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JP7664730B2 - 検査対象物の状態診断方法および装置ならびに状態診断システム - Google Patents
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検査対象物の状態診断方法および装置ならびに状態診断システム Download PDF

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Description

本発明は検査対象物の状態を診断する技術に関する。
建物の外装材(外壁材)の剥離、剥落などを未然に防止するために、建物の状態を診断する方法が種々提案されている。たとえば特許文献1には、検査対象物の表面を打撃した時の打音を検出し、打音検出信号の波形に基づいて検査対象物の状態を評価する状態評価装置が開示されている。特許文献2には、ビルの外壁など広い面積の外装材を低コストかつ効率的に診断するために、打撃により検査を行う検出部を外壁平面に沿って移動させ、検査を行った位置情報と検査結果とを関連付けて外壁全体の状態評価情報を生成する状態評価装置が開示されている。
また特許文献3には、予め設定された計測地点まで移動できる自走式計測装置と、それを用いた自動診断システムが開示されている。このシステムでは、計測が行われた場所と打撃検査結果との対応をとるために、GPS(Global Positioning System)と既存の高精度測位システムとを組み合わせた位置検出手段が採用されている。
特開2016-205900号公報 特開2019-178953号公報 特開2007-018164号公報
特許文献2によれば、ビルの外壁のような鉛直面を検査する場合、検出部を搭載したフレームをワイヤで吊すことにより重力方向を基準として利用することができる。すなわち、ワイヤを巻き取りあるいは巻き戻すだけで検出部を容易に垂直方向に移動させることができ、ワイヤ巻取装置自体を水平移動させることで検出部を容易に水平方向に移動させることができる。
このように壁診断システムでは、水平・鉛直方向を基準にして全体座標のX、Y軸方向の設定およびX、Y軸方向に対する診断装置の傾き(X、Y軸方向とx、y軸方向の傾き)の把握が容易であった。これに対してビルの床や屋上面のような水平面に沿って検出部を移動させながら診断する床診断システムでは、鉛直方向のような基準となるものがないため、全体座標の軸の方向の設定および全体座標と診断装置の傾きを認識することが容易ではなく、診断器の正確な座標を計測することが難しい。
また特許文献3によれば、高精度位置情報を取得するために、GPSにより得られた位置情報を既存の高精度システムで補正する必要がある。したがって、この自走式計測装置の位置を精度良く検出するためには大規模な測位システムを前提としなければならない。またこの自走式計測装置はGPSからの電波を受信できない場所では使用できない。したがって、特許文献3に開示されたシステムは、たとえば電波が届かないような屋内の床面を効率的に診断しようとする場合に適用することができない。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は検査対象物の水平面の状態評価情報を効率的にかつ精度良く生成することができる状態診断方法および装置ならびに状態診断システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態によれば、水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断装置であって、前記状態診断装置の装置本体を前記検査対象物の検査対象面上で所望の方向に移動させる駆動部と、外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上における前記装置本体の全体位置を検出する全体位置検出部と、前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出する検出部と、前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させながら、前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成するデータ処理部と、を有することを特徴とする
また本発明の一実施形態によれば、前記検出部を前記装置本体内の所望の位置に移動させる検出部移動機構を更に有し、前記検査区画が前記検出部の前記装置本体内の移動可能範囲であり、前記データ処理部は、前記検出部の前記装置本体内位置と前記装置本体の全体位置とから前記検出部の全体位置を算出し、前記検出部の全体位置における前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成することを特徴とする。
また本発明の一実施形態によれば、前記データ処理部は、前記検査対象面上に割り当てられた検査区画の所定の順序に従って前記駆動部を制御して前記装置本体を移動させることを特徴とする。
また本発明の一実施形態によれば、水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断システムであって、前記検査対象物の水平面上に設置され検査対象面を特定するための複数の指標と、前記検査対象面上を前記複数の指標を検出しながら移動し、前記検査対象物の状態を診断する状態診断装置と、からなり、前記状態診断装置が、装置本体と、少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上の全体位置を検出する全体位置検出部と、前記全体位置における前記検査対象物の状態を検出する検出部と、前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させながら、前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成するデータ処理部と、からなる、ことを特徴とする。
また本発明の一実施形態によれば、前記検出部を前記装置本体内の所望の位置に移動させるフレーム内移動機構を更に有し、前記検査区画が前記検出部の前記装置本体内の移動可能範囲であり、前記データ処理部は、前記検出部の前記装置本体内位置と前記装置本体の全体位置とから前記検出部の全体位置を算出し、前記検出部の全体位置における前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成することを特徴とする。
また本発明の一実施形態によれば、水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断方法であって、全体位置検出部が外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上における前記状態診断装置の装置本体の全体位置を取得し、検出部が前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出し、データ処理部が、前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させ、前記装置本体を移動させながら前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成する、ことを特徴とする。
また本発明の一実施形態によれば、水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断装置としてコンピュータを制御するプログラムであって、全体位置検出部が外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上における前記状態診断装置の装置本体の全体位置を取得する機能と、検出部が前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出する機能と、データ処理部が、前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させ、前記装置本体を移動させながら前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成する機能と、を前記コンピュータに実現することを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、検査対象物の水平な検査対象面に基準点となる指標を複数個設置することで、これらの指標を手がかりに状態診断装置の検査対象面上の位置を検知でき、水平な検査対象物であっても状態評価情報を効率的かつ精度良く生成することができる。さらに、装置本体を割り当てられた検査区画に従って移動させながら診断情報を取得することができる。これにより複数の指標を設置するだけで検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することが可能となる。また、検出した少なくとも2つの指標から基準を決定することで全体座標において検査区画の割り当てが可能となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、検出部を装置本体内で移動させる検出部移動機構を有するので、より解像度の高い診断情報を生成することができる。
また、本発明の一実施形態によれば、検査区画の所定の順序に従って装置本体を移動させながら状態評価ができるので、検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することが可能となる。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも2つの指標から基準を決定することで状態診断装置の全体位置を特定する全体座標を得ることができ、任意の形状の検査対象面であっても、装置本体を割り当てられた検査区画に従って移動させながら診断情報を取得することができる。これにより複数の指標を設置するだけで検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することが可能となる。
また、本発明の一実施形態によれば、装置本体を割り当てられた検査区画を移動させながら診断情報を取得することができる。これにより複数の指標を設置するだけで検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することが可能となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、コンピュータにプログラムを実行させることで装置本体を割り当てられた検査区画に従って移動させながら診断情報を取得することができる。これにより複数の指標を設置するだけで検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することが可能となる。
本発明の一実施形態による状態診断システムの全体的構成を示す図である。 本発明の一実施形態による状態診断システムの全体位置検出器の動作を説明するための模式図である。 本実施形態による状態診断装置における検査区画割り付けの一例を示す模式図である。 本実施形態による状態診断装置の動作を説明するための模式図である。 本実施形態による状態診断装置におけるフレーム全体座標系とフレーム内座標系との関係を説明するための図である。 本実施形態による状態診断装置が傾斜した検査対象面を診断する場合の動作を説明するための模式図である。 本実施形態による状態診断装置の制御系および診断情報生成系を示すブロック図である。 本実施形態による状態診断装置の動作を示すフローチャートである。 本実施形態による状態診断装置のモニタ画面の一例を示す図である。 本発明の一実施例による状態診断装置およびリフレクタの構成を示す図である。 本実施例による状態診断装置の平面図である。 本実施例による状態診断装置の側面図である。 本実施例による状態診断装置におけるxyアクチュエータの平面図である。 本実施例による状態診断装置におけるxyアクチュエータの正面図である。 本実施例による状態診断装置におけるxyアクチュエータの一部破断の側面図である。 本実施例による状態診断装置における診断ユニットの側面図である。 本実施例による状態診断装置における診断ユニットの正面図である。 本実施例による状態診断装置における診断ユニットの平面図である。 本実施例による状態診断装置における診断ユニットの上昇時(A)と下降時(B)を示す正面図である。 本実施例による状態診断装置における検出部の構成を示す模式的断面図である。 本実施例による状態診断装置の診断動作における基準点移動の一例を示す図である。 本実施例による状態診断装置の診断動作における基準点移動の他の例を示す図である。 本発明の他の実施形態による状態診断装置の全体位置検出動作を示す模式図である。 本発明の他の実施形態による状態診断装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施形態による状態診断装置の検査区画割り付けの一例を示す模式図である。 本発明の他の実施例における状態診断装置の動作の第1例を説明するための模式図である。 本発明の他の実施例における状態診断装置の動作の第2例を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態および実施例に記載されている構成要素は単なる例示であって、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。
1.システム構成
図1に例示するように、本発明の一実施形態による状態診断システムは、水平面に沿って延在する検査対象物10上に複数の基準点Rを設定し、これらの基準点を指標として状態診断装置100が自動で移動しながら検査対象物10の診断を行う。ここでは一例として検査対象物10の検査対象面が四角形であり、その四隅を4つの基準点R1~R4に設定し、これらの基準点に指標21~24がそれぞれ配置されているものとする。なお、検査対象面の形状は四角形に限定されるものではなく、後述するように指標の設置方法により任意の形状に適用可能である。
状態診断装置100は指標21~24に従って自己の位置を検出しながらモータ駆動により移動可能である。装置本体を構成するフレーム101の上部には全体位置検出器200が固定され、全体位置検出器200が周囲の複数の指標との距離および方向を検出することで自己の位置を決定することができる。以下、全体位置検出器200により決定される位置を全体座標系の座標(X,Y)で表記する。この全体座標系の原点は基準点R1~R4のいずれでも良いし、基準点R1~R4以外の任意の地点を設定してもよい。全体位置検出器200としてはレーザ光、超音波、電波等を利用した種々の方式のものが市販されており、位置検出精度や環境に応じて最適な方式を採用することができる。
状態診断装置100はフレーム底面に自在キャスタ104および駆動輪110および111を設け、駆動輪110および111を独立にモータ駆動することで所望の方向に移動可能である。なお、図1では進行方向側の前輪が駆動輪110および111、後輪が自在キャスタ104として記載されているが、これに限定されるものではなく、後述するように、前輪が自在キャスタ、後輪が駆動輪であってもよいし、前輪および後輪の両方を駆動輪にしてもよい。またフレーム101の底面には検出部移動機構としてxyアクチュエータ300が固定され、xyアクチュエータ300に取り付けられた診断ユニット400がフレーム底面内で任意の位置に移動可能である。xyアクチュエータ300は自在キャスタ104および駆動輪110および111により検査対象物10の平面との間で所定の距離が確保される。図示された一つの検査区画11は、後述するようにxyアクチュエータ300が診断ユニット400をスキャン可能なフレーム内可動範囲である。ここでは、xyアクチュエータ300により決定される診断ユニット400の位置をフレーム内座標系の座標(x,y)で表記する。このフレーム内座標系の原点は検査区画11の四隅の何れかに予め決めておく。なお、上述した全体位置検出器200とxyアクチュエータ300とはフレーム101のそれぞれの所定位置に固定されているので、これらの位置関係は一定である。
状態診断装置100は、少なくとも2つの基準点により基準方向を決定し、全体座標系における移動方向および向きを決定することができる。ここでは状態診断装置100の移動方向および向きは全体座標系のY軸およびフレーム内座標系のy軸に一致させるものとする。状態診断装置100はΔYずつ移動して停止し、停止した全体位置を検出すると共に、xyアクチュエータ300が各検査区画11で診断ユニット400をx方向およびy方向に順次移動させる。
状態診断装置100にはコンピュータ500および操作部600が設けられ、全体位置検出器200および診断ユニット400と中継器を介してローカルなネットワークを形成しているものとする。後述するように、コンピュータ500は、プログラム制御により全体位置検出器200からの全体位置情報、xyアクチュエータ300からの診断ユニット400のフレーム内位置情報および診断ユニット400からの検査情報に基づいて検査区画の割り当て、状態診断装置100の移動制御および状態診断制御を行い、状態診断情報のマッピングおよびモニタ表示を実行する。操作部600には状態診断装置100の起動/停止スイッチおよび装置の前進/後退および左折/右折のためのジョイスティック等が設けられている。
またxyアクチュエータ300、診断ユニット400およびコンピュータ500等からなる本システムの電源はフレーム101に搭載した電源ユニット650から供給しても良いし、外部から延長ケーブルを用いて供給してもよい。またコンピュータ500を外部コンピュータに無線接続するための中継器を設け、外部コンピュータの制御の下で上述した制御および状態診断を実行することも可能である。
1.1)全体位置検出
図2に例示するように、全体位置検出器200がレーザ光を利用した方式であれば、レーザ光を所定角度ステップで周囲360°を所定周期でスキャンし、その反射光を検出することで全体位置を検出することができる。すなわち、ある角度で発射されたレーザ光が反射して戻るまでの時間を計測することで周囲の指標との距離および方向を計算することができ、自己の位置および向きを決定可能である。全体位置検出器200の計測可能範囲200aはレーザ光の広がりや反射光の受光感度等により制限される。複数の指標21~24は計測可能範囲200a内に配置され、その間隔は全体位置検出器200の性能に応じて設定される。他の物体を指標と誤認しないために、指標21~24としてはスキャンレーザ光に対して高い反射率を有するリフレクタを用いるのが望ましい。なお全体位置検出器200は十分な解像度で全体位置を検出できる方式であればよく、レーザ光を利用した光学方式に限定されない。後述するように電波や超音波を利用して全体位置を検出することもできる。
このように全体位置検出器200が検出可能な範囲200aに複数の基準点(指標)を設定することで、状態診断装置100の検査対象面における位置および向きを検出することができ、検査対象面の位置と診断ユニット400による検出情報とを対応づけることが可能となる。詳しくは後述するが、検査対象物10の検査対象面が任意の形状であっても、複数の指標を形状に沿って設置することで状態診断が可能である。
1.2)検査区画の割り当て
図3に例示するように、たとえば全体位置検出器200が検出可能な範囲200a内に検査対象面10aの形状に沿った複数の基準点(指標)を設定することで、コンピュータ500は検査対象面上での状態診断装置100の位置および向きを決定することができる。検査対象物10の検査対象面10aは任意の形状であってもよい。たとえば全体位置検出器200が検出可能な範囲200a内に検査対象面10aに沿って複数の基準点(指標)R1~Rnを設置することで、検査対象面10a上での状態診断装置100の位置および向きを決定することができる。その際、任意の2つの基準点R1とR2とを結ぶ線のうち、建物の通り芯や検査対象物の目地など診断作業をする際に基準としやすい線と平行な線LRを基準線および基準方向として決定し、それをフレーム全体座標のY軸とし、それに直交する方向をX軸として決定する。そのため、診断作業開始前に建物の通り芯や検査対象物の目地などを参考にして基準線の方向をあらかじめ設定し、基準線に平行となるように基準点R1とR2を設置することが望ましい。こうしてフレーム全体座標が決定されると、コンピュータ500は、指標R1~R4で囲まれた検査対象面上に複数の検査区画11をフレーム全体座標P(X,Y)の形式で割り付ける。
図3に示す例では、原点となる指標の検査区画から基準線LRに沿ったY軸方向に順に付番し、検査対象面の端に達するとX軸方向に検査区画一つ分だけ隣の列でY軸の逆方向に付番する。以下同様にして検査区画が付番される。ここでは基準線LRをY軸方向に一致させたが、付番する方向はY軸方向でなくX軸方向であってもよい。なお、検査区画で割り切れない検査対象面の端では、手動で移動させても良いし、検査区画の一部だけを割り当てても良い。たとえば図3では15番目の検査対象面は所定の検査区画の一部だけが割り当てられているが、このような部分的な検査区画であっても、後述するxyアクチュエータ300の制御により診断可能である。
コンピュータ500は、状態診断装置100の全体位置を常時検出しながら検査対象物10の状態検査を実行する。より詳しくは、全体位置検出器200により周囲の指標を検出しながら状態診断装置100の全体位置を認識し、事前に割り当てられた検査区画11に達すると状態診断装置100を停止して測定モードに移行する。測定モードにおいてコンピュータ500は状態診断装置100を動かないように静止させ、xyアクチュエータ300により診断ユニット400を駆動して検査区画11でスキャンさせる。こうして検査区画11の状態検査を実行し、次に述べるように検査結果をマッピングして蓄積する。こうして割り当てられた検査区画11を順次辿りながら検査対象面の検査を実行する。
1.3)検査対象面への状態診断結果のマッピング
図4に例示するように、検査対象面を規定する複数の基準点(指標)R1~R4を設置したものと仮定する。まず適当な隣接する基準点を選択し、それらを結ぶ線を基準線LRとして状態診断装置100の移動方向および向きを決定する。図4では基準点R1およびR2を結ぶ線を基準線LRとして全体座標のY軸とし、このY軸の方向および向きに状態診断装置100の移動方向および向きを一致させる。ここでは基準点R2が全体座標の原点に対応し、ここを初期位置P(0,0)として状態診断装置100の移動を開始するものとする。状態診断装置100の1ステップのY方向移動距離ΔYおよびX方向移動距離ΔXは検査区画11のy方向の長さおよびx方向の長さに相当する。状態診断装置100の全体座標P(X,Y)は全体位置検出器200が基準点R1~R4の指標を検出することにより算出される。なお、Y方向移動距離ΔYおよびX方向移動距離ΔX、すなわち検査区画11のサイズは検査対象面の大きさや検査点の数などを考慮して決定すれば良い。たとえば状態診断装置100がX方向あるいはY方向に多少ずれたり傾いたりする場合を考慮して、診断範囲よりフレーム内検査範囲11のサイズを大きくし、フレーム内検査範囲11の周辺部が互いに重なるように状態診断を実行することが望ましい。すなわち、Y方向移動距離ΔYおよびX方向移動距離ΔXはフレーム内検査範囲11が移動前と移動後で重なるように設定されてもよい。一例として、診断範囲であるタイルの大きさを60cm×60cmとした場合、フレーム内検査範囲11のサイズを70cm×70cmとし、Y方向移動距離ΔYを60cmとすることができる。
また状態診断装置100の底面に設けられたxyアクチュエータ300はフレーム内座標系の原点を診断ユニット400の初期位置p(0,0)として診断動作を開始するものとする。状態診断装置100が停止した状態で、xyアクチュエータ300は診断ユニット400を初期位置p(0,0)からx方向に所定間隔Δxで移動させながら、後述する打診動作により検査対象面の状態診断を行い、x方向の移動が終了するとy方向に所定間隔Δyで移動し、以下同様にx方向に移動しながら診断ユニット400による打診動作が繰り返される。診断ユニット400のフレーム内座標p(x,y)は後述するようにxyアクチュエータ300から取得できる。なお、診断ユニット400の可動範囲である検査区画11は、状態診断装置100のフレーム101の進行方向側へシフトしている方が望ましい。その理由は検査対象物10の検査対象面の端部が壁であることが多く、その際まで検査しやすくするためである。
このように状態診断装置100を全体座標のΔYごとに停止させ、停止した状態でxyアクチュエータ300により診断ユニット400をxyスキャンすることで検査区画11の診断情報をΔxおよびΔyの解像度で取得することができる。なお、診断ユニット400のxyスキャンは自動ではなくリモートコントロールまたは手動によるマニュアル操作で行うことも可能である。たとえばフレーム内検査範囲11の診断情報を取得した後、リモートコントロールまたは手動によるマニュアル操作によりxyアクチュエータ300を操作して診断ユニット400を所望のフレーム内座標に移動させ、追加で状態診断を行っても良い。また、診断情報の解像度を決定するΔxおよびΔyは、検査対象物10の材質、検査対象面の大きさや検査点数、また後述するコンピュータ500の能力や容量などを考慮して決定すれば良い。各検査区画11における診断ユニット400により得られる診断情報は以下に述べるように検査対象面上にマッピングされる。なお、リモートコントロールによるマニュアル操作によりxyアクチュエータ300を操作する場合は、操作面をモニタすることが望ましく、たとえば操作面をモニタできるカメラが装備されてもよい。
図5に示すように、状態診断装置100の全体座標P(X,Y)は原点となる基準点に対する全体位置検出器200の位置を示すが、全体位置検出器200とxyアクチュエータ300との位置関係は一定であるから、その位置ずれを計算に入れた座標(X’,Y’)をxyアクチュエータ300の位置情報として利用できる。したがって、状態診断装置100の位置ずれを考慮した全体座標P(X’,Y’)と診断ユニット400のフレーム内座標p(x,y)とを合成することで、診断ユニット400の検査対象面上の位置は合成座標(X’+x,Y’+y)として計算することができる。なお、全体位置検出器200の平面上の位置をxyアクチュエータ300の原点p(0,0)と一致させれば全体座標P(X,Y)をそのまま用いることができる。
このように診断ユニット400により得られる診断情報を検査対象面上の合成座標(X’+x,Y’+y)に対応付けることができ、検査対象面全体の診断情報マップを生成することが可能となる。なお、全体座標系のY軸とフレーム内座標系のy軸とが傾いている場合には、その傾き角度θを用いて幾何学的な計算により座標値を補正すれば良い。たとえば全体座標をP(X’,Y’)、角度θだけ傾いたフレーム内座標系の座標をp(x’,y’)とすれば、上記合成座標(X’+x,Y’+y)は、そのxおよびyを
x=x’cosθ-y’sinθおよびy=x’sinθ+y’cosθにそれぞれ置き換えることで計算される。また、検査対象面が傾斜している場合にも同様の幾何学的計算により座標値の補正をすることができる。以下、図6を参照して簡単に説明する。
図6に例示するように、全体座標系を3次元のXYZ軸で表し、フレーム内座標系を同様にxyz軸で表すとすれば、検査対象面が状態診断装置100の進行方向に水平面(XY平面)に対して角度φだけ傾斜している場合、上述した幾何学的計算により合成座標(X’+x,Y’+y)を補正することができる。なお、全体位置検出器200は検査対象面が水平であるか傾斜であるかを検出する機能を有してもよい。また全体位置検出器200とは別個に傾斜計210を設けて傾斜を検出しても良い。
2.コンピュータシステム
状態診断装置100のオペレーションはコンピュータ500に所定のプログラムを実行させることで実現することができる。以下、コンピュータ500により実現される機能構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
<機能構成>
図7はコンピュータ500により実現される機能構成を図示したものである。コンピュータ500は図示しないメモリに格納されたプログラムをプロセッサ上で実行することにより各種機能を実現する。全体位置検出器200、診断ユニット400およびxyアクチュエータ300は位置検出制御部501、診断制御部502およびxy移動制御部503によりそれぞれ制御される。また状態診断装置100を移動させる駆動輪110および111はそれぞれモータM1およびM2により独立して駆動され、駆動モータ制御部522により制御される。これらの状態診断動作の全体的制御は制御部504により行われる。なお、図中のxyアクチュエータ300および診断ユニット400の昇降用のアクチュエータ411および検査データを得るための検出器423の構成および動作については後で詳細に説明する。
位置検出制御部501は全体位置検出器200を制御し、全体位置検出器200の検出データに基づいて指標(リフレクタ)の位置情報および状態診断装置100のフレーム全体位置情報を取得する。診断制御部502は制御部504の制御の下で診断ユニット400のアクチュエータ411を動作させ、検出器423から打音検出信号および振動検出信号等からなる検出信号Sを取得する。xy移動制御部503はxyアクチュエータ300を制御し、診断ユニット400のフレーム内位置を示す座標p(x、y)を取得する。
検査点位置合成部505は、図5で説明したように、状態診断装置100のフレーム全体位置P(X,Y)と診断ユニット400のフレーム内座標p(x、y)とを用いて検査点合成座標(X’+x,Y’+y)を生成する。診断情報生成部506は、検査点合成座標(X’+x,Y’+y)と検出信号Sとを入力し、検出信号Sから評価した当該座標p(x、y)での評価結果を検査点合成座標(X’+x,Y’+y)にマッピングして集計し、検査対象物10の検査対象面の診断情報を生成する。こうして得られた診断情報が診断情報蓄積部507に蓄積される。こうして得られた診断情報が診断情報蓄積部507に蓄積され、後述するように表示部508に検査対象面上の診断情報が表示される。
データ処理部510はプログラムを実行することで、上述した検査点位置合成部505および診断情報生成部506により実現される診断情報生成機能を実現し、さらに次に述べる検査区画割当て部520および移動制御部521により実現される状態診断装置100のナビゲーション機能を実現する。
検査区画割当て部520は、上述したように、複数の指標の位置情報に基づいて状態診断装置100が検査すべき検査区画11をフレーム全体座標上の検査対象面に割り付ける。移動制御部521は、割り付けられた検査区画の順に状態診断装置100を移動させるように駆動モータ制御部522を通して駆動モータM1およびM2の回転を制御する。周知のように、駆動モータM1およびM2の回転を独立に制御することで、状態診断装置100の前進、後退、右折あるいは左折を自在に実行できる。言うまでもなく検査区画を順にたどって移動できれば良いので他の駆動機構であってもよい。
制御部504は、ナビゲーションモードにおいて状態診断装置100の全体位置を常時検出しながら検査対象物10の状態検査を実行する。より詳しくは、ナビゲーションモードでは全体位置検出器200により周囲の指標を検出しながら状態診断装置100の全体位置を認識し、事前に割り当てられた検査区画11に達すると状態診断装置100を停止して測定モードに移行する。測定モードにおいて制御部504は、駆動モータ制御部522により駆動モータM1およびM2をロックして状態診断装置100を動かないように静止させ、xyアクチュエータ300により診断ユニット400を駆動して検査区画11でスキャンさせる。こうして検査区画11の状態検査を実行し、診断情報生成部506が検査結果をマッピングして診断情報蓄積部507に蓄積する。こうして割り当てられた検査区画11を順次辿りながら検査対象面の検査を実行する。
診断情報蓄積部507に蓄積された診断情報はユーザ指示によりあるいはリアルタイムで表示部508に表示させてもよい。表示部508には周囲の指標により認識された検査対象面が表示され、状態診断装置100の移動に従って状態診断が完了する毎に診断が完了した検査区画11の診断結果がリアルタイムで表示されても良い。なお、表示部508の表示画面は外部コンピュータのモニタに表示され、外部からユーザが監視できるようにしても良い。以下、本実施例による検査区画割り当て動作および状態診断動作について図7を参照しながら説明する。
<動作>
図8に例示するように、制御部504は配置された複数の基準点(指標)の位置情報を検出してフレーム全体座標系を決定し、後述するように少なくとも2つの指標を用いて状態診断装置100の測定開始位置および移動方向を決定する(動作701)。続いて検査区画割り当て部520は、上述したように、検出された複数の指標の位置情報に基づいて検査対象面での検査区画を割り当てる(動作702)。
続いて、制御部504はナビゲーションモードに移行し、全体位置検出器200により自己の全体位置をリアルタイムで検出しながら検査区画の割当て付番に従って駆動モータM1およびM2を制御する。これにより図3および図4に示すように状態診断装置100は検査区画の順番通りに移動する(動作703)。
続いて、状態診断装置100が一つの割当てられた検査区画(フレーム全体座標P(X,Y))に移動すると、制御部504は測定モードに移行する(動作704)。測定モードでは、駆動モータM1およびM2をロックして状態診断装置100を動かないように静止させる。静止状態で、制御部504はxyアクチュエータ300を駆動して診断ユニット400を図4に示すように移動させ、現在の検査区画11の状態検査を実行する。こうして得られた検査結果は診断情報生成部506により検査点合成座標(X’+x,Y’+y)にマッピングされ、集計されて診断情報蓄積部507に蓄積される。
続いて制御部504は割り当てられた検査区画11の全ての測定が完了したか否かを判断し(動作705)、未完であれば(動作705のNO)、動作703に戻ってナビゲーションモードを維持し、以上の動作703~705を検査対象物10の全範囲の測定が完了するまで繰り返す。測定が完了すると(動作705のYES)、全体位置検出器200により基準点(指標)の移動あるいは追加があるか否かを判断する(動作706)。指標の移動/追加があると、移動あるいは追加された基準点を検出して再登録し(動作707)、動作702へ戻って検査区画を新たに割り当て、上記動作702~707を繰り返す。こうして全ての測定範囲が完了すると(動作706のNO)、制御部504は処理を終了する。
図9に例示するように、診断情報蓄積部507に蓄積された診断情報は表示部508に表示されることが望ましい。たとえば表示部508には周囲の指標により認識された検査対象面が検査区画11により表示される。そして状態診断装置100の移動に従って状態診断が完了する毎に、診断が完了した検査区画11が測定済みとしてリアルタイムで表示される。その際、測定された検査区画11の診断結果が同時に表示されても良い。
<効果>
以上述べたように、本実施形態におけるコンピュータ500は、検査対象物10の水平な検査対象面に設定あるいは設置された複数の指標を全体位置検出器200が検出することで、少なくとも2つの指標により検査対象面の基準線を決定することができ、その基準線に基づいて検査対象面に複数の検査区画11を割り当てることができる。コンピュータ500は、状態診断装置100を割り当てられた検査区画11を順に移動させながら診断情報を取得することができる。これにより複数の指標を設置するだけで検査対象物の水平面の状態評価情報を自律的に効率良く生成することができるができる。
3.実施例
以下、本発明の一実施例による状態診断装置100の詳細な構成および動作について図面を参照しながら説明する。本実施例による状態診断装置100が状態診断を行う対象は床タイル等の水平方向に延在する検査対象物10である。
3.1)構成
図10、図11および図12に例示するように、本実施例による状態診断装置100のフレーム101の上面には天板102が固定され、天板102の所定位置に、あるいはフレーム101に支柱103が設置されている。支柱103は伸縮可能であり、その先端には全体位置検出器200が固定されている。全体位置検出器200は、支柱103を伸縮させることで、指標20からの反射光を障害物なしに受光できる高さに調整可能である。ユーザの身長を考慮すれば、全体位置検出器200の高さは2m程度とする。
全体位置検出器200は所定波長のレーザ光を所定周期(たとえば8Hz)および所定角度ステップ(たとえば0.25°)で周囲360°回転させ、その反射光を検出する。レーザ光の発射角度と発射から反射光の到達までの時間とを計測することで指標20が存在する方向とその距離とを所定の精度で検出することができる。また全体位置検出器200の計測可能範囲200aはたとえば半径30m程度である。このような全体位置検出器200としては、たとえばSICK AG社製のレーザ測位センサであるNAV350(商標)を用いることができる。
レーザ測位以外に、WiFiのアクセスポイントを指標として用い複数のアクセスポイントからの電波強度あるいは電波到達角度を検出して位置を計算する方法、ビーコンを指標として用いる測位方法、ID情報をのせた超音波の発信源を指標に用いる方法、カメラによる撮像画像を用いて自己位置を推定する方法、LiDAR(Light Detection And Ranging)を用いて自己位置を推定する方法など、必要な解像度が得られる方式を環境に応じて採用すれば良い。
指標20は所定の高さのポール20aに高反射率のリフレクタ20bを貼り付けたものを使用する。リフレクタ20bは、筒状にして壁や柱等に貼り付けてもよいし、一定の面積(レーザ光を十分に受光して反射できる程度の面積)にカットして壁や柱等に貼り付けてもよい。リフレクタ20bの高さを全体位置検出器200の高さに合わせて調整できるものが望ましい。ポール20aの直径は、全体位置検出器200からのレーザ光ができるだけ効率的に反射して戻るように、ある程度大きくすることが有利であり、ここでは直径8~10cm程度のポールが用いられる。またリフレクタ20bの長さも全体位置検出器200との距離に応じて長くすることが望ましく、ここでは40~60cm程度である。
本実施例ではフレーム101の底面の前方に駆動輪110および111が、後方に自在キャスタ104が取り付けられた状態診断装置100が例示されているが、これに限定されるものではなく、前方に自在キャスタ104が、後方に駆動輪110および111が設けられてもよい。後輪を駆動輪にする方が小回りがきくという利点がある。上述したように移動制御部521が検査区画の割り当てに従って駆動モータM1およびM2を独立に制御することで状態診断装置100を自動で前後左右に移動させることができる。
フレーム101の底面に配置されたxyアクチュエータ300は自在キャスタ104、駆動輪110および111により検査対象物10の平面から所定距離だけ離れている。xyアクチュエータ300については後述するが、xステージのxキャリッジに診断ユニット400が取り付けられている。診断ユニット400は昇降機構401により検査ユニット402を上昇あるいは下降させることができる。
状態診断装置100の天板102上には、モニタ用の表示部508を有するコンピュータ500および操作部600が設けられ、全体位置検出器200および診断ユニット400と共にローカルエリアネットワークを構成している。
また、図11および図12に例示されているように、フレーム101の後方上端部にはバー105が水平に設けられ、ユーザはバー105を掴んで操作することで状態診断装置100を所望の方向へ移動させることができる。あるいは図11に明示されるように、操作部600にジョイスティック600aを設け、状態診断装置100をユーザ操作で所望の方向へ移動させることもできる。
また自在キャスタ104はストッパ104aを有するものが望ましい。ユーザが足でストッパ104aを操作することで状態診断装置l00を確実に静止させることができ、診断ユニット400による診断動作を安定的に実行できる。また、前輪を自在キャスタ104、後輪を駆動輪110および111とした場合には、緊急停止用ストッパを後輪側に設け、ユーザが足で緊急停止用ストッパを操作することで駆動輪110および111を検査対象面から浮かせる機能を設けることもできる。
3.2)xyアクチュエータ(検出部移動機構)
図13、図14および図15に例示するように、xyアクチュエータ300は一対の平行なyフレーム301とそれらに直交するxステージ302とからなり、一対のyフレーム301がフレーム101の底面フレームに固定されている。xステージ302は各yフレーム301上で移動可能なyキャリッジ303上に固定され、一対のyキャリッジ303はy軸ステッピングモータ304の回転によりy軸方向に移動する。したがって、xステージ302はy軸ステッピングモータ304によりy軸方向の所望位置に移動可能である。
xステージ302にはxキャリッジ305が移動可能に設けられ、xキャリッジ305に診断ユニット400が固定されている。より詳しくは、xキャリッジ305に昇降機構401が固定され、昇降機構401に検査ユニット402が昇降可能に連結されている。xキャリッジ305はx軸ステッピングモータ306の回転によりxステージ302上を移動する。したがって、xキャリッジ305に固定された診断ユニット400はx軸ステッピングモータ306によりx軸方向の所望位置に移動可能である。
こうしてy軸ステッピングモータ304およびx軸ステッピングモータ306のそれぞれの回転を制御することで、xキャリッジ305に固定された診断ユニット400を図13のハッチング部で示す検査区画11内で所定ステップごとに順次移動させことができる。すなわち、x軸ステッピングモータ306を所定角度だけ回転させることで診断ユニット400をx軸方向に所定距離Δxだけ移動させ、y軸ステッピングモータ304を所定角度だけ回転させることで診断ユニット400をy軸方向に所定距離Δyだけ移動させることができる(図4参照)。移動距離ΔxおよびΔyの精度については、y軸ステッピングモータ304およびx軸ステッピングモータ306に付加されたエンコーダにより十分な位置決め精度を得ることができる。
y軸ステッピングモータ304およびx軸ステッピングモータ306によるyキャリッジ303およびxキャリッジ305の移動手段は方式を問わない。送りネジ方式であってもベルト送り方式であってもよいが、本実施例ではベルト送り方式が用いられている。このようなxyアクチュエータとしては市販されている製品を利用することができ、たとえばFESTO社製の平面ガントリ(EXCM-40)を用いることができる。診断ユニット400の有効可動範囲、すなわち検査区画11のサイズはたとえば70×70cm程度である。
また本実施例によれば、図13に示すように、状態診断装置100の進行方向はフレーム内座標系のy軸方向に一致し、診断ユニット400はxステージ302の進行方向側(前側)に連結されている。したがってxステージ302のy軸方向のストローク302aに対して、検査区画11はxyアクチュエータ300の進行方向側へシフトしている。これにより検査対象物10の検査対象面の端部まで診断しやすくなる。
3.3)診断ユニット
図16に例示するように、本実施例における診断ユニット400は昇降機構401と検査ユニット402とからなり、昇降機構401がxステージ302のxキャリッジ305に固定されている。検査ユニット402は昇降機構401と上下方向にスライド可能に連結されている。以下、昇降機構401および検査ユニット402について詳細に説明する。
<昇降機構>
図16~図18において、昇降機構401はxキャリッジ305に固定された板状のブラケット410を有し、ブラケット410の裏側に駆動手段としてDCモータを含むアクチュエータ411が設けられている。アクチュエータ411の回転軸412はブラケット410の開口部を通して表側へ回転可能に貫通し、回転軸412の先端にカム413が固定されている。カム413は、図17に示すように、回転軸412が偏心している円板カムである。また、ブラケット410の表面には、カム413の上方に一対のフック414が設けられ、それぞれにコイルバネ415の一端が掛かっている。これらコイルバネ415の他端には以下に述べる検査ユニット402が掛かり、検査ユニット402はコイルバネ415により上方へ付勢され、それによってカム413に押しつけられた状態にある。
<検査ユニット>
検査ユニット402は、カム413の外周に当接した従節板420を有し、従節板420の両側には一対のフック421が延びており、それらに一対のコイルバネ415の他端がそれぞれ掛かっている。従節板420は連結部422により断面が矩形の検出部423に固定されることで一体として検査ユニット402を構成している。さらに連結部422は昇降機構401のブラケット410に固定されたレールと上下方向にスライド可能に連結したスライダからなる。
図17および図18に示すように、検出部423には水平方向に延伸した取り付け具424が固定されており、取り付け具424の裏面に4つの自在キャスタ425が固定されている。自在キャスタ425は360°旋回可能であり、自在キャスタ425が検査対象物10の表面に接触した状態で、検出部423の底面426との間に所定の間隙が生じるように設計されている。この所定の間隙の距離は検出部423の打撃による診断動作が適切に行われるように設定される。検出部423の下端部の4方向の側面にはマイクロフォンを覆うマイクロフォンカバー427が突出して設けられ、また底面部には打撃ハンマ(図示せず)が設けられている。このような検出部423の詳細な構成については後述する。
また、図17に明示的に示されているように、ブラケット410の下端部には上下方向に2つの検知スイッチ416および417が設けられ、連結部422に突起部428が検知スイッチ416あるいは417と接触可能に設けられている。突起部428が上側の検知スイッチ416に接触してスイッチをオンにしているときは検査ユニット402が上昇位置にあり、この上昇位置で状態診断装置100は移動することができる。また突起部428が下側の検知スイッチ417に接触してスイッチをオンにしているときは検査ユニット402が下降位置にあり、この下降位置でxyアクチュエータ300を駆動し検出部423を順次移動させながら検査区画11で打診動作を実行することができる。
<昇降動作>
図19を参照しながら、昇降機構401による検査ユニット402の昇降動作について説明する。上述したように、検査ユニット402の従節板420はコイルバネ415により上方へ付勢され、カム413の外周に当接している。
図19(A)に示すように、アクチュエータ411の回転により回転軸412とカム413の外周との垂直方向の距離が最短になると、カム413に当接した従節板420がコイルバネ415により引き上げられ、それにより検査ユニット402の全体が上昇し、突起部428が上側の検知スイッチ416に接触して停止する。この上昇位置で検出部423は自在キャスタ425と共に検査対象物10から離れるので、ユーザは状態診断装置100を移動させることができる。
図19(B)に示すように、アクチュエータ411の回転により回転軸412とカム413の外周との垂直方向の距離が最長になると、カム413に当接した従節板420がコイルバネ415に抗して押し下げられ、それにより検査ユニット402の全体が下降し、突起部428が下側の検知スイッチ417に接触して停止する。この下降位置で自在キャスタ425が検査対象物10に接触し、検出部423の底面426と検査対象物10の表面との間が後述する打診に適した距離に維持される。この下降状態において、診断ユニット400は自在キャスタ425により検査対象物10の表面に接触しているので、xyアックチュエータ300の動作に応じて前後左右に自在に移動可能である。
このようにアクチュエータ411の回転制御によりカム413を回転させて検査ユニット402を上昇あるいは下降させることができる。
3.4)検出部
本実施例における検出部423は検査対象物10の表面を打撃することで診断情報を取得するセンサ部であり、基本的には上述した特許文献1の検出ユニットを採用することができる。以下、検出部423の構成および動作を説明する。
図20に例示するように、検出部423は四角柱形状の筐体450内に打撃部451が固定されており、打撃部451はソレノイドからなり、たとえばソレノイドが通電されるとプランジャ452を所定の力で下方に押し出し、通電が停止されるとバネ等の手段でプランジャ452を上方へ引き込む。プランジャ452の下端には打撃ハンマ453が設けられ、筐体450の底面にあるベース454の中央に設けられた開口部455を移動可能に貫通している。ソレノイドの通電により打撃ハンマ453は開口部455を通して検査対象物10の検査面に打撃を与えることができる。既に述べたように、診断ユニット400が下降すると自在キャスタ425が検査対象物10に接触し、検出部423の底面と検査対象物10の表面との間に打撃ハンマ453の駆動に適した距離が維持される。
打撃ハンマ453には振動センサ456が設けられ、打撃ハンマ453の打撃時の振動を検出する。筐体450の下端部の4方向の側面には防振ゴム457を介してマイクロフォン458が設けられ、これらの上にマイクロフォンカバー427が設けられている。マイクロフォン458は打撃時の検査面からの打音を検出する。なお、本実施例では4個のマイクロフォン458が設けられているが、これに限定されるものではない。
検出部423の検出動作は次のように実行される。まず検出器423がxyアクチュエータ300により検査すべき位置に移動すると、打撃ハンマ453が検査面を打撃する。このときの打撃ハンマ453の振動は振動センサ456により検出され、検査面の打撃による打音をマイクロフォン458により検出する。特許文献1によれば、こうして得られた振動検出信号により基準時刻を決定し、それに基づいて打音検出信号から検査面の剥離等の状態を評価することができる。ただし、検出部423は本実施例に限定されるものではなく、検査対象物10の状態評価が可能な任意の方式を採用することができる。たとえば同じく特許文献1に記載されたように、マイクロフォン453からの打音検出信号と、打撃ハンマ453の打撃による検査面の振動を検出した検査面振動検出信号とを用いて検査面の剥離等の状態を評価してもよい。
4.適用例
上記実施形態および実施例では、全体位置検出器200が複数の指標を検知して検査対象面の全体を認識する場合を例示したが、全体位置検出器200の検出範囲を超える広さあるいは複雑な形状の検査対象物10であっても、指標の追加あるいは配置変更をしながら上記状態診断方法を繰り返し適用することで測定可能である。以下、正方形状の検査対象物10を例示し、それを4つの測定面に分割して状態診断する場合を説明する。
図21(A)に示すように、大きな検査対象面の一部である測定面901を4つの指標(リフレクタ)21~24により規定し、上述したように指標を登録して座標系を決定し、状態診断装置100を移動させながら測定面901の状態診断情報を取得する。続いて、図21(B)に示すように、リフレクタ21および24のみを移動させ、4つのリフレクタ21~24により測定面902を規定し、指標を再登録した後、同様にして状態診断装置100を移動させながら測定面902の状態診断情報を取得する。続いて、図21(C)に示すように、リフレクタ21および22のみを移動させ、4つのリフレクタ21~24により測定面903を規定し、指標を再登録した後、同様にして測定面903の状態診断情報を取得する。続いて、図21(D)に示すように、リフレクタ21および24のみを移動させ、4つのリフレクタ21~24により測定面904を規定し、指標を再登録した後、同様にして測定面904の状態診断情報を取得する。このように取得された測定面901~904の状態診断情報を診断情報蓄積部507に格納することで、検査対象面全体の状態診断情報を表示することができる。このようにリフレクタ(指標)の配置を順次変更しながら上記状態診断方法を繰り返し適用することで、任意の大きさの検査対象物10の状態診断が可能となる。なお、図21(B)~(D)のリフレクタ配置は、配置変更ではなく、リフレクタの追加であってもよい。
さらに図22に例示するように、上記図21(D)のリフレクタ配置からリフレクタ23および24のみを移動させ、あるいはリフレクタを追加して、4つのリフレクタ21~24により測定面905を規定し、指標を再登録した後、同様にして状態診断装置100を移動させながら測定面905の状態診断情報を取得する。このようなリフレクタの配置変更あるいは追加により、どのような形状の検査対象面であっても対応可能となる。
また図4に例示するような形状の検査対象面であっても、少なくとも2つのリフレクタを基準として基準線LRを決定すれば検査対象物10の全面の測定が検査区画11のΔxおよびΔyの解像度で可能となる。
5.他の実施形態
上述した実施形態および実施例は複数の指標を設置するだけで検査対象面を規定し、検査区画を割り当てることで自動診断を可能にしたが、検査対象面の形状によっては検査区画の割り当てを途中で変更する場合も考えられる。以下他の実施形態として、任意の床形状の室内で床診断を自動的に行う状態診断装置について図23~図25を参照しながら説明する。ただし、コンピュータ500に実装される基本的な機能構成は図7に示すものと同様であるから構成についての説明は省略し本実施形態の動作について説明する。なお、図8の動作と同様の動作には同じ参照番号を付して説明は簡略化するものとする。
図23に例示するように、検査対象面である室内の床10bが壁面10cで囲まれており、室内における状態診断装置100の全体位置を検出するために指標R1~R8が設置されているものとする。全体位置検出器200は、上述したようにレーザ光を所定周期および所定角度ステップで周囲360°回転させ、その反射光を検出することで自己の装置100に対して各指標が存在する方向とその距離とを所定の精度で検出することができる。また全体位置検出器200は同様にして壁面10cとの距離を検出することもできる。したがって、四方の壁面10cを指標として自己の全体位置を検出することも可能である。
<動作>
図24において、制御部504は、全体位置検出器200により検出された複数の基準点(指標)あるいは壁面10cの位置情報からフレーム全体座標系を決定する(動作710)。ここでは、図23に例示するように指標R1、R2およびR3あるいはそれに対応する壁面により規定される線を基準線LRとしてY軸方向が決定されたものとする。
続いて、検査区画割当て部520は、上述したようにフレーム全体座標系における検査対象面での検査区画11を割り当てる(動作711)。図25に例示するように、基準線LRを用いて全体座標系のX軸およびY軸を決定し、各検査区画11が全体座標P(X,Y)として割り当てられ、全体でp×q個の検査区画が配列されているものとする。この検査区画割当て時に、壁面10cに近い検査区画では全部を検査できない場合がある。図25の例では、検査区画P(1,k+1)、P(2,m)、P(3,n)・・・、P(p-1,2)、P(p-1,q)およびP(p、3)~P(p,q)が部分的な検査区画となっている。
続いて、制御部504はナビゲーションモードに移行し、全体位置検出器200により自己の全体位置をリアルタイムで検出しながら検査区画の割当て付番に従って駆動モータM1およびM2を制御し、これにより状態診断装置100は検査区画の順番通りに移動する(動作712)。
状態診断装置100は上述したように全体位置検出器200により壁面10cとの距離を検出できるので、移動先の検査区画が壁面に面した区画であるか否かを判断できる。このときに制御部504は当該検査区画が図25に示す部分的な検査区画P(1,k+1)、P(2,m)、P(3,n)等であるか否かを判断する(動作713)。部分的な検査区画でなければ(動作713のNO)、制御部504は駆動モータM1およびM2をロックし、xyアクチュエータ300を駆動して診断ユニット400を移動させ現在の検査区画11の状態検査を実行する。こうして得られた検査結果は診断情報生成部506により検査点合成座標(X’+x,Y’+y)にマッピングされ、集計されて診断情報蓄積部507に蓄積される。部分的な検査区画であれば(動作713のYES)、制御部504はxyアクチュエータ300に駆動された検出部423からの検出信号Sのうち該当する検査部分のみを切り取ってマッピングし診断情報蓄積部507に蓄積してもよいし、当該検査区画の全部の検出信号Sを用いてそれ以前に検査された部分の検出信号に上書きしても良い(動作715)。
続いて、制御部504は割り当てられた検査区画11の全ての測定が完了したか否かを判断し(動作716)、未完であれば(動作716のNO)、動作712に戻ってナビゲーションモードを維持し、以上の動作712~716を検査対象物10の全範囲の測定が完了するまで繰り返す。測定が完了すると(動作716のYES)、全体位置検出器200により基準点(指標)の移動あるいは追加があるか否かを判断し(動作717)。指標の移動/追加があると、移動あるいは追加された基準点を検出して再登録し(動作718)、動作711へ戻って検査区画を新たに割り当て、上記動作711~718を繰り返す。こうして全ての測定範囲が完了すると(動作717のNO)、制御部504は処理を終了する。
6.他の実施例
上述した実施形態および実施例では状態診断装置100の装置本体が人力あるいはモータ駆動により移動可能であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方式で移動させることもできる。
<例1>
図26に例示するように、追従式牽引装置150に状態診断装置100の装置本体を連結し、追従式牽引装置150が作業者160に追従して状態診断装置100を牽引してもよい。状態診断装置100は図5~図20で例示した実施例と同様の構成を有するが、駆動輪110および111は自在キャスタであってもよい。追従式牽引装置150は状態診断装置100の進行方向側に連結されている。追従式牽引装置150は追従センサあるいはカメラ等の追従対象物検知手段151を用いて進行方向側を移動する作業者160の距離および方向を検知しながら追従する。なお、追従式牽引装置150としては種々の方式のものが提案されており、たとえば特開2019-003241号公報に記載された追従式台車を採用することができる。このように追従式牽引装置150により状態診断装置100を移動/停止させながら、上記実施形態で説明したようにフレーム内検査範囲11ごとに検査対象面全体の診断情報を取得することができる。
<例2>
図27に例示するように、牽引装置155に状態診断装置100の装置本体を連結し、運転者が牽引装置155を操縦することで、あるいは無線による遠隔操作により、状態診断装置100を牽引してもよい。状態診断装置100は図5~図20で例示した実施例と同様の構成を有するが、駆動輪110および111は自在キャスタであってもよい。この例では全体位置検出器200は状態診断装置100あるいは牽引装置155のいずれに設けられてもよい。このような牽引装置155を用いても状態診断装置100を移動/停止させながらフレーム内検査範囲11ごとに検査対象面全体の診断情報を取得することができる。
<例3>
上述したように状態診断装置100はモータ駆動される駆動輪110および111により移動可能であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、状態診断装置100はフレーム底面に全方向移動車輪を設け、各車輪を独立にモータ駆動することで所望の方向に移動させてもよい。たとえば全方向移動車輪としてメカナムホイールを採用し、図7における駆動モータ制御部522がメカナムホイールからなる4つの車輪の各々の回転速度と回転方向を独立して制御することにより、任意の方向に移動あるいは回転させることが可能となる。メカナムホイールを採用することで、状態診断装置100の小回りが容易となり、任意の形状の床であっても状態診断を容易に実行することができる。
本発明は建物の床あるいは屋上のような水平面の剥離等の状態診断に適用可能である。
10 検査対象物
11 検査区画
20 指標
20a ポール
20b リフレクタ
21~24 指標(リフレクタ)
100 状態診断装置
101 フレーム
102 天板
103 支柱
104 自在キャスタ
110,111 駆動輪
200 全体位置検出器
200a 計測可能範囲
300 xyアクチュエータ(検出部移動機構)
301 yフレーム
302 xステージ
303 yキャリッジ
304 y軸ステッピングモータ
305 xキャリッジ
306 x軸ステッピングモータ
400 診断ユニット
401 昇降機構
402 検査ユニット
410 ブラケット
411 アクチュエータ
412 回転軸
413 カム
414 フック
415 コイルバネ
416、417 検知スイッチ
420 従節板
421 フック
422 連結部
423 検出部
424 取り付け具
425 自在キャスタ
426 底面
427 マイクロフォンカバー
428 突起部
450 筐体
451 打撃部
452 プランジャ
453 打撃ハンマ
454 ベース
455 開口部
456 振動センサ
457 防振ゴム
458 マイクロフォン
500 コンピュータ
504 制御部
505 検査点位置合成部
506 診断情報生成部
507 診断情報蓄積部
508 表示部
510 データ処理部
520 検査区画割当て部
521 移動制御部
522 駆動モータ制御部

Claims (7)

  1. 水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断装置であって、
    前記状態診断装置の装置本体を前記検査対象物の検査対象面上で所望の方向に移動させる駆動部と、
    外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上における前記装置本体の全体位置を検出する全体位置検出部と、
    前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出する検出部と、
    前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させながら、前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成するデータ処理部と、
    を有する検査対象物の状態診断装置。
  2. 前記検出部を前記装置本体内の所望の位置に移動させる検出部移動機構を更に有し、前記検査区画が前記検出部の前記装置本体内の移動可能範囲であり、
    前記データ処理部は、前記検出部の前記装置本体内位置と前記装置本体の全体位置とから前記検出部の全体位置を算出し、前記検出部の全体位置における前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成することを特徴とする請求項に記載の検査対象物の状態診断装置。
  3. 前記データ処理部は、前記検査対象面上に割り当てられた検査区画の所定の順序に従って前記駆動部を制御して前記装置本体を移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の状態診断装置。
  4. 水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断システムであって、
    前記検査対象物の水平面上に設置され検査対象面を特定するための複数の指標と、
    前記検査対象面上を前記複数の指標を検出しながら移動し、前記検査対象物の状態を診断する状態診断装置と、
    からなり、
    前記状態診断装置が、
    装置本体と、
    少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象面上の全体位置を検出する全体位置検出部と、
    前記全体位置における前記検査対象物の状態を検出する検出部と、
    前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させながら、前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成するデータ処理部と、
    からなる、ことを特徴とする検査対象物の状態診断システム。
  5. 前記検出部を前記装置本体内の所望の位置に移動させるフレーム内移動機構を更に有し、前記検査区画が前記検出部の前記装置本体内の移動可能範囲であり、
    前記データ処理部は、前記検出部の前記装置本体内位置と前記装置本体の全体位置とから前記検出部の全体位置を算出し、前記検出部の全体位置における前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成することを特徴とする請求項に記載の検査対象物の状態診断システム。
  6. 水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断装置の状態診断方法であって、
    全体位置検出部が外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象物の検査対象面上における前記状態診断装置の装置本体の全体位置を取得し、
    検出部が前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出し、
    データ処理部が、
    前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、
    前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、
    前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させ、
    前記装置本体を移動させながら前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成する、
    ことを特徴とする状態診断方法。
  7. 水平面に沿って延在する検査対象物の状態を診断する状態診断装置としてコンピュータを制御するプログラムであって、
    全体位置検出部が外部の少なくとも2つの指標を検出することで前記検査対象物の検査対象面上における前記状態診断装置の装置本体の全体位置を取得する機能と、
    検出部が前記装置本体の全体位置における前記検査対象物の状態を検出する機能と、
    データ処理部が、前記全体位置検出部が検出した少なくとも2つの指標から基準線を決定し、前記基準線に従って決定された全体座標に従って前記検査対象面上に複数の検査区画を割り当て、前記割り当てられた検査区画に従って前記装置本体を移動させ、前記装置本体を移動させながら前記検査区画ごとに前記検出部により検出された検出信号から前記検査対象面の診断情報を生成する機能と、
    を前記コンピュータに実現することを特徴とするプログラム。
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