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JP7672192B2 - 心血管疾患の素因を検出するための組成物および方法 - Google Patents
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JP7672192B2 - 心血管疾患の素因を検出するための組成物および方法 - Google Patents

心血管疾患の素因を検出するための組成物および方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月8日に出願された米国出願第62/347,479号、および2017年2月6日に出願された米国出願第62/455,468号の35 U.S.C. § 119(e)下の優先権の恩典を主張するものである。これらの出願は共に、その全体が本明細書に組み入れられる。
連邦政府の助成による研究に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された第R01DA037648号および第R44DA041014の下で政府支援によって成された。米国政府は、本発明においてある一定の権利を有する。
発明の背景
冠動脈心疾患(CHD)、鬱血性心不全(CHF)、および脳卒中からなる心血管疾患(CVD)は、米国における主な死亡原因である。CVDの罹患率および死亡率を抑える有効な処置は存在するが、それらの臨床実践は、非効率的なスクリーニング技術によって妨げられている。近年、他者および本発明者等は、DNAメチル化シグネチャーが、喫煙などのCVDに関係する様々な障害の存在を推測できることを示した。残念ながら、これらのエピジェネティック技術がCVDそれ自体に適用されると、これらの方法の威力は減少し、このことがそれらの臨床上の有用性を限定している。これらの失敗の考えられる理由の1つは、遺伝子×メチル化交互作用効果によるCVDのエピジェネティックシグネチャーの不明瞭化であり得る。
信頼できる実験室検査は、臨床業務において、例えば、患者に適切な処置を処方する上で医師を補助する際に、実用的価値を有するだろう。したがって、CVDを有するかまたはそれを発症するリスクのある対象を同定する方法が求められている。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、図15に記載の遺伝子のCpGジヌクレオチドか、図16に記載の第一のCpG部位のCpGジヌクレオチドか、または図16に記載の第一のCpG部位と共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;図21に記載の第一のSNPまたは図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。いくつかの態様において、連鎖不平衡は、R>0.3の値を有する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、図17に記載の遺伝子か、図18に記載の第一のCpGジヌクレオチドか、または図18に記載の第一のCpG部位と共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;図22に記載の第一のSNPまたは図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。いくつかの態様において、連鎖不平衡は、R>0.3の値を有する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、図19に記載の遺伝子のCpGジヌクレオチドか、図20の第一のCpG部位のCpGジヌクレオチドか、または図20に記載の第一のCpG部位と共線関係(R>0.3)にある第二のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;図23に記載の第一のSNPまたは図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。いくつかの態様において、連鎖不平衡は、R>0.3の値を有する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs347027に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs4937276に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs17355663に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs235807に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs11579814に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs2275187に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs4336803に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;SNP rs4951158に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP rs925613に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーとを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、1つまたは複数のヌクレオチド類似体または1つまたは複数の合成もしくは非天然ヌクレオチドを含み、かつ、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;酵素標識、蛍光標識、および発色標識からなる群より選択される検出可能な標識とを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと;少なくとも1つの第一の核酸プライマーが結合している固体基体とを含む、キットを提供する。
ある特定の態様において、本開示は、対象が冠動脈心疾患の素因を持つかまたは該疾患を有するかを検出するための方法であって、(a)対象から生物学的試料を準備する工程;(b)生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程;(c)バイサルファイト処理したDNAを、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)内の第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、工程;(d)単一ヌクレオチド多型rs347027における遺伝子型を判定する工程;ならびに(e)メチル化されていないCpGジヌクレオチドまたはメチル化されているCpGジヌクレオチドのいずれかを検出する工程であって、rs347027の遺伝子型が判定されたときに第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドのメチル化が冠動脈心疾患と関連する、工程を含む方法を提供する。
ある特定の態様において、本開示は、患者由来の生物学的試料中のバイオマーカーの存在を測定するための方法であって、(a)生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程;および(b)バイサルファイト処理したDNAを、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、工程を含む、患者が冠動脈心疾患を有するかまたは冠動脈心疾患を発症する可能性が高いかを予測する際に使用するための方法を提供する。
ある特定の態様において、本開示は、患者由来の生物学的試料中の心血管疾患(CVD)と関連するバイオマーカーの存在を予測する方法であって、(a)生物学的試料から第一のアリコートを準備して、第一の生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程;および(b)生物学的試料から第二のアリコートを準備する工程;(c)(i)第一のアリコートを、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs347027に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(ii) 第一のアリコートを、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4937276に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(iii) 第一のアリコートを、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs17355663に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(iv) 第一のアリコートを、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs235807に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(v) 第一のアリコートを、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs11579814に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(vi) 第一のアリコートを、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs2275187に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(vii) 第一のアリコートを、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4336803に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、(viii) 第一のアリコートを、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4951158に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、ならびに/または (ix) 第一のアリコートを、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、rs925613に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、工程を含み、TGFBR3遺伝子内の第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチド、cg20636912、cg16947947、cg05916059、cg04567738、cg16603713、cg05709437、cg12081870、および/もしくはcg18070470のメチル化、ならびに第1染色体の91618766位におけるG、またはrs4937276、rs17355663、rs235807、rs11579814、rs2275187、rs4336803、rs4951158、および/もしくはrs925613における多型がCVDと関連する方法を提供する。
ある特定の態様において、生物学的試料は、唾液試料である。
ある特定の態様において、本開示は、心血管疾患(CVD)のリスクのある対象由来の核酸試料についてrs347027におけるGアレルの1つまたは複数のコピーおよびcg13078798のメチル化状態を検出するための方法であって、(a)rs347027多型のGアレルの1つまたは複数のコピーの存在を検出するために、前記ヒト対象の核酸試料についてジェノタイピングアッセイを実施する工程;および(b)cg13078798がメチル化されていないかどうかを判定するためにメチル化状態を検出するために、前記ヒトの核酸試料についてcg13078798のメチル化評価を実施する工程を含む方法を提供する。
ある特定の態様において、本開示は、患者由来の生物学的試料中の心血管疾患(CVD)と関連するバイオマーカーの存在を予測する方法であって、表3に記載のSNPおよびCpGの1つまたは複数の対(例えば、CpG cg13078798とSNP rs347027の組み合わせ;CpG cg20636912とSNP rs4937276の組み合わせ;CpG cg16947947とSNP rs17355663の組み合わせ;CpG cg05916059とSNP rs235807の組み合わせ;CpG cg04567738とSNP rs11579814の組み合わせ;CpG cg16603713とSNP rs2275187の組み合わせ;CpG cg05709437とSNP rs4336803の組み合わせ;CpG cg12081870とSNP rs4951158の組み合わせ;および/またはCpG cg18070470とSNP rs925613の組み合わせ)を検出する工程を含む方法を提供する。
ある特定の態様において、CVDは、冠動脈心疾患(CHD)、鬱血性心不全(CHF)、および/または脳卒中である。
ある特定の態様において、本開示は、患者試料中のCHDと関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、(a)患者試料から核酸試料を単離する工程;(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一のアリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して、遺伝子型データを得る工程であって、該SNPが、図21に記載の第一のSNPから選択されるSNPおよび/または図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPである、工程;ならびに/あるいは(c)核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図15に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態または図16に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図16に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二アリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに(d)工程(b)からの遺伝子型および/または工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/または少なくとも1つのCpGの主効果および/または少なくとも1つの交互作用効果(例えば、SNP×SNP、CpG×CpG、SNP×CpG)の寄与を明らかにするアルゴリズムに入力する工程を含む方法を提供する。いくつかの態様において、アルゴリズムは、ランダムフォレスト(商標)であるかまたは線形効果および非線形効果を説明することができる別のアルゴリズムである。
ある特定の態様において、本開示は、患者試料中の脳卒中と関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、(a)患者試料から核酸試料を単離する工程;(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一のアリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して、遺伝子型データを得る工程であって、該SNPが、図22に記載の第一のSNPから選択されるSNPおよび/または図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPである、工程;ならびに/あるいは(c)該核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図17に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態または図18に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図18に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二アリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに(d)工程(b)からの遺伝子型および/または工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/または少なくとも1つのCpGの主効果および/または少なくとも1つの交互作用効果(例えば、SNP×SNP、CpG×CpG、SNP×CpG)の寄与を明らかにするアルゴリズムに入力する工程を含む方法を提供する。いくつかの態様において、アルゴリズムは、ランダムフォレスト(商標)であるかまたは線形効果および非線形効果を説明することができる別のアルゴリズムである。
ある特定の態様において、本開示は、患者試料中のCHFと関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、(a)患者試料から核酸試料を単離する工程;(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一のアリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して、遺伝子型データを得る工程であって、該SNPが、図23中の第一のSNPから選択されるSNPおよび/または図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPである、工程;ならびに/あるいは(c)核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図19に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態または図20に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図20に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二アリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに(d)工程(b)からの遺伝子型および/または工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/または少なくとも1つのCpGの主効果および/または少なくとも1つの交互作用効果(例えば、SNP×SNP、CpG×CpG、SNP×CpG)の寄与を明らかにするアルゴリズムに入力する工程を含む方法を提供する。いくつかの態様において、アルゴリズムは、ランダムフォレスト(商標)であるかまたは線形効果および非線形効果を説明することができる別のアルゴリズムである。
ある特定の態様において、結果は、図16に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位と図21に記載の第一のSNPまたは図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPとの間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図16に記載の少なくとも2つのCpG部位および/または図15に記載の少なくとも2つの遺伝子間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図16に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図18に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にあるCpG部位と図22に記載の第一のSNPまたは図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPと間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図18に記載の少なくとも2つのCpG部位および/または図17に記載の遺伝子間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図18に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図20に記載の第一のCpGと共線関係(例えば、R>0.3)にある第二のCpG部位と図23に記載の第一のSNPまたは図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(例えば、R>0.3)にある第二のSNPと間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図20に記載の少なくとも2つのCpG部位および/または図19に記載の遺伝子間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。ある特定の態様において、結果は、図20に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む。
本開示のある特定の態様において、血液細胞は、リンパ球、例えば単球、好塩基球、好酸球、および/または好中球である。ある特定の態様において、リンパ球のタイプは、B-リンパ球である。ある特定の態様において、B-リンパ球は、不死化されている。ある特定の態様において、血液細胞のタイプは、末梢白血球の混合物である。ある特定の態様において、末梢血液細胞は、細胞株に形質転換されている。
ある特定の態様において、分析プロセスは、得られたプロファイルを参照プロファイルと比較することを含む。ある特定の態様において、参照プロファイルは、1つまたは複数の健康な対照対象から得られたデータを含むか、または、物質使用障害と診断された1つまたは複数の対象から得られたデータを含む。ある特定の態様において、該方法は、得られたプロファイルの参照プロファイルとの類似性の統計的尺度を得ることをさらに含む。ある特定の態様において、血液細胞または血液細胞誘導体は、末梢血液細胞である。ある特定の態様において、プロファイルは、メチル化されたDNAの配列決定によって、例えばデジタル配列決定によって得られる。
ある特定の態様において、現開示はまた、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)アッセイの形態をとることもできる。いくつかの場合では、これは、リアルタイムPCRアッセイ(RTPCR)またはデジタルPCRアッセイの形態をとる。これらのPCRアッセイのある特定の態様において、キットは、標的遺伝子の領域を特異的に増幅する2つのプライマーおよび増幅された領域を選択的に認識する遺伝子特異的プローブを含有してよい。まとめて、プライマーおよび遺伝子特異的プローブは、プライマー・プローブセットと称される。PCR反応の所与の時点でまたはPCR反応全体で増幅されたセグメントにハイブリダイズした遺伝子特異的プローブの量を測定することによって、当業者は、反応の開始時にもともと存在していた核酸の量を推測することができる。いくつかの場合では、ハイブリダイズされたプローブの量は、蛍光分光光度法を通して測定される。プライマー・プローブセットの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、・・・、9997、9998、9999、10,000などの1~10,000の間の任意の整数のプローブであることができる。1つのキットでは、プローブは全て、物理的に、単一の反応ウェルに位置しても複数の反応ウェルに位置してもよい。プローブは、乾燥形態であっても液体形態であってもよい。これらは、単一の反応で使用されても一連の反応で使用されてもよい。ある特定の態様において、プローブは、オリゴヌクレオチドプローブである。ある特定の態様において、プローブは、核酸誘導体プローブである。
別段の定めがない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、主題の方法および組成物が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を、主題の方法および組成物の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。加えて、その材料、方法、および例は、例証でしかなく、限定することを意図したものではない。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によってその全体が組み入れられる。
[本発明1001]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、
図15に記載の遺伝子のCpGジヌクレオチドか、図16に記載のCpG部位のCpGジヌクレオチドか、または図16に記載のCpG部位と共線関係(R>0.3)にあるCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
図21に記載の第一のSNPまたは図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーであって、該連鎖不平衡がR>0.3の値を有する、少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1002]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、
図17に記載の遺伝子か、図18に記載のCpG部位のCpGジヌクレオチドか、または図18に記載のCpG部位と共線関係(R>0.3)にあるCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
図22に記載の第一のSNPまたは図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーであって、該連鎖不平衡がR>0.3の値を有する、少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1003]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を判定するためのキットであって、
図19に記載の遺伝子のCpGジヌクレオチドか、図20に記載のCpG部位のCpGジヌクレオチドか、または図20に記載のCpG部位と共線関係(R>0.3)にあるCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
図23に記載の第一のSNPまたは図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPのDNA配列またはバイサルファイト変換されたDNA配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーであって、該連鎖不平衡がR>0.3の値を有する、少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1004]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs347027に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1005]
rs347027がGアレルを含む、本発明1004のキット。
[本発明1006]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1004のキット。
[本発明1007]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs4937276に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1008]
第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1007のキット。
[本発明1009]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs17355663に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1010]
コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1009のキット。
[本発明1011]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs235807に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1012]
ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1011のキット。
[本発明1013]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs11579814に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1014]
第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1013のキット。
[本発明1015]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs2275187に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1016]
NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1015のキット。
[本発明1017]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs4336803に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1018]
ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1017のキット。
[本発明1019]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs4951158に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1020]
サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1019のキット。
[本発明1021]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットであって、
ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
SNP rs925613に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1022]
ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第三の核酸プライマーであって、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1021のキット。
[本発明1023]
前記少なくとも1つの第一のプライマーが少なくとも10ヌクレオチド長であり、かつ、前記少なくとも1つの第二のプライマーが少なくとも10ヌクレオチド長である、本発明1001~1022のいずれかのキット。
[本発明1024]
前記少なくとも1つの第一のプライマーが少なくとも12ヌクレオチド長であり、かつ、前記少なくとも1つの第二のプライマーが少なくとも12ヌクレオチド長である、本発明1001~1022のいずれかのキット。
[本発明1025]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数のヌクレオチド類似体を含む、本発明1001~1024のいずれかのキット。
[本発明1026]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数の合成または非天然ヌクレオチドを含む、本発明1001~1024のいずれかのキット。
[本発明1027]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが結合している固体基体をさらに含む、本発明1001~1026のいずれかのキット。
[本発明1028]
前記基体が、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルである、本発明1027のキット。
[本発明1029]
前記固体基体が、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである、本発明1027のキット。
[本発明1030]
検出可能な標識をさらに含む、本発明1001~1029のいずれかのキット。
[本発明1031]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、
トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、1つまたは複数のヌクレオチド類似体または1つまたは複数の合成もしくは非天然ヌクレオチドを含み、かつ、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー
を含む、前記キット。
[本発明1032]
前記キットが、TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーをさらに含み、該少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出し、それとは逆の該CpGジヌクレオチドが、前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーによって検出される、本発明1031のキット。
[本発明1033]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1031または1032のキット。
[本発明1034]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1031または1032のキット。
[本発明1035]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1032のキット。
[本発明1036]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1032のキット。
[本発明1037]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの上流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1032のキット。
[本発明1038]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの下流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第四の核酸プライマーをさらに含む、本発明1037のキット。
[本発明1039]
前記少なくとも第三の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1037のキット。
[本発明1040]
前記少なくとも第四の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1038のキット。
[本発明1041]
前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、1つまたは複数のヌクレオチド類似体を含む、本発明1032のキット。
[本発明1042]
前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、1つまたは複数の合成または非天然ヌクレオチドを含む、本発明1033のキット。
[本発明1043]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが結合している固体基体をさらに含む、本発明1032のキット。
[本発明1044]
前記基体が、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルである、本発明1043のキット。
[本発明1045]
前記固体基体が、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである、本発明1043のキット。
[本発明1046]
検出可能な標識をさらに含む、本発明1031~1045のいずれかのキット。
[本発明1047]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、
トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3))遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;ならびに
酵素標識、蛍光標識、および発色標識からなる群より選択される、検出可能な標識
を含む、前記キット。
[本発明1048]
前記キットが、TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーをさらに含み、該少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出し、それとは逆の該CpGジヌクレオチドが、前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーによって検出される、本発明1047のキット。
[本発明1049]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1047または1048のキット。
[本発明1050]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1047または1048のキット。
[本発明1051]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1048のキット。
[本発明1052]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1048のキット。
[本発明1053]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの上流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1048のキット。
[本発明1054]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの下流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第四の核酸プライマーをさらに含む、本発明1053のキット。
[本発明1055]
前記少なくとも第三の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1053のキット。
[本発明1056]
前記少なくとも第四の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1054のキット。
[本発明1057]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数のヌクレオチド類似体を含む、本発明1047~1056のいずれかのキット。
[本発明1058]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数の合成または非天然ヌクレオチドを含む、本発明1047~1056のいずれかのキット。
[本発明1059]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが結合している固体基体をさらに含む、本発明1047~1058のいずれかのキット。
[本発明1060]
前記基体が、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルである、本発明1059のキット。
[本発明1061]
前記固体基体が、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである、本発明1059のキット。
[本発明1062]
少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態を判定するためのキットであって、
トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
該少なくとも1つの第一の核酸プライマーが結合している固体基体
を含む、前記キット。
[本発明1063]
前記キットが、TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二の核酸プライマーをさらに含み、該少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出し、それとは逆の該CpGジヌクレオチドが、前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーによって検出される、本発明1062のキット。
[本発明1064]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1062または1063のキット。
[本発明1065]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1062または1063のキット。
[本発明1066]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1063のキット。
[本発明1067]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、メチル化されている前記CpGジヌクレオチドを検出し、かつ、前記少なくとも1つの第二の核酸プライマーが、メチル化されていない前記CpGジヌクレオチドを検出する、本発明1063のキット。
[本発明1068]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの上流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第三の核酸プライマーをさらに含む、本発明1063のキット。
[本発明1069]
TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドの下流にある核酸配列に相補的である、少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも第四の核酸プライマーをさらに含む、本発明1068のキット。
[本発明1070]
前記少なくとも第三の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1068のキット。
[本発明1071]
前記少なくとも第四の核酸プライマーが、バイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、本発明1069のキット。
[本発明1072]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数のヌクレオチド類似体を含む、本発明1062~1071のいずれかのキット。
[本発明1073]
前記少なくとも1つの第一の核酸プライマーが、1つまたは複数の合成または非天然ヌクレオチドを含む、本発明1062~1071のいずれかのキット。
[本発明1074]
前記基体が、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルである、本発明1062~1073のいずれかのキット。
[本発明1075]
前記固体基体が、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである、本発明1062~1073のいずれかのキット。
[本発明1076]
検出可能な標識をさらに含む、本発明1062~1075のいずれかのキット。
[本発明1077]
患者由来の生物学的試料中の心血管疾患(CVD)と関連するバイオマーカーの存在を予測する方法であって、
(a)該生物学的試料から第一のアリコートを準備して、該第一の生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる、工程;
(b)該生物学的試料から第二のアリコートを準備する工程;ならびに
(c)(i) 該第一のアリコートを、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs347027に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(ii) 該第一のアリコートを、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs4937276に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(iii) 該第一のアリコートを、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs17355663に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(iv) 該第一のアリコートを、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs235807に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(v) 該第一のアリコートを、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs11579814に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(vi) 該第一のアリコートを、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs2275187に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(vii) 該第一のアリコートを、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs4336803に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、
(viii) 該第一のアリコートを、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、SNP rs4951158に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、ならびに/または
(ix) 該第一のアリコートを、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、該第二のアリコートを、rs925613に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、工程を含み、
TGFBR3遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチド、cg20636912、cg16947947、cg05916059、cg04567738、cg16603713、cg05709437、cg12081870、および/またはcg18070470のメチル化と、第1染色体の1618766位のG、またはrs4937276、rs17355663、rs235807、rs11579814、rs2275187、rs4336803、rs4951158、および/もしくはrs925613における多型とが、CVDと関連する、前記方法。
[本発明1078]
前記生物学的試料が唾液試料である、本発明1077の方法。
[本発明1079]
患者由来の生物学的試料中の心血管疾患(CVD)と関連するバイオマーカーの存在を予測する方法であって、表3に記載のSNPおよびCpGの1つまたは複数の対を検出する工程を含む、前記方法。
[本発明1080]
心血管疾患(CVD)のリスクのある対象由来の核酸試料についてrs347027におけるGアレルの1つまたは複数のコピーおよび第1染色体の92203667位のCpGのメチル化状態を検出するための方法であって、
(a)rs347027多型のGアレルの1つまたは複数のコピーの存在を検出するために、該ヒト対象の核酸試料についてジェノタイピングアッセイを実施する工程;および
(b)第1染色体の92203667位のCpGがメチル化されていないかどうかを判定するために、該ヒトの核酸試料についてメチル化評価を実施する、工程
を含む、前記方法。
[本発明1081]
前記CVDが冠動脈心疾患(CHD)である、本発明1077~1080のいずれかの方法。
[本発明1082]
前記CVDが鬱血性心不全(CHF)である、本発明1077~1080のいずれかの方法。
[本発明1083]
前記CVDが脳卒中である、本発明1077~1080のいずれかの方法。
[本発明1084]
患者試料中のCHDと関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、
(a)該患者試料から核酸試料を単離する工程;
(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一アリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して遺伝子型データを得る工程であって、該少なくとも1つのSNPが、図21に記載の第一のSNPおよび/もしくは図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(R>0.3)にある第二のSNPである、工程;ならびに/または
(c)該核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図15に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態および/もしくは図16に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図16に記載の第一のCpGと共線関係にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二のアリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに
(d)工程(b)からの遺伝子型および/もしくは工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/もしくは少なくとも1つのCpGの主効果および/もしくは少なくとも1つの交互作用効果の寄与を明らかにする少なくとも1つのアルゴリズムに入力する工程
を含む、前記方法。
[本発明1085]
患者試料中の脳卒中と関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、
(a)該患者試料から核酸試料を単離する工程;
(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一アリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して遺伝子型データを得る工程であって、該少なくとも1つのSNPが、図22に記載の第一のSNPおよび/もしくは図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPである、工程;ならびに/または
(c)該核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図17に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態および/もしくは図18に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図18に記載の第一のCpGと共線関係にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二のアリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに
(d)工程(b)からの遺伝子型および/もしくは工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/もしくは少なくとも1つのCpGの主効果および/もしくは少なくとも1つの交互作用効果の寄与を明らかにするアルゴリズムに入力する工程
を含む、前記方法。
[本発明1086]
患者試料中のCHFと関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、
(a)該患者試料から核酸試料を単離する工程;
(b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一アリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して遺伝子型データを得る工程であって、該SNPが、図23に記載の第一のSNPおよび/もしくは図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡(R>0.3)にある第二のSNPである、工程;ならびに/または
(c)該核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、図19に記載の少なくとも1つの遺伝子のメチル化状態および/もしくは図20に記載の第一のCpG部位のメチル化状態および/もしくは図20に記載の第一のCpGと共線関係にある第二のCpG部位のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二のアリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;ならびに
(d)工程(b)からの遺伝子型および/もしくは工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および/もしくは少なくとも1つのCpGの主効果および/もしくは少なくとも1つの交互作用効果の寄与を明らかにするアルゴリズムに入力する工程
を含む、前記方法。
[本発明1087]
前記少なくとも1つの交互作用効果が、遺伝子-環境交互作用(SNP×CpG)効果、遺伝子-遺伝子交互作用(SNP×SNP)効果、および環境-環境交互作用(CpG×CpG)効果からなる群より選択される、本発明1084~1086のいずれかの方法。
[本発明1088]
結果が、図16に記載の第一のCpGと共線関係にある第二のCpG部位と、図21に記載のSNPまたは図21に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPとの間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む、本発明1084の方法。
[本発明1089]
結果が、図15に記載の少なくとも2つの遺伝子および/または図16に記載の少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1084の方法。
[本発明1090]
結果が、図16に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1084の方法。
[本発明1091]
結果が、図18に記載の第一のCpGと共線関係(R>0.3)にある第二のCpG部位と、図22に記載のSNPまたは図22に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPとの間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む、本発明1085の方法。
[本発明1092]
結果が、図17に記載の少なくとも2つの遺伝子および/または図18に記載の少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1085の方法。
[本発明1093]
結果が、図18に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1085の方法。
[本発明1094]
結果が、図20に記載の第一のCpGと共線関係にある第二のCpG部位と、図23に記載の第一のSNPまたは図23に記載の第一のSNPと連鎖不平衡にある第二のSNPとの間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む、本発明1086の方法。
[本発明1095]
結果が、図19に記載の少なくとも2つの遺伝子および/または図20に記載の少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1086の方法。
[本発明1096]
結果が、図20に記載の第一のCpG部位と共線関係にある少なくとも2つのCpG部位の間の少なくとも1つの環境-環境交互作用効果(CpG×CpG)を含む、本発明1086の方法。
cg05575921(A)、年齢+性別+バッチ+cg05575921(B)、自己申告喫煙状態(C)、および年齢+性別+バッチ+自己申告喫煙状態(D)についての受信者動作特性曲線下面積。 CHD予測モデル(最適化されていない)についての受信者動作特性曲線下面積。 CHDのタンパク質タンパク質インタラクトーム。症候性CHDと有意に関連する少なくとも1つのDNAメチル化プローブを有するトップ1000遺伝子のネットワーク。 症候性CHDおよびその従来の修正可能なリスク因子と有意に関連するDNAメチル化プローブのベン図。 症候性CHDおよびその従来の修正可能なリスク因子と有意に関連する少なくとも1つのDNAメチル化プローブを有する遺伝子のベン図。 最高の平均10倍交差検証AUC値を有する統合遺伝子-エピジェネティックモデルのROC曲線。 最高の平均10倍交差検証AUC値を有する従来のリスク因子モデルのROC曲線。 DNAメチル化部位およびSNPの部分従属プロット。 DNAメチル化部位およびSNPの10,000の順列の感度および特異度の2次元ヒストグラム。 CHF分類モデルの主効果のROC曲線。 CHF分類モデルの交互作用効果のROC曲線。 脳卒中分類モデルの主効果のROC曲線。 脳卒中分類モデルの交互作用効果のROC曲線。 本発明の方法のある特定の態様のフローチャート。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHDと関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連している遺伝子のリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化が脳卒中と関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHFと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHFと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHFと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHFと関連している遺伝子のリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 メチル化がCHFと関連しているCpGのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 CHDと関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 脳卒中と関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。 CHFと関連しているSNPのリスト。
発明の詳細な説明
本開示は、対象が、心血管疾患(CVD)の素因を有するか、または該疾患を有するもしくは発症する可能性を有するかを判定するための方法およびキットを提供する。本明細書に示す通り、1つまたは複数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態は、単独で、または遺伝子型および/もしくは遺伝子型とメチル化状態との間の交互作用(例えば、CH3×SNP)との組み合わせで、CVDと関連する。本明細書において使用される場合、「素因」という用語は、ある病態を呈する対象の傾向または感受性として定義される。例えば、対象は、対照対象がそうであるよりもある病態を呈する可能性が高い。
DNAメチル化
DNAは、細胞中で裸の分子として存在しない。例えば、DNAは、ヒストンと呼ばれるタンパク質と会合して、クロマチンとして知られる複合物質を形成する。DNAまたはヒストンの化学修飾は、DNAのヌクレオチド配列を変化させることなしにクロマチンの構造を変化させる。そのような修飾は、DNAの「エピジェネティック」修飾として記載される。クロマチンの構造の変化は、遺伝子発現に大きな影響を有することができる。クロマチンが縮合すると、遺伝子発現に関与する因子は、DNAへ接近できない可能性があり、そして、遺伝子がスイッチオフされるだろう。反対に、クロマチンが「開く」と、遺伝子がスイッチオンとなることができる。エピジェネティック修飾のいくつかの重要な形態は、DNAメチル化およびヒストン脱アセチル化である。DNAメチル化は、DNA分子それ自体の化学修飾であり、DNAメチルトランスフェラーゼと呼ばれる酵素によって行われる。メチル化は、転写因子がプロモーターに結合するのを防止することによって、遺伝子発現を直接スイッチオフすることができる。より一般的な効果は、メチル結合ドメイン(MBD)タンパク質の誘引である。これらは、ヒストンを化学的に修飾してクロマチン構造を変化させるように機能する、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)と呼ばれるさらなる酵素と相互作用する。アセチル化ヒストンを含有するクロマチンは隙間が空いていて転写因子へ接近可能であり、遺伝子は潜在的に活性である。ヒストン脱アセチル化はクロマチンの縮合を引き起こし、それによって、転写因子へ接近不可能になり、遺伝子のサイレンシングを引き起こす。
CpGアイランドは、CpG配列の頻度が他の領域よりも高い、短いDNAストレッチである。CpGという用語中の「p」は、システイン(「C」)とグアニン(「G」)がホスホジエステル結合によって接続されていることを示す。CpGアイランドは、しばしば、ハウスキーピング遺伝子および多くの調節遺伝子のプロモーター周辺に位置する。これらの位置で、CG配列は、メチル化されていない。それに対して、不活性遺伝子中のCG配列は通常はメチル化されており、それによってそれらの発現が抑制されている。
本明細書において使用される場合、「メチル化状態」という用語は、ある特定の標的DNA(例えばCpGジヌクレオチド)がメチル化されているかどうかの判断を意味する。本明細書において使用される場合、「CpGジヌクレオチド反復モチーフ」という用語は、DNA配列中に位置する連続する2つ以上のCpGジヌクレオチドを意味する。
ヒト遺伝子の約56%およびマウス遺伝子の47%がCpGアイランドと関連している。しばしば、CpGアイランドは、プロモーターと重複し、転写ユニットまで下流に約1000塩基対伸長している。配列解析中の潜在的なCpGアイランドの同定は、cDNAに基づくアプローチでは難しいことで有名である遺伝子の最遠の5'端を定義するのを助ける。CpGアイランドのメチル化は、そのようなメチル化を判定するのに好適な任意の方法を使用して当業者によって判定されることができる。例えば、当業者は、そのようなメチル化を判定するためのバイサルファイト反応に基づく方法を使用することができる。
本開示は、CHDの素因があるまたはそれを有する疑いのある患者の臨床経過および最終的な転帰を予測するために、患者のTGFBR3の核酸メチル化を判定する方法を提供する。
特に、本開示のある特定の態様において、該方法を以下の通り実施してよい。血液試料などの試料を患者から採取する。ある特定の態様において、血液から単離された単一の細胞タイプ、例えば、リンパ球、好塩基球、または単球を、さらなる試験のために単離してよい。試料からDNAを採取し、これを検査して、TGFBR3領域がメチル化されているかを判定する。例えば、関心対象のDNAをバイサルファイトで処理して、メチル化されていないシトシン残基を脱アミノ化してウラシルにすることができる。ウラシルはアデノシンと塩基対合するので、部分配列PCR増幅の間に、メチル化されていないシトシン残基の代わりにチミジンが後続のDNA鎖に組み込まれる。次に、標的配列をPCRによって増幅して、TGFBR3特異的プローブでプローブ化する。患者由来のメチル化されいるDNAだけがプローブに結合する。特定のプロファイルが特定の病態と関連する。
患者核酸プロファイルを決定する方法は、当業者に周知であり、周知の検出方法のいずれかを含む。種々のPCR法が、例えば、PCR Primer: A Laboratory Manual, Dieffenbach 7 Dveksler, Eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995に記載されている。他の分析方法は、限定されないが、核酸定量化、制限酵素消化、DNA配列決定、ハイブリダイゼーション技術、例えばサザンブロッティングなど、増幅法、例えばリガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、自家持続配列複製法(SSRまたは3SR)、鎖置換増幅法(SDA)、および転写媒介増幅法(TMA)、定量的PCR(qPCR)、または他のDNA解析、ならびにRT-PCR、インビトロ翻訳、ノーザンブロッティング、および他のRNA解析を含む。別の態様において、マイクロアレイに対するハイブリダイゼーションが使用される。
単一ヌクレオチド多型(SNP)のジェノタイピング
遺伝性疾患のスクリーニングのための伝統的な方法は、異常な遺伝子産物(例えば、鎌状赤血球貧血)または異常な表現型(例えば、精神遅滞)のいずれかの同定に依存している。簡単で安価な遺伝子スクリーニング方法論の開発によって、現在、疾患が多遺伝子起源の場合であっても、疾患を発症する性向を示す多型を同定することが可能である。
単一ヌクレオチド多型(SNP)のジェノタイピングは、ある種のメンバー間のSNPの遺伝子変動を測定する。SNPは、通常2つのアレルからなる(この場合、レアアレル頻度は>1%である)、特定の遺伝子座での単一塩基対変異であり、非常によく見られる。SNPは、進化の間に保存されるため、これらは、マイクロサテライトの代わりに、量的形質遺伝子座(QTL)解析および関連研究において使用するためのマーカーとして提案されている。ハイブリダイゼーションに基づく方法(動的アレル特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコン、およびSNPマイクロアレイなど)、酵素に基づく方法(制限断片長多型、PCRに基づく方法、フラップエンドヌクレアーゼ、プライマー伸長、5'-ヌクレアーゼ、およびオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイを含む)、DNAの物理的性質に基づく他の増幅後法(一本鎖高次構造多型、温度勾配ゲル電気泳動、変性高速液体クロマトグラフィー、アンプリコン全体の高解像度融解、DNAミスマッチ結合タンパク質の使用、SNPlexおよびサーベイヤーヌクレアーゼアッセイなど)、および配列決定(「次世代」配列決定など)を含め、多くの異なるSNPジェノタイピング法が公知である。例えば、米国特許第7,972,779号を参照されたい。
別個の臓器機能(例えば、心臓における高レベルおよび低レベルの発現、または、例えば、心臓における高レベル、中レベル、および低レベルの発現)を有する複数のアレルが、ポリペプチドをコードする遺伝子の領域中の1つまたは複数の多型から生じ得るか、プロモーターまたはポリアデニル化配列などのポリペプチドの発現に影響を及ぼす調節制御配列中にあり得る。代替的に、関連アレルが、同定された性状に直接的な効果を有する遺伝子より遠位の遺伝子座における1つまたは複数の多型から生じることもでき、そこで、その遠位の遺伝子座の産物は、その性状に対して間接的な効果を有する。関連アレルは、転写または翻訳レベルでポリペプチドに影響を及ぼすことができ、かつ、ポリペプチドの転写速度、翻訳速度、分解速度、または活性に影響を及ぼすことができる。脳機能遺伝子でのアレル間の違いを、当業者に周知の前述のいずれかをアッセイするための方法によって、一対象由来または複数対象由来の試料において特徴付けることができる。そのような方法は、限定されないが、コードされたポリペプチドの量を測定することおよび発現されるべきポリヌクレオチド配列の潜在性を測定することを含むことができる。アッセイ法は、タンパク質または核酸を直接的または間接的に検出することができる。あるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコーディング領域の転写を指令するための上流プロモーター領域の適合性を評価することも、ある機能的ポリペプチドをコードするコーディング領域の適合性を評価することもできる。該アッセイ法は、例えば種々の公知のマイクロアレイ技術のいずれかを使用した、核酸またはポリペプチドの特定の配列または構造の存在についてのスクリーニングを含むことを具体的に企図する。
当業者は、アレルが障害表現型と任意の連係または関連を有していたと過去に示されている必要がないことを十分に認識するだろう。その代わりに、アレルと病原性の環境リスク因子は、そのどちらも障害表現型へのいかなる直接的な関係も有さない場合であっても、相互に影響し合うことで障害表現型の素因を予測することができる。
遺伝子スクリーニング(ジェノタイピングまたは分子スクリーニングとも呼ばれる)は、患者が、疾患状態を引き起こすかまたは疾患状態を引き起こす変異に「連鎖している」かのいずれかの変異(またはアレルまたは多型)を有しているかどうかを判定するための試験として広く定義されることができる。連鎖は、ゲノム中で互いに近くにあるDNA配列が一緒に遺伝される傾向を持つ現象を指す。2つの配列は、共遺伝のいくつかの選択的優位性のために連鎖している可能性がある。しかしながら、より典型的には、2つの多型間の領域内で減数分裂組換え事象が起こることは比較的低頻度であるため、2つの多型配列は共遺伝される。共遺伝される多型アレルは、所与の集団において、これらが、その集団の任意の特定のメンバーにおいて共に一緒に生じるかそうでなければ全く生じないかのいずれかの傾向にあるため、互いに「連鎖不平衡」にあると言われる。実際に、所与の染色体領域における複数の多型が互いに連鎖不平衡にあると見いだされた場合、これらが、準安定遺伝子「ハプロタイプ」を定義する。対照的に、2つの多型遺伝子座間で起こる組換え事象は、それらを別個の相同染色体上に分離された状態にする。2つの物理的に連鎖した多型間で減数分裂組換えが十分に頻繁に起こる場合、2つの多型は、独立に分離しているように見え、連鎖平衡にあると言われる。
連鎖平衡/不平衡を(例えば、ピアソン相関(R)またはアレルの共遺伝(D')を使用して)定量化できることが理解されよう。例えば、低レベルの連鎖は約0.1以下の相関(例えば、R値)に反映されることができ、中レベルの連鎖は約0.3のR値に反映され、高レベルの連鎖は0.5以上のR値に反映される。また、メチル化(すなわち、CpG)に言及する場合、2つのCpG間の線形の関連性の強さの判断として共線性(R値を有する)が使用される(例えば、低レベルの共線性は約0.1以下のR値によって反映されることができ;中レベルの共線性は約0.3のR値によって反映されることができ;高レベルの共線性は約0.5以上のR値によって反映されることができる)ことが理解されよう。
2つのマーカー間の減数分裂組換えの頻度は、一般に染色体上のそれらの間の物理的距離に比例するが、「ホットスポット」ならびに抑制された染色体組換えの領域の発生が、2つのマーカー間の物理的および組換え距離の間の不一致をもたらすことができる。したがって、ある特定の染色体領域において、幅広い染色体ドメインに及ぶ複数の多型遺伝子座が、互いに連鎖不平衡状態にある可能性があり、それによって、広範囲遺伝子ハプロタイプを定義する。さらに、疾患を引き起こす変異がこのハプロタイプ内に見いだされるかまたはそれと連鎖している場合、該ハプロタイプの1つまたは複数の多型アレルを、疾患を発症する可能性の診断または予後指標として使用することができる。他の良性の多型と疾患を引き起こす多型との間のこの連関は、疾患変異が最近生じたことで平衡が組換え事象を通して達成されるのに十分な時間が経過していない場合に、起こる。それ故、疾患を引き起こす変異変化に及ぶまたは関連付けられるハプロタイプの同定は、その疾患を引き起こす変異が遺伝した個体の可能性を予測する手段としての役割を果たす。そのような予後または診断手順を、実際の疾患を引き起こす病変の同定および分離を必要とせずに利用することができる。疾患過程に関与する分子的欠陥の正確な判定は、とりわけ多因子性疾患の場合には、困難で苦労するものであり得るため、これは重要である。
障害と多型との間の統計的相関は、多型が障害を直接引き起こすことを必ずしも示していない。むしろ、相関性のある多型は、進化上最近起こったことで平衡が組換え事象を通して介在染色体セグメントで達成されるのに十分な時間が経過していない障害を引き起こす変異に関連付けられる(すなわち、それと連鎖不平衡にある)、無害のアレル変異体であり得る。したがって、特定の疾患についての診断および予後アッセイの目的のために、その疾患と関連する多型アレルの検出を、多型が疾患の病因に直接関与しているかどうかを考慮することなく利用することができる。さらに、所与の無害の多型遺伝子座が明らかな疾患を引き起こす多型遺伝子座と連鎖不平衡にある場合、無害の多型遺伝子座と連鎖不平衡にある他の多型遺伝子座も疾患を引き起こす多型遺伝子座と連鎖不平衡にある可能性が高い。したがって、これらの他の多型遺伝子座も、疾患を引き起こす多型遺伝子座が遺伝した可能性の予後または診断に用いられる。特定の疾患または病態と対応するハプロタイプとの間で関連が導かれると、広範囲ハプロタイプ(一組の連鎖多型マーカーのアレルの共遺伝の典型的なパターンを言う)を診断目的に標的化することができる。したがって、1つまたは複数の疾患関連多型アレル(またはさらに1つまたは複数の疾患関連ハプロタイプ)を特徴付けることによって、原因となる遺伝子変動を必ずしも決定または特徴付けなくても、個体が特定の疾患または病態を発症する可能性を判定することができる。
多型遺伝子座の特定のアレルを検出するために多くの方法が利用可能である。特定の多型アレルを検出するためのある特定の方法は、多型の分子的性質に一部依存するだろう。例えば、多型遺伝子座の種々のアレル形態は、DNAの単一の塩基対によって異なり得る。そのような単一ヌクレオチド多型(またはSNP)は、遺伝子変動への主要寄与因子であり、全ての公知の多型のおよそ80%を含み、そして、ゲノム中のそれらの密度は、1,000塩基対当たり平均で1個と推定される。SNPは、高頻度で両アレルであるか、またはわずか2つの異なる形態で生じる(DNAに存在する4つの異なるヌクレオチド塩基に対応して最大4つの異なる形態のSNPが理論的には可能であるが)。それにもかかわらず、SNPは、他の多型より変異上安定であり、このことによって、マーカーと未知の変異体との間の連鎖不平衡を使用して疾患を引き起こす変異をマッピングする関連研究に適する。加えて、SNPは、典型的には、わずか2つのアレルを有するため、長さの測定ではなく単純なプラス/マイナスアッセイによって遺伝子型を判定することができ、このことによって、自動化により従いやすい。
一態様において、単独でまたは1つまたは複数のキット構成成分と組み合わせて市販化されることもできる核酸マイクロアレイを使用して、アレルプロファイリングを遂行することができる。遺伝子検査分野は、急速に進化しており、よって、当業者は、本開示に従って個体のアレルプロファイルを決定するために、広範なプロファイリング検査が存在していること、および、開発されることを認識するだろう。
核酸およびポリペプチド
「核酸」という用語は、糖、リン酸および塩基(プリンまたはピリミジンのいずれかである)を含有するモノマー(ヌクレオチド)で作られた、一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそのポリマーを指す。具体的に限定されない限り、該用語は、参照核酸と類似する結合特性を有しかつ天然に存在するヌクレオチドと同様に代謝される、天然のヌクレオチドの公知の類似体を含有する核酸を包含する。特段の指示がない限り、特定の核酸配列はまた、明記されている配列だけでなく、保存的に修飾されたその変異体(例えば、縮退コドン置換)および相補性配列も包含する。具体的には、縮退コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第三の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって達成され得る。「核酸」、「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、また、遺伝子、遺伝子によってコードされるcDNA、DNAおよび/またはRNAと互換的に使用されてもよい。
「ヌクレオチド配列」という用語は、DNAまたはRNAポリマーへ組み込むことができる合成、非天然または変更されたヌクレオチド塩基を場合により含有する、一本鎖または二本鎖であることができるDNAまたはRNAのポリマーを指す。DNA分子またはポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド(A、G、C、およびT)のポリマーであり、そして、RNA分子またはポリヌクレオチドは、リボヌクレオチド(A、G、CおよびU)のポリマーである。
「遺伝子」は、本開示の目的のために、遺伝子産物をコードするDNA領域、ならびに該遺伝子産物の産生を調節する全てのDNA領域を含み、そのような調節配列は、コーディング配列および/または転写配列に隣接しているか否かにかかわらない。「遺伝子」という用語は、生物学的機能と関連する核酸の任意のセグメントを指すために広く使用される。遺伝子は、コーディング配列および/またはそれらの発現に必要とされる調節配列を含む。したがって、遺伝子は、プロモーター配列、ターミネーター、翻訳調節配列、例えば、リボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、境界要素、複製起点、マトリックス付着部位ならびに遺伝子座制御領域を含むが、それらに限定される必要はない。例えば、「遺伝子」は、調節配列を含む、mRNA、機能的RNA、または特定のタンパク質を発現する核酸断片を指す。「機能的RNA」は、センスRNA、アンチセンスRNA、リボザイムRNA、siRNA、または翻訳され得ないが少なくとも1つの細胞プロセスに対する影響をなお有する他のRNAを指す。「遺伝子」はまた、例えば他のタンパク質に対する認識配列を形成する、発現されないDNAセグメントも含む。「遺伝子」は、関心対象の供給源からクローニングすることまたは公知もしくは予測された配列情報から合成することを含め様々な供給源から得られることができ、かつ、所望のパラメーターを有するように設計された配列を含んでよい。
「遺伝子発現」は、遺伝子中に含有される情報の遺伝子産物への変換を指す。それは、内在性遺伝子、異種遺伝子もしくは核酸セグメント、または導入遺伝子の細胞中での転写および/または翻訳を指す。加えて、発現は、センス(mRNA)または機能的RNAの転写および安定な蓄積を指す。発現はまた、タンパク質の産生を指してもよい。「変更されたレベルの発現」という用語は、正常または非形質転換の細胞または生物の場合とは異なる、トランスジェニック細胞または生物における発現のレベルを指す。
遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNAまたは任意の他のタイプのRNA)またはmRNAの翻訳によって産生されるタンパク質であることができる。遺伝子産物はまた、キャップ形成、ポリアデニル化、メチル化、および編集などのプロセスによって修飾されたRNA、ならびに、例えばメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADP-リボース化、ミリスチル化、およびグリコシル化によって修飾されたタンパク質も含む。「RNA転写物」という用語は、DNA配列のRNAポリメラーゼ触媒転写から生じる産物を指す。RNA転写物がDNA配列の完全な相補性コピーであるとき、それは一次転写物と称されるか、または、それは一次転写物の転写後プロセシングに由来するRNA配列であることができ、成熟RNAと称される。「メッセンジャーRNA」(mRNA)は、イントロンを伴わずかつ細胞によってタンパク質へと翻訳されることができるRNAを指す。「cDNA」は、mRNAに相補的でありかつそれに由来する一本鎖または二本鎖DNAを指す。「機能的RNA」は、センスRNA、アンチセンスRNA、リボザイムRNA、siRNA、または翻訳され得ないが少なくとも1つの細胞プロセスに対する影響をなお有する他のRNAを指す。
「コーディング配列」、または選択されたポリペプチドを「コードする」配列は、適切な調節配列の制御下に置かれたときにインビボでポリペプチドへ転写(DNAの場合)および翻訳(mRNAの場合)される核酸分子である。コーディング配列の境界は、5'(アミノ)末端の開始コドンおよび3'(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コーディング配列は、限定されないが、ウイルス、原核生物または真核生物のmRNA由来のcDNA、ウイルス(例えば、DNAウイルスおよびレトロウイルス)または原核生物のDNA由来のゲノムDNA配列、およびとりわけ合成DNA配列を含むことができる。転写終止配列は、コーディング配列の3'に位置してよい。
本開示のある特定の態様は、単離されたまたは実質的に精製された核酸組成物を包含する。本開示の文脈において、「単離された」または「精製された」DNA分子またはRNA分子は、そのネイティブ環境から離れて存在しそれ故に天然の産物ではない、DNA分子またはRNA分子である。単離されたDNA分子またはRNA分子は、精製された形態で存在しても、非ネイティブ環境中に、例えばトランスジェニック宿主細胞中に存在してもよい。例えば、「単離された」または「精製された」核酸分子は、組換え技術によって産生されたときには他の細胞材料、もしくは培養培地を実質的に含まず、または、化学合成されたときには化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。一態様において、「単離された」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNAにおいて、その核酸に天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5'端および3'端に位置する配列)を含まない。
「断片」とは、インタクトな完全長ポリペプチド配列および構造の一部だけからなる、ポリペプチドを意図する。断片は、ネイティブポリペプチドのC-末端欠失、N-末端欠失、および/または内部欠失を含むことができる。タンパク質の断片は、一般に、完全長分子の少なくとも約5~10連続アミノ酸残基、好ましくは完全長分子の少なくとも約15~25連続アミノ酸残基、最も好ましくは完全長分子の少なくとも約20~50もしくはより多い連続アミノ酸残基、または5アミノ酸~完全長配列の間の任意の整数を含む。
本開示のある特定の態様は、単離されたまたは実質的に精製された核酸組成物を包含する。本開示の文脈において、「単離された」または「精製された」DNA分子またはRNA分子は、そのネイティブ環境から離れて存在しそれ故に天然の産物ではない、DNA分子またはRNA分子である。単離されたDNA分子またはRNA分子は、精製された形態で存在しても、非ネイティブ環境中に、例えばトランスジェニック宿主細胞中に存在してもよい。例えば、「単離された」または「精製された」核酸分子は、組換え技術によって産生されたときには他の細胞材料または培養培地を実質的に含まず、または、化学合成されたときには化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。一態様において、「単離された」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNAにおいて、その核酸に天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5'端および3'端に位置する配列)を含まない。
「天然に存在する」は、人工的に産生されるのではなく天然に見いだされることができる組成物を説明するために使用される。例えば、天然の供給源から単離されることができかつ実験室で人為的に修飾されていない、生物中に存在するヌクレオチド配列は、天然に存在する。
「調節配列」および「好適な調節配列」は、各々、コーディング配列の上流(5'非コーディング配列)、コーディング配列内、またはコーディング配列の下流(3'非コーディング配列)に位置するヌクレオチド配列、および、関連するコーディング配列の転写、RNAプロセシングもしくは安定性、または翻訳に影響を与えるヌクレオチド配列を指す。調節配列は、エンハンサー、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、およびポリアデニル化シグナル配列を含む。これらは、天然配列および合成配列も、合成配列と天然配列の組み合わせであり得る配列も含む。
「5'非コーディング配列」は、コーディング配列の5'側(上流)に位置するヌクレオチド配列を指す。それは、開始コドンの上流にある完全にプロセシングされたmRNA中に存在し、かつ、一次転写物のmRNAへのプロセシング、mRNA安定性または翻訳効率に影響を及ぼし得る。「3'非コーディング配列」は、コーディング配列の3'(下流)に位置するヌクレオチド配列を指し、かつ、ポリアデニル化シグナル配列、およびmRNAプロセシングまたは遺伝子発現に影響を及ぼすことができる調節シグナルをコードする他の配列を含み得る。ポリアデニル化シグナルは、通常、mRNA前駆体の3'端へのポリアデニル酸トラクトの付加に影響を及ぼすことを特徴とする。「翻訳リーダー配列」という用語は、プロモーターとRNAに転写されるコーディング配列との間の遺伝子のDNA配列部分を指し、翻訳開始コドンの上流(5')にある完全にプロセシングされたmRNA中に存在する。翻訳リーダー配列は、一次転写物のmRNAへのプロセシング、mRNA安定性または翻訳効率に影響を及ぼし得る。
「プロモーター」は、RNAポリメラーゼおよび適正な転写に必要とされる他の因子に対する認識を提供することによってコーディング配列の発現を指令および/または制御する、通常そのコーディング配列の上流(5')にある、ヌクレオチド配列を指す。「プロモーター」は、TATAボックスと転写開始の部位を特定するのに役立つ他の配列とからなる短いDNA配列である最小プロモーターを含み、それに対して調節エレメントが発現の制御のために付加される。「プロモーター」はまた、コーディング配列または機能的RNAの発現を制御することができる、最小プロモータープラス調節エレメントを含むヌクレオチド配列も指す。このタイプのプロモーター配列は、近位およびより遠位の上流エレメントからなり、後者のエレメントは、しばしば、エンハンサーと称される。したがって、「エンハンサー」は、プロモーター活性を刺激することができ、かつ、プロモーターの生来のエレメントであってもプロモーターのレベルまたは組織特異性を増強するために挿入される異種のエレメントであってもよい、DNA配列である。それは、両方の配向(正常または反転)で作動することができ、プロモーターから上流または下流のいずれかに動かされた場合でさえ機能することができる。エンハンサーおよび他の上流プロモーターエレメントは両方とも、それらの効果を媒介する配列特異的DNA結合タンパク質と結合する。プロモーターは、それらの全体がネイティブ遺伝子に由来しても、天然に見いだされる異なるプロモーターに由来する異なるエレメントから構成されても、さらには合成DNAセグメントから構成されてもよい。プロモーターはまた、生理学的または発生学的条件に応じて転写開始の有効性を制御するタンパク質因子の結合に関与するDNA配列を含有してもよい。「構成的発現」は、構成的プロモーターを使用した発現を指す。「条件付き発現」および「調節された発現」は、調節プロモーターによって制御された発現を指す。
「機能的に連結されている」は、配列の1つの機能が別の配列によって影響されるような、単一核酸断片上での核酸配列の相互作用を指す。例えば、調節DNA配列がコーディングDNA配列の発現に影響を及ぼす(すなわち、コーディング配列または機能的RNAがプロモーターの転写制御下にある)ように2つの配列が位置している場合、その調節DNA配列は、RNAまたはポリペプチドをコードするDNA配列「に機能的に連結されている」または「と相互作用する」と言われる。コーディング配列は、調節配列にセンス方向またはアンチセンス方向で機能的に連結されることができる。
「発現」は、内在性遺伝子、異種遺伝子もしくは核酸セグメント、または導入遺伝子の細胞中での転写および/または翻訳を指す。加えて、発現は、センス(mRNA)または機能的RNAの転写および安定な蓄積を指す。発現はまた、タンパク質の産生を指してもよい。「変更されたレベルの発現」という用語は、正常細胞または生物の場合とは異なる、細胞または生物における発現のレベルを指す。
配列比較のために、典型的には、1つの配列が、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用するとき、試験配列および参照配列がコンピューターに入力され、部分配列座標が必要に応じて指定され、そして、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についての配列同一性パーセントを算出する。
2以上の核酸またはポリヌクレオチド間の配列関係を説明するために以下の用語が使用される:(a)「参照配列」、(b)「比較ウィンドウ」、(c)「配列同一性」、(d)「配列同一性の割合」、および(e)「実質的な同一性」。本明細書において使用される場合、「参照配列」は、配列比較の基準として使用される規定の配列である。参照配列は、特定された配列の部分集合であっても全体であってもよい(例えば、完全長cDNAもしくは遺伝子配列のセグメント、または完全なcDNAもしくは遺伝子配列として)。本明細書において使用される場合、「比較ウィンドウ」は、ポリヌクレオチド配列の連続しかつ特定されたセグメントに言及し、ここで、比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列は、2つの配列の最適なアライメントのために、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。一般に、比較ウィンドウは、少なくとも20連続ヌクレオチド長であり、場合により30、40、50、100、またはより長くてよい。当業者は、ポリヌクレオチド配列へのギャップの包含が原因の参照配列に対する高い類似性を回避するために、典型的にはギャップペナルティが導入されてマッチの数から差し引かれることを理解する。
比較のための配列のアライメントの方法は、当技術分野において周知である。したがって、数学アルゴリズムを使用して任意の2つの配列間の同一性パーセントを決定することができる。そのような数学アルゴリズムの非限定例は、MyersおよびMillerのアルゴリズム(Myers and Miller, CABIOS, 4, 11 (1988));Smithらの局所相同性アルゴリズム(Smith et al., Adv. Appl. Math., 2, 482 (1981));NeedlemanおよびWunschの相同性アライメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, JMB, 48, 443 (1970));PearsonおよびLipmanの類似性検索法(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 2444 (1988));KarlinおよびAltschulのアルゴリズム(Karlin and Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 2264 (1990))、KarlinおよびAltschulの修正型(Karlin and Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 5873 (1993))である。
これらの数学アルゴリズムのコンピューター実践を配列の比較に利用して、配列同一性を決定することができる。そのような実践は、限定されないが:PC/GeneプログラムのCLUSTAL(Intelligenetics, Mountain View, Calif.から入手可能);ALIGNプログラム(Version 2.0)、ならびにWisconsin Genetics Software Package, Version 8のGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、およびTFASTA(Genetics Computer Group (GCG), 575 Science Drive, Madison, Wis., USAから入手可能)を含む。これらのプログラムを使用したアライメントは、デフォルトパラメーターを使用して実施することができる。CLUSTALプログラムは、Higginsら(Higgins et al., CABIOS, 5, 151 (1989));Corpetら(Corpet et al., Nucl. Acids Res., 16, 10881 (1988));Huangら(Huang et al., CABIOS, 8, 155 (1992));およびPearsonら(Pearson et al., Meth. Mol. Biol., 24, 307 (1994))によって詳しく記載されている。ALIGNプログラムは、MyersおよびMiller(上記)のアルゴリズムに基づいている。AltschulらのBLASTプログラム(Altschul et al., JMB, 215, 403 (1990))は、KarlinおよびAltschul(上記)のアルゴリズムに基づいている。
BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードとアライメントされたときにいくらか正の値の閾値スコアTとマッチするかまたはそれを満たす、クエリ配列中の長さ「W」の短いワードを同定することによって、高スコア化配列ペア(HSP)を最初に同定することを伴う。「T」は、隣接ワードスコア閾値と称される。これらの開始隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見いだす検索を開始するためのシードとして作用する。次いで、ワードヒットは、累積アライメントスコアが増加できる限り、各配列に沿って両方向に延長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列に関しては、パラメーター「M」(一対のマッチする残基に関する報酬スコア;常に>0)および「N」(ミスマッチ残基に関するペナルティスコア;常に<0)を使用して算出される。アミノ酸配列に関しては、累積スコアを算出するためにスコア化マトリックスが使用される。各方向へのワードヒットの延長は、累積アライメントスコアがその最大達成値から量「X」だけ外れたときか、累積スコアが1つまたは複数の負のスコア化残基アライメントの蓄積によってゼロ以下になったときか、またはいずれかの配列の末端に到達したときに、停止される。
配列同一性パーセントを算出することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計分析も実施する。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のマッチが偶然起こる確率の指標を提供する、最小和確率(P(N))である。例えば、試験核酸配列を参照核酸配列と比較した際の最小和確率が約0.1未満、約0.01未満、またはさらに約0.001未満である場合、試験核酸配列は、参照配列と類似していると見なされる。
比較目的のためのギャップのあるアライメントを得るために、Gapped BLAST(BLAST 2.0における)を利用することができる。代替的に、PSI-BLAST(BLAST 2.0における)を使用して、分子間の距離関係を検出する繰り返し検索を実施することもできる。BLAST、Gapped BLAST、PSI-BLASTを利用するとき、それぞれのプログラム(例えば、ヌクレオチド配列についてBLASTN、タンパク質についてBLASTX)のデフォルトパラメーターを使用することができる。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとしてワード長(W)11、期待値(E)10、カットオフ100、M=5、N=-4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、デフォルトとしてワード長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリクスを使用する。また、検査によって手動でアライメントを実施してもよい。
本開示の目的のために、本明細書に開示されるプロモーター配列に対する配列同一性パーセントを決定するためのヌクレオチド配列の比較を、そのデフォルトパラメーターでBlastNプログラム(バージョン1.4.7以降)または任意の等価なプログラムを使用して行ってよい。「等価なプログラム」とは、問題となっている任意の2つの配列について、プログラムによって生成された対応するアライメントと比較したときに同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基マッチおよび同一の配列同一性パーセントを有するアライメントを生成する、任意の配列比較プログラムを意図する。
本明細書において使用される場合、2つの核酸またはポリペプチド配列の文脈の「配列同一性」または「同一性」は、配列比較アルゴリズムまたは目視検査によって測定した場合に、特定された比較ウィンドウ上で最大の対応となるようアライメントされたときに同じである、2つの配列中の残基の特定の割合について言及する。配列同一性の割合がタンパク質に関して使用されるとき、同一でない残基位置はしばしば、保存的アミノ酸置換(アミノ酸残基が類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基に置換され、それ故に分子の機能的特性を変化させない)によって異なることが認識される。配列が保存的置換で異なるとき、配列同一性パーセントは置換の保存的性質を修正するように上方調整されてよい。そのような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有すると言われる。この調整を行うための手段は当業者に周知である。典型的には、これは保存的置換を完全ではなく部分ミスマッチとしてスコアリングし、それによって配列同一性の割合を増加させることを伴う。したがって、例えば、同一のアミノ酸に1のスコアが与えられ、非保存的置換に0のスコアが与えられる場合、保存的置換には0~1の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコアリングは、例えばプログラムPC/GENE(Intelligenetics, Mountain View, Calif.)で実行されるように算出される。
本明細書において使用される場合、「配列同一性の割合」は、比較ウィンドウ上で最適にアライメントされた2つの配列を比較することによって決定された値を意味し、ここで、比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアライメントのために、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。割合は、両配列中に同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が存在する位置の数を決定し、マッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を比較のウィンドウ中の位置の総数で割り、結果に100を掛け、配列同一性の割合を求めることによって算出される。
ポリヌクレオチド配列の「実質的な同一性」という用語は、標準パラメーターを使用した記載のアライメントプログラムの1つを使用して、ポリヌクレオチドが、参照配列と比較して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、または94%、またはさらに少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。当業者は、コドン縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレーム配置などを考慮することによって、これらの値を適切に調整し、2つのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質の対応する同一性を決定することができることを認識するであろう。これらの目的のためのアミノ酸配列の実質的な同一性は、通常、少なくとも70%、80%、90%、またはさらに少なくとも95%の配列同一性を意味する。
「実質的な同一性」という用語は、ペプチドの文脈において、ペプチドが、特定された比較ウィンドウ上で参照配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、または94%、またはさらに95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する配列を含むことを示す。ある特定の態様において、最適なアライメントは、NeedlemanおよびWunschの相同性アライメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, JMB, 48, 443 (1970))を使用して実行される。2つのペプチド配列が実質的に同一であるということの指標は、1つのペプチドが第二のペプチドに対して作製された抗体と免疫学的に反応性であることである。したがって、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、1つのペプチドは第二のペプチドと実質的に同一である。したがって、本開示はまた、本明細書に提示される核酸分子およびペプチドと実質的に同一である核酸分子およびペプチドを提供する。
ヌクレオチド配列が実質的に同一であるということの別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズする場合である。核酸のハイブリダイゼーションは、以下により詳細に考察する。
オリゴヌクレオチドプローブ
本明細書において使用される場合、「プライマー」、「プローブ」、および「オリゴヌクレオチド」は、互換的に使用される。「核酸プローブ」または「核酸に特異的なプローブ」という用語は、関心対象の標的化配列をコードする核酸配列に対して少なくとも約80%、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%の連続配列同一性または相同性を有する核酸配列を指す。本開示のプローブ(またはオリゴヌクレオチドまたはプライマー)は、少なくとも約8ヌクレオチド長(例えば少なくとも約8~50ヌクレオチド長、例えば少なくとも約10~40、例えば少なくとも約15~35ヌクレオチド長)である。本開示のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーは、関心対象の標的化配列に対して少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%の連続同一性を有する、オリゴヌクレオチドの3'の少なくとも約8ヌクレオチドを含み得る。
プライマー対は、PCRを使用した特定のSNPのヌクレオチド配列の決定に有用である。SNPそれ自体の増幅DNA合成を開始するために、一本鎖DNAプライマーの対を、SNP内または周囲の配列にアニーリングすることができる。
プロセスの第一の工程は、患者から得られた生理学的試料(その試料は、核酸を含有する)をオリゴヌクレオチドプローブと接触させてハイブリダイズしたDNAを形成することを含む。本開示の方法において有用であるオリゴヌクレオチドプローブは、約4もしくは6塩基~最大約80もしくは100塩基またはより多い塩基からなる任意のプローブであることができる。本開示の一態様において、プローブは、約10~約20塩基である。
プライマーそれ自体を、当技術分野において周知である技術を使用して合成することができる。一般に、市販されているオリゴヌクレオチド合成機を使用してプライマーを製造することができる。
本開示のプライマーまたはプローブを、当業者に公知の技術を使用して標識することができる。例えば、開示のアッセイに使用される標識は、一次標識(この場合、標識は直接検出されるエレメントを含む)であることも、二次標識(この場合、検出される標識は、一次標識に結合する、例えば、免疫学的標識においてよく見られるような)であることもできる。標識(「タグ」とも呼ばれる)、タグ化または標識化の手順、および標識の検出の概論は、Polak and Van Noorden (1997) Introduction to Immunocytochemistry, second edition, Springer Verlag, N.Y.およびHaugland (1996) Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, a combined handbook and catalogue Published by Molecular Probes, Inc., Eugene, Oregに見いだされる。一次標識および二次標識は、非検出エレメントならびに検出エレメントを含むことができる。本開示における有用な一次標識および二次標識は、スペクトル標識、例えば、蛍光色素(例えば、フルオレセインおよび誘導体、例えばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)およびOregon Green(商標)、ローダミンおよび誘導体(例えば、Texas red、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)など)、ジゴキシゲニン、ビオチン、フィコエリスリン、AMCA、CyDyes(商標)など)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14C、32P、33P)、酵素(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、スペクトル発色標識、例えば金コロイドまたは着色ガラスもしくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス)ビーズを含むことができる。標識を、当技術分野において周知の方法に従って、検出アッセイの成分(例えば、標識核酸)に直接的または間接的にカップリングさせてよい。上に示した通り、多種多様な標識を使用してよく、標識の選択は、必要とされる感度、化合物とのコンジュゲーションの容易性、安定性要件、利用可能な計測装置、および廃棄規定に依存する。
一般に、プローブ-基質核酸ハイブリダイゼーションをモニタリングする検出器は、使用される特定の標識に適合される。典型的な検出器は、分光光度計、光電管およびフォトダイオード、顕微鏡、シンチレーションカウンター、カメラ、フィルムなど、ならびにそれらの組み合わせを含む。好適な検出器の例は、当業者に公知の様々な商業的供給源から広く入手可能である。通常、結合した標識核酸を含む基質の光学画像は、後続のコンピューター解析のためにデジタル化される。
好ましい標識は、(1)化学発光(分解産物として光子を産生する基質と共にセイヨウワサビペルオキシダーゼおよび/またはアルカリホスファターゼを使用)(キットは、例えば、Molecular Probes、Amersham、Boehringer-Mannheim、およびLife Technologies/Gibco BRLから入手可能);(2)色生成(着色沈殿物を産生する基質と共にセイヨウワサビペルオキシダーゼおよび/またはアルカリホスファターゼの両方を使用)(キットは、Life Technologies/Gibco BRL、およびBoehringer-Mannheimから入手可能);(3)半蛍光(hemifluorescence)(例えば、アルカリホスファターゼおよびその基質AttoPhos(Amersham)または蛍光生成物を産生する他の基質を使用)、(4)蛍光(例えば、Cy-5(Amersham)、フルオレセイン、および他の蛍光標識を使用);(5)放射活性(キナーゼ酵素または他の末端標識化アプローチ、ニックトランスレーション、ランダムプライミング、またはPCRを使用して放射活性分子を標識核酸に組み込む)を使用する標識を含む。標識化および検出のための他の方法は、当業者に容易に明らかとなろう。
蛍光標識を使用することができ、そして、これは取扱い上の注意がほとんど必要とされないという利点を有し、高スループット画像化技術(コンピューターを含む集積システムにおける分析用の画像のデジタル化を含む光学分析)に適応可能である。好ましい標識は、典型的には、以下のうちの1つまたは複数によって特徴付けられる:標識化における、高い感度、高い安定性、低いバックグラウンド、低い環境感度、および高い特異度。本開示の標識に組み込まれる蛍光部分は、Texas red、ジキソゲニン(dixogenin)、ビオチン、1-および2-アミノナフタレン、p,p'-ジアミノスチルベン、ピレン、第四級フェナントリジン塩、9-アミノアクリジン、p,p'-ジアミノベンゾフェノンイミン、アントラセン、オキサカルボシアニン、メロシアニン、3-アミノエキレニン、ペリレン、ビス-ベンゾオキサゾール、ビス-p-オキサゾリルベンゼン、1,2-ベンゾフェナジン、レチノール、ビス-3-アミノピリジニウム塩、ヘレブリゲニン、テトラサイクリン、ステロフェノール(sterophenol)、ベンズイミダゾリルフェニルアミン、2-オキソ-3-クロメン、インドール、キサンテン、7-ヒドロキシクマリン、フェノキサジン、サリチル酸、ストロファンチジン、ポルフィリン、トリアリールメタン、フラビンおよび多くの他のものを含め、一般に公知である。多くの蛍光標識が、SIGMA Chemical Company (Saint Louis, MO)、Molecular Probes、R&D systems (Minneapolis, MN)、Pharmacia LKB Biotechnology (Piscataway, NJ)、CLONTECH Laboratories, Inc. (Palo Alto, CA)、Chem Genes Corp.、Aldrich Chemical Company (Milwaukee, WI)、Glen Research, Inc.、GIBCO BRL Life Technologies, Inc. (Gaithersberg, MD)、Fluka ChemicaBiochemika Analytika (Fluka Chemie AG, Buchs, Switzerland)、およびApplied Biosystems(商標)(Foster City, CA)、ならびに当業者に公知の多くの他の商業的供給源から市販されている。
標識を検出および定量化する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、標識が放射活性標識である場合、検出手段は、オートラジオグラフィーの場合と同様、シンチレーションカウンターまたは写真フィルムを含む。標識が光学的に検出可能である場合、典型的な検出器は、顕微鏡、カメラ、光電管およびフォトダイオードならびに広く入手可能である多くの他の検出システムを含む。
多種多様な塩基配列のいずれかを有するオリゴヌクレオチドプローブを、当技術分野において周知である技術に従って調製してよい。オリゴヌクレオチドプローブを調製するための好適な塩基を、天然に存在するヌクレオチド塩基、例えばアデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、およびチミン;ならびに天然に存在しないまたは「合成」ヌクレオチド塩基、例えば7-デアザ-グアニン、8-オキソ-グアニン、6-メルカプトグアニン、4-アセチルシチジン、5-(カルボキシヒドロキシエチル)ウリジン、2'-O-メチルシチジン、5-カルボキシメチルアミノ-メチル-2-チオリジン(thioridine)、5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン、ジヒドロウリジン、2'-O-メチルプソイドウリジン、β,D-ガラクトシルクエオシン(galactosylqueosine)、2'-O-メチルグアノシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、1-メチルアデノシン、1-メチルプソイドウリジン、1-メチルグアノシン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアノシン、2-メチルアデノシン、2-メチルグアノシン、3-メチルシチジン、5-メチルシチジン、N6-メチルアデノシン、7-メチルグアノシン、5-メチルアミノメチルウリジン、5-メトキシアミノメチル-2-チオウリジン、β,D-マンノシルクエオシン(mannosylqueosine)、5-メトキシカルボニルメチルウリジン、5-メトキシウリジン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデノシン、N-((9-β-D-リボフラノシル-2-メチルチオプリン-6-イル)カルバモイル)トレオニン、N-((9-β-D-リボフラノシルプリン-6-イル)N-メチル-カルバモイル)トレオニン、ウリジン-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウリジン-5-オキシ酢酸、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウリジン、クエオシン、2-チオシチジン、5-メチル-2-チオウリジン、2-チオウリジン、2-チオウリジン、5-メチルウリジン、N-((9-β-D-リボフラノシルプリン-6-イル)カルバモイル)トレオニン、2'-O-メチル-5- メチルウリジン、2'-O-メチルウリジン、ワイブトシン、および3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジンから選択してよい。DNA、RNA(けれどもRNAはDNAより好ましくない)、修飾糖(例えば炭素環、ならびにフルオロおよびメトキシなどの2'置換を含有する糖)を含む、任意のオリゴヌクレオチド骨格を採用してよい。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド間架橋リン酸残基の少なくとも1つまたは全てが修飾ホスホン酸、例えばホスホン酸メチル、ホスホロチオ酸メチル、ホスホロイノホリダート(phosphoroinorpholidates)、ホスホロピペラジダート(phosphoropiperazidates)およびホスピロアミダート(phosplioramidates)(例えば、1つ置きのヌクレオチド間架橋リン酸残基が記載の通り修飾されていてよい)であるオリゴヌクレオチドであってよい。オリゴヌクレオチドは、Nielsen et al., Science, 254:1497-1500 (1991)に記載のような「ペプチド核酸」であってよい。
本明細書において使用される場合、「単一塩基対伸長プローブ」は、単一ヌクレオチド多型(すなわち、A/G多型のAまたはGのいずれか)を選択的に認識する核酸である。一般に、これらのプローブは、プライマーの組み込みによってフルオロフォアが放出されるように修飾された、DNAプライマー(例えば、PCRプライマーの場合と同様)の形態をとる。この一例は、試料中の標的配列の量を測定するためにTaqポリメラーゼ酵素の5'エキソヌクレアーゼ活性を使用するTaqman(登録商標)プローブである。TaqMan(登録商標)プローブは、5'端にてレポーターフルオロフォアで、3'端にてクエンチャーフルオロフォアで標識されている、18~22bpのオリゴヌクレオチドプローブからなる。PCR鎖へのプローブ分子の組み込み(プローブセットがPCRプライマーの混合物に含有されるために起こる)は、レポーターフルオロフォアをクエンチャーの影響から解放する。プライマーは、標的結合部位を認識することができなければならない。いくつかのプライマー伸長プローブは、完全なPCR伸長サイクルなしに、DNAポリメラーゼによって直接「活性化される」ことができる。
唯一の要件は、オリゴヌクレオチドプローブが、少なくとも一部がDNA試料の配列の分かっている部分に結合することができる配列を持つべきことである。本開示によって提供される核酸プローブは、多数の目的に有用である。
核酸を検出する方法
A.増幅
本開示の方法によれば、生理学的試料中に存在するDNAの増幅は、当技術分野において公知の任意の手段によって行ってよい。好適な増幅技術の例は、限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(RNA増幅については、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を含む)、リガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅、転写に基づく増幅、自家持続配列複製法(または「3SR」)、Qbetaレプリカーゼ系、核酸配列に基づく増幅(または「NASBA」)、修復連鎖反応(または「RCR」)、およびブーメランDNA増幅(または「BDA」)を含む。
増幅産物に組み込まれる塩基は、天然塩基であっても修飾塩基(増幅の前または後に修飾される)であってもよく、そして、塩基は、後続の電気化学検出工程を最適化するよう選択されてよい。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を公知の技術に従って行ってよい。例えば、米国特許第4,683,195号;第4,683,202号;第4,800,159号;および第4,965,188号を参照されたい。一般に、PCRは、まず、核酸試料を(例えば、熱安定DNAポリメラーゼの存在下で)、検出されるべき特定の配列の各鎖に対する1つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、各核酸鎖に相補的である各プライマーの伸長産物が合成されるようなハイブリダイズ条件下で処理する工程であって、各プライマーから合成される伸長産物が、その相補体から分離されると、他方のプライマーの伸長産物の合成のための鋳型として役立つことができるように、該プライマーが特定の配列の各鎖にハイブリダイズするのに十分に相補的である工程;次いで、試料を変性条件下で処理して、検出されるべき配列が存在する場合にプライマー伸長産物をそれらの鋳型から分離する工程を伴う。これらの工程は、所望の増幅の程度が得られるまで周期的に繰り返される。増幅された配列の検出は、反応産物にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドプローブ(例えば、本開示のオリゴヌクレオチドプローブ)を反応産物に加える工程であって、該プローブが検出可能な標識を有する、工程;次いで、公知の技術に従って標識を検出する工程によって行ってよい。放射性標識、酵素標識、および蛍光標識などの、核酸に組み込まれるかまたはそれに機能的に連結されることができる種々の標識が当技術分野において周知である。増幅されるべき核酸がRNAである場合、公知の技術に従った逆転写酵素によるDNAへの初期変換によって、増幅を行ってよい。
鎖置換増幅(SDA)を公知の技術に従って行ってよい。例えば、単一の増幅プライマーまたは一対の増幅プライマーでSDAを行ってよく、指数関数的増幅は後者で達成される。一般に、SDA増幅プライマーは、5'から3'方向に、フランキング配列(そのDNA配列は重要でない)と、反応に採用される制限酵素のための制限部位と、増幅および/または検出されるべき標的配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド配列(例えば、本開示のオリゴヌクレオチドプローブ)とを含む。制限酵素の認識部位への結合を容易にするのに役立ちかつ制限部位に切り目を入れた後にDNAポリメラーゼプライミング部位を提供するフランキング配列は、一態様において、約15~20ヌクレオチド長である。制限部位は、SDA反応において機能的である。オリゴヌクレオチドプローブ部分は、本開示の一態様において、約13~15ヌクレオチド長である。
また、リガーゼ連鎖反応(LCR)を公知の技術に従って行うこともできる。一般に、反応は、二対のオリゴヌクレオチドプローブで行われる:一方の対は、検出されるべき配列の一方の鎖に結合し;他方の対は、検出されるべき配列の他方の鎖に結合する。各対は共に、それが対応する鎖と完全に重複する。反応は、まず、検出されるべき配列の鎖を変性(例えば、分離)し、次いで、その鎖を二対のオリゴヌクレオチドプローブと、熱安定リガーゼの存在下で、オリゴヌクレオチドプローブの各対が一緒に結紮されるように反応させ、次いで、反応産物を分離し、そして、次いで、配列が所望の程度に増幅されるまでそのプロセスを周期的に繰り返すことによって行われる。次いで、検出を、PCRに関して上記したものと同じように行ってよい。
本開示の方法に従って、この遺伝子座の特定のSNPが検出される。本開示の方法において有用である技術は、限定されないが、直接DNA配列決定、PFGE分析、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)、ドットブロット分析および変性剤濃度勾配ゲル電気泳動を含み、かつ、当業者に周知である。
DNA配列変動を検出するために使用できる方法がいくつかある。手動配列決定または自動蛍光配列決定のいずれかの直接DNA配列決定で配列変動を検出することができる。別のアプローチは、一本鎖高次構造多型アッセイ(SSCA)である。この方法は、全ての配列変化を検出するわけではないが(とりわけDNA断片サイズが200bpよりも大きい場合に)、最も大きいDNA配列変動を検出するよう最適化できる。検出感度の低下は、欠点であるが、SSCAで処理量の増加が可能であることから、SSCAは、研究ベースでの変異検出用の直接配列決定に代わる魅力的で実行可能な代替手段となっている。次いで、SSCAゲル上で変化した移動度を有する断片が配列決定され、DNA配列変動の正確な性質が決定される。2つの相補性DNA鎖間のミスマッチの検出に基づく他のアプローチは、クランプされた変性ゲル電気泳動(CDGE)、ヘテロ二重鎖分析(HA)および化学的ミスマッチ切断(CMC)を含む。変異が分かれば、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーションなどのアレル特異的検出アプローチを利用して、その同じ変異について多数の他の試料を容易にスクリーニングすることができる。そのような技術は、金ナノ粒子で標識されたプローブを利用して、目視できる色彩結果をもたらすことができる。
SNPの検出は、当技術分野において周知の技術を使用して所望の標的領域を配列決定することによって成し遂げられてよい。代替的に、公知の技術を使用して、患者組織由来のゲノムDNA調製物から直接遺伝子配列を増幅することができる。次いで、増幅された配列のDNA配列を決定することができる。
変異体アレルの存在を確認するための間接的であるがより完全な試験のための6つの周知の方法がある:1)一本鎖高次構造解析(SSCA);2)変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE);3)RNase保護アッセイ;4)アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO);5)ヌクレオチドミスマッチを認識するタンパク質、例えばE. coli mutSタンパク質の使用;および6)アレル特異的PCR。アレル特異的PCRのために、それらの3'端で特定のDNM1変異にハイブリダイズするプライマーが使用される。その特定の変異が存在しなければ、増幅産物は観察されない。また、増幅不応性変異システム(ARMS)を使用することもできる。また、遺伝子の挿入および欠失を、クローニング、配列決定および増幅によって検出することもできる。加えて、遺伝子または周囲のマーカー遺伝子に対する制限断片長多型(RFLP)プローブを使用して、多型断片におけるアレルの変更または挿入をスコア化することもできる。当技術分野において公知の通りの挿入および欠失を検出するための他の技術を使用することができる。
最初の3つの方法(SSCA、DGGEおよびRNase保護アッセイ)では、新たな電気泳動バンドが出現する。SSCAは、配列変化によって一本鎖分子内塩基対合で差が生じるので、差動的に移動するバンドを検出する。RNase保護は、変異体ポリヌクレオチドの2または複数のより小さい断片への切断を伴う。DGGEは、変性勾配ゲルを使用して、野生型配列と比較した変異体配列の移動速度の差を検出する。アレル特異的オリゴヌクレオチドアッセイでは、特定の配列を検出するオリゴヌクレオチドが設計され、そして、ハイブリダイゼーションシグナルの存在または非存在を検出することによってアッセイが実施される。mutSアッセイでは、タンパク質は、変異体配列と野生型配列との間のヘテロ二重鎖中のヌクレオチドミスマッチを含有する配列にのみ結合する。
本開示に係るミスマッチは、2つの鎖が100%相補性でないハイブリダイズした核酸二重鎖である。完全な相同性の欠如は、欠失、挿入、反転または置換に起因し得る。ミスマッチ検出を使用して、遺伝子またはそのmRNA産物における点変異を検出することができる。これらの技術は、配列決定よりも感度は低いが、これらは多数の試料で行うことがより簡単である。ミスマッチ切断技術の例は、RNase保護法である。リボプローブと腫瘍組織から単離されたmRNAまたはDNAのいずれかが一緒にアニーリングされ(ハイブリダイズされ)、その後、二重鎖RNA構造中のいくつかのミスマッチを検出できるRNase A酵素で消化される。RNase Aによってミスマッチが検出されると、RNase Aは、ミスマッチの部位で切断する。したがって、アニーリングされたRNA調製物が電気泳動ゲルマトリックス上で分離されるとき、ミスマッチがRNase Aによって検出および切断されたならば、リボプローブおよびmRNAまたはDNAについての完全長二重鎖RNAよりも小さいRNA産物が見られるだろう。リボプローブは、完全長のDNM1 mRNAまたは遺伝子である必要はないが、いずれかのセグメントであることができる。リボプローブがDNM1 mRNAまたは遺伝子のセグメントのみを含む場合、多数のこれらのプローブを使用して、ミスマッチについてmRNA配列全体をスクリーニングすることが望ましい。
同様に、DNAプローブを使用して、酵素的または化学的切断を通してミスマッチを検出することができる。代替的に、マッチした二重鎖に対するミスマッチした二重鎖の電気泳動移動度におけるシフトによってミスマッチを検出することができる。リボプローブまたはDNAプローブのいずれかを用いて、変異を含有し得る細胞のmRNAまたはDNAを、ハイブリダイゼーションの前にPCRを使用して増幅することができる。
B.ハイブリダイゼーション
「~に特異的にハイブリダイズする」という語句は、複合混合物(例えば、全細胞)DNAまたはRNA中に特定のヌクレオチド配列が存在するときに、ある分子がストリンジェントな条件下でその配列にのみ結合、二重鎖形成、またはハイブリダイズすることを指す。「実質的に結合する」は、プローブ核酸と標的核酸との間の相補性ハイブリダイゼーションを指し、標的核酸配列の所望の検出を達成するためにハイブリダイゼーション媒体のストリンジェンシーを低下させることによって適合できる小規模のミスマッチを包含する。
一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列に対する熱融解点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。しかしながら、ストリンジェントな条件は、本明細書において他で制限される通りの所望のストリンジェンシー度に応じて、約1℃~約20℃の範囲の温度を包含する。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、これらがコードするポリペプチドが実質的に同一であるならば、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが遺伝子コードによって許容される最大コドン縮退を使用して生み出されるときに、生じ得る。2つの核酸配列が実質的に同一であるという1つの指標は、第一の核酸によってコードされるポリペプチドが第二の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であるときである。
「ストリンジェントな条件」は、(1)洗浄に低いイオン強度および高い温度、例えば、0.015M NaCl/0.0015Mクエン酸ナトリウム(SSC);0.1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を50℃で採用するもの、または(2)ハイブリダイゼーションの間にホルムアミドなどの変性剤、例えば、50%ホルムアミドを0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウムを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)と共に42℃で採用するものである。別の例は、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS、および10%デキストラン硫酸の42℃での使用と共に、0.2×SSCおよび0.1% SDS中での42℃での洗浄である。他のストリンジェントな条件の例は、当技術分野において周知である。
サザンおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈における「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存的であり、かつ、異なる環境パラメーター下で異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。熱融解点(Tm)は、標的配列の50%が完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下)である。特異性は、典型的には、ハイブリダイゼーション後の洗浄と相関しており、重要な因子は、最終洗浄溶液のイオン強度および温度である。DNA-DNAハイブリッドについて、Tmを、Meinkoth and Wahl (1984)の等式から近似することができる;Tm 81.5℃+16.6(log M)+0.41(%GC)-0.61(% form)-500/L;式中、Mは、一価のカチオンのモル濃度であり、%GCは、DNA中のグアノシンおよびシトシンヌクレオチドの割合であり、% formは、ハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの割合であり、そして、Lは、塩基対におけるハイブリッドの長さである。Tmは、1%のミスマッチング毎に約1℃だけ低下する;したがって、Tm、ハイブリダイゼーション、および/または洗浄条件を、所望の同一性の配列にハイブリダイズするように調整することができる。例えば、>90%の同一性を有する配列を探し求める場合、Tmは10℃減少させることができる。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列およびその相補体に対するTmよりも約5℃低くなるように選択される。しかしながら、厳しくストリンジェントな条件は、Tmよりも1、2、3、または4℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができ;中程度にストリンジェントな条件は、Tmよりも6、7、8、9、または10℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができ;低ストリンジェンシー条件は、Tmよりも11、12、13、14、15、または20℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができる。等式、ハイブリダイゼーションおよび洗浄組成物、ならびに所望の温度を使用して、当業者は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーおよび/または洗浄溶液の変動が固有に記載されることを理解する。所望のミスマッチング度が45℃(水溶液)または32℃(ホルムアミド溶液)未満の温度をもたらす場合、より高い温度を使用できるようにSSC濃度は増加される。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列に対するTmよりも約5℃低くなるように選択される。
高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、72℃で約15分間の0.15M NaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、65℃で15分間の0.2×SSC洗浄である。しばしば、高ストリンジェンシー洗浄の前に、バックグラウンドプローブシグナルを除去するための低ストリンジェンシー洗浄がある。例えば、100超のヌクレオチドの二重鎖に対する中ストリンジェンシー洗浄の例は、45℃で15分間の1×SSCである。短いヌクレオチド配列(例えば、約10~50ヌクレオチド)については、ストリンジェントな条件は、典型的には、pH 7.0~8.3での約1.5M未満、約0.01~1.0M未満の塩濃度、Naイオン濃度(または他の塩)を含み、そして、温度は、典型的には、長いプローブ(例えば、>50ヌクレオチド)について、少なくとも約30℃および少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によって達成してもよい。一般に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて関係のないプローブについて観察されたものの2×(またはより高い)シグナル対ノイズ比は、特異的なハイブリダイゼーションの検出を示す。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、これらがコードするタンパク質が実質的に同一であるならば、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが遺伝子コードによって許容される最大コドン縮退を使用して生み出されるときに、生じる。
非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブに対するTmに等しくなるよう選択される。サザンまたはノーザンブロットにおけるフィルター上での100超の相補性残基を有する相補性核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントな条件の例は、50%ホルムアミド、例えば、50%ホルムアミド、1M NaCl、1% SDS中37℃でのハイブリダイゼーション、および0.1×SSC中60~65℃での洗浄である。例示的な低ストリンジェンシー条件は、30~35%ホルムアミド、1M NaCl、1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝溶液を用いた37℃でのハイブリダイゼーション、および1×~2×SSC(20×SSC=3.0M NaCl/0.3Mクエン酸三ナトリウム)中50~55℃での洗浄を含む。例示的な中程度のストリンジェンシー条件は、40~45%ホルムアミド、1.0M NaCl、1% SDS中37℃でのハイブリダイゼーション、および0.5×~1×SSC中55~60℃での洗浄を含む。
「ノーザン分析」または「ノーザンブロッティング」は、公知のプローブ、例えばオリゴヌクレオチド、DNA断片、cDNAもしくはその断片、またはRNA断片にハイブリダイズする、RNA配列を同定するために使用される方法である。ビオチン化によってまたは酵素を用いてプローブを32Pなどの放射性同位体で標識することができる。分析されるべきRNAは、通常、当技術分野において周知の標準技術を使用して、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル上で電気泳動によって分離し、ニトロセルロース、ナイロン、または他の好適なメンブランに転写し、そして、プローブとハイブリダイズすることができる。
核酸試料をオリゴヌクレオチドプローブと当業者に公知の任意の好適な手法で接触させてよい。例えば、DNA試料を溶液に可溶化して、これを、ハイブリダイゼーションを許容する条件下でオリゴヌクレオチドプローブをDNA試料と共に溶液に可溶化することによって、オリゴヌクレオチドプローブと接触させてよい。好適な条件は、当業者に周知である。代替的に、DNA試料を、固体支持体上に固定化されたオリゴヌクレオチドプローブと共に溶液に可溶化してよく、それにより、DNA試料を含有する溶液に固定化されたオリゴヌクレオチドプローブを有する固体支持体を浸漬することによって、DNA試料をオリゴヌクレオチドプローブと接触させてよい。
「基体」という用語は、プローブが付着され得る任意の固体支持体を指す。基体材料を、コーティング剤またはプローブの結合を容易にする官能基で、共有結合によってまたはそれ以外の方法で修飾してよい。好適な基体材料は、中でも、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲルおよびヒドロゲルを含む。基体は、任意の物理形状またはサイズ、例えば、プレート、ストリップ、または微粒子を有してよい。「スポット」という用語は、配列既知のプローブが付着している基体上の個別の位置を指す。スポットは、平面基体上の区域であってもよく、それは、例えば、他の微粒子から識別可能な微粒子であってもよい。「結合している」という用語は、固体基体に取り付けられていることを意味する。スクリーニングアッセイの目的のために基体上の特定の位置にスポットが取り付けられている場合、スポットは固体基体に「結合している」。
本開示のある特定の態様において、基体は、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルである。本開示のある特定の態様において、キットは、固体基体および少なくとも1つの対照プローブをさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの対照プローブは、基体上の別個のスポットに結合している。
本開示のある特定の態様において、固体基体はマイクロアレイである。「アレイ」または「マイクロアレイ」は、本明細書において同意語として使用され、基体上の1つまたは複数の識別可能なスポットに付着した複数のプローブを指す。マイクロアレイは、単一の基体または複数の基体、例えば複数のビーズまたはマイクロスフェアを含んでよい。マイクロアレイの「コピー」は、同じタイプおよび配置のプローブを含有する。
冠動脈心疾患を検出するための方法
本開示は、バイサルファイト処理したDNAを使用して、CpGジヌクレオチド反復またはCpGジヌクレオチド反復モチーフ領域のメチル化状態を判定することによる、対象がCVDを有する可能性を有するかどうかを判定するための方法であって、CpGジヌクレオチドのメチル化状態がCVDと関連する、方法を提供する。ある特定の態様において、該方法は、複数(例えば、1~10,000の間の任意の整数、例えば少なくとも100)のCpGジヌクレオチド反復モチーフ領域のメチル化状態を判定する。
種々の技術および試薬が本開示の方法において有用である。本開示の一態様において、血液試料、または血液に由来する試料、例えば、血漿、循環、末梢リンパ球などが、1つまたは複数のSNPの存在および/または1つまたは複数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態についてアッセイされる。生物学的試料はまた、唾液であることもできる。典型的には、核酸を含有する生物学的試料が準備され、試験される。
本明細書において使用される場合、「健康な」という用語は、対象が特定の病態を呈しておらず、特定の病態に罹り易い可能性が確率的に高くないことを意味する。
ある特定の態様において、本開示は、対象が冠動脈心疾患の素因を持つかまたは該疾患を有するかを検出するための方法を提供する。そのような方法は、典型的には、対象から生物学的試料を準備する工程;生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程;バイサルファイト処理したDNAを、CpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、工程;およびメチル化されていないCpGジヌクレオチドまたはメチル化されているCpGジヌクレオチドのいずれかを検出する工程であって、CpGジヌクレオチドのメチル化が冠動脈心疾患と関連する、工程を含む。そのような方法は、単一ヌクレオチド多型(SNP)(例えば、rs347027)の遺伝子型を判定する工程をさらに含むことができる。
ある特定の態様において、該方法は、バイサルファイト処理したDNAを、CpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、少なくとも1つの第二のオリゴヌクレオチドプローブが、どちらも少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブによって検出されないメチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、工程をさらに含む。
ある特定の態様において、該方法は、メチル化されていないCpGジヌクレオチドに対するメチル化されているCpGジヌクレオチドの比を決定する工程をさらに含む。ある特定の態様において、該方法は、接触工程後の増幅工程を含むことができる。ある特定の態様において、該方法は、接触工程後の配列決定工程を含むことができる。
ある特定の態様において、患者由来の生物学的試料中のバイオマーカーの存在を測定するための方法が提供される。そのような方法は、生物学的試料由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程;およびバイサルファイト処理したDNAを、CpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、少なくとも1つの第一のオリゴヌクレオチドプローブが、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドまたはメチル化されている該CpGジヌクレオチドのいずれかを検出する、工程を含むことができる。そのような方法を使用して、患者が冠動脈心疾患を有するかまたは冠動脈心疾患を発症する可能性が高いかどうかを予測することができる。
ある特定の態様において、患者由来の生物学的試料中の冠動脈心疾患(CHD)と関連するバイオマーカーの存在を予測する方法が提供される。そのような方法は、典型的には、生物学的試料から第一のアリコートを準備する工程および第一のアリコート由来のDNAとバイサルファイトとをアルカリ条件下で接触させる工程を含む。そのような方法はまた、典型的には、生物学的試料から第二のアリコートを準備する工程;ならびに、バイサルファイト処理した第一のアリコートおよび第二のアリコートを接触させる工程であって、(i) トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs347027に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(ii) 第一のアリコートを、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4937276に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(iii) 第一のアリコートを、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリ-プレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs17355663に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(iv) 第一のアリコートを、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs235807に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(v) 第一のアリコートを、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs11579814に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(vi) 第一のアリコートを、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs2275187に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(vii) 第一のアリコートを、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4336803に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;(viii) 第一のアリコートを、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、SNP rs4951158に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる;ならびに/または(ix) 第一のアリコートを、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位のCpGジヌクレオチドを含む配列に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の第一のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、かつ、第二のアリコートを、rs925613に相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の核酸プライマーと接触させる、工程を含む。
ある特定の態様において、本開示は、冠動脈心疾患(CHD)のリスクのある対象由来の核酸試料についてrs347027におけるGアレルの1つまたは複数のコピーおよびcg13078798のメチル化状態を検出するための方法であって、(a)rs347027多型のGアレルの1つまたは複数のコピーの存在を検出するために、前記ヒト対象の核酸試料についてジェノタイピングアッセイを実施する工程;および(b)cg13078798がメチル化されていないかどうかを判定するためにメチル化状態を検出するために、前記ヒトの核酸試料についてcg13078798のメチル化評価を実施する工程を含む方法を提供する。
そのような方法では、TGFBR3遺伝子内にある第1染色体の92203667位のCpGジヌクレオチド、または位置cg20636912、cg16947947、cg05916059、cg04567738、cg16603713、cg05709437、cg12081870、および/もしくはcg18070470のいずれかのメチル化と共に、第1染色体の1618766位のG、またはrs4937276、rs17355663、rs235807、rs11579814、rs2275187、rs4336803、rs4951158、および/もしくはrs925613におけるSNP多型が、CHDと関連する。
冠動脈心疾患を検出するためのキット
本開示のさらなる態様において、例えば上記の用途に使用できるプローブ、オリゴヌクレオチドまたは抗体を含有する製造品およびキットが提供される。製造品は、ラベルを備えた容器を含む。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、および試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてよい。容器は、本明細書に記載の方法を実行するのに有効である1つまたは複数の作用物質を含む組成物を収容する。容器上のラベルは、組成物を特定の用途に使用できることを示す。本開示のキットは、典型的には、上記の容器と、緩衝剤、希釈剤、フィルターおよび使用上の指示が書かれた添付文書を含む商業的および使用者の観点から望ましい材料を含む1つまたは複数の他の容器を含むであろう。
ある特定の態様において、本開示は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在を判定するためのキットを提供する。ある特定の態様において、本明細書に記載のキットは、1~10,000の間の任意の整数、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、・・・、9997、9998、9999、10,000種である多くのプライマーを含有してよい。本明細書において使用される場合、「核酸プライマー」または「核酸プローブ」または「オリゴヌクレオチド」という用語は、DNAプライマーおよびRNAプライマーの両方を包含する。ある特定の態様において、プライマーまたはプローブは、物理的に、単一の固体基体上に位置しても複数の基体上に位置してもよい。
本明細書に記載のキットは、(例えば、トランスフォーミング増殖因子β受容体III(TGFBR3)遺伝子内にある第1染色体の92203667位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)と、SNP(例えば、SNP rs347027)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。いくつかの態様において、少なくとも1つの第一の核酸プライマーは、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する。いくつかの態様において、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、SNP rs347027におけるGヌクレオチドを検出する配列を有する。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、TGFBR遺伝子内にある第1染色体の92203667位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第三の核酸プライマーをさらに含むことができる。
本明細書に記載のキットは、(例えば、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、rs4937276)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、第15染色体の遺伝子間領域内にある38364951位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs17355663)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、コエンザイムQ2 4-ヒドロキシ安息香酸ポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)遺伝子内にある第4染色体の84206068位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs235807)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、ヘパラン硫酸3-O-スルホトランスフェラーゼ4(HS3ST4)遺伝子内にある第16染色体の26146070位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs11579814)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、第1染色体の遺伝子間領域の91171013位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs2275187)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、NADHデヒドロゲナーゼ(ユビキノン)Fe-Sタンパク質5(NDUFS5)遺伝子内にある第1染色体の39491936位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs4336803)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、ホスデューシン遺伝子内にある第1染色体にマッピングされる186426136位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs4951158)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、サイクリン依存性キナーゼ18(CDK18)遺伝子内にある第1染色体の205475130位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載のキットは、(例えば、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第一の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)であって、メチル化されていない該CpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマーと、SNP(例えば、SNP rs925613)に相補的である少なくとも1つの第二の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)とを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは、(例えば、ATPase, Ca++ Transporting, Type 2C, Member 1(ATP2C1)遺伝子内にある第3染色体の130614013位の)CpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である少なくとも1つの第三の核酸プライマー(例えば、少なくとも8ヌクレオチド長)をさらに含むことができ、ここで、少なくとも1つの第二の核酸プライマーは、メチル化されている該CpGジヌクレオチドを検出する。
本明細書に記載の核酸プライマー、プローブ、またはオリゴヌクレオチドのいずれも、1つまたは複数のヌクレオチド類似体および/または1つまたは複数の合成もしくは非天然ヌクレオチドを含むことができることが認識されよう。
また、本明細書に記載のキットのいずれも固体基体を含むことができることが認識されよう。いくつかの態様において、核酸プライマーのうちの1つまたは複数を固体支持体に結合させることができる。固体支持体の例は、非限定的に、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲル、またはヒドロゲルを含む。固体支持体の追加の例は、非限定的に、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードを含む。
また、本明細書に記載のキットのいずれも1つまたは複数の検出可能な標識を含むことができることが認識されよう。いくつかの態様において、核酸プライマーのうちの1つまたは複数を、1つまたは複数の検出可能な標識で標識することができる。代表的な検出可能な標識は、非限定的に、酵素標識、蛍光標識、および発色標識を含む。
術後心イベントを予測するためのアルゴリズム
線形効果(例えば、線形回帰)または線形および非線形の両効果(例えば、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ニューラルネットワーク(例えば、ディープニューラルネットワーク、エクストリームラーニングマシン(ELM))、サポートベクターマシン、隠れマルコフモデル)を得ることができるいくつものアルゴリズムを本明細書に記載の方法に使用することができる。例えば、McKinney et al., 2011, Appl. Bioinform., 5(2):77-88; Gunther et al., 2012, BMC Genet., 13:37;およびOgutu et al., 2011, BMC Proceedings, 5(Suppl 3):S11 を参照されたい。予測のための形質の線形および/または非線形寄与を得ることができる任意のタイプの機械学習アルゴリズムまたはディープラーニングニューラルネットワークアルゴリズム(同調または非同調)を使用することができる。例えば、図14を参照されたい。いくつかの場合、アルゴリズムの組み合わせ(例えば、形質の線形および/または非線形寄与を得る複数のアルゴリズムの組み合わせまたは集合体)が使用される。
ほんの一例ではあるが、ランダムフォレスト(商標)は、「分類木」を作成するためにBreiman & Cutlerによって製作された人気の機械学習アルゴリズムである(例えば、ワールド・ワイド・ウェブで「stat.berkeley.edu/~breiman/RandomForests/cc_home.htm」を参照されたい)。標準的な機械学習および予測モデリング技術を使用して、RおよびPythonプログラミング言語で実践されるよう(多くの他のプログラミング言語で実践できるが)、Breiman & Cutlerによって詳しく記載されているガイドラインに従って、診断分類アルゴリズムを構築した。診断分類アルゴリズムを、少なくとも2つの形質(T)からのデータおよびその集団からの関心対象の診断を使用して作成した。新たな個体についての出力要素(例えば、診断)を決定するために、少なくとも2つの形質(T)に関する値を簡単に決定し、形質の線形および非線形寄与を得ることができるアルゴリズム(例えば、本明細書に記載の診断分類アルゴリズムまたは上で考察した別のアルゴリズム)にその情報を入力する。
本明細書に記載の通り、入力要素は、少なくとも1つの遺伝子型(例えば、SNP)および少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態であり、アウトカムは、CHD、CHF、脳卒中、または他の病気の陽性または陰性の確率(例えば、予測または診断)に相当することができる。アウトカムを決定するために使用される形質(T)は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態または少なくとも1つの遺伝子型(例えば、SNPの)に相当することができるが、形質(T)はまた、少なくとも1つの交互作用(例えば、メチル化状態と遺伝子型との間(CpG×SNP)、2つの異なる部位のメチル化状態間(CpG×CpG)または2つの異なる遺伝子型間(SNP×SNP))に相当することもできる。任意のそのような交互作用を、部分従属プロットを使用して可視化できることが認識されよう。
本開示は、1つまたは複数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態および1つまたは複数の遺伝子型(例えば、SNP;例えば、1つまたは複数のアレルでの)を、本明細書に記載の通り、典型的にはコンピューターを使用して評価することで、交互作用を同定でき、かつ、術後心イベントの予測が可能となる、マトリクスを構築する能力を当業者に提供することが明らかである。そのような分析は複雑であるが、全ての必要な情報が当業者にとって容易に入手可能であるかまたは本明細書に記載の実験によって取得できるかのいずれかであるため、過度の実験は必要ない。
本発明は、以下の実施例においてさらに詳述されるが、その実施例は、例証の目的で提供されるもので、本発明をいかようにも限定する意図はない。当技術分野において周知の標準技術または以下に具体的に記載される技術が利用される。本明細書に引用される全ての特許および参考文献は、それらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
実施例1:
心血管疾患の予測におけるメチル化およびG×メチル化の効果
メチル化ベースのバイオマーカーは、診断および治療法の指導に使用するためにますます臨床的魅力を増している。メチル化状態によって心血管疾患を予測するCpG遺伝子座を同定しようとして、何人かの研究者は、ゲノムワイドアプローチを臨床診断と併用した。特に、Brennerおよび共同研究者らは、F2RL3残基cg03636183を心血管疾患のバイオマーカーとして同定した(Breitling et al., "Smoking, F2RL3 methylation, and prognosis in stable coronary heart disease," Eur. Heart J., 2012, 33:2841-8)。残念ながら、これらの分析は、喫煙状況の情報が不完全であることによって完全な交絡が生じていることを示しており、遺伝分散が交絡を生じる可能性を考慮しなかった。実際に、喫煙の強度を十分に説明するバイオマーカーアプローチを使用すると、cg03636183での冠動脈心疾患シグナルは消失する。さらに、ゲノムワイドメチル化分析および遺伝分析をバイオマーカーガイド下の喫煙評価と併用して、本発明者らは、最近、心疾患情報を提供する対象の大きなコホートからのデータを分析した。本発明者らは、喫煙強度の状況と独立して、メチル化-遺伝子型交互作用(meQTL)により具体化される、遺伝との関連でのメチル化状態が、実際に、冠動脈心疾患の予測によりよく寄与すること、および局所的遺伝子変異とメチル化を組み合わせるアルゴリズムの使用が、冠動脈心疾患の予測を顕著に改善することを実証する。
実施例2
遺伝子×メチル化交互作用を組み入れることで冠動脈心疾患の存在の予測力が増大する
要約
冠動脈心疾患(CHD)は、米国における主な死亡原因である。CHDの罹患および死亡を予防するための有効な処置が存在するが、それらの臨床実施は、非効率なスクリーニング技法によって妨害されている。近年、他の人々および本発明者らは、DNAのメチル化シグネチャーが、喫煙などのCHDに関連する多様な障害の存在を推測できることを示した。残念ながら、これらのエピジェネティックな技法がCHD自体に適用されると、これらの方法の検出力が減り、それでこれらの方法の臨床的有用性が限られる。これらの失敗の起こり得る1つの理由は、遺伝子×メチル化交互作用(meQTL)効果によるCHDのエピジェネティックシグネチャーの不明瞭化であり得る。この可能性を調べるために、本発明者らは、meQTLの組み入れを採用して事前のメチル化ベースの評価の予測価値を向上することもできるかどうかを、段階的アプローチを使用して、フラミンガム心臓病研究からの遺伝的データおよびエピジェネティックなデータを分析することによって検討した。F2RL3に焦点を合わせた受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)の分析を用いた本発明者らの最初の試みにおいて、Brennerおよび共同研究者らによって以前に記載された遺伝子座に近いCpG残基cg13751927でのcis-meQTLおよびtrans-meQTLの追加は、喫煙状況のみを含んだモデルが訓練データセット中のCHDを予測する能力を有意に向上させたことを本発明者らは見出した。その後のゲノムワイドmeQTL分析により、FDRが0.05で合計3,265個のcis-meQTLおよびFDRが0.1で467,314個の有意なtrans-meQTLが特定された。本発明者らの予備分析は、6つの追加的なcis-meQTLの算入が、F2RL3のmeQTLおよび喫煙だけを用いた既存モデルのAUCをさらに向上させることを示唆している。この非最適化モデルは、正確度81.9%でCHDを予測することができる。本発明者らは、予測アルゴリズムにmeQTL情報を組み入れることで、アルゴリズムがCHDを予測する検出力を顕著に向上させることができ、モデルがCHDを予測する能力を向上させるさらなる試みが、追加的な最適化機械学習モデルを通じて可能であると結論する。
緒言
冠動脈心疾患(CHD)は、米国における主な死亡原因であり、米国経済に対するその直接費用は、2012年に1080億ドルと推定された1。過去50年にわたり、CHDを処置するためにいくつかの医薬品および装置が開発されてきた。残念ながら、致死性心イベントまでCHDの存在に気づかないせいで、毎年、数万人のアメリカ人の死亡が続いている。CHDのためのより有効なスクリーニング手法があれば、おそらく、これらの死亡のいくつかの予防をもたらすこともできる1。しかし、現時点で、空腹時脂肪パネルなどのある特定の技法の厄介さならびに/または心電図およびC反応性タンパク質レベルなどのその他の技法の限られた予測能は、CHDの同定における現行のアプローチの有効性を制限している1-3
何人かの研究者は、遺伝的アプローチであれば、CHD関連罹患および死亡を予防するための別の潜在的手段を提供することもできると提唱した4。全エクソームおよびゲノム配列決定技法を使用して、CHDの素因になるいくつかの変異体が同定されている。これらの変異体の多くによって付与される相対リスクは、しばしば多大であり、それらの存在は、予防法および治療法を指導するために有用なときがある5。しかし、大きなエフェクトサイズの変異体は、稀でありがちであり、それらの存在は、目下の疾患に特徴的ではない4。したがって、現時点で、遺伝的アプローチは、一般的医療行為において目下のCHDの存在または不在の評価のために一般的に使用されない。
あるいは、他の研究者は、エピジェネティックな技法がCHDの評価に有用であり得ると提唱した6-8。2型糖尿病、喫煙、および飲酒の存在についての複製末梢白血球DNAメチル化シグネチャーが開発されて以来9-12、この示唆は、強い表面的妥当性を有する。注目すべきことに、Brennerおよび共同研究者らは、このアプローチを使用して凝固因子II(トロンビン)受容体様3(F2RL3)中に見られるCpG残基であるcg03636183のDNAメチル化が心疾患リスクを予測すると提唱した6,13。これは生物学的に極めて真実味のある結果であるものの、彼らのその後の研究により、cg03636183でのCHD関連シグナルが、cg05575921でのDNAメチル化により指し示される喫煙状況と完全に共分離することが実証された14。cg05575921は、アリール炭化水素受容体抑制因子(AHRR)に見出されるCpG残基であって、喫煙状況に関する強い予測力は、多数の研究で実証されている15
しかし、最初に興味をそそったcg03636183の結果で、喫煙単独により付与されるリスク以外の追加的なリスクを独自に同定できないからといって、CHDの存在を評価するためのメチル化アプローチが失敗する運命にあることが意味されるわけではない。そうではなく、成功するアプローチは、よりきめ細かい必要があること、および本発明者らのメチル化状態とCHDとの関係の概念化を再考することが有効であることを、それらの結果は示唆している。例えば、Brennerのグループによる結果は、目下のCHDを予測するためのメチル化アルゴリズムが、喫煙状況の指標を含むべきであると強く示唆している。喫煙がCHDにとっての予防可能な最大のリスクファクターであるという事実を考えると16、これは、大いに論理的である。しかし追加的に、それらは、喫煙などの環境リスクファクターまたは高脂血症などの他の心臓リスクファクターへの曝露の長期効果が、遺伝子-環境交互作用によって不明瞭になる場合があることを考慮する必要があり得る。
遺伝子-環境交互作用(G×E)効果が病気に対する脆弱性の緩和に果たす役割は、おそらく行動科学の場合の方がよく認識されている。G×E効果の基本的な前提は、発生的に感受性の高い期間内の環境の影響が、遺伝との関連でシステムの生物学的性質を変化させることによって、将来的にその環境因子の不在下であっても、病気に対する高い脆弱性が存在することである17。重要なことに、遺伝的変数による交絡のために、環境変数の直接効果は一般的に検出不能である。それどころか、遺伝的変異に関連して考慮した場合のみ、直接効果を検出することができる。いくつかのG×Eの結果の強度は、議論の余地があるが、多くの研究者が、うつ病、外傷後ストレス障害および反社会的行動などの様々な行動障害の病態形成におけるこれらのG×E効果の重要性を強調し続けている18-20
これらのG×E効果の物理的基礎は、変動すると考えられる。例えば、解剖学的レベルで、行動障害についてのG×E効果は、シナプス構造における変化により出現する可能性がある21。とはいえ、分子レベルでは、G×E効果の物理的出現は、確実性が乏しい。しかし、何人かの研究者は、DNAメチル化における変化が、G×E効果の物理的効果が伝えられる1つの潜在メカニズムであり得ると示唆した22
興味深いことに、環境における行動関連変化が、DNAメチル化を変えることができ、それらの変化の度合いが遺伝的変異により影響されるという事実が、長年にわたり公知である。本発明者らの初期の候補遺伝子研究において、本発明者らは、喫煙がモノアミン作動性神経伝達の主要な調節因子であるモノアミンオキシダーゼA(MAOA)のプロモーター領域におけるDNAメチル化を変えたこと、ならびに喫煙の存在下および不在下の両方の状況で、十分に特徴づけられたプロモーター関連可変ヌクレオチドリピート(VNTR)での遺伝子型がメチル化パーセントを変更したことを示した23,24。続いて、Volkowおよび共同研究者らによって、それらの遺伝子座でのメチル化の変化が機能性であることが示された25
現在の用語法において、喫煙または基礎DNAメチル化に及ぼすVNTRの効果は、今日、遺伝子型-メチル化交互作用またはメチル化量的形質遺伝子座(meQTL)効果と呼ばれる。本発明者らが自分たちの最初のゲノムワイド研究を行ったときに、これらのMAOAのmeQTL効果は、本発明者らがそれらと喫煙との関係を検出する能力に結果をもたらした。喫煙に応答して喫煙がDNAメチル化において誘導する変化の大きさにかかわらず、一方の性別だけの対象からのDNAの研究であっても、MAOAのVNTR周囲のプローブは、より高い順位のプローブに含まれない。最初の研究からの他の観察も同様に教示的である。第一に、喫煙に対する局所メチル化応答は、同質でなかった。プロモーター関連アイランド中の88個のCpG残基のメチル化状態の因子分析によって、アイランドのある領域でのメチル化増加が他の領域での脱メチル化と関連する可能性もあることが示された26。最後に、DNAメチル化に及ぼす喫煙の効果は静的でなかった。将来的に、シグネチャーが崩壊する傾向があった23。したがって、これらの初期の研究から、MAOAプロモーターでの遺伝的変異が、局所DNAメチル化シグネチャーに及ぼす環境因子の効果を複雑な方法で変更することができたことが明らかであった。
続く研究は、喫煙に応答したこれらの他ならぬ複雑さの多くがゲノムワイドなレベルで明白であることを示唆している。例えば、遺伝的変異がゲノムワイドなレベルでメチル化応答の大きさに影響すること、および様々な祖先のシグネチャーからシグネチャーを複製しようとするときに、異なる祖先の対象プールにおける所与の遺伝子座で結果を複製する能力をこれらのmeQTL効果が損なう場合があることが明らかである27,28。第二に、そして同時に重要なことに、メチル化シグネチャーの復帰は、複雑である可能性がある28,29。Guidaおよび共同研究者らは、集めた745人の対象からのDNAにおいて禁煙に対するエピゲノム応答を特異的に調査し、メチル化シグネチャーが時間と共に復帰したものと復帰しなかったものという2クラスのCpG部位を見出し、ゲノムワイドなレベルで「禁煙後のメチル化変化の動態が、喫煙の強度および持続期間とは無関係な、差次的で部位特異的な大きさの喫煙誘導変化によって推進される」と結論した29。まとめると、証拠の実質的な本体は、喫煙に対するゲノムワイドなシグネチャーが、一部のみ可逆的であること、および非可逆変化の大部分がmeQTL効果の中に完全に隠れる場合があることを示唆している。
喫煙は、CHDの大きなリスクファクターであるので、このことは、CHDのリスクを緩和するエピゲノム中に存在する喫煙誘導リスクの一部が、若干非可逆的であり、meQTL応答に隠れる場合があることも示唆している。追加的に、喫煙は、CHDのリスクを変えることができるいくつかの因子のうちの1つにすぎず、これらの他の因子も複雑なエピジェネティックシグネチャーを有する場合があるので、末梢WBCのDNAメチル化の照合が、CHDのリスクを緩和する、相対的に安定なmeQTLを明らかにする場合があることは、あり得る話である。本短報において、本発明者らは、回帰分析アプローチならびにフラミンガム心臓病研究に参加した324人の対象からのエピジェネティック資源および遺伝資源を使用して、meQTL効果の追加が、アルゴリズムに寄与してCHDを予測することができるかどうかを試験した。
方法
フラミンガム心臓病研究。本研究に使用したデータは、フラミンガム心臓病研究(FHS)の参加者から得られたものである30。FHSは、心血管疾患(CVD)のリスクを理解することを目標とする長期試験であり、オリジナルコホート、オフスプリングコホート、オムニコホート、第三世代コホート、新オフスプリング配偶者コホートおよび第二世代オムニコホートを含むいくつかのコホートからなる。具体的には、オリジナルコホートの子およびその配偶者からなる、1971年に開始したオフスプリングコホートを本研究に使用した。このコホートは、男性2,483人および女性2,641人(合計5,124人)からなる31。本短報に記載する特異的分析は、アイオワ大学施設内審査委員会によって承認された。
ゲノムワイドなDNAメチル化。オフスプリングコホートの5,124人の個体のうち、DNAメチル化データを有する2,567人の個体(重複を除く)だけを考慮した。これらの個体は、フラミンガムオフスプリング第8回調査に参加し、遺伝子研究に合意し、バフィーコート試料を有し、メチル化プロファイリングのために十分な量および品質のDNAを有したので、DNAメチル化研究に算入した。第8回調査は、2005年から2008年の間に行われた。これらの個体の白血球から抽出したゲノムDNAを亜硫酸水素塩に変換し、次に、ミネソタ大学またはジョンズホプキンス大学のいずれかでIllumina HumanMethylation450 BeadChip(San Diego, CA)を使用してゲノムワイドなDNAメチル化をプロファイリングした。試料の強度データ(IDAT)ファイルをそのスライドおよびアレイ情報と一緒に使用して、MethyLumi、WateRmelonおよびIlluminaHumanMethylation450k.db Rパッケージを使用するDASEN正規化を行った32。DASEN正規化は、プローブのフィルタリング、バックグラウンド補正およびプローブタイプの調整を行う。試料が検出p値>0.05でCpG部位を>1%含有したならば、その試料を除去した。CpG部位が<3のビーズカウントを有し、かつ/または試料の>1%が検出p値>0.05を有したならば、そのCpG部位を除去した。DASEN正規化の後、2,560個の試料および484,241個の部位(484,125個のCpG部位)が残った。CpG部位を染色体毎に群分けした。Lumiパッケージ中のbeta2m R関数を使用してメチル化β値をM値に変換し、続いてRスクリプトを使用してzスコアに変換した33
ゲノムワイドな遺伝子型。DNAメチル化の品質管理後に残った2,560人の個体のうち、2,406人(男性1,100人および女性1,306人)は、Affymetrix GeneChip HumanMapping 500K Array Set(Santa Clara, CA)からのゲノムワイドな遺伝子型データを有した。このアレイは、ゲノム中の500,568個のSNPをプロファイルする能力がある。PLINKにおいて試料レベルおよびSNPプローブレベルの両方で品質管理を行った。最初の品質管理段階は、不調和な性別情報を有する個体を同定することを含んでいた。だれも同定されなかった。次に、平均±2SDよりも大きいまたは小さいヘテロ接合率を有する個体および欠測SNPの比率が>0.03の個体を除外した。家系同一性の値が>0.185(第二度近親と第三度近親の中間)ならば、血縁個体も除外した。これらの試料レベルの品質管理段階を行った後、1,599人の個体が残った(男性722人および女性877人)。プローブレベルに関して、マイナーアレル頻度>1%、Hardy-Weinberg平衡のp値>10-5およびSNP欠測率<5%を有するSNPを保持した。これらの品質管理段階の後に合計403,192個のSNPが残った。PLINKにおける再コード化オプションを使用して34、遺伝子型を0、1または2としてコードした。
表現型。メチル化量的形質遺伝子座(meQTL)分析において考慮された表現型には、年齢、性別、バッチ、タバコ煙曝露、および冠動脈心疾患(CHD)の状況が含まれる。全ての品質管理段階に合格した1,599人の個体のうち、324人が試験8でCHDを有すると記録された。これらの個体は、訓練セットであった。CHDは、診断確定または新規診断のいずれかとして記録され、個体は、フラミンガムエンドポイント審査委員会(研究者3人のパネル)が、心筋梗塞、冠不全、狭心症、CHDによる突然死、CHDによる非突然死のうちの1つが存在すると合意した場合に、CHDを有すると診断される。分析のために、個体が診断確定および/または新規診断CHDのいずれかを有した場合にCHDを1としてコードし、それ以外を0としてコードした。使用した年齢は、試験8の時点の個体の年齢であった。バッチは、メチル化プレート数であり、タバコ煙曝露は、アリール炭化水素受容体抑制因子(AHRR)喫煙バイオマーカーcg05575921のメチル化レベルであった。訓練セット中の324人の個体の人口統計を表1にまとめる。
(表1)訓練セット中の324人の個体の人口統計
Figure 0007672192000001
残りの1275人の個体は、試験データセットであった。CHDが存在しなかったならばこれらの個体のCHD状況を0としてコードし、さもなければ1としてコードした。これらの個体の人口統計を表2にまとめる。
(表2)試験データセット中の1275人の個体の人口統計
Figure 0007672192000002
メチル化の量的形質遺伝子座。RにおけるMatrixeQTLパッケージを使用して訓練セットにおけるmeQTL分析を行った35。所与のCHD状況のメチル化に及ぼすSNPの有意な効果(meQTL)を判定するために、以下のモデルが照合された。
Methi ~ 年齢 + 性別 + バッチ + cg05575921 + SNPj + CHD + SNPj * CHD
予測のために、有意なSNPj * CHDの項を有するcis-およびtrans-meQTLを保持した。分析は、年齢、性別、バッチ、タバコ煙曝露、ならびにSNPおよびCHDの主効果について調整後、所与のCHD状況における特定のメチル化部位を有意に予測する特定のSNPを明らかにすることを目標としたので、交互作用の項が特に関心対象であった。これを、MatrixeQTLパッケージにおいてモデルLINEAR_CROSSモデルタイプを使用して達成した。部位の両側でシス距離を500,000であると選択し、染色体レベルで行った。meQTL分析をゲノムワイドなレベルで、凝固因子II受容体様3(F2RL3)遺伝子について特異的に行った。CHDをよりよく予測するF2RL3について同定されたもの以外に他のmeQTLがあるかどうか判定するためにこれを行った。
受信者動作特性曲線。Rスクリプトを書いて、下に示すモデルのロジスティック回帰を行い、続いてRにおけるpROCパッケージを使用して受信者動作特性(ROC)36の曲線下面積(AUC)を計算した。名目上の0.05水準で有意なcis-meQTLおよびFDRが0.1レベルのtrans-meQTLについてこれを行った。下記モデルにおいて、各meQTLをSNP * methの項により表示する。
CHD ~ 年齢 + 性別 + バッチ + cg05575921 + SNPj + methi + SNPj * methi
CHD ~ 年齢 + 性別 + バッチ + cg05575921 + SNPj + methi + SNPj * methi
モデルの訓練。324人の個体からなる訓練データセットでモデルを訓練した。上記モデルから生成したそれらの個別のROC曲線下面積(AUC)に基づき、このモデルの変数を選択した。CHD分類についてのロジスティック回帰閾値を決定するために10分割交差検証を行った。平均正確度から、分類閾値0.5を選択した。
モデルの検定。訓練モデルパラメータおよび分類閾値を決定した後、訓練後のモデルを独立した試験データセットに適用した。試験データセット中の個体の人口統計を上に記載した。R上でモデルの検定を行った。
結果
喫煙状況についてのcg05575921。先に述べたように、喫煙は、CHDの主なリスクファクターである。過去の大部分の研究が自己申告性の喫煙尺度を使用していた一方で、これらの尺度の信頼性および情報価値は、最適未満である。したがって、信頼できない自己申告の影響を最小限にし、連続メトリックが喫煙消費量をよりよく捕捉する能力を利用するために、本発明者らは、十分に検証済みの喫煙バイオマーカーcg05575921を使用した14,15,37。cg05575921は、324人の個体において自己申告性の喫煙の強い予測因子である一方で(p値=8.71e-9、R2=0.62)、CHDの予測因子としてのcg05575921の強度は、自己申告性の喫煙状況に勝る(p値=1.64e-5、R2=0.085 vs. p値=0.00218、R2=0.042)。これは、自己申告性の喫煙状況の代わりにタバコ煙曝露を表すためのcg05575921の組み入れが、CHDを予測するための下流のモデルをさらに強化することを実証している。
メチル化量的形質遺伝子座。CHDの予測のためにメチル化と遺伝子型との間の交互作用の交絡効果を説明する重要性を、方法の項に述べたようなゲノムワイドなDNAメチル化分析が実証した。年齢、性別、バッチ、およびcg05575921について調整後、CHDは、FDRの有意水準0.05でいずれのメチル化CpG部位とも有意に関連しなかった。meQTL分析から、名目上の有意水準0.05、FDRの有意水準0.05、FDRの有意水準0.01、およびFDRの有意水準0.001で、それぞれ5,458,462個、3,265個、2,025個、および1,227個の有意なcis-meQTLがあった。同様に、FDRの有意水準0.1で467,314個の有意なtrans-meQTLがあった。これらのmeQTLのいくつかの重要性を、受信者動作特性曲線下面積を使用して実証する。
コア変数の受信者動作特性曲線(ROC)。ROC曲線は、モデルの感度と選択度との間のトレードオフを表す。遺伝変数およびエピジェネティックな変数を導入する前に、本発明者らは、meQTLモデルに使用した年齢、性別、バッチ、およびcg05575921というコア変数についてROC曲線下面積(AUC)を確定した。年齢、性別、バッチ、およびcg05575921のAUCは、それぞれ0.52、0.51、0.50、および0.64であった。集合的に、これらのコア変数は、cg05575921単独のAUCとほぼ等しい0.65というAUCをもたらした。cg05575921の代わりに自己申告性の喫煙を使用した場合、その個別のAUCおよび集合的なAUCは、それぞれ0.55および0.56である。これらの分析のROC曲線を図1に示す。したがって、1つのコア変数であるcg05575921だけをその後のモデルに算入した。
訓練データにおけるCHDの予測のROC。CHDの予測のためにcg05575921および9つのSNP-メチル化交互作用の項を使用して、0.964というROC曲線のAUCが得られた(図2参照)。モデルにcg05575921を加えたまたは加えない場合の、9つの交互作用の項およびそれらのそれぞれのAUCを表3に要約する。
(表3)最初の予測モデルの生成に使用した9つのmeQTLのリスト
Figure 0007672192000003
予測モデル。予備的ロジスティック予測モデルを使用して訓練データにおけるCHDを予測した。10分割交差検証の後、分類閾値を0.5に設定した。324人の個体のうち、欠測データが不在である理由で299人を予測に算入した。これらの299人の個体のうち、CHDを有するおよび有しないのはそれぞれ73人および226人であった。これは、皆が大多数のクラス(すなわちCHDが不在)に割り付けられたならば、予測の正確度が75.6%であることを意味する。10分割交差検証後のこの予備モデルの平均正確度は91%であったが、これは、ベースラインよりもずっと高い。
モデルの検定。訓練後のモデルを使用して1275人の個体の独自の試験データセットにおけるCHDの状況を予測した。モデルは、CHDを正確度80%で予測する能力があった。このモデルは、なお最適化されるべきである。
考察
これらの結果は、meQTLから得られたメチル化-遺伝子型交互作用の使用を通じてCHDの存在を推測することができることを実証している。しかし、結果を考察することができる前に、本研究へのいくつかの制約に言及することが重要である。第一に、フラミンガムコホートは白人のみであり、大部分の対象は、60代の半ばから後半および70代である。したがって、本結果は、他の民族または異なる年齢範囲に当てはまらない場合がある。第二に、cg05575921以外に、その他のプローブについてのM(またはB値)の妥当性は、パイロシーケンシングなどの独自の技法によって確認されていない。第三に、研究に使用されたIlluminaアレイは、もはや入手不可能である。新世代のアレイにおけるプローブの設計または入手性の変化のために、複製および拡張する能力が影響される場合がある。
本結果は、本発明者らの心疾患の理解を促すフラミンガム心臓病研究などの資源の価値を強調するものである。実際に、この資源なしでは、この種の作業は実施が不可能とはいわないまでも、困難であるというのが当を得ている。なお、この独特なデータセットを用いた本結果を考慮すれば、本短報に記載されたようなスクリーニング試験を臨床的に採用できる前に、多量の追加的な作業が必要である。最も明白には、本結果は、他のデータセットで複製および精密化され、次に、それらの意図された将来的な臨床適用を代表する研究集団で再試験されなければならない。後者のポイントが特に重要である。それは、本来疫学的に信頼できた、適切に計画されたコホート研究であっても、残りのプールのあまり重篤でない病気が富化される維持バイアスに苦しむからである。高レベルの物質使用を有する発端者の方が長期経過観察され損なうことが多いので、このことは、物質使用に関連する病気に関して特に真実である38。追加的に、SNPの頻度は民族の間で変動する可能性があるので、所与のmeQTLのエフェクトサイズも変動する場合がある。したがって、民族情報を提供する多様なコホートにおける広い試験および開発が必要である。
AUCの改善は天井に突き当たることがあり得る。皮肉にも、これは、エピジェネティックなデータおよび遺伝データの質または量とほとんど関係ない。それどころか、制約は、臨床的特徴づけにおける不確実性であり得る。悲しいことに、最良の条件下でさえ、臨床的に関連するCHDが未検出のままである可能性がある。FHSコホートについてさえ、これは真実である。結果として、本研究における「判断基準」自体が、実際の臨床状況に関して幾分不正確である。この不正確さは、関連する生物学的性質に正確に標的づけられたバイオマーカーの誤差さえも増加させるので、本発明者らがAUCを改善できることは、本発明者らがより正確な臨床評価を得られることに依存し得る39
本アプローチを使用する別の制約は、常に進化しているCHDの疫学である。CHDへの遺伝的寄与は比較的一定であるのに対し、食事および他の環境曝露は、世代にわたり変動し続ける。本試験の予測力への喫煙の寄与を前世代において考慮することによることが、おそらく、この制約の最良の実例であることができる。タバコは、1500年前半に新世界からヨーロッパに導入されたので、本発明者らは、中世ヨーロッパにおけるCHDへの喫煙の寄与は限定的であり、したがって、予測力に対するcg05575921の影響はゼロであったと自信をもって述べることができる。対照的に、1960年代には米国成人の40%超が喫煙していたので40、cg05575921によって捕捉されるようなCHDの予測への喫煙行動の寄与は、その時代の対象の方が有意に大きかった可能性がある。しかし、喫煙が、世代間およびコホート間で変動する唯一の環境因子というわけではない。過去20年にわたり、健康な食事における飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の量に向けた本発明者らの理解および公衆の態度に顕著な変化があった。これらの環境因子もCHDの可能性に強い影響を有するので、本発明者らは、これらの食事因子に負荷するmeQTLの重み付けが年齢および民族に応じて変動する場合があると予想する。
自己申告性の喫煙と比較して喫煙メチル化バイオマーカーcg05575921の予測力が向上したことは予想外ではない。本発明者らの初期研究では、それは、十分にスクリーニングされた症例および対照を使用した研究において0.99のAUCを有する現在の喫煙状況の強力な指標であることが示されている37。特に高リスクコホートにおける喫煙の自己申告が信頼できないことは、確立した現象である41-44。さらに、cg05575921と異なり、カテゴリーの自己申告は、喫煙強度を捕捉しない37。最後に、研究に参加し得た多数の対象が、以前に喫煙していた場合があるが、ウェーブ8の面接で喫煙していなかったもののAHRRの残留脱メチル化をまだ有した。これらの場合のそれぞれで、連続メトリックの使用が、2値喫煙変数によって捕捉されないCHDに対する追加的な脆弱性を捕捉し得る。
アルコール依存症は、CHDに対するリスクでもあるので1、本発明者らは、アルコール摂取を評価するために、本発明者らが以前に確立および検証したバイオマーカーアプローチがより大きな予測影響を有しなかったことに幾分驚かされた10,45。本発明者らの初期のモデルでは、cg2313759のメチル化状態の追加は、AUCを0.015改善しただけであった。CHDのリスクに及ぼすアルコール使用の影響をこのように示し損ねた1つの理由は、このマーカーが本発明者らの喫煙バイオマーカーほどはよく検証されていないことであり得るものの、他の理由もある。何よりもまず、全ての曝露レベルで平均余命が減少するリスクが持続的に増加していることを示すcg05575921のメチル化とは対照的に、cg2313759のメチル化は、生物学的加齢に関して逆U字型分布を示す。CHDのリスクがアルコール摂取に関してもU字型分布に従うかどうかは、未知である。しかし、それは、アルコール関連メチル化の主効果を組み入れる成功したアルゴリズムがいずれも単純な線形アプローチを使用することができないことを実際に示唆している。
本発明者らがゲノムワイドな有意な主効果の不在下でCHDを予測するmeQTLを発見することに成功したことは、成人期によく見られる他の複合障害のマーカーセットを探索するために重大な意味を有し得る。米国における主な死亡原因の上位10個のうち、主効果を使用して、2型糖尿病および慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関してのみ信頼できるメチル化シグネチャーが開発されている12,46。病気の優れたバイオマーカーを見い出す能力は、臨床診断の信頼性に高度に左右されるので、これらの2つの実例での成功は、これらの2つの障害を診断するために使用される方法、すなわちヘモグロビンA1Cおよび肺活量測定の素晴らしい診断信頼性に二次的であり得る。追加的に、T2DMに関する診断シグネチャーが過剰なグルコースレベルによって影響される経路に主としてマッピングされるのに対し、COPDに関連するシグネチャーは、COPDの全例の95%に寄与する喫煙のシグネチャーと大きく重複すると言及することは重要である12,46。それでも、脳卒中などの他の主な死亡原因のリスクファクターの多くがCHDのリスクファクター(例えば喫煙)と重複するので、本発明者らは、このアプローチを使用して類似のプロファイルを生成することができると楽観的に考えている。
残念ながら、よく見られる成人発症型の複合障害の大多数が、優れた既存のバイオマーカーまたは大きなエフェクトサイズの病因因子を有しない。これらの場合、meQTLを組み入れるアプローチが、有益であり得るが、本当の疑問は、なぜなのかである。推論的であるものの、ローカルデータおよびゲノムワイドデータでの本発明者らの経験は、細胞ストレッサーへの慢性曝露がエピゲノムの再編成をもたらし、それが一部だけ可逆的であり得ると示している。どれだけ長く持続するかにかかわらず、ゲノムのその組織崩壊は必然的に病気と関連するので、それを病気のバイオマーカーとして使用することができる。これらのmeQTLのそれぞれの復帰時間を理解することは、追加的な洞察をもたらし得る。例えば、薬理学的介入は、これらのmeQTLの別個のサブセットに効果を有し得る。これらの遺伝子座での復帰と治療アウトカムとの関係を理解することによって、既存の投薬を最適化するまたは新しい併用レジメンをより巧みに合わせることが可能であり得る。
メチル化の主効果がCHDに関して観察されないという事実は、必ずしもWBCにエピジェネティックなシグネチャーが欠如していることを指し示しているわけではない。それどころか、これは、全体的な遺伝構造の複雑さの証拠となる。例えば、数千のCpG遺伝子座でのメチル化状態が、喫煙状況に関連したものの(総説については14,15参照)、cg05575921でのシグナルは、1つの集団または別の集団における民族特異的遺伝的差異によってシグナルが不明瞭にならない少数のうちの1つである27。本短報は、喫煙に対するエピゲノム応答があり余るほどのmeQTLも含むことを示している。しかし、各meQTLに関して少なくとも2つの値を測定する必要があることにより、これらの結果を診断、治療または予防における向上に変換することがより困難であり得ることが示唆される。
まとめると、本発明者らは、meQTLからの情報を組み入れるアルゴリズムで、FCSにおけるCHDの存在を予測することができると報告する。アプローチの一般化可能性を他の民族のコホートに複製および拡大するためのさらなる研究が指摘されることを、本発明者らは示唆する。類似のアプローチが脳卒中などのよく見られる他の複合障害についてのメチル化プロファイルの生成をもたらし得ることを、本発明者らはさらに示唆する。
実施例2の参考文献
Figure 0007672192000004
Figure 0007672192000005
Figure 0007672192000006
実施例3
喫煙関連メチル化量的形質遺伝子座は優先的に神経発生経路にマッピングされる
喫煙は、米国における罹患および死亡の予防可能な主な原因である。喫煙は、冠動脈心疾患および冠閉塞性肺障害などのよく見られる複合疾患に対する感受性が漸増することによって間接的にその効果を発揮する。これらの障害と喫煙との間の関連が広く研究されているのに対し、喫煙が複合疾患に関する脆弱性を増加させている分子メカニズムの本発明者らの理解は、さらに向上させることもできる。これは、中枢神経系(CNS)に優先的に波及する障害の場合に特に当てはまる。喫煙は、注意欠陥多動性障害およびパニック障害の発生の公知のリスクファクターである。フラミンガム心臓病研究(FHS)において遺伝的状況の存在下および不在下でのDNAメチル化に対する喫煙の効果を理解するために、本発明者らの研究を計画した。具体的には、FHSオフスプリングコホートからの1599人の個体のデータを使用した。これらの個体は、ヨーロッパ系であり、60歳前半から半ばであった。これらの個体の間の自己申告性喫煙率は7.6%であった。Illumina HumanMethylation 450k BeadChipを使用してゲノムワイドなDNAメチル化をプロファイルし、Affymetrix GeneChip HumanMapping 500k Array Setを使用してゲノムワイドSNPデータを評価した。遺伝的変異の不在下でDNAメチル化に及ぼす喫煙の効果を理解するために、本発明者らは、年齢、性別、およびバッチについて調整して、喫煙をDNAメチル化に対して回帰分析した。多重比較するために補正後、メチル化状態は525個の部位において0.05水準で有意であった。以前の研究と一致して、最上位のプローブはAHRR遺伝子におけるcg05575921であった(p値は7.65×10-155)。続いて、遺伝的変異の存在下でのDNAメチル化に及ぼす喫煙の効果を判定するために、cisおよびtrans-メチル化量的形質遺伝子座(meQTL)分析を行って、年齢、性別、およびバッチについて調整した場合の所与の喫煙状況のDNAメチル化に及ぼすSNPの有意な効果を判定した。合計126,369,511個のcis分析および195,068,554,297個のtrans分析を行った。これらのうち、有意水準0.05で多重比較するために補正後に5294個(0.00419%)および422,623個(0.00022%)の有意なcisおよびtrans-meQTLが生成した。両分析結果の間のコネクティビティーおよび遺伝子オントロジー(GO)エンリッチメントをよりよく視覚化および比較するために、本発明者らは、タンパク質-タンパク質相互作用(PPI)ネットワークを生成させた。DNAメチル化分析が炎症経路にマッピングされたのに対し、cisおよびtrans-meQTL分析は神経発生経路にマッピングされた。これらの神経発生経路は、喫煙と精神医学障害との関連に追加的な洞察を与えることもできる。さらに、本研究は、遺伝分析およびエピジェネティック分析の併用が、喫煙などの環境変数と病態生理学的アウトカムとの相互影響をより十分に理解することに決定的であり得ることを実証している。
実施例4
フラミンガム心臓病研究における冠動脈心疾患の遺伝およびエピジェネティック統合型予測
要約
背景:冠動脈心疾患(CHD)は、米国における死亡および罹患の主な原因である。残念ながら、一部の患者に関するCHDの最初の徴候は、致死性心筋梗塞である。目下のCHDまたは将来の心イベントのリスクを検出するための高感度な方法は、この死亡のいくつかを予防することもできるが、無症候性CHDの現在のバイオマーカーは、低感度で非特異的である。最近、他の研究者および本発明者らは、アレイに基づくDNAメチル化評価がタバコの消費度およびCHDの喫煙関連リスクを正確に予測することを示した。しかし、これらのゲノムワイド評価からのCHD情報に関する追加的なリスクを抽出する試みは、まだ成功していない。
方法および結果:CHDのリスクファクターは、遺伝因子および環境因子の寄せ集めであるという考えを踏まえて、本発明者らは、機械学習技術を使用し、フラミンガム心臓病研究からの遺伝データ、エピジェネティックなデータおよび表現型データ(n=2214)を統合して、CHDのリスクに関するランダムフォレスト分類モデルを構築および試験した。本発明者らの最終分類器を、n=1545人の個体に対して訓練し、4つのDNAメチル化部位、2つのSNP、年齢および性別を利用したところ、これは、試験セット(n=669)において正確度78%、ならびに感度および特異度それぞれ0.75および0.80でCHD状況を予測する能力があった。対照的に、予測因子としてCHDのリスクファクターのみを使用するモデルは、正確度および感度がそれぞれわずか65%および0.41であった。特異度は0.89であった。個別の臨床リスクファクターの回帰分析は、喫煙によって緩和される経路がCHDの病態形成に果たす強い役割を強調している。
結論:本研究は、症候性CHD状況を予測するための統合型アプローチの可能性を実証し、本研究により、さらなる作業が、高感度で、容易に採用可能な無症候性CHDの検出方法の導入をもたらすこともできることが示唆される。
緒言
冠動脈心疾患(CHD)は、米国における主な死亡原因である1。この死亡および付随する罹患を予防する有効な方法は存在するが、それらは採用されても無効であることが多い。実際に、心臓突然死は、CHDを有する患者の15%における初期像である2、3
CHDをより効果的に検出および処置しようとして、症候性CHD(狭心症、心筋梗塞)および無症候性CHDの両方のためのいくつかのスクリーニング方法が開発されている。無症候性患者について、CHDのスクリーニング強度は、臨床的疑いのレベルに依存する。臨床家は、あらゆる年齢における心疾患の潜在性を警戒しているが、フラミンガム心臓病研究(FHS)において明確にされた、CHDの家族歴、喫煙、収縮期血圧上昇、糖尿病、または狭心症様胸痛に似た何かを含めたCHDの古典的リスクファクターを有する個体に大きな注意が払われる4、5。CHDの疑いのレベルに応じて、最初の検査は、人間ドック、ならびに低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)およびトリグリセリドレベルを含めた空腹時脂肪パネルを典型的に含む5。次の対応レベルは、通常、心電図(ECG)であり、ストレス検査および心血管造影を含めた、より高価で侵襲的な対策がそれに続く6
不幸にも、大部分の臨床日常検査、すなわち12リードECGおよび血清脂質スクリーニングは、CHDに対する感度が極めて低い。例えば、クレアチンキナーゼ-MBイソ酵素(CK-MB)およびトロポニンT(TnT)でMIと確認された急性胸痛のため入院した患者479人の研究で、12リードECGは、入院時および入院後にそれぞれ33%および28%だけが陽性であった7。同様に、血清脂質(コレステロールおよびトリグリセリド)スクリーニングは、長年にわたり採用されている。最も重要なことに、フラミンガム心臓病研究(FHS)において260mg/dlのカットオフで採用時に行われた血清コレステロールレベルの上昇は、その後4年間にCHDを発生した全ての男性のうち2/3を同定できなかった。したがって、過去10年間に、CHDの予測および診断のためのバイオマーカーの必要性がますます増え続けている。
ECGおよび脂質プロファイルなどの標準的な手法の感度および特異度の欠如によって刺激されて、多数の研究者が、無症候性CHDおよびその近縁疾患クラスターである心血管疾患(CVD)のバイオマーカーを同定しようと試みた。イメージング、機械的技法および生体電気技法を含む多様なアプローチが使用されたものの8-10、大多数の研究者は、1)トリグリセリドおよびコレステロールを用いた以前の研究によって与えられた原理証明、2)CHDおよびCVDの病態形成における血小板および白血球などの血液成分の明らかな関与ならびに3)現行の医療診断に、血液ベースのアプローチを組み入れる容易さが原因で、血液に基づく方法に焦点を合わせた。
これらの血液ベースのアプローチの大多数は、ヘモグロビンA1C(HbA1c)、フィブリノーゲン、ビタミンD、C反応性タンパク質(CRP)、アポリポタンパク質B(ApoB)、アポリポタンパク質AI(ApoAI)、およびコレステロール(高密度および低密度、HDLおよびLDLを含む)などの循環脂質およびタンパク質に焦点を合わせた(総説については、11、12を参照されたい)。研究の設定に適切なカットオフを採用した場合、これらのマーカーのそれぞれは、将来的な病気の発生に関して中程度に情報を提供する(オッズ比または相対比は1.5から2.5)11。追加的に、既存の疾患を有する人々について、心臓トロポニン(cTn)レベルおよび高感度(HsCRP)比は、将来的なリスク情報を提供することができる11。しかし、これらのマーカーのそれぞれは、測定の容易さを欠くこと、民族のばらつきまたは予測範囲の限定のように、その臨床実施に難題を有し、それらの難題により、これらのマーカーは、CHDスクリーニングにおける日常的な実行から除外された。
より有効なスクリーニング手法を創出する代替手段を探して、他の研究者は、つい最近のゲノムワイド関連研究(GWAS)およびエクソーム/ゲノム配列決定研究(総説についてはO'Donnell and Nabel, 2011を参照されたい)を含む遺伝的手法を使用して、リスク関連変異を同定している13。今のところ、これらの研究は、CHDについて約10%の総遺伝リスクを分離した14、15。注目すべきことに、これらのSNPの多くは、以前のCHD研究からどちらも重要であることが公知の脂質経路および炎症経路にマッピングされる15。これらの研究は、だれがCHDに潜在的に脆弱かを予測することができるものの、個体がCHDを有するかどうかを実際には指し示さず、メタ分析は、CHDの予測への純粋な遺伝的アプローチの貢献が最小限であるとせいぜい指し示すだけである16。そうであるから、遺伝的アプローチは、日常的な臨床診療に組み入れられていない。
エピジェネティックなアプローチは、CHDについてのリスクを評価するための新しい手段を提供し得る。エピジェネティックなアプローチが。CHDの予防可能な最大原因であり得るタバコ消費を定量的に評価することができることは、すでに十分に確立されている。17、18。注目すべきことに、Hermann Brennerおよび共同研究者らは、cg03636183でのDNAメチル化が喫煙状況だけでなくMIのリスクも予測することを示した19、20。残念ながら、彼らのグループは、cg03636183によって暗示されるMIのリスクが、全ての民族群において最もよく立証されたエピジェネティックな喫煙バイオマーカーであるcg05575921のメチル化によって示される喫煙状況によって完全に包含されることも示したので、CHDのリスクと喫煙とは、独立していない17、21
cg03636183などのメチル化状態マーカーおよびGPR15マーカーcg1985927022、23が全集団において喫煙状況を十分に予測しない理由の一つは局所遺伝的変異によるメチル化変化の遺伝的交絡の存在であるという観察22は、本研究に重大である。初めは相対的に静的な交互作用(G×Meth)として記載されていた24これらの効果についての本発明者らの理解は、過去数年にわたり修正されて、これらの交互作用のサブセットはタバコ煙曝露の程度と関連しうることを示している22、25、26。本質的に、これらおよび他の結果は、単一遺伝子座レベルで喫煙に対するメチル化応答をタバコ煙曝露度および遺伝的変異の両方の積としてよりよく概念化できることを実証している。これらの交互作用の効果は、広範囲に及ぶように見える。ゲノムワイドアプローチを使用して、本発明者らは、最近、これらの喫煙との関連でのDNAメチル化に対する遺伝的影響をゲノムワイドベースで示し、喫煙に応答して全遺伝子の1/4近くが遺伝との関連でのメチル化の変化を有することを示した(Doganら、提出済み)。
単一の環境因子(喫煙)に対するただ1つの面のメチロームのより容易に概念化される応答とは対照的に、CHDの原因となる多種多様な因子に対する末梢白血球(WBC)の生物学的応答全体は、より複雑で、再現性よく捕捉することが困難な可能性がある。例えば、RNAレベルで、血液から調製したマイクロRNA27、28およびmRNA29についての有意なシグネチャーが記載されているが、臨床ツールとしての明白な有用性は、まだ実を結んでいない。それでも、今日までのそれらの部分的成功は、末梢WBCから調製された核酸が、より大きな生物学的シグネチャーを有し、それをより系統的なアプローチにより回収することもできることを示している。
そう望んで、本発明者らは、一般的に使用される機械学習アルゴリズムを、フラミンガム心臓病研究からのゲノムワイドなエピジェネティックデータおよび遺伝的データの両方と共に組み入れた統合型アプローチの結果を詳述する。
方法
フラミンガム心臓病研究。フラミンガム心臓病研究(FHS)は、他の場所に詳記されている30、31。本研究に含まれる臨床データ、遺伝的データおよびエピジェネティックなデータは、オフスプリングコホートからのものである。具体的には、本研究は、オフスプリングコホートの5,124人の個体のうち、1)2005年から2008年の間に行われた第8回調査サイクルまで生存し、2)遺伝的研究を承諾し、かつ3)末梢血のゲノムワイドDNAメチル化データを有する2,741人を含んでいた。dbGAP(https://dbgap.ncbi.nlm.nih.gov)を通じてFHSのデータを得た。アイオワ大学施設内審査委員会が、記載された全ての分析を承認した。
ゲノムワイドなDNAメチル化。繰り返しを除いた後、2,567人の個体についてのDNAメチル化データが利用可能であった。ミネソタ大学またはジョンズホプキンス大学のいずれかでIllumina Infinium HumanMethylation450 BeadChip32(San Diego,CA)アレイを使用してオフスプリングコホートのゲノムワイドDNAメチル化をプロファイルした。このアレイ内の485,577個のプローブは、RefSeq遺伝子の99%に及び、遺伝子1つあたり平均17個のCpG部位をCpGアイランドの内外に有する32
MethyLumi、WateRmelonおよびIlluminaHumanMethylation450k.db Rパッケージ33を使用して、メチル化強度データ(IDAT)のファイルにプローブのフィルタリング、バックグラウンド補正およびプローブの種類についての調整を行った。試料およびプローブレベルに対して品質管理を行った。試料について、>1%のCpG部位を検出p値>0.05で有する試料を除去し、一方で、ビーズカウント<3のCpG部位および/または検出p値>0.05の>1%の試料を除去した。品質管理の後に、2,560個の独特な試料および484,125個のCpG部位が残った。これらのCpG部位のうち、472,822個は常染色体にマッピングされた。メチル化β値の有限性(0≦β≦1)のために、beta2m Rパッケージを使用してβ値からM値へのロジスティック変換を行い(-inf<M値<inf)、続いてRスクリプトを使用してzスコアに変換した34
ゲノムワイド遺伝子型。Affymetrix GeneChip HumanMapping 500K(Santa Clara, CA)アレイを使用してゲノムワイドSNPデータをプロファイルした。DNAメチル化の品質管理後に残った2,560人の個体のうち2,406人(男性1,100人および女性1,306人)には遺伝子型のデータがあった。今度も、試料およびプローブレベルで品質管理を行った。PLINK35を使用して、不調和な性別情報、平均から2標準偏差よりも大きいまたは小さいヘテロ接合率、および欠測SNP比率>0.03について試料を調査した。結果として、合計111個の試料を除去した。母集団の層別化も行ったところ、除外された個体はなかった。下流の分析が血縁個体によって影響されなかったことを確実にするために、家系同一性の値が>0.1875の場合も、試料を除外した。この値は、第二度近親と第三度近親との中間である。この判断基準の結果として、合計696人の個体が除去され、さらなる分析のために1599人の対象が残った(男性722人および女性877人)。マイナーアレル頻度が>1%、Hardy-Weinberg平衡p値が>10-5および欠測率が<5%であった場合、プローブを保持した。品質管理後、403,192個のSNPが残った(472,822個が常染色体にマッピングされた)。SNPは、マイナーアレル頻度あたり0、1、2としてコードされた。
表現型。各個体について、FHSデータセットから以下のデータを抽出した:年齢、性別、収縮期血圧(SBP)、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールレベル、総コレステロールレベル、ヘモグロビンA1C(HbA1c)レベル、自己申告性の喫煙状況、CHDの状況およびCHDが立証された日付け。
データ分析。CHDリスクファクターおよび従来型の修正可能なCHDリスクファクターに関連するゲノムワイドDNAメチル化の変化を同定するために、式1:
Methi ~ 年齢 + 性別 + バッチ + X(1)
[式中、Xは、CHDリスクファクターまたは従来型の修正可能なCHDリスクファクター:SBP(喫煙)、HDL(総コレステロール)および糖尿病を表す]に示されるようにR上で直線回帰分析を行った。バッチは、DNAメチル化の実験室バッチを表す。
年齢、性別、およびバッチの効果について調整しながらDNAメチル化とCHDまたは各リスクファクターとの間の関連を決定した。ゲノムワイドなα=0.05で多重比較のためのBonferroni補正を各回帰分析について行った36。各Xについて、合計472,822個の独立した検定を行い、したがって、名目p値が1e-07(0.05/472822)のXだけを、ゲノムワイドレベルで有意に関連すると見なした。
ネットワーク分析:症候性CHDについてSTRINGバージョン1037を使用してネットワークを生成し、遺伝子オントロジー(GO)経路を同定した。STRINGデータベースは、タンパク質間の公知で予測される物理的(直接)および機能的(間接)関連に関する情報を含む。ネットワークは、多重比較のためのゲノムワイドなBonferroni補正の後に少なくとも1つの有意な主効果DNAメチル化遺伝子座を有する遺伝子を含んでいた。0.9またはそれよりも大きい最高信頼交互作用スコアのエッジ(交互作用)を有するノード(タンパク質)のみを含むようにネットワークをさらに減少させた。PPIの図は、少なくとも1つのエッジを有するノードを含む。STRING Version 10も使用して、ネットワークのGOエンリッチメント経路を決定した。
データセットの訓練および試験。本研究の目標は、症候性CHDを予測するために統合型遺伝-エピジェネティック分類器を開発することであった。これを達成するために、訓練データセットおよび試験データセットを準備した。上述のようにDNAのメチル化およびSNPの品質管理の後で、1599人の対象が残った。しかし、CHD状況および第8回調査サイクルの期日に基づき、個体数は1599人から1545人(男性694人および女性851人)に減少し、これらの個体が訓練セットを構成した。
訓練されたモデルの一般化可能性を評価するために、血縁(家系同一性>0.1875)のために除去された696人の個体からのデータを使用した。訓練データセット中の個体と同様に、試験データセット中の個体のCHD状況および第8回調査サイクル期日を比較して、第8回調査サイクル期日よりも少ないまたは等しいCHD状況期日を有するデータセットだけが保持されていることを確実にした。そうすることで、試験セット中の個体数は、696人から669人(男性314人および女性355人)に減少した。
変数削減。品質管理手段後に残った遺伝的(SNP)プローブおよびエピジェネティックは(DNAメチル化)プローブの合計数は、それぞれ403,192および472,822であった。変数が多い(合計876,014個、表現型を除く)ため、本発明者らは、探索空間を減らし、下記のように予測因子における冗長性を最小化した。
連鎖不平衡ベースのSNPのプルーニングを、PLINK35を用いてウインドウサイズ50SNP、ウインドウシフト5SNP、およびペアワイズSNP-SNP LD閾値0.5で行った。これによりSNP数は403,192個から161,474個に減少した。SNP数をさらに減らすために、残りの161,474個のSNPとCHD状況との間でカイ二乗p値を計算した。カイ二乗p値<0.1を有するSNPをモデル訓練のために保持し、その結果17,532個のSNP(約4%)になった。
DNAメチル化遺伝子座数を減らすために、最初に、472,822個のCpG部位とCHD状況との間の相関を計算した。点双列相関が少なくとも0.1であった場合、CpG部位を保持した。合計138,815個のCpG部位が残った。続いて、それらの138,815個の部位の間のPearson相関を計算した。2つの遺伝子座間のPearson相関が少なくとも0.8であった場合、より小さい点双列相関を有する遺伝子座を廃棄した。最後に、107,799個のDNAメチル化遺伝子座(約23%)がモデルの訓練のために残った。
クラス不均衡。訓練データセット中の1545人の個体のうち、173人だけが症候性CHDを有すると診断された。したがって、症候性CHDを有する個体と有しない個体との比は、約1:8(173:1372)である。これは、1545人の個体全員からのデータを同時に利用する予定ならば、全員の個体がCHDを有しないと分類される(大多数のクラスの)ベースライン予測正確度は、約89%(1372/1545)であることを意味する。これは、このデータセットにおける主クラス不均衡を示し、このことは、医学データセットで極めて一般的である。それは、正確度が理想的なパフォーマンスメトリックではないことも示唆する。クラス不平衡に対処するために、CHDを有しない個体のアンダーサンプリングを行った38。CHDを有しない1372人の個体を8つのデータセット、すなわち171人の個体の4つおよび172人の個体の4つ(合計1372人の個体)にランダムに割り付けた。全部で8つのデータセットが、CHDを有する173人という同人数の個体からなった。これにより今や8つのデータセットのそれぞれで、クラスが1:1の比(すなわち50%のベースライン正確度)に均衡化する。
同様に669人の試験セットの個体のうち71人だけがCHDを有すると診断されたので、クラス不平衡を示している。したがって、CHDを有しない71人の個体をランダムに選択して、症例と対照との比を確実に1:1にした。
モデルの訓練および試験。層別化10分割交差検証アプローチを使用して、遺伝データ、エピジェネティックなデータおよび表現型データからなる全部で8つのデータセットに関して、Python40におけるscikit-learnを独立して使用してランダムフォレスト(RF)39分類モデルを構築した。より小さいカイ二乗p値を有するSNPおよびCHDに対してより大きい相関を有するメチル化部位をモデルに系統的にフィードした。RF分類器の特徴の重要度、正確度およびAUCを使用して、予測に重要な変数を選択した。グリッド検索を採用して、モデルの10分割交差検証のハイパーパラメーター調整を行った。モデルのパフォーマンスメトリックを決定した。試験データセットに関する試験のために最終モデルを保存した。
本発明者らの統合型遺伝-エピジェネティックモデルのパフォーマンスを、予測因子として従来型CHDリスクファクターを用いたモデルと比較するために、類似のアプローチを採用して、訓練データに関するモデルを構築し、続いて試験データセットに関してそれを試験した。
R上でRandomForest(商標)パッケージを使用して代替アプローチを実行した。「strata」および「sampsize」引数を使用して、少数クラスの層別化サンプリングを行った。これは、上記アンダーサンプリングアプローチのより単純な実行である。この代替RF分類器のツリー数(ntree)パラメーターを調整した。同じn=1545個の訓練セットおよびn=142個の試験セットを使用して、この分類器を訓練および試験した。
結果
本研究で一次分析に使用した1545人の対象の臨床特徴を表4に示す。男性(n=694)よりも女性(n=851)の方が多く、全員が北ヨーロッパ祖先であった。合計で男性115人(約17%)および女性58人(約7%)が症候性CHDを有すると診断された。60歳代半ばの傾向があった症候性CHDを有しない対象とは対照的に、症候性CHDを有する対象は、平均してより高齢で、70歳代前半の傾向があった。
(表4)1545人の個体の人口統計およびCHDリスクファクター
Figure 0007672192000007
SBP:収縮期血圧
HbA1c:ヘモグロビンA1c
平均HDLおよび総コレステロールレベルは、女性および症候性CHDを有しない対象の方が高かった。総コレステロールの全平均は<200mg/dLであったが、症候性CHDを有しない女性だけのHDLコレステロールレベルは>60mg/dLであった。より重要には、HDLの平均と総コレステロールの平均との比は、症候性CHDを有する男性および有しない男性についてそれぞれ1:3.4および1:3.5であり、症候性CHDを有する女性および有しない女性についてそれぞれ1:2.9および1:3.1であった。心血管疾患の予防のためのHDLコレステロールに対する総コレステロールの標的比は、男性について<4.5であり、女性について<4.0であった41
症候性CHDを有すると診断された対象は、症候性CHDを有すると診断されなかった対象(5.7%)よりも平均して高いHbA1cレベル(6%)を有した。しかし、CHDを有する女性が、有しない女性よりも高いSBPを有したのに対し、男性についてはその逆が真実であった。全てのSBP平均は、120mmHgよりも大きかった。
CHDについての別の周知のリスクファクターは、喫煙である。自己申告性の現在の喫煙状況に基づき、女性ではなく男性の間では、症候性CHDを有しない喫煙者よりも症候性CHDを有する喫煙者の比率の方が大きかった。しかし、喫煙バイオマーカー(cg05575921)でのメチル化状態は、症候性CHDを有する男性および女性の両方が、症候性CHDを有しない男性および女性よりも実際に喫煙していることが多いことを指し示している。
回帰分析。分析の最初の段階として、対象1545人のCHD状況を年齢、性別、cg05575921、SBP、HDLコレステロール、総コレステロール、およびHbA1cパーセントに対して回帰した。各リスクファクターに関する回帰出力の要約を表5に示す。分析により、SBPおよびHDLコレステロール以外の全ての従来型リスクファクターがCHD状況と有意水準0.05で有意に関連することが示唆される。より重要には、傾きの傾向により、症候性CHDの罹患率は、1)男性、2)より高齢の個体、3)総コレステロールがより低い個体、4)cg05575921で脱メチル化されている個体(すなわちより多くの喫煙)、および5)HbA1cレベルがより高い個体においてより高いことが示唆される。
(表5)症候性CHDに対するCHDのリスクファクターの回帰パラメーター
Figure 0007672192000008
SBP:収縮期血圧
HbA1c:ヘモグロビンA1c
次の段階として、本発明者らは、症候性CHDとゲノムワイドなDNAメチル化との関係の回帰分析を行った。Bonferroni補正の後、11,497個のメチル化部位(2.4%)が、症候性CHDとの有意な関連を維持していた。これらのメチル化部位は、6,319個の遺伝子にマッピングされた。上位30個の部位を表6に示す。全ての有意な部位を図16に提供する。
(表6)症候性CHDと関連する上位30個の有意なCpG部位
Figure 0007672192000009
* Bonferroni法による多重比較のために全ての名目p値を調整した。
遺伝子が多数であるので、ネットワーク分析およびネットワークの機能エンリッチメント分析を、上位1000個の遺伝子からのデータを使用して行った。ネットワークは、ノードによって表される952種のタンパク質およびエッジによって表される1,144個の交互作用からなる。タンパク質とネットワークとの間の交互作用が生物学的関連性を有する可能性があると示唆しているPPIエンリッチメントp値が0の予想されるエッジの数は634であった。平均ノード次数およびクラスター係数は、それぞれ2.4および0.85であった。このネットワークを図3に示す。このネットワークの上位10個の経路を表7に示す。
(表7)症候性CHDに関連する上位10個の有意なPPIネットワーク経路
Figure 0007672192000010
PPI:タンパク質-タンパク質相互作用
回帰分析から、cg05575921、SBP、HDLコレステロール、総コレステロールおよびHbA1cと有意に関連するメチル化部位は、それぞれ44,108個(9.3%)、0個、32個、51個および6個であった。cg05575921、HDL、総コレステロールおよびHbA1c分析のための上位の結果を表8から表11に示す。
(表8)Bonferroni補正後にcg05575921と関連した上位30個の有意なCpG部位
Figure 0007672192000011
* Bonferroni法による多重比較のために全ての名目p値を調整した。
(表9)Bonferroni補正後にHDLコレステロールと関連した全部で32個の有意なCpG部位
Figure 0007672192000012
* Bonferroni法による多重比較のために全ての名目p値を調整した。
(表10)Bonferroni補正後に総コレステロールと関連した上位30個の有意なCpG部位
Figure 0007672192000013
* Bonferroni法による多重比較のために全ての名目p値を調整した。
(表11)Bonferroni補正後にHbA1cと関連する全部で6つの有意なCpG部位
Figure 0007672192000014
* Bonferroni法による多重比較のために全ての名目p値を調整した。
有意な症候性CHDのDNAメチル化部位をそのリスクファクターのメチル化部位とマッピングすることを理解するために、図4および5を描いた。図4のベン図は、症候性CHDとそのリスクファクターとの間のメチル化プローブにおける重複を示し、一方で図5は、プローブのうちの少なくとも1つにマッピングされる重複遺伝子を示す。図5に示すように、DNAメチル化関連遺伝子における上位3つの交差は、症候性CHDと喫煙との間(5229)、喫煙と総コレステロールとの間(15)、および症候性CHD、喫煙および総コレステロールの間(13)である。1つの遺伝子DHCR24は、症候性CHDおよび全てのリスクファクターと有意に関連した。
統合型遺伝-エピジェネティックランダムフォレスト分析。訓練データセットにおける対象1545人からの遺伝データ、エピジェネティックなデータ、年齢データおよび性別データからなる8つのデータセットを基に8つのRFモデルを構築した。標準scikit-learn RFパラメーターを使用して、重要なSNPおよびDNAメチル化遺伝子座を決定した。8つの分類器の平均正確度およびAUCならびに各変数のジニ指数に基づき、4つのCpG部位(cg26910465、cg11355601、cg16410464およびcg12091641)、2つのSNP(rs6418712およびrs10275666)、年齢および性別を予測のために保持した。調整されたパラメーター(最大特徴量、各分岐についての試料の最小数、情報利得の基準、ツリーの最大深度、ツリーの本数)を使用して、全部で8つのモデルを訓練データセットに再フィッティングした。これらの層別化された10分割交差検証モデルのパフォーマンスメトリックを表12に示す。本表に示すように、正確度は、これらの8つのモデルの間で70~80%の範囲に及び、これは、正確度50%のベースラインから20~30%の間の増加である。より重要には、モデルの感度は、70~82%に及び、一方で特異度は70~79%に及んだ。8つのモデルのROC AUCは、0.77~0.87に及んだ。パフォーマンス最高のモデル(モデル7)の10分割ROCのAUCを図6に示す。全部で8つのモデルを試験データセットに対する試験のために保存した。
(表12)8つの統合型遺伝-エピジェネティックモデルの10分割交差検証のパフォーマンスメトリック
Figure 0007672192000015
試験データセット中の個体の人口統計およびCHDリスクファクターを表13に要約する。女性54人および男性88人のうち、女性22人(約41%)および男性49人(約56%)が症候性CHDと診断された。症候性CHDの個体は、平均して、より高齢で、男性が60歳代後半、女性が70歳代前半の傾向であった。症候性CHDを有しない男性および女性は、平均して、それぞれ50歳代後半および60歳代半ばの傾向であった。男性と異なり、症候性CHDを有するおよび有しない女性の平均年齢は、訓練データセットと試験データセットとの間で匹敵した。
(表13)試験データセット中の142人の個体の人口統計およびCHDリスクファクター
Figure 0007672192000016
SBP:収縮期血圧
HbA1c:ヘモグロビンA1c
総コレステロールの平均は、全て<200mg/dLであり、女性だけの平均HDLコレステロールレベルは>60mg/dLであった。HDLコレステロールの平均と総コレステロールの平均との比は、症候性CHDを有する男性および有しない男性についてそれぞれ1:3.1および1:3.7であり、症候性CHDを有する女性および有しない女性についてそれぞれ1:2.9および1:3.1であった。今回も、比は、男性よりも女性についての両データセットがより類似していた。しかし、比は全て、心血管疾患の予防のためのHDLコレステロールに対する総コレステロールの標的比、すなわち男性について<4.5および女性について<4.0よりも低かった41
試験データセットにおいて、女性は男性よりも高いHbA1cパーセントを有する傾向にあった。追加的に、症候性CHDの女性は、平均HbA1cが>6%であった。女性は男性よりも高いSBPを有した。全てのSBPの平均は>120mmHgであった。訓練データセットと同様に、自己申告性の現在の喫煙状況に基づき、症候性CHDを有する喫煙者よりも症候性CHDを有しない喫煙者の方が多かった。しかし、喫煙バイオマーカーcg05575921を考慮した場合、男性の方が女性よりも多く脱メチル化されている傾向にあった。
8つのモデルの集合を使用して、試験データセットにおけるCHDの分類を行った。8つのモデルのうち少なくとも4つがCHDに賛成投票するならば、CHDを有するものとして個体を分類した。試験データセット中の142人の個体(症候性CHDを有する71人および有しない71人)のうち、110人の個体のCHD状況が正確に予測され、正確度77.5%という結果となった。予測の混同行列を表14に示す。集合の試験セットの感度および特異度は、それぞれ0.75および0.80であった。
(表14)試験データセットに関する統合型遺伝-エピジェネティック集合の混同行列
Figure 0007672192000017
従来型のCHDリスクファクターモデル。CHD状況を予測することにおける本発明者らの統合型遺伝的-エピジェネティックモデルのパフォーマンスを従来型CHDリスクファクターのパフォーマンスと比較するために、年齢、性別、SBP、HbA1c、総コレステロール、自己申告性の喫煙およびHDLコレステロールを予測因子として使用して別の8つのRFモデルを構築した。今回も、調整後のパラメーターを使用して、訓練データセットに関して8つのRFモデルを構築し、試験データセットについて試験した。8つのモデルのパフォーマンスメトリックを表15に要約する。これらのモデルのそのそれぞれの訓練データセットに対する正確度は、70~76%に及び、一方で感度および特異度の範囲は、それぞれ67~74%および72~79%であった。ROC AUCの範囲は、0.72~0.79であった。正確度および特異度が、統合型遺伝的-エピジェネティックモデルと極めて類似しているものの、従来型リスクファクターモデルは、感度およびROCのAUCに関してパフォーマンスが及ばなかった。8つのモデルの中の最高パフォーマンスモデル(モデル7)の10分割ROCのAUCを図7に示す。8つのモデルの集合を試験データセットについて試験したとき、試験の正確度は64.8%であったが、これは、本発明者らの統合型遺伝的-エピジェネティック集合よりも約13%小さい。けれども、感度はCHDの個人が正しく分類される度合いを示すので、より重要なメトリックは感度である。試験データセットに対する感度は、わずか41%であったが、これは、本発明者らの統合型遺伝的-エピジェネティック集合よりも24%小さい。とはいえ従来型リスクファクター集合の特異度は0.89であった。混同行列を表16に示す。
(表15)8つの従来型リスクファクターモデルの10分割交差検証のパフォーマンスメトリック
Figure 0007672192000018
(表16)試験データセットに関する従来型リスクファクター集合の混同行列
Figure 0007672192000019
代替ランダムフォレストモデル。8つのモデルからなる本発明者らの集合アプローチが、方法の項に述べたような単一RFモデルよりも高パフォーマンスであるかどうかを判定するために、少数派クラスに基づく層別化サンプリングを含む1つのRFモデルをR上で構築した。本モデルも、同じ4つのCpG、2つのSNP、年齢および性別を含んでいた。分類器を調整し、最大感度を有する分類器を選択した(ntree=500)。このモデルの訓練正確度、AUC、感度および特異度は、それぞれ82%、0.83、0.68および0.83であった。このモデルの正確度、AUCおよび特異度は、本発明者らの集合モデルと類似しているとはいえ、明らかに、集合モデルの方が感度が良好であった。試験セットについて試験したとき、単一RFモデルは、正確度、感度および特異度がそれぞれ76%、0.66および0.86というパフォーマンスであり、集合アプローチによって提供される特異度でなく感度が増加したことを実証している。この代替アプローチと集合アプローチとの間の比較が、特異度よりも感度に基づき行われているのは、CHDの予測に分類器を適用することを考えると、真陰性よりも真陽性を最大化することの方が重要であるからである。言い換えると、偽陰性を有する負の影響は、偽陽性よりもずっと大きい。しかし、集合(ntree=170,000)の感度が、この単一RF分類器(ntree=500)の感度に直接匹敵し得ない理由の1つは、集合中のツリーの有効数がこの分類器よりもずっと大きいことである。それにもかかわらず、20,000本のツリーを有する集合内の1つの分類器と、同じ数のツリーを有する代替RF分類器との間で比較を行うことができる。20,000本のツリーを有する集合からの分類器の平均正確度、AUC、感度および特異度は、それぞれ80%、0.87、0.82および0.77であった。同様に、20,000本のツリーを有する代替RF分類器の正確度、AUC、感度および特異度は、82%、0.83、0.67および0.83であった。以前の比較と同様に、集合モデルは特異度よりも感度に関してより高パフォーマンスであった。
年齢および性別はCHDの2つの修正不可能なリスクファクターであるので、それらを算入したが、本発明者らは、単一RFモデルを年齢および性別なしに再フィッティングして、パフォーマンスがこれら2つの因子だけによって推進されるわけではないことを実証した。モデル中に年齢および性別が不在であると、訓練の正確度、AUC、感度および特異度は、それぞれ81%、0.80、0.65および0.83であった。試験データセットに関して、このモデルのパフォーマンスは、正確度、感度および特異度がそれぞれ78%、0.68および0.89であった。したがって、年齢および性別が、統合型遺伝的-エピジェネティックモデルのパフォーマンスを一手に担うわけではない。訓練データセットからの従来型リスクファクターを使用すると、この代替RFモデルのパフォーマンスは、正確度、AUC、感度および特異度がそれぞれ77%、0.77、0.60および0.79であった。試験データセットに関して、そのパフォーマンスは、正確度、感度および特異度がそれぞれ69%、0.61および0.77であった。
図8の部分従属プロットによって描写されるように、RFモデルの使用が、起こり得るG×MおよびM×M交互作用を捕捉する上で追加の利点を提供することを示すためにも、この遺伝的-エピジェネティックモデルを使用した。最後に、DNAメチル化部位および遺伝子型の並べ替えを行って、訓練データセットを使用して、4つのランダムに選択されたCpG部位および2つのランダムに選択されたSNPからなるモデルのパフォーマンスを本発明者らの統合型モデルおよび従来型のリスクファクターモデルと比較した。10,000個の並べ替えの感度および特異度の二次元ヒストグラムを図9に示す。これらの並べ替えの中の最大感度および最大特異度は、それぞれ0.62および0.87であった。単一従来型リスクファクターモデルのそれぞれ0.60および0.79という訓練感度および特異度は、十分に並べ替えの感度および特異度の範囲内である。単一統合型遺伝的-エピジェネティックモデルのそれぞれ0.68および0.83という訓練感度および特異度は、特異度ではなく感度が、並べ替えられた値から外れることを示唆している。
考察
エピジェネティックな変化と心血管疾患の病態形成との関係をより十分に理解することは、改良された診断法および治療法を開発するために不可欠である。本発明者らが知るかぎりでは、本発明者らは、Illumina 450kアレイを使用して定量されるようなDNAメチル化とCHDとの間の関係を調査する最初のグループである。したがって、本発明者らの結果と比較できるものは限られている。それにもかかわらず、本発明者らの分析は、CHDに関するエピジェネティックなシグネチャーが累積喫煙のシグネチャーと実質的に重複することを実証している。これは、米国における毎年のCHD関連死の約30%の原因がタバコの喫煙であるとする、喫煙とCHDリスクとの間の強い確立した関係と一致している42、43。これは、軽々しくされた主張ではない。禁煙は、臨床医学において最も有益であるが、それでも十分に活用されていない一般的な介入の1つであり得、CHDを有する人々の死亡リスクを実質的に減らすことも示されている44、45
興味深いが驚くことでなく、本発明者らの研究に記載された全ての他のリスクファクターのDNAメチル化分析は、エピゲノムのリモデリングにおける喫煙の広範囲の効果を示している。アテローム性動脈硬化症と脂質レベル、糖尿病または高血圧症との間の関係の以前の研究は、これらの臨床尺度に及ぼす喫煙の影響を実証した46-48。本発明者らの分析は、DNAメチル化におけるHDLコレステロール、総コレステロールおよびHbA1cに関連する変化を同定しただけでなく、エピジェネティックなシグネチャーが喫煙によって修飾される特異的遺伝子座であって、CHDのリスク増加に関連する特異的遺伝子座も描写した。他の研究者らによる結果の確認を保留にすれば、多種多様なセットの民族の対象に結果を拡張することによって与えられる精度の増加は、CHDのための特定の治療的介入を個体レベルで同定することを助ける場合がある。
CHDのメチル化シグネチャーおよびそのリスクファクターについての追加的な応用は、CHDのリスクを評価する代替アプローチとしての応用である。CHDのリスクを予測するために従来型のリスクファクターを使用する際の難問および制約を考えると、この考えは、特に魅力的である。例えば、大部分の研究は、自己申告性の喫煙状況を使用しているが、自己申告性の喫煙状況は、より臨床的/高リスク集団において信頼できないことを、他の研究者らおよび本発明者らは示した49-52。これらの以前の結果は、本研究に使用したオフスプリングコホートにおける自己申告とcg05575921メチル化との間の矛盾を考えると特に重要性がある。CHDのリスクを評価するために日常的に行われる別の試験は、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールおよびトリグリセリドレベルを評価する空腹時血清脂質パネルである。総コレステロールとHDLコレステロールとの間の比がCHDのリスクを特に予測することを研究が示したのに対し53、54、他の研究は、C反応性タンパク質などの追加的なマーカーからの情報が予測能を高めるために必要であることも示した55。これらのDNAメチル化尺度は、より累積的であり、食事の日々の増減にあまり影響されないので、それらは、CHDの病態形成へのこれらの代謝/転写経路の各々の相対的寄与をより正確に限定することもできる可能性がある。
長年にわたり、従来型CHDリスクファクターの同定は、いくつかの多変量リスクモデルの開発をもたらした。フラミンガム心臓病研究は、CHDに対するフラミンガムリスクスコアを開発するこの尽力における草分けであった56。このアルゴリズムは、従来型リスクファクター(年齢、性別、総またはLDLコレステロール、SBP、糖尿病および現在の喫煙)を使用し、ヨーロッパ祖先の個体からなるFHSコホートを使用して開発されたものである。したがって、予想通り、このモデルは、白人男性および女性に関してパフォーマンスが良好であったが、他の全ての民族群への一般化は困難であった。具体的には、民族的に多様なコホートにおいてこのアルゴリズムを検証した研究で、予測モデルは黒人男性および女性にも当てはまったが、日系アメリカ人、ラテン系アメリカ人男性およびネイティブアメリカン女性のリスクを過大評価した57。したがって、現代社会の全てのメンバーに使用することができるアルゴリズムの必要性がある。
一般化可能性が欠如する1つの真実味のある理由は、遺伝的変異の交絡効果の可能性である。エピジェネティックなシグナルの遺伝的交絡の潜在性の概念は、広く受け入れられている58。したがって、本発明者らの研究の目標は、現在利用可能な既存のアルゴリズムの代替としてCHDを予測するための分類器を開発するために遺伝的データとエピジェネティックなデータを統合することであった。大型で複雑な遺伝的データセットおよびエピジェネティックなデータセットから予測シグナルを採掘するこのアプローチは、高パフォーマンスな計算システムの進歩によって可能になる。機械学習などの計算技術が、ゲノミクスおよびエピゲノミクスの分野でうまく採用されている59、60。ロジスティック回帰は、医学応用における2項分類モデルを開発するための一般的に使用される方法であり、マイクロアレイデータを分析するために使用されており61、それは、潜在している複雑な非線形関係を捕捉する能力を欠如している。したがって、遺伝的変異とDNAメチル化との間の交互作用などの複雑な関係を検出する能力があるアルゴリズムは、追加的な利点を有する。本発明者らの研究では、ランダムフォレスト集合の使用は、CHDを有する個体の高度に正確、高感度および特異的な分類を可能にした。しかし、いくつかの遺伝的リスク変異が倫理的背景と共にソーティングされ、従来型リスクファクターに関連する経路にマッピングされない場合があるので、最も一般化された予測ツールを開発するために全ての民族群からの対象を使用してこれらのランダムフォレストアプローチを構築、試験および拡張することが必要と考えられる62
類似の統合型遺伝的およびエピジェネティック研究が比較のために利用不可能である一方で、本発明者らの統合型モデルは、フラミンガムスコアリスクファクターを使用する分類器よりも明らかに優れている。従来型リスクファクターモデルは、いくつかの研究によって示されるように、これらのリスクファクターの限られた予測価値を実証している63-65。そのうえ、2000人よりも多い高齢黒人および白人成人からなる研究において、フラミンガムリスクスコアは、8年の経過観察後にCHD事象を経験しなかった対象からCHD事象を経験した対象を、女性および男性の場合それぞれ0.577および0.583のC指数で識別できるだけであった66。従来型リスクファクターは、血清コレステロールレベルなどの因子の時間変動および1日を通して記録した平均の代わりに単一血圧測定を使用するためにパフォーマンスが良好でない場合がある67、68
本論文において実証されるように、分類器を構築するためにいくつかのアプローチがある。本論文に示された2つの方法を比較すると、集合モデルは、感度に関して単一RFモデルよりもパフォーマンスが良好であり、特異度についてはその逆であった。本発明者らがより高感度のモデルを好む理由は単純である。CHDなどの疾患の分類のために、偽陽性はさらなる試験を要するが、偽陰性の結果の方が患者に有害な可能性もある。とはいえ、高い感度および特異度を有する試験が理想的である。それを達成するために、両方の性別を包含する多種多様な民族群からなるより大きな試料が要求される。また、本発明者らはRFアルゴリズムを使用したのに対し、分類器の基礎となるアルゴリズムとして使用することができるサポートベクターマシンなどの多くの他のアルゴリズムがある。それにもかかわらず、本発明者らのRFモデルは、部分従属プロットに示されるようなメチル化部位とSNPとの間の非線形性を明らかに示している。さらに、本発明者らは、本発明者らの集合におけるメチル化部位とSNPとの組み合わせが、予測性の高い多数の可能な組み合わせのうちの1つにすぎないことを明らかにしたい。並べ替えの結果に基づき、本発明者らは、予測性の高いメチル化プローブおよびSNPプローブを富化するために行われる変数削減段階が感度に関してエッジを提供することを実証する。しかし、多種多様な試料のプールが増加するにつれ、予測性が高く、しかも一般化可能な分類器が要求される。
本発明者らの分析は、あり得る投薬効果を考慮しなかった。コレステロール低下薬の現在の装備一式は、CHDのリスクに関連する血清コレステロールなどのある特定のリスクファクターのレベルに劇的な効果を有することができるので、これは注目すべきことである。確かにこれらの投薬の存在は、CHDを有しない訓練セットの対象よりもCHOを有する訓練セットの対象の血清コレステロールレベルの方が実際に低い理由であり得る。残念ながら、これらの種類のデータを現在の分析アプローチに組み入れることは、いくつかの理由から非常に困難である。追加的に、たとえ対象の処方の自己申告が正確であっても、投薬遵守および治療歴の長さなどの、その効果を説明するために必要な重要な情報が、入手不可能である。しかし、将来、エピジェネティックなシグネチャーに対する医学介入の効果を完全に理解しようとするならば、「錠剤数」および血清薬物レベルの情報などのデータを有することが重大であろう。
追加的に、本発明者ら研究にはいくつかの他の制約がある。最初に、本発明者らの研究は、ヨーロッパ祖先の個体だけを含む。しかし、本発明者らのモデルへの遺伝的変異の組み入れは、民族群間の一般化可能性を可能にする。それにもかかわらず、これを実証するために追加的な研究が要求される。第二に、本発明者らのアプローチが症候性CHDを予測するのに対して、目標は、最初のCHD事象のリスクおよび続いてCHD事象の再発リスクを予測する能力がある多変量モデルを構築することへの概念実証として本研究を使用することである。将来を見越して生体試料採取されたコホートにおけるさらなる探索が、その目標を達成するために必要であろう。さらに、この統合型遺伝的-エピジェネティックアプローチに利点があると言及することが重要である。リスクの計算への従来型リスクファクターの使用は、面倒な試験手法、かなりの量の血液の収集および複数の検査室検査を要する。おそらく、これらの面倒なことの多い試験および手法の必要性は、1マイクログラムまたはそれ未満のDNAを使用する単一の遺伝的-エピジェネティックアッセイ手法を使用することによって大きく減少するであろう。より重要には、高い予測的価値を有する特定のエピジェネティック遺伝子座に関連する経路は、治療的介入、リスクファクターの管理および処置の効力のモニタリングおよび生活様式の修正を指導するのに非常に有用であることもできる。
実施例4の参考文献
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Figure 0007672192000021
Figure 0007672192000022
Figure 0007672192000023
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実施例5
心血管疾患の予測におけるメチル化およびG×メチル化の効果:脳卒中および鬱血性心不全
メチル化ベースのバイオマーカーは、診断法および治療法の指導に使用するためにますます臨床的魅力を増している。現在、便試料中に見出されるヒトDNAにおけるDNAメチル化を定量するアッセイであるCologuardが、結腸癌の検出用にFDAから承認されている(Lao and Grady 2011)。加えて、血液由来DNAを使用してタバコ消費を検出するDNAメチル化アッセイであるSmoke Signature(商標)(Philibert, Hollenbeck et al. 2016)が、研究市場で入手可能であり、FDA提出のために準備中である。メチル化状態が心血管疾患を予測するCpG遺伝子座を同定しようとして、何人かの研究者が、臨床診断と組み合わせてゲノムワイドなアプローチを使用した。特に、Brennerおよび共同研究者ら(Breitling, Salzmann et al. 2012)は、心血管疾患のバイオマーカーとしてF2RL3の残基cg03636183を同定した。残念ながら、これらの分析は、喫煙状況の情報が不完全であることによって完全な交絡が生じていることが示されており、遺伝分散が交絡を生じる可能性を考慮しなかった。実際に、喫煙の強度を十分に説明するバイオマーカーアプローチを使用すると、cg03636183の冠動脈心疾患シグナルは消失する(Zhang, Schoettker et al. 2015)。さらに、ゲノムワイドメチル化および遺伝分析をバイオマーカーガイド下の喫煙評価と併用して、本発明者らは、最近、心疾患情報を提供する対象の大きなコホートからのデータを分析した。本発明者らは、喫煙強度の状況と独立して、メチル化-遺伝子型交互作用により具体化される、遺伝との関連でのメチル化状態が、実際に、冠動脈心疾患の予測によりよく寄与すること、および局所的遺伝子変異とメチル化を組み合わせるアルゴリズムの使用が、冠動脈心疾患の予測を顕著に改善することを示した(CVD, Doganら、提出中)。
しかし、CVDは、心血管疾患(CVD)の3つの大きな形態の1つにすぎない。脳卒中および鬱血性心不全(CHF)も、CVDの顕著な形態である。これらの例では、本発明者らは、本発明者らのCVDに関する以前の研究を拡張して、SNPにより具体化される遺伝的変異とIlluminaメチル化プローブにより具体化されるエピジェネティックなマーカーとの組み合わせが、脳卒中またはCHFをどのように予測するかを示す。
要約
鬱血性心不全(CHF)および脳卒中は、3つのよく見られる種類の心血管疾患(CVD)のうちの2つである。CHFおよび脳卒中は、多数のアメリカ人を冒す。喫煙を避けるなどの予防策を講じて脳卒中およびCHFのリスクを減らすことができるものの、これらの疾患のリスクを早期検出するための選択肢は限られている。しかし、近年、エピジェネティクス分野が複雑な病気を理解する代替アプローチを提供した。具体的には、DNAメチル化シグネチャーは、発生前のCHFおよび脳卒中に関する頑健な臨床検査を開発する機会を提示し得る。DNAメチル化だけを利用し、それを多種多様な個体群に一般化する能力は、交絡遺伝的効果の存在により限定される可能性もある。したがって、本発明者らは、フラミンガム心臓病研究からの遺伝データとエピジェネティックなデータとを統合して、CHFおよび脳卒中の予測能を一括して増加させるSNPおよびDNAメチル化部位を明らかにした。本発明者らの予備分析により、3つのDNAメチル化部位および3つのSNPの組み入れは、主効果および交互作用効果のモデルにおいてそれぞれ0.78および0.81の受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)でCHF状況を分類する能力があることが示唆される。これらのモデルのパラメーターを評価する上で、本発明者らは、DNAメチル化およびSNPの両方が、同時に実行された場合にCHF状況を高度に予測することを示す。同様に、主効果および交互作用効果のモデルについてそれぞれ0.85および0.86の脳卒中のROC曲線のAUCは、遺伝的効果およびエピジェネティックな効果を統合する重要性を実証している。これらのモデルは最適化されておらず、比較的小さいCHFおよび脳卒中の標本サイズで開発されたものの、本発明者らは、より大きなコホートを使用して開発された、遺伝的効果およびエピジェネティックな効果を説明するこのアルゴリズムのより最適化されたバージョンが、CHFおよび脳卒中のリスクをその発生前に予測する本発明者らの能力を顕著に改善することもできると確信している。本発明者らは、アルゴリズム中に遺伝情報が存在することが、異なる民族群へのその一般化を可能にすることにも自信がある。
緒言
心血管疾患(CVD)は、3つの異なる診断実体、すなわち冠動脈心疾患(CVD)、脳卒中および鬱血性心不全(CHF)を含む。CVDは、それ自体、米国における主な死亡原因であり、一方で脳卒中は、死亡原因の第4位である(疾病管理予防センター)。過去50年にわたり、いくつかの投薬および装置が、CVDを処置するために開発されている。残念ながら、致死性血栓塞栓イベントまたは心イベントまでCVDの存在に気づかないせいで、毎年、数十万人のアメリカ人の死亡が続いている。CVDのためのより有効なスクリーニング手法があれば、おそらく、これらの死亡のいくつかの予防をもたらすこともできる(Mozaffarian, Benjamin et al. 2016)。しかし、現時点で、空腹時脂肪パネルなどのある特定の技法の厄介さならびに/または心電図およびC反応性タンパク質レベルなどの他の技法の限られた予想能は、CVDの同定における現行アプローチの有効性を制限している(Buckley, Fu et al. 2009, Auer, Bauer et al. 2012, Mozaffarian, Benjamin et al. 2016)。
何人かの研究者は、遺伝的アプローチであれば、CVD関連罹患および死亡を予防するための別の潜在的手段を提供することもできると提唱した(Paynter, Ridker et al. 2016)。全エクソームおよびゲノム配列決定技法を使用して、CVDの素因になるいくつかの変異体が同定されている。これらの変異体の多くによって付与される相対リスクは、しばしば多大であり、それらの存在は、予防法および治療法を指導するために有用なときがある(Mega, Stitziel et al.)。しかし、孤立した例外を除き、大きなエフェクトサイズの変異体は、稀でありがちであり、集団特異的であることが多く、それらの存在は、目下の疾患に特徴的ではない。(Traylor, Farrall et al. 2012, Paynter, Ridker et al. 2016)。したがって、現時点で、遺伝的アプローチは、一般医療行為において目下のCVDの存在または不在の評価のために一般的には使用されない。
あるいは、他の研究者らは、エピジェネティック技法がCVDの評価に有用であり得ると提唱した(Sharma, Kumar et al. 2008, Gluckman, Hanson et al. 2009, Breitling, Salzmann et al. 2012)。2型糖尿病、喫煙および飲酒の存在についての複製末梢白血球DNAメチル化シグネチャーが開発されて以来(Monick, Beach et al. 2012, Toperoff, Aran et al. 2012, Zeilinger, Kuehnel et al. 2013, Philibert, Penaluna et al. 2014)、この示唆は、強い表面的妥当性を有する。注目すべきことに、Brennerおよび共同研究者らは、このアプローチを使用して凝固因子II(トロンビン)受容体様3(F2RL3)中に見られるCpG残基であるcg03636183でのDNAメチル化が心疾患のリスクを予測すると提唱した(Breitling, Salzmann et al. 2012, Zhang, Yang et al. 2014)。これは、生物学的に極めて真実味のある結果であるものの、彼らのその後の研究により、cg03636183でのCVD関連シグナルが、cg05575921でのDNAメチル化によって指し示される喫煙状況と完全に共分離することが実証された(Zhang, Schoettker et al. 2015)。cg05575921は、アリール炭化水素受容体抑制因子(AHRR)に見出されるCpG残基であって、喫煙状況に関するその強い予測力は、多数の研究で実証されている(Andersen, Dogan et al. 2015)。
しかし、最初に興味をそそったcg03636183の結果で、喫煙単独により付与されるリスク以外の追加的なリスクを独立して同定できないからといって、CVDまたは他の形態のCVDの存在を評価するためのメチル化アプローチが失敗する運命にあることが意味されるわけではない。そうではなく、成功するアプローチは、よりきめ細かい必要があること、および本発明者らのメチル化状態とCVDとの関係の概念化を再考することが有効であることを、それらの結果は示唆している。例えば、Brennerのグループによる結果は、目下のCVDを予測するためのメチル化アルゴリズムが、喫煙状況の指標を含むべきであると強く示唆している。喫煙がCVDにとっての予防可能な最大のリスクファクターであるという事実を考えると(Center for Disease Control 2005)、これは、大いに論理的である。しかし追加的に、それらは、喫煙などの環境リスクファクターまたは高脂血症などの他の心臓リスクファクターへの曝露の長期影響が、遺伝子-環境交互作用によって不明瞭になる場合があることを考慮する必要があり得る。
遺伝子-環境交互作用(G×E)効果が、病気に対する脆弱性を緩和することに果たす役割は、おそらく行動科学の場合の方がよく認識されている。G×E効果の基本的な前提は、発生的に感受性の高い期間における環境の影響が、系統の生物学的特性を遺伝子との関連で変化させることによって、将来的に環境因子の不在下であっても病気に対する高い脆弱性が存在することである(Yang and Khoury 1997)。重要なことには、遺伝的変数による交絡のために、環境変数の直接効果は、一般的に検出不能である。それどころか、遺伝的変異に照らして検討した場合のみ、直接効果を検出することができる。いくつかのG×Eの結果の強さは、議論の余地があるが、多くの研究者が、うつ病、外傷後ストレス障害、および反社会的行動などの多様な行動障害の病態形成におけるこれらのG×E効果の重要性を強調し続けている(Caspi, McClay et al. 2002, Caspi, Sugden et al. 2003, Kolassa, Ertl et al. 2010)。
これらのG×E効果の物理的基礎は、変動すると考えられる。例えば、解剖学的レベルで、行動障害についてのG×E効果は、シナプス構造における変化により出現することができる(McEwen 2007)。とはいえ、分子レベルでは、G×E効果の物理的出現は、より不確かである。しかし、何人かの研究者は、DNAメチル化の変化が、G×E効果の物理的効果が伝えられる1つの潜在メカニズムであり得ると示唆した(Klengel, Pape et al. 2014)。
興味深いことに、環境における行動関連変化が、DNAメチル化を変えることができ、それらの変化の度合いが遺伝的変異により影響されるという事実が、長年にわたり公知である。本発明者らの初期の候補遺伝子研究において、本発明者らは、喫煙がモノアミン作動性神経伝達の主要な調節因子であるモノアミンオキシダーゼA(MAOA)のプロモーター領域におけるDNAメチル化を変えたこと、ならびに喫煙の存在下および不在下の両方の状況で、十分に特徴づけられたプロモーター関連可変ヌクレオチドリピート(VNTR)での遺伝子型がメチル化パーセントを変更したことを示した(Philibert, Gunter et al. 2008, Philibert, Beach et al. 2010)。続いて、Volkowおよび共同研究者らによって、それらの遺伝子座でのメチル化の変化が機能性であることが示された(Shumay, Logan et al. 2012)。
現在の用語法において、喫煙または基礎DNAメチル化に及ぼすVNTRの効果は、今日、遺伝子型-メチル化交互作用効果と呼ばれる。本発明者らが自分たちの最初のゲノムワイド研究を行ったときに、これらのMAOA交互作用効果は、本発明者らがそれらと喫煙との関係を検出する能力に結果をもたらした。喫煙に応答して喫煙がDNAメチル化において誘導する変化の大きさにかかわらず、一方の性別だけの対象からのDNAの研究であっても、MAOAのVNTR周囲のプローブは、より高い順位のプローブに含まれない。最初の研究からの他の観察も同様に教示的である。第一に、喫煙に対する局所メチル化応答は、同質でなかった。プロモーター関連アイランド中の88個のCpG残基のメチル化状態の因子分析によって、アイランドのある領域でのメチル化増加が他の領域での脱メチル化と関連する可能性もあるが示された(Beach, Brody et al. 2010)。最後に、DNAメチル化に及ぼす喫煙の効果は静的でなかった。将来、シグネチャーが崩壊する傾向があった(Philibert, Beach et al. 2010)。したがって、これらの初期の研究から、MAOAプロモーターでの遺伝的変異が、局所DNAメチル化シグネチャーに及ぼす環境因子の効果を複雑な方法で変えることができたことが明らかであった。
続く研究は、喫煙に応答したこれらの他ならぬ複雑さの多くがゲノムワイドなレベルで明白であることを示唆している。例えば、遺伝的変異がゲノムワイドなレベルでメチル化応答の大きさに影響すること、および様々な祖先のシグネチャーからシグネチャーを複製しようとするときに、異なる祖先の対象プールにおける所与の遺伝子座での結果を複製する能力をこれらの交互作用効果が損なう場合があることが明らかである(Tsaprouni, Yang et al. 2014, Dogan, Xiang et al. 2015)。 第二に、そして同時に重要なことに、メチル化シグネチャーの復帰は、複雑である可能性がある(Tsaprouni, Yang et al. 2014, Guida, Sandanger et al. 2015)。Guidaおよび共同研究者らは、集めた745人の対象からのDNAにおいて禁煙に対するエピゲノム応答を特異的に調査し、メチル化シグネチャーが時間と共に復帰したものと復帰しなかったものという2クラスのCpG部位を見出し、ゲノムワイドなレベルで「禁煙後のメチル化変化の動態が、喫煙の強度および持続期間とは無関係な、差次的で部位特異的大きさの喫煙誘導変化によって推進される」と結論した(Guida, Sandanger et al. 2015)。まとめると、証拠の実質的な本体は、喫煙へのゲノムワイドなシグネチャーが、一部のみ可逆的であること、および非可逆変化の大部分が交互作用効果の中に完全に隠れる場合があることを示唆している。
喫煙は、CVD一般、特に脳卒中およびCVDの大きなリスクファクターであるので、このことは、CVDについてのリスクを緩和するエピゲノム中に存在する喫煙誘導リスクの一部が、若干非可逆的であり、交互作用効果に隠れる場合があることも示唆している。追加的に、喫煙は、CVDのリスクを変えることができるいくつかの因子のうちの1つにすぎず、これらの他の因子も複雑なエピジェネティックシグネチャーを有する場合があるので、末梢WBCのDNAメチル化の照合が、CVDのリスクを緩和する、相対的に安定な交互作用効果を明らかにする場合があることは、あり得る話である。
それでまとめると、様々な形態のCVDの予測のために遺伝情報またはエピジェネティックな情報のいずれかを使用することは、うまく機能しない。しかし、これらの測定の組み合わせ、特に交互作用効果を生じる組み合わせが、優れたパフォーマンスを示すこともできる可能性がある。
この短報において、本発明者らは、回帰分析アプローチを使用し、フラミンガム心臓病研究に参加した324人の対象からのエピジェネティック資源および遺伝資源を使用して、環境情報(メチル化)と遺伝情報(SNP)との組み合わせまたはそれらの交互作用効果が、CVDを予測するためにアルゴリズムによりよい貢献を行うことができるかどうかを試験した。
方法
フラミンガム心臓病研究。本研究に使用されたデータは、フラミンガム心臓病研究(FHS)の参加者から得られたものである(Dawber, Kannel et al. 1963)。FHSは、心血管疾患(CVD)のリスクを理解することを目標とする長期試験であり、オリジナルコホート、オフスプリングコホート、オムニコホート、第三世代コホート、新オフスプリング配偶者コホートおよび第二世代オムニコホートを含むいくつかのコホートからなる。具体的には、オリジナルコホートの子およびその配偶者からなる、1971年に開始したオフスプリングコホートを本研究に使用した。このコホートは、男性2,483人および女性2,641人(合計5,124人)からなる(Mahmood, Levy et al. 2014)。この短報に記載する特異的分析は、アイオワ大学施設内審査委員会によって承認された。
ゲノムワイドなDNAメチル化。オフスプリングコホートの5,124人の個体のうち、DNAメチル化データを有する2,567人の個体(重複を除く)だけを考慮した。これらの個体は、フラミンガムオフスプリング第8回調査に参加し、遺伝子研究に合意し、バフィーコート試料を有し、メチル化プロファイリングのために十分な量および品質のDNAを有したので、DNAメチル化研究に算入した。第8回調査は、2005年から2008年の間に行われた。これらの個体の白血球から抽出したゲノムDNAを亜硫酸水素塩に変換し、次に、ミネソタ大学またはジョンズホプキンス大学のいずれかでIllumina HumanMethylation450 BeadChip(San Diego, CA)を使用してゲノムワイドなDNAメチル化をプロファイリングした。試料の強度データ(IDAT)ファイルをそのスライドおよびアレイ情報と一緒に使用して、MethyLumi、WateRmelonおよびIlluminaHumanMethylation 450k.db Rパッケージを使用するDASEN正規化を行った(Pidsley, Y Wong et al. 2013)。DASEN正規化は、プローブのフィルタリング、バックグラウンド補正およびプローブタイプの調整を行う。試料が検出p値>0.05でCpG部位を>1%含有したならば、その試料を除去した。CpG部位が<3のビーズカウントを有し、かつ/または試料の>1%が検出p値>0.05を有したならば、そのCpG部位を除去した。DASEN正規化の後、2,560個の試料および484,241個の部位(484,125個のCpG部位)が残った。CpG部位を染色体毎に群分けした。これらのCpG部位のうち、472,822個が常染色体にマッピングされた。Lumiパッケージ中のbeta2m R関数を使用してメチル化β値をM値に変換し、続いてRスクリプトを使用してzスコアに変換した(Du, Kibbe et al. 2008)。
ゲノムワイドな遺伝子型。DNAメチル化の品質管理後に残った2,560人の個体のうち、2,406人(男性1,100人および女性1,306人)は、Affymetrix GeneChip HumanMapping 500K Array Set(Santa Clara, CA)からのゲノムワイドな遺伝子型データを有した。このアレイは、ゲノム中の500,568個のSNPをプロファイルする能力がある。PLINKにおいて試料レベルおよびSNPプローブレベルの両方で品質管理を行った。最初の品質管理段階は、不調和な性別情報を有する個体を同定することを含んでいた。だれも同定されなかった。次に、平均±2SDよりも大きいまたは小さいヘテロ接合率を有する個体および欠測SNPの比率が>0.03の個体を除外した。家系同一性の値が>0.185(第二度近親と第三度近親の中間)ならば、血縁個体も除外した。これらの試料レベルの品質管理段階を行った後、1,599人の個体が残った(男性722人および女性877人)。プローブレベルに関して、マイナーアレル頻度>1%、Hardy-Weinberg平衡のp値>10-5およびSNP欠測率<5%を有するSNPを保持した。これらの品質管理段階の後に合計403,192個のSNPが残った。PLINKにおける再コード化オプションを使用して(Purcell, Neale et al. 2007)、マイナーアレル頻度あたり遺伝子型を0、1または2としてコードした。
表現型。本研究における個体について、それらの脳卒中および鬱血性心不全(CHF)状況を抽出した。オフスプリングコホートの第8回調査サイクルの間にDNAメチル化用の生体材料が収集されたので、この第8回調査の前に脳卒中またはCHFの発生日を有する個体だけを算入した。この判断基準に基づき、それぞれ合計1,540人および1,562人の個体がCHF分析および脳卒中分析のために残った。
CHF分析のために利用可能な1,540人の対象のうち、40人がCHFを有すると分類された。フラミンガム研究によるCHFの大基準は、脳卒中性夜間呼吸困難または起坐呼吸、頸静脈拡張、ラ音、X線による心臓サイズの漸増、胸部X線での急性肺水腫、心室S(3)奔馬調律、静脈圧増加>16cm H2O、肝頸静脈逆流、肺水腫、内臓鬱血、剖検で示される心肥大またはCHFのRxに応答した10lb/5日の体重減少を含む。小基準は、両側足関節浮腫、夜間の咳、通常労作での呼吸困難、肝腫大、X線による胸水、肺活量の最大記録値からの3分の1の減少、頻脈(1分間に120拍もしくはそれよりも多い)または胸部X線での肺血管鬱血を含む。CHFを有すると分類するには、個体に最低でも2つの大基準または1つの大基準および2つの小基準が同時に存在する必要がある。これらの1,540人の個体の人口統計を表17に要約する。
(表17)CHFデータセットにおける1,540人の個体の人口統計
Figure 0007672192000025
脳卒中の分析のために利用可能な1,562人の対象のうち、38人が脳卒中を有していたと分類された。脳卒中は、出血性脳卒中(くも膜下出血または脳内出血)、虚血性脳卒中(脳塞栓またはアテローム血栓性脳梗塞)、一過性虚血脳卒中または脳卒中死を包含する。これらの1,562人の対象の人口統計を表18に要約する。
(表18)脳卒中データセットにおける1,562人の個体の人口統計
Figure 0007672192000026
変数削減。品質管理手段後に残った遺伝子(SNP)プローブおよびエピジェネティックな(DNAメチル化)プローブの合計数は、それぞれ403,192個および472,822個であった。変数が多い(合計876,014個、SNPとDNAメチル化部位との間の可能な交互作用を除く)ため、および共線性を回避するために、変数削減を行った。
連鎖不平衡ベースのSNPのプルーニングを、PLINK(Purcell, Neale et al. 2007)を用いてウインドウサイズ50SNP、ウインドウシフト5SNP、およびペアワイズSNP-SNP LD閾値0.5で行った。これによりSNP数は403,192個から161,474個に減少した。SNP数をさらに減らすために、残りの161,474個のSNPとCHFおよび脳卒中状況の間でカイ二乗p値を計算した。カイ二乗p値<0.1を有するものを分類分析のために保持し、CHFについて15,132個のSNPおよび脳卒中について14,819個のSNPが生じた。
DNAメチル化遺伝子座数を減らすために、最初に472,822個のCpG部位とCHFおよび脳卒中状況との間の点双列相関を計算した。点双列相関が少なくとも0.1であった場合、CpG部位を保持した。CHFおよび脳卒中についてそれぞれ合計19,112個および22,837個のCpG部位が残った。続いて、各病気について部位間のPearson相関を独立して計算した。2つの遺伝子座間のPearson相関が少なくとも0.8であった場合、より小さい点双列相関を有する遺伝子座を廃棄した。最後に、CHFおよび脳卒中についてそれぞれ10,707個および9,406個のDNAメチル化遺伝子座が分類分析のために残った。
受信者動作特性曲線。受信者動作特性(ROC)曲線は、様々な識別閾値を有する2項分類パフォーマンスのグラフ表示を提供する。したがって、CHFおよび脳卒中(Stroke)を分類する上でのDNAメチル化およびSNPの能力を評価するために、下に示すモデルのロジスティック回帰を行い、続いてR上でpROCパッケージを使用してROC曲線の曲線下面積(AUC)を計算するために、Rスクリプトを書いた(Beck and Shultz 1986)。これを、病気に対して点双列の降順に並べたDNAメチル化部位および病気に対してカイ二乗p値の昇順に並べたSNPを使用して系統的に行った。下に挙げたモデルにおいて、SNP * meth項は、遺伝子-環境交互作用を表す。
CHF ~ SNPj + methi + SNPj * methi
Stroke ~ SNPj + methi + SNPj * methi
結果
CHF分類のROC。上位3個のDNAメチル化部位(cg09099697、cg19679281、cg25840850)およびSNP(rs10833199、rs11728055、rs16901105)を使用して、主効果のみを組み入れているモデルをCHFについてフィッティングした。ROCのAUCは0.78であり、これを図10に示す。モデルパラメータを表19に要約する。
(表19)主効果CHFモデルのパラメーター
Figure 0007672192000027
CHFをよりよく予測する上でDNAメチル化およびSNPの両方を組み入れる重要性をさらに実証するために、方法の部に示される交互作用の項をCHFモデルに含めた。このモデルについてのROCのAUCは、以前のモデルから増加して0.81になり、これを図11に示す。モデルパラメータを表20に要約する。
(表20)交互作用効果CHFモデルのパラメーター
Figure 0007672192000028
CHFのためのこれらの2つのモデルは、遺伝的効果およびエピジェネティックな効果の両方を説明する重要性を明らかに実証している。表19に示すように、たとえ3つだけの変数(2つのCpGおよび1つのSNP)がCHFに関して0.05レベルでわずかに有意であるにしても、SNP-meth交互作用の形態で遺伝子-環境交互作用を組み入れることは、予測を強化する。これを、2つの交互作用の項が0.05レベルで有意であるとともに、1つの他の交互作用がわずかに有意であることを表20に示す。
脳卒中の分類のROC。上位5つのDNAメチル化部位(cg27209395、cg27551078、cg03130180、cg10319399、cg25861340)および上位4つのSNP(rs11007270、rs17073262、rs7190657、rs2411130)を使用して、脳卒中について主効果モデルをフィッティングした。ROCのAUCは0.85であり、これを図12に示す。モデルパラメータを表21に要約する。
(表21)主効果脳卒中モデルのパラメーター
Figure 0007672192000029
DNAメチル化部位およびSNPの重要性を再び同時に実証するために、交互作用効果のモデルモデルをフィッティングした。このモデルについてのROCのAUCは0.86であり、これを図13に示す。モデルパラメータを表22に要約する。
(表22)交互作用効果の脳卒中モデルのパラメーター
Figure 0007672192000030
再度、これらの2つの脳卒中モデルは、脳卒中における遺伝および環境の重要性を実証している。DNAメチル化部位およびSNPの両方は、脳卒中を分類するために高度に有意である。さらに、分類パフォーマンスは、多様な民族背景およびより大きな標本サイズを有する追加的な研究において増加する可能性がある。
考察
結果は、脳卒中またはCHFの存在を、SNP、メチル化値、および/またはそれらの交互作用の項の組み合わせを利用するアルゴリズムの使用を通じて推測することができると実証している。しかし、結果を考察することができる前に、本研究へのいくつかの制約に言及することが重要である。第一に、フラミンガムコホートは白人のみであり、大部分の対象は、60代の半ばから後半および70代である。したがって、本結果は、他の民族または異なる年齢範囲に当てはまらない場合がある。第二に、cg05575921以外に、その他のプローブについてのM(またはB値)の妥当性は、パイロシーケンシングなどの独自の技法によって確認されていない。第三に、研究に使用されたIlluminaアレイは、もはや入手不可能である。新世代のアレイにおけるプローブの設計または入手性の変化のために、複製および拡張する能力が影響される場合がある。
本結果は、本発明者らの心疾患の理解を促すフラミンガム心臓病研究などの資源の価値を強調するものである。実際に、この資源なしでは、この種の作業は実施が不可能とはいわないまでも、困難であるというのが当を得ている。なお、この独特なデータセットを用いた本結果を考慮すれば、本短報に記載されたようなスクリーニング試験を臨床的に採用できる前に、多量の追加的な作業が必要である。最も明白には、本結果は、他のデータセットで複製および精密化され、次に、それらの意図された将来的な臨床適用を代表する研究集団で再試験されなければならない。後者のポイントが特に重要である。それは、本来疫学的に信頼できた、適切に計画されたコホート研究であっても、残りのプールのあまり重篤でない病気が富化される維持バイアスに苦しむからである。高レベルの物質使用を有する発端者の方が長期経過観察され損なうことが多いので、このことは、物質使用に関連する病気に関して特に真実である(Wolke, Waylen et al. 2009)。追加的に、SNPの頻度は民族の間で変動する可能性があるので、所与の交互作用のエフェクトサイズも変動する場合がある。したがって、民族情報を提供する多様なコホートにおける広い試験および開発が必要である。
AUCの改善は天井に突き当たることがあり得る。皮肉にも、これは、エピジェネティックなデータおよび遺伝データの質または量とほとんど関係ない。それどころか、制約は、臨床的特徴づけにおける不確実性であり得る。悲しいことに、最良の条件下でさえ、臨床的に関連する形態のCVDが未検出のままの可能性がある。FHSコホートについてさえ、これは真実である。結果として、本研究における「判断基準」自体が、実際の臨床状況に関して幾分不正確である。この不正確さは、関連する生物学的性質に正確に標的づけられたバイオマーカーの誤差さえも増加させるので、本発明者らがAUCを改善できることは、本発明者らがより正確な臨床評価を得られることに依存し得る(Philibert, Gunter et al. 2014)。
本アプローチを使用する別の制約は、常に進化しているCVDの疫学である。CVDへの遺伝的寄与は比較的一定であるのに対し、食事および他の環境曝露は、世代にわたり変動し続ける。本試験の予測力への喫煙の寄与を前世代において考慮することによることが、おそらく、この制約の最良の実例であることができる。タバコは、1500年前半に新世界からヨーロッパに導入されたので、本発明者らは、中世ヨーロッパにおけるCVDへの喫煙の寄与は限定的であり、したがって、予測力に対するcg05575921の影響はゼロであったと自信をもって述べることができる。対照的に、1960年代には米国成人の40%超が喫煙していたので(Garrett, Dube et al. 2011)、cg05575921によって捕捉されるようなCVDの予測への喫煙行動の寄与は、その時代の対象の方が有意に大きかった可能性がある。しかし、喫煙が、世代間およびコホート間で変動する唯一の環境因子というわけではない。過去20年にわたり、健康な食事における飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の量に向けた本発明者らの理解および公衆の態度に顕著な変化があった。これらの環境因子もCVDの可能性に強い影響を有するので、本発明者らは、これらの食事因子に負荷する交互作用効果の重み付けが年齢および民族に応じて変動する場合があると予想する。
自己申告性の喫煙と比較して喫煙メチル化バイオマーカーcg05575921の予測力が向上したことは予想外ではない。本発明者らの初期研究では、それは、十分にスクリーニングされた症例および対照を使用した研究において0.99のAUCを有する現在の喫煙状況の強力な指標であることが示されている(Philibert、Hollenbeck et al. 2015)。特に高リスクコホートにおける喫煙の自己申告が信頼できないことは、確立した現象である(Caraballo, Giovino et al. 2001, Webb, Boyd et al. 2003, Caraballo, Giovino et al. 2004, Shipton, Tappin et al. 2009)。さらに、cg05575921と異なり、カテゴリーの自己申告は、喫煙強度を捕捉しない(Philibert, Hollenbeck et al. 2015)。最後に、研究に参加し得た多数の対象が、以前に喫煙した場合があるが、ウェーブ8の面接で喫煙しなかったもののAHRRの残留脱メチル化をまだ有した。これらの場合のそれぞれで、連続メトリックの使用が、2値喫煙変数によって捕捉されないCVDに対する追加的な脆弱性を捕捉し得る。
アルコール依存症は、CVDに対するリスクでもあるので(Mozaffarian, Benjamin et al. 2016)、本発明者らは、アルコール摂取を評価するために、本発明者らが以前に確立および検証したバイオマーカーアプローチがより大きな予測影響を有しなかったことに幾分驚かされた(Philibert, Penaluna et al. 2014, Brueckmann, Di Santo et al. 2016)。本発明者らの初期のモデルでは、cg2313759のメチル化状態の追加は、AUCを0.015改善しただけであった。CVDのリスクに及ぼすアルコール使用の影響をこのように示し損ねた1つの理由は、このマーカーが本発明者らの喫煙バイオマーカーほどはよく検証されていないことであり得るものの、他の理由もある。何よりもまず、全ての曝露レベルで平均余命が減少するリスクが持続的に増加していることを示すcg05575921のメチル化とは対照的に、cg2313759のメチル化は、生物学的加齢に関して逆U字型分布を示す。CVDのリスクがアルコール摂取に関してもU字型分布に従うかどうかは、未知である。しかし、それは、アルコール関連メチル化の主効果を組み入れる成功したアルゴリズムがいずれも単純な線形アプローチを使用することができないことを実際に示唆している。
本発明者らがゲノムワイドな有意な主効果の不在下でCVDを予測するアルゴリズムを発見することに成功したことは、成人期によく見られる他の複合障害に関するマーカーセットの探索をするために重大な意味を有し得る。米国における主な死亡原因の上位10個のうち、主効果を使用して、2型糖尿病および慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関してのみ信頼できるメチル化シグネチャーが開発されている(Qiu, Baccarelli et al. 2012, Toperoff, Aran et al. 2012)。病気の優れたバイオマーカーを見い出す能力は、臨床診断の信頼性に高度に左右されるので、これらの2つの実例での成功は、これらの2つの障害を診断するために使用される方法、すなわちヘモグロビンA1Cおよび肺活量測定の素晴らしい診断信頼性に二次的であり得る。追加的に、T2DMに関する診断シグネチャーが過剰なグルコースレベルによって影響される経路に主としてマッピングされるのに対し、COPDに関連するシグネチャーは、COPDの全例の95%に寄与する喫煙のシグネチャーと大きく重複すると言及することは重要である(Qiu, Baccarelli et al. 2012, Toperoff, Aran et al. 2012)。それでも、脳卒中などの他の主な死亡原因に関するリスクファクターの多くがCVDのリスクファクター(例えば喫煙)と重複するので、本発明者らは、このアプローチを使用して類似のプロファイルを生成することができると楽観的に考えている。
残念ながら、よく見られる成人発症型の複合障害の大多数が、優れた既存のバイオマーカーまたは大きなエフェクトサイズの病因因子を有しない。これらの場合、交互作用効果を組み入れるアプローチが、有益であり得るが、本当の疑問は、なぜなのかである。推論的であるものの、ローカルデータおよびゲノムワイドデータでの本発明者らの経験は、細胞ストレッサーへの慢性曝露がエピゲノムの再編成をもたらし、それが一部だけ可逆的であり得ると示している。どれだけ長く持続するかにかかわらず、ゲノムのその組織崩壊は、必然的に病気と関連するので、それを病気のバイオマーカーとして使用することができる。これらの効果のそれぞれの復帰時間を理解することは、追加的な洞察をもたらし得る。例えば、薬理学的介入は、別個のサブセットに効果を有し得る。これらの遺伝子座での復帰と治療アウトカムとの関係を理解することによって、既存の投薬を最適化するまたは新しい併用レジメンをより巧みに合わせることが可能であり得る。
まとめると、本発明者らは、交互作用効果からの情報を組み入れるアルゴリズムで、FCSにおける脳卒中およびCHFの存在を予測することができると報告する。アプローチの一般化可能性を他の民族のコホートに複製および拡大するためのさらなる研究が指摘されることを、本発明者らは示唆する。類似のアプローチが脳卒中などのよく見られる他の複合障害についてのメチル化プロファイルの生成をもたらしうることを、本発明者らはさらに示唆する。
実施例5の参考文献
Figure 0007672192000031
Figure 0007672192000032
Figure 0007672192000033
Figure 0007672192000034
前述の明細書および実施例は、本発明を十分に開示し、可能にするものの、それらは、本発明の範囲を限定することを意図せず、本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
全ての刊行物、特許および特許出願は、参照により本明細書に組み入れられる。前述の明細書において、本発明がそのある特定の態様に関して説明されており、多くの詳細が例証のために示されているとはいえ、本発明に追加的な態様の余地があること、および本明細書に記載された詳細の若干が、本発明の基本原理から逸脱せずに少なからず変わり得ることは、当業者に明らかである。
用語「a」および「an」および「the」ならびに本発明を説明する状況での類似の指示対象の使用は、本明細書において特に示されないかぎり、または文脈と明らかに矛盾しないかぎり、単数および複数の両方に及ぶと解釈されるべきである。用語「含んでいる(comprising)」、「有している」、「含んでいる(including)」、および「含有している」は、特に言及されないかぎり、非限定的な用語(すなわち、「非限定的に含むこと」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に示されないかぎり、その範囲内に入る別々の値のそれぞれを個別に参照する簡単な方法として役立てることが単に意図されるのであって、別々の値のそれぞれは、それが本明細書において個別に列挙されるかの如く本明細書に組み入れられる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において特に示されないかぎり、または文脈と明らかに矛盾しないかぎり、任意の適切な順序で行われることができる。任意および全ての実施例の使用または本明細書に提供される例示的な言い回し(例えば、「など」)は、単に本発明をよりよく説明することを意図するのであって、特に請求されないかぎり、本発明の範囲に限定を課すものではない。明細書中の言い回しは、任意の請求されていない要素が本発明の実施に不可欠であると示していると解釈されるべきではない。
本発明者らが知るところの本発明を実施するための最良の様式を含む、本発明の態様が、本明細書に記載されている。それらの態様の変形は、前述の説明を読むと当業者に明白になり得る。本発明者らは、技術者がそのような変形を必要に応じて採用することを予想し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に説明された以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、準拠法によって許容されるかぎり、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載された主題の全ての修飾および同等物を含む。そのうえ、本明細書に特に示されないかぎり、または文脈と明らかに矛盾しないかぎり、その起こり得る全ての変形における上記要素の任意の組み合わせが、本発明により包含される。

Claims (3)

  1. 冠動脈心疾患(CHD)と関連するバイオマーカーの存在を判定するためのキットであって、
    該バイオマーカーが、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化状態および少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型(SNP)の遺伝子型を含み、
    CpGジヌクレオチドcg26910465、cg11355601、cg16410464またはcg12091641を含むバイサルファイト変換された核酸配列に相補的である、
    (a) 少なくとも15ヌクレオチド長である、または、
    (b) 少なくとも10~14ヌクレオチド長であり、かつ、1つまたは複数の合成ヌクレオチド塩基を含む、
    少なくとも1つの第一の核酸プライマーであって、メチル化されていないCpGジヌクレオチドを検出する、少なくとも1つの第一の核酸プライマー;および
    SNP rs6418712またはrs10275666のDNA配列に相補的である、
    (a) 少なくとも15ヌクレオチド長である、または、
    (b) 少なくとも10~14ヌクレオチド長であり、かつ、1つまたは複数の合成ヌクレオチド塩基を含む、
    少なくとも1つの第二の核酸プライマー
    を含む、前記キット。
  2. 患者試料中のCHDと関連するバイオマーカーの存在を判定する方法であって、
    (a)該患者試料から核酸試料を単離する工程;
    (b)少なくとも1つのSNPの存在を検出するために該核酸試料の第一アリコートについてジェノタイピングアッセイを実施して遺伝子型データを得る工程であって、該少なくとも1つのSNPが、rs6418712またはrs10275666である、工程;ならびに
    (c)該核酸の第二のアリコート中の核酸をバイサルファイト変換して、CpG部位cg26910465、cg11355601、cg16410464またはcg12091641のメチル化状態を検出するために該核酸試料の第二のアリコートについてメチル化評価を実施し、特定のCpG残基がメチル化されていないかどうかに関するメチル化データを得る工程;
    (d)工程(b)からの遺伝子型および工程(c)からのメチル化データを、少なくとも1つのSNPの主効果および少なくとも1つのCpGの主効果および遺伝子-環境交互作用(SNP×CpG)効果の寄与を明らかにする少なくとも1つのアルゴリズムに入力し、結果を得る工程;ならびに
    (e)工程(d)からの結果に基いて、患者試料中のCHDと関連するバイオマーカーの存在を判定する工程
    を含む、前記方法。
  3. 結果が、CpG部位cg26910465、cg11355601、cg16410464またはcg12091641と、SNP rs6418712またはrs10275666との間の遺伝子-環境交互作用効果(SNP×CpG)を含む、請求項2記載の方法。
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