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JP7681503B2 - 冷却構造及びそれを備えた装置 - Google Patents
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本発明は、冷却構造及びそれを備えた装置に関し、特に、非回転部材と回転部材とを熱的に接続する技術に関する。
収束イオンビーム加工装置は、集束イオンビーム(FIB)を試料に照射することにより試料を加工する装置である。以下、集束イオンビーム加工装置をFIB加工装置と表現する。走査電子顕微鏡(SEM)を備えたFIB装置も知られている。
FIB加工装置は、試料を保持し試料の位置及び姿勢を変更する試料ステージを有している。例えば、試料ステージは、チルト機構、昇降機構(Z機構)、スライド機構(XY機構)、回転機構、試料テーブル等を有する。試料テーブルによって試料が保持される。具体的には、試料テーブル上に試料又は試料を保持した試料台が取り付けられる。試料テーブルは、チルト運動、昇降運動、スライド運動、及び、回転運動する。試料テーブルは、それを回転可能に支持する部材から見て、回転部材である。試料加工過程において、試料テーブルの位置及び姿勢は大きく変化する。
FIB加工装置では、場合により、冷却された試料が加工対象となる。そのような試料として生物試料が挙げられる。試料の冷却状態を維持するために、試料を保持した試料テーブルを冷却する必要がある。例えば、冷却設備を設け、冷却設備と試料テーブルとの間を柔軟な熱伝導部材で接続することが考えられる(特許文献1及び非特許文献1を参照)。しかし、その構成を採用する場合、試料テーブルの位置及び姿勢の大きな変化が許容されるように、熱伝導部材の全長をかなり長くする必要があり、また、試料テーブルが回転しても熱伝導部材が試料加工や試料観察を妨げないように熱伝導部材の配置を工夫する必要がある。特許文献2には、ローラー軸受けを有する多軸ステージが開示されている。ローラー軸受けは、熱伝導作用を発揮する複数のローラーを有している。
FIB加工装置以外の試料加工装置や走査電子顕微鏡等の試料観察装置においても、ステージの冷却が求められる。なお、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1には、非回転部材と回転部材との間のギャップに配置された柔軟な熱伝導部材は開示されていない。
特開平2-144843号公報 特許641877号明細書
発明協会公開技報 公技番号2009-503261号
試料加工装置又は試料観察装置において、試料ステージは、一般に、試料テーブルとして機能する回転部材を有する。回転部材の近傍に配置された非回転部材が冷却されることを前提として、回転部材の回転運動を妨げることなく、非回転部材と回転部材とを熱的に接続することが求められている。
本発明の目的は、非回転部材と回転部材との間において良好な熱伝導を生じさせることにある。あるいは、本発明の目的は、相対的に回転する第1部材及び第2部材を有する試料ステージにおいて、第1部材を通じて第2部材を効果的に冷却することにある。
本発明に係る冷却構造は、回転中心軸に直交する非回転面を有し、冷却源に熱的に接続された非回転部材と、前記回転中心軸に直交する面であって前記非回転面に対してギャップを介して対向する回転面を有し、試料を保持する回転部材と、前記ギャップに配置された少なくとも1つの熱リンクを有する熱リンク部と、を含み、前記熱リンクは、前記非回転面に固定された非回転端部と、前記回転面に固定された回転端部と、前記非回転端部と前記回転端部との間の柔軟な部材により構成され、展開状態において、湾曲した帯状の形態を有する本体であって、前記非回転面上から前記回転面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分と、前記非回転端部と前記湾曲部分との間の第1平坦部分と、前記回転端部と前記湾曲部分との間の第2平坦部分と、を有する本体と、を含み、前記第1平坦部分及び前記第2平坦部分のそれぞれが前記回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している、ことを特徴とする。
本発明に係る装置は、試料加工及び試料観察の内の少なくとも一方を行うための装置であって、試料室内に設けられ、冷却構造を有する試料ステージと、冷却源と、前記試料室内に固定され、前記冷却源に熱的に接続された冷却部材と、前記試料ステージの位置及び姿勢の変化を許容しつつ、前記冷却部材と前記試料ステージとを熱的に接続する熱伝導部材と、を含み、前記冷却構造は、回転中心軸に直交する第1面を有し、前記熱伝導部材に熱的に接続された第1部材と、前記回転中心軸に直交する面であって前記第1面に対してギャップを介して対向する第2面を有し、前記第1部材に対して相対的に回転する第2部材と、前記ギャップに配置されて前記第1部材と前記第2部材とを熱的に接続する少なくとも1つの熱リンクを有する熱リンク部と、を含み、前記熱リンクは、前記第1面に固定された第1端部と、前記第2面に固定された第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に設けられた柔軟な部材により構成され、展開状態において、湾曲した帯状の形態を有する本体であって、前記第1面上から前記第2面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分と、前記第1端部と前記湾曲部分との間の第1平坦部分と、前記第2端部と前記湾曲部分との間の第2平坦部分と、を有する本体と、を含み、前記第1平坦部分及び前記第2平坦部分のそれぞれが前記回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している、ことを特徴とする。
本発明によれば、非回転部材と回転部材との間において良好な熱伝導を生じさせることが可能となる。あるいは、本発明によれば、試料ステージにおいて、第1部材を通じて第2部材を効果的に冷却することが可能となる。
実施形態に係る試料加工装置を示す断面図である。 実施形態に係る冷却構造を示す拡大断面図である。 実施形態に係る熱リンクの配置状態を示す斜視図である。 実施形態に係る熱リンクの展開状態を示す平面図である。 実施形態に係る熱リンク部を示す平面図である。 実施形態に係る冷却構造の具体例を示す斜視図である。 熱リンク部の変形例を示す平面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)実施形態の概要
実施形態に係る冷却構造は、非回転部材、回転部材、及び、熱リンクを有する。非回転部材は、回転中心軸に直交する非回転面を有し、冷却源に熱的に接続された部材である。回転部材は、回転中心軸に直交する面であって非回転面に対してギャップを介して対向する回転面を有し、試料を保持する部材である。熱リンク部は、ギャップに配置された少なくとも1つの熱リンクを有する。熱リンクは、非回転面に固定された非回転端部と、回転面に固定された回転端部と、本体と、を有する。本体は、非回転端部と回転端部との間の柔軟な部材により構成される。本体は、非回転面上から回転面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分を有する。また、本体は、回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している。
上記構成によれば、熱リンクにより非回転部材と回転部材とが熱的に接続される。これにより回転部材が冷却され、回転部材に保持された試料が冷却される。熱リンクにおいては、回転部材の回転時に、回転端部が円周方向に沿って運動し、これに伴って湾曲部分が円周方向に沿って運動する。このように、回転部材の回転時に、熱リンクの本体の形態が自然に変化するので、熱リンクが回転部材の回転運動を妨げることはない。
熱リンクは非回転部材と回転部材との間のギャップに配置されるので、回転部材の周囲に熱リンク設置のための大きなスペースを確保する必要がない。実施形態においては、非回転部材に対して直接的又は間接的に柔軟な熱伝導部材が接続される。その熱伝導部材の配置に当たっては、回転運動を考慮する必要がないので、その配置が容易となる。実施形態においては、熱リンクの本体における一部分が非回転面に接し、他の一部分が回転面に接する。これにより、非回転部材と回転部材との間の熱伝導をより良好なものにできる。
実施形態において、回転部材の回転角度が0度の場合に、回転中心軸の方向から見て回転端部が非回転端部に重なる。この構成によれば、正回転方向の最大回転角度と逆回転方向の最大回転角度とが同一となる。
実施形態において、本体は、その展開状態において、湾曲した帯状の形態を有する。本体は、第1平坦部分、及び、第2平坦部分を有する。第1平坦部分は、非回転端部と湾曲部分との間の部分であって非回転面に平行に広がる部分である。第2平坦部分は、回転端部と湾曲部分との間の部分であって回転面に平行に広がる部分である。第1平坦部分が非回転面に接触し、第2平坦部分が回転面に接触する。実施形態において、回転部材の回転方向及び回転量に応じて、第1平坦部分の長さ及び第2平坦部分の長さが変化する。
実施形態において、熱リンク部は、ギャップ内において円周方向に沿って並ぶ複数の熱リンクを含む。各熱リンクが、非回転端部、回転端部、及び、本体を有する。この構成によれば、非回転部材と回転部材との間における熱伝導をより良好なものにできる。
実施形態において、複数の熱リンクは、円周方向に沿って同じ向きで並んでいる。この構成によれば、回転部材を均一に冷却し易くなる。実施形態において、本体は、非締結状態で積層された複数のシートより構成される。この構成によれば、回転部材の回転時に生じる負荷を軽減できる。また、両側の2枚の露出シートを除いて、各シートが剥き出しになっていないので、輻射の影響を受け難くなる。
実施形態に係る装置は、試料加工及び試料観察の内の少なくとも一方を行うための装置である。その装置は、試料ステージ、冷却源、冷却部材、及び、熱伝導部材、を有する。試料ステージは、試料室内に設けられ、冷却構造を有する。冷却部材は、試料室内に固定され、冷却源に熱的に接続される。熱伝導部材は、試料ステージの位置及び姿勢の変化を許容しつつ、冷却部材と試料ステージとを熱的に接続する。冷却構造は、第1部材、第2部材、及び、熱リンク部を有する。第1部材は、回転中心軸に直交する第1面を有し、熱伝導部材に熱的に接続された部材である。第2部材は、回転中心軸に直交する面であって第1面に対してギャップを介して対向する第2面を有し、第1部材に対して相対的に回転する部材である。熱リンク部は、ギャップに配置されて第1部材と第2部材とを熱的に接続する少なくとも1つの熱リンクを有する。熱リンクは、第1端部、第2端部、及び、本体を有する。第1端部は、第1面に固定される。第2端部は、第2面に固定される。本体は、第1端部と第2端部との間に設けられた柔軟な部材により構成される。本体は、第1面上から第2面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分を有する。また、本体は、回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している。
第1部材は、例えば、非回転部材である。第2部材は、例えば、回転部材である。その具体例として試料テーブルが挙げられる。非回転部材に対して熱伝導部材が接続される場合、熱伝導部材の配置に当たって回転部材の回転運動を考慮する必要がなくなる。熱リンクの配置に当たって回転運動以外の運動を考慮する必要がなくなる。なお、上記の冷却構造を試料加工装置及び試料観察装置以外の装置に組み込んでもよい。
(2)実施形態の詳細
図1には、実施形態に係る試料加工装置10の断面が示されている。x方向が第1水平方向であり、z方向が垂直方向である。x方向及びz方向に直交する方向が第2水平方向としてのy方向である。y方向は図1において紙面貫通方向である。
試料加工装置10は、具体的には、FIB/SEM加工観察装置である。すなわち、試料加工装置10は、集束イオンビーム(FIB)によって試料を加工する機能、及び、電子線の走査によって試料を観察する機能を備えている。
試料加工装置10は、SEM鏡筒12及びFIB鏡筒を備えている。図1にはFIB鏡筒が現れていない。SEM鏡筒12内において電子線18が生成される。FIB鏡筒内においてFIBが生成される。SEM鏡筒12の下側にはハウジング13が設けられ、その内部が試料室14である。
試料室14内には、対物レンズ16の一部が入り込んでおり、また、試料室14内には試料ステージ20が設けられている。試料ステージ20は、チルト機能、昇降機構(Z機構)、スライド機構(XY機構)、回転機構、等を有する。試料ステージ20における試料テーブル36は、チルト運動、昇降運動、スライド運動、及び、回転運動を行う。図1において、符号24は、チルト軸(チルト中心軸)を示しており、符号22はチルト軸周りのチルト運動を示している。符号26は、昇降運動を示している。符号28はスライド運動を示している。符号32は回転軸(回転中心軸)を視しており、符号30は回転軸周りの回転運動を示している。
試料テーブル36は、概ね円板状の形態を有する。試料テーブル36によって試料40が保持される。具体的には、試料テーブル36上に試料40が取り付けられ、あるいは、試料テーブル36上に試料40を保持した試料台38が取り付けられる。符号34は、試料テーブル36を含む回転体を示している。回転体34は、試料テーブル36に連結された軸部材、軸部材を支持する回転ベース、等を有する。
試料テーブル36の下側に、皿状のフレーム42が設けられている。フレーム42は、浮上した台座として機能する非回転部材である。フレーム42の中央には開口が形成されており、その開口を軸部材が非接触で通過している。
フレーム42には、L字状の形態を有する熱伝導部材44の一端が接続されている。支持部材48が熱伝導部材44を支持している。熱伝導部材44及びフレーム42は、例えば、高い熱伝導率を有する金属により構成される。支持部材48の全部又は一部は、低い熱伝導率を有する部材つまり断熱材により構成される。
試料加工装置10は、冷却設備50を有している。冷却設備50は、図示の構成例において、冷媒タンク52、連結板54、冷却部材56、及び、柔軟な熱伝導部材58を含む。冷媒タンク52内には、冷媒として、例えば液体窒素が入れられる。冷却部材56は、試料室14内に配置されており、それは、例えば、対物レンズ16の周囲に設けられた環状の部材である。冷媒タンク52と冷却部材56とを熱的に接続するために連結板54が設けられている。連結板54及び冷却部材56は、例えば、高い熱伝導率を有する金属により構成される。熱伝導部材58は、例えば、高い熱伝導率を有する柔軟な平編み線により構成される。熱伝導部材58は、試料ステージ20のチルト動作、昇降動作、及び、スライド動作を許容する十分な弛みを有している。
熱伝導部材58の上端が冷却部材56に連結されている。熱伝導部材58の下端が熱伝導部材44の一端に連結されている。熱伝導部材44の他端がフレーム42に連結されている。冷却源である冷媒タンク52が、複数の熱伝導部材を経由して、フレーム42に熱的に接続されており、フレーム42には冷熱が輸送されている。フレーム42は冷却状態にある。
試料テーブル36の回転運動を妨げることなく、フレーム42と試料テーブル36とを熱的に接続するために熱リンク部60が設けられている。熱リンク部60は、フレーム42と試料テーブル36との間に形成されたギャップGに配置されている。フレーム42、試料テーブル36、及び、熱リンク部60により、冷却構造が構築されている。
図2には、冷却構造の断面が示されている。試料テーブル36の上面(試料側の面)103上に試料台38が取り付けられ、試料台38が試料40を保持している。フレーム42は、円板としてのフレーム本体42Aと筒状の側壁42Bとにより構成される。フレーム本体42Aの上面(試料側の面)100と試料テーブル36の下面(非試料側の面)との間の空間がギャップGである。ギャップG内に、熱リンク部60を構成する第1熱リンク62-1及び第2熱リンク62-2が設けられている。第1熱リンク62-1及び第2熱リンク62-2は、それぞれ、試料テーブル36の回転運動を許容しつつ、フレーム42と試料テーブル36とを熱的に接続する部材である。第1熱リンク62-1及び第2熱リンク62-2は、互いに同じ形態を有している。
図3には、熱リンク62が示されている。熱リンク62は、フレーム本体の上面(非回転面)に固定される端部66、試料プレートの下面(回転面)に固定される端部68、及び、2つの端部66,68の間の本体64を有する。端部66は回転しない端部つまり非回転端部であり、端部68は回転する端部つまり回転端部である。本体64は、例えば、100~200枚の金属シートからなるシート束である。シート相互間は締結されておらず、本体64それ全体として柔軟性を有する。各シートは例えば銀箔である。各シートの厚みは、例えば、0.005mmである。
端部66及び端部68がシート束の一端及び他端を挟持している。端部66,68は、例えば、高い熱伝導率を有する金属(銅等)により構成される。端部66は2つのネジによってフレーム本体に固定され、端部68も2つのネジによって試料テーブルに固定される。
本体64は、フレーム本体の非回転面上から試料テーブルの回転面上へわたって湾曲するU字状の湾曲部分64aを有する。すなわち、回転中心軸に直交する方向から見て、湾曲した部分を有している。一方、回転中心軸の方向から見て、本体64は、回転中心軸周りの円周方向に沿って湾曲した円弧状の形態を有している。
湾曲部分64aと端部66との間が第1平坦部分64bであり、湾曲部分64aと端部68との間が第2平坦部分64cである。第1平坦部分64b及び第2平坦部分64cは回転中心軸に直交する方向に広がっており、フレーム本体が有する各面及び試料プレートが有する各面に対して平行である。
試料プレートが回転運動すると、端部68が円弧状に運動する。これに伴って、本体64における湾曲部分64aの位置が変化する。換言すれば、第1平坦部分64bの長さ及び第2平坦部分64cの長さが変化する。例えば、端部68が+θ方向に回転運動した場合、湾曲部分も+θ方向へ回転運動する。その過程において、第1平坦部分64bの長さが短くなり、第2平坦部分64cの長さが長くなる。それとは逆に、端部68が-θ方向に回転運動した場合、湾曲部分も-θ方向へ回転運動する。その過程において、第1平坦部分64bの長さが長くなり、第2平坦部分64cの長さが短くなる。
図3に示すように、回転中心軸の方向から見て、端部66と端部68とが重なった状態が回転角度0度の状態である。それを基準として、+θ方向に180度の回転が許容されており、-θ方向にも180度の回転が許容されている。試料テーブルが回転可能な角度範囲は360度である。そのような回転が許容されるように、本体64の長さやギャップの高さが定められている。例えば、ギャップの高さは、5~12mmの範囲内に定められる。本体64の長さ(円弧状中心線の長さ)は、500~900mmの範囲内に定められる。
第1平坦部分64bの下面Aは、フレーム本体に接し、第2平坦部分64cの上面Bは、通常、試料テーブルに接する。そのような接触は、熱伝導率の向上に寄与するものである。下面A及び上面Bは、本体64における同じ外側面である。
図4には、展開状態にある熱リンク62Aが示されている。本体64は、円弧状の形態を有する。本体64の両端に端部66,68が設けられている。本体64の設置状況に応じて、本体64における内側辺の曲率半径及び外側辺の曲率半径が定められる。符号64aは湾曲部分を示している。符号72で示すように、試料テーブルの回転方向及び回転量に応じて、湾曲部分64aの回転方向及び回転量が定まる。
図5には、熱リンク部60の上面が示されている。図5には、試料テーブルは示されていない。熱リンク部60は、第1熱リンク62-1及び第2熱リンク62-2により構成される。第1熱リンク62-1の向き及び第2熱リンク62-2の向きは同一である。すなわち、第1熱リンク62-1の端子68-1と第2熱リンク62-2の湾曲部分64a-2が隣り合っており、第2熱リンク62-2の端子68-2と第1熱リンク62-1の湾曲部分64a-1が隣り合っている。
このような構成によれば、試料テーブルにおける温度勾配を抑制でき、つまり、試料テーブルそれ全体を均一に冷却することが可能となる。後述するように、3つ以上の熱リンクにより熱リンク部60を構成してもよい。
図6には、冷却構造の具体例が示されている。円形の試料テーブル36の上面に試料台38が取り付けられている。試料台38によって、試料を含む試料カセット74が保持されている。試料テーブル36の下側には、フレーム42が設けられている。フレーム本体42Aと試料テーブル36との間にギャップGが形成されており、そのギャップGに熱リンク部60が配置されている。熱リンク部60は、回転中心軸周りの円周方向に沿って配置された2つの熱リンク62-1,62-2により構成されている。
なお、図示の例では、L字状の熱伝導部材44に対して接続された熱伝導部材58が2つの平編み線により構成されている。
図7には、熱リンク部の変形例が示されている。熱リンク部76は、回転中心軸周りの円周方向に沿って配置された3つの熱リンク78-1,78-2,78-3により構成される。3つの熱リンク78-1,78-2,78-3の向きは揃っている。例えば、隣接する2つの熱リンク78-1,78-2の間において、熱リンク78-1の湾曲端部80と熱リンク78-2の端子82とが非接触で近接している。
上記実施形態によれば、熱リンク部により、フレーム(非回転部材)と試料テーブル(回転部材)とが熱的に接続される。これにより試料テーブルが冷却され、試料テーブルに保持された試料が冷却される。試料テーブルの回転時に、各熱リンクにおける本体の形態が自然に変化するので、各熱リンクが試料テーブルの回転運動を妨げることはない。各熱リンクはフレームと試料テーブルとの間の小さなギャップに配置される。よって、試料テーブルの周囲に熱リンク設置のための大きなスペースを確保する必要がない。
上記実施形態においては、試料テーブルのチルト運動、昇降運動及びスライド運動を許容する柔軟な熱伝導部材と、試料テーブルの回転運動を許容する柔軟な熱伝導部材と、を分離したので、すべての運動を許容する長い柔軟な熱伝導部材を設ける場合に比べて、熱伝導の効率を高められ、また、柔軟な熱伝導部材が試料室内の構造物に接触してしまう問題を容易に回避できる。
20 試料ステージ、36 試料テーブル、40 試料、42 フレーム、60 熱リンク部、50 冷却設備、62,62-1,62-2 熱リンク、66,68 端部、64 本体、64a 湾曲部分、64b 第1平坦部分、64c 第2平坦部分。

Claims (9)

  1. 回転中心軸に直交する非回転面を有し、冷却源に熱的に接続された非回転部材と、
    前記回転中心軸に直交する面であって前記非回転面に対してギャップを介して対向する回転面を有し、試料を保持する回転部材と、
    前記ギャップに配置された少なくとも1つの熱リンクを有する熱リンク部と、
    を含み、
    前記熱リンクは、
    前記非回転面に固定された非回転端部と、
    前記回転面に固定された回転端部と、
    前記非回転端部と前記回転端部との間の柔軟な部材により構成され、展開状態において、湾曲した帯状の形態を有する本体であって、前記非回転面上から前記回転面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分と、前記非回転端部と前記湾曲部分との間の第1平坦部分と、前記回転端部と前記湾曲部分との間の第2平坦部分と、を有する本体と、
    を含み、
    前記第1平坦部分及び前記第2平坦部分のそれぞれが前記回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している、ことを特徴とする冷却構造。
  2. 請求項1記載の冷却構造において、
    前記回転部材の回転時に、前記回転端部が前記円周方向に沿って運動し、これに伴って前記湾曲部分が前記円周方向に沿って運動する、
    ことを特徴とする冷却構造。
  3. 請求項2記載の冷却構造において、
    前記回転部材の回転角度が0度の場合に、前記回転中心軸の方向から見て前記回転端部が前記非回転端部に重なる、
    ことを特徴とする冷却構造。
  4. 請求項1記載の冷却構造において
    記本体は、
    前記非回転端部と前記湾曲部分との間の部分であって前記非回転面に平行に広がる前記第1平坦部分と、
    前記回転端部と前記湾曲部分との間の部分であって前記回転面に平行に広がる前記第2平坦部分と、
    を含み、
    前記第1平坦部分が前記非回転面に接触し、
    前記第2平坦部分が前記回転面に接触する、
    ことを特徴とする冷却構造。
  5. 請求項4記載の冷却構造において、
    前記回転部材の回転方向及び回転量に応じて、前記第1平坦部分の長さ及び前記第2平坦部分の長さが変化する、
    ことを特徴とする冷却構造。
  6. 請求項1記載の冷却構造において、
    前記熱リンク部は、前記ギャップ内において前記円周方向に沿って並ぶ複数の熱リンクを含み、
    前記各熱リンクが、前記非回転端部、前記回転端部、及び、前記本体を有する、
    ことを特徴とする冷却構造。
  7. 請求項6記載の冷却構造において、
    前記複数の熱リンクは、前記円周方向に沿って同じ向きで並んでいる、
    ことを特徴とする冷却構造。
  8. 請求項1記載の冷却構造において、
    前記本体は、非締結状態で積層された複数のシートより構成される、
    ことを特徴とする冷却構造。
  9. 試料加工及び試料観察の内の少なくとも一方を行うための装置であって、
    試料室内に設けられ、冷却構造を有する試料ステージと、
    冷却源と、
    前記試料室内に固定され、前記冷却源に熱的に接続された冷却部材と、
    前記試料ステージの位置及び姿勢の変化を許容しつつ、前記冷却部材と前記試料ステージとを熱的に接続する熱伝導部材と、
    を含み、
    前記冷却構造は、
    回転中心軸に直交する第1面を有し、前記熱伝導部材に熱的に接続された第1部材と、
    前記回転中心軸に直交する面であって前記第1面に対してギャップを介して対向する第2面を有し、前記第1部材に対して相対的に回転する第2部材と、
    前記ギャップに配置されて前記第1部材と前記第2部材とを熱的に接続する少なくとも1つの熱リンクを有する熱リンク部と、
    を含み、
    前記熱リンクは、
    前記第1面に固定された第1端部と、
    前記第2面に固定された第2端部と、
    前記第1端部と前記第2端部との間に設けられた柔軟な部材により構成され、展開状態において、湾曲した帯状の形態を有する本体であって、前記第1面上から前記第2面上にわたって湾曲したU字状の湾曲部分と、前記第1端部と前記湾曲部分との間の第1平坦部分と、前記第2端部と前記湾曲部分との間の第2平坦部分と、を有する本体と、
    を含み、
    前記第1平坦部分及び前記第2平坦部分のそれぞれが前記回転中心軸の方向から見て円周方向に沿って湾曲している、ことを特徴とする、冷却構造を備えた装置。
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