JP7680938B2 - ポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ポリエチレン系樹脂と物理発泡剤とを混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡することにより、坪量10g/m2以上80g/m2以下のポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造する方法において、
該物理発泡剤が、ジメチルエーテルとブタンとの混合発泡剤であり、
該ブタン中のノルマルブタンの割合が80mol%を超え、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該混合発泡剤の配合量が1mol以上4mol以下であり、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該ブタンの配合量が0.1mol以上2mol以下であり、
該混合発泡剤中の、ジメチルエーテルの配合割合が30mol%以上95mol%以下であり、ブタンの配合割合が5mol%以上70mol%以下である(但し、ジメチルエーテルの配合割合とブタンの配合割合との合計は100mol%である)ことを特徴とするポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
[2]前記発泡性樹脂溶融物1kgあたりのノルマルブタンの配合量が0.10mol以上である、前記1に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
[3]前記ポリエチレン系樹脂押出発泡シートの平均厚みが0.1mm以上2mm以下であり、見掛け密度が25kg/m3以上300kg/m3以下である、前記1又は2に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造する方法。
[4]前記ポリエチレン系樹脂押出発泡シートの幅方向における長さが1m以上である、前記1~3のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
また、本発明によれば、押出発泡シートの製造直後に、該押出発泡シートをロール状に巻回しても、ロール状物の部位による押出発泡シートの厚み、幅などの寸法の変動を抑制することができる。
該ポリエチレン系樹脂発泡シートは、例えば、ポリエチレン系樹脂や必要に応じて添加される気泡調整剤等を押出機に供給して、加熱、混練して樹脂溶融物とし、該樹脂溶融物に物理発泡剤を圧入し、さらに加熱、混練して発泡性樹脂溶融物とし、該発泡性樹脂溶融物を該押出機の下流側に取付けられた環状ダイから大気中に押出発泡して筒状の発泡体を形成し、該筒状の発泡体を引き取りつつシート状に切り開くことにより製造される。
なお、低密度ポリエチレンとは、密度910kg/m3以上930kg/m3未満のポリエチレン系樹脂を意味する。
また、本明細書において、低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂とは、ポリエチレン系樹脂中の低密度ポリエチレンの含有割合が50重量%以上であることをいい、好ましくは60重量%以上、70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
本発明方法においては、該物理発泡剤として、ジメチルエーテルと、特定割合のノルマルブタンを含むブタンとが用いられる。ここで、ジメチルエーテルは、押出時における押出発泡性を大きく損なうことなく、押出発泡シートにおける可燃性発泡剤の残存量を早期に低減させやすい発泡剤である。一方で、特定割合のノルマルブタンを含むブタンは、押出時の押出発泡性に優れると共に、可燃性発泡剤の残存量が過度に多くなることを抑制しつつ、ポリエチレン系樹脂が適度に可塑化された状態で押出発泡シートを引取ることができるため、発泡体の引取安定性を高めることができ、低坪量の押出発泡シートを安定して製造しやすくすることができる発泡剤である。
従って、本発明方法によれば、ジメチルエーテルと特定割合のノルマルブタンを含むブタンとを併用することにより、低坪量の押出発泡シートを得ることができ、さらに可燃性発泡剤の残存量を少なくすることができる。
さらに、本発明においては、前述した物理発泡剤を用いることにより、前記押出発泡シートの製造直後に、押出発泡シートをロール状に巻回した場合であっても、ロール状の部位によらず、ロール状物の部位による寸法の変動が抑制された押出発泡シートを得ることができる。
本発明方法においては、該物理発泡剤として、ジメチルエーテルとブタンとを主成分として含む、ジメチルエーテルとブタンとの混合発泡剤が用いられる。
なお、本明細書において、ジメチルエーテルとブタンとを主成分とするとは、混合発泡剤中のジメチルエーテルとブタンとの含有割合の合計が、概ね80mol%以上であることをいい、より好ましくは90mol%以上、更に好ましくは95mol%以上である。
該ノルマルブタンの割合が低すぎると、押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量が増加するおそれがある。
ノルマルブタンは、押出時の押出発泡性に優れると共に、イソブタンに比べると押出発泡シートからの散逸速度が速いため、該配合割合を80mol%超とすることで、押出発泡シートのブタン残存量を早期に小さくするという効果が得られる。かかる理由により、該配合量は85mol%以上であることがより好ましく、更に好ましくは90mol%以上、特に好ましくは95mol%以上である。
該ノルマルブタンの配合量を0.10mol以上とすることで、低坪量の押出発泡シートとしつつ、押出発泡シートの見掛け密度を小さくしやすい(発泡倍率を高めやすい)と共に、押出発泡シートの厚みを調整しやすくなり、低坪量で、所定の見掛け密度及び厚みを有する押出発泡シートを安定して得やすくなる。
かかる理由により、該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該配合量は0.20mol以上であることが好ましく、より好ましくは0.30mol以上、更に好ましくは0.40mol以上、特に好ましくは0.50mol以上である。
一方、押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量をより低減できることから、該発泡性樹脂溶融物1kgあたりのノルマルブタンの配合量の上限は2.0molであることが好ましく、より好ましくは1.6molであり、さらに好ましくは1.2mol以下であり、特に好ましくは1.0molである。
該配合量が多すぎると、押出発泡シート中に残存する可燃性発泡剤(ブタン)の量が多くなり、残存する可燃性発泡剤を低減させる工程が必要となるおそれがある。
かかる理由により、該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該配合量は1.8mol以下であることが好ましく、より好ましくは1.6mol以下であり、さらに好ましくは1.2mol以下であり、特に好ましくは1.0mol以下である。
一方、押出時における押出発泡性や引取安定性をより高めやすくなり、所望とする押出発泡シートを安定して得やすくなることから、該発泡性樹脂溶融物1kgあたりのブタンの配合量の下限は、0.1molであることが好ましく、より好ましくは0.2molである。
一方、該発泡性樹脂溶融物1kgあたりのジメチルエーテルの配合量は、3.5mol以下であることが好ましく、3.0mol以下であることがより好ましく、2.5mol%以下であることがさらに好ましい。ジメチルエーテルの配合量を前記範囲とすることで、押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量をより低減しやすくなる。
一方、ブタン、特にブタン中のイソブタンの割合が高いブタンは、ジメチルエーテルに対して、押出後の押出発泡シートに残存しやすい特性を有するので、ブタンの配合割合が高すぎる場合や、ブタン中のノルマルブタンの割合が低すぎる場合には、押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量が多くなるおそれがある。
また、押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量がより低減しやすくなることから、該混合発泡剤100mol%中のイソブタンの配合割合は、10mol%以下である(但し、ジメチルエーテルの配合割合とブタンの配合割合の合計は100mol%である)ことが好ましく、5mol%以下であることが好ましく、3mol%以下であることがさらに好ましく、2mol%以下であることが特に好ましい。
該配合量が多すぎると、得られた押出発泡シート中に残存する可燃性発泡剤の量が多くなり、残存する可燃性発泡剤を低減させる工程が必要となる。かかる理由により、該配合量の上限は、3.5molであることが好ましく、3.0molであることがより好ましく、2.5molであることがさらに好ましい。
一方、該配合量が少なすぎると、低坪量で、所望される低見掛け密度を有すると共に厚みの薄い押出発泡シートを得ることが困難となる。かかる理由により、該配合量の下限は、1.2molであることが好ましく、1.4molであることがより好ましい。
前記ブロック共重合体としては、ポリオレフィンのブロックとポリエーテルのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合などの結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものが挙げられる。
前記アイオノマー樹脂は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体の分子間を、金属イオンで分子間架橋した樹脂である。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また、金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる押出発泡シートの坪量は、10g/m2以上80g/m2以下である。坪量がこの範囲内であれば、軽量であると共に、緩衝性に優れ、包装材やガラス基板間に挿入されるガラス板用間紙等として好適に用いることができる押出発泡シートを得ることができる。緩衝性を高める観点からは、該坪量は、12g/m2であることが好ましく、より好ましくは15g/m2以上であり、更に好ましくは20g/m2以上である。また、軽量性を高める観点からは、該坪量は、50g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは40g/m2以下であり、さらに好ましくは35g/m2以下であり、特に好ましくは30g/m2以下である。
緩衝性を高める観点からは、該見掛け密度は、30kg/m3以上であることが好ましく、より好ましくは50kg/m3以上であり、さらに好ましくは60kg/m3以上である。
また、軽量性を高める観点からは、該見掛け密度は、250kg/m3以下であることが好ましく、より好ましくは200kg/m3以下であり、さらに好ましくは180kg/m3以下である。
押出発泡シートの緩衝性が高いものとなる観点からは、該平均厚みは、0.12mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.15mm以上であり、さらに好ましくは0.16mm以上である。
一方、ガラス板用間紙として用いる際の積載効率が高くなる観点からは、該平均厚みは、1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.80mm以下であり、さらに好ましくは0.60mm以下であり、特に好ましくは0.50mm以下である。
具体的には、坪量が小さく、見掛け密度が低く、平均厚みが薄い押出発泡シートを製造する場合には、押出機より押出された筒状の発泡体のブローアップ比を2.0以上4.0以下とすることが好ましい。また、押出機より押出された筒状の発泡体の引取速度を10m/分以上80m/分以下、より好ましくは20m/分以上75m/分以下とすることが好ましい。また、押出機のサイズや、得ようとする押出発泡シートの幅方向における長さにもよるが、押出機より押出された発泡性樹脂溶融物の吐出量を50kg/hr以上300kg/hr以下、より好ましくは60kg/hr以上260kg/hr以下とすることが好ましい。なお、ブローアップ比(拡径比)は、環状ダイリップ部の直径に対する、マンドレル(拡幅装置)の直径の比( マンドレルの直径/ 環状ダイリップ部の直径) を意味する。
本発明においては、前述した発泡剤を用いることにより、押出発泡シートの製造時においては、押出された樹脂の伸びを確保して、引取安定性を維持しつつ、押出発泡シートから早期に散逸する発泡剤の割合を高めることができ、押出発泡シート中の発泡剤の残存量を早期に低下させることができる。
幅方向における長さを前記範囲とすることで、押出発泡シートが広幅なものとなり、間紙や包装材等、各種用途に好適に用いることができる。また、幅方向における長さが前記範囲の押出発泡シートをロール状に巻回することにより、多くの押出発泡シートを効率的に巻回することができ、生産性を高めることができる。また、該押出発泡シートの幅方向における長さの上限は、概ね5mであることが好ましく、4mであることがより好ましい。
また、本発明によれば、幅方向における長さが前記範囲となるような、広幅の押出発泡シートを製造直後にロール状物とした場合であっても、ロール状物全体にわたって発泡剤の残存量が少ないと共に、ロール状物の部位による厚みの変動が抑制された押出発泡シートを得ることができる。
なお、押出発泡シートの幅方向とは、押出発泡シートの押出方向及び厚み方向に対して、直交する方向である。
押出発泡シートの幅方向における長さは、次のようにして測定される。押出発泡シートに対して、押出方向に沿って無作為に選択された3箇所以上について、押出発泡シートの幅方向における長さをそれぞれ測定し、算出した該3箇所以上の測定値を算術平均することにより、押出発泡シートの幅方向における長さを求めることができる。
また、押出発泡シートに残存する発泡剤の残存量をより低減できると共に、経時による押出発泡シートの厚みや幅方向長さの寸法変化をより抑制するためには、押出発泡シートの独立気泡率は、1%以上10%以下であることが好ましく、1%以上8%以下であることがより好ましく、1%以上5%以下であることがさらに好ましい。
Va:測定に使用した発泡シートの見掛け容積(cm3)
W:試験片における発泡シートの質量(g)
ρ:押出発泡シートを構成する樹脂の密度(g/cm3)
押出発泡シートに残存する可燃性発泡剤の残存量の測定方法については、後述する実施例で説明する。
本発明方法においては、ポリエチレン系樹脂と、気泡調整剤と、必要に応じて配合される添加剤とを押出機に供給し加熱溶融して樹脂溶融物が形成され、次いで、該樹脂溶融物に物理発泡剤を圧入し、更に混練して発泡性樹脂溶融物が形成される。次いで、押出機内において発泡性樹脂溶融物を発泡可能な温度(樹脂温度)に調整し、環状ダイに導入してダイ先端のリップ部から低圧域の大気中に押出し、発泡性樹脂溶融物を発泡させて筒状発泡体とする。この筒状発泡体を、筒状の拡幅装置(マンドレル)にて拡径(ブローアップ)しつつ、引取機で引取りながら押出方向に沿って切り開くことにより、押出発泡シートを得ることができる。
まず、ポリエチレン系樹脂を供給口2から押出機1に供給する。このとき、必要に応じて、気泡調整剤等の他の成分を適宜添加される。物理発泡剤は、発泡剤注入口3から押出機1に注入される。押出機1でポリエチレン系樹脂を溶融させると共に、ポリエチレン系樹脂と、物理発泡剤およびその他の成分とを混練し、ポリエチレン系樹脂溶融物が形成される。
前記ポリエチレン系樹脂と物理発泡剤とを混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡することにより押出発泡シートを形成し、該押出発泡シートをロール状に巻回することにより、坪量10g/m2以上80g/m2以下の押出発泡シートのロール状物を製造する方法において、
該物理発泡剤が、ジメチルエーテルとブタンとの混合発泡剤であり、
該ブタン中のノルマルブタンの配合割合が80mol%を超え、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該混合発泡剤の配合量が1mol以上4mol以下であり、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該ブタンの配合量が2mol以下であり、
該混合発泡剤中の、ジメチルエーテルの配合割合が30mol%以上95mol%以下であり、ブタンの配合割合が5mol%以上70mol%以下である(但し、ジメチルエーテルの配合割合とブタンの配合割合の合計は100mol%である)。
本発明においては、幅方向における長さが前記範囲となるような、広幅の押出発泡シートを製造直後にロール状物とした場合であっても、ロール状物全体にわたって発泡剤の残存量が少ないと共に、ロール状物の部位による押出発泡シートの厚みや幅等の変動が抑制されたロール状物を得ることができる。
一方、本発明においては、前述した物理発泡剤を用いることにより、ブタンのみを用いて発泡性樹脂溶融物を発泡させた場合に比べて、該押出発泡シートをロール状に巻き取る前の段階での、押出発泡シート中に残存する可燃性発泡剤の量を少なくすることができる。そのため、押出発泡シートをロール状に巻回した直後から、または短期間の養生により、ロール状物中に残存する可燃性発泡剤の残存量を所望の量以下とすることができる。
一方、本発明においては、坪量が小さい押出発泡シートを、前述した物理発泡剤を用いて製造するので、押出機から押出された直後(押出発泡シートをロール状に巻回する前)に、物理発泡剤の多くが押出発泡シートから散逸する。
このような押出発泡シートが引取られて巻回されたロール状物は、巻回時の段階で厚みや幅等の寸法が一定の狭い範囲内に収まり、経時による押出発泡シートへの空気の侵入は起こるものの、経時による押出発泡シートの寸法の変動が生じにくくなるものと考えられる。そのため、前記押出発泡シートの製造直後に、押出発泡シートをロール状に巻回した場合であっても、ロール状の部位によらず、ロール状物の部位による寸法の変動が抑制された押出発泡シートを得ることができるものと考えられる。
この場合、前記樹脂層形成用樹脂溶融物は、ポリエチレン系樹脂と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂溶融物であることが好ましい。前記揮発性可塑剤としては、炭素数3~6の炭化水素及び/又は炭素数2のアルコールを用いることが好ましく、ブタンを用いることがより好ましく、ノルマルブタンの割合が80mol%を超えるブタンを用いることがさらに好ましい。また、前記揮発性可塑剤中のブタンの割合が50mol%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましい。前記揮発性可塑剤を用いることで、前記混合発泡剤を用いた場合であっても、押出発泡シートに過度なコルゲートが発生することを抑制でき、外観が良好で、所望とする坪量を有する押出発泡シートをより安定して得ることができる。押出発泡シートの引取安定性を高めつつ、押出発泡シートに残留する可燃性発泡剤の量を低減する観点からは、発泡性樹脂溶融物1kgあたりのジメチルエーテルの配合量に対する、樹脂層形成用樹脂溶融物1kgあたりの揮発性可塑剤の配合量の比は、2以上10以下であることがより好ましい。
また、帯電防止性能を有する押出発泡シートを得る観点からは、前記樹脂層形成用樹脂溶融物は、前述した高分子型帯電防止剤を含むことが好ましい。この場合、前記樹脂層形成用樹脂溶融物における高分子型帯電防止剤の配合割合は、ポリエチレン系樹脂と該高分子帯電防止剤との合計100重量%に対して、5~50重量%であることが好ましく、8~30重量%であることがより好ましい。
多層の押出発泡シートにおいて、前記樹脂層は、前記発泡層の片面のみに積層されていてもよく、前記発泡層の両面に積層されていてもよい。
(ポリエチレン系樹脂)
(1)ポリエチレン系樹脂(LDPE):低密度ポリエチレン、株式会社NUC社製、NUC-8009、MFR(190℃、荷重2.16kg)9.0g/10min、190℃における溶融張力20mN、融点107℃)
(1)ノルマルブタン:株式会社 小池化学製
(2)混合ブタン(ノルマルブタン70mol%とイソブタン30mol%との混合物):株式会社 小池化学製
(3)ジメチルエーテル:株式会社 小池化学製
大日精化工業株式会社製「化学発泡剤:商品名ファインセルマスターPO217K」
ポリエチレン系樹脂「LDPE」100重量部と、前記気泡調製剤0.05重量部とを前記第一押出機に供給し、加熱、溶融、混練して樹脂溶融物とし、次いで該樹脂溶融物に表1に示す種類、配合量の物理発泡剤を圧入し、加熱混練し、温度を約200℃に調整して発泡性樹脂溶融物とした。該発泡性樹脂溶融物を、第一押出機の下流側に連結した直径120mmの第二押出機に移送し、冷却して樹脂温度111℃の発泡性樹脂溶融物とした。
各実施例および各比較例における発泡剤の種類、配合量を表1に示す。
得られた押出発泡シートに対して、40℃、大気圧、フリー状態の条件下で72時間養生を行った。その後に平均厚み(養生後平均厚み)、幅方向長さ(養生後幅方向長さ)坪量、見掛け密度、独立気泡率を測定した。結果を表2に示す。
また、得られたロール状物を40℃、大気圧の条件下で、製造後から3日間養生した後の押出発泡シートの厚み(巻き外、巻き中、巻き内)を測定した結果を表4に示す。
また、得られたロール状物を40℃、大気圧の条件下で、製造後から3日間養生した後の押出発泡シートの幅方向における長さ(巻き外、巻き中、巻き内)を測定した結果を表5に示す。
また、得られた押出発泡シート及びロール状物は、可燃性発泡剤の残存量が極めて少ないものであった。
また、得られたロール状物は、巻き外、巻き中、巻き内における、押出発泡シートの厚みの最大値と最小値との差(R値)、及び押出発泡シートの幅方向における長さの最大値と最小値との差(R値)が小さいものであった。
また、得られた押出発泡シート及びロール状物は、可燃性発泡剤の残存量が少ないものであった。
また、得られたロール状物は、巻き外、巻き中、巻き内における、押出発泡シートの厚みの最大値と最小値との差(R値)、及び押出発泡シートの幅方向における長さの最大値と最小値との差(R値)が小さいものであった。
また、得られたロール状物は、巻き外、巻き中、巻き内における、押出発泡シートの厚みの最大値と最小値との差(R値)、及び押出発泡シートの幅方向における長さの最大値と最小値との差(R値)が実施例に対して、大きいものであった。
また、得られたロール状物は、巻き外、巻き中、巻き内における、押出発泡シートの厚みの最大値と最小値との差(R値)、及び押出発泡シートの幅方向における長さの最大値と最小値との差(R値)が実施例に対して、大きいものであった。
なお、平均厚みは、40℃、大気圧の条件下で3日間養生した後の押出発泡シートに対して、押出方向に沿って無作為に選択された3箇所について、幅方向に沿って50mm間隔で厚みを測定し、各箇所における厚みの算術平均値をそれぞれ算出した後、これらの値を算術平均することにより算出した。
押出発泡シートの幅方向における長さは、40℃、大気圧の条件下で3日間養生した後の押出発泡シートに対して、押出方向に沿って無作為に選択された10箇所について、押出発泡シートの幅方向における長さをそれぞれ測定し、算出した10箇所の測定値を算術平均することにより、押出発泡シートの幅方向における長さを5mm単位で算出した。
坪量は、押出発泡シートを100mm×100mmの寸法に切り出して試験片を作製し、該試験片の面積(m2)および試験片の質量(g)を測定し、質量(g)を面積(m2)で除することにより求めた。
まず、押出直後の押出発泡シートあるいは、40℃、大気圧の条件下で、所定期間養生した後のロール状物の巻き中における、押出発泡シートの幅方向中央部付近から、測定サンプルを約0.3g採取し、測定用ガラス瓶内に封入した。次に、GLサイエンス社製ヘッドスペースガスクロマトグラフ「GC353B」を用いて、FID法により押出発泡シートに残存する各発泡剤の残存量の定量分析を実施した。
測定においては、VARIAN社製カラム「CP-PoraPLOTQ 型式CP-7553」を用いた。温度160℃でガラス瓶内の測定サンプルを溶融させて発泡剤を脱気させた後、温度50℃のカラムへ発泡剤を流入させて、各発泡剤成分を分離した後、FID検出器により各発泡剤を定量した。
なお、巻き外はロール状物の表面部付近の部位であり、巻き中はロール状物の芯管の外表面とロール状物の最表面との中間付近に位置する部位であり、巻き内はロール状物の巻芯付近に位置する部位である。
ノルマルブタンの配合量を1.0mol/kg、ジメチルエーテルの配合量を2.3mol/kg、発泡性樹脂溶融物の吐出量を74kg/hr、引取速度を48m/minとした以外は、実施例1と同様に押出発泡シートを製造し、更に押出発泡シートを巻きとり、ロール状物を得た。得られた押出発泡シートの平均厚みは0.83mm、坪量は26g/m2、見掛け密度は31kg/m3、独立気泡率は42%であった。
ジメチルエーテルを使用せず、ノルマルブタンを混合ブタンに変更し、混合ブタンの配合量を3.33mol/kgとした以外は、実施例4と同様に押出発泡シート及びロール状物を製造した。得られた押出発泡シートの平均厚みは0.97mm、坪量は27g/m2、見掛け密度は27kg/m3、独立気泡率は49%であった。
前記より、実施例4で得られた押出発泡シートは、比較例5で得られた押出発泡シートに対して、同等の物性を有する一方、押出発泡シートに残存する物理発泡剤の残存量が大幅に低減されていた。
前記より、実施例4で得られたロール状物は、比較例5で得られたロール状物に対して、ロール状物の各部位における、寸法の変動が抑制されたものであった。
製造装置として、発泡層形成用の押出機として直径90mmの第一押出機と直径120mmの第二押出機2台の押出機が直列に接続されたタンデム押出機を使用し、樹脂層形成用の押出機として直径40mmの第三押出機を使用し、第二押出機の出口と第三押出機の出口が共押出用環状ダイに接続された装置を用いた。共押出用環状ダイは、ダイ中間部で樹脂層形成用樹脂溶融物が、筒状に流れる発泡層形成用発泡性樹脂溶融物の内側及び外側に合流積層される構造を有し、ダイ出口のリップの直径は94mmである。また、環状ダイの下流側に直径350mmのマンドレルを配置した。マンドレルとしては、筒状の発泡体を切断するカッター刃が設けられたものを用いた。
他方、ポリエチレン系樹脂「LDPE」85重量部と、高分子型帯電防止剤(三洋化成工業株式会社製「ペレクトロンLMP」)15重量部とを第三押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融混練して樹脂溶融物とした。次いで、該樹脂溶融物に揮発性可塑剤としてノルマルブタンを圧入し、さらに混練した後、約120℃に樹脂温度を調整して樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。この際、樹脂層形成用樹脂溶融物1kgあたりの、ノルマルブタンの配合量は2.9mol/kgとした。
この筒状積層発泡体を直径350mmの筒状拡幅装置(マンドレル)にて拡幅比3.8で拡幅しながら、引取機で引取速度52m/minで引き取り、さらに筒状積層発泡体を押出方向に沿って切り開くことにより、ポリエチレン系樹脂発泡層と、該発泡層の両面に積層接着されたポリエチレン系樹脂層とを有する、幅約1090mmの、多層のポリエチレン系樹脂押出発泡シートを得た。次に、芯管(外径80mm)を使用して、得られた押出発泡シートを巻き取り、押出方向における発泡シートの長さ250m、直径約250mmのロール状物を得た。
また、押出発泡シートの、押出直後の発泡剤の残存量の合計は0.0004mol/kgであった。
また、実施例5で得られたロール状物を40℃、大気圧下で、製造後から3日間養生した後の押出発泡シートの平均厚み及び幅方向における長さ(巻き外、巻き中、巻き内)を測定し、平均厚みの最大値と最小値との差(R値)と、幅方向における長さの最大値と最小値との差(R値)を求めたところ、平均厚みのR値は0.01mm、幅方向における長さのR値は5mmであった。
2 供給口
3 発泡剤注入口
4 環状ダイ
5 マンドレル
6 カッター刃
7 筒状の発泡体
8 ポリエチレン系樹脂押出発泡シート
Claims (4)
- ポリエチレン系樹脂と物理発泡剤とを混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡することにより、坪量10g/m2以上80g/m2以下のポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造する方法において、
該物理発泡剤が、ジメチルエーテルとブタンとの混合発泡剤であり、
該ブタン中のノルマルブタンの割合が80mol%を超え、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該混合発泡剤の配合量が1mol以上4mol以下であり、
該発泡性樹脂溶融物1kgあたりの該ブタンの配合量が0.1mol以上2mol以下であり、
該混合発泡剤中の、ジメチルエーテルの配合割合が30mol%以上95mol%以下であり、ブタンの配合割合が5mol%以上70mol%以下である(但し、ジメチルエーテルの配合割合とブタンの配合割合との合計は100mol%である)ことを特徴とするポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
- 前記発泡性樹脂溶融物1kgあたりのノルマルブタンの配合量が0.10mol以上である、請求項1に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
- 前記ポリエチレン系樹脂押出発泡シートの平均厚みが0.1mm以上2mm以下であり、見掛け密度が25kg/m3以上300kg/m3以下である、請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造する方法。
- 前記ポリエチレン系樹脂押出発泡シートの幅方向における長さが1m以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
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