以下、本発明が適用された横型ブラインドについて図面を参照して説明する。
[全体構成]
図1に示すように、遮蔽装置の一例である横型ブラインド10は、ヘッドボックス11と、ラダーコード12と、スラット13と、ボトムレール14と、昇降コード15とを備えている。ヘッドボックス11は、上面が開口された側面視U字形状を有している。ヘッドボックス11は、天井、窓枠、カーテンボックス等の取付部に取り付けられる。
ラダーコード12は、ヘッドボックス11から垂下している。ラダーコード12は、一対の縦糸と、一対の縦糸間に架け渡される横糸とを備えている。横糸は、一対の縦糸間において、横型ブラインド10の高さ方向である昇降方向に沿って複数設けられる。一対の縦糸間において、昇降方向に沿って設けられた各段の横糸は、スラット13を支持する。
スラット13は、日射などを遮るための遮蔽材である。スラット13は、細長い矩形薄板状を有している。スラット13は、一対の縦糸間において、昇降方向に沿って設けられた各横糸によって、チルト調整可能に支持されている。また、複数枚のスラット13のうち最下段に位置するスラット13の下方には、ボトムレール14が配設されている。
ボトムレール14は、複数枚のスラット13が下降した状態を維持するための重量部材である。ボトムレール14は、スラット13とほぼ同じ長手方向の長さと短手方向の幅とを有する。ボトムレール14には、ラダーコード12における一対の縦糸の下端が接続されている。なお、図1では、ラダーコード12を2つ設ける構成を図示しているが、ラダーコード12の数は限定されず、スラット13を支持するために必要な数量を設ければよい。
昇降コード15は、ラダーコード12の近傍において、ヘッドボックス11から垂下している。昇降コード15は、各スラット13の短手方向中央に設けられた挿通孔(非図示)に挿通されており、下端がボトムレール14に接続されている。昇降コード15が引き上げられたとき、ボトムレール14が引き上げられることで、複数枚のスラット13がボトムレール14の上に積み上げるようにして上昇する。なお、図1では、昇降コード15を1つ設ける構成を図示しているが、昇降コード15の数は限定されず、スラット13を昇降するために必要な数量を設ければよい。
ヘッドボックス11は、その内部に、駆動軸20と、操作ユニット21と、コード支持ユニット22と、チルト部27とを備えている。駆動軸20は、ヘッドボックス11の長手方向に延在する角軸である。駆動軸20は、駆動力伝達部31、コード支持ユニット22、および、チルト部27に接続されており、操作ユニット21から付与された駆動力である回転力を各部に伝達する。
操作ユニット21は、操作部を構成する部分であって、ヘッドボックス11内の一端に位置する。操作ユニット21には、駆動力伝達部31が接続されている。操作ユニット21は、ボールチェーンなどの環状の操作コード21aと、操作コード21aが掛け合わされるプーリーとを備える。操作コード21aは、ヘッドボックス11から外方に向かって導出されている。操作ユニット21は、操作コード21aを操作し続けることによって、駆動軸20を回転させる。具体的に、操作コード21aは、横型ブラインド10の正面に位置する操作者から見て手前側の垂下部分を下方に引いたとき、ボトムレール14を上昇させ、奥側の垂下部分を下方に引いたとき、ボトムレール14を降下させる。
コード支持ユニット22は、駆動軸20に接続されており、チルト部23と、巻取部24と、障害物検知部25と、遅延ユニット26とを備えている。
チルト部23は、駆動軸20に対して相対回転不能に接続されており、溝部を備えている。当該溝部には、ラダーコード12が係合される。チルト部23は、駆動軸20と連動して回転する。チルト部23が回転することにより、ラダーコード12の一方の縦糸が上昇し他方の縦糸が下降することで、スラット13の角度が調節される。なお、チルト部27は、チルト部23と同様の構成であり、コード支持ユニット22に搭載されていない状態でヘッドボックス11に取り付けられている。
巻取部24は、昇降コードが巻回される巻取コーンを主たる構成要素としており、障害物検知部25及び遅延ユニット26を介して駆動軸20に接続されている。巻取コーンの外周には、昇降コード15が巻き付けられる。巻取コーンは、駆動軸20と連動して回転することで昇降コード15を巻き出し、または、巻き取る。すなわち、巻取コーンは、昇降コード15を巻き出し、または、巻き取ることで、スラット13を昇降方向に移動させる移動部である。
障害物検知部25は、巻取部24及び遅延ユニット26に接続されている。障害物検知部25は、昇降コード15に引き出し方向の張力が作用しないとき、昇降コード15を支持する巻取部24の回転を停止させる。また、障害物検知部25は、スラット13が下降される際にボトムレール14が障害物に衝突した場合、巻取部24の回転を停止させてスラット13及びボトムレール14の下降を停止させる。
遅延ユニット26は、駆動軸20に対して相対回転不能に接続されている。遅延ユニット26には、スラット13及びボトムレール14の自重下降を防止するよう駆動軸20の回転を規制するストッパが設けられている。また、遅延ユニット26は、駆動軸20がスラット13の角度を調節するチルト操作に要する回転量以上に回転した際に、巻取部24を駆動軸20と連動して回転させる。
具体的に、駆動軸20が昇降コード15を巻き取る方向に回転したとき、最初に、チルト部23によってラダーコード12の室外側の縦糸が上昇し室内側の縦糸が下降する。これにより、スラット13における室外側の長辺が下方に傾いた正全閉の状態から、スラット13における室内側の長辺が下方に傾いた逆全閉の状態にする。その後、巻取部24が昇降コード15を巻き取る。そして、昇降コード15を巻き出すときは、スラット13を逆全閉の状態から正全閉の状態にした後、巻取部24が昇降コード15を巻き出す。駆動軸20の回転方向として、スラット13が上昇させる上昇方向を第1方向であり、スラット13を下降させる下降方向が第2方向である。
[駆動力伝達部]
図1および図2に示すように、操作ユニット21には、駆動力伝達部31が接続されている。以上のような横型ブラインド10では、操作コード21aの手前側の垂下部分を下方に引いたとき、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる。このとき、ボトムレール14は、上昇するほど、スラット13が多く積み上がっていく。したがって、巻取部24に加わる荷重もボトムレール14の上昇に合わせて大きくなり、上昇方向の回転に対する負荷も大きくなっていく。そこで、駆動力伝達部31は、ボトムレール14の上昇の程度、すなわち上昇方向の回転に対する負荷の大きさに応じて減速比を切り替える構成を有している。すなわち、ボトムレール14が下限位置に近いときは、減速比を小さくして、上昇速度を相対的に速くし、ボトムレール14が上限位置に近いときは、減速比を大きくして、出力トルクを大きくして操作力が軽くなるようにしている。
図2ないし図4に示すように、駆動力伝達部31は、ケース32内に、入力部33と、切替部34と、第1伝達系統35と、第2伝達系統36と、第3伝達系統37と、出力部38と、ブレーキ39とを備えている。これにより、このような減速比の切り替えを3段階で行うことができるようにしている。第1伝達系統35、第2伝達系統36、および、第3伝達系統37は、この順で、減速比が順次大きくなっていく。出力部38およびブレーキ39には、駆動軸20が接続されている。
[入力部]
図4に示すように、入力部33は、操作ユニット21と接続される。切替部34は、入力部33と出力部38とを繋ぐ伝達系統を切り替える。第1伝達系統35は、ボトムレール14およびスラット13の下限位置から上昇する際の初期(第1区間)、ならびに、ボトムレール14およびスラット13の下降時に入力部33からの回転力を出力部38に伝達する。第2伝達系統36は、ボトムレール14およびスラット13の上昇時の中期(第2区間)に入力部33からの回転力を出力部38に伝達する。第3伝達系統37は、ボトムレール14およびスラット13の上昇時の後期(第3区間)に入力部33からの回転力を出力部38に伝達する。
図5および図6に示すように、入力部33は、第1入力軸41と、遅延プレート42と、入力ギヤ43と、第2入力軸44とを備えている。
第1入力軸41は、入力突部41aと、フランジ41bと、接続突部41cとを備えている。入力突部41aは、外形形状が六角柱などの多角形形状を有している。入力突部41aには、操作ユニット21の接続部が相対回転不能に接続される。入力突部41aの内側には凹部41dが構成されている。フランジ41bは入力突部41aの基端に位置し、接続突部41cは、フランジ41bに対して入力突部41aとは反対側に突出している。接続突部41cは、第2入力軸44が嵌合される嵌合凹部41eが設けられている。嵌合凹部41eは、四角形状の凹部である。接続突部41cの基端とフランジ41bとがなす角は、接続突部41cを挟んで一対の第1係合突部41fを備えている。
遅延プレート42は、環状部材であって、接続突部41cに対して外嵌される部材である。遅延プレート42の内周面は、第1入力軸41と遅延プレート42の相対的回転量を規定する内側突部42aを備えている。内側突部42aは、遅延プレート42の内周面において、相対して一対設けられている。第1係合突部41fは、接続突部41cに遅延プレート42が外嵌されると、一対の内側突部42aの間に位置する。第1入力軸41と遅延プレート42とは、第1係合突部41fと内側突部42aとが係合するまで相対回転可能である。
入力ギヤ43は、筒部43aと、ギヤ部43bとを備えている。入力ギヤ43は、貫通孔43cを備えている。貫通孔43cは、ギヤ部43bの中央および筒部43aの底面中央に位置している。筒部43aは、円形凹部であって、内側に、遅延プレート42が収納される。遅延プレート42の外周面は、遅延プレート42と入力ギヤ43との相対的回転量を規定する外側突部42bを備えている。外側突部42bは、遅延プレート42の外周面において、相対して一対設けられている。筒部43aの内周面は、遅延プレート42と入力ギヤ43との相対的回転量を規定する第2係合突部43dを備えている。外側突部42bは、遅延プレート42が筒部43aに外嵌されると、第2係合突部43dの間に位置する。遅延プレート42と入力ギヤ43とは、外側突部42bと第2係合突部43dとが係合するまで相対回転可能である。ギヤ部43bには、第1伝達系統35の第1入力ギヤ61、第2伝達系統36の第2入力ギヤ64、および、第3伝達系統37の第3入力ギヤ67が接続される。
第2入力軸44は、嵌合軸部44aと、フランジ44bと、軸部44cとを備えている。嵌合軸部44aは、第1入力軸41の嵌合凹部41eに嵌合される軸部であって、四角柱形状を有している。嵌合軸部44aは、嵌合凹部41eに嵌合され、さらに、ワッシャおよびねじなどの固定部材45によって固定される。これによって、第1入力軸41と第2入力軸44とは、相対回転不能となり一体化される。フランジ44bは、嵌合軸部44aの基端に位置し、軸部44cは、フランジ44bに対して嵌合軸部44aとは反対側に突出している。軸部44cの外周面は、回転軸線に対して平行に延びる案内溝44eを備えている。
以上のように構成された入力部33は、第1入力軸41が回転されたとき直結された第2入力軸44を回転する。これに対して、入力ギヤ43は、第1入力軸41が回転すると、第1係合突部41fと内側突部42a、および、外側突部42bと第2係合突部43dの両方が係合するまでは回転せず、両方が係合した後、回転し始める。すなわち、第1伝達系統35の第1入力ギヤ61、第2伝達系統36の第2入力ギヤ64、および、第3伝達系統37の第3入力ギヤ67が接続される入力ギヤ43は、第1入力軸41の回転に対して遅延して回転し始める。この遅延時間の間に、第2入力軸44により操作される切替部34をボトムレール14およびスラット13を下降させる位置から上昇させる位置に確実に切り替えられる。すなわち、詳細は後述するが、伝達軸53に対して第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55が切り離された状態から接続された状態に切り替えられる。そして、第1伝達系統35、第2伝達系統36、および、第3伝達系統37に対して入力ギヤ43からの回転力を伝達できるようになる。
[切替部]
図4に示すように、切替部34は、クラッチドラム51と、第1伝達ギヤ52と、伝達軸53と、第2伝達ギヤ54と、第3伝達ギヤ55とを備えている。
クラッチドラム51は、筒状体であって、第2入力軸44の軸部44cが挿入される。クラッチドラム51の内周面は、案内溝44eに係合される案内突部51aを備えている。これにより、クラッチドラム51は、回転軸線が延びる方向に移動可能でありながら、軸部44cと相対回転不能で一体的に回転する。
図7(a)~(c)に示すように、クラッチドラム51の外周面は、第1カム溝51bと、第2カム溝51cとを備えている。第1カム溝51bおよび第2カム溝51cは、クラッチドラム51の周回方向に連続し、回転軸線が延びる方向に所定の周期で蛇行した連続溝であって、互いにほぼ平行な平行溝である。そして、第1カム溝51bおよび第2カム溝51cは、ここでは複数箇所で繋がっている。第1カム溝51bおよび第2カム溝51cは、クラッチドラム51における外周面の周回方向に延び、かつ、互いに平行なA位置、B位置、および、C位置を通るように変位している。すなわち、第1カム溝51bは、A位置およびB位置の間を変位している。第2カム溝51cは、B位置およびC位置を変位している。第1カム溝51bおよび第2カム溝51cは、B位置が共通部分である。
第1カム溝51bおよび第2カム溝51cは、ボール56が係合される。ボール56は、例えば鋼球であって、ケース32に固定された球受け56aに支持されている。球受け56aは、ボール56を支持する支持溝56bを備えている。支持溝56bは、第1カム溝51bおよび第2カム溝51cが延びる周回方向に対して直交するように延びる直線溝である。支持溝56bは、ボール56を、第1カム溝51bおよび第2カム溝51cの間を移動できるように支持する。ボール56は、第1カム溝51bおよび第2カム溝51cの蛇行に従って支持溝56bを移動する。
図7(a)に示すように、ボトムレール14およびスラット13を上昇させるとき、通常、クラッチドラム51は、上昇方向に回転している。そして、ボール56は、支持溝56b内を、A位置およびB位置を通る第1カム溝51bの蛇行に従って移動しながら第1カム溝51bを走行している。このとき、クラッチドラム51は、入力部33と反対側に位置する出力部38側(図中左側)に偏倚している。そして、図7(b)に示すように、ボトムレール14およびスラット13を下降させるとき、クラッチドラム51は、逆方向(下降方向)に回転する。そして、ボール56は、第2カム溝51cの方向に移動するとともに支持溝56b内を第2カム溝51cの蛇行に従って移動する。そして、図7(c)に示すように、ボール56は、第2カム溝51cを走行する。この際、クラッチドラム51は、入力部33側(図中右側)に偏倚する。クラッチドラム51の出力部38側から入力部33側への偏倚は、入力部33で生成される遅延期間と後述の伝達系統35~37の各々で生成される遅延期間が経過するまでに完了する。
図8(a)に示すように、ボトムレール14およびスラット13を降下させるとき、通常、クラッチドラム51は、下降方向に回転している。そして、ボール56は、支持溝56b内を、B位置およびC位置を通る第2カム溝51cの蛇行に従って移動しながら、第2カム溝51cを走行している。このとき、クラッチドラム51は、入力部33側(図中右側)に偏倚している。そして、図8(b)に示すように、ボトムレール14およびスラット13を上昇させるとき、クラッチドラム51は、逆方向(上昇方向)に回転する。そして、ボール56は、第1カム溝51bの方向に移動するとともに支持溝56b内を第1カム溝51bの蛇行に従って移動する。そして、図8(c)に示すように、ボール56は、第1カム溝51bを走行する。この際、クラッチドラム51は、出力部38側(図中左側)に偏倚する。クラッチドラム51の入力部33側から出力部38側への偏倚は、入力部33で生成される遅延期間と後述の伝達系統35~37の各々で生成される遅延期間が経過するまでに完了する。
図4に示すように、第1伝達ギヤ52は、クラッチドラム51における入力部33とは反対側の端部に隣接するように配置される。第1伝達ギヤ52は、第1中央開口52aを備えている。第1中央開口52aの内周面は、伝達軸53の入力側案内突条53eと係合する案内溝52bを備えている。第1伝達ギヤ52は、入力側案内突条53eと案内溝52bとが係合することで、伝達軸53と相対回転不能となり、一体的に回転する。
伝達軸53は、第1軸支持部53aと、第2軸支持部53bと、第3軸支持部53cと、接続部53dとを備えている。第1軸支持部53aは、第1伝達ギヤ52を支持する部分であって、回転軸線が延びる方向に沿った入力側案内突条53eを備えている。第1伝達ギヤ52は、第1軸支持部53aが第1中央開口52aに挿入され、入力側案内突条53eが案内溝52bに係合される。これにより、第1伝達ギヤ52は、第1軸支持部53aを回転軸線の延びる方向に移動可能でありながら伝達軸53と相対回転不能であって、一体的に回転可能となる。
第1軸支持部53aの先端は、環状溝53hを備える。環状溝53hは、クラッチドラム51内に設けられた仕切板の中央貫通孔の縁部が係合される。これにより、伝達軸53は、クラッチドラム51に対して抜け止めされた状態で、クラッチドラム51に対して相対回転可能な状態となる。また、伝達軸53は、クラッチドラム51と回転軸線が延びる方向に一体的に移動する。
第2軸支持部53bは、第2伝達ギヤ54を支持する部分であって、第1軸支持部53aとの境界のフランジに形成された係止爪53fを備えている。係止爪53fは、周回方向に複数設けられ、各係止爪53fの先端は、一方向に傾斜した傾斜端である。第2伝達ギヤ54は、第2中央開口54aを備えている。第2中央開口54aの内周面は、係止爪53fが係止される係合凹部54bを備えている。係合凹部54bは、周回方向に係止爪53fと同数設けられている。隣り合う係合凹部54bの境界を形成する仕切部の先端は、係止爪53fと当接したとき円滑に係合凹部54bに移動し得るように、係止爪53fの傾斜と平行となる傾きの傾斜端で構成されている。第2軸支持部53bに対して第2伝達ギヤ54は、係止爪53fが係合凹部54bから外れているとき相対回転可能で空転状態となり、係止爪53fが係合凹部54bに係合しているとき相対回転不能で一体的に回転可能な状態となる。係止爪53fの傾斜端と仕切部の傾斜端とが当接したときには、第2伝達ギヤ54が僅かに回転してずれて、係止爪53fと係合凹部54bとが係合する。この際の第2伝達ギヤ54の僅かな回転は、第2伝達ギヤ54と接続された第2出力ギヤ66のワンウェイクラッチで吸収される。
第3軸支持部53cは、第3伝達ギヤ55を支持する部分であって、第2軸支持部53bとの境界のフランジに形成された係止爪53gを備えている。係止爪53gは、周回方向に複数設けられ、各係止爪53gの先端は、一方向に傾斜した傾斜端である。第3伝達ギヤ55は、第3中央開口55aを備えている。第3中央開口55aの内周面は、係止爪53gが係止される係合凹部55bを備えている。係合凹部55bは、周回方向に係止爪53gと同数設けられている。隣り合う係合凹部55bの境界を形成する仕切部の先端は、係止爪53gと当接したとき円滑に係合凹部55bに移動し得るように、係止爪53gの傾斜と平行となる傾きの傾斜端で構成されている。第3軸支持部53cに対して第3伝達ギヤ55は、係止爪53gが係合凹部55bから外れているとき相対回転可能な状態となり、係止爪53gが係合凹部55bに係合しているとき相対回転不能な状態となる。係止爪53gの傾斜端と仕切部の傾斜端とが当接したときには、第3伝達ギヤ55が僅かに回転してずれて、係止爪53gと係合凹部55bとが係合する。この際の第3伝達ギヤ55の僅かな回転は、第3伝達ギヤ55と接続された第3出力ギヤ69のワンウェイクラッチで吸収される。
接続部53dは、出力部38を構成する出力ギヤ81を支持する部分であって、回転軸線方向が延びる方向に沿った出力側案内突条53iを備えている。
ボトムレール14およびスラット13を降下させるとき、ボール56が第2カム溝51cに位置している(図8(a)参照)。したがって、クラッチドラム51および伝達軸53は、図9に示すように、入力部33側に偏倚し、係止爪53f,53gが係合凹部55b,54bから外れ、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55は、伝達軸53に対して分離し、空転状態である。
ボトムレール14およびスラット13を上昇させるとき、ボール56が第1カム溝51bに位置している(図7(a)参照)。したがって、クラッチドラム51および伝達軸53は、図10に示すように、出力部38側に偏倚し、係止爪53f,53gが係合凹部55b,54bに係合し、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55は、伝達軸53に対して一体的に回転可能となる。
[第1伝達系統]
図4に示すように、第1伝達系統35は、ボトムレール14およびスラット13の上昇時の初期、ならびに、ボトムレール14およびスラット13の下降時に入力部33と出力部38とを繋ぐ機構であって、第1減速比を有している。第1伝達系統35は、3つの伝達系統35,36,37の中で、最も出力トルクが小さく最も高速回転で回転力を出力部38に出力する。
具体的に、第1伝達系統35は、第1入力ギヤ61と、第1切替クラッチ62と、第1出力ギヤ63とを備えている。第1入力ギヤ61は、第1切替クラッチ62の入力部材71が挿入される第1中央開口61aを備えている。第1中央開口61aの内周面は、第1入力ギヤ61に対して第1切替クラッチ62の回転を遅延させるための第1突部61bを備えている。第1突部61bは、相対する位置に一対設けられている。第1入力ギヤ61は、入力部33を構成する入力ギヤ43のギヤ部43bと常時接続される。第1切替クラッチ62は、第1突部61bが第1切替クラッチ62の入力部材71の規制突部71cに突き当たってから回転を開始することになる。なお、第1切替クラッチ62の詳細については、第2切替クラッチ65および第3切替クラッチ68とほぼ同様な構成を有するためその詳細は後述する。
第1出力ギヤ63は、第1切替クラッチ62の出力部材76に対して相対回転不能であって一体的に回転するように接続されるとともに、切替部34を構成する第1伝達ギヤ52に接続される。すなわち、第1伝達系統35は、入力部33から入力される回転力が第1入力ギヤ61に入力され、その回転力を第1出力ギヤ63から切替部34の第1伝達ギヤ52に伝達する。第1出力ギヤ63は、後述の第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55と異なりワンウェイクラッチを備えていない。
[第2伝達系統]
第2伝達系統36は、ボトムレール14およびスラット13の上昇時の中期に入力部33と出力部38とを繋ぐ機構であって、第1減速比より大きい第2減速比を有している。第2伝達系統36は、3つの伝達系統35,36,37の中で、出力トルクと回転速度が真ん中である。
具体的に、第2伝達系統36は、第2入力ギヤ64と、第2切替クラッチ65と、第2出力ギヤ66とを備えている。第2入力ギヤ64は、第2切替クラッチ65の入力部材71が挿入される第2中央開口64aを備えている。第2中央開口64aの内周面は、第2入力ギヤ64に対して第2切替クラッチ65の回転を遅延させるための第2突部64bを備えている。第2突部64bは、相対する位置に一対設けられている。第2入力ギヤ64は、入力部33を構成する入力ギヤ43のギヤ部43bと常時接続される。第2切替クラッチ65は、第2突部64bが第2切替クラッチ65の入力部材71の規制突部71cに突き当たってから回転を開始することになる。なお、第2切替クラッチ65の詳細については、第1切替クラッチ62および第3切替クラッチ68とほぼ同様な構成を有するためその詳細は後述する。
第2出力ギヤ66は、第2切替クラッチ65の出力部材76と接続されるとともに、切替部34を構成する第2伝達ギヤ54に接続される。すなわち、第2伝達系統36は、入力部33から入力される回転力が第2入力ギヤ64に入力され、その回転力を第2出力ギヤ66から切替部34の第2伝達ギヤ54に伝達する。ここで、第2出力ギヤ66は、ワンウェイクラッチを備えている。第2出力ギヤ66は、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる方向の回転のみを第2伝達ギヤ54に伝達し、これと逆回転のときはワンウェイクラッチが空転する。具体的に、ボトムレール14およびスラット13の上昇時において、第1出力ギヤ63が第1伝達ギヤ52に回転を伝えているとき、第2出力ギヤ66は、ワンウェイクラッチが空転することで第2伝達ギヤ54に対して回転を伝達しない。
[第3伝達系統]
第3伝達系統37は、ボトムレール14およびスラット13の上昇時の後期に入力部33と出力部38とを繋ぐ機構であって、第2減速比より大きい第3減速比を有している。第3伝達系統37は、3つの伝達系統35,36,37の中で、最も出力トルクが大きく最も低速回転で回転力を出力部38に出力する。
具体的に、第3伝達系統37は、第3入力ギヤ67と、第3切替クラッチ68と、第3出力ギヤ69とを備えている。第3入力ギヤ67は、第3切替クラッチ68の入力部材71が挿入される第3中央開口67aを備えている。第3中央開口67aの内周面は、第3入力ギヤ67に対して第3切替クラッチ68の回転を遅延させるための第3突部67bを備えている。第3突部67bは、相対する位置に一対設けられている。第3入力ギヤ67は、入力部33を構成する入力ギヤ43のギヤ部43bと常時接続される。第3切替クラッチ68は、第3突部67bが第3切替クラッチ68の入力部材71の規制突部71cに突き当たってから回転を開始することになる。なお、第3切替クラッチ68の詳細については、第1切替クラッチ62および第2切替クラッチ65とほぼ同様な構成を有するためその詳細は後述する。
第3出力ギヤ69は、第3切替クラッチ68の出力部材76と接続されるとともに、切替部34を構成する第3伝達ギヤ55に噛合される。すなわち、第3伝達系統37は、入力部33から入力される回転力が第3入力ギヤ67に入力され、その回転力を第3出力ギヤ69から切替部34の第3伝達ギヤ55に伝達する。ここで、第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチを備えている。第3出力ギヤ69は、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる方向の回転のみを第3伝達ギヤ55に伝達し、これと逆回転のときはワンウェイクラッチが空転する。具体的に、ボトムレール14およびスラット13の上昇時において、第1出力ギヤ63が第1伝達ギヤ52に回転を伝えているとき、第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチが空転することで第3伝達ギヤ55に対して回転を伝達しない。さらに、第2出力ギヤ66が第2伝達ギヤ54に回転を伝えているときも、第3出力ギヤ69は、空転することで第3伝達ギヤ55に対して回転を伝達しない。
[切替クラッチ]
第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、および、第3切替クラッチ68について、図11ないし図13を参照して説明する。第1~第3切替クラッチ62,65,68は、入力部材71と、第1付勢部材72と、切替部材73と、切替軸74と、第2付勢部材75と、出力部材76と、第3付勢部材77とを備えている。
入力部材71は、軸部71aと、筒部71bとを備えている。軸部71aは、筒部であって、外周面で第1~第3入力ギヤ61,64,67を支持する。軸部71aの基端には、第1~第3突部61b,64b,67bが係合する規制突部71cを備えている。規制突部71cは、相対する位置に一対設けられている。軸部71aに第1~第3入力ギヤ61,64,67が挿入されると、規制突部71cは、第1~第3突部61b,64b,67bの間に配置される。第1~第3入力ギヤ61,64,67と入力部材71とは、第1~第3突部61b,64b,67bと規制突部71cとが係合するまで相対回転可能である。入力部材71は、第1~第3突部61b,64b,67bと規制突部71cとが係合してから回転を開始する。
筒部71bには、その内部に第1付勢部材72の一端が配置される。第1付勢部材72は、一例として、コイルバネである。第1付勢部材72は、入力部材71に対して切替部材73を切替軸74の方向に弾性付勢する。また、筒部71bの内周面は、挿入凹部71eを備えている。
切替部材73は、接続部73aと、切替片73bとを備えている。接続部73aは、筒状形状を有しており、外周面は、挿入凹部71eに係合される挿入突部73cを備えている。接続部73aは、中央部に挿入孔73dを備えており、第1付勢部材72の他端が挿入される。接続部73aは、内側に第1付勢部材72の他端が突き当てられる仕切壁73eを備えている。これにより、切替部材73は、切替軸74の方向に常時付勢される。
切替片73bは、切替軸74の方向に向かって延びる円弧壁であって、中心に対しほぼ100°の範囲に亘って設けられている。切替片73bの基端に位置する仕切壁73eは、第1凹凸73fを備えている。
切替軸74は、基板74aと、第1軸74bと、第2軸74cと、作動片74dとを備えている。第1軸74bは、基板74aから切替部材73の方向に延びる軸であって、挿入孔73dを通り、軸部71a内に挿入され、ねじ、ワッシャなどの固定部材74eで固定される。基板74aは、仕切壁73eと対向する円形の板部であって、仕切壁73eと対向する面は、第1凹凸73fと噛み合う第2凹凸74fを備えている。仕切壁73eは、第1付勢部材72の付勢力によって、基板74aに対して押圧されている。第1凹凸73fの凸と第2凹凸74fの凹、および、第1凹凸73fの凹と第2凹凸74fの凸とが噛み合っている状態において、切替部材73と切替軸74とは、相対回転不能で一体的に回転する。第1付勢部材72の付勢力に抗して第1凹凸73fの凸が第2凹凸74fの凸に乗り上げている状態において、切替部材73と切替軸74とは、相対回転可能となる。
第2軸74cは、基板74aに対して第1軸74bとは反対方向に延びている。第2軸74cは、出力部材76との接続軸である。基板74aは、第2軸74cの外側に作動片74dが設けられている。作動片74dは、出力部材76の方向に向かって延びる円弧壁であって、中心に対しほぼ100°の範囲に亘って設けられている。
第2付勢部材75は、一例として、捩じりコイルバネであって、コイル部と、コイル部の一端から延出するアーム部と、コイル部の他端から延出するアーム部とを備えている。
出力部材76は、第1支持部76aと、第2支持部76bとを備えている。第1支持部76aは、筒部であって、中央孔には、第2軸74cが相対回転可能に挿入される。また、第1支持部76aの外周には、第2付勢部材75のコイル部が支持される。図14に示すように、切替軸74と出力部材76とが接続するとき、切替片73bと作動片74dは、互いに重ならないように配置され、切替片73bと作動片74dとの間には、2つの隙間が設けられる。2つの隙間のうちの一方の隙間には、第2付勢部材75の一方のアーム部が位置され、他方の隙間には、第2付勢部材75の他方のアーム部が位置される。
第2支持部76bは、第1伝達系統35と、第2および第3伝達系統36,37とで構成が異なる。第1伝達系統35の第2支持部76bは、四角柱で構成され、第1出力ギヤ63の四角形の中央孔63aに挿入される。また、第2および第3伝達系統36,37の第2支持部76bは、第2および第3出力ギヤ66,69が相対回転不能に取り付けられる。第2および第3出力ギヤ66,69は、中央孔76cに回転規制溝76dを備えている。第2支持部76bは、第2および第3出力ギヤ66,69の回転規制溝76dに係合される回転規制突部76eを備えている。回転規制溝76dに回転規制突部76eが係合することで、第2および第3出力ギヤ66,69は、第2支持部76bに対して連携している。第2および第3出力ギヤ66,69は、ワンウェイクラッチを備えている。このため、第2および第3出力ギヤ66,69と出力部材76とは、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる方向の回転のとき接続され、下降させる回転のとき非接続となる。
第2および第3伝達系統36,37の第2支持部76bは、さらに基端に、第3付勢部材77が配置されている。第3付勢部材77は、一例として、捩じりコイルバネであって、コイル部と、コイル部の一端から延出するアーム部と、コイル部の他端から延出するアーム部とを備えている。第2支持部76bの外周には、第3付勢部材77のコイル部が支持される。一対のアーム部は、その間に、ケース32に設けられた規制壁が位置する。第3付勢部材77は、出力ギヤにワンウェイクラッチが設けられている第2切替クラッチ65および第3切替クラッチ68に設けられており、出力ギヤにワンウェイクラッチを備えていない第1切替クラッチ62には設けられていない。
図14に示すように、出力部材76の第1支持部76aに配置された第2付勢部材75は、一対のアーム部がコイル部の中心に対して約130°開いている。そして、第2付勢部材75は、コイル部の周囲を2つのアーム部で2つに区分けしており、一方の区分に、切替部材73の切替片73bが配置され、他方の区分に、切替軸74の作動片74dが配置されている。
第1凹凸73fと第2凹凸74fが噛み合い切替部材73と一体的に切替軸74がボトムレール14およびスラット13を上昇させる上昇方向に回転すると、第2付勢部材75のアーム部75a,75bのうちの一方のアーム部75aが作動片74dの一端に当接する。そして、切替軸74が同方向に回転され続けると、第2付勢部材75のコイル部が縮径し、出力部材76の第1支持部76aとの摩擦が増大する。これにより、切替軸74の回転が出力部材76に伝達されることになる。そして、所定値以上の負荷が加わると、第1付勢部材72の付勢力に抗して、第1凹凸73fと第2凹凸74fとが噛み合った状態が解除される。その後、切替片73bの一端が他方のアーム部75bに当接する。そして、切替軸74が同方向に回転され続けることで、第2付勢部材75のコイル部が拡径し、第1支持部76aに対して空転する。したがって、入力部材71および切替部材73の回転は、切替軸74に伝達されなくなる。
なお、ここでの負荷は、ボトムレール14およびスラット13が上昇させるときの巻取に対する負荷であり、上昇するに連れてスラット13がボトムレール14に積み上がって大きくなる。第1凹凸73fと第2凹凸74fとの噛み合いを外す負荷は、第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、第3切替クラッチ68の順で大きくなる。第1切替クラッチ62は、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる初期で機能し、第2切替クラッチ65は中期で機能し、第3切替クラッチ68は、後期で機能するものだからである。すなわち、第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、第3切替クラッチ68の順でクラッチが切れにくくなる。
クラッチの切れ易さは、第1付勢部材72の付勢力と、第1凹凸73fと第2凹凸74fとの形状によって設定される。ここでは、第1切替クラッチ62の第1付勢部材72の付勢力、第2切替クラッチ65の第1付勢部材72の付勢力、第3切替クラッチ68の第1付勢部材72の付勢力の順で大きくなっている。また、第1切替クラッチ62の第1凹凸73fと第2凹凸74f、第2切替クラッチ65の第1凹凸73fと第2凹凸74f、第3切替クラッチ68の第1凹凸73fと第2凹凸74fは、この順で、傾斜面の傾斜角を調整するなどして噛み合いが外れにくくなる形状となっている。なお、第1凹凸73fと第2凹凸74fは、第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、第3切替クラッチ68とで第1付勢部材72の付勢力が上述の順序になっていれば、同じ形状であってもよい。
他方、ボトムレール14およびスラット13を下降させる下降方向に回転させる場合、第2切替クラッチ65および第3切替クラッチ68において、入力部材71および切替部材73が回転すると、切替部材73の第1凹凸73fは下降方向に回転することで第2凹凸74fとが噛み合った状態に戻る。第2凹凸74fは、出力部材76が第3付勢部材77によって回転が規制されていることで回転することはなく、第1凹凸73fと噛み合うようになっている。第1切替クラッチ62においては、第2凹凸74fは、ボトムレール14およびスラット13の自重落下を抑えるブレーキ39(図2参照)によって回転が規制されていることで回転することはなく、第1凹凸73fと噛み合うようになっている。
[出力部]
図4に示すように、出力部38は、出力ギヤ81と、第1減速ギヤ82と、第2減速ギヤ83とを備えている。出力ギヤ81は、軸孔81aを備え、軸孔81aには、伝達軸53の出力側案内突条53iが挿入される。これにより、出力ギヤ81は、伝達軸53に対して相対回転不能な状態で取り付けられる。第1減速ギヤ82は、2段ギヤであって、1段面が出力ギヤ81に噛合され、2段目が第2減速ギヤ83に噛合される。第1減速ギヤ82および第2減速ギヤ83は、ケース32に設けられた軸部に軸支される。そして、第2減速ギヤ83は、ブレーキ39に接続される。
[実施形態の作用]
以上のように構成された横型ブラインド10は、次のような作用を有する。
[ボトムレールおよびスラットを上昇させる場合]
ボトムレール14およびスラット13が下限位置にある状態からこれらを上昇させる場合、操作コード21aの手前側の垂下部分を下方に引く。すると、入力部33において、第1入力軸41が上昇方向に回転されたとき直結された第2入力軸44も同方向に回転し、あわせて、クラッチドラム51も同方向に回転する。すると、入力部33側に位置するクラッチドラム51(図9の状態)は、出力部38側に偏倚する(図10の状態)。これにより、伝達軸53の係止爪53fが第2伝達ギヤ54の係合凹部54bに係合し、第3伝達ギヤ55の係止爪53gが第3伝達ギヤ55の係合凹部55bに係合する。この結果、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55は、伝達軸53に対して一体的に回転可能な状態となる。
一方で、入力部33から第1伝達系統35~第3伝達系統37へは、伝達軸53に対して遅延して回転力が伝達される。すなわち、入力ギヤ43は、第1入力軸41が回転すると、第1係合突部41fと内側突部42a、および、外側突部42bと第2係合突部43dの両方が係合するまでは回転せず、両方が係合した後、回転し始める。さらに、第1切替クラッチ62,第2切替クラッチ65,および、第3切替クラッチ68は、第1入力ギヤ61,第2入力ギヤ64,第3入力ギヤ67の第1~第3突部61b,64b,67bが規制突部71cに係合してから回転し始める。このように、第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、および、第3切替クラッチ68は、第1入力軸41の回転に対して遅延して回転し始める。これにより、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55が伝達軸53に対して一体的に回転可能な状態となってから、第1~第3伝達系統35~37の各々へ回転力が伝達されることになる。すなわち、クラッチドラム51の入力部33側から出力部38側への偏倚は、入力部33で生成される遅延期間と後述の伝達系統35~37の各々で生成される遅延期間が経過するまでに完了する。
ところで、第1伝達系統35~第3伝達系統37の減速比は、この順で大きくなっている。したがって、第1伝達系統35の第1出力ギヤ63の第1回転速度、第2伝達系統36の第2出力ギヤ66の第2回転速度、第3伝達系統37の第3出力ギヤ69の第3回転速度は、この順で遅くなる。図15に示すように、伝達軸53には、第1出力ギヤ63から第1伝達ギヤ52に第1回転速度の回転が入力され、第2出力ギヤ66から第2伝達ギヤ54に第2回転速度の回転が入力され、第3出力ギヤ69から第3伝達ギヤ55に第3回転速度の回転が入力される。ここで、第2出力ギヤ66および第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチを備えている。したがって、第2出力ギヤ66は、ワンウェイクラッチの部分が第2伝達ギヤ54に対して空転し、第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチの部分が第3伝達ギヤ55に対して空転する。したがって、伝達軸53は、回転速度の最も速い第1回転速度で回転される。すなわち、第1回転速度で回転する伝達軸53に対して第2回転速度で回転する第2伝達ギヤ54および第3回転速度で回転する第3伝達ギヤ55の回転がぶつかることはない。
図16に示すように、かくして、ボトムレール14およびスラット13が下限位置にある状態から上昇させる初期段階においては、入力部33に入力された回転は、第1伝達系統35を構成する第1入力ギヤ61、第1切替クラッチ62、第1出力ギヤ63、第1伝達ギヤ52を通じで出力部38に伝達される。そして、駆動軸20を通じて接続された巻取部24は、昇降コード15の巻取を開始する。巻取初期の段階において、巻取に対する負荷は、ボトムレール14の重量と数枚のスラット13の重量を加算した重量程度であり、比較的軽量である。このため、減速比は、出力トルクよりも上昇速度を優先した設定となっている。ボトムレール14が上昇することで、ボトムレール14に積み上がるスラット13の枚数も増え、これに伴い負荷も順次大きくなって行く。
すると、第1切替クラッチ62における第1凹凸73fと第2凹凸74fとが噛み合いが外れ、第2付勢部材75のコイル部が拡径し出力部材76と一体の第1出力ギヤ63は回転しなくなる。これにより、第1伝達系統35から伝達軸53に回転が伝達されなくなる。これと同時に、伝達軸53には、第2伝達系統36を通じて回転が伝達される。すなわち、図17に示すように、第2出力ギヤ66から第2伝達ギヤ54に第2回転速度の回転が入力され、第3出力ギヤ69から第3伝達ギヤ55に第3回転速度の回転が入力される。第1伝達系統35は、第1切替クラッチ62のクラッチが切れていることで、第1出力ギヤ63には回転が伝達されなくなっており、第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチの部分が第3伝達ギヤ55に対して空転する。したがって、伝達軸53は、2番目に回転速度が速い第2回転速度で回転される。
図18に示すように、かくして、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる中期段階になると、駆動力伝達部31も第1伝達系統35から第2伝達系統36に切り替わり、ボトムレール14にはスラット13が相当数積み上がった状態となる。中期段階において、入力部33に入力された回転は、第2伝達系統36を構成する第2入力ギヤ64、第2切替クラッチ65、第2出力ギヤ66、第2伝達ギヤ54を通じで出力部38に伝達される。そして、駆動軸20を通じて接続された巻取部24は、昇降コード15を巻き取っていく。そして、ボトムレール14が上昇することで、ボトムレール14に積み上がるスラット13の枚数も順次増え、これに伴い負荷も順次大きくなって行く。
すると、第2切替クラッチ65における第1凹凸73fと第2凹凸74fとが噛み合いが外れ、第2付勢部材75のコイル部が拡径し出力部材76と一体の第2出力ギヤ66は回転しなくなる。これにより、第1伝達系統35に加え第2伝達系統36からも伝達軸53に回転が伝達されなくなる。これと同時に、伝達軸53には、第3伝達系統37を通じて回転が伝達される。すなわち、図19に示すように、第3出力ギヤ69から第3伝達ギヤ55に第3回転速度の回転が入力され、第3出力ギヤ69から第3伝達ギヤ55に第3回転速度の回転が入力される。第1伝達系統35は、第1切替クラッチ62のクラッチが切れていることで、第1出力ギヤ63には回転が伝達されなくなっている。第2伝達系統36も、第2切替クラッチ65のクラッチが切れていることで、第2出力ギヤ66には回転が伝達されなくなっている。したがって、伝達軸53は、最も回転速度が遅い第3回転速度で回転される。
図20に示すように、かくして、ボトムレール14およびスラット13を上昇させる後期になると、ボトムレール14にはスラット13のほぼすべてが積み上がった状態となる。後期段階において、入力部33に入力された回転は、第3伝達系統37を構成する第3入力ギヤ67、第3切替クラッチ68、第3出力ギヤ69、第3伝達ギヤ55を通じで出力部38に伝達される。そして、駆動軸20を通じて接続された巻取部24は、昇降コード15を巻き取っていく。巻取後期の段階において、巻取に対する負荷は、ボトムレール14の重量と数枚のスラット13の重量を加算した重量程度であり、最も大きくなっている。このため、減速比は、上昇速度よりも出力トルクを優先した設定となっている。
なお、上昇するボトムレール14や積み重なるスラット13が障害物に引っかかったりして過大な負荷が加わったときには、第3切替クラッチ68における第1凹凸73fと第2凹凸74fとが噛み合いが外れる。そして、第2付勢部材75のコイル部が拡径し出力部材76と一体の第3出力ギヤ69は回転しなくなる。また、上昇操作をして上限に達したときも、第3切替クラッチ68における第1凹凸73fと第2凹凸74fとが噛み合いが外れ、第2付勢部材75のコイル部が拡径し出力部材76と一体の第3出力ギヤ69は回転しなくなる。この点で、第3切替クラッチ68は、フェイルセーフ機能も実現する。また、駆動力伝達部31の故障を抑制する。
図21は、上昇時におけるボトムレール14の高さと、巻取部24の操作コード21aを引く速度が一定の場合の回転速度との関係を示す図である。ボトムレール14が下限位置から上昇し始める初期段階では、第1伝達系統35の減速比に従った回転数で巻取部24が回転する。このときの回転速度が最も速く、出力トルクが最も小さくなる。そして、中期段階では、第1減速比よりも大きい第2減速比の第2伝達系統36に従った回転数で巻取部24が回転する。このときの回転速度は、初期段階よりも一段遅く、出力トルクが初期段階よりも一段階高くなる。後期段階では、第2減速比よりも大きい第3伝達系統37の第3減速比に従った回転数で巻取部24が回転する。このときの回転速度は、最も遅く、出力トルクが最も大きくなる。
図22は、上昇時におけるボトムレール14の高さと各切替クラッチ62,65,68の回転速度との関係を示す図である。ボトムレール14が下限位置から上昇し始める初期では、第1切替クラッチ62,第2切替クラッチ65,第3切替クラッチ68の何れもが回転している状態である。中期では、第1切替クラッチ62が切れ、第2切替クラッチ65および第3切替クラッチ68が回転している状態となる。そして、後期では、第1切替クラッチ62および第2切替クラッチ65が切れ、第3切替クラッチ68のみが回転している状態となる。
図23は、上昇時におけるボトムレール14の高さと操作コード21aを下方に引く操作力との関係を示す図である。ボトムレール14が下限位置から上昇し始める初期では、第1伝達系統35から第2伝達系統36に切り替わるまで順次大きくなり、第2伝達系統36に切り替わることで操作力が下がる。中期では、第2伝達系統36から第3伝達系統37に切り替わるまで順次大きくなり、第3伝達系統37に切り替わることで操作力が下がる。後期では、ボトムレール14が上限位置に至るまで順次大きくなる。
第1伝達系統35、第2伝達系統36、第3伝達系統37は、順次出力トルクが大きくなるため、初期から後期に至るまで、同じような操作力でボトムレール14を上限位置まで上昇させることができる。ただし、上昇速度は、上限位置に近づくほど遅くなる。
[ボトムレールおよびスラットを下降させる場合]
ボトムレール14およびスラット13を上限位置から降下させる場合、操作コード21aの奥側の垂下部分を下方に引く。すると、入力部33において、第1入力軸41が下降方向に回転されたとき直結された第2入力軸44も同方向に回転し、あわせて、クラッチドラム51も回転する。すると、出力部38側に位置するクラッチドラム51(図10の状態)は、入力部33側に偏倚する(図9の状態)。これにより、伝達軸53の係止爪53fが第2伝達ギヤ54の係合凹部54bと係合した状態が解除され、伝達軸53の係止爪53gが第3伝達ギヤ55の係合凹部55bに係合した状態が解除される。伝達軸53に対して、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55は空転状態となる。
また、入力部33から第1伝達系統35~第3伝達系統37へは、伝達軸53に対して遅延して回転力が伝達される。すなわち、伝達軸53に対して第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55が非接続の状態になってから、第1伝達系統35~第3伝達系統37の切替クラッチ62,65,68に回転力が伝わるように構成されている。
伝達軸53は、第1伝達ギヤ52のみより回転し、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55は、伝達軸53に対して空転状態である。したがって、第1回転速度で回転する伝達軸53に対して第2回転速度で回転する第2伝達ギヤ54および第3回転速度で回転する第3伝達ギヤ55の回転がぶつかることはない。第1切替クラッチ62の回転のみが第1伝達ギヤ52に伝わり、伝達軸53は、第1回転速度で下降方向に回転する。
この際、第1切替クラッチ62における第1凹凸73fと第2凹凸74fは、噛み合いが外れた状態から噛み合った状態に戻る。第2切替クラッチ65および第3切替クラッチ68における第1凹凸73fと第2凹凸74fは、噛み合いが外れた状態から噛み合った状態に戻る。
かくして、ボトムレール14およびスラット13は、第1伝達系統35のみで上限位置から下限位置まで降下される。すなわち、入力部33に入力された回転は、第1伝達系統35を構成する第1入力ギヤ61、第1切替クラッチ62、第1出力ギヤ63を通じで出力部38に伝達される(図16参照)。そして、駆動軸20を通じて接続された巻取部24は、昇降コード15を巻き出していき、ボトムレール14が下降される。
図24は、下降時におけるボトムレール14の高さと、巻取部24の操作コード21aを引く速度が一定の場合の回転速度との関係を示す図である。ボトムレール14を降下するときは、下限位置に至るまで第1伝達系統35が使用される。したがって、第1伝達系統35の減速比に従った回転数で巻取部24が回転することになる。
図25は、ボトムレール14の高さと各切替クラッチ62,65,68の回転速度との関係を示す図である。第1切替クラッチ62、第2切替クラッチ65、第3切替クラッチ68の各々には、入力ギヤ43の回転が第1伝達系統35の第1入力ギヤ61、第2伝達系統36の第2入力ギヤ64、第3伝達系統37の第3入力ギヤ67の各々に回転が入力され、各減速比に従った回転速度で回転する。ただし、出力部38に伝達される回転は、第1伝達系統35を通じた回転のみである。
図26は、ボトムレール14の高さと操作コード21aを下方に引く操作力との関係を示す図である。ボトムレール14が上限位置から下限位置に至るまで第1伝達系統35を通じて入力部33から出力部38に回転が伝達され、その時の操作力は、緩やかではあるが順次上昇する。
[実施形態の効果]
以上のような横型ブラインド10は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1-1)横型ブラインド10は、ボトムレール14およびスラット13が下限位置から上限位置に上昇するとき、上昇するに連れて重くなり上昇操作に対する負荷が大きくなる。駆動力伝達部31は、比較手に重量が小さいボトムレール14およびスラット13が上昇し始めた初期では、相対的に減速比小さい第1伝達系統35を選択することで、上昇速度を速くすることができる。そして、初期に次ぐ中期では、第1伝達系統35よりも減速比の大きい第2伝達系統36を選択することで、上昇速度を若干遅くして操作力を軽くしている。そして、中期に次ぐ後期では、第2伝達系統36よりも減速比の大きい第3伝達系統37を選択することで、上昇速度を遅くして操作力を軽くしている。
このように、横型ブラインド10は、ボトムレール14およびスラット13を上昇するとき、伝達系統を3段階に切り替える。これにより、ボトムレール14およびスラット13を下限位置近くでは上昇速度を高めるようにし、上昇するほど操作力を軽くして、操作力と操作時間のバランスを良くできる。
(1-2)第1伝達系統35から第2伝達系統36への切り替わりは、第1切替クラッチ62が切れることで、連続的に、すなわち瞬時に行われる。第2伝達系統36から第3伝達系統37への切り替わりも、第2切替クラッチ65が切れることで、連続的に、すなわち瞬時に行われる。したがって、操作コード21aを連続的に引っ張るだけで、ボトムレール14およびスラット13を下限位置から上限位置に、一時的に止まることなく連続的に上昇させることができる。
(1-3)ボトムレール14およびスラット13を上限位置から下限位置に下降させるときは、大きい操作力を必要としない。そこで、回転速度の最も速い第1伝達系統35を使用する。これにより、ボトムレール14およびスラット13の下降速度が遅くなることを抑えることができる。
(1-4)ボトムレール14およびスラット13を上昇させるときと下降させるときの切り替えは、クラッチドラム51によって、伝達軸53を移動させ、第2伝達ギヤ54および第3伝達ギヤ55への接続と切断を切り替えることで行うことができる。
(1-5)ボトムレール14およびスラット13の上昇時において、伝達軸53には、第1伝達系統35、第2伝達系統36、第3伝達系統37の各々から異なる速度の回転が入力される。第2伝達系統36は、伝達軸53との接続部分に第2出力ギヤ66を備え、第3伝達系統37は、伝達軸53との接続部分に第3出力ギヤ69を備えている。第2出力ギヤ66および第3出力ギヤ69は、ワンウェイクラッチを備えている。
したがって、第1伝達系統35の回転を伝達軸53に伝達しているときは、それより遅い第2および第3伝達系統36,37からの回転は第2および第3出力ギヤ66,69のワンウェイクラッチが空転することで遮断することができる。また、第2伝達系統36の回転を伝達軸53に伝達しているときは、それより遅い第3伝達系統37からの回転は第3出力ギヤ69のワンウェイクラッチが空転することで遮断することができる。
(1-6)第3切替クラッチ68は、上昇するボトムレール14や積み重なるスラット13が障害物に引っかかったりして過大な負荷が加わったときには、第3出力ギヤ69は回転しなくなる。また、上昇操作をして上限に達したときも、第3出力ギヤ69は回転しなくなる。この点で、第3切替クラッチ68は、フェイルセーフ機能も実現することができる。また、駆動力伝達部31の故障を抑制できる。
なお、横型ブラインド10は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1伝達系統35、第2伝達系統36、および、第3伝達系統37を備える駆動力伝達部31において、第3伝達系統37は、第3切替クラッチ68を省略してもよい。フェイルセーフ機能は、他の部品によって実現することもできるからである。
・ボトムレール14およびスラット13を下降するとき、使用する伝達系統としては、第1伝達系統35ではなく、第2伝達系統36または第3伝達系統37を使用してもよい。
・伝達系統は、少なくとも減速比の異なる2つ備えていればよく、3つに限定されるものではない。4つ以上とすれば、さらにきめ細やかに伝達系統を切り替えることができ、ボトムレール14およびスラット13を下限位置から上限位置に上昇させるまでの操作力の変化を小さくできる。
・第1伝達系統35、第2伝達系統36、および、第3伝達系統37の切り替えは、ボトムレール14およびスラット13の下降時に行うようにしてもよい。また、上昇時と下降時の両方で行うようにしてもよい。上昇時と下降時の両方で行う場合、上昇用の駆動力伝達部と下降用の駆動力伝達部を設けることになる。
・遮蔽装置としては、遮蔽材を移動することで、操作時の負荷が変化するものあればよい。すなわち、縦型ブラインドであれば、スラットが空間を仕切る閉じた状態から開いた状態に移動させるとき、負荷が徐々に大きくなる。そこで、上述のような駆動力伝達部を設けることによって、スラットを開く方向に移動させるための操作力の変化を小さくすることができる。また、プリーツスクリーンやロールスクリーンも、スクリーンが上昇するに連れて負荷が大きくなるので、上述のような駆動力伝達部を設けることによって、スクリーンを上昇させるための操作力の変化を小さくすることができる。