JP7671410B2 - Ball End Mill - Google Patents
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Description
本発明は、ボールエンドミルに関する。 The present invention relates to a ball end mill.
特許文献1及び特許文献2には、被削材の加工面を鏡面仕上げとするために、ボール刃部の表面粗さを小さくしたボールエンドミルが開示されている。 Patent Documents 1 and 2 disclose ball end mills in which the surface roughness of the ball cutting edge is reduced in order to achieve a mirror finish on the machined surface of the workpiece.
特許文献1及び特許文献2に記載されたようなボールエンドミルでは、ボール刃部と被削材の表面との接触面積が大きいため、加工時の抵抗が大きくなってしまうことがある。そこで、ボール刃部に複数の溝を形成し、ボール刃部と被削材の表面との接触面積を低減することで、加工時の抵抗を軽減することができる。In ball end mills such as those described in Patent Documents 1 and 2, the contact area between the ball blade portion and the surface of the workpiece is large, which can result in large resistance during machining. Therefore, by forming multiple grooves in the ball blade portion and reducing the contact area between the ball blade portion and the surface of the workpiece, it is possible to reduce resistance during machining.
ところで、ボール刃部の先端にまで溝を形成してしまうと、当該先端に対応する被削材の領域における加工が不十分となってしまうことがある。However, if a groove is formed all the way to the tip of the ball cutting edge, machining of the area of the workpiece corresponding to the tip may be insufficient.
本発明の幾つかの実施形態は、ボール刃部の先端においてバニシング効果を得ることを目的とする。Some embodiments of the present invention aim to achieve a burnishing effect at the tip of the ball cutting edge.
本発明の幾つかの実施形態は、部分球状に形成されたボール刃部を備え、前記ボール刃部は、先端から回転軸方向にみたとき、前記ボール刃部の先端側から外周側に延びる、第1ねじれ態様の溝と、前記第1ねじれ態様と異なる第2ねじれ態様の溝と、を含む複数の溝を有し、前記複数の溝は、前記先端において非連結である、ボールエンドミルである。Some embodiments of the present invention are ball end mills having a ball cutting portion formed into a partially spherical shape, the ball cutting portion having a plurality of grooves including a groove of a first twist pattern and a groove of a second twist pattern different from the first twist pattern, the grooves extending from the tip side of the ball cutting portion toward the outer periphery when viewed in the direction of the rotation axis from the tip, and the plurality of grooves being unconnected at the tip.
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。 Other features of the present invention will become apparent from the specification and drawings described below.
本発明の幾つかの実施形態によれば、ボール刃部の先端においてバニシング効果を得ることができる。 According to some embodiments of the present invention, a burnishing effect can be obtained at the tip of the ball cutting edge.
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。 The present specification and accompanying drawings make clear at least the following:
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。A preferred embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. The same or equivalent components, parts, etc. shown in each drawing are given the same reference numerals, and duplicate descriptions will be omitted as appropriate.
===第1実施形態===
図1は、第1実施形態のボールエンドミル10の図である。なお、図1Aは、ボールエンドミル10の側面図であり、図1Bは、ボール刃部12の先端13から回転軸方向にみた図である。また、図2は、溝20の断面図である。
First Embodiment
Fig. 1 is a diagram of a
<方向及び用語等の定義>
まず、図1を参照しつつ、ボールエンドミル10における方向及び用語等を定義する。
<Definitions of directions and terms>
First, with reference to FIG. 1, directions and terms in the
図1Aに示されるように、ボールエンドミル10の回転軸Aに沿う方向を「回転軸方向」、又は、単に「軸方向」とする。「回転軸方向」は、ボールエンドミル10の長手方向でもある。なお、ボールエンドミル10の回転軸方向には、「先端方向」と、「基端方向」との両方向が含まれる。図1Aに示されるように、「先端方向」は、ボールエンドミル10の先端側に向かう方向であり、「基端方向」は、ボールエンドミル10の基端側に向かう方向である。「先端方向」と、「基端方向」との各々は、向きが決まった方向である。As shown in FIG. 1A, the direction along the rotation axis A of the
また、図1Bに示されるように、ボールエンドミル10の回転方向に沿う方向を「周方向」と呼ぶことがある。「周方向」は、後述するボール刃部12の外周14に沿う方向でもある。なお、ボールエンドミル10の周方向には、「時計回り方向」と、「反時計回り方向」との両方向が含まれる。「時計回り方向」と、「反時計回り方向」との各々は、向きが決まった方向である。なお、「時計回り方向」は、「右回り方向」と、「反時計回り方向」は、「左回り方向」と呼ぶことがある。
As shown in FIG. 1B, the direction along the rotation direction of the
ここで、ボールエンドミル10の「回転軸」とは、ボールエンドミル10が回転する際の軸を言う。「回転軸」は、「軸心」と呼ばれることがある。本実施形態では、ボールエンドミル10の回転軸Aは、図1Aに示されるように、ボールエンドミル10の中心軸である。Here, the "axis of rotation" of the
また、ボールエンドミル10の「先端」とは、被削材を加工するボールエンドミル10の部位(すなわち、ボール刃部12)のうち、もっとも先端の部分をいう。本実施形態では、ボールエンドミル10の先端13は、ボールエンドミル10のボール刃部12の表面に位置する。なお、図1Bに示されるように、先端13から回転軸方向にみたとき、先端13は、ボール刃部12の中心に位置する。したがって、先端13は、回転軸A上に位置することになる。
Furthermore, the "tip" of the
なお、上述した方向及び用語等の定義については、特記した場合を除き、本明細書の他の実施形態においても共通である。 The definitions of the above directions and terms are the same in other embodiments of this specification unless otherwise specified.
<ボールエンドミル10の概要>
次に、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態におけるボールエンドミル10の概要を説明する。
<Outline of
Next, an overview of the
ボールエンドミル10は、部分球状に形成された刃部を用いて被削材を加工する工具である。
The
ここで、「部分球状」とは、球の一部分の形状である。本実施形態のボールエンドミル10では、図1Aに示されるように、刃部が半球状に形成されている。但し、ボールエンドミル10の刃部が、半球状以外の部分球状で形成されていても良く、例えば、後述する図17Aに示される形状で形成されても良い。また、「球」は、厳密な球のみに限られず、楕円球等を含む。したがって、「部分球状」には、例えば、半球状のみではなく、後述する図17Bに示される半楕円球状等も含まれる。Here, "partially spherical" refers to the shape of a portion of a sphere. In the
さらに「部分球状」には、球の一部が変形、すなわち、球の一部に切り欠き(凹部)や出っ張り(凸部)が設けられていても良い。具体的には、後述するように、ボールエンドミル10の部分球状に形成されている部分(すなわち、ボール刃部12)には、表面に対して凹部となる溝20が形成されている。
Furthermore, the "partial sphere" may be a sphere in which part is deformed, i.e., a notch (concave) or a protrusion (convex) is provided in part of the sphere. Specifically, as described below, the part of the
一般的なボールエンドミルでは、部分球状に形成された刃部で加工することによって、被削材に曲面が形成される。本実施形態のボールエンドミル10は、被削材の表面に少なくともバニシング加工を施すために用いられる。ここで、「バニシング加工」とは、被削材の表面に塑性変形と加工硬化とを生じさせながら、滑らかな仕上げ面を形成する加工である。したがって、本実施形態のボールエンドミル10を、「バニシングエンドミル」と呼ぶことがある。また、バニシング加工により被削材の表面に滑らかな仕上げ面を形成する効果を「バニシング効果」と呼ぶことがある。また、「バニシング加工」及び「バニシング効果」を、それぞれ「バニッシュ加工」及び「バニッシュ効果」とも呼ぶことがある。In a typical ball end mill, a curved surface is formed on the workpiece by machining it with a cutting edge formed in a partially spherical shape. The
本実施形態のボールエンドミル10は、不図示のホルダを介して工作機械等に取り付けられ、刃部の回転によって被削材の曲面にバニシング加工が施される。そして、被削材にバニシング加工が施されることにより、被削材の加工面を鏡面仕上げとすることができる。The
ボールエンドミル10は、図1Aに示されるように、シャンク11と、ボール刃部12とを有する。As shown in Figure 1A, the
シャンク11は、ボールエンドミル10が工作機械等に取り付けられる際に、不図示のホルダに支持される部材である。シャンク11は、回転軸方向に長く形成されている。The
ボール刃部12は、少なくとも被削材のバニシング加工を行う刃部材である。ボール刃部12は、ボールエンドミル10の先端側において、部分球状に形成されている。The
ボール刃部12は、被削材のバニシング加工を行うために、高硬度に形成された焼結体が材料として使用される。ボール刃部12の材料として、例えば、PCD(Poly Crystalline Diamond)、CBN(Cubic Boron Nitride)、セラミックス、超硬合金等を使用することができる。但し、被削材のバニシング加工を行うことができれば、ボール刃部12の材料として、高硬度に形成された焼結体以外の材料を使用しても良い。The
また、ボール刃部12の表面は、研削加工又はレーザー加工等により滑らかに形成されている。具体的には、ボール刃部12の表面は、表面粗さがRz1.6μm以下となるように形成されている。これにより、被削材の加工面のバニシング効果を高めることができる。但し、ボール刃部12は、被削材の加工面にバニシング効果を得ることができれば、表面粗さがRz1.6μmより大きくなるように形成されても良い。また、ボール刃部12の表面は、平滑な被膜をコーティングすることにより滑らかに形成されても良い。
The surface of the
なお、後述するように、ボール刃部12には溝20(凹部)が形成されている。そこで、本実施形態では、滑らかに形成されている「ボール刃部12の表面」とは、ボール刃部12のうち、溝20が形成されていないボール刃部12の領域を意味する。As described below, a groove 20 (recess) is formed in the
ところで、ボール刃部の表面が滑らかに形成されているボールエンドミルでは、ボール刃部の表面と、被削材の表面との接触面積が大きいため、バニシング加工の際の抵抗が大きくなってしまうことがある。このため、本実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部12に溝20が形成されている。溝20は、図2に示されるように、ボール刃部12に形成された凹部である。However, in a ball end mill in which the surface of the ball blade portion is smoothly formed, the contact area between the surface of the ball blade portion and the surface of the workpiece is large, which can result in large resistance during burnishing. For this reason, in the
これにより、ボール刃部12のうち、溝20が形成されている領域では、図2に示されるように、被削材100の表面がボール刃部12に接触しない。したがって、溝20が形成されていないボール刃部と比べて、溝20が形成されている本実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部12と被削材100の表面との接触面積が低減することになる。つまり、本実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部12に溝20が形成されることにより、バニシング加工の際の抵抗を軽減することができる。なお、バニシング加工は、ボール刃部12のうち、溝20が形成されていない部分、すなわち、被削材100の表面と接触する部分で主に行われることになる。
As a result, in the region of the
本実施形態では、図1Bに示されるように、溝20は、溝20Aと、溝20Bとで構成される。溝20Aと、溝20Bとは、後述するように、互いに異なるねじれ態様を有する。ここで、「ねじれ態様」とは、図1Bに示されるような、ボール刃部12の先端13から回転軸方向にみたときの、溝20の形状における変形の態様を言う。例えば、本実施形態では、溝20Aは、後述する「右ねじれ」のねじれ態様を有し、溝20Bは、後述する「左ねじれ」のねじれ態様を有する。なお、「ねじれ態様」には、「右ねじれ」又は「左ねじれ」に限られず、渦巻状や蛇行を含む。In this embodiment, as shown in FIG. 1B,
以下では、溝20A及び溝20Bに共通して説明する場合や、溝20A及び溝20Bのいずれかの溝を代表して説明する場合は、添え字を付けないことがある。例えば、溝20A及び溝20Bの全てのことを指して単に「溝20」と呼ぶことがある。溝20A及び溝20Bのいずれかの溝を代表して単に「溝20」と呼ぶことがある。In the following, when describing
本実施形態では、ボール刃部12に溝20が形成されることにより、図2に示される溝20の周縁部22が切れ刃となり、被削材の微小な切削加工を行うことができる。つまり、本実施形態のボール刃部12は、被削材に対してバニシング加工に加え、微小な切削加工も行うことができる。以下では、微小な切削加工を、単に「切削加工」と呼ぶことがある。本実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部12に溝20が形成されていることにより、被削材100の曲面の鏡面仕上げをバニシング加工と切削加工との両方で行うことができる。In this embodiment, a
ところで、周縁部22におけるすくい角の程度によっては、被削材100の加工時に、周縁部22が被削材100に食い込んでしまうこと(食い込み現象)が発生する場合がある。この食い込み現象により、被削材100をオーバーカット(過切削)してしまい、被削材100の加工寸法が悪化することや、バニシング効果が減少することなどの問題が生じることがある。さらに、周縁部22が被削材100に食い込む動きと、食い込みから元に戻ろうとする動きとが、短時間に周期的に生ずることにより、びびり振動が発生してしまうことがある。Depending on the rake angle of the
そこで、本実施形態のボール刃部12では、このような食い込み現象を起因とする問題を抑制するため、溝20は、図2に示されるように、負のすくい角Rを有する。但し、被削材100の加工時に、周縁部22が被削材100に食い込んでしまうことをある程度許容できる場合、溝20は、正のすくい角を有するよう形成されても良い。Therefore, in the
また、溝20は、図1Bに示されるように、交差部21を有する。交差部21は、溝20Aと溝20Bとが交差する部位である。本実施形態における交差部21の特徴については、後述する。
As shown in Fig. 1B, the
<溝20のねじれ態様>
以下では、上述の図1と共に、図3を参照しつつ、溝20のねじれ態様を説明する。
<Twisting Pattern of
The twisting aspect of the
図3は、ボール刃部12に形成された溝20の態様の説明図である。なお、図3Aは、溝20Aのみが形成されたボール刃部12の図であり、図3Bは、溝20Bのみが形成されたボール刃部12の図であり、図3Cは、溝20A及び溝20Bが形成されたボール刃部12の図である。なお、図3A及び図3Bは、溝20A及び溝20Bを個別に説明するために、溝20A及び溝20Bをそれぞれ取り出したボール刃部12の図である。また、図3A~図3Cにおいて、複数の溝20Aのうち、説明の対象となる1本の溝20Aについて、太線で示している。同様に、複数の溝20Bのうち、説明の対象となる1本の溝20Bについて、太線で示している。
Figure 3 is an explanatory diagram of the form of the
上述したように、溝20Aと、溝20Bとは、互いに異なるねじれ態様を有する。As described above,
溝20Aは、右ねじれの溝である。右ねじれの溝とは、ボール刃部12の先端13から外周14にかけて、右回り方向にねじれる溝である。言い換えると、右ねじれの溝とは、ボール刃部12の外周14に沿う左回り方向に凸となるように湾曲する溝である。
本実施形態のボール刃部12には、複数の溝20Aが形成されている。具体的には、図3Aに示されるように、ボール刃部12には、16本の溝20Aが形成されている。複数の溝20Aは、先端13から外周14にかけて放射状に設けられている。そして、図3Aに示されるように、周方向に隣り合う溝20Aが等間隔となるよう、ボール刃部12には、複数の溝20Aが形成されている。言い換えると、ボール刃部12には、等分割となるように複数の溝20Aが形成されている。さらに言い換えると、複数の溝20Aは、先端13を中心に回転対称となるように位置している。In this embodiment,
ここで、「回転対称」とは、n個の溝がある中心の周りに放射状に位置している場合、ある溝を中心回りに(360/n)°回転させると重なることをいう。ここでは、ボール刃部12には、16本の溝20Aが形成されている。したがって、複数の溝20Aは、周方向に22.5(360/16)°回転すると重なるように設けられている。
Here, "rotational symmetry" means that when n grooves are positioned radially around a center, they overlap when a groove is rotated (360/n) degrees around the center. Here, 16
溝20Bは、左ねじれの溝である。左ねじれの溝とは、ボール刃部12の先端13から外周14にかけて、左回り方向にねじれる溝である。言い換えると、左ねじれの溝とは、ボール刃部12の外周14に沿う右回り方向に凸となるように湾曲する溝である。
本実施形態のボール刃部12には、複数の溝20Bが形成されている。具体的には、図3Bに示されるように、ボール刃部12には、15本の溝20Bが形成されている。複数の溝20Bは、先端13から外周14にかけて放射状に設けられている。そして、図3Bに示されるように、周方向に隣り合う溝20Bが等間隔となるよう、ボール刃部12には、複数の溝20Bが形成されている。言い換えると、ボール刃部12には、等分割となるように複数の溝20Bが形成されている。さらに言い換えると、複数の溝20Bは、先端13を中心に回転対称となるように位置している。In this embodiment,
本実施形態のボール刃部12では、図3Cに示されるように、ボールエンドミル10の回転方向に、右ねじれの溝20Aと、左ねじれの溝20Bとが、交互に配置されている。これにより、ボールエンドミル10の回転による被削材の加工時に、被削材の加工方向が溝20毎に変化することになる。また、ボールエンドミル10の回転による被削材の加工時に、不等ねじれ効果も奏する。したがって、加工後の被削材にバリができてしまうことを抑制することができる。また、被削材の加工時における防振効果を高めることができる。In the
また、本実施形態のボール刃部12では、図3Cに示されるように、溝20Aと溝20Bとで構成される複数の溝20は、先端13において非連結である。上述したように、バニシング加工は、溝20が形成されていない部分で行われる。したがって、複数の溝20が先端13において非連結とすることで、先端13に溝20(凹部)が形成されないようにして、先端13におけるバニシング効果を得ることができる。
In addition, in the
<交差部21>
以下では、本実施形態のボール刃部12の交差部21の特徴について、比較例を使って説明する。
<
In the following, the characteristics of the
図4は、溝20の交差部21の説明図である。なお、図4Aは、比較例のボール刃部12Xにおける複数の交差部21の説明図であり、図4Bは、交差部21部分を拡大した説明図であり、図4Cは、本実施形態のボール刃部12における複数の交差部21の説明図である。また、図4A~図4Cは、ボール刃部12X又はボール刃部12を回転軸方向に垂直な方向にみた図(側面視)を示している。
Figure 4 is an explanatory diagram of the
図4Aに示される比較例のボール刃部12Xには、複数の右ねじれの溝20Aと、溝20Aと同数の、複数の左ねじれの溝20Bとが形成されている。具体的には、比較例のボール刃部12Xには、15本の溝20Aと、15本の溝20Bとが形成されている。また、比較例のボール刃部12Xでは、複数の溝20Aと、複数の溝20Bとは、それぞれ、先端13を中心に回転対称となるように位置している。これにより、ボール刃部12Xの側面視において、溝20Aと溝20Bとで形成される複数の交差部21は、図4Aにおける線で囲まれた領域で示されるように、回転方向に沿う線上に集中して位置することになる。
In the comparative example
ここで、比較例のボールエンドミル10Xが、図4Aに示される回転方向に回転しながら被削材を加工する場合、被削材のある点が、溝20及び交差部21をどのように通過するかを、図4Bを使って説明する。図4Bでは、ボール刃部12Xにおいて、ある溝20Aと、ある溝20Bとが交差する交差部21を含む部分を拡大して示している。また、図4Bでは、交差部21の領域を、点を使用した網掛けにより示している。Here, Fig. 4B will be used to explain how a point on the workpiece passes through
図4Bにおいて、ボール刃部12Xにおいて、被削材のある点が通過する軌跡を破線L1で示している。また、ボール刃部12Xにおいて、被削材の別の点が通過する軌跡をL2で示している。図4Bに示されるように、軌跡L1は、交差部21を通過せず、軌跡L2は、交差部21を通過する。
In Figure 4B, the trajectory through which a certain point on the workpiece passes at the
上述したように、ボールエンドミル10が行う加工のうち、バニシング加工は、ボール刃部12のうち、溝20が形成されていない部分で主に行われる。このため、バニシング加工は、溝20や、溝20が有する交差部21では行われないことになる。As described above, among the processes performed by the
バニシング加工が行われるボール刃部12の部分について、図4Bに示される図で説明すると、バニシング加工は、軌跡L1及び軌跡L2のうち、矢印で示される部分で行われる。ここで、軌跡L1において、バニシング加工が行われる矢印部分は、溝20B又は溝20Aを挟んで規則的に現れる。一方、軌跡L2では、バニシング加工が行われる矢印部分は、溝20Bを通過し始めてから、溝20Aを通過し終えるまで、現れない。つまり、軌跡L2では、バニシング加工が行われない部分が、軌跡L1と比べて多く現れることになる。したがって、交差部21を通過しない軌跡L1よりも、交差部21を通過する軌跡L2の方が、バニシング加工の観点において不利となる。
The portion of the
また、上述したように、ボールエンドミル10が行う加工のうち、切削加工は、図4Bに示されるように、溝20の周縁部22のうち、切れ刃となる側の周縁部22の部分Cで主に行われる。なお、周縁部22は、軌跡L1及び軌跡L2において、通過し始める側と、通過し終える側との2箇所あるが、部分Cは、通過し終える側の周縁部22の部分である。As described above, the cutting process performed by the
ここで、軌跡L1では、切削加工が行われる部分Cは、2回現れる。一方、軌跡L2では、切削加工が行われる部分Cは、1回しか現れない。つまり、軌跡L2では、切削加工が行われる部分Cが、軌跡L1と比べて少ない。したがって、交差部21を通過しない軌跡L1よりも、交差部21を通過する軌跡L2の方が、切削加工の観点において不利となる。
Here, in trajectory L1, part C where cutting processing is performed appears twice. On the other hand, in trajectory L2, part C where cutting processing is performed appears only once. In other words, in trajectory L2, part C where cutting processing is performed is fewer than in trajectory L1. Therefore, in terms of cutting processing, trajectory L2, which passes through
以上のように、交差部21を通過する軌跡L2は、交差部21を通過しない軌跡L1よりも、バニシング加工と切削加工との両方において不利である。ここで、比較例のボール刃部12Xでは、このようなバニシング加工及び切削加工にとって不利となる交差部21が、回転方向に沿う線上に集中して位置している。このような多数の交差部21が通過する被削材の加工面の領域では、加工が不十分となってしまい、被削材の加工面の品位が低下してしまうことがある。As described above, the trajectory L2 that passes through the
本実施形態のボール刃部12では、被削材の加工面の品位を高めるために、交差部21が回転方向に沿う線上に集中して位置することを抑制している。これにより、被削材の加工面の品位を向上させ、かつ精度も高めることができる。以下では、上述した図3Cを使って、本実施形態のボール刃部12の交差部21の配置について説明する。In the
図3Cに示されるボール刃部12の先端13から回転軸方向にみたとき、ある溝20Bにおいて、先端13側から所定番目(例えば、3番目)に位置する交差部21を第1交差部21Aとする。また、周方向に隣接する別の溝20Bにおいて、先端13側から上述と同じ所定番目(3番目)に位置する交差部を第2交差部21Bとする。このとき、本実施形態のボール刃部12では、先端13から第1交差部21Aまでの長さと、先端13から第2交差部21Bまでの長さとが異なる。3C, when viewed in the direction of the rotation axis from the
したがって、本実施形態のボール刃部12では、交差部21が、回転方向に沿う線上に集中して位置してしまうことを抑制することができる。つまり、図4Cに示されるボール刃部12の側面視において、複数の交差部21が位置する線(すなわち、図4Cにおける線で囲まれた領域)は、回転方向に沿う線に対して傾いている。本実施形態のボール刃部12では、回転方向に沿う線上には、交差部21が1つずつのみ位置している。図3Cに示されるボール刃部12の先端13から回転軸方向にみると、複数の交差部21は、先端13を中心とした渦巻状の曲線(すなわち、図3Cにおける破線)上に位置している。Therefore, in the
本実施形態のボール刃部12では、溝20Aの数と、溝20Aとは異なる数の溝20Bとが形成されている。具体的には、上述したように、16本の溝20Aと、15本の溝20Bとが形成されている。また、本実施形態のボール刃部12では、複数の溝20Aと、複数の溝20Bとは、それぞれ、先端13を中心に回転対称となるように位置している。これにより、ボール刃部12の先端13から第1交差部21Aまでの長さと、ボール刃部12の先端13から第2交差部21Bまでの長さとを異ならせることができる。In the
<溝20の数を変更した例>
以下では、溝20Aの数と、溝20Bの数とを、それぞれ変更した場合の例について、図5~図7を使って説明する。
<Example in which the number of
In the following, examples in which the number of
・溝20Aの数と、溝20Bの数とが互いに素の関係にある例
図5は、ボール刃部12に形成される溝20の数を変更した例の説明図である。なお、図5Aは、溝20Aを16本、溝20Bを13本とした例の説明図であり、図5Bは、溝20Aを16本、溝20Bを11本とした例の説明図である。
Example in which the number of
また、図6は、ボール刃部12に形成される溝20の数を変更した例の説明図である。なお、図6Aは、溝20Aを17本、溝20Bを15本とした例の説明図であり、図6Bは、溝20Aを9本、溝20Bを7本とした例の説明図であり、図6Cは、溝20Aを7本、溝20Bを5本とした例の説明図である。
Figure 6 is an explanatory diagram of an example in which the number of
図5A,図5B及び図6A~図6Cに示されるボール刃部12では、溝20Aの数と、溝20Bの数とが互いに素の関係にある。このとき、図5A,図5B及び図6A~図6Cに示されるように、ボール刃部12の先端13から回転軸方向にみたとき、先端13から交差部21までの長さが、全ての交差部21において異なることになる。このとき、複数の交差部21は、先端13を中心とした渦巻状の曲線(すなわち、図5A,図5B及び図6A~図6Cにおける破線)上に位置する。In the ball-shaped
・溝20Aの数と、溝20Bの数とが互いに素の関係にない例
図7は、ボール刃部12に形成される溝20の数を変更した例の説明図である。なお、図7Aは、溝20Aを16本、溝20Bを14本とした例の説明図であり、図7Bは、溝20Aを15本、溝20Bを10本とした例の説明図である。
7A and 7B are explanatory diagrams of examples in which the number of
図7A及び図7Bに示されるボール刃部12では、溝20Aの数と、溝20Bの数とが互いに素の関係にない。このとき、例えば、図7Aに示されるボール刃部12では、回転軸を含む面において、対称位置に交差部21が2つ現れることになる。言い換えると、図7Aに示されるボール刃部12の場合、2つの交差部21が、回転方向に沿う線(すなわち、図7Aにおける破線)上に位置することになる。同様に、図7Bに示されるボール刃部12の場合、5つの交差部21が、回転方向に沿う線(すなわち、図7Bにおける破線)上に位置することになる。したがって、図7A及び図7Bに示されるボール刃部12の場合、先端13から回転軸方向にみたとき、先端13から交差部21までの長さが同じ交差部21が、2つ以上現れることになる。In the
したがって、本実施形態のボール刃部12では、溝20Aの数と、溝20Bの数とが異なり、かつ、互いに素の関係にあることがより好ましい。Therefore, in the
上述では、溝20Aの数と、溝20Bの数とが異なることにより、ボール刃部12の先端13から第1交差部21Aまでの長さと、ボール刃部12の先端13から第2交差部21Bまでの長さとが異なることについて説明した。しかし、ボール刃部12の先端13から第1交差部21Aまでの長さと、ボール刃部12の先端13から第2交差部21Bまでの長さとが異なる態様については、上述した場合に限られない。以下に示す変形例(第1変形例及び第2変形例)の場合においても、ボール刃部12の先端13から第1交差部21Aまでの長さと、ボール刃部12の先端13から第2交差部21Bまでの長さとが異なる。In the above, it has been described that the length from the
<第1変形例>
図8は、第1変形例のボール刃部32に形成された溝20の態様の説明図である。なお、図8Aは、溝20Cのみが形成されたボール刃部32の図であり、図8Bは、溝20Bのみが形成されたボール刃部32の図であり、図8Cは、溝20C及び溝20Bが形成されたボール刃部32の図である。
<First Modification>
Fig. 8 is an explanatory diagram of the form of the
上述した図3Cに示されるボール刃部12では、複数の溝20A及び複数の溝20Bは、いずれも、先端13を中心に回転対称となるように位置していた。しかし、第1変形例のボール刃部32では、複数の溝20A及び複数の溝20Bの少なくともいずれか一方が、先端13を中心に回転対称となるように位置していなくても良い。In the
第1変形例のボール刃部32では、図8Aに示されるように、周方向に隣り合う溝20C間の分割角度が、徐々に大きくなるように設けられている。つまり、周方向に隣り合う溝20C間の分割角度について、ある溝20C同士の分割角度αと、別の溝20C間の分割角度βとを比較したとき、分割角度αよりも分割角度βが大きくなるように設けられている(β>α)。In the
一方、第1変形例のボール刃部32では、溝20Cと異なるねじれ態様を有する溝20Bは、図8Bに示されるように、上述のボール刃部12と同様に、先端13を中心に回転対称となるように位置している。On the other hand, in the
第1変形例のボール刃部32においても、交差部21が回転方向に沿う線上に集中して位置することを抑制することができる。つまり、第1変形例のボール刃部32でも、回転方向に沿う線上には、交差部21が1つずつのみ位置している。そして、図8Cに示されるボール刃部32の先端13から回転軸方向にみると、複数の交差部21は、ボール刃部32の先端13を中心とした渦巻状の曲線(すなわち、図8Cにおける破線)上に位置している。したがって、第1変形例のボール刃部32においても、被削材の加工面の品位を高めることができる。In the
上述した第1変形例のボール刃部32では、周方向に隣り合う溝20の角度が徐々に大きくなるように設けられるのは、右ねじれの溝20Cであった。しかし、右ねじれの溝20Cではなく、左ねじれの溝20Bについて、周方向に隣り合う溝20Bの角度が徐々に大きくなるように設けられても良い。また、右ねじれの溝20Cと、左ねじれの溝20Bとの両方について、周方向に隣り合う溝20C及び周方向に隣り合う溝20Bの角度が
徐々に大きくなるように設けられても良い。
In the
さらに、周方向に隣り合う溝20の角度が徐々に小さくなるように設けられても良い。これらに限られず、交差部21が回転方向に沿う線上に集中して位置することを抑制できれば、ある周方向に隣り合う溝20同士の角度が、他の周方向に隣り合う溝20同士の角度と異なるだけで良い。また、第1変形例のボール刃部32では、溝20Cの数と、溝20Bの数とが同じであっても良い。
Furthermore, the angle between
<第2変形例>
図9は、第2変形例のボール刃部42に形成された溝20の態様の説明図である。なお、図9Aは、溝20Aのみが形成されたボール刃部42の図であり、図9Bは、溝20Dのみが形成されたボール刃部42の図であり、図9Cは、溝20A及び溝20Dが形成されたボール刃部42の図である。
<Second Modification>
Fig. 9 is an explanatory diagram of the form of the
上述した図3Cに示されるボール刃部12では、複数の溝20Aと、複数の溝20Bとが形成されていた。しかし、第2変形例のボール刃部42では、溝20A及び溝20Bのいずれか一方が、1つのみ形成されていても良い。そして、この1つのみ形成された溝のねじれ態様が、図3Cに示される右ねじれ及び左ねじれ以外の態様であっても良い。In the
第2変形例のボール刃部42では、複数の溝20Aが形成されている。そして、複数の溝20Aは、図9Aに示されるように、上述のボール刃部12と同様に、先端13を中心に回転対称となるように位置している。In the
一方、第2変形例のボール刃部42では、図9Bに示されるように、1つの溝20Dが形成されている。そして、溝20Dは、先端13を中心とした渦巻状の曲線で形成される溝である。On the other hand, in the ball cutting
第2変形例のボール刃部42においても、交差部21が回転方向に沿う線上に集中して位置することを抑制することができる。つまり、第2変形例のボール刃部42でも、回転方向に沿う線上には、交差部21が1つずつのみ位置している。そして、図9Cに示されるボール刃部42の先端13から回転軸方向にみると、複数の交差部21は、ボール刃部42の先端13を中心とした渦巻状の曲線(すなわち、図9Cにおける溝20D)上に位置している。したがって、第2変形例のボール刃部42においても、被削材の加工面の品位を高めることができる。
In the
<加工試験>
ボール刃部の溝の有無及び溝の態様に関して、3種類のボールエンドミルを用意し、被削材に対して加工試験を行った。まず、以下では、3種類のボールエンドミルの概要を説明する。
<Processing test>
Three types of ball end mills were prepared with respect to the presence or absence of grooves in the ball cutting edge and the state of the grooves, and machining tests were conducted on the workpiece. First, an overview of the three types of ball end mills will be described below.
図10は、ボールエンドミルによる加工試験で使用されるボール刃部の説明図である。なお、図10Aは、ボール刃部52を有するボールエンドミル50の図であり、図10Bは、ボール刃部62を有するボールエンドミル60の図であり、図10Cは、ボール刃部12を有するボールエンドミル10の図である。
Figure 10 is an explanatory diagram of the ball-end mill used in the machining test. Note that Figure 10A is a diagram of a
ボールエンドミル50のボール刃部52には、図10Aに示されるように、溝20が形成されていない。すなわち、ボール刃部52の全面において被削材の表面と接触し、被削材のバニシング加工が行われる。なお、ボール刃部52には、溝が形成されていないので、上述した切削加工は行われない。As shown in Figure 10A, the
また、ボールエンドミル60のボール刃部62には、図10Bに示されるように、溝20が形成されている。そして、溝20は、16本の右ねじれの溝20Aのみで構成される。なお、図10Bの右側には、溝20の断面図が示されている。溝20は、上述した図2に示される溝20と同様に、負のすくい角を有する。
As shown in Figure 10B,
また、ボールエンドミル10のボール刃部12は、図10Cに示されるように、溝20が形成されている。そして、溝20は、右ねじれの16本の溝20Aと、左ねじれの15本の溝20Bとで構成される。すなわち、ボール刃部12は、上述した図3C等に示される本実施形態のボールエンドミル10のボール刃部12と同様である。なお、図10Cの右側には、溝20の断面図が示されている。溝20は、上述した図2に示される溝20と同様に、負のすくい角を有する。
Furthermore, the
次に、本加工試験における2種類の加工条件(加工条件1及び加工条件2)を説明する。 Next, we will explain the two types of processing conditions (processing condition 1 and processing condition 2) used in this processing test.
図11は、加工試験における加工条件を説明する説明図である。なお、図11では、加工条件について、ボール刃部12(ボールエンドミル10)の場合を代表して示しているが、ボール刃部52(ボールエンドミル50)及びボール刃部62(ボールエンドミル60)の場合も同様である。 Figure 11 is an explanatory diagram explaining the machining conditions in the machining test. Note that in Figure 11, the machining conditions are shown representatively for the ball blade portion 12 (ball end mill 10), but the same applies to the ball blade portion 52 (ball end mill 50) and the ball blade portion 62 (ball end mill 60).
ボールエンドミル10は、図11に示されるように、ボール刃部12を回転させながら、図11に示される矢印の方向に移動することで、アップカットにより被削材100に加工を行う。ここで、被削材100の加工される領域は、図11に示されるように、曲面で構成される凹部が既に切り込まれている。そして、ボールエンドミル10のボール刃部12は、加工により、軸方向に対して垂直な方向に切り込むことを予定する。As shown in Figure 11, the
ここで、加工条件1では、ボール刃部12の回転速度が800min-1(切削速度:20m/min)、テーブル送り速度が320mm/min、軸方向切込み量が4mm、切込み予定量が0.005mmに設定される。また、加工条件2では、ボール刃部12の回転速度が800min-1(切削速度:20m/min)、テーブル送り速度が32mm/min、軸方向切込み量が4mm、切込み予定量が0.010mmに設定される。
Here, in machining condition 1, the rotation speed of the
<加工トルクの比較結果>
図12は、加工条件1における加工トルクの比較結果の一例を示すグラフである。なお、図12Aは、トルク平均値を示すグラフであり、図12Bは、トルク最大値を示すグラフである。図13は、加工条件2における加工トルクの比較結果の一例を示すグラフである。なお、図13Aは、トルク平均値を示すグラフであり、図13Bは、トルク最大値を示すグラフである。
<Comparison of machining torque>
Fig. 12 is a graph showing an example of a comparison result of the processing torque under processing condition 1. Fig. 12A is a graph showing the average torque value, and Fig. 12B is a graph showing the maximum torque value. Fig. 13 is a graph showing an example of a comparison result of the processing torque under processing condition 2. Fig. 13A is a graph showing the average torque value, and Fig. 13B is a graph showing the maximum torque value.
加工条件1において、図12Aに示されるトルク平均値、及び、図12Bに示されるトルク最大値共に、溝20が形成されていないボール刃部52における加工トルクが最も高い。そして、右ねじれの溝20Aのみで構成されるボール刃部62における加工トルクが、ボール刃部52における加工トルクに次いで高い。また、右ねじれの溝20Aと左ねじれの溝20Bとで構成されるボール刃部12における加工トルクが最も低い。
Under machining condition 1, the average torque value shown in Fig. 12A and the maximum torque value shown in Fig. 12B show that the machining torque is highest in the
また、加工条件2においても、図13Aに示されるトルク平均値、及び、図13Bに示されるトルク最大値共に、溝20が形成されていないボール刃部52における加工トルクが最も高い。そして、右ねじれの溝20Aのみで構成されるボール刃部62における加工トルクが、ボール刃部52における加工トルクに次いで高い。また、右ねじれの溝20Aと左ねじれの溝20Bとで構成されるボール刃部12における加工トルクが最も低い。
In addition, even under machining condition 2, the machining torque is highest in the
本加工試験の比較結果から、ボール刃部に溝20が形成されることによる有意差が明らかである。上述したように、本実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部に溝20が形成されることにより、バニシング加工の際の抵抗を軽減することができる。しかし、ボール刃部に溝20が形成されることにより、被削材に対する切削加工による抵抗が発生することがある。つまり、切削加工による抵抗が発生しても、バニシング加工による抵抗の軽減の効果が上回っていることが本加工試験により示された。
The comparative results of this machining test clearly show a significant difference due to the formation of
<加工誤差の比較結果>
次に、3種類のボールエンドミルについて、加工誤差の検証を行う。
<Comparison of processing errors>
Next, the machining error is verified for the three types of ball end mills.
図14は、加工条件1及び加工条件2における加工誤差に関する図表である。なお、図14Aは、加工誤差の説明図であり、図14Bは、加工誤差の比較結果の一例を示す表である。また、図14Aは、ボールエンドミルの移動方向にみた被削材の断面図を示している。 Figure 14 is a table showing machining errors under machining conditions 1 and 2. Note that Figure 14A is an explanatory diagram of machining errors, and Figure 14B is a table showing an example of a comparison result of machining errors. Also, Figure 14A shows a cross-sectional view of the workpiece as seen in the direction of movement of the ball end mill.
ここで、加工誤差は、図14Aに示されるように、被削材の切込予定位置(すなわち、図14Aに示される破線の位置)に対する、実際の加工位置(すなわち、図14Aに示される実線の位置)の差で表す。そして、ボール刃部側とは反対側を正の値とし、ボール刃部側を負の値とする。つまり、加工誤差が正の値の場合は、切込予定位置に対して、実際は切込み過ぎてしまった場合を意味する。また、加工誤差が負の値の場合は、切込予定位置に対して、実際は切込みが足りなかった場合を意味する。 Here, as shown in Figure 14A, the machining error is represented by the difference between the planned cutting position of the workpiece (i.e., the position of the dashed line shown in Figure 14A) and the actual cutting position (i.e., the position of the solid line shown in Figure 14A). The side opposite the ball blade portion is a positive value, and the ball blade portion is a negative value. In other words, when the machining error is a positive value, it means that the cutting was actually too deep compared to the planned cutting position. On the other hand, when the machining error is a negative value, it means that the cutting was actually insufficient compared to the planned cutting position.
加工条件1において、図14Bに示されるように、溝20が形成されていないボール刃部52における加工誤差が最も大きい。そして、右ねじれの溝20Aのみで構成されるボール刃部62における加工誤差が、ボール刃部52における加工誤差に次いで高い。また、右ねじれの溝20Aと左ねじれの溝20Bとで構成されるボール刃部12における加工誤差が最も小さい。
As shown in Fig. 14B, under machining condition 1, the machining error is the largest in the
また、加工条件2においても、図14Bに示されるように、溝20が形成されていないボール刃部52における加工誤差が最も大きい。そして、右ねじれの溝20Aのみで構成されるボール刃部62における加工誤差が、ボール刃部52における加工誤差に次いで高い。また、右ねじれの溝20Aと左ねじれの溝20Bとで構成されるボール刃部12における加工誤差が最も小さい。
Also, under machining condition 2, as shown in Fig. 14B, the machining error is the largest in the
以上より、加工誤差の検証結果からも、ボール刃部に溝20が形成されることによる有意差が明らかである。さらに、右ねじれの溝20Aのみで構成されるボール刃部62よりも、右ねじれの溝20Aと左ねじれの溝20Bとで構成されるボール刃部12の方が、加工誤差の観点において有利であることがわかった。From the above, the results of the verification of processing errors clearly show that there is a significant difference due to the formation of
===第2実施形態===
上述した第1実施形態のボールエンドミル10では、ボール刃部12に形成された複数の溝20は、先端13において非連結である。これにより、先端13に溝20(凹部)が形成されないようにして、先端13におけるバニシング効果を得ることができる。
Second Embodiment
In the
また、複数の溝20は、先端13から外周14にかけて放射状に設けられている。このため、第1実施形態のボール刃部12では、先端13に近づくほど複数の溝20が集中することになる。上述したように、ボール刃部12の溝20が形成されている部分ではバニシング加工が行われないため、先端13の周囲ではバニシング効果が弱まってしまうことがある。
The
そこで、以下では、ボール刃部の先端の周囲においてバニシング効果を向上させるボールエンドミルについて説明する。 Below, we will explain a ball end mill that improves the burnishing effect around the tip of the ball cutting edge.
図15は、第2実施形態のボール刃部72,82の図である。なお、図15Aは、第1実施例のボール刃部72の先端13から回転軸方向にみた図であり、図15Bは、第2実施例のボール刃部82の先端13から回転軸方向にみた図である。図16は、第3実施例のボール刃部92の先端13から回転軸方向にみた図である。
Figure 15 is a diagram of the
本実施形態の第1実施例のボール刃部72には、図15Aに示されるように、先端13を含み、かつ先端13よりも広い領域15を有している。そして、複数の溝20の各々における先端13側の端部は、領域15の外側に位置する。言い換えると、ボール刃部72には、領域15の内側に溝20が形成されない。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めることができる。
As shown in Figure 15A, the
但し、溝20の全ての先端13側の端部が領域15の外側に位置しなくても良い。図15Bに示されるように、ボール刃部に形成される複数の溝20のうち、一部の溝の各々における先端13側の端部が、領域15の内側に位置しても良い。However, the ends of all of the
本実施形態の第2実施例のボール刃部82には、図15Bに示されるように、先端13側の端部が先端13まで延びる溝20Aと、先端13側の端部が領域15の外側に位置する溝20E及び溝20Fとを有する。すなわち、ボール刃部82の複数の溝20は、先端13側の端部が領域15の外側に位置する溝20(すなわち、溝20E及び溝20F)と、先端13側の端部が領域15の内側に位置する溝20(すなわち、溝20A)とを有する。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。15B, the
なお、溝20の先端13側の端部の位置が、段階的であっても良い。本実施形態の第3実施例のボール刃部92には、図16に示されるように、先端13を含み、かつ領域15よりも狭い領域16を有している。そして、溝20が、図16に示されるように、先端13側の端部が領域15の内側に位置し、領域16の外側に位置する溝20Gと、先端13側の端部が領域16の内側に位置する溝20Aとにより構成されても良い。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。
The position of the end of the
===その他の実施形態===
<ボール刃部12の形状に関する別の例>
図17は、ボール刃部12の形状に関する別の例であり、図17Aは、ボール刃部12の形状に関する第1例であり、図17Bは、ボール刃部12の形状に関する第2例である。
===Other embodiments===
<Another example of the shape of the
17A and 17B show another example of the shape of the ball-shaped
ボール刃部12の形状は、上述した図1Aに示される半球状のみに限られない。例えば、図17Aに示されるボール刃部12のように、半球状よりもより球に近い形状であっても良い。また、図17Bに示されるボール刃部12のように、楕円球状を有していても良い。The shape of the
<ボール刃部12の溝20に関する別の例>
図18は、ボール刃部12の溝20に関する別の例である。
<Another Example of the
FIG. 18 shows another example of the
上述したボール刃部12に形成される溝20は、同じ幅で形成されていた。しかし、図18に示されるボール刃部12のように、複数の溝20の各々において、先端13側の溝20の幅よりも、外周14側の溝20の幅の方が大きくても良い。これにより、外周14側において、バニシング加工の際の抵抗を抑制することができる。The
===まとめ===
以上、本発明の実施の形態であるボールエンドミルについて説明した。
====Summary====
The ball end mill according to the embodiment of the present invention has been described above.
第1実施形態のボールエンドミル10は、例えば、図1に示されるように、部分球状に形成されたボール刃部12を備える。また、ボール刃部12は、先端13から回転軸方向にみたとき、ボール刃部12の先端13側から外周14側に延びる、右ねじれの溝20Aと、右ねじれと異なる左ねじれの溝20Bと、を含む複数の溝20を有している。そして、複数の溝20は、先端13において非連結である。これにより、ボール刃部12の先端13においてバニシング効果を得ることができる。
The
ここで、右ねじれは、「第1ねじれ態様」に相当し、左ねじれは、「第2ねじれ態様」に相当する。Here, a right twist corresponds to the "first twist mode" and a left twist corresponds to the "second twist mode."
第2実施形態の第1実施例のボール刃部72は、例えば、図15Aに示されるように、先端13を含み、かつ先端13よりも広い第1領域15を有している。そして、複数の溝20の各々における先端13側の端部は、第1領域15の外側に位置する。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲においてバニシング効果を高めることができる。
As shown in Fig. 15A, the
第2実施形態の第2実施例のボール刃部82は、例えば、図15Bに示されるように、先端13を含み、かつ先端13よりも広い第1領域15を有している。そして、複数の溝20は、先端13側の端部が、第1領域15の外側に位置する溝20E及び溝20Fと、先端13側の端部が、第1領域15の内側に位置する溝20Aと、を有する。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。15B, the
ここで、溝20E及び溝20Fは、「第1溝」に相当し、溝20Aは、「第2溝」に相当する。Here,
第2実施形態の第3実施例のボール刃部92は、例えば、図16に示されるように、先端13を含み、かつ第1領域15よりも狭い第2領域16を有している。そして、複数の溝20は、第1領域15の内側に位置する溝20を複数有し、当該複数の溝20は、先端13側の端部が、第2領域16の外側に位置する溝20Gと、先端13側の端部が、第2領域16の内側に位置する溝20Aと、を有する。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。16, the
ここで、溝20Gは、「外側第2溝」に相当し、溝20Aは、「内側第2溝」に相当する。Here,
図15Bに示されるように、第2実施形態の第2実施例のボール刃部82の先端13から回転軸方向にみて、第1ねじれ態様は、ボール刃部82の外周14に沿う第1方向に凸となるように湾曲した左ねじれ態様であり、第2ねじれ態様は、ボール刃部82の外周14に沿う、第1方向とは反対の第2方向に凸となるように湾曲した右ねじれ態様であるとき、溝20Fは、第1ねじれ態様であり、溝20Aは、第2ねじれ態様である。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。15B, when viewed in the direction of the rotation axis from the
第2実施形態の第2実施例のボール刃部82に形成される複数の溝20は、図15Bに示されるように、第1領域15の内側に位置する溝20Aを複数有し、複数の溝20Aは、先端13を中心に回転対称となるように位置する。これにより、溝20が集中するボール刃部の先端13の周囲において、バニシング効果を高めつつ、切削効果も高めることができる。15B, the
ボール刃部12の別の例では、図18に示されるように、複数の溝20の各々において、先端13側の溝20の幅よりも、外周14側の溝の幅の方が大きい。これにより、外周14側において、バニシング加工の際の抵抗を抑制することができる。In another example of the
===その他===
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
===Other===
The above-described embodiment is for the purpose of facilitating understanding of the present invention, and is not intended to limit the present invention. The present invention can be modified or improved without departing from the spirit of the present invention, and it goes without saying that the present invention includes equivalents thereof.
10,10X,30,40,50,60,70,80,90 ボールエンドミル
11 シャンク
12,12X,32,42,52,62,72,82,92 ボール刃部
13 先端
14 外周
15,16 領域
20,20A~20G 溝
21,21A,21B 交差部
22 周縁部
100 被削材
10, 10X, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90
Claims (7)
前記ボール刃部は、前記表面に対する凹部となる複数の溝を有し、先端から回転軸方向にみたとき、
前記複数の溝は、前記ボール刃部の先端側から外周側に延びる、第1ねじれ態様の溝と、前記第1ねじれ態様と異なる第2ねじれ態様の溝と、を含み、前記先端において非連結である、
ボールエンドミル。 The blade is provided with a ball cutting edge having a surface formed in a partially spherical shape for burnishing a workpiece,
The ball cutting portion has a plurality of grooves which are recessed into the surface, and when viewed from the tip in the direction of the rotation axis,
the plurality of grooves include a groove having a first twist pattern extending from a tip side of the ball cutting edge portion to an outer periphery side, and a groove having a second twist pattern different from the first twist pattern, and the grooves are not connected to each other at the tip.
Ball end mill.
前記複数の溝の各々における前記先端側の端部は、前記第1領域の外側に位置する、
請求項1に記載のボールエンドミル。 The ball cutting edge portion has a first region that includes the tip and is wider than the tip,
The tip end of each of the plurality of grooves is located outside the first region.
The ball end mill according to claim 1 .
前記複数の溝は、
前記先端側の端部が、前記第1領域の外側に位置する第1溝と、
前記先端側の端部が、前記第1領域の内側に位置する第2溝と、
を有する、
請求項1に記載のボールエンドミル。 The ball cutting edge portion has a first region that includes the tip and is wider than the tip,
The plurality of grooves include
a first groove, the tip end of which is located outside the first region;
a second groove, the tip end of which is located inside the first region;
having
The ball end mill according to claim 1 .
前記複数の溝は、前記第2溝を複数有し、
前記複数の第2溝は、
前記先端側の端部が、前記第2領域の外側に位置する外側第2溝と、
前記先端側の端部が、前記第2領域の内側に位置する内側第2溝と、
を有する、
請求項3に記載のボールエンドミル。 the ball cutting edge portion has a second region that includes the tip and is narrower than the first region;
The plurality of grooves include a plurality of the second grooves,
The plurality of second grooves are
an outer second groove, the tip end of which is located outside the second region;
an inner second groove, the tip end of which is located inside the second region;
having
The ball end mill according to claim 3.
前記第1ねじれ態様は、前記ボール刃部の外周に沿う第1方向に凸となるように湾曲した左ねじれ態様であり、
前記第2ねじれ態様は、前記ボール刃部の外周に沿う、前記第1方向とは反対の第2方向に凸となるように湾曲した右ねじれ態様であるとき、
前記第1溝は、前記第1ねじれ態様であり、前記第2溝は、前記第2ねじれ態様である、
請求項3又は4に記載のボールエンドミル。 When viewed from the tip of the ball cutting edge in the direction of the rotation axis,
the first twist pattern is a left-handed twist pattern curved so as to be convex in a first direction along an outer periphery of the ball-shaped cutting edge portion,
the second twist pattern is a right-handed twist pattern curved so as to be convex in a second direction opposite to the first direction along an outer periphery of the ball-shaped cutting edge portion,
The first groove is in the first twist configuration, and the second groove is in the second twist configuration.
The ball end mill according to claim 3 or 4.
前記複数の第2溝は、前記先端を中心に回転対称となるように位置する、
請求項3~5のいずれか一項に記載のボールエンドミル。 The plurality of grooves include a plurality of the second grooves,
The plurality of second grooves are positioned so as to be rotationally symmetrical about the tip.
The ball end mill according to any one of claims 3 to 5.
請求項1~6のいずれか一項に記載のボールエンドミル。 In each of the plurality of grooves, a width of the groove on the outer circumferential side is larger than a width of the groove on the tip side.
The ball end mill according to any one of claims 1 to 6.
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