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JP7664103B2 - 鉄道車両構体 - Google Patents
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Description

本発明は、鉄道車両構体の妻構体の構造に関する。
鉄道車両の構体は、床面をなす台枠と、台枠の幅方向の両端部に立設される側構体と、台枠の長手方向の両端部に立設される妻構体と、側構体及び妻構体の上端部に載置される屋根構体と、から構成される箱状態(六面体)である。妻構体は、妻構体を構成する外板の中心に穴あけされた貫通路を有し、その貫通路周辺は妻柱や妻カモイにより補強される。妻構体において、横骨を用いて外板を補強する例が、特許文献1に開示されている。
特開2010-260550号公報
特許文献1に、横骨が鉄道車両構体の幅(枕木)方向、又は高さ方向に向いて配置され妻構体の外板を横骨によって補強する構造体が記載されている。しかし、横骨を幅方向又は高さ方向に配置する構造と比較し、それにも増して、より高剛性な妻構体を構成すれば、鉄道車両構体の剛性や乗り心地を向上させることが期待できる。本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、妻構体の剛性を高めた鉄道車両構体を提供することにある。
妻構体を備えて構成される鉄道車両構体であって、妻構体に補強構造体を備え、補強構造体は、妻構体の幅方向と高さ方向との何れに対しても斜め方向に延設される。
本発明によれば、妻構体の剛性を高めた鉄道車両構体を提供できる。
本発明の適用対象となる鉄道車両構体(以下、「鉄道車両」又は単に「本構体」ともいう)の斜視図である。 本発明の実施例1に係る妻構体の正面図である。 図2に示した妻構体のA-A断面図である。 本発明の実施例2に係る妻構体の正面図である。 本発明の実施例3に係る妻構体の正面図である。 図5に示した妻構体のB-B断面図である。 本発明の実施例4に係る妻構体の正面図である。
以下、図面を用いて実施例の説明をする。まず、各方向を定義する。鉄道車両構体の長手(レール)方向をX方向、鉄道車両構体の幅(枕木)方向をY方向、鉄道車両構体の高さ(Z)方向をZ方向とする。以降、単に、X方向、Y方向、Z方向と記す場合がある。
図1は、本構体1の斜視図である。本構体1は、床面をなす台枠10と、台枠10のY方向の両端部に立設される側構体20と、台枠10のX方向の両端部に立設される妻構体40と、側構体20及び妻構体40の上端部に載置される屋根構体30と、を備えて構成される6面体である。
図1に示す妻構体40は、後ほど、図2に示す実施例1の妻構体40Aと、図4に示す実施例2の妻構体40Bと、図5に示す実施例3の妻構体40Cと、図7に示す実施例4の妻構体40Dと、に例示列挙されるが、これらを特に区別する必要のない場合は、まとめて妻構体40とする。
側構体20のX方向の両端部には、乗客等が乗降する乗降口22と窓23など開口部が備えられる。妻構体40には、隣接する車両に乗客等が行き来する貫通路口42が備えられる。
図2は、本発明の実施例1に係る妻構体40Aの正面図である。すなわち、図2は、鉄道車両1のX方向両端の妻構体40のうち、X方向正側に位置する一例として妻構体40Aを示す。その妻構体40Aは、台枠10のZ方向上部に妻構体外板(以下、単に「外板」ともいう)41により構成され、その外形が規定される。
妻構体40Aの中心近傍には貫通路口42が設けられる。貫通路口42の周囲には、Z方向に向く妻柱44やY方向に向く妻カモイ45が設けられ、妻構体40Aが補強される。妻構体40Aの貫通路口42近傍以外の外板41は、横骨46A又は横骨46Bにより補強される。
横骨46Aは、妻構体外板41に対しY方向又はZ方向に延設される。妻構体40Aの外板41は、Y方向又はZ方向の横骨46Aに加え、貫通路口中心(妻構体中心)43に向かって延設される横骨46Bも有する。横骨46Bは、妻構体中心43を焦点として放射状に妻構体40Aに延設される。妻構体40Aに延設された横骨46Bによる剛性向上の作用効果は、つぎのとおりである。
妻構体40Aを含む鉄道車両1の内部に均一な圧力荷重が加わる気密荷重条件や、鉄道車両1にねじり荷重が加わる条件を想定する。この条件において、横骨46Bを有する妻構体40Aは、貫通路中心43を中心とした周方向への変形に対する剛性を向上させることが可能となる。これにより、上述した気密荷重やねじり荷重に対して妻構体40Aが剛性向上し、鉄道車両1自体も剛性向上する。
図3は、図2に示した妻構体40AのA-A断面図であり、横骨46Aの断面を示す。妻構体外板41(図2参照)の車内側(X方向負側)に閉空間を構成するよう凸部を有する横骨46Aが設置される。横骨46Aの長手方向、すなわち、図2の紙面奥行き方向に対して外板41の剛性を向上させられる。
図3において、外板41(図2参照)との間で閉空間を構成する横骨46Aを一例として示した。これに限ることなく、外板41の剛性向上を実現する補強構造体であれば、任意の形状による他の補強構造体でも本発明を実現できる。例えば、T字の形をした横骨でも良いし、外板41より高い剛性率を有する材料の平板を外板41に接合してもよい。
図4は、本発明の実施例2に係る妻構体40Bの正面図である。実施例1では、妻構体40Aの貫通路口42の貫通路口中心43に向かって横骨46Bを延設する形態を示した。一方、図4に示す実施例2の特徴は、横骨46Bを延設する方向を妻構体40Bの変形に基づいて決定する点である。
妻構体40Bを備えた鉄道車両1に気密荷重が負荷された場合の応力変形について説明する。その前に、横骨46Bを有さない妻構体40の変形モードを考える。図1を用いて説明したように、妻構体40は、その外周が台枠10、側構体20及び屋根構体30に接続され拘束される。これら台枠10、側構体20及び屋根構体30は、外板41(図2参照)よりも、高い剛性の構造である。したがって、気密荷重により妻構体40の外板41に面圧がかかった際、妻構体40は貫通路口42に向かって大きく変形する。
図4において、妻構体40の外板41が示す変形量分布を変位等高線51,52で模式的に示す。変位等高線51,52は、それぞれ変形量が同じになる位置を点線で示している。外板41は貫通路口42に向かって変形量が大きくなるため、図4において、変位等高線51よりも変位等高線52の方が大きい変形量を示している。
変形する物体の剛性を向上させて変形量を低減させるには、物体の変位等高線に直交する方向に剛性を向上させる補強構造体を付設することが効果的である。そのため、図4の実施例2に係る妻構体40Bに示すとおり、横骨46Bを変位等高線51,52と直交する方向に貼り付けることを特徴とする。これにより妻構体40Bの剛性向上が可能となり、変形量が低減される。なお、ここでいう「直交」は、90度±30度の範囲で直角を理想とする程度を意味する。
図4において、横骨46BはY方向又はZ方向とは異なる方向に延設された例を示した。しかし横骨46Bの延設方向は、変位等高線51,52に直交する仮想線に基づいて決定する限り、妻構体40Bを剛性向上できるので、たまたま、Y方向又はZ方向に方向が一致したとしても構わない。
図5は、本発明の実施例3に係る妻構体40Cの正面図である。実施例1又は実施例2において、妻構体40A,40Bは、外板41に横骨46Aと、横骨46Bと、の少なくとも何れかを有する構成を例示した。一方、図5に示す実施例3の特徴は、妻構体40が押出形材47A,47Bにより構成される点である。
図6は、図5に示した妻構体40CのB-B断面図である。同一の断面形状が押出成形されることで押出形材47A,47Bが構成される。図5における押出形材47A,47Bの点線は押出成形される方向、すなわち強い剛性を発揮できる方向を表す。
図5において、Y方向又はZ方向と押出方向が一致する押出形材47Aに加え、貫通路口中心43に向いて押出成形される押出形材47Bを妻構体40Cが有することで、剛性を高めた妻構体40が構成される。
図7は、本発明の実施例4に係る妻構体40Dの正面図である。図7に示す実施例4の特徴は、補強部材を貫通路口中心43とは異なる方向に向けて延設した点にある。補強部材が強い剛性を発揮させる方向について、実施例1~実施例3では、妻構体40の横骨46B又は押出形材47A,47Bの押し出し方向が概して貫通路口中心43を向く方向となる構成を例示した。
一方、図7の実施例4に係る妻構体40Dは、補強部材としての横骨46Bの向く方向を、貫通路中心43に向かず、さらにY方向又はZ方向にも向けいていないにも関わらず、妻構体40の剛性向上を実現できる。以下に、その作用効果を説明する。
ここで、妻構体40が図7に示す横骨46Aのみにより構成され、気密荷重が負荷された場合を仮定して、その変形モードを考える。横骨46Aの配置によっては、妻構体40全体の変形モードより、横骨46Aによって囲まれる外板41(図2参照)の変形モードが支配的になり得る。
そのような場合の外板41の変形例を図7に変位等高線51,52で示す。横骨46Aで囲まれる領域の中心に向かって変形量が大きくなり、変位等高線51と、それよりも大きな変形を表す変位等高線52と、は外板41内で同心円状に存在する。
この場合、図4の実施例2と同様に、変位等高線51,52に直交する方向に補強となる横骨を設置することが効果的であるから、図7に示す横骨46Bのように配置することもできる。この場合、横骨46Bは、それを延設する方向が貫通路中心43を向いてはいないが、妻構体40の剛性を向上させる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
[補足]
図4及び図7に示す変位等高線51,52は、モアレトポグラフィ装置等を用いて画像表示されるモアレ模様である。このモアレ模様は、形状や変形を調べる対象物として、例えば、人体の凹凸形状も地図の等高線のように、その人体画像に重ねて画像表示できる。また、本願発明でいう変位等高線51,52は、妻構体40が平坦面であれば表示されないところに、応力変形等による凹凸形状が生じれば、それを地図の等高線に相当するモアレ模様として妻構体40に重ねて画像表示できる。なお、変位等高線51,52は、モアレトポグラフィ装置等による画像表示でなくとも、視認できれば他の方法で構わない。例えば、有限要素法を含む解析手法等により変位等高線51,52を求めてもよい。その場合、鉄道車両1を有限要素解析手法等に適用させてモデル化し、そのモデルに対する荷重負荷シミュレーションにより、変形状態を解析評価した結果として、妻構体40の変形情報を取得することにより、変位等高線51,52を画像表示することができる。
一方、押出形材47A,47Bは、アルニウム等の素材を過熱圧縮してダイスと呼ばれる金型から押し出し、必要な形状の断面に形成される。ダイスにおける素材を押し付ける側でセンターピース部分を保持しておけば、中空部分のある断面の押出形材を形成できる。このようにして形成された妻構体40用の押出形材47A,47Bは、ストローを束ねて融合したような段ボール状の中空厚板構造であり、その押し出し方向に強い剛性を有するので、補強構造体と考えられる。
本構体1は、つぎのように総括できる。
[1]本構体1を構成する妻構体40A~40D(40)は、図2、図4、図5及び図7に示す補強構造体46B,47B(押出形材)を有する。その補強構造体46B,47Bは、図2の実施例1、図4の実施例2、及び図7の実施例4における横骨46Bと、図5の実施例3で示す押出形材47Bのように、本構体1の幅(Y)方向と、高さ(Z)方向と、の何れに対しても、斜め方向に延設される。
これにより、妻構体40の剛性を高めて、乗り心地を向上させた鉄道車両構体1を提供できる。すなわち、妻構体40を含む鉄道車両1の内部に均一な圧力荷重が加わる気密荷重条件や鉄道車両1にねじり荷重が加わる際、横骨46Bを有することで、妻構体40の中心43から周方向への変形に対する剛性を向上させることが可能となる。これにより妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。
[2]図2の実施例1、及び図4の実施例2における横骨46Bで示すように、上記[1]の補強構造体は、妻構体40A,40Bの貫通路口42(妻構体40)の中心43から放射状に広がる仮想線上の何れかに延設される箇所を有すると良い。これにより、妻構体40の中心43から周方向への変形に対する剛性をより的確に向上させ、妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。
[3]図4の実施例2と、図7の実施例4における横骨46Bで示すように、上記[1]の補強構造体は、変位等高線51,52に交わる仮想線上の何れかに延設される箇所があると良い。その変位等高線51,52は、補強構造体として横骨46Bがない場合に、本構体1に負荷される荷重によって妻構体40が変形すれば、その変形した形状を示す線である。
この変位等高線51,52に直交する方向に横骨46Bを延設すれば、妻構体40において、実際に変形し易い箇所を効率的に補強できる。その結果、妻構体40の実際の変形に対する剛性をより的確に向上させ、妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。なお、上述の「直交」は必ずしも直角でなくても良い。
[4]上記[3]の補強構造体と類似した構成で、同等の作用効果を発揮する補強構造体について、つぎのように定義しても良い。上記[1]の補強構造体は、横骨46Bその他が既設されている場合であっても、本構体1に負荷される荷重によって妻構体40が変形すれば、その変形した形状を示す変位等高線51,52に交わる仮想線上の何れかの箇所に追加で延設しても良い。これは、図7の実施例4における横骨46Bが既設されていても、荷重変形した形状を示す変位等高線51,52を参照して、さらなる追加の補強構造体を設置することが効果的であることを意味する。
[5]図5の実施例3に示すように、上記[1]の妻構体40Cは、押出方向に剛性強化された押出形材47A,47Bを有して構成され、それら押出形材の一部47B又は全部の押出方向は、妻構体40Cの幅(Y)方向と、高さ方向と、の何れに対しても、斜め方向であると良い。
妻構体40用の押出形材47A,47Bは、段ボール状の中空厚板構造であり、その押し出し方向に強い剛性を有するので、補強構造体と考えられる。このような押出形材47A,47Bが、斜め方向の剛性を補強するように延設された結果、妻構体40の中心43から周方向への変形に対する剛性をより的確に向上させ、妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。
[6]図5に示す上記[5]の押出形材47Bの押出方向は、妻構体40の貫通路口42の中心に集まる方向であることが好ましい。これにより、妻構体40の中心43から周方向への変形に対する剛性をより的確に向上させ、妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。
[7]図5に示すように、上記[1]の妻構体40Cを構成する押出形材47A,47Bの一部、又は全ての押出方向を変位等高線51,52(図4及び図7)に交わる方向に揃えることが好ましい。なお、図4に示す変位等高線51,52を図5に重ねて見れば、押出形材47A,47Bは、変位等高線51,52に直交する方向に概ね揃えられている。
この変位等高線51,52に直交する方向に押出形材47A,47Bの一部、又は全ての押出方向、すなわち高剛性方向が揃えられた。そのことにより、妻構体40は、実際に変形し易い箇所を効率的に補強できる。その結果、妻構体40の実際の変形に対する剛性をより的確に向上させ、妻構体40が剛性向上する。その波及効果として、鉄道車両1自体も剛性向上する。
1…鉄道車両構体(鉄道車両、又は構体)、10…台枠、20…側構体、22…乗降口、23…窓、30…屋根構体、40(40A~40C)…妻構体、41…妻構体外板、42…貫通路口、43…貫通路口中心(妻構体中心)、44…妻柱、45…妻カモイ、46A,46B…横骨、47A,47B…押出形材、51,52…変位等高線、X,Y,Z…各方向

Claims (5)

  1. 妻構体を備えて構成される鉄道車両構体であって、
    前記妻構体に補強構造体を備え、
    前記妻構体に備えられる該補強構造体は、前記妻構体の幅方向と高さ方向との何れに対しても斜め方向に延設され、
    前記妻構体に備えられる前記補強構造体は、前記補強構造体がない場合に当該鉄道車両構体に負荷される荷重によって前記妻構体が示す変位等高線に直交する仮想線上の何れかに延設される箇所を有する、
    鉄道車両構体。
  2. 妻構体を備えて構成される鉄道車両構体であって、
    前記妻構体に補強構造体を備え、
    前記妻構体に備えられる前記補強構造体は、前記妻構体の幅方向と高さ方向との何れに対しても斜め方向に延設される補強構造体として既にあるものと、前記妻構体の幅方向と高さ方向との何れに対しても斜め方向に延設されるとともに当該鉄道車両構体に負荷される荷重によって前記妻構体が示す変位等高線に直交する仮想線上の何れかに追加して延設される補強構造体とからなる、
    鉄道車両構体。
  3. 妻構体を備えて構成される鉄道車両構体であって、
    前記妻構体は、押出方向に剛性強化された押出形材を有して構成され、
    該押出形材の一部又は全部の押出方向は、前記妻構体の幅方向と高さ方向との何れに対しても斜め方向である、
    鉄道車両構体。
  4. 前記押出形材の押出方向は前記妻構体の貫通路口の中心に集まる方向である、
    請求項に記載の鉄道車両構体。
  5. 前記押出形材の押出方向は、前記鉄道車両構体に負荷される荷重によって前記妻構体が示す変位等高線に直交する方向である、
    請求項に記載の鉄道車両構体。
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