JP7680957B2 - ペントシジンの測定方法及び測定用キット - Google Patents
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Description
[1]
検体中のペントシジンの測定方法であって、
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質とを接触させる工程、及び
前記接触により生じた変化を検出する工程、
を含み、前記アミノ酸分解酵素と前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は異なる、測定方法。
[2]
前記検出工程において、酸素、過酸化水素又はアンモニアの量の変化が検出される、[1]に記載の測定方法。
[3]
前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が、以下の理化学的性質:
(1)作用:ペントシジンを酸化的に分解する活性;及び
(2)SDS-PAGEによる分子量:75,000~85,000
を有する、[1]又は[2]に記載の測定方法。
[4]
前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が以下の(a)~(f):
(a)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(c)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列と75%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質;
(d)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列と75%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(e)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質;あるいは
(f)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるタンパク質;
からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である、[1]~[3]のいずれかに記載の測定方法。
[5]
前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が、糸状菌に由来する、[1]~[4]のいずれかに記載の測定方法。
[6]
前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質がペントシジンオキシダーゼであり、
前記アミノ酸分解酵素が、検体に含まれるアミノ酸を分解し、前記アミノ酸が、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択される、[1]~[5]のいずれかに記載の測定方法。
[6’]
前記アミノ酸分解酵素が、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択されるアミノ酸を分解する、[1]~[5]のいずれかに記載の測定方法。
[7]
前記アミノ酸分解酵素が分解するアミノ酸が、前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質の、ペントシジンに対する活性を100%とした場合に、ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が40%以上の相対的活性を有するアミノ酸である、[1]~[6]のいずれかに記載の測定方法。
[8]
前記アミノ酸分解酵素が、アミノ酸オキシダーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、アミノ酸デカルボキシラーゼ、アミノ酸アンモニアリアーゼ、アミノ酸オキシゲナーゼ及びアミノ酸ヒドロラーゼからなる群から選択される、[1]~[7]のいずれかに記載の測定方法。
[9]
(i)アミノ酸分解酵素;及び
(ii)ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質
を含む、検体中のペントシジン測定用キット。
[10]
前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が以下の(a)~(f):
(a)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(c)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列と75%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質;
(d)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列と75%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(e)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列の1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質;あるいは
(f)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるタンパク質;
からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である[9]に記載のキット。
[11]
前記アミノ酸分解酵素が、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択されるアミノ酸を分解する酵素である、[9]又は[10]に記載のキット。
[12]
検体由来のペントシジンの反応生成物の製造方法であって、
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質とを接触させる工程
を含み、前記アミノ酸分解酵素と前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は異なる、方法。
[13]
前記アミノ酸分解酵素が、ジャンボアメフラシ(Aplysia californica)由来エスカピン(Escapin)及び/又はヒガシダイヤガラガラヘビ(Crotalus adamanteus)由来アミノ酸オキシダーゼを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の測定方法。
[14]
前記アミノ酸分解酵素が、検体に含まれるアミノ酸を分解し、前記アミノ酸が、アスパラギン、グルタミン及びヒスチジンから選択される、[1]~[8]のいずれかに記載の測定方法。
[14’]
前記アミノ酸分解酵素が、アスパラギン、グルタミン及びヒスチジンから選択されるアミノ酸を分解する、[1]~[7]のいずれかに記載の測定方法。
[15]
さらに、(iii)過酸化水素検出用試薬、アンモニア検出試薬、ペントシジンの脱アミノ化生成物検出用試薬及び酸素検出用試薬から選択される少なくとも一つを含む、[9]~[11]のいずれかに記載のキット。
一態様において、本実施形態は、検体中のペントシジンの測定方法に関する。
ペントシジンは、上記のとおり、ペントースと等モルのリジンとアルギニンが架橋した構造を有する。本実施形態の測定方法において用いられる、「ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質」は、そのような分解活性を有するタンパク質であれば限定されず、ペントシジンオキシダーゼ活性を有するペントシジンオキシダーゼ及びペントシジンデヒドロゲナーゼ活性を有するペントシジンデヒドロゲナーゼを含む。
ペントシジンオキシダーゼは、上記した酵素活性を有するものであれば、アミノ酸配列については特に限定されない。例えば、上記したペントシジンオキシダーゼ活性を有する酵素の一態様として配列番号2、配列番号4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。以降、配列番号2及び配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質をそれぞれペントシジンオキシダーゼ1(又はPenOX1)及びペントシジンオキシダーゼ2(又はPenOX2)という場合がある。ペントシジンオキシダーゼ1をコードする遺伝子(g4462)は6つのエキソン及び5つのイントロンで構成されると予想され、一方、ペントシジンオキシダーゼ2をコードする遺伝子(g10122)は2つのエキソン及び1つのイントロンで構成されることが予想される。
ペントシジンオキシダーゼをコードする遺伝子(以下、「ペントシジンオキシダーゼ遺伝子」とよぶ場合がある。)は、上記したペントシジンオキシダーゼ活性を有する酵素が有するアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むものでれば特に限定されない。一部の態様において、ペントシジンオキシダーゼ遺伝子を形質転換体内で発現させることによりペントシジンオキシダーゼが生産される。
塩基配列やアミノ酸配列の配列同一性を求める方法は特に限定されないが、例えば、通常知られている方法を利用して、野生型遺伝子や野生型遺伝子によってコードされる酵素のアミノ酸配列と対象となる塩基配列やアミノ酸配列とをアラインメントし、両者の配列の一致率を算出するためのプログラムを用いることにより求められる。
酵素をコードする遺伝子は、ペントシジンオキシダーゼ生産能がある生物種に由来する。酵素をコードする遺伝子の由来生物としては、例えば、糸状菌などの微生物などが挙げられる。ペントシジンオキシダーゼ生産能を有する微生物の具体例としては、サロクラディウム属(Sarocladium属)などが挙げられる。
・SDS-PAGEによる分子量:75,000~85,000
・至適pH:pH約6.5~8.0
なお、至適pHは酵素が最も好適に作用するpHであって、ペントシジンオキシダーゼは上記範囲以外のpHでも作用し得る。
・至適温度:約37~50℃
なお、至適温度は酵素が最も好適に作用する温度であって、ペントシジンオキシダーゼは上記温度範囲以外の温度でも作用し得る。
・温度安定性:30℃で10分間保存した場合、ペントシジンオキシダーゼ活性が90%以上保持される。40℃で10分間保存した場合、ペントシジンオキシダーゼ活性が50%以上保持される。
・pH安定性:pH4.0~9.0の範囲でペントシジンオキシダーゼ活性が60%以上保持される。
・Km値:ペントシジンに対するKm値が1mM以下である。
Km値とはミカエリス定数であって、その具体的な算出方法は特に限定されず、公知の方法を自由に選択して算出することができる。例えば、後述する実施例9に記載の方法のように、ラインウェーバー・バークプロットによる方法で描かれるミカエリス-メンテンの式に従ってKm値を算出することができる。
酵素をコードする遺伝子は、適当な公知の各種ベクター中に挿入することができる。さらに、このベクターを適当な公知の宿主生物に導入して、酵素をコードする遺伝子を含む組換えベクター(組換え体DNA)が導入された形質転換体を作製できる。酵素をコードする遺伝子の取得方法や、酵素をコードする遺伝子の塩基配列、酵素のアミノ酸配列情報の取得方法、各種ベクターの製造方法や形質転換体の作製方法などは、当業者にとって適宜選択することができる。また、本明細書で使用する場合、形質転換や形質転換体にはそれぞれ形質導入や形質導入体が包含される。酵素をコードする遺伝子のクローニングの一例を非限定的に後述する。
酵素をコードする遺伝子を含む組換えベクター(組換え体DNA)は、酵素をコードする遺伝子のいずれかを含むPCR増幅産物と各種ベクターとを、酵素をコードする遺伝子の発現が可能な形で結合することにより構築することができる。例えば、適当な制限酵素で酵素をコードする遺伝子のいずれかを含むDNA断片を切り出し、該DNA断片を適当な制限酵素で切断したプラスミドと連結することにより構築することができる。または、プラスミドと相同的な配列を両末端に付加した該遺伝子を含むDNA断片と、インバースPCRにより増幅したプラスミド由来のDNA断片とを、In-Fusion HD Cloning Kit(クロンテック社製)などの市販の組換えベクター作製キットを用いて連結させることにより得ることができる。
形質転換体の作製方法は特に限定されず、例えば、常法に従って、酵素をコードする遺伝子が発現する態様で宿主生物に挿入する方法などが挙げられる。一部の態様において、酵素をコードする遺伝子のいずれかを発現誘導プロモーター及びターミネーターの間に挿入したDNAコンストラクトを作製し、次いで酵素をコードする遺伝子を含むDNAコンストラクトで宿主生物を形質転換することにより、酵素をコードする遺伝子を過剰発現する形質転換体が得られる。本明細書では、宿主生物を形質転換するために作製された、発現誘導プロモーター-酵素をコードする遺伝子-ターミネーターからなるDNA断片及び該DNA断片を含む組換えベクターをDNAコンストラクトと総称してよぶ。
宿主生物としては、酵素をコードする遺伝子を含むDNAコンストラクトによる形質転換により、酵素を生産することができる生物であれば特に限定されない。例えば、微生物や植物などが挙げられ、微生物としては、アスペルギルス(Aspergillus)属微生物、エシェリキア(Escherichia)属微生物、サッカロマイセス(Saccharomyces)属微生物、ピキア(Pichia)属微生物、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属微生物、ジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属微生物、トリコデルマ(Trichoderuma)属微生物、ペニシリウム(Penicillium)属微生物、クモノスカビ(Rhizopus)属微生物、アカパンカビ(Neurospora)属微生物、ムコール(Mucor)属微生物、アクレモニウム(Acremonium)属微生物、フザリウム(Fusarium)属微生物、ネオサルトリア(Neosartorya)属微生物、ビッソクラミス(Byssochlamys)属微生物、タラロミセス(Talaromyces)属微生物、アジェロミセス(Ajellomyces)属微生物、パラコッシディオイデス(Paracoccidioides)属微生物、アンシノカルプス(Uncinocarpus)属微生物、コッシディオイデス(Coccidioides)属微生物、アルフロデルマ(Arthroderma)属微生物、トリコフィトン(Trichophyton)属微生物、エクソフィラ(Exophiala)属微生物、カプロニア(Capronia)属微生物、クラドフィアロフォラ(Cladophialophora)属微生物、マクロホミナ(Macrophomina)属微生物、レプトスファエリア(Leptosphaeria)属微生物、ビポラリス(Bipolaris)属微生物、ドチストローマ(Dothistroma)属微生物、ピレノフォラ(Pyrenophora)属微生物、ネオフシコッカム(Neofusicoccum)属微生物、セトスファエリア(Setosphaeria)属微生物、バウドイニア(Baudoinia)属微生物、ガエウマノミセス(Gaeumannomyces)属微生物、マルッソニナ(Marssonina)属微生物、スファエルリナ(Sphaerulina)属微生物、スクレロチニア(Sclerotinia)属微生物、マグナポルセ(Magnaporthe)属微生物、ヴェルチシリウム(Verticillium)属微生物、シュードセルコスポラ(Pseudocercospora)属微生物、コレトトリカム(Colletotrichum)属微生物、オフィオストーマ(Ophiostoma)属微生物、メタルヒジウム(Metarhizium)属微生物、スポロスリックス(Sporothrix)属微生物、ソルダリア(Sordaria)属微生物、アラビドプシス(Arabidopsis)属植物などが挙げられ、微生物及び植物が好ましい。ただし、どのような場合であっても、宿主生物からヒトは除かれる。
サロクラディウム属由来の酵素をコードする遺伝子としては、例えば、配列番号1及び3に記載の塩基配列をそれぞれ有する遺伝子g4462及びg10122が挙げられる。なお、ペントシジンオキシダーゼ1タンパク質(PenOX1)及びペントシジンオキシダーゼ2タンパク質(PenOX2)のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号2及び配列番号4として示す。
形質転換体の一態様は、微生物や植物などを宿主生物として、遺伝子のいずれか一つ、又はこれらの組み合わせが挿入されており、かつ、該挿入された遺伝子を発現するように形質転換した形質転換体である。
本実施形態のペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は、ペントシジンに対して高い分解活性(基質特異性)を有し、その他のアミノ酸に対する分解活性を有し得る。例えば、以下に限定されるものではないが、一態様において、本実施形態のペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は、ペントシジンに対する活性を100%とした場合に、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択される1以上、2以上、3以上、4以上又は5以上のアミノ酸あるいはこれら全てのアミノ酸に対する相対的な活性が、40%以上、50%以上又は60%以上である。さらに、一態様において、本実施形態のペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は、ペントシジンに対する活性を100%とした場合に、アスパラギン、グルタミン及びヒスチジンから選択される1以上又は2以上のアミノ酸あるいはこれら全てに対する活性が、10%以上又は20%以上の相対的活性を有する。
本実施形態に係るペントシジンの測定方法は:
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質とを接触させる工程、及び
前記接触により生じた変化を検出する工程、を含む。
本実施形態の測定方法は、検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程を含む。ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質との接触に先立って、アミノ酸分解酵素による分解を行うことで、ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が他のアミノ酸と反応することに起因する測定誤差を減少させ、より正確なペントシジンの測定が可能となる。
一態様において、ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質の、ペントシジンに対する活性を100%とした場合に、ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質が5%以上、10%以上、20%以上、40%以上又は60%以上の相対的活性を有するアミノ酸を分解するアミノ酸分解酵素を用いることができる。
・アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択される1以上のアミノ酸に対する活性を100%とした場合に、同条件下でのペントシジンに対する相対的活性が、30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下であるアミノ酸分解酵素。
・アミノ酸分解酵素の組み合わせであって、組み合わせた酵素のアルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンのうち任意のアミノ酸に対する活性を100%とした場合に、同条件下でのペントシジンに対する相対的活性が、30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である組み合わせ。
・Escapin又はこれと同様の基質特異性を示すその改変体と、ヒガシダイヤガラガラヘビ由来L-アミノ酸オキシダーゼ又はこれと同様の基質特異性を示すその改変体との組み合わせ。
・Escapin又はこれと同様の基質特異性を示すその改変体と、ヒガシダイヤガラガラヘビ由来L-アミノ酸オキシダーゼ又はこれと同様の基質特異性を示すその改変体に、さらに、ヒスチジンデカルボキシラーゼ、アスパラギナーゼ、アスパラギン酸デカルボキシラーゼ、グルタミナーゼ及びグルタミン酸デカルボキシラーゼから選択される1以上、2以上、3以上、4以上又はこれら全ての酵素を加えた組み合わせ。
例えば、アミノ酸分解酵素としてアミノ酸オキシダーゼを用いる場合、その量は、検体中に含まれるアミノ酸の量や反応条件などにより適宜選択することができ、0.001~50U/ml、好ましくは0.01~10U/mlである。pHは、使用するアミノ酸オキシダーゼが作用する範囲を考慮して、例えば、pH3~12、好ましくはpH4~11に調整することができる。pH調整剤及び緩衝液としては、検体及び調節pHに応じて公知の任意のものを用いることができる。反応温度は、使用するアミノ酸オキシダーゼの至適温度範囲を考慮して、例えば、15~65℃、好ましくは20~60℃を採用することができる。反応時間は、所望のアミノ酸を分解するのに十分な時間であればよく、例えば1~120分間、好ましくは2~60分間反応を行なうことができる。
例えば、ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質としてペントシジンオキシダーゼを用いる場合、その量は、検体中に含まれ得るペントシジンの量や反応条件などにより適宜選択されるが、0.001~50U/ml、好ましくは0.01~10U/mlである。pHは、使用するペントシジンオキシダーゼが作用する範囲を考慮して、例えば、pH4~10、好ましくはpH5.5~9に調整することができる。pH調整剤及び緩衝液としては、検体及び調節pHに応じて公知の任意のものを用いることができる。反応温度は、使用するペントシジンオキシダーゼの至適温度範囲を考慮して、例えば、20~60℃、好ましくは30~55℃を採用することができる。反応時間は、所望のアミノ酸を分解するのに十分な時間であればよく、例えば1~120分間、好ましくは2~60分間、反応を行なうことができる。
(A)水と酸素の存在下、検体にペントシジンオキシダーゼを作用させる工程;及び
(B)上記ペントシジンオキシダーゼの作用による反応生成物又は反応消費物の少なくとも一種の量を計測する工程
を含み得る。
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質とを接触させる工程
を含み、前記アミノ酸分解酵素と前記ペントシジンを酸化的に分解する活性を有するタンパク質は異なる、方法にも関する。
各工程は、ペントシジンの測定方法に関する記載を参照して実施することができる。
・使用培地
MEA培地:Malt extract agar(Oxoid社製)を50g/Lとなるよう蒸留水に溶解した。
YMG培地:Yeast extract 0.4%、Malt extract 1%、グルコース 0.4%、pH5.5
-80℃で保存されたサロクラディウム・エスピー(Sarocladium sp.) F10012株をMEA培地に塗布し、24℃で7~10日間、十分量の菌糸が得られるまで静置培養した。得られた菌糸を1Lフラスコ中のYMG培地250mLに接種し、30℃で3日間振とう培養した。
菌体を培養したYMG培地を、Miracloth(メルクミリポア社製)を用いてろ過することで菌体を取り除き、培養上清を取得した。培養上清を限外ろ過膜(Vivaspin 20-3k、GEヘルスケア社製)を用いて濃縮し、50mM リン酸カリウムバッファー(pH7.5)で希釈する工程を複数回繰り返すことで低分子を除去するとともに、YMG培地をリン酸カリウムバッファーに置換した。
バッファー置換した粗酵素液を、イオン交換クロマトグラフィー用カラム(HiTrap Q Sepharose Fast Flow 1mL、GEヘルスケア社製)を用いて分画した。具体的な手順は、以下のとおりである。
・酵素粗精製液の活性測定
イオン交換クロマトグラフィー用のカラムより溶出した液をサンプルとし、活性を測定した。サンプル50μLを、100mM リン酸カリウムバッファー(pH8.0)に溶解した4mM ペントシジン(遊離体換算)(ペプチド研究所社製、3トリフルオロアセテート(TFA)塩を使用。)25μL及びオキシダーゼ発色試薬(4U/mL ペルオキシダーゼ(TOYOBO社製)、1.8mM 4-アミノアンチピリン(Fluka社製)、2mM TOOS(Dojindo社製))25μLと混合し、室温で反応させた。
酵素粗精製液のペントシジンオキシダーゼ活性を、様々な濃度の基質を用いて測定することで、基質の濃度に対する活性の推移を評価した。用いた基質溶液の濃度は、0.13mM、0.25mM、0.5mM、1.0mM、2.0mM及び4.0mMである。
酵素粗精製液を80℃で1時間熱処理をすることにより、タンパク質を変性させた。この加熱処理サンプルのペントシジンオキシダーゼ活性を上述の活性測定方法にのっとって測定し、未加熱のサンプルの活性と比較した。
サロクラディウム・エスピー(Sarocladium sp.)の培養上清をイオン交換クロマトグラフィー用カラムで分画したサンプルについて、ペントシジンとの反応性を解析した。その結果、0.25M 塩化ナトリウムを含むリン酸カリウムバッファーで溶出したElution1に強い活性が認められ、ペントシジンオキシダーゼが含まれていることが示唆された。このElution1に対し、基質濃度依存性試験(図1)及び熱失活試験(図2)を行ったところ、酵素活性は基質濃度依存的に上昇し、さらに加熱処理により完全に失活することが明らかとなった。このことから、Elution1にみられるペントシジンオキシダーゼ活性は、酵素由来のものであることが示された。
上記結果と、サロクラディウム・エスピー(Sarocladium sp.)の全ゲノム配列情報に基づき、ペントシジンオキシダーゼであると推測される、2種類の遺伝子(配列番号1及び配列番号3)とそのアミノ酸配列(配列番号2及び配列番号4)が特定された。
上記で特定された2種のペントシジンオキシダーゼについて、酵素活性を解析するために麹菌アスペルギルス・ソーヤを宿主として異種組換発現を行った。
配列番号2と配列番号4のアミノ酸配列を基に麹菌発現用にコドン改変した配列番号5と6の塩基配列を人工遺伝子合成によりそれぞれ取得した。
上記で取得した形質転換用プラスミドp19-pG3-penox1及びp19-pG3-penox2を用いて、アスペルギルス・ソーヤのpyrG遺伝子破壊株(pyrG遺伝子の上流48bp、コード領域896bp、下流240bp欠損株)に対しプロトプラストPEG法により形質転換を行い、penox1及びpenox2の発現カセットが多コピーで挿入されたアスペルギルス・ソーヤ形質転換株As-penox1株を9株、As-penox2株を6株取得した。
各As-penox1株及びAs-penox2株の培養液をMiracloth(メルクミリポア社製)を用いてろ過し、培養上清を取り除いて菌体を取得した。15mLの10mMリン酸カリウムバッファー(pH7.5)に再懸濁した後、Micro Smash MS-100R(トミー精工社製)を用いて菌体を破砕した。菌体破砕液を15,000rpmで15分間遠心分離して、上清を粗酵素液として回収した。
各粗酵素液200μLを、150mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)に溶解した7.1U/mL ペルオキシダーゼ、 0.70mM 4-アミノアンチピリン、0.79mM TOOS溶液380μLと混合して37℃で5分間インキュベートした後、60mM L-アルギニン溶液20μLを添加して撹拌し、37℃で5分間反応させた。反応中のA555の経時変化を分光光度計(U-3900、日立ハイテクサイエンス社製)で測定した。対照実験は、20μLの60 mM L-アルギニン溶液の代わりに20μLのイオン交換水を添加して実施した。37℃で1分間あたりに1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1unit(U)と定義し、下記の式に従って算出した。
ΔAs:反応液の1分間あたりのA555変化量
ΔA0:対照実験の1分間あたりのA555変化量
39.2:反応により生成されるキノンイミン色素のミリモル吸光係数 (mM-1・cm-1)
0.5:1molの過酸化水素による生成されるキノンイミン色素のmol数
0.6:反応液全体の容量(mL)
df:希釈係数
0.2:酵素液の容量(mL)
As-penox2-16株の粗酵素液を、10mM リン酸カリウムバッファー(pH7.5)にバッファー置換した後、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(HiScreen CaptoQ、GEヘルスケア社製)を用いて分画した。まず、10mMリン酸カリウムバッファー(pH7.5)で平衡化したカラムに粗酵素液をロードし、酵素をカラムに吸着させた後に、10mMリン酸カリウムバッファー(pH7.5)でカラムを洗浄し、未吸着のタンパク質を溶出させた。その後、10mMリン酸カリウムバッファー(pH 7.5)に含まれる塩化ナトリウム濃度を0mMから40mMまで直線的に上昇させ、カラムに吸着したタンパク質を溶出させた。L-アルギニン酸化活性を示す画分をSDS-PAGEで分析し、夾雑タンパク質を含まない画分を精製PenOX2として回収した。回収した精製PenOX2溶液は、限外ろ過膜(Amicon Ultra 15-30k、メルク社製)を用いて、L-アルギニン酸化活性が24U/mLになるまで濃縮し、ペントシジン定量試験に用いた。
以下の試薬を調製し、Bio Majesty JCA-BM1650(日本電子社製)を利用してペントシジンを測定した。
(試料:ペントシジン溶液)
0.2μM、0.4μM、0.6μM、1.0μM、2.0μM又は4.0μMペントシジン溶液(実施例2と同様のペントシジンを用いて調整)
120mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)
0.2mM DA-67(10-(Carboxymethylaminocarbonyl)-3,7-bis(dimethylamino)phenothiazine, sodium salt)(和光純薬工業社製)
3.0U/mL ペルオキシダーゼ
120mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)
24U/mL PenOX2
ΔA=(第2試薬添加5分後の吸光度)-(第2試薬添加直前の吸光度×0.75)
(第2試薬の添加により反応液中の組成物の濃度は0.75倍(75/100倍)となるため、
第2試薬添加直前の吸光度を0.75倍した値を第2試薬添加直後の吸光度とみなした。)
As-penox2株の菌糸培養液をMiracloth(メルクミリポア社製)を用いてろ過し、菌糸培養上清を回収した。得られた菌糸培養上清75mLを、ポアサイズ0.2μmのシリンジフィルターでフィルターろ過したのち限外ろ過膜(Amicon Ultra 15-30k、メルク社製)で濃縮した。濃縮液に、硫酸アンモニウムを70%飽和となるように徐々に添加し、2時間、4℃で放置後、遠心(15,000rpm、4℃、5分)し、余分なタンパク質を沈殿させ、上清を回収した。回収した上清を、限外ろ過膜(Amicon Ultra 0.5-30k、メルク社製)で濃縮した。
PenOX2の理化学的性質を決定するために、以下の酵素活性の測定方法を用いた。
任意のバッファー600μL、脱イオン水に溶解した3.99U/mL ペルオキシダーゼ、1.8mM 4-アミノアンチピリン、2mM TOOS溶液400μL、脱イオン水150μLを任意の温度で10分間インキュベートした後、氷上で保存していた酵素液50μL、任意の温度で10分間インキュベートした100mM リン酸カリウムバッファー(pH8.0)に溶解させた2mM ペントシジン溶液400μLを添加して撹拌し、任意の温度で3分間反応させた。反応中のA555の経時変化を分光光度計(U-3900、日立ハイテクサイエンス社製)で測定した。20秒から60秒までの測定開始後経過時間-A555変化量を活性値とみなした。
さらに、37℃で1分間あたりに1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1unit(U)と定義し、下記の式に従って算出した。
ΔAs:反応液の1分間あたりのA555変化量
ΔA0:対照実験の1分間あたりのA555変化量
1.6:反応液全体の容量(mL)
df:希釈係数
39.2:反応により生成されるキノンイミン色素のミリモル吸光係数 (mM-1・cm-1)
0.5:1molの過酸化水素による生成されるキノンイミン色素のmol数
0.05:酵素液の容量(mL)
(a)至適pHの範囲
終濃度50mM クエン酸-100mM リン酸カリウムバッファー(pH4.0-7.5)、終濃度100mM リン酸カリウムバッファー(pH6.5-8.0)、終濃度100mM グリシンバッファー(pH8.0-11.0)となるように夫々のバッファーを調製し、これらを用いて、夫々のpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行なった。結果を図7に示す。PenOX2は、pH7.5において最も高い活性を示した。また、pH6.5-8.0でもリン酸カリウムバッファーpH7.5付近における活性値の70%以上を示したことから、PenOX2の至適pHはpH6.5-8.0であり、最も好ましい至適pHはpH7.5であると判断した。
(b)至適温度の範囲
終濃度50mM リン酸カリウムバッファー(pH7.5)を用いて、種々の温度にてPenOX2の活性測定を行なった。結果を図8に示す。最も高い活性を示した温度である、50℃付近での活性に対して、80%以上の活性を示す温度範囲は37℃~50℃であった。以上から、PenOX2の至適温度の範囲は37℃~50℃であると判断した。
(c)熱安定性
酵素液を各温度で10分間処理した時の残存活性を、終濃度100mM リン酸カリウムバッファー(活性測定時最終pH7.5)を用い温度37℃にて前記活性測定を行なうことで評価した。熱安定性の結果は、図9に示す通りであり、PenOX2は、30℃付近まで安定であった。
(d)安定pHの範囲
緩衝液として、100mM クエン酸-200mM リン酸カリウムバッファー(pH3.0-6.5)、200mM リン酸カリウムバッファー(pH6.5-8.0)、200mM グリシンバッファー(pH8.0-10.0)を用いて、夫々のpHにおいて25℃で20時間処理した後、PenOX2の残存活性を測定した。結果を図10に示す。4℃で保存しておいたPenOX2の活性に対して90%以上の活性を示すpH範囲はpH4.5-7.5、60%以上の活性を示すpH範囲はpH4.0-9.0であった。
(e)ペントシジンに対する活性値
前記活性測定方法において、終濃度50mM リン酸カリウムバッファー(活性測定時最終pH7.5)、37℃で活性測定を行ない、上記の計算式を用いて活性値(U/mL)を求めた。活性値は7.8U/mL、比活性は29.1U/mg(ブラッドフォード法)であることが判った。
(f)ペントシジンに対するKm値
前記活性測定方法において、終濃度50mM リン酸カリウムバッファー(pH7.5)、37℃で、基質ペントシジンの濃度を変化させて活性測定を行ない、ラインウェーバー・バークプロットから、ミカエリス定数(Km)を求めた。結果を図11に示す。ペントシジン(遊離体)に対するKm値は0.070mMであることが判った。
(g)分子量
Laemmliの方法に従って行なったSDS-PAGE法により分子量を求めた。電気泳動ゲルとしてはMini-PROTEAN TGX Stain-Free Precast Gels 4-20%(Bio-rad社製)を用い、分子量マーカーとしてはPrecision Plus Protein All Blue Prestained Protein Standardsを用いた。結果を図12に示す。PenOX2の分子量は、約80,000であった。
(a)Crotalus adamanteus由来アミノ酸オキシダーゼType VI(メルク社製)(配列番号12)
分子量:130,000
本酵素のPenOX1及びPenOX2とのアミノ酸配列相同性は、夫々26.8%及び23.5%であった。酵素濃度が1mg/mL(ビュレット法)になるよう脱イオン水で希釈して活性測定に用いた。本酵素のペントシジンオキシダーゼ活性は0.555(U/mL)、比活性は0.555(U/mg)であった。
(b)Crotalus atrox由来アミノ酸オキシダーゼType I(メルク社製)(配列番号13)
分子量:59,000(アミノ酸配列に基づく計算値)
本酵素のPenOX1及びPenOX2とのアミノ酸配列相同性は、夫々26.3%及び23.4%であった。酵素粉末1mgを1mLの脱イオン水で溶解して活性測定に用いた。本酵素のペントシジンオキシダーゼ活性は0.022(U/mL)、比活性は参考値として0.022(U/mg)であった。
(c)Trichoderma viride由来リジンオキシダーゼ(メルク社製)(配列番号14)
分子量:116,000
本酵素のPenOX1及びPenOX2とのアミノ酸配列相同性は、夫々24.0%及び23.3%であった。酵素粉末1mgを1mLの脱イオン水で溶解して活性測定に用いた。本酵素のペントシジンオキシダーゼ活性は0.063(U/mL)、比活性は参考値として0.063(U/mg)であった。本実施例で使用した酵素間の配列相同性を以下の表に示す。
成熟Escapinをコードする遺伝子の5’末端にAspergillus属のシグナルペプチドをコードする遺伝子を付加したものについて、麹菌アスペルギルス・ソーヤを宿主として異種組換え発現を行った。
成熟Escapin遺伝子配列としては、文献(Yang et al, J Exp Biol, 208(18):3609-22, 2005)に記載のジャンボアメフラシ(Aplysia california)の由来の、配列番号15のアミノ酸配列(塩基配列は配列番号17)を基に麹菌発現用にコドン改変した1,554塩基対(配列番号18)を用いた。
シグナルペプチドをコードする遺伝子としては、69塩基対からなるAoCDHss(アスペルギルス・オリゼ由来セルロースデヒドロゲナーゼのシグナルペプチドをコードする遺伝子のエキソン領域。配列番号16)を用いた。
成熟Escapinをコードする遺伝子の5’末端にAspergillus属のシグナルペプチドをコードする遺伝子を連結したもの(配列番号18の5’末端に配列番号16を連結したもの。以下、遺伝子配列A)をプラスミドに組み込むために、遺伝子配列Aの5’末端側に12塩基対からなる遺伝子配列(配列番号20)を、3’末端側に12塩基対からなる遺伝子配列(配列番号21)を付加したもの(以下、遺伝子配列A')を人工遺伝子合成により取得した。
上記で取得した形質転換用プラスミドp19-pG3-AoCDHss-Escapinを用いて、アスペルギルス・ソーヤのpyrG遺伝子破壊株(pyrG遺伝子の上流48bp、コード領域896bp、下流240bp欠損株)に対しプロトプラストPEG法により形質転換を行い、AoCDHss-Escapinの発現カセットが多コピーで挿入されたアスペルギルス・ソーヤ形質転換株AoCDHss-Escapin株を2株取得した。
・アミノ酸分解酵素1液(Escapin、配列番号15)を含む溶液の調製
実施例11で得られた形質転換株の培養上清を限外ろ過膜(Amicon Ultra 15-30k、メルク社製)によって濃縮した。
氷冷した濃縮液に、氷冷した硫酸アンモニウム飽和水溶液を硫酸アンモニウム70%飽和となるように添加し、2時間、4℃で放置後、遠心(15,000rpm、4℃、15分)し、沈殿を回収し、0.1M リン酸カリウムバッファーpH6.8に再溶解した。
ヒガシダイヤガラガラヘビ由来L-アミノ酸オキシダーゼ(L-Amino Acid Oxidase from Crotalus adamanteus) Type I(メルク社製)を1mg/mlになるように0.1Mリン酸カリウムバッファーpH6.8に溶解した。これを限外ろ過膜(Amicon Ultra 15-30k、メルク社製)によって濃縮した。
実施例5の「発現ベクターの作製」及び「麹菌発現株の作製及び培養」の項で得たA.sojae組換え株As-penox2を、滅菌済みPPY培地にて、180rpm、30℃、5日間振盪培養した。得られた培養上清を限外ろ過膜(Amicon Ultra 15-30k、メルク社製)によって濃縮した。濃縮液に、硫酸アンモニウムを70%飽和となるように徐々に添加し、2時間、4℃で放置後、遠心(15,000rpm、4℃、15分)し、上清を回収した。回収した上清を限外ろ過膜(Amicon Ultra 0.5-30k、メルク社製)によって濃縮し、0.1Mリン酸カリウムバッファーpH6.8で置換した。
ペントシジンオキシダーゼによりペントシジンを測定する系において、測定対象溶液に夾雑物質として各種アミノ酸を人為的に添加したモデル系を使用し、ペントシジン測定における本発明の測定方法の効果を検証した。
0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM又は0.5mMとなるようにペントシジン(遊離体換算)(ペプチド研究所社製、3TFA塩を使用。)を脱イオン水で溶解した。
(2)夾雑物質溶液の調製
L-アラニン290μM、L-システイン48μM、L-アスパラギン酸4μM、L-グルタミン酸57μM、L-フェニルアラニン40μM、グリシン245μM、L-イソロイシン54μM、L-リジン128μM、L-ロイシン92μM、L-メチオニン22μM、L-プロリン184μM、L-アルギニン60μM、L-セリン94μM、L-スレオニン116μM、L-バリン155μM、L-トリプトファン39μM及びL-チロシン45μMとなるように終濃度0.1Mリン酸カリウムバッファーpH6.8に溶解した。アミノ酸濃度は、文献値(Mayo Clinic Laboratories Neurology Catalogの "Plasma Amino Acid Reference Values" (https://neurology.testcatalog.org/show/AAQP, アクセス日2018年10月10日。https://www.mayomedicallaboratories.com/test-catalog/Clinical+and+Interpretive/9265, アクセス日:2020年6月24日)における18歳以上の血液中のアミノ酸量の各データ(上限値の半分の値)を参照して設定した。
(3)試薬の調製
測定に使用する試薬を以下のように調製した。
3A. 発色試薬
3.99U/ml ペルオキシダーゼ(TOYOBO社製)、1.8mM 4-アミノアンチピリン(Fluka社製)、2mM TOOS(Dojindo社製)となるよう脱イオン水に溶解した。
3B. 夾雑物質消去試薬
アミノ酸分解酵素1液(1.63U/ml)と、アミノ酸分解酵素2液(2.40U/ml)を、液量が5:3の割合になるように混合した。
3C. ペントシジン測定用試薬
ペントシジン測定用酵素液(3.31U/ml)を用いた。
測定は、特に言及のないかぎり、すべて室温で行った。反応には、96穴のマイクロウェルプレート(Nunc社製)を用いた。上記(1)のペントシジン溶液5μlに対し、上記(2)の夾雑物質溶液20μl、上記(3A)の発色試薬25μl、上記(3B)の夾雑物質消去試薬50μlを順に添加し、555nmにおける10分後の吸光度を測定し、データ1とした。
続いて上記(3C)のペントシジン測定用試薬25μlを添加し、555nmにおける10分後の吸光度を測定し、データ2とした。データ2からデータ1を減じた値(ΔOD)を測定値とした。比較例1として、夾雑物質を含まない溶液、すなわち上記(2)の夾雑物質溶液を0.1Mリン酸カリウムバッファーpH6.8に置換した溶液の測定も行なった。
また、比較例2として、夾雑物質を含むが夾雑物質消去を行なわない系、すなわち上記(3B)の夾雑物質消去試薬を0.1M リン酸カリウムバッファーpH6.8に置換した溶液の測定も行なった。
3回の測定の平均値を以下の表3に示す。また、比較例1の測定値を100%とした場合の比較例2及び実施例の相対値を表4に示す。
これに対し、夾雑物質消去試薬を用いた消去工程を含む測定においては、夾雑物質に起因する測定値が小さくなり、比較例1の夾雑物質を添加しない系で得られたペントシジン濃度と近い値が得られ、測定誤差となる夾雑物質の影響が低減されて正確な測定を行うことができた。
アミノ酸消去酵素1の、各種アミノ酸及びペントシジンに対する基質特異性を解析した。
実施例12で得られたアミノ酸消去酵素1液を、0.1M リン酸カリウムバッファーpH6.8で希釈し、0.134U/mlとした。
(2)各種アミノ酸及びペントシジン溶液の調製
ペントシジン(実施例12と同様)は2mMとなるように脱イオン水で溶解した。各種アミノ酸は4mMとなるように脱イオン水で溶解した。
(3)発色試薬の調製
3.99U/mlペルオキシダーゼ(TOYOBO社製)、1.8mM 4-アミノアンチピリン(Fluka社製)、2mM TOOS(Dojindo社製)となるよう脱イオン水に溶解した。
測定は、特に言及のないかぎり、すべて室温で行った。反応には、96穴のマイクロウェルプレート(Nunc社製)を用いた。
上記(1)の酵素液50μlに対し、上記(2)の各種アミノ酸又はペントシジン溶液25μl、上記(3)の発色試薬25μlを順に添加し、555nmにおける開始時及び10分後の吸光度を測定し、吸光度上昇の傾きを以って対象基質に対する反応速度とみなした。
最も反応速度の高かった基質であるアルギニンに対する反応速度を100としたときの各種アミノ酸及びペントシジンに対する反応速度、すなわち基質特異性を図13に示す。
アミノ酸消去酵素2の、各種アミノ酸及びペントシジンに対する基質特異性を解析した。
実施例12で得られたアミノ酸消去酵素2液を、0.1M リン酸カリウムバッファー pH6.8で希釈し、0.12U/mlとした。
(2)各種アミノ酸及びペントシジン溶液及び(3)発色試薬は、実施例13と同様に調整した。
測定は、特に言及のないかぎり、すべて室温で行った。反応には、96穴のマイクロウェルプレート(Nunc社製)を用いた。上記(1)の酵素液50μlに対し、上記(2)の各種アミノ酸又はペントシジン溶液25μl、上記(3)の発色試薬25μlを順に添加し、555nmにおける開始時及び10分後の吸光度を測定し、吸光度上昇の傾きを以って対象基質に対する反応速度とみなした。最も反応速度の高かったロイシンに対する反応速度を100としたときの各種アミノ酸及びペントシジンに対する反応速度、すなわち基質特異性を図14に示した。
ペントシジン測定用酵素の、各種アミノ酸及びペントシジンに対する基質特異性を解析した。
実施例12で得られたペントシジン測定用酵素液を、0.1Mリン酸カリウムバッファー pH6.8で希釈し、0.083U/mlとした。
(2)各種アミノ酸及びペントシジン溶液及び(3)発色試薬は、実施例13と同様に調整した。
測定は、特に言及のないかぎり、すべて室温で行った。反応には、96穴のマイクロウェルプレート(Nunc社製)を用いた。上記(1)の酵素液50μlに対し、上記(2)の各種アミノ酸又はペントシジン溶液25μl、上記(3)の発色試薬25μlを順に添加し、555nmにおける開始時及び10分後の吸光度を測定し、吸光度上昇の傾きを以って対象基質に対する反応速度とみなした。
ペントシジンに対する反応速度を100としたときの各種アミノ酸に対する反応速度、すなわち基質特異性を図15に示した。
Claims (9)
- 検体中のペントシジンの測定方法であって、
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンオキシダーゼとを接触させる工程、及び
前記接触により生じた変化を検出する工程、
を含み、前記アミノ酸分解酵素と前記ペントシジンオキシダーゼは異なり、
前記ペントシジンオキシダーゼが以下の(a)~(d):
(a)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(c)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質;あるいは
(d)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である、測定方法。 - 前記検出工程において、酸素、過酸化水素又はアンモニアの量の変化が検出される、請求項1に記載の測定方法。
- 前記ペントシジンオキシダーゼが、以下の理化学的性質:
(1)作用:ペントシジンを酸化的に分解する活性;及び
(2)SDS-PAGEによる分子量:75,000~85,000
を有する、請求項1又は2に記載の測定方法。 - 前記ペントシジンオキシダーゼが、糸状菌に由来する、請求項1~3のいずれか1項に記載の測定方法。
- 前記アミノ酸分解酵素が、検体に含まれるアミノ酸を分解し、前記アミノ酸が、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定方法。
- 前記アミノ酸分解酵素が、アミノ酸オキシダーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、アミノ酸デカルボキシラーゼ、アミノ酸アンモニアリアーゼ、アミノ酸オキシゲナーゼ及びアミノ酸ヒドロラーゼからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の測定方法。
- (i)アミノ酸分解酵素;及び
(ii)ペントシジンオキシダーゼ
を含み、
前記ペントシジンオキシダーゼが以下の(a)~(d):
(a)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(c)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質;あるいは
(d)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である、
検体中のペントシジン測定用キット。 - 前記アミノ酸分解酵素が、アルギニン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンから選択されるアミノ酸を分解する酵素である、請求項7に記載のキット。
- 検体由来のペントシジンの反応生成物の製造方法であって、
検体をアミノ酸分解酵素で分解する工程、
前記分解工程後の検体とペントシジンオキシダーゼとを接触させる工程
前記ペントシジンオキシダーゼが以下の(a)~(d):
(a)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
(c)配列番号2又は配列番号4に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質;あるいは
(d)配列番号1、配列番号3、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子によってコードされるタンパク質;
からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である、
を含み、前記アミノ酸分解酵素と前記ペントシジンオキシダーゼは異なる、方法。
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