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JP7675585B2 - 血管モデル - Google Patents
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JP7675585B2 - 血管モデル - Google Patents

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Description

本発明は、血管を模擬した血管モデルに関する。
近年、カテーテルやガイドワイヤ等の医療用長尺体を、皮膚から血管内に挿入し、血管を通って目的の位置まで到達させて手技を行うインターベンションが行われている。インターベンションは、複雑に屈曲した血管を通して行われるため、カテーテルは、目的の位置まで到達できることが求められる。このため、例えば特許文献1には、医療用長尺体の操作性能などを試験するために用いられる血管モデルが記載されている。
特開2001-343891号公報
前立腺肥大の治療法としての前立腺の動脈塞栓や、肝臓がんの治療法としての肝臓の動脈塞栓においては、太い主血管から鋭角に折り返すように分岐している細い分岐血管を、マイクロカテーテルやガイドワイヤで選択するため、選択が困難な場合がある。特に、主血管が太い場合は、マイクロカテーテルが撓みやすいため、分岐血管に入りにくく、あるいは入ってもマイクロカテーテルの先端が抜けてしまう場合がある。また、主血管に対して分岐血管が鋭角な場合は、マイクロカテーテルの先端が分岐血管から抜けやすいため、さらに選択が困難となる。
前立腺の動脈塞栓においては、主血管である内腸骨動脈の内径は2~8mm、分岐血管の内径は1mm程度である。また、肝臓の動脈塞栓においては、主血管の内径は2~5mm、分岐血管の内径は1mm程度であり、さらに分岐が連続している場合がある。分岐血管からさらに分岐が連続する場合には、マイクロカテーテルやガイドワイヤにより分岐血管を選択することは、さらに困難となる。
特許文献1に記載の血管モデルは、上述したような主血管から鋭角に分岐する細い分岐血管における、マイクロカテーテルやガイドワイヤ等の医療用長尺体の選択性能の評価を行うことは困難である。
また、分岐血管は、複数の蛇行部を連続して有することがあり、このような分岐血管に医療用長尺体を挿入する場合も考えられる。しかし、従来の血管モデルでは、このように蛇行部を連続して有する分岐血管に対する評価を実施することはできない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の蛇行部を連続して有する分岐血管への医療用長尺体の選択性能の評価を行うことができる血管モデルを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る血管モデルは、血管を模擬した血管モデルであって、主血管を模擬する主通路と、前記主血管から分岐する分岐血管を模擬して前記主通路よりも細い複数の分岐通路と、を有し、前記複数の分岐通路は、同一の前記主血管から一定の方向に向かって分岐し、それぞれの前記分岐通路は、前記主血管からの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる3つ以上の山部を有するように蛇行し、同一の前記分岐通路が有する複数の前記山部は、同じ曲率半径を有するように屈曲し、前記複数の分岐通路は、前記山部がそれぞれ異なる曲率半径を有することを特徴とする。
上記のように構成された血管モデルは、複数の蛇行部を連続して有する分岐血管への医療用長尺体の選択性能の評価を行うことができる。また、血管モデルは、曲率半径を変えた複数の経路によって、医療用長尺体の通過性の程度を評価できる。
前記主通路は、入口と該入口に最も近い前記分岐通路との間に屈曲部を有するようにしてもよい。これにより、医療用長尺体に屈曲負荷を付与した状態で、分岐通路に進入させることができるので、実際の生体内に近い条件で、性能評価を行うことができる。
一方と他方にそれぞれ凸状となる蛇行部を有する第2主通路と、前記第2主通路の入口側と出口側にそれぞれ開口して連通する直線状のバイパス通路と、を有するようにしてもよい。これにより、蛇行した通路と直線状の通路とを任意に組み合わせて、医療用長尺体の性能評価を行うことができる。
一方向に屈曲する曲線部を有する第3主通路と、前記曲線部の内周側に向かって分岐する内周側分岐通路と、前記曲線部の外周側に向かって分岐する外周側分岐通路と、を有するようにしてもよい。これにより、一方向に屈曲した通路から内周側と外周側にそれぞれ分岐した通路に医療用長尺体を進入させるために必要なトルクの相違を評価することができる。
前記内周側分岐通路と前記外周側分岐通路は、それぞれ前記曲線部からの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる山部を有するように蛇行しているようにしてもよい。これにより、曲線部から内周側と外周側にそれぞれ分岐した通路が蛇行していた場合における医療用長尺体の通過性評価を行うことができる。
実施形態に係る血管モデルを示す平面図である。 実施形態に係る血管モデルを示す側面図である。 図1のうち第1主通路と分岐通路付近の拡大図であって、第1分岐通路に医療用長尺体を進入させた状態の図である。 図1のうち第2主通路付近の拡大図であって、第2主通路に医療用長尺体を進入させた状態の図である。 図1のうち第3主通路と内周分岐通路および外周分岐通路付近の拡大図であって、内周側分岐通路に医療用長尺体を進入させた状態の図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態に係る血管モデル10は、マイクロカテーテルやガイドワイヤ等の医療用長尺体の分岐血管の選択性を評価するために血管を模擬したモデルである。なお、血管モデル10の用途は、医療用長尺体の評価のための使用に限定されず、例えば手技の訓練のために使用されてもよい。
血管モデル10は、図1、2に示すように、2枚の分割模擬部11と、分割模擬部11を挟む2枚の保持板12と、複数の連結具13と、挿入口14とを備えている。2枚の分割模擬部11は、血管を模擬する溝が対向面15側に形成された略長方形の平板である。2枚の分割模擬部11は、面対称形状で形成されている。このため、対向面15で重なることで、溝が重なり、断面が略円形の血管を模擬する血管模擬部20が形成される。分割模擬部11は、内部を目視できるように透明または半透明であり、実際の生体組織に近い柔軟な材料により形成されることが好ましい。分割模擬部11の構成材料は、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、各種エラストマー樹脂としてSEBS、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリル系エラストマー、含フッ素エラストマーなどである。本実施形態では、分割模擬部11の構成材料は、シリコーン樹脂である。分割模擬部11は、金型を用いて良好に形成されるが、形成方法は特に限定されず、例えば3Dプリンタにより形成されてもよい。
保持板12は、柔軟な2枚の分割模擬部11を重なった状態で保持するために、2枚の分割模擬部11を挟む部材である。各々の保持板12は、分割模擬部11を覆うことができる略長方形の平板である。保持板12は、内部を目視できるように透明または半透明であり、柔軟な分割模擬部11を保持できる硬質の材料により形成されることが好ましい。保持板12の構成材料は、特に限定されないが、例えばアクリル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、メラミン樹脂、スチレン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ガラス等である。本実施形態では、保持板12の構成材料は、アクリル樹脂である。
連結具13は、分割模擬部11を保持板12で挟んだ状態を保持するための部材である。連結具13は、例えば、分割模擬部11および保持板12に形成される貫通孔を貫通して、2枚の保持板12を挟持できるボルトおよびナットにより構成される。なお、連結具13の構成は、特に限定されず、例えばクランプ等であってもよい。
挿入口14は、血管モデル10に対して医療用長尺体を挿入する部位である。挿入口14は、2つの分割模擬部11の側端面にて、対向する溝に挟まれるように溝に連通して配置される。挿入口14は、例えば、三方活栓を有する止血弁やYコネクター等により構成され、医療用長尺体を挿入する部位として、血管模擬部20の後述する連絡通路21に接続される。なお、止血弁等を備える挿入口14は、2つの分割模擬部11の側端面の、連絡通路21以外の開口にも配置されてよい。これにより、血管模擬部20の内部を、液体で満たすことが容易となり、かつ液体で満たした状態を良好に維持できる。
血管モデル10は、実質的に平面構造のモデルである。実質的に平面構造の血管モデル10の板厚は、100mm以下であり、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。
次に、分割模擬部11に形成される血管模擬部20について詳述する。まず、血管模擬部20のうち下半分について説明する。血管模擬部20は、図1に示すように、挿入口14が連通する連絡通路21と、主血管を模擬する主通路30と、主血管から分岐する分岐血管を模擬する複数の分岐通路40と、血管模擬部20内を液体で満たす際の空気抜き用の補助通路50とを備えている。
主通路30は、連絡通路21から延在する第1主通路31を有している。図3に示すように、第1主通路31は、連絡通路21と連通する大径直線状の大径通路部31aと、大径通路部31aの末梢側でS字状に屈曲する屈曲通路部31bと、屈曲通路部31bの末梢側が連通し、連絡通路21と血管模擬部20の端部との間に延在する直線通路部31cと、直線通路部31cから分岐し、L字状に屈曲する導入通路部31dとを有している。なお、末梢側とは、通路において、挿入口14から離れる側(挿入される医療用長尺体の進行方向側)を意味する。
第1主通路31は、入口となる連絡通路21から末梢側に向かって、大径通路部31a、屈曲通路部31b、直線通路部31c、導入通路部31dの順に延び、複数回屈曲する屈曲部31eを有している。導入通路部31dには、一定の方向に向かって分岐する3つの分岐通路40を有している。分岐通路40は、入口側から末梢側に沿って、第1分岐通路41と第2分岐通路42および第3分岐通路43を有している。第1分岐通路41と第2分岐通路42および第3分岐通路43は、それぞれ主通路30である導入通路部31dからの分岐方向に対して、一方と他方に凸状となる3つ以上の山部41a、41b、41cをそれぞれ有している。第1分岐通路41と第2分岐通路42および第3分岐通路43は、いずれも末梢側が補助通路50と連通している。
第1分岐通路41が有する複数の山部41aは、いずれも同じ曲率半径を有するように屈曲している。第2分岐通路42が有する複数の山部42aは、いずれも同じ曲率半径を有するように屈曲している。第3分岐通路43が有する複数の山部43aは、いずれも同じ曲率半径を有するように屈曲している。また、第1分岐通路41の山部41aは、第2分岐通路42の山部42aより曲率半径が大きく、第2分岐通路42の山部42aは、第3分岐通路43の山部43aより曲率半径が大きい。すなわち、各分岐通路の山部41a、42a、43aは、それぞれ曲率半径が異なっている。
第1分岐通路41と第2分岐通路42および第3分岐通路43は、いずれも導入通路部31dのうち、直線状の部分から分岐している。このため、第1主通路31が有する屈曲部31eは、当該第1主通路31の入口となる連絡通路21と、連絡通路21に最も近い第1分岐通路41との間に配置される。
各通路の径は、例えば以下の通りである。大径通路部31aは8mm、屈曲通路部31bは6mm、直線通路部32cは5mm、導入通路部31cは3mm、第1分岐通路41は2.5mm、第2分岐通路42は2mm、第3分岐通路43は1.5mmである。また、第1分岐通路41の山部41aが有する曲率半径は5mm、第2分岐通路42の山部42aが有する曲率半径は4mm、第3分岐通路43の山部43aが有する曲率半径は3mmである。
図4に示すように、主通路30は、第1主通路31の大径通路部31aおよび屈曲通路部31bから延在する第2主通路32を有している。第2主通路32は、大径通路部31aと連通する第1蛇行通路部32aと、第1蛇行通路部32aと連通する直線通路部32cと、直線通路部32cと連通する第2蛇行通路部32bとを有する。第1蛇行通路部32aは、屈曲通路部31bから90°未満の角度で分岐する。第2蛇行通路部32bは、直線通路部32cから90°未満の角度で分岐する。また、第2主通路32は、大径通路部31aと第1蛇行通路部32aの末梢側との間を直線状に繋ぐ第1バイパス通路部32dと、第2蛇行通路部32bの入口側と末梢側との間を直線状に繋ぐ第2バイパス通路部32eとを有する。第1バイパス通路部32dは、第2主通路32の入口側に開口し、第2バイパス通路部32eは、第2主通路32の出口側に開口する。
各通路の径は、例えば以下の通りである。第1蛇行通路部32aは3~5mm、直線通路部32cは3~4mm、第2蛇行通路部32bは3mm、第1バイパス通路部32dは4mm、第2バイパス通路部32eは3mmである。
図5に示すように、主通路30は、第2主通路32の末梢側から延在する第3主通路33を有している。第3主通路33は、第2主通路32の末梢端から末梢側に向かって、正面視時計回り方向に屈曲する曲線部33aを有している。曲線部33aからは、内周側に向かって内周側分岐通路44が分岐し、外周側に向かって外周側分岐通路45が分岐している。
内周側分岐通路44は、曲線部33aからの分岐方向に対して、一方と他方に凸状となる複数の山部44aを有している。また、外周側分岐通路45は、曲線部33aからの分岐方向に対して、一方と他方に凸状となる複数の山部45aを有している。
各通路の径は、例えば以下の通りである。曲線部33aは3mm、内周側分岐通路44と外周側分岐通路45は2mmである。内周側分岐通路44の山部44aと外周側分岐通路45の山部45aの曲率半径は、2.75mmである。
次に、血管模擬部20のうち上半分について説明する。図1に示すように、血管模擬部20の上半分も、主通路60と分岐通路70を有している。主通路60は、連絡通路21から延在する第4主通路61と、第4主通路61から分岐する第5主通路62とを有している。第4主通路61は、連絡通路21から直線的に延在する。
第5主通路62は、第4主通路61から所定の分岐角度で分岐する通路である。第5主通路62は、第4主通路61から直線的に延在する。
第4主通路61と第5主通路62からは、主通路60の延在方向へ並んで主通路60から異なる分岐角度で分岐する複数の分岐通路70が接続されている。
次に、本実施形態に係る血管モデル10を用いた医療用長尺体の評価方法を説明する。
初めに、評価試験を行う試験者は、医療用長尺体を挿入する主通路30および分岐通路40を決定する。例えば、試験者は、図3に示すように、第1主通路31から第1分岐通路41へ医療用長尺体100を挿入することを決定する。本例において、医療用長尺体100は、ガイドワイヤである。
試験者は、血管モデル10内部に、挿入口14を介して、水、生理食塩水、界面活性剤入り水溶液等を注入する。これにより、血管モデル10の血管模擬部20の内部に、水、生理食塩水、界面活性剤入り水溶液等が流入する。血管モデル10の内部の空気は、血管模擬部20の側端面に形成される開口や、補助通路50等から外部へ排出される。これにより、血管モデル10の血管模擬部20の内部が、水、生理食塩水、界面活性剤入り水溶液等で満たされる。あるいは、血管模擬部20の内面に予め界面活性剤あるいは潤滑性ポリマーを塗布してもよく、潤滑性ポリマーとしてアクリルアミドを含む親水性潤滑ポリマーやフッ素樹脂などの疎水性潤滑ポリマーを塗布してもよい。
次に、試験者は、連絡通路21に連通する挿入口14から医療用長尺体100を挿入し、第1主通路31の大径通路部31aに先端を到達させる。次に、試験者は、医療用長尺体100の先端を大径通路部31aから屈曲通路部31bおよび直線通路部31cを経て、導入通路部31dに進入させる。屈曲通路部31bから導入通路部31dにかけては、通路がS字状に屈曲しているので、医療用長尺体100を分岐通路40に進入させる際に、医療用長尺体100に屈曲負荷を付与することができる。これにより、実際の生体内に近い条件で医療用長尺体100の試験を行うことができる。
続いて、試験者は、医療用長尺体100の先端により第1分岐通路41を選択して、医療用長尺体100を第1分岐通路41へ押し進めることを試みる。これにより、試験者は、医療用長尺体100により第1主通路31から第1分岐通路41を選択できたか否かを、血管モデル10によって評価できる。
分岐通路40は、第1分岐通路41の他に、第2分岐通路42と第3分岐通路43を有するので、試験者は、これらいずれかの分岐通路40を選択することができる。第2分岐通路42の山部42aは、第1分岐通路41の山部41aより曲率半径が小さいので、医療用長尺体100を通過させる難易度がより高い。また、第3分岐通路43の山部43aは、第2分岐通路42の山部42aより曲率半径が小さいので、医療用長尺体100を通過させる難易度はさらに高い。試験者は、第1分岐通路41と第2分岐通路42および第3分岐通路43を順次選択して、医療用長尺体100の進入を試みることで、医療用長尺体100の蛇行部における通過性を評価することができる。また、医療用長尺体100は分岐通路40より手前の第1主通路31で予め蛇行しているため、蛇行する主血管から蛇行する分岐血管へ進入する場合の通過性を、適切に評価することができる。
次に、試験者が第2主通路32を選択した場合について説明する。本例において、医療用長尺体100はカテーテルである。図4に示すように、試験者は、連絡通路21に連通する挿入口14からガイディングカテーテル(図示せず)を挿入し、第1主通路31の大径通路部31aに先端を到達させ、その内部に医療用長尺体100を挿入し、連絡通路21から第1蛇行通路部32aの入口まで到達させる。
次に、試験者は、医療用長尺体100の先端を第1蛇行通路部32aから直線通路部32cに進入させることを試みる。医療用長尺体100の先端を直線通路部32cの末梢側まで移動させたら、試験者は、医療用長尺体100の先端を第2蛇行通路部32bに進入させることを試みる。これにより、蛇行部と直線部とを組み合わせたパターンについて、医療用長尺体100の通過性評価を行うことができる。
試験者は、第1蛇行通路部32aにおいて医療用長尺体100が座屈するなどして、進入が困難な場合には、大径通路部31aから第1バイパス通路部32dを経由して、直線通路部32cに医療用長尺体100を導き、直線通路部32cから第2蛇行通路部32bに医療用長尺体100を進入させるように試みてもよい。このように、試験の必要性や試験者の技能などに合わせて、蛇行部と直線部の組み合わせを変更してもよく、柔軟に試験を実施することができる。
次に、試験者が第3主通路33を選択した場合について説明する。本例において、医療用長尺体100はカテーテルである。この場合、第3主通路33から分岐する内周側分岐通路44または外周側分岐通路45のいずれかを選択できる。本例において試験者は、内周側分岐通路44を選択したものとする。試験者は、連絡通路21に連通する挿入口14からガイディングカテーテル(図示せず)を挿入し、第1主通路31の大径通路部31aに先端を到達させ、その内部に医療用長尺体100を挿入して、連絡通路21から第1バイパス通路部32dと直線通路部32cおよび第2バイパス通路部32eを経て、第3主通路33の入口まで到達させる。
図5に示すように、試験者は、医療用長尺体100の先端を第3主通路33の曲線部33aから内周側分岐通路44に進入を試みる。内周側分岐通路44は、複数の山部44aを有する蛇行状に形成されているので、試験者は、一方向に屈曲する曲線部33aから内周側に曲がり、その先が蛇行状となった経路の通過性について、評価することができる。
試験者が外周側分岐通路45を選択した場合には、試験者は、医療用長尺体100の先端を第3主通路33の曲線部33aから外周側分岐通路45に進入を試みる。外周側分岐通路45は、複数の山部45aを有する蛇行状に形成されているので、試験者は、一方向に屈曲する曲線部33aから外周側に曲がり、その先が蛇行状となった経路の通過性について、評価することができる。
一方向に屈曲する曲線部33aからの分岐を医療用長尺体100が通過する際には、内周側と外周側とで必要なトルクが異なるため、内周側分岐通路44と外周側分岐通路45の両方について評価できることで、医療用長尺体100の適切な評価を実施することができる。
なお、医療用長尺体の評価方法は、カテーテルとガイドワイヤの組み合わせにおいて実施してもよい。
また、血管モデル10は、上下反転して用いてもよい。このために、大動脈を模擬した大径通路部31aの部分は、上下対称となるように形成されている。また、試験者から見て左側に肝臓がある想定においては、連絡通路21に接続された挿入口14のいずれからも医療用長尺体100を挿入することができる。図1の状態では、上側の挿入口14から挿入した場合はラディアルアプローチを模擬し、下側の挿入口14から挿入した場合はフェモラルアプローチを模擬することができる。あるいは、血管モデル10を上下反転して用いてもよい。例えば、ラディアルアプローチを模して、上側の挿入口14から医療用長尺体100を挿入する場合でも、予め血管モデル10を上下反転することで、例えば補助通路50に対する医療用長尺体100の挿入角度が変化するため、実臨床で個人差のある血管分岐角度を模擬することができる。
以上のように、本実施形態に係る血管モデル10は、血管を模擬した血管モデル10であって、主血管を模擬する主通路30と、主血管30から分岐する分岐血管を模擬して主通路30よりも細い複数の分岐通路40と、を有し、複数の分岐通路40は、同一の主血管30から一定の方向に向かって分岐し、それぞれの分岐通路40は、主血管30からの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる3つ以上の山部41aを有するように蛇行している。このように構成された血管モデル10は、複数の蛇行部を連続して有する分岐血管への医療用長尺体100の選択性能の評価を行うことができる。
また、同一の分岐通路40が有する複数の山部41aは、同じ曲率半径を有するように屈曲し、複数の分岐通路40は、山部41a、42a、43aがそれぞれ異なる曲率半径を有するようにしてもよい。これにより、曲率半径を変えた複数の経路によって、医療用長尺体100の通過性の程度を評価できる。
また、主通路30は、入口と該入口に最も近い分岐通路41との間に屈曲部31eを有するようにしてもよい。これにより、医療用長尺体に屈曲負荷を付与した状態で、分岐通路41に進入させることができるので、実際の生体内に近い条件で、性能評価を行うことができる。
また、一方と他方にそれぞれ凸状となる蛇行部を有する第2主通路32と、第2主通路32の入口側と出口側にそれぞれ開口して連通する直線状のバイパス通路32d、32eと、を有するようにしてもよい。これにより、蛇行した通路と直線状の通路とを任意に組み合わせて、医療用長尺体100の性能評価を行うことができる。
また、一方向に屈曲する曲線部33aを有する第3主通路33と、曲線部33aの内周側に向かって分岐する内周側分岐通路44と、曲線部33aの外周側に向かって分岐する外周側分岐通路45と、を有するようにしてもよい。これにより、一方向に屈曲した通路から内周側と外周側にそれぞれ分岐した通路に医療用長尺体100を進入させるために必要なトルクの相違を評価することができる。
また、内周側分岐通路44と外周側分岐通路45は、それぞれ曲線部33aからの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる山部44a、45aを有するように蛇行しているようにしてもよい。これにより、曲線部33aから内周側と外周側にそれぞれ分岐した通路が蛇行していた場合における医療用長尺体100の通過性評価を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。血管モデル10において、各分岐通路の配置、径、曲率半径などは、必要に応じて任意に設定することができる。また、分岐通路が向かう方向について、上下反転していてもよい。
10 血管モデル
11 分割模擬部
12 保持板
13 連結具
14 挿入口
15 対向面
20 血管模擬部
21 連絡通路
30 主通路
31 第1主通路
31a 大径通路部
31b 屈曲通路部
31c 直線通路部
31d 導入通路部
31e 屈曲部
32 第2主通路
32a 第1蛇行通路部
32b 第2蛇行通路部
32c 直線通路部
32d 第1バイパス通路部
32e 第2バイパス通路部
33 第3主通路
33a 曲線部
40 分岐通路
41 第1分岐通路
41a 山部
42 第2分岐通路
42a 山部
43 第3分岐通路
43a 山部
44 内周側分岐通路
44a 山部
45 外周側分岐通路
45a 山部
50 補助通路
100 医療用長尺体

Claims (5)

  1. 血管を模擬した血管モデルであって、
    主血管を模擬する主通路と、前記主血管から分岐する分岐血管を模擬して前記主通路よりも細い複数の分岐通路と、を有し、
    前記複数の分岐通路は、同一の前記主通路から一定の方向に向かって分岐し、
    それぞれの前記分岐通路は、前記主通路からの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる3つ以上の山部を有するように蛇行し
    同一の前記分岐通路が有する複数の前記山部は、同じ曲率半径を有するように屈曲し、
    前記複数の分岐通路は、前記山部がそれぞれ異なる曲率半径を有する血管モデル。
  2. 前記主通路は、入口と該入口に最も近い前記分岐通路との間に屈曲部を有する請求項に記載の血管モデル。
  3. 一方と他方にそれぞれ凸状となる蛇行部を有する第2主通路と、
    前記第2主通路の入口側と出口側にそれぞれ開口して連通する直線状のバイパス通路と、を有する請求項1または2に記載の血管モデル。
  4. 一方向に屈曲する曲線部を有する第3主通路と、
    前記曲線部の内周側に向かって分岐する内周側分岐通路と、
    前記曲線部の外周側に向かって分岐する外周側分岐通路と、を有する請求項1~のいずれか1項に記載の血管モデル。
  5. 前記内周側分岐通路と前記外周側分岐通路は、それぞれ前記曲線部からの分岐方向に対して一方と他方に凸状となる山部を有するように蛇行している請求項に記載の血管モデル。
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