図1は、本発明に係る受光装置としてのレーザ光受光器100の外観を概略的に示す外観図である。
図1に示すように、レーザ光受光器100の筐体CAの表面には、ライン光の位置合わせの目標となる直線状のターゲット線TLを境界として単一の受光面を2分した受光面F1及びF2と、表示器としての発光素子Lr、Ly及びLg各々の発光面と、が露出している。更に、筐体CAの表面には通音孔Bzが設けられている。
図2は、当該筐体CA内に形成されているレーザ光受光器100の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、レーザ光受光器100は、光電変換素子21、22、セレクタ23、バンドパスフィルタ(BPF)24、対数変換回路25、アナログディジタル変換器(ADC)26、コントローラ27、音生成回路28、スピーカ29、点灯駆動回路30、発光素子Lr、Ly及びLgを含む。
光電変換素子21は、図1に示す受光面F1を有し、当該受光面F1で受光した光を、その光の強度を示す電気信号に変換し、これを第1の受光信号d1としてセレクタ23に供給する。
光電変換素子22は、図1に示す受光面F2を有し、当該受光面F2で受光した光を、その光の強度を示す電気信号に変換し、これを第2の受光信号d2としてセレクタ23に供給する。
セレクタ23は、コントローラ27から供給された選択信号SEに応じて、受光信号d1及びd2のうちの一方を所定周期にて交互に選択し、これをBPF24に出力する。
BPF24は、セレクタ23から供給された受光信号d1又はd2中から所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、抽出した信号成分からなる受光信号dfを対数変換回路25に供給する。
対数変換回路25は、受光信号dfに対数変換処理を施して得られた信号を、受光強度を表す受光強度信号dlgとしてADC26に供給する。
ADC26は、受光強度信号dlgにて示される値をデジタル値に変換した受光強度データ信号DTをコントローラ27に供給する。
コントローラ27は、レーザ照射位置判定プログラムが格納されているROM(Read Only Memory)271、及びRAM(Random Access Memory)272を含む。
コントローラ27は、ROM271に格納されているレーザ照射位置判定プログラム(後述する)に従って、選択信号SEをセレクタ23に供給すると共に、受光強度データ信号DTの取り込みを行う。
また、コントローラ27は、当該レーザ照射位置判定プログラムに従って、ブザー音無を指示するブザー音信号BS、又はブザー音の出力を指示する共にそのブザー音の音階(例えば、「ド」の音)を指定するブザー音信号BSを生成し、これを音生成回路28に供給する。
更に、コントローラ27は、当該レーザ照射位置判定プログラムに従って、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの1つの点灯を指示する点灯制御信号LS、又は発光素子Lr、Ly及びLgを全て消灯させるように指示する点灯制御信号LSを生成し、これを点灯駆動回路30に供給する。
音生成回路28は、ブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを受けた場合、当該ブザー音信号BSにて指定された音階のブザー音の波形を有する音信号を生成しこれをスピーカ29に供給する。これにより、スピーカ29は、この音信号に基づくブザー音を図1に示す通音孔Bzを介して外部に出力する。また、ブザー音無を示すブザー音信号BSを受けた場合、音生成回路28は、無音を表す音信号をスピーカ29に供給する。これにより、当該スピーカ29は音を出力しない無音状態となる。
点灯駆動回路30は、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの1つを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを受けた場合には、その1つを点灯、他の2つを消灯させる点灯駆動信号を発光素子Lr、Ly及びLgに供給する。これにより、発光素子Lrが点灯指示された場合には当該発光素子Lrが赤色の発光を行い、発光素子Ly及びLgは共に消灯状態になる。また、発光素子Lyが点灯指示された場合には、当該発光素子Lyが黄色の発光を行い、発光素子Lr及びLgは共に消灯状態になる。また、発光素子Lgが点灯指示された場合には、当該発光素子Lgが緑色の発光を行い、発光素子Lr及びLyは共に消灯状態になる。
また、点灯駆動回路30は、発光素子Lr、Ly及びLgを全て消灯させるように指示する点灯制御信号LSを受けた場合には、発光素子Lr、Ly及びLgを全て消灯させる点灯駆動信号を発光素子Lr、Ly及びLgに供給する。これにより、全ての発光素子Lr、Ly及びLgが消灯状態となる。
図3は、上記したレーザ光受光器100を墨出し作業で用いる場合での設置形態の一例を示す図である。
図3に示す一例では、レーザ墨出し器300から発せられる、水平方向に伸長するライン光LTを建築物の壁面の所定の高さ位置に照射させる為にレーザ光受光器100を用いている。
先ず、使用者は、上記した所定の高さ位置に、図1に示すターゲット線TLが至るように、レーザ光受光器100を建築物の壁面に設置する。
ここで、レーザ光受光器100の電源を投入すると、コントローラ27は、ROM271に格納されているレーザ照射位置判定プログラムの実行を行う。
図4A及び図4Bは、コントローラ27が実行するレーザ照射位置判定プログラムによるレーザ照射位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
図4Aにおいて、先ず、コントローラ27は、レーザ光受光器100の使用環境下において、光電変換素子21又は22が上記したライン光LTを受光していない状態で得られる受光信号d1又はd2の信号レベルを、レーザ光受光器100の使用環境下での環境照度LLとして設定する(ステップS20)。
次に、コントローラ27は、ライン光LTが照射された照射位置がターゲット線TLの位置と一致するか否かを判定するための閾値として、所定の初期値を有する判定閾値DBを設定する(ステップS21)。
次に、コントローラ27は、受光面F1及びF2に照射された光の強度を測定する測定処理を行う(ステップS22)。かかる測定処理では、コントローラ27は、受光信号d1を選択させる選択信号SEをセレクタ23に供給することで、当該受光信号d1に基づきBPF24、対数変換回路25及びADC26が生成した受光強度データ信号DTを取り込む。そして、コントローラ27は、受光信号d2を選択させる選択信号SEをセレクタ23に供給することで、当該受光信号d2に基づきBPF24、対数変換回路25及びADC26が生成した受光強度データ信号DTを取り込む。尚、コントローラ27は、ステップS22において、選択信号SEによる受光信号の選択切替を複数回繰り返し行い、受光信号d1に基づく受光強度データ信号DTの平均値を、最終的な受光信号d1に対応した受光強度データ信号DTとして取り込み、受光信号d2に基づく受光強度データ信号DTの平均値を、最終的な受光信号d2に対応した受光強度データ信号DTとして取り込むようにしても良い。
ステップS22の実行後、コントローラ27は、取り込んだ2つの受光強度データ信号DTのうちの受光信号d1に基づく受光強度データ信号DTにて示される受光強度を受光強度CH1とし、受光信号d2に基づく受光強度データ信号DTにて示される受光強度を受光強度CH2とし、夫々をRAM272に書き込む(ステップS23)。
次に、コントローラ27は、受光強度CH1及びCH2が共に環境照度LL以下であるか否かを判定する(ステップS24)。
ステップS24において、受光強度CH1及びCH2が共に環境照度LL以下であると判定すると、コントローラ27は、発光素子Lr、Ly及びLgを全て消灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給する(ステップS25)。
一方、かかるステップS24において、受光強度CH1及びCH2のうちの少なくとも一方が環境照度LLより大きいと判定すると、コントローラ27は、受光強度CH1が環境照度LL以上であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以下であるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26において、受光強度CH1が環境照度LL以上であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以下であると判定すると、コントローラ27は、発光素子Lrを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ド」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する(ステップS27)。
一方、かかるステップS26において、受光強度CH1が環境照度LL以上であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以下となる状態にはないと判定すると、コントローラ27は、受光強度CH1が環境照度LL以下であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以上であるか否かを判定する(ステップS28)。
ステップS28において、受光強度CH1が環境照度LL以下であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以上であると判定すると、コントローラ27は、発光素子Lgを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ド」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する(ステップS29)。
上記したステップS25、S27又はS29の実行後、コントローラ27は、ステップS21の実行に戻り、前述した各ステップの動作を再び行う。
この間、上記したステップS28において受光強度CH1が環境照度LL以下であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以上となる状態にはないと判定した場合、コントローラ27は、判定閾値調整処理を行う(ステップS30)。
かかる判定閾値調整処理では、コントローラ27は、受光強度CH1及びCH2のうちの大きな方の受光強度に基づき、判定閾値DBの大きさを調整する。つまり、コントローラ27は、受光強度CH1及びCH2のうちの大きな方の受光強度が小さいほど判定閾値DBの値を小さくするように調整する。
その具体的な調整方法としては、コントローラ27は、例えば図5Aに示すような関数Fxを用いて当該受光強度から判定閾値DBを算出する。また、コントローラ27は、例えば図5Bに示すように、受光強度の大きさの範囲を3段階に区分けし、各範囲毎に、その受光強度の範囲に対応した値を有する判定閾値DBが予め対応付けして記憶されているルックアップテーブルを用いて、受光強度に対応した判定閾値DBを得るようにしても良い。
そして、コントローラ27は、このように調整した判定閾値DBを新たな判定閾値として設定する。
ステップS30の実行後、コントローラ27は、受光強度CH1から受光強度CH2を差し引いた値が判定閾値DB以上になるか否かの判定を行う(ステップS31)。
ステップS31において、受光強度CH1から受光強度CH2を差し引いた値が判定閾値DB以上になると判定した場合、コントローラ27は、発光素子Lrを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ミ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する(ステップS32)。
一方、かかるステップS31において、受光強度CH1から受光強度CH2を差し引いた値が判定閾値DB以上にならないと判定した場合、コントローラ27は、受光強度CH2から受光強度CH1を差し引いた値が判定閾値DB以上になるか否かの判定を行う(ステップS33)。
ステップS33において、受光強度CH2から受光強度CH1を差し引いた値が判定閾値DB以上になると判定した場合、コントローラ27は、発光素子Lgを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ミ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する(ステップS34)。
一方、ステップS33において、受光強度CH2から受光強度CH1を差し引いた値が判定閾値DB以上にはならないと判定した場合、コントローラ27は、発光素子Lyを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ソ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する(ステップS35)。
上記ステップS32、S34又はS35の実行後、コントローラ27は、上記したステップS21の実行に戻り、前述した各ステップの動作を再び行う。
以下に、図4A及び図4Bに示すレーザ照射位置判定処理による、レーザ光受光器100の発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を、レーザ光受光器100の受光面F1及びF2に対するライン光LTの照射位置毎に説明する。
図6Aは、受光面F1及びF2のいずれにもライン光LTが照射されていない場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Aに示すように、ライン光LTが受光面F1及びF2のいずいれにも照射されていない場合、受光面F1が受ける受光強度CH1及び受光面F2が受ける受光強度CH2はいずれも環境照度LL以下となる。これにより、図4Aに示すステップS25が実施され、発光素子Lr、Ly及びLgは全て消灯し、ブザー音も出力されない。
よって、使用者は、発光素子Lr、Ly及びLgが全て消灯しており、且つブザー音が出力されていないことから、ライン光LTが受光面F1及びF2のいずいれにも照射されていないことを確認できる。
図6Bは、ライン光LTが受光面F1及びF2のうちの受光面F1のみに照射されている場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Bに示すようにライン光LTが照射されている場合、受光面F1が受ける受光強度CH1は環境照度LL以上となり且つ受光面F2が受ける受光強度CH2は環境照度LL以下となる。この際、コントローラ27は、ライン光LTが受光面F1及びF2のうちの受光面F1のみに照射されていると判定し(S26)、その判定結果を出力する(S27)。これにより、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの発光素子Lrのみが点灯すると共に、音階「ド」のブザー音が出力される。
よって、使用者は、発光素子Lrが点灯していることから、ライン光LTが受光面F1に照射されており、音階「ド」のブザー音が出力されていることから、そのライン光LTがターゲット線TLから比較的離れた位置に照射されていることを確認する。
図6Cは、ライン光LTが受光面F1及びF2のうちの受光面F2のみに照射されている場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Cに示すようにライン光LTが照射されている場合、受光面F2が受ける受光強度CH2は環境照度LL以上となり且つ受光面F1が受ける受光強度CH1は環境照度LL以下となる。この際、コントローラ27は、ライン光LTが受光面F1及びF2のうちの受光面F2のみに照射されていると判定し(S28)、その判定結果を出力する(S29)。これにより、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの発光素子Lgのみが点灯すると共に、音階「ド」のブザー音が出力される。
よって、使用者は、発光素子Lgが点灯していることから、ライン光LTが受光面F2に照射されており、音階「ド」のブザー音が出力されていることから、そのライン光LTがターゲット線TLから比較的離れた位置に照射されていることを確認する。
図6Dは、ライン光LTの伸長方向に沿って伸張する当該ライン光LTの中心線CLが受光面F1に位置した形態でライン光LTが受光面F1及びF2の双方に照射されている場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Dに示すようにライン光LTが照射されている場合、受光強度CH2から受光強度CH1を差し引いた差分が判定閾値DB以上となる。この際、コントローラ27は、ライン光LTの中心線CLが受光面F1に位置した状態で当該ライン光LTが受光面F1及びF2に照射されていると判定し(S31)、その判定結果を出力する(S32)。これにより、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの発光素子Lrのみが点灯すると共に、音階「ミ」のブザー音が出力される。
よって、使用者は、発光素子Lrが点灯していることから、ライン光LTが受光面F1に照射されており、音階「ミ」のブザー音が出力されていることから、そのライン光LTはターゲット線TLの近傍位置に照射されていることを確認する。
図6Eは、ライン光LTの中心線CLが受光面F2に位置した形態でライン光LTが受光面F1及びF2の双方に照射されている場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Eに示すようにライン光LTが照射されている場合、受光強度CH1から受光強度CH2を差し引いた差分が判定閾値DB以上となる。この際、コントローラ27は、ライン光LTの中心線CLが受光面F2に位置した状態で当該ライン光LTが受光面F1及びF2に照射されていると判定し(S33)、その判定結果を出力する(S34)。これにより、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの発光素子Lgのみが点灯すると共に、音階「ミ」のブザー音が出力される。
よって、使用者は、発光素子Lgが点灯していることから、ライン光LTが受光面F2に照射されており、音階「ミ」のブザー音が出力されていることから、そのライン光LTはターゲット線TLの近傍位置に照射されていることを確認する。
図6Fは、ライン光LTの中心線CLがターゲット線TLとほぼ重なるように、当該ライン光LTが受光面F1及びF2の双方に照射されている場合での発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態を表す図である。
図6Fに示すようにライン光LTが照射されている場合、受光強度CH1と受光強度CH2との差分は判定閾値DBより小となる。この際、コントローラ27は、ライン光LTがターゲット線TL上に照射されていると判定し(S33)、その判定結果を出力する(S35)。これにより、発光素子Lr、Ly及びLgのうちの発光素子Lyのみが点灯すると共に、音階「ソ」のブザー音が出力される。
よって、使用者は、発光素子Lyが点灯し且つ音階「ソ」のブザー音が出力されていることから、ライン光LTがターゲット線TL上に照射されていることを確認する。
このように、レーザ光受光器100では、受光面F1及びF2に照射された光を夫々光電変換した受光信号d1及びd2に対して夫々対数変換処理を施した受光強度CH1及びCH2同士の差分を、受光面F1及びF2に夫々照射された光強度の大きさの比率として求める(S31、S33)。つまり、受光信号d1と受光信号d2の対数差分によって、両者の受光強度の比率を求める。そして、レーザ光受光器100は、受光強度CH1及びCH2同士の差分が判定閾値DBより小さい場合に、ライン光LTの中心線CLがターゲット線TLの位置と一致している、つまりライン光LTがターゲット線TL上に照射されていると判定(S33)し、その判定結果を出力(S35)する。
よって、レーザ光受光器100を墨出し作業に用いることで、使用者は、建物の壁面等に照射されたライン光LTを目視できなくても、発光素子(Lr、Ly、Lg)及びブザー音の状態をモニタすることで、当該ライン光LTが所望位置に照射されているか否かを確認することが可能となる。
更に、レーザ光受光器100によれば、ライン光LTが照射されている位置が所望の位置(ターゲット線TLの位置)に対して大きくずれている場合(図6A~図6C)と、その位置ずれが小さい場合(図6D、図6E)と、を分けて確認することができる。これにより、レーザ墨出し器300側でのライン光LTの照射方向の調整に費やす時間を短縮することが可能となる。
ここで、レーザ光受光器100では、前述したように、受光強度CH1及びCH2の差分が判定閾値DBより小である場合に、ライン光LTが所望の位置(ターゲット線TL)に照射されているとの判定結果(S35)を出力している。
つまり、本来、受光強度CH1と受光強度CH2との差分がゼロとなる場合に、ライン光LTの中心線CLの位置とターゲット線TLの位置とが完全に一致するが、レーザ光受光器100では、判定閾値DBを用いることで、所定の許容範囲内の位置ずれを許容した一致判定(S31、S33)を行っている。
ところで、受光面F1及びF2で受光するライン光LTの光強度は、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離が長くなるほど小さくなり、当該ライン光LTの幅も広がる。よって、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離が長い場合には短い場合に比べて、受光強度CH1と受光強度CH2との差分も小さくなる。この際、ライン光LTの中心線CLのターゲット線TLに対する位置ずれ長(以下、位置ずれ長MLと称する)が所定の許容範囲を超えていても、受光強度CH1と受光強度CH2との差分が判定閾値DBより小となることから、ライン光LTが所望の位置(ターゲット線TL)に照射されていると誤判定してしまう。
そこで、レーザ光受光器100では、受光強度CH1と受光強度CH2とのうちの大きな方の受光強度に基づき、判定閾値DBの大きさを調整(S30)している。つまり、この受光強度が小さいほど、判定閾値DBの値を小さくする調整を行う。よって、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離が長いが故に、受光強度(CH1、CH2)が小さくなってしまっても、この受光強度に追従して判定閾値DBの値も小さくなる。これにより、受光強度CH1と受光強度CH2との差分が判定閾値DBより小さくなる場合に、必ず、位置ずれ長MLを所定の許容範囲に収めることが可能となる。
したがって、レーザ光受光器100によれば、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離に拘わらず、所定の位置ずれ長MLを許容した態様で、ライン光LTが目標とするターゲット線上に照射されているか否かの判定を行うことが可能となる。
尚、上記実施例では、レーザ光受光器100の内部構成として図2に示す構成を示しているが、かかる構成に限定されない。例えば、図2に示すセレクタ23、BPF24、対数変換回路25、及びADC26を省き、受光信号d1及びd2を夫々デジタル値に変換したものを直接、受光強度CH1及びCH2としてコントローラ27で取得するようにしても良い。この際、コントローラ27で、受光信号d1にて示される受光強度と受光信号d2にて示される受光強度との差分を求め、これを上記したように判定閾値DBと比較することで一致判定(S31、S33)を行うようにしても良い。
また、図2に示す構成では、コントローラ27がソフトウェアによって図4A及び図4Bに示す各種動作を行っているが、かかる動作をハードウェアで実現するようにしても良い。また、図2に示す一例では、セレクタ23、BPF24及び対数変換回路25などをハードウェアで実現しているが、光電変換素子21及び22各々からの受光信号d1及びd2を夫々A/D変換し、その後の信号処理(セレクタ23、BPF24、対数変換回路25)をソフトウェアで実現するようにしても良い。
また、上記実施例では、ライン光LTとしてレーザ光をレーザ光受光器100が受けているが、レーザ光受光器100が受けるライン光LTはレーザ光に限らず、例えばLEDや白熱灯等の点光源による照射光(レンズ集光、スリット光)であっても良い。
要するに、図2に示すレーザ光受光器100としては、少なくとも以下の光電変換部、受光強度取得部、通知部、及び判定閾値調整部を実現するもので構成されていれば良い。
すなわち、光電変換部(21、22)は、境界線(TL)を挟んで隣接する第1の受光面(F1)及び第2の受光面(F2)を有し、第1の受光面で受光した光を電気信号に変換した第1の受光信号(d1)、及び第2の受光面で受光した光を電気信号に変換した第2の受光信号(d2)を生成する。
受光強度取得部(23~26、S23、272)は、第1及び第2の受光信号に基づき、第1の受光面で受光した光強度に対応した第1の受光強度(CH1)及び第2の受光面で受光した光強度に対応した第2の受光強度(CH2)を取得する。
通知部(27、30、S31、S33、S35)は、第1の受光強度と第2の受光強度との差分が判定閾値(DB)より小さい場合に所定態様(Ly点灯)の通知を行う。
判定閾値調整部(S30)は、第1及び第2の受光強度に基づき判定閾値の大きさを調整する。
つまり、レーザ光受光器100としては、上記した受光強度取得部、通知部、及び判定閾値調整部にて示される動作を実現するものであれば、ハードウェア及びソフトウェアのいずれで構成されたものであっても良い。要するに、本発明の受光装置としては、境界線を挟んで隣接する第1及び第2の受光面で受けた光の強度を表す第1及び第2の受光強度を取得し、第1及び第2の受光強度のうちの大きい方で小さい方を除算して得た比率が判定閾値より小さい場合、又は小さい方で大きい方を除算して得た比率が判定閾値より大きい場合に所定態様の通知を行い、第1又は第2の受光強度に基づき判定閾値の大きさを調整するように構成されたものであれば良い。
ところで、上記実施例では、レーザ光受光器100は、受光信号d1及びd2に夫々対数変換処理を施したもの同士の差分(|CH1-CH2|)、いわゆる対数差分を受光信号d1及びd2の比率として求めているが、受光信号d1及びd2同士の除算によって両者の比率を求めるようにしても良い。
図7は、かかる点に鑑みて為されたレーザ光受光器100の内部構成の他の一例を示すブロック図であり、図8は、図7に示す構成の変形例を示すブロック図である。
尚、図7に示す内部構成では、図2に示される構成から対数変換回路25を省き、コントローラ27に代えてコントローラ27Aを採用した点を除く他の構成は図2に示すものと同一である。図7に示すBPF24は、セレクタ23から供給された受光信号d1又はd2中から所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、抽出した信号成分からなる受光信号dfをADC26に供給する。ADC26は、受光信号dfにて示される値をデジタル値に変換した受光強度データ信号DTをコントローラ27Aに供給する。
一方、図8に示す構成は、図2に示される構成から対数変換回路25及びセレクタ23を省くと共に、コントローラ27、BPF24及びADC26に代えてコントローラ27B、BPF24a、ADC26a及びADC26bを採用した点を除く他の構成は図2に示すものと同一である。BPF24aは、受光信号d1中から所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、抽出した信号成分からなる受光信号df1をADC26aに供給する。ADC26aは、受光信号df1にて示される値をデジタル値に変換した受光強度データ信号DT1をコントローラ27Bに供給する。BPF24bは、受光信号d2中から所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、抽出した信号成分からなる受光信号df2をADC26bに供給する。ADC26bは、受光信号df2にて示される値をデジタル値に変換した受光強度データ信号DT2をコントローラ27Bに供給する。
コントローラ27A及び27Bの各々は、コントローラ27と同様に、電源投入に応じて、ROM271に格納されているレーザ照射位置判定プログラムを実行する。つまり、コントローラ27A(27B)は、先ず、図4Aに示すステップS20~S29を順次実行する。
尚、ステップS22及びS23では、コントローラ27Aは、コントローラ27と同様に、受光信号d1及びd2を交互に選択させる選択信号SEをセレクタ23に供給しつつ、受光強度データ信号DTの取り込みを順に行う。この際、コントローラ27Aは、受光信号d1に基づく受光強度データ信号DTにて示される受光強度を受光強度CH1としてRAM272に書き込み、受光信号d2に基づく受光強度データ信号DTにて示される受光強度を受光強度CH2としてRAM272に書き込む。一方、コントローラ27Bは、ステップS22及びS23では、受光強度データ信号DT1にて示される受光強度を受光強度CH1としてRAM272に書き込むと共に、受光信号d2に基づく受光強度データ信号DTにて示される受光強度を受光強度CH2としてRAM272に書き込む。
ここで、図4Aに示すステップS28において、受光強度CH1が環境照度LL以下であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以上となる状態にはないと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、図4Bに示すステップS30~S33に代えて図9に示すステップS40~S43を実行する。
すなわち、コントローラ27A(27B)は、図4Aに示すステップS28において受光強度CH1が環境照度LL以下であり且つ受光強度CH2が環境照度LL以上となる状態にはないと判定した場合、図9に示す判定閾値調整処理を行う(ステップS40)。ステップS40の判定閾値調整処理では、コントローラ27A(27B)は、受光強度CH1及びCH2のうちの大きな方の受光強度に基づき、図10に示す関数Fx2又はFx3に従って判定閾値DBの値を調整する。そして、コントローラ27A(27B)は、このように調整を施した判定閾値DBを新たな判定閾値として設定する。
ステップS40の実行後、コントローラ27A(27B)は、受光強度CH1が受光強度CH2より大きいか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、受光強度CH1が受光強度CH2より大きいと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、受光強度CH1をCH2で除算した除算結果(CH1/CH2)が、図10に示す関数Fx2に基づいて調整された判定閾値DBより小さいか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42においてその除算結果(CH1/CH2)が判定閾値DBより小さくないと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、図4Bに示すステップS32を実行する。すなわち、コントローラ27A(27B)は、発光素子Lrを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ミ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する。
また、ステップS41において、受光強度CH1が受光強度CH2より大きくないと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、受光強度CH1をCH2で除算した除算結果(CH1/CH2)が、図10に示す関数Fx3に基づいて調整された判定閾値DBより大きいか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43においてその除算結果(CH1/CH2)が判定閾値DBより大きくないと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、図4Bに示すステップS34を実行する。すなわち、コントローラ27A(27B)は、発光素子Lgを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ミ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する。
また、ステップS42にて受光強度CH1をCH2(CH1>CH2)で除算した除算結果が判定閾値DBより小さいと判定した場合、又はステップS43にて受光強度CH1をCH2(CH1≦CH2)で除算した除算結果が判定閾値DBより大きいと判定した場合、コントローラ27A(27B)は、図4Bに示すステップS35を実行する。すなわち、コントローラ27A(27B)は、発光素子Lyを点灯させるように指示する点灯制御信号LSを点灯駆動回路30に供給すると共に、音階「ソ」のブザー音の出力を指示するブザー音信号BSを音生成回路28に供給する。
そして、ステップS32、S34又はS35の実行後、コントローラ27A(27B)は、図4Aに示すステップS21の実行に戻り、前述した各ステップの動作を再び行う。
このように、図7又は図8に示す内部構成を有するレーザ光受光器100では、受光強度CH1及びCH2同士の除算により、受光面F1及びF2に夫々照射された光強度の大きさの比率を求める。この際、受光強度CH1が受光強度CH2より大きい場合には、当該CH1をCH2で除算して得られた比率が判定閾値DBより小さいか否かを判定する(S42)。ここで、この比率が判定閾値DBより小さいと判定した場合に、ライン光LTの中心線CLがターゲット線TLの位置と一致している、つまりライン光LTがターゲット線TL上に照射されていると判定し、その判定結果を出力(S35)する。一方、受光強度CH1が受光強度CH2以下である場合には、当該CH1をCH2で除算して得られた比率が判定閾値DBより大きいか否かを判定する(S43)。ここで、この比率が判定閾値DBより大きいと判定した場合に、ライン光LTの中心線CLがターゲット線TLの位置と一致している、つまりライン光LTがターゲット線TL上に照射されていると判定し、その判定結果を出力(S35)する。
つまり、本来、受光強度CH1と受光強度CH2との比率が1となる場合に、ライン光LTの中心線CLの位置とターゲット線TLの位置とが完全に一致するが、図7又は図8に示すレーザ光受光器100の構成では、比率1に対して±判定閾値DBのずれを許容した一致判定(S42、S43)を行っている。
更に、図7又は図8に示す構成では、受光強度CH1と受光強度CH2とのうちの大きな方の受光強度に基づき、例えば図10に示す関数Fx2又はFx3に従って判定閾値DBの大きさを調整している。つまり、受光強度CH1を受光強度CH2で除算することで両者の比率を求めるにあたり、受光強度CH1がCH2より大きい場合には、図10に示す関数Fx2に従って、当該受光強度CH1が小さいほど小さな値(1より大きい比率)となるように判定閾値DBの値を調整する。一方、受光強度CH1がCH2以下となる場合には、図10に示す関数Fx3に従って、受光強度CH2が小さいほど大きな値(1より小さい比率)となるように判定閾値DBの値を調整する。
かかる判定閾値DBの調整によれば、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離が長くなるほど受光強度の低下と共にライン光LTの幅が広がるが故に、受光強度CH1及びCH2同士の比率が変動してしまっても、この比率の変動に追従して判定閾値DBの値が調整される。したがって、レーザ墨出し器300及びレーザ光受光器100間の距離に拘わらず、所定の位置ずれ長を許容した態様で、ライン光LTが目標とするターゲット線上に照射されているか否かの判定を正確に行うことが可能となる。
尚、図7又は図8に示す構成では、コントローラ27A又は27Bがソフトウェアによって図4A及び図9に示す各種動作を行っているが、かかる動作をハードウェアで実現するようにしても良い。また、図7又は図8に示す一例では、セレクタ23、BPF24、24a、24bなどをハードウェアで実現しているが、光電変換素子21及び22各々からの受光信号d1及びd2を夫々A/D変換し、その後の信号処理(セレクタ23、BPF24、24a、24b)をソフトウェアで実現するようにしても良い。
要するに、図7又は図8に示す内部構成を有するレーザ光受光器100としては、少なくとも以下の光電変換部、通知部及び判定閾値調整部を実現するもので構成されていれば良い。
すなわち、光電変換部(21、22)は、境界線(TL)を挟んで隣接する第1の受光面(F1)及び第2の受光面(F2)を有し、第1の受光面で受光した光を電気信号に変換した第1の受光信号(d1)、及び第2の受光面で受光した光を電気信号に変換した第2の受光信号(d2)を生成する。
通知部(27A、27B、S42、S43、S35)は、第1の受光信号にて示される第1の受光強度(CH1)及び第2の受光信号にて示される第2の受光強度(CH2)のうちの大きい方で小さい方を除算して得た比率が判定閾値(DB)より小さい場合に、所定態様(Ly点灯)の通知を行う(S42、S35)。また、当該通知部は、第1の受光強度(CH1)及び第2の受光強度(CH2)のうちの小さい方で大きい方を除算して得た比率が判定閾値(DB)より大きい場合に、所定態様(Ly点灯)の通知を行う(S43、S35)。
判定閾値調整部(S40)は、第1及び第2の受光強度に基づき判定閾値の大きさを調整する。