以下に、本発明の一実施形態に係る診断装置、診断方法および診断プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
〔実施形態〕
以下に、本実施形態に係る診断システム(1000)の構成、コリオリ質量流量計(1)の構成、診断システム(1000)の各装置の構成、校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の詳細、各処理の処理結果、各処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
〔1.診断システム(1000)の構成〕
図1を用いて、本実施形態に係る診断システム(1000)の構成を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る診断システム(1000)の構成例を示す図である。以下に、診断システム(1000)全体の構成例、診断システム(1000)の処理、コリオリ質量流量計(1)の基本動作、従来技術の課題を順に説明し、最後に診断システム(1000)の効果について説明する。
(1-1.診断システム(1000)全体の構成例)
診断システム(1000)は、コリオリ質量流量計(1)、診断装置(2)および校正装置(3)を有する。ここで、コリオリ質量流量計(1)と、診断装置(2)と、校正装置(3)とは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、図1に示した診断システム(1000)には、複数台のコリオリ質量流量計(1)、複数台の診断装置(2)、複数台の校正装置(3)が含まれてもよい。また、図2において後述するように、コリオリ質量流量計(1)は、診断装置(2)および校正装置(3)のうち少なくとも1つを内部装置として有してもよい。さらに、診断装置(2)および校正装置(3)は、外部装置(31)として統合された構成であってもよい。
(1-2.診断システム(1000)全体の処理)
上記のような診断システム(1000)全体の処理について説明する。まず、校正装置(3)は、コリオリ質量流量計(1)が測定した測定値を取得する(ステップS1)。次に、校正装置(3)は、コリオリ質量流量計(1)の密度校正処理(ステップS2)を実行する。続いて、診断装置(2)は、校正装置(3)から密度校正結果(151)を取得し(ステップS3)、密度誤差診断処理(ステップS4)、肉厚剛性診断処理(ステップS5)、流量誤差診断・簡易補正処理(ステップS6)、時期予測診断処理(ステップS7)を順に実行する。そして、診断装置(2)は、コリオリ質量流量計(1)に対して、上記ステップS4~S7の処理による診断結果を送信する(ステップS8)。また、診断装置(2)は、校正装置(3)に対して、上記ステップS7の時期予測診断結果であるコリオリ質量流量計(1)の校正時期を送信する(ステップS9)。なお、上記のステップS1~S9は、異なる順序で実行することもできる。また、上記のステップS1~S9のうち、省略される処理があってもよい。
(1-3.コリオリ質量流量計(1)の基本動作)
図2~図3および数式を用いて、診断システム(1000)におけるコリオリ質量流量計(1)の基本動作について説明する。以下では、コリオリ質量流量計(1)の基本構成、測定式、動作の順に説明する。
(1-3-1.コリオリ質量流量計(1)の基本構成)
図2を用いて、コリオリ質量流量計(1)の基本構成について説明する。図2は、実施形態に係るコリオリ質量流量計(1)の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、コリオリ質量流量計(1)は、検出部(10)、変換部(20)および表示操作部(30)を有する。また、コリオリ質量流量計(1)は、外部装置(31)と接続される。
検出部(10)は、1本以上の振動管(11)、加振部(12)、振動を測定する2個以上のセンサ(13、14)および温度センサ(15)を有する。ここで、上流側センサ(13)は、上流側信号S1(13a)を変換部(20)へ伝達する。また、下流側センサ(14)は、下流側信号S2(14a)を変換部(20)へ伝達する。温度センサ(15)は、振動管(11)の温度および流体の温度のうち少なくとも1つを測定し、温度信号T(15a)を変換部(20)へ伝達する。加振部(12)は、変換部(20)から励振信号ドライブ(12a)を受け取り、振動管(11)を振動させる。
変換部(20)は、駆動制御部(21)、質量流量演算部(22)および密度演算部(23)を有する。駆動制御部(21)は、上流側信号S1(13a)の振幅および下流側信号S2(14a)の振幅のうち少なくとも1つが目標の数値になるように、励振信号ドライブ(12a)を変化させる。質量流量演算部(22)は、上流側信号S1(13a)および下流側信号S2(14a)の位相差と周波数から、質量流量を算出する。また、質量流量演算部(22)は、温度信号T(15a)により温度補正を行う。密度演算部(23)は、上流側信号S1(13a)の周波数および下流側信号S2(14a)の周波数のうち少なくとも1つから流体の密度を算出する。また、密度演算部(23)は、温度信号T(15a)により温度補正を行う。
変換部(20)は、測定した数値を表示操作部(30)へ状態値(32a)として送信する。また、変換部(20)は、測定した数値を外部装置(31)へ状態値(32b)として送信する。一方、表示操作部(30)は、操作量(33a)を変換部(20)に送信し、動作の設定や測定係数の設定を行う。また、外部装置(31)は、操作量(33b)を変換部(20)に送信し、動作の設定や測定係数の設定を行う。
ここで、変換部(20)は、コリオリ質量流量計(1)に対して、質量流量および密度のうち少なくとも1つを測定するための校正処理を実行する校正制御部(40b)を有することもできる。また、変換部(20)は、コリオリ質量流量計(1)に対して、診断処理を実行する診断制御部(60b)を有することもできる。
外部装置(31)は、基準となる流量計を保持し、流体を流すことによって、コリオリ質量流量計(1)の校正を行う装置であって、校正制御部(40a)および診断制御部(60a)を有する。校正制御部(40a)は、密度校正部(51a)および質量流量校正部(41a)を有する。密度校正部(51a)は、密度が既知である複数の流体で周波数を測定することによって、密度の校正処理を実行する。質量流量校正部(41a)は、質量流量の校正処理を実行する。また、診断制御部(60a)は、後述する実施形態に係る診断装置(2)による診断処理を実行する。
一方、コリオリ質量流量計(1)の変換部(20)が有する校正制御部(40b)も、上述した外部装置(31)の校正制御部(40a)と同様に、校正処理を実行することができる。また、コリオリ質量流量計(1)の変換部(20)が有する診断制御部(60b)も、上述した外部装置(31)の診断制御部(60a)と同様に、後述する実施形態に係る診断装置(2)による診断処理を実行することができる。
上述してきたように、実施形態に係る診断システム(1000)において、各種診断処理を実行する診断制御部(60)は、外部装置(31)が有する診断制御部(60a)と、コリオリ質量流量計(1)内部の変換部(20)が有する診断制御部(60b)との、両方または一方として構成される。
(1-3-2.コリオリ質量流量計(1)の測定式)
以下では、コリオリ質量流量計(1)の測定式について説明する。まず、JIS B7555「コリオリメータによる流量計測方法(質量流量,密度及び体積流量計測) 解説」によると、質量流量Qmは、下記(1)式で測定される。
ここで、変数Ksは、振動管のねじれ方向の剛性(ばね定数)を示す。変数ωは、振動管の振動角速度を示す。変数dは、U字形をした振動管の横幅を示す。変数Lは、U字形をした振動管の振動方向の長さを示す。変数K1は、定数を示す。変数ωsは、ねじれ方向の固有各周波数を示す。変数ωuは、振動方向の固有角周波数を示す。変数θ0は、ねじれに相当する位相差を示す。
実際の質量流量の測定には、下記(2)式の測定式を用いる。
コリオリ質量流量計(1)では、振動管振動周波数fと位相差θ0とを測定し、流量測定係数Cqを掛けて、質量流量Qmを得る。このとき、流量測定係数Cqを質量流量校正部(41)により求め、流量測定係数Cq(28f)とする。また、位相差θ0を測定し、位相差θ(28d)とする。また、周波数fを測定し、周波数f(28c)とする。そして、質量流量Qmを上記(2)式で計算し、質量流量Qm(28a)とする。
コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の振動において、振動管(11)の剛性(ばね定数)K、振動管(11)の全質量M、振動管(11)の振動角周波数ωの関係は下記(3)式で表される。ここで、変数fは、振動管(11)の振動周波数を示す。
振動管(11)の全質量Mは、振動管(11)の質量Mu、2個以上のセンサ(13、14)や加振部(12)等の振動管(11)に接続された付属品の質量Md、振動管(11)内の流体の質量Mfの総和であり、下記(4)で表わされる。
振動管(11)内の流体の質量Mfは、流体の体積、すなわち、振動管(11)の内容積Vと、流体の密度ρより、下記(5)式で表わされる。
ここで、上記(3)式、(4)式および(5)式より、下記(6)式および(7)式が示される。
ここで、密度ρは、振動周波数fの関数となる。上記(7)式は、振動管(11)の剛性K、振動管(11)の内容積V、振動管(11)自体の質量Mu、付属品の質量Mdを含む。したがって、密度の測定には、これらの係数を求めておく必要がある。
密度ρが既知である流体を測定する。密度をρa、振動周波数をfa、振動管(11)の剛性をKaとすると、上記(6)式より、下記(8)式が成り立つ。
また、振動管(11)の剛性Kaは、測定時の振動管(11)の剛性Kと等しいとすると、下記(9)式で表わされる。
なお、振動管(11)の剛性は、温度等により変化をするため、厳密には上記(9)式が成立しない。したがって、温度等による補正が必要となる。
上記(6)式、(8)式および(9)式より、下記(10)式が成り立つ。
ここで、密度測定係数Cdを定義する。下記(11)式で表わすように、密度測定係数Cdは、振動管と付属品の質量の和を、振動管の内容積で割った値であり、密度と同じ単位となる。
また、上記(10)式および(11)式より、下記(12)式および(13)式が成り立つ。
コリオリ質量流量計(1)では、密度測定係数Cdおよび周波数faを、密度校正部(51)により求め、それぞれ密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)とする。また、振動管(11)の振動周波数fを測定し、周波数f(28c)とする。そして、上記(12)式より密度ρを計算し、密度ρ(28b)とする。
ここで、上記(12)式は、密度測定係数Cdと、流体密度ρaにおける周波数faとをあらかじめ測定しておけば、周波数fから、未知の流体の密度ρを計算できることを示している。このとき、流体密度ρaおよび周波数faは、温度や圧力が標準状態における空気または真空の値を用いる。また、液体を測定する場合は、水等の密度の近い液体の密度とすれば、スパン誤差が軽減される。
また、上記(13)式は、密度ρが大きくなると、周波数fが小さくなることを示す。また、密度測定係数Cdが大きいと、密度ρの変化に対する周波数fの変化が小さくなる。
以上より、密度測定係数Cdと剛性Kとの関係は、下記(14)式で表わされる。
(1-3-3.コリオリ質量流量計(1)の動作)
図3を用いて、コリオリ質量流量計(1)の動作について説明する。図3は、実施形態に係るコリオリ質量流量計(1)の測定処理の一例を示す図である。図3に示すように、コリオリ質量流量計(1)は、検出部(10)および変換部(20)を有する。また、検出部(10)は、加振部(12)、上流側センサ(13)、下流側センサ(14)および温度センサ(15)を有する。また、変換部(20)は、振幅演算部(21a)と振幅制御部(21b)と乗算器(21c)と励振回路(21d)と電流振幅演算部(21e)とを含む駆動制御部(21)、質量流量演算部(22)、密度演算部(23)、位相差演算部(24a)、周波数演算部(24b)、振幅演算部(24c)、振幅演算部(24d)、温度演算部(24e)および圧力選択スイッチ(24f)を有する。
まず、検出部(10)の上流側センサ(13)は、上流側信号S1(13a)を出力する。また、検出部(10)の下流側センサ(14)は、下流側信号S2(14a)を出力する。
次に、変換部(20)の駆動制御部(21)は、上流側信号S1(13a)の振幅が、振幅目標値(27c)になるように、励振信号ドライブ(12a)を制御する。ここで、振幅演算部(21a)は、上流側信号S1(13a)の振幅を出力する。振幅制御部(21b)は、振幅演算部(21a)で求めた振幅と、振幅目標値(27c)とから、ドライブゲイン(27b)を算出する。このとき、P制御やPI制御等が使われる。乗算器(21c)は、上流側信号S1(13a)とドライブゲイン(27b)を乗算して、制御信号を計算する。励振回路(21d)は、制御信号から励振信号ドライブ(12a)を作成する。そして、検出部(10)の加振部(12)は、励振信号ドライブ(12a)によって駆動する。このとき、加振部(12)は、電流を力に変換する。また、電流振幅演算部(21e)は、励振回路(21d)が出力する電流値の振幅を、ドライブ電流(27a)として出力する。
図3で示す例では、上流側信号S1(13a)により振幅制御を行っているが、下流側信号S2(14a)により振幅制御を行うこともできる。また、上流側信号S1(13a)および下流側信号S2(14a)両方を使用することもできる。
変換部(20)の振幅演算部(24c)は、上流側信号S1(13a)の振幅S1(27d)を出力する。また、振幅演算部(24d)は、下流側信号S2(14a)の振幅S2(27e)を出力する。なお、振幅演算部(24c、24d)は、ヒルベルト変換等を用いて、位相差計算と同時に出力処理を行うこともできる。また、変換部(20)の位相差演算部(24a)は、上流側信号S1(13a)および下流側信号S2(14a)から位相差θ(28d)を算出する。また、変換部(20)の周波数演算部(24b)は、上流側信号S1(13a)および下流側信号S2(14a)のうち少なくとも1つから周波数f(28c)を算出する。また、変換部(20)の温度演算部(24e)は、温度信号T(15a)から温度T(28e)を算出する。
変換部(20)の質量流量演算部(22)は、位相差θ(28d)および周波数f(28c)から、上述した(2)式により質量流量Qm(28a)を算出する。質量流量演算部(22)は、流量測定係数Cq(28f)を用いて、質量流量Qm(28a)を算出する。ここで、質量流量Qm(28a)は、温度や圧力、密度に依存する。コリオリ質量流量計(1)では圧力の測定ができないため、外部に圧力計(29)を付けて外部入力圧力Pin(28r)の取得、または既定圧力Ps(28q)の設定を行う。圧力計(29)が接続された場合は、圧力計接続信号(28s)がセットされる。圧力選択スイッチ(24f)は、圧力計接続信号(28s)により、外部入力圧力Pin(28r)または既定圧力Ps(28q)を出力し、圧力P(28t)とする。このとき、質量流量演算部(22)は、流量測定補正係数(28g)と、温度T(28e)、密度ρ(28b)および圧力P(28t)のうち少なくとも1つとを用いて、質量流量Qm(28a)を補正する。
変換部(20)の密度演算部(23)は、周波数f(28c)から、上述した(12)式により、密度ρ(28b)を算出する。密度演算部(23)は、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)を用いて、密度ρ(28b)を算出する。ここで、密度ρ(28b)は、温度や圧力に依存する。このとき、密度演算部(23)は、密度測定補正係数(28m)と、温度T(28e)および圧力P(28t)のうち少なくとも1つとを用いて、密度ρ(28b)を補正する。なお、この補正は、測定対象の変化に対する補正ではなく、振動管(11)の剛性等が変化することで、上述した(9)式が成立しない状況への補正である。密度演算部(23)は、例えば20℃、1気圧等の規定状態での周波数に補正する。
なお、変換部(20)は、上述した演算で使用する係数や設定値、測定結果を、すべて、制御パラメータ(27)およびパラメータ(28)として記憶する。また、校正制御部(40)や診断制御部(60)は、このパラメータの値を読み、設定することで動作する。
(1-4.従来技術の課題)
以下では、従来技術の課題について、剛性減衰診断処理および腐食診断処理、密度校正処理、流量校正処理、メインテナンス等の予測処理の順に説明する。
(1-4-1.剛性減衰診断処理および腐食診断処理)
従来の剛性減衰診断処理および腐食診断処理では、振幅情報を使うため、駆動回路や測定回路の増幅感度に影響される。また、従来の処理では、変換器の入出力信号により診断を行うので、ドライバおよびピックオフの磁石の磁束密度や回路のゲインの変化等の測定できない特性を含んでいる。よって、従来の処理では、振動管の剛性の絶対値を測定できず、相対値を判定する。
また、従来の処理では、振幅を測定するので、振動や温度等の影響を受ける。ここで、コリオリ質量流量計の質量流量および密度の測定は、位相差と周波数から行っており、振幅測定の精度は低い。さらに、従来の処理では、ドライブゲインを固定し、振幅の変化率の測定等、変換器に特別な仕組みを要するために、通常の質量流量と密度の測定以外に、負荷の大きな演算が必要になる。また、従来の処理では、剛性により腐食を判定しており、肉厚変化を直接求めていない。ここで、剛性変化の要因は、腐食だけとは限らない。診断システム(1000)で実行される密度誤差診断処理および肉厚剛性診断処理は、上記の課題の解決に寄与する。
(1-4-2.密度校正処理)
従来の密度校正処理では、パラメータを変えることで、測定結果に非連続性が生まれる。特に、頻繁に校正する場合は変動要因となる。また、従来の処理であっても、校正時に、校正に使用した流体の既知の密度との差から密度誤差を計算することは可能であるが、密度誤差は、測定対象の密度に依存する。ここで、コリオリ質量流量計の目的は、質量流量と密度とを測定することであるので、性能を保証するためには、密度誤差を把握する必要がある。診断システム(1000)で実行される密度校正処理および密度誤差診断処理は、上記の課題の解決に寄与する。
(1-4-3.流量校正処理)
従来の流量校正処理は、既知の流量を与える装置、あるいは基準の質量流量計が必要であり、校正装置が大掛かりになる。また、従来の処理では、質量流量の校正は、装置を取り外し、校正設備まで輸送して校正することで、多額の費用と流量計を使用できない時間が生じる。なお、測定精度は重要であるため、定期修理中に校正が行われている。また、従来の処理では、コリオリ質量流量計の校正を使用現場で行う試みもあるが、コンパクトな流量校正装置が必要となる。ここで、コリオリ質量流量計の目的は、質量流量と密度とを測定することであるので、性能を保証するためには、流量誤差を把握する必要がある。診断システム(1000)で実行される流量誤差診断・簡易補正処理は、上記の課題の解決に寄与する。
(1-4-4.メインテナンス等の予測処理)
従来のメインテナンスや交換時期の予測処理は、剛性または減衰から時期予測を行っている。これらのパラメータのみでは、メインテナンスを必要とする値を決定することが難しい。診断システム(1000)で実行される時期予測診断処理は、上記の課題の解決に寄与する。
(1-5.診断システム(1000)の効果)
以下では、診断システム(1000)の効果について、密度誤差診断処理および肉厚剛性診断処理、流量誤差診断・簡易補正処理、時期予測診断処理の順に説明する。
(1-5-1.密度誤差診断処理および肉厚剛性診断処理)
上述してきたように診断システム(1000)では、診断装置(2)は、振動させた振動管(11)に作用するコリオリ力に基づいて振動管(11)を流れる流体の流量および密度を計測するコリオリ質量流量計(1)を校正することによって生成された流体の密度の校正に関する密度校正結果に基づいて、密度の校正前後の流体の密度誤差に関する密度診断結果を生成し、密度診断結果に基づいて振動管(11)の肉厚および剛性のうち少なくとも1つに関する計算を実行し、振動管(11)の変化に関する肉厚剛性診断結果を生成する。また、診断装置(2)は、初期の密度測定係数と、密度校正結果が示す密度測定係数と、測定対象の密度とを用いて前記密度誤差を算出し、密度校正結果が示す密度測定係数の変化率と振動管(11)の設計値とを用いて、振動管(11)の肉厚変化および剛性変化に関する結果のうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果を生成し、肉厚剛性診断結果が閾値以上である場合に、振動管(11)に関する異常を検出する。さらに、診断装置(2)は、振動管(11)の内径、肉厚、肉厚変化、肉厚変化率、剛性変化率、腐食診断および付着診断のうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果を生成する。
このため、診断システム(1000)では、駆動回路や測定回路の増幅感度に影響される振幅情報を用いることなく振動管の腐食を判定することができるので、コリオリ質量流量計(1)の振動管の状態を正確に診断することができる。また、診断システム(1000)では、上記振動管の肉厚変化を直接求めることもできるので、コリオリ質量流量計(1)の故障や性能劣化を容易に診断することができる。
(1-5-2.流量誤差診断・簡易補正処理)
上述してきたように診断システム(1000)では、診断装置(2)は、前記肉厚剛性診断結果に基づいて前記流体の流量に関する計算を実行し、前記流体の流量誤差に関する流量診断結果を生成する。また、診断装置(2)は、剛性変化率、肉厚変化率および前記密度測定係数の変化率のうち少なくとも1つを用いて流量補正係数を算出し、算出した流量補正係数に基づいて、コリオリ質量流量計(1)が流量の計測に用いる流量補正係数の更新制御を実行する。このため、診断システム(1000)では、校正設備における質量流量の校正を行わずに、剛性変化、肉厚変化、密度測定係数の変化等から、質量流量を簡易補正することができる。
(1-5-3.時期予測診断処理)
上述してきたように診断システム(1000)では、診断装置(2)は、密度校正結果、密度診断結果、肉厚剛性診断結果または流量診断結果に基づいて、コリオリ質量流量計(1)における障害の発生、メインテナンスもしくは機器の交換に関する所要時間、稼働時間または流体の積算流量を予測し、時期予測診断結果として生成する。このため、診断システム(1000)では、校正処理の結果および各診断処理の結果のいずれかを用いることによって、メインテナンス等の時期をより正確かつ容易に予測することができる。
〔2.診断システム(1000)の各装置の構成〕
図4を用いて、図1に示した診断システム(1000)が有する各装置の機能構成について説明する。図4は、実施形態に係る診断システムの各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、診断システム(1000)全体の構成例および処理を説明した上で、診断装置(2)の構成例について説明する。なお、図4において、実線の矢印は信号等の情報であることを示し、破線の矢印は処理のトリガであることを示す。
(2-1.診断システム(1000)全体の構成例)
図4に示すように、診断システム(1000)は、コリオリ質量流量計(1)、診断装置(2)および校正装置(3)を有する。また、図4において、コリオリ質量流量計(1)、診断装置(2)および校正装置(3)は、別装置として示されているが、上記の3つの装置のうち、2つまたは3つの装置が統合された構成であってもよい。なお、コリオリ質量流量計(1)の構成および処理については、(1-3-1.コリオリ質量流量計(1)の基本構成)で説明したコリオリ質量流量計(1)の構成および処理と共通するので、説明を省略する。
また、校正装置(3)が有する校正制御部(40)の構成および処理の概要については、(1-3-1.コリオリ質量流量計(1)の基本構成)で説明した外部装置(31)またはコリオリ質量流量計(1)の変換部(20)における校正制御部(40)と共通するので、説明を省略するが、校正制御部(40)の構成および処理の詳細については、〔3.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の詳細〕で後述する。
(2-2.診断システム(1000)全体の処理)
図4に示すように、校正装置(3)は、密度校正部(51)による密度校正処理を実行する。診断装置(2)は、密度誤差診断部(61)による密度誤差診断処理、肉厚剛性診断部(70)による肉厚剛性診断処理、流量誤差診断簡易補正部(80)による流量誤差診断・簡易補正処理、時期予測診断部(90)による時期予測診断処理の順に、診断処理を実行する。すなわち、診断システム(1000)において、診断装置(2)は、以下に示すように、密度校正部(51)で得られた密度測定係数の変化から各診断を行う。
(2-2-1.密度校正処理)
第1の処理として、密度校正処理について説明する。まず、校正装置(3)の密度校正部(51)は、密度校正結果(151)を出力し、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)を更新する。また、密度校正部(51)は、密度が既知である測定対象において、周波数f(28c)を測定し、密度測定係数を求める。また、密度校正部(51)は、測定対象の密度と、コリオリ質量流量計(1)の周波数演算部(24b)により得られた周波数f(28c)のみを用いる。そして、密度校正部(51)は、実行終了時に、密度校正完了信号(160)をセットする。なお、校正装置(3)の質量流量校正部(41)は、既知の流量で、周波数f(28c)および位相差θ(28d)を測定し、流量測定係数Cq(28f)を求める。そして、質量流量校正部(41)は、処理終了時に、流量校正完了信号(120)をセットする。
(2-2-2.密度誤差診断処理)
第2の処理として、密度誤差診断処理について説明する。まず、診断装置(2)の密度誤差診断部(61)は、密度校正完了信号(160)がセットされたときに処理を実行する。このとき、密度誤差診断部(61)は、密度校正結果(151)に含まれる密度測定係数の変化から、密度誤差診断処理を行う。また、密度誤差診断部(61)は、処理結果を密度診断結果(201)に保存する。そして、密度誤差診断部(61)は、処理終了時に、密度校正完了信号(160)をリセットし、密度診断完了信号(210)をセットする。
(2-2-3.肉厚剛性診断処理)
第3の処理として、肉厚剛性診断処理について説明する。まず、診断装置(2)の肉厚剛性診断部(70)は、密度診断完了信号(210)がセットされたときに処理を実行する。このとき、肉厚剛性診断部(70)は、密度測定係数の変化から、肉厚と剛性の変化率を求め、診断を行う。また、肉厚剛性診断部(70)は、処理結果を肉厚剛性診断結果(301)に保存する。そして、肉厚剛性診断部(70)は、処理終了時に、密度診断完了信号(210)をリセットする。肉厚剛性診断完了信号(310)をセットする。
(2-2-4.流量誤差診断・簡易補正処理)
第4の処理として、流量誤差診断・簡易補正処理について説明する。まず、診断装置(2)の流量誤差診断簡易補正部(80)は、肉厚剛性診断完了信号(310)または流量校正完了信号(120)がセットされたときに処理を実行する。このとき、流量誤差診断簡易補正部(80)は、密度測定係数の変化、肉厚の変化、剛性の変化等から、流量補正係数fk(28u)を更新することで流量誤差を減らすとともに流量誤差を診断する。また、流量誤差診断簡易補正部(80)は、処理結果を流量診断結果(501)に保存する。流量誤差診断簡易補正部(80)は、処理終了時に、肉厚剛性診断完了信号(310)および流量校正完了信号(120)をリセットする。
(2-2-5.時期予測診断処理)
第5の処理として、時期予測診断処理について説明する。まず、診断装置(2)の時期予測診断部(90)は、密度校正結果(151)密度診断結果(201)肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)を使い、目標値に達する時期を予測する。このとき、時期予測診断部(90)は、閾値を設定することで、障害が発生する、もしくはメインテナンスが必要になる状態になるまでに要する時間、稼働時間、または流体の積算流量を予測する。
(2-3.診断装置(2)の構成例)
以下では、実施形態に係る診断装置(2)の構成例について説明する。図4に示すように、診断装置(2)は、診断制御部(60)、送受信部(200)および通知部(300)を有する。なお、診断装置(2)は、診断装置(2)の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(2-3-1.診断制御部(60))
診断制御部(60)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、診断装置(2)内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、診断制御部(60)は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、診断制御部(60)は、密度誤差診断部(61)、肉厚剛性診断部(70)、流量誤差診断簡易補正部(80)および時期予測診断部(90)を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、診断制御部(60)の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、診断制御部(60)が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(2-3-1-1.密度誤差診断部(61))
密度誤差診断部(61)は、振動させた振動管(11)に作用するコリオリ力に基づいて振動管(11)を流れる流体の流量および密度を計測するコリオリ質量流量計(1)を校正することによって生成された流体の密度の校正に関する密度校正結果(151)に基づいて、密度の校正前後の流体の密度誤差に関する密度診断結果(201)を生成する。
例えば、密度誤差診断部(61)は、初期の密度測定係数(Cd0、fa0)と、密度校正結果が示す密度測定係数(Cdc、fac)と、測定対象の密度ρtとを用いて密度誤差Δρ0を算出する。また、密度誤差診断部(61)は、初期の密度測定係数(Cd0、fa0)と、密度校正結果が示す密度測定係数(Cdc、fac)と、測定対象の密度ρtとを用いて、密度測定係数の変化率(aCd、afa)を算出する。
さらに、密度誤差診断部(61)は、変化前の密度測定係数(Cd0、fa0)と、密度校正結果が示す密度測定係数(Cdc、fac)と、測定対象の密度ρtとを用いて、密度測定係数を更新した際に生じる密度変動Δρ0を算出し、当該密度変動が許容値を超過した場合には、振動管(11)に関する異常を検知する。
(2-3-1-2.肉厚剛性診断部(70))
肉厚剛性診断部(70)は、密度校正結果(151)に基づいて振動管(11)の肉厚および剛性のうち少なくとも1つに関する計算を実行し、振動管(11)の変化に関する肉厚剛性診断結果(301)を生成する。例えば、肉厚剛性診断部(70)は、密度校正結果(151)または密度診断結果(201)が示す密度測定係数の変化率(aCd、afa)と振動管(11)の設計値(振動管内径d、振動管外径D)とを用いて、振動管(11)の肉厚変化および剛性変化に関する結果のうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果(301)を生成し、肉厚剛性診断結果(301)が閾値以上である場合に、振動管(11)に関する異常を検出する。また、肉厚剛性診断部(70)は、振動管(11)の内径dc、肉厚tc、肉厚変化dt、肉厚変化率rtおよび剛性変化率aKのうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果(301)を生成する。
さらに、肉厚剛性診断部(70)は、振動管(11)の肉厚変化および剛性変化に関する結果を用いて、肉厚診断、剛性診断、腐食診断および付着診断のうち少なくとも1つを含むコリオリ質量流量計(1)の故障診断を実行し、上記の結果が警報値を超過した場合には、コリオリ質量流量計(1)の故障を検知する。
(2-3-1-3.流量誤差診断簡易補正部(80))
流量誤差診断簡易補正部(80)は、肉厚剛性診断結果(301)に基づいて流体の流量に関する計算を実行し、流体の流量誤差に関する流量診断結果(501)を生成する。例えば、流量誤差診断簡易補正部(80)は、剛性変化率aK、肉厚変化率dtおよび密度測定係数の変化率adcのうち少なくとも1つを用いて流量補正係数fkqを算出し、算出した流量補正係数fkqに基づいて、コリオリ質量流量計(1)が流量の計測に用いる流量補正係数の更新制御を実行する。
このとき、流量誤差診断簡易補正部(80)は、変化前の流量補正係数fk、算出した流量補正係数fkqを用いて、流量補正係数を更新した際の流量変動率rqdを算出し、当該流量変動率が許容値を超過した場合には、コリオリ質量流量計(1)が流量の計測に用いる流量測定係数の更新を実行する。また、流量誤差診断簡易補正部(80)は、流量補正係数fkqの計算に使用する変化率の種類および重み係数を、シミュレーションまたは実験の結果から、あらかじめ決定することもできる。
(2-3-1-4.時期予測診断部(90))
時期予測診断部(90)は、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)に基づいて、コリオリ質量流量計(1)における障害の発生、メインテナンスもしくは機器の交換に関する所要時間、稼働時間または流体の積算流量を予測し、時期予測診断結果(603)として生成する。
例えば、時期予測診断部(90)は、密度診断結果(201)として、算出した密度測定係数(Cdc、fac)、密度測定係数変化率(aCdc、afac)および密度誤差Δρ0のうち少なくとも1つを用いて、時期予測診断結果(603)として出力する。また、時期予測診断部(90)は、肉厚剛性診断結果(301)として、振動管(11)の内径dc、肉厚tc、肉厚変化dtおよび肉厚変化率rtのうち少なくとも1つを用いて、時期予測診断結果(603)として出力する。また、時期予測診断部(90)は、流量診断結果(501)として、流量補正係数fkqおよび流量誤差率rqeのうち少なくとも1つを用いて、時期予測診断結果(603)として出力する。
また、時期予測診断部(90)は、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)に含まれるパラメータの時間に対する変化、当該パラメータの稼働時間に対する変化または当該パラメータの積算流量に対する変化を示す近似直線または近似曲線を求め、当該近似直線または近似曲線が、障害が発生メインテナンスもしくは機器の交換が必要になる状態として規定された診断目標値に達するまでの所要時間、稼働時間または流体の積算流量を予測し、時期予測診断結果(603)として出力する。
(2-3-2.送受信部(200))
送受信部(200)は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、送受信部(200)は、校正装置(3)から密度校正結果(151)を取得する。そして、送受信部(200)は、所定の通信網(ネットワーク)と有線または無線で接続され、各種装置との間で情報の送受信を行う。
(2-3-3.通知部(300))
通知部(300)は、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)が所定の警報値を超過した場合には、振動管(11)に関する異常を通知する。
〔3.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の詳細〕
図5~図26および数式を用いて、実施形態に係る校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の詳細を説明する。以下では、校正装置(3)の密度校正診断処理、診断装置(2)の肉厚剛性診断処理、流量誤差診断・簡易補正処理、時期予測診断処理の順に説明する。
(3-1.密度校正処理)
図5~図6および数式を用いて、実施形態に係る校正装置(3)の密度校正部(51)が実行する密度校正処理について説明する。以下では、密度校正処理の理論式を説明した上で、密度校正処理全体の処理、密度校正係数演算処理の順に説明する。
(3-1-1.密度校正処理の理論式)
以下では、密度校正処理の理論式について説明する。密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)は、2点以上の密度が既知の流体を使って校正する。上述した(12)式を一次式と考える。また、校正後の係数を、密度測定係数Cdcおよび密度測定係数facとすると、下記(15)式~(18)式となる。
ここで、2点での校正を考える。密度ρ1の物質における周波数をf1、密度ρ2の物質における周波数をf2とすると、下記(19)式および(20)式となる。ここで、周波数f1および周波数f2は、上述した(9)式が成り立つために補正されているとする。
係数aと係数bを求めると、下記(21)式および(22)式となる。
密度測定係数Cdcおよび密度測定係数facを求めると、下記(23)式および(24)式となる。
なお、3点以上で校正する場合は、各々の結果で上記(15)式を作り、最小自乗法等を用いて係数を求める。
(3-1-2.密度校正処理全体の処理)
図5~図6を用いて、密度校正処理全体の処理について説明する。図5は、実施形態に係る密度校正処理全体の処理の一例を示す図である。以下では、校正装置(3)の密度校正部(51)の構成および処理について説明する。
図5を用いて、密度校正部(51)の構成および処理について説明する。図5に示すように、密度校正部(51)は、密度測定係数演算部(52)を有する。密度測定係数演算部(52)は、パラメータ(28)および密度校正設定値(152)から、密度校正結果(151)を出力する。また、密度測定係数演算部(52)は、密度校正完了信号(160)をセットする。ここで、密度校正完了信号(160)は、密度誤差診断部(61)の実行に使用され、診断装置(2)の密度誤差診断部(61)内でリセットされる。
密度測定係数演算部(52)は、密度校正結果(151)を、パラメータ(28)に設定する。また、後述の密度誤差診断部(61)は、設定の可否を判断し、パラメータ(28)に設定する。密度誤差診断部(61)を使用する場合は、ここでは設定しない。
(3-1-3.密度測定係数演算処理)
図6を用いて、密度校正部(51)の密度測定係数演算部(52)による密度測定係数演算処理について説明する。図6は、実施形態に係る密度校正処理の一例を示す図である。図6に示すように、密度測定係数演算部(52)は、周波数補正部(53)、物質選択スイッチ(54)、標準密度演算部(55)、密度選択スイッチ(56)、物質選択スイッチ(57)および密度測定係数演算実行部(58)を有する。
ここで、手動入力密度ρin(152a)は、表示操作部(30)または外部装置(31)により手動で入力された密度値を示す。また、密度選択(152b)は、密度選択スイッチ(56)を制御する信号を示し、標準密度ρc(156)または手動入力密度ρin(152a)を選択する。係数n(152c)は、測定物質の番号を示す。
周波数補正部(53)は、密度測定補正係数(28m)、温度T(28e)および圧力P(28t)により周波数f(28c)を補正し、補正後周波数fn(153)を出力する。この補正は測定対象の変化に対する補正ではなく、振動管(11)の剛性等が変化することで上述した(9)式が成立しない状況への補正である。周波数補正部(53)は、20℃、1atm等の規定状態での周波数に補正する。この処理は、密度演算部(23)に含まれる処理と同じである。
物質選択スイッチ(54)は、係数n(152c)により、補正後周波数f1(154)または補正後周波数f2(155)を出力する。標準密度演算部(55)は、温度T(28e)、圧力P(28t)および係数n(152c)から標準密度ρc(156)を算出する。標準密度演算部(55)は、対象物質に対応した密度計算式が準備されているときに動作する。密度選択スイッチ(56)は、密度選択(152b)により、標準密度ρc(156)または手動入力密度ρin(152a)を選択し、密度ρn(157)とする。物質選択スイッチ(57)は、係数n(152c)により、密度ρ1(158)、又は、密度ρ2(159)を出力する。
密度測定係数演算実行部(58)は、補正後周波数f1(154)、補正後周波数f2(155)、密度ρ1(158)および密度ρ2(159)を用いて、上述した(21)式~(24)式により、密度測定係数Cdc(151a)および密度測定係数fac(151b)を算出する。
また、密度測定係数演算部(52)は、日時(28x)を校正日時(151x)に保存する。ここで、日時(28x)は、変換部(20)または外部装置(31)が保持している時刻で、校正を行った日時とする。また、密度測定係数演算部(52)は、変換部駆動時間(28y)を駆動時間(151y)に保存する。ここで、変換部駆動時間(28y)は、変換部(20)が保持しており、変換部(20)の駆動時間を積算した値を示す。また、密度測定係数演算部(52)は、積算流量(28z)を積算流量(151z)に保存する。ここで、積算流量(28z)は、変換部(20)が保持しており、質量流量を積算した値を示す。
密度測定係数演算部(52)は、密度測定係数演算処理を終了するときに、更新フラグ(151s)と密度校正完了信号(160)をセットする。更新フラグ(151s)は、時期予測診断部(90)で用いられる。
(3-2.密度誤差診断処理)
図7~図10および数式を用いて、実施形態に係る診断装置(2)の密度誤差診断部(61)が実行する密度誤差診断処理について説明する。以下では、密度誤差診断処理の理論式を説明した上で、密度誤差診断処理全体の処理、初期化判定処理、密度誤差初期化処理、密度誤差演算判定処理の順に説明する。
(3-2-1.密度誤差診断処理の理論式)
以下では、密度誤差診断処理の理論式について説明する。まず、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)の変化から、密度変動Δρ(201c)を算出する。ここで、密度校正により得られた密度測定係数を、密度測定係数Cdc(151a)および密度測定係数fac(151b)とする。また、校正前の密度測定係数を、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)とする。上述した(13)式より、校正後の状態で測定対象密度ρt(202c)の物質を測定した場合、周波数fは、下記(25)式となる。
周波数fと、校正前の係数である、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)を使い、密度を計算することで誤差を生じる。誤差を含んだ密度をρeとすると、下記(26)式となる。
密度測定係数を変更したときの密度変動Δρ(201c)は、下記(27)式で計算できる。
密度変動Δρ(201c)は、測定対象密度ρt(202c)に依存する。前回の密度校正以降に発生した密度誤差を示す。
密度測定係数を変更することは、密度の測定結果に不連続点を生む。密度変動Δρ(201c)が許容範囲内であれば、測定値の連続性を優先する選択肢もある。密度変動許容値(202d)を変数ρlimとし、密度変動Δρ(201c)の絶対値と比較し、密度測定係数の置き換えの可否を判定することで、密度測定結果の変動を抑える。このとき、条件式は、下記(28)式となる。
密度測定係数が置き換えられたときに、アラームをセットすることが可能である。また、密度変動Δρ(201c)を表示操作部(30)または外部装置(31)に表示し、密度測定係数の置き換えの可否を入力することもできる。
出荷時等の初期状態の密度測定係数を記憶し、初期係数Cd0(202a)、初期係数fa0(202b)とする。初期状態からの密度誤差Δρ0(201d)を算出すると、下記(29)式となる。
密度誤差Δρ0(201d)の絶対値が、密度誤差警報値(202h)以上になったときに、密度誤差異常(201h)をセットする。密度誤差警報値(202h)を変数ρ0limとする。このとき、条件式は、下記(30)式となる。
初期値からの誤差により密度誤差異常(201h)を設定することで、使用者に装置の異常を伝える。密度誤差の発生は、質量流量の測定結果にも誤差が生じていることを示す。密度誤差異常(201h)により、測定器として再調整が必要であることを通知する。
初期係数Cd0(202a)と密度測定係数Cdc(151a)から係数変化率aCd(201e)を求めると、下記(31)式となる。
初期係数fa0(202b)と密度測定係数fac(151b)とから係数変化率afa(201f)を求めると、下記(32)式となる。
前回の校正時の密度測定係数Cd、密度測定係数faを用いれば、前回からの変化を計算できる。
密度測定係数の変化率から異常診断を行う。係数変化率aCd(201e)が、係数変化率aCd許容値(202i)より大きいかを判定する。係数aCdlimは、係数変化率aCd許容値(202i)を示す。大きい場合に係数変化率aCd異常(201i)をセットする。係数変化率aCd(201e)は、変化がない場合に数値1.0となる。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(33)式となる。
係数変化率afa(201f)が、係数変化率afa許容値(202j)より大きいかを判定する。係数afalimは、係数変化率afa許容値(202j)を示す。大きい場合に係数変化率afa異常(201j)をセットする。係数変化率afa(201f)は、変化がない場合に数値1.0となる。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(34)式となる。
(3-2-2.密度診断処理全体の処理)
図7を用いて、密度誤差診断処理全体の処理について説明する。図7は、実施形態に係る密度誤差診断処理全体の処理の一例を示す図である。以下では、診断装置(2)の密度誤差診断部(61)の構成について説明する。
図7に示すように、密度誤差診断部(61)は、診断制御部(60)の一部であり、密度校正完了信号(160)がセットされたときに処理を実行する。また、密度誤差診断部(61)は、初期化判定部(62)、密度誤差初期化部(63)および密度誤差演算判定部(64)を有する。また、密度校正部(51)では、計算後すぐにパラメータ(28)を更新しているが、密度誤差診断部(61)は、密度変動Δρ(201c)により更新の判断を行う。
初期化判定部(62)は、密度校正完了信号(160)および密度診断設定値(202)より、実行する処理を選択する。このとき、初期化判定部(62)は、初期化が必要であるときは、密度誤差初期化部(63)を実行するために、初期化信号(203)をセットする。一方、初期化判定部(62)は、初期化が必要でない場合は、密度誤差演算判定部(64)を実行するために、演算判定信号(204)をセットする。
密度誤差初期化部(63)は、密度診断設定値(202)および密度診断結果(201)の初期化を行う。そして、密度誤差初期化部(63)は、処理終了時に密度校正完了信号(160)をリセットし、密度診断完了信号(210)をセットする。
密度誤差演算判定部(64)は、密度診断結果(201)を更新し、パラメータ(28)の密度校正係数を更新する。そして、密度誤差演算判定部(64)は、処理終了時に密度校正完了信号(160)をリセットし、密度診断完了信号(210)をセットする。
(3-2-3.初期化判定処理)
図8を用いて、密度誤差診断部(61)の初期化判定部(62)による初期化判定処理について説明する。図8は、実施形態に係る密度誤差診断処理1の一例を示す図である。図8に示すように、初期化判定部(62)は、密度校正完了信号(160)がセットされたときに処理を実行する。また、初期化判定部(62)は、密度診断設定値(202)として、初期係数Cd0(202a)、初期係数fa0(202b)、初期化実行命令(202u)および初期日時(202x)をもとに、初期化信号(203)および演算判定信号(204)を出力する。なお、初期化判定処理の流れについては、〔5.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の流れ〕で後述する。
(3-2-4.密度誤差初期化処理)
図9を用いて、密度誤差診断部(61)の密度誤差初期化部(63)による密度誤差初期化処理について説明する。図9は、実施形態に係る密度誤差診断処理2の一例を示す図である。
密度誤差初期化部(63)は、以下に示すように、密度校正結果(151)をパラメータ(28)に保存する。すなわち、密度誤差初期化部(63)は、校正日時(151x)の値を密度校正日時(28n)に代入し、駆動時間(151y)の値を密度校正駆動時間(28o)に代入し、積算流量(151z)の値を密度校正積算流量(28p)に代入し、密度測定係数Cdc(151a)の値を密度測定係数Cd(28k)に代入し、密度測定係数fac(151b)の値を密度測定係数fa(28l)に代入する。
密度誤差初期化部(63)は、以下に示すように、密度校正結果(151)を用いて、密度診断設定値(202)の初期値を設定する。すなわち、密度誤差初期化部(63)は、校正日時(151x)の値を初期日時(202x)に代入し、駆動時間(151y)の値を初期駆動時間(202y)に代入し、積算流量(151z)の値を初期積算流量(202z)に代入し、密度測定係数Cdc(151a)の値を初期係数Cd0(202a)に代入し、密度測定係数fac(151b)の値を初期係数fa0(202b)に代入する。また、密度誤差初期化部(63)は、初期化実行命令を(202u)リセットする。
密度誤差初期化部(63)は、以下に示すように、密度診断結果(201)を初期化する。すなわち、密度誤差初期化部(63)は、校正日時(151x)の値を診断日時(201x)に代入し、駆動時間(151y)の値を駆動時間(201y)に代入し、積算流量(151z)の値を積算流量(201z)に代入し、密度測定係数Cdc(151a)の値を密度測定係数Cd(201a)に代入し、密度測定係数fac(151b)の値を密度測定係数fa(201b)に代入する。また、密度誤差初期化部(63)は、密度変動Δρ(201c)に数値0.0を設定し、密度誤差Δρ0(201d)に数値0.0を設定し、係数変化率aCd(201e)に数値1.0を設定し、係数変化率afa(201f)に数値1.0を設定する。また、密度誤差初期化部(63)は、密度誤差異常(201h)をリセットし、係数変化率aCd異常(201i)をリセットし、係数変化率afa異常(201j)をリセットする。そして、密度誤差初期化部(63)は、初期化フラグ(201t)をセットし、密度診断結果(201)を初期化したことを示す。また、密度誤差初期化部(63)は、更新フラグ(201s)をセットし、密度診断結果(201)を更新したことを示す。
密度誤差初期化部(63)は、密度校正完了信号(160)をリセットし、密度校正処理が次回に実行されるまで待つ。また、密度誤差初期化部(63)は、密度診断完了信号(210)をセットする。
(3-2-5.密度誤差演算判定処理)
図10を用いて、密度誤差診断部(61)の密度誤差演算判定部(64)による密度誤差演算判定処理について説明する。図10は、実施形態に係る密度誤差診断処理3の一例を示す図である。図10に示すように、密度誤差演算判定部(64)は、密度誤差演算部(65)、密度誤差比較器1(66)、係数選択器(67)および密度誤差比較器2(68a、68b、68c)を有する。
密度誤差演算部(65)は、以下に示すように、密度測定係数の変化から密度診断結果(201)を算出する。すなわち、密度誤差演算部(65)は、上述した(27)式を用いて密度変動Δρ(201c)を算出し、上述した(29)式を用いて密度誤差Δρ0(201d)を算出し、上述した(31)式を用いて係数変化率aCd(201e)を算出し、上述した(32)式を用いて係数変化率afa(201f)を算出する。
密度誤差比較器1(66)は、上述した(28)式を用いて、密度変動Δρ(201c)の絶対値と密度変動許容値(202d)とを比較する。このとき、密度誤差比較器1(66)は、密度変動Δρ(201c)の絶対値が密度変動許容値(202d)より大きい場合は、係数選択信号(205)をセットする。一方、密度誤差比較器1(66)は、密度変動Δρ(201c)の絶対値が密度変動許容値(202d)以下の場合は、係数選択信号(205)をリセットする。
係数選択器(67)は、係数選択信号(205)がセットされているかを判定し、係数選択信号(205)がセットされている場合は、密度校正結果(151)をパラメータ(28)に設定する。すなわち、係数選択器(67)は、校正日時(151x)の値を密度校正日時(28n)に代入し、駆動時間(151y)の値を密度校正駆動時間(28o)に代入し、積算流量(151z)の値を密度校正積算流量(28p)に代入し、密度測定係数Cdc(151a)の値を密度測定係数Cd(28k)に代入し、密度測定係数fac(151b)の値を密度測定係数fa(28l)に代入する。
密度誤差比較器2(68a、68b、68c)は、以下に示すような処理を実行する。すなわち、密度誤差比較器2(68a)は、密度誤差Δρ0(201d)の変化と密度誤差警報値(202h)とを比較し、上述した(30)式を用いて密度誤差異常(201h)を設定する。また、密度誤差比較器2(68b)は、係数変化率aCd(201e)の変化と係数変化率aCd許容値(202i)とを比較し、上述した(33)式を用いて係数変化率aCd異常(201i)を設定する。また、密度誤差比較器2(68c)は、係数変化率afa(201f)の変化と係数変化率afa許容値(202j)とを比較し、上述した(34)式を用いて係数変化率afa異常(201j)を設定する。
密度誤差初期化部(63)は、初期化フラグ(201t)をリセットし、初期化されていないことを示す。また、密度誤差初期化部(63)は、更新フラグ(201s)をセットし、密度診断結果(201)を更新したことを示す。また、密度誤差初期化部(63)は、密度校正完了信号(160)をリセットし、密度校正処理が次回に実行されるまで待つ。また、密度誤差初期化部(63)は、密度診断完了信号(210)をセットする。
(3-3.肉厚剛性診断処理)
図11~図16および数式を用いて、実施形態に係る診断装置(2)の肉厚剛性診断部(70)が実行する肉厚診断処理について説明する。以下では、肉厚剛性診断処理の理論式を説明した上で、肉厚剛性診断処理全体の処理、初期化判定処理、肉厚剛性診断初期化処理、肉厚剛性演算処理、肉厚剛性変化初期化処理、肉厚剛性変化判定処理の順に説明し、最後に密度校正結果(151)を用いた肉厚剛性診断処理について説明する。
(3-3-1.肉厚剛性診断処理の理論式)
以下では、肉厚剛性診断処理の理論式について説明する。まず、断面が円管で、外径D、内径dの振動管を考える。振動管の密度をρu、振動管の長さをlu、振動管の本数をmとすると、振動管自体の質量Muは、下記(35)式で表される。
振動管の肉厚tは、下記(36)式となる。
振動管の内容積Vは、下記(37)式となる。
上述した(11)式より係数Cdを計算すると、下記(38)式となる。
上記(38)式において、第1項Cdaは、振動管の質量と内容積による項目で、断面の形状と材質に依存する。また、第2項Cdbは、付属品の質量Muと振動管の内容積による項目を示す。すなわち、付属品が重いほどCdが大きくなることを示す。
コリオリ質量流量計(1)は先端に行くほど振幅が大きく、固定点からの距離により運動エネルギーが異なり、遠い位置の質量ほど振動への影響が大きい。正確な議論をするためには、等価質量を考える必要がある。上記(38)式において、係数Cdの第1項Cdaは、振動管の形状が変化しなければ、位置の影響を受けない。また、第2項Cdbは、位置の影響を受ける。振動管長さluと付属品の質量Mdは、等価質量の考えを入れた値となる。
腐食等により、振動管の内径dが一様に増大して内径dcとなった場合を考える。変化後の係数Cdcは、下記(39)式となる。
コリオリ質量流量計(1)の振動状況が変わらなければ、等価質量に変化がなく、振動管長さluと付属品の質量Mdには変化が生じない。
変化後の係数Cdcと剛性Kcとの関係は、下記(40)式となる。密度ρaの物質を測定したときの周波数をfacとする。
内径dcにより、振動管の内容積Vcを求めると、下記(41)式となる。
内径が変化した場合、再度校正を行い、係数Cdcと周波数facを更新することで測定誤差を無くすことができる。
上記(38)式および(39)式より、変化後の振動管(11)の内径dc(301c)を求めると、下記(42)式となる。初期状態での密度測定係数Cdを、初期係数Cd0(302a)とする。初期状態での振動管(11)の内径dcを初期内径d0(302c)とする。振動管密度ρu(303b)は変わらないとする。変化後の密度測定係数Cdc(151a)と初期係数Cd0(302a)とから、変化後の振動管(11)の内径dc(301c)を計算すると、下記(42)式となる。
振動管(11)の肉厚tc(301d)は、下記(43)式で求められる。
肉厚変化dt(301e)は、下記(44)式となる。
肉厚変化率rt(301f)は、下記(45)式となる。肉厚変化率rt(301f)は、変化がない場合は1となる。1を引いて、変化分だけを計算することもできる。
初期状態の密度測定係数faを、初期係数fa0(302b)とする。初期状態からの振動管(11)の剛性変化率aKは、上述した(14)および上記(40)式から、下記(46)式で計算できる。剛性K0は初期剛性を示す。剛性変化率aKは、変化がない場合は1となる。1を引いて、変化分だけを計算することもできる。剛性変化率aKを、剛性変化率aK(301g)と表記する。
ここで、前回の校正時の振動管(11)の内径dを用いれば、前回からの変化を計算できる。
肉厚変化と剛性変化から肉厚剛性診断を行う。振動管(11)の内径dc(301c)と初期内径d0(302c)の差の絶対値が、内径許容値(302k)より大きいかを判定する。係数dclimは、内径許容値(302k)を示す。大きい場合に内径異常(301k)をセットする。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(47)式となる。
振動管(11)の肉厚tc(301d)と初期肉厚との差の絶対値が、肉厚許容値(302l)より大きいかを判定する。係数tclimは、肉厚許容値(302l)を示す。大きい場合に肉厚異常(301l)をセットする。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(48)式となる。
肉厚変化dt(301e)の絶対値が、肉厚変化許容値(302m)より大きいかを判定する。係数dtlimは、肉厚変化許容値(302m)を示す。大きい場合に肉厚変化異常(301m)をセットする。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(49)式となる。
肉厚変化率rt(301f)が、肉厚変化率許容値(302n)より大きいかを判定する。係数rtlimは、肉厚変化率許容値(302n)を示す。大きい場合に肉厚変化率異常(301n)をセットする。肉厚変化率rt(301f)は、変化がない場合に数値1.0となる。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(50)式となる。
剛性変化率aK(301g)が、剛性変化率許容値(302o)より大きいかを判定する。係数aKlimは、剛性変化率許容値(302o)を示す。大きい場合に剛性変化率異常(301o)をセットする。剛性変化率aK(301g)は、変化がない場合に数値1.0となる。上限と下限を決めて判定することもできる。このとき、条件式は、下記(51)式となる。
肉厚と剛性の変化から、腐食判定が可能である。上記で求めた7パラメータのうち、複数を用いる。ここでは、肉厚変化率rt(301f)と剛性変化率aK(301g)を使った判定式の例を、下記(52)式に示す。腐食が発生したときには、肉厚変化率rt(301f)が1より小さくなる。剛性変化率aK(301g)が1より小さくなる。
このとき、判定値rtcorおよび判定値aKcorを、腐食判定値(302p)とする。
肉厚と剛性の変化から、付着判定が可能である。肉厚が増加し、剛性の変化がない場合は、付着が考えられる。振動管内部に付着がある場合、付着部分の体積が、測定流体から付着物に置き換わる。付着物は空気より重いため、質量分だけ、密度測定係数fac(151b)が低下し、密度測定係数Cdc(151a)が増加する。流体で満たされている場合は、流体と付着物の密度差に影響される。やわらかい物質が付着した場合は、剛性に影響がない。
上記で求めた7パラメータのうち、複数を用いる。ここでは、係数変化率aCd(201e)と係数変化率afa(201f)を使った判定式の例を、下記(53)式に示す。
このとき、判定値aCdadおよび判定値afaadを、付着判定値(302q)とする。
上述してきた理論式は、断面形状が円形の管についてのものであるが、楕円や矩形等の管でも式の展開が可能である。
(3-3-2.肉厚剛性診断処理全体の処理)
図11を用いて、肉厚剛性診断処理全体の処理について説明する。図11は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理全体の処理の一例を示す図である。以下では、診断装置(2)の肉厚剛性診断部(70)の構成について説明する。
図11に示すように、肉厚剛性診断部(70)は、診断制御部(60)の一部であり、密度誤差診断処理の実行後、密度誤差診断部(61)から得られた密度診断結果(201)を使って肉厚と剛性の診断を行う。また、肉厚剛性診断部(70)は、初期化判定部(71)、肉厚剛性診断初期化部(72)、肉厚剛性演算部(73)、肉厚剛性変化初期化部(74)および肉厚剛性変化判定部(75)を有し、それぞれ、初期化判定処理、肉厚剛性診断初期化処理、肉厚剛性演算処理、肉厚剛性変化初期化処理および肉厚剛性変化判定処理を実行する。
肉厚剛性診断部(70)は、密度診断完了信号(210)がセットされたときに処理を実行する。また、肉厚剛性診断部(70)は、処理終了時に密度診断完了信号(210)をリセットし、次の密度校正の実施を待つ。また、肉厚剛性診断部(70)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットする。ここで、肉厚剛性診断完了信号(310)は、肉厚剛性診断部(70)が行われたことを示す。また、後述する流量誤差診断簡易補正部(80)は、肉厚剛性診断部(70)により得られた剛性及び肉厚の変化を使用する。肉厚剛性診断完了信号(310)をセットすることにより、流量誤差診断簡易補正部(80)は、処理を実行する。
初期化判定部(71)は、肉厚剛性診断設定値(302)および密度診断完了信号(210)により、実行すべき処理を判断し、初期化信号(306)、診断初期化信号(307)または診断実行信号(308)を設定する。初期化判定部(71)は、初回の実行時には、初期化信号(306)をセットし、肉厚剛性診断初期化処理が実行される。初期化判定部(71)は、基準データの再設定が必要である場合は、診断初期化信号(307)をセットし、肉厚剛性演算処理および肉厚剛性変化初期化処理が実行される。初期化判定部(71)は、通常の診断時は、診断実行信号(308)をセットし、肉厚剛性演算処理および肉厚剛性変化判定処理が実行される。
肉厚剛性診断初期化部(72)は、関連パラメータの初期化処理を実行する。肉厚剛性診断初期化部(72)は、初期化信号(306)がセットされた場合のみ初期化処理を実行する。肉厚剛性診断初期化部(72)は、振動管設計値(303)および密度診断結果(201)により、肉厚剛性診断設定値(302)および肉厚剛性診断結果(301)を初期化する。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットする。
肉厚剛性演算部(73)は、肉厚剛性変化率を算出し、肉厚剛性診断結果(301)に出力する処理を実行する。このとき、肉厚剛性演算部(73)は、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断設定値(302)および振動管設計値(303)を用いる。また、肉厚剛性演算部(73)は、診断初期化信号(307)または診断実行信号(308)がセットされた場合に処理を実行する。
肉厚剛性変化初期化部(74)は、初期値の再設定を行う処理を実行する。肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性演算部(73)によって得られた肉厚剛性診断結果(301)を初期値に設定する。肉厚剛性変化初期化部(74)は、診断初期化信号(307)がセットされた場合に処理を実行する。肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性診断結果(301)、密度診断結果(201)および肉厚剛性診断設定値(302)により、肉厚剛性診断設定値(302)および肉厚剛性診断結果(301)を初期化する。また、肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットする。
肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚剛性診断結果(301)を設定する処理を実行する。このとき、肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性診断結果(301)および肉厚剛性診断設定値(302)を用いる。肉厚剛性変化初期化部(74)は、診断実行信号(308)がセットされた場合のみ処理を実行する。また、肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットする。
上述してきたように、肉厚剛性診断部(70)は、肉厚変化および剛性変化の診断処理を実行することができ、どちらか一方のみを実行することもできる。
(3-3-3.初期化判定処理)
図12を用いて、肉厚剛性診断部(70)の初期化判定部(71)による初期化判定処理について説明する。図12は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理1の一例を示す図である。図12に示すように、初期化判定部(71)は、密度診断完了信号(210)がセットされたときに処理を実行する。また、初期化判定部(71)は、肉厚剛性診断設定値(302)として、初期内径d0(302c)、初期日時(302x)および初期化実行命令(302u)をもとに、初期化信号(306)、診断初期化信号(307)および診断実行信号(308)を出力する。なお、初期化判定処理の流れについては、〔5.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の流れ〕で後述する。
(3-3-4.肉厚剛性診断初期化処理)
図13を用いて、肉厚剛性診断部(70)の肉厚剛性診断初期化部(72)による肉厚診断初期化処理について説明する。図13は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理2の一例を示す図である。図13に示すように、肉厚剛性診断初期化部(72)は、肉厚計算部(76)を有する。
肉厚剛性診断初期化部(72)は、以下に示すように、肉厚剛性診断設定値(302)に初期値を設定する。すなわち、密度測定係数Cd(201a)の値を初期係数Cd0(302a)に代入し、密度測定係数fa(201b)の値を初期係数fa0(302b)に代入し、診断日時(201x)の値を初期日時(302x)に代入し、駆動時間(201y)の値を初期駆動時間(302y)に代入し、積算流量(201z)の値を初期積算流量(302z)に代入する。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、振動管内径d(303c)の値を初期内径d0(302c)に代入する。ここで、初回は肉厚の変化がない状態である。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、初期化実行命令(302u)をリセットする。
肉厚剛性診断初期化部(72)は、以下に示すように、肉厚剛性診断結果(301)を初期化する。すなわち、診断日時(201x)の値を診断日時(301x)に代入し、駆動時間(201y)の値を駆動時間(301y)に代入し、積算流量(201z)の値を積算流量(301z)に代入し、振動管内径d(303c)を内径dc(301c)に設定する。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、肉厚計算部(76)によって初期状態の肉厚を計算し、肉厚tc(301d)に設定する。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、振動管内径d(303c)と振動管外径D(303a)とを、上述した(36)式に代入して、肉厚tを求め、肉厚tc(301d)に代入する。さらに、肉厚剛性診断初期化部(72)は、数値0.0を肉厚変化dt(301e)に設定し、数値0.0を肉厚変化率rt(301f)に設定し、数値1.0を剛性変化率aK(301g)に設定し、内径異常(301k)をリセットし、肉厚異常(301l)をリセットし、肉厚変化異常(301m)をリセットし、肉厚変化率異常(301n)をリセットし、剛性変化率異常(301o)をリセットし、腐食異常(301p)をリセットし、付着異常(301q)をリセットする。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、初期化フラグ(301t)をセットし、肉厚剛性診断結果(301)を初期化したことを示す。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、更新フラグ(301s)をセットし、肉厚剛性診断結果(301)を更新したことを示す。
密度診断完了信号(210)をリセットし、密度誤差診断処理が次回に実行されるまで待つ。また、肉厚剛性診断初期化部(72)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、肉厚剛性診断処理が終了したことを示す。
(3-3-5.肉厚剛性演算処理)
図14を用いて、肉厚剛性診断部(70)の肉厚剛性演算部(73)による肉厚剛性演算処理について説明する。図14は、実施形態に係る肉厚診断処理3の一例を示す図である。図14に示すように、肉厚剛性演算部(73)は、肉厚演算部(77)および剛性演算部(78)を有する。
肉厚剛性演算部(73)は、以下に示すように、肉厚演算部(77)によって肉厚変化率を計算する。すなわち、肉厚演算部(77)は、上述した(42)式~(45)式を使って、肉厚剛性診断結果(301)を計算する。このとき、肉厚演算部(77)は、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断設定値(302)、振動管設計値(303)を使用し、内径dc(301c)、肉厚tc(301d)、肉厚変化dt(301e)および肉厚変化率rt(301f)を計算する。なお、肉厚演算部(77)は、上記の肉厚剛性診断結果(301)のうち、一部のみを計算することもできる。
肉厚剛性演算部(73)は、以下に示すように、剛性演算部(78)によって剛性変化率を計算する。すなわち、肉厚演算部(77)は、上述した(46)式を使って、剛性変化率aK(301g)を計算する。このとき、肉厚剛性演算部(73)は、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断設定値(302)および振動管設計値(303)を用いる。
肉厚剛性演算部(73)は、以下に示すように、肉厚剛性診断結果(301)の診断情報を設定する。すなわち、肉厚剛性演算部(73)は、診断日時(201x)の値を診断日時(301x)に代入し、駆動時間(201y)の値を駆動時間(301y)に代入し、積算流量(201z)の値を積算流量(301z)に代入する。
(3-3-6.肉厚剛性変化初期化処理)
図15を用いて、肉厚剛性診断部(70)の肉厚剛性変化初期化部(74)による肉厚剛性変化初期化処理について説明する。図15は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理4の一例を示す図である。
肉厚剛性変化初期化部(74)は、以下に示すように、肉厚剛性診断設定値(302)の初期値を設定する。すなわち、肉厚剛性変化初期化部(74)は、密度測定係数Cd(201a)の値を初期係数Cd0(302a)に代入し、密度測定係数fa(201b)の値を初期係数fa0(302b)に代入し、診断日時(201x)の値を初期日時(302x)に代入し、駆動時間(201y)の値を初期駆動時間(302y)に代入し、積算流量(201z)の値を初期積算流量(302z)に代入し、内径dc(301c)の値を初期内径d0(302c)に代入する。また、肉厚剛性変化初期化部(74)は、初期化実行命令(302u)をリセットする。
肉厚剛性変化初期化部(74)は、以下に示すように、肉厚剛性診断結果(301)を初期化する。すなわち、肉厚剛性変化初期化部(74)は、診断日時(201x)の値を診断日時(301x)に代入し、駆動時間(201y)の値を駆動時間(301y)に代入し、積算流量(201z)の値を積算流量(301z)に代入し、数値0.0を肉厚変化dt(301e)に設定し、数値1.0を肉厚変化率rt(301f)に設定し、数値1.0を剛性変化率aK(301g)に設定し、内径異常(301k)をリセットし、肉厚異常(301l)をリセットし、肉厚変化異常(301m)をリセットし、肉厚変化率異常(301n)をリセットし、剛性変化率異常(301o)をリセットし、腐食異常(301p)をリセットし、付着異常(301q)をリセットする。
肉厚剛性変化初期化部(74)は、初期化フラグ(301t)をセットし、肉厚剛性診断結果(301)を初期化したことを示す。また、更新フラグ(301s)をセットし、肉厚剛性診断結果(301)を更新したことを示す。また、肉厚剛性変化初期化部(74)は、密度診断完了信号(210)をリセットし、密度誤差診断処理が次回に実行されるまで待つ。また、肉厚剛性変化初期化部(74)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、肉厚剛性診断処理が終了したことを示す。
(3-3-7.肉厚剛性変化判定処理)
図16を用いて、肉厚剛性診断部(70)の肉厚剛性変化判定部(75)による肉厚剛性変化判定処理について説明する。図16は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理5の一例を示す図である。図16に示すように、肉厚剛性変化判定部(75)は、異常判定部(79)を有する。
肉厚剛性変化判定部(75)は、以下に示すように、異常判定機能(79)によって、肉厚剛性診断結果(301)および密度診断結果(201)と、肉厚剛性診断設定値(302)とを比較し、肉厚剛性診断結果(301)内の診断異常情報を設定し、診断異常を判定する。すなわち、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚剛性診断結果(301)の肉厚剛性変化率、密度診断結果(201)の係数変化率、肉厚剛性診断設定値(302)の許容値を比較し異常を判定する。
肉厚剛性変化判定部(75)は、上述した(47)式を用いて、内径dc(301c)と、内径許容値(302k)とを比較する。このとき、許容値外であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、内径異常(301k)をセットする。一方、許容値内であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、内径異常(301k)をリセットする。なお、腐食の場合は、内径dc(301c)が大きくなる。
また、肉厚剛性変化判定部(75)は、上述した(48)式を用いて、肉厚tc(301d)と肉厚許容値(302l)とを比較する。このとき、許容値外であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚異常(301l)をセットする。一方、許容値内であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚異常(301l)をリセットする。なお、腐食の場合は、肉厚tc(301d)が小さくなる。
また、肉厚剛性変化判定部(75)は、上述した(49)式を用いて、肉厚変化dt(301e)と肉厚変化許容値(302m)とを比較する。このとき、許容値外であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚変化異常(301m)をセットする。一方、許容値内であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚変化異常(301m)をリセットする。なお、腐食の場合は、肉厚変化dt(301e)がマイナスになる。
また、肉厚剛性変化判定部(75)は、上述した(50)式を用いて、肉厚変化率rt(301f)と肉厚変化率許容値(302n)とを比較する。このとき、許容値外であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚変化率異常(301n)をセットする。一方、許容値内であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚変化率異常(301n)をリセットする。なお、腐食の場合は、肉厚変化率rt(301f)が1より小さくなる。
また、肉厚剛性変化判定部(75)は、上述した(51)式を用いて、剛性変化率aK(301g)と剛性変化率許容値(302o)とを比較する。このとき、許容値外であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、剛性変化率異常(301o)をセットする。一方、許容値内であれば、肉厚剛性変化判定部(75)は、剛性変化率異常(301o)をリセットする。なお、腐食の場合は、剛性変化率aK(301g)が1より小さくなる。
さらに、肉厚剛性変化判定部(75)は、腐食判定を行う。このとき、上述した(52)式が成立する場合は、肉厚剛性変化判定部(75)は、腐食異常(301p)をセットする。一方、上述した(52)式が成立しない場合は、肉厚剛性変化判定部(75)は、腐食異常(301p)をリセットする。
また、肉厚剛性変化判定部(75)は、付着判定を行う。このとき、上述した(53)式が成立する場合は、肉厚剛性変化判定部(75)は、付着異常(301q)をセットする。一方、上述した(53)式が成立しない場合は、付着異常(301q)をリセットする。
肉厚剛性変化判定部(75)は、初期化フラグ(301t)をリセットし、肉厚剛性診断結果(301)が初期化されていないことを示す。また、肉厚剛性変化判定部(75)は、更新フラグ(301s)をセットし、肉厚剛性診断結果(301)を更新したことを示す。
肉厚剛性変化判定部(75)は、密度診断完了信号(210)をリセットし、密度誤差診断処理が次回に実行されるまで待つ。また、肉厚剛性変化判定部(75)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、肉厚剛性診断処理が終了したことを示す。
(3-3-8.密度校正結果(151)を用いた肉厚剛性診断処理)
上述してきたように、肉厚剛性診断部(70)は、密度誤差診断部(61)によって生成された密度診断結果(201)を用いて肉厚剛性診断結果(301)を生成する。一方、肉厚剛性診断部(70)は、密度校正結果(151)を用いて肉厚剛性診断結果を生成することもできる。以下では、密度誤差診断処理を介さない肉厚剛性診断処理について説明する。
肉厚剛性診断部(70)は、密度診断結果(201)である密度測定係数Cd(201a)に代えて、密度校正結果(151)である密度測定係数Cdc(151a)を取得する。また、肉厚剛性診断部(70)は、密度診断結果(201)である密度測定係数fa(201b)に代えて、密度校正結果(151)である密度測定係数fac(151b)を取得する。
肉厚剛性診断部(70)は、初期係数Cd0(202a)と密度測定係数Cdc(151a)から初期値との比として算出された密度診断結果(201)である係数変化率aCd(201e)に代えて、初期係数Cd0(302a)と密度校正結果(151)である密度測定係数Cdc(151a)とを用いて係数変化率aCdを算出する。
肉厚剛性診断部(70)は、初期係数Cd0(202a)と密度測定係数Cdc(151a)から初期値との比として算出された密度診断結果(201)である係数変化率afa(201f)に代えて、初期係数fa0(302b)と密度校正結果(151)である密度測定係数fac(151b)とを用いて係数変化率afaを算出する。
肉厚剛性診断部(70)は、密度診断結果(201)である診断日時(201x)に代えて、密度校正結果(151)である校正日時(151x)を取得する。また、肉厚剛性診断部(70)は、密度診断結果(201)である駆動時間(201y)に代えて、密度校正結果(151)である駆動時間(151y)を取得する。また、肉厚剛性診断部(70)は、密度診断結果(201)である積算流量(201z)に代えて、密度校正結果(151)である積算流量(151z)を取得する。
肉厚剛性診断部(70)は、密度診断完了信号(210)に代えて、密度校正完了信号(160)と並列に密度校正完了信号2(161)を生成する。
(3-4.流量誤差診断・簡易補正処理)
図17~図21および数式を用いて、実施形態に係る診断装置(2)の流量誤差診断簡易補正部(80)が実行する流量誤差診断・簡易補正処理について説明する。以下では、流量誤差診断・簡易補正処理の理論式を説明した上で、流量誤差診断・簡易補正処理全体の処理、初期化判定処理、流量初期化処理、剛性肉厚初期化処理、流量補正係数更新処理の順に説明する。
(3-4-1.流量誤差診断・簡易補正処理の理論式)
以下では、流量誤差診断・簡易補正処理の理論式について説明する。まず、密度校正結果から、下記(54)式に含まれる流量補正係数fk(28u)を求め、質量流量を簡易補正する。
上記(54)式において、流量測定係数Cqは、流量測定係数Cq(28f)を示し、位相差θ0は、位相差θ(28d)を示し、周波数fは、周波数f(28c)を示し、質量流量Qmcは、簡易補正後の質量流量Qm(28a)を示し、補正係数fkの値は、流量補正係数fk(28u)を示す。
上述した(2)式に示す質量流量測定式の流量測定係数Cqは、振動管のねじれ振動の剛性(ばね定数)ksと、曲げ振動とねじれ振動の共振周波数の比を含んでいる。診断装置(2)が測定する剛性変化率は、振動方向の剛性であるが、ねじれ振動の剛性と似た変動をすると考えられる。肉厚変化は共振周波数の変化に関連する。診断装置(2)によって得られた変化率より補正係数fkを求めることで、質量流量の簡易補正が可能となる。
上述してきた診断処理では、密度測定係数Cdと密度測定係数faから、剛性および肉厚を求める。ここで、密度測定係数Cdと密度測定係数faは、振動管の情報を含んでいる。そのため、密度測定係数自体または密度測定係数の変化率を使うことで、質量流量の簡易補正が可能となる。
剛性変化率aK(301g)、肉厚変化率rt(301f)、密度測定係数の係数変化率aCd(201e)および密度測定係数の係数変化率afa(201f)を使った流量補正係数fkqの計算式を、下記(55)式に示す。ここで、流量補正係数fkqを流量補正係数fk(28u)に代入することで簡易補正を行う。
上記(55)式において、係数Ckxは、流量補正係数Ckx(28v)を示し、コリオリ質量流量計(1)の検出部(10)の特性に依存する値である。流量補正係数fkqの補正式は、近似直線または近似曲線でもよい。すべての変化率を使用しなくてもよい。使用するパラメータと補正係数は、重回帰分析、AI(Artificial Intelligence)による推論等を使い決定する。流量補正係数Ckx(28v)は、検出器に依存するので、あらかじめ検出器ごとに設定しておく。実際に振動管を腐食させる手法、シミュレーションで腐食の影響を計算する手法等がある。
上記(55)式では、肉厚変化率rt(301f)を使用したが、内径dc(301c)、肉厚tc(301d)、肉厚変化dt(301e)のいずれかによっても流量補正係数fkqの補正式を構成できる。
なお、本来の流量校正は、実際に水等を流して行う必要があり、別途装置が必要となる。密度の校正は、2つの密度が判明した流体、すなわち空気と水で測定すればよく、特別な装置を必要としない。流体を流す流量校正とは違い、誤差を伴う可能性が大きい。
質量流量校正を行うと、流量補正係数fk(28u)で補正していた誤差分が、流量測定係数Cq(28f)に吸収される。よって、質量流量校正後に、流量補正係数fk(28u)を初期値1.0に設定する必要がある。(55)式では、流量補正係数Ckx(28v)は、検出部(10)の特性に依存するため、固定である。よって、初期時または質量流量校正時には、変化率を初期化する必要がある。
各変化率は、肉厚剛性診断部(70)内で計算される。肉厚剛性診断機能(70)に初期化命令を出し、初期化する構成も可能であるが、流量誤差診断簡易補正機能(80)内に初期値を記憶し、初期値からの変化率を用いた下記(56)式を示す。
このとき、初期値として、初期剛性変化率aK0(502g)、初期肉厚変化率rt0(502f)、初期係数変化率aCd0(502a)、初期係数変化率afa0(502b)を用いる。
質量流量校正時には、流量補正係数fk(28u)を初期値1.0にする。質量流量校正と密度校正が同期しているとは限らない。特に、前回の密度校正時から、剛性が変化している場合は、流量誤差が発生する。よって、流量測定係数の簡易補正の誤差を小さくするためには、質量流量校正と同じタイミングで、密度校正を行う必要がある。
流量測定係数を変更することは、流量の測定結果に不連続点を生む。流量の変動が許容範囲内であれば、測定値の連続性を優先する選択肢もある。簡易補正前の流量補正係数をfk、簡易補正後の流量補正係数をfkqとして、流量変動率rqd(501c)を定義すると、下記(57)式となる。簡易補正前の質量流量を質量流量Qmc、簡易補正後の質量流量を質量流量Qmcqとする。
流量変動許容値(502h)をrqdlimとし、流量変化率rqdと比較する。流量補正係数fkの置き換えの可否を判定することで、小さな変動を抑えることができる。このとき、条件式は、下記(58)式となる。
流量変動許容比値rqdlimを0とすると、常に置き換える。流量補正係数fkを更新しない場合、流量補正係数fkは、前回更新した時の値を継続する。
簡易補正後の流量補正係数fkqを用いて、流量校正時からの質量流量測定の流量誤差率rqe(501b)を求めると、下記(59)式となる。流量誤差率rqe(501b)は、流量誤差診断の判断材料となる。流量校正時の質量流量を質量流量Qmとする。
流量誤差率rqe(501b)を、流量誤差警報値rqelimと比較し、変動が大きくなった場合に、流量診断異常(501r)を設定する。流量誤差警報値rqelimは、流量誤差警報値(502r)を示す。このとき、条件式は、下記(60)式となる。
流量診断異常(501r)を設定することで、使用者に装置の異常を伝えることができる。また、流量誤差率rqeを表示操作部(30)または外部装置(31)に表示し、係数更新の可否を入力することもできる。
上述してきた流量誤差診断・簡易補正処理には、流量誤差を監視して警報を発する診断処理と、流量補正係数fkqを更新して、密度誤差を小さくする簡易補正処理を含んでおり、一方のみを使用することも可能である。
(3-4-2.流量誤差診断・簡易補正処理全体の処理)
図17を用いて、流量誤差診断・簡易補正処理全体の処理について説明する。図17は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理全体の処理の一例を示す図である。以下では、診断装置(2)の流量誤差診断簡易補正部(80)の構成について説明する。
図17に示すように、流量誤差診断簡易補正部(80)は、診断制御部(60)の一部である。また、流量誤差診断簡易補正部(80)は、初期化判定部(81)、流量初期化部(82)、剛性肉厚初期化部(83)および流量補正係数更新部(84)を有し、それぞれ、初期化判定処理、流量初期化処理、剛性肉厚初期化処理および流量補正係数更新処理を実行する。
流量誤差診断簡易補正部(80)は、肉厚剛性診断完了信号(310)または流量校正完了信号(120)がセットされたときに処理を実行する。また、流量誤差診断簡易補正部(80)は、肉厚剛性診断結果(301)および密度診断結果(201)により、流量診断結果(501)を更新し、パラメータ(28)を更新する。
初期化判定部(81)は、初期化実行信号1(507)、初期化実行信号2(508)または更新実行信号(509)を設定する。初期化判定部(81)は、流量校正完了信号(120)、肉厚剛性診断結果(301)、肉厚剛性診断完了信号(310)および流量診断設定値(502)から判定する。
流量初期化部(82)は、パラメータ(28)、密度診断結果(201)および肉厚剛性診断結果(301)から、パラメータ(28)、流量診断結果(501)および流量診断設定値(502)を設定し、流量校正完了信号(120)をリセットする。流量初期化部(82)は、質量流量校正処理が実行されたときの初期化処理を実行する。また、流量初期化部(82)は、初期化実行信号1(507)がセットされたときに処理を実行する。
剛性肉厚初期化部(83)は、密度診断結果(201)および肉厚剛性診断結果(301)から、パラメータ(28)、流量診断結果(501)および流量診断設定値(502)を設定し、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットする。剛性肉厚初期化部(83)は、肉厚剛性診断部(70)が実行されたときの初期化処理を実行する。また、剛性肉厚初期化部(83)は、初期化実行信号2(508)がセットされたときに処理を実行する。
流量補正係数更新部(84)は、パラメータ(28)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)および流量診断設定値(502)から、パラメータ(28)および流量診断結果(501)を設定し、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットする。また、流量補正係数更新部(84)は、更新実行信号(509)がセットされたときに処理を実行する。
(3-4-3.初期化判定処理)
図18を用いて、初期化判定処理について説明する。流量誤差診断簡易補正部(80)の初期化判定部(81)による初期化判定処理について説明する。図18は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理1の一例を示す図である。図18に示すように、初期化判定部(81)は、流量校正完了信号(120)または肉厚剛性診断完了信号(310)がセットされたときに処理を実行する。また、初期化判定部(81)は、肉厚剛性診断結果(301)として、初期化フラグ(301t)、流量診断設定値(502)として、初期日時(502x)および初期化実行命令(502u)をもとに、初期化実行信号1(507)、初期化実行信号2(508)および更新実行信号(509)を出力する。なお、初期化判定処理の流れについては、〔5.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の流れ〕で後述する。
(3-4-4.流量初期化処理)
図19を用いて、流量誤差診断簡易補正部(80)の流量初期化部(82)による密度流量初期化処理について説明する。図19は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理3の一例を示す図である。図19に示すように、流量初期化部(82)は、剛性肉厚選択部(85)を有する。
流量初期化部(82)は、以下に示すように、剛性肉厚選択部(85)によって、流量診断設定値(502)を初期化する。すなわち、流量初期化部(82)は、変化率の初期値を選択する。このとき、診断日時(301x)が設定されていない場合は、流量初期化部(82)は、初期係数変化率aCd0(502a)、初期係数変化率afa0(502b)、初期肉厚変化率rt0(502f)および初期剛性変化率aK0(502g)に、数値1.0を設定する。一方、診断日時(301x)が設定されている場合は、流量初期化部(82)は、初期係数変化率aCd0(502a)に係数変化率aCd(201e)の値を代入し、初期係数変化率afa0(502b)に係数変化率afa(201f)の値を代入し、初期肉厚変化率rt0(502f)に肉厚変化率rt(301f)の値を代入し、初期剛性変化率aK0(502g)に剛性変化率aK(301g)の値を代入し、初期日時(502x)に流量校正日時(28h)の値を代入し、初期駆動時間(502y)に流量校正駆動時間(28i)の値を代入し、初期積算流量(502z)に流量校正積算流量(28j)の値を代入する。また、流量初期化部(82)は、初期化実行命令(502u)をセットし、次回の密度校正時に初期化を行う。さらに、流量初期化部(82)は、流量補正係数fk(28u)に初期値1.0を設定する。
流量初期化部(82)は、以下に示すように、流量診断結果(501)を初期化する。すなわち、流量初期化部(82)は、流量補正係数fkq(501a)に数値1.0を代入し、流量誤差率rqe(501b)に数値0.0を代入し、流量変動率rqd(501c)に数値0.0を代入し、補正日時(501x)に流量校正日時(28h)の値を代入し、駆動時間(501y)に流量校正駆動時間(28i)の値を代入し、積算流量(501z)に流量校正積算流量(28j)の値を代入する。また、流量初期化部(82)は、流量診断異常(501r)をリセットする。また、流量初期化部(82)は、初期化フラグ(501t)をセットし、流量診断結果(501)が初期化されたことを示す。また、流量初期化部(82)は、更新フラグ(501s)をセットし、流量診断結果(501)が更新されたことを示す。さらに、流量初期化部(82)は、流量校正完了信号(120)をリセットし、次回の流量校正処理の実行を待つ。
(3-4-5.剛性肉厚初期化処理)
図20を用いて、流量誤差診断簡易補正部(80)の剛性肉厚初期化部(83)による剛性肉厚初期化処理について説明する。図20は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理3の一例を示す図である。
剛性肉厚初期化部(83)は、以下に示すように、流量診断設定値(502)を初期化する。すなわち、剛性肉厚初期化部(83)は、初期係数変化率aCd0(502a)に係数変化率aCd(201e)の値を代入し、初期係数変化率afa0(502b)に係数変化率afa(201f)の値を代入し、初期肉厚変化率rt0(502f)に肉厚変化率rt(301f)の値を代入し、初期剛性変化率aK0(502g)に剛性変化率aK(301g)の値を代入し、初期日時(502x)に診断日時(301x)の値を代入し、初期駆動時間(502y)に駆動時間(301y)の値を代入し、初期積算流量(502z)に積算流量(301z)の値を代入する。また、剛性肉厚初期化部(83)は、初期化実行命令(502u)をリセットし、外部からの初期化命令を待つ。さらに、剛性肉厚初期化部(83)は、流量補正係数fk(28u)に初期値1.0を設定する。
剛性肉厚初期化部(83)は、以下に示すように、流量診断結果(501)を初期化する。すなわち、剛性肉厚初期化部(83)は、流量補正係数fkq(501a)に数値1.0を代入し、流量誤差率rqe(501b)に数値0.0を代入し、流量変動率rqd(501c)に数値0.0を代入し、補正日時(501x)に診断日時(301x)の値を代入し、駆動時間(501y)に駆動時間(301y)の値を代入し、積算流量(501z)に積算流量(301z)の値を代入する。また、剛性肉厚初期化部(83)は、流量診断異常(501r)をリセットする。また、剛性肉厚初期化部(83)は、初期化フラグ(501t)をセットし、流量診断結果(501)が初期化されたことを示す。また、剛性肉厚初期化部(83)は、更新フラグ(501s)をセットし、流量診断結果(501)が更新されたことを示す。さらに、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットし、次回の肉厚剛性診断処理の実行を待つ。
(3-4-6.流量補正係数更新処理)
図21を用いて、流量誤差診断簡易補正部(80)の流量補正係数更新部(84)による流量補正係数更新処理について説明する。図21は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理4の一例を示す図である。図21に示すように、流量補正係数演算部(86)、流量変動比較器1(87)、流量補正係数設定器(88)および流量変動比較器2(89)を有する。
流量補正係数更新部(84)は、流量補正係数演算部(86)を用いて、流量補正係数、流量誤差率および流量変動率を算出する。すなわち、流量補正係数更新部(84)は、上述した(56)式より流量補正係数fkqを算出し、流量補正係数fkq(501a)に代入する。また、流量補正係数更新部(84)は、上述した(57)式より流量変動率rqdを計算し、流量変動率rqd(501c)に代入する。また、流量補正係数更新部(84)は、上述した(59)式より流量誤差率rqeを算出し、流量誤差率rqe(501b)に代入する。
流量補正係数更新部(84)は、以下に示すように、流量診断結果(501)を設定する。すなわち、流量補正係数更新部(84)は、補正日時(501x)に診断日時(301x)の値を代入し、駆動時間(501y)に駆動時間(301y)の値を代入し、積算流量(501z)に積算流量(301z)の値を代入する。
流量補正係数更新部(84)は、流量変動比較器1(87)によって、流量変動率rqd(501c)の絶対値と流量変動許容値(502h)とを比較する。このとき、流量補正係数更新部(84)は、上述した(58)式を用いて判定する。流量変動率rqd(501c)の絶対値が流量変動許容値(502h)より大きい場合に、流量補正係数更新部(84)は、流量係数選択信号(504)をセットし、流量補正係数設定器(88)によって、流量補正係数fkq(501a)の値を流量補正係数fk(28u)に設定する。
流量補正係数更新部(84)は、流量変動比較器2(89)によって、以下の処理を実行する。すなわち、流量補正係数更新部(84)は、上述した(60)式を用いて、流量誤差率rqe(501b)を流量誤差警報値(502r)と比較する。このとき、流量誤差率rqe(501b)の絶対値が流量誤差警報値(502r)より大きい場合に、流量補正係数更新部(84)は、流量診断異常(501r)をセットする。一方、流量誤差率rqe(501b)の絶対値が流量誤差警報値(502r)以下である場合に、流量補正係数更新部(84)は、流量診断異常(501r)をリセットする。また、流量補正係数更新部(84)は、初期化フラグ(501t)をリセットするし、流量診断結果(501)が初期化されていないことを示す。また、剛性肉厚初期化部(83)は、更新フラグ(501s)をセットし、流量診断結果(501)が更新されたことを示す。さらに、流量補正係数更新部(84)は、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットし、次回の肉厚剛性診断処理の実行を待つ。
(3-5.時期予測診断処理)
図22~図26および数式を用いて、実施形態に係る診断装置(2)の時期予測診断部(90)が実行する時期予測診断処理について説明する。以下では、時期予測診断処理の理論式を説明した上で、時期予測診断処理全体の処理、校正診断結果を用いた時期予測診断処理、密度診断結果を用いた時期予測診断処理、肉厚剛性診断結果を用いた時期予測診断処理、流量診断結果を用いた時期予測診断処理の順に説明する。
(3-5-1.時期予測診断処理の理論式)
以下では、時期予測診断処理の理論式について説明する。ここでは、時期予測診断で用いる式の一例として、肉厚変化dt(301e)の例を示す。また、他の診断値においても同様の式を作ることができる。ここで、係数変化率aCd(201e)、係数変化率afa(201f)、内径dc(301c)、肉厚tc(301d)、肉厚変化率rt(301f)、剛性変化率aK(301g)、密度誤差Δρ0(201d)、流量補正係数fkq(501a)、流量誤差率rqe(501b)とする。
ここで、多点のデータから近似直線または近似曲線で変化を近似し、時期予測診断を行う。使用するパラメータと補正係数は、重回帰分析、AIによる推論等を使い決定する。複数のデータから変化率の最大値を使用することで、変化が最大の条件下での予測が可能となる。
ここでは、2点の診断結果から近似直線を作り、時期予測診断を行う例を示す。係数xを履歴情報の番号とし、x=1を開始、x=2を現在とし、日時をTmxとし、駆動時間をTdxとし、積算流量をQmxとし、肉厚変化をdtxとして、近似直線を作ると、下記(61)式~(63)式となる。
上記(61)式において、係数amは、日時あたりの肉厚変化を示す。また、係数bmは、x=0における肉厚変化を示す。上記(62)式において、係数adは、駆動時間あたりの肉厚変化を示す。また、係数bdは、x=0における肉厚変化を示す。上記(63)式において、係数aqは、積算流量あたりの肉厚変化を示す。また、係数bqは、x=0における肉厚変化を示す。ここで、上記(61)式~(63)式より、下記(64)式~(69)式となる。
ここで、肉厚変化の診断目標値dtsを設定する。診断目標値dtsまで達する予測値を求める。予測値を日時Tme、駆動時間Tde、質量流量Qmeで示すと、下記(70)式~(72)式となる。
流量補正係数fk(28u)は発生している流量誤差を示している。流量補正係数fk(28u)を流量測定式に入れることで、流量誤差を補正できるが、流量補正係数fk(28u)は推定であるため、一定の誤差を含む。流量補正係数fk(28u)を使用して時期予測診断を行うことで、誤差の制限値に達する日時、駆動時間、質量流量を予測できる。
(3-5-2.時期予測診断処理全体の処理)
図22を用いて、時期予測診断処理全体の処理について説明する。図22は、実施形態に係る時期予測診断処理全体の処理の一例を示す図である。以下では、診断装置(2)の時期予測診断部(90)の構成について説明する。
時期予測診断部(90)は、履歴部(91)、変化傾向算出部(92)および予測部(93)を有し、密度校正部(51)、密度誤差診断部(61)、肉厚剛性診断部(70)および流量誤差診断簡易補正部(80)のいずれかの結果から時期予測を行う。
まず、時期予測診断部(90)は、更新フラグがセットされているかを判定する。ここで、時期予測診断部(90)は、各診断の結果に含まれる診断データの更新フラグをチェックする。すなわち、時期予測診断部(90)は、密度校正部(51)の校正結果である密度校正結果(151)に含まれる更新フラグ(151s)をチェックし、肉厚剛性診断部(70)の診断結果である肉厚剛性診断結果(301)に含まれる更新フラグ(301s)をチェックし、密度誤差診断部(61)の診断結果である密度診断結果(201)に含まれる更新フラグ(201s)をチェックし、流量誤差診断簡易補正部(80)の補正結果である流量診断結果(501)に含まれる更新フラグ(501s)をチェックする。時期予測診断部(90)は、上記の更新フラグのうちいずれもセットされていない場合は、処理を終了する。
次に、時期予測診断部(90)は、履歴部(91)によって、上記の診断結果を保存する。続いて、時期予測診断部(90)は、変化傾向算出部(92)によって、更新された履歴部(91)のデータより、変化傾向値(601)を算出する。このとき、時期予測診断部(90)は、上述した(64)式~(69)式に示された近似直線または近似曲線で変化を近似する。なお、時期予測診断部(90)は、使用するパラメータと補正係数とは、重回帰分析、AIによる推論等を使い決定する。
そして、時期予測診断部(90)は、予測部(93)によって、変化傾向値(601)と診断目標値(602)とから、予測値を算出し、時期予測診断結果(603)に出力する。このとき、時期予測診断部(90)は、上述した(70)式~(72)式に示された演算を行う。時期予測診断部(90)は、算出された時期予測診断結果(603)を、コリオリ質量流量計(1)の表示操作部(30)または外部装置(31)に送信する。最後に、時期予測診断部(90)は、更新フラグをリセットする。
(3-5-3.密度校正結果を用いた時期予測診断処理)
図23を用いて、密度校正結果を用いた時期予測診断処理について説明する。図23は、実施形態に係る時期予測診断処理1の一例を示す図である。
時期予測診断部(90)は、以下に示すように、密度校正部(51)の密度校正結果(151)から時期予測診断を行う。すなわち、時期予測診断部(90)は、密度校正結果(151)に含まれる更新フラグ(151s)がセットされることで、時期予測診断処理を実行する。このとき、時期予測診断部(90)の履歴部(91)は、更新フラグ(151s)がセットされたことをトリガとして、データを取り込む。なお、履歴部(91)は、入力されたデータのうち、必要なデータを選択することも可能である。ここで、密度測定係数Cdc(151a)および密度測定係数fac(151b)は、時期予測の上で重要なパラメータである。履歴部(91)は、取り込みが終了したときに、更新フラグ(151s)をリセットする。
(3-5-4.密度診断結果を用いた時期予測診断処理)
図24を用いて、密度診断結果を用いた時期予測診断処理について説明する。図24は、実施形態に係る時期予測診断処理2の一例を示す図である。
時期予測診断部(90)は、以下に示すように、密度誤差診断部(61)の密度診断結果(201)から時期予測診断を行う。すなわち、時期予測診断部(90)は、密度診断結果(201)に含まれる更新フラグ(201s)がセットされることで、時期予測診断処理を実行する。このとき、時期予測診断部(90)の履歴部(91)は、更新フラグ(201s)がセットされたことをトリガとして、データを取り込む。なお、履歴部(91)は、入力されたデータのうち、必要なデータを選択することも可能である。ここで、密度誤差Δρ0(201d)、係数変化率aCd(201e)および係数変化率afa(201f)は、時期予測の上で重要なパラメータである。履歴部(91)は、取り込みが終了したときに、更新フラグ(201s)をリセットする。
(3-5-5.肉厚剛性診断結果を用いた時期予測診断処理)
図25を用いて、肉厚剛性診断結果を用いた時期予測診断処理について説明する。図25は、実施形態に係る時期予測診断処理3の一例を示す図である。
時期予測診断部(90)は、以下に示すように、肉厚剛性診断部(70)の肉厚剛性診断結果(301)から時期予測診断を行う。すなわち、時期予測診断部(90)は、肉厚剛性診断結果(301)に含まれる更新フラグ(301s)がセットされることで、時期予測診断処理を実行する。このとき、時期予測診断部(90)の履歴部(91)は、更新フラグ(301s)がセットされたことをトリガとして、データを取り込む。なお、履歴部(91)は、入力されたデータのうち、必要なデータを選択することも可能である。ここで、内径dc(301c)、肉厚tc(301d)、肉厚変化率rt(301f)および剛性変化率aK(301g)は、時期予測の上で重要なパラメータである。履歴部(91)は、取り込みが終了したときに、更新フラグ(301s)をリセットする。
(3-5-6.流量診断結果を用いた時期予測診断処理)
図26を用いて、流量診断結果を用いた時期予測診断処理について説明する。図26は、実施形態に係る時期予測診断処理4の一例を示す図である。
時期予測診断部(90)は、以下に示すように、流量誤差診断簡易補正部(80)の流量診断結果(501)から時期予測診断を行う。すなわち、時期予測診断部(90)は、流量診断結果(501)に含まれる更新フラグ(501s)がセットされることで、時期予測診断処理を実行する。時期予測診断部(90)の履歴部(91)は、更新フラグ(501s)がセットされたことをトリガとして、データを取り込む。なお、履歴部(91)は、入力されたデータのうち、必要なデータを選択することも可能である。ここで、流量補正係数fkq(501a)および流量誤差率rqe(501b)は、時期予測の上で重要なパラメータである。履歴部(91)は、取り込みが終了したときに、更新フラグ(501s)をリセットする。
〔4.診断装置(2)の各処理の処理結果〕
図27~図37を用いて、実施形態に係る診断装置(2)の各処理の処理結果およびその効果を説明する。以下では、密度診断結果、肉厚剛性診断結果、流量診断結果、時期予測診断結果の順に説明する。
(4-1.密度診断結果および効果)
図27を用いて、密度診断結果および効果について説明する。図27は、実施形態に係る密度診断結果の一例を示す図である。以下では、密度診断結果について説明した上で、密度診断処理の効果について説明する。
(4-1-1.密度診断結果)
図27を用いて、密度診断結果について説明する。密度診断結果は、コリオリ質量流量計(1)に腐食流体を流し、腐食前後で密度校正を行い、密度校正とともに、特許文献1の方式で剛性変化を測定した結果を示す。
図27(1)に、測定データを示す。Test#はテスト回数で、0は腐食前を示す。腐食前と腐食流体を一定時間流した後に密度校正を行った。Test#の数値は腐食の回数を示す。Test#が増えるに従い、腐食量が増加する。密度校正は、空気(Air)と水(Water)で行った。圧力は加えていない。数値f1sおよび数値f2sは、測定で得られた周波数f(28c)を示す。数値T1sおよび数値T2sは、測定時の温度T(28e)を示す。数値f1は、周波数f1sを温度T1sで補正した、補正後周波数f1(154)を示す。数値f2は、周波数f2sを温度T2sで補正した、補正後周波数f2(155)を示す。密度ρ1(158)および密度ρ2(159)は、温度T1sおよび温度T2sを使用して求めた、標準状態での空気の密度、および標準状態での水の密度を示す。
図27(2)に、密度校正結果(151)および密度診断結果(201)を示す。密度測定係数Cdc(151a)および密度測定係数fac(151b)は、図27(1)の測定値を、上述した(21)式~(24)式に代入し計算した。密度変動Δρ(201c)は、上述した(27)式より計算した。測定対象密度ρt(202c)として、空気と水の密度を用いた。また、前回の密度校正以降に発生した密度変動を示す。密度誤差Δρ0(201d)は、上述した(29)式より計算した。測定対象密度ρt(202c)として、空気と水の密度を用いた。また、初期状態からの密度誤差を示す。上述した(28)式により、密度変動Δρ(201c)と密度変動許容値(202d)を比較して変動を評価し、密度測定係数の置き換えを判定できる。また、上述した(30)式により、密度誤差Δρ0(201d)と密度誤差警報値(202h)とを比較して密度誤差異常(201h)を設定できる。
図27(3)に、腐食回数による、密度測定係数fac(151b)および密度測定係数Cdc(151a)の変化を示す。両者とも腐食量が増えると減少する。
図27(4)に、腐食回数による密度誤差Δρ0(201d)の変化を示す。測定対象密度ρt(202c)として、空気と水の密度を用いた。密度変動Δρ(201c)は、腐食量が増えると増加する。測定対象密度ρt(202c)の設定により、密度誤差Δρ0(201d)が変化する。腐食流体を流し、強制的に腐食させているため、密度誤差Δρ0(201d)が大きく変化している。このように、密度校正により、実施形態に係る密度診断結果(201)として、密度誤差Δρ0(201d)を推定でき、密度誤差を監視することで、密度測定の精度を維持できる。
(4-1-2.効果)
上記のように、密度校正によって得られた、密度測定係数の変化から、発生している密度誤差を推定することができる。密度誤差は測定対象の密度に依存するため、測定対象の密度を考慮した密度誤差を計算する。密度誤差の許容値を設け、アラームを出すことで異常を通知することができる。密度誤差の発生は、質量流量の測定結果にも誤差が生じていることを示す。測定器として再調整が必要であることを通知することもできる。密度校正は、コリオリ質量流量計の精度を決定する重要な機能であり、安定した状況で行われる。よって、外乱に影響されずに精度のよい測定ができる。密度校正により、密度測定係数を変更することは、密度の測定結果に不連続点を生む。密度変動が許容範囲内であれば、測定値の連続性を優先する選択肢もある。密度変動許容値を設定することで、密度測定係数の置き換えの可否を判定し、密度測定結果の変動を抑える。コリオリ質量流量計は、精度よく測定できることが特徴である。密度測定は、コリオリ質量流量計の基本機能の一つであり、密度誤差を監視することで目標精度を維持できる。
(4-2.肉厚剛性診断結果および効果)
図28~図32を用いて、肉厚剛性診断結果および効果について説明する。以下では、肉厚剛性診断結果1、肉厚剛性診断結果2および肉厚剛性診断結果3について説明した上で、肉厚剛性診断処理の効果について説明する。
(4-2-1.肉厚剛性診断結果1)
図28を用いて、肉厚剛性診断結果1について説明する。図28は、実施形態に係る肉厚剛性診断結果1の一例を示す図である。
図28(1)に、実施形態に係る計算式により計算した結果を示す。ここでは、密度校正結果である、上記図27(1)および図27(2)より、肉厚剛性診断を行った。“Density Calibration”が、実施形態に係る計算式により計算した結果である。Test#0の値を基準として変化量を計算した。上述した(42)式~(46)式により、内径dc(301c)、肉厚tc(301d)、肉厚変化dt(301e)、肉厚変化率rt(301f)および剛性変化率aK(301g)を計算した。また、初回のTest#0からの変化を示した。変数aKcは、特許文献1の方式で測定した剛性変化率aKcを示す。剛性変化率aK(301g)とほぼ同じ値となった。
図28(2)に、腐食回数と、肉厚変化dt(301e)、肉厚変化率rt(301f)、剛性変化率aK(301g)および特許文献1の方式で測定した剛性変化率aKcを示す。実施形態に係る剛性変化率aK(301g)、特許文献1による剛性変化率aKcが同一となる。また、肉厚の変化率も同じ傾向で減少した。このように、密度校正結果により、実施形態に係る肉厚剛性診断結果(301)として、肉厚変化率および剛性変化率を推定できる。
(4-2-2.肉厚剛性診断結果2)
図29~図30を用いて、肉厚剛性診断結果2について説明する。図29は、実施形態に係る肉厚剛性診断結果2を説明するための図である。図30は、実施形態に係る肉厚剛性診断結果2の一例を示す図である。
以下では、図29に示すように、上流側センサ(13)の感度の影響を検証する試験を行った。図29に示すように、減衰器(13b)により、上流側信号S1(13a)を検出部(10)と変換部(20)の間で減衰させた。上流側センサ(13)の感度が低下することを模擬した。
図30(1)に、減衰器(13b)のゲインを変え、密度校正を行った結果を示す。密度測定係数Cdc(151a)と密度測定係数fac(151b)のばらつきは0.01%以下となった。密度測定係数Cdc(151a)と密度測定係数fac(151b)を、減衰器(13b)のゲインに関係なく求めることができる。
図30(2)に、減衰器(13b)のゲインを変化させて、密度校正で求めた剛性変化率aK(301g)および特許文献1の方式で求めた剛性変化率aKcを示す。剛性変化率aK(301g)は、減衰器(13b)のゲインに依存しない。剛性変化率aKcは、減衰器(13b)のゲインに依存する。特許文献1の方式は、上流側センサ(13)の感度が低下し、上流側信号S1(13a)が小さくなると、振動管(11)が硬くなったと解釈する。下流センサ(14)、加振部(12)でも同じ現象が発生する。
図30(3)に、剛性変化率aK(301g)と肉厚変化率rt(301f)を示す。変動0.01%以下で求められた。実施形態に係る肉厚剛性処理では、センサの振幅情報を使わないため、センサ(13、14)や加振部(12)の感度変化に関係なく、剛性変化率aK(301g)と肉厚変化率rt(301f)を測定できる。
(4-2-3.肉厚剛性診断結果3)
図31~図32を用いて、肉厚剛性診断結果3について説明する。図31~図32は、実施形態に係る肉厚剛性診断結果3の一例を示す図である。以下では、肉厚剛性診断処理として、付着診断を検証する試験を行った。
図31(1)に、振動管の外側に合計0.978gのビニールテープをつけて密度校正を行った結果を示す。“Normal”は付けない場合、“Tape”は付けた場合を示し、各々空気と水で周波数と温度を測定した。温度により周波数の補正と密度の計算を行った。各5回測定した。
図31(2)および図31(3)に、図31(1)から、密度測定係数Cd(28k)および密度測定係数fa(28l)を求めた結果を示す。測定対象密度ρt(202c)を空気と水として、密度誤差Δρ0(201d)を計算した。テープを外部に付着することにより、密度測定係数faが低下し、密度測定係数Cdが増加した。密度誤差Δρ0(201d)の単位は、g/lである。テープを外部に付着することにより、密度誤差Δρ0(201d)が増加する。重量が増えたためと考えられる。
図32に、肉厚診断結果を示す。Test#1の値を基準として変化量を計算した。内径dc(301c)は、上述した(42)式で計算した値であり、肉厚tc(301d)は、上述した(43)式で計算した値であり、肉厚変化dt(301e)は、上述した(44)式で計算した値であり、肉厚変化率rt(301f)は、上述した(45)式で計算した値であり、剛性変化率aK(301g)は、上述した(46)式で計算した結果である。付着発生時に、密度測定係数Cd(28k)及び密度測定係数fa(28l)が変動するため、密度校正により付着診断が可能である。
(4-2-4.効果)
上記のように、実施形態に係る肉厚剛性診断処理では、密度校正により得られた密度測定係数の変化と、振動管の設計情報とを用いることで、肉厚および剛性変化率を個別に求めることができる。肉厚情報と剛性変化率とを個別に求められるため、腐食診断と付着診断が可能となる。また、剛性変化から腐食を判断するのではなく、直接、肉厚変化を診断する。肉厚情報および剛性変化率の変動許容値を設け、アラームを出すことで異常を通知することができる。このとき、肉厚情報として、内径、肉厚、肉厚変化、肉厚変化率を含み、異常と直接関係した値で異常判定の許容値を設定する。
また、実施形態に係る肉厚剛性診断処理では、密度校正により得られた密度測定係数の変化と、振動管の設計情報とを用いて、肉厚情報および剛性変化率を求めるため、ドライブゲインを固定する、周波数応答を得る等の新たな仕組みが不要である。このとき、特別な動作と、解析を行うソフトウェアが不要となる。また、コリオリ質量流量計(1)の変換部(20)だけでなく、外部装置(31)または校正装置(3)で診断機能を実現できる。コリオリ質量流量計(1)の校正とともに診断が可能となる。密度校正手順の後に診断手順を追加することで、装置の健全性を診断する。
従来の剛性変化による診断では、周波数以外にセンサ信号の振幅を用いる。この場合、センサの感度等の影響を受ける。実施形態に係る肉厚剛性診断処理では、センサの振幅情報を使わないため、センサや加振部の感度変化、回路ゲインの変化に関係なく、個別に剛性変化率と肉厚変化を推定する。
(4-3.流量診断結果および効果)
図33~図36を用いて、流量診断結果および効果について説明する。以下では、流量診断結果1および流量診断結果2について説明した上で、流量誤差診断・簡易補正処理の効果について説明する。
(4-3-1.流量診断結果1)
図33を用いて、流量診断結果1について説明する。図33は、実施形態に係る流量診断結果1の一例を示す図である。
まず、腐食により、流量誤差が増大する状況を考える。腐食により、流量測定係数Cqは減少し、位相差θ0と周波数fの比θ0/fが増大する。流量測定係数Cq(28f)が腐食前の値であるために誤差が発生する。
図33に、誤差と簡易補正の関係を示す。回数当たりの誤差変動を-0.1%とした場合、10回で-1.0%の誤差となる。流量測定係数Cq(28f)の初期値を使用し続けている場合、10回目の流量測定値に+1.0%の誤差を生む。
“Qe=-0.1%”に、流量校正を行わない場合の流量誤差を示す。流量補正係数fk(28u)を更新した場合の流量誤差を計算した。流量補正係数fk(28u)の変化率が、流量誤差に等しい場合の流量誤差を“fk=-0.1%”に示す。この場合、流量補正係数fk(28u)を用いることにより、流量測定係数Cq(28f)を補正できる。密度校正を行うことで、流量誤差はゼロに戻る。
流量補正係数fk(28u)の変化率を-0.05%/校正とした場合の誤差を、“fk=-0.05%”に示す。-0.15%/校正とした場合を“fk=-0.15%”に示す。簡易補正により誤差は抑えられる。許容誤差を±0.5%とすると、簡易補正がない場合は、5回で許容誤差に達するが、簡易補正を行えば10回となる。これは、流量補正係数fk(28u)を使い、流量測定係数を簡易補正すれば、流量校正の間隔を伸ばせることを示す。
このように、密度校正結果により流量補正係数fk(28u)を更新することにより、流量の簡易補正が可能である。
(4-3-2.流量診断結果2)
図34~図36を用いて、流量診断結果2について説明する。図34~図36は、実施形態に係る流量診断結果2の一例を示す図である。
図34(1)に、腐食を複数回繰り返した時の、密度測定係数の変化率、剛性変化率、肉厚変化率、流量誤差を示す。図27(1)の密度校正の実験と同時に、水を流し、流量誤差率Qeを測定した。係数変化率aCdと係数変化率afaは、図27(2)で求めた密度測定係数の変化比率を示す。係数変化率aCd(201e)は、密度測定係数Cdc(151a)の変化率を示す。係数変化率afa(201f)は、密度測定係数fac(151b)の変化率を示す。内径変化率rtは、図28(1)の肉厚剛性診断で計算した、肉厚変化率rt(301f)を示す。剛性変化率aKは、図28(1)の肉厚剛性診断で計算した、剛性変化率aK(301g)を示す。流量誤差率Qeから、流量測定係数Cq(28f)の変化を計算し、変化率aCqとした。
図34(2)に、密度測定係数の変化率、肉厚変化率、剛性変化率と流量係数Cqの変化の関係を示す。流量誤差Qeは、流量測定係数Cq(28f)を更新せずに測定した場合の誤差率を示している。流量補正係数fk(28u)が変化率aCqと同じ傾向であれば、流量誤差を補正できる。変化率aCqと各変化率の傾向が一致しているが、腐食が大きくなるにつれ差が出ている。係数変化率afaは変化が小さい。係数変化率aCd、肉厚変化率rtおよび剛性変化率aKのうち少なくとも1つにより、流量測定係数Cq(28f)の変化を簡易補正できる。
図34(3)に、図34(1)の結果を用いて、実施形態に係る流量誤差診断簡易補正処理を行った結果を示す。簡易補正を行わないときの流量誤差をQeに示す。剛性変化率aK(301g)、肉厚変化率rt(301f)、係数変化率aCd(201e)、係数変化率afa(201f)を使い、簡易補正を行ったときの流量誤差を示す。上述した(56)式において、Ckx(x=1~4)のいずれかを1、他を0とし、各変化率を流量補正係数fk(28u)とした結果を示す。流量誤差Qe以外は、流量補正係数fk(28u)を更新する前と後を示す。係数変化率afa(201f)を使用した場合は、影響が少ない。流量測定係数Cq(28f)の変化に比べ、係数変化率afa(201f)の変化が小さいためである。他の3パラメータを使った結果は、同等の結果となる。流量測定係数Cq(28f)に比べ変化率が大きいため、回数を追うごとに簡易補正後の流量誤差がマイナスになる。
図34(4)に、流量測定係数Cq(28f)に対する、肉厚変化率rt(301f)、剛性変化率aK(301g)、係数変化率aCd(201e)および係数変化率afa(201f)の関係を示す。すべての変数に相関がある。係数変化率afa(201f)の傾きは小さい。
図35(1)に、重回帰分析により流量補正係数Ckx(28v)を求めた結果を示す。空白は、数値が0であることを示す。4パラメータを独立で使用する場合と、剛性変化率aK(301g)と肉厚変化率rt(301f)、係数変化率aCd(201e)と係数変化率afa(201f)を組み合わせて補正係数を求めた結果を示す。すべての場合で相関が大きい。組み合わせとF値が小さくなるが、組み合わせも有効である。係数変化率aCd(201e)、肉厚変化率rt(301f)、剛性変化率aK(301g)および肉厚変化率rt(301f)、または、係数変化率aCd(201e)および係数変化率afa(201f)を使用して、流量補正係数fk(28u)を計算でき、質量流量の簡易補正が可能である。
図35(2)に、図35(1)の流量補正係数Ckx(28v)を用いた場合の流量補正結果を示す。密度校正を行うことで誤差がほぼ0に戻る。密度校正結果により流量補正係数fk(28u)を更新することにより、流量の簡易補正が可能である。
図36(1)に、流量誤差を推定した結果を示す。上述した(56)式より流量補正係数fk(28u)を求め、上述した(59)式により流量誤差率rqe(501b)を計算した。流量補正係数fk(28u)は、4変数のうち1変数を使った。上述した(56)式で、使用する変数に該当する流量補正係数Ckx(28v)を数値1.0にした結果rqex1と、流量補正係数Ckx(28v)を相関により求めた数値を使用した結果rqex2を示す。
図36(2)に、流量誤差Qeと流量誤差率rqex1の変化を示す。係数変化率afa(201f)を使用した結果の変化は小さい。剛性変化率aK(301g)、肉厚変化率rt(301f)および係数変化率aCd(201e)により求めた流量誤差率rqe(501b)は、流量誤差Qeと変化傾向が一致する。
図36(3)に、流量誤差Qeと流量誤差率rqex2の変化を示す。各結果とも、流量誤差Qeと変化傾向が一致した。
流量誤差率rqe(501b)に対し、流量誤差警報値(502r)を設定することで、流流量診断異常(501r)の判定を行うことができる。
(4-3-3.効果)
上記のように、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理では、密度校正、密度診断処理および肉厚剛性診断処理から得られた剛性変化率、肉厚変化率および密度測定係数の変化率を使い、流量測定係数と流量誤差を求めることができる。これらを使い、流量測定係数を簡易補正することで、流量校正をすることなく、流量誤差を小さくする。
密度校正は、空気と水などの既知の流体での周波数と温度を測定すればよく、設置現場で実現できる。流量補正係数の簡易補正により、実際の校正周期を長くする。
質量流量の誤差と、剛性変化率、肉厚変化率、密度測定係数の変化率は高い相関があるが、傾きに差がある。質量流量の誤差と、各変化率の関係を、近似直線、又は、近似曲線で補正することにより、簡易補正の誤差を小さくする。使用するパラメータと補正係数は、重回帰分析、AIによる推論等を使い決定する。
簡易補正の精度は、流量補正係数の補正式で使うパラメータの測定精度に依存する。密度校正は安定した環境で実施できるため、精度よく求めることができる。
流量補正係数の変化から、流量誤差を推定する。流量誤差の許容値を設け、アラームを出すことで異常を通知する。
流量補正係数を変更することは、質量流量の測定結果に不連続点を生む。流量補正係数の変更による流量変動が許容範囲内であれば、測定値の連続性を優先する選択肢もある。流量変動許容値を設定することで、流量補正係数の置き換えの可否を判定し、質量流量測定結果の変動を抑える。
コリオリ質量流量計は、精度よく測定できることが特徴である。質量流量測定は、コリオリ質量流量計の基本機能の一つであり、流量誤差を監視することで目標精度を維持する。
(4-4.時期予測診断結果)
図37を用いて、時期予測診断結果および効果について説明する。以下では、時期予測診断結果について説明した上で、時期予測診断処理の効果について説明する。
(4-4-1.時期予測診断結果)
図37に、時期予測診断の計算例を示す。図37は、実施形態に係る時期予測診断結果の一例を示す図である。
日時、駆動時間、積算流量、密度誤差を各2点想定した。“Data 1”、及び、“Data 2“に示す。上述した(64)式~(69)式により、近似直線の係数を求めた結果を、“Slope ax”と“Intercept bx”に示す。診断目標値dtsを-0.5mmとする。上述した(70)式~(72)式により、予測値を求めた結果を、“Estimation”に示す。“Estimation - Data 2”は、“Data 2”からの予測値を示す。図37では、“Data 2”から、8日、駆動時間60時間または積算流量760tで、診断目標値dtsに達する結果となる。
(4-4-2.効果)
上記のように、時期予測診断により、障害が発生するまたはメインテナンスや装置交換の時期を予測することができる。校正や診断の履歴を持つことで、機器の健全性を把握する。時刻以外に、変換器の駆動時間、積算流量を用いることで、現実に近い診断を行う。腐食は、腐食性流体を流したときに発生するため、積算流量が重要となる。変換部の故障は、駆動時間に影響されることが多い。密度誤差と流量誤差を評価することで、流量校正が必要となる時期を予想することができる。得られた診断結果を履歴に記憶することにより、状態変化の様子を把握する。これにより時期予測診断(寿命診断)が可能となる。複数のパラメータから、目的にあったパラメータを使用する。
利用者にとって、メインテナンスや交換時期の予測することは、設備の有効利用の上で重要である。メインテナンスは、設備の停止を伴い、校正の費用が発生する。腐食等の故障が発生しやすい設備では、交換を想定する必要がある。
〔5.校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の流れ〕
図38~図43を用いて、実施形態に係る校正装置(3)および診断装置(2)の各処理の流れを説明する。以下では、実施形態に係る診断処理全体の流れについて説明した上で、校正装置(3)の処理の流れとして、密度校正処理の流れについて説明し、診断装置(2)の処理の流れとして、密度誤差診断処理の流れ、肉厚剛性診断処理の流れ、流量誤差診断・簡易補正処理の流れ、時期予測診断処理の流れの順に説明する。
(5-1.診断処理全体の流れ)
図38を用いて、診断処理全体の流れについて説明する。図38は、実施形態に係る診断処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S105の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S105の処理のうち、省略される処理があってもよい。
まず、校正装置(3)は、密度校正処理を実行する(ステップS101)。次に、診断装置(2)は、密度誤差診断処理を実行し(ステップS102)、肉厚剛性診断処理を実行し(ステップS103)、流量誤差診断・簡易補正処理を実行し(ステップS104)、時期予測診断処理を実行し(ステップS105)、処理を終了する。
(5-2.密度校正処理の流れ)
図39を用いて、診断処理全体の流れについて説明する。図39は、実施形態に係る密度校正処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、密度校正処理全体の流れについて説明した上で、各処理の流れについて説明する。なお、下記の各処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の各処理のうち、省略される処理があってもよい。
(5-2-1.密度校正処理全体の流れ)
図39に示すように、校正装置(3)は、密度測定係数演算処理を実行し(ステップS201~S223)、密度測定係数をパラメータ(28)に保存し(ステップS224)、処理を終了する。
(5-2-2.密度測定係数演算処理全体の流れ)
校正装置(3)は、以下で示すように、密度測定の校正を行い、密度測定係数を更新する。まず、密度が既知である2種の物質において、周波数を測定する。このとき、係数n(152c)を使い、2回の測定を行い、初期値として係数n(152c)を1と置く(ステップS201)。次に、校正装置(3)は、振動管の物質が入れ替えられたことを判定するために、充填中をOnとする(ステップS202)。続いて、校正装置(3)は、充填中がOnであるかを判定する(ステップS203)。このとき、校正装置(3)は、振動管(11)に物質nが充填されるまで待つ。校正装置(3)は、充填中がOnである場合(ステップS203:Yes)、ステップS204の処理に移行し、充填中がOnでない場合(ステップS203:No)、ステップS206の処理に移行する。
校正装置(3)は、振動管(11)に物質nを充填する(ステップS204)。このとき、コリオリ質量流量計(1)とは異なる外部の機器は、空気の場合には振動管(11)を空にし、真空の場合には真空ポンプ等で内部の物質を排出する。ここで、密度校正処理には、物質nの密度が必要となり、温度と圧力により密度が変化する場合は、温度と圧力に関した計算式または数表が必要となる。そして、表示操作部(30)または外部装置(31)は、充填が終了したことを示すため、充填中をOffとし(ステップS205)、ステップS203の処理に戻る。
校正装置(3)は、物質の入れ替えにより温度等が不安定になるため、測定値が安定するまで待つ(ステップS206)。このとき、校正装置(3)は、一定時間待ってもよいし、周波数f(28c)や温度T(28e)の変動を監視してもよいし、変動が結果に影響しない場合は待たなくてもよい。そして、校正装置(3)は、周波数f(28c)および温度T(28e)を取得し(ステップS207)、ステップS208の処理に移行する。
校正装置(3)は、圧力計接続信号(28s)により、圧力計(29)が接続されているかを判定する(ステップS208)。このとき、校正装置(3)は、圧力計(29)が接続されている場合(ステップS208:Yes)、外部入力圧力Pin(28r)を取得し、圧力P(28t)とし(ステップS210)、ステップS211の処理に移行する。一方、校正装置(3)は、圧力計(29)が接続されていない場合(ステップS208:No)、既定圧力Ps(28q)を圧力P(28t)とし(ステップS209)、ステップS211の処理に移行する。
校正装置(3)は、周波数補正部(53)を用いて、周波数f(28c)を温度T(28e)および圧力P(28t)で補正し、補正後周波数fn(153)を計算する(ステップS211)。また、校正装置(3)は、物質選択スイッチ(54)を用いて、係数n(152c)により、補正後周波数fn(153)を補正後周波数f1(154)または補正後周波数f2(155)に保存する(ステップS212)。また、校正装置(3)は、標準密度演算部(55)を用いて、温度T(28e)、圧力P(28t)および係数n(152c)から、物質nの標準密度ρc(156)を算出し(ステップS213)、ステップS214の処理に移行する。
校正装置(3)は、密度選択スイッチ(56)を用いて、密度選択(152b)により、密度ρn(157)を手動で入力するかを判定する(ステップS214)。このとき、校正装置(3)は、手動で入力する場合(ステップS214:Yes)、表示操作部(30)または外部装置(31)が設定した手動入力密度ρin(152a)を密度ρn(157)とし(ステップS215)、ステップS217の処理に移行する。一方、校正装置(3)は、手動で入力しない場合(ステップS214:No)、標準密度ρc(156)を密度ρn(157)とし(ステップS216)、ステップS217の処理に移行する。
校正装置(3)は、物質選択スイッチ(57)を用いて、係数n(152c)により、密度ρn(157)を密度ρ1(158)または密度ρ2(159)に保存する(ステップS217)。また、校正装置(3)は、係数n(152c)をn+1とする(ステップS218)。また、校正装置(3)は、係数n(152c)が2以下の場合は(ステップS219:Yes)、ステップS208の処理に移行し、2番目の物質の測定を行う。一方、校正装置(3)は、係数n(152c)が2より大きい場合(ステップS219:No)、密度測定係数演算実行部(58)を用いて、密度測定係数Cdc(151a)および密度測定係数fac(151b)を計算する(ステップS220)。このとき、校正装置(3)は、補正後周波数f1(154)、補正後周波数f2(155)、密度ρ1(158)および密度ρ2(159)を、上述した(21)式~(24)式に代入することによって密度測定係数を算出する。
校正装置(3)は、日時、変換部駆動時間および積算流量を保存する(ステップS221)。このとき、校正装置(3)は、日時(28x)を校正日時(151x)に保存し、変換部駆動時間(28y)を駆動時間(151y)に保存し、積算流量(28z)を積算流量(151z)に保存する。
校正装置(3)は、更新フラグ(151s)をセットし(ステップS222)、密度校正完了信号(160)をセットし(ステップS223)、ステップS224の処理に移行する。
(5-3.密度誤差診断処理の流れ)
図40を用いて、密度誤差診断処理の流れについて説明する。図40は、実施形態に係る密度誤差診断処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、密度誤差診断処理全体の流れについて説明した上で、各処理の流れについて説明する。なお、下記の各処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の各処理のうち、省略される処理があってもよい。
(5-3-1.密度誤差診断処理全体の流れ)
図40に示すように、診断装置(2)は、初期化判定処理を実行し(ステップS301~S307)、初期化信号(203)がセットされている場合(ステップS308:Yes)、密度誤差初期化処理を実行し(ステップS309)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、初期化信号(203)がセットされていない場合(ステップS308:No)、ステップS310の処理に移行する。
診断装置(2)は、演算判定信号(204)がセットされている場合(ステップS310:Yes)、密度誤差演算判定処理を実行し(ステップS311)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、演算判定信号(204)がセットされていない場合(ステップS310:No)、処理を終了する。
(5-3-2.初期化判定処理の流れ)
図40に示すように、診断装置(2)は、校正装置(3)による密度測定係数の密度校正処理(ステップS301)の実行後、密度校正完了信号(160)および密度診断設定値(202)より、実行する処理の選択を行う。
診断装置(2)は、初期化信号(203)および演算判定信号(204)をリセットする(ステップS302)。次に、診断装置(2)は、密度校正完了信号(160)がセットされているかを判定する(ステップS303)。このとき、診断装置(2)は、密度校正完了信号(160)がセットされている場合(ステップS303:Yes)、ステップS304の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、密度校正完了信号(160)がセットされていない場合(ステップS303:No)、処理を終了する。
診断装置(2)は、初期化実行命令(202u)がセットされているかを判定する(S304)。このとき、診断装置(2)は、初期化実行命令(202u)がセットされている場合(ステップS304:Yes)、初期化信号(203)をセットし(ステップS305)、ステップS308以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期化実行命令(202u)がセットされていない場合(ステップS304:No)、ステップS305の処理に移行する。
診断装置(2)は、初期値の存在を判定する(ステップS305)。診断装置(2)は、初期値がない場合(ステップS305:Yes)、初期化信号(203)をセットし(ステップS306)、ステップS308以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期値がある場合(ステップS305:No)、演算判定信号(204)をセットし(ステップS307)、ステップS308以降の処理に移行する。ここで、診断装置(2)は、初期係数Cd0(202a)が0であるとき、初期係数fa0(202b)が0であるとき、または初期日時(202x)が設定されていないときのいずれかに該当する場合には、初期値がないと判定する。
(5-3-3.密度誤差初期化処理の流れ)
診断装置(2)は、密度校正結果(151)をパラメータ(28)に保存し、密度診断設定値(202)の初期値を設定し、初期化実行命令を(202u)リセットし、密度診断結果(201)を初期化し、初期化フラグ(201t)をセットし、更新フラグ(201s)をセットし、密度校正完了信号(160)をリセットし、密度診断完了信号(210)をセットし、処理を終了する。
(5-3-4.密度誤差演算判定処理の流れ)
診断装置(2)は、密度測定係数の変化から密度診断結果(201)として、密度変動Δρ(201c)、密度誤差Δρ0(201d)、係数変化率aCd(201e)および係数変化率afa(201f)を計算する。このとき、診断装置(2)は、密度変動Δρ(201c)の絶対値が密度変動許容値(202d)より大きい場合は、係数選択信号(205)をセットする。一方、診断装置(2)は、密度変動Δρ(201c)の絶対値が密度変動許容値(202d)以下の場合は、係数選択信号(205)をリセットする。
診断装置(2)は、係数選択信号(205)がセットされているかを判定する。このとき、係数選択信号(205)がセットされている場合は、密度校正結果(151)をパラメータ(28)に設定する。一方、診断装置(2)は、係数選択信号(205)がセットされている場合は、次の処理に移行する。
診断装置(2)は、測定係数と測定情報とを密度診断結果(201)に設定する。また、診断装置(2)は、密度誤差Δρ0(201d)の変化と密度誤差警報値(202h)とを比較し、密度誤差異常(201h)を設定し、係数変化率aCd(201e)の変化と係数変化率aCd許容値(202i)とを比較し、係数変化率aCd異常(201i)を設定し、係数変化率afa(201f)の変化と係数変化率afa許容値(202j)とを比較し、係数変化率afa異常(201j)を設定する。
診断装置(2)は、初期化フラグ(201t)をリセットし、更新フラグ(201s)をセットし、密度校正完了信号(160)をリセットし、密度診断完了信号(210)をセットし、処理を終了する。
(5-4.肉厚剛性診断処理の流れ)
図41を用いて、肉厚剛性診断処理の流れについて説明する。図41は、実施形態に係る肉厚剛性診断処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、肉厚剛性診断処理全体の流れについて説明した上で、各処理の流れについて説明する。なお、下記の各処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の各処理のうち、省略される処理があってもよい。
(5-4-1.肉厚剛性診断処理全体の流れ)
図41に示すように、診断装置(2)は、初期化判定処理を実行し(ステップS401~S407)、初期化信号(306)がセットされている場合(ステップS408:Yes)、肉厚剛性診断初期化処理を実行し(ステップS409)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、初期化信号(306)がセットされていない場合(ステップS408:No)、ステップS410の処理に移行する。
診断装置(2)は、診断初期化信号(307)がセットされている場合(ステップS410:Yes)、肉厚剛性演算処理を実行し(ステップS411)、肉厚剛性変化初期化処理を実行し(ステップS412)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、診断初期化信号(307)がセットされていない場合(ステップS410:No)、ステップS413の処理に移行する。
診断装置(2)は、診断実行信号(308)がセットされている場合(ステップS413:Yes)、肉厚剛性演算処理を実行し(ステップS414)、肉厚剛性変化判定処理を実行し(ステップS415)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、診断実行信号(308)がセットされていない場合(ステップS413:No)、処理を終了する。
(5-4-2.初期化判定処理の流れ)
図41に示すように、まず、診断装置(2)は、初期化信号(306)、診断初期化信号(307)および診断実行信号(308)をリセットする(ステップS401)。次に、診断装置(2)は、密度診断完了信号(210)がセットされているかを判定する(ステップS402)。このとき、診断装置(2)は、密度診断完了信号(210)がセットされている場合(ステップS402:Yes)、ステップS403の処理に移行し、密度診断完了信号(210)がセットされていない場合(ステップS402:No)、処理を終了する。
診断装置(2)は、初期値の存在を判定する(ステップS403)。このとき、診断装置(2)は、初期値がない場合(ステップS403:Yes)、初期化信号(306)をセットする(ステップS404)。一方、診断装置(2)は、初期値がある場合(ステップS403:No)、ステップS405の処理に移行する。ここで、診断装置(2)は、初期内径d0(302c)が数値0であるとき、または初期日時(302x)が設定されていないときのいずれかに該当する場合には、初期値がないと判定する。
診断装置(2)は、初期化実行命令(302u)がセットされているかを判定する(ステップS405)。このとき、初期化実行命令(302u)がセットされている場合(ステップS405:Yes)、診断初期化信号(307)をセットし(ステップS406)、ステップS408以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期化実行命令(302u)がセットされていない場合(ステップS405:No)、診断実行信号(308)をセットし(ステップS407)、ステップS408以降の処理に移行する。
(5-4-3.肉厚剛性診断初期化処理の流れ)
診断装置(2)は、肉厚剛性診断設定値(302)に初期値を設定し、初期化実行命令(302u)をリセットし、肉厚剛性診断結果(301)を初期化し、初期化フラグ(301t)をセットし、更新フラグ(301s)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットし、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、処理を終了する。
(5-4-4.肉厚剛性演算処理の流れ)
診断装置(2)は、肉厚変化率を計算し、剛性変化率を計算し、肉厚剛性診断結果(301)の診断情報を設定し、処理を終了する。
(5-4-5.肉厚剛性変化初期化処理の流れ)
診断装置(2)は、肉厚剛性診断設定値(302)の初期値を設定し、初期化実行命令(302u)をリセットし、肉厚剛性診断結果(301)を初期化し、初期化フラグ(301t)をセットし、更新フラグ(301s)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットし、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、処理を終了する。
(5-4-6.肉厚剛性変化判定処理の流れ)
診断装置(2)は、肉厚剛性診断結果(301)および密度診断結果(201)と、肉厚剛性診断設定値(302)とを比較し、肉厚剛性診断結果(301)内の診断異常情報を設定し、初期化フラグ(301t)をリセットし、更新フラグ(301s)をセットし、密度診断完了信号(210)をリセットし、肉厚剛性診断完了信号(310)をセットし、処理を終了する。
(5-5.流量誤差診断・簡易補正処理の流れ)
図42を用いて、流量誤差診断・簡易補正処理の流れについて説明する。図42は、実施形態に係る流量誤差診断・簡易補正処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、流量誤差診断・簡易補正処理全体の流れについて説明した上で、各処理の流れについて説明する。なお、下記の各処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の各処理のうち、省略される処理があってもよい。
(5-5-1.流量誤差診断・簡易補正処理全体の流れ)
図42に示すように、まず、診断装置(2)は、初期化判定処理を実行し(ステップS501~S509)、初期化実行信号1(507)がセットされている場合(ステップS510:Yes)、流量初期化処理を実行し(ステップS511)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、初期化実行信号1(507)がセットされていない場合(ステップS510:No)、ステップS512の処理に移行する。
診断装置(2)は、初期化実行信号2(508)がセットされている場合(ステップS512:Yes)、剛性肉厚初期化処理を実行し(ステップS513)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、初期化実行信号2(508)がセットされていない場合(ステップS512:No)、ステップS514の処理に移行する。
診断装置(2)は、更新実行信号(509)がセットされている場合(ステップS514:Yes)、流量補正係数更新処理を実行し(ステップS515)、処理を終了する。一方、診断装置(2)は、更新実行信号(509)がセットされていない場合(ステップS514:No)、処理を終了する。
(5-5-2.初期化判定処理の流れ)
図42に示すように、まず、診断装置(2)は、初期化実行信号1(507)、初期化実行信号2(508)、更新実行信号(509)をリセットする(ステップS501)。次に、診断装置(2)は、流量校正完了信号(120)がセットされているかを判定する(ステップS502)。ここで、流量校正完了信号(120)は、校正装置(3)の質量流量校正部(41)による質量流量校正処理が実行された場合にセットされる。このとき、診断装置(2)は、流量校正完了信号(120)がセットされている場合(ステップS502:Yes)、初期化実行信号1(507)をセットし(ステップS503)、ステップS510以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、流量校正完了信号(120)がセットされていない場合(ステップS502:No)、ステップS504の処理に移行する。
診断装置(2)は、肉厚剛性診断完了信号(310)がセットされているかを判定する(ステップS504)。このとき、肉厚剛性診断完了信号(310)がセットされている場合(ステップS504:Yes)、ステップS505の処理に移行し、肉厚剛性診断完了信号(310)がセットされていない場合(ステップS504:No)、処理を終了する。ここで、肉厚剛性診断完了信号(310)は、肉厚剛性診断部(70)による肉厚剛性診断処理が実行された場合にセットされる。
診断装置(2)は、初期値の存在を判定する(ステップS505)。ここで、診断装置(2)は、初期日時(502x)が設定されているかを判断する。このとき、診断装置(2)は、初期値が存在しない場合(ステップS505:Yes)、初期化実行信号2(508)をセットし(ステップS508)、ステップS510以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期値が存在する場合(ステップS505:No)、ステップS506の処理に移行する。
診断装置(2)は、初期化フラグ(301t)がセットされているかを判定する(ステップS506)。このとき、診断装置(2)は、初期化フラグ(301t)がセットされている場合(ステップS506:Yes)、初期化実行信号2(508)をセットし(ステップS508)、ステップS510以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期化フラグ(301t)がセットされていない場合(ステップS506:No)、ステップS507の処理に移行する。
診断装置(2)は、初期化実行命令(502u)がセットされているかを判定する(ステップS507)。このとき、診断装置(2)は、初期化実行命令(502u)がセットされている場合(ステップS507:Yes)、初期化実行信号2(508)をセットし(ステップS508)、ステップS510以降の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、初期化実行命令(502u)がセットされていない場合(ステップS507:No)、更新実行信号(509)をセットし(ステップS509)、ステップS510以降の処理に移行する。
(5-5-3.流量初期化処理の流れ)
診断装置(2)は、流量診断設定値(502)を初期化し、初期化実行命令(502u)をセットし、流量補正係数fk(28u)に初期値1.0を設定し、流量診断結果(501)を初期化し、流量診断異常(501r)をリセットし、初期化フラグ(501t)をセットし、更新フラグ(501s)をセットし、流量校正完了信号(120)をリセットし、処理を終了する。
(5-5-4.剛性肉厚初期化処理の流れ)
診断装置(2)は、流量診断設定値(502)を初期化し、初期化実行命令(502u)をリセットし、流量補正係数fk(28u)に初期値1.0を設定し、流量診断結果(501)を初期化し、流量診断異常(501r)をリセットし、初期化フラグ(501t)をセットし、更新フラグ(501s)をセットし、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットし、処理を終了する。
(5-5-5.流量補正係数更新処理の流れ)
診断装置(2)は、流量補正係数、流量誤差率、流量変動率を計算する。このとき、診断装置(2)は、流量変動率rqd(501c)の絶対値が流量変動許容値(502h)より大きい場合に、流量係数選択信号(504)をセットし、流量補正係数fk(28u)を設定する。また、診断装置(2)は、流量誤差率rqe(501b)の絶対値が、流量誤差警報値(502r)より大きい場合に、流量診断異常(501r)をセットする。一方、診断装置(2)は、流量誤差率rqe(501b)の絶対値が流量誤差警報値(502r)以下である場合に、流量診断異常(501r)をリセットする。
診断装置(2)は、初期化フラグ(501t)をリセットし、更新フラグ(501s)をセットし、肉厚剛性診断完了信号(310)をリセットし、処理を終了する。
(5-6.時期予測診断処理の流れ)
図43を用いて、時期予測診断処理の流れについて説明する。図43は、実施形態に係る時期予測診断処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS601~S605の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS601~S605の処理のうち、省略される処理があってもよい。
診断装置(2)は、更新フラグがセットされているかを判定する(ステップS601)。このとき、診断装置(2)は、更新フラグがセットされている場合(ステップS601:Yes)、ステップS602の処理に移行する。一方、診断装置(2)は、更新フラグがいずれもセットされていない場合(ステップS601:No)、処理を終了する。なお、診断データの更新フラグは、各診断の結果に含まれる。
診断装置(2)は、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)および流量診断結果(501)をチェックし、診断結果のデータを取り込み(ステップS602)、取り込んだデータから変化傾向値(601)を算出し(ステップS603)、変化傾向値(601)と診断目標値(602)とから時期予測診断結果(603)を算出し(ステップS604)、更新フラグをリセットし(ステップS605)、処理を終了する。
〔6.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~7について説明する。
(6-1.効果1)
上述した実施形態に係る処理では、振動させた振動管(11)に作用するコリオリ力に基づいて振動管(11)を流れる流体の流量および密度を計測するコリオリ質量流量計(1)を校正することによって生成された流体の密度の校正に関する密度校正結果(151)に基づいて、密度の校正前後の流体の密度誤差に関する密度診断結果(201)を生成し、密度診断結果(201)に基づいて振動管(11)の肉厚および剛性のうち少なくとも1つに関する計算を実行し、振動管(11)の変化に関する肉厚剛性診断結果(301)を生成する。このため、本処理では、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断することができる。
(6-2.効果2)
上述した実施形態に係る処理では、初期の密度測定係数と、密度校正結果(151)が示す密度測定係数と、測定対象の密度とを用いて密度誤差を算出し、密度診断結果(201)が示す密度測定係数の変化率と振動管(11)の設計値とを用いて、振動管(11)の肉厚変化および剛性変化に関する結果のうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果(301)を生成し、肉厚剛性診断結果(301)が閾値以上である場合に、振動管(11)に関する異常を検出する。このため、本処理では、密度診断結果(201)および肉厚剛性診断結果(301)を効果的に生成することにより、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断することができる。
(6-3.効果3)
上述した実施形態に係る処理では、振動管(11)の内径、肉厚、肉厚変化、肉厚変化率、剛性変化率、腐食診断および付着診断のうち少なくとも1つを含む肉厚剛性診断結果(301)を生成する。このため、本処理では、肉厚剛性診断結果(301)を効果的に使用することにより、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断することができる。
(6-4.効果4)
上述した実施形態に係る処理では、肉厚剛性診断結果(301)に基づいて流体の流量に関する計算を実行し、流体の流量誤差に関する流量診断結果(501)を生成する。このため、本処理では、流量診断結果(501)を生成することにより、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断するとともに、流量に関する簡易補正を行うことができる。
(6-5.効果5)
上述した実施形態に係る処理では、剛性変化率、肉厚変化率および密度測定係数の変化率のうち少なくとも1つを用いて流量補正係数を算出し、算出した流量補正係数に基づいて、コリオリ質量流量計(1)が流量の計測に用いる流量補正係数の更新制御を実行する。本処理では、流量診断結果(501)を効果的に生成することにより、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断するとともに、流量に関する簡易補正を行うことができる。
(6-6.効果6)
上述した本実施形態に係る処理では、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)に基づいて、コリオリ質量流量計(1)における障害の発生、メインテナンスもしくは機器の交換に関する所要時間、稼働時間または流体の積算流量を予測し、時期予測診断結果として生成する。このため、本処理では、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断するとともに、診断結果を効果的に活用することができる。
(6-7.効果7)
上述した本実施形態に係る処理では、密度校正結果(151)、密度診断結果(201)、肉厚剛性診断結果(301)または流量診断結果(501)が所定の警報値を超過した場合には、振動管(11)に関する異常を通知する。このため、本処理では、コリオリ質量流量計(1)の振動管(11)の状態を正確に診断するとともに、診断結果を効果的に活用し、有益な情報を提供することができる。
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
〔ハードウェア〕
次に、診断装置(2)のハードウェア構成例を説明する。なお、他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図44は、ハードウェア構成例を説明する図である。図44に示すように、診断装置(2)は、通信装置(2a)、HDD(Hard Disk Drive)(2b)、メモリ(2c)、プロセッサ(2d)を有する。また、図44に示した各部は、バス等で相互に接続される。
通信装置(2a)は、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD(2b)は、図4に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
プロセッサ(2d)は、図4に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD(2b)等から読み出してメモリ(2c)に展開することで、図4等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、診断装置(2)が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ(2d)は、密度誤差診断部(61)、肉厚剛性診断部(70)、流量誤差診断簡易補正部(80)、時期予測診断部(90)等と同様の機能を有するプログラムをHDD(2b)等から読み出す。そして、プロセッサ(2d)は、密度誤差診断部(61)、肉厚剛性診断部(70)、流量誤差診断簡易補正部(80)、時期予測診断部(90)等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
このように、診断装置(2)は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、診断装置(2)は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、診断装置(2)によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。