図1~図12を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書において、あるパラメータに関して2つ以上の上限値の候補及び2つ以上の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。例えば、「パラメータBは、例えばA1以上であり、A2以上であってもよい。パラメータBは、例えばA3以下であり、A4以下であってもよい。」と記載されている場合を考える。この場合、パラメータBの数値範囲は、A1以上A3以下であってもよく、A1以上A4以下であってもよく、A2以上A3以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよい。
〔樹脂フィルム〕
本発明の樹脂フィルム10は、図1に示すように、第1層11と、第1層11に直接積層されている第2層12と、を少なくとも含み、第1層11は、樹脂フィルム10の内面側に位置している。「内面側」とは、樹脂フィルムを包装容器の内袋に用いた際に、内容物側を意味する。
一実施形態において、樹脂フィルム10は、図2に示すように、第1層11と、第1層11に直接積層されている第2層12と、第2層12に直接積層されている第3層13と、を含み、第1層は、樹脂フィルム10の内面側に位置している。
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルム全体に対して、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。樹脂フィルムは、樹脂フィルム全体に対して、直鎖状低密度ポリエチレンを、95質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましい。
ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)について説明する。直鎖状低密度ポリエチレンとは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であり、密度が0.930g/cm3未満のものを指す。従って、高圧法エチレン単独重合体であり、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる低密度ポリエチレン(以下、高圧法低密度ポリエチレンとも称する)とは区別される。直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマーとなるα-オレフィンとしては、炭素数3以上の化合物であるα-オレフィン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエチレンの密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と、活性化用助触媒と、を接触させることにより調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができるため好ましい。シングルサイト触媒としては、特に、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分と、を含む触媒である。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1~30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環がさらに互いに置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。なお、架橋基としては炭素数1~4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基等が挙げられる。好ましくは、置換シリレン基である。
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1~20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
助触媒としては、上記の周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等又はこれらの混合物が挙げられる。
またさらに必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルム全体に対して、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。樹脂フィルム全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。樹脂フィルム全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、単一の化合物であってもよい。例えば、「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、炭素数6の化合物であるα-オレフィンであってもよく、炭素数8の化合物であるα-オレフィンであってもよい。
「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、2種類以上の化合物の混合物であってもよい。例えば、「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、炭素数4の化合物であるα-オレフィンと、炭素数6の化合物であるα-オレフィンとの混合物であってもよい。この場合、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン、炭素数4のα-オレフィン及び炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる三元共重合体である。
本発明の樹脂フィルムは、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含むものである。これにより、二酸化炭素の排出量を削減し、環境負荷低減性に優れた樹脂フィルムとすることができる。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの原料となるバイオマス由来のエチレン及びα-ポリオレフィンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができる。以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、及びマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物又はその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、及び抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、又は膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製をさらに行ってもよい。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常は触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナ等が好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支及び設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上及び熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水及び少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。これは公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンはさらに蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、及び滞留時間等は特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、及びエステル等のカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミン及びアミノ酸等の含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンは、バイオマス由来のエチレン及び/又はバイオマス由来のα-ポリオレフィンを含むモノマーが重合してなるものであってもよい。モノマーとして、バイオマス由来のエチレンを用いる場合には、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレン及び/又はバイオマス由来のα-ポリオレフィンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。なお、ポリエチレンの原料モノマーは、バイオマス由来のモノマーを100質量%含むものでなくてもよい。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレン及び/又は化石燃料由来のα-オレフィンをさらに含んでもよい。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられるα-ポリオレフィンは、炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンであってもよい。例えば、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられるα-ポリオレフィンは、炭素数4の化合物であるα-オレフィンと、炭素数6の化合物であるα-オレフィンとの混合物であってもよい。炭素数4の化合物であるα-オレフィン及び/又は炭素数6の化合物であるα-オレフィンは、化石燃料由来のものであってもよく、バイオマス由来のものであってもよい。
本発明の樹脂フィルムは、バイオマス度が40%以下であることが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性をより向上することができると共に、樹脂フィルムのインパクト強度を向上することができる。樹脂フィルムのバイオマス度は、5%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましい。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばとうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。例えば、ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のエチレングリコールと、化石燃料由来のジカルボン酸と、を用いて製造した化石燃料ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料ポリエステルのバイオマス度は0%となる。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
本発明においては、理論上、ポリエチレンの原料として、バイオマス由来の原料のみを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%であり、化石燃料ポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
本発明の樹脂フィルムは、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含んでもよい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、樹脂フィルムのインパクト強度、及び樹脂フィルムのシール強度や低温シール性等のシール性を向上することができる。また、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びシール性をより向上することができる。
化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、単一の化合物であってもよい。例えば、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンであってもよく、化石燃料由来の炭素数8のα-オレフィンであってもよい。
化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、2種類以上の化石燃料由来の化合物の混合物であってもよい。例えば、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、化石燃料由来の炭素数4のα-オレフィンと、化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンとの混合物であってもよい。
樹脂フィルムの密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。樹脂フィルムの密度を0.900g/cm3以上とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。樹脂フィルムの密度を0.930g/cm3以下とすることにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。樹脂フィルムの密度は、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
樹脂フィルムの厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましい。樹脂フィルムの厚みを15μm以上とすることにより、樹脂フィルムのインパクト強度及びシール性を向上することができる。樹脂フィルムの厚みを150μm以下とすることにより、樹脂フィルムの屈曲性を向上することができる。樹脂フィルムの厚みは、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
樹脂フィルムのメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
本発明の樹脂フィルムのインパクト強度は、好ましくは0.60J以上であり、より好ましくは0.8J以上であり、さらに好ましくは1.00J以上である。インパクト強度の測定方法については、後述する実施例において説明する。
本発明の樹脂フィルムの引張強度は、少なくとも1方向において、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。例えば、流れ方向(MD)におけるフィルムの引張強度は、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。また、垂直(TD)方向における樹脂フィルムの引張強度は、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。
引張強度は、JIS Z1702に準拠して測定することができる。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 RTC-1210を用いることができる。試験片としては、樹脂フィルムを幅10mm、長さ120mmのダンベル形のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、引張強度及び引張伸度の測定時の温度は23℃である。
本発明の樹脂フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1種又は2種以上含んでもよい。なお、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。低密度ポリエチレンとは、上記した高圧法低密度ポリエチレンを意味し、0.930g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
本発明の樹脂フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
本発明の樹脂フィルムは、耐ピンホール性に優れていることから、バッグインボックス等の包装容器の内袋に好適に用いることができる。
<第1層>
第1層は、樹脂フィルムの内面側に位置する層である。一実施形態において、第1層は直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性を向上することができる。
一実施形態において、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性を向上することができる。
また、一実施形態において、第1層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができる。
また、一実施形態において、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。
第1層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50%質量以上であることが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、75質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。また、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されていてもよい。
第1層の化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。
第1層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50質量%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
第1層は、バイオマス度が50%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層のバイオマス度は、1%以上50%以下であることがより好ましく、1%以上25%以下であることがさらに好ましい。
第1層の密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。第1層の密度を0.900g/cm3以上とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。第1層の密度を0.930g/cm3以下とすることにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第1層の密度は、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
第1層の厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。第1層の厚みを5μm以上とすることにより、樹脂フィルムのインパクト強度及びシール性を向上することができる。第1層の厚みを50μm以下とすることにより、樹脂フィルムの屈曲性を向上することができる。第1層の厚みは、10μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
第1層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
第1層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第1層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第1層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
<第2層>
第2層は、第1層に直接積層されている層である。また、本発明の樹脂フィルムにおいて、第2層の厚みは、第1層の厚みよりも厚くなっている。これにより、耐ピンホール性に優れる樹脂フィルムとすることができる。第1層:第2層の厚みの比率は、1:4~1.1であることが好ましく、1:3~1.5であることがより好ましい。
本発明の樹脂フィルムが第3層を含む場合において、第2層の厚みは、第3層の厚みよりも厚いことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性を向上することができる。第2層:第3層の厚みの比率は、4~1.1:1であることが好ましく、3~1.5:1であることがより好ましい。
一実施形態において、第2層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することはできると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びインパクト強度を向上することができる。
第2層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、20%質量以上95%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
また、第2層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、5%質量以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
一実施形態において、第2層は、第1層よりもバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを多く含む。また、一実施形態において、第2層は、第3層よりもバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを多く含む。これにより、環境負荷低減性をより向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。
第2層に含まれる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる火星燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。
第2層は、バイオマス度が70%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。第2層のバイオマス度は、10%以上60%以下であることがより好ましく、15%以上50%以下であることがさらに好ましい。
第2層の密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。第2層の密度を0.900g/cm3以上とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。第2層の密度を0.930g/cm3以下とすることにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第2層の密度は、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
第2層の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。第2層の厚みを10μm以上とすることにより、樹脂フィルムのインパクト強度を向上することができる。第2層の厚みを100μm以下とすることにより、樹脂フィルムの屈曲性を向上することができる。第2層の厚みは、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上60μm以下であることがさらに好ましい。
第2層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
第2層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第2層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第2層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
<第3層>
一実施形態において、樹脂フィルムは、第3層をさらに備える。これにより、樹脂フィルムのシール性や他の層とのラミネート強度を向上することができる。また、一実施形態において、第3層は、直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性を向上することができる。
一実施形態において、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度、シール性及びラミネート強度を向上することができる。
また、一実施形態において、第3層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができる。
また、一実施形態において、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度を向上することができる。
第3層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50%質量以上であることが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、シール性及びラミネート強度をより向上することができる。第3層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、75質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。また、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されていてもよい。
第3層の化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、シール性ラミネート強度をより向上することができる。
第3層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50質量%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度をより向上することができる。第3層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
第3層は、バイオマス度が50%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムの耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度をより向上することができる。第2層のバイオマス度は、1%以上50%以下であることがより好ましく、1%以上25%以下であることがさらに好ましい。
第3層の密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。第3層の密度を0.900g/cm3以上とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。第3層の密度を0.930g/cm3以下とすることにより、樹脂フィルムの耐ピンホール性、シール性及びラミネート強度を向上することができる。第3層の密度は、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
第3層の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。第3層の厚みを10μm以上とすることにより、樹脂フィルムのインパクト強度、シール性及びラミネート強度を向上することができる。第3層の厚みを100μm以下とすることにより、樹脂フィルムの屈曲性を向上することができる。第3層の厚みは、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上60μm以下であることがさらに好ましい。
第3層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
第3層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第3層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第3層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
〔樹脂フィルムの製造方法〕
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。樹脂フィルムは、共押出成形されてなることが好ましく、共押出成形が、Tダイ法又はインフレーション法により行われることがより好ましい。以下、Tダイ法、インフレーション法により樹脂フィルムを製造する方法の一例を説明する。
Tダイ法においては、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、Tダイのダイよりシート状に共押出し、共押出されたシート状物を回転している冷却ドラム等で急冷固化することにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
インフレーション法においては、まず、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、環状ダイのダイにより円筒状に共押出しする。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルと呼ぶ。続いて、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取る。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。これにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
第1層と、第2層と、第3層と、を有する樹脂フィルムの場合には、各層を構成する樹脂をそれぞれ用いて、上記と同様の方法で製造することができる。
〔包装容器〕
本発明において、包装容器は、外層フィルム及び内層フィルムを含む内袋と、外装体と、を含んでいる。また、本発明において、包装容器は、外層フィルム及び内層フィルムの少なくとも一方は、本発明の樹脂フィルムを含んでいる。これにより、ピンホール性に優れる内袋とすることができる。
一実施形態において、本発明の包装容器は、内袋に接合された注出口を含む。
図3は、本発明の包装容器20の一例を示す斜視図である。包装容器20は、外装体30と、外装体30に収容されている内袋40と、を備える。また、包装容器20は、図3に示すように、内容物を注出するための注出口50を備えていてもよい。この場合、外装体30には、注出口50を外装体30の外部に露出させるための開口60が形成されていてもよい。
一実施形態において、包装容器は、注出口、及び注出口を外装体の外部に露出させるための開口を2個以上備えてもよい(図示せず)。
<外装体>
本発明の包装容器の外装体は、外装体に収容されている内袋を保護するために用いられる。一実施形態において、外装体は略直方体形状や略円柱形状に構成されている。
外装体を構成する材料は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することが可能であり、例えば、段ボール、金属、樹脂等が挙げられる。
<内袋>
本発明の包装容器の内袋は、外装体に収容され、内部に内容物を収容可能な空間を有している。内袋の容量は、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、20L以下の小型袋や200L以上の大型袋等の種々のものがある。
図4は、本発明の包装容器が備える内袋の一例を示す平面図である。図4に示すような平袋型の内袋40は、頂部43と、頂部43と対向する底部44と、頂部43から底部44まで延びる一対の側部45a、45bと、を備えている。図4に示す例において、内袋40は、矩形状の外形を有している。
内袋40において、前面41と後面42とは、フィルム状の部材同士を接合するシール部において接着されている。シール部は、頂部43に位置する頂部シール部46と、底部44に位置する底部シール部47と、一対の側部45a、45bに位置する側部シール部48とを有している。シール部を形成するための方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱等によってフィルム状の部材の一部を溶融させて、フィルム状の部材同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。この際、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
また、内袋40の前面41には、内袋40内に内容物を注入し、収容された内容物を注出する注出口50が取り付けられている。この注出口50は、前面41から外方に突出している。注出口には、例えば打栓によってキャップが取り付けられていてもよい。
このような内袋40は、図5に示すように、前面41を構成する外層フィルム411と、後面42を構成する外層フィルム421と、によって構成されている。また、外層フィルム411の内側に内層フィルム412が設けられ、外層フィルム421の内側に、内層フィルム422が設けられている。この場合、内容物は内層フィルム412と内層フィルム422との間に収容されるようになっている。これにより、外層フィルム411又は外層フィルム421が破断した場合であっても、内容物が内袋40から漏れ出すことを抑制することができるようになっている。また、この場合、上述した注出口50は、外層フィルム411と内層フィルム412とに取り付けられており、内袋40の内部と外部とを連通させるように構成されている。
一実施形態において、本発明の包装容器は、内袋として、図6に示す内袋70を備えてもよい。
図6は、本発明の包装容器が備える内袋の別の一例を示す平面図である。図6に示すようなガセット型の内袋70は、前面71と、後面72と、一対の側面73とを備える。一対の側面73は、前面71と後面72との間位に挟持されている。一対の側面73は、内袋の内側にガセットである折り返し部位74が突出している。図6に示す前面71、後面72及び側面73は、矩形状の形状を有している。
前面71及び後面72の四方において、向かい合う前面71及び後面72、並びに一対の側面73はシールにより接着されている。前面71及び後面72の四方の当接部分は、それぞれシールされて、頂部シール部75、底部シール部76、側部シール部77が形成されている。各シール部は、上記したヒートシール方法により形成することができる。
また、内袋70の前面71には、内袋70内に内容物を注入し、収容された内容物を注出する注出口50が2個取り付けられている。この注出口50は、前面71から外方に突出している。注出口には、例えば打栓によってキャップが取り付けられていてもよい。
図6に示す内袋70は、前面71、後面72及び側面73が外層フィルムにより構成されている(図示せず)。また、これらの外層フィルムの内側に内層フィルムが設けられている(図示せず)。この場合、内容物は各内層フィルムの間に収容されるようになっている。
内袋に収容される内容物としては、食品、化学品、工業用の液体、医薬品等が挙げられる。食品としては、牛乳、乳製品、油脂、出汁、液体調味料、飲料、アルコール飲料、水等が挙げられる。上記内容物を内袋に収容する際、窒素等の不活性ガスを収容してもよい。
(外層フィルム)
外層フィルムは、内袋の強度を向上するために用いられる層であり、少なくともシーラント層を含む。一実施形態において、外層フィルムは、シーラント層により構成されていても、図7~図10に示すように、シーラント層と、その他の層との積層体により構成されていてもよい。
一実施位形態において、外層フィルム90は、図7に示すように、シーラント層91と、接着樹脂層92と、ガスバリア性樹脂層93とを含む。また、シーラント層91は、外層フィルム90の内面側に位置している。「内面側」とは、内袋の内容物側を意味する。
一実施位形態において、外層フィルム90は、図8に示すように、シーラント層91と、接着樹脂層92と、蒸着膜94と、ガスバリア性樹脂層93とを含む。また、シーラント層91は、外層フィルム90の内面側に位置している。
一実施位形態において、外層フィルム90は、図9に示すように、シーラント層91と、接着樹脂層92と、蒸着膜94と、ガスバリア性樹脂層93と、表面樹脂層95とを含む。また、シーラント層91は、外層フィルム90の内面側に位置している。
一実施位形態において、外層フィルム90は、図10に示すように、シーラント層91と、接着樹脂層92と、金属箔96と、接着樹脂層97と、ガスバリア性樹脂層93とを含む。また、シーラント層91は、外層フィルム90の内面側に位置している。
なお、上記した図7~図10に示す外層フィルムの複数の層構成を適宜組み合わせることも可能である。
[シーラント層]
シーラント層は、熱により融着性を発揮する樹脂材料を含み、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、又は、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、シール性の観点から、ポリエチレンが好ましく、シール性及び耐ピンホール性の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。シーラント層は、上記樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
シーラント層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
シーラント層の密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましく、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
シーラント層の厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。また、シーラント層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
シーラント層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。
シーラント層は、例えば、Tダイ法及びインフレーション法により上記樹脂材料からフィルムとして形成することができる。
また、シーラント層は、上記樹脂材料から構成されるフィルムを、ガスバリア性樹脂層等のその他の層へ、溶融押出ラミネーション法を利用し、下記する接着樹脂層を介して積層することができる。
一実施形態において、シーラント層は、本発明の樹脂フィルムを用いてもよい。シーラント層として、本発明の樹脂フィルムを用いる場合、本発明の樹脂フィルムの第1層は、内袋の内面側に位置している。
[接着樹脂層]
接着樹脂層は、シーラント層とガスバリア性樹脂層との間や、シーラント層と蒸着膜との間等の任意の層間に設けられ、熱可塑性樹脂を用い、溶融押出ラミネーション法により形成される層である。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等が挙げられる。接着樹脂層は、熱可塑性樹脂を2種以上含んでいてもよい。
接着樹脂層の厚みは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましい。また、接着樹脂層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
[ガスバリア性樹脂層]
ガスバリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を含み、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6及びポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、酸素バリア性及び水蒸気バリア性等のガスバリア性の観点から、ポリアミドであることが好ましい。ガスバリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を2種以上含んでいてもよい。
ガスバリア性樹脂層は、上記したような樹脂材料からなるフィルムを使用してもよい。ガスバリア性樹脂層は、強度等の観点からは、一軸ないし二軸方向に延伸されたフィルムを用いることが好ましい。
ガスバリア性樹脂層は、本発明の目的を損なわない範囲において、ガスバリア性樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
ガスバリア性樹脂層の厚みは、3μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。ガスバリア性樹脂層の厚みを7μm以上とすることにより、外層フィルムの酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性樹脂層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
ガスバリア性樹脂層は、上記したガスバリア性樹脂により構成されるフィルムを、接着樹脂層を介して積層することができる。
[蒸着膜]
外層フィルムは、蒸着膜を備えてもよい。これにより、外層フィルムのガスバリア性を向上することができる。
蒸着膜は、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種又は2種以上の無機物又は無機酸化物の蒸着膜とすることができる。また、蒸着膜は、2層以上の構成とすることができ、同一の材料によって構成されていても、異なる材料によって構成されていてもよい。
蒸着膜の膜厚としては、100Å~2000Å、好ましくは200Å~1000Åである。
蒸着膜の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
一実施形態において、外層フィルムは、蒸着膜と隣接するように、ガスバリア性塗布膜を備えてもよい。これにより、外層フィルムのガスバリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜は、一般式R1
nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ-ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ-ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、及び、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
上記の一般式R1
nM(OR2)mで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、及び、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2~6量体のものを使用される。
上記の一般式R1
nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を使用することができる。本実施形態において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1
nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R1
nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、その他等を挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤等を添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、又は、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
[金属箔]
一実施形態において、外層フィルムは金属箔を備える。これにより、ガスバリア性をより向上することができる。
金属箔を構成する金属は、特に限定されるものではなく、アルミニウムやマグネシウム等から構成される金属箔を使用することができる。
金属箔の厚みは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下であることがより好ましい。金属箔の厚みを3μm以上とすることにより、外層フィルムのガスバリア性をより向上することができる。
金属箔は、接着樹脂層を介して任意の層上に積層することができる。
[表面樹脂層]
表面樹脂層は、外層フィルムのシーラント層とは反対側に設けられている層である。表面樹脂層を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及びポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)等のポリオレフィンを用いることができる。
表面樹脂層の厚みは、適宜変更することできるが、3μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。また、表面樹脂層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
外層フィルムが積層体である場合の層構成の一例としては、例えば、以下のような構成が挙げられる。
ONY/接PE/PEF
ONY/Al蒸着膜/接PE/PEF
ONY/SiOn蒸着膜/接PE/PEF
表PE/ONY/SiOn蒸着膜/接PE/PEF
ONY/接PE/Al箔/接PE/PEF
上記層構成の一例において、左側は内袋の外側を意味する。「/」の記号は各層の境界を示す。上記層構成の一例において、「PEF」は、本発明の樹脂フィルムを用いることができる。なお、その他の各略称の名称は、以下のとおりである。
ONY:延伸ナイロン
接PE:接着樹脂層としてのポリエチレン
表PE:表面樹脂層としてのポリエチレン
Al蒸着膜:アルミニウムからなる蒸着膜
SiOn蒸着膜:酸化珪素からなる蒸着膜
Al箔:アルミニウム箔
(内層フィルム)
本発明の包装容器の内袋において、内層フィルムは、外層フィルムの内側に位置している。内層フィルムはシーラント層としての役割を果たすものである。
一実施形態において、本発明の包装容器の内袋は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、内層フィルムを二重以上にしてもよい。内袋は、内層フィルムを二重以上にすることにより、内容物の内袋からの漏れをより抑制することができる。内層フィルムを二重以上にする場合、各内層フィルムは、同一の材料によって構成されていても、異なる材料によって構成されていてもよい。
内層フィルムは、熱により融着性を発揮する樹脂材料を含み、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、又は、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、シール性の観点から、ポリエチレンが好ましく、シール性及び耐ピンホール性の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。内層フィルムは、上記樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
内層フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
内層フィルムの密度は、0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましく、0.904g/cm3以上0.926g/cm3以下であることがより好ましく、0.910g/cm3以上0.920g/cm3以下であることがさらに好ましい。
内層フィルムの厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。また、内層フィルムは、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
内層フィルムのメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されず、Tダイ法又はインフレーション法等の従来公知の方法により製造することができる。
一実施形態において、内層フィルムとして、本発明の樹脂フィルムを用いてもよい。内層フィルムとして、本発明の樹脂フィルムを用いる場合、本発明の樹脂フィルムの第1層は、内袋の内面側に位置している。
<注出口>
注出口は、内袋に接合されているものであり、外装体の開口から外装体の外側に露出している。
一実施形態において、本発明の包装容器は、注出口を2個以上備えていてもよい。
注出口の形状は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、打栓タイプやスクリュータイプ等がある。
注出口は、ポリオレフィン等の樹脂を用いて射出成形法により成形することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1A]
第1層を構成する樹脂として、チーグラーナッタ触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:UZ1520L、密度:0.914g/cm3、MFR:2.3g/10分、バイオマス度:0%)(以下、「石化C6LLDPE_A」とも称する)を用いて、これを溶融した。
次いで、第2層を構成する樹脂として、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名:UM0520F、密度:0.904g/cm3、MFR:2.0g/10分、バイオマス度:0%)(以下、「石化C6LLDPE_B」とも称する)76.5質量部と、バイオマス由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数4のα-オレフィンのモノマーが重合してなるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、商品名:SLL-118、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)(以下、「バイオC4LLDPE」とも称する)23.5質量部とを用いて、これらを溶融した。
次いで、第3層を構成する樹脂として、石化C6LLDPE_Aを用いて、これを溶融した。
これらの溶融物を、第1層、第2層、第3層の層厚比が1:2:1になるように、インフレーション成形にて樹脂フィルムを共押出した。樹脂フィルムの厚みは40μmであった。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。なお、表1において、「%」は全て質量基準である。
[実施例1B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例1C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例2A]
第2層を構成する樹脂として、47.0質量部の石化C6LLDPE_Bと、53.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例2B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、実施例2Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例2C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、実施例2Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例3A]
第2層を構成する樹脂として、29.5質量部の石化C6LLDPE_Bと、70.5質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例3B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、実施例3Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例3C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、実施例3Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例4A]
第1層を構成する樹脂として、95.0質量部の石化C6LLDPE_Aと、5.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例4B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、実施例4Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例4C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、実施例4Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例5A]
第1層、第2層及び第3層を構成する樹脂として、全て、77.0質量部の石化C6LLDPE_Aと、23.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例5B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、実施例5Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[実施例5C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、実施例5Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本実施例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[比較例1A]
第2層を構成する樹脂として、バイオC4LLDPEを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例1B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、比較例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例1C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、比較例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例2A]
第2層及び第3層を構成する樹脂として、それぞれ、バイオC4LLDPEを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例2B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、比較例2Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例2C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、比較例2Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例3A]
第2層を構成する樹脂として、バイオC4LLDPEを用いたこと、第3層を構成する樹脂として、50.0質量部の石化C6LLDPE_Aと、50.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例3B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、比較例3Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例3C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、比較例3Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例4A]
第1層、第2層及び第3層を構成する樹脂として、それぞれ、バイオC4LLDPEを用いたこと以外は、実施例1Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例4B]
樹脂フィルムの厚みを50μmにしたこと以外は、比較例4Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
[比較例4C]
樹脂フィルムの厚みを70μmにしたこと以外は、比較例4Aと同様にして樹脂フィルムを得た。本比較例の樹脂フィルムの平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表2に示す。
<耐ピンホール性の評価(低温)>
上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルムを、低温(5℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで2000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。同一組成の樹脂フィルムにおいて、各層厚でのピンホールの平均個数の合計を以下の基準で評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
(評価基準)
A:ピンホールの平均個数の合計が3個未満
B:ピンホールの平均個数の合計が3個以上5個未満
C:ピンホールの平均個数の合計が5個以上
<耐ピンホール性の評価(常温)>
上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルムを、常温(23~30℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで5000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。同一組成の樹脂フィルムにおいて、各層厚でのピンホールの平均個数の合計を以下の基準で評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
A:ピンホールの平均個数の合計が6個未満
B:ピンホールの平均個数の合計が6個以上10個未満
C:ピンホールの平均個数の合計が10個以上
<インパクト強度の評価>
上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルムのインパクト強度を評価した。インパクト強度の評価は、株式会社東洋精機製作所社製のフィルムインパクトテスター FT-Mを用いて、以下の方法で行った。
まず、上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルム10を、10cm×10cmにカットして試験片100を作製した。図11に示すように、試験片100をリング状の治具101,102で挟んで固定した。続いて、図12に示すように、固定された試験片100を設置し、支点部103を軸にして腕部104を振り下ろし、腕部104の先端の円錐状圧子105で試験片100を突き破った。突き破った際の強度をインパクト強度(J)とした。なお、圧子105の直径は1インチ(25.4mm)、荷重は30kg・cm、腕部の持ち上げ角度は90°とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。測定結果を表3及び表4に示す。
<引張強度の評価>
上記実施例及び比較例で作製した樹脂フィルムの流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)における引張強度を評価した。樹脂フィルムの引張強度は、JIS Z1702に準拠して測定した。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 RTC-1210を用いた。試験片としては、樹脂フィルムを幅10mm、長さ120mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。測定時の温度は23℃とした。測定結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4に示す通り、本願発明の樹脂フィルムは、低温条件及び常温条件において、屈曲後の耐ピンホール性に優れていることがわかる。
上記実施例の樹脂フィルムを用いて、図3に示すような容量10Lの平袋型の内袋40を作製した。内袋において、内層フィルム及び外層フィルムはそれぞれ一重である。内層フィルムは、上記実施例の樹脂フィルムから構成されている。外層フィルムは、ガスバリア性層としてのナイロンフィルム、接着樹脂層としてのポリエチレン、及びシーラント層としての上記実施例の樹脂フィルムから構成されている。上記実施例の樹脂フィルムを用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。
上記実施例の樹脂フィルムを用いて、図6に示すような容量1000Lのガセット型の内袋70を作製した。内袋において、内層フィルムは二重であり、外層フィルムは一重である。内層フィルムは、上記実施例の樹脂フィルムから構成されている。外層フィルムは、ガスバリア性層としてのナイロンフィルム、接着樹脂層としてのポリエチレン、及びシーラント層としての上記実施例の樹脂フィルムから構成されている。上記実施例の樹脂フィルムを用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。