JP7678740B2 - 難燃薬剤保持板、耐火性木質複合材及び耐火木製構造材 - Google Patents
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Description
このように、特許文献1の耐火性木質複合材は、製造の容易さの点で、改善の余地があった。
また、特許文献1の耐火性木質複合材は、耐火性能を向上させるには、積層する難燃薬剤保持体の数を増やす必要があり、該耐火性木質複合材の厚みを抑えながら耐火性能を向上させる点で、改善の余地があった。
本発明の好ましい一実施形態の耐火性木質複合材1は、図1に示すように、難燃薬剤保持板10が厚み方向に複数積層された構成を有する。耐火性木質複合材1は、難燃薬剤保持板10が厚み方向Zに2つ積層されている。難燃薬剤保持板10は、平面視において第1方向X及び第1方向Xに直交する第2方向Yを有している。図1に示す実施形態では、2つの難燃薬剤保持板10は、第1方向X及び第2方向Yを一致させた状態で積層されている。難燃薬剤保持板10は、耐火被覆層の形成に用いられるものである。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。次に、開孔21,22それぞれに、難燃薬剤含有固形物30を充填する。このようにして製造した難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。積層した難燃薬剤保持板10どうしは、例えば接着剤等により接合することが好ましい。
このように、本実施形態の耐火性木質複合材1は容易に製造することができる。
また、本実施形態の耐火性木質複合材1は、上述のように、難燃薬剤保持板10が有する一面側開孔21及び他面側開孔22が非貫通である。したがって、例えば、難燃薬剤含有固形物30が一面側開孔21又は他面側開孔22から脱落することを防止することを目的として、木質基材20の一面S1側又は他面S2側に封止層を設ける必要がない。そのため、難燃薬剤保持板10の厚みが、木質基材20の厚みよりも厚くなることを抑制することができる。したがって、難燃薬剤保持板10が積層された耐火性木質複合材1が厚くなることを抑制することができる。
このように、本実施形態の耐火性木質複合材1は、薄さ及び耐火性能を両立することができる。
難燃薬剤保持板10の中央域10Cは、例えば図2(b)に示すように、難燃薬剤保持板10を厚み方向Zに四等分して四つの領域に分けたときの中央の2領域とすることができる。
前記比H1/Hとで前記比H2/Hとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
難燃薬剤保持板10において、一面側開孔21の50%以上100%以下が他面側開孔22と重なっていないことが好ましく、一面側開孔21の70%以上100%以下が他面側開孔22と重なっていないことがより好ましく、一面側開孔21の90%以上100%以下が他面側開孔22と重なっていないことが更に好ましい。耐火性木質複合材1が有する複数の難燃薬剤保持板10のうち少なくとも1つで、他面側開孔22と重なっていない一面側開孔21の割合が上述の範囲内となっていることが好ましく、複数の難燃薬剤保持板10の全てで、他面側開孔22と重なっていない一面側開孔21の割合が上述の範囲内となっていることがより好ましい。
前記一面S1に対する一面側開孔21の開口面積の合計の割合と、前記他面S2に対する他面側開孔22の開口面積の合計の割合とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
一面側開孔21の直径と、他面側開孔22の直径とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
より具体的には、一面側開孔21の体積に対する、該開孔21に充填される難燃薬剤含有固形物30の体積は、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上であり、上限は100%である。耐火性木質複合材1が有する複数の難燃薬剤保持板10のうち少なくとも1つで、一面側開孔21の体積に対する、該開孔21に充填される難燃薬剤含有固形物30の体積が上述の範囲内となっていることが好ましく、複数の難燃薬剤保持板10の全てで、一面側開孔21の体積に対する、該開孔21に充填される難燃薬剤含有固形物30の体積が上述の範囲内となっていることがより好ましい。
第1一面側開孔列21Rを構成する一面側開孔21の間隔Pyと第2一面側開孔列21Lを構成する一面側開孔21の間隔Pxとが異なっている場合、第2一面側開孔列21Lを構成する一面側開孔21の間隔Pxは、難燃薬剤保持板10自体の一方向の極端な強度低下を防ぐことと、薬剤保持における均質性を確保することの観点から、15mm以上であることが好ましく、18mm以上であることがより好ましく、50mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましく、15mm以上50mm以下であることが好ましく、18mm以上25mm以下であることがより好ましい(図2(a)参照)。耐火性木質複合材1が有する複数の難燃薬剤保持板10のうち少なくとも一面側開孔21の間隔Pxが上述の範囲内となっていることが好ましく、複数の難燃薬剤保持板10の全てで一面側開孔21の間隔Pxが上述の範囲内となっていることがより好ましい。
第1他面側開孔列22Rを構成する他面側開孔22の間隔Qyと第2他面側開孔列22Lを構成する他面側開孔22の間隔Qxとが異なっている場合、第2他面側開孔列22Lを構成する他面側開孔22の間隔Qxは、難燃薬剤保持板10自体の一方向の極端な強度低下を防ぐことと、薬剤保持における均質性を確保することの観点から、15mm以上であることが好ましく、18mm以上であることがより好ましく、50mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましく、15mm以上50mm以下であることが好ましく、18mm以上25mm以下であることがより好ましい(図2(a)参照)。耐火性木質複合材1が有する複数の難燃薬剤保持板10のうち少なくとも他面側開孔22の間隔Qxが上述の範囲内となっていることが好ましく、複数の難燃薬剤保持板10の全てで他面側開孔22の間隔Qxが上述の範囲内となっていることがより好ましい。
厚み方向Zの両端に位置する難燃薬剤保持板10のうち少なくとも1つにおける別の難燃薬剤保持板10が存在する側とは反対側に化粧層5が配されていることにより、耐火性木質複合材1の意匠性を向上させることが可能となる。
厚み方向Zの両端に位置する難燃薬剤保持板10は、複数の難燃薬剤保持板10のうち、厚み方向Zの端部又は最も端部に寄りに位置する難燃薬剤保持板である。
化粧層5や難燃薬剤保持板10に塗布する難燃薬剤は、難燃薬剤含有固形物30に含まれる固体難燃剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
耐火性木質複合材1の外側を構成する面に難燃薬剤が塗布されていることにより、耐火性木質複合材1の耐火性能をより向上させることが可能となる。
木質基材20は複数の単板又は板材の積層体からなる。木質基材20が単板の積層体から構成される場合、積層体は、繊維の配向方向が互いに異なる複数種類の単板を含んでいても良いし、単板積層板(LVL)のように、繊維の配向方向が同じ単板のみから構成されていても良い。木質基材20は、複数の単板の積層体からなるものに代えて非積層材である1枚の板材から構成されていてもよい。
木質基材20を構成する木材、例えば単板の原料木材の樹種は、針葉樹でも広葉樹でも良く、例えば、オーク、チーク、ウォルナット、ファルカタ、バルサ、レッドラワン、タモ、ニレ、カバ、キリ、スギ、ヒノキ、カラマツ、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、ヒバ、ホワイトウッド、オウシュウアカマツ、ダフリカカラマツ、ダグラスファー等を用いることができる。原料木材の樹種としては、上述した各種の樹種から選択した1種又は2種以上を組み合わせた積層体を木質基材20としてもよい。
これらの中でも、燃焼時の発熱量を軽減させることと、単板の原材料として確保し易いことの観点から、スギ、トドマツ等の、針葉樹で比較的軽く、原料確保が容易な樹種を用いることが好ましい。また同様の観点から、気乾密度が0.3~0.6g/cm3であるものを用いることが好ましく、気乾密度が、0.4~0.5g/cm3であるものを用いることが更に好ましい。気乾密度は、複数の単板積層体の平均値により決定される。
硬化性組成物は、所定の条件又は操作により硬化するものである。そのような硬化性組成物としては、所定の条件又は操作により硬化する成分を含むものが挙げられる。所定の条件又は操作としては、常温硬化、湿気硬化、40~150℃加熱硬化、触媒存在下における化学反応による硬化等が挙げられる。また、硬化性組成物に鉄粉などの導電体を加えて、高周波加熱により硬化させてもよい。また硬化性組成物は、製造段階では溶媒を含む流動体となっていてもよい。この場合、時間経過や加熱等により溶媒を揮発させることにより、硬化性組成物を硬化物とすることができる。溶媒としては有機溶媒等を用いることができる。
SiR1 (4-n)R2 n(1)
(式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、又は一つ以上のアミノ基、エポキシ基、酸無水物基、マレイミド基、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタアクリル基、若しくはヘテロ環基で置換されていてもよい、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基若しくは炭素原子数7~20のアラルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して水酸基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、nは、1~4の整数を表す。)
前記nは、3であることが好ましい。前記R1の一部又は全部は、炭素原子数6~20のアルキル基であることが好ましい。また前記R1の一部又は全部は、一つ以上のエポキシ基で置換された炭素原子数1~20のアルキル基であることも好ましい。
まず、難燃薬剤含有固形物30として硬化物を有する耐火性木質複合材1を製造する場合について説明する。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。これとは別に、硬化性組成物を、開孔21,22と略同一形状の容器に入れ、該容器内で硬化性組成物を硬化させる。このようにして硬化物である難燃薬剤含有固形物30を得る。次に、開孔21,22に難燃薬剤含有固形物30を充填する。開孔21,22に難燃薬剤含有固形物30を充填するに先立って、難燃薬剤含有固形物30の表面に又は開孔21,22の周面に接着剤を塗布しておいてもよい。こうすることで、難燃薬剤含有固形物30が開孔21,22から抜けてしまうことを防止することができる。このようにして難燃薬剤保持板10を製造する。このようにして製造した難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。
難燃薬剤保持板10どうしの接合は、木質複合材の製造に従来用いられている各種公知の接着剤を用いることができ、例えば、水性高分子-イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、メラミンユリア樹脂接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。これらの中でも、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤が好ましい。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。そして、硬化性組成物を開孔21,22に充填する。硬化性組成物を硬化させて、硬化物である難燃薬剤含有固形物30とすることにより、難燃薬剤保持板10が製造される。このようにして製造した難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。開孔21,22は、いずれも非貫通であり、底部21b,22bを有しているので、難燃薬剤含有固形物30が充填時に液体状態であっても、難燃薬剤含有固形物30を開孔21,22に容易に充填することができる。硬化性組成物を硬化させる方法は特に制限されず、上述した方法等を用いることができる。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。これとは別に、固体難燃剤を含む粉体を、開孔21,22と略同一形状に圧粉成型し、圧粉体である難燃薬剤含有固形物30を得る。その後、難燃薬剤含有固形物30として硬化物を用いる場合と同様に、開孔21,22に難燃薬剤含有固形物30を充填して難燃薬剤保持板10を製造し、該難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。そして、固体難燃剤を含む粉体を開孔21,22に充填する。そして、開孔21,22に充填された粉体を圧粉成型し、圧粉体である難燃薬剤含有固形物30とすることにより、難燃薬剤保持板10を製造する。その後、難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。
まず、開孔21,22が形成されていない木質基材20に、開孔21,22を、中心点21a,22aの位置を第1方向X及び第2方向Yにずらして形成する。そして、複数の開孔21,22のそれぞれに、硬化性組成物又は粉体を充填する。そして、硬化性組成物を硬化させて硬化物である難燃薬剤含有固形物30を形成する。また、粉体を圧粉成型し、圧粉体である難燃薬剤含有固形物30を形成する。このようにして、硬化物である難燃薬剤含有固形物30及び圧粉体である難燃薬剤含有固形物30の両方を有する難燃薬剤保持板10を製造する。このようにして製造した難燃薬剤保持板10どうしを積層し、耐火性木質複合材1を製造する。
このように、難燃薬剤保持板10は容易に製造することができる。
更に、一面側開孔21の中心点21aの位置と、他面側開孔22の中心点22aの位置とが第1方向X及び第2方向Yの両方向にずれていることにより、難燃薬剤保持板10の一面S1における一面側開孔21でない部分が燃焼し、燃焼が厚み方向Z下側に進行したとしても、該部分の厚み方向Z下側には、難燃薬剤含有固形物30が充填された他面側開孔22が位置しているので、燃焼が厚み方向Z下側に進行することを防ぐことができるようになっている。
このように、難燃薬剤保持板10は、薄さと耐火性能を両立することができる。
本発明の難燃薬剤保持板及び耐火性木質複合材は、例えば壁、床又は天井等に張り付けて用いることができる。
図5(a)には、荷重支持部8と耐火被覆層9とを備えた耐火木製構造材7Aが示されている。耐火木製構造材7Aは、木造建築物の柱として使用される構造用の角材である。
荷重支持部8は角材であり、単独で、固定荷重、積載荷重等の長期に生ずる荷重(長期荷重)に対して構造耐力上安全であるようにその断面設計がなされている。斯かる断面設計は公知である。荷重支持部8の横断面形状は四角形状であり、耐火木製構造材7Aの横断面における、荷重支持部8の縦方向の長さ及び横方向の長さは、梁や柱の形状、あるいは大きさ等によって適宜に変更することができる。
以上、本発明の耐火性木質複合材の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、斯かる実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態の耐火性木質複合材1では、一面側開孔21と他面側開孔22とは、中心点21a,22aの位置が第1方向X及び第2方向Yの両方向にずれていたが、一面側開孔21と他面側開孔22とは、中心点21a,22aの位置が第1方向X及び第2方向Yのいずれか一方向にずれていてもよい。この場合でも、本実施形態の耐火性木質複合材1と同様の効果が奏される。
図2に示す難燃薬剤保持板10と同様の構成を有する難燃薬剤保持板を製造した。具体的には、木質基材として、縦方向の長さが400mmであり、横方向の長さが350mmであり、厚みが24mmである合板を使用した。一面側開孔は直径10mm、深さ14mmであり、第1方向及び第2方向における一面側開孔の間隔は20mmであった。他面側開孔は直径10mm、深さ14mmであり、第1方向及び第2方向における他面側開孔の間隔は20mmであった。一面側開孔に、以下の組成を有する硬化性組成物を該開孔の体積に対して100%充填した後、60℃に加熱して6時間硬化させ、硬化物である難燃薬剤含有固形物を形成した。他面側開孔の難燃薬剤含有固形物も、一面側開孔の難燃薬剤含有固形物と同様にして形成した。このようにして製造した難燃薬剤保持板を、厚み方向に2つ積層した。2つの難燃薬剤保持板は、互いの対向面に形成された開孔どうしが重ならないように積層した。積層した難燃薬剤保持板の厚み方向における一方の面に、縦方向の長さが400mmであり、横方向の長さが350mmであり、厚みが48mmである、針葉樹合板を配した。難燃薬剤保持板及び合板の接着には、レゾルシノール系接着剤を使用した。このようにして製造した、難燃薬剤保持板及び合板の積層体における難燃薬剤保持板側の面以外の面をセラミックブランケットと石膏ボードで養生し、実施例1の試験体とした。
・固体難燃剤:ホウ酸、70質量%
・硬化性化合物:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、23質量%
・硬化触媒:アルミニウム系硬化触媒(ACS、ホープ製薬株式会社製)、7質量%
実施例1において、一面側開孔及び他面側開孔の深さを20mmに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の試験体を製造した。
実施例1及び2で得られた試験体を燃焼試験炉に収容した。試験体は、難燃薬剤保持板側の面における縦方向が鉛直方向と一致するように配置した。試験体においては、難燃薬剤保持板側の面が一面加熱される加熱面である。そして通常の火災を想定したISO834-1標準加熱により1時間加熱を行い、加熱終了後、4時間の炉内放冷を行った。
その際、実施例1及び2では、加熱面を鉛直方向に三等分したときの二か所の境界線のうち上側の境界線の位置において、加熱面からの深さが12mm、24mm、36mm、48mmとなる位置(図6及び図7中、それぞれの位置を上12、上24、上36、上48と表記する)、及び前記二か所の境界線のうち下側の境界線の位置において、加熱面からの深さが12mm、24mm、36mm、48mmとなる位置(図6及び図7中、それぞれの位置を下12、下24、下36、下48と表記する)における温度変化を計測し、各位置における温度の継時的変化を確認した。実施例1の各位置における温度の継時的変化を図6に、実施例2の各位置における温度の継時的変化を図7に示す。
また、実施例1の炭化深さは29mmであり、実施例2の炭化深さは26mmであった。このことから、一面側開孔又は他面側開孔の深さを深くし、難燃薬剤含有固形物の高さを高くすることで、難燃薬剤保持板の積層数を増やすことなく、耐火性木質複合材の耐火性能を向上させることができることが分かる。
縦120mm、横120mm、高さ1000mmのスギ柱の高さ方向に沿う4側面に、実施例1と同様の方法で製造した難燃薬剤保持板を2つ積層した積層体を接着し、実施例3の試験体とした。2つの難燃薬剤保持板は、実施例1と同様に、互いの対向面に形成された開孔どうしが重ならないように積層した。
実施例3において、2つの難燃薬剤保持板を、互いの対向面に形成された開孔どうしが完全に重なるように積層した(図4参照)以外は、実施例3と同様にして実施例4の試験体を製造した。
実施例3及び4で得られた試験体を、高さ方向が鉛直方向と一致するように直立状態として試験炉内に配置し、4側面のそれぞれに対して、通常の火災を想定したISO834-1標準加熱により1時間加熱を行い、加熱終了後、4時間の炉内放冷を行った。その際、試験体の高さ方向の中央位置において、スギ柱の横断面の4つの角部、及び該横断面の4側辺それぞれの中央位置における温度変化を計測した。温度変化を計測した各位置を図8及び図9に黒点及び白点で示す。図8及び図9中、黒点は、スギ柱の横断面の4つの角部を示し、白点は、該横断面の4側辺それぞれの中央位置を示す。各位置における温度変化を計測した結果をそれぞれ、図10及び図11に示す。
10 難燃薬剤保持板
S1 難燃薬剤保持板の一面
S2 難燃薬剤保持板の他面
20 木質基材
21 一面側の開孔
22 他面側の開孔
25 開孔重複領域
30 難燃薬剤含有固形物
5 化粧層
7 耐火木製構造材
8 荷重支持部
9 耐火被覆層
40 難燃薬剤保持板積層部
X 第1方向
Y 第2方向
Z 厚み方向
Claims (8)
- 耐火被覆層の形成に用いられる難燃薬剤保持板であって、
第1方向及び第1方向と直交する第2方向を有し、
一面側及び他面側のそれぞれに非貫通の開孔を有する木質基材と、該開孔それぞれに充填された難燃薬剤含有固形物とを備えており、
一面側の前記開孔と他面側の前記開孔とは、中心点の位置が、第1方向若しくは第2方向又はそれらの両方向にずれており、
一面側の前記開孔と他面側の前記開孔とは、前記難燃薬剤保持板の平面視において重なっておらず、
前記難燃薬剤保持板は、その厚み方向の中央域に、一面側の前記開孔の一部と他面側の前記開孔の一部との両方が存在する開孔重複領域を有しており、
前記難燃薬剤含有固形物は、固体難燃剤を含む硬化性組成物の硬化物、及び固体難燃剤を含む圧粉体のいずれか一方又は両方であり、
前記硬化性組成物の硬化物は、ペースト状の状態で前記開孔に充填された後、硬化したものであるか、又は固体の状態で前記開孔に充填されたものであり、
液体の処理剤の含浸処理を施していない、難燃薬剤保持板。 - 前記硬化性組成物の硬化物が、固体の状態で前記開孔に充填されたものである、請求項1に記載の難燃薬剤保持板。
- 前記難燃薬剤含有固形物が、固体難燃剤を含む硬化性組成物の硬化物であり、前記硬化性組成物は、前記固体難燃剤、硬化性化合物及び硬化触媒を含む、請求項1又は2に記載の難燃薬剤保持板。
- 前記難燃薬剤含有固形物の表面又は該難燃薬剤含有固形物が収容される前記開孔の周面に接着剤が塗布されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の難燃薬剤保持板。
- 前記木質基材は、複数の単板の積層体からなる合板である、請求項1~4のいずれか一項に記載の難燃薬剤保持板。
- 難燃薬剤保持板が複数枚積層された構造を有する耐火性木質複合材であって、
前記難燃薬剤保持板が、請求項1~5のいずれか一項に記載の難燃薬剤保持板である耐火性木質複合材。 - 角材からなる荷重支持部と、該荷重支持部の軸方向に沿う3側面又は4側面を被覆する耐火被覆層とを備える耐火木製構造材であって、
各前記側面を被覆する前記耐火被覆層それぞれが、請求項1~5のいずれか一項に記載の難燃薬剤保持板を含んでいる、耐火木製構造材。 - 前記耐火被覆層それぞれが、請求項1~5のいずれか一項に記載の難燃薬剤保持板が厚み方向に複数積層されている難燃薬剤保持板積層部を有している、請求項7に記載の耐火木製構造材。
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