[第1実施形態]
第1実施形態の緩衝器(Shock absorber)について、図1~図4を参照しつつ以下に説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、図1~図12における上側を「上」とし、図1~図12における下側を「下」として説明する。
図1に示すように、第1実施形態の緩衝器1は複筒型の油圧緩衝器である。緩衝器1は、車両、具体的には自動車のサスペンション装置に用いられるものである。緩衝器1は、シリンダ2を備えている。シリンダ2には作動流体としての油液Lが封入されている。シリンダ2は内筒3と外筒4とを有している。内筒3は円筒状である。外筒4は有底の円筒状である。外筒4の内径は内筒3の外径よりも大径である。内筒3は外筒4の径方向内側に配置されている。内筒3の中心軸線と外筒4の中心軸線とは一致する。内筒3と外筒4との間はリザーバ室6となっている。
外筒4は胴部11と底部12とを有している。胴部11と底部12とは一体に形成されている。胴部11は円筒状である。底部12は胴部11の下部を閉塞している。底部12には、その軸方向において胴部11とは反対となる外側に図示略の取付アイが固定される。
緩衝器1はピストン18を備えている。ピストン18は、シリンダ2の内筒3内に挿入されている。ピストン18は、シリンダ2の内筒3内に摺動可能に嵌装されている。ピストン18は、シリンダ2の内筒3内を一側の上室19と他側の下室20との2室に区画する。シリンダ2の軸方向において上室19はピストン18よりも底部12とは反対側にある。シリンダ2の軸方向において下室20はピストン18よりも底部12側にある。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液Lが封入されている。内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液LとガスGとが封入されている。
緩衝器1はピストンロッド21を備えている。ピストンロッド21は、その軸方向における一端側の第1端部がシリンダ2の内筒3内に配置されている。ピストンロッド21は、この第1端部がピストン18に連結されている。ピストンロッド21は、その軸方向における、この第1端部とは反対側の第2端部がシリンダ2からシリンダ2の外部に延出されている。ピストン18はピストンロッド21に固定されている。このため、ピストン18およびピストンロッド21は一体に移動する。緩衝器1は、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を増やす方向に移動する行程が、全長が伸びる伸び行程である。緩衝器1は、ピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を減らす方向に移動する行程が、全長が縮む縮み行程である。緩衝器1は、伸び行程においてピストン18が上室19側へ移動する。緩衝器1は、縮み行程においてピストン18が下室20側へ移動する。
内筒3の上端開口側および外筒4の上端開口側には、ロッドガイド22が嵌合されている。外筒4にはロッドガイド22よりも上側にシール部材23が嵌合されている。ロッドガイド22およびシール部材23は、いずれも円環状である。ピストンロッド21は、ロッドガイド22およびシール部材23のそれぞれの径方向の内側に挿入され、これらの軸方向に沿って摺動する。ピストンロッド21は、シリンダ2の内部から、シール部材23よりもシリンダ2の外部側に延出している。
ロッドガイド22はピストンロッド21がシリンダ2の内筒3および外筒4に対して径方向に移動することを規制する。ロッドガイド22にピストンロッド21が嵌合すると共にピストン18が内筒3内に嵌合する。これによって、ピストンロッド21の中心軸線とシリンダ2の中心軸線とが一致する。ロッドガイド22はピストンロッド21をピストンロッド21の軸方向に移動可能に支持する。シール部材23は、その外周部が外筒4の胴部11に密着する。シール部材23は、その内周部がピストンロッド21の外周部に密着する。ピストンロッド21は、シール部材23に対してシール部材23の軸方向に移動する。シール部材23は、内筒3内の油液Lと、リザーバ室6内の高圧のガスGおよび油液Lとが外部に漏れ出すのを抑制する。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部の方が大径となっている。ロッドガイド22は、小径の下部において内筒3の上端の内周部に嵌合する。ロッドガイド22は、大径の上部において外筒4の胴部11の上部の内周部に嵌合する。
外筒4の底部12上にはベースバルブ25が設置されている。ベースバルブ25は外筒4に対して径方向に位置決めされている。ベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。
外筒4の上端部は、外筒4の径方向における内側に加締められている。シール部材23は、この加締め部分とロッドガイド22とに挟まれることでシリンダ2に固定されている。
ピストンロッド21は主軸部27と取付軸部28とを有している。主軸部27および取付軸部28は、いずれも棒状である。
取付軸部28は、その外径が主軸部27の外径よりも小径である。取付軸部28はシリンダ2内に配置されている。取付軸部28にピストン18が取り付けられている。主軸部27は、軸段部29を有している。軸段部29は、主軸部27の軸方向における取付軸部28側の端部に設けられている。軸段部29は、ピストンロッド21の中心軸線に対して垂直な方向に広がっている。
ピストンロッド21には、取付軸部28の外周部に溝部30が形成されている。溝部30は、取付軸部28の軸方向に延びている。溝部30は、取付軸部28の外周部を取付軸部28の中心軸線に平行な平面状に切り欠いて形成されている。溝部30は、取付軸部28の周方向に間隔をあけて二カ所形成されている。取付軸部28には、取付軸部28の軸方向における溝部30よりも主軸部27とは反対側の端部の外周部にネジ部31が形成されている。
緩衝器1は、例えばピストンロッド21のシリンダ2から突出する部分が上部に配置されて車両の車体に連結される。その際に、緩衝器1は、シリンダ2側に設けられた図示略の取付アイが下部に配置されて車両の車輪側に連結される。緩衝器1は、これとは逆に、シリンダ2側が車体に連結されるようにしても良い。この場合、緩衝器1は、ピストンロッド21が車輪側に連結される。
図2に示すように、ピストン18はピストン本体35と摺動部材36とを有している。ピストン本体35は、分割体33と分割体34とが組み合わされて構成されている。分割体33,34は、いずれも金属製であり、いずれも円環状である。分割体33,34は、分割体33の内径の方が、分割体34の内径よりも小径となっている。摺動部材36は合成樹脂製であり、円環の帯状である。摺動部材36は、分割体33と分割体34とが組み合わされた状態のピストン本体35の外周面に一体的に装着されている。これによって、分割体33,34および摺動部材36が一体化されてピストン18となる。ピストン18は、ピストンロッド21の取付軸部28に嵌合される。ピストン18は、摺動部材36が内筒3に接触した状態で内筒3に対して軸方向に摺動する。
ピストン本体35には、通路穴37と通路溝38と通路穴39と通路溝40とが設けられている。
通路穴37はピストン本体35の軸方向に延びている。通路穴37は、ピストン本体35に、ピストン本体35の円周方向に間隔をあけて複数(図2においては断面とした関係上一箇所のみ図示)形成されている。
通路穴39はピストン本体35の軸方向に延びている。通路穴39は、ピストン本体35に、ピストン本体35の円周方向に間隔をあけて複数(図2においては断面とした関係上一箇所のみ図示)形成されている。ピストン本体35には、ピストン本体35の周方向において通路穴37と通路穴39とが一箇所ずつ交互に等ピッチで形成されている。
通路溝38は、ピストン本体35の分割体34に、分割体34の円周方向に円環状をなして形成されている。通路溝38は、分割体34の軸方向における分割体33とは反対側の端部に形成されている。全ての通路穴37は、ピストン本体35の軸方向における、この端部側が通路溝38に開口している。
通路溝40は、ピストン本体35の分割体33に、分割体33の円周方向に円環状をなして形成されている。通路溝40は、分割体33の軸方向における分割体34とは反対側の端部に形成されている。全ての通路穴39は、ピストン本体35の軸方向における通路溝38とは反対側の端部が通路溝40に開口している。
ピストン18は、複数の通路穴37の内側と通路溝38の内側とが第1通路43となっている。第1通路43は、ピストン18をピストン18の軸方向に貫通している。よって、第1通路43は、ピストン18の移動により上室19と下室20との間を、作動流体である油液Lが流通可能に連通する。
ピストン18は、複数の通路穴39の内側と通路溝40の内側とが第1通路44となっている。第1通路44は、ピストン18をピストン18の軸方向に貫通している。よって、第1通路44は、ピストン18の移動により上室19と下室20との間を、作動流体である油液Lが流通可能に連通する。
第1通路43および第1通路44は、いずれもピストン18に設けられている。
第1通路43には減衰力機構41(第1減衰力機構)が設けられている。減衰力機構41は、第1通路43を開閉して減衰力を発生させる。減衰力機構41は、ピストン18の軸方向における一端側である下室20側に配置されて、ピストンロッド21に取り付けられている。よって、第1通路43は、ピストン18の上室19側への移動によって上室19から下室20に向けて作動流体としての油液Lが移動する通路となる。つまり、第1通路43は、伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液Lが移動する通路である。減衰力機構41は、伸び行程において生じる第1通路43から下室20への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
第1通路44には減衰力機構42(第1減衰力機構)が設けられている。減衰力機構42は、第1通路44を開閉して減衰力を発生させる。減衰力機構42は、ピストン18の軸方向における他端側である上室19側に配置されて、ピストンロッド21に取り付けられている。よって、第1通路44は、ピストン18の下室20側への移動によって下室20から上室19に向けて油液Lが移動する通路となる。つまり、第1通路44は、縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液Lが移動する通路である。減衰力機構42は、縮み行程において生じる第1通路44から上室19への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体35は、その径方向の中央に挿通穴45が、ピストン本体35の軸方向に貫通して形成されている。挿通穴45は、ピストンロッド21の取付軸部28を挿通させる。挿通穴45は、その軸方向において下室20側の分割体34に形成された部分よりも上室19側の分割体33に形成された部分の方が小径である。ピストン本体35は、このように内径が小径の分割体33においてピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。
ピストン本体35の軸方向の下室20側の端部にはバルブシート部48が形成されている。バルブシート部48は円環状である。バルブシート部48は、通路溝38の下室20側の開口よりもピストン本体35の径方向における外側に配置されている。バルブシート部48は、減衰力機構41の一部を構成する。
ピストン本体35の軸方向の上室19側の端部にはバルブシート部49が形成されている。バルブシート部49は円環状である。バルブシート部49は、通路溝40の上室19側の開口よりもピストン本体35の径方向における外側に配置されている。バルブシート部49は、減衰力機構42の一部を構成する。
ピストン本体35には、ピストン本体35の径方向におけるバルブシート部48の通路溝38とは反対側に、全ての通路穴39の下室20側の開口が配置されている。ピストン本体35には、ピストン本体35の径方向におけるバルブシート部49の通路溝40とは反対側に、全ての通路穴37の上室19側の開口が配置されている。
ピストン18の軸方向におけるバルブシート部48側には、ピストン18の軸方向においてピストン18側から順に、複数枚(具体的には2枚)のディスク50と、複数枚(具体的には5枚)のディスク51と、一枚のパイロットディスク52と、一枚のディスク53と、一つのパイロットケース55と、一枚のディスク56と、複数枚(具体的には6枚)のディスク57と、一枚のディスク58と、一枚のディスク59とが設けられている。
ディスク50,51,53,56~59およびパイロットケース55は、いずれも金属製である。ディスク50,51,53,56~59は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。ディスク50,51,53,56~59は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。パイロットディスク52およびパイロットケース55は、いずれも円環状である。パイロットディスク52およびパイロットケース55は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。
パイロットケース55は有底筒状である。パイロットケース55には、その径方向における中央に貫通孔70が形成されている。貫通孔70はパイロットケース55をその軸方向に貫通している。貫通孔70は、その軸方向におけるピストン18側がピストン18とは反対側よりも小径であり、この小径部分にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。
パイロットケース55は、底部71と内側円筒状部72と外側円筒状部73と内側シート部74とバルブシート部75とを有している。
底部71は有孔の円板状である。底部71には、貫通孔70よりも径方向外側に、底部71を底部71の軸方向に貫通する通路穴78が形成されている。
内側円筒状部72は、円筒状であり、底部71の内周縁部から底部71の軸方向に沿ってピストン18側に突出している。
外側円筒状部73は、円筒状であり、底部71の外周縁部から底部71の軸方向に沿って内側円筒状部72と同側に突出している。
通路穴78は、底部71の径方向における内側円筒状部72と外側円筒状部73との間に配置されている。
内側シート部74は、円環状であり、底部71の内周縁部から軸方向の内側円筒状部72とは反対側に若干突出している。内側シート部74には、内側シート部74をその径方向に貫通する通路溝79が形成されている。
バルブシート部75は、内側シート部74よりも大径の円環状である。バルブシート部75は、内側シート部74よりも内側シート部74の径方向における外側で底部71の軸方向に沿って底部71から内側シート部74と同側に突出している。
通路穴78は、底部71の径方向における内側シート部74とバルブシート部75との間に配置されている。内側シート部74の通路溝79内の通路は、ピストンロッド21の溝部30内の通路と通路穴78内の通路とに常時連通している。
複数枚のディスク50は、軸方向におけるピストン18側のディスク50がピストン18の通路溝38よりも径方向内側の部分に当接している。このディスク50には、切欠81が形成されている。切欠81内の通路は、絞りであり、ピストン18の第1通路43と、ピストンロッド21の溝部30内の通路とに常時連通している。
複数枚のディスク51は、軸方向における最もピストン18側のディスク51が、ピストン18のバルブシート部48に当接している。複数枚のディスク51は、バルブシート部48に対し離間および当接することでピストン18に形成された第1通路43の開口を開閉する。
パイロットディスク52は、ディスク85とシール部材86とからなっている。
ディスク85は、金属製であり、有孔の円形平板状である。ディスク85は、内側にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。複数枚のディスク51は、軸方向における最もピストン18とは反対側のディスク51が、パイロットディスク52のディスク85に当接している。
シール部材86は、ゴム製であり、ディスク85の軸方向におけるピストン18とは反対側に焼き付けにより接着されている。シール部材86は、ディスク85の外周側に固着されており、円環状をなしている。シール部材86は、パイロットケース55の外側円筒状部73の内周部に全周にわたり液密的に嵌合している。シール部材86は、外側円筒状部73の内周部に対し軸方向に摺動可能である。シール部材86は、パイロットディスク52と外側円筒状部73との隙間を常時シールする。
複数枚のディスク51およびパイロットディスク52は、減衰バルブ91を構成している。減衰バルブ91は、ピストン18のバルブシート部48に離着座可能である。減衰バルブ91は、バルブシート部48から離座することで第1通路43を下室20に開放可能である。減衰バルブ91とピストン18のバルブシート部48との間は、第1通路43を構成する。減衰バルブ91は、ピストン18のバルブシート部48から離座して開くと、第1通路43からの油液Lをピストン18とパイロットケース55の外側円筒状部73との間を介して下室20に流す。その際に、減衰バルブ91は、バルブシート部48との間の油液Lの流れを抑制する。減衰バルブ91は、伸び側の減衰力機構41を構成している。減衰バルブ91には、複数枚のディスク51のうちの少なくともバルブシート部48に当接するディスク51に、バルブシート部48に当接状態にあっても第1通路43を下室20に連通させる固定オリフィス92が形成されている。この固定オリフィス92は、第1通路43を構成しており、減衰力機構41を構成している。
ディスク53は、パイロットディスク52のディスク85に当接している。ディスク53は、パイロットケース55の内側円筒状部72に当接している。
ディスク56は、パイロットケース55の内側シート部74に当接している。
複数枚のディスク57は、軸方向におけるディスク56側のディスク57がバルブシート部75に着座可能となっている。複数枚のディスク57はディスクバルブ99を構成している。ディスクバルブ99は、バルブシート部75に対して離着座可能である。
ディスク58は、その外径が、ディスクバルブ99の最小外径よりも小径である。
ディスク59は、その外径が、ディスク58の外径よりも大径である。
パイロットケース55の底部71、内側円筒状部72および外側円筒状部73と、パイロットディスク52およびディスク53との間と、パイロットケース55の底部71、内側シート部74およびバルブシート部75と、ディスク56およびディスクバルブ99との間と、パイロットケース55の通路穴78内とが、背圧室100となる。背圧室100は、パイロットディスク52を介して複数枚のディスク51にピストン18の方向に圧力を加える。言い換えれば、背圧室100は、減衰バルブ91に、バルブシート部48に着座する閉弁方向に内圧を作用させる。これら複数枚のディスク51、パイロットディスク52および背圧室100は、減衰力機構41の一部を構成している。背圧室100は、パイロットケース55の通路溝79内の通路を介して、ピストンロッド21の溝部30内の通路に常時連通している。
ディスク50の切欠81内の通路と、ピストンロッド21の溝部30内の通路と、パイロットケース55の通路溝79内の通路とが、ピストン18の第1通路43と背圧室100とを常時連通させて第1通路43から背圧室100に油液Lを導入する。伸び側の減衰力機構41は、背圧室100の圧力によって減衰バルブ91の開弁を制御する。
ディスクバルブ99は、バルブシート部75から離座することで、背圧室100と下室20とを連通させる。その際に、ディスクバルブ99は、バルブシート部75との間の油液Lの流れを抑制する。
ディスクバルブ99とバルブシート部75とが減衰力機構110を構成している。減衰力機構110は、ディスクバルブ99がバルブシート部75から離座すると、背圧室100と下室20とを連通させる。その際に、減衰力機構110は、背圧室100と下室20との間の油液Lの流れを抑制して減衰力を発生させる。減衰力機構110は、伸び行程において、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝158内の通路および背圧室100を介して下室20に油液Lを流す。減衰力機構110は、伸び行程において生じる背圧室100から下室20への油液Lの流動を抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
ピストン18の軸方向におけるバルブシート部49側には、ピストン18の軸方向においてピストン18側から順に、一枚のディスク111と、複数枚(具体的には9枚)のディスク112と、一枚のディスク113と、一枚のディスク114と、一枚の円環部材115とが設けられている。ディスク111~114および円環部材115は、いずれも金属製である。ディスク111~114および円環部材115は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。ディスク111~114および円環部材115は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。
ディスク111は、ピストン18の通路溝40よりも径方向内側の部分に当接している。
複数枚のディスク112は、軸方向における最もピストン18側のディスク112が、ピストン18のバルブシート部49に当接している。複数枚のディスク112は、バルブシート部49に対し離間および当接することでピストン18に形成された第1通路44の開口を開閉する。
複数枚のディスク112は、ディスクバルブ122を構成している。ディスクバルブ122は、バルブシート部49に離着座可能である。ディスクバルブ122は、バルブシート部49から離座することで第1通路44を上室19に開放可能である。ディスクバルブ122とバルブシート部48との間は、第1通路44を構成する。ディスクバルブ122は、ピストン18のバルブシート部49から離座して開くと、第1通路44からの油液Lを上室19に流す。その際に、ディスクバルブ122は、バルブシート部49との間の油液Lの流れを抑制する。よって、ディスクバルブ122は、下室20から第1通路44を介する上室19への油液Lの流れを抑制する。ディスクバルブ122とバルブシート部49とが縮み側の減衰力機構42を構成している。ディスクバルブ122には、バルブシート部49に当接状態にあっても第1通路44を上室19に連通させる固定オリフィス123が形成されている。固定オリフィス123も減衰力機構42を構成している。
ディスク113は、ディスクバルブ122の最小外径よりも小径の外径となっている。
ディスク114の外径は、ディスク113の外径よりも大径である。ディスク114および円環部材115は、ディスクバルブ122の開方向への変形時にディスクバルブ122に当接してディスクバルブ122の開方向への規定以上の変形を抑制する。円環部材115は、ピストンロッド21の軸段部29に当接している。
ディスク59の軸方向におけるディスク58とは反対側に、周波数感応機構130(第2減衰力機構)が設けられている。周波数感応機構130は、ピストン18の軸方向移動の周波数(以下、ピストン周波数と称す)に応じて減衰力を可変させる。
図3に示すように、周波数感応機構130は、軸方向のディスク59側に一つのケース部材131を有している。周波数感応機構130は、ケース部材131の軸方向におけるディスク59とは反対側に、複数枚(具体的には3枚)の同外径かつ同内径のディスク132と、一枚の区画部材133と、を有している。周波数感応機構130は、ディスク132および区画部材133の軸方向におけるディスク59とは反対側に、ディスク132および区画部材133側から順に、複数枚(具体的には5枚)の同外径かつ同内径のディスク135と、複数枚(具体的には2枚)の同外径かつ同内径のディスク136と、複数枚(具体的には2枚)の同外径かつ同内径のディスク137と、を有している。ディスク137の軸方向におけるディスク136とは反対側には円環部材138が設けられている。
複数枚のディスク135は支持部材141を構成している。複数枚のディスク136は弁座部材142を構成している。複数枚のディスク137は蓋部材143を構成している。
ケース部材131、ディスク132,135~137および円環部材138は、いずれも金属製である。ディスク132,135~137および円環部材138は、いずれも一定厚さの有孔の円形平板状である。言い換えれば、ディスク132,135~137および円環部材138は、いずれも環状の板状部材から形成されている。ディスク132,135~137、区画部材133および円環部材138は、いずれもケース部材131の径方向内側に配置されている。ケース部材131、ディスク132,135~137および円環部材138は、いずれも内側にピストンロッド21の取付軸部28を嵌合させている。よって、ケース部材131、ディスク132,135~137および円環部材138は、いずれもピストンロッド21と中心軸線を一致させている。区画部材133は、内周側にピストンロッド21の取付軸部28および複数枚のディスク132を、径方向の隙間をもって挿通させている。周波数感応機構130は、ケース部材131およびディスク132,135~137がバルブケース145を構成している。周波数感応機構130は、このバルブケース145内に区画部材133を有している。
ケース部材131は有底の円筒状である。ケース部材131は、その径方向の中央に、ケース部材131をその軸方向に貫通する貫通孔155が形成されている。図2に示すように、貫通孔155は、その軸方向においてピストン18側がピストン18とは反対側よりも小径であり、この小径部分にピストンロッド21の取付軸部28が嵌合される。
図3に示すように、ケース部材131は、底部150と突出部151と筒状部153とシート部154とを有している。
底部150は、有孔の円板状である。底部150は、全周にわたって径方向の幅が一定である。底部150に貫通孔155が形成されている。
突出部151は円環状である。突出部151は、底部150の内周縁部から、底部150の軸方向に沿ってディスク59とは反対側に突出している。突出部151には、突出部151をその径方向に貫通する通路溝158が形成されている。通路溝158内の通路は、絞りであり、ピストンロッド21の溝部30内の通路に連通している。
筒状部153は、突出部151の外径よりも内径が大径の円筒状である。筒状部153は、底部150の外周縁部から、底部150の軸方向に沿って突出部151と同側に延出している。
シート部154は円環状である。シート部154は、底部150の径方向における突出部151と筒状部153との間の位置から、底部150の軸方向に沿って突出部151および筒状部153と同側に突出している。シート部154には、突出側の先端部に、この先端部をシート部154の径方向に貫通する切欠部159が形成されている。シート部154には、切欠部159が、シート部154の周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、シート部154は、その突出側の先端部が、シート部154の周方向に断続的に切り欠かれている。シート部154は、底部150の軸方向における先端の高さ位置が突出部151の先端の高さ位置よりも高くなっている。
ディスク132は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。ディスク132の外径は、突出部151の軸方向における底部150とは反対側の端面の外径よりも若干小径である。
支持部材141を構成するディスク135は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。ディスク135は、その外径が、ディスク132の外径よりも大径である。
弁座部材142を構成するディスク136は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。ディスク136は、その外径が、ディスク135の外径よりも大径である。
蓋部材143を構成するディスク137は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。ディスク137は、その外径が、ディスク136の外径よりも大径である。
ディスク132,135~137、区画部材133および円環部材138は、いずれも筒状部153の径方向内側に配置されている。ディスク132,135~137および区画部材133は、全て、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲内に配置されている。円環部材138は、その一部が、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲内に配置され、その残りの一部が、筒状部153の軸方向において筒状部153の範囲外に配置されている。
区画部材133は、バルブディスク161と、弾性シール部材162とからなっている。区画部材133は、ケース部材131の筒状部153と複数枚のディスク132との径方向の間位置に配置されている。
バルブディスク161は金属製である。バルブディスク161は、一定厚さの有孔の円形平板状である。バルブディスク161は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。バルブディスク161は、内周側にピストンロッド21の取付軸部28および複数枚のディスク132が挿通されている。バルブディスク161は、弾性変形可能つまり撓み可能となっている。バルブディスク161は、内側に複数枚のディスク132を径方向に隙間をもって配置可能な内径となっている。バルブディスク161の外径は、筒状部153の内径よりも小径である。バルブディスク161は、軸方向の厚さが、全部のディスク132の合計の厚さよりも薄くなっている。
弾性シール部材162は、ゴム製であり、円環状である。弾性シール部材162は、バルブディスク161の外周側に接着されている。弾性シール部材162は、バルブディスク161に焼き付けられてバルブディスク161と一体に設けられている。
弾性シール部材162は、シール部165と、当接部166と、閉弁部167と、を有している。
シール部165は、円環状であり、バルブディスク161の外周側に全周にわたって固着されている。シール部165は、区画部材133の軸方向において、バルブディスク161からケース部材131の底部150側に突出している。
当接部166は、円環状であり、区画部材133の軸方向において、バルブディスク161から底部150とは反対側に突出している。当接部166は、区画部材133の軸方向におけるバルブディスク161側の基端部170が、バルブディスク161の外周縁部に焼き付けにより固着されている。バルブディスク161の外周側でシール部165と当接部166の基端部170とは繋がって一体となっている。
当接部166は、その外周部が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。当接部166は、その突出側の先端部171の内周部が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど内径が大径となっている。よって、当接部166は、その先端部171が、区画部材133の中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。
当接部166には、先端部171に、この先端部171を区画部材133の径方向に貫通する切欠部172が形成されている。当接部166には、切欠部172が、区画部材133の周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、当接部166は、先端部171が、区画部材133の周方向に断続的に切り欠かれている。
閉弁部167は、円環状であり、区画部材133の軸方向において、バルブディスク161から底部150とは反対側に突出している。閉弁部167は、区画部材133の径方向において、当接部166の内周側に設けられている。閉弁部167は、区画部材133の軸方向におけるバルブディスク161側の基端部174が、区画部材133の径方向におけるバルブディスク161の当接部166よりも内側に焼き付けにより固着されている。閉弁部167は、この基端部174が当接部166の基端部170と繋がって一体となっている。
閉弁部167は、その内周部が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど内径が大径となっている。閉弁部167は、その突出側の先端部175の外周部が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。よって、閉弁部167は、その先端部175が、区画部材133の中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133の軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。よって、区画部材133は、当接部166の先端部171と閉弁部167の先端部175とで二つの山型の形状となっている。閉弁部167の先端部175は、区画部材133の中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。閉弁部167のバルブディスク161からの突出高さは、当接部166のバルブディスク161からの突出高さよりも低くなっている。
弾性シール部材162は、区画部材133の径方向における当接部166と閉弁部167との間が凹部176となっている。凹部176は、区画部材133の軸方向において、当接部166の先端部171および閉弁部167の先端部175からバルブディスク161側に凹んでいる。凹部176は、区画部材133の全周にわたって連続する円環状である。
区画部材133には、上記したように複数枚のディスク132との間に、径方向の隙間がある。そして、区画部材133は、そのシール部165において、ケース部材131の筒状部153に圧入される。この圧入により、区画部材133は、ケース部材131、複数枚のディスク132およびピストンロッド21に対して同軸状に配置されるように芯出しされる。その際に、区画部材133は、シール部165が全周にわたって筒状部153に径方向の締め代をもって当接する。言い換えれば、区画部材133は、そのシール部165が、ケース部材131の筒状部153に全周にわたって密着する。よって、シール部165が、ケース部材131の筒状部153に全周にわたって液密的に嵌合する。
シール部165は、筒状部153に対して、全周にわたって密着した状態のまま筒状部153の軸方向に摺動可能となっている。よって、弾性シール部材162は、そのシール部165が、区画部材133と筒状部153との隙間を常時シールする。シール部165はケース部材131のシート部154よりも径方向外側にある。区画部材133は、そのバルブディスク161がシート部154に着座する。
支持部材141を構成するディスク135は、バルブディスク161の内径すなわち区画部材133の内径よりも大径の外径となっている。支持部材141は、バルブディスク161の軸方向における底部150とは反対側に配置されてバルブディスク161の内周側の第1支持部178に全周にわたって圧接する。これによって、支持部材141と、バルブディスク161すなわち区画部材133との隙間が閉塞される。
区画部材133は、上記したように、シール部165が全周にわたって筒状部153に接触することによってバルブケース145に対し芯出しされる。
この状態で、区画部材133は、そのバルブディスク161の内周側の第1支持部178が、その軸方向における突出部151と支持部材141との間に配置される。そして、第1支持部178は、その軸方向における底部150とは反対側の一側面が、支持部材141に当接して支持部材141に支持される。言い換えれば、区画部材133は、径方向内側の一側面が支持部材141に支持される第1支持部178を有している。第1支持部178は、両面側からクランプされずに片面側のみ支持部材141に支持される。区画部材133は、そのバルブディスク161の内周側の第1支持部178が、突出部151と支持部材141との間にて、複数枚(具体的には3枚)のディスク132の全体の軸方向長の範囲で移動可能となっている。
区画部材133は、そのバルブディスク161の第1支持部178よりも径方向外側に配置される第2支持部179が、その軸方向における底部150側の一側面において、シート部154に当接してシート部154に支持されている。言い換えれば、区画部材133は、第1支持部178よりも径方向外側に配置され、一側面がシート部154に支持される第2支持部179を有している。第2支持部179は、両面側からクランプされずに片面側のみシート部154に支持される。
よって、区画部材133は、そのバルブディスク161の第1支持部178の一面側が支持部材141に支持され、バルブディスク161の第1支持部178よりも径方向外側の第2支持部179の他面側がシート部154に支持される単純支持構造となっている。言い換えれば、バルブディスク161は軸方向にクランプされてはいない。
区画部材133は、当接部166が、区画部材133の軸方向における底部150とは反対側に配置されている。当接部166は、先端部171が第2支持部179よりも区画部材133の径方向における外側に配置されている。当接部166は、先端部171において複数枚のディスク137からなる蓋部材143に当接している。当接部166は、バルブディスク161の径方向における第2支持部179側を、バルブディスク161の軸方向におけるシート部154側に付勢する。
区画部材133は、閉弁部167が、区画部材133の軸方向における底部150とは反対側に配置されている。閉弁部167は、先端部175が第2支持部179よりも区画部材133の径方向における若干内側に配置されている。閉弁部167は、先端部175が、複数枚のディスク136からなる弁座部材142と区画部材133の径方向における位置を重ね合わせている。区画部材133は、区画部材133の軸方向において、バルブディスク161が変形することで閉弁部167が弁座部材142に対して変位し、これによって、閉弁部167の先端部175が弁座部材142に対し離着座する。なお、区画部材133は、その軸方向に変形することで変位するものに限らず、その軸方向に移動することで変位するものであっても良い。
区画部材133は、全体として円環の板状であり、全体として弾性変形可能つまり撓み可能である。区画部材133のバルブディスク161は、第1支持部178が支持部材141と当接する状態を維持しつつ、第2支持部179がシート部154から離れるようにテーパ状に撓み可能である。このように撓む際に、バルブディスク161は、ケース部材131の軸方向において、第1支持部178よりも第2支持部179を底部150とは反対側へ移動させるように撓む。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166を弾性変形させる。そして、所定量撓むと、バルブディスク161は、閉弁部167の先端部175を弁座部材142に当接させる。
蓋部材143を構成する複数枚のディスク137は、ディスク136の外径よりも大径かつ筒状部153の内径よりも小径の外径となっている。蓋部材143は、内周側がディスク136および円環部材138に当接し、外周側が区画部材133の当接部166に当接する。蓋部材143は、区画部材133の軸方向における底部150とは反対方向への移動を抑制する。
ケース部材131のシート部154は、区画部材133のバルブディスク161の第2支持部179を軸方向一側から支持する。支持部材141は、バルブディスク161のシート部154よりも内周側の第1支持部178を軸方向他側から支持する。シート部154と支持部材141との間の軸方向の最短距離は、バルブディスク161の軸方向の厚さよりも若干小さくなっている。よって、バルブディスク161は、若干弾性変形した状態でシート部154と支持部材141との両方に自身の弾性力で圧接する。
区画部材133は、バルブケース145内に設けられてバルブケース145内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145の軸方向における底部150と区画部材133との間にある。言い換えれば、第1室181は、バルブケース145の軸方向における区画部材133よりも底部150側にある。第2室182は、バルブケース145の軸方向における、区画部材133と、弁座部材142および蓋部材143との間にある。言い換えれば、第2室182は、バルブケース145の軸方向における区画部材133よりも底部150とは反対側すなわちケース部材131の開口側にある。
第1室181および第2室182は、いずれも容量が可変であり、区画部材133の変形による変位で容量が変化する。第1室181は、ケース部材131の通路溝158内の通路を介してピストンロッド21の溝部30内の通路に常時連通している。第1室181は、通路溝158内の通路と、溝部30内の通路と、図2に示す切欠81内の通路と、第1通路43とを介して上室19に常時連通している。また、第1室181は、図3に示す通路溝158内の通路と、溝部30内の通路と、図2に示す通路溝79内の通路とを介して背圧室100に常時連通している。
図3に示すように、区画部材133の閉弁部167が弁座部材142から離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143とケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に連通している。
図4に示すように、区画部材133が変形することにより閉弁部167が弁座部材142に全周にわたって当接している状態では、第2室182は、閉弁部167よりも径方向内側の圧力室187と、閉弁部167よりも径方向外側の連通室188とに区画される。連通室188は、通路部185を介して下室20に連通する。圧力室187は、連通室188とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、図2に示す上室19からの油液Lが、第1通路43とディスク50の切欠81内の通路とピストンロッド21の溝部30内の通路と、図3に示すケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133のバルブディスク161が、第1支持部178において当接する支持部材141との接点を支点として第1支持部178よりも第2支持部179をケース部材131の軸方向において底部150から離すようにテーパ状に撓む。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166をケース部材131の軸方向に圧縮変形させる。
以上のようなバルブディスク161を含む区画部材133の変位によって、区画部材133は、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133のこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133の変位が所定量より小さい状態では、閉弁部167が弁座部材142から離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路部185を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133の変位が所定量以上の状態では、図4に示すように閉弁部167が弁座部材142に全周にわたって当接し、第2室182を圧力室187と連通室188とに区画する。よって、第2室182は、連通室188が通路部185を介して下室20に連通するものの、圧力室187は下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130は、区画部材133のバルブディスク161が、伸び行程でのピストン18の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130は、図4に示すように、閉弁部167が、第2通路191内の弁座部材142と、区画部材133との間に、閉塞された圧力室187を形成し、圧力室187内の油液Lの移動を制限する。
図2に示すように、第1通路43と、切欠81内の通路と、ピストンロッド21の溝部30内の通路と、通路溝158内の通路と、第1室181と、第2室182と、通路部185とが、第2通路191を構成している。第2通路191は、第1通路43と、切欠81内の通路と、溝部30内の通路と、通路溝158内の通路と、第1室181とが、上室19に常時連通している。第2通路191は、通路部185と、第2室182とが、下室20に連通している。第2通路191は、伸び行程において上流側となる上室19から下流側となる下室20に向けて油液Lが移動する通路である。第2通路191は、縮み行程において上流側となる下室20から下流側となる上室19に向けて油液Lが移動する通路である。周波数感応機構130は、区画部材133が、この第2通路191に設けられている。区画部材133は、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
第2通路191は、ピストン18の通路穴37内および通路溝38内の通路が、第1通路43と共通している。第2通路191は、切欠81内の通路と、溝部30内の通路と、通路溝158内の通路と、第1室181と、第2室182と、通路部185とが、上室19と下室20との間で、第1通路43のうちの減衰バルブ91とバルブシート部48との間の通路と並列に設けられている。第2通路191は、下室20と上室19との間で、第1通路44と並列に設けられている。よって、第2通路191は、第1通路43,44と並列に形成され、ピストン18の移動により上室19および下室20の両方の油液Lが流入可能に設けられている。なお、第2通路191は、上室19および下室20の一方のみの油液Lが流入可能に設けられていても良い。すなわち、第2通路191は、上室19および下室20の少なくとも一方の油液Lが流入可能に設けられていれば良い。
図4に示す圧力室187は、区画部材133の変位によって、閉弁部167と、第2通路191内の弁座部材142とが当接することで形成される。閉弁部167は、区画部材133に設けられ、区画部材133の変位後に第2通路191の弁座部材142と当接し、当接後も区画部材133が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。
区画部材133は、そのバルブディスク161の内周側の第1支持部178が、ケース部材131と支持部材141との間で軸方向の底部150側に変位可能である。区画部材133は、図3および図4に示すようにバルブディスク161の第1支持部178が全周にわたって支持部材141に接触する状態では、第1室181および第2室182間の油液Lの流通を遮断する。また、区画部材133は、バルブディスク161の第1支持部178が支持部材141から軸方向に離間する状態では、第2室182と第1室181との間の油液Lの流通を許容する。バルブディスク161の第1支持部178と、支持部材141とは、チェック弁193を構成している。チェック弁193は、第2通路191に設けられている。
チェック弁193は、第2通路191を介しての第1室181から第2室182への油液Lの流れを規制する一方で、第2通路191を介しての第2室182から第1室181への油液Lの流れを許容する。チェック弁193は、上室19の圧力が下室20の圧力より高くなる伸び行程においては、第2通路191を介する上室19と下室20との連通を遮断する。チェック弁193は、下室20の圧力が上室19の圧力より高くなる縮み行程においては、第2通路191を介して下室20と上室19とを連通する。このように、第2通路191は、チェック弁193が開くことで下室20と上室19とを連通する。
ピストンロッド21には、図2に示すように、取付軸部28をそれぞれの内側に挿通させた状態で、円環部材115、ディスク114、ディスク113、複数枚のディスク112、ディスク111、ピストン18、複数枚のディスク50、複数枚のディスク51、パイロットディスク52、ディスク53、パイロットケース55、ディスク56、複数枚のディスク57、ディスク58、ディスク59が、この順に、軸段部29に重ねられる。このとき、パイロットケース55は、パイロットディスク52のシール部材86を外側円筒状部73に嵌合させる。
この状態から、図3に示すように、取付軸部28を内側に挿通させた状態で、ケース部材131が、ディスク59に重ねられる。
この状態から、取付軸部28をそれぞれの内側に挿通させた状態で、複数枚のディスク132が、ディスク59に重ねられる。それと共に、取付軸部28および複数枚のディスク132を内側に挿通させるように、区画部材133がバルブディスク161においてケース部材131のシート部154に重ねられる。このとき、区画部材133の弾性シール部材162は、ケース部材131の筒状部153に嵌合される。
さらに、取付軸部28をそれぞれの内側に挿通させた状態で、複数枚のディスク135、複数枚のディスク136、複数枚のディスク137および円環部材138が、この順に、ディスク132と区画部材133のバルブディスク161とに重ねられる。
図2に示すように、上記のように円環部材115から円環部材138までの部品がピストンロッド21に配置された状態で、円環部材138よりも突出する取付軸部28のネジ部31にナット195が螺合される。よって、円環部材115から円環部材138までの部品は、それぞれの内周側または全部が、ピストンロッド21の軸段部29とナット195とに挟持されて軸方向にクランプされる。その際に、区画部材133は、内周側も含めて軸方向にクランプされることはない。この状態で、区画部材133は、図3に示すように、バルブディスク161の第1支持部178が支持部材141に当接し、第2支持部179がケース部材131のシート部154に当接すると共に、弾性シール部材162の当接部166が蓋部材143に当接する。
図1に示すように、外筒4の底部12と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、ベース区画部材221とディスクバルブ222とディスクバルブ223と取付ピン224とを有している。ベースバルブ25は、ベース区画部材221が底部12に載置されており、ベース区画部材221が内筒3に嵌合している。ベース区画部材221は、下室20とリザーバ室6とを仕切っている。ディスクバルブ222は、ベース区画部材221の下側つまりリザーバ室6側に設けられている。ディスクバルブ223は、ベース区画部材221の上側つまり下室20側に設けられている。取付ピン224は、ベース区画部材221にディスクバルブ222およびディスクバルブ223を取り付けている。
ベース区画部材221は、円環状をなしており、径方向の中央に取付ピン224が挿通される。ベース区画部材221には、複数の通路穴225と複数の通路穴226とが形成されている。複数の通路穴225は、下室20とリザーバ室6との間で油液Lを流通させる。複数の通路穴226は、ベース区画部材221の径方向における複数の通路穴225の外側に配置されている。複数の通路穴226は、下室20とリザーバ室6との間で油液Lを流通させる。リザーバ室6側のディスクバルブ222は、下室20から通路穴225を介するリザーバ室6への油液Lの流れを許容する。その一方で、ディスクバルブ222はリザーバ室6から下室20への通路穴225を介する油液Lの流れを抑制する。ディスクバルブ223は、リザーバ室6から通路穴226を介する下室20への油液Lの流れを許容する。その一方で、ディスクバルブ223は、下室20からリザーバ室6への通路穴226を介する油液Lの流れを抑制する。
ディスクバルブ222は、ベース区画部材221とによって減衰バルブ機構227を構成している。減衰バルブ機構227は、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液Lを流すとともに減衰力を発生させる。ディスクバルブ223は、ベース区画部材221とによってサクションバルブ機構228を構成している。サクションバルブ機構228は、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液Lを流す。なお、サクションバルブ機構228は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生させることなく油液Lを流す機能を果たす。
次に緩衝器1の主な作動について説明する。
「伸び行程において、周波数感応機構130が作用せず、伸び側の減衰力機構41および減衰力機構110のみが作用すると仮定した場合」
この場合に、ピストン18の移動速度(以下、ピストン速度と称す)が第1所定値よりも遅い時、上室19からの油液Lは、図2に示す第1通路43および減衰力機構41の固定オリフィス92を介して下室20に流れる。よって、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第1所定値よりも遅い時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が比較的高くなる。
ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満になると、上室19からの油液Lは、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝79内の通路、背圧室100を通り、減衰力機構110のディスクバルブ99を開きながら、ディスクバルブ99とバルブシート部75との間を通って、下室20に流れる。よって、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満の時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が、ピストン速度が第1所定値未満の時よりも下がることになる。
ピストン速度が第2所定値以上に速くなると、減衰力機構41の減衰バルブ91に作用する力(油圧)の関係は、第1通路43から加わる開方向の力が背圧室100から加わる閉方向の力よりも大きくなる。よって、この領域では、ピストン速度の増加に伴い減衰バルブ91がピストン18のバルブシート部48から離れて開くことになる。よって、上室19からの油液Lは、上記したディスクバルブ99を開きながらのディスクバルブ99とバルブシート部75との間を通る下室20への流れに加えて、減衰バルブ91を開きながら、第1通路43から減衰バルブ91とバルブシート部48との間を通って下室20へ流れる。このため、ピストン速度が第2所定値以上の時のピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率は、ピストン速度が第1所定値以上かつ第2所定値未満の時よりも下がる。
「縮み行程において、周波数感応機構130が作用せず、縮み側の減衰力機構42のみが作用すると仮定した場合」
この場合に、ピストン速度が第3所定値よりも遅い時、下室20からの油液Lは、第1通路44と減衰力機構42の固定オリフィス123とを介して上室19に流れる。よって、オリフィス特性の減衰力が発生することになる。このため、ピストン速度が第3所定値よりも遅い時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が比較的高くなる。
ピストン速度が第3所定値以上に速くなると、下室20から第1通路44に導入される油液Lが減衰力機構42のディスクバルブ122を開きながらディスクバルブ122とバルブシート部49との間を通って上室19に流れることになる。よって、バルブ特性の減衰力が発生する。このため、ピストン速度が第3所定値以上の時のピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対する減衰力の上昇率が、ピストン速度が第3所定値未満の時よりも下がることになる。
「伸び行程において、周波数感応機構130が作用する場合」
第1実施形態では、周波数感応機構130が、ピストン速度が同じ場合でも、ピストン周波数に応じて、減衰力を可変とする。周波数感応機構130は、ピストン速度が同じ場合でも、ピストン周波数に応じて減衰力機構41,110に流れる油液の流量を可変とする流量可変機構である。
伸び行程では、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および図3に示す通路溝158内の通路を介して周波数感応機構130の第1室181に油液Lが導入される。よって、シート部154と支持部材141とに当接していた区画部材133のバルブディスク161が、圧力負荷によって、支持部材141との接点を支点として外周側がシート部154から離れる方向にテーパ状に変形する。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166の主に先端部171を圧縮変形させる。
ここで、ピストン周波数が高いときの伸び行程では、ピストン18のストロークが小さい。このため、図2に示す上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および通路溝158内の通路を介して第1室181に導入される油液Lの量が少ない。よって、区画部材133は、圧力負荷によって上記のように変形するものの変形量は小さい。よって、ピストン周波数が高いときの伸び行程では、伸び行程の都度、周波数感応機構130の区画部材133が上記のように変形することにより、第1室181に上室19から油液Lを導入することになる。すると、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝158内の通路および背圧室100を通り、減衰力機構110を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量が減ることになる。また、これに加えて、第1通路43から減衰力機構41を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量も減ることになる。加えて、第1室181に上室19から油液Lを導入することによって、第1室181がない場合と比べて背圧室100の圧力上昇が抑えられ、減衰力機構41の減衰バルブ91が開弁しやすくなる。これらによって伸び側の減衰力がソフトになる。
ピストン周波数が高いときの伸び行程では、上記したように区画部材133の変形量は小さい。これは、言い換えれば、ピストン周波数が高いときの伸び行程では、区画部材133に対する第1室181と第2室182との圧力差が小さい。すなわち、区画部材133の蓋部材143側への変位が、変位量が所定値以下である第1変位となり、図3に示す閉弁部167が、弁座部材142との間の流路を閉じないか、閉じても、区画部材133に対する第1室181と第2室182との圧力差が過大となることはない。閉弁部167が、弁座部材142との間の流路を閉じていない状態では、区画部材133は、周波数感応機構130の第2室182の全体の油液Lを、通路部185を介して下室20に排出させることで容易に変位する。
他方で、ピストン周波数が低いときの伸び行程では、ピストン18のストロークが大きい。このため、図2に示す上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路および通路溝158内の通路を介して第1室181に導入される油液Lの量が多い。よって、ピストン18のストロークの初期に、上室19から第1室181に油液Lが流れるものの、その後は、区画部材133は限界近くまで変形して、それ以上変形しなくなる。その結果、上室19から第1室181に油液Lが流れなくなる。よって、上室19から、第1通路43、切欠81内の通路、溝部30内の通路、通路溝158内の通路および背圧室100を通り、減衰力機構110を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量が減らないことになる。また、これに加えて、第1通路43から減衰力機構41を開きながら、下室20に流れる油液Lの流量も減らないことになる。加えて、第1室181に上室19から油液Lが導入されないことによって、背圧室100の圧力が上昇し、減衰力機構41の減衰バルブ91が開弁しにくくなる。これらによって伸び側の減衰力が高周波のときよりもハードになる。
ここで、ピストン周波数が低いときの伸び行程の初期であって、区画部材133の蓋部材143側への変位が、変位量が所定値以下である第1変位であるときには、図3に示す閉弁部167が、弁座部材142に当接しないか、弁座部材142に当接しても弁座部材142との間の流路を閉じない。したがって、区画部材133は、周波数感応機構130の第2室182の全体の油液Lを、通路部185を介して下室20に排出させることで容易に変位する。
他方、ピストン周波数が低いときの伸び行程の上記初期より後では、第1室181と第2室182との圧力差が大きくなって、区画部材133の圧力負荷が大きくなり、区画部材133の蓋部材143側への変位が、変位量が所定値を超える第2変位となる。すると、図4に示すように、閉弁部167が、弁座部材142に全周にわたって当接して弁座部材142との間の流路を閉じる。この状態では、第2室182の閉弁部167よりも径方向内側が密閉された圧力室187となり、圧力室187内の油液Lを連通室188に排出させることがない。このように閉じられた圧力室187が形成された状態では、第1室181の圧力上昇に伴って圧力室187の圧力も上昇することになる。よって、区画部材133は、閉弁部167よりも径方向内側部分の第1室181側と第2室182側との圧力差が拡大することが抑制される。よって、区画部材133は、特にバルブディスク161の支持部材141に当接する第1支持部178側の変形が大きくなって第1支持部178側の応力が上昇してしまうことが抑制される。
縮み行程では、下室20の圧力が高くなるが、周波数感応機構130の区画部材133のバルブディスク161が、第2支持部179においてケース部材131のシート部154に当接して第2室182の拡大を抑制する。このため、下室20から通路部185を介して第2室182に導入される油液Lの量は抑制されることになる。その結果、下室20から図2に示す第1通路44に導入され減衰力機構42を通過して上室19に流れる油液Lの流量が減らない状態となる。縮み行程において、ピストン速度が速くなって第2室182の圧力が第1室181の圧力よりも所定値以上高くなると、区画部材133は、バルブディスク161の第1支持部178が支持部材141から離れる。言い換えれば、チェック弁193が開く。よって、下室20から、通路部185、第2室182、チェック弁193、第1室181、通路溝158内の通路、溝部30内の通路、切欠81内の通路および第1通路43を介して上室19に油液Lが流れる。このように、チェック弁193が開くことで、区画部材133は、第2室182側と第1室181側との差圧が抑制される。よって、区画部材133が過度に撓むことが抑制される。
上記した特許文献1には、振動状態に応じて減衰力特性が可変となる緩衝器が開示されている。ところで、振動状態に応じて減衰力特性が可変となる緩衝器においては、通路を区画しつつ変位する区画部材を用いることがあるが、この区画部材の耐久性を向上させることが望まれている。
第1実施形態の緩衝器1は、減衰力を発生させる第1減衰力機構41が設けられた第1通路43に対して並列に、ピストン18の移動により上室19および下室20の少なくとも一方の油液Lが流入可能に設けられた第2通路191が設けられている。緩衝器1は、この第2通路191に減衰力を可変させる周波数感応機構130が設けられている。そして、周波数感応機構130は、第2通路191を区画すると共に、ピストン18の移動により流入した油液Lによって変位し、第2通路191内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内に排出する区画部材133を有している。また、周波数感応機構130は、第2通路191内の弁座部材142と、区画部材133との間に閉塞された圧力室187を形成し、圧力室187内の油液Lの移動を制限する閉弁部167を有している。言い換えれば、緩衝器1は、閉弁部167が第2通路191内と区画部材133との間に閉塞された圧力室187を形成する。
よって、緩衝器1は、第2通路191における区画部材133の圧力室187とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して圧力室187内の圧力が高くなって、区画部材133の変位を抑制する。このように、緩衝器1は、区画部材133の変位を抑制することができるため、区画部材133の耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1は、区画部材133の変位を油液Lの圧力によって抑制するため、金属部品を用いて抑制する場合に生じ易い異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1は、区画部材133の変位を抑制する際に、油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1は、圧力室187が、区画部材133の変位によって、第2通路191内の弁座部材142と閉弁部167とが当接することで形成される。緩衝器1は、このように区画部材133の変位によって圧力室187を形成することができる。よって、緩衝器1は、区画部材133の変位によって、圧力室187を形成せずに区画部材133を容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室187を形成して区画部材133の変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1は、閉弁部167が、区画部材133に設けられ、区画部材133の変位後に第2通路191の弁座部材142と当接し、当接後も区画部材133が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。緩衝器1は、閉弁部167が、区画部材133に設けられているため、区画部材133の変位によって圧力室187を形成することが容易にできる。
また、緩衝器1は、閉弁部167が、弁座部材142と当接後も区画部材133が変位可能となるように変形するため、区画部材133の変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。よって、緩衝器1は、異音の発生をさらに抑制できると共に、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下をさらに抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図5に示すように、第2実施形態の緩衝器1Aは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130A(第2減衰力機構)を周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Aは、区画部材133とは一部異なる区画部材133Aを区画部材133にかえて有している。区画部材133Aは、弾性シール部材162とは一部異なる弾性シール部材162Aを弾性シール部材162にかえて有している。弾性シール部材162Aは、当接部166とは一部異なる当接部166Aを当接部166にかえて有している。弾性シール部材162Aは、閉弁部167とは一部異なる閉弁部167Aを閉弁部167にかえて有している。
当接部166Aは、円環状であり、区画部材133Aの軸方向におけるバルブディスク161側の基端部170Aが、バルブディスク161の外周側に焼き付けにより固着されている。
当接部166Aは、その内周部が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど内径が大径となっている。当接部166Aは、その突出側の先端部171Aの外周部が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。よって、当接部166Aは、その先端部171Aが、区画部材133Aの中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。
当接部166Aには、先端部171Aに、この先端部171Aを区画部材133Aの径方向に貫通する切欠部172Aが形成されている。当接部166Aには、切欠部172Aが、区画部材133Aの周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、当接部166Aは、先端部171Aが、区画部材133Aの周方向に断続的に切り欠かれている。
閉弁部167Aは、円環状であり、区画部材133Aの径方向において、当接部166Aの外側に設けられている。閉弁部167Aは、区画部材133Aの軸方向におけるバルブディスク161側の基端部174Aが、バルブディスク161の径方向における外周縁部に焼き付けにより固着されている。バルブディスク161の外周側でシール部165と閉弁部167Aの基端部174Aとが繋がって一体となっている。閉弁部167Aは、この基端部174Aが当接部166Aの基端部170Aと繋がって一体となっている。
閉弁部167Aは、その外周部が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。閉弁部167Aは、その突出側の先端部175Aの内周部が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。よって、閉弁部167Aは、その先端部175Aが、区画部材133Aの中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133Aの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。よって、区画部材133Aは、当接部166Aの先端部171Aと閉弁部167Aの先端部175Aとで二つの山型の形状となっている。閉弁部167Aの先端部175Aは、区画部材133Aの中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。閉弁部167Aのバルブディスク161からの突出高さは、当接部166Aのバルブディスク161からの突出高さよりも低くなっている。
弾性シール部材162Aは、区画部材133Aの径方向における当接部166Aと閉弁部167Aとの間が凹部176Aとなっている。凹部176Aは、区画部材133Aの軸方向において、当接部166Aの先端部171Aおよび閉弁部167Aの先端部175Aからバルブディスク161側に凹んでいる。凹部176Aは、区画部材133Aの全周にわたって連続する円環状である。
周波数感応機構130Aは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Aをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Aは、支持部材141とは一部異なる支持部材141Aを支持部材141にかえて有している。支持部材141Aは、支持部材141に対してディスク135の枚数が異なっている。支持部材141Aは、同外径かつ同内径の複数枚(具体的には7枚)のディスク135で構成されている。バルブケース145Aには、弁座部材142を構成する複数枚のディスク136が設けられていない。これらディスク136のかわりに、支持部材141Aを構成するディスク135の枚数が支持部材141に対して増やされている。支持部材141Aは、支持部材141よりも軸方向の厚さが厚くなっている。
バルブケース145Aは、蓋部材143の軸方向における支持部材141A側の外周縁部に弁座部材142Aが設けられている。弁座部材142Aは、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定の有孔の円板状である。弁座部材142Aは、蓋部材143を構成するディスク137のうち、軸方向における支持部材141A側の端部にあるディスク137の外周縁部に、このディスク137と同軸状に配置されて接着等で固定されている。
区画部材133Aは、当接部166Aおよび閉弁部167Aが、区画部材133Aの軸方向における底部150とは反対側に配置されている。当接部166Aは、先端部171Aにおいて複数枚のディスク137からなる蓋部材143に当接している。当接部166Aは、バルブディスク161の径方向における第2支持部179側を、バルブディスク161の軸方向におけるシート部154側に付勢する。
区画部材133Aは、閉弁部167Aが、区画部材133Aの軸方向における底部150とは反対側に配置されている。閉弁部167Aは、先端部175Aが、弁座部材142Aと区画部材133Aの径方向における位置を重ね合わせている。区画部材133Aは、区画部材133Aの軸方向において、バルブディスク161が変形することで閉弁部167Aが弁座部材142Aに対して変位し、これによって、閉弁部167Aの先端部175Aが弁座部材142Aに対し離着座する。なお、区画部材133Aは、変形することで軸方向に変位するものに限らず、移動することで軸方向に変位するものであっても良い。
区画部材133Aのバルブディスク161は、第1支持部178が支持部材141と当接する状態を維持しつつ、第2支持部179がシート部154から離れるようにテーパ状に撓み可能である。このように撓む際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166Aを弾性変形させる。そして、所定量撓むと、バルブディスク161は、閉弁部167Aの先端部175Aを弁座部材142Aに当接させる。
区画部材133Aは、バルブケース145A内に設けられてバルブケース145A内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145Aの軸方向における底部150と区画部材133Aとの間にある。第2室182は、バルブケース145Aの軸方向における区画部材133Aと蓋部材143との間にある。
図5に示すように、区画部材133Aの閉弁部167Aが弁座部材142Aから離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143とケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に連通している。
区画部材133Aがテーパ状に変形することにより、その閉弁部167Aが弁座部材142Aに全周にわたって当接している状態では、第2室182は、閉弁部167Aよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Aよりも径方向外側の連通室とに区画される。この連通室は、通路部185を介して下室20に連通する。この圧力室は、連通室とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、上室19(図2参照)からの油液Lが、第1通路43(図2参照)とディスク50(図2参照)の切欠81(図2参照)内の通路と、図5に示すピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133Aのバルブディスク161が、第1支持部178において当接する支持部材141との接点を支点として第1支持部178よりも第2支持部179をケース部材131の軸方向において底部150から離すようにテーパ状に撓む。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166Aをケース部材131の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような変位によって、区画部材133Aは、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Aのこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Aの変位が所定量より小さい状態では、閉弁部167Aが弁座部材142Aから離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路部185を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Aの変位が所定量以上の状態では、閉弁部167Aが弁座部材142Aに全周にわたって当接し、第2室182を、閉弁部167Aよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Aよりも径方向外側の連通室とに区画する。第2室182は、この連通室が通路部185を介して下室20に連通するものの、この圧力室は下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130Aは、区画部材133Aが、伸び行程でのピストン18(図2参照)の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2通路191を構成する第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2(図2参照)内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Aは、閉弁部167Aが、第2通路191内の蓋部材143および弁座部材142Aと、区画部材133Aとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Aの変位によって、閉弁部167Aと、第2通路191内の弁座部材142Aとが当接することで形成される。閉弁部167Aは、区画部材133Aに設けられ、区画部材133Aの変位後に第2通路191の弁座部材142Aと当接し、当接後も区画部材133Aが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Aは、区画部材133Aが第2通路191に設けられている。区画部材133Aは、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
緩衝器1Aは、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
第2実施形態の緩衝器1Aは、第2通路191に設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Aが、第2通路191内の蓋部材143および弁座部材142Aと、区画部材133Aとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Aを有している。緩衝器1Aは、閉弁部167Aが第2通路191内と区画部材133Aとの間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191における区画部材133Aの圧力室とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Aの変位を抑制する。このように、緩衝器1Aは、区画部材133Aの変位を抑制することができるため、区画部材133Aの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Aは、区画部材133Aの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Aは、区画部材133Aの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Aは、圧力室が、区画部材133Aの変位によって、第2通路191内の弁座部材142Aと閉弁部167Aとが当接することで形成される。緩衝器1Aは、このように区画部材133Aの変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Aは、区画部材133Aの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Aを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Aの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Aは、閉弁部167Aが、区画部材133Aに設けられ、区画部材133Aの変位後に第2通路191の弁座部材142Aと当接し、当接後も区画部材133Aが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Aは、区画部材133Aの変位によって圧力室を形成することが容易にでき、また、区画部材133Aの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図6に示すように、第3実施形態の緩衝器1Bは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130B(第2減衰力機構)を周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Bは、区画部材133とは一部異なる区画部材133Bを区画部材133にかえて有している。区画部材133Bは、弾性シール部材162とは一部異なる弾性シール部材162Bを弾性シール部材162にかえて有している。弾性シール部材162Bは、当接部166とは一部異なる当接部166Bを当接部166にかえて有しており、閉弁部167は設けられていない。
当接部166Bは、基端部170とは一部異なる基端部170Bを基端部170にかえて有している。当接部166Bは、円環状であり、区画部材133Bの軸方向におけるバルブディスク161側の基端部170Bが、バルブディスク161の外周側に焼き付けにより固着されている。
当接部166Bは、その内周部が、区画部材133Bの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど内径が大径となっている。当接部166Bは、その外周部が、区画部材133Bの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。よって、当接部166Bは、区画部材133Bの中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133Bの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。
周波数感応機構130Bは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Bをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Bは、弁座部材142とは一部異なる弁座部材142Bを弁座部材142にかえて有している。弁座部材142Bは複数枚(具体的には2枚)のディスク136に加えて、弾性のシール材料からなる閉弁部167Bを有している。閉弁部167Bは、ゴム製であり、円環状である。閉弁部167Bは、複数枚のディスク136のうち、軸方向における最も支持部材141側にあるディスク136の外周縁部に、このディスク136と同軸状に配置されて焼き付けにより接着されている。閉弁部167Bは、このディスク136から、このディスク136の軸方向における支持部材141側に突出している。
閉弁部167Bは、その内周部が、弁座部材142Bの軸方向においてディスク136から離れるほど内径が大径となっている。閉弁部167Bは、その外周部が、弁座部材142Bの軸方向においてディスク136から離れるほど外径が小径となっている。よって、閉弁部167Bは、弁座部材142Bの中心軸線を含む面での断面の形状が、弁座部材142Bの軸方向においてディスク136から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。閉弁部167Bは、弁座部材142Bの中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
区画部材133Bは、当接部166Bが、区画部材133Bの軸方向における底部150とは反対側に配置されている。当接部166Bは、先端部171において複数枚のディスク137からなる蓋部材143に当接している。当接部166Bは、バルブディスク161の径方向における第2支持部179側を、バルブディスク161の軸方向におけるシート部154側に付勢する。
弁座部材142Bの閉弁部167Bは、弁座部材142Bの径方向において、当接部166Bと支持部材141との間にある。
区画部材133Bは、区画部材133Bの軸方向において、バルブディスク161が変形することで弁座部材142Bに対して変位し、これによってバルブディスク161が、閉弁部167Bに対し離着座する。なお、区画部材133Bは、変形することで軸方向に変位するものに限らず、移動することで軸方向に変位するものであっても良い。
区画部材133Bのバルブディスク161は、第1支持部178が支持部材141と当接する状態を維持しつつ、第2支持部179がシート部154から離れるようにテーパ状に撓み可能である。このように撓む際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166Bを弾性変形させる。そして、所定量撓むと、バルブディスク161は、弁座部材142Bの閉弁部167Bに当接する。
区画部材133Bは、バルブケース145B内に設けられてバルブケース145B内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145Bの軸方向における底部150と区画部材133Bとの間にある。第2室182は、バルブケース145Bの軸方向における、区画部材133Bと、弁座部材142Bおよび蓋部材143との間にある。
図6に示すように、区画部材133Bのバルブディスク161が弁座部材142Bの閉弁部167Bから離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143とケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に連通している。
区画部材133Bがテーパ状に変形することにより、そのバルブディスク161が弁座部材142Bの閉弁部167Bに全周にわたって当接している状態では、第2室182は、閉弁部167Bよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Bよりも径方向外側の連通室とに区画される。この連通室は、通路部185を介して下室20に連通する。この圧力室は、連通室とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、上室19(図2参照)からの油液Lが、第1通路43(図2参照)とディスク50(図2参照)の切欠81(図2参照)内の通路と、図6に示すピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133Bのバルブディスク161が、第1支持部178において当接する支持部材141との接点を支点として第1支持部178よりも第2支持部179をケース部材131の軸方向において底部150から離すようにテーパ状に撓む。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143に当接する当接部166Bをケース部材131の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような区画部材133Bの変位によって、区画部材133Bは、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Bのこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Bの変位が所定量より小さい状態では、区画部材133Bは、バルブディスク161が弁座部材142Bの閉弁部167Bから離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路部185を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Bの変位が所定量以上の状態では、区画部材133Bは、バルブディスク161が弁座部材142Bの閉弁部167Bに全周にわたって当接し、第2室182を、閉弁部167Bよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Bよりも径方向外側の連通室とに区画する。第2室182は、この連通室が通路部185を介して下室20に連通するものの、この圧力室は下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130Bは、区画部材133Bが、伸び行程でのピストン18(図2参照)の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2通路191を構成する第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2(図2参照)内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Bは、閉弁部167Bが、第2通路191内の弁座部材142Bと、区画部材133Bとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Bの変位によって、区画部材133Bと、第2通路191内の弁座部材142Bの閉弁部167Bとが当接することで形成される。閉弁部167Bは、第2通路191内の弁座部材142Bに設けられ、区画部材133Bの変位後に区画部材133Bと当接し、当接後も区画部材133Bが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Bは、区画部材133Bが、第2通路191に設けられている。区画部材133Bは、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
緩衝器1Bは、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
第3実施形態の緩衝器1Bは、第2通路191に設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Bが、第2通路191内の弁座部材142Bと、区画部材133Bとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Bを有している。緩衝器1Bは、閉弁部167Bが第2通路191内と区画部材133Bとの間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191における区画部材133Bの圧力室とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Bの変位を抑制する。このように、緩衝器1Bは、区画部材133Bの変位を抑制することができるため、区画部材133Bの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Bは、区画部材133Bの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Bは、区画部材133Bの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Bは、圧力室が、区画部材133Bの変位によって、区画部材133Bと、第2通路191内の閉弁部167Bとが当接することで形成される。緩衝器1Bは、このように区画部材133Bの変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Bは、区画部材133Bの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Bを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Bの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Bは、閉弁部167Bが、第2通路191の一部である弁座部材142Bに設けられ、区画部材133Bの変位後に区画部材133Bと当接し、当接後も区画部材133Bが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Bは、区画部材133Bの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を主に図7に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図7に示すように、第4実施形態の緩衝器1Cは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130C(第2減衰力機構)を周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Cは、区画部材133とは一部異なる区画部材133Cを区画部材133にかえて有している。区画部材133Cは、弾性シール部材162とは一部異なる弾性シール部材162Cを弾性シール部材162にかえて有している。弾性シール部材162Cは、当接部166および167が設けられていない。
周波数感応機構130Cは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Cをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Cは、支持部材141とは一部異なる支持部材141Cを支持部材141にかえて有している。支持部材141Cは、支持部材141に対してディスク135の枚数が異なっている。支持部材141Cは、同外径かつ同内径の複数枚(具体的には7枚)のディスク135で構成されている。バルブケース145Cは、弁座部材142を構成する複数枚のディスク136が設けられていない。これらディスク136のかわりに、支持部材141Cを構成するディスク135の枚数が支持部材141に対して増やされている。支持部材141Cは、支持部材141よりも軸方向の厚さが厚くなっている。
バルブケース145Cは、蓋部材143とは一部異なる蓋部材143Cを蓋部材143にかえて有している。蓋部材143Cは複数枚(具体的には2枚)のディスク137に加えて、いずれも弾性のシール材料からなる当接部166Cと閉弁部167Cとを有している。当接部166Cおよび閉弁部167Cは、いずれもゴム製であり、いずれも円環状である。当接部166Cおよび閉弁部167Cは、いずれも、複数枚のディスク137のうち、軸方向における支持部材141C側の端部にあるディスク137の外周側に、このディスク137と同軸状に配置されて焼き付けにより接着されている。当接部166Cおよび閉弁部167Cは、いずれも、このディスク137から、このディスク137の軸方向における支持部材141C側に突出している。
当接部166Cは、円環状であり、蓋部材143Cの軸方向において、ディスク137から底部150側に突出している。当接部166Cは、蓋部材143Cの軸方向におけるディスク137側の基端部170Cが、ディスク137の外周縁部に固着されている。
当接部166Cは、その外周部が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど外径が小径となっている。当接部166Cは、その突出側の先端部171Cの内周部が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど内径が大径となっている。よって、当接部166Cは、その先端部171Cが、蓋部材143Cの中心軸線を含む面での断面の形状が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。
当接部166Cには、先端部171Cに、この先端部171Cを蓋部材143Cの径方向に貫通する切欠部172Cが形成されている。当接部166Cには、切欠部172Cが、蓋部材143Cの周方向に間隔をあけて複数形成されている。よって、当接部166Cは、先端部171Cが、蓋部材143Cの周方向に断続的に切り欠かれている。
閉弁部167Cは、円環状であり、蓋部材143Cの軸方向において、ディスク137から底部150側に突出している。閉弁部167Cは、蓋部材143Cの径方向において、当接部166Cの内周側に設けられている。閉弁部167Cは、蓋部材143Cの軸方向におけるディスク137側の基端部174Cが、ディスク137の当接部166Cよりも内周側に焼き付けにより固着されている。閉弁部167Cは、この基端部174Cが当接部166Cの基端部170Cと繋がって一体となっている。
閉弁部167Cは、その内周部が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど内径が大径となっている。閉弁部167Cは、その突出側の先端部175Cの外周部が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど外径が小径となっている。よって、閉弁部167Cは、その先端部175Cが、蓋部材143Cの中心軸線を含む面での断面の形状が、蓋部材143Cの軸方向においてディスク137から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。よって、蓋部材143Cは、当接部166Cの先端部171Cと閉弁部167Cの先端部175Cとで二つの山型の形状となっている。閉弁部167Cの先端部175Cは、蓋部材143Cの中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。閉弁部167Cのディスク137からの突出高さは、当接部166Cのディスク137からの突出高さよりも低くなっている。
蓋部材143Cは、蓋部材143Cの径方向における閉弁部167Cと当接部166Cとの間が凹部176Cとなっている。凹部176Cは、蓋部材143Cの軸方向において、当接部166Cの先端部171Cおよび閉弁部167Cの先端部175Cからディスク137側に凹んでいる。凹部176Cは、蓋部材143Cの全周にわたって連続する円環状である。
蓋部材143Cは、当接部166Cおよび閉弁部167Cが、蓋部材143Cの軸方向における底部150側に配置されている。当接部166Cは、先端部171Cにおいて区画部材133Cのバルブディスク161に当接している。当接部166Cは、バルブディスク161の径方向における第2支持部179側を、バルブディスク161の軸方向におけるシート部154側に付勢する。
蓋部材143Cの閉弁部167Cは、蓋部材143Cの軸方向において、支持部材141C側にある。蓋部材143Cの閉弁部167Cは、蓋部材143Cの径方向において、当接部166Cと支持部材141Cとの間にある。
区画部材133Cは、区画部材133Cの軸方向において、バルブディスク161が変形することでバルブディスク161が蓋部材143Cに対して変位し、これによってバルブディスク161が、閉弁部167Cに対し離着座する。なお、区画部材133Cは、変形することで軸方向に変位するものに限らず、移動することで軸方向に変位するものであっても良い。
区画部材133Cのバルブディスク161は、第1支持部178が支持部材141Cと当接する状態を維持しつつ、第2支持部179がシート部154から離れるようにテーパ状に撓み可能である。このように撓む際に、バルブディスク161は、バルブディスク161に当接する蓋部材143Cの当接部166Cを弾性変形させる。そして、所定量撓むと、バルブディスク161は、蓋部材143Cの閉弁部167Cに当接する。
区画部材133Cは、バルブケース145C内に設けられてバルブケース145C内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145Cの軸方向における底部150と区画部材133Cとの間にある。第2室182は、バルブケース145Cの軸方向における区画部材133Cと蓋部材143Cとの間にある。
図7に示すように、区画部材133Cのバルブディスク161が蓋部材143Cの閉弁部167Cから離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143Cとケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に連通している。
区画部材133Cがテーパ状に変形することにより、そのバルブディスク161が蓋部材143Cの閉弁部167Cに全周にわたって当接している状態では、第2室182は、閉弁部167Cよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Cよりも径方向外側の連通室とに区画される。この連通室は、通路部185を介して下室20に連通する。この圧力室は、連通室とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、上室19(図2参照)からの油液Lが、第1通路43(図2参照)とディスク50(図2参照)の切欠81(図2参照)内の通路と、図7に示すピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133Cのバルブディスク161が、第1支持部178において当接する支持部材141Cとの接点を支点として第1支持部178よりも第2支持部179をケース部材131の軸方向において底部150から離すようにテーパ状に撓む。その際に、バルブディスク161は、バルブディスク161に当接する蓋部材143Cの当接部166Cをケース部材131の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような変位によって、区画部材133Cは、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Cのこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Cの変位が所定量より小さい状態では、バルブディスク161が蓋部材143Cの閉弁部167Cから離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路部185を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Cの変位が所定量以上の状態では、バルブディスク161が蓋部材143Cの閉弁部167Cに全周にわたって当接し、第2室182を、閉弁部167Cよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Cよりも径方向外側の連通室とに区画する。第2室182は、この連通室が通路部185を介して下室20に連通するものの、この圧力室は下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130Cは、区画部材133Cが、伸び行程でのピストン18(図2参照)の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2通路191を構成する第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2(図2参照)内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Cは、閉弁部167Cが、第2通路191内の蓋部材143Cと、区画部材133Cとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Cの変位によって、区画部材133Cと、第2通路191内の蓋部材143Cの閉弁部167Cとが当接することで形成される。閉弁部167Cは、第2通路191内に設けられ、区画部材133Cの変位後に区画部材133Cと当接し、当接後も区画部材133Cが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Cは、区画部材133Cが、第2通路191に設けられている。区画部材133Cは、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
緩衝器1Cは、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
第4実施形態の緩衝器1Cは、第2通路191に設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Cが、第2通路191内の蓋部材143Cと、区画部材133Cとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Cを有している。緩衝器1Cは、閉弁部167Cが第2通路191内と区画部材133Cとの間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191における区画部材133Cの圧力室とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Cの変位を抑制する。このように、緩衝器1Cは、区画部材133Cの変位を抑制することができるため、区画部材133Cの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Cは、区画部材133Cの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Cは、区画部材133Cの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Cは、圧力室が、区画部材133Cの変位によって、区画部材133Cと、第2通路191内の閉弁部167Cとが当接することで形成される。緩衝器1Cは、このように区画部材133Cの変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Cは、区画部材133Cの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Cを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Cの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Cは、閉弁部167Cが、第2通路191の一部である蓋部材143Cに設けられ、区画部材133Cの変位後に区画部材133Cと当接し、当接後も区画部材133Cが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Cは、区画部材133Cの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を主に図8に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図8に示すように、第5実施形態の緩衝器1Dは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130D(第2減衰力機構)を周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Dは、区画部材133とは一部異なる区画部材133Dを区画部材133にかえて有している。区画部材133Dは、弾性シール部材162とは一部異なる弾性シール部材162Dを弾性シール部材162にかえて有している。弾性シール部材162Dは、当接部166とは一部異なる当接部166Dを当接部166にかえて有している。弾性シール部材162Dは、閉弁部167とは一部異なる閉弁部167Dを閉弁部167にかえて有している。
当接部166Dは、基端部170とは一部異なる基端部170Dを基端部170にかえて有している。当接部166Dは、円環状であり、区画部材133Dの軸方向におけるバルブディスク161側の基端部170Dが、バルブディスク161の外周側に焼き付けにより固着されている。
当接部166Dは、その内周部が、区画部材133Dの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど内径が大径となっている。当接部166Dは、その外周部が、区画部材133Dの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど外径が小径となっている。よって、当接部166Dは、区画部材133Dの中心軸線を含む面での断面の形状が、区画部材133Dの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。
閉弁部167Dは、区画部材133Dの径方向において、当接部166Dから離間して設けられている。閉弁部167Dは、バルブディスク161に焼き付けにより固着されている。閉弁部167Dは、区画部材133Dの軸方向におけるバルブディスク161側の基端部174Dが、区画部材133Dの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど、外径が大径となり内径も大径となるように拡径している。閉弁部167Dは、区画部材133Dの軸方向におけるバルブディスク161とは反対側の先端部175Dが、区画部材133Dの軸方向においてバルブディスク161から離れるほど、外径が小径となり内径も小径となるように縮径している。閉弁部167Dは、区画部材133Dの中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
周波数感応機構130Dは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Dをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Dは、支持部材141とは一部異なる支持部材141Dを支持部材141にかえて有している。支持部材141Dは、同外径かつ同内径の複数枚(具体的には5枚)のディスク135で構成されている。バルブケース145Dは、弁座部材142を構成する複数枚のディスク136が設けられていない。これらディスク136のかわりに、支持部材141Dを構成するディスク135のうち、支持部材141Dの軸方向における最もディスク132とは反対側のディスク135の厚さが厚くされている。支持部材141Dは、支持部材141よりも軸方向の厚さが厚くなっている。
バルブケース145Dは、蓋部材143および円環部材138にかえて一枚の蓋部材143Dが設けられている。蓋部材143Dは、本体部231と突出部232とを有している。蓋部材143Dは、金属製であり、本体部231と突出部232とが焼結等により継ぎ目なく一体に成形されている。
本体部231は、有孔の円板状であって、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。本体部231は、軸方向の厚さが円環部材138の厚さと同等となっている。バルブケース145Dは、本体部231がピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。
突出部232は、外周部が、本体部231と同軸のテーパ状であって本体部231から軸方向に離れるほど小径となっている。突出部232は、内周部が、本体部231と同軸のテーパ状であって本体部231から軸方向に離れるほど大径となっている。突出部232は、蓋部材143Dの中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
区画部材133Dは、当接部166Dおよび閉弁部167Dが、区画部材133Dの軸方向における底部150とは反対側に配置されている。当接部166Dは、先端部171において蓋部材143Dの本体部231に当接している。当接部166Dは、バルブディスク161Dの径方向における第2支持部179側を、バルブディスク161の軸方向におけるシート部154側に付勢する。
蓋部材143Dの突出部232は、蓋部材143Dの軸方向において、支持部材141D側にある。蓋部材143Dの突出部232は、蓋部材143Dの径方向において、当接部166Dと閉弁部167Dとの間にある。閉弁部167Dの最大外径は、突出部232の最大内径と同等になっている。
区画部材133Dは、区画部材133Dの軸方向において、バルブディスク161が変形することで閉弁部167Dが蓋部材143Dに対して変位し、これによってバルブディスク161が、蓋部材143Dの突出部232に対し離着座する。なお、区画部材133Dは、変形することで軸方向に変位するものに限らず、移動することで軸方向に変位するものであっても良い。
区画部材133Dのバルブディスク161は、第1支持部178が支持部材141と当接する状態を維持しつつ、第2支持部179がシート部154から離れるようにテーパ状に撓み可能である。このように撓む際に、バルブディスク161は、蓋部材143Dの本体部231に当接する当接部166Dを弾性変形させる。そして、所定量撓むと、バルブディスク161は、閉弁部167Dが蓋部材143の突出部232の内周部に当接し嵌合する。
区画部材133Dは、バルブケース145D内に設けられてバルブケース145D内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145Dの軸方向における底部150と区画部材133Dとの間にある。第2室182は、バルブケース145Dの軸方向における区画部材133Dと蓋部材143Dとの間にある。
図8に示すように、区画部材133Dの閉弁部167Dが蓋部材143Dの突出部232から離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143Dの本体部231とケース部材131の筒状部153との間にある通路部185を介して下室20に連通している。
区画部材133Dの閉弁部167Dが、蓋部材143Dの突出部232に当接し嵌合している状態では、第2室182は、閉弁部167Dよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Dよりも径方向外側の連通室とに区画される。この連通室は、通路部185を介して下室20に連通する。この圧力室は、連通室とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、上室19(図2参照)からの油液Lが、第1通路43(図2参照)とディスク50(図2参照)の切欠81(図2参照)内の通路と、図8に示すピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131の通路溝158内の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133Dのバルブディスク161が、第1支持部178において当接する支持部材141との接点を支点として第1支持部178よりも第2支持部179をケース部材131の軸方向において底部150から離すようにテーパ状に撓む。その際に、バルブディスク161は、蓋部材143Dに当接する当接部166Dをケース部材131の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような変位によって、区画部材133Dは、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Dのこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路部185を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Dの変位が所定量より小さい状態では、閉弁部167Dが蓋部材143Dの突出部232から離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路部185を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Dの変位が所定量以上の状態では、閉弁部167Dが蓋部材143Dの突出部232に当接し嵌合して、第2室182を、閉弁部167Dよりも径方向内側の圧力室と、閉弁部167Dよりも径方向外側の連通室とに区画する。第2室182は、この連通室が通路部185を介して下室20に連通するものの、この圧力室は下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130Dは、区画部材133Dが、伸び行程でのピストン18(図2参照)の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2通路191を構成する第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2(図2参照)内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Dは、閉弁部167Dが、第2通路191内の蓋部材143Dと、区画部材133Dとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Dの変位によって、区画部材133Dの閉弁部167Dと、第2通路191内の蓋部材143Dの突出部232とが当接し嵌合することで形成される。閉弁部167Dは、区画部材133Dに設けられ、区画部材133Dの変位後に突出部232と当接し嵌合して、当接後も区画部材133Dが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Dは、区画部材133Dが、第2通路191に設けられている。区画部材133Dは、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
緩衝器1Dは、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
第5実施形態の緩衝器1Dは、第2通路191に設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Dが、第2通路191内の蓋部材143Dと、区画部材133Dとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Dを有している。緩衝器1Dは、閉弁部167Dが第2通路191内と区画部材133Dとの間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191における区画部材133Dの圧力室とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Dの変位を抑制する。このように、緩衝器1Dは、区画部材133Dの変位を抑制することができるため、区画部材133Dの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Dは、区画部材133Dの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Dは、区画部材133Dの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Dは、圧力室が、区画部材133Dの変位によって、区画部材133Dに設けられた閉弁部167Dと、第2通路191内の蓋部材143Dとが当接することで形成される。緩衝器1Dは、このように区画部材133Dの変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Dは、区画部材133Dの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Dを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Dの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Dは、閉弁部167Dが、区画部材133Dに設けられ、区画部材133Dの変位後に第2通路191の蓋部材142Dと当接し、当接後も区画部材133Dが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Dは、区画部材133Dの変位によって圧力室を形成することが容易にでき、また、区画部材133Dの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態を主に図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第6実施形態の緩衝器1Eは、図9に示すように、ピストンロッド21とは一部異なるピストンロッド21Eを有している。ピストンロッド21Eは、主軸部313Aと、主軸部313Aの外径よりも外径が小径の取付軸部313Bとを有している。
ピストンロッド21Eは、シリンダ2の内筒3への挿入端が取付軸部313Bである。ピストンロッド21Eは、主軸部313Aと取付軸部313Bとの境界が、段差状の軸段部313Cとなっている。ピストンロッド21Eは、主軸部313Aの軸方向における取付軸部313Bとは反対側が、ロッドガイド22(図1参照)とシール部材23(図1参照)とに挿通されてシリンダ2の外部に延出される。
緩衝器1Eは、ピストンバルブ装置320を備えている。ピストンバルブ装置320は、いずれもピストンロッド21Eの取付軸部313Bの外周に嵌合されるストッパピース322,323、ピストン18Eおよびバルブストッパ325を有している。これらのストッパピース322,323、ピストン18Eおよびバルブストッパ325は、取付軸部313Bの先端のネジ部321に螺着されるバルブハウジング361により、ピストンロッド21Eの軸段部313Cとの間にクランプされて固定される。これらのストッパピース322,323、ピストン18Eおよびバルブストッパ325は、ピストンロッド21Eの取付軸部313Bに連結されている。バルブハウジング361は、サブ伸側減衰バルブ360のための部品である。なお、ストッパピース322は、ピストンロッド21Eの後述するバイパス通路351に連通して内筒3内の上室19に開口する流路322Aを備えている。
ピストン18Eは、内筒3に摺動可能に嵌装されている。ピストン18Eには、伸び側の第1通路43Eと縮み側の第1通路44Eとが設けられている。第1通路43Eおよび第1通路44Eは、ピストン18Eの移動により上室19および下室20間を油液Lが流通可能に連通する。ピストン18Eは、バルブストッパ325との間にディスクバルブ状のメイン伸側減衰バルブ333の環状中央部をクランプする。ピストン18Eのメイン伸側減衰バルブ333が離着座する部分と、メイン伸側減衰バルブ333とが、第1通路43Eを開閉する減衰力機構41E(第1減衰力機構)を構成している。
ピストン18Eは、ストッパピース323との間にディスクバルブ状の圧側減衰バルブ334の環状中央部をクランプする。ピストン18Eの圧側減衰バルブ334が離着座する部分と、圧側減衰バルブ334とが、第1通路44Eを開閉する減衰力機構42E(第1減衰力機構)を構成している。ピストンバルブ装置320は、ピストン18Eにより内筒3内を上室19と下室20とに区画している。また、ピストンバルブ装置320は、上室19と下室20とを、ピストン18Eに設けられた第1通路43Eおよび第1通路43Eを開閉するメイン伸側減衰バルブ333を介して連通させる。また、ピストンバルブ装置320は、下室20と上室19とを、第1通路44Eおよび第1通路44Eを開閉する圧側減衰バルブ334を介して連通させる。
したがって、緩衝器1Eは、伸び行程では、上室19の油液Lが、ピストン18Eの第1通路43Eを通り、第1通路43Eに設けられたメイン伸側減衰バルブ333を撓み変形させて開いて、下室20に導かれる。その際に、メイン伸側減衰バルブ333は、伸側減衰力を発生させる。また、縮み行程では、下室20の油液Lが、ピストン18Eの第1通路44Eを通り、圧側減衰バルブ334を撓み変形させて開いて、上室19に導かれる。その際に、圧側減衰バルブ334は、圧側減衰力を発生させる。
緩衝器1Eは、ピストンバルブ装置320の減衰力、本実施形態では伸側の減衰力を可変させ調整するための伸側減衰力調整機構350(第2減衰力機構)を以下の如くに備えている。
伸側減衰力調整機構350は、メイン伸側減衰バルブ333をバイパスして上室19と下室20とを連通するように延びるバイパス通路351をピストンロッド21Eの外面に設けている。
伸側減衰力調整機構350は、このバイパス通路351にサブ伸側減衰バルブ360が設けられている。ピストンロッド21Eの取付軸部313Bにバルブストッパ325が挿着されている。ピストンロッド21Eの取付軸部313Bのネジ部321にバルブハウジング361の本体361Aが螺着されている。バルブストッパ325の下端中央環状突出部と、本体361Aの上端中央環状突出部との間に、ディスクバルブ状のサブ伸側減衰バルブ360の環状中央部がクランプされる。伸側減衰力調整機構350は、バイパス通路351の一端が上室19に開口するとともに、バイパス通路351の他端がバルブストッパ325に設けられたサブ流路325Aに開口する。伸側減衰力調整機構350は、サブ伸側減衰バルブ360によりこのサブ流路325Aを下室20に対して開閉する。
伸側減衰力調整機構350は、サブ伸側減衰バルブ360をバルブストッパ325に添設し、バルブストッパ325のピストンラウンド325Bに対して接離させる。そして、伸側減衰力調整機構350は、サブ伸側減衰バルブ360の背面側に、上室19にスリットバルブ362のオリフィス362Aを介して連通する背圧室363を設ける。伸側減衰力調整機構350は、背圧室363を一枚以上の積層された板バネ371を有する区画部材133Eにより閉じる。スリットバルブ362は、サブ伸側減衰バルブ360の背面に添設される。スリットバルブ362は、バルブストッパ325の下端中央環状突出部とバルブハウジング361の本体361Aの上端中央環状突出部との間に環状中央部がクランプされる。スリットバルブ362は、内周にオリフィス362Aを構成するスリットが形成されている。
伸側減衰力調整機構350は、バルブハウジング361が、ピストンロッド21Eの取付軸部313Bのネジ部321に螺着される本体361Aを有している。伸側減衰力調整機構350は、本体361Aが、ネジ部321に螺着される円板部aと、円板部aの外周側の下部に突設される環状部bとを有している。伸側減衰力調整機構350は、本体361Aの環状部bの内周にエンドキャップ365が螺合されている。バルブハウジング361は、本体361Aの円板部aの周方向複数位置に複数の連絡孔361Bが設けられている。バルブハウジング361は、複数の連絡孔361Bが、バルブハウジング361の内部で、バルブハウジング361の軸方向の両側に背圧室363を連通可能にする。
背圧室363は、バルブハウジング361と、バックアップカラー367と、区画部材133Eとにより、下室20に対して区画されている。バックアップカラー367は、バルブハウジング361の本体361Aの円板部aの外周に摺動可能に設けられている。バックアップカラー367は、スプリング366によってサブ伸側減衰バルブ360の背面に当接するように付勢されている。区画部材133Eは、エンドキャップ365における背圧室363側の上端部であるバルブシート368Aに接離可能に支持されている。
バルブハウジング361の本体361Aの円板部aの外周の環状溝にはシール材361Cが装着されている。バックアップカラー367は、シール材361Cに対し液密の状態で上下に摺動する。バックアップカラー367は、その上端面がサブ伸側減衰バルブ360の背面に当接する。スプリング366は、環状中央部の外周に十字状の張出部366Aを備えている。スプリング366は、環状中央部がバルブハウジング361の本体361Aの上端中央環状突出部まわりの上面に着座して支持されている。スプリング366は、張出部366Aの先端部の上にバックアップカラー367を支持する。
伸側減衰力調整機構350は、サブ伸側減衰バルブ360の背面側に、ピストンロッド21Eに取り付けられるバルブハウジング361と、バックアップカラー367と、背圧室363とが設けられている。バックアップカラー367は、バルブハウジング361の外周に摺動可能に設けられてサブ伸側減衰バルブ360の背面に押し当てられる。背圧室363は、下室20に対して、区画部材133Eにより区画形成される。そして、伸側減衰力調整機構350は、背圧室363の内部で、バルブハウジング361の本体361Aの円板部aの上面に着座して支持されるスプリング366により、バックアップカラー367の上端面をサブ伸側減衰バルブ360の背面に付勢して押し当てる。
区画部材133Eは、孔なし円板状の板バネ371を有している。区画部材133Eは、支持バネ372を有しており、板バネ371の外周の被支持部371Aが支持バネ372によりエンドキャップ365のバルブシート368Aの上に着座されて支持される。支持バネ372は、薄板の環状バネである。支持バネ372は、板状の円環部372Aの外周において一定の間隔をあけて、複数の上向きのバネ脚372Bと複数の下向きのバネ脚372Cとを有している。バネ脚372Bは、円環部372Aの外周部から斜め上向きに延出している。バネ脚372Cは、円環部372Aの外周部から斜め下向きに延出している。バネ脚372Bとバネ脚372Cとは、円環部372Aの外周に、円環部372Aの周方向に交互に設けられている。支持バネ372は、上向きバネ脚372Bがバルブハウジング361の本体361Aの円板部aの下端面であるバネ当接面369Aに当接する。支持バネ372は、下向きバネ脚372Cが、板バネ371に当接する。これらにより、支持バネ372は、板バネ371の被支持部371Aをエンドキャップ365のバルブシート368Aに押し付けて着座させる。
区画部材133Eの板バネ371の外周は、エンドキャップ365のバルブシート368A上にて固定保持されることはない。板バネ371の外周は、バルブシート368Aの面に沿って滑り、移動自由とされている。板バネ371のバネ定数は低く設定されている。区画部材133Eの支持バネ372もバルブハウジング361のバネ当接面369Aに沿って滑り、移動自由とされている。
区画部材133Eの板バネ371の撓みを規制する凹状面368Bがエンドキャップ365に設けられている。凹状面368Bは、背圧室363の圧力により押し込まれて湾曲状に撓む板バネ371の被支持部371Aよりも径方向内側の弾性撓み部371Bの撓み量を規制する。凹状面368Bは、エンドキャップ365におけるバルブシート368Aに囲まれる内周側に、該バルブシート368Aに対する一定の段差をなすように設けられる。凹状面368Bは、バルブシート368Aとの境界部に設けられるテーパ状の下り勾配面368Cと、下り勾配面368Cの内周側に連なる平坦面368Dとからなっている。凹状面368Bは、バルブシート368Aに対して平坦面368Dの深さ分の段差をなす。バルブシート368Aおよび凹状面368Bは円形状をなしている。下り勾配面368Cは円錐状テーパ面をなしている。
区画部材133Eは、板バネ371が、上記した背圧室363と、室402とを区画する。室402は、エンドキャップ365に設けられた連通孔403を介して下室20に連通する。連通孔403は、下室20に開口する大径孔380と、大径孔380より小径の中間孔381と、中間孔381より小径で凹状面368Bの平坦面368Dの径方向中央に開口する小径孔382とを有している。流路322A、バイパス通路351、オリフィス362A、背圧室363、室402および連通孔403が、第2通路191Eを構成している。第2通路191Eは、第1通路43Eおよび第1通路44Eと並列に設けられている。第2通路191Eは、伸び行程においてはピストン18Eの移動により上室19の油液Lが流入可能に設けられている。第2通路191Eは、縮み行程においてはピストン18Eの移動により下室20の油液Lが流入可能に設けられている。
区画部材133Eには、板バネ371の室402側に、弾性のシール材料からなる閉弁部167Eが設けられている。閉弁部167Eは、ゴム製であり、円板状である。閉弁部167Eは、板バネ371の径方向の中央位置に接着されている。閉弁部167Eは、金属製の板バネ371に焼き付けられて板バネ371と一体に設けられている。閉弁部167Eは、外周縁部に内側よりも軸方向に突出する円環状の閉塞部408を有している。閉弁部167Eは、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
図9に示すように、区画部材133Eの閉弁部167Eがエンドキャップ365から離間している状態では、室402は、その全体が、エンドキャップ365の連通孔403を介して下室20に連通している。
区画部材133Eの板バネ371が、エンドキャップ365の平坦面368D側に撓むと、閉弁部167Eは、閉塞部408が連通孔403の小径孔382を囲むようにして平坦面368Dに全周にわたって当接する。すると、閉弁部167Eが連通孔403を閉塞する。この状態では、室402は、閉弁部167Eよりも径方向外側に閉じられた圧力室を形成する。この圧力室は下室20と連通しない。
区画部材133Eの板バネ371は、伸び行程では、加圧される上室19の圧力がバイパス通路351からオリフィス362Aを介して印加される背圧室363の圧力を受ける。伸び行程では、区画部材133Eの板バネ371は、背圧室363の圧力を受け、被支持部371Aをエンドキャップ365のバルブシート368Aに着座させる。区画部材133Eは、それとともに、板バネ371の弾性撓み部371Bをエンドキャップ365の凹状面368Bに向けて弾性変形させて、背圧室363の容積を拡大させつつ室402の容積を縮小させる。
区画部材133Eは、逆の縮み行程では、加圧される下室20の圧力がエンドキャップ365の下室20に開口する連通孔403から室402を介して板バネ371に及ぶ。よって、区画部材133Eは、支持バネ372が撓み、板バネ371の被支持部371Aをエンドキャップ365のバルブシート368Aから離座させ、下室20の圧力を背圧室363に導入可能にする。
区画部材133Eは、上述の伸び行程と縮み行程とを繰り返し、伸び行程では背圧室363の体積を増加させて上室19の圧力の伝搬に遅れを生じさせる。区画部材133Eは、板バネ371と支持バネ372のバネ定数を互いに独立に設定でき、板バネ371の積層枚数を少なくして伸側を弱く設定することにより上室19から背圧室363への圧力伝搬遅れを発生させ、ピストンバルブ装置320及び伸側減衰力調整機構350の減衰力の応答速度を調整できる。
区画部材133Eは、第2通路191Eに設けられて、第2通路191Eを背圧室363と室402との間で区画する。それと共に、区画部材133Eは、ピストン18Eの移動により流入した油液Lによって変位し、第2通路191E内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。
したがって、緩衝器1Eは、伸側減衰力調整機構350を備えて以下の如くに動作する。
伸び行程で、緩衝器1Eのピストン18Eの動きが通常の低周波大ストローク域にあるときには、加圧された上室19の圧力は、オリフィス362Aによる圧力伝搬遅れをほとんど伴なうことなく背圧室363に伝わり、区画部材133Eの板バネ371を押し込んでストロークさせる。その後、背圧室363の圧力が上昇すると、この背圧室363の圧力を受けたサブ伸側減衰バルブ360は開くことなく、メイン伸側減衰バルブ333が開いて減衰力を発生させる。メイン伸側減衰バルブ333は通常走行時の操安性を良好とするように、サブ伸側減衰バルブ360よりも高い撓み剛性を備えていて通常必要な減衰力を発生させる。
伸び行程で、車両が路面の凹凸に乗り、ピストン18Eの動きが高周波微小ストローク域に入ると、加圧された上室19の圧力はオリフィス362Aによる圧力伝搬遅れを伴ない、背圧室363の圧力を上昇させず、サブ伸側減衰バルブ360は開き易くなって減衰力を低くする。
縮み行程では、圧側減衰バルブ334が開いて減衰力を発生させる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Eの板バネ371の変位が所定量より小さい状態では、閉弁部167Eがエンドキャップ365の平坦面368Dから離間しており、よって、室402の全体から油液Lが連通孔403を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Eの板バネ371の変位が所定量以上の状態では、閉弁部167Eは、閉塞部408がエンドキャップ365の平坦面368Dに全周にわたって当接し、室402の閉弁部167Eよりも径方向外側に、閉じられた圧力室を形成する。この圧力室は下室20と連通しない。
すなわち、伸側減衰力調整機構350は、区画部材133Eの板バネ371が、伸び行程でのピストン18Eの移動により背圧室363に流入した油液Lによって変位し、第2通路191Eを構成する室402内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。また、伸側減衰力調整機構350は、閉弁部167Eが、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dと、区画部材133Eとの間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Eの板バネ371の変位によって、閉弁部167Eと、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dとが当接することで形成される。閉弁部167Eは、区画部材133Eの板バネ371に設けられ、板バネ371の変位後に第2通路191Eのエンドキャップ365の平坦面368Dと当接し、当接後も板バネ371が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。伸側減衰力調整機構350は、区画部材133Eが、第2通路191Eに設けられている。区画部材133Eは、第2通路191Eを、背圧室363と室402との間で区画する。
第6実施形態の緩衝器1Eは、第2通路191Eに設けられて減衰力を可変させる伸側減衰力調整機構350が、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dと、区画部材133Eの板バネ371との間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Eを有している。緩衝器1Eは、閉弁部167Eが第2通路191E内と区画部材133Eの板バネ371との間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191Eにおける区画部材133Eの圧力室とは反対側の背圧室363の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Eの板バネ371の変位を抑制する。このように、緩衝器1Eは、区画部材133Eの変位を抑制することができるため、区画部材133Eの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Eは、区画部材133Eの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Eは、区画部材133Eの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Eは、圧力室が、区画部材133Eの板バネ371の変位によって、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dと閉弁部167Eとが当接することで形成される。緩衝器1Eは、このように区画部材133Eの板バネ371の変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Eは、区画部材133Eの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Eを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Eの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Eは、閉弁部167Eが、区画部材133Eの板バネ371に設けられ、板バネ371の変位後に第2通路191Eのエンドキャップ365の平坦面368Dと当接し、当接後も板バネ371が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Eは、区画部材133Eの変位によって圧力室を形成することが容易にでき、また、区画部材133Eの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態を主に図10に基づいて第6実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第6実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第7実施形態の緩衝器1Fは、図10に示すように、ピストンバルブ装置320にかえて、これとは一部異なるピストンバルブ装置320Fを有している。ピストンバルブ装置320Fは、伸側減衰力調整機構350にかえて、これとは一部異なる伸側減衰力調整機構350F(第2減衰力機構)を有している。伸側減衰力調整機構350Fは、区画部材133Eにかえて、これとは一部異なる区画部材133Fを有している。区画部材133Fは、閉弁部167Eが設けられていない点が、区画部材133Eと相違している。
伸側減衰力調整機構350Fは、エンドキャップ365の凹状面368Bの平坦面368Dに、小径孔382を囲むように円環状の閉弁部167Fが設けられている。閉弁部167Fは、弾性のシール材料からなっている。閉弁部167Fは、ゴム製であり、円環状である。閉弁部167Bは、その内周部が、エンドキャップ365の軸方向において平坦面368Dから離れるほど内径が大径となっている。閉弁部167Fは、その外周部が、弁座部材142Bの軸方向において平坦面368Dから離れるほど外径が小径となっている。よって、閉弁部167Fは、エンドキャップ365の中心軸線を含む面での断面の形状が、エンドキャップ365の軸方向において平坦面368Dから離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。閉弁部167Fは、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
図10に示すように、区画部材133Fの板バネ371が、閉弁部167Fから離間している状態では、室402は、その全体が、エンドキャップ365の連通孔403を介して下室20に連通している。
区画部材133Fの板バネ371は、エンドキャップ365の平坦面368D側に撓むと、板バネ371は閉弁部167Fの全周に当接する。すると、板バネ371が連通孔403を閉塞する。この状態では、室402は、閉弁部167Fよりも径方向外側に閉じられた圧力室を形成する。この圧力室は下室20と連通しない。
区画部材133Fは、伸び行程では、加圧される上室19の圧力がバイパス通路351からオリフィス362Aを介して印加される背圧室363の圧力を板バネ371が受ける。伸び行程では、区画部材133Fは、板バネ371が背圧室363の圧力を受け、被支持部371Aをエンドキャップ365のバルブシート368Aに着座させる。区画部材133Eは、それとともに、板バネ371の弾性撓み部371Bをエンドキャップ365の凹状面368Bに向けて弾性変形させて、背圧室363の容積を拡大させつつ室402の容積を縮小させる。
区画部材133Fは、第2通路191Eに設けられて、第2通路191Eを背圧室363と室402との間で区画する。それと共に、区画部材133Fは、ピストン18Eの移動により流入した油液Lによって変位し、第2通路191E内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。
緩衝器1Fは、伸び行程において、区画部材133Fの板バネ371の変位が所定量より小さい状態では、板バネ371が、エンドキャップ365に設けられた閉弁部167Fから離間しており、よって、室402の全体から油液Lが連通孔403を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Fの板バネ371の変位が所定量以上の状態では、板バネ371が、エンドキャップ365の閉弁部167Fの全周に当接し、室402の閉弁部167Fよりも径方向外側に、閉じられた圧力室を形成する。この圧力室は下室20と連通しない。
すなわち、伸側減衰力調整機構350Fは、区画部材133Fの板バネ371が、伸び行程でのピストン18Eの移動により背圧室363に流入した油液Lによって変位し、第2通路191Eを構成する室402内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。また、伸側減衰力調整機構350Fは、閉弁部167Fが、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dと、区画部材133Fの板バネ371との間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する。圧力室は、区画部材133Fの板バネ371の変位によって、板バネ371と、エンドキャップ365の第2通路191E内の閉弁部167Fとが当接することで形成される。閉弁部167Fは、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dに設けられ、区画部材133Fの板バネ371の変位後に、板バネ371と当接し、当接後も板バネ371が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。伸側減衰力調整機構350Fは、区画部材133Fが、第2通路191Eに設けられている。区画部材133Fは、第2通路191Eを、背圧室363と室402との間で区画する。
第7実施形態の緩衝器1Fは、第2通路191Eに設けられて減衰力を可変させる伸側減衰力調整機構350Fが、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dと、区画部材133Fの板バネ371との間に閉塞された圧力室を形成し、圧力室内の油液Lの移動を制限する閉弁部167Fを有している。緩衝器1Fは、閉弁部167Fが第2通路191E内と区画部材133Fの板バネ371との間に閉塞された圧力室を形成することによって、第2通路191Eにおける板バネ371の圧力室とは反対側の背圧室363の圧力が高くなると、これに追従して圧力室内の圧力が高くなって、板バネ371の変位を抑制する。このように、緩衝器1Fは、区画部材133Fの変位を抑制することができるため、区画部材133Fの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Fは、区画部材133Fの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Fは、区画部材133Fの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Fは、圧力室が、区画部材133Fの板バネ371の変位によって、板バネ371と、エンドキャップ365に設けられた閉弁部167Fとが当接することで形成される。緩衝器1Fは、このように区画部材133Fの板バネ371の変位によって圧力室を形成する。よって、緩衝器1Fは、区画部材133Fの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Fを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Fの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Fは、閉弁部167Fが、エンドキャップ365の第2通路191E内の平坦面368Dに設けられ、区画部材133Fの板バネ371の変位後に、板バネ371と当接し、当接後も板バネ371が変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Fは、区画部材133Fの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態を主に図11に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図11に示すように、第8実施形態の緩衝器1Gは、周波数感応機構130とは一部異なる周波数感応機構130G(第2減衰力機構)を周波数感応機構130にかえて有している。
周波数感応機構130Gは、バルブケース145とは一部異なるバルブケース145Gをバルブケース145にかえて有している。バルブケース145Gは、ケース部材131とは一部異なるケース部材131Gをケース部材131にかえて有している。ケース部材131Gは、筒状部153にかえて筒状部153Gを有している。筒状部153Gは、軸方向の長さが筒状部153よりも短くなっている。
バルブケース145Gは、ディスク132,135~137にかえて、蓋部材143Gを有している。
蓋部材143Gは、金属製の有孔円板状である。蓋部材143Gは、ピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。
蓋部材143Gは、基板部422と、内側シート部423と、外側シート部424とを有している。
基板部422は、有孔の円板状である。基板部422は、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。蓋部材143Gは、基板部422がピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。基板部422には、その径方向における中間位置に、基板部422を軸方向に貫通する通路穴431が形成されている。通路穴431は、基板部422の周方向に等間隔で複数形成されている。複数の通路穴431は、基板部422の中心軸線からの位置を合わせている。
内側シート部423は円環状である。内側シート部423は、基板部422の内周縁部から、基板部422の軸方向に沿って一側に突出している。
外側シート部424は、内側シート部423よりも大径の円環状である。外側シート部424は、基板部422の径方向の中間位置から、基板部422の軸方向に沿って内側シート部423と同側に突出している。
外側シート部424は、基板部422の軸方向における先端の高さ位置が内側シート部423の先端の高さ位置と同等になっている。基板部422には、その径方向における内側シート部423と外側シート部424との間に、複数の通路穴431が形成されている。
バルブケース145Gは、ケース部材131Gと蓋部材143Gとが突き当てられて構成される。その際に、ケース部材131Gと蓋部材143Gとは、突出部151と、内側シート部423および外側シート部424とが対向する向きとされる。そして、蓋部材143Gの基板部422の径方向における外側シート部424よりも外側の部分が、ケース部材131Gの筒状部153Gに突き当てられる。
周波数感応機構130Gは、区画部材133とは異なる区画部材133Gを区画部材133にかえて有している。区画部材133Gは、バルブディスク161Gと、内側閉弁部435(閉弁部)と、外側閉弁部436(閉弁部)とを有している。
バルブディスク161Gは、金属製である。バルブディスク161Gは、一定厚さの有孔の円形平板状である。バルブディスク161Gは、全周にわたって外径が一定であり、全周にわたって径方向の幅が一定である。バルブディスク161Gは、内周側にピストンロッド21の取付軸部28が挿通されている。バルブディスク161Gは、弾性変形可能つまり撓み可能となっている。バルブディスク161Gの外径は、筒状部153Gの内径よりも若干小径である。バルブディスク161Gは、筒状部153Gの内周部で、ケース部材131Gに対して径方向に位置決めされる。バルブディスク161Gは、筒状部153Gの内周部に案内されてケース部材131Gの軸方向に移動する。
内側閉弁部435は、弾性のシール材料からなっている。内側閉弁部435は、ゴム製であり、円環状である。内側閉弁部435は、バルブディスク161Gと同軸状をなして、バルブディスク161Gの軸方向の一側の面に焼き付けにより接着されている。内側閉弁部435は、その内周部が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど内径が大径となっている。内側閉弁部435は、その外周部が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど外径が小径となっている。よって、内側閉弁部435は、バルブディスク161Gの中心軸線を含む面での断面の形状が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。内側閉弁部435は、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
外側閉弁部436Gは、弾性のシール材料からなっている。外側閉弁部436は、ゴム製であり、内側閉弁部435よりも大径の円環状である。外側閉弁部436は、バルブディスク161Gと同軸状をなして、バルブディスク161Gの軸方向の内側閉弁部435と同側の面に焼き付けにより接着されている。外側閉弁部436は、その内周部が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど内径が大径となっている。外側閉弁部436は、その外周部が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど外径が小径となっている。よって、外側閉弁部436は、バルブディスク161Gの中心軸線を含む面での断面の形状が、バルブディスク161Gの軸方向においてバルブディスク161Gから離れるほど細くなる先細の一つの山型の形状となっている。外側閉弁部436は、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。内側閉弁部435および外側閉弁部436は、バルブディスク161Gからの突出高さが同等になっている。
区画部材133Gは、バルブケース145G内に、バルブケース145Gの軸方向においてバルブディスク161Gよりも内側閉弁部435および外側閉弁部436が蓋部材143G側に突出する向きで配置される。すると、内側閉弁部435は、蓋部材143Gの径方向における内側シート部423よりも外側かつ通路穴431よりも内側に配置される。また、外側閉弁部436は、蓋部材143Gの径方向における外側シート部424よりも内側かつ通路穴431よりも外側に配置される。
周波数感応機構130Gは、バネ部材437を有している。バネ部材437は、金属製であり、基板部438とバネ板部439とを有している。基板部438は、有孔の円板平板状である。バネ板部439は、基板部438の周方向に等間隔で複数、具体的には5本設けられている。バネ板部439は、基板部438から、基板部438の径方向外側に延出している。バネ板部439は、基板部438の径方向において外側に位置するほど、基板部438から基板部438の軸方向に離れるように、基板部438に対して傾斜している。バネ部材437は、基板部438が、ピストンロッド21の取付軸部28に嵌合する。
バネ部材437は、突出部151と区画部材133Gとの間に設けられている。バネ部材437は、基板部438が突出部151に当接し、バネ板部439が区画部材133Gのバルブディスク161Gに当接する。これにより、バネ部材437はバルブディスク161Gを内側シート部423および外側シート部424に押し付ける。
区画部材133Gは、バルブディスク161Gの径方向における内側閉弁部435よりも内側の部分が内側シート部423に当接し、バルブディスク161Gの径方向における外側閉弁部436よりも外側の部分が外側シート部424に当接する。この状態では、区画部材133Gは、通路穴431を閉塞する。また、区画部材133Gは、バルブディスク161Gが、バネ部材437の付勢力に抗して内側シート部423および外側シート部424から離れると、通路穴431を開く。バルブディスク161Gと内側シート部423および外側シート部424とバネ部材437とがチェック弁193Gを構成している。
緩衝器1Gは、円環部材138にかえて、これよりも外径が小径の円環部材138Gを有している。
区画部材133Gは、バルブケース145G内に設けられてバルブケース145G内を第1室181と第2室182とに区画する。第1室181は、バルブケース145Gの軸方向における底部150と区画部材133Gとの間にある。第2室182は、バルブケース145Gの軸方向における区画部材133Gと蓋部材143Gとの間にある。
図11に示すように、区画部材133Gの内側閉弁部435および外側閉弁部436が蓋部材143Gの基板部422から離間している状態では、第2室182は、その全体が、蓋部材143Gの基板部422にある通路穴431を介して下室20に連通している。
区画部材133Gがテーパ状に変形することにより、その内側閉弁部435および外側閉弁部436が蓋部材143Gの基板部422に全周にわたって当接している状態では、第2室182は、内側閉弁部435よりも径方向内側の内側圧力室と、外側閉弁部436よりも径方向外側の外側圧力室と、内側閉弁部435および外側閉弁部436の径方向の間位置の連通室とに区画される。この連通室は、通路穴431を介して下室20に連通する。これらの内側圧力室および外側圧力室は、いずれも連通室とは連通せず、よって、下室20とも連通しない。
伸び行程においては、上室19(図2参照)からの油液Lが、第1通路43(図2参照)とディスク50(図2参照)の切欠81(図2参照)内の通路と、図11に示すピストンロッド21の溝部30内の通路と、ケース部材131Gの突出部151と区画部材133Gとの間の通路とを介して第1室181に導入される。すると、区画部材133Gのバルブディスク161が、蓋部材143Gの内側シート部423との接点および外側シート部424との接点を支点として、これらの間部分が基板部422側に凹状になるように撓む。
このような変位によって、区画部材133Gは、第1室181の容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Gのこの変位時に、第2室182の容積は減ることになる。その際に第2室182の油液Lは、通路穴431を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Gの変位が所定量より小さい状態では、内側閉弁部435および外側閉弁部436が蓋部材143Gの基板部422から離間しており、よって、第2室182の全体から油液Lが通路穴431を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Gの変位が所定量以上の状態では、内側閉弁部435および外側閉弁部436が共に蓋部材143Gの基板部422に全周にわたって当接し、第2室182を、内側閉弁部435よりも径方向内側の内側圧力室と、外側閉弁部436よりも径方向外側の外側圧力室と、内側閉弁部435および外側閉弁部436の径方向の間位置の連通室とに区画する。よって、第2室182は、連通室が通路穴431を介して下室20に連通するものの、内側圧力室および外側圧力室はいずれも下室20と連通しない状態となる。
すなわち、周波数感応機構130Gは、区画部材133Gが、伸び行程でのピストン18(図2参照)の移動により第1室181に流入した油液Lによって変位し、第2通路191の一部を構成する第2室182内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2(図2参照)内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Gは、内側閉弁部435および外側閉弁部436が、第2通路191内の蓋部材143Gと、区画部材133Gとの間に閉塞された内側圧力室および外側圧力室を形成し、内側圧力室および外側圧力室内の油液Lの移動を制限する。内側圧力室および外側圧力室は、区画部材133Gの変位によって、内側閉弁部435および外側閉弁部436と、第2通路191内の蓋部材143Gとが当接することで形成される。内側閉弁部435および外側閉弁部436は、区画部材133Gに設けられ、区画部材133Gの変位後に第2通路191の蓋部材143Gと当接し、当接後も区画部材133Gが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Gは、区画部材133Gが第2通路191に設けられている。区画部材133Gは、第2通路191を、第1室181と第2室182との間で区画する。
緩衝器1Gは、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
第8実施形態の緩衝器1Gは、第2通路191に設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Gが、第2通路191内の蓋部材143Gと、区画部材133Gとの間に閉塞された内側圧力室および外側圧力室を形成し、内側圧力室内および外側圧力室内の油液Lの移動を制限する内側閉弁部435および外側閉弁部436を有している。緩衝器1Gは、内側閉弁部435および外側閉弁部436が第2通路191内と区画部材133Gとの間に閉塞された内側圧力室および外側圧力室を形成することによって、第2通路191における区画部材133Gの内側圧力室および外側圧力室とは反対側の第1室181の圧力が高くなると、これに追従して内側圧力室および外側圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Gの変位を抑制する。このように、緩衝器1Gは、区画部材133Gの変位を抑制することができるため、区画部材133Gの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Gは、区画部材133Gの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Gは、区画部材133Gの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Gは、内側圧力室および外側圧力室が、区画部材133Gの変位によって、第2通路191内の蓋部材143Gと内側閉弁部435および外側閉弁部436とが当接することで形成される。緩衝器1Gは、このように区画部材133Gの変位によって内側圧力室および外側圧力室を形成する。よって、緩衝器1Gは、区画部材133Gの変位によって、圧力室を形成せずに区画部材133Gを容易に変位させて減衰力を可変させたり、圧力室を形成して区画部材133Gの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Gは、内側閉弁部435および外側閉弁部436が、区画部材133Gに設けられ、区画部材133Gの変位後に第2通路191の蓋部材143Gと当接し、当接後も区画部材133Gが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。よって、緩衝器1Gは、区画部材133Gの変位によって圧力室を形成することが容易にでき、また、区画部材133Gの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態を主に図12に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図12に示すように、緩衝器1Hは、ピストンロッド21とは一部異なるピストンロッド21Hをピストンロッド21にかえて有している。ピストンロッド21Hは、溝部30が形成されておらず、内部を貫通して主軸部27Hの外周面から、取付軸部28Hの軸方向における主軸部27Hとは反対側の端部まで延びるロッド内通路30Hを有している。主軸部27Hは、内部にロッド内通路30Hの一部が形成されると共にロッド内通路30Hの一端が外周面に開口している点が、主軸部27とは異なっている。取付軸部28Hは、溝部30が形成されておらず、内部にロッド内通路30Hの一部が形成されると共にロッド内通路30Hの他端が軸方向の主軸部27とは反対側の端面に開口している点が取付軸部28とは異なっている。ロッド内通路30Hは、上室19に連通している。ピストンロッド21Hも、主軸部27Hの軸方向における取付軸部28Hとは反対側が、ロッドガイド22(図1参照)とシール部材23(図1参照)とに挿通されてシリンダ2の外部に延出されている。
緩衝器1Hは、ピストン18とは一部異なるピストン18Hをピストン18にかえて有している。ピストン18Hは、ピストン本体35とは一部異なるピストン本体35Hをピストン本体35にかえて有している。ピストン本体35Hは一体に成形されており、一定内径の挿通穴45Hが形成されている点がピストン本体35とは相違している。ピストン本体35Hは挿通穴45Hに、ピストンロッド21Hの取付軸部28Hが嵌合する。
緩衝器1Hには、ディスク50,53,56、パイロットディスク52、パイロットケース55およびディスクバルブ99は設けられていない。緩衝器1Hでは、複数枚のディスク51が、ディスクバルブ91Hを構成している。そして、このディスクバルブ91Hのピストン18Hとは反対側に、ディスク58,59および円環部材138が、この順に設けられている。ディスクバルブ91Hは、伸び側の減衰力機構41H(第1減衰力機構)を構成している。減衰力機構41Hは、減衰力機構41に対して、背圧が付与されないディスクバルブ91Hを減衰バルブ91にかえて有し、背圧を付与するための構成が設けられていない点が相違している。
また、緩衝器1Hは、周波数感応機構130とは異なる周波数感応機構130H(第2減衰力機構)を周波数感応機構130およびナット195にかえて有している。
周波数感応機構130Hは、蓋部材451と、ハウジング本体452と、区画部材133Hと、第1スプリング454と、第2スプリング455とを有している。
蓋部材451は、金属製であり、蓋筒部461と、蓋基板部462とを有している。
蓋筒部461は、円筒状である。蓋基板部462は、円板状であり、蓋筒部461の軸方向の一端部から径方向外側に延出している。蓋筒部461の内周部にはメネジ465が形成されている。蓋部材451は、メネジ465においてピストンロッド21Hのネジ部31に螺合される。蓋部材451がナットとなって、円環部材115から円環部材138までの部品の少なくとも内周側をクランプする。すなわち、蓋部材451は、ナットを兼用している。
ハウジング本体452は、金属製であり、略有底円筒状である。ハウジング本体452の一端開口側を閉塞するように蓋部材451がハウジング本体452に取り付けられる。ハウジング本体452は、本体筒部471と、本体底部472とを有している。
本体筒部471は、円筒状である。本体筒部471は、本体底部472とは反対側の端部が薄肉部475とされ、薄肉部475を除く部分が薄肉部475よりも厚肉の厚肉部476となっている。蓋部材451の組み付け前、薄肉部475は厚肉部476の軸方向の延長上に延びている。この状態で、厚肉部476は、薄肉部475に対して、外径がほぼ同等であり、内径が小径である。
本体底部472は、円板状であり、本体筒部471の軸方向の一端部を閉塞している。本体底部472には、径方向の中央に、軸方向に貫通する通路穴478が形成されている。
ハウジング本体452には、厚肉部476の軸方向の延長上に延びた状態の薄肉部475の内側に、蓋部材451が、蓋筒部461を先頭にして嵌合させられる。その後、ハウジング本体452は、薄肉部475が加締められて図12に示すように径方向内方に曲げられる。これにより、ハウジング本体452と蓋部材451とが一体化されてハウジング481となる。
区画部材133Hは、ハウジング481内に摺動可能に挿入されるフリーピストンである。区画部材133Hは、区画部材本体491と、シール部材492と、第1閉弁部493(閉弁部)と、第2閉弁部494(閉弁部)とを有している。
区画部材本体491は、金属製であり、ピストン筒部501と、ピストン閉板部502と、ピストン延出部503とを有している。
ピストン筒部501は、円筒状である。ピストン筒部501には、軸方向の一端側の外周部に、径方向内方に凹む円環状のシール保持溝505が形成されている。
ピストン閉板部502は、円板状であり、ピストン筒部501の軸方向の中央位置を閉塞している。
ピストン延出部503は、円柱状であり、ピストン閉板部502の径方向の中央位置から、ピストン閉板部502の軸方向における一側に延出している。ピストン延出部503は、ピストン閉板部502から、ピストン閉板部502の軸方向におけるシール保持溝505とは反対側に延出している。ピストン延出部503は、ピストン筒部501の径方向内側に、ピストン筒部501と同軸状に設けられている。
区画部材本体491は、ピストン筒部501において、ハウジング本体452の本体筒部471に摺動可能に嵌合される。その際に、区画部材本体491は、ピストン延出部503が、ピストン閉板部502から、ピストン閉板部502の軸方向における本体底部472側に延出する向きとされる。
シール部材492は、円環状であり、区画部材本体491のシール保持溝505に嵌合されて保持されている。シール部材492は、区画部材本体491のピストン筒部501と、ハウジング481の本体筒部471との隙間をシールする。シール部材492は中心軸を含む面での断面が四角形状の角リングとなっている。
第1閉弁部493は、ピストン閉板部502の軸方向におけるピストン延出部503とは反対側の面に設けられている。第1閉弁部493は、ピストン閉板部502の径方向の中央位置に設けられている。第1閉弁部493は、ゴム製であり、円板状である。第1閉弁部493は、ピストン閉板部502に焼き付けられて接着されている。第1閉弁部493は、外周縁部に内側よりも軸方向に突出する円環状の閉塞部495を有している。第1閉弁部493は、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
第2閉弁部494は、ピストン延出部503の軸方向におけるピストン閉板部502とは反対側の端面に設けられている。第2閉弁部494は、ゴム製であり、円板状である。第2閉弁部494は、ピストン延出部503に焼き付けられて接着されている。第2閉弁部494は、外周縁部に内側よりも軸方向に突出する円環状の閉塞部496を有している。第2閉弁部494は、その中心軸線を含む面での断面の形状が、全周にわたって同様の形状となっている。
第1スプリング454は、コイル状であり、区画部材133Hのピストン閉板部502と、ハウジング481の蓋基板部462との間に介装されている。第1スプリング454は、区画部材133Hがハウジング481内で蓋基板部462側へ移動したときに圧縮変形する。すなわち、第1スプリング454は、区画部材133Hが蓋基板部462側へ移動したときに圧縮変形して区画部材133Hの変位に対し抵抗力を発生する抵抗要素となっている。
第2スプリング455は、コイル状であり、区画部材133Hのピストン閉板部502と、ハウジング481の本体底部472との間に介装されている。第2スプリング455は、区画部材133Hがハウジング481内で本体底部472側へ移動したときに圧縮変形する。すなわち、第2スプリング455は、区画部材133Hが本体底部472側へ移動したときに圧縮変形して区画部材133Hの変位に対し抵抗力を発生する抵抗要素となっている。
これら第1スプリング454および第2スプリング455は、区画部材133Hをハウジング481内の中立位置に保持するように付勢する。
区画部材133Hは、ハウジング481内に設けられてハウジング481内を第1室181Hと第2室182Hとに区画する。
第1室181Hは、ハウジング481の軸方向における蓋部材451と区画部材133Hとの間にある。第1室181Hは、ロッド内通路30Hを介して上室19に連通可能である。第1室181Hは、容量が可変であり、区画部材133Hの移動による変位で容量が変化する。
第2室182Hは、ハウジング481の軸方向におけるハウジング本体452の本体底部472と区画部材133Hとの間にある。第2室182Hは、本体底部472の通路穴478内の通路を介して下室20に連通可能である。第2室182Hは、容量が可変であり、区画部材133Hの移動による変位で容量が変化する。
ロッド内通路30Hと、第1室181Hと、第2室182Hと、通路穴478内の通路とが、第2通路191Hを構成している。第2通路191Hは、第1通路43,44と並列に形成されている。第2通路191Hは、ピストン18Hの移動によって上室19および下室20から油液Lが流入可能に設けられている。通路穴478は、導入オリフィスの機能も備えており、ここを導入オリフィスとし、通路穴478のサイズを変更することで周波数感応機構130Hの周波数感応の可変幅を調整することができる。
図12に示すように、区画部材133Hの第2閉弁部494がハウジング本体452の本体底部472から離間している状態では、第2室182Hは、その全体が、通路穴478内の通路を介して下室20に連通している。
図12に示すように、区画部材133Hの第1閉弁部493がピストンロッド21Hから離間している状態では、第1室181Hは、その全体が、ロッド内通路30Hを介して上室19に連通している。
区画部材133Hの第2閉弁部494が閉塞部496においてハウジング本体452の本体底部472に全周にわたって当接している状態では、第2閉弁部494が、本体底部472の通路穴478内の通路の第2室182H側の端部を閉塞する。この状態で、第2室182Hは、第2閉弁部494よりも径方向外側に、閉塞された第2圧力室を形成する。第2圧力室は、下室20とは連通しない。
区画部材133Hの第1閉弁部493が閉塞部495においてピストンロッド21Hに全周にわたって当接している状態では、第1閉弁部493は、ロッド内通路30Hの第1室181H側の端部を閉塞する。この状態で、第1室181Hは、第1閉弁部493よりも径方向外側に、閉塞された第1圧力室を形成する。第1圧力室は、上室19とは連通しない。
伸び行程においては、上室19からの油液Lが、ピストンロッド21Hのロッド内通路30Hを介して第1室181Hに導入される。すると、区画部材133Hが、ハウジング481内で本体底部472に近づくように移動する。その際に、区画部材133Hは、本体底部472との間に介装された第2スプリング455をハウジング481の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような変位によって、区画部材133Hは、第1室181Hの容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Hのこの変位時に、第2室182Hの容積は減ることになる。その際に第2室182Hの油液Lは、通路穴478内の通路を介して下室20に流れる。
ここで、伸び行程において、区画部材133Hの変位が所定量より小さい状態では、第2閉弁部494がハウジング481の本体底部472から離間しており、よって、第2室182Hの全体から油液Lが通路穴478内の通路を介して下室20に流れる。
他方、伸び行程において、区画部材133Hの変位が所定量以上の状態では、第2閉弁部494が閉塞部496においてハウジング481の本体底部472に全周にわたって当接し、第2室182Hに、第2閉弁部494よりも径方向外側で閉じられた第2圧力室を形成する。この第2圧力室は、下室20とは連通しない。
すなわち、周波数感応機構130Hは、区画部材133Hが、伸び行程でのピストン18Hの移動により第1室181Hに流入した油液Lによって変位し、第2通路191Hを構成する第2室182H内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の下室20に排出する。また、周波数感応機構130Hは、第2閉弁部494が、ハウジング481の第2通路191H内の本体底部472と、区画部材133Hとの間に、閉塞された第2圧力室を形成し、第2圧力室内の油液Lの移動を制限する。第2圧力室は、区画部材133Hの変位によって、第2閉弁部494と、第2通路191H内の本体底部472とが当接することで形成される。第2閉弁部494は、区画部材133Hに設けられ、区画部材133Hの変位後に第2通路191Hの本体底部472と当接し、当接後も区画部材133Hが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。周波数感応機構130Hは、区画部材133Hが第2通路191Hに設けられている。区画部材133Hは、第2通路191Hを、第1室181Hと第2室182Hとの間で区画する。
緩衝器1Hは、伸び行程においては、ピストン周波数に応じて、緩衝器1と同様に減衰力を可変させる。
縮み行程においては、下室20からの油液Lが、ハウジング481の通路穴478内の通路を介して第2室182Hに導入される。すると、区画部材133Hが、ハウジング481内で蓋部材451の蓋基板部462に近づくように移動する。その際に、区画部材133Hは、蓋基板部462との間に介装された第1スプリング454をハウジング481の軸方向に圧縮変形させる。
以上のような変位によって、区画部材133Hは、第2室182Hの容積を増やすことになる。ここで、区画部材133Hのこの変位時に、第1室181Hの容積は減ることになる。その際に第1室181Hの油液Lは、ロッド内通路30Hを介して上室19に流れる。
ここで、縮み行程において、区画部材133Hの変位が所定量より小さい状態では、第1閉弁部493がピストンロッド21Hから離間しており、よって、第1室181Hの全体から油液Lがロッド内通路30Hを介して上室19に流れる。
他方、縮み行程において、区画部材133Hの変位が所定量以上の状態では、第1閉弁部493が閉塞部495においてピストンロッド21Hに全周にわたって当接し、第1室181Hに、第1閉弁部493よりも径方向外側で閉じられた第1圧力室を形成する。この第1圧力室は、上室19とは連通しない。
すなわち、周波数感応機構130Hは、区画部材133Hが、縮み行程でのピストン18Hの移動により第2室182Hに流入した油液Lによって変位し、第1室181H内の少なくとも一部の油液Lをシリンダ2内の上室19に排出する。また、周波数感応機構130Hは、第1閉弁部493が、ハウジング481の第2通路191H内の蓋基板部462と、区画部材133Hとの間に、閉塞された第1圧力室を形成し、第1圧力室内の油液Lの移動を制限する。第1圧力室は、区画部材133Hの変位によって、第1閉弁部493と、第2通路191H内のピストンロッド21Hとが当接することで形成される。第1閉弁部493は、区画部材133Hに設けられ、区画部材133Hの変位後に第2通路191H内のピストンロッド21Hと当接し、当接後も区画部材133Hが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。
緩衝器1Hは、縮み行程においても、ピストン周波数に応じて、高周波数のときにはソフトになり、低周波数のときにはハードとなるように減衰力を可変させる。
第9実施形態の緩衝器1Hは、第2通路191Hに設けられて減衰力を可変させる周波数感応機構130Hが、第2通路191H内の本体底部472と、区画部材133Hとの間に閉塞された第2圧力室を形成し、第2圧力室内の油液Lの移動を制限する第2閉弁部494を有している。緩衝器1Hは、第2閉弁部494が第2通路191H内と区画部材133Hとの間に閉塞された第2圧力室を形成することによって、第2通路191Hにおける区画部材133Hの第2圧力室とは反対側の第1室181Hの圧力が高くなると、これに追従して第2圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Hの変位を抑制する。
また、緩衝器1Hは、周波数感応機構130Hが、第2通路191H内の蓋基板部462と、区画部材133Hとの間に閉塞された第1圧力室を形成し、第1圧力室内の油液Lの移動を制限する第1閉弁部493を有している。緩衝器1Hは、第1閉弁部493が第2通路191H内と区画部材133Hとの間に閉塞された第1圧力室を形成することによって、第2通路191Hにおける区画部材133Hの第1圧力室とは反対側の第2室182Hの圧力が高くなると、これに追従して第1圧力室内の圧力が高くなって、区画部材133Hの変位を抑制する。
緩衝器1Hは、伸び行程および縮み行程の両行程において、区画部材133Hの変位を抑制することができるため、区画部材133Hの耐久性を向上させることができる。また、緩衝器1Hは、区画部材133Hの変位を油液Lの圧力によって抑制するため、異音の発生を抑制できる。また、緩衝器1Hは、区画部材133Hの変位を油液Lの圧力によって緩やかに抑制することができるため、減衰力の急激な変化に起因して生じる乗り心地の低下を抑制することができる。
また、緩衝器1Hは、第2圧力室が、区画部材133Hの変位によって、第2通路191H内の本体底部472と第2閉弁部494とが当接することで形成される。緩衝器1Hは、このように区画部材133Hの変位によって第2圧力室を形成する。
また、緩衝器1Hは、第1圧力室が、区画部材133Hの変位によって、第2通路191H内のピストンロッド21Hと第1閉弁部493とが当接することで形成される。緩衝器1Hは、このように区画部材133Hの変位によって第1圧力室を形成する。
よって、緩衝器1Hは、伸び行程および縮み行程の両行程において、区画部材133Hの変位によって、第1圧力室および第2圧力室を形成せずに区画部材133Hを容易に変位させて減衰力を可変させたり、第1圧力室あるいは第2圧力室を形成して区画部材133Hの変位を抑制したりすることができる。
また、緩衝器1Hは、第2閉弁部494が、区画部材133Hに設けられ、区画部材133Hの変位後に第2通路191Hの本体底部472と当接し、当接後も区画部材133Hが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。
また、緩衝器1Hは、第1閉弁部493が、区画部材133Hに設けられ、区画部材133Hの変位後に第2通路191Hのピストンロッド21Hと当接し、当接後も区画部材133Hが変位可能となるように変形する弾性部材によって形成されている。
よって、緩衝器1Hは、区画部材133Hの変位によって第1圧力室および第2圧力室を形成することが容易にでき、また、伸び行程および縮み行程の両行程において、区画部材133Hの変位を抑制する際に、さらに緩やかに抑制することができる。
なお、第1~第9実施形態では、油圧緩衝器を例に示したが、作動流体として水や空気を用いた緩衝器にも上記構造を採用することができる。