<第一の態様の感光性樹脂組成物>
以下、本発明の第一の態様である感光性樹脂組成物について説明する。
本発明の第一の態様である感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(C)感光剤を含有し、さらに、(F1)リン原子、及び炭素数6~30の1~2価の脂肪族基を有する化合物、及び/又は、(FB)リン原子、及びベタイン構造を有するベタイン化合物、を含有する感光性樹脂組成物である。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂を含有する。(A)アルカリ可溶性樹脂とは、アルカリ現像液に対する溶解性を有する樹脂をいう。(A)アルカリ可溶性樹脂としては、後述する(C)感光剤によって、組成物にポジ型又はネガ型の感光性が付与され、アルカリ現像液で現像することでポジ型又はネガ型のパターンを形成可能な溶解性を有する樹脂が好ましい。
(A)アルカリ可溶性樹脂としては、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することで、後述する表示装置又は有機ELディスプレイにおいて、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成することができる。また、感光性樹脂組成物としては、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、後述する窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び後述する窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。
前記(A)アルカリ可溶性樹脂としては、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、(A2-3)酸変性エポキシ樹脂及び(A2-4)アクリル樹脂などが挙げられる。
前記(A)アルカリ可溶性樹脂としては、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(A)アルカリ可溶性樹脂が、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましく、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドからなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましく、(A1-1)ポリイミド、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、及び(A1-5)ポリアミドイミドからなる群より選ばれる一種類以上を含有することが特に好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。
本発明において、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂は、単一の樹脂又はそれらの共重合体のいずれであっても構わない。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(A)アルカリ可溶性樹脂の含有比率は、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上がさらにより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、85質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらにより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は(B)ラジカル重合性化合物を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、25質量部以上が好ましく、35質量部以上がより好ましく、45質量部以上がさらに好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、85質量部以下が好ましく、75質量部以下がより好ましく、65質量部以下がさらに好ましい。
<(A1-1)ポリイミド、及び(A1-2)ポリイミド前駆体>
(A1-2)ポリイミド前駆体としては、例えば、テトラカルボン酸、対応するテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸二塩化物、又はテトラカルボン酸活性ジエステルなどと、ジアミン、ジアミンとホスゲンとを反応させて得られるジイソシアネート化合物、又はトリメチルシリル化ジアミンなどとを反応させることによって得られるものが挙げられ、テトラカルボン酸残基及び/又はテトラカルボン酸誘導体残基と、ジアミン残基及び/又はジアミン誘導体残基を有する。(A1-2)ポリイミド前駆体としては、例えば、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド、又はポリイソイミドが挙げられる。
(A1-1)ポリイミドとしては、例えば、上述したポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド、又はポリイソイミドを、加熱、又は酸若しくは塩基などを用いた反応により、脱水閉環させることによって得られるものが挙げられる。
本発明に用いられる(A1-1)ポリイミドとしては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(1)で表される構造単位を含有することが好ましい。
一般式(1)において、R1は、4~10価の有機基を表し、R2は、2~10価の有機基を表す。R3及びR4は、それぞれ独立して、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。pは、0~6の整数を表し、qは、0~8の整数を表す。ただし、R3またはR4がフェノール性水酸基を表すときは、フェノール性水酸基と結合するR1またはR2は芳香族構造を表す。
一般式(1)のR1は、テトラカルボン酸残基及び/又はテトラカルボン酸誘導体残基を表し、R2は、ジアミン残基及び/又はジアミン誘導体残基を表す。テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸二塩化物、又はテトラカルボン酸活性ジエステルが挙げられる。ジアミン誘導体としては、ジイソシアネート化合物又はトリメチルシリル化ジアミンが挙げられる。一般式(1)において、R1は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する4~10価の有機基が好ましい。また、R2は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する2~10価の有機基が好ましい。qは、1~8が好ましい。上述した脂肪族構造、脂環式構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(5)及び(6)において、R19~R21は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~6のアシル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。一般式(5)及び(6)において、R19~R21は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~4のアシル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましい。上述したアルキル基、アシル基、及びアリール基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A1-1)ポリイミドとしては、一般式(1)で表される構造単位を含有することが好ましく、(A1-1)ポリイミド中の全構造単位に占める、一般式(1)で表される構造単位の含有比率は、現像後の低テーパー形状のパターン形成、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。
本発明に用いられる(A1-2)ポリイミド前駆体としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(3)で表される構造単位を含有することが好ましい。
一般式(3)において、R9は、4~10価の有機基を表し、R10は、2~10価の有機基を表す。R11は、上述した一般式(5)又は一般式(6)で表される置換基を表し、R12は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、又はメルカプト基を表し、R13は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。tは、2~8の整数を表し、uは、0~6の整数を表し、vは、0~8の整数を表し、2≦t+u≦8である。ただし、R12またはR13がフェノール性水酸基を表すときは、フェノール性水酸基と結合するR9またはR10は芳香族構造を表す。
一般式(3)のR9は、テトラカルボン酸残基及び/又はテトラカルボン酸誘導体残基を表し、R10は、ジアミン残基及び/又はジアミン誘導体残基を表す。テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸二塩化物、又はテトラカルボン酸活性ジエステルが挙げられる。ジアミン誘導体としては、ジイソシアネート化合物又はトリメチルシリル化ジアミンが挙げられる。一般式(3)において、R9は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する4~10価の有機基が好ましい。また、R10は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する2~10価の有機基が好ましい。vは、1~8が好ましい。上述した脂肪族構造、脂環式構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A1-2)ポリイミド前駆体としては、一般式(3)で表される構造単位を含有することが好ましく、(A1-2)ポリイミド前駆体中の全構造単位に占める、一般式(3)で表される構造単位の含有比率は、露光時の感度向上、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。
(A1-2)ポリイミド前駆体としては、一般式(3)で表される構造単位におけるR11が、一般式(5)で表される置換基である場合において、R19が水素原子である構造単位を、アミド酸構造単位という。(A1-2)ポリイミド前駆体におけるアミド酸構造単位は、テトラカルボン酸残基及び/又はテトラカルボン酸誘導体残基としてカルボキシ基を有する。(A1-2)ポリイミド前駆体としては、一般式(3)で表される構造単位におけるR11が、一般式(5)で表される置換基である場合において、R19が炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~6のアシル基又は炭素数6~15のアリール基である構造単位を、アミド酸エステル構造単位という。(A1-2)ポリイミド前駆体としては、一般式(3)で表される構造単位におけるR11が、一般式(6)で表される置換基である場合の構造単位を、アミド酸アミド構造単位という。
現像後の解像度向上及び現像後の低テーパー形状のパターン形成の観点から、(A1-2)ポリイミド前駆体としては、前記アミド酸構造単位、並びに、前記アミド酸エステル構造単位及び/又は前記アミド酸アミド構造単位を含有することが好ましい。発光特性の低電圧駆動化の観点から、(A1-2)ポリイミド前駆体としては、前記アミド酸エステル構造単位及び/又は前記アミド酸アミド構造単位を含有することが好ましい。また、後述する(D)着色剤として、特に(D1)顔料を含有させる場合、前記アミド酸エステル構造単位及び/又は前記アミド酸アミド構造単位によって(D1)顔料の分散安定性を向上でき、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となる。アミド酸構造単位、並びに、アミド酸エステル構造単位及び/又はアミド酸アミド構造単位を含有する(A1-2)ポリイミド前駆体は、アミド酸構造単位としての、テトラカルボン酸残基及び/又はテトラカルボン酸誘導体残基であるカルボキシ基の一部を、エステル化及び/又はアミド化させることで合成できる。
<(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、及び(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体>
(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、例えば、ジカルボン酸、ジカルボン酸と塩化チオニルとを反応させて得られるジカルボン酸二塩化物、又はジカルボン酸活性ジエステルなどと、ジアミンとしてビスアミノフェノール化合物などとを反応させることによって得られるものが挙げられ、ジカルボン酸残基及び/又はジカルボン酸誘導体残基と、ビスアミノフェノール化合物残基及び/又はビスアミノフェノール化合物誘導体残基を有する。(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、例えば、ポリヒドロキシアミドが挙げられる。
(A1-3)ポリベンゾオキサゾールとしては、例えば、ジカルボン酸と、ジアミンとしてビスアミノフェノール化合物とを、ポリリン酸を用いた反応により、脱水閉環させることによって得られるものや、上述したポリヒドロキシアミドを、加熱、又は無水リン酸、塩基、若しくはカルボジイミド化合物などを用いた反応により、脱水閉環させることによって得られるものが挙げられ、ジカルボン酸残基及び/又はジカルボン酸誘導体残基と、ビスアミノフェノール化合物残基及び/又はビスアミノフェノール化合物誘導体残基を有する。
本発明に用いられる(A1-3)ポリベンゾオキサゾールとしては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(2)で表される構造単位を含有することが好ましい。
一般式(2)において、R5は、2~10価の有機基を表し、R6は、芳香族構造を有する4~10価の有機基を表す。R7は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。R8は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。rは、0~8の整数を表し、sは、0~6の整数を表す。ただし、R7がフェノール性水酸基を表すときは、フェノール性水酸基と結合するR5は芳香族構造を表す。
一般式(2)のR5は、ジカルボン酸残基及び/又はジカルボン酸誘導体残基を表し、R6は、ビスアミノフェノール化合物残基及び/又はビスアミノフェノール化合物誘導体残基を表す。ジカルボン酸誘導体としては、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸活性エステル、トリカルボン酸無水物、トリカルボン酸塩化物、トリカルボン酸活性エステル、ジホルミル化合物が挙げられる。一般式(2)において、R5は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する2~10価の有機基が好ましい。また、R6は、炭素数6~30の芳香族構造を有する4~10価の有機基が好ましい。sは、1~6が好ましい。上述した脂肪族構造、脂環式構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A1-3)ポリベンゾオキサゾールとしては、一般式(2)で表される構造単位を含有することが好ましく、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール中の全構造単位に占める、一般式(2)で表される構造単位の含有比率は、現像後の低テーパー形状のパターン形成、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。
本発明に用いられる(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(4)で表される構造単位を含有することが好ましい。
一般式(4)において、R14は、2~10価の有機基を表し、R15は、芳香族構造を有する4~10価の有機基を表す。R16は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表し、R17は、フェノール性水酸基を表し、R18は、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。wは、0~8の整数を表し、xは、2~8の整数を表し、yは、0~6の整数を表し、2≦x+y≦8である。ただし、R16がフェノール性水酸基を表すときは、フェノール性水酸基と結合するR14は芳香族構造を表す。
一般式(4)のR14は、ジカルボン酸残基及び/又はジカルボン酸誘導体残基を表し、R15は、ビスアミノフェノール化合物残基及び/又はビスアミノフェノール化合物誘導体残基を表す。ジカルボン酸誘導体としては、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸活性エステル、トリカルボン酸無水物、トリカルボン酸塩化物、トリカルボン酸活性エステル、ジホルミル化合物が挙げられる。一般式(4)において、R14は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する2~10価の有機基が好ましい。また、R15は、炭素数6~30の芳香族構造を有する4~10価の有機基が好ましい。上述した脂肪族構造、脂環式構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、一般式(4)で表される構造単位を含有することが好ましく、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体中の全構造単位に占める、一般式(4)で表される構造単位の含有比率は、露光時の感度向上、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。
上記の(A1)第1の樹脂の合成に用いられるテトラカルボン酸、ジカルボン酸、及びカルボン酸誘導体、並びに、ジアミン、及びジアミン誘導体としては、例えば、国際公開第2017/057281号に記載の化合物が挙げられる。
<(A1-5)ポリアミドイミド>
(A1-5)ポリアミドイミドとしては、例えば、トリカルボン酸又は対応するトリカルボン酸無水物などと、ジアミン又はジイソシアネート化合物などとを反応させることで得られる樹脂が挙げられる。得られた樹脂を、さらに加熱又は触媒を用いた反応により、脱水閉環させることで得られる樹脂も挙げられる。
本発明に用いられる(A1-5)ポリアミドイミドとしては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(9)で表される構造単位を有することが好ましい。
一般式(9)において、R23は、3~10価の有機基を表す。R24は、2~10価の有機基を表す。R25及びR26は、それぞれ独立して、フェノール性水酸基、スルホン酸基、メルカプト基、又は上述した一般式(5)若しくは一般式(6)で表される置換基を表す。mは0~7の整数を表す。nは0~8の整数を表す。ただし、R25又はR26がフェノール性水酸基を表す場合、フェノール性水酸基と結合するR23又はR24は芳香族構造を表す。
一般式(9)において、R23は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、又は炭素数6~30の芳香族構造を有する3~10価の有機基が好ましい。R24は、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、又は炭素数6~30の芳香族構造を有する2~10価の有機基が好ましい。nは1~8の整数が好ましい。R23は、トリカルボン酸残基又はトリカルボン酸誘導体残基を表す。R24は、ジアミン残基又はジアミン誘導体残基を表す。トリカルボン酸誘導体としては、トリカルボン酸無水物、トリカルボン酸塩化物、又はトリカルボン酸活性エステルが挙げられる。ジアミン誘導体としては、ジイソシアネート化合物又はトリメチルシリル化ジアミンが挙げられる。上述した脂肪族構造、脂環式構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A1-5)ポリアミドイミドとしては、一般式(9)で表される構造単位を含有することが好ましく、(A1-5)ポリアミドイミド中の全構造単位に占める、一般式(9)で表される構造単位の含有比率は、現像後の低テーパー形状のパターン形成、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。
<フッ素原子を有する構造単位>
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドは、露光時の感度向上、現像後のパターン剥がれ抑制、及び発光素子の信頼性向上の観点から、フッ素原子を有する構造単位を含有することが好ましい。また、後述する(C1)光重合開始剤として、ハロゲン原子で置換された基を有する(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させる場合、これらの樹脂と光重合開始剤との相溶性向上によって、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。ここでいう露光とは、活性化学線(放射線)の照射のことであり、例えば、可視光線、紫外線、電子線、又はX線などの照射が挙げられる。一般的に使用されている光源であるという観点から、例えば、可視光線や紫外線の照射が可能な超高圧水銀灯光源が好ましく、j線(波長313nm)、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)、又はg線(波長436nm)の照射がより好ましい。以降、露光とは、活性化学線(放射線)の照射をいう。
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドにおいて、それぞれの樹脂における全構造単位のうち、全カルボン酸に由来する構造単位、及び全カルボン酸誘導体に由来する構造単位にフッ素原子を有し、かつ全アミンに由来する構造単位、及び全アミン誘導体に由来する構造単位にフッ素原子を有する場合、それぞれの樹脂における全構造単位に占める、フッ素原子を有する構造単位の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、10~100mol%が好ましく、30~100mol%がより好ましく、50~100mol%がさらに好ましい。
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドにおいて、それぞれの樹脂における全構造単位のうち、全カルボン酸に由来する構造単位、及び全カルボン酸誘導体に由来する構造単位のみにフッ素原子を有する場合、その合計に占める、フッ素原子を有するテトラカルボン酸に由来する構造単位、フッ素原子を有するテトラカルボン酸誘導体に由来する構造単位、フッ素原子を有するジカルボン酸に由来する構造単位、及びフッ素原子を有するジカルボン酸誘導体に由来する構造単位の合計は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、10~100mol%が好ましく、30~100mol%がより好ましく、50~100mol%がさらに好ましい。
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドにおいて、それぞれの樹脂における全構造単位のうち、全アミンに由来する構造単位、及び全アミン誘導体に由来する構造単位のみにフッ素原子を有する場合、その合計に占める、フッ素原子を有するジアミンに由来する構造単位、フッ素原子を有するジアミン誘導体に由来する構造単位、フッ素原子を有するビスアミノフェノール化合物に由来する構造単位、及びフッ素原子を有するビスアミノフェノール化合物誘導体に由来する構造単位の合計は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、10~100mol%が好ましく、30~100mol%がより好ましく、50~100mol%がさらに好ましい。
<その他の構造単位>
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドは、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜の耐熱性向上の観点から、芳香族カルボン酸に由来する構造単位、及び/又は芳香族カルボン酸誘導体に由来する構造単位を含有することが好ましい。同様に、芳香族アミンに由来する構造単位、及び/又は芳香族アミン誘導体に由来する構造単位を含有することも好ましい。また、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜と下地の基板との密着性向上の観点から、シリル基又はシロキサン結合を有するジアミンに由来する構造単位、及び/又は、シリル基又はシロキサン結合を有するジアミン誘導体に由来する構造単位を含有することも好ましい。なお、硬化膜の機械特性向上の観点から、オキシアルキレン構造を有するアミンに由来する構造単位、及び/又はオキシアルキレン構造を有するアミン誘導体に由来する構造単位を含有することも好ましい。
<末端封止剤>
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドは、組成物の塗液の保管安定性向上の観点から、樹脂の末端が、モノアミン、ジカルボン酸無水物、モノカルボン酸、モノカルボン酸塩化物、又はモノカルボン酸活性エステルなどの末端封止剤で封止されていることが好ましい。
<エチレン性不飽和二重結合基の導入>
本発明の感光性樹脂組成物がネガ型の感光性を有する場合、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドは、露光時の感度向上の観点から、エチレン性不飽和二重結合基を有することが好ましい。エチレン性不飽和二重結合基を導入する反応により、これらの樹脂の側鎖に、エチレン性不飽和二重結合基を導入した樹脂も好ましい。また、これらの樹脂が有する一部のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシ基を、エチレン性不飽和二重結合基を有する化合物と反応させて得られる樹脂も好ましい。上述した反応により、樹脂の側鎖に、エチレン性不飽和二重結合基を導入することが可能となる。
エチレン性不飽和二重結合基を有する化合物としては、反応性の観点から、エチレン性不飽和二重結合基を有する求電子性化合物が好ましい。求電子性化合物としては、反応性及び化合物の利用性の観点から、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アルコール化合物、アルデヒド化合物、ケトン化合物、又はカルボン酸無水物が好ましく、イソシアネート化合物、又はエポキシ化合物がより好ましい。
<(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドの物性>
(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドの重量平均分子量(以下、「Mw」)としては、現像後の解像度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」)で測定されるポリスチレン換算で、1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。一方、Mwとしては、熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成、及びアルカリ現像液でのパターン加工性向上の観点から、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、30,000以下がさらに好ましく、20,000以下が特に好ましい。(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドは、公知の方法で合成できる。
<(A2-1)ポリシロキサン>
(A2-1)ポリシロキサンとしては、例えば、三官能オルガノシラン、四官能オルガノシラン、二官能オルガノシラン、及び一官能オルガノシランからなる群より選ばれる一種類以上を加水分解し、脱水縮合させて得られるポリシロキサンが挙げられる。硬化膜の耐熱性向上の観点から、三官能オルガノシランを含有することが好ましい。また、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、四官能オルガノシラン単位を含有することが好ましい。また、硬化膜の機械特性向上の観点から、二官能オルガノシラン単位を含有しても構わない。一方、組成物の塗液の保管安定性向上の観点から、一官能オルガノシラン単位を含有しても構わない。
<三官能オルガノシラン単位、及び四官能オルガノシラン単位>
本発明に用いられる(A2-1)ポリシロキサンとしては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、三官能オルガノシラン単位及び/又は四官能オルガノシラン単位を含有することが好ましい。三官能オルガノシランとしては、一般式(7)で表されるオルガノシラン単位が好ましく、四官能オルガノシラン単位としては、一般式(8)で表されるオルガノシラン単位が好ましい。
一般式(7)及び(8)において、R22は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。一般式(7)及び(8)において、R22は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、又は炭素数6~15のアリール基が好ましい。上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、及びアリール基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
上記の各オルガノシランとしては、例えば、国際公開第2017/057281号に記載の化合物が挙げられる。
(A2-1)ポリシロキサンに占める、一般式(7)で表されるオルガノシラン単位の含有比率は、硬化膜の耐熱性向上の観点から、Si原子mol比で50~100mol%が好ましく、60~100mol%がより好ましく、70~100mol%がさらに好ましい。一般式(7)で表されるオルガノシラン単位としては、エポキシ基を有するオルガノシラン単位が好ましい。(A2-1)ポリシロキサンがエポキシ基を有するオルガノシラン単位を含有することで、アルカリ現像液でのパターン加工性向上が可能となる。
(A2-1)ポリシロキサンに占める、一般式(8)で表されるオルガノシラン単位の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、Si原子mol比で0~40mol%が好ましく、0~30mol%がより好ましく、0~20mol%がさらに好ましい。
<(A2-1)ポリシロキサンの物性>
(A2-1)ポリシロキサンにおいて、上記の各オルガノシラン単位は、規則的な配列又は不規則的な配列のいずれであっても構わない。規則的な配列としては、例えば、交互共重合、周期的共重合、ブロック共重合、又はグラフト共重合などが挙げられる。不規則的な配列としては、例えば、ランダム共重合などが挙げられる。また、上記の各オルガノシラン単位は、二次元的な配列又は三次元的な配列のいずれであっても構わない。二次元的な配列としては、例えば、直鎖状が挙げられる。三次元的な配列としては、例えば、梯子状、籠状、又は網目状などが挙げられる。
(A2-1)ポリシロキサンとしては、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜の耐熱性向上の観点から、芳香族基を有するオルガノシラン単位を含有することが好ましい。(A2-1)ポリシロキサンのMwとしては、現像後の解像度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、GPCで測定されるポリスチレン換算で、500以上が好ましい。一方、Mwとしては、熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成、及びアルカリ現像液でのパターン加工性向上の観点から、50,000以下が好ましい。(A2-1)ポリシロキサンは、公知の方法で合成できる。
<(A2-2)多環側鎖含有樹脂>
(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、例えば、以下の(I)~(IV)の多環側鎖含有樹脂が挙げられる。
(I)多官能フェノール化合物と多官能カルボン酸二無水物とを反応させて得られる化合物に、エポキシ化合物を反応させて得られる多環側鎖含有樹脂。
(II)多官能フェノール化合物とエポキシ化合物とを反応させて得られる化合物に、多官能カルボン酸二無水物を反応させて得られる多環側鎖含有樹脂。
(III)多官能エポキシ化合物と多官能カルボン酸化合物とを反応させて得られる化合物に、エポキシ化合物を反応させて得られる多環側鎖含有樹脂。
(IV)多官能エポキシ化合物とカルボン酸化合物とを反応させて得られる化合物に、多官能カルボン酸二無水物を反応させて得られる多環側鎖含有樹脂。
フェノール化合物、エポキシ化合物、カルボン酸無水物、及びカルボン酸化合物としては、例えば、国際公開第2017/057281号に記載の化合物が挙げられる。
(A2-2)多環側鎖含有樹脂は熱硬化性樹脂であり、主鎖と嵩高い側鎖が1つの原子で繋がれた構造を有する。嵩高い側鎖として環状構造を有し、硬化膜の耐熱性向上の観点から、高耐熱性かつ剛直なフルオレン環などの縮合多環式骨格が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物がネガ型の感光性を有する場合、(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、露光時の感度向上の観点から、エチレン性不飽和二重結合基を有することが好ましい。
本発明に用いられる(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(47)で表される構造単位、一般式(48)で表される構造単位、一般式(49)で表される構造単位、及び一般式(50)で表される構造単位からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物がネガ型の感光性を有する場合、露光時の感度向上の観点から、樹脂の主鎖、樹脂の側鎖、及び樹脂の末端からなる群より選ばれる一ヶ所以上に、エチレン性不飽和二重結合基を有することが好ましい。
一般式(47)~(50)において、X69、X70、X72、X73、X75、X76、X78、及びX79は、それぞれ独立して、単環式又は縮合多環式の炭化水素環を表す。X71、X74、X77、及びX80は、それぞれ独立して、カルボン酸残基及び/又はカルボン酸誘導体残基の2~10価の有機基を表す。W1~W4は、それぞれ独立して、芳香族基を2つ以上有する有機基を表す。R160~R167は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R170~R175、R177、及びR178は、それぞれ独立して、水素原子又はエチレン性不飽和二重結合基を有する有機基を表す。R176は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。a、b、c、d、e、f、g、及びhは、それぞれ独立して、0~10の整数を表し、α、β、γ、及びδは、それぞれ独立して、0又は1を表す。
一般式(47)~(50)において、X69、X70、X72、X73、X75、X76、X78、及びX79は、それぞれ独立して、炭素数6~15及び2~10価の、単環式又は縮合多環式の炭化水素環が好ましい。また、X71、X74、X77、及びX80は、それぞれ独立して、炭素数2~20の脂肪族構造、炭素数4~20の脂環式構造、及び炭素数6~30の芳香族構造からなる群より選ばれる一種類以上を有する2~10価の有機基が好ましい。また、現像後のパターン剥がれ抑制、及び発光素子の信頼性向上の観点から、W1~W4は、それぞれ独立して、一般式(51)~(56)のいずれかで表される置換基が好ましい。また、R170~R175、R177、及びR178は、それぞれ独立して、一般式(57)で表される置換基が好ましい。上述したアルキル基、脂肪族構造、脂環式構造、芳香族構造、単環式、若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、及びエチレン性不飽和二重結合基を有する有機基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(51)~(56)において、R179~R182、R185、及びR188は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基を表す。R183、R184、R186、R187、R189、R191、及びR193~R196は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R190及びR192は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表し、R190及びR192で環を形成しても構わない。R190及びR192で形成する環としては、例えば、ベンゼン環又はシクロヘキサン環が挙げられる。R183及びR184の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基である。R186及びR187の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基である。R189及びR190の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基であり、R191及びR192の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基であり、R190及びR192で環を形成しても構わない。R193及びR194の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基であり、R195及びR196の少なくとも1つは、炭素数6~15のアリール基である。i、j、k、l、m、及びnは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。一般式(51)~(56)において、R190及びR192は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましく、R190及びR192で形成する環としては、ベンゼン環が好ましい。上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(57)において、X81は、直接結合、炭素数1~10のアルキレン鎖、炭素数4~10のシクロアルキレン鎖、又は炭素数6~15のアリーレン鎖を表し、X82は、直接結合又は炭素数6~15のアリーレン鎖を表す。R197は、ビニル基、アリル基、又は(メタ)アクリル基を表す。一般式(57)において、X81は、直接結合、炭素数1~6のアルキレン鎖、炭素数4~7のシクロアルキレン鎖、又は炭素数6~10のアリーレン鎖が好ましい。また、X82は、直接結合又は炭素数6~10のアリーレン鎖が好ましい。上述したアルキレン鎖、シクロアルキレン鎖、アリーレン鎖、ビニル基、アリル基、及び(メタ)アクリル基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、縮合多環式骨格を有する構造単位を含むことが好ましい。縮合多環式骨格を有する構造単位としては、フルオレン骨格を有する構造単位、及び/又はインダン骨格を有する構造単位が好ましい。上述した一般式(47)~(50)において、W1~W4が、一般式(51)又は一般式(53)であると、(A2-2)多環側鎖含有樹脂が、フルオレン骨格を有する構造単位、又はインダン骨格を有する構造単位を含有する。
<カルボン酸に由来する酸性基、及びカルボン酸誘導体に由来する酸性基>
(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、アルカリ現像液でのパターン加工性向上、及び現像後の解像度向上の観点から、カルボン酸に由来する構造単位、及び/又はカルボン酸誘導体に由来する構造単位を含有し、アルカリ可溶性基として酸性基を有することが好ましい。酸性基としては、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、又はヒドロキシイミド基が好ましく、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、又はフェノール性水酸基がより好ましく、カルボキシ基又はカルボン酸無水物基がさらに好ましい。
<末端封止剤、及び(A2-2)多環側鎖含有樹脂の物性>
(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、組成物の塗液の保管安定性向上の観点から、樹脂の末端が、トリカルボン酸無水物、ジカルボン酸無水物、又はモノカルボン酸などの末端封止剤で封止されていることが好ましい。(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜の耐熱性向上の観点から、芳香族カルボン酸に由来する構造単位、及び/又は芳香族カルボン酸誘導体に由来する構造単位を含有することが好ましい。(A2-2)多環側鎖含有樹脂のMwとしては、現像後の解像度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、GPCで測定されるポリスチレン換算で、500以上が好ましい。一方、Mwとしては、熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成、及びアルカリ現像液でのパターン加工性向上の観点から、50,000以下が好ましい。(A2-2)多環側鎖含有樹脂は、公知の方法で合成できる。
<(A2-2)多環側鎖含有樹脂の具体例>
(A2-2)多環側鎖含有樹脂としては、例えば、“ADEKA ARKLS”(登録商標) WR-101若しくは同 WR-301(以上、いずれもADEKA社製)、OGSOL(登録商標) CR-1030(大阪ガスケミカル社製)、又はTR-B201若しくはTR-B202(以上、いずれもTRONLY社製)が挙げられる。
<(A2-3)酸変性エポキシ樹脂>
(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、例えば、以下の(I)~(VI)の酸変性エポキシ樹脂が挙げられる。
(I)多官能フェノール化合物と多官能カルボン酸二無水物とを反応させて得られる化合物に、エポキシ化合物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
(II)多官能フェノール化合物とエポキシ化合物とを反応させて得られる化合物に、多官能カルボン酸二無水物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
(III)多官能アルコール化合物と多官能カルボン酸二無水物とを反応させて得られる化合物に、エポキシ化合物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
(IV)多官能アルコール化合物とエポキシ化合物とを反応させて得られる化合物に、多官能カルボン酸二無水物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
(V)多官能エポキシ化合物と多官能カルボン酸化合物とを反応させて得られる化合物に、エポキシ化合物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
(VI)多官能エポキシ化合物とカルボン酸化合物とを反応させて得られる化合物に、多官能カルボン酸二無水物を反応させて得られる酸変性エポキシ樹脂。
フェノール化合物、アルコール化合物、エポキシ化合物、カルボン酸無水物、及びカルボン酸化合物としては、例えば、国際公開第2017/057281号に記載の化合物が挙げられる。
(A2-3)酸変性エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であり、主鎖に環状骨格として、芳香族基を有する構造単位、及び/又は脂環式基を有する構造単位を有し、硬化膜の耐熱性向上の観点から、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、ナフタレン環、アントラセン環、又はフルオレン環などの縮合多環式骨格が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物がネガ型の感光性を有する場合、(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、露光時の感度向上の観点から、エチレン性不飽和二重結合基を有することが好ましい。
本発明に用いられる(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(35)で表される構造単位、一般式(36)で表される構造単位、一般式(37)で表される構造単位、一般式(38)で表される構造単位、一般式(41)で表される構造単位、一般式(42)で表される構造単位、及び一般式(43)で表される構造単位からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物がネガ型の感光性を有する場合、露光時の感度向上の観点から、樹脂の主鎖、樹脂の側鎖、及び樹脂の末端からなる群より選ばれる一ヶ所以上に、エチレン性不飽和二重結合基を有することが好ましい。
一般式(35)~(38)において、X51~X54は、それぞれ独立して、炭素数1~6の脂肪族構造を表す。Z53は、炭素数10~25及び3~16価の、芳香族構造を表す。R71~R75は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表し、R76は、炭素数1~10のアルキル基を表し、R78~R81は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、又は一般式(59)で表される置換基を表す。R82は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、一般式(58)で表される置換基、又は一般式(59)で表される置換基を表す。R83~R88は、それぞれ独立して、一般式(39)で表される置換基を表す。a、b、c、d、及びeは、それぞれ独立して、0~10の整数を表し、fは、0~14の整数を表し、h、i、j、及びkは、それぞれ独立して、0~3の整数を表し、lは、0~4の整数を表す。上述したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、脂肪族構造、及び芳香族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(38)のZ53の芳香族構造としては、ターフェニル骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、及びフルオレン骨格からなる群より選ばれる一種類以上を含有する。また、一般式(38)のZ53のその他の芳香族構造としては、例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン骨格、2,2-ジフェニルプロパン骨格、ジフェニルエーテル骨格、ジフェニルケトン骨格又はジフェニルスルホン骨格が挙げられる。
一般式(58)において、R168及びR169は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~10のアルキル基を表す。R198は、炭素数1~10のアルキル基、又は一般式(59)で表される置換基を表す。zは、0~5の整数を表す。一般式(59)において、R199は、一般式(39)で表される置換基を表す。一般式(39)において、X55は、炭素数1~6のアルキレン鎖又は炭素数4~10のシクロアルキレン鎖を表す。R89~R91は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R92は、水素原子又は一般式(40)で表される置換基を表す。一般式(39)において、R89及びR90は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。R91は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。一般式(40)において、X56は、炭素数1~6のアルキレン鎖、炭素数1~6のアルケニレン鎖、炭素数4~10のシクロアルキレン鎖、又は炭素数4~10のシクロアルケニレン鎖を表す。一般式(40)において、X56は、炭素数1~4のアルキレン鎖、炭素数1~4のアルケニレン鎖、炭素数4~7のシクロアルキレン鎖、炭素数4~7のシクロアルケニレン鎖が好ましい。上述したアルキレン鎖、シクロアルキレン鎖、アルキル基、及びアリール基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(41)~(43)において、X57~X61は、それぞれ独立して、炭素数1~6の脂肪族構造を表し、X62及びX63は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキレン鎖又は炭素数4~10のシクロアルキレン鎖を表す。R93~R97は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表し、R98~R104は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、又は一般式(59)で表される置換基を表す。を表し、R105は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R106及びR107は、それぞれ独立して、一般式(39)で表される置換基を表し、R108は、水素原子、一般式(39)で表される置換基、又は一般式(40)で表される置換基を表す。m、n、o、p、及びqは、それぞれ独立して、0~10の整数を表し、r及びsは、それぞれ独立して、0~3の整数を表し、t、u、v、w、及びxは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。上述したアルキレン鎖、シクロアルキレン鎖、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び脂肪族構造は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
本発明に用いられる(A2-3)酸変性エポキシ樹脂のうち、一般式(43)で表される構造単位を有する(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、末端が、一般式(44)で表される置換基及び/又は一般式(45)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(44)において、R109は、一般式(39)で表される置換基を表す。一般式(45)において、X64は、炭素数1~6の脂肪族構造を表す。R110は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表し、R111及びR112は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R113は、一般式(39)で表される置換基を表す。αは、0~10の整数を表す。β及びγは、0~4の整数を表す。一般式(45)において、X64は、炭素数1~4の脂肪族構造が好ましい。R110は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましく、R111及びR112は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましい。
(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、縮合多環式骨格を有する構造単位を含むことが好ましい。縮合多環式骨格を有する構造単位としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨格を有する構造単位、ナフタレン骨格を有する構造単位、アントラセン骨格を有する構造単位、及びフルオレン骨格を有する構造単位からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましい。上述した一般式(37)で表される構造単位を含む場合、又は、上述した一般式(38)において、Z53が、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、若しくはフルオレン骨格を含む場合、(A2-3)酸変性エポキシ樹脂が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨格を有する構造単位、ナフタレン骨格を有する構造単位、アントラセン骨格を有する構造単位、又はフルオレン骨格を有する構造単位を含有する。
<カルボン酸に由来する酸性基、及びカルボン酸誘導体に由来する酸性基>
(A2-3)酸変性エポキシ樹脂は、カルボン酸に由来する構造単位、及び/又はカルボン酸誘導体に由来する構造単位を含有し、アルカリ可溶性基としてカルボキシ基、及び/又はカルボン酸無水物基を有する。カルボキシ基、及び/又はカルボン酸無水物基を有することで、アルカリ現像液でのパターン加工性向上、及び現像後の解像度向上が可能となる。また、その他の酸性基を有しても構わない。酸性基としては、スルホン酸基、フェノール性水酸基、又はヒドロキシイミド基が好ましく、フェノール性水酸基がより好ましい。
<末端封止剤、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂の物性>
(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、組成物の塗液の保管安定性向上の観点から、樹脂の末端が、トリカルボン酸無水物、ジカルボン酸無水物、又はモノカルボン酸などの末端封止剤で封止されていることが好ましい。(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜の耐熱性向上の観点から、芳香族カルボン酸に由来する構造単位、及び/又は芳香族カルボン酸誘導体に由来する構造単位を含有することが好ましい。(A2-3)酸変性エポキシ樹脂のMwとしては、現像後の解像度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、GPCで測定されるポリスチレン換算で、500以上が好ましい。一方、Mwとしては、熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成、及びアルカリ現像液でのパターン加工性向上の観点から、50,000以下が好ましい。(A2-3)酸変性エポキシ樹脂は、公知の方法で合成できる。
<(A2-3)酸変性エポキシ樹脂の具体例>
本発明に用いられる(A2-3)酸変性エポキシ樹脂としては、例えば、“KAYARAD”(登録商標) PCR-1222H、同 CCR-1171H、同 TCR-1348H、同 ZAR-1494H、同 ZFR-1401H、同 ZCR-1798H、同 ZXR-1807H、同 ZCR-6002H、若しくは同 ZCR-8001H(以上、いずれも日本化薬社製)、又は“NK OLIGO”(登録商標) EA-6340、同 EA-7140、若しくは同 EA-7340(以上、いずれも新中村化学工業社製)が挙げられる。
<(A2-4)アクリル樹脂>
(A2-4)アクリル樹脂としては、例えば、酸性基を有する共重合成分、(メタ)アクリル酸エステルに由来する共重合成分、及びその他の共重合成分からなる群より選ばれる一種類以上の共重合成分をラジカル共重合させて得られるアクリル樹脂が挙げられる。
酸性基を有する共重合成分、(メタ)アクリル酸エステルに由来する共重合成分、及びその他の共重合成分としては、例えば、国際公開第2017/057281号に記載の化合物が挙げられる。
本発明に用いられる(A2-4)アクリル樹脂としては、露光時の感度向上、及び硬化膜の機械特性向上の観点から、一般式(61)で表される構造単位及び/又は一般式(62)で表される構造単位を含有することが好ましい。
一般式(61)及び(62)において、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、エチレン性不飽和二重結合基を有する、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~15のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R200~R205は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。X90及びX91は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~10のアルキレン鎖、炭素数4~10のシクロアルキレン鎖、又は炭素数6~15のアリーレン鎖を表す。
一般式(61)及び(62)において、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、エチレン性不飽和二重結合基を有する、炭素数1~6のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましい。また、R200~R205は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基が好ましい。また、X90及びX91は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~6のアルキレン鎖、炭素数4~7のシクロアルキレン鎖、又は炭素数6~10のアリーレン鎖が好ましい。上述したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキレン鎖、シクロアルキレン鎖、及びアリーレン鎖は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
<酸性基を有する共重合成分に由来する構造単位>
(A2-4)アクリル樹脂としては、アルカリ現像液でのパターン加工性向上、及び現像後の解像度向上の観点から、酸性基を有する共重合成分に由来する構造単位を含有し、アルカリ可溶性基として酸性基を有することが好ましい。酸性基としては、例えば、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、又はヒドロキシイミド基が好ましく、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、又はフェノール性水酸基がより好ましく、カルボキシ基又はカルボン酸無水物基がさらに好ましい。
<(A2-4)アクリル樹脂の物性>
(A2-4)アクリル樹脂としては、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜の耐熱性向上の観点から、芳香族基を有する共重合成分に由来する構造単位を含有することが好ましい。また、硬化膜の耐熱性向上、及び露光時の感度向上の観点から、脂環式基を有する共重合成分に由来する構造単位を含有することも好ましい。(A2-4)アクリル樹脂のMwとしては、現像後の解像度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、GPCで測定されるポリスチレン換算で、1,000以上が好ましい。一方、Mwとしては、熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成、及びアルカリ現像液でのパターン加工性向上の観点から、50,000以下が好ましい。(A2-4)アクリル樹脂は、公知の方法で合成できる。
<(B)ラジカル重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(B)ラジカル重合性化合物を含有することが好ましい。(B)ラジカル重合性化合物とは、分子中に複数のエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物をいう。露光時、後述する(C1)光重合開始剤から発生するラジカルによって、(B)ラジカル重合性化合物のラジカル重合が進行し、組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成できる。また、露光時のUV硬化が促進され、露光時の感度向上が可能となる。
(B)ラジカル重合性化合物を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。(B)ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合の進行しやすい、(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましい。露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(メタ)アクリル基を分子中に2つ以上有する化合物がより好ましい。また、二重結合当量としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、80g/mol以上が好ましく、90g/mol以上がより好ましい。一方、二重結合当量としては、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、800g/mol以下が好ましく、600g/mol以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、(B)ラジカル重合性化合物に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また、(B)ラジカル重合性化合物として、後述する(B1)フルオレン骨格含有ラジカル重合性化合物、後述する(B2)インダン骨格含有ラジカル重合性化合物、及び後述する(B3)柔軟鎖含有ラジカル重合性化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、これらのラジカル重合性化合物に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。後述する(F)化合物としては、後述する特定の(F1)化合物、後述する特定の(FB-1)化合物、及び後述する特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上が特に好ましい。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(B)ラジカル重合性化合物の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上がさらにより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。一方、(B)ラジカル重合性化合物の含有比率は、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、85質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらにより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(B)ラジカル重合性化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、15質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。一方、(B)ラジカル重合性化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、75質量部以下が好ましく、65質量部以下がより好ましい。
<(B1)疎水性骨格含有ラジカル重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(B1)疎水性骨格含有ラジカル重合性化合物(以下、「(B1)化合物」)を含有することが好ましい。(B1)化合物とは、(I-b1)フルオレン構造、インダン構造、縮合多環脂環式構造、インドリノン構造、及びイソインドリノン構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造(以下、「(I-b1)(B1)化合物の特定の疎水性骨格を含む構造」)、及び(II-b1)エチレン性不飽和二重結合基を有する少なくとも2つの有機基を有する化合物をいう。(I-b1)(B1)化合物の特定の疎水性骨格を含む構造としては、フルオレン構造、及び/又はインダン構造が好ましい。エチレン性不飽和二重結合基としては、(メタ)アクリル基を有することが好ましい。
(B1)化合物を含有させることで、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。(B1)化合物が有するエチレン性不飽和二重結合基数としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個以上がさらに好ましい。一方、エチレン性不飽和二重結合基数としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及びパターン形状の低テーパー化の観点から、10個以下が好ましく、8個以下がより好ましく、6個以下がさらに好ましい。また、二重結合当量としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、150g/mol以上が好ましく、190g/mol以上がより好ましい。一方、二重結合当量としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、600g/mol以下が好ましく、400g/mol以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(B1)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、(B1)化合物の含有量は、露光時の感度向上の観点から、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
<(B2)柔軟骨格含有ラジカル重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(B2)柔軟骨格含有ラジカル重合性化合物(以下、「(B2)化合物」)を含有することが好ましい。(B2)化合物とは、(I-b2)少なくとも2つのヒドロキシ基を有する化合物に由来する構造、(II-b2)エチレン性不飽和二重結合基を有する少なくとも2つの有機基、及び(III-b2)アルキレン基、オキシアルキレン基、及びアルキレンカルボニル基からなる群より選ばれる一種類以上(以下、「(III-b2)(B2)化合物の柔軟骨格」)を有する化合物をいう。
(B2)化合物において、少なくとも2つのヒドロキシ基を有する化合物に由来する構造としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(I-b2x)脂肪族多官能アルコールに由来する構造、脂環式構造、及びヘテロ脂環式構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造(以下、「(I-b2x)特定の脂肪族骨格を含む構造」)がより好ましい。エチレン性不飽和二重結合基としては、(メタ)アクリル基を有することが好ましい。
(B2)化合物としては、露光時の感度向上、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(III-b2x)アルキレンカルボニル基、オキシアルキレンカルボニル基、及びアミノアルキレンカルボニル基からなる群より選ばれる一種類以上(以下、「(III-b2x)(B2)化合物の特定の柔軟骨格」)を有することがより好ましい。(B2)化合物が有する(III-b2)(B2)化合物の柔軟骨格又は(III-b2x)(B2)化合物の特定の柔軟骨格などの柔軟骨格数としては、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個以上がさらに好ましい。一方、柔軟骨格数としては、12個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下がさらに好ましい。アルキレン基及びオキシアルキレン基は、エポキシ化合物に由来する構造又はアルキレングリコールに由来する構造が好ましい。(III-b2x)(B2)化合物の特定の柔軟骨格としては、ラクトン化合物に由来する構造又はラクタム化合物に由来する構造が好ましい。
(B2)化合物を含有させることで、現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、分子中のエチレン性不飽和二重結合基数としては、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個以上がさらに好ましい。一方、分子中のエチレン性不飽和二重結合基数としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、12個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下がさらに好ましい。また、二重結合当量としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、100g/mol以上が好ましく、120g/mol以上がより好ましい。一方、二重結合当量としては、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、600g/mol以下が好ましく、400g/mol以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(B2)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。一方、(B2)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましい。
<(C)感光剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤を含有する。(C)感光剤とは、露光によって結合開裂、反応、又は構造変化して別の化合物を発生させることで、組成物にポジ型又はネガ型の感光性を付与する化合物という。(C)感光剤としては、(C1)光重合開始剤、(C2)光酸発生剤、及び(C3)ナフトキノンジアジド化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物にネガ型の感光性を付与する場合、(C1)光重合開始剤、又は、(C1)光重合開始剤及び(C2)光酸発生剤を含有することが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物にポジ型の感光性を付与する場合、(C3)ナフトキノンジアジド化合物、又は、(C3)ナフトキノンジアジド化合物及び(C2)光酸発生剤を含有することが好ましい。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(C)感光剤の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましく、2.5質量%以上がさらにより好ましく、3.0質量%以上が特に好ましい。一方、(C)感光剤の含有比率は、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、27質量%以下が好ましく、22質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がさらにより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
<(C1)光重合開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤として、(C1)光重合開始剤を含有することが好ましい。(C1)光重合開始剤とは、露光によって結合開裂及び/又は反応してラジカルを発生する化合物をいう。本発明の感光性樹脂組成物は、ネガ型のパターン形成の観点から、(C)感光剤が、(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含み、さらに、(B)ラジカル重合性化合物を含有することが好ましい。(C1)光重合開始剤を含有させることで、上述した(B)ラジカル重合性化合物のラジカル重合が進行し、組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成できる。また、露光時のUV硬化が促進され、露光時の感度向上が可能となる。
(C1)光重合開始剤としては、ベンジルケタール系光重合開始剤、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、芳香族ケトエステル系光重合開始剤、又は安息香酸エステル系光重合開始剤が好ましく、露光時の感度向上の観点から、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤、又はオキシムエステル系光重合開始剤がより好ましく、露光時の感度向上、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、オキシムエステル系光重合開始剤がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤として、(C1)光重合開始剤を含有する場合、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、(C1)光重合開始剤に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また、(C1)光重合開始剤として、後述する(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する場合、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。後述する(F)化合物としては、後述する特定の(F1)化合物、後述する特定の(FB-1)化合物、及び後述する特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(C1)光重合開始剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、露光時の感度向上の観点から、0.5質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、(C1)光重合開始剤の含有量は、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
<(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤が、(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有することが好ましい。(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤とは、分子中に露光によって結合開裂及び/又は反応してラジカルを発生する骨格として、オキシムエステル構造を有する化合物をいう。(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。
(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤としては、露光時の感度向上、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、縮合多環式骨格、縮合多環式ヘテロ環骨格、又はジフェニルスルフィド骨格を有することが好ましい。さらに、縮合多環式骨格、縮合多環式へテロ環骨格、又はジフェニルスルフィド骨格に、少なくとも1つのオキシムエステル構造が結合した構造、又は少なくとも1つのオキシムエステルカルボニル構造が結合した構造を有することが好ましく、少なくとも1つのオキシムエステル構造が結合した構造を有することがより好ましい。また、縮合多環式骨格、縮合多環式へテロ環骨格、又はジフェニルスルフィド骨格に、2つ以上のオキシムエステル構造が結合した構造、又は2つ以上のオキシムエステルカルボニル構造が結合した構造を有することも好ましい。また、縮合多環式骨格、縮合多環式ヘテロ環骨格、又はジフェニルスルフィド骨格に、少なくとも1つのオキシムエステル構造が結合した構造、又は少なくとも1つのオキシムエステルカルボニル構造が結合した構造を、分子中に2つ以上有することも好ましい。
縮合多環式骨格としては、フルオレン骨格、ベンゾフルオレン骨格、ジベンゾフルオレン骨格、インデン骨格、インダン骨格、ベンゾインデン骨格、又はベンゾインダン骨格が好ましく、フルオレン骨格、ベンゾフルオレン骨格、又はジベンゾフルオレン骨格がより好ましい。縮合多環式ヘテロ環骨格としては、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、ベンゾカルバゾール骨格、インドール骨格、インドリン骨格、ベンゾインドール骨格又はベンゾインドリン骨格が好ましく、カルバゾール骨格、ベンゾカルバゾール骨格、インドール骨格、又はベンゾインドール骨格がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(C)感光剤が、(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有し、
該(C1-1)化合物が、ニトロ基、ナフチルカルボニル構造、トリメチルベンゾイル構造、チオフェニルカルボニル構造、フリルカルボニル構造、及び少なくとも2つのオキシムエステル構造からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。
(C)感光剤として、(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有することが好ましく、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、上記(C1-1)化合物を含有することが好ましい。中でも、縮合多環式骨格、又は縮合多環式へテロ環骨格に、ニトロ基、ナフチルカルボニル構造、トリメチルベンゾイル構造、チオフェニルカルボニル構造、フリルカルボニル構造、及び少なくとも2つのオキシムエステル構造からなる群より選ばれる一種類以上が結合した構造を有することが好ましい。
(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤としては、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、ハロゲン原子で置換された基を有することが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素が好ましい。また、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドが、フッ素原子を有する構造単位を含有する場合、これらの樹脂と光重合開始剤との相溶性向上によって、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。ハロゲン原子で置換された基としては、例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、トリクロロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、フルオロシクロペンチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロプロポキシ基、テトラフルオロプロポキシ基、又はペンタフルオロフェノキシ基が挙げられる。
(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤としては、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、以下に示す構造の化合物が好ましい。
(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤は、後述する表示装置の製造方法における、(3)該感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、(4)アルカリ溶液を用いて現像して、該感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、及び(5)該パターンを加熱して硬化させ、該感光性樹脂組成物の硬化パターンを得る工程からなる群より選ばれる一種類以上において、光分解及び/又は熱分解をすることで、後述する一般式(75)で表される構造、後述する一般式(76)で表される構造、後述する一般式(77)で表される構造、又は後述する一般式(78)で表される構造を有する化合物へと構造変化する化合物であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、0.5質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。一方、(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
<(C2)光酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤として、(C2)光酸発生剤を含有しても構わない。(C2)光酸発生剤とは、露光によって結合開裂及び/又は反応して酸を発生する化合物をいう。(C2)光酸発生剤を含有させることで、後述する架橋剤などの酸反応性化合物と樹脂との架橋、及び/又は、カチオン重合性化合物のカチオン重合が進行し、組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成できる。また、露光時のUV硬化が促進され、露光時の感度向上が可能となる。本発明の感光性樹脂組成物に、上述した(C1)光重合開始剤及び(C2)光酸発生剤を含有させることで、露光時のUV硬化が促進され、露光時の感度向上が可能となる。
一方、本発明の感光性樹脂組成物に、後述する(C3)ナフトキノンジアジド化合物及び(C2)光酸発生剤を含有させる場合、アルカリ現像後、かつ熱硬化前の露光することで酸を発生させることができる。そのため、その後の熱硬化時における、後述する架橋剤などの熱反応性化合物と樹脂との熱架橋を促進できるため、硬化膜の耐熱性向上、及び硬化膜の耐薬品性向上が可能となる。
(C2)光酸発生剤としては、例えば、イオン性化合物、又は非イオン性化合物が挙げられる。イオン性化合物としては、トリオルガノスルホニウム塩系化合物が好ましい。非イオン性化合物としては、例えば、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、リン酸エステル化合物、又はスルホンベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(C2)光酸発生剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、露光時の感度向上の観点から、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。一方、(C2)光酸発生剤の含有量は、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、25質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
<(C3)ナフトキノンジアジド化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)感光剤として、(C3)ナフトキノンジアジド化合物を含有しても構わない。(C3)ナフトキノンジアジド化合物とは、露光によって構造変化して、インデンカルボン酸及び/又はスルホインデンカルボン酸を発生する化合物をいう。(C3)ナフトキノンジアジド化合物を含有させることで、組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して可溶化することで、ポジ型のパターンを形成できる。また、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が選択的に向上し、現像後の解像度を向上できる。
(C3)ナフトキノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物に、ナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物を、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとエステル化反応させて得られる化合物も好ましい。ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、5-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド、又は4-ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に占める(C3)ナフトキノンジアジド化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂を100質量部とした場合において、露光時の感度向上、及び現像後の解像度向上の観点から、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、(C3)ナフトキノンジアジド化合物の含有量は、露光時の感度向上の観点から、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、後述する(F1)化合物として、一般式(12b)で表される化合物を含む場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上のアルカリ可溶性樹脂を含み、さらに、後述する(F1)化合物を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
また同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、後述する(F1)化合物として、一般式(12b)で表される化合物を含む場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(D)着色剤として(Da)黒色剤、並びに、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上のアルカリ可溶性樹脂を含み、さらに、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
また同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
さらに同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物、並びに、後述する(FC-1)非ベタイン型リン脂質を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
また同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、さらに、後述する(F1)化合物を含む場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
さらに同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、さらに、後述する(FC-1)非ベタイン型リン脂質を含有し、前記(FC-1)非ベタイン型リン脂質が、分子中に少なくとも、(II)リン原子を含む酸性基、及び/又は、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造、並びに、(III)炭素数6~30の脂肪酸化合物に由来する脂肪酸エステル構造、及び/又は、炭素数6~30の脂肪族アルコールに由来する脂肪族エーテル構造を有し、前記(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造が、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含む場合、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有させることで、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。
感光性樹脂組成物としては、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(B)ラジカル重合性化合物として、(B1)フルオレン骨格含有ラジカル重合性化合物、(B2)インダン骨格含有ラジカル重合性化合物、及び(B3)柔軟鎖含有ラジカル重合性化合物からなる群より選ばれる一種類以上、並びに、(C1)光重合開始剤として、(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有することが好ましい。
<(D)着色剤、(Da)黒色剤、及び(Db)黒色以外の着色剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(D)着色剤を含有することが好ましい。(D)着色剤とは、可視光線の波長(380~780nm)の光を吸収することで着色する化合物をいう。(D)着色剤を含有させることで、組成物の膜を透過する光、又は組成物の膜から反射する光を所望の色に着色できる。また、組成物の膜に遮光性を付与できる。
(D)着色剤としては、(D1)顔料及び(D2)染料などを使用でき、特に可視光に遮光性が必要な場合、本発明の感光性樹脂組成物は、(Da)黒色剤を含有することが好ましい。(Da)黒色剤とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色化させる化合物をいう。(Da)黒色剤を含有させることで、組成物の膜が黒色化するため、組成物の膜の遮光性向上、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。そのため、画素分割層、電極絶縁層、配線絶縁層、TFT平坦化層、電極平坦化層、配線平坦化層、TFT保護層、電極保護層、配線保護層、層間絶縁層、ゲート絶縁層、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、又はブラックカラムスペーサーなどの用途に好適である。特に、外光反射の抑制によって高コントラスト化が要求される用途に好適であり、表示装置である有機ELディスプレイの遮光性を有する画素分割層、TFT平坦化層、TFT保護層、層間絶縁層、又はゲート絶縁層として好ましい。また、(Da)黒色剤を必ず含有し、さらに、(Db)黒色以外の着色剤を含有しても構わない。(Db)黒色以外の着色剤とは、可視光線の波長の光を吸収することで着色する化合物をいう。(Db)黒色以外の着色剤を含有させることで、組成物の膜を所望の色座標へと調整する調色が可能となる。
(D)着色剤における黒色とは、Colour Index Generic Name(以下、「C.I.ナンバー」)に“BLACK”が含まれるものをいう。C.I.ナンバーが付与されていないものを含有するときは、硬化膜とした場合に黒色であるものをいう。硬化膜とした場合における黒色とは、(D)着色剤を含有する組成物の硬化膜の透過スペクトルにおいて、波長550nmにおける膜厚1.0μmあたりの透過率を、ランベルト・ベールの式に基づいて、波長550nmにおける透過率が10%となるように膜厚を0.1~1.5μmの範囲内で換算した場合に、換算後の透過スペクトルにおける、波長450~650nmにおける透過率が、25%以下であることをいう。硬化膜の透過スペクトルは、国際公開第2019/087985号に記載の方法に基づき、求めることができる。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(D)着色剤の含有比率は、遮光性向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、(D)着色剤の含有比率は、露光時の感度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、70質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(Da)黒色剤の好ましい含有比率は、遮光性向上、発光素子の信頼性向上、露光時の感度向上の観点から、上述した(D)着色剤の好ましい含有比率の通りである。
(D2)染料とは、対象物の表面構造に化学吸着等をして対象物を着色させる化合物をいい、一般的に溶剤等に可溶である。(D2)染料としては、例えば、アントラキノン系染料、アゾ系染料、アジン系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、キノリン系染料、インジゴ系染料、インジゴイド系染料、カルボニウム系染料、スレン系染料、ペリノン系染料、ペリレン系染料、トリアリールメタン系染料、又はキサンテン系染料が挙げられる。
<(D1a)黒色顔料、及び(D1b)黒色以外の顔料>
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した(Da)黒色剤が、(D1a)黒色顔料を含有することが好ましい。(D1a)黒色顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色化させる顔料をいう。また、対象物の表面に物理吸着、又は、対象物の表面と相互作用等をして対象物を黒色化させる顔料であり、一般的に溶剤等に不溶である。(D1a)黒色顔料を含有させることで、組成物の膜の遮光性向上、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。
(D1a)黒色顔料としては、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料を含有することが好ましい。窒素原子を含む(D1a)黒色顔料を含有する感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することで、後述する表示装置又は有機ELディスプレイにおいて、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物としては、上述した(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、この(D1a)黒色顔料が、後述する(D1a-1)黒色有機顔料、(D1a-2)黒色無機顔料、及び(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であることがより好ましい。本発明の感光性樹脂組成物としては、(D1a)黒色顔料が、後述する(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-2)黒色無機顔料である場合において、さらに、(D1b)黒色以外の顔料を含有しても構わない。(D1b)黒色以外の顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで着色する顔料をいう。(D1b)黒色以外の顔料を含有させることで、組成物の膜を所望の色座標へと調整する調色が可能となる。本発明の感光性樹脂組成物としては、(D1b)黒色以外の顔料が、後述する青色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、橙色顔料、及び緑色顔料からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D1a)黒色顔料の好ましい含有比率は、遮光性向上、発光素子の信頼性向上、露光時の感度向上の観点から、上述した(D)着色剤の好ましい含有比率の通りである。
<(D1a-1)黒色有機顔料、(D1a-2)黒色無機顔料、及び(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、(D1a-2)黒色無機顔料、及び(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であることがより好ましく、露光時の感度向上の観点から、(D1a-1)黒色有機顔料がさらに好ましい。
(D1a-1)黒色有機顔料としては、例えば、アントラキノン系黒色顔料、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アニリン系黒色顔料、アゾ系黒色顔料、アゾメチン系黒色顔料、又はカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、又はランプブラックが挙げられる。
(D1a-2)黒色無機顔料としては、例えば、グラファイト若しくは銀スズ合金、又は、チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、若しくは銀などの金属における、微粒子、酸化物、複合酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、窒化物、炭化物、若しくは酸窒化物が挙げられる。
(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物とは、赤、橙、黄、緑、青、及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を組み合わせることで、擬似的に黒色化させる、着色顔料混合物をいう。二色以上の顔料を混合するため、組成物の膜を所望の色座標へと調整する調色が可能となる。本発明の感光性樹脂組成物としては、露光時の感度向上の観点から、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、(D1a-3a)青色顔料、赤色顔料、及び黄色顔料を含む着色顔料混合物、(D1a-3b)紫色顔料、及び黄色顔料を含む着色顔料混合物、(D1a-3c)青色顔料、赤色顔料、及び橙色顔料を含む着色顔料混合物、又は(D1a-3d)青色顔料、紫色顔料、及び橙色顔料を含む着色顔料混合物であることが好ましい。
青色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60、又は64が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。赤色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントレッド9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、190、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、又は250が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。黄色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、120、125、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、166、168、175、180、181、185、192、又は194が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。紫色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、又は50が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。橙色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントオレンジ12、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71、又は72が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。緑色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントグリーン7、10、36、又は58が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。
本発明の感光性樹脂組成物としては、上述した(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物において、露光時の感度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した青色顔料が、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、及びC.I.ピグメントブルー60からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、上述した赤色顔料が、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド179、及びC.I.ピグメントレッド190からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、上述した黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー192、及びC.I.ピグメントイエロー194からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、上述した紫色顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット29、及びC.I.ピグメントバイオレット37からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましく、上述した橙色顔料が、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、及びC.I.ピグメントオレンジ72からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D1a-1)黒色有機顔料、(D1a-2)黒色無機顔料、及び(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物からなる群より選ばれる一種類以上の好ましい含有比率は、遮光性向上、発光素子の信頼性向上、露光時の感度向上の観点から、上述した(D)着色剤の好ましい含有比率の通りである。
<(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(D1a-1)黒色有機顔料を含有し、
該(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有することがより好ましい。また、露光時の感度向上、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有することが好ましい。(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料は、一般的な有機顔料と比較して組成物中の顔料の単位含有比率当たりの遮光性に優れるため、膜の遮光性向上、及び露光時の感度向上が可能となる。加えて、膜の遮光性向上により、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の効果が顕著となる。また、一般的な有機顔料及び無機顔料と比較して絶縁性及び低誘電性に優れるため、発光素子の信頼性向上に効果があると考えられる。特に、表示装置である有機ELディスプレイの遮光性を有する画素分割層、TFT平坦化層、TFT保護層、層間絶縁層、又はゲート絶縁層などに好適であり、発光素子の信頼性を向上できる。
本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、後述する(F1)化合物として、一般式(12b)で表される化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上のアルカリ可溶性樹脂を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、さらに、後述する(F1)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
また同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、後述する(F1)化合物として、一般式(12b)で表される化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
さらに同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、(B)ラジカル重合性化合物、及び(C1)光重合開始剤として(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、さらに、後述する(F1)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有する場合、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、さらに、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含む場合、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上のアルカリ可溶性樹脂を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料、及び/又は(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、(D1a-3)二色以上の着色顔料混合物が、赤、橙、黄、緑、青及び紫色の顔料からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む場合、さらに、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
また同様に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述したA1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上のアルカリ可溶性樹脂を含有し、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有し、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料であり、(D1a)黒色顔料が、(D1a-1)黒色有機顔料であり、(D1a-1)黒色有機顔料が、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含む場合、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
感光性樹脂組成物としては、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含有する場合、後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。後述する(F)化合物として、後述する(F1)化合物、後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、(D)着色剤としては、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)着色剤として、特に、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有する場合、この顔料のアルカリ耐性不足に起因した顔料由来の現像残渣が高温プリベーク条件で顕著に発生する場合がある。本発明の感光性樹脂組成物は、後述する(FB-1)化合物及び/又は後述する(FB-2)化合物を含有することで、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。後述する(FB-1)化合物、及び後述する(FB-2)化合物としては、後述する特定の(FB-1)化合物、及び後述する特定の(FB-2)化合物が特に好ましい。
(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料としては、分子中にベンゾフラン-2(3H)-オン構造又はベンゾフラン-3(2H)-オン構造を有し、一般式(63)又は一般式(64)で表されるベンゾフラノン化合物、その幾何異性体、その塩、又はその幾何異性体の塩が好ましい。
一般式(63)及び一般式(64)において、R206、R207、R214、及びR215は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、又はフッ素原子を1~20個有する炭素数1~10のアルキル基を表す。R208、R209、R216、及びR217は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、R212、COOH、COOR212、COO-、CONH2、CONHR212、CONR212R213、CN、OH、OR212、OCOR212、OCONH2、OCONHR212、OCONR212R213、NO2、NH2、NHR212、NR212R213、NHCOR212、NR212COR213、N=CH2、N=CHR212、N=CR212R213、SH、SR212、SOR212、SO2R212、SO3R212、SO3H、SO3
-、SO2NH2、SO2NHR212、又はSO2NR212R213を表し、R212及びR213は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数4~10のシクロアルケニル基、又は炭素数2~10のアルキニル基を表す。複数のR208、R209、R216、又はR217で、直接結合、又は、酸素原子ブリッジ、硫黄原子ブリッジ、NHブリッジ、若しくはNR212ブリッジで環を形成しても構わない。R210、R211、R218、及びR219は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、及びアリール基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料としては、例えば、“IRGAPHOR”(登録商標) BLACK S0100CF(BASF社製)、国際公開第2010/081624号記載の黒色顔料、又は国際公開第2010/081756号記載の黒色顔料が挙げられる。
(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料とは、分子中にペリレン構造を有し、一般式(69)で表されるペリレン化合物が好ましい。
一般式(69)において、X92、及びX93は、それぞれ独立して、直接結合、又は炭素数1~10のアルキレン鎖を表す。Y92、及びY93は、それぞれ独立して、直接結合、又は炭素数6~15のアリーレン鎖を表す。R224及びR225は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数2~6のアシル基を表す。R226は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、又はフッ素原子を1~20個有する炭素数1~10のアルキル基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0~5の整数を表す。cは、0~8の整数を表す。X92、及びX93が、直接結合であって、Y92、及びY93が、直接結合の場合、R224及びR225は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~10のアルキル基が好ましく、a及びbは、1である。X92、及びX93が、炭素数1~10のアルキレン鎖であって、Y92、及びY93が、直接結合の場合、R224及びR225は、ヒドロキシ基が好ましく、a及びbは、1である。X92、及びX93が、炭素数1~10のアルキレン鎖であって、Y92、及びY93が、炭素数6~15のアリーレン鎖の場合、R224及びR225は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数2~6のアシル基が好ましい。a及びbは、それぞれ独立して、0~5の整数を表す。上述したアルキレン鎖、アリーレン鎖、アルコキシ基、アシル基、及びアルキル基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料としては、例えば、ピグメントブラック31又は32が挙げられる(数値はいずれもC.I.ナンバー)。上述した以外に、“PALIOGEN”(登録商標) BLACK S0084、同 K0084、同 L0086、同 K0086、同 EH0788、又は同 FK4281(以上、いずれもBASF社製)が挙げられる。
(D1a-1c)アゾ系黒色顔料とは、分子内にアゾ基を有し、一般式(72)で表されるアゾ化合物が好ましい。
一般式(72)において、X96は、炭素数6~15のアリーレン鎖を表す。Y96は、炭素数6~15のアリーレン鎖を表す。R275、R276、及びR277は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。R278は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、又はニトロ基を表す。R279は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10のアシルアミノ基、又はニトロ基を表す。R280、R281、R282、及びR283は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。aは、0~4の整数を表し、bは、0~2の整数を表し、cは、0~4の整数を表し、d及びeは、それぞれ独立して、0~8の整数を表し、nは、1~4の整数を表す。上述したアリーレン鎖、アルキル基、アルコキシ基、及びアシルアミノ基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(D1a-1c)アゾ系黒色顔料としては、例えば、“CHROMOFINE”(登録商標) BLACK A1103(大日精化工業社製)、特開平01-170601号公報に記載された黒色顔料、又は特開平02-034664号公報に記載された黒色顔料が挙げられる。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上の含有比率は、遮光性向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましい。一方、(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料、(D1a-1b)ペリレン系黒色顔料、及び(D1a-1c)アゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上の含有比率は、露光時の感度向上の観点から、70質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましい。
<(DC)被覆層>
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(D1a-1)黒色有機顔料が、さらに、(DC)被覆層を含有することが好ましい。(DC)被覆層とは、例えば、シランカップリング剤による表面処理、ケイ酸塩による表面処理、金属アルコキシドによる表面処理又は樹脂による被覆処理などの処理で形成される、顔料表面を被覆する層をいう。(DC)被覆層を含有させることで、前記(D1a-1)黒色有機顔料の粒子表面の酸性化、塩基性化、親水性化又は疎水性化などによって、粒子の表面状態を改質でき、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、分散安定性、又は耐熱性などを向上できる。それにより、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生の抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また、粒子表面に絶縁性の被覆層を形成させることで、硬化膜の絶縁性向上によるリーク電流低減により、発光素子の信頼性向上が可能となる。本発明の感光性樹脂組成物は、上述した(D1a-1)黒色有機顔料として、特に(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有する場合、(DC)被覆層を含有させることで、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生の抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
前記(D1a-1)黒色有機顔料に対する、(DC)被覆層による平均被覆率は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、50%以上が好ましく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。前記(D1a-1)黒色有機顔料に対する、(DC)被覆層による平均被覆率は、国際公開第2019/087985号に記載の方法に基づき、求めることができる。
<(DC-1)シリカ被覆層、(DC-2)金属酸化物被覆層、及び(DC-3)金属水酸化物被覆層>
本発明の感光性樹脂組成物は、(DC)被覆層として、(DC-1)シリカ被覆層、(DC-2)金属酸化物被覆層、及び(DC-3)金属水酸化物被覆層からなる群より選ばれる一種類を含有することが好ましい。シリカ、金属酸化物、及び金属水酸化物は、顔料に耐アルカリ性を付与することができ、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を抑制できる。シリカとしては、二酸化ケイ素又はその含水物が挙げられる。金属酸化物としては、金属酸化物又はその水和物が挙げられる。金属酸化物としてはアルミナが挙げられ、例えば、アルミナ(Al2O3)又はアルミナ水和物(Al2O3・nH2O)が挙げられる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が挙げられる。シリカは誘電率が低いため、(DC)被覆層の含有量を増加した場合においても誘電率の上昇を抑制でき、発光素子の信頼性向上が可能となる。
(DC)被覆層が、(DC-1)シリカ被覆層を含有する場合、シリカの含有量は、顔料の粒子を100質量部とした場合において、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生抑制の観点から、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、シリカの含有量は、現像後の解像度向上の観点から、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
(DC)被覆層が、(DC-2)金属酸化物被覆層及び/又は(DC-3)金属水酸化物被覆層を含有する場合、金属酸化物及び金属水酸化物の含有量の合計は、顔料の粒子を100質量部とした場合において、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生抑制の観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。一方、金属酸化物及び金属水酸化物の含有量の合計は、塗液の保管安定性向上の観点から、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
<(E)分散剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(E)分散剤を含有することが好ましい。(E)分散剤とは、上述した(D1)顔料などの表面と相互作用する表面親和性基と、(D1)顔料などの分散安定性を向上させる分散安定化構造を有する化合物をいう。(E)分散剤の分散安定化構造としては、立体障害によって分散安定化に寄与するポリマー鎖、又は、静電反発によって分散安定化に寄与するイオン性置換基若しくは極性置換基などが挙げられる。特に、(D1)顔料の数平均粒子径が500nm以下である場合、数平均粒子径が小さくなるほど表面積の増大によって粒子が凝集しやすくなるため、顔料由来の現像残渣が高温プリベーク条件で顕著に発生する場合がある。本発明の感光性樹脂組成物は、(E)分散剤を含有させることで、(D1)顔料の分散安定性向上が可能となり、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生の抑制、現像後の解像度向上、及び塗液の保管安定性向上が可能となる。加えて、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
(E)分散剤としては、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、窒素原子を含む(E)分散剤を含有することが好ましい。窒素原子を含む(E)分散剤を含有する感光性樹脂組成物の硬化膜を形成することで、後述する表示装置又は有機ELディスプレイにおいてシアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成することができる。
(E)分散剤としては、例えば、塩基性基のみを有する分散剤、塩基性基及び酸性基を有する分散剤、酸性基のみを有する分散剤、塩基性基が酸と塩形成した構造を有する分散剤、酸性基が塩基と塩形成した構造を有する分散剤、又は塩基性基及び酸性基のいずれも有しない分散剤が挙げられる。分散安定性向上、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後の解像度向上の観点、並びに、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、塩基性基のみを有する分散剤、塩基性基及び酸性基を有する分散剤、塩基性基が酸と塩形成した構造を有する分散剤、又は酸性基が塩基と塩形成した構造を有する分散剤が好ましく、塩基性基のみを有する分散剤、又は塩基性基及び酸性基を有する分散剤がより好ましい。
(E)分散剤が有する塩基性基としては、三級アミノ基、ピロリジン骨格、ピロール骨格、イミダゾール骨格、ピラゾール骨格、イミダゾリン骨格、ピペリジン骨格、ピペラジン骨格、モルホリン骨格、又はピリジン骨格などの含窒素環骨格が好ましく、三級アミノ基がより好ましい。(E)分散剤が有する酸性基としては、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、又はヒドロキシイミド基が好ましく、カルボキシ基、又はカルボン酸無水物基がより好ましい。(E)分散剤が有する塩基性基が酸と塩形成した構造としては、四級アンモニウム塩構造、又は上述した含窒素環骨格が塩形成した構造が好ましく、四級アンモニウム塩構造がより好ましい。塩基性基が酸と塩形成した構造において、カウンターアニオンとしては、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、フェノキシアニオン、硫酸アニオン、硝酸アニオン、リン酸アニオン、又はハロゲンアニオンが好ましく、カルボン酸アニオンがより好ましい。
(E)分散剤のアミン価としては、分散安定性向上の観点から、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、アミン価としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、150mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。ここでいうアミン価とは、(E)分散剤1g当たりと反応する酸と当量の水酸化カリウムの質量をいい、単位はmgKOH/gである。(E)分散剤1gを酸で中和させた後、水酸化カリウム水溶液で滴定することで求めることができる。アミン価の値から、アミノ基などの塩基性基1mol当たりの樹脂質量であるアミン当量(単位はg/mol)を算出することができ、(E)分散剤中のアミノ基などの塩基性基の数を求めることができる。
(E)分散剤の酸価としては、分散安定性向上の観点から、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、酸価としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、150mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。ここでいう酸価とは、(E)分散剤1g当たりと反応する水酸化カリウムの質量をいい、単位はmgKOH/gである。(E)分散剤1gを水酸化カリウム水溶液で滴定することで求めることができる。酸価の値から、酸性基1mol当たりの樹脂質量である酸当量(単位はg/mol)を算出することができ、(E)分散剤中の酸性基の数を求めることができる。
ポリマー鎖を有する(E)分散剤としては、アクリル樹脂系分散剤、ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤、ポリエステル系分散剤、ポリウレタン系分散剤、ポリオール系分散剤、ポリオキシアルキレンアミン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、又はポリアリルアミン系分散剤が好ましく、分散安定性向上、及び高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点、並びに、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、アクリル樹脂系分散剤、ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤、ポリウレタン系分散剤、ポリオキシアルキレンアミン系分散剤、又はポリエチレンイミン系分散剤が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(E1)塩基性基を有する顔料分散剤を含有し、該(E1)化合物が、一般式(32)~(34)で表される構造からなる群より選ばれる一種類以上、及びポリオキシアルキレン構造を有することがより好ましい。(E1)塩基性基を有する顔料分散剤としては、顔料分散液の保管時の粘度上昇抑制、硬化膜の平坦性向上、及び高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点、並びに、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(32)で表される構造、及びポリオキシアルキレン構造を有することがさらに好ましい。
一般式(32)~(34)において、R27~R30は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基を表す。nは1~9の整数を表す。*1~*6は、それぞれ独立して、ポリオキシアルキレン構造との結合点を表す。
本発明の感光性樹脂組成物が(D1)顔料を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(E)分散剤の含有量は、(D1)顔料を100質量部とした場合において、分散安定性向上、及び高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、5質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。一方、(E)分散剤の含有比率は、現像後のパターン剥がれ抑制、及び高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
<(F)リン原子を有する化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(F1)リン原子、及び炭素数6~30の1~2価の脂肪族基を有する化合物(以下、「(F1)化合物」)、及び/又は、(FB)リン原子、及びベタイン構造を有するベタイン化合物(以下、「(FB)化合物」)を含有する。(F1)化合物及び/又は(FB)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。
ベタイン(betaine)とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷を持つ原子には解離しうる水素が結合しておらず(四級アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどのカチオン構造をとる)、分子全体としては電荷を持たない化合物(分子内塩)の総称である。
なお、本発明の感光性樹脂組成物が含有する(F)リン原子を有する化合物(以下、「(F)化合物」)としては、上述した(F1)化合物及び/又は(FB)化合物を含有する。また、(F)化合物としては、(F1)リン原子、及び炭素数6~30の1~2価の脂肪族基を有する化合物、(FB-1)ベタイン型リン脂質(以下、「(FB-1)化合物」)、(FB-2)脂肪族基含有ベタイン化合物(以下、「(FB-2)化合物」)、(FB-3)反応性基含有ベタイン化合物(以下、「(FB-3)化合物」)、(FB-4)ベタイン型樹脂(以下、「(FB-4)化合物」)、(FC-1)非ベタイン型リン脂質(以下、「(FC-1)化合物」)、(F2)リン原子、及び芳香族基を有する化合物(以下、「(F2)化合物」)、及び(F3)リン原子、及び反応性基を有する化合物(以下、「(F3)化合物」)からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(F1)化合物が、リン原子を含む酸性基、及びリン原子を含む酸性基が塩形成した構造からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、前記(FB)化合物が、リン原子を含むアニオン構造を有するベタイン化合物を含み、該(F1)化合物及び該(FB)化合物が、リン原子に結合する置換基及び/又はP-O結合上の酸素原子に結合する置換基として、炭素数6~30の1~2価の脂肪族基及び/又はベタイン構造を有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(F1)化合物、及び、前記(FB)化合物を含有し、該(F1)化合物が、リン原子を含む酸性基、及びリン原子を含む酸性基が塩形成した構造からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、該(FB)化合物が、リン原子を含むアニオン構造を有するベタイン化合物を含むことがより好ましい。
リン原子を含む酸性基が塩形成した構造としては、リン原子を含む酸性基のアニオン構造と、カチオン構造を有する化合物とが、塩形成した構造が挙げられる。カチオン構造を有する化合物としては、金属原子のカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、及びスルホニウムカチオンからなる群より選ばれる一種類以上を有する化合物が挙げられ、アンモニウムカチオン、及びホスホニウムカチオンからなる群より選ばれる一種類以上を有する化合物が好ましく、アンモニウムカチオンを有する化合物がより好ましい。アンモニウムカチオンとしては、モノアルキルアンモニウムカチオン、ジアルキルアンモニウムカチオン、又はトリアルキル四級アンモニウムカチオンが好ましく、トリアルキル四級アンモニウムカチオンがより好ましい。アンモニウムカチオンとしては、少なくとも1つの炭素数1~30の脂肪族基を有することが好ましく、炭素数1~15の脂肪族基を有することがより好ましく、炭素数1~10の脂肪族基を有することがさらに好ましく、炭素数1~6の脂肪族基を有することが特に好ましい。脂肪族基としては、1~2価の直鎖構造及び/又は分岐構造の脂肪族基が好ましく、直鎖構造のアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基がさらに好ましい。
(FB)化合物は、分子中に少なくとも、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造を有することが好ましい。(FB)化合物としては、例えば、α-グリセリルホスホリルコリン、α-グリセリルホスホリルエタノールアミン、α-グリセリルホスホリルセリン、ホスホリルコリン、ホスホリルエタノールアミン、又はホスホリルセリンが好ましい。
なお、(FB)リン原子、及びベタイン構造を有するベタイン化合物としては、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、(FB-1)化合物、及び/又は(FB-2)化合物を含有することがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(F1)化合物が、リン原子を含む酸性基、及びリン原子を含む酸性基が塩形成した構造からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、かつ該(F1)化合物が、一般式(11a)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含み、
前記(FB)化合物が、リン原子を含むアニオン構造を有するベタイン化合物を含み、かつ該(FB)化合物が、(FB-1)ベタイン型リン脂質、(FB-2)脂肪族基含有ベタイン化合物、(FB-3)反応性基含有ベタイン化合物、及び(FB-4)ベタイン型樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含み、
該(FB-1)化合物が、リン原子を含むアニオン構造、アンモニウムカチオン構造、並びに、炭素数6~30の脂肪族エステル構造及び/又は炭素数6~30の脂肪族エーテル構造、を有する化合物を含み、
該(FB-2)化合物が、一般式(25a)で表される化合物を含み、
該(FB-3)化合物が、リン原子を含むアニオン構造、アンモニウムカチオン構造、並びに、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、
該(FB-4)化合物が、リン原子を含むアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造、を含む構造単位、を有する樹脂を含むことがより好ましい。
一般式(11a)において、X1は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Y1及びY5は、それぞれ独立して、直接結合又は酸素原子を表す。Z1及びZ5は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~30の2価の脂肪族基を表す。Z1が直接結合の場合、対応するR31は、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。Z5が直接結合の場合、対応するR35は、水素原子、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。なおR31が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するR35は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。Z1とZ5の少なくともいずれかが、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR31及び/又はR35は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。aは0又は1を表す。Z1及びZ5における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R31及びR35における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(25a)において、X21は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Y21及びY24は、それぞれ独立して、直接結合又は酸素原子を表す。Z21は、直接結合、炭素数6~30の2価の脂肪族基、又は一般式(10)で表される基を表す。Z21が直接結合又は一般式(10)で表される基の場合、対応するR121は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。Z21が炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR121は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。Z24は、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R124は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R127~R129は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。aは0又は1を表す。cは0~4の整数を表す。Z21における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R121における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(10)において、Y27は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R136は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(25a)中のリン原子又はY21との結合点を表す。*2は、一般式(25a)中のR121との結合点を表す。
一般式(11a)において、X1は、酸素原子であることが好ましい。Z1は、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z5は、直接結合が好ましい。aは、1が好ましい。Z1及びZ5における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R31及びR35における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基が好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
一般式(25a)において、X21は、酸素原子であることが好ましい。Z21は、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z24は、炭素数1~4の2~6価の脂肪族基が好ましい。R124は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基が好ましい。R127~R129は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。Z21における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R121における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
<(F1)リン原子、及び炭素数6~30の1~2価の脂肪族基を有する化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(F1)リン原子、及び炭素数6~30の1~2価の脂肪族基を有する化合物(以下、「(F1)化合物」)を含有することが好ましい。(F1)化合物としては、上述した一般式(11a)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含有することが好ましい。また、(F1)化合物としては、一般式(11)~(13)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上、を含有することがより好ましい。(F1)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(11)~(13)で表される化合物、及びそれらの塩のうち、2つ以上の化合物を含有することも好ましい。
(F1)化合物は、(I)炭素数6~30の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、及び/又は、(II)炭素数6~30の2価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基を有する。
一般式(11)~(13)において、X1~X3は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z1~Z3、及びZ5~Z7は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~30の2価の脂肪族基を表す。一般式(11)におけるZ1が、直接結合の場合、対応するR31は、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(12)及び(13)における、Z2及び対応するR32、並びに、Z3及び対応するR33においても一般式(11)におけるZ1及び対応するR31の関係と同様である。一般式(11)におけるZ5が、直接結合の場合、対応するR35は、水素原子、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(12)及び(13)における、Z6及び対応するR36、並びに、Z7及び対応するR37においても一般式(11)におけるZ5及び対応するR35の関係と同様である。なお、一般式(11)におけるR31が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するR35は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(12)及び(13)における、R32及び対応するR36、並びに、R33及び対応するR37においても一般式(11)におけるR31及び対応するR35の関係と同様である。一般式(11)におけるZ1とZ5の少なくともいずれかが、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR31及び/又はR35は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。一般式(12)~(13)における、Z2とZ6及び対応するR32とR36、並びに、Z3とZ7及び対応するR33とR37においても一般式(11)におけるZ1とZ5及び対応するR31とR35の関係と同様である。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。Z1~Z3、及びZ5~Z7における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R31~R33、及びR35~R37における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(11)~(13)において、X1~X3は、酸素原子であることが好ましい。Z1~Z3は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z5~Z7は、それぞれ独立して、直接結合が好ましい。一般式(11)におけるZ1が、直接結合の場合、対応するR31は、炭素数6~15の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基が好ましい。一般式(12)及び(13)における、Z2及び対応するR32、並びに、Z3及び対応するR33においても一般式(11)におけるZ1及び対応するR31の関係と同様である。一般式(11)におけるZ5が、直接結合の場合、対応するR35は、水素原子、炭素数6~15の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基が好ましく、水素原子がより好ましい。一般式(12)及び(13)における、Z6及び対応するR36、並びに、Z7及び対応するR37においても一般式(11)におけるZ5及び対応するR35の関係と同様である。一般式(11)におけるZ1とZ5の少なくともいずれかが、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR31及び/又はR35は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数6~15のアリールオキシ基、炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、炭素数1~12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基、炭素数2~10のアルコキシポリアルキレンオキシ基、炭素数2~10のヒドロキシポリアルキレンオキシ基、又はフタルイミド基が好ましく、水素原子、炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、又は炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基がより好ましい。一般式(12)~(13)における、Z2とZ6及び対応するR32とR36、並びに、Z3とZ7及び対応するR33とR37においても一般式(11)におけるZ1とZ5及び対応するR31とR35の関係と同様である。a及びbは、それぞれ独立して、1が好ましい。Z1~Z3、及びZ5~Z7における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R31~R33、及びR35~R37における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基が好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(F1)化合物が、脂肪族基含有ホスホン酸、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル、脂肪族基含有亜リン酸モノエステル、及び脂肪族基含有亜リン酸ジエステルからなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましい。
(F1)化合物が、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、脂肪族基含有リン酸モノエステル、脂肪族基含有リン酸ジエステル、脂肪族基含有亜リン酸モノエステル、脂肪族基含有亜リン酸ジエステル、脂肪族基含有ホスホン酸、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル、脂肪族基含有次亜リン酸、脂肪族基含有次亜リン酸モノエステル、脂肪族基含有ホスフィン酸、脂肪族基含有チオリン酸モノエステル、及び脂肪族基含有チオリン酸ジエステルからなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、脂肪族基含有リン酸モノエステル、脂肪族基含有亜リン酸モノエステル、脂肪族基含有ホスホン酸、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル、脂肪族基含有次亜リン酸、及び脂肪族基含有ホスフィン酸からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましく、脂肪族基含有ホスホン酸、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル、脂肪族基含有亜リン酸モノエステル、及び脂肪族基含有亜リン酸ジエステルからなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを含有し、前記(F1)化合物が、炭素数6~10の1~2価の脂肪族基を有することが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は、後述するアセテート結合を有する溶剤として、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを含有し、かつ(F1)化合物としては、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3が、直接結合の場合、R31~R33における炭素数6~30の1価の脂肪族基が、それぞれ独立して炭素数6~10の1価の脂肪族基であり、上述した一般式(11)~(13)中、Z5~Z7が、直接結合の場合、R35~R37は、水素原子、又は炭素数6~30の1価の脂肪族基であって、R35~R37における炭素数6~30の1価の脂肪族基が、それぞれ独立して炭素数6~10の1価の脂肪族基であり、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3が、それぞれ独立して炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、Z1~Z3が、それぞれ独立して炭素数6~10の2価の脂肪族基であり、上述した一般式(11)~(13)中、Z5~Z7が、それぞれ独立して炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、Z5~Z7が、それぞれ独立して炭素数6~10の2価の脂肪族基であることが好ましい。なお、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
(F1)化合物が、上述した特定の炭素数の1価の脂肪族基、又は特定の炭素数の2価の脂肪族基を有することで、特異的に(F1)化合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートへの溶解性を顕著に向上できる。それにより、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。従って、本発明の感光性樹脂組成物が、後述するアセテート結合を有する溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する場合、特に好適である。特に、本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物が、上述した特定の炭素数の1価の脂肪族基、又は特定の炭素数の2価の脂肪族基を有する場合、溶剤に占めるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有比率は、30~100質量%がより好ましく、50~100質量%がさらに好ましく、70~100質量%が特に好ましい。
(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(11)~(13)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上、を含み、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3及びZ5~Z7が、直接結合であり、R31~R33及びR35~R37が、それぞれ独立して炭素数6~30の1価の脂肪族基であることが好ましい。(F1)化合物としては、同様の観点から、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3及びZ5~Z7が、直接結合であり、R31~R33が、それぞれ独立して炭素数6~30の1価の脂肪族基であって、R35~R37が、水素原子であることがより好ましい。
(F1)化合物において、一般式(11)~(13)で表される化合物としては、例えば、リン酸ヘキシル、リン酸2-エチルヘキシル、リン酸オクチル、リン酸デシル、リン酸ドデシル、リン酸オクタデシル、リン酸ステアリル、リン酸テトラコシル、リン酸ジヘキシル、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ジオクチル、リン酸ジデシル、リン酸ジドデシル、リン酸ジオクタデシル、リン酸ジステアリル、ヘキシルホスホン酸、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、ステアリルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸ヘキシル、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸2-エチルヘキシル、オクチルホスホン酸オクチル、デシルホスホン酸デシル、ドデシルホスホン酸ドデシル、オクタデシルホスホン酸オクタデシル、ステアリルホスホン酸ステアリル、ヘキシルホスフィン酸、(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、(トリメチルペンチル)ホスフィン酸、オクチルホスフィン酸、デシルホスフィン酸、ドデシルホスフィン酸、オクタデシルホスフィン酸、ステアリルホスフィン酸、テトラコシルホスフィン酸、ジヘキシルホスフィン酸、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(トリメチルペンチル)ホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、ジデシルホスフィン酸、ジドデシルホスフィン酸、ジオクタデシルホスフィン酸、又はジステアリルホスフィン酸が挙げられる。
(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上(以下、「特定の(F1)化合物」)を含むことが好ましい。(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含み、さらに、一般式(11)~(13)で表される化合物、及びそれらの塩のうち、一種類以上の化合物を含有することも好ましい。
一般式(12b)において、Z2及びZ6は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~30の2価の脂肪族基を表す。一般式(12b)におけるZ2が、直接結合の場合、対応するR32は、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(12b)におけるZ6が、直接結合の場合、対応するR36は、水素原子、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。なお、一般式(12b)におけるR32が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するR36は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(12b)におけるZ2とZ6の少なくともいずれかが、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR32及び/又はR36は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。Z2及びZ6における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R32及びR36における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(12b)において、Z2及びZ6は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z2及びZ6における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R32及びR36における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基が好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含むことが好ましい。(F1)化合物として、特定構造の脂肪族基を有する化合物を含有させることで、これらの樹脂に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また、下地の基板との密着性向上の効果が顕著となる。一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、と組み合わされる(A)アルカリ可溶性樹脂としては、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、及び(A2-1)ポリシロキサンからなる群より選ばれる一種類以上を含有することよりが好ましく、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドからなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましく、(A1-1)ポリイミド、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、及び(A1-5)ポリアミドイミドからなる群より選ばれる一種類以上を含有することが特に好ましい。
(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含み、さらに、一般式(11b)で表される化合物、一般式(13b)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含むことがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(A1-5)ポリアミドイミド、(A2-1)ポリシロキサン、(A2-2)多環側鎖含有樹脂、及び(A2-3)酸変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合、(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(12b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含み、さらに、一般式(11b)で表される化合物、一般式(13b)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含むことがより好ましい。
一般式(11b)及び(13b)において、Z1、Z3、Z5及びZ7は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~30の2価の脂肪族基を表す。一般式(11b)におけるZ1が、直接結合の場合、対応するR31は、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(13b)における、Z3及び対応するR33においても一般式(11b)におけるZ1及び対応するR31の関係と同様である。一般式(11b)におけるZ5が、直接結合の場合、対応するR35は、水素原子、炭素数6~30の1価の脂肪族基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(13b)における、Z7及び対応するR37においても一般式(11b)におけるZ5及び対応するR35の関係と同様である。なお、一般式(11b)におけるR31が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するR35は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(13b)における、R33及び対応するR37においても一般式(11b)におけるR31及び対応するR35の関係と同様である。一般式(11b)におけるZ1とZ5の少なくともいずれかが、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR31及び/又はR35は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。一般式(13b)における、Z3とZ7及び対応するR33とR37においても一般式(11b)におけるZ1とZ5及び対応するR31及び/又はR35の関係と同様である。Z1、Z3、Z5及びZ7における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R31、R33、R35及びR37における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(11b)及び(13b)において、Z1、Z3、Z5及びZ7は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z1、Z3、Z5及びZ7における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R31、R33、R35及びR37における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、フッ素原子で置換された基を有することが好ましい。また、上述した(A1-1)ポリイミド、(A1-2)ポリイミド前駆体、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体、及び(A1-5)ポリアミドイミドが、フッ素原子を有する構造単位を含有する場合、これらの樹脂に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生を顕著に抑制できる。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
(F1)化合物が、フッ素原子で置換された基を有する態様としては、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3、及びZ5~Z7が、それぞれ独立して直接結合の場合、R31~R33、及びR35~R37が、それぞれ独立して、フッ素原子を置換された炭素数6~15の1価の脂肪族基であることが好ましい。同様に、上述した一般式(11)~(13)中、Z1~Z3、及びZ5~Z7が、それぞれ独立して炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、R31~R33、及びR35~R37が、それぞれ独立して、フッ素原子で置換された炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、又はフッ素原子で置換された炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基であることが好ましい。
フッ素原子で置換された基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタフルオロデシル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ヘンエイコサフルオロドデシル基、フルオロシクロペンチル基、テトラフルオロシクロペンチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロプロポキシ基、テトラフルオロプロポキシ基、ノナフルオロヘキシルオキシ基、テトラフルオロシクロペンチルオキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、又はトリフルオロメチルフェノキシ基が挙げられる。
上述した光反応性基としては、(メタ)アクリル基、スチリル基、シンナミル基、又はマレイミド基が好ましく、(メタ)アクリル基がより好ましい。上述した熱反応性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、カルボキシ基、アミノ基、又はメルカプト基が好ましく、エポキシ基がより好ましい。上述した炭素数2~5のアルケニル基又は炭素数2~5のアルキニル基としては、ビニル基、アリル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、エチニル基、又は2-プロパルギル基が好ましく、ビニル基、又はアリル基がより好ましく、ビニル基がさらに好ましい。
(F1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(I)炭素数6~10の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、及び(II)光反応性基又は炭素数2~5のアルケニル基を有する化合物(以下、「反応性基含有(F1)化合物」)も好ましい。反応性基含有(F1)化合物としては、例えば、リン酸ヘキシル・ビニル、リン酸オクチル・ビニル、リン酸デシル・ビニル、リン酸オクチル・アリル、リン酸オクチル・スチリル、ヘキシルホスホン酸ビニル、オクチルホスホン酸ビニル、デシルホスホン酸ビニル、オクチルホスホン酸アリル、オクチルホスホン酸スチリル、ビニルホスホン酸ヘキシル、ビニルホスホン酸オクチル、ビニルホスホン酸デシル、アリルホスホン酸オクチル、スチリルホスホン酸オクチル、ヘキシル・ビニルホスフィン酸、オクチル・ビニルホスフィン酸、デシル・ビニルホスフィン酸、オクチル・アリルホスフィン酸、オクチル・スチリルホスフィン酸EO変性リン酸オクチル・(メタ)アクリル、EO変性リン酸オクチル・ビニル、EO変性リン酸オクチル・アリル、PO変性リン酸オクチル・(メタ)アクリル、PO変性リン酸オクチル・ビニル、PO変性リン酸オクチル・アリル、BO変性リン酸オクチル・(メタ)アクリル、BO変性リン酸オクチル・ビニル、又はBO変性リン酸オクチル・アリルが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物が、(C)感光剤として、(C1)光重合開始剤を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(F1)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。一方、(F1)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(C)感光剤として、(C3)ナフトキノンジアジド化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(F1)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましく、1質量部以上が特に好ましい。一方、(F1)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、4質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下がさらに好ましく、2質量部以下が特に好ましい。
<(FB-1)ベタイン型リン脂質、及び(FB-2)脂肪族基含有ベタイン化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(FB-1)ベタイン型リン脂質(以下、「(FB-1)化合物」)、及び/又は(FB-2)脂肪族基含有ベタイン化合物(以下、「(FB-2)化合物」)を含有することが好ましい。(FB-1)化合物としては、上述したリン原子を含むアニオン構造、アンモニウムカチオン構造、並びに、炭素数6~30の脂肪族エステル構造及び/又は炭素数6~30の脂肪族エーテル構造を有する化合物を含有することが好ましい。(FB-2)化合物としては、上述した一般式(25a)で表される化合物を含有することが好ましい。また、(FB-2)化合物としては、一般式(25)~(27)で表される化合物からなる群より選択される1種以上、を含有することがより好ましい。(FB-1)化合物、及び/又は(FB-2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、2つ以上の(FB-1)ベタイン型リン脂質を含有することも好ましく、(FB-2)一般式(25)~(27)で表される化合物のうち、2つ以上の化合物を含有することも好ましく、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含有することも好ましい。
(FB-1)化合物は、分子中に少なくとも、(I)リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造を有する。さらに、(III)炭素数6~30の脂肪酸化合物に由来する脂肪酸エステル構造、及び/又は、炭素数6~30の脂肪族アルコールに由来する脂肪族エーテル構造を有することが好ましい。(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含む。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物を含み、さらに、特定の(FB-1)化合物及び/又は特定の(FB-2)化合物を含有することが特に好ましい。
(FB-2)化合物は、分子中に少なくとも、(I)リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造を有する。さらに、(IV)炭素数6~30の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、及び/又は、(V)炭素数6~30の2価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基を有することが好ましい。
一般式(25)~(27)において、X21~X23は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z21~Z23は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数6~30の2価の脂肪族基、又は一般式(10)で表される基を表す。一般式(25)におけるZ21が、直接結合又は一般式(10)で表される基の場合、対応するR121は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(26)及び(27)における、Z22及び対応するR122、並びに、Z23及び対応するR123においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。一般式(25)におけるZ21が、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR121は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。一般式(26)~(27)における、Z22及び対応するR122、並びに、Z23及び対応するR123においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。Z24~Z26は、それぞれ独立して、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R124~R126は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R127~R135は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。c、d、及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を表し、x+y=1である。Z21~Z23における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R121~R123における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(10)において、Y27は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R136は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(25)中の酸素原子との結合点、一般式(26)中の酸素原子若しくはリン原子との結合点、又は一般式(27)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(25)中のR121との結合点、一般式(26)中のR122との結合点、又は一般式(27)中のR123との結合点を表す。
一般式(25)~(27)において、X21~X23は、酸素原子であることが好ましい。Z21~Z23は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。一般式(25)におけるZ21が、直接結合の場合、対応するR121は、炭素数6~15の1価の脂肪族基が好ましい。一般式(26)及び(27)における、Z22及び対応するR122、並びに、Z23及び対応するR123においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。一般式(25)におけるZ21が、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR121は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数6~15のアリールオキシ基、炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、炭素数1~12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基、炭素数2~10のアルコキシポリアルキレンオキシ基、炭素数2~10のヒドロキシポリアルキレンオキシ基、又はフタルイミド基が好ましい。一般式(26)~(27)における、Z22及び対応するR122、並びに、Z23及び対応するR123においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。Z24~Z26は、それぞれ独立して、炭素数1~4の2~6価の脂肪族基が好ましい。R124~R126は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基が好ましい。R127~R135は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。Z21~Z23における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R121~R123における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した(I)ベタイン構造における、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造としては、脂肪族基含有リン酸ジエステル型アニオン、脂肪族基含有亜リン酸ジエステル型アニオン、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アニオン、脂肪族基含有次亜リン酸モノエステル型アニオン、脂肪族基含有ホスフィン酸アニオン、及び脂肪族基含有チオリン酸ジエステル型アニオンからなる群より選ばれる構造であることが好ましく、脂肪族基含有リン酸ジエステル型アニオン、及び/又は脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アニオンであることがより好ましく、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アニオンであることがさらに好ましい。
同様の観点から、上述した(I)ベタイン構造における、アンモニウムカチオン構造としては、アンモニウムカチオン、モノアルキルアンモニウムカチオン、ジアルキルアンモニウムカチオン、又はトリアルキル四級アンモニウムカチオンが好ましく、トリアルキル四級アンモニウムカチオンがより好ましい。
なお、アンモニウムカチオン構造中のアルキル基とは別に、アンモニウムカチオン構造と、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造とを連結する構造として、炭素数1~6の2価の脂肪族基を有する。アンモニウムカチオン構造と、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造とを連結する構造としては、炭素数1~4の2価の脂肪族基が好ましい。炭素数1~6の2価の脂肪族基は、置換基として、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を有しても構わない。
上述した(I)ベタイン構造における、アンモニウムカチオン構造、並びに、上述したアンモニウムカチオン構造と、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造とを連結する構造、の両方を包含する構造としては、少なくとも1つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアンモニウム基又はアミノ基を有する炭素数1~6の窒素含有脂肪族アルコール化合物に由来する構造がより好ましい。少なくとも1つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアンモニウム基又はアミノ基を有する炭素数1~6の窒素含有脂肪族アルコール化合物としては、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、セリン、トレオニン、チオシン、又はコリンが好ましく、エタノールアミン、セリン、又はコリンがより好ましく、コリンがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを少なくとも含み、さらに、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、及び/又は、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル、ヒドロキシ酢酸アルキル、及び酢酸ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる一種類以上、を含有し、前記(FB)化合物が、リン原子を含むアニオン構造、及びトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、後述するアセテート結合を有する溶剤として、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを少なくとも含み、さらに、後述するエーテル結合を分子中に3つ以上有する溶剤として、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、及び/又は、後述するアルコール性水酸基を有する溶剤として、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル、ヒドロキシ酢酸アルキル、及び酢酸ヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる一種類以上を含有する場合(以下、「特定の溶剤を含有する場合」)において、(FB-1)化合物を含む場合、(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した(I)ベタイン構造として、トリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する化合物を少なくとも含むことが好ましい。トリアルキル四級アンモニウムカチオン構造としては、炭素数1~6のアルキル基を3つ有することが好ましく、炭素数1~4のアルキル基を3つ有することがより好ましい。(FB-1)化合物としては、上述した(I)ベタイン構造として、トリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する化合物であることがより好ましい。同様に、上述した特定の溶剤を含有する場合において、(FB-2)化合物を含む場合(FB-2)化合物としては、上述した一般式(25)~(27)中、R127~R135が、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基であることがより好ましい。(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が、上述したトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有することで、特異的に(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の溶剤への溶解性を顕著に向上できる。それにより、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。従って、本発明の感光性樹脂組成物が、特定の溶剤を含有する場合、特に好適である。なお、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。また、ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルがより好ましい。また、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル、ヒドロキシ酢酸アルキル、又は酢酸ヒドロキシアルキルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、酢酸2-ヒドロキシメチル、及び酢酸2-ヒドロキシエチルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、又は酢酸2-ヒドロキシエチルがより好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が、上述したトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する場合、溶剤に占めるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有比率は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。一方、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有比率は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が、上述したトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する場合、溶剤に占めるジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、及び酢酸2-ヒドロキシエチルの含有比率の合計は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、及び酢酸2-ヒドロキシエチルの含有比率の合計は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物を含む場合、(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した(III)炭素数6~30の脂肪酸化合物に由来する脂肪酸エステル構造、及び/又は、炭素数6~30の脂肪族アルコールに由来する脂肪族エーテル構造として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含むことが好ましい。上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造が含む、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基としては、炭素数10~20であることが好ましく、炭素数15~20であることがより好ましい。
上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造における、炭素数6~30の脂肪酸化合物としては、同様に、炭素数10~20の脂肪酸化合物であることがより好ましく、炭素数15~20の脂肪酸化合物であることがより好ましい。炭素数6~30の脂肪酸化合物としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エライジン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、又はエルカ酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エライジン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、又はエイコサペンタエン酸がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-2)化合物を含む場合、(FB-2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した一般式(25)~(27)中、Z21~Z23が、直接結合であり、R121~R123が、炭素数6~15の1価の脂肪族基であることが好ましく、炭素数6~10の1価の脂肪族基であることがより好ましい。
(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(VI)少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~6の脂肪族多官能アルコール化合物に由来するエステル構造、又は、(VII)少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数15~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物に由来するエステル構造、を有する化合物(以下、「特定の(FB-1)化合物」)を含むことが特に好ましい。(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(FB-1)化合物を含み、さらに、一種類以上の(FB-1)化合物を含有することも好ましい。
上述した(VI)脂肪族多官能アルコールエステル構造としては、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~4の脂肪族多官能アルコール化合物に由来するエステル構造がより好ましい。少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~6の脂肪族多官能アルコール化合物としては、1,1,2-エタントリオール、グリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,6-ヘキサントリオール、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、又はトリメチロールプロパンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
上述した(VII)窒素含有脂肪族アルコールエステル構造としては、少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数17~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物に由来するエステル構造がより好ましい。
少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数15~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物としては、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、セラミド、ジヒドロセラミド、又はフィトセラミドが好ましく、スフィンゴシン、又はセラミドがより好ましい。
上述した特定の(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、グリセロリン脂質及び/又はスフィンゴリン脂質を含むことが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(FB)化合物が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、水添ホスファチジルコリン、水添ホスファチジルエタノールアミン、水添ホスファチジルセリン、水添スフィンゴミエリン、レシチン、水添レシチン、セファリン、水添セファリン、プラズマローゲン、及び血小板活性化因子からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。
(FB)化合物が、上述した特定の(FB-1)化合物を含むことがより好ましい。上述した特定の(FB-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、水添ホスファチジルコリン、水添ホスファチジルエタノールアミン、水添ホスファチジルセリン、水添スフィンゴミエリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾスフィンゴミエリン、レシチン、水添レシチン、リゾレシチン、セファリン、水添セファリン、リゾセファリン、プラズマローゲン、血小板活性化因子、及び(トリメチルアンモニオ)エチルホスホン酸セラミドからなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましく、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、水添ホスファチジルコリン、水添ホスファチジルエタノールアミン、水添ホスファチジルセリン、水添スフィンゴミエリン、レシチン、水添レシチン、セファリン、水添セファリン、プラズマローゲン、及び血小板活性化因子からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが特に好ましい。特定の(FB-1)化合物としては、例えば、以下に示す構造の化合物が挙げられる。
(FB-2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、脂肪族基含有リン酸ジエステル型アンモニウムベタイン、脂肪族基含有亜リン酸ジエステル型アンモニウムベタイン、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アンモニウムベタイン、脂肪族基含有次亜リン酸モノエステル型アンモニウムベタイン、脂肪族基含有ホスフィン酸アンモニウムベタイン、及び脂肪族基含有チオリン酸ジエステル型アンモニウムベタインからなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、脂肪族基含有リン酸ジエステル型アンモニウムベタイン、及び/又は脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アンモニウムベタインを含有することがより好ましく、脂肪族基含有ホスホン酸モノエステル型アンモニウムベタインを含有することがさらに好ましい。
(FB-2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(25b)~(26b)で表される化合物(以下、「特定の(FB-2)化合物」)からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが特に好ましい。(FB-2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(FB-2)化合物を含み、さらに、一般式(25)~(27)で表される化合物のうち、一種類以上の化合物を含有することも好ましい。
一般式(25b)及び(26b)において、Z21及びZ22は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数6~30の2価の脂肪族基、又は一般式(10)で表される基を表す。一般式(25)におけるZ21が、直接結合又は一般式(10)で表される基の場合、対応するR121は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(26)における、Z22及び対応するR122においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。一般式(25)におけるZ21が、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR121は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。一般式(26)における、Z22及び対応するR122においても一般式(25)におけるZ21及び対応するR121の関係と同様である。Z24及びZ25は、それぞれ独立して、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R124及びR125は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R127~R132は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。c及びdは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を表し、x+y=1である。Z21及びZ22における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R121及びR122における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(10)において、Y27は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R136は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(25b)中の酸素原子との結合点、又は一般式(26b)中の酸素原子若しくはリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(25b)中のR121との結合点、又は一般式(26b)中のR122との結合点を表す。
一般式(25b)及び(26b)において、Z21及びZ22は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。Z24及びZ25は、それぞれ独立して、炭素数1~4の2~6価の脂肪族基が好ましい。R124及びR125は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基が好ましい。R127~R132は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。Z21及びZ22における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R121及びR122における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.003質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、0.04質量%以上がさらにより好ましく、0.08質量%以上が特に好ましい。一方、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有比率の合計は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、1.3質量%以下が好ましく、1.1質量%以下がより好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましく、0.7質量%以下がさらにより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合において、本発明の感光性樹脂組成物が、(C)感光剤として、(C1)光重合開始剤を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有量の合計は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。一方、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有量の合計は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、1.5質量部以下が好ましく、1.2質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(C)感光剤として、(C3)ナフトキノンジアジド化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有量の合計は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.03質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。一方、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有量の合計は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、3質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下が特に好ましい。
<(FC-1)非ベタイン型リン脂質>
本発明の感光性樹脂組成物は、(FC-1)非ベタイン型リン脂質(以下、「(FC-1)化合物」)を含有することが好ましい。(FC-1)化合物としては、リン原子を含む酸性基及び/又はリン原子を含むアニオン構造、並びに、炭素数6~30の脂肪族エステル構造及び/又は炭素数6~30の脂肪族エーテル構造、を有する化合物を含有することが好ましい。また、(FC-1)化合物としては、リン原子を含む酸性基、及びリン原子を含む酸性基が塩形成した構造からなる群より選ばれる一種類以上、並びに、炭素数6~30の脂肪族エステル構造及び/又は炭素数6~30の脂肪族エーテル構造、を有する化合物を含有することも好ましい。(FC-1)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。(FC-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、2つ以上の(FC-1)非ベタイン型リン脂質を含有することも好ましい。
(FC-1)化合物は、分子中に少なくとも、(II)リン原子を含む酸性基、及び/又は、リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造を有する。さらに、(III)炭素数6~30の脂肪酸化合物に由来する脂肪酸エステル構造、及び/又は、炭素数6~30の脂肪族アルコールに由来する脂肪族エーテル構造を有することが好ましい。前記(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含む。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(FC-1)非ベタイン型リン脂質を含み、該(FC-1)化合物が、リン原子を含む酸性基及び/又はリン原子を含むアニオン構造を、並びに、炭素数6~30の脂肪族エステル構造及び/又は炭素数6~30の脂肪族エーテル構造、を有する化合物を含むことが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含有することも好ましい。同様の観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、特定の(F1)化合物を含み、さらに、特定の(FB-1)化合物及び/又は特定の(FB-2)化合物をを含み、さらに、(FC-1)化合物をを含有することがさらに好ましい。
(FC-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含むことが好ましい。上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造が含む、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基としては、炭素数6~30であることが好ましく、炭素数10~20であることがより好ましく、炭素数15~20であることがさらに好ましい。上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び/又は、脂肪族エーテル構造における、炭素数6~30の脂肪酸化合物としては、同様に、炭素数10~20の脂肪酸化合物であることがより好ましく、炭素数15~20の脂肪酸化合物であることがより好ましい。炭素数6~30の脂肪酸化合物としては、上述した化合物が挙げられる。
(FC-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(VI)少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~6の脂肪族多官能アルコール化合物に由来するエステル構造、又は、(VII)少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数15~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物に由来するエステル構造、を有する化合物を含むことが特に好ましい。
上述した(VI)脂肪族多官能アルコールエステル構造としては、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~4の脂肪族多官能アルコール化合物に由来するエステル構造がより好ましい。少なくとも3つのヒドロキシ基を有する炭素数2~6の脂肪族多官能アルコール化合物としては、上述した化合物が好ましい。
上述した(VII)窒素含有脂肪族アルコールエステル構造としては、少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数17~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物に由来するエステル構造がより好ましい。
少なくとも2つのヒドロキシ基、及び、少なくとも1つのアミノ基又はアルキルアミド基を有する炭素数15~20の窒素含有脂肪族アルコール化合物としては、上述した化合物が好ましい。
(FC-1)化合物としては、上述した(VI)脂肪族多官能アルコールエステル構造及び(VII)窒素含有脂肪族アルコールエステル構造とは別に、さらに、(VIII)少なくとも2つのヒドロキシ基を有する炭素数2~8の脂肪族多官能アルコール化合物に由来するエステル構造、を有する化合物も好ましい。(VIII)別の脂肪族多官能アルコールエステル構造は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及びシクロアルケニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を含む。
上述した(VIII)別の脂肪族多官能アルコールエステル構造における、少なくとも2つのヒドロキシ基を有する炭素数2~8の脂肪族多官能アルコール化合物としては、グリセリン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グルコース、マンノース、ガラクトース、ボルネシトール、イノシトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、バリエノール、クエルシトール、キナ酸、又はシキミ酸が好ましく、グリセリン、又はイノシトールがより好ましい。
(FC-1)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフィンゴシン-1-リン酸、及びホスファチジル-シチジン一リン酸からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが特に好ましい。(FC-1)化合物としては、例えば、以下に示す構造の化合物が挙げられる。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(FC-1)化合物の含有比率は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.003質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、0.04質量%以上がさらにより好ましく、0.08質量%以上が特に好ましい。一方、(FC-1)化合物の含有比率は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、1.3質量%以下が好ましく、1.1質量%以下がより好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましく、0.7質量%以下がさらにより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(FC-1)の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。一方、(FC-1)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、1.5質量部以下が好ましく、1.2質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
<(F2)リン原子、及び芳香族基を有する化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(F2)リン原子、及び芳香族基を有する化合物(以下、「(F2)化合物」)を含有することが好ましい。(F2)化合物としては、(F2)一般式(15)~(17)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上、を含有することが好ましい。(F2)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。(F2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、一般式(15)~(17)で表される化合物、及びそれらの塩のうち、2つ以上の化合物を含有することも好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(F2)化合物を含有することも好ましい。同様の観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含み、加えて、(F2)化合物を含有することも好ましい。
(F2)化合物は、(I)炭素数6~15及び1~4価の芳香族基、(II)炭素数6~15のアリーレン基、(III)一般式(18)で表される基、及び(IV)一般式(19)で表される基からなる群より選ばれる一種類以上の基を有する。
一般式(15)~(17)において、X8~X10は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z8~Z10は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(18)で表される基を表す。Z11~Z13は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(19)で表される基を表す。一般式(15)におけるZ8が、直接結合の場合、対応するR38は、炭素数6~15及び1~4価の芳香族基を表す。一般式(16)及び(17)における、Z9及び対応するR39、並びに、Z10及び対応するR40においても一般式(15)におけるZ8及び対応するR38の関係と同様である。一般式(15)におけるZ11が、直接結合の場合、対応するR41は、水素原子、又は、炭素数6~15及び1~4価の芳香族基を表す。一般式(16)及び(17)における、Z12及び対応するR42、並びに、Z13及び対応するR43においても一般式(15)におけるZ11及び対応するR41の関係と同様である。一般式(15)におけるZ8とZ11の少なくともいずれかが、炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR38及び/又はR41は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。一般式(16)及び(17)における、Z9とZ12及び対応するR39とR42、並びに、Z10とZ13及び対応するR40とR43においても一般式(15)におけるZ8とZ11及び対応するR38とR41の関係と同様である。一般式(15)におけるZ8が、一般式(18)で表される基の場合、対応するR38は、炭素数6~15及び1~4価の芳香族基、又は、炭素数6~15及び1~4価の脂肪族基を表す。一般式(16)及び(17)における、Z9及び対応するR39、並びに、Z10及び対応するR40においても一般式(15)におけるZ8及び対応するR38の関係と同様である。一般式(15)におけるZ11が、一般式(19)で表される基の場合、対応するR41は、水素原子、炭素数6~15及び1~4価の芳香族基、又は、炭素数6~15及び1~4価の脂肪族基を表す。一般式(16)及び(17)における、Z12及び対応するR42、並びに、Z13及び対応するR43においても一般式(15)におけるZ11及び対応するR41の関係と同様である。なお、一般式(15)におけるR38とR41の少なくともいずれかが、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数6~15の1価の芳香族基、炭素数1~15の1価の有機基、又は炭素数6~15の1価の脂肪族基の場合、対応するc及び/又はfは、0である。一般式(16)及び(17)における、R39とR42及び対応するdとg、並びに、R40とR43及び対応するeとhにおいても一般式(15)におけるR38とR41及び対応するcとfの関係と同様である。R48~R53は、それぞれ独立して、炭素数6~15の1価の脂肪族基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。c、d、e、f、g、及びhは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。
一般式(18)~(19)において、Y8及びY11は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R115~R116は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基を表す。m及びnは、それぞれ独立して、1~15の整数を表す。p及びqは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。*1は、一般式(15)中の酸素原子との結合点、一般式(16)中のリン原子との結合点、又は一般式(17)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(15)中のR38との結合点、一般式(16)中のR39との結合点、又は一般式(17)中のR40との結合点を表す。*3は、一般式(15)中の酸素原子との結合点、一般式(16)中の酸素原子との結合点、又は一般式(17)中のリン原子との結合点を表す。*4は、一般式(15)中のR41との結合点、一般式(16)中のR42との結合点、又は一般式(17)中のR43との結合点を表す。
一般式(15)~(17)において、R38~R43は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数6~15のアリールオキシ基、炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、炭素数1~12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基、炭素数2~10のアルコキシポリアルキレンオキシ基、炭素数2~10のヒドロキシポリアルキレンオキシ基、ヒドロキシ基、又はフタルイミド基が好ましく、水素原子、炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、又は炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基がより好ましい。
上述した炭素数6~15の芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、又はナフチレン基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が好ましい。上述した炭素数6~15のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、又はナフチレン基が好ましい。上述した炭素数6~15のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が好ましい。
(F2)化合物において、一般式(15)~(17)で表される化合物としては、例えば、リン酸フェニル、リン酸ビフェニル、リン酸ナフチル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(ビフェニル)、リン酸ジナフチル、フェニルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、フェニルホスホン酸フェニル、ビフェニルホスホン酸ビフェニル、ナフチルホスホン酸ナフチル、フェニルホスフィン酸、ビフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(ビフェニル)ホスフィン酸、ジナフチルホスフィン酸、エチレンオキシド変性(以下、「EO変性」)リン酸(ヘキシル)フェニル、EO変性リン酸(オクチル)フェニル、EO変性リン酸(ノニル)フェニル、EO変性リン酸(デシル)フェニル、EO変性リン酸(ドデシル)フェニル、EO変性リン酸(ジヘキシル)フェニル、EO変性リン酸(ジオクチル)フェニル、EO変性リン酸(ジノニル)フェニル、EO変性リン酸(ジデシル)フェニル、EO変性リン酸(ジドデシル)フェニル、プロピレンオキシド変性(以下、「PO変性」)リン酸(ヘキシル)フェニル、PO変性リン酸(オクチル)フェニル、PO変性リン酸(デシル)フェニル、PO変性リン酸(ジオクチル)フェニル、PO変性リン酸(ジノニル)フェニル、ブチレンオキシド変性(以下、「BO変性」)リン酸(ヘキシル)フェニル、BO変性リン酸(オクチル)フェニル、BO変性リン酸(デシル)フェニル、BO変性リン酸(ジオクチル)フェニル、又はBO変性リン酸(ジノニル)フェニルが挙げられる。
(F2)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、フッ素原子で置換された基を有することが好ましい。(F2)化合物が、フッ素原子で置換された基を有する態様としては、上述した一般式(15)~(17)中、Z8~Z13が、それぞれ独立して直接結合の場合、R38~R43が、それぞれ独立して、フッ素原子を置換された炭素数6~15の1価の芳香族基であることが好ましい。同様に、上述した一般式(15)~(17)中、Z8~Z13が、それぞれ独立して炭素数6~15のアリーレン基の場合、R38~R43が、それぞれ独立して、フッ素原子で置換された炭素数1~12のハロゲン化アルキル基、又はフッ素原子で置換された炭素数6~15のハロゲン化アリールオキシ基であることが好ましい。また同様に、上述した一般式(15)~(17)中、Z8~Z10が、それぞれ独立して一般式(18)で表される基の場合、R38~R40が、それぞれ独立して、フッ素原子を置換された炭素数6~15の1価の芳香族基、又はフッ素原子で置換された炭素数6~15の1価の脂肪族基であることが好ましい。さらに同様に、上述した一般式(15)~(17)中、Z11~Z13が、それぞれ独立して一般式(19)で表される基の場合、R41~R43が、それぞれ独立して、フッ素原子を置換された炭素数6~15の1価の芳香族基、又はフッ素原子で置換された炭素数6~15の1価の脂肪族基であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に占める(F2)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。一方、(F2)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下が特に好ましい。
<(F3)リン原子、及び反応性基を有する化合物、(FB-3)反応性基含有ベタイン化合物、及び(FT)反応性基を有する、リン原子を含む酸性基のエステル化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(F3)リン原子、及び反応性基を有する化合物(以下、「(F3)化合物」)、(FB-3)反応性基含有ベタイン化合物(以下、「(FB-3)化合物」)、及び(FT)反応性基を有する、リン原子を含む酸性基のエステル化合物(以下、「(FT)化合物」)、からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。(F3)化合物としては、(F3)一般式(20)~(22)で表される化合物、及びそれらの塩からなる群より選択される1種以上、を含有することが好ましい。(FB-3)化合物としては、上述したリン原子を含むアニオン構造、アンモニウムカチオン構造、並びに、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上を有する化合物を含有することが好ましい。また、(FB-3)化合物としては、一般式(28)~(30)で表される化合物からなる群より選択される1種以上、を含有することがより好ましい。(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、(F3)一般式(20)~(22)で表される化合物、及びそれらの塩のうち、2つ以上の化合物を含有することも好ましく、(FB-3)一般式(28)~(30)で表される化合物のうち、2つ以上の化合物を含有することも好ましく、(FT)化合物として2つ以上の化合物を含有することも好ましい。また、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物からなる群より選ばれる二種類以上の化合物を含有することも好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(F3)リン原子、及び反応性基を有する化合物、前記(FB)化合物として少なくとも(FB-3)反応性基含有ベタイン化合物、及び、(FT)反応性基を有する、リン原子を含む酸性基のエステル化合物、からなる群より選ばれる一種類以上を含み、
該(F3)化合物が、リン原子を含む酸性基、及びリン原子を含む酸性基が塩形成した構造からなる群より選ばれる一種類以上、
並びに、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、
該(FB-3)化合物が、リン原子を含むアニオン構造、アンモニウムカチオン構造、並びに、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、
該(FT)化合物が、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上、を有する化合物を含み、
該(FT)化合物が有する、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の数を(X)とし、
該(FT)化合物が有する、1~2価の脂肪族基、1~2価の脂環式基、1~2価の芳香族基、及び置換基が結合したオキシアルキレン基からなる群より選ばれる一種類以上の数を(Y)とするとき、該(X)及び該(Y)が、一般式(α)~(γ)を満たすことが好ましい。
X+Y=3 (α)
1≦X≦3 (β)
0≦Y≦2 (γ)
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することも好ましい。同様の観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含み、加えて、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することも好ましい。また、同様の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(F2)化合物を含み、加えて、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することも好ましい。
(F3)化合物は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を有することが好ましい。
一般式(20)~(22)において、X14~X16は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z14~Z16は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(23)で表される基を表す。Z17~Z19は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(24)で表される基を表す。一般式(20)におけるZ14が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR54は、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(21)及び(22)における、Z15及び対応するR55、並びに、Z16及び対応するR56においても一般式(20)におけるZ14及び対応するR54の関係と同様である。一般式(20)におけるZ17が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR57は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(21)及び(22)における、Z18及び対応するR58、並びに、Z19及び対応するR59においても一般式(20)におけるZ17及び対応するR57の関係と同様である。一般式(20)におけるZ14が、一般式(23)で表される基の場合、対応するR54は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(21)及び(22)における、Z15及び対応するR55、並びに、Z16及び対応するR56においても一般式(20)におけるZ14が、一般式(23)で表される基の場合のZ14及び対応するR54の関係と同様である。一般式(20)におけるZ17が、一般式(24)で表される基の場合、対応するR57は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(21)及び(22)における、Z18及び対応するR58、並びに、Z19及び対応するR59においても一般式(20)における一般式(24)で表される基の場合のZ17及び対応するR57の関係と同様である。なお、一般式(20)におけるR54が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するcは0である。一般式(21)及び(22)における、R55及び対応するd、並びに、R56及び対応するeにおいても一般式(20)におけるR54及び対応するcの関係と同様である。また、一般式(20)におけるR57が、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するfは0である。一般式(21)及び(22)における、R58及び対応するg、並びに、R59及び対応するhにおいても一般式(20)におけるR57及び対応するfの関係と同様である。R64~R69は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。c、d、e、f、g、及びhは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。
一般式(23)~(24)において、Y14及びY17は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R117~R118は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基を表す。m及びnは、それぞれ独立して、1~15の整数を表す。p及びqは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。*1は、一般式(20)中の酸素原子との結合点、一般式(21)中のリン原子との結合点、又は一般式(22)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(20)中のR54との結合点、一般式(21)中のR55との結合点、又は一般式(22)中のR56との結合点を表す。*3は、一般式(20)中の酸素原子との結合点、一般式(21)中の酸素原子との結合点、又は一般式(22)中のリン原子との結合点を表す。*4は、一般式(20)中のR57との結合点、一般式(21)中のR58との結合点、又は一般式(22)中のR59との結合点を表す。
(FB-3)化合物は、分子中に少なくとも、(I)リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造を有する。さらに、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を有することが好ましい。
一般式(28)~(30)において、X37~X39は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z37~Z39は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(31)で表される基を表す。一般式(28)におけるZ37が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR137は、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(29)及び(30)における、Z38及び対応するR138、並びに、Z39及び対応するR139においても一般式(28)におけるZ37及び対応するR137の関係と同様である。一般式(28)におけるZ37が、一般式(31)で表される基の場合、対応するR137は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(29)及び(30)における、Z38及び対応するR138、並びに、Z39及び対応するR139においても一般式(28)におけるZ37及び対応するR137の関係と同様である。なお、一般式(28)におけるR137が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するfは0である。一般式(29)及び(30)における、R138及び対応するg、並びに、R139及び対応するhにおいても一般式(28)におけるR137及び対応するfの関係と同様である。R147~R149は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。Z40~Z42は、それぞれ独立して、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R140~R142は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R151~R159は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。c、d、及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。f、g、及びhは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を表し、x+y=1である。
一般式(31)において、Y37は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R144は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(28)中の酸素原子との結合点、一般式(29)中のリン原子若しくは酸素原子との結合点、又は一般式(30)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(28)中のR137との結合点、一般式(29)中のR138との結合点、又は一般式(30)中のR139との結合点を表す。
(FT)化合物は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を有することが好ましく、光反応性基、及び炭素数2~5のアルケニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を有することがより好ましい。(FT)化合物としては、リン原子に結合する置換基及び/又はP-O結合上の酸素原子に結合する二種類以上の置換基を有し、前記置換基が、(I)光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上、並びに、(II)1~2価の脂肪族基、1~2価の脂環式基、1~2価の芳香族基、及び置換基が結合したオキシアルキレン基からなる群より選ばれる一種類以上であることが好ましい。
(FT)化合物が有する、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上の数である(X)は、1~3の整数が好ましく、2又は3であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。また、(FT)化合物が有する、1~2価の脂肪族基、1~2価の脂環式基、1~2価の芳香族基、及び置換基が結合したオキシアルキレン基からなる群より選ばれる一種類以上の数である(Y)は、0~2の整数が好ましく、0又は1であることがより好ましい。
1~2価の脂肪族基としては、炭素数1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましい。また、脂肪族基としては、アルキル基、又はアルキレン基が好ましい。1~2価の脂環式基としては、炭素数4~10が好ましく、炭素数4~7がより好ましい。また、脂環式基としては、シクロアルキル基、又はシクロアルキレン基が好ましい。1~2価の芳香族基としては、炭素数6~15のアリール基、炭素数7~25のアリールアルキル基、炭素数7~25のアルキルアリール基、又は炭素数6~15のアリーレン基が好ましく、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~15のアリールアルキル基、炭素数7~15のアルキルアリール基、又は炭素数6~10のアリーレン基がより好ましい。置換基が結合したオキシアルキレン基において、置換基としては、水素、若しくはヒドロキシ基、又は、上述したアルキル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、若しくはシクロアルキル基が好ましい。置換基が結合したオキシアルキレン基において、オキシアルキレン基としては、炭素数1~6のオキシアルキレン基が好ましく、炭素数1~4のオキシアルキレン基がより好ましい。
また、(FT)化合物としては、上述した光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、及び炭素数2~5のアルキニル基からなる群より選ばれる一種類以上を有する、リン酸トリエステル化合物、亜リン酸トリエステル化合物、ホスホン酸ジエステル化合物、次亜リン酸ジエステル化合物、及びホスフィン酸モノエステル化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することも好ましい。
上述した光反応性基としては、(メタ)アクリル基、スチリル基、シンナミル基、又はマレイミド基が好ましく、(メタ)アクリル基がより好ましい。上述した熱反応性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、カルボキシ基、アミノ基、又はメルカプト基が好ましく、エポキシ基がより好ましい。上述した炭素数2~5のアルケニル基又は炭素数2~5のアルキニル基としては、ビニル基、アリル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、エチニル基、又は2-プロパルギル基が好ましく、ビニル基、又はアリル基がより好ましく、ビニル基がさらに好ましい。
(F3)化合物において、一般式(20)~(22)で表される化合物としては、例えば、リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸3-メチル-2-ブテニル、リン酸(メタ)アクリル、リン酸スチリル、リン酸シンナミル、リン酸ジビニル、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、(3-メチル-2-ブテニル)ホスホン酸、(メタ)アクリルホスホン酸、スチリルホスホン酸、シンナミルホスホン酸、ビニルホスホン酸ビニル、ビニルホスフィン酸、アリルホスフィン酸、(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン酸、(メタ)アクリルホスフィン酸、スチリルホスフィン酸、シンナミルホスフィン酸、ジビニルホスフィン酸、EO変性リン酸(メタ)アクリル、EO変性リン酸ビニル、EO変性リン酸アリル、EO変性リン酸ジ[(メタ)アクリル]、EO変性リン酸ジビニル、EO変性リン酸ジアリル、PO変性リン酸(メタ)アクリル、PO変性リン酸ビニル、PO変性リン酸アリル、PO変性リン酸ジ[(メタ)アクリル]、PO変性リン酸ジビニル、PO変性リン酸ジアリル、BO変性リン酸(メタ)アクリル、BO変性リン酸ビニル、BO変性リン酸アリル、BO変性リン酸ジ[(メタ)アクリル]、BO変性リン酸ジビニル、又はBO変性リン酸ジアリルが挙げられる。
(FT)化合物としては、例えば、リン酸トリ(メタ)アクリル、リン酸トリビニル、リン酸トリアリル、リン酸ジ(メタ)アクリル・エチル、リン酸ジビニル・エチル、リン酸ジアリル・エチル、リン酸ビニル・ジエチル、亜リン酸トリ(メタ)アクリル、亜リン酸トリビニル、亜リン酸トリアリル、亜リン酸ビニル・ジエチル、(メタ)アクリルホスホン酸ジ(メタ)アクリル、ビニルホスホン酸ジビニル、アリルホスホン酸ジアリル、(メタ)アクリルホスホン酸ジエチル、ビニルホスホン酸ジメチル、ビニルホスホン酸ジエチル、ビニルホスホン酸ジフェニル、アリルホスホン酸ジエチル、ビニル次亜リン酸ジビニル、(メタ)アクリル次亜リン酸ジエチル、ビニル次亜リン酸ジエチル、アリル次亜リン酸ジエチル、ジビニルホスフィン酸ビニル、(メタ)アクリル・エチルホスフィン酸エチル、ビニル・エチルホスフィン酸エチル、ビニル・フェニルホスフィン酸エチル、アリル・エチルホスフィン酸エチル、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリル、EO変性リン酸トリビニル、EO変性リン酸トリアリル、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリル・エチル、PO変性リン酸トリ(メタ)アクリル、又はBO変性リン酸トリ(メタ)アクリルが挙げられる。
(F3)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、一般式(21b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含むことが特に好ましい。一般式(21b)において、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、R55、R58、R65及びR68からなる群より選ばれる一種類以上の基が、光反応性基又は炭素数2~5のアルケニル基であることが好ましい。(F3)化合物としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、一般式(21b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含み、さらに、一般式(20)~(22)で表される化合物、及びそれらの塩のうち、一種類以上の化合物を含有することも好ましい。
(FB-3)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、一般式(28b)で表される化合物を含むことが特に好ましい。一般式(28b)において、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、R137及びR147からなる群より選ばれる一種類以上の基が、光反応性基又は炭素数2~5のアルケニル基であることが好ましい。(FB-3)化合物としては、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、一般式(28b)で表される化合物を含み、さらに、一般式(28)~(30)で表される化合物のうち、一種類以上の化合物を含有することも好ましい。
上述した光反応性基としては、(メタ)アクリル基が好ましい。上述した炭素数2~5のアルケニル基としては、ビニル基、又はアリル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(F3)化合物として、一般式(21b)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、及び/又は(FB-3)化合物として、一般式(28b)で表される化合物を含むことが特に好ましい。
一般式(21b)において、Z15は、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(23)で表される基を表す。Z18は、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(24)で表される基を表す。一般式(21b)におけるZ15が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR55は、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(21b)におけるZ18が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR58は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(21b)におけるZ15が、一般式(23)で表される基の場合、対応するR55は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(21b)におけるZ18が、一般式(24)で表される基の場合、対応するR58は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。なお、一般式(21b)におけるR55が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するdは0である。また、一般式(21b)におけるR58が、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するgは0である。R65は、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。R68は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。d及びgは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。
一般式(23)~(24)において、Y14及びY17は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R117~R118は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基を表す。m及びnは、それぞれ独立して、1~15の整数を表す。p及びqは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。*1は、一般式(21b)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(21b)中のR55との結合点を表す。*3は、一般式(21b)中の酸素原子との結合点を表す。*4は、一般式(21b)中のR58との結合点を表す。
一般式(28b)において、Z37は、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(31)で表される基を表す。一般式(28b)におけるZ37が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR137は、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。一般式(28b)におけるZ37が、一般式(31)で表される基の場合、対応するR137は、光反応性基、熱反応性基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。なお、一般式(28b)におけるR137が、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基の場合、対応するfは0である。R147は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、光反応性基、熱反応性基、又は炭素数2~5のアルケニル基を表す。Z40は、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R140は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R151~R153は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。cは、0~4の整数を表す。fは、0~4の整数を表す。
一般式(31)において、Y37は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R144は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(28b)中の酸素原子との結合点を表す。*2は、一般式(28b)中のR137との結合点を表す。
(F3)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、(I)炭素数1~5の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、及び(II)光反応性基又は炭素数2~5のアルケニル基を有する化合物(以下、「特定の(F3)化合物」)も好ましい。特定の(F3)化合物としては、例えば、リン酸ブチル・ビニル、リン酸ブチル・アリル、リン酸ブチル・スチリル、ブチルホスホン酸ビニル、ブチルホスホン酸アリル、ブチルホスホン酸スチリル、ビニルホスホン酸ブチル、アリルホスホン酸ブチル、スチリルホスホン酸ブチル、ブチル・ビニルホスフィン酸、ブチル・アリルホスフィン酸、ブチル・スチリルホスフィン酸EO変性リン酸ブチル・(メタ)アクリル、EO変性リン酸ブチル・ビニル、EO変性リン酸ブチル・アリル、PO変性リン酸ブチル・(メタ)アクリル、PO変性リン酸ブチル・ビニル、PO変性リン酸ブチル・アリル、BO変性リン酸ブチル・(メタ)アクリル、BO変性リン酸ブチル・ビニル、又はBO変性リン酸ブチル・アリルが挙げられる。
溶剤を除く、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中に占める(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、0.003質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、0.04質量%以上がさらにより好ましく、0.08質量%以上が特に好ましい。一方、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、2.1質量%以下が好ましく、1.7質量%以下がより好ましく、1.3質量%以下がさらに好ましく、1.0質量%以下がさらにより好ましく、0.7質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物の含有量の合計は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上がさらにより好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。一方、(F3)化合物、(FB-3)化合物、及び(FT)化合物の含有量の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、2.5質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、1.5質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下がさらにより好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
<(FB-4)ベタイン型樹脂>
本発明の感光性樹脂組成物は、(FB-4)ベタイン型樹脂(以下、「(FB-4)化合物」)を含有することが好ましい。(FB-4)化合物としては、上述したリン原子を含むアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含む構造単位を有する樹脂を含有することが好ましい。また、(FB-4)化合物としては、一般式(28p)~(30p)のいずれかで表される構造単位を有する樹脂からなる群より選択される1種以上、を含有することがより好ましい。(FB-4)化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の効果が顕著となる。(FB-4)化合物としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、(FB-4)一般式(28p)~(30p)のいずれかで表される構造単位を有する樹脂のうち、2つ以上の樹脂を含有することも好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FB-4)化合物を含有することも好ましい。同様の観点から、本発明の感光性樹脂組成物は、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含み、加えて、(FB-4)化合物を含有することも好ましい。また、同様の観点から、特定の(F1)化合物、特定の(FB-1)化合物、及び特定の(FB-2)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(F2)化合物を含み、加えて、(FB-4)化合物を含有することも好ましい。
(FB-4)化合物は、分子中に少なくとも、(I)リン原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造、を有する構造単位を含有する。
一般式(28p)~(30p)において、X37~X39は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z37~Z39は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~15のアリーレン基、又は一般式(31)で表される基を表す。一般式(28p)におけるZ37が、直接結合、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基の場合、対応するR137は直接結合を表す。一般式(29p)及び(30p)における、Z38及び対応するR138、並びに、Z39及び対応するR139においても一般式(28p)におけるZ37及び対応するR137の関係と同様である。一般式(28p)におけるZ37が、一般式(31)で表される基の場合、対応するR137は、炭素数1~5のアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(29p)及び(30p)における、Z38及び対応するR138、並びに、Z39及び対応するR139においても一般式(28p)におけるZ37及び対応するR137の関係と同様である。Z40~Z42は、それぞれ独立して、炭素数1~6の2~6価の脂肪族基を表す。R140~R142は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、カルボキシ基、又はヒドロキシ基を表す。R151~R159は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。R347~R355は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0又は1を表す。c、d、及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。i、j、及びkは、それぞれ独立して、0又は1を表す。x及びyは、それぞれ独立して、0又は1を表し、x+y=1である。
一般式(31)において、Y37は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R144は、炭素数1~6のアルキル基を表す。mは、1~15の整数を表す。pは、0~4の整数を表す。*1は、一般式(28p)中の酸素原子との結合点、一般式(29p)中のリン原子若しくは酸素原子との結合点、又は一般式(30p)中のリン原子との結合点を表す。*2は、一般式(28p)中のR137との結合点、一般式(29p)中のR138との結合点、又は一般式(30p)中のR139との結合点を表す。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(FB-4)の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。一方、(FB-4)化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、1.5質量部以下が好ましく、1.2質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
<(F)化合物、(F1)化合物、及び(FB)化合物の併用>
本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選択される1種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物、(F2)化合物、及び(F3)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選択される1種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含み、加えて、(F2)化合物、及び(F3)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましい。なお、本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも(F1)化合物、並びに、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物、(F2)化合物、及び(F3)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも(F1)化合物、並びに、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、及び(FB-4)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含み、さらに、(FC-1)化合物を含み、加えて、(F2)化合物、及び(F3)化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、(FB-4)化合物、(FC-1)化合物、(F2)化合物、及び(F3)化合物の含有量の合計は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、現像後のパターン剥がれ抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.07質量部以上が好ましく、0.16質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましく、0.7質量部以上が特に好ましい。一方、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、(FB-4)化合物、(FC-1)化合物、(F2)化合物、及び(F3)化合物の含有量の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、6質量部以下が好ましく、4.7質量部以下がより好ましく、3.7質量部以下がさらに好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、(FB-4)化合物、及び(FC-1)化合物の合計100質量%に占める(F1)化合物の含有比率、又は、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらにより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。一方、(F1)化合物の含有比率、又は、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の含有比率の合計は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、52質量%以下がさらに好ましく、48質量%以下がさらにより好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物、(FB-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、(FB-4)化合物、(FC-1)化合物、及び(F3)化合物の合計100質量%に占める(F3)化合物及び(FB-3)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、45質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上が特に好ましい。一方、(F3)化合物及び(FB-3)化合物の含有比率の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、92質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
<その他のリン酸系化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、その他のリン酸系化合物として、ポリリン酸エステル、脂肪族ジホスホン酸、ホスホン酸無水物、ホスフィン酸無水物、及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種類以上を含有することも好ましい。ポリリン酸エステル、脂肪族ジホスホン酸、ホスホン酸無水物、ホスフィン酸無水物、及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種類以上を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
ポリリン酸エステルとしては、例えば、二リン酸ジブチルが挙げられる。脂肪族ジホスホン酸としては、例えば、ヘキシレンジホスホン酸、オクチレンジホスホン酸、又はデシレンジホスホン酸が挙げられる。ホスホン酸無水物としては、例えば、プロピルホスホン酸無水物環状トリマーが挙げられる。ホスフィン酸無水物としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸無水物が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に占めるその他のリン酸系化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。一方、その他のリン酸系化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
<スルホン酸系化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、スルホン酸系化合物として、一般式(14)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含有することも好ましい。一般式(14)で表される化合物、及びその塩からなる群より選ばれる一種類以上、を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
スルホン酸系化合物は、(I)炭素数6~30の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、及び/又は、(II)炭素数6~30の2価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基を有する。
一般式(14)において、X4及びX5は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表す。Y4は、炭素数6~15のアリーレン基を表す。Z4は、直接結合又は炭素数6~30の2価の脂肪族基を表す。一般式(14)におけるZ4が、直接結合の場合、対応するR34は、炭素数6~30の1価の脂肪族基を表す。一般式(14)におけるZ4が、炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、対応するR34は、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1~15の1価の有機基を表す。cは、0又は1を表す。Z4における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基である。R34における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基である。
一般式(14)において、X4は、酸素原子であることが好ましい。Y4は、炭素数6~10のアリーレン基が好ましい。Z4は、直接結合又は炭素数6~15の2価の脂肪族基が好ましい。一般式(14)におけるZ4が、直接結合の場合、対応するR34は、炭素数6~15の1価の脂肪族基が好ましい。cは、1が好ましい。Z4における該炭素数6~30の2価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキレン基がより好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキレン基がさらに好ましい。R34における該炭素数6~30の1価の脂肪族基は、直鎖構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基が好ましく、直鎖構造のアルキル基が好ましく、直鎖構造の炭素数6~10のアルキル基がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、後述するアセテート結合を有する溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有し、かつ(F1)化合物としては、上述した一般式(14)中、Z4が直接結合の場合、R34における炭素数6~30の1価の脂肪族基が、炭素数6~12の1価の脂肪族基であり、上述した一般式(14)中、Z4が炭素数6~30の2価の脂肪族基の場合、Z4が炭素数6~12の2価の脂肪族基であることが好ましい。
スルホン酸系化合物において、一般式(14)で表される化合物としては、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、(2-エチルヘキシル)ベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ステアリルベンゼンスルホン酸、又はテトラコシルベンゼンスルホン酸が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に占めるスルホン酸系化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。一方、スルホン酸系化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
<その他の脂質化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、その他の脂質化合物を含有することも好ましい。その他の脂質化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
その他の脂質化合物は、(1)炭素数6~30の1価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選ばれる基、(2)炭素数6~30の2価の脂肪族基として、直鎖構造及び/又は分岐構造の、アルキレン基、アルケニレン基、及びアルキニレン基からなる群より選ばれる基、又は(3)ステロイド骨格を有する。
その他の脂質化合物としては、トリアシルグリセロール類、又はステロイド類が好ましい。その他の脂質化合物としては、例えば、トリカプロイン、トリカプリリン、トリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、トリオレイン、トリエライジン、トリリノレイン、トリアラキジン、トリベヘニン、コレステロール、コレステロールラウリレート、コレステロールミリステート、コレステロールパルミテート、コレステロールステアレート、又はコレステロールオレエートが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に占めるその他の脂質化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。一方、その他の脂質化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
<その他のベタイン化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、その他のベタイン化合物を含有することも好ましい。その他のベタイン化合物を含有させることで、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。その他のベタイン化合物としては、(1)炭素原子、及びベタイン構造を有するベタイン化合物、又は、(2)硫黄原子、及びベタイン構造を有するベタイン化合物が好ましい。
その他のベタイン化合物は、分子中に少なくとも、(1)炭素原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造、又は、(2)硫黄原子を含む酸性基に由来するアニオン構造及びアンモニウムカチオン構造を含むベタイン構造を有することが好ましい。
その他のベタイン化合物としては、例えば、ドデシルジメチルグリシン、ラウリル酸アミドプロピルベタイン、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、トリメチルグリシン、L-カルニチン、3-[[3-(アクリルアミド)プロピル]ジメチルアンモニオ]プロパノエート、3-[[2-(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]プロパノエート、オクチルスルホベタイン、カプリリルスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリル酸アミドプロピルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、パルミチルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-(1-ピリジノ)プロパン-1-スルホネート、3-(4-t-ブチル-1-ピリジノ)プロパン-1-スルホネート、又は3-[[2-(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネートが好ましく、ドデシルジメチルグリシン、ラウリル酸アミドプロピルベタイン、オクチルスルホベタイン、カプリリルスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリル酸アミドプロピルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、又は3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネートがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に占めるその他のベタイン化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。一方、その他のベタイン化合物の含有量は、現像後のパターン剥がれ抑制の観点から、2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
<(G)架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(G)架橋剤を含有することも好ましい。(G)架橋剤とは、樹脂と結合可能な架橋性基を有する化合物をいう。(G)架橋剤を含有させることで、硬化膜の耐熱性向上、及び熱硬化後の低テーパー形状のパターン形成が可能となる。(G)架橋剤としては、エポキシ基、アルコキシメチル基、メチロール基、及びオキセタニル基からなる群より選ばれる一種類以上の基を、分子中に2つ以上有する化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(G)架橋剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、架橋剤の含有量は、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
<(G1)疎水性骨格含有エポキシ架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(G1)疎水性骨格含有エポキシ架橋剤(以下、「(G1)化合物」)を含有することが好ましい。(G1)化合物とは、(I-g1)縮合多環式構造、縮合多環式ヘテロ環構造、芳香環骨格及び脂環式骨格が直接連結された構造、並びに少なくとも2つの芳香環骨格が直接連結された構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造(以下、「(I-g1)(G1)化合物の特定の疎水性骨格を含む構造」)、及び(II-g1)エポキシ基を有する少なくとも2つの有機基を有する化合物をいう。(I-g1)(G1)化合物の特定の疎水性骨格を含む構造としては、縮合多環式構造が好ましく、フルオレン構造、及び/又はインダン構造がより好ましい。(G1)化合物を含有させることで、現像後のパターン剥がれ抑制、及び現像後の低テーパー形状のパターン形成が可能となる。加えて、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
フルオレン構造を有する(G1)化合物としては、例えば、9,9-ビス[4-(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス(4-グリシドキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス[4-(2-グリシドキシエトキシ)-1-ナフチル]フルオレン、又は9,9-ビス[3,4-ビス(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]フルオレンが挙げられる。
インダン構造を有する(G1)化合物としては、例えば、1,1-ビス[4-(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]インダン、1,1-ビス(4-グリシドキシフェニル)インダン、1,1-ビス[4-(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]-3-フェニルインダン、2,2-ビス[4-(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]インダン、又は2,2-ビス[3,4-ビス(2-グリシドキシエトキシ)フェニル]インダンが挙げられる。
(G1)化合物のエポキシ基当量としては、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、150g/mol以上が好ましく、170g/mol以上がより好ましく、190g/mol以上がさらに好ましい。一方、エポキシ基当量としては、パターン形状の低テーパー化の観点から、800g/mol以下が好ましく、600g/mol以下がより好ましく、500g/mol以下がさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める(G1)フルオレン骨格含有エポキシ架橋剤、及び(G2)インダン骨格含有エポキシ架橋剤物の含有量の合計は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、現像後のパターン剥がれ抑制、及び現像後の低テーパー形状のパターン形成の観点から、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、(G1)フルオレン骨格含有エポキシ架橋剤、及び(G2)インダン骨格含有エポキシ架橋剤の含有量の合計は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
<撥インク剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、撥インク剤を含有することが好ましい。撥インク剤とは、撥水性の構造、及び/又は撥油性の構造を有する化合物をいう。撥インク剤を含有させることで、膜の撥液性を向上できるため、膜の純水に対する接触角、及び/又は、膜の有機溶剤に対する接触角を高めることができる。
撥インク剤としては、光重合性基、及び/又は熱架橋性基を有することが好ましく、分子中に2つ以上の光重合性基、及び/又は、分子中に2つ以上の熱架橋性基を有することが好ましい。光重合性基としては、エチレン性不飽和二重結合基を有する基が好ましく、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、シンナミル基、又はマレイミド基がより好ましく、(メタ)アクリル基がさらに好ましい。熱架橋性基としては、エポキシ基、アルコキシメチル基、メチロール基、オキセタニル基、又はブロックイソシアネート基が好ましい。
撥インク剤としては、ポリマー鎖を有することも好ましく、ポリマー鎖の繰り返し単位の側鎖に撥水性の構造、及び/又は撥油性の構造を有することも好ましい。また、撥インク剤としては、ポリマー鎖の繰り返し単位の側鎖に光重合性、及び/又は熱架橋性基を有することで、分子中に2つ以上の光重合性基、及び/又は分子中に2つ以上の熱架橋性基を有することも好ましい。ポリマー鎖を有する撥インク剤としては、アクリル樹脂系撥インク剤、ポリオキシアルキレンエーテル系撥インク剤、ポリエステル系撥インク剤、ポリウレタン系撥インク剤、ポリオール系撥インク剤、ポリエチレンイミン系撥インク剤、又はポリアリルアミン系撥インク剤が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める撥インク剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、0.5質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。撥インク剤の含有量が0.5質量部以上であると、膜の撥液性を向上でき、インクジェット塗布で有機EL層を形成する場合における、インク同士の混色を防止できるとともに、有機EL層の成膜不良を抑制できる。一方、撥インク剤の含有量は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び有機EL層の成膜不良抑制の観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
<増感剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、増感剤を含有することも好ましい。増感剤とは、露光時のUV光のエネルギーを吸収して励起三重項の電子を生じ、上述した(C1)光重合開始剤などへのエネルギー移動を介することが可能な、増感作用を有する化合物をいう。増感剤を含有させることで、露光時の感度向上が可能となる。増感剤としては、フルオレン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオレノン骨格、又はチオキサントン骨格を分子中に少なくとも1つ有する化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める増感剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。一方、増感剤の含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
<連鎖移動剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、連鎖移動剤を含有することも好ましい。連鎖移動剤を含有させることで、露光時の感度向上が可能となる。連鎖移動剤としては、メルカプト基を分子中に2つ以上有する化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める連鎖移動剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。一方、連鎖移動剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
<重合禁止剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、重合禁止剤を含有することも好ましい。重合禁止剤を含有させることで、現像後の解像度向上が可能となる。重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、又はベンゾイミダゾール化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占める重合禁止剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。一方、重合禁止剤の含有量は、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、シランカップリング剤を含有することも好ましい。シランカップリング剤を含有させることで、現像後のパターン剥がれ抑制、及び硬化膜と下地の基板との密着性向上が可能となる。シランカップリング剤としては、三官能オルガノシラン、四官能オルガノシラン、又はシリケート化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物に占めるシランカップリング剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100質量部とした場合において、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。一方、シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
<界面活性剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、界面活性剤を含有することも好ましい。界面活性剤を含有させることで、塗布時のレベリング性向上、及び塗膜の膜厚均一性向上が可能となる。界面活性剤としては、フッ素樹脂系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンエーテル系界面活性剤、又はアクリル樹脂系界面活性剤が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物に占める界面活性剤の含有比率は、感光性樹脂組成物全体の、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましい。一方、界面活性剤の含有比率は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
<溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、溶剤を含有することも好ましい。溶剤を含有させることで、組成物の膜を基板上に所望の膜厚で成膜でき、塗布時のレベリング性向上、及び塗膜の膜厚均一性向上が可能となる。溶剤としては、各種樹脂及び各種添加剤の溶解性の観点から、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボニル基を有する化合物、エステル結合を有する化合物、又はエーテル結合を分子中に3つ以上有する化合物が好ましい。溶剤としては、塗膜の膜厚均一性向上の観点から、大気圧下の沸点が110℃以上である化合物が好ましい。一方、熱硬化時の膜収縮抑制による平坦性向上、及び膜厚均一性向上の観点から、大気圧下の沸点が250℃以下である化合物が好ましい。本発明の感光性樹脂組成物に占める溶剤の含有比率は、塗布方法などに応じて適宜調整可能である。例えば、スピンコーティングにより塗膜を形成する場合、感光性樹脂組成物全体の、50~95質量%とすることが一般的である。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)着色剤として(D1)顔料を含有する場合、溶剤として、カルボニル基を有する溶剤、又はエステル結合を有する溶剤を含有することで、(D1)顔料の分散安定性向上が可能となり、顔料に起因する高温プリベーク条件での現像後の残渣発生の抑制、現像後の解像度向上、及び塗液の保管安定性向上が可能となる。カルボニル基としては、アルキルカルボニル基、ジアルキルカルボニル基、ホルミル基、カルボキシ基、アミド基、イミド基、ウレア結合、又はウレタン結合が好ましく、アルキルカルボニル基又はジアルキルカルボニル基がより好ましい。エステル結合としては、カルボン酸エステル結合、炭酸エステル結合、又はギ酸エステル結合が好ましく、カルボン酸エステル結合がより好ましい。カルボン酸エステル結合の中でも、アセテート結合、プロピオネート結合、又はブチレート結合がより好ましく、アセテート結合がさらに好ましい。
アセテート結合を有する溶剤としては、分散安定性向上、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後の解像度向上の観点から、3-メトキシ-n-ブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシ-n-ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、又は1,4-ブタンジオールジアセテートが好ましく、3-メトキシ-n-ブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシ-n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2-メトキシプロピオン酸エチル、又は2-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、溶剤に占めるカルボニル基を有する溶剤、又はエステル結合を有する溶剤の含有比率の合計は、分散安定性向上、及び高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制の観点から、30~100質量%が好ましく、50~100質量%がより好ましく、70~100質量%がさらに好ましい。
エーテル結合としては、脂肪族エーテル結合が好ましい。エーテル結合を分子中に3つ以上有する溶剤としては、3-メトキシ-n-ブチルアルコールメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシ-n-ブチルアルコールメチルエーテル、エチレングリコールジ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、又は1,4-ブタンジオールジメチルエーテルが好ましく、エチレングリコールジ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、又はジエチレングリコールエチルメチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、又はジエチレングリコールエチルメチルエーテルがさらに好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル特に好ましい。
アルコール性水酸基としては、脂肪族アルコール性水酸基が好ましい。アルコール性水酸基を有する溶剤としては、3-メトキシ-n-ブチルアルコール、3-メチル-3-メトキシ-n-ブチルアルコール、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、酢酸2-ヒドロキシエチル、又は1,4-ブタンジオールが好ましく、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、又は酢酸2-ヒドロキシエチルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、又は酢酸2-ヒドロキシエチルがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が、上述したトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する場合、溶剤に占めるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有比率は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。一方、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有比率は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
特に、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が、上述したトリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有する場合、溶剤に占めるジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルの含有比率の合計は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。一方、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルの含有比率の合計は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
<本発明の感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明の感光性樹脂組成物の代表的な製造方法について説明する。(D)着色剤として(Da)黒色剤を含み、(Da)黒色剤が(D1a)黒色顔料を含有する場合、(A)アルカリ可溶性樹脂の溶液に必要に応じて(E)分散剤を加え、分散機を用いて、この混合溶液に(D1a)黒色顔料を分散させ、顔料分散液を調製する。次に、この顔料分散液に、(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、(FB-1)化合物及び/又は(FB-2)化合物、その他の添加剤、及び任意の溶剤を加え、20分~3時間攪拌して均一な溶液とする。攪拌後、得られた溶液を濾過することで、本発明の感光性樹脂組成物が得られる。分散効率化及び微分散化の観点から、分散機としては、ビーズミルが好ましい。ビーズとしては、例えば、チタニアビーズ、ジルコニアビーズ、又はジルコンビーズが挙げられる。ビーズ径としては、0.01~6mmが好ましく、0.015~5mmがより好ましく、0.03~3mmがさらに好ましい。
<硬化膜の光学濃度、テーパー角、及び段差形状>
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜である。硬化とは加熱によって架橋構造が形成され、膜の流動性が無くなった状態をいう。硬化条件としては、150~500℃で、5~300分間加熱するなどの条件である。加熱する方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線、フラッシュアニール装置、又はレーザーアニール装置を用いて加熱する方法が挙げられる。加熱する処理雰囲気としては、空気、酸素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノン雰囲気下、酸素を1~10,000ppm(0.0001~1質量%)含有するガス雰囲気下、又は、真空下が挙げられる。
本発明の硬化膜において、膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度は、外光反射抑制、及び表示装置のコントラスト向上の観点から、1.0~5.0が好ましい。可視光領域は、波長が400~700nm程度である。膜厚1μm当たりの光学濃度は、上述した(D)着色剤の組成及び含有比率により調節できる。本発明の硬化膜が含む、硬化パターンの断面における傾斜辺のテーパー角は、電極断線防止、及び発光素子の信頼性向上の観点から、20°~45°が好ましい。本発明の硬化膜が含む段差形状を有するパターンにおける、最も大きい厚さを有する領域(厚膜部)の膜厚と、最も小さい厚さを有する領域(薄膜部)の膜厚との膜厚差は、発光素子の信頼性向上の観点から、1.0μm~5μmが好ましい。
<画素分割層の段差形状を有するパターン表面における接触角>
本発明の硬化膜が、表示装置である有機ELディスプレイの画素分割層である場合において、上述した段差形状を有するパターンを含む硬化膜における、厚膜部の純水に対する接触角を(CAwFT)°、及び、薄膜部の純水に対する接触角を(CAwHT)°とするとき、前記(CAwFT)°と前記(CAwHT)°との接触角差(ΔCAwFT-HT)°は、20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がさらに好ましく、50°以上が特に好ましい。純水に対する接触角差が20°以上であると、インクジェット塗布で有機EL層を形成する場合における、インク同士の混色を防止できるとともに、有機EL層の成膜不良を抑制できる。一方、有機EL層の成膜不良抑制の観点から、純水に対する接触角差(ΔCAwFT-HT)°は、90°以下が好ましく、80°以下がより好ましく、70°以下がさらに好ましい。
本発明の硬化膜が、表示装置である有機ELディスプレイの画素分割層である場合において、上述した段差形状を有するパターンを含む硬化膜における、厚膜部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角を(CApFT)°、及び、薄膜部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角を(CApHT)°とするとき、前記(CApFT)°と前記(CApHT)°との接触角差(ΔCApFT-HT)°は、10°以上が好ましく、20°以上がより好ましく、30°以上がさらに好ましい。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角差が10°以上であると、インクジェット塗布で有機EL層を形成する場合における、インク同士の混色を防止できるとともに、有機EL層の成膜不良を抑制できる。一方、有機EL層の成膜不良抑制の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角差(ΔCApFT-HT)°は、70°以下が好ましく、60°以下がより好ましく、50°以下がさらに好ましい。
<本発明の硬化膜を具備する表示装置>
以下、本発明の硬化膜を具備する表示装置、本発明の第二の態様である表示装置、及び本発明の第三の態様である表示装置について述べる。なお本発明の表示装置としては、例えば、有機ELディスプレイ、量子ドットディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は電界放出ディスプレイが挙げられる。本発明の表示装置としては、有機ELディスプレイ、量子ドットディスプレイ、又はマイクロLEDディスプレイが好ましく、有機ELディスプレイがより好ましい。
絶縁層、平坦化層、及び保護層からなる群より選ばれる一種類以上を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
該絶縁層、該平坦化層、及び該保護層が、金属、金属酸化物、金属窒化物、及び半導体からなる群より選ばれる一種類以上に接することが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物は、有機ELディスプレイの画素分割層を形成するために好適に用いられる。本発明の感光性樹脂組成物は、高温プリベーク条件での現像後の残渣抑制、及び現像後のパターン剥がれ抑制が可能となる。そのため、画素分割層、電極絶縁層、配線絶縁層、TFT平坦化層、電極平坦化層、配線平坦化層、TFT保護層、電極保護層、配線保護層、層間絶縁層、ゲート絶縁層、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、又はブラックカラムスペーサーなどの用途に好適である。本発明の感光性樹脂組成物が奏する効果は、上述した(F)化合物のうち、特に(F1)化合物及び(FB)化合物を含有することが顕著に作用しており、リン原子による基板表面改質作用によるものと推測される。基板表面改質作用は、金属、金属酸化物、金属窒化物、及び半導体の表面において効果的であり、金属及び金属酸化物の表面においてさらに顕著に作用し、金属酸化物の表面において特に顕著に作用する。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、これらを下地層としたパターン形成の用途である絶縁層、平坦化層、及び保護層の用途に特に好適である。加えて、本発明の硬化膜は表示装置に好適にさせることができ、特に有機ELディスプレイに好適に具備させることができる。その結果、低電圧駆動によって高電流が流れることで高輝度化・省電力化を実現できるとともに、発光素子の高信頼性によって有機ELディスプレイの耐久性向上を実現可能となる。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、画素部に相当する開口部の残渣抑制、現像時のパターン密着性、低電圧駆動の発光特性、及び発光素子の信頼性を兼ね備えることが要求される有機ELディスプレイの画素分割層の用途に特に好適である。
本発明の感光性樹脂組成物が、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含む場合、上述した通り硬化膜の遮光性向上による外光反射抑制、及び表示装置のコントラスト向上が可能となる。そのため、本発明の硬化膜を具備する表示装置である有機ELディスプレイとしては、発光素子の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、又は円偏光板などの偏光フィルムを有しなくても、外光反射抑制、及び表示装置のコントラスト向上が可能である。従って、有機ELディスプレイが、偏光フィルムを有さず、かつ硬化膜がフレキシブル基板上に積層されている構造を有する場合に好適であり、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイの製造が可能となる。
フレキシブル性を有する有機ELディスプレイとしては、折り曲げ性向上の観点から、硬化膜がフレキシブル基板上に積層されている構造を有することが好ましい。フレキシブル基板としては、硬化膜との基板との密着性向上、及び折り曲げ性向上の観点から、炭素原子を主成分として含有する基板が好ましい。フレキシブル基板としては、ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板、シクロオレフィンポリマー基板、ポリカーボネート基板、又はセルローストリアセテート基板が好ましく、折り曲げ性向上の観点から、ポリイミド基板がより好ましい。フレキシブル性を有する有機ELディスプレイとしては、曲面の表示部を有することが好ましい。曲面の曲率半径は、表示不良抑制の観点から、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。一方、曲面の曲率半径は、表示装置の解像度向上の観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。本発明の硬化膜を具備する表示装置である有機ELディスプレイとしては、基板、第1電極、第2電極、画素分割層、及び発光層を少なくとも有し、画素分割層及び発光層は第1電極上に形成され、発光層は第1電極及び第2電極の間に形成された積層構造を有する。
<第二の態様の表示装置>
本発明の第二の態様である表示装置は、
基板、第1電極、第2電極、及び画素分割層を少なくとも有し、さらに、発光層を含む有機EL層を有する有機ELディスプレイであって、
該画素分割層は、該第1電極上の一部と重なるように形成され、
該発光層を含む有機EL層は、該第1電極上、かつ該第1電極及び該第2電極の間に形成され、
該第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有し、
該透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、該発光層と接する側の該透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるリンイオン(P-)の検出強度を(PDep/Anode)countsとするとき、(PDep/Anode)が、一般式(PA-1)を満たす表示装置である。
4≦(PDep/Anode)≦100 (PA-1)
<第三の態様の表示装置>
本発明の第三の態様である表示装置は、
基板、第1電極、第2電極、及び画素分割層を少なくとも有し、さらに、発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層を有する表示装置であって、
該画素分割層は、該第1電極上の一部と重なるように形成され、
該発光層を含む有機EL層及び/又は該発光層を含む光取り出し層は、該第1電極上、かつ該第1電極及び該第2電極の間に形成され、
該第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は該第1電極上の発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、該発光層と接する側の該第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるリンイオン(P-)の検出強度を(PDep/Anode)countsとするとき、(PDep/Anode)が、一般式(PA-1)を満たす表示装置である。
4≦(PDep/Anode)≦100 (PA-1)
なお、本発明の第三の態様である表示装置によれば、所望の電流密度を得るにあたり、低電圧駆動が可能な優れた発光特性を有するとともに、発光素子の信頼性に優れる表示装置を提供可能である。
<基板>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、基板を有する。基板としては、表示装置の耐衝撃性向上の観点から、ガラス基板が好ましい。基板としては、例えば、ガラス上に、電極又は配線として、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、及びガリウムから選ばれる一種類以上を有する酸化物、金属(モリブデン、銀、銅、アルミニウム、クロム、若しくはチタンなど)、又はCNT(Carbon Nano Tube)が形成された基板が挙げられる。インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、及びガリウムから選ばれる一種類以上を有する酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)、酸化アルミニウムスズ(ATO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、又は酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。
基板としては、表示装置の折り曲げ性向上の観点から、フレキシブル基板が好ましい。フレキシブル基板としては、本発明の硬化膜と基板との密着性向上、及び折り曲げ性向上の観点から、炭素原子を主成分として含有する基板が好ましい。フレキシブル基板としては、ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板、シクロオレフィンポリマー基板、ポリカーボネート基板、又はセルローストリアセテート基板が好ましく、折り曲げ性向上の観点から、ポリイミド基板がより好ましい。
フレキシブル性を有する表示装置としては、折り曲げ性向上の観点から、フレキシブル基板上に積層されている構造を有することが好ましい。フレキシブル性を有する表示装置としては、曲面の表示部を有することが好ましい。曲面の曲率半径は、表示不良抑制の観点から、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。一方、曲面の曲率半径は、表示装置の解像度向上の観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。フレキシブル性を有する表示装置としては、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイが好ましい。
<第1電極及び第2電極>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、第1電極及び第2電極を有する。第1電極と第2電極として、透明電極と非透明電極とを組み合わせることにより、後述する発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層における発光を片側に取り出すことができる。本発明の表示装置における、透明電極及び非透明電極には、電気特性に優れること、陽極として用いる場合には効率良く正孔を注入できること、陰極として用いる場合には効率良く電子を注入できることなどの複合的な特性が求められる。
ボトムエミッション型の有機ELディスプレイは、第1電極として透明電極を、第2電極として非透明電極を有する。トップエミッション型の有機ELディスプレイは、第1電極として非透明電極を、第2電極として透明電極を有する。透明電極とは、波長550nmにおける透過率が、30%以上である電極をいう。非透明電極とは、波長550nmにおける透過率が、30%未満である電極をいう。複合的な特性を両立するために、非透明電極の第1電極を多層構造とすることも好ましい。例えば、非透明電極の第1電極を多層構造とし、第1電極の基板側に、密着性や耐腐食性を向上させる下地層や、反射率を調整する反射調整層を有することもできる。
<透明導電性酸化膜層、非透明導電性層、及び非透明導電性金属層>
本発明の第二の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有する。また、本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、及びガリウムからなる群より選ばれる一種類以上を含む透明導電性酸化膜層を有することが好ましく、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有することがより好ましい。本発明の表示装置において、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層としては、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、ITO、又はIZOが好ましく、ITOがより好ましく、少なくともインジウムを含むアモルファス性の透明導電性酸化膜層もより好ましい。
第1電極としては、単層構造又は多層構造である。第1電極が単層構造の場合、第1電極は透明電極である。本発明の第二の態様である表示装置において、第1電極が単層構造の場合、第1電極はインジウムを含む透明導電性酸化膜層である。第1電極が多層構造の場合、第1電極は透明電極又は非透明電極である。本発明の第二の態様である表示装置において、第1電極が多層構造の場合、第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有する。
第1電極が単層構造の透明電極であり、陽極として用いる場合には、インジウムを含む透明導電性酸化膜層としては、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、ITO、又はIZOが好ましく、ITOがより好ましい。
第1電極が多層構造の透明電極の場合、発光層側の最表層以外の層は、透明導電性酸化膜層であり、高透過率及び低抵抗率の観点から、ITO、IZO、AZO、GZO、又はATOが好ましい。さらに、発光層側の最表層と同じ、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有することも好ましい。
第1電極が多層構造の非透明電極の場合、発光層側の最表層以外の層として、少なくとも一層の非透明導電性層を有する。非透明導電性層としては、金属元素を含む非透明導電性金属層が好ましい。非透明導電性層としては、耐腐食性向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、銀、アルミニウム、炭素、クロム、銅、モリブデン、ニッケル、又はチタンを主成分として含むことが好ましく、銀、アルミニウム、又は銅を主成分として含むことがより好ましい。これらを主成分として含む非透明導電性層としては、AgPdCu合金、AgIn合金、AgZn合金、AgZnBi合金、Alグラフェン合金、AlMn合金、AlNd合金、AlGaNi合金、CuZn合金、若しくはCuZnMg合金などの合金、又は、Agナノフィラー、Agナノワイヤー、若しくはAgナノ粒子が好ましい。非透明導電性層における主成分とは、非透明導電性層を形成する材料中に最も多く含まれる成分をいう。さらに、上述した透明導電性酸化膜層を有することも好ましく、上述した発光層側の最表層と同じ、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有することも好ましい。
第2電極としては、単層構造の透明電極、多層構造の透明電極、単層構造の非透明電極、又は多層構造の非透明電極である。上述した第1電極が透明電極の場合、第2電極は非透明電極である。一方、第1電極が非透明電極の場合、第2電極は透明電極である。
第2電極が単層構造の透明電極であり、陰極として用いる場合には、リチウム、マグネシウム、銀、又はアルミニウムを主成分として含むことが好ましい。第2電極を透明電極とするにあたり、膜厚を調整して波長550nmにおける透過率を調整することが好ましい。第2電極としては、これらを主成分として含む層を積層した、多層構造の透明電極であっても構わない。
第2電極が単層構造の非透明電極であり、陰極として用いる場合には、リチウム、マグネシウム、銀、又はアルミニウムを主成分として含むことが好ましい。第2電極を非透明電極とするにあたり、膜厚を調整して波長550nmにおける透過率を調整することが好ましい。第2電極としては、これらを主成分として含む層を積層した、多層構造の非透明電極であっても構わない。
<アモルファス性の透明導電性酸化膜層、及び銀を含む非透明導電性金属層>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、上述した第1電極が、透明導電性酸化膜層及び非透明導電性金属層を少なくとも含む多層構造を有し、第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含むアモルファス性の導電性酸化膜層を有し、非透明導電性金属層が、少なくとも銀を含む合金層を有し、トップエミッション型の構成であることが好ましい。最表層にアモルファス性の導電性酸化膜層を有することで、表面におけるリン原子による表面改質が進行しやすく、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また、銀を含む合金層を有することで、銀が有する高反射率の特性により光取り出し効率が向上するため、高輝度化が可能となり、発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となる。また、銀が有する低抵抗率の特性により、第1電極の導電性が向上するため、発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となる。第1電極の発光層側の最表層におけるアモルファス性の透明導電性酸化膜層、及び/又は、第1電極の非透明導電性金属層における銀を含む合金層を有することで、発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となり、高輝度化及び光取り出し効率向上が可能となるため、トップエミッション型の構成とするにあたり、特に好適である。
第1電極における非透明導電性金属層が有する、銀を含む合金層に占める銀の含有比率は、高反射率及び低抵抗率による発光特性の低電圧駆動化の観点から、95質量%以上が好ましく、96質量%以上がより好ましく、97質量%以上がさらに好ましい。一方、銀の含有比率は、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98.5質量%以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、上述した第1電極における非透明導電性金属層が、少なくとも銀を含む合金層を有し、銀を含む合金層が、さらに、パラジウム及び/又は銅を含むことが好ましい。これらの元素を含むことで、第1電極の導電性が向上するため、発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となる。また、第1電極の耐熱性向上、及び耐酸化性向上を顕著に向上できるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
第1電極における非透明導電性金属層が有する、銀を含む合金層に占める、パラジウム及び銅の含有比率の合計は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましい。一方、パラジウム及び銅の含有比率の合計は、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、上述した第1電極における非透明導電性金属層が、少なくとも銀を含む合金層を有し、銀を含む合金層が、さらに、インジウム、スズ、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及びケイ素からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましく、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種類以上を含むことがより好ましい。これらの元素を含むことで、第1電極の導電性が向上するため、発光特性の低電圧駆動化の効果が顕著となる。
第1電極における非透明導電性金属層が有する、銀を含む合金層に占める、インジウム、スズ、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及びケイ素の含有比率の合計は、発光特性の低電圧駆動化の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。一方、インジウム、スズ、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及びケイ素の含有比率の合計は、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
<画素分割層>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、画素分割層を有する。画素分割層としては、本発明の硬化膜が好ましい。本発明の表示装置において、画素分割層は、上述した第1電極上の一部と重なるように形成されている。画素分割層が第1電極上の一部で重なるように形成されることで、任意の画素の第1電極と、その画素の後述する第2電極とを絶縁することができ、第1電極と第2電極との短絡に起因する画素非点灯を抑制できる。また、任意の画素の第1電極と、その画素と隣接する画素の第1電極とを絶縁することができ、第1電極同士の短絡に起因する画素非点灯を抑制できる。
<画素分割層が含有する構造>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層が、ホスホン酸構造、ホスホン酸モノエステル構造、ホスホン酸ジエステル構造、亜リン酸モノエステル構造、亜リン酸ジエステル構造、又は亜リン酸トリエステル構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、ホスホン酸構造、ホスホン酸モノエステル構造、亜リン酸モノエステル構造、又は亜リン酸ジエステル構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましく、ホスホン酸構造を有する化合物及び/又はホスホン酸モノエステル構造を有する化合物を含有することがさらに好ましい。画素分割層がこれらの構造を有することで、画素分割層の開口部に相当する、導電性酸化膜層の表面における導電性向上の効果が顕著になると推定される。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層が、上述した一般式(1)で表される構造を有する樹脂、一般式(3)で表される構造を有する樹脂、一般式(2)で表される構造を有する樹脂、一般式(4)で表される構造を有する樹脂、一般式(9)で表される構造を有する樹脂、一般式(7)で表される構造を有する樹脂、一般式(8)で表される構造を有する樹脂、一般式(47)で表される構造を有する樹脂、一般式(48)で表される構造を有する樹脂、一般式(49)で表される構造を有する樹脂、一般式(50)で表される構造を有する樹脂、一般式(35)で表される構造を有する樹脂、一般式(36)で表される構造を有する樹脂、一般式(37)で表される構造を有する樹脂、一般式(38)で表される構造を有する樹脂、一般式(41)で表される構造を有する樹脂、一般式(42)で表される構造を有する樹脂、及び一般式(43)で表される構造を有する樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。また、画素分割層が、上述した一般式(1)で表される構造を有する樹脂、一般式(3)で表される構造を有する樹脂、一般式(2)で表される構造を有する樹脂、一般式(4)で表される構造を有する樹脂、一般式(9)で表される構造を有する樹脂、一般式(7)で表される構造を有する樹脂、及び一般式(8)で表される構造を有する樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがより好ましい。また、、画素分割層が、上述した一般式(1)で表される構造を有する樹脂、一般式(3)で表される構造を有する樹脂、一般式(2)で表される構造を有する樹脂、一般式(4)で表される構造を有する樹脂、及び一般式(9)で表される構造を有する樹脂からなる群より選ばれる一種類以上を含有することがさらに好ましい。画素分割層がこれらの構造を有する樹脂を含有することで、画素分割層の開口部に相当する、導電性酸化膜層の表面における導電性向上の効果が顕著になると推定される。また、これらの樹脂構造の耐熱性により、低アウトガス化に効果があると考えられる。
一般式(1)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-1)ポリイミド及び/又は(A1-2)ポリイミド前駆体に由来する構造である。一般式(3)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-2)ポリイミド前駆体に由来する構造である。一般式(2)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-3)ポリベンゾオキサゾール及び/又は(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体に由来する構造である。一般式(4)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-4)ポリベンゾオキサゾール前駆体に由来する構造である。一般式(9)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A1-5)ポリアミドイミドに由来する構造である。一般式(7)で表される構造、及び一般式(8)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A2-1)ポリシロキサンに由来する構造である。一般式(47)で表される構造、一般式(48)で表される構造、一般式(49)で表される構造、及び一般式(50)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A2-2)多環側鎖含有樹脂に由来する構造である。一般式(35)で表される構造、一般式(36)で表される構造、一般式(37)で表される構造、一般式(38)で表される構造、一般式(41)で表される構造、一般式(42)で表される構造、及び一般式(43)で表される構造は、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂として、(A2-2)酸変性エポキシ樹脂に由来する構造である。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層が、一般式(75)で表される構造を有する化合物、一般式(76)で表される構造を有する化合物、一般式(77)で表される構造を有する化合物、及び一般式(78)で表される構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、一般式(76)で表される構造を有する化合物、及び/又は、一般式(78)で表される構造を有する化合物を含有することがより好ましい。画素分割層がこれらの構造を有する化合物を含有することで、画素分割層の開口部に相当する、導電性酸化膜層の表面における導電性向上の効果が顕著になると推定される。また、これらの構造の耐熱性によって低アウトガス化することで、発光素子の信頼性向上に効果があると考えられる。
一般式(75)で表される構造、及び一般式(76)で表される構造は、フルオレン骨格、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、又はジベンゾチオフェン骨格を少なくとも部分構造として有する、上述した(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤に由来する構造である。
一般式(75)及び一般式(76)において、X31、X32、及びX33は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~10のシクロアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。Y31及びY32は、それぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。R231~R234は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、又は炭素数1~10のヒドロキシアルキル基を表す。R239及びR240は、それぞれ独立して、一般式(79)で表される基、一般式(80)で表される基、一般式(81)で表される基、一般式(82)で表される基、又はニトロ基を表す。R243~R250は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のヒドロキシアルキル基、又は、炭素数4~10の環を形成する基を表す。R259及びR260は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のハロアルコキシ基、又は炭素数2~15のアシル基を表す。*1及び*2は、それぞれ独立して、結合点を表す。a、b、c、及びdは、それぞれ独立して、0又は1を表す。p及びqは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。v及びwは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。
一般式(76)において、R261は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のハロアルコキシ基、炭素数4~10の複素環基、炭素数4~10の複素環オキシ基、炭素数2~10のアシル基、又はニトロ基を表す。mは、1~10の整数を表す。
一般式(75)及び一般式(76)において、Y31が、炭素原子の場合、iは2である。Y31が、窒素原子の場合、iは1である。Y31が、酸素原子又は硫黄原子の場合、iは0である。Y32が、炭素原子の場合、jは2である。Y32が、窒素原子の場合、jは1である。Y32が、酸素原子又は硫黄原子の場合、jは0である。
一般式(79)~(82)において、R263~R266は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のヒドロキシアルキル基、又は環を形成する基を表す。aは0~7の整数であり、bは0~2の整数であり、c及びdは、それぞれ独立して、0~3の整数である。
一般式(77)で表される構造、及び一般式(78)で表される構造は、ジフェニルスルフィド骨格を少なくとも部分構造として有する、上述した(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤に由来する構造である。
一般式(77)及び一般式(78)において、R235~R238は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、又は炭素数1~10のヒドロキシアルキル基を表す。R241及びR242は、それぞれ独立して、一般式(79)で表される基、一般式(80)で表される基、一般式(81)で表される基、一般式(82)で表される基、又はニトロ基を表す。R251~R258は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のヒドロキシアルキル基、又は、炭素数4~10の環を形成する基を表す。*3及び*4は、それぞれ独立して、結合点を表す。e、f、g、及びhは、それぞれ独立して、0又は1を表す。r及びsは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。x及びyは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。
一般式(78)において、X34は、直接結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~10のシクロアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。R262は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のハロアルコキシ基、炭素数4~10の複素環基、炭素数4~10の複素環オキシ基、炭素数2~10のアシル基、又はニトロ基を表す。nは、1~10の整数を表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層が、一般式(84)で表される構造を有する化合物、一般式(85)で表される構造を有する化合物、一般式(86)で表される構造を有する化合物、一般式(87)で表される構造を有する化合物、一般式(88)で表される構造を有する化合物、及び一般式(89)で表される構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、一般式(84)で表される構造を有する化合物、及び/又は、一般式(87)で表される構造を有する化合物を含有することがより好ましい。画素分割層がこれらの構造を有する化合物を含有することで、画素分割層の開口部に相当する、導電性酸化膜層の表面における導電性向上の効果が顕著になると推定される。また、これらの構造の耐熱性によって低アウトガス化することで、発光素子の信頼性向上に効果があると考えられる。
一般式(84)で表される構造、一般式(85)で表される構造、及び一般式(86)で表される構造は、フルオレン骨格、又はインダン骨格を少なくとも部分構造として有する、上述した(B1)フルオレン骨格含有ラジカル重合性化合物、又は上述した(B2)インダン骨格含有ラジカル重合性化合物に由来する構造である。
一般式(84)~(86)において、X44~X49は、それぞれ独立して、炭素数6~15及び2~10価の、単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、又は、炭素数4~10及び2~8価の、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環を表す。Y44~Y49は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~10のシクロアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(84)におけるY44及びY45が、直接結合の場合、対応するZ44及びZ45は、直接結合を表し、k及びlは、0である。一般式(85)及び(86)における、Y46及びY47、対応するZ46、Z47、m、及びn、並びに、Y48及びY49、対応するZ48、Z49、o、及びpにおいても同様である。一般式(84)におけるY44及びY45が、直接結合でない場合、対応するZ44及びZ45は、酸素原子を表し、k及びlは、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。一般式(85)における、Y46及びY47、対応するZ46、Z47、m、及びn、並びに、一般式(86)における、Y48及びY49、対応するZ48、Z49、o、及びpにおいても同様である。R291~R300は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R301~R304は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R305~R310は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基又はヒドロキシ基を表す。R311~R316は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。*1~*12は、それぞれ独立して、結合点を表す。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。g、h、i、及びjは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。u、v、w、x、y、及びzは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。上述した単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれでもよい。
一般式(87)で表される構造、一般式(88)で表される構造、及び一般式(89)で表される構造は、フルオレン骨格、又はインダン骨格を少なくとも部分構造として有する、上述した(G1)フルオレン骨格含有エポキシ架橋剤、又は上述した(B2)インダン骨格含有エポキシ架橋剤に由来する構造である。
一般式(87)~(89)において、X84~X89は、それぞれ独立して、炭素数6~15及び2~10価の、単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、又は、炭素数4~10及び2~8価の、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環を表す。Y84~Y89は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~10のシクロアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。R321~R330は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R331~R334は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R335~R340は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又はヒドロキシ基を表す。R341~R346は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。*1~*6は、それぞれ独立して、結合点を表す。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。g、h、i、及びjは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。u、v、w、x、y、及びzは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。上述した単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれでもよい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の観点から、上述した画素分割層が、(D1a)黒色顔料を含有することが好ましい。画素分割層が(D1a)を含有することで、画素分割層の遮光性向上により、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。加えて、画素分割層の遮光性向上により、電極配線の可視化防止、及び外光反射抑制が可能となり、それにより表示装置のコントラスト向上の効果が顕著となる。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の観点から、上述した画素分割層が、(D1a)黒色顔料として、上述した一般式(63)又は上述した一般式(64)で表される化合物、これらの幾何異性体、これらの塩、及びこれらの幾何異性体の塩からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。画素分割層がこれらの構造の(D1a)黒色顔料を含有することで、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の効果が顕著となる。画素分割層がこれらの構造の(D1a)黒色顔料を有することで、画素分割層の開口部に相当する、導電性酸化膜層の表面における導電性向上の効果が顕著になると推定される。また、これらの構造の(D1a)黒色顔料は、一般的な有機顔料と比較して樹脂組成物中の顔料の単位含有比率当たりの遮光性に優れるため、画素分割層の遮光性向上により、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。加えて、画素分割層の遮光性向上により、電極配線の可視化防止、及び外光反射抑制が可能となり、それにより表示装置のコントラスト向上が可能となる。また、一般的な有機顔料及び無機顔料と比較して絶縁性及び低誘電性に優れるため、発光素子の信頼性向上に効果があると考えられる。
一般式(63)又は一般式(64)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩は、上述した(D1a-1a)ベンゾフラノン系黒色顔料である。
<画素分割層の光学濃度、及びフレキシブル性を有する表示装置>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、上述した画素分割層が黒色、かつ上述した画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が1.0~5.0であって、上述した基板がフレキシブル基板であって、前記画素分割層がフレキシブル基板上に積層されている構造を有し、かつ偏光フィルムを有しないことが好ましい。画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度は、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の観点から、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。可視光領域は、波長が400~700nm程度である。一方、画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。画素分割層が黒色、かつ画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が1.0~5.0であることで、画素分割層の遮光性向上により、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。加えて、画素分割層の遮光性向上により、電極配線の可視化防止、及び外光反射抑制が可能となり、それにより表示装置のコントラスト向上が可能となる。従って、本発明の表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上などを兼ね備えることが可能となる。
特に、本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した画素分割層が、(D1a)黒色顔料を含有し、(D1a)黒色顔料として、上述した一般式(63)又は上述した一般式(64)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、さらに、画素分割層が黒色、かつ上述した画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が1.0~5.0であることがより好ましい。そのような構成とすることで、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及び表示装置のコントラスト向上の効果が顕著となる。また、基板がフレキシブル基板であって、前記画素分割層がフレキシブル基板上に積層されている構造を有することで、折り曲げ性向上が可能となる。また、フレキシブル性に乏しい偏光フィルムを有しないことで、さらに折り曲げ性を向上できる。従って、基板がフレキシブル基板であって、フレキシブル基板上に積層されている構造を有し、かつ偏光フィルムを有しないことで、折り曲げ性向上の効果が顕著となる。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、上述した画素分割層が黒色、かつ上述した画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が1.0~5.0であることで、画素分割層の遮光性向上により、外光反射抑制、及び表示装置のコントラスト向上が可能となる。そのため、発光素子の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、又は円偏光板などの偏光フィルムを有しなくても、外光反射抑制、及び表示装置のコントラスト向上が可能である。従って、本発明の表示装置は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、表示装置のコントラスト向上、及び折り曲げ性向上などを兼ね備えることが可能であるため、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイとして、特に好適である。
<画素分割層の表面における算術平均粗さ>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した画素分割層の表面における算術平均粗さは、画素分割層と上述した第2電極との密着性向上の観点から、0.1nm以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。一方、画素分割層の表面における算術平均粗さは、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.1nm以上が好ましく、10.0nm以下が好ましく、5.0nm以下がより好ましく、1.0nm以下がさらに好ましく、0.5nm以下が特に好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した画素分割層として、本発明の硬化膜を形成することが一般的である。また、画素分割層を形成した後、画素分割層の開口部に相当する、上述した第1電極の発光層が形成される領域における、第1電極の表面上の僅かに残存する残渣等を分解・除去するため、プラズマ処理によって第1電極の表面上を洗浄することが一般的である。しかしながら、第1電極の表面上の残渣等を分解・除去するため、プラズマ処理の出力を強化、又は、プラズマ処理を長時間化すると、画素分割層の表面も分解・除去されてしまい、プラズマ処理後に画素分割層の表面に残存する低分子成分や画素分割層の表面の分解・変質部位が、発光素子の信頼性低下の要因となる場合がある。プラズマ処理による画素分割層の表面の分解・変質の度合いは、画素分割層の表面における算術平均粗さを測定することで求めることができる。算術平均粗さが大きいほど、画素分割層の表面の分解・変質の度合いが大きいことを表す。そのような観点から、算術平均粗さは上述した範囲内であることが好ましい。
また、第1電極の表面上の残渣等を残存させることなく、画素分割層を形成することで、プラズマ処理の出力強化、及び、プラズマ処理の長時間化は不要となるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。第1電極の表面上の残渣等の残存度合いは、発光素子の電流密度-電圧特性を測定することで求めることができる。第1電極の表面上に残渣等が残存すると、第1電極における抵抗値が増加し、電流が流れにくくなる。従って、電流密度-電圧特性が大きいほど、すなわち発光特性が高電圧駆動であるほど、第1電極の表面上に残渣等が多いことを表す。本発明の第二の態様である表示装置は、後述する第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有し、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度を特定強度とすることによって、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の両立が可能である。また、本発明の第三の態様である表示装置は、後述する発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度を特定強度とすることによって、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の両立が可能である。
<画素分割層の段差形状を有するパターン>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した画素分割層は、厚膜部と薄膜部とで十分な膜厚差がある段差形状を有するパターンを含むことが好ましい。画素分割層が含む段差形状を有するパターンにおける、最も大きい厚さを有する領域(厚膜部)の膜厚と、最も小さい厚さを有する領域(薄膜部)の膜厚との膜厚差は、発光素子の信頼性向上の観点から、1.0μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。一方、段差形状を有するパターンにおける厚膜部と薄膜部との膜厚差は、タクトタイム短縮の観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。
<画素分割層の段差形状を有するパターン表面における接触角>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した段差形状を有するパターンを含む画素分割層における、厚膜部の純水に対する接触角を(CAwFT)°、及び、薄膜部の純水に対する接触角を(CAwHT)°とするとき、前記(CAwFT)°と前記(CAwHT)°との接触角差(ΔCAwFT-HT)°は、20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がさらに好ましく、50°以上が特に好ましい。純水に対する接触角差が20°以上であると、後述する(4-1)インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程における、インク同士の混色を防止できるとともに、有機EL層の成膜不良を抑制できる。一方、有機EL層の成膜不良抑制の観点から、純水に対する接触角差(ΔCAwFT-HT)°は、90°以下が好ましく、80°以下がより好ましく、70°以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、上述した段差形状を有するパターンを含む画素分割層における、厚膜部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角を(CApFT)°、及び、薄膜部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角を(CApHT)°とするとき、前記(CApFT)°と前記(CApHT)°との接触角差(ΔCApFT-HT)°は、10°以上が好ましく、20°以上がより好ましく、30°以上がさらに好ましい。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角差が10°以上であると、後述する(4-1)インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程における、インク同士の混色を防止できるとともに、有機EL層の成膜不良を抑制できる。一方、有機EL層の成膜不良抑制の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する接触角差(ΔCApFT-HT)°は、70°以下が好ましく、60°以下がより好ましく、50°以下がさらに好ましい。
<発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層>
本発明の第二の態様である表示装置は、発光層を含む有機EL層を有する。本発明の表示装置において、発光層を含む有機EL層は、上述した第1電極上、かつ上述した第1電極及び上述した第2電極の間に形成されている。このような構成とすることで、発光画素部に相当する領域を形成することができる。
また、本発明の第三の態様である表示装置は、発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層を有する。本発明の表示装置において、発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層は、上述した第1電極上、かつ上述した第1電極及び上述した第2電極の間に形成されている。このような構成とすることで、発光画素部に相当する領域を形成することができる。
有機EL層は、さらに、正孔輸送層及び/又は電子輸送層を有することが好ましく、発光層との積層構造とすることで、有機EL層を形成することが好ましい。有機EL層の構成としては、例えば、(1)正孔輸送層/発光層、(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、又は、(3)発光層/電子輸送層などが挙げられる。有機EL層の構成については、正孔と電子の注入や輸送、発光層における発光効率などを総合的に高めるために種々検討されており、好ましい構成としては、特開平8-109373号公報に記載された有機EL素子などが挙げられる。
なお、本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、発光層を含む有機EL層を用いた積層構造とすることで、表示装置である有機ELディスプレイを製造することが可能となる。一方、本発明の第三の態様である表示装置において、発光層を含む有機EL層の代わりに、発光層を含む光取り出し層を用いた積層構造とすることで、表示装置である量子ドットディスプレイ、又はマイクロLEDディスプレイを製造することが可能となる。
本発明の第三の態様である表示装置は、発光層を含む光取り出し層が量子ドットを含み、表示装置が量子ドットディスプレイであることが好ましい。本発明の表示装置である量子ドットディスプレイは、基板、第1電極、第2電極、及び画素分割層を少なくとも有し、さらに、少なくとも発光層を含む光取り出し層を有する表示装置であって、該画素分割層は、該第1電極上の一部と重なるように形成され、該発光層を含む光取り出し層は、該第1電極上、かつ該第1電極及び該第2電極の間に形成された構成を有し、該発光層を含む光取り出し層が、量子ドットを含む構成を有する表示装置である。
本発明の第三の態様である表示装置は、発光層を含む光取り出し層が無機半導体を含み、表示装置がマイクロLEDディスプレイであることが好ましい。本発明の表示装置であるマイクロLEDディスプレイは、基板、第1電極、第2電極、及び画素分割層を少なくとも有し、さらに、少なくとも発光層を含む光取り出し層を有する表示装置であって、該画素分割層は、該第1電極上の一部と重なるように形成され、該発光層を含む光取り出し層は、該第1電極上、かつ該第1電極及び該第2電極の間に形成された構成を有し、該発光層を含む光取り出し層が、無機半導体を含む構成を有する表示装置である。
本発明の第三の態様である表示装置において、発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層の両方を用いた積層構造とした表示装置を製造することも可能である。例えば、以下の(1)~(2)の表示装置が挙げられる。
(1)第1電極上の、発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層(例えば、自発光型の量子ドットを含む層)の両方を光源とする発光素子を有する表示装置。
(2)第1電極上の、発光層を含む有機EL層を光源とする発光素子(有機EL発光素子)からの発光を、発光層を含む有機EL層上の、発光層を含む光取り出し層(例えば、量子ドットを含む層)によって色変換させた光を発光する、発光素子を有する表示装置。
本発明の第三の態様である表示装置は、発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層を有する表示装置であって、該発光層を含む光取り出し層が量子ドットを含むことが好ましく、該発光層を含む有機EL層、及び該発光層を含む光取り出し層が、第1電極上に、該発光層を含む有機EL層、該発光層を含む光取り出し層の順に形成されていることが好ましい。
一方、本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層の両方を用いた積層構造として、発光層を含む光取り出し層を第1電極上ではなく、別の位置に有する表示装置を製造することも可能である。例えば、以下の(3)~(5)の表示装置が挙げられる。
(3)第1電極上の、発光層を含む有機EL層を光源とする発光素子(有機EL発光素子)からの発光1、及び、LEDなどのバックライトからの光を、第1電極上ではない位置にある発光層を含む光取り出し層(例えば、量子ドットを含む層)によって色変換させた光2、の両方を光源とする表示装置。
(4)第1電極上の、発光層を含む有機EL層を光源とする発光素子(有機EL発光素子)からの発光を、第1電極上ではない位置にある発光層を含む光取り出し層(例えば、量子ドットを含む層)によって色変換させた光、を光源とする表示装置。
(5)第1電極上の、発光層を含む有機EL層を光源とする発光素子(有機EL発光素子)からの発光1、及び、第1電極上の、発光層を含む有機EL層を光源とする発光素子(有機EL発光素子)からの発光を、第1電極上ではない位置にある発光層を含む光取り出し層(例えば、量子ドットを含む層)によって色変換させた光2、の両方を光源とする表示装置。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、さらに、量子ドットを含むカラーフィルタを有することが好ましい。本発明の表示装置において、量子ドットを含むカラーフィルタを有する構成を有する場合、発光素子の光取り出し側から見て、量子ドットを含むカラーフィルタと垂直方向に重畳し、かつ量子ドットを含むカラーフィルタよりも下層に位置する発光素子は、青色光を発光する有機EL発光素子、白色光を発光する有機EL発光素子、青色光を発光するLED素子、又は白色光を発光するLED素子が好ましい。
<第1電極上における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度>
本発明の第二の態様である表示装置は、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるリンイオン(P-)の検出強度を(PDep/Anode)countsとするとき、(PDep/Anode)が、一般式(PA-1)を満たす。
4≦(PDep/Anode)≦100 (PA-1)
本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるリンイオン(P-)の検出強度を(PDep/Anode)countsとするとき、(PDep/Anode)が、一般式(PA-1)を満たす。
4≦(PDep/Anode)≦100 (PA-1)
一般式(PA-1)は、リンイオン(P-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(PDep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、リン原子で表面改質された比率が多いことを表す。
透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度が、上記式を満たすことで、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。また、第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度が、上記式を満たすことで、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上が可能となる。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(PDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。一方、(PDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、80以下が好ましく、60以下がより好ましく、40以下がさらに好ましく、30以下がさらにより好ましく、25以下が特に好ましい。
なお、本発明の第二の態様である表示装置における、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面とは、飛行時間型二次イオン質量分析におけるデプス測定によって求めることができる。まず、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域に対して、バイアスを印加して加速させたエッチングイオン種を発光層側から衝突させ、第1電極側に向かって深さ方向にエッチングしながら、バイアスを印加して加速させた一次イオン種を、発光層側から衝突させる。その際に放出された二次イオンを測定し、発光層側から第1電極側に向かう深さ方向のデプスプロファイルを測定する。デプスプロファイルにおいて、酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が100以上となった点を、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面とする。また、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置とは、発光層側から第1電極側に向かう深さ方向のデプスプロファイルにおいて、30cyclesとなる点を、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置とする。同様に、本発明の第三の態様である表示装置における、第1電極の表面とは、飛行時間型二次イオン質量分析におけるデプス測定によって求めることができる。上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域に対して、同様の方法で発光層側から二次イオンを測定し、深さ方向のデプスプロファイルを測定する。デプスプロファイルにおいて、第1電極の発光層側の最表層が含む元素のうち、少なくとも1つのイオンの検出強度が100以上となった点を、第1電極の表面とする。また、第1電極の表面から深さ3nmの位置とは、深さ方向のデプスプロファイルにおいて、30cyclesとなる点を、第1電極の表面から深さ3nmの位置とする。
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(PDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(PA-2)及び(PA-3)を満たすことが好ましい。
0.004≦(PDep/Anode)/(InODep/Anode)≦0.1 (PA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (PA-3)
本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有する場合、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(PDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(PA-2)及び(PA-3)を満たすことが好ましい。
0.004≦(PDep/Anode)/(InODep/Anode)≦0.1 (PA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (PA-3)
一般式(PA-2)は、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定強度比であることを示す式である。(PDep/Anode)/(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、リン原子で表面改質された比率が多いことを表す。一般式(PA-3)は、酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面が露出した比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(PDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.006以上が好ましく、0.008以上がより好ましく、0.01以上がさらに好ましい。一方、(PDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.08以下が好ましく、0.06以下がより好ましく、0.04以下がさらに好ましく、0.03以下がさらにより好ましく、0.025以下が特に好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、1,200以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。一方、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、7,500以下が好ましく、6,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましく、4,000以下がさらにより好ましく、3,500以下が特に好ましい。
<第1電極上における、炭素イオン(C-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度>
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される炭素イオン(C-)の検出強度を(CDep/Anode)countsとするとき、(CDep/Anode))が、一般式(CA-1)を満たすことが好ましい。
20≦(CDep/Anode)≦4,000 (CA-1)
本発明の第三の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される炭素イオン(C-)の検出強度を(CDep/Anode)countsとするとき、(CDep/Anode))が、一般式(CA-1)を満たすことが好ましい。
20≦(CDep/Anode)≦4,000 (CA-1)
一般式(CA-1)は、炭素イオン(C-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(CDep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、炭素原子の存在比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(CDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50以上が好ましく、75以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。一方、(CDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(CDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(CA-2)及び(CA-3)を満たすことが好ましい。
0.02≦(CDep/Anode)/(InODep/Anode)≦4 (CA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (CA-3)
本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有する場合、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(CDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(CA-2)及び(CA-3)を満たすことが好ましい。
0.02≦(CDep/Anode)/(InODep/Anode)≦4 (CA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (CA-3)
一般式(CA-2)は、炭素イオン(C-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定強度比であることを示す式である。(CDep/Anode)/(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、炭素原子の存在比率が多いことを表す。一般式(CA-3)は、酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面が露出した比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(CDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05以上が好ましく、0.075以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましい。一方、(CDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、1,200以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。一方、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、7,500以下が好ましく、6,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましく、4,000以下がさらにより好ましく、3,500以下が特に好ましい。
<第1電極上における、シアン化物イオン(CN-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度>
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるシアン化物イオン(CN-)の検出強度を(CNDep/Anode)countsとするとき、(CNDep/Anode)が、一般式(CNA-1)を満たすことが好ましい。
20≦(CNDep/Anode)≦4,000 (CNA-1)
本発明の第三の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるシアン化物イオン(CN-)の検出強度を(CNDep/Anode)countsとするとき、(CNDep/Anode)が、一般式(CNA-1)を満たすことが好ましい。
20≦(CNDep/Anode)≦4,000 (CNA-1)
一般式(CNA-1)は、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(CNDep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、窒素原子に結合した炭素原子の存在比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(CNDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50以上が好ましく、75以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。一方、(CNDep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(CNDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(CNA-2)及び(CNA-3)を満たすことが好ましい。
0.02≦(CNDep/Anode)/(InODep/Anode)≦4 (CNA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (CNA-3)
本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有する場合、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度を(InODep/Anode)countsとするとき、さらに、(CNDep/Anode)、及び(InODep/Anode)が、一般式(CNA-2)及び(CNA-3)を満たすことが好ましい。
0.02≦(CNDep/Anode)/(InODep/Anode)≦4 (CNA-2)
1,000≦(InODep/Anode)≦10,000 (CNA-3)
一般式(CNA-2)は、シアン化物イオン(CN-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定強度比であることを示す式である。(CNDep/Anode)/(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、窒素原子に結合した炭素原子の存在比率が多いことを表す。一般式(CNA-3)は、酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定範囲であることを示す式である。(InODep/Anode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面が露出した比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(CNDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.05以上が好ましく、0.075以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましい。一方、(CNDep/Anode)/(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、1,200以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。一方、(InODep/Anode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、7,500以下が好ましく、6,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましく、4,000以下がさらにより好ましく、3,500以下が特に好ましい。
<画素分割層及び第1電極上における、酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比>
本発明の第二の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域と重畳しない領域において、第2電極と接する側の表面又は第2電極の開口部において露出する側の表面における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比を(PPDL)とし、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域において、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比を(PAnode)とするとき、(PAnode)及び(PPDL)が、一般式(PD-1)を満たすことが好ましい。
30≦(PAnode)/(PPDL)≦5,000 (PD-1)
本発明の第三の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、上述した画素分割層上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域と重畳しない領域において、第2電極と接する側の表面又は第2電極の開口部において露出する側の表面における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比を(PPDL)とし、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域において、発光層と接する側の第1電極の表面における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定される負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比を(PAnode)とするとき、(PAnode)及び(PPDL)が、一般式(PD-1)を満たすことが好ましい。
30≦(PAnode)/(PPDL)≦5,000 (PD-1)
一般式(PD-1)は、画素分割層上及び第1電極上における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比が、特定強度比であることを示す式である。(PAnode)/(PPDL)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、リン原子で表面改質された比率が多く、画素分割層の表面よりも多くのリン原子が存在することを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(PAnode)/(PPDL)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50以上が好ましく、70以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。一方、(PAnode)/(PPDL)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、4,000以下が好ましく、3,000以下がより好ましく、2,000以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、さらに、(PAnode)及び(PPDL)が、一般式(PD-2)及び(PD-3)を満たすことが好ましい。
0.003≦(PAnode)≦0.5 (PD-2)
0.0001≦(PPDL)≦0.01 (PD-3)
一般式(PD-2)は、第1電極上における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比が、特定範囲であることを示す式である。(PAnode)が大きいほど、上述した透明導電性酸化膜層の表面及び上述した第1電極の表面において、リン原子で表面改質された比率が多いことを表す。一般式(PD-3)は、画素分割層上における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度の比が、特定範囲であることを示す式である。(PPDL)が大きいほど、上述した画素分割層の表面において、リン原子の存在比率が多いことを表す。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(PAnode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.005以上が好ましく、0.007以上がより好ましく、0.01以上がさらに好ましい。一方、(PAnode)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましい。
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置において、(PPDL)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化の観点から、0.0002以上が好ましく、0.0003以上がより好ましく、0.0005以上がさらに好ましい。一方、(PPDL)は、仕事関数差の調整による発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.007以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。
<リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法>
本発明のリンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法について説明する。本発明の第二の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有し、前記透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である。また、本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である。本発明の表示装置における上述した第1電極としては、例えば、以下の(I)~(V)の方法により得られる。なお、上述した通り(F)リン原子、並びに、炭素数6~30の1~2価の脂肪族基及び/又はベタイン構造を有する化合物を、以下、「(F)化合物」という。
(I)(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(II)(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を形成した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(III)(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させる方法。
(IV)リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させる方法。
(V)リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させる方法。
<(I)(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出する方法>
(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出することで、上述した透明導電性酸化膜層の表面又は上述した第1電極の表面がリン原子で表面改質され、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。本方法によって形成した感光性樹脂組成物のパターンが、上述した画素分割層に相当する。
(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性樹脂としては、上述した樹脂が挙げられる。(C)感光剤としては、上述した化合物が挙げられる。(F)化合物としては、上述した化合物が挙げられる。(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物は、さらに、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、上述した化合物が挙げられる。
感光性樹脂組成物に占める(F)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、0.1質量部以上である。(F)化合物の含有量は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましい。一方、(F)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、4質量部以下である。(F)化合物の含有量は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出する工程としては、後述する表示装置の製造方法における、(2)基板上に、感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程、(3)該感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、及び、(4)アルカリ溶液を用いて現像して、該感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、と同様である。
第1電極上に感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、20℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。一方、第1電極上に感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましく、130℃以下が特に好ましい。
第1電極上に感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク時間は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、第1電極上に感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク時間は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及びタクトタイム短縮の観点から、60分以下が好ましく、30分以下がより好ましく、10分以下がさらに好ましく、5分以下が特に好ましい。
第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出する工程としては、フォトリソグラフィーにより直接パターン加工する方法であり、露光した後、現像液により感光性樹脂組成物のパターンを形成する。
現像液としては、アルカリ溶液が好ましく、有機系のアルカリ溶液、又はアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。アルカリ溶液としては、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又は水酸化テトラエチルアンモニウムが好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウム、又は水酸化テトラエチルアンモニウムがより好ましい。アルカリ溶液のアルカリ濃度としては、0.01~5質量%が好ましい。現像液としては、有機溶媒を用いても構わない。現像液としては、有機溶媒と感光性樹脂組成物に対する貧溶媒の、両方を含有する混合溶液を用いても構わない。
現像液によりパターン形成する方法としては、例えば、(1)感光性樹脂組成物の塗膜を露光した後、現像液を塗布する方法、(2)感光性樹脂組成物の塗膜を露光した後、現像液を霧状にして放射する方法、(3)感光性樹脂組成物の塗膜を露光した後、現像液中に浸漬する方法、又は(4)感光性樹脂組成物の塗膜を露光した後、現像液中に浸漬して超音波を照射する方法が挙げられる。現像液によりパターン形成する方法としては、自動現像機を用いても構わない。
現像液によりパターン形成する方法において、現像温度は、タクトタイム短縮の観点から、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。一方、現像温度は、パターン寸法制御の観点から、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、60℃以下がさらに好ましい。なお、現像温度は、現像液中の成分の沸点以下の温度が好ましい。
現像液によりパターン形成する方法において、現像時間は、パターン寸法制御の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、現像時間は、タクトタイム短縮の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。
現像後、さらに、リンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、水、アルコール類の水溶液、エステル類の水溶液、酸性を示す化合物の水溶液、又は有機溶媒が好ましく、水がより好ましい。
<(II)(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出する方法>
(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出することで、上述した透明導電性酸化膜層の表面又は上述した第1電極の表面がリン原子で表面改質され、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。本方法によって形成した樹脂組成物のパターンが、上述した画素分割層に相当する。
(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性樹脂としては、上述した樹脂が挙げられる。(F)化合物としては、上述した化合物が挙げられる。(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物は、さらに、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、上述した化合物が挙げられる。
樹脂組成物に占める(F)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、0.1質量部以上である。(F)化合物の含有量は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がさらに好ましい。一方、(F)化合物の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂の合計を100質量部とした場合において、4質量部以下である。(F)化合物の含有量は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、3質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜する工程としては、後述する表示装置の製造方法における、(2)基板上に、感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程と同様である。
第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、20℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。一方、第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましく、130℃以下が特に好ましい。
第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク時間は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、第1電極上に樹脂組成物の塗膜を成膜する際のベーク時間は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及びタクトタイム短縮の観点から、60分以下が好ましく、30分以下がより好ましく、10分以下がさらに好ましく、5分以下が特に好ましい。
(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出する工程において、樹脂組成物のパターンを形成する方法としては、(1)上層にフォトレジストを成膜し、ウェットエッチングによりパターン加工する方法、(2)上層にフォトレジストを成膜し、ドライエッチングによりパターン加工する方法、又は(3)上層に成膜したフォトレジスト層の現像時、現像液により一括開口してパターン加工する方法が挙げられる。
(1)ウェットエッチングによりパターン加工する方法としては、まず樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成し、フォトリソグラフィーによってフォトレジストのパターンを形成することで、フォトレジスト層を成膜する。その後、フォトレジスト層をエッチングマスクとして、下層の樹脂組成物の塗膜をウェットエッチングによってパターン加工する。エッチング液としては、酸性溶液、アルカリ溶液、又は有機溶媒を用いることができる。
ウェットエッチングする方法としては、例えば、(1)フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜に、エッチング液を塗布する方法、(2)フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜に、エッチング液を霧状にして放射する方法、(3)フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜を、エッチング液中に浸漬する方法、又は(4)フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜を、エッチング液中に浸漬して超音波を照射する方法が挙げられる。ウェットエッチングする方法としては、自動現像機を用いても構わない。
(2)ドライエッチングによりパターン加工する方法としては、まず樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成し、フォトリソグラフィーによってフォトレジストのパターンを形成することで、フォトレジスト層を成膜する。その後、フォトレジスト層をエッチングマスクとして、下層の樹脂組成物の塗膜をドライエッチングによってパターン加工する。エッチングガスとしては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化硫黄、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化希ガス、ハロゲン、酸素、オゾン、又は希ガスを用いることができる。
ドライエッチングする方法としては、例えば、(1)容器内にエッチングガスを充填し、フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜にエッチングガスを接触させる反応性ガスエッチング、(2)容器内にエッチングガスを充填し、電磁波によってイオン化及び/又はラジカル化させ、フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜に接触させるプラズマエッチング、又は(3)容器内にエッチングガスを充填し、電磁波によってイオン化及び/又はラジカル化させ、バイアスを印加して加速させて、フォトレジスト層を成膜した樹脂組成物の塗膜に衝突させる反応性イオンエッチングが挙げられる。
ウェットエッチング及びドライエッチングにおいて、エッチング温度は、タクトタイム短縮の観点から、20℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。一方、エッチング温度は、パターン寸法制御の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、ウェットエッチングにおいては、エッチング温度は、エッチング液中の成分の沸点以下の温度が好ましい。
ウェットエッチング及びドライエッチングにおいて、エッチング時間は、パターン寸法制御の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、エッチング時間は、タクトタイム短縮の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。
なお、ウェットエッチングにおいては、ウェットエッチングの後、さらに、リンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、水、アルコール類の水溶液、エステル類の水溶液、酸性を示す化合物の水溶液、又は有機溶媒が好ましく、水がより好ましい。
(3)現像液により一括開口してパターン加工する方法としては、まず樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成する。その後、フォトリソグラフィーによってフォトレジストのパターンを形成する際、現像液により下層の樹脂組成物の塗膜を一括開口してパターン加工する。
現像液としては、アルカリ溶液が好ましく、有機系のアルカリ溶液、又はアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。アルカリ溶液としては、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又は水酸化テトラエチルアンモニウムが好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウム、又は水酸化テトラエチルアンモニウムがより好ましい。アルカリ溶液のアルカリ濃度としては、0.01~5質量%が好ましい。現像液としては、有機溶媒を用いても構わない。現像液としては、有機溶媒と樹脂組成物に対する貧溶媒の、両方を含有する混合溶液を用いても構わない。
現像液により一括開口する方法としては、例えば、(1)樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成して露光した後、現像液を塗布する方法、(2)樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成して露光した後、現像液を霧状にして放射する方法、(3)樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成して露光した後、現像液中に浸漬する方法、又は(4)樹脂組成物の塗膜上に、フォトレジストの塗膜を形成して露光した後、現像液中に浸漬して超音波を照射する方法が挙げられる。現像液により一括開口する方法としては、自動現像機を用いても構わない。
現像液により一括開口する方法において、現像温度は、タクトタイム短縮の観点から、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。一方、現像温度は、パターン寸法制御の観点から、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、60℃以下がさらに好ましい。なお、現像温度は、現像液中の成分の沸点以下の温度が好ましい。
現像液により一括開口する方法において、現像時間は、パターン寸法制御の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、現像時間は、タクトタイム短縮の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。
現像後、さらに、リンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、水、アルコール類の水溶液、エステル類の水溶液、酸性を示す化合物の水溶液、又は有機溶媒が好ましく、水がより好ましい。
<(III)(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させる方法>
(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させることで、上述した透明導電性酸化膜層の表面又は上述した第1電極の表面がリン原子で表面改質され、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。本方法によって形成した第1電極上に、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することができる。
(F)化合物を少なくとも含む溶液において、(F)化合物としては、上述した化合物が挙げられる。(F)化合物を少なくとも含む溶液は、さらに、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、上述した化合物が挙げられる。
(F)化合物を少なくとも含む溶液に占める(F)化合物の含有比率は、溶液全体の0.001質量%以上である。(F)化合物の含有比率は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、溶液全体の0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.015質量%以上がさらに好ましい。一方、(F)化合物の含有比率は、溶液全体の0.3質量%以下である。(F)化合物の含有比率は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、溶液全体の0.25質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下がさらに好ましい。
(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させる方法としては、例えば、(1)(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に塗布する方法、(2)(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に霧状にして放射する方法、又は(3)(F)化合物を少なくとも含む溶液中に、第1電極を浸漬させる方法が挙げられる。(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させる方法としては、自動現像機を用いても構わない。
(F)化合物を少なくとも含む溶液を第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、20℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。一方、(F)化合物を少なくとも含む溶液を第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。
(F)化合物を少なくとも含む溶液を第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。一方、(F)化合物を少なくとも含む溶液を第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及びタクトタイム短縮の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。
(F)化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させた後、さらに、リンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、水、アルコール類の水溶液、エステル類の水溶液、酸性を示す化合物の水溶液、又は有機溶媒が好ましく、水がより好ましい。
<(IV)リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させる方法>
リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させることで、上述した透明導電性酸化膜層の表面又は上述した第1電極の表面がリン原子で表面改質され、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。本方法によって形成した第1電極上に、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することができる。
リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させる方法としては、例えば、(1)容器内にリン原子を含む化合物をガス化させて充填し、第1電極上に接触させる方法、(2)リン原子を含む化合物をガス化させ、第1電極上に噴射して接触させる方法、又は(3)容器内にリン原子を含む化合物をガス化させて充填し、化学気相成長法により、第1電極上に成膜させる方法が挙げられる。
リン原子を含む化合物としては、例えば、ホスフィン、三フッ化リン、五フッ化リン、塩化ホスホリル、五酸化二リン、又はリン酸が挙げられる。
ガス化させた化合物を第1電極上に接触させる温度は、20℃以上である。第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。一方、ガス化させた化合物を第1電極上に接触させる温度は、200℃以下である。第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
ガス化させた化合物を第1電極上に接触させる時間は、10秒以上である。第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、30秒以上が好ましく、1分以上がより好ましい。一方、ガス化させた化合物を第1電極上に接触させる時間は、30分以下である。第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及びタクトタイム短縮の観点から、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましい。
<(V)リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させる方法>
リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させることで、上述した透明導電性酸化膜層の表面又は上述した第1電極の表面がリン原子で表面改質され、リンイオン(P-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。本方法によって形成した第1電極上に、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することができる。
リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させる方法としては、例えば、(1)容器内にリン原子を含む化合物をガス化させて充填し、電磁波によってイオン化させ、第1電極上に接触させる方法、又は(2)ガス化させたリン原子を含む化合物を電磁波によってイオン化させ、バイアスを印加して加速させて第1電極上に衝突させる方法が挙げられる。
リン原子を含む化合物としては、例えば、ホスフィン、三フッ化リン、五フッ化リン、塩化ホスホリル、五酸化二リン、又はリン酸が挙げられる。
イオン化させた化合物を第1電極上に接触させる温度は、20℃以上である。第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。一方、イオン化させた化合物を第1電極上に接触させる温度は、200℃以下である。第1電極上に接触させる温度は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
イオン化させた化合物を第1電極上に接触させる時間は、10秒以上である。第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の観点から、30秒以上が好ましく、1分以上がより好ましい。一方、イオン化させた化合物を第1電極上に接触させる時間は、30分以下である。第1電極上に接触させる時間は、発光特性の低電圧駆動化、発光素子の信頼性向上、及びタクトタイム短縮の観点から、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましい。
<炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法>
炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法について説明する。本発明の第二の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有し、前記透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度であることが好ましい。また、本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度であることが好ましい。本発明の表示装置における上述した第1電極としては、以下の(I)~(V)の方法により得られる。すなわち、第1電極の表面をリン原子によって表面改質することで、表面改質された第1電極上に、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物を用いて画素分割層を形成する際における有機成分の付着を抑制できる。それにより、炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。
なお、以下の(III)~(V)の方法の場合、第1電極上に、(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物、又は、(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することで、炭素イオン(C-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。
(I)(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(II)(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を形成した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(III)(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(IV)リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(V)リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
<シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法>
本発明のシアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極の形成方法について説明する。本発明の第二の態様である表示装置は、上述した第1電極の発光層側の最表層に、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層を有し、前記透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域における、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度であることが好ましい。また、本発明の第三の態様である表示装置は、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域における、発光層と接する側の第1電極の表面から深さ3nmの位置における、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度であることが好ましい。本発明の表示装置における上述した第1電極としては、以下の(I)~(V)の方法により得られる。すなわち、第1電極の表面をリン原子によって表面改質することで、表面改質された第1電極上に、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物を用いて画素分割層を形成する際における窒素原子を含む有機成分の付着を抑制できる。それにより、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。
なお、以下の(III)~(V)の方法の場合、第1電極上に、(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含み、かつ窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する感光性樹脂組成物、又は、(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含み、かつ窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することで、シアン化物イオン(CN-)の検出強度が、特定強度である第1電極を形成できる。
(I)(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含み、かつ窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(II)(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含み、かつ窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を形成した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(III)(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(IV)リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(V)リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に、窒素原子を含む(A)アルカリ可溶性樹脂、窒素原子を含む(D1a)黒色顔料、及び窒素原子を含む(E)分散剤からなる群より選ばれる一種類以上を含有する、感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
<画素分割層の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度、及び透明導電性酸化膜層の表面又は第1電極の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度が特定強度比である、画素分割層、及び第1電極の形成方法>
画素分割層の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度が特定強度比である、画素分割層、及び第1電極の形成方法について説明する。本発明の第二の態様である表示装置は、上述した画素分割層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域と重畳しない領域において、第2電極に隣接する側の表面又は第2電極と接する側の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度と、上述した透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域において、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度とが、特定強度比であることが好ましい。本発明の第三の態様である表示装置は、上述した画素分割層上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域と重畳しない領域において、第2電極に隣接する側の表面又は第2電極と接する側の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度と、上述した第1電極上の発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層が形成された領域において、発光層と接する側の第1電極の表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度とが、特定強度比であることが好ましい。本発明の表示装置における上述した画素分割層、及び第1電極としては、以下の(I)~(V)の方法により得られる。すなわち、第1電極の表面をリン原子によって表面改質することで、表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度が特定強度比である、画素分割層、及び第1電極を形成できる。
なお、以下の(III)~(V)の方法の場合、第1電極上に、(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物、又は、(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて画素分割層を形成することで、表面における酸化リンイオン(PO3
-)の検出強度が特定強度比である画素分割層、及び第1電極を形成できる。
(I)(A)アルカリ可溶性樹脂、(C)感光剤、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む感光性樹脂組成物を用いて、第1電極上に感光性樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(II)(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む樹脂組成物を用いて、(II-1)第1電極上に樹脂組成物の塗膜を形成した後、(II-2)樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(III)(F)リン原子を含む酸性基を有する特定構造の化合物を少なくとも含む溶液を、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(IV)リン原子を含む化合物をガス化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
(V)リン原子を含む化合物をイオン化させて、第1電極上に接触させた後、上述した(I)又は(II)の方法で、第1電極上に感光性樹脂組成物又は樹脂組成物のパターンを形成し、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層又は第1電極の最表層を露出させる方法。
<画素分割層を形成するための感光性樹脂組成物>
本発明の第二の態様である表示装置及び第三の態様である表示装置は、画素分割層として、本発明の硬化膜を有することが好ましい。感光性樹脂組成物としては、上述した各構成成分を含有することが好ましい。
<有機ELディスプレイの製造プロセスの模式的断面図>
感光性樹脂組成物が、(D)着色剤として(Da)黒色剤を含む場合において、該組成物を硬化した硬化膜を、遮光性を有する画素分割層として具備する有機ELディスプレイの製造プロセスを例に、図1に模式的断面図を示して説明する。まず、(工程1)ガラス基板1上に、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」)2を形成し、TFT平坦化膜用の感光性材料を成膜し、フォトリソグラフィーによってパターン加工した後、熱硬化させてTFT平坦化用の硬化膜3を形成する。次に、(工程2)銀‐パラジウム‐銅合金(以下、「APC」)をスパッタにより成膜し、フォトレジストを用いてエッチングによりパターン加工してAPC層を形成し、さらに、APC層の上層に酸化インジウムスズ(以下、「ITO」)をスパッタにより成膜し、フォトレジストを用いたエッチングによりパターン加工し、第1電極として反射電極4を形成する。その後、(工程3)感光性樹脂組成物を塗布及びプリベークして、プリベーク膜5aを形成する。次いで、(工程4)所望のパターンを有するマスク6を介して、活性化学線7を照射する。次に、(工程5)現像してパターン加工をした後、必要に応じてブリーチング露光及びミドルベークする。さらに、熱硬化させることで、遮光性を有する画素分割層として、所望のパターンを有する硬化パターン5bを形成する。その後、(工程6)EL発光材料を、マスクを介した蒸着によって成膜して有機EL層8を形成し、マグネシウム‐銀合金(以下、「MgAg」)を蒸着により成膜し、フォトレジストを用いてエッチングによりパターン加工し、第2電極として透明電極9を形成する。次に(工程7)平坦化膜用の感光性材料を成膜し、フォトリソグラフィーによってパターン加工した後、熱硬化させて平坦化用の硬化膜10を形成し、その後、カバーガラス11を接合させることで、感光性樹脂組成物の硬化膜を、遮光性を有する画素分割層として具備する有機ELディスプレイを得る。
<硬化膜の製造方法、及び表示装置の製造方法>
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の(1)~(4)の工程を有する。
(1)基板上に、本発明の感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程、
(2)前記感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、
(3)アルカリ溶液を用いて現像して、前記感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、及び、
(4)前記パターンを加熱して硬化させ、前記感光性樹脂組成物の硬化パターンを得る工程。
なお、硬化膜の製造方法としては、国際公開第2019/087985号に記載の方法を適用しても構わない。
また、本発明の感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、以下の(1)~(7)の工程を有する。なお、表示装置の製造方法としては、国際公開第2019/087985号に記載の方法を適用しても構わない。
(1)第1電極を形成する工程、
(2)基板上に、本発明の感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程、
(3)前記感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、
(4)アルカリ溶液を用いて現像して、前記感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、
(5)前記パターンを加熱して硬化させ、前記感光性樹脂組成物の硬化パターンを得る工程、
(6)有機EL層を形成する工程、及び、
(7)第2電極を形成する工程。
<第1電極を形成する工程>
感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、(1)第1電極を形成する工程、を有する。第1電極を形成する基板としては、上述した基板が挙げられる。第1電極としては、上述した第1電極が挙げられる。
第1電極の形成方法としては、例えば、第1電極を形成する材料を成膜した後、パターン加工する方法が挙げられる。成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、化学気相蒸着(CVD)法、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、又は印刷法などが挙げられる。パターン加工方法としては、シャドーマスクやフォトマスクなどを用いたエッチング法などが挙げられる。スパッタ法により成膜し、フォトレジストを用いたエッチング法によりパターン加工を行うことが一般的である。
<塗膜を成膜する工程>
感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法は、(1)基板上に、感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程、を有する。また、感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(1)第1電極を形成する工程の後、(2)基板上に、感光性樹脂組成物の塗膜を成膜する工程、を有する。感光性樹脂組成物を成膜する方法としては、例えば、基板上に、感光性樹脂組成物を塗布する方法、又は、基板上に、感光性樹脂組成物をパターン状に塗布する方法が挙げられる。
基板としては、例えば、ガラス上に、電極又は配線として、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、及びガリウムから選ばれる一種類以上を含む酸化物、金属(モリブデン、銀、銅、アルミニウム、クロム、若しくはチタンなど)、又はCNT(Carbon Nano Tube)が形成された基板などが用いられる。インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、及びガリウムから選ばれる一種類以上を含む酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)が挙げられる。
<基板上に、感光性樹脂組成物を塗布する方法>
基板上に、感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、又はスリットコーティングが挙げられる。塗布膜厚は、塗布方法、感光性樹脂組成物の固形分濃度や粘度などによって異なるが、通常は、塗布及びプリベーク後の膜厚が0.1~30μmである。
基板上に、感光性樹脂組成物を塗布した後、プリベークして成膜することが好ましい。プリベークは、オーブン、ホットプレート、赤外線、フラッシュアニール装置、又はレーザーアニール装置などを使用することができる。プリベーク温度としては、50~150℃が好ましい。プリベーク時間としては、30秒~10分が好ましい。また、80℃で2分間プリベークした後、120℃で2分間プリベークするなど、二段又はそれ以上の多段でプリベークしても構わない。
<基板上に成膜した塗膜をパターン加工する方法>
基板上に成膜した、感光性樹脂組成物の塗膜をパターン加工する方法としては、例えば、フォトリソグラフィーにより直接パターン加工する方法、又はエッチングによりパターン加工する方法が挙げられる。工程数削減、及びプロセスタイム短縮の観点から、フォトリソグラフィーにより直接パターン加工する方法が好ましい。
<フォトマスクを介して活性化学線を照射する工程>
感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法は、前記(1)塗膜を成膜する工程の後、(2)上述した感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、を有する。また、感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(2)塗膜を成膜する工程の後、(3)上述した感光性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して活性化学線を照射する工程、を有する。フォトマスクを介して活性化学線を照射する方法としては、例えば、ステッパー、スキャナー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、又はパラレルライトマスクアライナー(PLA)などの露光機を用いてパターニング露光する方法が挙げられる。
活性化学線の露光波長としては、150nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましい。一方、露光波長としては、450nm以下が好ましく、420nm以下がより好ましい。活性化学線としては、水銀灯のj線(波長313nm)、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)、若しくはg線(波長436nm)、又は、i線、h線及びg線の混合線が特に好ましい。活性化学線として、XeF(波長351nm)レーザー、XeCl(波長308nm)レーザー、KrF(波長248nm)レーザー、又はArF(波長193nm)レーザーなどを用いても構わない。活性化学線の露光量としては、i線照度値で、100J/m2(10mJ/cm2)~30,000J/m2(3,000mJ/cm2)以下が好ましい。
フォトマスクとしては、透光部及び遮光部を含むパターンを有するフォトマスクであって、該透光部と該遮光部の間に、透過率が該透光部の値より低く、かつ透過率が該遮光部の値より高い、半透光部を有するハーフトーンフォトマスクを用いることが好ましい。ハーフトーンフォトマスクを用いて露光することで、現像後に段差形状を有するパターンを形成することができる。なお、段差形状を有するパターンにおいて、該透光部を介して活性化学線を照射した露光部から形成した箇所は、厚膜部に相当し、該半透光部を介して活性化学線を照射したハーフトーン露光部から形成した箇所は、薄膜部に相当する。
露光後、露光後ベークをしても構わない。露光後ベークをすることで、現像後の解像度向上、又は現像条件の許容幅拡大が可能である。
<アルカリ溶液を用いて現像して、パターンを形成する工程>
感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法は、前記(2)活性化学線を照射する工程の後、(3)アルカリ溶液を用いて現像して、上述した感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、を有する。また、感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(3)活性化学線を照射する工程の後、(4)アルカリ溶液を用いて現像して、上述した感光性樹脂組成物のパターンを形成する工程、を有する。フォトマスクを介して活性化学線を照射した後、アルカリ溶液を用いて現像する方法としては、例えば、自動現像機を用いて現像する方法が挙げられる。現像方法としては、例えば、パドル現像、スプレー現像、又はディップ現像が挙げられる。ネガ型の感光性を有する場合、未露光部が現像液で除去されたパターンを形成でき、ポジ型の感光性を有する場合、露光部が現像液で除去されたパターンを形成できる。
現像液としては、アルカリ溶液が好ましく、有機系のアルカリ溶液、又はアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。アルカリ溶液としては、例えば、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又は水酸化テトラエチルアンモニウムが挙げられる。現像液としては、有機溶媒を用いても構わない。現像液としては、有機溶媒と感光性樹脂組成物に対する貧溶媒の、両方を含有する混合溶液を用いても構わない。アルカリ溶液のアルカリ濃度としては、0.01~5質量%が好ましい。現像時間としては、30秒~10分が好ましい。
現像後、得られたパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、現像液としてアルカリ水溶液を用いた場合、水が好ましい。リンス液としては、アルコール類の水溶液、エステル類の水溶液、酸性を示す化合物の水溶液、又は有機溶媒を用いても構わない。
現像後、現像後露光をしても構わない。現像後露光をすることで、熱硬化後の解像度向上、熱硬化後のパターン形状制御、及び熱硬化後の段差形状を有するパターン形成が可能である。また、現像後、ミドルベークをしても構わない。ミドルベークをすることで、熱硬化後の解像度向上、及び熱硬化後のパターン形状制御が可能である。
<パターンを光硬化させる工程>
感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法は、前記(3)現像してパターンを得る工程の後、さらに、該パターンを光硬化させる工程、を有することが好ましい。また、感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(4)現像してパターンを得る工程の後、さらに、該パターンを光硬化させる工程、を有することが好ましい。パターンを光硬化させる工程としては、パターンに活性化学線を照射することが好ましい。活性化学線を照射する方法、及び活性化学線としては、前記(3)活性化学線を照射する工程と同様である。
パターンを光硬化させることで、熱硬化後の解像度向上、及び熱硬化後のパターン形状制御が可能である。また、上述した感光性樹脂組成物のパターンが段差形状を有するパターンの場合、パターンを光硬化させることで、熱硬化時のパターンリフローを抑制でき、熱硬化後においても厚膜部と薄膜部とで十分な膜厚差がある段差形状を有するパターンを形成できる。
感光性樹脂組成物のパターンを得た後、ミドルベークをしても構わない。ミドルベークをすることで、熱硬化後の解像度向上、及び熱硬化後のパターン形状制御が可能である。
<パターンを加熱して硬化させ、硬化パターンを得る工程>
感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法は、前記(3)現像してパターンを得る工程の後、(4)上述した感光性樹脂組成物のパターンを加熱して硬化させ、上述した感光性樹脂組成物の硬化パターンを得る工程、を有する。また、感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(4)現像してパターンを得る工程の後、(5)上述した感光性樹脂組成物のパターンを加熱して硬化させ、上述した感光性樹脂組成物の硬化パターンを得る工程、を有する。感光性樹脂組成物のパターンを加熱する方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線、フラッシュアニール装置、又はレーザーアニール装置を用いて加熱する方法が挙げられる。感光性樹脂組成物のパターンを加熱して熱硬化させることで、硬化膜の耐熱性を向上できるとともに、低テーパー形状のパターンを形成できる。
熱硬化させる温度としては、150~500℃が好ましい。熱硬化させる時間としては、5~300分が好ましい。また、150℃で30分間熱硬化させた後、250℃で30分間熱硬化させるなど、二段又はそれ以上の多段で熱硬化させても構わない。熱硬化させる処理雰囲気としては、例えば、空気、酸素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノン雰囲気下、酸素を1~10,000ppm(0.0001~1質量%)含有するガス雰囲気下、又は、真空下が挙げられる。
<有機EL層を形成する工程>
感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(5)硬化パターンを得る工程の後、(6)有機EL層を形成する工程、を有する。有機EL層としては、上述した発光層を含む有機EL層が挙げられる。画素分割層の開口部に相当する領域に有機EL層が形成されることで、発光画素部に相当する領域を形成することができる。
有機EL層を形成する方法としては、マスク蒸着法やインクジェット法が挙げられる。マスク蒸着法としては、蒸着マスクを用いて有機化合物を蒸着してパターニングする方法が挙げられ、所望のパターンを開口部とした蒸着マスクを、基板の蒸着源側に配置して蒸着を行う方法が挙げられる。高精度の蒸着パターンを形成するためには、平坦性の高い蒸着マスクを基板に密着させることが好ましく、一般的に、蒸着マスクに張力をかける技術や、基板背面に配置した磁石によって蒸着マスクを基板に密着させる技術などが用いられる。蒸着マスクの製造方法としては、エッチング法、機械的研磨法、サンドブラスト法、焼結法、レーザー加工法又は感光性樹脂の利用などが挙げられるが、微細パターン形成が必要な場合、加工精度に優れるエッチング法や電鋳法を用いることが多い。
<インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程>
感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(6)有機EL層を形成する工程として、(6-1)インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程、を有することが好ましい。画素分割層の開口部に相当する領域に有機EL層を形成する化合物を含むインクを、インクジェット塗布によって成膜することで、発光画素部に相当する領域を形成できる。(6)有機EL層を形成する工程として、(6-1)インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程を有することで、一般的な蒸着マスクを使用した、有機化合物を蒸着によってパターニングして有機EL層を形成する方法と比較して、タクトタイムを短縮できる。インクに含まれる有機EL層を形成する化合物としては、低分子化合物、又は高分子化合物が挙げられる。
(6-1)インクジェット塗布で有機EL層を形成する工程において、画素分割層における発光画素部として機能する開口部に隣接する領域は、親液性を有することが好ましく、特に、インクに含まれる溶剤に対する親液性を有することがより好ましい。親液性を有することで、インクジェット塗布でインクを成膜する際における、インクの膜厚均一性を向上できるため、有機EL層の成膜不良を抑制できる。また、画素分割層としては、段差形状を有し、薄膜部は、発光画素部として機能する開口部に隣接する領域のため、親液性を有することが好ましい。一方、厚膜部は、開口部に隣接する領域の薄膜部同士を分割する仕切りとして機能するため、撥液性を有することが好ましく、特に、インクに含まれる溶剤に対する撥液性を有することがより好ましい。撥液性を有することで、インクジェット塗布でインクを成膜する際における、インクの過剰な濡れ広がりによる隣接画素領域へのインク流出を抑制可能となるため、インク同士の混色を防止できる。
インクの塗布膜厚は、インクの固形分濃度や粘度などによって異なるが、通常は塗布及びベーク後の膜厚が0.01~10μmになるように塗布する。基板上に、インクをインクジェット塗布によってパターン状に塗布した後、ベークして成膜することが好ましい。ベークは、オーブン、ホットプレート、赤外線、フラッシュアニール装置、又はレーザーアニール装置などを使用することができる。ベーク温度としては、50~200℃が好ましい。ベーク時間としては、30秒~10分が好ましい。また、80℃で2分間ベークした後、120℃で2分間ベークするなど、二段又はそれ以上の多段でベークしても構わない。
<第2電極を形成する工程>
感光性樹脂組成物を用いた表示装置の製造方法は、前記(6)有機EL層を形成する工程の後、(7)第2電極を形成する工程、を有する。第2電極としては、上述した第2電極が挙げられる。第2電極の形成方法としては、上述した第1電極の形成方法が挙げられる。第2電極の形成方法としては、有機EL層へのダメージ低減の観点から、蒸着マスクを用いたマスク蒸着法が好ましい。
以上の方法により、第1電極と第2電極が交差し、かつ画素分割層が存在しない部分が発光する表示装置として、有機ELディスプレイを製造可能である。表示装置における、発光画素と呼ばれる領域は、対向配置された第1電極と第2電極とが交差して重なる部分であって、さらに、第1電極上の画素分割層によって区画される領域である。アクティブマトリックス型ディスプレイにおいては、スイッチング手段が形成される部分が発光画素の一部を占有するように配置されることがあり、発光画素の形状は矩形状ではなく、一部分が欠落したような形でも構わない。しかしながら、発光画素の形状はこれらに限定されるものではなく、例えば円形であっても構わず、画素分割層の形状によって変化させても構わない。
その後、有機EL層を保護する目的で封止を行うことが好ましい。有機EL層を、酸素及び水分に接触させないように封止することが好ましく、真空中又は絶乾雰囲気中にて、ガラス、金属の封止缶、又はガスバリアフィルムを接着することが好ましい。同時に、乾燥剤や吸湿剤を封入しても構わない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。なお、以下実施例の説明または表で用いた化合物のうち略語を使用しているものについて、名称を以下に示す。
6FDA:2,2-(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物;4,4’-ヘキサフルオロプロパン-2,2-ジイル-ビス(1,2-フタル酸無水物)
ADP:ポリアルキレンアミン系-ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤(塩基性基:三級アミノ基、アミン価:20mgKOH/g、ポリマー鎖:ポリアルキレンアミン構造、及びポリオキシアルキレンエーテル構造を有する;一般式(32)で表される構造、及びポリオキシアルキレン構造を有する(固形分濃度:100質量%))
APC:Argentum‐Palladium‐Cupper(銀‐パラジウム‐銅合金)
BAHF:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
BAPF:9,9-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン
BFE:1,2-ビス(4-ホルミルフェニル)エタン
BGPF:9,9-ビス(4-グリシドキシフェニル)フルオレン
Bk-A1103:“CHROMOFINE”(登録商標) BLACK A1103(大日精化工業社製;一次粒子径50~100nmのアゾ系黒色顔料)
Bk-CBF1:表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料
Bk-S0084:“PALIOGEN”(登録商標) BLACK S0084(BASF社製;一次粒子径50~100nmのペリレン系黒色顔料)
Bk-S0100CF:“IRGAPHOR”(登録商標) BLACK S0100CF(BASF社製;一次粒子径40~80nmのベンゾフラノン系黒色顔料)
cyEpoTMS:2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
D.BYK-167:“DISPERBYK”(登録商標)-167(ビックケミー・ジャパン社製;アミン価が13mgKOH/g(固形分濃度:52質量%)の三級アミノ基を有するポリウレタン系分散剤)
DEM:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
ELT:乳酸エチル
GMA:メタクリル酸グリシジル
HA:N,N’-ビス[5,5’-ヘキサフルオロプロパン-2,2-ジイル-ビス(2-ヒドロキシフェニル)]ビス(3-アミノ安息香酸アミド)(下記式で表されるヒドロキシ基含有ジアミン化合物)
IGZO:酸化インジウムガリウム亜鉛
ITO:酸化インジウムスズ
MAA:メタクリル酸
MAP:3-アミノフェノール;メタアミノフェノール
MBA:3-メトキシ-n-ブチルアセテート
MeTMS:メチルトリメトキシシラン
MgAg:Magnesium‐Argentum(マグネシウム‐銀合金)
NA:5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物;ナジック酸無水物
NC-3500:ビフェニル骨格、ベンゼン骨格、及び2つのエポキシ基を含む構造単位を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
ODB-HBT:ビス(4-カルボキシフェニル)エーテルと、1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾールとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物
ODPA:ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物;オキシジフタル酸二無水物
P.B.60:C.I.ピグメントブルー60
P.R.179:C.I.ピグメントレッド179
P.Y.139:C.I.ピグメントイエロー139
P.Y.192:C.I.ピグメントイエロー192
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PHA:フタル酸無水物
PhTMS:フェニルトリメトキシシラン
S-20000:“SOLSPERSE”(登録商標) 20000(Lubrizol社製;アミン価が32mgKOH/g(固形分濃度:100質量%)の三級アミノ基を有するポリオキシアルキレンエーテル系分散剤)
SiDA:1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
STR:スチレン
TCDM:メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル;ジメチロール-トリシクロデカンジメタアクリレート
THPHA:1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物
TMAC:無水トリメリット酸クロリド
TMAH:水酸化テトラメチルアンモニウム
TMOS:テトラメトキシシラン
TPK-1227:スルホン酸基を導入する表面処理がされたカーボンブラック(CABOT社製)
TSR:トリステアリン(その他の脂質化合物であるトリアシルグリセロール類;グリセロールのトリステアリン酸エステル)
なお、合成例3で使用した下記構造のヒドロキシ基含有ジアミン化合物(HA)は、公知の方法により合成した。
合成例1~10 アルカリ可溶性樹脂の合成
(A)アルカリ可溶性樹脂として、合成例1~10で得られた各樹脂の組成を、まとめて表1に示す。なお、合成例1~4、6、7、及び9は、国際公開第2017/057281号に記載の方法、合成例5は、国際公開第2017/057143号に記載の方法、合成例8は、国際公開第2017/159876号に記載の方法、及び合成例10は、国際公開第2018/159384号に記載の方法に基づき、各樹脂は公知の方法により合成した。合成例9において、MAAに由来する樹脂中のカルボキシ基に対して、エポキシ基を有するGMAを反応させており、GMAのエポキシ基を全て開環付加させた。
被覆例1 表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料(Bk-CBF1)の合成
黒色顔料として、ベンゾフラノン系黒色顔料であるBk-S0100CF(表面未処理品)150gを、2,850gの脱イオン水を入れたガラス容器に投入して攪拌し、水性顔料懸濁液を得た。これを、0.4mmφジルコニアビーズが充填された横型ビーズミル内に送液して分散処理を行った後、元のガラス容器内に全量を吐出させ、再び攪拌しながら水性顔料懸濁液の液温を60℃に上げ、30分間攪拌した。
水性顔料懸濁液に対して、シリカの被覆量が黒色顔料100質量部に対してSiO2換算値で10.0質量部になるように、ケイ酸ナトリウム水溶液(Na2O・nSiO2・mH2O;酸化ナトリウムとして30質量%、二酸化ケイ素として10質量%)を脱イオン水で100倍希釈した液と、0.001mol/Lの硫酸とを添加し、黒色顔料の粒子表面にシリカを析出させて被覆した。次いで、水性顔料懸濁液に対して、アルミナの被覆量が黒色顔料100質量部に対してAl2O3換算値で2.0質量部になるように、アルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O・nAl2O3・mH2O;酸化ナトリウムとして40質量%、アルミナとして50質量%)を脱イオン水で100倍希釈した液と、0.001mol/Lの硫酸とを添加し、シリカ被覆層の表面にアルミナを析出させて被覆した。続いて、濾過及び水洗作業を3回繰り返し、0.4mmφジルコニアビーズが充填された横型ビーズミル内に送液して分散処理し、濾過して黒色濾物を得た。これを乾燥オーブン内で乾燥した後、乾式粉砕処理により整粒し、表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料(Bk-CBF1)を得た。
飛行時間型二次イオン質量分析及びX線回折法による分析の結果、得られた表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料(Bk-CBF1)のシリカ及びアルミナの被覆量は、それぞれ、黒色顔料100質量部に対して、SiO2換算値で10.0質量部、Al2O3換算値で2.0質量部であり、顔料に対する被覆層の平均被覆率は97.5%であった。
調製例1 顔料分散液(Bk-1)の調製
分散剤として、S-20000を34.5g、溶剤として、PGMEAを782.0g秤量して混合し、10分間攪拌して拡散した後、着色剤として、Bk-S0100CFを103.5g秤量して混合して30分間攪拌し、0.40mmφのジルコニアビーズが充填された横型ビーズミルを用いて、数平均粒子径が100nmとなるように湿式メディア分散処理を行い、固形分濃度15質量%、着色剤/分散剤=75/25(質量比)の顔料分散液(Bk-1)を得た。得られた顔料分散液中の顔料の数平均粒子径は100nmであった。
調製例2 顔料分散液(Bk-2)の調製
樹脂として、合成例1で得られた、ポリイミド(PI-1)の30質量%のPGMEA溶液を92.0g、分散剤として、S-20000を27.6g、溶剤として、PGMEAを717.6g秤量して混合し、10分間攪拌して拡散した後、着色剤として、Bk-S0100CFを82.8g秤量して混合して30分間攪拌し、0.40mmφのジルコニアビーズが充填された横型ビーズミルを用いて、数平均粒子径が100nmとなるように湿式メディア分散処理を行い、固形分濃度15質量%、着色剤/樹脂/分散剤=60/20/20(質量比)の顔料分散液(Bk-2)を得た。得られた顔料分散液中の顔料の数平均粒子径は100nmであった。
調製例3~9 顔料分散液(Bk-3)~顔料分散液(Bk-9)の調製
表2-1に記載の(D)着色剤、(A1)第1の樹脂、及び(E)分散剤の種類、並びに、これらの比率にて、調製例2と同様に顔料分散をして、顔料分散液(Bk-3)~顔料分散液(Bk-9)を得た。また、調整例9で使用したポリアルキレンアミン系-ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤(ADP)は、一般式(32)で表される構造、及びポリオキシアルキレン構造を有する(E1)塩基性基を有する顔料分散剤であり、特開2020-070352号公報に記載の方法に基づき、公知の方法により合成した。調製例1~9の組成を、まとめて表2-1に示す。
各実施例及び比較例における評価方法を以下に示す。
(1)樹脂の重量平均分子量
GPC分析装置(HLC-8220;東ソー社製)を用い、流動層としてテトラヒドロフラン又はNMPを用いて、「JIS K7252-3(2008)」に基づき、常温付近での方法により、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定して求めた。
(2)酸価、酸当量
電位差自動滴定装置(AT-510;京都電子工業社製)を用い、滴定試薬として0.1mol/Lの水酸化ナトリウム/エタノール溶液、滴定溶剤としてキシレン/N,N-ジメチルホルムアミド=1/1(質量比)を用いて、「JIS K2501(2003)」に基づき、電位差滴定法により、酸価(単位はmgKOH/g)を測定して求めた。測定した酸価の値から、酸当量(単位はg/mol)を算出した。
(3)二重結合当量
電位差自動滴定装置(AT-510;京都電子工業社製)を用い、ヨウ素供給源として一塩化ヨウ素溶液(三塩化ヨウ素=7.9g、ヨウ素=8.9g、酢酸=1,000mLの混合溶液)、未反応ヨウ素の捕捉水溶液として100g/Lのヨウ化カリウム水溶液、滴定試薬として0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液を用いて、JIS K0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価、及び不けん化物の試験方法」の「第6項よう素価」に記載の方法に基づき、ウィイス法により、樹脂のヨウ素価を測定した。測定したヨウ素価(単位はgI/100g)の値から、二重結合当量(単位はg/mol)を算出した。
(4)顔料の数平均粒子径
動的光散乱法粒度分布測定装置(SZ-100;HORIBA社製)を用い、希釈溶媒としてPGMEAを用いて、希釈溶媒の屈折率をPGMEAの屈折率に、測定対象の屈折率を1.6に設定し、顔料分散液中の顔料の数平均粒子径を測定した。
(5)基板の前処理
ガラス上に、APC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、さらに、APC層の上層に、ITOをスパッタにより10nm成膜したガラス基板(ジオマテック社製;以下、「ITO/Ag基板」)は、卓上型光表面処理装置(PL16-110;セン特殊光源社製)を用いて、100秒間UV-O3洗浄処理をして使用した。テンパックスガラス基板(AGCテクノグラス社製)は、前処理をせずに使用した。
(6)現像残渣
下記、実施例1記載の方法で、組成物の硬化膜を作製した。FPD/LSI検査顕微鏡(OPTIPHOT-300;ニコン社製)を用いて、作製した硬化膜の解像パターンを観察した。現像残渣の指標として、20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンの残渣の有無を観察した。下記のように判定し、開口部における残渣の存在面積が10%以下となる、A+、A、及びBを合格とし、開口部における残渣の存在面積が5%以下となる、A+及びAを残渣良好とし、開口部における残渣の存在面積が無い、A+を残渣優秀とした。
A+:開口部における残渣無し、又は開口部における残渣の存在面積が1%以下
A:開口部における残渣の存在面積が1%を超え、かつ5%以下
B:開口部における残渣の存在面積が5%を超え、かつ10%以下
C:開口部における残渣の存在面積が10%を超え、かつ30%以下
D:開口部における残渣の存在面積が30%を超え、かつ50%以下
E:開口部における残渣の存在面積が50%を超え、かつ100%以下。
(7)現像密着性
下記、実施例1記載の方法で、組成物の現像後膜を作製した。なお、作製条件としては、プリベーク条件を110℃で120秒間に、現像時間をBP+40秒に変更した。FPD/LSI検査顕微鏡(OPTIPHOT-300;ニコン社製)を用いて、作製した現像後膜の解像パターンを観察した。現像密着性の指標として、10μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、残膜部に相当するラインパターンのうちの10本を観察した。下記のように判定し、観察したラインパターン10本のうちパターンの欠けや剥がれが発生した本数が2本以下となる、A+、A、及びBを合格とし、パターンの欠けや剥がれが発生した本数が1本以下となる、A+及びAを現像密着性良好とし、パターンの欠けや剥がれの発生が無い、A+を現像密着性優秀とした。
A+:パターンの欠けや剥がれの発生無し
A:パターンの欠けや剥がれが発生した本数が1本
B:パターンの欠けや剥がれが発生した本数が2~3本
C:パターンの欠けや剥がれが発生した本数が4~5本
D:パターンの欠けや剥がれが発生した本数が6~9本
E:パターンの欠けや剥がれが発生した本数が10本、又はパターンの残存無し。
(8)遮光性(光学濃度(以下、「OD」)値)
下記、実施例1記載の方法で、テンパックスガラス基板上にプリベーク膜を作製し、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)で露光した後、フォトリソ用小型現像装置(AD-2000;滝沢産業社製)を用いて現像した後、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて、組成物の硬化膜を作製した。透過濃度計(X-Rite 361T(V);X-Rite社製)を用いて、作製した硬化膜の入射光強度(I0)及び透過光強度(I)をそれぞれ測定した。遮光性の指標として、膜厚1μm当たりのOD値を下記式により算出した。
OD値=log10(I0/I)。
(9)発光素子の発光特性(電流密度-電圧特性、及び信頼性)
(有機ELディスプレイの作製方法)
図2に、使用した基板の概略図を示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板47に、非透明導電性金属層としてAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、エッチングによりパターン加工してAPC層を形成した。さらに、APC層の上層に透明導電性酸化膜層としてアモルファス性のITOをスパッタにより10nm成膜し、エッチングにより、第1電極48として反射電極を形成した。また、第2電極を取り出すため補助電極49も同時に形成した(図2(工程1))。得られた基板を“セミコクリーン”(登録商標)56(フルウチ化学社製)で10分間超音波洗浄し、超純水で洗浄した。次に、この基板上に、感光性樹脂組成物を実施例1に記載された方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターンニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。以上の方法で、幅70μm及び長さ260μmの開口部が、幅方向にピッチ155μm及び長さ方向にピッチ465μmで配置され、それぞれの開口部が第1電極を露出せしめる形状の画素分割層50を、基板有効エリアに限定して形成した(図2(工程2))。なお、この開口部が、最終的に有機ELディスプレイの発光画素となる。また、基板有効エリアは、16mm四方であり、画素分割層50の厚さは、約1.0μmで形成した。
次に、第1電極48、補助電極49及び画素分割層50を形成した基板を用いて、有機ELディスプレイの作製を行った。前処理として、窒素プラズマ処理を行った後、真空蒸着法により、発光層を含む有機EL層51を形成した(図2(工程3))。なお、蒸着時の真空度は、1×10-3Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔注入層として、化合物(HT-1)を10nm、正孔輸送層として、化合物(HT-2)を50nm蒸着した。次に、発光層に、ホスト材料として、化合物(GH-1)とドーパント材料として、化合物(GD-1)を、ドープ濃度が10%になるように40nmの厚さに蒸着した。その後、電子輸送材料として、化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を、体積比1:1で40nmの厚さに積層した。なお、有機EL層で用いた化合物は、国際公開第2017/057281号に記載のものと同一化合物を用いた。
次に、化合物(LiQ)を2nm蒸着した後、MgAg(マグネシウム/銀=10/1(体積比))を10nm蒸着して第2電極52とし、透明電極を形成した(図2(工程4))。その後、低湿窒素雰囲気下、エポキシ樹脂系接着剤を用いて、キャップ状ガラス板を接着することで封止をし、1枚の基板上に5mm四方のボトムエミッション型有機ELディスプレイを4つ作製した。なお、ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。
(電流密度-電圧特性評価)
上述した方法で作製した有機ELディスプレイを、低電圧側から順次電圧値を変え、電流密度が30mA/cm2となるまで直流駆動にて発光させた。低電圧側から順次電圧値を変えた場合における、電圧値及び電流密度を測定してプロットした。電流密度-電圧特性の指標として、電流密度が10mA/cm2となる電圧値を求めた。下記のように判定し、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.2V以下である、A+、A、及びBを合格とし、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.7V以下である、A+及びAを電流密度-電圧特性良好とし、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2V以下である、A+を電流密度-電圧特性優秀とした。
A+:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2V以下
A:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2Vを超え、かつ3.7V以下
B:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.7Vを超え、かつ4.2V以下
C:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.2Vを超え、かつ4.7V以下
D:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.7Vを超え、かつ5.7V以下
E:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が5.7Vを超える、又は測定不能。
(信頼性評価)
上述した方法で作製した有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、非発光領域や輝度ムラなどの発光不良がないかを観察した。作製した有機ELディスプレイを、耐久性試験として、80℃で500時間保持した。耐久性試験後、有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、発光領域や輝度ムラなどの発光特性に変化がないかを観察した。下記のように判定し、耐久試験前の発光領域面積を100%とした場合の、耐久試験後の発光領域面積が80%以上となる、A+、A、及びBを合格とし、発光領域面積が90%以上となる、A+及びAを信頼性良好とし、発光領域面積が95%以上となる、A+を信頼性優秀とした。
A+:耐久試験後の発光領域面積が95%以上
A:耐久試験後の発光領域面積が90%以上かつ95%未満
B:耐久試験後の発光領域面積が80%以上かつ90%未満
C:耐久試験後の発光領域面積が70%以上かつ80%未満
D:耐久試験後の発光領域面積が50%以上かつ70%未満
E:耐久試験後の発光領域面積が50%未満。
表3-1~表8-1の各実施例及び比較例で使用した(F1)化合物、(F2)化合物、(F3)化合物、(FT)化合物、及びスルホン酸系化合物、並びに、比較化合物の一覧及び物性値をまとめて、表2-2-1、及び表2-3-1に示す。なお、(s-14)及び(s-15)はスルホン酸系化合物である。
また、合成例8で得られた酸変性エポキシ樹脂(AE-1)が有する構造単位を以下に示す。酸変性エポキシ樹脂(AE-1)は、一般式(38a)で表される構造単位を有する。
[表3-1の実施例1]
表3-1に記載の組成にて、組成物1を調製した。組成物1の調製に使用した各構成成分の秤量値は、下記の通りである。まず、(D)着色剤を含まない調合液を調製した後、顔料分散液と調合液とを混合して、組成物を調製した。なお、得られた組成物の溶液は、0.45μmφのフィルターで濾過して使用した。
<調合液の調製>
ポリイミド(PI-1)の30質量%のPGMEA溶液:3.736g
(b-1)の50質量%のPGMEA溶液:0.791g
(b-2)の50質量%のPGMEA溶液:1.583g
OXL-2:0.264g
(f-1)の1質量%のPGMEA溶液:1.319g
FLE-1:0.264g
PGMEA:5.935g
MBA:5.100g
<組成物の調製>
顔料分散液(Bk-2):9.173g
調合液:15.827g
<組成物の硬化膜の作製>
調製した組成物1を、ITO/Ag基板上にスピンコーター(MS-A100;ミカサ社製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて130℃で120秒間プリベークし、膜厚約1.8μmのプリベーク膜を作製した。
作製したプリベーク膜を、フォトリソ用小型現像装置(AD-2000;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液でスプレー現像し、プリベーク膜(未露光部)が完全に溶解する時間(Breaking Point;以下、「BP」)を測定した。
上述と同様にプリベーク膜を作製し、作製したプリベーク膜を、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000-5-FS;Opto-Line International社製)を介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。露光量は、20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを18μmの寸法幅にて形成できる露光量(i線照度計の値)とした。露光後、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液で現像し、水で30秒間リンスした。現像時間は、BP+20秒とした。
現像後、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて、250℃で熱硬化させ、膜厚約1.2μmの硬化膜を作製した。熱硬化条件は、窒素雰囲気下、250℃で60分間熱硬化させた。
[表3-1~8-1の実施例2~62、及び64~69、及び比較例1~19]
実施例1と同様に、組成物2~87を表3-1~8-1に記載の組成にて調製した。得られた各組成物を用いて、実施例1と同様に、基板上に組成物を成膜し、感光特性、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果をまとめて、表3-1~8-1に示す。なお、比較しやすくするため、表4-1、表5-1、及び表8-1には実施例6の組成及び評価結果を、表6-1には実施例1及び実施例6の組成及び評価結果を記載した。また、本発明における上述した(F1)化合物の効果を比較しやすくするため、表7-1には実施例6及び比較例15、実施例26及び比較例16、実施例29及び比較例17、実施例30及び比較例18、並びに、実施例31及び比較例19、それぞれの組成及び評価結果を対比して記載した。
なお、表3-1~8-1において、略語に対応する名称を以下に示す。
FLE-1:下記構造で表される、フルオレン構造を有する(G1)化合物
NQD-1:下記構造で表される(C3)ナフトキノンジアジド化合物
OXL-2:下記構造で表される、ベンゾカルバゾール骨格を有する(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤
(b-1):下記構造で表される、フルオレン構造を有する(B1)化合物
(b-2):下記構造で表される、ε-カプロラクトンに由来するペンチレンカルボニル基を分子中に2個有する(B2)化合物
(d-1):Bk-S0100CF
(d-2):Bk-S0084
(d-3):Bk-A1103
(d-4):P.R.179/P.Y.192/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー192/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-5):P.R.179/P.Y.139/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー139/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-6):Bk-CBF1
(d-7):TPK-1227
(e-1):S-20000
(e-2):D.BYK-167
(e-3):ADP
表3-1において、実施例1~20は、(F1)化合物として、(f-1)~(f-20)のいずれかを含有する組成物である。(f-1)~(f-5)、(f-16)、及び(f-20)は、一般式(11)で表される化合物であり、(f-6)~(f-13)、及び(f-17)は、一般式(12)で表される化合物であり、(f-18)及び(f-19)は、一般式(13)で表される化合物であり、(f-14)及び(f-15)は、一般式(14)で表される化合物である。これらの各実施例において、現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性を高い水準で両立している。
(f-4)、(f-5)、及び(f-9)~(f-11)は、一般式(11)又は一般式(12)における、炭素数6~10の1価の脂肪族基を有さず、(f-15)は、一般式(14)における、炭素数6~12の1価の脂肪族基を有しない。また、(f-16)、及び(f-18)~(f-20)は、一般式(11)又は一般式(13)におけるR35又はR37として、水素原子を有しない。これらの各実施例において、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。
(f-6)~(f-8)、(f-12)、(f-13)、及び(f-17)は、一般式(12b)で表される化合物である。特に、(f-6)~(f-8)、及び(f-12)は、好ましい化合物である。そのため、これらの各実施例において、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に向上している。なお、(f-13)は、好ましい化合物であって、フッ素原子で置換された基を有する化合物である。そのため、各実施例と比較して、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性向上が確認できる。また、(f-17)は、好ましい化合物であって、一般式(12b)で表される化合物である。そのため、各実施例と比較して、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性向上が確認できる。
表4-1において、実施例6を基準とすると、実施例21~28は、(A)アルカリ可溶性樹脂の種類を変えた組成物である。実施例29及び30は、(D)着色剤を含まない組成物である。実施例31は、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(C)感光剤の種類を変えたポジ型感光性の組成物である。実施例32~37は、(D)着色剤の種類を変えた組成物である。実施例38~42は、二種類の(F1)化合物を含有する組成物、並びに、(F1)化合物及び(F2)化合物を含有する組成物である。
実施例21~28、及び実施例6を比較すると、各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。中でも、実施例21~24、及び実施例6は、現像残渣、及び電流密度-電圧特性に優れている。実施例25は、現像残渣、及び現像密着性に優れている。実施例26及び27は、現像密着性に優れている。実施例28は、各実施例と比較して、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。(D)着色剤を含まない実施例29及び30は、実施例6及び26と比較すると、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、ポジ型感光性の組成物である実施例31は、実施例29と比較すると、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。実施例32~37、及び実施例6を比較すると、実施例37は、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。一方、実施例36、及び実施例6は、各特性が顕著に向上しており、中でも、実施例36が非常に優れた特性を有している。二種類の(F1)化合物を含有する実施例38~40、及び42、並びに、(F1)化合物及び(F2)化合物を含有する実施例41は、実施例6と比較すると、現像残渣、及び電流密度-電圧特性の特性向上が確認できる。
表5-1において、実施例6を基準とすると、実施例43~46、及び実施例49は、(F1)化合物及び(F3)化合物を含有する組成物であって、(F3)化合物の種類を変えた組成物である。実施例47~54は、(F3)化合物の含有量を変えた組成物である。実施例55は、(F1)化合物として、光反応性基を有する(f-27)を含有する組成物である。実施例56~62は、(F1)化合物の含有量を変えた組成物である。
(F1)化合物及び(F3)化合物を含有する実施例43~46、及び実施例49は、現像密着性の特性向上が確認できる。中でも、実施例45、及び実施例49は、現像残渣の特性悪化を伴わずに現像密着性の向上が可能である。実施例47~54、及び実施例6を比較すると、実施例47~54は、現像密着性の特性向上が確認できる。中でも、実施例49~52は、現像密着性が顕著に向上しており、実施例50及び51は、現像残渣の特性向上という相乗効果も確認できる。(F1)化合物として、光反応性基を有する(f-27)を含有する実施例55は、実施例6と比較すると、現像残渣、及び現像密着性の特性向上が確認できる。実施例56~62、及び実施例6を比較すると、各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。中でも、実施例58~60は、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性に優れている。
表6-1において、実施例1及び実施例6を基準とすると、比較例1~3は、酸性基を有しない比較化合物を含有する組成物である。比較例4~7は、炭素数6~30の脂肪族基を有しない比較化合物を含有する組成物である。比較例8~11は、(F1)化合物を含まず、(F2)化合物のみを含有する組成物である。比較例12~14は、(F1)化合物を含まず、(F3)化合物のみを含有する組成物である。
比較化合物を含有する比較例1~7、及び(F2)化合物のみを含有する比較例8~11は、いずれも現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。(F3)化合物のみを含有する比較例12~14は、いずれも現像密着性は向上しているが、現像残渣、及び電流密度-電圧特性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物が顕著な効果を奏することが確認できる。
表7-1において、実施例6及び実施例26を基準とすると、比較例15及び比較例16は、(F1)化合物を含まない組成物である。実施例29及び実施例30を基準とすると、比較例17及び比較例18は、(D)着色剤を含まず、(F1)化合物を含まない組成物である。実施例31を基準とすると、比較例19は、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(F1)化合物を含まないポジ型感光性の組成物である。
(F1)化合物を含まない比較例15~19は、いずれも現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物において、(F1)化合物が顕著な効果を奏することが確認できる。なお、各比較例15~19を基準とすると、(F1)化合物による各特性の向上効果は、ポジ型感光性の組成物である実施例31よりも、ネガ型感光性の組成物である実施例29及び実施例30の方が顕著である。さらに、(F1)化合物の効果は、(D)着色剤を含有する実施例6及び実施例26の方がより顕著である。これらの結果より、(F1)化合物は、ネガ型感光性の組成物における(B)ラジカル重合性化合物及び(C1)光重合開始剤との相互作用、並びに、(D)着色剤との相互作用によって、各特性向上に寄与していると推測される。
表8-1において、実施例64は、(A1-5)ポリアミドイミドである(PAI-1)を含有する組成物である。実施例65は、(E1)塩基性基を有する顔料分散剤であるADPを含む組成物である。実施例66は、(F-1)化合物である(f-32)を含有する組成物である。実施例67~69は、(F-1)化合物、及び(FT)化合物である(ft-1)~(ft-3)を含有する組成物である。これらの実施例においても、感光性樹脂組成物が優れた特性を示すことが分かる。
また、表3-2~表8-2の各実施例及び比較例で使用した(FB-1)化合物、(FC-1)化合物、(FB-2)化合物、(FB-3)化合物、(FB-4)化合物、(F1)化合物、(F2)化合物、(F3)化合物、(FT)化合物、スルホン酸系化合物、(FB)化合物、及びその他のベタイン化合物、並びに、比較化合物の一覧及び物性値をまとめて、表2-2-2、表2-3-2、表2-4、及び表2-5に示す。また、(FB-1)化合物として、(fb-1)、(fb-2)、及び(fb-3)の組成比についても、まとめて表2-2に示す。なお、(s-5)はスルホン酸系化合物である。また、(fb-15)及び(fb-16)は(FB)化合物である。また、(b-8)~(b-11)はその他のベタイン化合物である。
表8-2の実施例66Aで使用した(FB-4)化合物である(fb-14)は、(FB-3)化合物である(fb-13)をポリマー化したベタイン型樹脂である。また、表8-2の実施例67Aで使用したその他の脂質化合物であるTSRは、トリステアリン(トリアシルグリセロール類)である。
[表3-2の実施例1A]
表3-2に記載の組成にて、組成物1Aを調製した。組成物1Aの調製に使用した各構成成分の秤量値は、下記の通りである。まず、(D)着色剤を含まない調合液を調製した後、顔料分散液と調合液とを混合して、組成物を調製した。なお、得られた組成物の溶液は、0.45μmφのフィルターで濾過して使用した。
<調合液の調製>
ポリイミド(PI-1)の30質量%のPGMEA溶液:3.743g
(b-1)の50質量%のPGMEA溶液:0.793g
(b-2)の50質量%のPGMEA溶液:1.586g
OXL-2:0.264g
(fb-1)の1質量%のEDM溶液:0.529g
FLE-1:0.264g
PGMEA:2.118g
MBA:5.100g
EDM:4.577g
<組成物の調製>
顔料分散液(Bk-2):9.189g
調合液:15.811g
<組成物の硬化膜の作製>
調製した組成物1Aを、ITO/Ag基板上にスピンコーター(MS-A100;ミカサ社製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて130℃で120秒間プリベークし、膜厚約1.8μmのプリベーク膜を作製した。
作製したプリベーク膜を、フォトリソ用小型現像装置(AD-2000;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液でスプレー現像し、プリベーク膜(未露光部)が完全に溶解する時間(Breaking Point;以下、「BP」)を測定した。
上述と同様にプリベーク膜を作製し、作製したプリベーク膜を、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000-5-FS;Opto-Line International社製)を介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。露光量は、20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを18μmの寸法幅にて形成できる露光量(i線照度計の値)とした。露光後、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液で現像し、水で30秒間リンスした。現像時間は、BP+20秒とした。
現像後、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて、250℃で熱硬化させ、膜厚約1.2μmの硬化膜を作製した。熱硬化条件は、窒素雰囲気下、250℃で60分間熱硬化させた。
[表3-2~8-2の実施例2A~62A、及び64A~77A、並びに、比較例1A~17A]
実施例1Aと同様に、組成物2A~93Aを表3-2~8-2に記載の組成にて調製した。得られた各組成物を用いて、実施例1Aと同様に、基板上に組成物を成膜し、感光特性、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果をまとめて、表3-2~8-2に示す。なお、比較しやすくするため、表4-2、表5-2、及び表8-2には実施例1A及び実施例4Aの組成及び評価結果を、表6-2には実施例1Aの組成及び評価結果を記載した。また、本発明における上述した(FB-1)化合物、及び上述した(FB-2)化合物の効果を比較しやすくするため、表7-2には実施例1A及び比較例13A、実施例26A及び比較例14A、実施例29A及び比較例15A、実施例30A及び比較例16A、並びに、実施例31A及び比較例17A、それぞれの組成及び評価結果を対比して記載した。
なお、表3-2~8-2において、略語に対応する名称は上述した通りである。また、表8-2の実施例で使用したその他のベタイン化合物、及び表6-2の比較例で使用した比較化合物の構造を以下に示す。
FLE-1:下記構造で表される、フルオレン構造を有する(G1)化合物
NQD-1:下記構造で表される(C3)ナフトキノンジアジド化合物
OXL-2:下記構造で表される、ベンゾカルバゾール骨格を有する(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤
(b-1):下記構造で表される、フルオレン構造を有する(B1)化合物
(b-2):下記構造で表される、ε-カプロラクトンに由来するペンチレンカルボニル基を分子中に2個有する(B2)化合物
(d-1):Bk-S0100CF
(d-2):Bk-S0084
(d-3):Bk-A1103
(d-4):P.R.179/P.Y.192/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー192/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-5):P.R.179/P.Y.139/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー139/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-6):Bk-CBF1
(d-7):TPK-1227
(e-1):S-20000
(e-2):D.BYK-167
(e-3):ADP
表3-2において、実施例1A~12Aは、(FB-1)化合物又は(FB-2)化合物として、(fb-1)~(fb-12)のいずれかを含有する組成物である。(fb-1)及び(fb-2)は、(FB-1)化合物及び(FC-1)化合物の混合物であり、(fb-3)は、二種類の(FB-1)化合物の混合物であり、(fb-4)~(fb-7)は、(FB-1)化合物であり、(fb-8)及び(fb-9)は、一般式(26)で表される化合物であり、(fb-10)~(fb-12)は、一般式(25)で表される化合物である。これらの各実施例において、現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性を高い水準で両立している。
(fb-5)及び(fb-6)は、トリアルキル四級アンモニウムカチオン構造を有さず、(fb-9)は、一般式(26)における、炭素数1~6のアルキル基を有しない。また、(fb-11)は、一般式(25)における、炭素数6~15の1価の脂肪族基を有しない。これらの各実施例において、現像残渣、現像密着性、及び電流密度-電圧特性が確認できる。さらに、(fb-12)は、一般式(25)における、炭素数1~6のアルキル基を有さず、かつ炭素数6~15の1価の脂肪族基も有しない。本実施例において、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。
実施例1A、及び実施例15A~22Aは、(A)アルカリ可溶性樹脂の種類を変えた組成物である。各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。中でも、実施例1A、及び実施例15A~18Aは、現像残渣、及び電流密度-電圧特性に優れている。実施例19Aは、現像残渣、及び現像密着性に優れている。実施例20A及び21Aは、現像密着性に優れている。実施例22Aは、各実施例と比較して、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。
(fb-1)~(fb-6)は、上述した(VI)脂肪族多官能アルコールエステル構造として、グリセリン構造を有し、(fb-2)及び(fb-7)は、上述した(VII)窒素含有脂肪族アルコールエステル構造として、スフィンゴシン構造を有するため、上述した特定の(FB-1)化合物である。各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。(fb-1)及び(fb-2)は、(FB-1)化合物及び(FC-1)化合物の混合物である。(fb-1)~(fb-3)は、レシチンの組成比が異なり、(FB-1)化合物の含有比率が異なる。中でも、現像残渣、及び電流密度-電圧特性の各特性が、(fb-2)を含有する実施例2Aが優れており、(fb-1)を含有する実施例1Aが最も優れている。また、実施例1A、実施例13A、及び14Aは、溶剤の種類を変えた組成物である。各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性を非常に高い水準で両立している。
表4-2において、実施例1Aを基準とすると、実施例23A及び24Aは、(D)着色剤を含まない組成物である。実施例25Aは、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(C)感光剤の種類を変えたポジ型感光性の組成物である。実施例26A~31Aは、(D)着色剤の種類を変えた組成物である。実施例32A~36Aは、(FB-1)化合物及び(F1)化合物を含有する組成物である。実施例37A~39Aは、(FB-1)化合物及び(FC-1)化合物を含有する組成物である。実施例40Aは、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含有する組成物である。
(D)着色剤を含まない実施例23A及び24Aは、実施例1A及び20Aと比較すると、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、ポジ型感光性の組成物である実施例25Aは、実施例23Aと比較すると、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。実施例26A~31A、及び実施例1Aを比較すると、実施例31Aは、現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。一方、実施例30A、及び実施例1Aは、各特性が顕著に向上しており、中でも、実施例30Aが非常に優れた特性を有している。(FB-1)化合物及び(F1)化合物を含有する実施例32A~36Aは、実施例1Aと比較すると、現像残渣、及び電流密度-電圧特性の特性向上が確認できる。特に、実施例32Aは、各特性が顕著に向上している。(FB-1)化合物及び(FC-1)化合物を含有する実施例37A~39Aは、実施例1Aと比較すると、現像残渣、及び電流密度-電圧特性の特性向上が確認できる。(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含有する実施例40Aは、現像残渣、及び電流密度-電圧特性の各特性の顕著な向上が確認できる。
表5-2において、実施例1Aを基準とすると、実施例41A~45A、及び実施例49Aは、(FB-1)化合物及び(F3)化合物を含有する組成物、並びに、(FB-1)化合物及び(FB-3)化合物を含有する組成物であって、(F3)化合物又は(FB-3)化合物の種類を変えた組成物である。実施例46A~53Aは、(F3)化合物の含有量を変えた組成物である。実施例54Aは、(FB-1)化合物、(F1)化合物、及び(F3)化合物を含有する組成物である。実施例55A~62Aは、(FB-1)化合物の含有量を変えた組成物である。
(FB-1)化合物及び(F3)化合物を含有する実施例41A~44A、及び実施例49A、並びに、(FB-1)化合物及び(FB-3)化合物を含有する実施例45Aは、現像密着性の特性向上が確認できる。中でも、実施例43A、及び実施例49Aは、現像残渣の特性悪化を伴わずに現像密着性の向上が可能である。実施例46A~53A、及び実施例6Aを比較すると、実施例46A~53Aは、現像密着性の特性向上が確認できる。中でも、実施例48A~51Aは、現像密着性が顕著に向上しており、実施例49A及び50Aは、現像残渣の特性向上という相乗効果も確認できる。(FB-1)化合物、(F1)化合物、及び(F3)化合物を含有する実施例54Aは、実施例1Aと比較すると、現像残渣、現像密着性、及び電流密度-電圧特性の各特性の顕著に向上し、非常に優れた特性を有している。実施例55A~62A、及び実施例1Aを比較すると、各実施例ともに現像残渣、現像密着性、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。中でも、実施例57A~60Aは、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性に優れている。
表6-2において、実施例1Aを基準とすると、比較例1A~3Aは、酸性基を有しない比較化合物を含有する組成物である。比較例4A~7Aは、炭素数6~30の脂肪族基を有しない比較化合物を含有する組成物である。比較例8A及び9Aは、上述した(III)脂肪酸エステル構造、及び炭素数6~30の脂肪族基を有しない比較化合物を含有する組成物である。比較例10Aは、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含まず、(FB-3)化合物のみを含有する組成物である。比較例11A及び12Aは、リン原子を含まない比較化合物としてカルボン酸ベタイン化合物を含有する組成物である。比較例13A及び14Aは、ベタイン化合物を含まず、比較化合物としてアンモニウム塩化合物を含有する組成物である。
比較化合物を含有する比較例1A~9A、及び11A~14Aは、いずれも現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。(FB-3)化合物のみを含有する比較例10Aは、いずれも現像密着性は向上しているが、現像残渣、電流密度-電圧特性、及び信頼性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が顕著な効果を奏することが確認できる。
表7-2において、実施例1A及び実施例20Aを基準とすると、比較例15A及び比較例16Aは、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含まない組成物である。実施例23A及び実施例24Aを基準とすると、比較例17A及び比較例18Aは、(D)着色剤を含まず、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含まない組成物である。実施例25Aを基準とすると、比較例19Aは、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含まないポジ型感光性の組成物である。
(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物を含まない比較例15A~19Aは、いずれも現像残渣、現像密着性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物において、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物が顕著な効果を奏することが確認できる。なお、比較例15A~19Aを基準とすると、(F1)化合物による各特性の向上効果は、ポジ型感光性の組成物である実施例25Aよりも、ネガ型感光性の組成物である実施例23A及び実施例24Aの方が顕著である。さらに、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物の効果は、(D)着色剤を含有する実施例1A及び実施例20Aの方がより顕著である。これらの結果より、(FB-1)化合物及び(FB-2)化合物は、ネガ型感光性の組成物における(B)ラジカル重合性化合物及び(C1)光重合開始剤との相互作用、並びに、(D)着色剤との相互作用によって、各特性向上に寄与していると推測される。
表8-2において、実施例64Aは、(A1-5)ポリアミドイミドである(PAI-1)を含有する組成物である。実施例65Aは、(E1)塩基性基を有する顔料分散剤であるADPを含む組成物である。実施例66Aは、(FB-1)化合物、及び(F-1)化合物である(f-11)を含有する組成物である。実施例67Aは、(FB-1)化合物、及び(FB-4)化合物である(fb-14)を含有する組成物である。実施例68A~70Aは、(FB-1)化合物、及び(FT)化合物である(ft-1)~(ft-3)を含有する組成物である。実施例71Aは、(FB-1)化合物、及びその他の脂質化合物であるTSRを含む組成物である。実施例72A~77Aは、(FB-1)化合物、及びその他のベタイン化合物として、カルボン酸ベタイン化合物又はスルホン酸ベタイン化合物を含有する組成物である。これらの実施例においても、感光性樹脂組成物が優れた特性を示すことが分かる。
[実施例63A]
(偏光層を有しないフレキシブル性を有する有機ELディスプレイの製造方法)
作製する有機ELディスプレイの概略を図3に示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板上に、ポリイミドフィルム基板(“Kapton”(登録商標)-150-EN-C(東レ・デュポン社製))67を粘着層で仮固定し、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて130℃で120秒間プリベークした。次に、ポリイミドフィルム基板67上に、CVD法により、ガスバリア層としてSiO2膜73を形成した。ガスバリア層の上に、電子ビーム蒸着法により、クロムと金の積層膜を成膜し、エッチングによりソース電極74とドレイン電極75を形成した。次に、非透明導電性金属層としてAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、エッチングによりパターン加工してAPC層を形成した。さらに、APC層の上層に透明導電性酸化膜層としてアモルファス性のITOをスパッタにより10nm成膜し、エッチングにより、第1電極として反射電極76を形成した。電極表面を酸素プラズマで洗浄した後、スパッタ法により、アモルファスIGZOを成膜し、エッチングによりソース・ドレイン電極間に酸化物半導体層77を形成した。次に、スピンコート法により、ポジ型感光性ポリシロキサン系材料(SP-P2301(東レ社製))を成膜し、フォトリソグラフィーにより、ビアホール78と画素領域79を開口した後、熱硬化させてゲート絶縁層80を形成した。その後、電子ビーム蒸着法により、金を成膜し、エッチングによりゲート電極81を形成することで、酸化物TFTアレイとした。
上述した実施例1A記載の方法によって、組成物1Aを、酸化物TFTアレイ上に塗布及びプリベークして成膜し、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスして画素領域を開口した後、熱硬化させて、遮光性を有するTFT保護層/画素分割層82を形成した。以上の方法で、幅70μm及び長さ260μmの開口部が、幅方向にピッチ155μm及び長さ方向にピッチ465μmで配置され、それぞれの開口部が反射電極を露出せしめる形状の画素分割層を、基板有効エリアに限定して形成した。なお、この開口部が、最終的に有機ELディスプレイの発光画素となる。また、基板有効エリアは、16mm四方であり、画素分割層の厚さは、約1.0μmで形成した。
次に、上述の方法で、正孔注入層として化合物(HT-1)、正孔輸送層として化合物(HT-2)、ホスト材料として化合物(GH-1)、ドーパント材料として化合物(GD-1)、電子輸送材料として化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を用いて、有機EL層83を形成した。その後、蒸着法により、透明電極としてMgAg(マグネシウム/銀=10/1(体積比))を10nm成膜し、エッチングにより、第2電極として透明電極84を形成した。次いで、低湿窒素雰囲気下、有機ELシール材(“ストラクトボンド”(登録商標)XMF-T(三井化学社製))を用いて封止膜85を形成した。さらに、ガスバリア層としてSiO2膜86を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム基板(“ルミラー”(登録商標)U34(東レ社製))87を、封止膜上に貼り合わせた後、ポリイミドフィルム基板67から無アルカリガラス基板を剥離し、1枚の基板上に5mm四方の、偏光層を有しないトップエミッション型のフレキシブル性を有する有機ELディスプレイを4つ作製した。なお、ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。
(発光特性評価)
上述した方法で作製した有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、外光を画素分割層部に照射した場合の輝度(Y’)、外光を照射しない場合の輝度(Y0)を測定した。外光反射抑制の指標として、コントラストを下記式により算出した。
コントラスト=Y0/Y’。
下記のように判定し、コントラストが0.80以上となる、A+、A、及びBを合格とし、コントラストが0.90以上となる、A+及びAを外光反射抑制効果良好とし、コントラストが0.95以上となる、A+を外光反射抑制効果優秀とした。上述した方法で作製した有機ELディスプレイは、コントラストが0.90であり、外光反射抑制が可能であることを確認した。
A+:コントラストが0.95以上
A:コントラストが0.90以上かつ0.95未満
B:コントラストが0.80以上かつ0.90未満
C:コントラストが0.70以上かつ0.80未満
D:コントラストが0.50以上かつ0.70未満
E:コントラストが0.50未満。
以下に別の実施例及び別の比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。なお、以下実施例の説明または表で用いた化合物のうち略語を使用しているものについて、名称は上述した通りである。
なお、合成例3Bで使用した下記構造のヒドロキシ基含有ジアミン化合物(HA)は、公知の方法により合成した。
合成例1B~10B アルカリ可溶性樹脂の合成
(A)アルカリ可溶性樹脂として、合成例1B~10Bで得られた各樹脂の組成を、まとめて表1Bに示す。なお、合成例1B~4B、6B、7B、及び9Bは、国際公開第2017/057281号に記載の方法、合成例5Bは、国際公開第2017/057143号に記載の方法、合成例8Bは、国際公開第2017/159876号に記載の方法、及び合成例10Bは、国際公開第2018/159384号に記載の方法に基づき、各樹脂は公知の方法により合成した。合成例9Bにおいて、MAAに由来する樹脂中のカルボキシ基に対して、エポキシ基を有するGMAを反応させており、GMAのエポキシ基を全て開環付加させた。
調製例1B~6B 顔料分散液(Bk-1)~顔料分散液(Bk-6)の調製
表2B-1に記載の(D)着色剤、(A1)第1の樹脂、及び(E)分散剤の種類、並びに、これらの比率にて、顔料分散液(Bk-1)~顔料分散液(Bk-6)を得た。調製例1B~6Bの組成を、まとめて表2B-1に示す。なお、表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料(Bk-CBF1)は、上述した被覆例1と同様の方法により合成した。また、顔料分散液(Bk-1)、及び顔料分散液(Bk-2)は、上述した調製例1、及び調製例2と同様の方法により調製した。また、顔料分散液(Bk-3)~(Bk-6)は、上述した調製例2と同様に顔料分散をして調製した。また、調整例6Bで使用したポリアルキレンアミン系-ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤(ADP)は、一般式(32)で表される構造、及びポリオキシアルキレン構造を有する(E1)塩基性基を有する顔料分散剤であり、特開2020-070352号公報に記載の方法に基づき、公知の方法により合成した。
各実施例及び比較例における評価方法を以下に示す。
(1)樹脂の重量平均分子量、(2)酸価、酸当量、(3)二重結合当量、(4)顔料の数平均粒子径、及び(5)基板の前処理は、上述した方法によって評価した。
(6)透明導電性酸化膜の表面から深さ3nmの位置における、飛行時間型二次イオン質量分析により測定されるイオン検出強度
下記、実施例1B記載の方法で作製した有機ELディスプレイにおいて、飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF.SIMS5;ION-TOF社製)を用いて、透明導電性酸化膜層上の発光層を含む有機EL層が形成された領域に対して、バイアスを印加して加速させたエッチングイオン種を発光層側から衝突させ、第1電極側に向かって深さ方向にエッチングしながら、バイアスを印加して加速させた一次イオン種を、発光層側から衝突させた。その際に放出された二次イオンを測定し、発光層側から第1電極側に向かう深さ方向のデプスプロファイルを測定した。デプスプロファイルにおいて、酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が100以上となった点を、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面とした。また、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置とは、発光層と接する側の透明導電性酸化膜層の表面を起点として、第1電極の透明導電性酸化膜層を有しない側(第1電極の内部方向)に向かう深さ方向のデプスプロファイルにおいて、30cyclesとなる点を、少なくともインジウムを含む透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置とした。測定条件は下記の通りである。
エッチングイオン種:Cs+
エッチングイオン加速エネルギー:0.25keV
エッチング領域:150μm□
測定面積:30μm□
一次イオン種:Bi+
一次イオンエネルギー:25keV
二次イオン極性:Negative
質量分解能:High
帯電補償:E-gun。
(7)画素分割層の表面における負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオンの検出強度の比、及び、透明導電性酸化膜層の表面における負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオンの検出強度の比
下記、実施例1B記載の方法で、第1電極上に有機ELディスプレイの画素分割層を形成した。飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF.SIMS5;ION-TOF社製)を用いて、画素分割層の表面に対して、バイアスを印加して加速させた一次イオン種を衝突させ、その際に放出された二次イオンを測定した。同様に、画素分割層の開口部によって区画された第1電極の発光層側の最表層である、透明導電性酸化膜層の表面に対して、バイアスを印加して加速させた一次イオン種を衝突させ、その際に放出された二次イオンを測定した。測定条件は下記の通りである。
画素分割層の表面の測定面積:100μm□
透明導電性酸化膜層の表面の測定面積:50μm□
一次イオン種:Bi3
++
一次イオン加速電圧:25kV
パルス幅:13.3ns
バンチング:あり(高質量分解能)
帯電中和:なし
後段加速:10kV。
(8)遮光性(光学濃度(以下、「OD」)値)は、上述した方法によって評価した。
(9)発光素子の発光特性(電流密度-電圧特性、及び信頼性)
(電流密度-電圧特性評価)
下記、実施例1B記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、低電圧側から順次電圧値を変え、電流密度が30mA/cm2となるまで直流駆動にて発光させた。低電圧側から順次電圧値を変えた場合における、電圧値及び電流密度を測定してプロットした。電流密度-電圧特性の指標として、電流密度が10mA/cm2となる電圧値を求めた。下記のように判定し、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.2V以下である、A+、A、及びBを合格とし、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.7V以下である、A+及びAを電流密度-電圧特性良好とし、電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2V以下である、A+を電流密度-電圧特性優秀とした。
A+:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2V以下
A:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.2Vを超え、かつ3.7V以下
B:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が3.7Vを超え、かつ4.2V以下
C:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.2Vを超え、かつ4.7V以下
D:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が4.7Vを超え、かつ5.7V以下
E:電流密度が10mA/cm2となる電圧値が5.7Vを超える、又は測定不能。
(信頼性評価)
下記、実施例1B記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、非発光領域や輝度ムラなどの発光不良がないかを観察した。作製した有機ELディスプレイを、耐久性試験として、80℃で500時間保持した。耐久性試験後、有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、発光領域や輝度ムラなどの発光特性に変化がないかを観察した。下記のように判定し、耐久試験前の発光領域面積を100%とした場合の、耐久試験後の発光領域面積が80%以上となる、A+、A、及びBを合格とし、発光領域面積が90%以上となる、A+及びAを信頼性良好とし、発光領域面積が95%以上となる、A+を信頼性優秀とした。
A+:耐久試験後の発光領域面積が95%以上
A:耐久試験後の発光領域面積が90%以上かつ95%未満
B:耐久試験後の発光領域面積が80%以上かつ90%未満
C:耐久試験後の発光領域面積が70%以上かつ80%未満
D:耐久試験後の発光領域面積が50%以上かつ70%未満
E:耐久試験後の発光領域面積が50%未満。
各実施例及び比較例で使用した(F1)化合物、(F2)化合物、及び(F3)化合物、並びに、比較化合物の一覧及び物性値をまとめて、表2B-2、及び表2B-3に示す。
また、合成例8Bで得られた酸変性エポキシ樹脂(AE-1)が有する構造単位を以下に示す。酸変性エポキシ樹脂(AE-1)は、一般式(38a)で表される構造単位を有する。
[表3Bの実施例1B]
表3Bに記載の組成にて、組成物1Bを調製した。組成物1Bの調製に使用した各構成成分の秤量値は、下記の通りである。まず、(D)着色剤を含まない調合液を調製した後、顔料分散液と調合液とを混合して、組成物を調製した。なお、得られた組成物の溶液は、0.45μmφのフィルターで濾過して使用した。
<調合液の調製>
ポリイミド(PI-1)の30質量%のPGMEA溶液:3.736g
(b-1)の50質量%のPGMEA溶液:0.791g
(b-2)の50質量%のPGMEA溶液:1.583g
OXL-2:0.264g
(f-1)の1質量%のPGMEA溶液:1.319g
FLE-1:0.264g
PGMEA:5.935g
MBA:5.100g
<組成物の調製>
顔料分散液(Bk-2):9.173g
調合液:15.827g
<有機ELディスプレイの作製>
最初に、現像時間を決定するための条件出しについて記載する。まず、調製した組成物1Bを、ITO/Ag基板上にスピンコーター(MS-A100;ミカサ社製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて110℃で120秒間プリベークし、膜厚1.5μmのプリベーク膜を作製した。作製したプリベーク膜を、フォトリソ用小型現像装置(AD-2000;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液でスプレー現像し、プリベーク膜(未露光部)が完全に溶解する時間(Breaking Point;以下、「BP」)を測定した。以降、現像時間は、測定したBPの1.5倍とした。
上記と同様にプリベーク膜を作製し、作製したプリベーク膜を、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000-5-FS;Opto-Line International社製)を介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを18μmの寸法幅にて形成できる最適露光量(i線照度計の値)を求めた。以降、露光量は、この方法で求めた最適露光量とした。
次に、有機ELディスプレイの作製方法について記載する。図2に、使用した基板の概略図を示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板47に、非透明導電性金属層としてAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、エッチングによりパターン加工してAPC層を形成した。さらに、APC層の上層に透明導電性酸化膜層としてアモルファス性のITOをスパッタにより10nm成膜し、エッチングにより、第1電極48として反射電極を形成した。また、第2電極を取り出すため補助電極49も同時に形成した(図2(工程1))。得られた基板を“セミコクリーン”(登録商標)56(フルウチ化学社製)で10分間超音波洗浄し、超純水で洗浄した。次に、この基板上に、調製した組成物1Bを、スピンコーター(MS-A100;ミカサ社製)を用いて上記と同じ任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて110℃で120秒間プリベークして、プリベーク膜を作製した。両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。露光量は、最適露光量とした。露光後、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液で現像し、水で30秒間リンスした。現像時間は、BPの1.5倍とした。現像後、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて、250℃で熱硬化させ、画素分割層50を作製した。熱硬化条件は、窒素雰囲気下、250℃で60分間熱硬化させた。以上の方法で、幅70μm及び長さ260μmの開口部が、幅方向にピッチ155μm及び長さ方向にピッチ465μmで配置され、それぞれの開口部が第1電極を露出せしめる形状の画素分割層50を、基板有効エリアに限定して形成した(図2(工程2))。なお、この開口部が、最終的に有機ELディスプレイの発光画素となる。また、基板有効エリアは、16mm四方であり、画素分割層50の厚さは、約1.0μmで形成した。
次に、第1電極48、補助電極49及び画素分割層50を形成した基板を用いて、有機ELディスプレイの作製を行った。前処理として、窒素プラズマ処理を行った後、真空蒸着法により、発光層を含む有機EL層51を形成した(図2(工程3))。なお、蒸着時の真空度は、1×10-3Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔注入層として、化合物(HT-1)を10nm、正孔輸送層として、化合物(HT-2)を50nm蒸着した。次に、発光層に、ホスト材料として、化合物(GH-1)とドーパント材料として、化合物(GD-1)を、ドープ濃度が10%になるように40nmの厚さに蒸着した。その後、電子輸送材料として、化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を、体積比1:1で40nmの厚さに積層した。なお、有機EL層で用いた化合物は、国際公開第2017/057281号に記載のものと同一化合物を用いた。
次に、化合物(LiQ)を2nm蒸着した後、透明電極としてMgAg(マグネシウム/銀=10/1(体積比))を10nm蒸着して第2電極52とし、透明電極を形成した(図2(工程4))。その後、低湿窒素雰囲気下、エポキシ樹脂系接着剤を用いて、キャップ状ガラス板を接着することで封止をし、1枚の基板上に5mm四方のトップエミッション型有機ELディスプレイを4つ作製した。なお、ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。
[表3B~6Bの実施例2B~24B、及び比較例1B~10B]
実施例1Bと同様に、組成物2B~34Bを表3B~6Bに記載の組成にて調製した。得られた各組成物を用いて、実施例1Bと同様に、基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果をまとめて、表3B~6Bに示す。なお、比較しやすくするため、表4B及び表5Bには実施例1Bの組成及び評価結果を記載した。また、本発明における、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が、特定強度であることによる効果を比較しやすくするため、表6Bには実施例1B及び比較例6B、実施例13B及び比較例7B、実施例16B及び比較例8B、実施例17B及び比較例9B、並びに、実施例18B及び比較例10B、それぞれの組成及び評価結果を対比して記載した。
なお、表3B~6Bにおいて、略語に対応する名称を以下に示す。
FLE-1:下記構造で表される(G1)フルオレン骨格含有エポキシ架橋剤
NQD-1:下記構造で表される(C3)ナフトキノンジアジド化合物
OXL-2:下記構造で表される、ベンゾカルバゾール骨格を有する(C1-1)オキシムエステル系光重合開始剤
(b-1):下記構造で表される(B1)フルオレン骨格含有ラジカル重合性化合物
(b-2):下記構造で表される、ε-カプロラクトンに由来するペンチレンカルボニル基を分子中に2個有する(B3)柔軟鎖含有ラジカル重合性化合物
(d-1):Bk-S0100CF
(d-2):P.R.179/P.Y.192/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー192/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-3):P.R.179/P.Y.139/P.B.60の混合物(C.I.ピグメントレッド179/C.I.ピグメントイエロー139/C.I.ピグメントブルー60の混合物)
(d-4):Bk-CBF1
(e-1):S-20000
(e-2):D.BYK-167
表3Bにおいて、実施例1B~7Bは、(F1)化合物として、(f-1)~(f-7)のいずれかを含有する組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイであり、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度が特定強度である。中でも、実施例1B~3B、及び実施例6Bは、ホスホン酸構造、ホスホン酸エステル構造等を含有する。これらの実施例において、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性を高い水準で両立している。特に、実施例1B~3B、及び実施例6Bは、リンイオン(P-)の検出強度が高く、電流密度-電圧特性、及び信頼性が顕著に向上している。一方、実施例4B及び5Bは、リンイオン(P-)の検出強度が低く、実施例4Bでは電流密度-電圧特性、及び信頼性の低下が確認でき、実施例5Bはさらに特性が低下している。
実施例1B、及び実施例8B~15Bは、(A)アルカリ可溶性樹脂の種類を変えた組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイであり、遮光性、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が良好である。中でも、実施例1B、及び実施例8B~12Bは、特定の樹脂構造を含有する。これらの実施例において、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性向上が確認できる。
表4Bにおいて、実施例1Bを基準とすると、実施例16B及び17Bは、(D)着色剤を含まない組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。実施例18Bは、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(C)感光剤の種類を変えたポジ型感光性の組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。実施例19B~21Bは、(D)着色剤の種類を変えた組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。実施例22B~24Bは、二種類の(F1)化合物、(F1)化合物及び(F2)化合物、又は、(F1)化合物及び(F3)化合物を含有する組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。
実施例16B及び17Bは、実施例1B及び13Bと比較すると、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。実施例18Bは、実施例16Bと比較すると、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。実施例19B~21B、及び実施例1Bを比較すると、実施例20Bは、電流密度-電圧特性、及び信頼性の特性低下が確認できる。一方、実施例21B及び実施例1Bは、各特性が顕著に向上しており、中でも、実施例21Bが非常に優れた特性を有している。実施例22B~24Bは、実施例1Bと比較すると、電流密度-電圧特性の向上が確認できる。特に、実施例22Bは、電流密度-電圧特性が顕著に向上している。
表5Bにおいて、実施例1Bを基準とすると、比較例1B~3Bは、酸性基を有しない比較化合物を含有する組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。比較例4B及び5Bは、(F2)化合物のみ、又は(F3)化合物のみを含有する組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。
これらの比較例は、いずれも上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が低く、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の有機ELディスプレイにおいて、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が顕著な効果を奏することが確認できる。
表6Bにおいて、実施例1B及び実施例13Bを基準とすると、比較例6B及び比較例7Bは、(F1)化合物を含まない組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。実施例16B及び実施例17Bを基準とすると、比較例8B及び比較例9Bは、(D)着色剤を含まず、(F1)化合物を含まない組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。実施例18Bを基準とすると、比較例10Bは、(B)ラジカル重合性化合物及び(D)着色剤を含まず、(F1)化合物を含まないポジ型感光性の組成物を硬化した硬化膜を具備する有機ELディスプレイである。
これらの比較例は、いずれも上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が低く、電流密度-電圧特性、及び信頼性の各特性が顕著に悪化している。これらの結果より、本発明の有機ELディスプレイにおいて、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が顕著な効果を奏することが確認できる。なお、比較例6B~10Bを基準とすると、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度による各特性の向上効果は、ポジ型感光性の組成物を硬化した硬化膜を具備する実施例18Bよりも、ネガ型感光性の組成物を硬化した硬化膜を具備する実施例16B及び実施例17Bの方が顕著である。さらに、各特性の向上効果は、(D)着色剤を含有する組成物を硬化した硬化膜を具備する実施例1B及び実施例20Bの方がより顕著である。これらの結果より、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度は、硬化膜中における(B)ラジカル重合性化合物に由来する構造及び(C1)光重合開始剤に由来する構造との相互作用、並びに、(D)着色剤との相互作用によって、各特性向上に寄与していると推測される。
[実施例25B]
(偏光層を有しないフレキシブル性を有する有機ELディスプレイの製造方法)
作製する有機ELディスプレイの概略を図3に示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板上に、ポリイミドフィルム基板(“Kapton”(登録商標)-150-EN-C(東レ・デュポン社製))67を粘着層で仮固定し、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて130℃で120秒間プリベークした。次に、ポリイミドフィルム基板67上に、CVD法により、ガスバリア層としてSiO2膜73を形成した。ガスバリア層の上に、電子ビーム蒸着法により、クロムと金の積層膜を成膜し、エッチングによりソース電極74とドレイン電極75を形成した。次に、非透明導電性金属層としてAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、エッチングによりパターン加工してAPC層を形成した。さらに、APC層の上層に透明導電性酸化膜層としてアモルファス性のITOをスパッタにより10nm成膜し、エッチングにより、第1電極として反射電極76を形成した。電極表面を酸素プラズマで洗浄した後、スパッタ法により、アモルファスIGZOを成膜し、エッチングによりソース・ドレイン電極間に酸化物半導体層77を形成した。次に、スピンコート法により、ポジ型感光性ポリシロキサン系材料(SP-P2301(東レ社製))を成膜し、フォトリソグラフィーにより、ビアホール78と画素領域79を開口した後、熱硬化させてゲート絶縁層80を形成した。その後、電子ビーム蒸着法により、金を成膜し、エッチングによりゲート電極81を形成することで、酸化物TFTアレイとした。
上述した実施例1B記載の方法によって、組成物1Bを、酸化物TFTアレイ上に塗布及びプリベークして成膜し、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスして画素領域を開口した後、熱硬化させて、遮光性を有するTFT保護層/画素分割層82を形成した。以上の方法で、幅70μm及び長さ260μmの開口部が、幅方向にピッチ155μm及び長さ方向にピッチ465μmで配置され、それぞれの開口部が反射電極を露出せしめる形状の画素分割層を、基板有効エリアに限定して形成した。なお、この開口部が、最終的に有機ELディスプレイの発光画素となる。また、基板有効エリアは、16mm四方であり、画素分割層の厚さは、約1.0μmで形成した。
次に、上述の方法で、正孔注入層として化合物(HT-1)、正孔輸送層として化合物(HT-2)、ホスト材料として化合物(GH-1)、ドーパント材料として化合物(GD-1)、電子輸送材料として化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を用いて、有機EL層83を形成した。その後、蒸着法により、透明電極としてMgAg(マグネシウム/銀=10/1(体積比))を10nm成膜し、エッチングにより、第2電極として透明電極84を形成した。次いで、低湿窒素雰囲気下、有機ELシール材(“ストラクトボンド”(登録商標)XMF-T(三井化学社製))を用いて封止膜85を形成した。さらに、ガスバリア層としてSiO2膜86を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム基板(“ルミラー”(登録商標)U34(東レ社製))87を、封止膜上に貼り合わせた後、ポリイミドフィルム基板67から無アルカリガラス基板を剥離し、1枚の基板上に5mm四方の、偏光層を有しないトップエミッション型のフレキシブル性を有する有機ELディスプレイを4つ作製した。なお、ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。
(コントラスト評価)
上述した方法で作製した有機ELディスプレイを、10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、外光を画素分割層部に照射した場合の輝度(Y’)、外光を照射しない場合の輝度(Y0)を測定した。外光反射抑制の指標として、コントラストを下記式により算出した。
コントラスト=Y0/Y’。
下記のように判定し、コントラストが0.80以上となる、A+、A、及びBを合格とし、コントラストが0.90以上となる、A+及びAを外光反射抑制効果良好とし、コントラストが0.95以上となる、A+を外光反射抑制効果優秀とした。上述した方法で作製した有機ELディスプレイは、コントラストが0.90であり、外光反射抑制が可能であることを確認した。
A+:コントラストが0.95以上
A:コントラストが0.90以上かつ0.95未満
B:コントラストが0.80以上かつ0.90未満
C:コントラストが0.70以上かつ0.80未満
D:コントラストが0.50以上かつ0.70未満
E:コントラストが0.50未満。
(電流密度-電圧特性評価)
上記(9)記載の方法で、有機ELディスプレイの電流密度-電圧特性の指標として、電流密度が10mA/cm2となる電圧値を求め、上記(9)記載の方法で判定した。
(信頼性評価)
上記(9)記載の方法で、有機ELディスプレイの耐久性試験を実施し、上記(9)記載の方法で判定した。
[実施例25B、実施例26B、及び比較例11B]
実施例26B及び比較例11Bとして、実施例25Bと同様に、組成物35B及び30Bを表7Bに記載の組成にて調製した。得られた各組成物を用いて、実施例25Bと同様に、基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果をまとめて、表7Bに示す。なお、比較しやすくするため、表7Bには実施例25B、実施例26B、及び比較例11B、それぞれの組成及び評価結果を記載した。
表7Bにおいて、実施例25Bは、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が特定強度である。また、画素分割層が黒色、かつ画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が1.0であって、フレキシブル基板上に積層されている構造を有し、かつ偏光フィルムを有しない、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイである。それらにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となっている。
一方、実施例26Bを実施例25Bと比較すると、リンイオン(P-)の検出強度が異なる。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから3.7Vに高電圧化している。また、画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光領域における光学濃度が0.5である点でも相違する。それにより、実施例25Bと比較して、発光素子の信頼性が100%から90%に低下している。これは、光学濃度が0.5に低下したことで外界から入射する光の遮光性が低下し、入射した光による発光素子の劣化に起因すると推定される。さらに、比較例11Bは実施例25Bと比較すると、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が特定強度ではない点で異なる。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから5.0Vまで顕著に高電圧化しており、発光素子の信頼性も100%から90%に低下している。以上より、偏光フィルムを有しないフレキシブル性を有する有機ELディスプレイにおいて、上述した透明導電性酸化膜層の表面から深さ3nmの位置における、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度の特定強度、並びに、画素分割層の光学濃度が顕著な効果を奏することが分かる。
[実施例25B、実施例27B、実施例28B、比較例11B、及び比較例12B]
実施例27B、及び実施例28Bとして、組成物1Bを用いて、実施例25Bと同様に基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。なお、実施例27B、及び実施例28Bでは、画素分割層を形成した後、かつ正孔注入層を形成する前に、プラズマ処理によって第1電極の表面上を洗浄した。プラズマ処理は、プラズマ洗浄装置(SPC-100B+H;日立ハイテクインスツルメンツ社製)を用いて、酸素ガス気流下、1,200Wの高周波電力、及び23℃の処理温度にて、50sccmのガス流量、及び20Paの処理圧力の条件下、プラズマを発生させて処理した。実施例27Bでは、プラズマ処理の処理時間を30秒とし、実施例28Bでは、プラズマ処理の処理時間を120秒とした。なお、実施例25Bは、プラズマ処理無しである。
また、上述した比較例11B、及び比較例12Bとして、実施例25Bと同様に、組成物30Bを表8Bに記載の組成にて調製した。得られた各組成物を用いて、実施例25Bと同様に、基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。なお、比較例12Bでは、同様に、画素分割層を形成した後、かつ正孔注入層を形成する前に、プラズマ処理によって第1電極の表面上を洗浄した。比較例12Bでは、プラズマ処理の処理時間を120秒とした。なお、比較例11Bは、プラズマ処理無しである。
これらの評価結果をまとめて、表8Bに示す。なお、比較しやすくするため、表8Bには実施例25B、実施例27B、実施例28B、比較例11B、及び比較例12B、それぞれの組成及び評価結果を記載した。なお、原子間力顕微鏡を用いて測定した、画素分割層の表面における算術平均粗さの結果もまとめて、表8Bに示す。実施例25B、及び比較例11Bは、画素分割層を形成後の、画素分割層の表面における算術平均粗さである。実施例27B、実施例28B、及び比較例12Bは、プラズマ処理後の画素分割層の表面における算術平均粗さである。測定条件は、カンチレバーのバネ定数40N/m、タッピングモード、スキャンサイズ3μm、スキャンレート1.00Hzとした。
表8Bにおいて、実施例25Bは、画素分割層が(D1a)黒色顔料として、一般式(63)又は一般式(64)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、及び該化合物の幾何異性体の塩からなる群より選ばれる一種類以上を含有し、画素分割層の表面における算術平均粗さが特定範囲内の有機ELディスプレイである。それらにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となっている。
一方、実施例27Bを実施例25Bと比較すると、プラズマ処理によって画素分割層の表面における算術平均粗さが異なる。それにより、実施例25Bと比較して電流密度-電圧特性は変わらないものの、発光素子の信頼性が100%から90%に低下している。これは、プラズマ処理による画素分割層の表面の分解・変質部位が、信頼性低下の要因と推定される。さらに、実施例28Bを実施例25Bと比較すると、プラズマ処理によって画素分割層の表面における算術平均粗さが特定範囲内ではない点で異なる。それにより、実施例25Bと比較して、発光素子の信頼性が100%から75%まで顕著に低下している。
また、比較例11Bを実施例25Bと比較すると、リンイオン(P-)の検出強度、及び酸化インジウムイオン(InO2
-)の検出強度が特定強度ではない点で異なる。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから5.0Vまで顕著に高電圧化しており、発光素子の信頼性も100%から90%に低下している。一方、比較例12Bを比較例11Bと比較すると、プラズマ処理によって画素分割層の表面における算術平均粗さが特定範囲内ではない点で異なる。それにより、比較例11Bと比較して、電流密度-電圧特性が5.0Vから4.0Vまで顕著に低電圧化している一方、発光素子の信頼性が90%から70%まで顕著に低下している。これは、プラズマ処理によって第1電極の表面上の残渣等が除去された一方で、画素分割層の表面も分解されたためと推定される。以上より、有機ELディスプレイにおいて、画素分割層が黒色顔料を含有すること、及び画素分割層の表面における算術平均粗さが顕著な効果を奏することが分かる。
[実施例25B、及び実施例29B~32B]
実施例29B~32Bとして、組成物1Bを用いて、実施例25Bと同様に基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。なお、実施例29Bでは、銀/パラジウム/銅/インジウム=97.07/0.87/1.06/1.00(質量比)を第1電極の非透明導電性層とした。実施例30Bでは、銀/パラジウム/銅/ナトリウム=97.07/0.87/1.06/1.00(質量比)を、実施例31Bでは、銀/パラジウム/銅/カルシウム=97.07/0.87/1.06/1.00(質量比)を、実施例32Bでは、銀/パラジウム/銅/ケイ素=97.07/0.87/1.06/1.00(質量比)を、それぞれ、第1電極の非透明導電性層とした。これらの評価結果をまとめて、表9Bに示す。なお、比較しやすくするため、表9Bには実施例25B、及び実施例29B~32B、それぞれの組成及び評価結果を記載した。
表9Bにおいて、実施例25Bは、第1電極の非透明導電性金属層がAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))であり、第1電極の発光層側の最表層にアモルファス性のITOを有し、トップエミッション型の構成の有機ELディスプレイである。
一方、実施例29B~32Bは、第1電極の非透明導電性金属層として、銀、パラジウム、及び銅に加え、それぞれ、インジウム、ナトリウム、カルシウム、又はケイ素を有する。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから3.0Vに低電圧化している。これは、非透明導電性金属層として、特定の異種元素をさらに含むことで、第1電極の導電性が向上したためと推定される。以上より、トップエミッション型の構成の有機ELディスプレイにおいて、第1電極の非透明導電性金属層である銀を含む合金層が、特定の異種元素をさらに含むことが顕著な効果を奏することが分かる。
[実施例25B、実施例33B、比較例11B、比較例13B、及び比較例14B]
実施例33B、比較例11B、比較例13B、及び比較例14Bとして、組成物4B、組成物30B、組成物26B、及び組成物29Bを用いて、実施例25Bと同様に基板上に組成物を成膜するとともに、有機ELディスプレイを作製し、硬化膜の特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果をまとめて、表10Bに示す。なお、比較しやすくするため、表10Bには実施例25B、実施例33B、比較例11B、比較例13B、及び比較例14B、それぞれの組成及び評価結果を記載した。
表10Bにおいて、実施例25Bは、画素分割層の表面における負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオンの検出強度の比、及び、透明導電性酸化膜層の表面における負イオン検出強度の総和に占める、酸化リンイオンの検出強度の比(以下、「酸化リンイオンの強度比」)が、特定強度比である。それにより、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となっている。
一方、実施例33Bを実施例25Bと比較すると、酸化リンイオンの強度比が異なる。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから4.0Vに高電圧化しており、発光素子の信頼性も100%から95%に低下している。さらに、比較例11B、比較例13B、及び比較例14Bを、実施例25Bと比較すると、酸化リンイオンの強度比が、特定強度比ではない点で異なる。それにより、実施例25Bと比較して、電流密度-電圧特性が3.2Vから、それぞれ5.0V、5.3V、及び5.0Vまで顕著に高電圧化している。また、発光素子の信頼性も100%から、それぞれ90%、90%、及び95%に低下している。以上より、有機ELディスプレイにおいて、酸化リンイオンの強度比の特定強度比が、顕著な効果を奏することが分かる。
[実施例34B、及び実施例35B]
表11Bにおいて、実施例34Bは、(A1-5)ポリアミドイミドである(PAI-1)を含有する組成物である。実施例35Bは、(E1)塩基性基を有する顔料分散剤であるADPを含む組成物である。なお、比較しやすくするため、表11Bには実施例1Bの組成及び評価結果を記載した。これらの実施例においても、有機ELディスプレイとして優れた特性を示すことが分かる。