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JP7673066B2 - 試料容器、及び、元素分析装置 - Google Patents
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Description

本発明は、試料を加熱し成分ガスを抽出して分析する元素分析装置に用いられる試料容器に関するものである。
例えば各種金属やセラミックス等の試料に含まれる炭素(C)、硫黄(S)等の無機物の元素を分析するために元素分析装置が用いられる。
このような元素分析装置は、例えば粉末状の試料をボート型のセラミック製の試料容器に収容した状態で水平方向に延びる円筒状の加熱炉内に挿入し、酸素を供給しながら加熱して燃焼させて成分ガスを抽出する(特許文献1参照)。試料容器は例えば自動機のロッドによって加熱炉内へ押し入れられ、分析が終了した後は試料容器の一部にロッドが引っ掛けられて加熱炉から引き出される。
ところで、例えば非定形の固形試料をボート型の試料容器内に収容できない場合には、試料容器を用いずに固形試料自体を直接加熱炉内に挿入している。このような試料容器を用いない元素分析には、以下のような複数の問題がある。
1.試料の大きさや形状が不均一であり、ロッド等によりハンドリングしにくい場合には、特に自動機によって加熱炉への挿入時に安定して試料を保持することが難しい。
2.試料の出し入れを自動化しにくいので、試料を加熱炉内に挿入するのにかかる時間、又は、試料を加熱炉内から引き出すのにかかる時間を一定にして、試料の燃焼時間を一定に保つのが難しい。このことは元素分析の結果のばらつきを発生させる原因となる。
3.試料を試料容器内に収容できれば加熱炉内に確実に挿入できるが、試料を直接加熱炉に入れる場合には実際に加熱炉内に挿入できるかどうかについて予め選定する必要がある。
特開平6-273288号公報
本発明は上述したような問題を一挙に解決することを目的とするものであり、例えば非定形の固形試料であっても加熱炉内に挿入可能な大きさであれば収容することが可能となり、加熱炉内への出し入れを容易にできる試料容器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る試料容器は、試料を加熱し成分ガスを抽出して分析する元素分析装置に用いられるものであり、前記元素分析装置の具備する加熱炉内に前記試料を収容した状態で挿入される試料容器であって、前記試料容器が、概略中空筒形状をなす筒状側壁と、前記加熱炉に挿入される際にロッドで押される被押圧面と、前記試料の加熱時にガスが通過する通気孔と、を少なくとも具備し、前記筒状側壁の一方の端部に設けられた端面部と、前記筒状側壁の前記一方の端部に設けられ、前記加熱炉内から取り出される際にロッドが引っ掛けられる被引っ掛け部と、を備えることを特徴とする。
このようなものであれば、従来の例えばボート型の試料容器と比較して前記筒状側壁内に前記試料を収容するための空間を大きく形成できるので、例えば前記試料が非定形状の固形のものであっても内部に収容しやすい。したがって、従来であれば前記加熱炉に直接挿入されていたような形状や大きさの試料であっても前記試料容器内に収容することが可能となる。この結果、前記試料の前記加熱炉内への挿入又は引き出し時における前記試料の保持状態の安定性を高められる。
また、前記試料がどのような形状であれ前記試料容器内に収容されているので、自動機によりハンドリングしやすい。このため、前記加熱炉内への前記試料容器の出し入れにかかる時間を一定に保つことができるようになり、試料の加熱時間を一定にして分析ごとのばらつきを抑えることが可能となる。
さらに、前記試料が前記筒状側壁内に覆われた状態で収容されているので、上面が大きく開口しているボート型の試料容器と比較して前記試料が直接加熱されにくく、前記試料の燃焼が始まる時間を従来よりも遅くすることが可能となる。このため、前記試料が燃焼して成分ガスが発生するまでの間に、前記試料容器に付着しているコンタミの原因となる元素を十分に加熱して脱離させることができる。したがって、前記試料が燃焼して成分ガスが発生する段階ではコンタミがほとんど発生しないようでき、分析精度を高めることが可能となる。
また、前記通気孔の大きさや位置や前記筒状側壁自体の形状を変更することで前記試料を燃焼させるための燃焼ガスの吹付け方向を変更できる。この結果、前記試料の燃焼速度を従来よりも向上させることも可能となる。
加えて、前記試料が前記試料容器内に収容できれば、試料を前記加熱炉に直接挿入する場合のように前記加熱炉内への挿入が可能かどうかについて大きさ等の選定を行う必要がない。
前記筒状側壁内における前記試料の収容空間の容積をできるだけ大きく形成しつつ、自動機により前記加熱炉内にある前記試料容器をロッドで引っ掛けて引き出しやすくするには、前記通気孔がロッドの一部が通過可能な大きさを有しており、前記被引っ掛け部が、前記端面部において前記試料容器内側の面であればよい。このようなものであれば、前記加熱炉内における前記試料容器の周方向の向きによらず、所定位置に前記被引っ掛け部が存在するので、自動機によりロッドを前記試料容器に引っ掛けやすい。
前記試料の収容空間を最も大きく形成できるようには、前記加熱炉が、所定の内径寸法を有する概略中空円筒形状をなす炉本体を具備し、前記筒状側壁が概略中空円筒形状をなすとともに、その外形寸法が前記炉本体の内径寸法とほぼ同じ寸法であればよい。
前記筒状側壁内に前記試料を入れやすくするには、前記試料を前記試料容器内に挿入するための試料挿入口が前記筒状側壁の他方の端部に開口しており、前記試料挿入口の内径寸法が前記通気孔の内径寸法よりも大きく形成されていればよい。
前記加熱炉内への前記試料容器の挿入時にロッドが前記試料に接触してコンタミ等が発生するのを防げるようにするには、前記筒状側壁内において前記一方の端部側に設けられ、前記通気孔から挿入されたロッドが所定位置よりも前記他方の端部側へと侵入するのを防ぐ侵入防止部材をさらに備えたものであればよい。
前記試料容器において分析対象となる成分ガスと同じ元素が付着するのを防ぎ、分析結果に対するコンタミの影響を低減できるようにするには、少なくとも前記筒状側壁の外側周面又は内側周面に金属メッキが施されたものであればよい。
前記試料容器の熱伝導率を小さくして前記試料の燃焼開始時間を従来よりも遅くできるとともに、試料の内部状態を視認しやすくするには、少なくとも前記筒状側壁が石英ガラスで形成されたものであればよい。
本発明に係る試料容器と、前記試料容器の前記筒状側壁の少なくとも一部における半径方向の外径寸法とほぼ一致する内径寸法を少なくとも一部で有する筒状の炉本体を具備する前記加熱炉を備えた元素分析装置であれば、従来であれば加熱炉内に直接挿入されていた例えば非定形の固形試料であってもより精度の高い元素分析が可能となる。
このように本発明に係る試料容器であれば、前記筒状側壁内の収容空間内に非定形の固形状の試料を収容して、安定的に保持できる。このため、自動機等によるハンドリングが容易となり、加熱炉内への試料の挿入にかかる時間を一定にし、分析のばらつきを抑えられる。また、前記試料のほぼ全体が前記試料容器に覆われた状態で加熱できるので、従来よりも前記試料の燃焼の開始時間を遅らせることができる。この結果、コンタミの原因となる前記試料容器に付着した元素を成分ガスの発生よりも先に脱離させて取り除き、分析精度を向上させることが可能となる。
本実施形態の元素分析装置の構成を示す模式図。 同実施形態の元素分析装置に用いられる試料容器の斜視図。 同実施形態の元素分析装置に用いられる試料容器の六面図。 同実施形態の試料容器を搬送するハンドを示す模試的斜視図。 同実施形態の試料容器の加熱炉内への挿入及び加熱炉からの引き出しを示す模式図。 別の実施形態の元素分析装置に用いられる試料容器の斜視図。 別の実施形態の元素分析装置に用いられる試料容器の六面図。 さらに別の実施形態の炉本体と試料容器を示す模式図。 金属メッキを施した試料容器の変形例を示す模式図。 複数段階の加熱による元素分析方法を説明する模式図。 試料容器の材質とブランク測定でのCO発生量との間の関係を示すグラフ。
200 ・・・元素分析装置
200X・・・ストッカユニット
X1 ・・・収容棚
X2 ・・・ハンドリング機構
200Y・・・供給ユニット
Y1 ・・・第1供給機構
Y2 ・・・第2供給機構
200Z・・・分析ユニット
Z1 ・・・加熱炉
W ・・・試料
100 ・・・容器
1 ・・・筒状側壁
2 ・・・端面部
3 ・・・被押圧面
4 ・・・通気孔
5 ・・・被引っ掛け部
6 ・・・試料挿入口
7 ・・・侵入防止部材
以下、本発明の一実施形態における元素分析装置200に用いられる試料容器100について、各図を参照しながら説明する。
<装置構成>
本実施形態の元素分析装置200は、例えば、金属や等の試料Wを加熱して燃焼させ、それによって生じた成分ガスから当該試料Wに含まれる炭素(C)、硫黄(S)等の元素を分析するものである。
この元素分析装置200は、試料Wが収容された試料容器100が複数ストックされたストッカユニット200Xと、加熱炉Z1内に挿入された試料容器100を加熱し、試料Wから抽出された成分ガスの元素分析が行われる分析ユニット200Zと、ストッカユニット200Xから分析ユニット200Zに試料容器100の1つを自動供給するとともに、加熱炉Z1内への出し入れをする容器供給ユニット200Yを備えている。
各部について詳述する。分析ユニット200Zは、図1に示すように、試料容器100が内部に配置される加熱炉Z1と、加熱炉Z1で加熱されて燃焼した試料Wから生じる成分ガスを分析するガス分析計Z4と、を備えている。
試料容器100は、内部に例えば非定形の固形状の試料Wが収容されるものであり、本実施形態の試料容器100は、図2及び図3に示すように概略中空円筒形状をなすものである。なお、試料容器100の詳細については後述する。
加熱炉Z1は、図1に示すようにその内部で試料Wが収容されていない試料容器100を空焼きしたり、試料Wが収容された試料容器100を加熱したりするものである。
具体的に加熱炉Z1は、側壁に形成された開口部Z3Hから水平方向に延びる空間Z3Sを有し、当該空間Z3Sに試料容器100が配置されるものであり、試料容器100が出し入れされる炉本体Z31と、当該炉本体Z31の周囲に設けられて炉本体Z31を加熱する電気抵抗体Z12と、当該電気抵抗体Z12に電力を供給して通電発熱させる電源回路Z13とを備えている。なお、本実施形態では、加熱炉Z1の前壁に開口部Z3Hが形成されており、当該開口部Z3Hから奥行き方向に概略円筒形状の空間Z3Sが形成されている。
炉本体Z31は、例えば円筒状のセラミック成形体であり、内部に試料容器100を収容可能な空間Z3Sを有するものである。炉本体Z31の一方の端部は開口部Z3Hに連通している。また、炉本体Z31の他方の端部には、試料Wから発生したガスをガス分析計Z4に導出するためのガス導出口が設けられている。なお、炉本体Z31の加熱方式としては、電気抵抗炉に電流を流して抵抗加熱(ジュール発熱)させるものであっても良く、この場合に炉本体Z31は導電性を有する金属から形成される。その他、炉本体Z31内に収容された試料容器100又は試料Wを誘導加熱する方式であっても良い。
ガス分析計Z4は、加熱炉Z1で生じた成分ガスを分析して、試料Wに含まれる各成分の含有量を求めるものである。本実施形態では、例えば、非分散型赤外線吸収法(NDIR法)を用いて分析するものである。具体的にこのガス分析計Z4は、図示しない非分散型赤外線検出器を有しており、加熱炉Z1から導出されたガスに含まれるCO、CO、SO等を検出することで、試料Wに含まれる炭素(C)や硫黄(S)等の含有量を求めるものである。
本実施形態では、上記の加熱炉Z1及びガス分析計Z4はユニット化されており、1つの分析ユニット200Zを構成する。この分析ユニット200Zは、キャスター等により移動可能に構成されていてもよい。
ストッカユニット200Xは、例えば複数段の棚を具備し、格段に複数の試料容器100が載置される収容棚X1と、収容棚X1から試料容器100の1つをピックアップし、容器供給ユニット200Y内の受け取り位置Pへと移動させるハンドリング機構X2と、を備えている。このストッカユニット200Xもキャスター等により移動可能に構成されていてもよい。
ハンドリング機構X2は、図4に示すように概略円筒状の試料容器100を下側から持ち上げるハンドX21を具備している。ハンドX21は、試料容器100の外側面を下側から支える2本の支持部材X211と、試料容器100の両端部から所定距離離間した状態で配置され、試料容器100内の試料Wが両端部から外側へ出るのを防ぐ板状の蓋体X213と、を備えている。各支持部材X211の中央部には円筒状の試料容器100が載置されるV字溝X212が形成されている。このようにハンドX21上に試料容器100が載置された状態では試料容器100は、水平軸周りには回転可能であるが、試料Wは試料容器100から外側には出てしまわないように安定した状態で搬送できる。
容器供給ユニット200Yは、図1(b)に示すようにストッカユニット200Xから試料容器100を受け取り、その試料容器100を加熱炉Z1の側壁に形成された開口部Z3Hを介して供給するものである。具体的には容器供給ユニット200Yは、ストッカユニット200Xと分析ユニット200Zとの間を中継するように設けられている。また、容器供給ユニット200Yは、ストッカユニット200Xと隣接する試料容器100の受け取り位置Pから加熱炉Z1外に設定された待機位置Qに試料容器100を移動させるように構成された第1容器供給機構Y1と、待機位置Qから加熱炉Z1内に設定された燃焼位置Rに移動させるように構成された第2容器供給機構Y2と、を備えている。本実施形態では受け取り位置Pから待機位置Qへの試料容器100の移動方向と、待機位置Qから燃焼位置Rへの試料容器100の移動方向は水平面内において直交するように構成されている。また、移動中において試料容器100の姿勢は一定に保たれる。
第1容器供給機構Y1は、図1(a)に示すように受け取り位置Pから待機位置Qへ試料容器100を水平方向に移動させるものであり、例えばモータ、ボールねじ、テーブル、ガイドを備えた移動テーブルである。ここで、待機位置Qは、加熱される直前の試料容器100がセットされる位置であり、本実施形態では、加熱炉Z1の入り口の手前に設定されている。
第2容器供給機構Y2は、図1(b)に示すように試料容器100を水平方向に押し出す作動子Y22と、当該作動子Y22を駆動する例えばモータやエアシリンダ等のアクチュエータとからなる水平方向移動部Y1と、上下に延びるリニアガイド機構と例えばモータやエアシリンダ等のアクチュエータとを備え、水平方向移動部Y1を上下に昇降させる昇降部Y23と、を備えている。
本実施形態では、作動子Y22が直線状に進退するものであってもよいし、直線状に伸縮するものであっても良い。また、作動子Y22は試料容器100を加熱炉Z1内に挿入するための挿入ロッドと、加熱炉Z1内から試料容器100を外部へ引き出すための引き出しロッドとしての機能を兼ねるものである。作動子Y22の先端部には試料容器100を引き出す際に引っ掛けられるフック部Y221が形成されている。
加熱炉Z1の炉本体Z31内に試料容器100を挿入する場合には、試料容器100の端面部2において外縁部に作動子Y22が接触するように作動子Y22の上下方向の位置が昇降部Y23によって調節される。また、加熱炉Z1内から試料容器100を引き出す際にはフック部Y221が試料容器100の一部に引っかかるように昇降部Y23により作動子Y22の高さが調節される。
また、容器供給ユニット200Yは、分析が終了した試料容器100を廃棄する廃棄機構Y3をさらに備えている。廃棄機構Y3は、加熱炉Z1により加熱された容器を廃棄するものであり、上部に開口を有する廃棄部Y31と、廃棄部Y31の開口を閉塞する開閉蓋Y32と、開閉蓋Y32を下げることによって開口を開閉するアクチュエータ(不図示)とを備えている。ここで、開閉蓋Y32の上面に加熱炉Z1から引き出された試料容器100が配置され、アクチュエータが開閉蓋Y32を下げることによって廃棄部Y31に廃棄される。なお、廃棄部Y31は、容器であってもよいし、外部の廃棄容器(不図示)に接続される廃棄流路であっても良い。
また、本実施形態では、上記の第1容器供給機構Y1、第2容器供給機構Y2、及び、廃棄機構Y3はユニット化されており、1つの容器供給ユニット200Yを構成する。この供給ユニット200Yは、キャスター等により移動可能に構成されている。そして、供給ユニット200Yは、分析ユニット200Z又はストッカユニット200Xと着脱可能に構成されている。
次に試料容器100の詳細について図2、図3、図5を参照しながら詳述する。
試料容器100は、図2及び図3に示すように概略中空円筒形状をなすものであり、所定の体積を有したひとかたまりの試料Wを内部に収容するものである。試料容器100は例えば石英ガラスで形成された透明なものであり、内部に収容されている試料Wを外部からも視認できる。なお、試料容器100の材質は石英ガラスに限られるものではなく、セラミックス等のその他の材料であってもよい。また、図2及び図3では試料容器100の外部の稜線又は輪郭線については実線で記載しており、内部の稜線、谷線、輪郭線については点線で記載している。また、図2及び図3では供給ユニット200Yの作動子Y22によって押し引きされる端面部2を正面として記載している。
試料容器100は、概略薄肉中空筒状をなし、内部に試料Wが収容される収容空間が形成された筒状側壁1と、筒状側壁1の一方の端部に設けられた端面部2と、筒状側壁1の他方の端部に開口し、試料Wが収容空間内に挿入される試料挿入口6と、を備えている。ここで、試料挿入口6の直径は例えば25mmに設定され、後述する通気孔4よりも大きく形成される。また、図4に示すように試料容器100の筒状側壁1部分の外径寸法は加熱炉Z1の内径寸法とほぼ同じに設定されている。
端面部2は、中央部に開口し、図5(b)に示すように加熱時に収容空間内に燃焼ガスである酸素(O)を供給するための通気孔4を備えている。また、端面部2の外側において通気孔4の周囲には、図5(a)に示すように加熱炉Z1内へ試料容器100を挿入する際に作動子Y22であるロッドの先端部により押される円環状の被押圧面3が形成されている。また、端面部2の内側において通気孔4の周囲における円環状の面が、図5(c)に示すように加熱炉Z1内から試料容器100を外側へ引き出す際に作動子Y22であるロッドのフックが引っ掛けられる被引っ掛け部5として作用する。具体的には通気孔4の直径はロッドのフック部Y221が通過可能な大きさに設定されており、例えば直径13mmに設定される。フック部Y221が試料容器100内に挿入された後、半径方向外側に作動子Y22が移動することでフック部Y221が被引っ掛け部5に引っ掛けられる。
さらに試料容器100内において、一方の端部側(端面部2側)にはロッドがその位置よりも他方の端部側(挿入口6側)に侵入するのを防止する侵入防止部材7が設けられている。この侵入防止部材7は、試料容器100内において半径方向に延びる円筒状部材であり、図3の正面図に示すように正面側から見た場合に通気孔4と重なるように配置されている。すなわち、通気口から作動子Y22であるロッドが挿入されてもこの侵入防止部材7と干渉するので、ロッドが内部に収容されている試料Wとは干渉しないように構成されている。また、侵入防止部材7は収容空間内を塞がないように周囲は空洞のままにしてある。
<本実施形態の効果>
本実施形態の試料容器100によれば、筒状側壁1内に試料Wを収容するための収容空間を大きく形成できるので、例えば試料Wが非定形状の固形のものであっても内部に収容しやすい。したがって、従来であれば加熱炉Z1に直接挿入されていたような形状や大きさの試料Wであっても試料容器100内に安定的に保持した状態で収容することが可能となる。
また、加熱炉Z1の円筒形状の炉本体31に合わせて試料容器100の外形形状も円筒状でほぼ一致するように形成されているので、加熱炉Z1内に試料容器100を挿入する際には試料容器100は軸方向に沿って自然と案内される。このため、試料容器100の加熱炉Z1内への挿入又は引き出し時における試料Wの保持状態の安定性を高められるとともに、第2容器供給機構Y2によるハンドリングの安定性を高めることができる。したがって、加熱炉Z1内への試料容器100の出し入れにかかる時間を一定に保つことができるようになり、試料Wの加熱時間を一定にして分析ごとのばらつきを抑えられる。
さらに、試料Wが筒状側壁1内でほぼ全周を覆われた状態で収容されているとともに、試料容器100が石英ガラスで形成されているので、上面が大きく開口しているボート型の試料容器100と比較して試料Wが直接加熱されにくい。また、試料容器100が石英ガラスで形成されており、熱容量が大きく、熱伝導しにくい部材あるため、試料Wの燃焼の開始時間を従来よりも遅らせることできる。すなわち、試料容器100が十分に加熱されて、例えば筒状側壁1に付着している分析対象となる元素が十分に脱離した後に試料Wが燃焼し始めるようにできる。したがって、試料Wから抽出される成分ガスにおけるコンタミを取り除きやすくなり、分析ユニット200Zによる分析精度を高めることが可能となる。
また、炉本体Z31内において試料容器100は周方向に対してのみ回転可能であるので、端面部2の内側面として形成された被引っ掛け部5についてはその向きや姿勢は変化せず、確実に作動子Y22であるロッドのフック部Y221に引っ掛けやすい状態を保つことができる。
加えて、直接挿入する場合のように前記加熱炉Z1内への挿入が可能かどうかについて大きさ等の選定を行う必要がない。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
図6及び図7に示すように試料容器100は、侵入防止部材7を備えていないものであってもよい。
図8(a)、図8(b)に示すように試料容器100の筒状側壁1は全体が円筒状でなくてもよく、例えば端面部とは反対側の部分であり、元素分析計Z4側に配置される端部については外側周面をテーパ状に形成してもよい。すなわち、試料容器100の挿入口6側を円錐台形状として先細るようにしておくことにより、図8(c)に示すように炉本体Z31の奥側において元素分析計Z4側に先細る絞り部に対して試料容器の先端部分を円状に線接触させてシールSLを形成できる。すなわち、筒状側壁1において円筒状の部分と炉本体Z31の円筒状部分との間にわずかな隙間があり、燃焼ガスである酸素が通過可能であったとしても、試料容器100の先端と絞り部との間に形成されたシールSLで元素分析計Z4側へのリーク量を低減できる。このため、燃焼ガスである酸素の使用量を減らすことができるとともに、通気孔4から試料Wへの酸素の供給効率を良くできる。したがって、試料Wの燃焼効率を従来よりも高くできる。
図9に示すように試料容器100には、分析対象の元素が付着してコンタミの原因となるのを防ぐために、金メッキやニッケルメッキ等の金属メッキGLを施してもよい。具体的には図9(a)に示すように筒状側壁1の外側周面のみに金属メッキGLを施してもよいし、図9(b)に示すように筒状側壁の内側周面にのみ金属メッキGLを施しても良い。また、図9(c)に示すように筒状側壁1の外側周面及び内側周面の両方に金属メッキGLを施してもよい。このようにすれば、例えば分析対象の元素である炭素(C)を含む二酸化炭素(CO)が試料容器100の表面に付着するのを防ぎ、試料Wが燃焼して発生する成分ガスであるCOにコンタミとして混入するのを防ぐことができる。なお、金属メッキは試料Wを燃焼させるのに必要な炉本体Z31内の温度において溶けず、COが付着しにくい金属であればよい。また、筒状側壁1は試料容器100において最も広い表面積を有する部分であり、端面部等のその他部位に金属めっきを施さなくても十分にCOの付着を防ぐことができるが、全ての部位に金属メッキを施しても構わない。
試料容器100に金属メッキGLを施さなくても元素分析におけるコンタミを防ぐことができるようにするには、図10に示すように炉本体Z31での試料容器100の位置を段階的に変化させて加熱するようにすればよい。具体的には最初は炉本体Z31において中央部よりも温度の低く、試料Wの燃焼が起こらない入口側で試料容器100を配置する。この第1段階目の予備加熱では加熱された試料容器100から付着していたCO等が脱離し、グラフにおいて少量のCOが元素分析計Z4において検出される。元素分析計Z4でCOが検出されなくなる、あるいは、所定時間の間入り口側における試料容器100の加熱が終了したら、試料容器100を炉本体Z31の中央部へ押し込む。この第2段階目では、最も高温となる中央部で本加熱が開始され、試料Wの燃焼が始まる。この状態では試料容器100にはコンタミの原因となるCOは付着していないので、グラフに示すように元素分析計Z4で検出される多量のCOは燃焼により発生した試料Wから抽出された成分ガス(CO)のみにほぼできる。このように段階的に試料容器100が加熱されるようにすれば、元素分析におけるコンタミを低減できる。
前記実施形態では、試料容器は石英ガラスで形成されたものであったが、その他の材料で形成してもよい。ただし、製造コストやブランク測定において発生するCO量の少なさを考慮すると石英ガラスで試料容器を形成するのが好ましい。図11に単結晶シリコン、アルミナ、前記実施形態の試料容器、炉内に試料容器が存在しない場合のブランク測定の結果を示す。単結晶シリコン、アルミナを用いた場合、石英ガラスで形成した場合よりも多量のCOがブランク測定において発生することが分かる。
前記実施形態では、試料容器は円筒形状であったが、断面形状が例えば多角形をなす筒状に形成されたものであってもよい。また、加熱炉の内部形状と試料容器の外径形状は合致するものに限られず、加熱炉の内部と試料容器の外側面との間に隙間が形成されてもよい。
前記実施形態では、端面部に被引掛け部が形成されていたが、試料容器の一方の端部側に別途ロッドのフック部が引っ掛けられるリング状部材等を設けてもよい。すなわち、ロッドの一部を通気孔は通過させずに被引っ掛け部に引っ掛けられるようにしてもよい。
侵入防止部材については円柱形状のものに限られず、その他の形状であってもよい。例えば試料容器の内部を仕切る板状の部材であり、一部に燃焼ガスが通過可能な孔が形成されているものであってもよい。
また、供給ユニットやストッカユニットの構成については前記実施形態に示した物に限られず、周辺の構造に応じて種々選択できる。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
コンタミの原因となる前記試料容器に付着した元素を成分ガスの発生よりも先に脱離させて取り除き、分析精度を向上させる試料容器を提供する。

Claims (9)

  1. 試料を加熱し成分ガスを抽出して分析する元素分析装置に用いられるものであり、前記元素分析装置の具備する加熱炉内に前記試料を収容した状態で挿入される試料容器であって、
    前記試料容器が、
    概略中空筒形状をなす筒状側壁と、
    前記加熱炉に挿入される際にロッドで押される被押圧面と、前記試料の加熱時にガスが通過する通気孔と、を少なくとも具備し、前記筒状側壁の一方の端部に設けられた端面部と、
    前記筒状側壁の前記一方の端部に設けられ、前記加熱炉内から取り出される際にロッドが引っ掛けられる被引っ掛け部と、を備え
    前記被引っ掛け部が、前記端面部において前記試料容器内側の面であることを特徴とする試料容器。
  2. 前記通気孔がロッドの一部が通過可能な大きさを有している、請求項1記載の試料容器。
  3. 前記加熱炉が、所定の内径寸法を有する概略中空円筒形状をなす炉本体を具備し、
    前記筒状側壁が概略中空円筒形状をなすとともに、その外形寸法が前記炉本体の内径寸法とほぼ同じ寸法である請求項1又は2記載の試料容器。
  4. 前記試料を前記試料容器内に挿入するための試料挿入口が前記筒状側壁の他方の端部に開口しており、
    前記試料挿入口の内径寸法が前記通気孔の内径寸法よりも大きく形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の試料容器。
  5. 前記筒状側壁内において前記一方の端部側に設けられ、前記通気孔から挿入されたロッドが所定位置よりも前記筒状側壁の他方の端部側へと侵入するのを防ぐ侵入防止部材をさらに備えた請求項1乃至4いずれかに記載の試料容器。
  6. 少なくとも前記筒状側壁の外側周面又は内側周面に金属メッキが施された請求項1乃至5いずれかに記載の試料容器。
  7. 少なくとも前記筒状側壁が石英ガラスで形成された請求項1乃至6いずれかに記載の試料容器。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の試料容器と、
    前記試料容器の前記筒状側壁の少なくとも一部における半径方向の外径寸法とほぼ一致する内径寸法を少なくとも一部で有する筒状の炉本体を具備する前記加熱炉を備えた元素分析装置。
  9. 抽出された成分ガスを分析するガス分析計をさらに備え、
    前記炉本体の前記ガス分析計側において、当該ガス分析計側に向かって先細る絞り部が形成されており、
    前記試料容器の前記筒状側壁において前記端面部とは反対側の外側周面がテーパ状に形成されている請求項8記載の元素分析装置。
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