JP7662995B2 - マーカー - Google Patents
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Description
従来、このマーカーとしては、簡単に作成することができるといった理由から、紙にマークを印刷したものが広く用いられていた。しかし、このような簡易的なマーカーでは、マークの境界線が不明瞭であったり、紙の伸縮によってマークの大きさや複数のマークの間隔が変化してしまったりして、高精度な制御が必要な場合には、十分な精度を確保できなかった。
図1は、本発明によるマーカーの実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
マーク2は、少なくとも3つ配置されていることが望ましい。マーク2の観察結果から、例えば、マーク2の重心位置を3点算出すれば、観察位置(カメラ等)とマーカー1との相対的な位置や距離、傾きを正確に検出することができるからである。また、マーク2の数が3つよりも多くなれば、例えば、一部のマーク2が何らかの障害によって不鮮明に観察されるような場合に、残るマーク2の観察結果から、位置検出が可能である。また、複数のマーク2を利用することにより、位置検出の精度を高めることもできる。
また、本実施形態では、マーク2は、円形状に構成したが、円形状に限らず、三角形や四角形等の多角形形状としてもよいし、その他の形状としてもよい。
マーカー1は、基材層10と、第1の層20と、第2の層30と、第3の層40と、反射層50と、粘着層61と、第1反射防止層70と、粘着層62と、第2反射防止層80とを備え、薄い板状に構成されている。これらの層が積層されている順番は、裏面側から、反射層50、第3の層40、基材層10、第1の層20、第2の層30、粘着層61、第1反射防止層70、粘着層62、第2反射防止層80の順となっている。
基材層10の層厚は、0.3mm以上、2.3mm以下とすることが望ましい。基材層10の層厚が0.3mm未満では、切断加工時に割れるために追加工できず、2.3mmより厚いと多面付基板とした場合には、重量が大きすぎて搬送ができないためである。本実施形態の基材層10の層厚は、0.7mmである。
本実施形態では、第1の層20をレジスト材料により形成したので、第1の層20の表面を非常に滑らかに形成することができ、後述の第2の層30を形成する下地として望ましい。また、第1の層20をレジスト材料により形成したので、以下に説明する第1パターン23を精度よくかつ簡単に作製することができる。
第1の層20(黒色の場合)の層厚は、1μm以上、5μm以下とすることが、望ましい。第1の層20の層厚が1μm以下では均一形成できず、5μmより厚いと紫外線による樹脂の硬化反応性が不足するためである。
第1パターン23には、モアレ表示領域3の長手方向において第1表示線21が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第1表示線21の間の第1表示線21が設けられていない部位は、第1非表示領域22であり、第1表示線21と第1非表示領域22とが交互に並ぶ構成となっている。第1パターン23は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
第2の層30には、マーク2となる位置を開口して第1の層20を可視化する開口部31が3箇所設けられており、また、モアレ表示領域3、4となる位置を開口して第1の層20及び第3の層40を可視化する開口部32が2箇所設けられている。これら開口部31及び開口部32は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
第2パターン43には、モアレ表示領域3の長手方向において第2表示線41が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第2表示線41の間の第2表示線41が設けられていない部位は、第2非表示領域42であり、第2表示線41と第2非表示領域42とが交互に並ぶ構成となっている。第2パターン43は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
上記理由から、反射層50は、少なくとも第2非表示領域42に設けられていればよいが、図2に示すように、第2表示線41の裏面側を覆うように設けられていることが望ましい。この理由は、第2表示線41の裏面側のエッジ部分からの光の跳ね返りが抑えられ、周期性のある跳ね返り光の主要成分が消せるからである。
粘着層61の層厚は、0.5μm以上、50μm以下とすることが、望ましい。粘着層61の層厚が0.5μm未満だと、均一加工が難しい上、下地の凹凸を吸収できないからである。また、粘着層61の層厚が50μmより厚くなると、厚塗り加工時の溶剤除去に手間取る上、コスト高になるからである。
また、粘着層61は、第1反射防止層70が設けられている範囲と同じ範囲にのみ設けられている。
第1反射防止層70は、マーク2と、モアレ表示領域3、4との上にこれらを覆い、かつ、これらよりも僅かに大きい範囲に島状に設けられている。具体的には、第1反射防止層70は、マーク2よりも片側(半径)で2~3mm大きい範囲に島状に設けられている。同様に、第1反射防止層70は、モアレ表示領域3、4よりも片側(片側の拡大幅)で2~3mm大きい範囲に島状に設けられている。
第1反射防止層70を島状に設け、他の部位には第1反射防止層70を設けないことにより、必要に応じて後から容易に第1反射防止層70を設けることができる。また、太陽光線等の強い光が1つの島状の第1反射防止層70のみに入射した際、第1反射防止層70(第1反射防止層基材71を含む)が繋がっていると、第1反射防止層基材71が導光板となって他の島状の第1反射防止層70に伝搬されて他の島にも影響が及ぶことを未然に防止することができる。
第2反射防止層80は、第2反射防止層基材81と、高屈折率層82と、低屈折率層83とを有している。
また、第2反射防止層基材81の屈折率は1.45以上、1.55以下であることが好ましい。
また、第2反射防止層基材81は、その上に形成される高屈折率層82及び低屈折率層83よりも相対的に厚みが厚いものであることが必要である。その理由は、第2反射防止層基材81が薄いと、光の干渉の式に関する項として取り扱う必要があるが、第2反射防止層基材81が厚いとこの項を無視することができるからである。
低屈折率層83は、相対的に高屈折率層82よりも屈折率が低い層であり、高屈折率層82上に設けられている。
なお、本実施形態では、高屈折率層82と低屈折率層83との2層が積層されている構成を例示したが、特許第3332482号、特許第4712236号等に記載されている各種構成を適用することができる。
第1反射防止層70及び第2反射防止層80を設けることによる効果を確認するために、実際にマーカーを第1反射防止層70及び第2反射防止層80の有無で2種類作製した。さらに、比較のため、第1反射防止層70及び第2反射防止層80の代わりに表面に微細凹凸形状が賦形されたいわゆるマットフィルムを貼り付けたマーカーを作製した。そして、3種類のマーカーのマーク2の位置に対して反射光が強くカメラに戻ってくるように照明を当ててこれらを撮影し、マーク2の白黒反転する部位付近の光強度の位置による変化を数値化して図4に示した。図中のL1は、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられていない、すなわちマーク2の表面に何も設けていないマーカーの結果である。L2は、マットフィルムを貼り付けたマーカーの結果である。L3は、本実施形態のマーカー、すなわち、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果である。
マットフィルムを設けたマーカーの結果(L2)では、マーク2の位置に対応して白色部分の光強度(画素位置 0~0.25 付近)と黒色部分の光強度(画素位置 0.25~0.35 付近)とを分けて認識可能なデータが得られた。しかし、マットフィルムによる光の拡散作用によって、黒が浮いている(画素位置 0.25~0.35 付近)、言い換えると、黒色部分の光強度が高くなっていることが分かる。黒が浮く理由は、マットフィルムの拡散作用によって白色部分の光が黒色部分に侵入して来るためと考えられる。黒色部分の光強度が大きくなるとコントラストが低下するから、マーク2を撮影して位置検出を行う場合に検出精度の低下が懸念される。
これらに対して、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果(L3)では、マーク2の位置に対応して適切に白色部分の光強度(画素位置 0~0.25 付近)と黒色部分の光強度(画素位置 0.25~0.35 付近)とを分けて認識可能なデータが得られた。
また、第1反射防止層70及び第2反射防止層80が設けられているマーカーの結果(L3)では、全体として光強度が低下しているが、これにより特に黒色の光強度の低下が顕著(画素位置 0.25~0.35 付近)である。よって、得られる映像のコントラストが非常に良好となり、位置検出をより精度よく行うことができる。
図4を見て分かる通り、第1反射防止層70及び第2反射防止層80をマーク2とその周辺部を跨ぐように配置すれば、マークの形状(輪郭)を鮮明にカメラで捉えることができる。
なお、第1反射防止層70及び第2反射防止層80をマーク2と同じ形状及び大きさで、マーク2上のみに配置した場合は、透明な基材層の部分や1/4波長板が導光板の働きをしてしまうので、透明な基材層の部分や1/4波長板の端部から光が放出されて、マークの形状(輪郭)が不鮮明になってしまう不具合が生じる。
図5は、マーカー1を斜め方向から見た状態を示す図である。図5は、図2中に矢印Bで示した斜め方向からマーカー1を観察しているが、図1中の上下方向については傾かずに観察している状態を例示した。
マーカー1をその法線方向から傾いた斜め方向から観察すると、例えば、図5に示すように、モアレ表示領域3のモアレMがモアレ表示領域3の長手方向で移動して観察される。なお、マーカー1をその法線方向からモアレ表示領域4の長手方向に傾いた上下の斜め方向から観察すれば、モアレ表示領域4のモアレMがモアレ表示領域4の長手方向で移動して観察される。よって、モアレ表示領域3のモアレMとモアレ表示領域4のモアレMとの双方を観察することにより、マーカー1と観察位置との相対的な位置(傾きの角度)を正確に検出することができる。すなわち、マーカー1は、撮像部及び演算部と組み合わせて用いることにより、角度センサの一部を構成することができる。
しかし、本実施形態のマーカー1は、マーク2を備えている。マーク2による位置検出は、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置にあっても位置検出が可能である。一方、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出は、マーク2による位置検出よりもさらに高い精度で位置検出が可能である。したがって、マーク2を用いた位置検出と、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出とを併用することによって、モアレ表示領域3、4のみを用いる場合よりも、適用範囲を拡大することができる。すなわち、観察位置がマーカー1の法線方向から大きくずれた位置にあってもマーク2によって位置検出を行い、その検出結果に応じて観察位置を自動的に移動して、最終的な高精度な位置制御が必要な段階で、モアレ表示領域3、4を用いた位置検出を行うことができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
2 マーク
3 モアレ表示領域
4 モアレ表示領域
10 基材層
20 第1の層
21 第1表示線
22 第1非表示領域
23 第1パターン
30 第2の層
31 開口部
32 開口部
40 第3の層
41 第2表示線
42 第2非表示領域
43 第2パターン
50 反射層
61 粘着層
62 粘着層
70 第1反射防止層
71 第1反射防止層基材
72 1/4波長板
73 直線偏光子
80 第2反射防止層
81 第2反射防止層基材
82 高屈折率層
83 低屈折率層
Claims (6)
- 観察位置に対する距離と、観察位置に対する相対的な傾きの角度との少なくとも一方を検出するために用いられるマーカーであって、
独立した形状として観察可能なマークが少なくとも3箇所に間隔を空けて配置されており、
観察側から、少なくとも直線偏光子と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板とがこの順で積層された第1反射防止層を備え、
前記第1反射防止層は、前記マークを覆い、かつ、前記マークよりも大きい範囲に島状に設けられているマーカー。 - 請求項1に記載のマーカーにおいて、
前記第1反射防止層よりも観察側に、第2反射防止層を備えること、
を特徴とするマーカー。 - 請求項1又は請求項2に記載のマーカーにおいて、
前記第1反射防止層は、前記マークとその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、
を特徴とするマーカー。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のマーカーにおいて、
透明な基材層と、
前記基材層の一方の面上の少なくとも一部の領域に設けられ、複数の第1表示線が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第1パターンと、
前記基材層の厚さ方向において前記第1パターンと間隔を空けて設けられ、複数の第2表示線が前記一定の配列方向に万線状に等間隔で配列された第2パターンと、
を備え、
前記第1パターンと前記第2パターンとの組み合わせによってモアレを表示するモアレ表示領域を有すること、
を特徴とするマーカー。 - 請求項4に記載のマーカーにおいて、
前記直線偏光子及び前記1/4波長板は、前記モアレ表示領域を覆い、かつ、前記モアレ表示領域よりも大きい範囲に島状に設けられていること、
を特徴とするマーカー。 - 請求項5に記載のマーカーにおいて、
前記直線偏光子及び前記1/4波長板は、前記モアレ表示領域とその周辺部の境界とを跨いで設けられていること、
を特徴とするマーカー。
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