JP7679339B2 - 運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物 - Google Patents
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Description
[1]ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物。
[2]ケルセチン又はその配糖体を含有する、運動と併用して対象の体脂肪を低減するための組成物であって、前記運動の強度が2.5~6.5メッツである、組成物。
[3]ヒト成人におけるケルセチン又はその配糖体の総摂取量が、ケルセチン換算量として、1日あたり30~250mgとなる量でケルセチン又はその配糖体を含有する、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]飲食品である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[5]対象に運動強度が2.5~6.5メッツの運動を行わせる工程、及び
対象にケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させる工程
を含む、対象の運動強度が2.5~6.5メッツの運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[6]2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記組成物はケルセチン換算量として1日あたり30~250mgの摂取量となる量のケルセチン又はその配糖体を含有する、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[7]2.5~6.5メッツの運動を週に3日以上行う対象に対し、週に3日以上ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の前記運動による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[8]1日あたり8500歩以上の歩行を行う対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
[9]1日あたり8500歩以上の歩行を週に3日以上かつ2週間以上継続する対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を2週間以上の期間で週に3日以上継続して摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
本発明は、ケルセチン又はその配糖体を有効成分として含有する、低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物を含む。
本明細書において、「ケルセチン」とは、ビタミンPとも称され、ポリフェノールの一種であるフラボノールに属する化合物であるケルセチンを意味する。ケルセチンは、下記式(I)で示される化合物である。
本発明において、ケルセチン又はその配糖体は、1種のみ用いてもよく、複数種の化合物を用いてもよい。複数種の化合物を使用する場合、例えば、ケルセチン及び1種又は2種以上のケルセチン配糖体を用いてもよく、2種以上のケルセチン配糖体を用いてもよい。
後記実施例で示すとおり、本発明の組成物は、低~中強度の運動、好ましくは低強度の運動(以下、これらを単に「上記運動」ともいう)と併用することによって、上記運動による体脂肪低減効果を増強する作用を有する。そして、ケルセチン又はその配糖体の筋肉量及び基礎代謝量に対する効果がまだ顕著には現れない程度の強度の運動であっても、ケルセチン又はその配糖体の摂取によって体脂肪を有意に低減させることが可能である。メカニズムの詳細は不明であり、本発明を限定するものではないが、ケルセチン又はその配糖体は、上記運動時において脂肪分解量を増加させる作用を有するものと推察される。
・1日あたり8500歩以上、より好ましくは9000歩以上、さらに好ましくは10000歩以上の歩行。
・日常活動に加えて意識して行う1000歩以上、より好ましくは2000歩以上、さらに好ましくは3000歩以上の歩行。
・日常活動に加えて意識して行う10分以上、より好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは25分以上、さらに好ましくは30分以上の歩行。
・5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上の自転車走行。
・NHKラジオ体操第一又は第二それぞれ1回。
・ボウリング1ゲーム。
・卓球1ゲーム。
・全身を使ったテレビゲーム10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上。
・10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上の家事、調理、片付け、掃除。
本発明の組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、又は、当該剤を含む組成物として提供することもできる。
上記の医薬又は医薬部外品の剤形は、投与形態に適した剤形とすればよく、またヒトに用いるものであっても非ヒト動物用医薬であってもよい。医薬又は医薬部外品の投与形態は経口投与でもよいし、非経口の形態で投与してもよいが、経口投与が好ましい。
本発明の組成物には、包装、容器又は説明書に用途、有効成分の種類、上述した効果、使用方法(例えば、摂取方法、投与方法)等の1又は2以上を表示してもよい。
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取又は投与することができる。本発明の組成物は、経口投与又は摂取されてもよく、注射剤等の形態として、非経口投与されてもよいが、好ましくは経口投与又は摂取される。
本発明の組成物を投与又は摂取させる対象(以下、単に投与対象ともいう)は、動物が好ましく、哺乳動物(ヒト及び非ヒト哺乳動物)がより好ましく、ヒトがさらに好ましい。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ウマ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、サル等が挙げられる。また、本発明における投与対象として、低~中強度の運動による体脂肪の低減効果を増強することを必要とする又は希望する対象が好ましい。例えば、日常的に運動量が不足する、若しくは運動可能な時間が限られる対象、又は体重増加、加齢等により運動機能が低下した対象等が好適な対象として挙げられる。
本発明は、対象に低~中強度の運動(例えば、運動強度が2.5~6.5メッツの運動)を行わせる工程、及び対象にケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させる工程を含む、対象の低~中強度の運動による体脂肪の低減を増強する方法を含む。
ケルセチン又はその配糖体の投与量は、対象の運動による体脂肪の低減を増強する量、すなわち有効量であればよく、特に限定されず、例えば上述の[低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強するための組成物]の項で記載した用量を投与又は摂取することが好ましい。ケルセチン又はその配糖体は、そのまま投与又は摂取してもよいし、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物として投与又は摂取してもよい。例えば、上述した本発明の組成物を投与又は摂取することができる。ケルセチン又はその配糖体、低~中強度の運動、投与対象、投与方法、投与量及びそれらの好ましい態様等は、上述した本発明の組成物におけるものと同じである。本発明の方法によれば、副作用を生じず、安全に、低~中強度の運動による体脂肪低減効果を増強することができる。
[実施例1 ケルセチン配糖体と低~中強度の運動の併用の効果のヒト試験]
(試験の概要)
(1)試験飲料
被験飲料としては、ケルセチン配糖体をイソクエルシトリンとして110mg(ケルセチン換算量で71.6mg)配合した緑茶飲料500mLを使用した。対照飲料としては、ケルセチン配糖体を配合しない緑茶飲料500mLとし、被験飲料と形状、色、風味等からは区別ができないように調製したものを使用した。被験飲料及び対照飲料の栄養成分分析値は、いずれもエネルギー0kcal、たんぱく質、脂質、炭水化物それぞれ0gであった。
20歳以上65歳未満、肥満I度(BMIが25kg/m2以上30kg/m2未満)の健康な男女を試験対象者とした。また、定期的に激しい運動(ジョギング、エアロビクス、筋力トレーニング、水泳等)をしている者、アルコール多飲者及び過度の喫煙者、医薬品を継続的に摂取している者、試験期間中に妊娠又は妊娠を希望する者と授乳中の者、試験飲料に対しアレルギーを有する者、その他試験責任医師が試験対象者として不適切と判断した者などは除外した。
本試験例は、摂取期間12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験として実施した。試験対象者をランダム性が確保されるように被験飲料群(n=74)と対照飲料群(n=74)に割り付けた。試験対象者には、試験飲料摂取開始時の検査実施後から摂取後12週検査前日まで、割付に従い被験飲料又は対照飲料を1日1本継続摂取させ、加えて試験前に計測した各試験対象者の1週間の平均歩数より毎日3000歩程度(目標範囲:3000±500歩)多く歩くよう指導した。また、試験期間中、食事及び歩行以外の運動は試験開始前から大きく変化させず、可能な限り一定に維持するように指導した。なお、歩行の運動強度は一般的には2.5~4.0メッツ程度である。また、3000歩は一般的にはおよそ30分程度の歩行に相当する。
試験対象者について、下記の項目の検査を行った。各検査データの収集は摂取開始時(0週)、摂取後8週、12週検査時に行った。
腹部脂肪面積の測定は、Tokunagaらの方法(Tokunaga K et al. Int. J. Obes., 1983, Vol.7, pp.437-45)に従い、臍部のコンピューター断層撮影(CT)スキャナシステム(日立全身用X線装置 ROBUSTO Ei、株式会社日立メディコ、東京都)により測定した。測定部位は臍部(臍部の位置撮影時の画像に腎臓・腸骨が含まれる場合には第4腰骨を中心に再撮影)とし、終末呼気位相において撮影した。CT撮影条件は管電圧:120kVp、管電流量:AEC機能、スライス厚:5mmで、フィルム処理はウインドウレベル「0」、ウインドウ幅「1000」とした。得られた画像は内臓脂肪計測PCソフト(ファットスキャンプレミアム、株式会社東日本技術研究所、茨城県)を用いて解析した。
歩数計を用いて試験対象者に毎日の歩数を生活日誌に記録させ、摂取開始時(0週)~摂取後12週検査の各期間について1日あたりの平均歩数を求めた。
割付された全試験対象者から、試験飲料を全く摂取しなかった試験対象者、割付後のデータが全て存在しない試験対象者を除いた集団をFull Analysis Set(FAS)、FASのうち試験実施計画書を遵守した集団をPer Protocol Set(PPS)と定義した。解析は、PPSに対して行った。
(1)解析対象者
割付時は148名であったが、143名(被験飲料群73名、対照飲料群70名)が摂取を開始した(FAS)。割付時の試験対象者の背景データを表1に示す。PPSに係る試験対象者数は結果の各表に記載した。
結果を表2、表3に示す。被験飲料の12週間の継続摂取により、対照飲料の摂取に比較して、腹部全脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(線形混合効果モデルによる群と検査時期の交互作用:p<0.05、群の主効果:p<0.05)。また、被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取後8週及び12週検査において、腹部全脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(p<0.05)。また、被験飲料群では、摂取開始時(0週)に比較して、摂取後8週及び12週検査において腹部全脂肪面積の有意な減少が認められた(p<0.05)。
結果を表2、表3に示す。被験飲料の12週間の継続摂取により、対照飲料の摂取に比較して、腹部皮下脂肪面積変化量の有意な減少が認められた(線形混合効果モデルによる群と検査時期の交互作用:p<0.05、群の主効果:p<0.05)。被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取後8週及び12週検査において、腹部皮下脂肪面積変化量の有意な減少を示した(p<0.05)。また、被験飲料群では、摂取開始時(0週)に比較して、摂取後8週及び12週検査において腹部皮下脂肪面積の有意な減少が認められた(p<0.05)。
摂取開始前の1日平均歩数は被験飲料群6890.2歩/日、対照飲料群7000.4歩/日、摂取期間中(摂取開始日~摂取後12週検査)の1日平均歩数は被験飲料群9813.0歩/日、対照飲料群10000.0歩/日であり、両群ほぼ同様の推移を示した。
(試験概要)
BMI25以上30未満の20~65歳の試験対象者(男性81名、女性119名)を対象に、無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施した。無作為に2群に分け、ケルセチン0mg又は110mgを含む飲料を12週間摂取させた(対照飲料群89名(男性36名、女性53名)、被験飲料群83名(男性33名、女性50名))。本試験の方法及び結果の詳細は、江川らの論文(江川ら,薬理と治療,2012年,第40巻第6号,pp.495-503)に記載の通りである。
試験開始後12週時点の腹部全脂肪面積は、試験開始時と比較して、被験飲料群では-5.32±2.42cm2、対照飲料群では+4.97±2.34cm2(いずれも誤差は標準誤差)であった。対照飲料群に対する被験飲料群の腹部全脂肪面積変化量(摂取後12週検査)は-10.30cm2であった。
各試験における試験開始後12週時点の試験開始時に対する腹部全脂肪面積及び腹部皮下脂肪面積それぞれの変化量を比較したグラフを図1、図2に示した。ケルセチン配糖体の摂取と3000歩程度の歩行のような低~中強度の運動を組み合わせることによって、運動を併用しない場合に比べて、腹部全脂肪面積及び腹部皮下脂肪面積が顕著に減少した。そのような低~中強度の運動との併用効果は、ケルセチン配糖体を含有しない対照飲料を摂取した群では観察されなかった。
Claims (2)
- 1日あたり8500歩以上の運動強度が2.5~4.0メッツの歩行を8週間以上継続して行う対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
- 1日あたり8500歩以上の運動強度が2.5~4.0メッツの歩行を週に3日以上かつ8週間以上継続する対象に対し、ケルセチン又はその配糖体を含有する組成物を8週間以上の期間で週に3日以上継続して摂取させることを含み、前記対象におけるケルセチン又はその配糖体の摂取量は、ケルセチン換算量として1日あたり30~250mgである、前記対象の歩行による体脂肪の低減を増強する方法(但し、ヒトに対する医療行為は除く)。
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Non-Patent Citations (6)
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| サントリーホールディングス株式会社のウェブサイトに掲載された2022年 3月10日付けニュースリリース |
| 厚生労働省のウェブサイトに掲載された「身体活動・運動」, 厚生労働省, 20241119, 掲載日 |
| 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2012年4月11日改訂), (独)国立健康・栄養研究所, 20241201, 検索日 |
| 第37回新開発食品評価第一調査会 議事録(2017年5月29日), 内閣府(ウェブサイトに掲載), 20241119, 検索日 |
| 薬理と治療, 2008, 36(10), pp.919-930 |
| 諦乗 豪, 運動強度の違いによる運動中、直後の脂肪燃焼及び血液生化学の変化, 人間科学研究, 早稲田大学, 20070325, Vol20, Supplement, 121 |
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