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JP7665404B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両用制御装置に関する。
従来、可変スピードリミッタ(Adjustable Speed Limiter:ASL)を搭載した車両がある。可変スピードリミッタは、車速をユーザが任意に設定した上限車速で制限する機能であり、この機能により、ユーザが上限車速を超える加速操作を意図せずに行っても、車速が上限車速に制限され、車速がユーザの意図ではなく上限車速を超えることを防止できる。
特開2010-6334号公報
降坂路においては、加速操作が行われていなくても(アクセル開度が0であっても)、車両が自重により加速するため、車速が上限車速を超えないようにするには、走行用の駆動源からの動力を変速する変速機の変速比をロー側に変速(ロー変速)することによる減速が必要になる場合がある。一方、平坦路では、減速のためのロー変速が行われると、駆動源の回転数が不要に上昇してNV(ノイズバイブレーション)が増えるなど、使用性が悪化する。そのため、ロー変速を行うには、平坦路と降坂路とを区別する必要がある。
Gセンサの検出信号から車両が所在する路面の勾配を判定する手法が広く用いられているが、コストの低減のため、Gセンサを用いずに平坦路と降坂路とを区別して、降坂路でロー変速を行いたいという要望がある。
本発明の目的は、路面勾配判定のセンサを用いずに、ロー変速の実施/不実施を判定できる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、駆動源が発生する走行用の動力を変速する変速機を搭載した車両に用いられて、設定車速を上限として車速を制限する車速制限機能のための制御を行う制御装置であって、車速の上昇を抑制する抑制制御が実際に開始されるタイミングを予測し、その予測したタイミングに基づいて、変速機をロー側に変速するロー変速の実施/不実施を判定する。
この構成によれば、設定車速を上限に車速を制限する車速制限機能のための制御として、車速の上昇を抑制する抑制制御が行われる。その場合に、抑制制御が実際に開始されるタイミングが予測されて、その予測されたタイミングに基づいて、変速機の変速比をロー側に変速するロー変速を実施するか否かが決定される。そのため、路面勾配判定のセンサを用いずに、降坂路でのロー変速の実施を判定(決定)することができる。その結果、車速制限機能を搭載した車両のコストの低減を図ることができる。
車両用制御装置は、抑制制御の指示から抑制制御が実際に開始されるまでの遅れ時間を推定し、抑制制御の指示から遅れ時間が経過する時点を抑制制御が実際に開始されるタイミングとしてもよい。
車両用制御装置は、抑制制御が実際に開始されるタイミング後の車速が増加している場合、ロー変速の実施を決定してもよい。
抑制制御が実際に開始されたにもかかわらず、車速が増加している場合、車両が降坂路を走行していると推測される。よって、その場合に、ロー変速を実施することにより、車両を減速させることができ、車速を設定車速で良好に制限することができる。
車両用制御装置は、抑制制御の指示時における車両の加速度に基づいて、抑制制御の指示時から予測したタイミングまでの車速の増加量を推定し、その推定した増加量が所定値以上である場合、ロー変速の実施を決定してもよい。
抑制制御が実際に開始されるまでの車両の加速度は、車両が平坦路を走行しているときよりも、車両が降坂路を走行しているときの方が大きくなる。そのため、抑制制御の指示時から抑制制御が実際に開始されるまでの車速の増加量について、車両が平坦路を走行しているときの増加量を基準に所定値を設定しておけば、推定した増加量が所定値以上である場合、車両が降坂路を走行していると推測することができる。よって、その場合に、ロー変速を実施することにより、車両を減速させることができ、車速を設定車速で良好に制限することができる。
本発明によれば、路面勾配判定のセンサを用いずに、ロー変速の実施/不実施を判定することができる。
本発明の一実施形態に係るEG/CVT-ECUを含むASLシステムの構成を示すブロック図である。 ロー変速実施判定処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示されるロー変速実施判定処理が実施される場合における車速の時間変化の例を示す図である。 ロー変速実施判定処理の他の例を示すフローチャートである。 図4に示されるロー変速実施判定処理が実施される場合における車速の時間変化の例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<ASLシステム>
図1は、本発明の一実施形態に係るEG/CVT-ECU11を含むASLシステム1の構成を示すブロック図である。
ASL(Adjustable Speed Limiter:可変スピードリミッタ)システム1は、たとえば、走行用の駆動源としてエンジン2を搭載した車両に適用されて、車速をユーザが任意に設定した設定車速(上限)で制限するシステムである。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ3、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。
車両には、エンジン2からの動力を変速して駆動輪に向けて出力する変速機として、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)4が搭載されている。CVT4は、ベルト式の無段変速機である。CVT4の各部に油圧を供給するための油圧回路には、CVT4の変速比を変速するために、プライマリシーブおよびセカンダリシーブに供給される油圧を制御する変速ソレノイドバルブ5が含まれる。
ASLシステム1には、エンジン2およびCVT4の制御のためのEG/CVT-ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)11が含まれる。車両には、EG/CVT-ECU11を含めて、複数のECUが搭載されている。各ECUは、マイコン(マイクロコントローラユニット)を備えており、マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。各ECUには、制御に必要な各種センサが接続されており、その接続されたセンサの検出信号が入力される。また、各ECUには、各種センサから入力される検出信号以外に制御に必要な情報が他のECUから入力される。
EG/CVT-ECU11には、アクセル開度および車速の情報が入力される。
車両には、ドライバにより足踏み操作されるアクセルペダルが設けられ、アクセルペダルに付随して、アクセルペダルの操作量に応じた検出信号を出力するアクセルセンサが設けられている。アクセルセンサの検出信号からアクセルペダルの操作量を求めることができ、その操作量とアクセルペダルの最大操作量とから、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合であるアクセル開度を求めることができる。
また、車両には、車両の走行に伴って回転する回転体の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する車速センサが設けられている。車速は、車速センサの検出信号の周波数を求めて、その周波数を換算式に当てはめることにより求めることができる。
車両には、車速をユーザが任意に設定した設定車速に保持するクルーズコントロール機能が搭載されている。車両のステアリングコラムには、車両の車速を設定車速で制限するASLの作動/非作動を指示するASLスイッチ(SW)12と、クルーズコントロール機能の作動/非作動を指示するとともに、ASLおよびクルーズコントロールに共通に用いられる設定車速を設定するためのクルーズコントロール用スイッチ(SW)13とが設けられている。EG/CVT-ECU11には、ASLスイッチ12およびクルーズコントロール用スイッチ13の操作に応じた信号が入力される。
EG/CVT-ECU11は、機能処理部として、ASL制御部21、エンジン制御部22およびT/M制御部23を実質的に備えている。
ASL制御部21は、ASLスイッチ12の操作によりASLの作動が指示されている場合に、車速を設定車速で制限するASL制御を行う。ASL制御部21には、車速を設定車速で制限するために、車速および設定車速に応じたアクセル開度を制限アクセル開度として設定するASLスロットル制御ロジックと、CVT4の変速比をロー側に変速させるロー変速要求を出力するASL変速制御ロジックとが組まれている。
ASL制御が行われているときには、エンジン制御部22では、アクセルペダルの操作によるアクセル開度であるドライバアクセル開度とASL制御部21から入力される制限アクセル開度とが比較されて、それらのうちで小さい方が取得される(MIN取り)。EG/CVT-ECU11の不揮発性メモリには、アクセル開度と電子スロットルバルブ3の開度(スロットル開度)との関係が記憶されており、エンジン制御部22では、その関係からドライバアクセル開度および制限アクセル開度のうちの小さい方に応じたスロットル開度の目標が求められる。そして、EG/CVT-ECU11により、スロットル開度が目標に一致するように、電子スロットルバルブ3が制御される。
T/M制御部23には、ASL対応制御ロジックが組まれている。ASL制御部21からロー変速要求が出力されると、T/M制御部23では、ASL対応制御ロジックにより、たとえば、CVT4の変速比の目標が現在の変速比からロー側(変速比の大きい側)に所定値だけ大きい変速比に設定される。そして、T/M制御部23により、CVT4の変速比が目標に一致するように、変速ソレノイドバルブ5が制御される。
<ロー変速実施判定処理>
図2は、ロー変速実施判定処理の流れを示すフローチャートである。図3は、図2に示されるロー変速実施判定処理が実施される場合における車速の時間変化の例を示す図である。
EG/CVT-ECU11のASL制御部21により、車両の車速が設定車速を超過した場合に、CVT4の変速比をロー側に変速させるロー変速を実施/不実施を判定するため、図2に示されるロー変速実施判定処理が行われる。
このロー変速実施判定処理では、まず、車両の車速が設定車速を超過したか否かが判断される(ステップS11)。車速が設定車速以下である間は、処理が次に進まず、車速が設定車速を超過したか否かが繰り返し判断される。
車速が設定車速を超過した場合(ステップS11のYES)、制限アクセル開度が0に設定される。そして、その制限アクセル開度の設定に応じて、エンジン制御部22から電子スロットルバルブ3を全閉させる指示(スロットル全閉指示)が出力されているか否かが判断される(ステップS12)。
スロットル全閉指示が出力されると(ステップS12のYES)、そのスロットル全閉指示の出力時(車速が設定車速を超過した車速超過時とほぼ一致)から変曲点到達推定時間以上が経過したか否かが判断される(ステップS13)。変曲点到達推定時間は、スロットル全閉指示の出力から電子スロットルバルブ3の全閉によりエンジン2の出力が低減し始めるまでの遅れ時間に設定される。遅れ時間は、電子スロットルバルブ3を開閉するモータの時定数に応じたスロットル遅れ時間(固定値)と、エンジン2の吸気行程から燃焼行程までに要する燃焼行程遅れ時間とを加算することにより求められる。燃焼行程遅れ時間は、エンジン2の回転数に依存するので、エンジン2の回転数から求めることができる。
したがって、スロットル全閉指示の出力時から変曲点到達推定時間が経過した時点で、エンジン2の出力が増加から減少に転じる変曲点を迎え、変曲点到達推定時間以上が経過した時点では、エンジン2の出力が低減し始めている。そのため、車両が平坦路を走行している場合には、図3に車速変化線Bで示されるように、車両が減速し始めており、車両の加速度が負の値を示す。一方、スロットル全閉指示の出力時から変曲点到達推定時間以上が経過して、エンジン2の出力が低減しているにもかかわらず、図3に車速変化線Aで示されるように、車両が加速しており、車両の加速度が0以上である場合、車両が降坂路を走行しているために自重により加速していると考えられる。
そこで、スロットル全閉指示の出力時から変曲点到達推定時間以上が経過した時点で(ステップS13のYES)、車両の車速の時間微分により求められる加速度が0以上であるか否かが判断される(ステップS14)。そして、車両の加速度が0以上である場合(ステップS14のYES)、ロー変速の実施が決定されて(ステップS15)、ロー変速要求がASL制御部21からT/M制御部23に送信される。一方、車両の加速度が0未満である場合(ステップS14のNO)、ロー変速の不実施が決定されて(ステップS16)、ASL制御部21からロー変速要求は出力されない。
<効果>
以上のように、路面勾配判定のセンサを用いずに、降坂路でのロー変速の実施を判定することができる。その結果、ASLシステム1のコストの低減を図ることができ、ひいては、ASLシステム1を搭載した車両のコストの低減を図ることができる。
<ロー変速実施判定処理の他の例>
図4は、ロー変速実施判定処理の他の例を示すフローチャートである。図5は、図4に示されるロー変速実施判定処理が実施される場合における車速の時間変化の例を示す図である。
EG/CVT-ECU11のASL制御部21により、車両の車速が設定車速を超過した場合に、CVT4の変速比をロー側に変速させるロー変速の実施/不実施を判定するため、図2に示されるロー変速実施判定処理に代えて、図4に示されるロー変速実施判定処理が行われてもよい。
このロー変速実施判定処理では、まず、車両の車速が設定車速を超過したか否かが判断される(ステップS21)。車速が設定車速以下である間は、処理が次に進まず、車速が設定車速を超過したか否かが繰り返し判断される。
車速が設定車速を超過した場合(ステップS21のYES)、制限アクセル開度が0に設定される。そして、その制限アクセル開度の設定に応じて、エンジン制御部22から電子スロットルバルブ3を全閉させる指示(スロットル全閉指示)が出力されているか否かが判断される(ステップS22)。
スロットル全閉指示が出力されると(ステップS22のYES)、そのスロットル全閉指示の出力時(車速が設定車速を超過した車速超過時とほぼ一致)における車両の車速を時間微分することにより、車両の加速度が求められる。また、図2に示される処理の場合と同様に、スロットル遅れ時間と燃焼行程遅れ時間との加算により、変曲点到達推定時間が求められる。
エンジン2の出力が同じであるとして、車両の加速度は、車両が平坦路を走行しているときよりも、車両が降坂路を走行しているときの方が大きくなる。スロットル全閉指示の出力時における車両の加速度と変曲点到達推定時間との乗算値を、スロットル全閉指示の出力時から変曲点到達推定時間が経過する時点(変曲点到達時)までの車速の増加量と推定し、車両が平坦路を走行しているときに推定される増加量を基準に所定値αを設定しておけば、車速の増加量が所定値α以上である場合、車両が降坂路を走行していると推定することができる。
そこで、スロットル全閉指示の出力時から変曲点到達推定時間が経過する時点までの車速の増加量が所定値α以上である場合、言い換えれば、設定車速に車両の増加量を加算して得られる推定車速(変曲点到達時の推定車速)が設定車速に所定値αを加算した値以上である場合には(ステップS23のYES)、ロー変速の実施が決定されて(ステップS24)、ロー変速要求がASL制御部21からT/M制御部23に送信される。一方、変曲点到達時の推定車速が設定車速に所定値αを加算した値未満である場合には(ステップS23のNO)、ロー変速の不実施が決定されて(ステップS25)、ASL制御部21からロー変速要求は出力されない。
<効果>
以上のように、図4に示される処理によっても、路面勾配判定のセンサを用いずに、降坂路でのロー変速の実施を判定することができる。その結果、ASLシステム1のコストの低減を図ることができ、ひいては、ASLシステム1を搭載した車両のコストの低減を図ることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、ASLシステム1が走行用の駆動源としてエンジン2を搭載した車両に適用された場合を例にとったが、本発明は、走行用の駆動源からの動力を変速する変速機を搭載した車両であれば、モータを走行用の駆動源として搭載する電動車両(ハイブリッド車両、電気自動車)に適用することもできる。
また、変速機は、ベルト式の無段変速機に限らず、トロイダル式など他の方式の無段変速機であってもよいし、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)であってもよい。また、変速機は、手動変速機(MT:Manual Transmission)であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2:エンジン(駆動源)
4:CVT(変速機)
11:EG/CVT-ECU(車両用制御装置)
α:所定値

Claims (2)

  1. 駆動源が発生する走行用の動力を変速する変速機を搭載した車両に用いられて、設定車速を上限として車速を制限する車速制限機能のための制御を行う制御装置であって、
    車速の上昇を抑制する抑制制御が実際に開始されるタイミングを予測し、
    その予測した前記タイミングに基づいて、前記変速機をロー側に変速するロー変速の実施/不実施を判定し、
    その判定において、前記抑制制御の指示時における前記車両の加速度に基づいて、前記抑制制御の指示時から予測した前記タイミングまでの車速の増加量を推定し、その推定した増加量が所定値以上である場合、前記ロー変速の実施を決定する、車両用制御装置。
  2. 前記抑制制御の指示から前記抑制制御が実際に開始されるまでの遅れ時間を推定し、
    前記抑制制御の指示から前記遅れ時間が経過する時点を前記タイミングとする、請求項1に記載の車両用制御装置。
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