以下、場合により図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<機能性フィルム>
本実施形態の機能性フィルムは、硬度が異なる部位を備える。
なお、本明細書において「フィルム」とは、薄い膜状又は板状のものを指し、厚みは特に限定されない。フィルムには、シート、板、膜も包含される。
本実施形態の機能性フィルムは、硬度が異なる部位として、貯蔵弾性率が0.01MPa以上である低硬度部位と、低硬度部位よりも高い貯蔵弾性率を有する高硬度部位とを含むことができる。本実施形態の機能性フィルムは、物品を低硬度部位に選択的に付着させることができる。また、本実施形態の機能性フィルムは、高硬度部位によって剛直性を確保することができることから、付着性を有しながらも歪みにくく、搬送性に優れたものになり得る。
本明細書において貯蔵弾性率とは、ナノインデンター(BRKER社製、「TI 980 TriboIndenter」)を用いて、以下の測定条件での測定値を意味する。
測定ヘッド:Standard(1D) Transducer and Piezo Scanner
圧子:バーコビッチ(先端:ダイヤモンド)
測定モード:nanoDMA
押し込み深さ:0.5μm
周波数範囲:5Hz
測定温度:25℃
低硬度部位の貯蔵弾性率は、物品の付着性向上、物品の傷つきを防ぐ観点から、0.01MPa以上10GPa以下であることが好ましく、0.1MPa以上1GPa以下であることがより好ましく、0.1MPa以上100MPa以下であることが更に好ましい。
高硬度部位の貯蔵弾性率は、剛直性、付着防止性の観点から、0.01MPa超100GPa以下であることが好ましく、0.1MPa以上20GPa以下であることがより好ましく、1MPa以上20GPa以下であることが更に好ましい。
低硬度部位への付着選択性を更に高める観点から、高硬度部位の貯蔵弾性率は、低硬度部位の貯蔵弾性率の1.5倍以上、2倍以上、5倍以上、10倍以上、50倍以上、100倍以上、又は1,000倍以上であってもよい。柔軟性、屈曲性の観点から、高硬度部位の貯蔵弾性率は、低硬度部位の貯蔵弾性率の10,000,000倍以下、1,000,000倍以下、100,000倍以下、又は10,000倍以下であってもよい。
低硬度部位及び高硬度部位はそれぞれパターンを有していてもよい。パターンとしては、ストライプ、ドット(円)、ハニカム、格子、市松模様(四角形の幾何学模様)、鱗模様(三角形の幾何学模様)、麻の葉、錐状(三角錐、四角錐、円錐など)等が挙げられる。パターンは、これらの形状のうちの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて含むものであってもよい。機能性フィルムにおけるパターンは、深さ方向で形状が異なっていてもよい。
本実施形態の機能性フィルムは、物品の搬送用とすることができ、その場合、物品を配置する形状に合わせて低硬度部位のパターン形状を設定することができる。これにより、多量の物品(例えば、電子部品等)を所定の位置若しくは範囲に効率よく配置することができる。
図1は、機能性フィルムの一実施形態を示す模式図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示されるI-I線に沿った断面図である。図1に示される支持基材付機能性フィルム100は、支持基材20と、支持基材20上に設けられた機能性フィルム10とを備える。機能性フィルム10は、ストライプのパターンを有する低硬度部位1と高硬度部位2とから構成されている。
図2は、機能性フィルムの他の実施形態を示す上面図である。図2の(a)は低硬度部位1が円柱であるドットパターンを示し、(b)は低硬度部位1が四角形柱である格子(市松模様)のパターンを示し、(c)は低硬度部位1が正六角柱であるハニカム構造のパターンを示す。
パターンの大きさは特に限定されないが、100nm以上、1μm以上、100μm以上、1mm以上であってもよい。パターンの大きさの上限も特に限定されないが、製造の観点から、1m以下であってもよく、10mm以下であってもよい。
例えば、パターンがストライプである場合、ライン幅を上記の範囲とすることができ、パターンがドットである場合、ドット径を上記の範囲とすることができる。また、マスクを介した露光によってパターン化する場合、マスクの解像度を上記の範囲とすることができる。
機能性フィルムを物品の搬送用とする場合、低硬度部位の大きさは、物品の大きさ及び物品を配置する範囲に合わせて設定することができる。また、機能性フィルムの剛直性の観点から、高硬度部位の大きさを設定することもできる。
機能性フィルムの厚みは、0.1μm以上、1μm以上、10μm以上、又は100μm以上であってもよく、100mm以下、100000μm以下、10000μm以下、又は1000μm以下であってもよい。
本実施形態の機能性フィルムは、物品が低硬度部位に選択的に付着する選択的付着性を有することができる。選択的付着性については、例えば、下記の評価方法で算出される選択付着割合が、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%であってもよい。
(評価方法)
粒径1.5μmのアクリルビーズを充填させたガラス板に、機能性フィルムを低硬度部位の貯蔵弾性率の1/100倍の圧力でアクリルビーズが密着するまで押圧する(低硬度部位にアクリルビーズが密着しにくい場合、アクリルビーズが密着するまで押圧する圧力を段階的に上昇させる)。その後、機能性フィルムを持ち上げて、低硬度部位及び高硬度部位のそれぞれにアクリルビーズが付着している面積(ビーズのフィルム表面への投影面積)を測定する。これらの面積及び低硬度部位及び高硬度部位の面積に基づき、下記式に従って選択付着割合(%)を求める。
選択付着割合(%)=[(L1/L0)-(H1/H0)]×100
[式中、L0及びH0はそれぞれ低硬度部位の面積及び高硬度部位の面積を示し、L1は低硬度部位におけるアクリルビーズが付着している面積、H1は高硬度部位におけるアクリルビーズが付着している面積を示す。]
選択付着割合の調整によって、例えば、機能性フィルムを金属粒子の搬送に適用する場合、特定部分の金属粒子を高密度に、それ以外の箇所は金属粒子を低密度に配置することが容易となり、これにより特定部分の導電性を高めることができる。
支持基材としては、例えば、SUS、金、銅、アルミ、合金等の金属基材、シリコーン、シリコンウエハ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、及びこれらの組み合わせのフィルムが挙げられる。
本実施形態の機能性フィルムは保護フィルムが積層されていてもよい。保護フィルムとしては、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、フッ素系等の粘着フィルムが挙げられる。
本実施形態の機能性フィルムは、低硬度部位及び高硬度部位がそれぞれ樹脂硬化物であってもよい。この場合、本実施形態の機能性フィルムは、貯蔵弾性率が0.01MPa以上である第一の樹脂硬化物のパターンと、第一の樹脂硬化物よりも高い貯蔵弾性率を有する第二の樹脂硬化物のパターンと、を含むものであってもよい。
第一の樹脂硬化物及び第二の樹脂硬化物の貯蔵弾性率は、上述した低硬度部位及び高硬度部位の貯蔵弾性率及び貯蔵弾性率の関係を満たすことが好ましい。
本実施形態の機能性フィルムは、低硬度部位への物品の付着性を高硬度部位よりも高めるために、低硬度部位の粘着力が高硬度部位の粘着力よりも高いことが好ましい。低硬度部位及び高硬度部位の粘着力は、下記の方法によって測定されるガラス板に対する粘着力(ガラス粘着力)を指標にして適宜調整することができる。
[ガラス粘着力の測定]
パターン化していない第一の樹脂硬化物(低硬度部位)及び第二の樹脂硬化物(高硬度部位)のサンプル(膜厚100μm、長さ100mm、幅25mm)を、第一の樹脂硬化物(低硬度部位)のパターン及び第二の樹脂硬化物(高硬度部位)のパターンを形成するときと同じ硬化条件で、それぞれ作製する。
上記のサンプルを、ガラス板にゴムロールを用いて圧力5880N/m、速度2mm/分で貼り付け、室温で30分放置する。その後、引張試験器「HIMADZU,EZ-S」で剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で粘着力を測定する。
低硬度部位の粘着力は、物品を付着させる観点から、ガラス粘着力が0N/25mm超であってもよく、0.01N/25mm以上であることが好ましく、0.1N/25mm以上であることがより好ましい。低硬度部位のガラス粘着力の上限は、特に限定されないが、例えば接着性シート上に物品を搬送する場合、付着した物品を効率よく接着性シート上に移行させるために、接着性シートの粘着力よりも低いことが望ましい。
高硬度部位の粘着力は、高硬度部位よりも低硬度部位に選択的に物品を付着させる観点から、ガラス粘着力が1N/25mm以下であってもよく、0.1N/25mm以下であることがより好ましく、0.01N/25mm以下であることがより好ましい。高硬度部位のガラス粘着力の下限は、特に限定されないが、ガラス粘着力が0N/25mmであることが好ましい。
<機能性フィルムの製造方法>
本実施形態の機能性フィルムは、例えば、下記の製造方法(i)、製造方法(ii)、製造方法(iii)又は製造方法(iv)によって作製することができる。
[製造方法(i)]
フィルム状であり、光硬化性を有する硬化性組成物を用意する工程(i-S1)と、硬化性組成物における第一の領域及び第二の領域を露光部として露光する工程(i-S2)と、硬化性組成物における第一の領域及び第二の領域のうちの一方を露光部、他方を未露光部として露光する工程(i-S3)とを備える方法。
[製造方法(ii)]
基材と、該基材上に設けられた第一の樹脂硬化物のパターンと、を備えるパターン付基材を用意する工程(ii-S1)と、パターン付基材の第一の樹脂硬化物のパターンが設けられている側に硬化性組成物を塗工する工程(ii-S2)と、硬化性組成物を硬化させて第一の樹脂硬化物のパターンの間に第一の樹脂硬化物と異なる硬度を有する第二の樹脂硬化物を設ける工程(ii-S3)とを備える方法。
[製造方法(iii)]
フィルム状であり、熱硬化性及び光硬化性を有する硬化性組成物を用意する工程(iii-S1)と、硬化性組成物に、加熱とパターン露光とを施す工程(iii-S2)とを備える方法。
[製造方法(iv)]
基材上に、硬化性組成物を塗工することにより、第一の硬化性組成物のパターンと第二の硬化性組成物のパターンを含むフィルム状の硬化性組成物を形成する工程(iv-S1)と、第一の硬化性組成物のパターンの硬化と、第二の硬化性組成物のパターンの硬化とを行う工程(iv-S2)とを備える方法。
製造方法(i)によれば、露光が繰り返される一方の領域を高硬度部位とし、他方の領域を低硬度部位とすることができ、これらの硬度が異なる部位を備える機能性フィルムを得ることができる。製造方法(ii)によれば、硬度が異なる部位として、第一の樹脂硬化物のパターンと、その間に設けられた第二の樹脂硬化物とを備える機能性フィルムを得ることができる。製造方法(iii)によれば、硬度が異なる部位として、熱硬化及びパターン露光された領域を高硬度部位とし、熱硬化されて露光されていない領域を低硬度部位とすることができ、これらの硬度が異なる部位を備える機能性フィルムを得ることができる。製造方法(iv)によれば、硬度が異なる部位として、第一の硬化性組成物のパターンを硬化した部位と、第二の硬化性組成物のパターンを硬化した部位とを備える機能性フィルムを得ることができる。
なお、本明細書において、光硬化性とは、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化する性質をいい、熱硬化性とは、加熱により硬化する性質をいう。
図3は、製造方法(i)を説明するための模式図である。図3に示す方法では、工程(i-S1)として、支持基材20上に、光硬化性を有する硬化性組成物(以下、光硬化性組成物ともいう)をフィルム状に形成したフィルム状光硬化性組成物30を設ける。
フィルム状光硬化性組成物30は、光硬化性組成物の塗工液を支持基材20上に塗工し乾燥することにより形成してもよく、予め作製したフィルム状の光硬化性組成物を支持基材20上にラミネートすることにより形成してもよい。
塗工液は、粘度、塗布性、塗膜の厚さ調整等の目的のために、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキベンゼン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。溶剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
塗工液の塗工方法としては、通常の塗工方式又は印刷方式を適用することができる。具体的には、例えば、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットオリフィスコーティング、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ダムコーティング、及びダイコーティング等のコーティング、並びに、ジェットプリンティング法、グラビア印刷等の凹版印刷、及びスクリーン印刷等の孔版印刷を含む印刷が利用できる。
フィルム状の組成物をラミネートする方法としては、ロールラミネート、押出ラミネート、真空ラミネート等が挙げられる。
フィルム状光硬化性組成物30の厚みは、上述した機能性フィルムの厚みが得られるように適宜設定することができる。
光硬化性組成物は、重合性化合物(A)(以下、(A)成分ともいう)と、光重合開始剤(B)(以下、(B)成分ともいう)とを含むことができる。
(A)成分としては、ラジカル重合性官能基を有する化合物(A-1)(以下、(A-1)成分ともいう)及びカチオン重合性官能基を有する化合物(以下、(A-2)成分ともいう)が挙げられる。
(A-1)成分としては、重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基(エテニル基)、エチニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基等の炭素-炭素二重結合を有する基が挙げられる。(A-1)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態においては、光硬化性組成物が、(A-1)成分として(メタ)アクリロイル基含有モノマーを含有することが好ましい。
(メタ)アクリロイル基含有モノマーは、1官能、2官能、又は3官能以上のモノマーを用いることができる。
1官能の(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート、(メタ)アクリル酸とグリシジルエステル(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「カージュラーE-10」)との反応物等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノールエトキシアクリレートなどが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2段硬化後の硬度を高める観点から、本実施形態の光硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基含有モノマーとして、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
CH2=C(R1)-C(O)O-R2 …(1)
[式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2はヒドロキシ基を有する炭素数2~10の1価の炭化水素基を示す]
(A-2)成分としては、環状エーテルを有する化合物、ビニルエーテルを有する化合物が挙げられる。環状エーテルとしては、例えば、オキシラン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環等が挙げられる。(A-2)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
環状エーテルを有する化合物の市販品としては、例えば、CEL-8010、CEL-2021P、CEL-2081P、EHPE-3150、エポリードPB3600、エポリードPB4700(以上、株式会社ダイセル製、製品名)、JP-100、JP-200(以上、日本曹達株式会社、製品名)、Ricon657(クレイバレー社製、製品名)、ETERNACOLL-OXBP、OXT-221(以上、東亞合成株式会社製、製品名)が挙げられる。ビニルエーテル基を有する化合物の市販品としては、EHVE、HBVE、DEGV、EHVE(以上、丸善石油化学株式会社製、製品名)、クロスマーU01(日本カーバイド工業株式会社製、製品名)等が挙げられる。
本実施形態においては、光硬化性組成物が、(A-2)成分として水酸基末端エポキシ化ポリブタジエン化合物を含むことが好ましい。水酸基末端エポキシ化ポリブタジエン化合物は、例えば、エポリードPB3600(株式会社ダイセル製、製品名)等の市販品を用いることができる。
本実施形態に係る光硬化性組成物は、(A-1)成分及び(A-2)成分を含むことができる。この場合、光硬化性組成物における(A-1)成分及び(A-2)成分の合計含有量は、非重合性の成分がブリードアウトすることを防止すること、及び、高硬度部位と低硬度部位との硬度差を生じさせる設計を容易にする観点から、光硬化性組成物の全質量を基準として、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。また、(A-1)成分及び(A-2)成分の合計含有量は、硬化性及び安定性の観点から、光硬化性組成物の全質量を基準として、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。
また、光硬化性組成物における(A-1)成分及び(A-2)成分の含有割合は、高硬度部位の硬度を高める観点から、(A-1)成分100質量部に対して、(A-2)成分が1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることが更に好ましい。また、低硬度部位の硬度を確保することが容易となる観点から、(A-1)成分100質量部に対して、(A-2)成分が10000質量部以下であることが好ましく、1000質量部以下であることがより好ましく、500質量部以下であることが更に好ましい。
(B)成分としては、光ラジカル重合開始剤(B-1)(以下、(B-1)成分ともいう)、及び光カチオン重合開始剤(B-2)(以下、(B-2)成分ともいう)が挙げられる。
(B-1)成分としては、紫外線等の活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生することで、光重合を開始させる化合物であればよく、公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
(B-1)成分としては、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニルプロパン-2-オン、2-(4-イソプロピルフェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-オン、2-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-2等のアルキルフェノン系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエ-テル、ベンゾインエチルエ-テル、ベンゾインイソプロピルエ-テル、ベンゾインイソブチルエ-テル、及びベンジルジメチルケタ-ル等のベンゾイン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2-メチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3、3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;及びチオキサンソン、2-クロルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤が挙げられる。
(B-1)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態においては、LED照射への適合の観点から、光硬化性組成物が(A-1)成分を含む場合、(B-1)成分として、波長405nmの吸光係数が7mL/g・cm以上であり、且つ、波長365nmの吸光係数が38mL/g・cm以上である光ラジカル重合開始剤を含むことができる。このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、下記表に示される吸光係数(mL/g・cm in MEOH)を有する市販の光重合開始剤(IGM Resins社製のOmniradシリーズ及びOmnicatシリーズ、BASF社製のIrgacureシリーズ、サンアプロ社製のCPIシリーズ)を用いることができる。
(B-2)成分としては、光照射によりカチオン重合を開始させる物質を発生させることが可能な化合物が挙げられる。このような化合物としては、光照射によりブレンステッド酸を発生させるオニウム塩が好ましい。
具体的には、ブレンステッド酸のジアゾニウム塩、ブレンステッド酸のヨードニウム塩、ブレンステッド酸のスルホニウム塩等が挙げられる。これらは、カチオン部分がそれぞれ芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族スルホニウムであり、アニオン部分がBF4
-、PF6
-、SbF6
-、[BX4]-(Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を示す)、[PFnY6-n]-(Yは、炭素数1~9のフッ素化アルキル基又はフッ素化フェニル基を示し、nは1~6の整数である。)等により構成されたオニウム塩である。これらのなかでも、カチオン部分は、光硬化性の観点から、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウムが好ましく、芳香族スルホニウムがより好ましい。アニオン部分は、安全性の観点、及び硬化速度が速い点から、PF6
-、[PFnY6-n]-が好ましく、[PFnY6-n]-がより好ましい。
具体的な化合物としては、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化リンのトリフェニルスルホニウム塩、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートのトリフェニルスルホニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ-4-メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ-4-メチルフェニルスルホニウム塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジフェニルヨードニウム塩、アセチルアセトンアルミニウム塩とオルトニトロベンジルシリルエーテル混合体、フェニルチオピリジウム塩、六フッ化リンアレン-鉄錯体等を挙げることができる。
市販品としては、例えば、CD-1012(SARTOMER社製、製品名)、PCI-019、PCI-021(以上、日本化薬社製、製品名)、オプトマーSP-150、オプトマーSP-170(以上、ADEKA社製、製品名)、UVI-6990(ダウケミカル社製、製品名)、CPI-101P、CPI-110P、CPI-110A、CPI-200K、CPI-210S(以上、サンアプロ社製、製品名)、TEPBI-S(日本触媒社製、製品名)、RHODORSILPHOTOINITIATOR2074(Rhodia社製、製品名)等を挙げることができる。
(B-2)成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態においては、LED照射への適合の観点から、光硬化性組成物が(B-1)成分を含む場合、(B-2)成分として、波長405nmの吸光係数が5mL/g・cm以下、且つ、波長365nmの吸光係数が38mL/g・cm以上である光カチオン重合開始剤を含むことができる。このような光カチオン重合開始剤としては、例えば、下記表に示される吸光係数(mL/g・cm in MEOH)を有する市販の光重合開始剤を用いることができる。
本実施形態の光硬化性組成物は、上述した、(A-1)成分と、(A-2)成分と、(B-1)成分と、(B-2)成分とを含むことが好ましい。この場合、光硬化性組成物における(B-1)成分及び(B-2)成分の含有量については、高硬度部位及び低硬度部位の貯蔵弾性率が好ましい範囲となるように、適宜設定することができる。
(B-1)成分の合計含有量は、硬化性の観点から、(A-1)成分の合計100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。また、(B-1)成分の合計含有量は、未反応分のブリードアウトを防ぐ観点から、(A-1)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。
(B-2)成分の合計含有量は、硬化性の観点から、(A-2)成分の合計100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。また、(B-2)成分の合計含有量は、未硬化時の安定性の観点から、(A-2)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、7.5質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
(B-1)成分及び(B-2)成分の合計含有量は、反応性の観点から、(A-1)成分及び(A-2)成分の合計100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましい。また、((B-1)成分及び(B-2)成分の合計含有量は、未硬化時の安定性の観点から、(A-1)成分及び(A-2)成分の合計100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、7質量部以下が更に好ましい。
本実施形態の光硬化性組成物は、必要に応じて、脂肪族アミン化合物(C)(以下、(C)成分ともいう)、脂肪族ジオール(D)(以下、(D)成分ともいう)、酸化防止剤(E)(以下、(E)成分ともいう)、紫外線吸収剤(F)(以下、(F)成分ともいう)、その他の添加剤を含有させてもよい。
(C)成分としては、公知の脂肪族アミン化合物を用いることができる。中でも、求核性の低い脂肪族三級アミンを用いることが望ましく、揮発性の観点からアミン化合物の合計炭素数は10以上であることが好ましい。そのような脂肪族三級アミンの市販品としては、ジメチルオクチルアミン、トリ(2-エチルヘキシル)アミン、トリオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、ジオクタデシルメチルアミンなどが挙げられる。
光硬化性組成物に(C)成分を含有させることで、光照射(例えば、波長405nmの光)によって少量の光カチオン重合開始剤が分解した場合であっても、発生する酸によってカチオン重合が開始されることを抑制することができる。
(C)成分の含有量は、カチオン重合を阻害しない観点から、(B-2)成分100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
(D)成分としては、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等、公知の2官能の脂肪族アルコールを用いることができる。
光硬化性組成物に(D)成分を含有させることで、樹脂硬化物の硬度の調整幅を拡大することが容易となる。また、樹脂硬化物において硬度が異なる部位を設けるときには、硬度差を大きくすることが容易となる。
(D)成分の含有量は、高硬度部位の硬度を維持する観点から、(A-2)成分100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
(E)成分としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を用いることができる。また、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1136、IRGANOX1520、TINUVIN292、TINUVIN123(以上、BASF社製、製品名)などの市販の酸化防止剤を用いてもよい。
光硬化性組成物に(E)成分を含有させることで、(A-2)成分が熱によって酸化し、変色することを抑制することができる。
(F)成分としては、例えば、シアノアクリレート系、ジヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、及びベンゾエート系の紫外線吸収剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤としては、アデカスタブLA-32、アデカスタブLA-38、アデカスタブLA-36、アデカスタブLA-34、アデカスタブLA-31、アデカスタブ1413、アデカスタブLA-51、アデカスタブLA-46、アデカスタブLA-F70(以上、ADEKA社製、製品名)、ユビヌル400、ユビヌルM-40、ユビヌルMS-40、ユビヌルN-35、ユビヌルN-539、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン384-2、チヌビン460、チヌビン479、チヌビン1577(以上、BASF社製、製品名)などの市販の紫外線吸収剤を用いることができる。
光硬化性組成物に(F)成分を含有させることで、耐候性を向上させること、及び、光硬化が不必要な部位の硬化を抑制することなどが容易となる。
本実施形態の光硬化性組成物は、必要に応じて様々な添加剤を含有してもよい。添加剤として、例えば、カップリング剤等の密着性向上剤、重合禁止剤、光安定剤、消泡剤、フィラー、連鎖移動剤、チキソトロピー付与剤、難燃剤、離型剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤として、公知の添加剤を使用できる。
図3に示す方法では、硬化性組成物における第一の領域及び第二の領域を露光部として露光する工程(i-S2)及び硬化性組成物における第一の領域及び第二の領域のうちの一方を露光部、他方を未露光部として露光する工程(i-S3)として、フィルム状光硬化性組成物30の前面に光L1を照射し(図3の(a))、次いでマスク53を介して光L2を照射する(図3の(b))。
光照射に用いられる光源は、特に限定されず、例えば、LEDランプ、水銀ランプ(低圧、高圧、超高圧等)、メタルハライドランプ、エキシマランプ、キセノンランプ等が挙げられ、好ましくは、LEDランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等である。
露光量については、フィルム状光硬化性組成物において所定の反応率が得られるように適宜調整することができる。露光波長は特に限定されず、工程(i-S2)及び工程(i-S3)で異なっていてもよく、同じであってもよい。露光波長が同じ場合は、照射強度の強弱で樹脂硬化物の硬度を調整することができる。
露光波長が異なる場合、工程(i-S2)及び工程(i-S3)で用いられる光の波長に適した光重合開始剤を用いることが望ましい。例えば、フィルム状光硬化性組成物30が(A-1)成分、(A-2)成分、(B-1)成分、及び(B-2)成分を含み、光L1の光源として405nmのLEDランプを用い、光L2の光源として365nmのLEDランプを用いることができる。
マスク53は、光学フィルタであってもよい。
製造方法(i)によれば、図3の(c)に示すように、露光が繰り返される一方の領域を高硬度部位2とし、他方の領域を低硬度部位1とすることができ、これらの硬度が異なる部位を備える機能性フィルム10を得ることができ、支持基材20上に機能性フィルム10が設けられた支持基材付機能性フィルム110が得られる。得られた支持基材付機能性フィルムは、使用時まで光に晒されないように保管することが好ましい。
図4は、製造方法(ii)を説明するための模式図である。図4に示す方法では、工程(ii-S1)として、支持基材20と、支持基材20上に設けられた第一の樹脂硬化物のパターン3と、を備えるパターン付基材を用意する(図4の(a))。
第一の樹脂硬化物のパターン3は、例えば、支持基材20上にフィルム状の感光性組成物を設け、これを露光、現像によりパターン化することにより形成することができる。フィルム状の感光性組成物は、予め作製されたフィルム状の感光性組成物をラミネートする、又は感光性組成物を塗工、乾燥することにより設けることができる。
感光性組成物は、例えば、目的とする低硬度部位又は高硬度部位の硬度が得られるように、重合性化合物及び光重合開始剤、必要に応じてその他の成分を含むことができる。重合性化合物及び光重合開始剤としては、上述と同様の化合物を用いることができる。また、フィルム状の感光性組成物として、フォテックRD-2015、フォテックHM-40112、レイテックFZ-2700GA(以上、日立化成(株)製、製品名)等の市販の感光性フィルムを用いることができる。
フィルム状の感光性組成物の厚みは、上述した機能性フィルムの厚みが得られるように適宜設定することができる。
工程(ii-S2)では、例えば、図4の(b)に示すように、パターン付基材の第一の樹脂硬化物のパターン3が設けられている側に硬化性組成物の塗工液を塗工して、第一の樹脂硬化物のパターン3の間に硬化性組成物40を設けることができる。
硬化性組成物としては、光硬化性、熱硬化性、又は両方を有する組成物を用いることができる。塗工液には上述した溶剤を含むことができる。
光硬化性組成物は、重合性化合物及び光重合開始剤、必要に応じてその他の成分を含むことができる。重合性化合物及び光重合開始剤としては、上述と同様の化合物を用いることができる。また、光硬化性組成物に含まれる重合性化合物は、単官能でもあってもよく、多官能であってもよい。
熱硬化性組成物は、熱硬化性官能基を有する化合物を含むことができる。熱硬化性官能基としては、重合性不飽和基、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、アミン基、カーボネート基等が挙げられる。これらの熱硬化性官能基は2種以上が化合物に含まれていてもよい。
熱硬化性官能基を有する化合物としては、熱硬化性官能基を有していれば特に限定されず、熱硬化性官能基を有するポリマー化合物であってもよく、熱硬化性官能基を有するモノマー化合物であってもよい。本実施形態においては、透明性の観点から、熱架橋剤と反応可能な官能基(例えば、水酸基)を有するアクリル樹脂が好ましい。
熱硬化性組成物は、熱重合開始剤、熱架橋剤、反応触媒等の成分を更に含むことができる。
熱重合開始剤としては、アゾ化合物、過酸化物化合物等が挙げられる。熱架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官能水酸基化合物、多官能エポキシ化合物、多官能カルボキシル基含有化合物、多官能アミン化合物、多官能カーボネート化合物等が挙げられる。
光及び熱硬化性組成物は、光硬化性組成物で例示した成分と熱硬化性組成物で例示した成分とを含むものであってもよく、光硬化性官能基と熱硬化性官能基とを分子内に有する化合物を含むものであってもよい。
光硬化性官能基と熱硬化性官能基とを分子内に有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、及びビニル基等の光硬化性官能基と、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、及びイソシアネート基等の熱硬化性官能基との両方を分子内に有する化合物が挙げられる。
カルボキシル基と光硬化性官能基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成株式会社製、商品名「アロニックスM5600」)、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸(例えば、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM5300」)、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートと無水カルボン酸との開環反応により得られる化合物(例えば、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、東亞合成株式会社製、商品名「アロニックスM5400」)、及びβ-アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート(例えば、新中村化学株式会社製、商品名「NKエステル A-SA」)が挙げられる。
イソシアネート基と光硬化性官能基を有する化合物としては、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(例えば、昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI」)が挙げられる。
エポキシ基と光硬化性官能基を有する重合性化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシ基と光硬化性官能基を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、光硬化性官能基と熱硬化性官能基とを分子内に有する化合物は、アクリル樹脂の側鎖に重合性二重結合と、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基等の熱硬化性官能基との両方を有するポリマ化合物(アクリルアクリレート)であってもよい。このような水酸基含有アクリルアクリレートとしては、ヒタロイド7988、ヒタロイド5990(以上、日立化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
硬化性組成物の塗工液は、上述した塗工方法と同様にして塗工することができる。
工程(ii-S3)では、硬化性組成物が熱硬化性である場合は加熱により、硬化性組成物が光硬化性である場合は光照射により、硬化性組成物が熱硬化性及び光硬化性である場合は加熱及び/又は光照射により硬化性組成物40を硬化させる。図4の(c)は、光Lを照射する態様が示されている。
製造方法(ii)によれば、図4の(d)に示すように、第一の樹脂硬化物のパターン3の間に第一の樹脂硬化物と異なる硬度を有する第二の樹脂硬化物4が設けられた機能性フィルム12を形成することができる、支持基材20上に機能性フィルム12が設けられた支持基材付機能性フィルム120が得られる。
図5は、製造方法(iii)を説明するための模式図である。図5に示す方法では、工程(iii-S1)として、支持基材20上に、熱硬化性及び光硬化性を有する硬化性組成物(以下、熱及び光硬化性組成物ともいう)をフィルム状に形成したフィルム状熱及び光硬化性組成物50を設ける。
熱及び光硬化性組成物は、上述した光及び熱硬化性組成物と同様のものを用いることができる。また、フィルム状熱及び光硬化性組成物50は、上述したフィルム状光硬化性組成物30と同様の方法で形成することができる。
図5に示す方法では、工程(iii-S2)として、フィルム状熱及び光硬化性組成物50の全体を加熱して熱硬化させた後に、熱硬化させた硬化性組成物52をパターン露光する。なお、工程(iii-S2)では、フィルム状熱及び光硬化性組成物50の加熱及びパターン露光をこの順に行ってもよく、逆の順に行ってもよく、同時に行ってもよい。
製造方法(iii)によれば、図5の(c)に示すように、硬度が異なる部位として、熱硬化及びパターン露光された領域を高硬度部位6とし、熱硬化されて露光されていない領域を低硬度部位5とすることができ、これらの硬度が異なる部位を備える機能性フィルム14を得ることができ、支持基材20上に機能性フィルム14が設けられた支持基材付機能性フィルム130が得られる。得られた支持基材付機能性フィルムは、使用時まで光に晒されないように保管することが好ましい。
次に、製造方法(iv)について説明する。
工程(iv-S1)において、第一の硬化性組成物のパターン及び第二の硬化性組成物のパターンは、例えば、上述した塗工液の塗工方法と同様にして設けることができる。本実施形態においては、パターン形成の自由度、高硬度部分と低硬度部分の硬度差の観点から、第一の硬化性組成物のパターン及び第二の硬化性組成物のパターンをジェットプリンティング法によって設けることが好ましい。
具体的には、第一の硬化性組成物及び第二の硬化性組成物の塗工液をそれぞれ、インクジェットプリンターを用いて、基材上に所定のパターンで塗工することができる。
第一の硬化性組成物及び第二の硬化性組成物はそれぞれ、上述した光硬化性組成物、熱硬化性組成物、並びに、光及び熱硬化性組成物を用いることができる。
工程(iv-S2)では、硬化性組成物に応じて、加熱及び/又は光照射することによって、第一の硬化性組成物のパターン及び第二の硬化性組成物のパターンを硬化することができる。第一の硬化性組成物のパターンの硬化及び第二の硬化性組成物のパターンの硬化は、この順に行ってもよく、逆の順に行ってもよく、同時に行ってもよい。例えば、(a)第一の硬化性組成物及び第二の硬化性組成物が熱硬化性組成物であり、両方のパターンの加熱を同時に行う、(b)第一の硬化性組成物及び第二の硬化性組成物が光硬化性組成物であり、第一の硬化性組成物のパターンへの光照射及び第二の硬化性組成物のパターンへの光照射を、この順に、逆の順に、又は同時に行う、(c)第一の硬化性組成物が熱硬化性組成物であり、第二の硬化性組成物が光硬化性組成物であり、第一の硬化性組成物の加熱、及び第二の硬化性組成物のパターンへの光照射を、この順に、逆の順に、又は同時に行う、又は、(d)第一の硬化性組成物が熱硬化性組成物であり、第二の硬化性組成物が光及び熱硬化性組成物であり、両方のパターンの加熱、及び第二の硬化性組成物のパターンへの光照射を、この順に、逆の順に、又は同時に行う、ことができる。
製造方法(iv)によれば、硬度が異なる部位として、第一の硬化性組成物のパターンを硬化した部位と、第二の硬化性組成物のパターンを硬化した部位とを備える機能性フィルムを得ることができる。得られた機能性フィルムは、使用時まで光に晒されないように保管することが好ましい。
<物品の搬送>
本実施形態に係る機能性フィルムを物品の搬送に適用する態様について説明する。本実施形態の物品の搬送方法は、基材上の物品を別の基材上に搬送する方法であって、上記の本実施形態に係る機能性フィルムを用意する工程と、基材上の物品に機能性フィルムを押圧して、第一の樹脂硬化物に物品を付着させる工程と、第一の樹脂硬化物に付着している物品を別の基材上に移行する工程と、を備える。本実施形態の物品の搬送方法について、図6の(a)に示される、低硬度部位1が四角形柱である市松模様のパターンを有する機能性フィルム10を用いる場合を例に説明する。
用意した機能性フィルム10を、ガラス板60上に配置された物品70に、低硬度部位1が物品70と接するように押圧する(図6の(b))。この押圧によって、物品70を低硬度部位1に付着させることができる(図6の(c))。
物品70としては、例えば、電子部品、半導体材料、素子、チップ、粒子、セル、結晶物、バイオマテリアル等が挙げられる。
機能性フィルムを押圧する圧力は、低硬度部位と物品との間の圧力が低硬度部位の貯蔵弾性率の1/100倍以上高硬度部位の貯蔵弾性率未満とすることができる。低硬度部位への選択付着性を向上させる観点から、押圧時の圧力は、低硬度部位の貯蔵弾性率の1/100倍以上、高硬度部位の貯蔵弾性率の1/10倍以下であってもよく、低硬度部位の貯蔵弾性率の1/100倍であってもよい。低硬度部位が十分な粘着性を有する場合は、低硬度部位と物品との間の圧力は低硬度部位の貯蔵弾性率に関わらず、0.01MPa以上とすることができる。機能性フィルムの押圧時、必要に応じて機能性フィルムを加温してもよい。
次いで、物品70を付着させた機能性フィルム10から、接着性シート80の所定の位置に物品70を配置することで、物品を搬送することができる(図6の(d))。物品の搬送は、吸着搬送装置等の公知の搬送装置を用いて、基材から物品をピックアップした機能性フィルムを別の基材上まで移動させてもよい。また、基材及び別の基材を移動させてもよい。図6に示される方法では、基材及び別の基材としてガラス板及び接着性シートが用いられているが、物品の種類、搬送作業の種類に応じて基材及び別の基材を適宜選択することができる。
また、低硬度部位と物品との粘着力に対して接着性シートと物品との粘着力を高くすることで、搬送後に機能性フィルムから物品を効率よく外すことができる。更に、必要に応じて機能性フィルムを加温又は冷却してもよく、物品と接していない側から機能性フィルムに光照射を行う等の方法により、低硬度部位と物品との粘着力を下げてもよい。
光照射は、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を用いることができる。光の光源としては、例えば、LEDランプ、水銀ランプ(低圧、高圧、超高圧等)、メタルハライドランプ、エキシマランプ、キセノンランプ等が挙げられる。光照射による硬化反応の効率化の観点から、波長365nmの光を照射することが好ましい。この場合、365nmのLEDランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。
<フィルム状硬化性組成物>
本実施形態のフィルム状硬化性組成物は、上述した硬度が異なる部位を備える機能性フィルムを形成するために用いられる。本実施形態のフィルム状硬化性組成物は、例えば、製造方法(i)におけるフィルム状硬化性組成物30、製造方法(iii)におけるフィルム状硬化性組成物50の形成に用いることができる。
本実施形態のフィルム状硬化性組成物は、(i)光ラジカル重合開始剤、及び、熱硬化性官能基とラジカル重合性官能基とを有する化合物を含むフィルム状硬化性組成物、(ii)光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、ラジカル重合性官能基を有する化合物、及び、カチオン重合性官能基を有する化合物を含むフィルム状硬化性組成物、(iii)2種以上の熱硬化性官能基を有する化合物を含むフィルム状硬化性組成物であってもよい。
本実施形態のフィルム状硬化性組成物に配合される各成分は、上述した化合物を用いることができる。
本実施形態のフィルム状硬化性組成物の厚さは、形成する機能性フィルムの厚みに応じて適宜設定することができる。機能性フィルムが、電子部品、半導体材料、素子、チップ、粒子、セル、結晶物、バイオマテリアル等の物品の搬送用に用いられる場合、フィルム状硬化性組成物の厚さは、10μm以上とすることができ、100μm以上であってもよく、1000μm以上であってもよい。
本実施形態のフィルム状硬化性組成物は、下記の特徴を有するものであってもよい。
(a)常温での粘着性が1N/25mm未満である。
(b)基材に貼り合わせない状態で硬化する。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[硬化性組成物の調製]
(調製例1)
水酸基末端エポキシ変性ポリブタジエン((株)ダイセル製、製品名「PB-3600」)80質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、製品名「4HBA」)20質量部、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(IGM Resins社製、製品名「Omnirad TPO H」)2質量部、トリアリールスルホニウム系光酸発生剤CPI-210S(サンアプロ社製、製品名「CPI-210S」)2質量部を、25℃±5℃で30分攪拌し、硬化性組成物を得た。
(調製例2~6)
表3に示される組成(単位:質量部)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物をそれぞれ得た。
表3中の各成分の詳細は以下のとおりである。
水酸基含有エポキシ変性ポリブタジエン:(株)ダイセル製、製品名「エポリードPB3600」
水酸基含有アクリルアクリレートA:日立化成(株)製、製品名「ヒタロイド7988」
水酸基含有アクリルアクリレートB:日立化成(株)製、製品名「ヒタロイド5990」
4-ヒドロキシブチルアクリレート:大阪有機化学工業(株)製、製品名「4HBA」
多官能アクリレート:日立化成(株)製、製品名「ヒタロイド7909」
水酸基含有アクリル樹脂A:日立化成(株)製、製品名「ヒタロイド5953」
水酸基含有アクリル樹脂B:日立化成(株)製、製品名「ヒタロイド5505」
Omnirad 184:IGM Resins社製、製品名、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
Omnirad TPO H:IGM Resins社製、製品名、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
CPI-210S:サンアプロ社製、製品名、トリアリールスルホニウム塩系光酸発生剤
コロネートL:東ソー(株)製、製品名、多官能イソシアネート
<機能性フィルムの作製>
(実施例1)
支持基材として厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン A4300」)上に、コンマコータを用いて調製例1で得られた硬化性組成物を塗膜厚み100μmで塗工し、フィルム状の硬化性組成物を形成した。フィルム状の硬化性組成物に、405nmのLED光を照射量2000mJ/cm2で照射し、その後、線幅50μm/50μmのストライプのパターンを有するマスク越しに、365nmのLED光を2000mJ/cm2照射して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、365nmのLED光が照射された部位が高硬度部位であった。
(実施例2)
調製例2で得られた硬化性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持基材上にフィルム状の硬化性組成物を形成した。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生した後、線幅50μm/50μmのストライプのパターンを有するマスク越しに、高圧水銀灯の光を照射量1000mJ/cm2で照射して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、高圧水銀灯の光が照射された部位が高硬度部位であった。
(実施例3)
調製例3で得られた硬化性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持基材上にフィルム状の硬化性組成物を形成した。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生した後、線幅50μm/50μmのストライプのパターンを有するマスク越しに、高圧水銀灯の光を照射量1000mJ/cm2で照射して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、高圧水銀灯の光が照射された部位が高硬度部位であった。
(実施例4)
支持基材として厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン A4300」)上に、感光性フィルム(日立化成(株)製、製品名「フォテックHM-60100」、フォトレジスト)を加温ラミネーターを用いて110℃、0.4MPa、0.6m/minの条件でラミネートし、これを線幅50μm/50μmのストライプのパターンを有するマスク越しに、高圧水銀灯の光を照射量100mJ/cm2で照射した後、濃度1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30℃で現像して、厚さ100μmのストライプ状のレジストパターンを形成した。ストライプ状のレジストパターンが設けられた支持基材上に、コンマコータを用いて調製例6で得られた硬化性組成物を塗膜厚み100μmで塗工し、レジストパターンの間に硬化性組成物を設けた。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、レジストパターンが高硬度部位であった。
(実施例5)
支持基材として厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン A4300」)上に、インクジェット印刷機を用いて調製例5で得られた硬化性組成物及び調製例6で得られた硬化性組成物を、塗膜厚み10μm、線幅50μm/50μmのストライプのパターンとなるようにそれぞれ塗工し、支持基材上にフィルム状の硬化性組成物を形成した。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、調製例5で得られた硬化性組成物の硬化物が高硬度部位であった。
(実施例6)
調製例4で得られた硬化性組成物及び調製例6で得られた硬化性組成物を用いたこと以外は実施例5と同様にして支持基材上にフィルム状の硬化性組成物を形成した。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生した後、調製例4で得られた硬化性組成物のパターンに、高圧水銀灯の光を照射量1000mJ/cm2で照射して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
得られた機能性フィルムは、調製例4で得られた硬化性組成物の硬化物が高硬度部位であった。
(比較例1)
支持基材として厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン A4300」)上に、コンマコータを用いて調製例3で得られた硬化性組成物を塗膜厚み100μmで塗工し、フィルム状の硬化性組成物を形成した。これを、100℃で10分間加熱し、次いで40℃で3日間養生した後、全面に高圧水銀灯の光を照射量1000mJ/cm2で照射して、支持基材上に機能性フィルムを形成した。
<機能性フィルムの評価>
上記で得られた機能性フィルムについて、下記の評価を行った。
[貯蔵弾性率の測定]
下記の条件でナノインデンター法による押し込み弾性率(貯蔵弾性率)を測定し、低硬度部位及び高硬度部位の微小部位の硬度を評価した。
測定機器:ナノインデンター(BRKER社製、「TI 980 TriboIndenter」)
測定ヘッド:Standard(1D) Transducer and Piezo Scanner
圧子:バーコビッチ(先端:ダイヤモンド)
測定モード:nanoDMA
押し込み深さ:0.5μm
周波数範囲:5Hz
測定温度:25℃
[ガラス粘着力の測定]
パターン化していない低硬度部位及び高硬度部位のサンプル(膜厚100μm、長さ100mm、幅25mm)を、低硬度部位のパターン及び高硬度部位のパターンを形成するときと同じ硬化条件で、それぞれ作製した。
上記のサンプルを、ガラス板にゴムロールを用いて圧力5880N/m、速度2mm/分で貼り付け、室温で30分放置した。その後、引張試験器「HIMADZU,EZ-S」で剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で粘着力を測定した。
[付着選択割合]
下記の評価方法にしたがって、機能性フィルムの付着選択割合を算出した。
粒径1.5μmのアクリルビーズ(綜研化学製、「MX-150」)を充填させたガラス板に、機能性フィルムを、低硬度部位と物品との間が低硬度部位の貯蔵弾性率の1/100倍の圧力で押圧した(ただし、比較例1は1.5MPa)。その後、機能性フィルムを持ち上げて、低硬度部位及び高硬度部位のそれぞれにアクリルビーズが付着している面積(ビーズのフィルム表面への投影面積)を測定した。これらの面積及び低硬度部位及び高硬度部位の面積に基づき、下記式に従って選択付着割合(%)を算出した。
選択付着割合(%)=[(L1/L0)-(H1/H0)]×100
[式中、L0及びH0はそれぞれ低硬度部位の面積及び高硬度部位の面積を示し、L1は低硬度部位におけるアクリルビーズが付着している面積、H1は高硬度部位におけるアクリルビーズが付着している面積を示す。]