図13Aに示すような近距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS1、CS2に電荷を振り分けて蓄積させることができる。また、図13Bに示すような遠距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS2、CS3に電荷を振り分けて蓄積させることができる。また、図13Cに示すような超遠距離受光画素の場合には電荷蓄積部CS3、CS4に電荷を振り分けて蓄積させることができる。
しかも、本実施形態の測定モードM5では、同一の画素に設けられた電荷蓄積部CS1と、CS2~CS4とで露光時間を異なる時間とすることができる。これにより、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲で電荷を蓄積させると共に、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2及びCS3により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。また、超遠距離受光画素の電荷蓄積部CS3及びCS4により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、測定範囲に、近距離にある物体と、遠距離にある物体と、超遠距離にある物体とが混在している場合であっても、遠距離にある物体や、超遠距離にある物体を、精度よく測定することが可能となる。
なお、本実施形態の測定モードM5における1stSTEP、及び2ndSTEPの振り分け回数は、状況に応じて任意に設定されてよい。例えば、1stSTEPの振り分け回数は、近距離受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲を上限に設定される。また、2ndSTEPの振り分け回数は、画素321(近距離受光画素、及び遠距離受光画素を含む)の電荷蓄積部CS2~CS4が飽和しない範囲で、且つ、遠距離受光画素の電荷蓄積部CS2、CS3に蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定される。或いは、超遠距離受光画素の電荷蓄積部CS3、CS4に蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定される。
ここで、本実施形態において図13Aのタイミングチャートにしたがって画素321を駆動させる場合、距離演算部42は、電荷蓄積部CS1と、他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS2~CS4)の露光時間が同等の露光時間となるように補正する。
例えば、距離演算部42は、測定モードM5の近距離受光画素においては、上記の(17)式、及び(18)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1#=Q1×{(x+y)/x} …(17)
Td=To×(Q2-Q4)/(Q1#+Q2-2×Q4) …(18)
ここで、(17)式におけるxは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の露光時間である。yは2ndSTEPにおける他の電荷蓄積部CSの露光時間である。Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量である。また、(18)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は補正後の電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量、を示す。また、(18)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
また、例えば、距離演算部42は、測定モードM5の遠距離受光画素においては、上記の(19)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q3-Q1#)/(Q2+Q3-2×Q1#) …(19)
ここで、(19)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は(17)式に基づく補正後の電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、を示す。また、(18)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
また、例えば、距離演算部42は、測定モードM5の超遠距離受光画素においては、下記の(17)式、(18)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q4-Q1#)/(Q3+Q4-2×Q1#) …(20)
ここで、(20)式におけるToは光パルスPOが照射された期間、Q1#は(17)式に基づく補正後の電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量、を示す。また、(18)式では、電荷蓄積部CS3及びCS4に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
距離演算部42は、測定範囲において、近距離と遠距離と超遠距離にある物体とが混在している場合、画素に応じて上記の(18)式から(20)式を適用することにより、遠距離にある物体の距離精度を向上させることができる。距離演算部42は、距離を演算する過程において、補正後の電荷量Q1(つまり、電荷量Q1#)、電荷量Q2~Q4の電荷量をそれぞれ比較することにより、上記の(18)式から(20)式の何れを適用するか判定する。
上述したように、画素321が近距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS1及びCS2に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS3、CS4に受光される。この場合、電荷量Q4に最も少ない電荷量が蓄積される。或いは、電荷量Q3、Q4に最も少ない電荷量が蓄積される。この性質を利用して、距離演算部42は、係る条件を充足する場合に、画素321が近距離受光画素であると判定し、距離の演算に(18)式を適用すると判定する。
また、画素321が遠距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1、CS4に受光される。この場合、電荷量Q1#が最も少ない電荷量となる。或いは、電荷量Q1#、Q4が最も少ない電荷量となる。この性質を利用して、距離演算部42は、係る条件を充足する場合に、画素321が遠距離受光画素であると判定し、距離の演算に(19)式を適用すると判定する。
また、画素321が超遠距離受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS3及びCS4に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1、CS2に受光される。この場合、電荷量Q1#が最も少ない電荷量となる。或いは、電荷量Q1#、Q2が最も少ない電荷量となる。この性質を利用して、距離演算部42は、係る条件を充足する場合に、画素321が遠距離受光画素であると判定し、距離の演算に(20)式を適用すると判定する。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図13A~図13Cにおいて、図13Aのように近距離に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、図13Bのような遠距離や図13Cのような超遠距離にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図13Aの場合と、図13Bや図13Cの場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図13Aの場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、図13Bや図13Cの場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS1を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する他の電荷蓄積部CSに多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図13Aにおける電荷蓄積部CS1及びCS2は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図13Aでは、1フレーム期間に、全ての電荷蓄積部CS1~CS4に電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS1には電荷を蓄積させずに電荷蓄積部CS2~CS4に電荷を蓄積させる2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2~CS4のそれぞれの露光時間である。
ここで、第3の実施形態の測定モードM5における距離画像撮像装置1が行う処理の流れを、図14を用いて説明する。図14に示すフローチャートにおける工程S50、S51、S53、及びS56は、図6の工程S10、S11、S13、及びS16と同様であるため、その説明を省略する。また、図14の工程S52は、図12の工程S42と同様であるため、その説明を省略する。
工程S54:
距離画像撮像装置1は、選択した画素321における補正後の電荷量Q1#、Q2が電荷量Q3より大きく、且つ、電荷量Q3が電荷量Q4以上である否かを判定する。距離画像撮像装置1は、(17)式に基づいて補正後の電荷量Q1#を算出し、算出した電荷量Q1#と、電荷量Q2の各々と電荷量Q3とを比較することにより、電荷量Q1#、Q2が電荷量Q3より大きいか否かを判定する。また、距離画像撮像装置1は、電荷量Q3と電荷量Q4とを比較することにより、電荷量Q3が電荷量Q4以上であるか否かを判定する。
工程S55:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q1#、Q2が電荷量Q3より大きく、且つ、電荷量Q3が電荷量Q4以上である場合、測定モードM4における近距離受光画素に対応する演算式(上述した(18)式)を適用して測定距離を演算する。
工程S57:
一方、距離画像撮像装置1は、工程S54において電荷量Q1#、Q2が電荷量Q3以下である、又は電荷量Q3が電荷量Q4より大きい場合、電荷量Q2、Q3が電荷量Q4より大きく、且つ、電荷量Q4が電荷量Q1#以上である否かを判定する。距離画像撮像装置1は、電荷量Q2、Q3と電荷量Q4とを比較することにより、電荷量Q2、Q3が電荷量Q4より大きいか否かを判定する。また、距離画像撮像装置1は、(17)式に基づいて補正後の電荷量Q1#を算出し、算出した電荷量Q1#と電荷量Q4とを比較することにより、電荷量Q4が電荷量Q1#以上であるか否かを判定する。
工程S58:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q2、Q3が電荷量Q4より大きく、且つ、電荷量Q4が電荷量Q1#以上である場合、測定モードM5における遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(19)式)を適用して測定距離を演算する。
工程S59:
距離画像撮像装置1は、電荷量Q2、Q3が電荷量Q4以下である、又は、電荷量Q4が電荷量Q1#より小さい場合、測定モードM5における超遠距離受光画素に対応する演算式(上述した(20)式)を適用して測定距離を演算する。
上述した少なくとも1つの実施形態では、蓄積された電荷量に基づいて、一つの画素毎に距離を算出する場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されることはない。例えば、画素毎に算出した距離値について、着目画素の周囲にある画素の距離値に基づく補正を行い、補正後の値を測定距離とするようにしてもよい。
また、画素321が反射光RLを受光する際、光電変換により電荷が発生するが、受光した光量の全てに対応する電荷が同時に発生するわけではない。例えば、受光した反射光RLのうち、近赤外線の成分に対応する光は透過性が高いため、光電変換素子PDの内部で電荷が発生すると考えられる。このような場合、振り分けられるはずの電荷の一部が遅れて発生することとなり、例えば、本来であれば第1電荷蓄積部に振り分けられるはずの電荷が、第2電荷蓄積部に蓄積されてしまうような、所謂遅延電荷が発生する可能性がある。
このような遅延電荷が発生する要因として、光電変換素子PDの構造に起因する電荷転送の遅れや、使用する光パルスPOの照射時間To、或いは電荷蓄積部CSへの振り分け時間Ta等が考えられる。これらの要因により大きな遅延電荷が発生した場合、外光成分のみを蓄積させる電荷蓄積部CSに、外光成分だけでなく、反射光RLの遅延電荷も蓄積されてしまう可能性がある。この場合、測定距離の精度が低下してしまう。
この対策として、上述した第2の実施形態の測定モードM3のように、光パルスPOを照射する直前に外光成分を蓄積させる方法が考えられる。
また、図15における光パルスPOを照射するタイミングと、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングとの関係のように、光パルスPOを照射するタイミングと、外光成分を蓄積させるタイミングを十分に離す方法が考えられる。
また、図16における光パルスPOを照射するタイミングと、電荷蓄積部CS4に電荷を蓄積させるタイミングとの関係のように、光パルスPOを照射するタイミングと、外光成分を蓄積させるタイミングを十分に離す方法が考えられる。
図15、図16は、実施形態の変形例を示す図である。図15は、上述した第2の実施形態の測定モードM3において、光パルスPOを照射するタイミングより十分前のタイミングで、電荷蓄積部CS1に外光成分を蓄積させる動作を示している。図16は、上述した第2の実施形態の測定モードM4において、光パルスPOを照射するタイミングより十分後のタイミングで、電荷蓄積部CS4に外光成分を蓄積させる動作を示している。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、1フレーム内において、電荷蓄積部CSのそれぞれの露光時間が等しくなるように制御する一方で、反射光に応じた電荷を蓄積させる時間が電荷蓄積部CSのそれぞれで異なるように制御する点において、上述した実施形態と相違する。また、本実施形態では、外光成分のみが蓄積される電荷蓄積部CSが予め決定されていない(固定されていない)。
具体的に、本実施形態では、電荷蓄積部CSのそれぞれに電荷を蓄積させるタイミングを、1フレームの途中で変更する。例えば、本実施形態では、1フレームにおいて複数の測定ステップが設けられる。それぞれの測定ステップにおいて、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングを、互いに異なるタイミングとする。
以下では、複数の測定ステップとして、1stSTEP、及び2ndSTEPを設ける場合を例に説明する。ここでの1stSTEPにおける電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングは「第1タイミング」の一例である。また、1stSTEPにおける蓄積処理は「第1処理」の一例である。また、1stSTEPにおいて蓄積処理を繰り返す回数は「第1回数」の一例である。また、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングは「第2タイミング」の一例である。また、2ndSTEPにおける蓄積処理は「第2処理」の一例である。また、2ndSTEPにおいて蓄積処理を繰り返す回数は「第2回数」の一例である。
例えば、距離画像撮像装置1の画素321が三つの電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS3)を備える場合、まず、1stSTEPにて光パルスPOの照射タイミングに同期させて電荷蓄積部CS1、CS2、CS3の順に電荷が蓄積されるように制御する。次に、2ndSTEPにて電荷蓄積部CS2、CS3に電荷を蓄積させるタイミングを変更することなく、電荷蓄積部CS2、CS3、CS1の順に電荷が蓄積されるように制御する。
本実施形態について、図17、図18A、図18Bを用いて説明する。図17、図18A、図18Bは、第4の実施形態における画素321を駆動するタイミングの例を示すタイミングチャートである。図17には、画素321が三つの電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS3)を備える場合におけるタイミングチャートが示されている。図18A、図18Bには、画素321が四つの電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1~CS4)を備える場合におけるタイミングチャートが示されている。図17、図18A、図18Bにおける「L」、「R」、「G1」等の項目名は、図4Aと同様である。図17、図18A、図18Bでは、光パルスPOが照射時間と、蓄積時間とが同じ時間間隔Toである場合の例を示している。
以下の説明では、近距離に相当する距離範囲を「ゾーンZ1」、遠距離に相当する距離範囲を「ゾーンZ2」、超遠距離に相当する距離範囲を「ゾーンZ3」、超遠距離よりも大きい距離を「ゾーンZ4」とそれぞれ表記する。ゾーンZ1は「第1距離」の一例である。ゾーンZ2は「第2距離」の一例である。ゾーンZ3は「第3距離」の一例である。ゾーンZ4は「第4距離」の一例である。
図17には、一つの画素321が三つの電荷蓄積部CSを備え、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる場合のタイミングチャートが示されている。測定制御部43は、1stSTEPでは従来のタイミングを適用して、読み出しゲートトランジスタG1~G3を、読み出しゲートトランジスタG1、G2、G3の順にオン状態とする。測定制御部43は、2ndSTEPでは、読み出しゲートトランジスタG2、G3をオン状態とするタイミングを1stSTEPと同様のタイミングとし、読み出しゲートトランジスタG1~G3を、読み出しゲートトランジスタG2、G3、G1の順にオン状態とする。
すなわち、2ndSTEPでは、垂直走査回路323は、光パルスPOの照射から蓄積時間To遅れたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Toオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Toオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG1を蓄積時間Toオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS1~CS3に電荷を蓄積させる時間は1stSTEPと変わらないが、電荷を蓄積するタイミングを異なるタイミングとする。
図17に示すように、遅延時間Tdが比較的小さく、ゾーンZ1にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS2に振り分けて蓄積される場合を考える(第1例)。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS3、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS3に外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS2、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2に、反射光に対応する電荷が蓄積される。ここでの1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1は「反射光電荷蓄積部」の一例である。また、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1「外光電荷蓄積部」の一例である。
次に、遅延時間Tdが、図17に示す時間(第1例)よりも大きく、ゾーンZ2にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3に振り分けて蓄積される場合を考える(第2例)。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1に、外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3に、反射光に対応する電荷が蓄積される。
次に、遅延時間Tdが、第1例、及び第2例よりも大きく、ゾーンZ3にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS1に振り分けて蓄積される場合を考える(第3例)。この場合、1stSTEPの電荷蓄積部CS1、CS2、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2に、外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS3、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS1に、反射光に対応する電荷が蓄積される。ここでの1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1は「外光電荷蓄積部」の一例である。また、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1「反射光電荷蓄積部」の一例である。
このように、本実施形態では、1stSTEPと2ndSTEPで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングを互いに異なるタイミングとする。これによって、一つの画素321に三つの電荷蓄積部CSを備える構成であっても、測定可能となる距離を広げることができる。図17に示す動作の場合、1フレームにおける電荷蓄積部CS1の露光時間は、1フレームにおける電荷蓄積部CS2及びCS3と同一である。しかし、1フレームにおける電荷蓄積部CS1に蓄積される、反射光に応じた電荷の蓄積時間が異なる。そのため、反射光に応じた電荷の蓄積時間が同一となるように補正した上で、距離計算を実施する。補正の具体的な方法については後述する。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図17のようゾーンZ1に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、ゾーンZ2~Z3にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図17の場合とゾーンZ2~Z3にある物体に反射した反射光を受光する場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図17の場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、ゾーンZ2~Z3にある物体に反射した反射光を受光した場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるようにして距離精度が向上させるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS1を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CSに多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図17における電荷蓄積部CS1及びCS2は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図17では、1フレーム期間に、電荷蓄積部CS1~CS3に、順に、電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS2及びCS3に電荷を蓄積させるタイミングを変更せずに電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングを電荷蓄積部CS3の後に変更する2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS3のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2~CS3のそれぞれの露光時間である。
図18A、図18Bには、一つの画素321が四つの電荷蓄積部CSを備え、1フレームに二つの測定ステップ(1stSTEP、及び2ndSTEP)が設けられる場合のタイミングチャートが示されている。測定制御部43は、1stSTEPでは従来のタイミングを適用して、読み出しゲートトランジスタG1~G4を、読み出しゲートトランジスタG1、G2、G3、G4の順にオン状態とする。測定制御部43は、2ndSTEPでは、読み出しゲートトランジスタG2~G4をオン状態とするタイミングを1stSTEPと同様のタイミングとし、読み出しゲートトランジスタG1~G4を、読み出しゲートトランジスタG2、G3、G4、G1の順にオン状態とする。
すなわち、2ndSTEPでは、垂直走査回路323は、光パルスPOの照射から蓄積時間To遅れたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオフ状態にするとともに、読み出しゲートトランジスタG2を蓄積時間Toオン状態とする。また、垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG2をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG3を蓄積時間Toオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG3をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG4を蓄積時間Toオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG4をオフ状態としたタイミングで読み出しゲートトランジスタG1を蓄積時間Toオン状態とする。垂直走査回路323は、読み出しゲートトランジスタG1をオフ状態としたタイミングで、ドレインゲートトランジスタGDをオン状態にして電荷の排出を行う。2ndSTEPでは、電荷蓄積部CS1~CS4に電荷を蓄積させる時間は1stSTEPと変わらないが、電荷を蓄積するタイミングを異なるタイミングとする。
図18Aに示すように、遅延時間Tdが比較的小さく、ゾーンZ1にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS2に振り分けて蓄積される場合を考える。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS4、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3、CS1に外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS2、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2に反射光に対応する電荷が蓄積される。ここでの1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1は「反射光電荷蓄積部」の一例である。また、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1「外光電荷蓄積部」の一例である。
次に、遅延時間Tdが、図18Aに示す時間よりも大きく、ゾーンZ2にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3に振り分けて蓄積される場合を考える(第4例)。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS4、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS4、CS1に、外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3に、反射光に対応する電荷が蓄積される。
次に、遅延時間Tdが、第4例よりも大きく、ゾーンZに3ある物体からの反射光RLに対応する電荷が、1ndSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS4に振り分けて蓄積される場合を考える(第5例)。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1、CS2、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS1に、外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS4、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS3、CS4に、反射光に対応する電荷が蓄積される。
そして、図18Bに示すように、遅延時間Tdが、第5例に示す時間よりも大きく、ゾーンZ4にある物体からの反射光RLに対応する電荷が、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS4、CS1に振り分けて蓄積される場合を考える。この場合、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS3、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2、CS3に、外光成分に対応する電荷が蓄積される。また、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS4、及び2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS4、CS1に、反射光に対応する電荷が蓄積される。ここでの1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1は「外光電荷蓄積部」の一例である。また、2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS1「反射光電荷蓄積部」の一例である。
このように、本実施形態では、1stSTEPと2ndSTEPで、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングを互いに異なるタイミングとする。これによって、一つの画素321に四つの電荷蓄積部CSを備える構成において、電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させるタイミングを固定した場合と比較して測定可能となる距離を広げることができる。図18A、図18Bに示す動作の場合、1フレームにおける電荷蓄積部CS1の露光時間は、他の電荷蓄積部CS2~CS4と同一である。しかし、1フレームにおける電荷蓄積部CS1に蓄積される、反射光に応じた電荷の蓄積時間が異なる。そのため、反射光に応じた電荷の蓄積時間が同一となるように補正した上で、距離計算を実施する必要がある。
ここで補正の具体的な方法について説明する。以下では、四つの電荷蓄積部CSを備える画素321を、図18A(図18B)のタイミングチャートにしたがって駆動させる場合を例に説明する。図17のような三つの電荷蓄積部CSを備える画素321を駆動させる場合についてもこの方法を適用することができる。距離演算部42は、画素321が何れのゾーンZからの反射光を受光したかを判定し、判定結果に応じて、画素321ごとに補正を行う。
(ゾーンZ1からの反射光を受光する場合)
距離演算部42は、ゾーンZ1からの反射光を受光する画素321においては、下記の(21)式、及び(22)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1###=(Q1-Q4)×{(x+y)/x}+Q4 …(21)
Td=To×(Q2-Q4)/(Q1###+Q2-2×Q4) …(22)
ここで、(21)式、及び(22)式におけるQ1###は、補正後の電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量を示す。また、(21)式におけるxは、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の露光時間である。(21)式におけるyは、2ndSTEPにおける他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS2)の露光時間である。
ここで、電荷蓄積部CSの露光時間は、単位蓄積時間における電荷蓄積部CSの蓄積時間と、振り分け回数と、を乗算した値である。すなわち、電荷蓄積部CSにおける振り分け回数と露光時間とは比例する関係にある。したがって、xは1stSTEPにおける振り分け回数、yは2ndSTEPにおける振り分け回数であってもよい。
また、(21)式、及び(22)式におけるQ1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量である。また、(22)式におけるTdは遅延時間、Toは光パルスPOが照射された期間である。
(21)式、及び(22)式では、電荷蓄積部CS1及びCS2に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。ここで、(21)式、及び(22)式では、外光成分のみが蓄積される電荷蓄積部CSを、電荷蓄積部CS4とする場合を示した。ゾーンZ1からの反射光を受光する場合においては、外光成分のみを蓄積する電荷蓄積部CSは、電荷蓄積部CS3、CS4である。このため、(21)式、及び(22)式におけるQ4を、Q3としてもよい。Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量である。
なお、外光成分のみを蓄積する電荷蓄積部CSが複数ある場合、いずれの電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量を外光成分に相当する電荷量とするかは、任意に決定されてよい。例えば、外光成分のみを蓄積する電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量のうち、最も少ない電荷量を外光成分に相当する電荷量とするように決定する。
(ゾーンZ2、ゾーンZ3からの反射光を受光する場合)
距離演算部42は、ゾーンZ2からの反射光を受光する画素321においては、下記の(23)式を、適用することにより、遅延時間Tdを算出する。また、距離演算部42は、ゾーンZ3からの反射光を受光する画素321においては、下記の(24)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q3-Q1)/(Q2+Q3-2×Q1) …(23)
Td=To×(Q4-Q1)/(Q3+Q4-2×Q1) …(24)
ここで、(23)式、及び(24)式におけるTdは遅延時間、Toは光パルスPOが照射された期間である。(23)式、及び(24)式におけるQ1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量である。
また、(23)式では、電荷蓄積部CS2及びCS3に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。(24)式では、電荷蓄積部CS3及びCS4に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。なお、(23)式におけるQ1を、Q4としてもよい。また、(24)式におけるQ1を、Q2としてもよい。
(ゾーンZ4からの反射光を受光する場合)
距離演算部42は、ゾーンZ4からの反射光を受光する画素321においては、下記の(25)式、及び(26)式を適用することにより、遅延時間Tdを算出する。
Q1####=(Q1-Q2)×{(x+y)/x}+Q2 …(25)
Td=To×(Q1####-Q2)/(Q4+Q1####-2×Q2) …(26)
ここで、(25)式、(26)式におけるQ1####は、補正後の電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量を示す。また、(25)式におけるxは、1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間である。(25)式におけるyは、2ndSTEPにおける他の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS4)の反射光蓄積時間である。
また、(25)式、及び(26)式におけるQ1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量である。また、(26)式におけるTdは遅延時間、Toは光パルスPOが照射された時間である。また、(25)式、及び(26)式では、電荷蓄積部CS4及びCS1に蓄積される電荷量のうちの外光成分に相当する電荷量が電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。なお、(25)式、及び(26)式おけるQ2を、Q3としてもよい。Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量である。
距離演算部42は、画素321のそれぞれが受光した反射光の状況に応じて、上記の式を適用する。距離演算部42は、距離を演算する過程において、例えば、補正後の電荷量Q1(つまり、電荷量Q1###~Q1####)、電荷量Q2~Q4の電荷量をそれぞれ比較することにより、画素321がゾーンZ1~Z4の何れにある物体からの反射光を受光したか判定し、判定結果におうじて、画素321に上記の式の何れを適用するか決定する。
例えば、画素321がゾーンZ1受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS1及びCS2に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS3及びCS4に受光される。この場合、電荷蓄積部CS3及びCS4には、電荷蓄積部CS1及びCS2と比較して少ない電荷量が蓄積される。この性質を利用して、距離演算部42は、画素321がゾーンZ1受光画素であるか否かを判定し、画素321がゾーンZ1受光画素であると判定した場合、距離の演算に(21)式、及び(22)式を適用する。
例えば、画素321がゾーンZ2受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS2及びCS3に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1及びCS4に受光される。この場合、電荷蓄積部CS1及びCS4には、電荷蓄積部CS2及びCS3と比較して少ない電荷量が蓄積される。この性質を利用して、距離演算部42は、画素321がゾーンZ2受光画素であるか否かを判定し、画素321がゾーンZ2受光画素であると判定した場合、距離の演算に(23)式を適用する。
例えば、画素321がゾーンZ3受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS3及びCS4に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS1及びCS2に受光される。この場合、電荷蓄積部CS1及びCS2には、電荷蓄積部CS3及びCS4と比較して少ない電荷量が蓄積される。この性質を利用して、距離演算部42は、画素321がゾーンZ3受光画素であるか否かを判定し、画素321がゾーンZ3受光画素であると判定した場合、距離の演算に(24)式を適用する。
例えば、画素321がゾーンZ4受光画素である場合、被写体OBからの反射光RLは電荷蓄積部CS4及びCS1に振り分けられて受光され、外光成分は電荷蓄積部CS2及びCS3に受光される。この場合、電荷蓄積部CS2及びCS3には、電荷蓄積部CS4及びCS1と比較して少ない電荷量が蓄積される。この性質を利用して、距離演算部42は、画素321がゾーンZ4受光画素であるか否かを判定し、画素321がゾーンZ4受光画素であると判定した場合、距離の演算に(25)式、及び(26)式を適用する。
なお、上記では、1フレームを1stSTEPと2ndSTEPの二つに分け、それぞれのSTEPにおいて、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングを変更した処理を繰り返し行う場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されない。1フレームにおける一連の蓄積処理において、ランダムまたは疑似ランダム的に、1stSTEPと2ndSTEPを切り変えるようにしてもよい。これにより、1フレームにおいて電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングに偏りがなくなり、ノイズ等の外乱要因を減らすことが可能となる。
また、上記では、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングを変更することによりゾーンZ4まで測定可能とする場合を例に説明した。しかしながらこれに限定されない。例えば、2ndSTEPにおいて、電荷蓄積部CS1だけでなく、電荷蓄積部CS2やCS3に電荷を蓄積させるタイミングを変更してもよい。具体的に、2ndSTEPにおいて、電荷蓄積部CS4に電荷を蓄積させるタイミングを1stSTEPと同じタイミングとし、電荷蓄積部CS4、CS1、CS2、CS3の順に電荷が蓄積されるように制御する。これにより、距離を測定することが可能な範囲を、ゾーンZ4より大きいゾーンZ5や、ゾーンZ5より大きいゾーンZ6に広げることが可能となる。この場合、外光成分に相当する電荷量は、電荷蓄積部CSのそれぞれで変わることなく同じ電荷量となる。一方、反射光に応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CSでは、電荷蓄積部CSに反射光に応じた電荷を蓄積させる時間が異なる場合がある。この場合、一方の電荷蓄積部CSに反射光に応じた電荷を蓄積させる時間が、他方と同等なるように補正する。補正では、前述した(21)式や(25)式と同様の考え方を適用することが可能である。
なお、上記では、電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量、及び補正後の電荷量のそれぞれを比較することによって、外光成分のみが蓄積された電荷蓄積部CSを決定し、いずれのゾーンZからの反射光を受光した画素321であるかを判定する場合を例に説明した。しかしながら、このような判定方法に限定されることはない。例えば、特許文献WO2019/031510に記載されているように、反射光に応じた電荷量の合計値が所定の閾値を超えるか判定すること等により、計算式の変更や計測距離の有効性を判定して距離を決定する方法を用いてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、同一の画素321に設けられた複数の電荷蓄積部CS(電荷蓄積部CS1と、他の電荷蓄積部CS2~CS4)とにおいて、反射光による電荷の蓄積時間が、互いに異なる時間となるように制御する。これにより、ゾーンZ1受光画素の電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲で電荷を蓄積させると共に、ゾーンZ2受光画素の電荷蓄積部CS2及びCS3により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。また、ゾーンZ3受光画素の電荷蓄積部CS3及びCS4により多くの電荷を蓄積させることが可能となる。また、ゾーンZ4まで測定範囲を広げることができる。ここで、ゾーンZ1受光画素とは、ゾーンZ1からの反射光を受光する画素321である。ゾーンZ2受光画素とは、ゾーンZ2からの反射光を受光する画素321である。ゾーンZ3受光画素とは、ゾーンZ3からの反射光を受光する画素321である。したがって、測定範囲にゾーンZ1にある物体と、ゾーンZ2にある物体と、ゾーンZ3にある物体と、ゾーンZ4にある物体が混在している場合であっても、ゾーンZ2にある物体や、ゾーンZ3にある物体や、ゾーンZ4にある物体を、精度よく測定することが可能となる。
また、本実施形態では、電荷蓄積部CS1の1フレームにおける合計の露光時間が電荷蓄積部CS2からCS4と同じ露光時間となる。このため、外光成分に応じた電荷量が、どの電荷蓄積部でも同じ電荷量になる。したがって、電荷蓄積部CSが外光成分に応じた電荷量のみを蓄積する場合、距離を算出する際にその電荷蓄積部CSにおける電荷蓄積量を補正する必要がない。すなわち、ノイズ等の外乱要因の低減効果を得ることができる。
なお、本実施形態における1stSTEP、及び2ndSTEPの振り分け回数(露光時間)の内訳は、状況に応じて任意に設定されてよい。例えば、事前に決定された回数で動作するように制御してもよい。本実施形態における1stSTEPの振り分け回数は、ゾーンZ1受光画素における電荷蓄積部CS1が飽和しない範囲を上限に設定されることが好ましい。具体的な閾値を設けて1stSTEPの振り分け回数を決定するようにしてもよい。例えば、距離0.5mの位置に反射率90%の物体がある場合において、電荷蓄積部CS1の容量の8割程度の電荷量が蓄積されるように、1stSTEPの振り分け回数が決定されるようにしてもよい。
本実施形態では、2ndSTEPにおいて電荷蓄積部CS4の後で電荷蓄積部CS1をオン状態とすることによってゾーンZ4からの反射光を受光できるようにしている。この場合、電荷蓄積部CS1に蓄積される電荷量が、電荷蓄積部CS4に蓄積される電荷量と比較して、非常に小さくなることが考えられる。一般に、電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量が大きい方が測定する距離の精度を向上させることができる。このため、ゾーンZ1にある物体までの距離の精度を高くしたい場合、1stSTEPの振り分け回数を多くすることが考えられる。一方、ゾーンZ4にある物体までの距離の精度を高くしたい場合は、1stSTEPを少なく、2ndSTEP振り分け回数を多くすることが望ましい。
また、2ndSTEPの振り分け回数は、何れのゾーンZからの反射光を受光する画素321においても、電荷蓄積部CS2~CS4が飽和することなく、且つ、各ゾーンZからの反射光を受光する電荷蓄積部CSに蓄積される電荷量が、精度よく距離を演算することができる程度に大きな値となるように設定されることが望ましい。
このように、本実施形態では、二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる場合において、反射光RLの強度に応じて、当該二つの電荷蓄積部CSに反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間(「反射光蓄積時間」の一例)が、1フレーム期間において互いに異なる時間となるように制御する。本実施形態では、例えば、反射光RLの強度を、光パルスPOの強度、及び対象物体の反射率が一定であると仮定し、対象物体の距離に応じて反射光RLの強度が変化することに着目する。
図18A、18Bでは、図18AのようゾーンZ1に存在する被写体OBに反射した反射光RLを受光する場合、図18BのようなゾーンZ4にある物体に反射した反射光を受光する場合と比較して、反射光RLの強度が大きい。図18Aと図18Bの場合とで、反射光RLに応じた電荷を蓄積させる時間が同じ時間となるように制御した場合、図18Aの場合には反射光RLに応じた電荷量が飽和してしまい、図18Bの場合には反射光RLに応じた電荷の蓄積量が少なくなってしまい、何れの場合においても距離精度が低下してしまう可能性がある。この対策として、距離画像処理部4は、強度が大きい反射光RLを受光した場合には電荷蓄積部CSを飽和させることなく、かつ強度が小さい反射光RL受光した場合には多くの電荷が蓄積されるようにして距離精度が向上させるように制御する。つまり、距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。これにより、より強度が大きい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CS1を飽和させないようにしつつ、より強度が小さい反射光RLに応じた電荷を蓄積する電荷蓄積部CSに多くの電荷を蓄積させることができる。ここで、図18Aにおける電荷蓄積部CS1及びCS2は「反射光RLに応じた電荷を振り分けて蓄積させる二つの電荷蓄積部」の一例である。
具体的に、図18A、18Bでは、1フレーム期間に、電荷蓄積部CS1~CS4に、順に、電荷を蓄積させる1stSTEPと、光パルスPOの照射と電荷蓄積部CSの蓄積との相対的なタイミングを1stSTEPと同様にして電荷蓄積部CS2~CS4に電荷を蓄積させるタイミングを変更せずに電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングを電荷蓄積部CS4の後に変更する2ndSTEPと、が設けられる。これにより、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間が、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間よりも小さくなるように制御する。より具体的には、距離画像処理部4は、電荷蓄積部CS1の反射光蓄積時間を(x)とし、電荷蓄積部CS2の反射光蓄積時間を(x+y)とする。ここで、xは1stSTEPにおける電荷蓄積部CS1~CS4のそれぞれの露光時間である。yは2ndSTEPにおける電荷蓄積部CS2~CS4のそれぞれの露光時間である。
図18A、図18Bの例では、2ndSTEPにおいて、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させるタイミングを電荷蓄積部CS4の後に変更することから、ゾーンZ4まで測定範囲を広げることが可能となる。
(第1の実施形態の効果)
ここで第1の実施形態の効果について説明する。第1の実施形態では、1つの画素321に三つの電荷蓄積部CSが設けられる。また、従来の動作として図4Aのタイミングチャートで規定される動作を適用した。光パルスPOの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの蓄積時間Taが39nsとなるように動作させた。この際、距離画像撮像装置1から0.5mの距離に対象物TA(被写体OB)があり、対象物TAに反射された反射光RLが画素GAに受光される。また、距離画像撮像装置1から8mの距離に対象物TB(被写体OB)があり、対象物TBに反射された反射光RLが画素GBに受光される。
また、対象物TA、TBの反射率は80%であった。この状況で従来の動作を実施すると、画素GAは早い段階で飽和する。今回の構成では、積算回数5000回(露光時間170μs)で飽和した。従来例では、対象物TBからの反射光RLが受光される画素GBも積算回数が5000回(露光時間170μs)となる。CSに蓄電できる電荷量が少ない。このため、露光時間が短く、外光で発生する電荷量と大きな差がなくなり、ノイズに埋もれやすく正確な距離計算が困難となる。このような従来例で動作させた結果、距離分解能は10%となった。これは、8mの距離に存在する物体(被写体OB)が、7.2m~8.8mの範囲で測定されたことを示している。
一方、第1の実施形態の測定モードM1では、近距離受光画素については積算回数5000回で距離を測定したが、遠距離受光画素では第1電荷蓄積部への電荷の振り分けを停止した状態で電荷振り分けを実施し、積算回数が合計250000回(露光時間8500μs)となるまで飽和させることなく電荷を蓄積することができた。距離計算では、第1電荷蓄積部に蓄積されている電荷に対して、8500/170を補正値として乗算させることで、電荷量を補正した。この結果、8mの距離に存在する対象物における距離分解能は、0.5%となった。これは、8mの距離に存在する物体(被写体OB)が、7.96m~8.04mの範囲で測定されることを示している。
図19に、近距離の対象物が0.5mにある場合における、0.5mから12mまでの距離を測定した結果と、今回の発明した方法の比較した図を載せる。なお、12mは、この条件の構造を備える距離画像撮像装置1で測定できる上限値である。
図19は、実施形態の効果を説明する図である。図19の横軸は測定距離[m]を示す。図19の縦軸は測定距離の分解能[%]を示す。
図19に示すように、例えば、おおよそ0.5mから6mまでの測定範囲が近距離と決定される。これは、光パルスPOの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの振り分け時間Taが39[ns]に設定されているためである。従来例(通常駆動と記載)及び本実施形態(本発明の駆動と記載)の近距離は、いずれも、測定距離が約0.5mにある被写体OBからの反射光RLが飽和しない露光時間を上限に振り分け回数が設定されている。このため、測定距離が6m未満の範囲において、距離分解能が数%以上と悪い結果となっている。従来例では、照射時間To、及び蓄積時間Taを、20[ns]など更に短くすることで、近距離が約0~3m、遠距離が3m~6mとなる。この方法で、約0.5mにある被写体OBからの反射光RLが飽和しない露光時間を上限に振り分け回数を設定すれば、3m未満の範囲において距離分解能を1%以下にすることが可能となる。しかし、その場合、3m以上の遠距離では、分解能が数%以上悪化することになる。
これに対し、本実施形態(本発明の駆動と記載)では、測定範囲を小さくする場合に、照射時間To、及び蓄積時間Taを、20[ns]に設定するなどして、更に短くする。この場合、近距離が約0~3m、遠距離が3m~6mとなる。この条件で、本実施形態を適用することにより、6m未満の距離でも分解能を1%以下程度に良化させることが可能となる。この条件でさらに遠距離を測定する場合は測定モードM3~M5の何れか用いて、1つの画素321に設けられる電荷蓄積部CSの数を四個にする。これにより、本実施形態(本発明の駆動と記載)では、測定範囲が9mに到達するまで、近い距離から距離精度を維持したままより遠い範囲を測定できるようになる。更に遠い範囲まで測定するには、電荷蓄積部の数を4個以上にする必要がある。
(第2の実施形態の効果)
ここで第2の実施形態の効果について説明する。第2の実施形態では、画素321には四つの電荷蓄積部CSが設けられる。測定モードM4の動作(図12のタイミングチャートで規定される動作)を適用することによって距離の測定を試みた。
また、光パルスPOの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの振り分け時間Taを39[ns]とした。また、撮像対象とする空間において、距離画像撮像装置1から0.5mの距離に対象物TA(被写体OB)が存在していた。距離画像撮像装置1では、対象物TAからの反射光RLが画素GAに受光されるものとする。また、撮像対象とする空間において、距離画像撮像装置1から8.0mの距離に対象物TB(被写体OB)が存在していた。距離画像撮像装置1では、対象物TBからの反射光RLが画素GBに受光されるものとする。また、対象物TAにおける光パルスPOの反射率は80%であった。また、電荷蓄積部CS4を、外光に対応する電荷が蓄積される電荷蓄積部CSに固定した。
上述したような設定条件で動作を実施すると、近距離からの反射光RLが受光される画素GAは、比較的早い段階で飽和した。この構成で、積算回数(振り分け回数とも言う)5000回(露光時間170μsに相当する)で飽和した。従来の動作では、8mの距離にある対象物TBからの反射光RLが受光される画素GBも、積算回数が5000回となる。
この場合、遠い距離からの反射光RLの光量が減衰されて受光されるため、電荷蓄積部CSに蓄電できる電荷量が少ない。このため、露光時間が短く、外光で発生する電荷量と大きな差がなくなり、ノイズに埋もれやすく正確な距離計算が困難となる。このような従来例で動作させた結果、距離分解能は10%となった。これは、8mの距離に存在する物体(被写体OB)が、7.2m~8.8mの範囲で測定されたことを示している。
これに対し、第2の実施形態の測定モードM4では、近距離受光画素については積算回数5000回で距離を測定したが、遠距離受光画素では電荷蓄積部CS1への電荷の振り分けを停止させるようにして電荷の振り分けを実施し、積算回数が合計250000回(露光時間8500μs)となるまで飽和させることなく電荷を蓄積することができた。距離計算では、第1電荷蓄積部に蓄積されている電荷に対して、8500/170を補正値として乗算させることで、電荷量を補正した。この結果、8mの距離に存在する対象物における距離分解能は、0.5%となった。これは、8mの距離に存在する物体(被写体OB)が、7.96m~8.04mの範囲で測定されることを示している。
今回の条件下では、第1の実施例も第2の実施例も同様の結果となった。今回の実施例では、光パルスPOの照射時間To、及び電荷蓄積部CSへの振り分け時間Taが39nsに設定している。これは、照射時間Toが大きい値に設定されている為、遅延電荷の発生量が少なく、遅延電荷の影響が少ない条件に相当する。距離の精度を向上させるために、照射時間Toが小さい値に設定されている場合、遅延電荷の発生量が多くなりやすい。このため、電荷蓄積部CSの数が多い第2の実施形態の方がより適していると考えられる。しかし、第2の実施形態では、実装が困難となりやすい為、設定する条件に応じて適している構造及び動作タイミングが設定されることが望ましい。
以上説明したように、第1の実施形態に係る距離画像撮像装置1は、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。光源部2は、測定空間Eに光パルスPOを照射する。受光部3は、入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子PD、及び前記電荷を蓄積する複数の電荷蓄積部CSを具備する画素と、光パルスPOの照射に同期させた所定の蓄積タイミングで、電荷蓄積部CSのそれぞれに電荷を振り分けて蓄積させる垂直走査回路323(画素駆動回路)と、を有する。距離画像処理部4は、電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積された電荷量に基づいて、測定空間Eに存在する被写体OBまでの距離を測定する。距離画像処理部4は、1フレーム期間において、電荷蓄積部CSのそれぞれの露光時間が互いに異なる時間となるように、1回の振り分け処理において電荷蓄積部CSに電荷を蓄積させる蓄積時間Ta、又は1フレーム期間に振り分け処理を行う回数(振り分け回数)を制御する。
これにより、第1の実施形態に係る距離画像撮像装置1では、画素が備える複数の電荷蓄積部のそれぞれに互いに異なる露光時間で電荷を蓄積させることができる。したがって、近距離にある物体と遠距離にある物体とを精度よく測定することが可能となる。
ここで、比較例として、1フレームに複数の測定ステップを設ける代わりに、1フレームに複数のサブフレームを設け、サブフレーム単位で露光時間を変更し、サブフレームの動作が終了する度に読み出しを行う構成を考える。この場合、パルス幅(蓄積時間Ta)を小さくしても、サブフレーム毎に積算回数を十分に取りつつサブフレーム数を増加させることによって測定距離を伸ばすことができる。その結果、測定距離を伸ばしながら測定の精度を向上させることができるというメリットがある。その半面、サブフレームの動作が終了する度に読み出しを行う必要があり、読み出し時間が多くなり、測定に時間がかかってしまう、というデメリットがある。また、読みだしたデータを保持するためのデータ格納領域が必要となる。また、サブフレームの数が多い場合には、露光時間が少なくなり測定精度の維持が困難になる傾向となる。また、サブフレームの数が多い場合には制御が複雑となる傾向にある。
これに対し、第1の実施形態では、1フレームに複数の測定ステップを設けているが、1フレームの動作が終了した後に、一度だけデータの読み出しを行えばよい。このため、1フレームあたりの読み出しに要する時間を抑えることができ、1フレーム内の露光時間をより多く確保することが可能である。
また、第1の実施形態では、測定ステップのそれぞれで、全く異なる動作をするものではなく、電荷を蓄積させない読み出しゲートトランジスタGのみがオン状態とならないように制御される以外は、1フレームに渡って同じ動作で制御される。このため、ステップ数が増えても制御が容易である。
上述した実施形態における距離画像撮像装置1、距離画像処理部4の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。