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JP7662995B2 - マーカー - Google Patents
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JP7662995B2 - マーカー - Google Patents

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Description

本発明は、マーカーに関するものである。
各種自動制御機器が対象物を認識するためにマーカーを対象物に取り付けて、高精度な自動制御を実現することが行われている。このようなマーカーは、例えば、生産現場におけるロボットの制御に用いられたり、宇宙ミッションに用いられたりしている。
従来、このマーカーとしては、簡単に作成することができるといった理由から、紙にマークを印刷したものが広く用いられていた。しかし、このような簡易的なマーカーでは、マークの境界線が不明瞭であったり、紙の伸縮によってマークの大きさや複数のマークの間隔が変化してしまったりして、高精度な制御が必要な場合には、十分な精度を確保できなかった。
そこで、高精度なマーカーを実現する技術として、特許文献1には、金属板に切削加工により孔を空けて樹脂を埋め込んでマーカーとする技術が開示されている。しかし、特許文献1の技術では、観察環境によっては、金属板の表面や樹脂の表面に太陽光や照明光等が表面で反射してしまい、正しくマーカーを認識できない場合があった。
特開平5-312521号公報
本発明の課題は、太陽光や照明光等がマーカーに当たるような環境下であっても、認識しやすいマーカーを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、観察位置に対する距離と、観察位置に対する相対的な傾きの角度との少なくとも一方を検出するために用いられるマーカー(1)であって、観察側から、少なくとも直線偏光子(73)と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板(72)とがこの順で積層された第1反射防止層(70)を備えるマーカー(1)である。
第2の発明は、第1の発明に記載のマーカー(1)において、前記第1反射防止層(70)よりも観察側に、第2反射防止層(80)を備えること、を特徴とするマーカー(1)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載のマーカー(1)において、独立した形状として観察可能なマーク(2)が少なくとも3箇所に間隔を空けて配置されていること、を特徴とするマーカー(1)である。
第4の発明は、第3の発明に記載のマーカー(1)において、前記第1反射防止層(70)は、前記マーク(2)を覆い、かつ、前記マーク(2)よりも大きい範囲に島状に設けられていること、を特徴とするマーカー(1)である。
第5の発明は、第3の発明に記載のマーカー(1)において、前記第1反射防止層(70)は、前記マーク(2)とその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、を特徴とするマーカー(1)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載のマーカー(1)において、透明な基材層(10)と、前記基材層(10)の一方の面上の少なくとも一部の領域に設けられ、複数の第1表示線(21)が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第1パターン(23)と、前記基材層(10)の厚さ方向において前記第1パターン(23)と間隔を空けて設けられ、複数の第2表示線(41)が前記一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第2パターン(43)と、を備え、前記第1パターン(23)と前記第2パターン(43)との組み合わせによってモアレを表示するモアレ表示領域(3、4)を有すること、を特徴とするマーカー(1)である。
第7の発明は、第6の発明に記載のマーカー(1)において、前記直線偏光子(73)及び前記1/4波長板(72)は、前記モアレ表示領域(3、4)を覆い、かつ、前記モアレ表示領域(3、4)よりも大きい範囲に島状に設けられていること、を特徴とするマーカー(1)である。
第8の発明は、第6の発明に記載のマーカー(1)において、前記直線偏光子(73)及び前記1/4波長板(72)は、前記モアレ表示領域(3、4)とその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、を特徴とするマーカー(1)である。
本発明によれば、太陽光や照明光等がマーカーに当たるような環境下であっても、認識しやすいマーカーを提供することができる。
本発明によるマーカーの実施形態を示す図である。 図1中の矢印A-Aの位置でマーカーを切断した断面図である。 図2中の範囲Cを拡大して示した図である。 第1反射防止層70及び第2反射防止層80の効果を示すグラフである。 マーカー1を斜め方向から見た状態を示す図である。 第1の層20と第2の層30の色を入れ替えた変形形態を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明によるマーカーの実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
マーカー1は、図1に示すように後述する第2反射防止層80が設けられている表面の法線方向から見たときに、略正方形形状である板状に構成されており、マーク2と、モアレ表示領域3、4とを備えている。本実施形態では、表面側から見た形状が60mm×60mmの正方形形状に形成されている。マーカー1は、マーク2がどのように観察されるかによって、撮影位置とマーカー1との相対的な位置関係を検出(以下、単に位置検出とも呼称する)し、さらに、モアレ表示領域3、4に表示されるモアレがどのように観察されるかによって、より精度の高い位置検出を可能とする。なお、マーカー1は、図1において示されている面が観察される表側(表面)であり、その反対側が裏側(裏面)であり、後述する図2では、第2反射防止層80が設けられている側が観察される表側(表面)である。なお、マーカー1の外形は、上記例に限らず、例えば、10mm×10mm、20mm×20mm、40mm×40mm、44mm×44mm、80mm×80mm等、適宜変更可能である。
マーク2は、図1における上側の2カ所の隅付近に2カ所と、下側の左右中央付近に1カ所、合計3つのマークが間隔を空けて配置されている。マーク2は、独立した形状のマークとして観察可能に構成されている。なお、独立した形状のマークとは、複数のマークが繋がっておらず、それぞれが個別に認識可能な形態となっていることを指している。
マーク2は、少なくとも3つ配置されていることが望ましい。マーク2の観察結果から、例えば、マーク2の重心位置を3点算出すれば、観察位置(カメラ等)とマーカー1との相対的な位置や距離、傾きを正確に検出することができるからである。また、マーク2の数が3つよりも多くなれば、例えば、一部のマーク2が何らかの障害によって不鮮明に観察されるような場合に、残るマーク2の観察結果から、位置検出が可能である。また、複数のマーク2を利用することにより、位置検出の精度を高めることもできる。
また、本実施形態では、マーク2は、円形状に構成したが、円形状に限らず、三角形や四角形等の多角形形状としてもよいし、その他の形状としてもよい。
モアレ表示領域3、4は、モアレMを表示する。図1では、モアレ表示領域3、4の双方とも、モアレMがモアレ表示領域3、4の中央に表示されている状態を示している。このモアレMが表示される位置は、マーカー1と観察位置との相対位置(角度)が変化すると移動する。本実施形態では、モアレ表示領域3、4は、いずれも長手方向の長さが30mmとなっており、モアレMは、この長手方向に沿って表示される位置が移動する。モアレ表示領域3とモアレ表示領域4とは、その長手方向が直交して配置されている。モアレ表示領域3、4は、配置方向が異なる他は、同様な構成をしているので、以下の説明では、モアレ表示領域3について説明を行う。
図2は、図1中の矢印A-Aの位置でマーカーを切断した断面図である。
マーカー1は、基材層10と、第1の層20と、第2の層30と、第3の層40と、反射層50と、粘着層61と、第1反射防止層70と、粘着層62と、第2反射防止層80とを備え、薄い板状に構成されている。これらの層が積層されている順番は、裏面側から、反射層50、第3の層40、基材層10、第1の層20、第2の層30、粘着層61、第1反射防止層70、粘着層62、第2反射防止層80の順となっている。
基材層10は、ガラス板により構成されている。基材層10をガラス板により構成することにより、温度変化や吸湿によってマーカー1が伸縮することを抑えることができる。ガラス板の線膨張係数は、例えば、31.7×10-7/℃程度であり、温度変化による寸法変化が非常に小さい。また、セラミックスの線膨張係数は、例えば、28×10-7/℃程度であり、ガラスと同様に温度変化による寸法変化が非常に小さい。よって、セラミックスを基材層に用いてもよい。温度変化による寸法変化を抑えるために、基材層10は、線膨張係数が35×10-6/℃以下であることが望ましい。
基材層10の層厚は、0.3mm以上、2.3mm以下とすることが望ましい。基材層10の層厚が0.3mm未満では、切断加工時に割れるために追加工できず、2.3mmより厚いと多面付基板とした場合には、重量が大きすぎて搬送ができないためである。本実施形態の基材層10の層厚は、0.7mmである。
第1の層20は、黒色(第1の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第1の層20を構成するレジスト材料は、フォトリソグラフィー工程において用いられる感光性を備えたレジスト材料に現像処理を行った結果、感光性を失った後の状態のレジスト材料である。第1の層20(黒色の場合)に用いるレジスト材料としては、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を例示することができる。なお、黒色に着色する材料としては、カーボン、黒化チタン、酸化ニッケル等を例示することができる。
本実施形態では、第1の層20をレジスト材料により形成したので、第1の層20の表面を非常に滑らかに形成することができ、後述の第2の層30を形成する下地として望ましい。また、第1の層20をレジスト材料により形成したので、以下に説明する第1パターン23を精度よくかつ簡単に作製することができる。
第1の層20(黒色の場合)の層厚は、1μm以上、5μm以下とすることが、望ましい。第1の層20の層厚が1μm以下では均一形成できず、5μmより厚いと紫外線による樹脂の硬化反応性が不足するためである。
第1の層20は、マーク2の黒色に見える部分を構成している。また、第1の層20は、モアレ表示領域3にモアレを表示するための第1パターン23を構成している。第1パターン23は、基材層10の一方の面上(表面上)のモアレ表示領域3となる領域に配置されている。
第1パターン23には、モアレ表示領域3の長手方向において第1表示線21が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第1表示線21の間の第1表示線21が設けられていない部位は、第1非表示領域22であり、第1表示線21と第1非表示領域22とが交互に並ぶ構成となっている。第1パターン23は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
第2の層30は、白色(第2の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第2の層30を構成するレジスト材料は、フォトリソグラフィー工程において用いられる感光性を備えたレジスト材料に現像処理を行った結果、感光性を失った後の状態のレジスト材料である。第2の層30(白色の場合)に用いるレジスト材料としては、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を例示することができる。なお、白色に着色する材料としては、酸化チタン、ジルコニア、チタン酸バリウム等を例示することができる。
第2の層30には、マーク2となる位置を開口して第1の層20を可視化する開口部31が3箇所設けられており、また、モアレ表示領域3、4となる位置を開口して第1の層20及び第3の層40を可視化する開口部32が2箇所設けられている。これら開口部31及び開口部32は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
第2の層30の層厚は、3μm以上、100μm以下とすることが望ましい。第2の層30の層厚が3μmよりも薄いと、下地の第1の層20が透けて観察されてしまい、コントラストが低下して、マーク2の視認性(自動認識による検出されやすさ)が低下するからである。また、第2の層30の層厚が100μmよりも厚いと、斜め方向からマーク2を観察する場合に、開口部31の周縁部において第2の層30の陰となって第1の層20が見えなくなる領域が増大し、観察されるマーク2の形状の歪みが増大してしまうからである。
第3の層40は、黒色(第1の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第3の層40は、第1の層20と同様な材料によって構成されており、好ましい膜厚も、第1の層20と同様である。第3の層40をレジスト材料により形成したので、以下に説明する第2パターン43を精度よくかつ簡単に作製することができる。
第3の層40には、モアレ表示領域3にモアレを表示するための第2パターン43が設けられている。第2パターン43は、基材層10の裏面上のモアレ表示領域3となる領域に第1パターン23と対向して配置されている。なお、本実施形態では、基材層10の一方の面に第1パターン23を設け、他方の面に第2パターン43を設けているが、それぞれを他の基材等に設けた後に、張り合わせて作製される構成としてもよい。
第2パターン43には、モアレ表示領域3の長手方向において第2表示線41が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第2表示線41の間の第2表示線41が設けられていない部位は、第2非表示領域42であり、第2表示線41と第2非表示領域42とが交互に並ぶ構成となっている。第2パターン43は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
反射層50は、マーカー1の表側(観察側)から開口部32を通って到達する光を表側へ反射する層である。反射層50は、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を用いて構成することができ、第1表示線21及び第2表示線41とのコントラストを高めるために白色であることが望ましい。なお、白色に着色する材料としては、酸化チタン、ジルコニア、チタン酸バリウム等を例示することができる。
ここで、反射層50としては、本実施形態のようにマーカー1と一体となるように密着して積層された構成の他、マーカー1の裏面側に別部材の反射部材等を配置する構成としてもよい。しかし、モアレMを格段に見やすくすることができる点で、マーカー1と一体となるように密着して反射層50を積層して配置する本実施形態の構成の方が、より望ましい。この理由について、以下に説明する。
本来観察したいモアレMは、第1表示線21と第2表示線41との干渉によって観察されるモアレである。しかし、第1表示線21のみ、及び、第2表示線41のみであっても条件によっては不要なモアレ(余分なノイズ像)が発生する。第2表示線41の側面部、すなわち、第2表示線41の第2非表示領域42側に存在する端面部において散乱して観察者側へ戻る光によって第2表示線41の不要なモアレが発生すると、本来見せたいモアレMと干渉してモアレMを観察する邪魔になっていると考えられる。よって、反射層50が第2非表示領域42を埋めるように設けられることにより、上記現象を回避でき、モアレMをより鮮明に観察できる。
上記理由から、反射層50は、少なくとも第2非表示領域42に設けられていればよいが、図2に示すように、第2表示線41の裏面側を覆うように設けられていることが望ましい。この理由は、第2表示線41の裏面側のエッジ部分からの光の跳ね返りが抑えられ、周期性のある跳ね返り光の主要成分が消せるからである。
粘着層61は、第1反射防止層70を第1の層20上及び第2の層30上に貼り付けるための粘着剤の層である。粘着層61は、例えば、PMMA、ウレタン、シリコーン等を用いて構成することができる。
粘着層61の層厚は、0.5μm以上、50μm以下とすることが、望ましい。粘着層61の層厚が0.5μm未満だと、均一加工が難しい上、下地の凹凸を吸収できないからである。また、粘着層61の層厚が50μmより厚くなると、厚塗り加工時の溶剤除去に手間取る上、コスト高になるからである。
また、粘着層61は、第1反射防止層70が設けられている範囲と同じ範囲にのみ設けられている。
図3は、図2中の範囲Cを拡大して示した図である。
第1反射防止層70は、マーク2と、モアレ表示領域3、4との上にこれらを覆い、かつ、これらよりも僅かに大きい範囲に島状に設けられている。具体的には、第1反射防止層70は、マーク2よりも片側(半径)で2~3mm大きい範囲に島状に設けられている。同様に、第1反射防止層70は、モアレ表示領域3、4よりも片側(片側の拡大幅)で2~3mm大きい範囲に島状に設けられている。
第1反射防止層70を島状に設け、他の部位には第1反射防止層70を設けないことにより、必要に応じて後から容易に第1反射防止層70を設けることができる。また、太陽光線等の強い光が1つの島状の第1反射防止層70のみに入射した際、第1反射防止層70(第1反射防止層基材71を含む)が繋がっていると、第1反射防止層基材71が導光板となって他の島状の第1反射防止層70に伝搬されて他の島にも影響が及ぶことを未然に防止することができる。
第1反射防止層70は、透明フィルム材である第1反射防止層基材71に、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板72、直線偏光子73を順次積層して構成される。第1反射防止層70は、第1反射防止層基材71に設けられた粘着層61により第1の層20上及び第2の層30上に配置される。この第1反射防止層70は、外来光を直線偏光子73により直線偏光に偏光した後、続く1/4波長板により円偏光に変換する。この円偏光に変換された外来光は、第1の層20及び第2の層30における反射により回転方向が逆向きとなり、さらに、1/4波長板72により直線偏光に変換される。ここで、反射光の円偏光の回転方向が入射時とは逆向きであることから、1/4波長板72により直線偏光に変換される直線偏光の向きは、入射時に直線偏光に変換されたときの向きと直交する向きとなる。したがって、反射光が変換された直線偏光は、直線偏光子73によって遮光されて、効率よく反射光を減少させることができる。
第1反射防止層基材71は、第1の層20及び第2の層30を観察できるように、透明な樹脂により構成されている。
1/4波長板72は、液晶材料、フィルム材等により作製することができる。フィルム材としては、シクロオレフィンポリマーの延伸フィルム、アクリル系の延伸フィルム等を適用することができる。また、液晶材料を用いる場合には、液晶材料の配向に供する配向膜が作製された後、塗工液が塗布され、その後、乾燥、硬化して作製される。
粘着層62は、第2反射防止層80を第1反射防止層70上に貼り付けるための粘着剤の層であり、先に説明した粘着層61と同様な材料を用いることができる。
第2反射防止層80は、粘着層62を介して、第1反射防止層70と同じ大きさで、すなわち島状の形態で第1反射防止層70の上に設けられており、いわゆるAR(反射防止)効果を発揮する。第2反射防止層80は、例えば、特許第3332482号、特許第4712236号等に記載されている反射防止フィルムを適用することができ、本実施形態では、その中の一形態を利用している。第2反射防止層80を島状に設けることにより、上述した第1反射防止層70を島状に設けることにより得られる効果と同様な効果を得ることができる。
第2反射防止層80は、第2反射防止層基材81と、高屈折率層82と、低屈折率層83とを有している。
第2反射防止層基材81は、一方の面に粘着層62が積層されており、他方の面に高屈折率層82が積層されている。第2反射防止層基材81は、第1の層20及び第2の層30を観察できるように、透明な樹脂により構成されている。
本実施形態では、可視光下でマーカー1が利用されることを想定しており、粘着層61と、粘着層62と、第2反射防止層基材81とは、白色光に対して透明となるように構成されている。具体的には、粘着層61と、粘着層62と、第2反射防止層基材81とは、それぞれ、光の波長が400nm~700nmの領域における、全光線透過率が90%以上とすることが望ましい。第1反射防止層70は直線偏光板を含むので全光線透過率は40%以上とすることが望ましい。より望ましくは、粘着層61と、第1反射防止層70と、粘着層62と、第2反射防止層基材81とをまとめて測定した状態において、光の波長が400nm~700nmの領域における、全光線透過率が30%以上とすることが望ましい。
第2反射防止層基材81の層厚は、7μm以上、250μm以下とすることが、望ましい。第2反射防止層基材81の層厚が7μm未満だと、ラミネーション加工が難しいからである。また、第2反射防止層基材81の層厚が250μmより厚くなると、嵩や重量が大きくなりすぎる上、コスト高になるからである。
また、第2反射防止層基材81の屈折率は1.45以上、1.55以下であることが好ましい。
また、第2反射防止層基材81は、その上に形成される高屈折率層82及び低屈折率層83よりも相対的に厚みが厚いものであることが必要である。その理由は、第2反射防止層基材81が薄いと、光の干渉の式に関する項として取り扱う必要があるが、第2反射防止層基材81が厚いとこの項を無視することができるからである。
高屈折率層82は、相対的に低屈折率層83よりも屈折率が高い層であり、第2反射防止層基材81上に設けられている。
低屈折率層83は、相対的に高屈折率層82よりも屈折率が低い層であり、高屈折率層82上に設けられている。
なお、本実施形態では、高屈折率層82と低屈折率層83との2層が積層されている構成を例示したが、特許第3332482号、特許第4712236号等に記載されている各種構成を適用することができる。
また、粘着層61と、第1反射防止層70と、粘着層62と、第2反射防止層基材81とを合わせた特性として、全光線透過率が10%以上であることが望ましい。この全光線透過率が10%未満だと、十分な光量が確保できないからである。
図4は、第1反射防止層70及び第2反射防止層80の効果を示すグラフである。
第1反射防止層70及び第2反射防止層80を設けることによる効果を確認するために、実際にマーカーを第1反射防止層70及び第2反射防止層80の有無で2種類作製した。さらに、比較のため、第1反射防止層70及び第2反射防止層80の代わりに表面に微細凹凸形状が賦形されたいわゆるマットフィルムを貼り付けたマーカーを作製した。そして、3種類のマーカーのマーク2の位置に対して反射光が強くカメラに戻ってくるように照明を当ててこれらを撮影し、マーク2の白黒反転する部位付近の光強度の位置による変化を数値化して図4に示した。図中のL1は、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられていない、すなわちマーク2の表面に何も設けていないマーカーの結果である。L2は、マットフィルムを貼り付けたマーカーの結果である。L3は、本実施形態のマーカー、すなわち、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果である。
図4に示すように、マーク2の表面に何も設けていないマーカーの結果(L1)では、照明光の反射がそのまま波形として表れており(画素位置 0.10~0.30 付近)、マーク2の形状に対応する波形は見られなかった。なお、第2反射防止層80がない場合の光強度が強すぎ、計測限界(2.50E+02)を超えている。
マットフィルムを設けたマーカーの結果(L2)では、マーク2の位置に対応して白色部分の光強度(画素位置 0~0.25 付近)と黒色部分の光強度(画素位置 0.25~0.35 付近)とを分けて認識可能なデータが得られた。しかし、マットフィルムによる光の拡散作用によって、黒が浮いている(画素位置 0.25~0.35 付近)、言い換えると、黒色部分の光強度が高くなっていることが分かる。黒が浮く理由は、マットフィルムの拡散作用によって白色部分の光が黒色部分に侵入して来るためと考えられる。黒色部分の光強度が大きくなるとコントラストが低下するから、マーク2を撮影して位置検出を行う場合に検出精度の低下が懸念される。
これらに対して、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果(L3)では、マーク2の位置に対応して適切に白色部分の光強度(画素位置 0~0.25 付近)と黒色部分の光強度(画素位置 0.25~0.35 付近)とを分けて認識可能なデータが得られた。
また、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果(L3)では、全体として光強度が低下しているが、これにより特に黒色の光強度の低下が顕著(画素位置 0.25~0.35 付近)である。よって、得られる映像のコントラストが非常に良好となり、位置検出をより精度よく行うことができる。
図4を見て分かる通り、第1反射防止層70及び第2反射防止層80をマーク2とその周辺部を跨ぐように配置すれば、マークの形状(輪郭)を鮮明にカメラで捉えることができる。
なお、第1反射防止層70及び第2反射防止層80をマーク2と同じ形状及び大きさで、マーク2上のみに配置した場合は、透明な基材層の部分や1/4波長板が導光板の働きをしてしまうので、透明な基材層の部分や1/4波長板の端部から光が放出されて、マークの形状(輪郭)が不鮮明になってしまう不具合が生じる。
次に、本実施形態のマーカー1の使用方法の一例を説明する。
図5は、マーカー1を斜め方向から見た状態を示す図である。図5は、図2中に矢印Bで示した斜め方向からマーカー1を観察しているが、図1中の上下方向については傾かずに観察している状態を例示した。
マーカー1をその法線方向から傾いた斜め方向から観察すると、例えば、図5に示すように、モアレ表示領域3のモアレMがモアレ表示領域3の長手方向で移動して観察される。なお、マーカー1をその法線方向からモアレ表示領域4の長手方向に傾いた上下の斜め方向から観察すれば、モアレ表示領域4のモアレMがモアレ表示領域4の長手方向で移動して観察される。よって、モアレ表示領域3のモアレMとモアレ表示領域4のモアレMとの双方を観察することにより、マーカー1と観察位置との相対的な位置(傾きの角度)を正確に検出することができる。すなわち、マーカー1は、撮像部及び演算部と組み合わせて用いることにより、角度センサの一部を構成することができる。
ここで、モアレMは、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置に移動すると、別のモアレが観察されるようになり、モアレが次々に観察される。したがって、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置にある場合には、正しい位置検出ができない場合がある。
しかし、本実施形態のマーカー1は、マーク2を備えている。マーク2による位置検出は、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置にあっても位置検出が可能である。一方、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出は、マーク2による位置検出よりもさらに高い精度で位置検出が可能である。したがって、マーク2を用いた位置検出と、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出とを併用することによって、モアレ表示領域3、4のみを用いる場合よりも、適用範囲を拡大することができる。すなわち、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置にあってもマーク2によって位置検出を行い、その検出結果に応じて観察位置を自動的に移動して、最終的な高精度な位置制御が必要な段階で、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出を行うことができる。
そして、上述したように観察位置とマーカー1との相対的な位置は、様々な位置関係となることが想定される。よって、照明光や太陽光等が観察位置に向かって正反射するような位置関係となる場合もある。そのような場合であっても、本実施形態のマーカー1は、第1反射防止層70及び第2反射防止層80を有しているので、反射光を適切に拡散することができ、マーカーのマーク2、及び、モアレ表示領域3、4を観察可能な状況を増やすことができる。
以上説明したように、本実施形態のマーカー1によれば、照明光や太陽光によってマーカー1の示す指標等の認識が困難となる状況を改善することができ、太陽光や照明光等がマーカーに当たるような環境下であっても、認識しやすいマーカーを提供できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、第1反射防止層70及び第2反射防止層80は、シート状の部材を貼り付ける例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第1反射防止層70及び第2反射防止層80を形成する層を直接、積層する等して構成してもよい。
(2)実施形態において、第1反射防止層70及び第2反射防止層80の2種類の反射防止層を設ける例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第2反射防止層80を省略してもよい。
(3)第2反射防止層80は、いわゆるAR(反射防止)効果を発揮する層を設ける例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第2反射防止層として微細凹凸を備えたマットフィルム等を設けてもよい。
(4)実施形態において、第1反射防止層70及び第2反射防止層80は、部分的に島状に設ける例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第1反射防止層70及び第2反射防止層80は、マーカーの全面に設けてもよい。
(5)実施形態において、第1の層20を黒色とし、第2の層30を白色として構成する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、図6に示すように、第1の層20を白色とし、第2の層30を黒色としてもよいし、黒と白の組み合わせに限らず、青と黄色等、他の色を組み合わせて構成してもよい。さらに、第3の色に観察される第3の層を追加する等して、3色以上で観察されるより多くの層が積層された構成としてもよい。また、本発明における色の違いには、RGBの組み合わせにより表現される色彩の違いに限らず、単色の多階調表現による違いも含めることができる。
1 マーカー
2 マーク
3 モアレ表示領域
4 モアレ表示領域
10 基材層
20 第1の層
21 第1表示線
22 第1非表示領域
23 第1パターン
30 第2の層
31 開口部
32 開口部
40 第3の層
41 第2表示線
42 第2非表示領域
43 第2パターン
50 反射層
61 粘着層
62 粘着層
70 第1反射防止層
71 第1反射防止層基材
72 1/4波長板
73 直線偏光子
80 第2反射防止層
81 第2反射防止層基材
82 高屈折率層
83 低屈折率層

Claims (6)

  1. 観察位置に対する距離と、観察位置に対する相対的な傾きの角度との少なくとも一方を検出するために用いられるマーカーであって、
    独立した形状として観察可能なマークが少なくとも3箇所に間隔を空けて配置されており、
    観察側から、少なくとも直線偏光子と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板とがこの順で積層された第1反射防止層を備え
    前記第1反射防止層は、前記マークを覆い、かつ、前記マークよりも大きい範囲に島状に設けられているマーカー。
  2. 請求項1に記載のマーカーにおいて、
    前記第1反射防止層よりも観察側に、第2反射防止層を備えること、
    を特徴とするマーカー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のマーカーにおいて、
    前記第1反射防止層は、前記マークとその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、
    を特徴とするマーカー。
  4. 請求項1から請求項までのいずれかに記載のマーカーにおいて、
    透明な基材層と、
    前記基材層の一方の面上の少なくとも一部の領域に設けられ、複数の第1表示線が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第1パターンと、
    前記基材層の厚さ方向において前記第1パターンと間隔を空けて設けられ、複数の第2表示線が前記一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第2パターンと、
    を備え、
    前記第1パターンと前記第2パターンとの組み合わせによってモアレを表示するモアレ表示領域を有すること、
    を特徴とするマーカー。
  5. 請求項に記載のマーカーにおいて、
    前記直線偏光子及び前記1/4波長板は、前記モアレ表示領域を覆い、かつ、前記モアレ表示領域よりも大きい範囲に島状に設けられていること、
    を特徴とするマーカー。
  6. 請求項に記載のマーカーにおいて、
    前記直線偏光子及び前記1/4波長板は、前記モアレ表示領域とその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、
    を特徴とするマーカー。
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