JP7682292B2 - プラズマ照射装置及びプラズマ処理液体製造方法 - Google Patents
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Description
本開示は、被処理体にプラズマを照射する技術に関するものである。
特許文献1には、プラズマ照射される被照射液体が流れる流路と、被照射液体を流路に一定の流量で流す供給部と、流路内に設けられる照射ブロックと、照射ブロックにおいて被照射液体にプラズマガスを照射するプラズマヘッドと、を備える大気圧プラズマ処理装置が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の大気圧プラズマ処理装置では、照射ブロックに貯留された被照射液体を照射ブロックに残留させずに、照射ブロックから迅速に排出することについては言及されていない。
本開示は、貯留容器内に貯留された被処理液体を貯留容器内に残留させずに、貯留容器から迅速に排出することが可能となる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示のプラズマ照射装置は、被処理液体を貯留し、貯留した被処理液体を排液する排液穴を底面に設けた貯留容器と、貯留容器内に貯留された被処理液体に照射するプラズマを発生するプラズマ発生装置と、貯留容器の底面上に立設され、貯留容器内に貯留された被処理液体を排液穴に導くバー状の排液促進部と、を備えている。
本開示によれば、貯留容器内に貯留された被処理液体を貯留容器内に残留させずに、貯留容器から迅速に排出することが可能となる。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る大気圧プラズマ照射装置10を示している。大気圧プラズマ照射装置10は、大気圧下でプラズマを培養液(「被処理液体」の一例)に照射するための装置であり、プラズマ発生装置20と、カバーハウジング22と、開閉機構24と、ステージ26と、昇降装置28と、パージガス供給機構32(図5参照)、濃度検出機構34と、排気機構36と、制御装置38(図11参照)とを備えている。なお、大気圧プラズマ照射装置10の幅方向をX方向と、大気圧プラズマ照射装置10の奥行方向をY方向と、X方向とY方向とに直行する方向、つまり、上下方向をZ方向と称する。
プラズマ発生装置20は、図2~図4に示すように、カバー50と、上部ブロック52と、下部ブロック54と、1対の電極56と、ノズルブロック58とを含む。カバー50は、概して、有蓋四角筒形状をなし、カバー50の内部に、上部ブロック52が配設されている。上部ブロック52は、概して直方体形状をなし、セラミックにより成形されている。上部ブロック52の下面には、1対の円柱状の円柱凹部60が形成されている。
また、下部ブロック54も、概して直方体形状をなし、セラミックにより成形されている。下部ブロック54の上面には、凹部62が形成されており、凹部62は、1対の円柱状の円柱凹部66と、それら1対の円柱凹部66を連結する連結凹部68とによって構成されている。そして、下部ブロック54が、カバー50の下端から突出した状態で、上部ブロック52の下面に固定されており、上部ブロック52の円柱凹部60と、下部ブロック54の円柱凹部66とが連通している。なお、円柱凹部60と円柱凹部66とは、略同径とされている。また、凹部62の底面には、下部ブロック54の下面に貫通するスリット70が形成されている。
1対の電極56の各々は、上部ブロック52の円柱凹部60と、下部ブロック54の円柱凹部66とによって区画される円柱状の空間に配設されている。なお、電極56の外径は、円柱凹部60,66の内径より小さい。また、ノズルブロック58は、概して平板状をなし、下部ブロック54の下面に固定されている。ノズルブロック58には、下部ブロック54のスリット70と連通する噴出口72が形成されており、その噴出口72は、ノズルブロック58を上下方向に貫通している。
プラズマ発生装置20は、さらに、処理ガス供給装置74(図11参照)を有している。処理ガス供給装置74は、酸素等の活性ガスと窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合させた処理ガスを供給する装置であり、円柱凹部60,66によって区画される円柱状の空間及び、連結凹部68の上部に、配管(図示せず)を介して、連結されている。これにより、電極56と円柱凹部66との隙間、及び、連結凹部68の上部から、処理ガスが、凹部62の内部に供給される。
このような構造により、プラズマ発生装置20は、ノズルブロック58の噴出口72からプラズマを噴出する。詳しくは、凹部62の内部に、処理ガス供給装置74によって処理ガスが供給される。この際、凹部62では、1対の電極56に電圧が印加されており、1対の電極56間に電流が流れる。これにより、1対の電極56間に放電が生じ、その放電により、処理ガスがプラズマ化される。そして、プラズマが、スリット70を介して、噴出口72から噴出される。
また、カバーハウジング22は、図5に示すように、上部カバー76と、下部カバー78とを含む。上部カバー76は、概して有蓋円筒状をなし、上部カバー76の蓋部には、プラズマ発生装置20の下部ブロック54に応じた形状の貫通穴(図示せず)が形成されている。そして、その貫通穴を覆うように、プラズマ発生装置20のカバー50が、上部カバー76の蓋部に立設された状態で固定されている。このため、プラズマ発生装置20の下部ブロック54及び、ノズルブロック58が、上部カバー76の内部に向かって、Z方向に延びるように、突出している。これにより、プラズマ発生装置20によって発生されたプラズマが、ノズルブロック58の噴出口72から、上部カバー76の内部に向かって、Z方向に噴出される。
また、上部カバー76の側面には、3等配の位置に、概して矩形の貫通穴(図示せず)が形成されており、その貫通穴を塞ぐように、透明なガラス板80が配設されている。これにより、ガラス板80を介して、上部カバー76の内部を視認することが可能とされている。
カバーハウジング22の下部カバー78は、概して、円板形状とされており、大気圧プラズマ照射装置10が載置される載置部の筐体(図示せず)に固定されている。下部カバー78の外径は、上部カバー76の外径より大きくされており、下部カバー78の上面には、上部カバー76と同径の円環状のパッキン82が配設されている。そして、上部カバー76が、開閉機構24によって下方にスライドされることで、上部カバー76がパッキン82に密着し、カバーハウジング22の内部が密閉された状態となる。
詳しくは、開閉機構24は、図6及び図7に示すように、1対のスライド機構86とエアシリンダ88とを含む。各スライド機構86は、支持軸90とスライダ92とを含む。支持軸90は、上記載置部の筐体に、Z方向に延びるように立設されている。また、スライダ92は、概して円筒形状をなし、支持軸90の軸方向にスライド可能に、支持軸90に外嵌されている。そして、上部カバー76が、上部ブラケット96と下部ブラケット98とによって、スライダ92に保持されている。これにより、上部カバー76は、Z方向、つまり、上下方向にスライド可能とされている。
エアシリンダ88は、ロッド100とピストン(図示せず)とシリンダ102とを含む。ロッド100は、Z方向に延びるように配設され、上端部において上部カバー76に固定されている。また、ロッド100の下端部に、ピストンが固定されている。ピストンは、シリンダ102の上端から内部に嵌合されており、シリンダ102の内部において摺動可能に移動する。また、シリンダ102は、下端部において、上記載置部の筐体に固定されており、シリンダ102内部には、所定量のエアが封入されている。
これにより、エアシリンダ88は、ダンパとして機能し、上部カバー76の急激な下降が防止される。なお、シリンダ102内部のエア圧は、上部カバー76と共にスライドする一体物、つまり、上部カバー76,プラズマ発生装置20,スライダ92等の重量により圧縮可能な圧力とされている。つまり、作業者が、上部カバー76を上昇させた状態で、上部カバー76を離すと、上部カバー76等の自重によって上部カバー76が下降する。そして、上部カバー76が、下部カバー78のパッキン82に密着し、図8に示すように、上部カバー76と下部カバー78とによって、カバーハウジング22の内部が密閉された状態となる。
また、作業者が、上部カバー76を上昇させることで、カバーハウジング22の内部が開放される。なお、上部カバー76の上面には、磁石106(図1参照)が固定されており、上部カバー76が上昇されることで、磁石106が、上記載置部の筐体に引っ付く。このように、磁石106を上記載置部の筐体に引っ付けることで、上部カバー76を上昇させた状態、つまり、カバーハウジング22が開放された状態が維持される。
ステージ26は、概して、円板形状とされており、ステージ26の上面に、照射ブロック180が載置される。また、ステージ26の外径は、下部カバー78の外径より小さくされている。そして、ステージ26は、下部カバー78の上面に配設されている。
照射ブロック180は、送液チューブ120により送液された被処理液体を貯留し、貯留した被処理液体にプラズマ発生装置20から噴出したプラズマを照射することによりプラズマ処理液体を生成するために用いられる。生成されたプラズマ処理液体は、排液チューブ122により照射ブロック180から排出される。
被処理液体は、カバーハウジング22の外に設けられた被処理液体供給部(図示せず)からポンプ(図示せず)を用いて送液チューブ120により、カバーハウジング22内の照射ブロック180に供給される。また、照射ブロック180で生成されたプラズマ処理液体は、ポンプ(図示せず)を用いて照射ブロック180から排液チューブ122により排液され、カバーハウジング22の外に設けられた一時保管ビン(図示せず)に保管される。したがって、下部カバー78の側面には、送液チューブ120及び排液チューブ122をそれぞれ通す貫通孔134,136が形成されている。
図9は、照射ブロック180の概略構成を示している。そして、図9(a)は、照射ブロック180全体の外観を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のBB線における断面斜視図である。なお、左から右へ向かう方向が、被処理液体が流れる方向である。
照射ブロック180は、セラミックにより成形され、概して直方体形状をなす照射ブロック本体部181からなる。なお、照射ブロック180の長辺方向がX方向であり、短辺方向がY方向である。照射ブロック本体部181には、カバーハウジング22に設置された場合に、プラズマ発生装置20と対向する面が開放された溝部183及び貯留部184が形成されている。
溝部183は、YZ断面が上方に向かって開口するU字状である。溝部183を構成する底面183aは湾曲している。この溝部183のYZ断面は、送液チューブ120(図1参照)の断面形状よりも若干狭くされており、可撓性を有する送液チューブ120が溝部183に嵌め込まれることで、送液チューブ120が固定される。
貯留部184は、プラズマ照射するために被処理液体を貯留する。貯留部184は、側面184aと底面184bとからなる円筒状の凹部により構成される。また、貯留部184を構成する底面184bは、溝部183を構成する底面183aよりも下方に位置するように形成されている。さらに、貯留部184を構成する底面184bには、被処理液体がプラズマ照射されて生成されたプラズマ処理液体を貯留部184から外に排出するための排液穴184cが形成されている。なお、底面184bは、側面184aから排液穴184cに向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。これは、プラズマ処理液体を排出する際に、貯留部184から迅速に排出させる機能と、貯留部184にプラズマ処理液体の一部が排出されないで残留する状態を可及的に防止する機能とを実現させるためである。
さらに、底面184b上には、第1バー状部材187が、円形状の底面184bの直径に相当する長さ及び位置に載置されている。第1バー状部材187は、概して直方体形状をなし、上面及び底面の各短手方向の辺の長さは、排液穴184cの直径より短く形成されている。つまり、作業者がZ方向の上方から第1バー状部材187の上面を見た場合、排液穴184cの一部を視認することができる。第1バー状部材187は、貯留部184に貯留された被処理液体(プラズマ処理液体も含む)を排液穴184cから排液するときに、その排液を促進するためのものであるので、排液穴184cの全部が第1バー状部材187によって塞がると、排液が逆に抑制されてしまうからである。貯留部184に貯留された被処理液体の排液が終盤に差し掛かると、被処理液体は、排液穴184cの入り口で弾かれたり、底面184bの隅部に吸い寄せられたりして、排液が進まず、被処理液体の一部が、貯留部184内に残留することがある。しかし、第1バー状部材187を上述のように載置すると、排液穴184cの入り口で弾かれる被処理液体や底面184bの隅部に吸い寄せられて底面184b上に留まる被処理液体が第1バー状部材187を伝って排液穴184cに導かれて排液される。そして、この効果は、底面184bが側面184aから排液穴184cに向かって下方に傾斜する傾斜面となっていることにより、さらに増大する。
なお、第1バー状部材187は、照射ブロック180と同様にセラミックにより成形されているが、照射ブロック180とは別体で形成されている。これは、セラミックにより、底面184bから上方に突出する第1バー状部材187を底面184bと一体的に形成することが困難であるためにそうしているに過ぎない。したがって、第1バー状部材187を照射ブロック180と一体的に形成するようにしてもよい。
また、第1バー状部材187の高さは、側面184aの高さより低いことは言うまでもない。第1バー状部材187の高さが側面184aの高さと同じ以上であれば、貯留部184に流れ込んだ被処理液体が第1バー状部材187により堰き止められてしまうからである。
図10は、図9とは異なる照射ブロックを示している。図10と図9とを見比べれば分かるように、図10の照射ブロック180は、図9の照射ブロック180の第1バー状部材187に替えて第2バー状部材188を採用したことが異なっている。それ以外の構成は、図10と図9とで異ならない。第2バー状部材188は、円形状の底面184bの半径に相当する長さ及び位置に載置されている。このように、第1バー状部材187を半分にした第2バー状部材188を排液穴184cから側面184aに至るように載置した場合でも、第1バー状部材187と同様の効果が得られることが実験により確認できている。
照射ブロック本体部181は、上記構成の他に、排出部186を有する。排出部186は、照射ブロック本体部181の下面181aであって、貯留部184の排液穴184cを含む位置から下方に突出して形成されている。排出部186は、基部186a、フランジ部186b及び排出係止部186cを有し、各構成要素186a~186cが下方に連結した状態で一体的に形成されている。また、排出部186の中心部には、貫通孔186dがZ方向に形成され、貯留部184の排液穴184cと連通している。
排出部186の外周面において、照射ブロック本体部181の下面181aと連続する部分が基部186aである。基部186aの下方に、フランジ部186bを挟んで形成された排出係止部186cの外周の径は、排液チューブ122(図1参照)の径よりも大きくされている。また、排出係止部186cの上部186c1の外径は、排出係止部186cの外径よりも小さくされている。これにより、可撓性を有する排液チューブ122が上部186c1まで嵌め込まれると、排出係止部186cの外周に沿って排液チューブ122が変形し、排液チューブ122が固定される。また、基部186aとステージ26の切欠き部26a(図1参照)とが嵌め合されることにより、ステージ26に照射ブロック180が固定される。このように、固定具を用いる固定ではないため、照射ブロック180はステージ26に対して容易に着脱することができる。
昇降装置28は、図7に示すように、支持ロッド112と、ラック114と、ピニオン116と、電磁モータ117(図11参照)とを含む。下部カバー78には、上下方向に貫通する貫通穴(図示せず)が形成されており、その貫通穴に、支持ロッド112が挿通されている。支持ロッド112の外径は、貫通穴の内径より小さくされており、支持ロッド112は、上下方向、つまり、Z方向に移動可能とされている。その支持ロッド112の上端に、ステージ26の下面が固定されている。
また、ラック114は、支持ロッド112の軸方向に延びるように、支持ロッド112の下部カバー78から下方に延び出す部分の外周面に固定されている。ピニオン116は、ラック114に噛合されており、電磁モータ117の駆動により回転する。なお、ピニオン116は、上記載置部の筐体により回転可能に保持されている。このような構造によって、電磁モータ117の駆動によりピニオン116が回転することで、支持ロッド112がZ方向に移動し、ステージ26が昇降する。なお、下部カバー78の上面には、ステージ26の隣に、計測ロッド118が立設されている。計測ロッド118の外周面には、目盛りが記されており、その目盛りによって、ステージ26のZ方向の高さ、つまり、ステージ26の昇降量を目視によって確認することが可能となっている。
パージガス供給機構32は、図5に示すように、4個のエアジョイント130(図では、3個図示されている)と、パージガス供給装置132(図11参照)とを含む。4個のエアジョイント130は、上部カバー76の側面の上端部において、4等配の位置に設けられており、各エアジョイント130は、上部カバー76の内部に開口している。パージガス供給装置132は、窒素等の不活性ガスを供給する装置であり、配管(図示せず)を介して、各エアジョイント130に接続されている。このような構造により、パージガス供給機構32は、上部カバー76の内部に、不活性ガスを供給する。
濃度検出機構34は、エアジョイント140と、配管142と、検出センサ144(図11参照)とを含む。下部カバー78には、下部カバー78の上面と側面とを連通する貫通穴(図示せず)が形成されている。その貫通穴の下部カバー78の上面側の開口146は、パッキン82の内側に位置している。一方、貫通穴の下部カバー78の側面側の開口に、エアジョイント140が接続されている。また、検出センサ144は、酸素濃度を検出するセンサであり、配管142を介して、エアジョイント140に接続されている。このような構造により、濃度検出機構34は、カバーハウジング22が密閉された際に、カバーハウジング22の内部の酸素濃度を検出する。
排気機構36は、図1に示すように、L型配管150と、連結配管152と、メイン配管154とを含む。下部カバー78には、図7に示すように、上面と下面とに開口するダクト口160が形成されている。ダクト口160の下部カバー78の上面側の開口は、上方に向かうほど内径が大きくなるテーパ面162とされている。つまり、カバーハウジング22が密閉された際に、テーパ面162は、上部カバー76の内壁面に向かって傾斜した状態となる。一方、ダクト口160の下部カバー78の下面側の開口に、L型配管150が接続されている。そして、そのL型配管150に、連結配管152を介して、メイン配管154が接続されている。なお、連結配管152のL型配管150側の部分は、省略されている。また、メイン配管154の内部には、オゾンフィルタ166が配設されている。オゾンフィルタ166は、活性炭により形成されており、オゾンを吸着する。
制御装置38は、図11に示すように、コントローラ170と、複数の駆動回路172とを備えている。複数の駆動回路172は、電極56、処理ガス供給装置74、電磁モータ117、パージガス供給装置132に接続されている。コントローラ170は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路172に接続されている。これにより、プラズマ発生装置20、昇降装置28、パージガス供給機構32の作動が、コントローラ170によって制御される。また、コントローラ170は、検出センサ144に接続されている。これにより、コントローラ170は、検出センサ144の検出結果、つまり、カバーハウジング22の内部の酸素濃度を取得する。
培養液にプラズマを照射することで、培養液が活性化するため、プラズマ照射された培養液を用いた癌の治療等、医療の分野でのプラズマの活用が期待されている。このため、プラズマ照射された培養液の生成等が行われるが、培養液は、プラズマ照射される際の条件が管理された状態でプラズマ照射されることが好ましい。大気圧プラズマ照射装置10では、上述した構成により、照射ブロック180をステージ26の上に載置し、カバーハウジング22を密閉することで、所定の条件下で培養液にプラズマを照射することが可能である。以下に、所定の条件下で、培養液にプラズマを照射する手法について、詳しく説明する。
具体的には、まず、照射ブロック180をステージ26の上に載置する。次に、昇降装置28によってステージ26を任意の高さに昇降させる。これにより、プラズマの噴出口72と、プラズマの被照射体としての培養液との間の距離を任意に設定することが可能となる。なお、ステージ26の昇降高さは、計測ロッド118の目盛りにより確認することが可能である。
次に、上部カバー76を下降させ、カバーハウジング22を密閉させる。そして、パージガス供給機構32によって、カバーハウジング22の内部に不活性ガスが供給される。この際、濃度検出機構34によって、カバーハウジング22内の酸素濃度が検出される。そして、検出された酸素濃度が予め設定された閾値以下となった後に、プラズマ発生装置20によってプラズマが、カバーハウジング22の内部に噴出される。なお、プラズマが照射されている際も、カバーハウジング22の内部への不活性ガスの供給は、継続して行われる。また、一定の流量に調整された被処理液体が、送液チューブ120を介して照射ブロック180の貯留部184へ流される。貯留部184に所定量の被処理液体が貯留されると、貯留部184への送液は停止される。ここで、所定量とは、被処理液体が貯留部184から溢れ出ず、かつ、その液面が第1バー状部材187の高さ以上の量である。なお、この事情は、第2バー状部材188を採用した場合も同様である。貯留部184に貯留された被処理液体は、プラズマ発生装置20からプラズマガスが照射されて活性化される。なお、被処理液体に所定時間、プラズマガスが照射されることで、プラズマ照射された被処理液体による治療効果は発揮されることがわかっている。被処理液体が貯留部184に貯留されることにより、所定時間プラズマガスが照射される。また、被処理液体は、プラズマガスが照射されることにより、貯留部184内で自然対流する。これにより、治療効果が発揮される均質な活性化された被処理液体とすることができる。
このように、カバーハウジング22の内部に不活性ガスが供給されることで、カバーハウジング22内の空気は、カバーハウジング22の外部に排気される。この際、カバーハウジング22内の酸素濃度が調整されることで、プラズマ照射に影響を及ぼす条件が管理される。詳しくは、プラズマは、活性ラジカルを含んでいるため、酸素と反応すると、オゾンとなり、プラズマ照射の効果が低下する。このため、カバーハウジング22内の酸素濃度を調整することで、プラズマ照射された培養液の効果に対する酸素濃度の影響を調べることが可能となる。また、同一条件下で培養液にプラズマを照射することが可能となる。これにより、効率的にプラズマ処理液体を生成することが可能となる。
また、大気圧プラズマ照射装置10では、上述したように、プラズマの噴出口72と培養液との間の距離が任意に設定される。これにより、プラズマ照射された培養液の効果に対する照射距離の影響を調べることが可能となり、効率的にプラズマ処理液体を生成することが可能となる。
また、下部カバー78には、ダクト口160が形成されている。このため、カバーハウジング22内への不活性ガスの供給により、カバーハウジング22内が正圧となり、カバーハウジング22内から自然排気される。また、下部カバー78のダクト口160には、下部カバー78の上面に向かうほど内径の大きいテーパ面162が形成されている。これにより、カバーハウジング22の内部からの気体の排気を促進することが可能となる。さらに、排気機構36には、オゾンフィルタ166が設けられている。これにより、プラズマと酸素とが反応し、オゾンが発生した場合であっても、オゾンの外部への排気を防止することが可能となる。
プラズマ照射が開始された後、所定時間が経過すると、貯留部184に貯留されたプラズマ処理液体は、排液チューブ122を介して排出される。貯留部184からのプラズマ処理液体の排出が開始された後、所定時間が経過すると、貯留部184にプラズマ処理液体が残留していないとみなして、貯留部184からのプラズマ処理液体の排出を完了する。そして、次にプラズマ処理する被処理液体が、送液チューブ120を介して照射ブロック180の貯留部184へ流される。以下、貯留部184に貯留された被処理液体への所定時間のプラズマ照射、プラズマ処理液体の排液、新たな被処理液体の照射ブロック180への供給、被処理液体へのプラズマ照射、…というプラズマ処理工程が、所定量のプラズマ処理液体が生成されるまで繰り返し実行される。
以上説明したように、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10は、被処理液体を貯留し、貯留した被処理液体を排液する排液穴184cを底面184bに設けた貯留部184と、貯留部184内に貯留された被処理液体に照射するプラズマを発生するプラズマ発生装置20と、貯留部184の底面184b上に立設され、貯留部184内に貯留された被処理液体を排液穴184cに導くバー状の第1又は第2バー状部材187,188と、を備えている。
このように、本実施形態の大気圧プラズマ照射装置10では、排液穴184cの入り口で弾かれる被処理液体や底面184bの隅部に吸い寄せられて底面184b上に留まる被処理液体が第1又は第2バー状部材187,188を伝って排液穴184cに導かれて排液されるので、貯留部184内に貯留された被処理液体を貯留部184内に残留させずに、貯留部184から迅速に排出することが可能となる。これにより、被処理液体への上記プラズマ処理工程の1工程の時間がより短縮されることになる。貯留部184にプラズマ処理液体が残留していないとみなされる、上記所定時間が短縮されるからである。
ちなみに、本実施形態において、大気圧プラズマ照射装置10は、「プラズマ照射装置」の一例である。貯留部184は、「貯留容器」の一例である。第1又は第2バー状部材187,188は、「排液促進部」の一例である。
また、貯留部184の底面184bは、その外縁部から排液穴184cに向かって下方に傾斜する。これにより、被処理液体への上記プラズマ処理工程の1工程の時間をさらに短縮することが可能となる。
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、被処理体として、培養液が採用されているが、培養液以外の液体を、被処理体として採用することが可能である。また、医療の分野に限られず、工業分野等の種々の分野に、本開示を適用することが可能である。
(2)上記実施形態では、第1バー状部材187は、円形状の底面184bの直径に相当する長さ及び位置としたが、正確に直径に相当する長さ及び位置に合わせなくてもよく、例えば、排液穴184cに近い弦に相当する長さ及び位置であってもよい。また、上記実施形態では、第1バー状部材187の両端部は側面184aと接触しているが、側面184aとの間に隙間を設けるようにしてもよい。さらに、作業者がZ方向の上方から第1バー状部材187の上面を見た場合、排液穴184cの全部を視認できるように、第1バー状部材187の中央部を曲げたり、切り欠いたりしてもよい。第2バー状部材188も、本実施形態では、円形状の底面184bの半径に相当する長さ及び位置としたが、正確に半径に相当する長さ及び位置に合わせなくてもよい。
(3)上記実施形態では、第1バー状部材187は、被処理液体が貯留部184に流れ込む方向に対して直角の位置に載置されているが、どのような角度の位置に載置してもよい。第2バー状部材188についても、同様である。
(4)上記実施形態では、第1及び第2バー状部材187,188を貯留部184に載置することにより、貯留部184に貯留される被処理液体の量が減少することについては言及していないが、減少する分だけ貯留部184の大きさを大きくするようにしてもよい。
10…大気圧プラズマ照射装置、20…プラズマ発生装置、38…制御装置、72…噴出口、132…パージガス供給装置、180…照射ブロック、184…貯留部、184a…側面、184b…底面、184c…排液穴、186…排出部、187…第1バー状部材、188…第2バー状部材。
Claims (8)
- 被処理液体を貯留し、貯留した前記被処理液体を排液する排液穴を底面に設けた貯留容器と、
前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体に照射するプラズマを発生するプラズマ発生装置と、
前記貯留容器の前記底面上に立設され、前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体を前記排液穴に導くバー状の排液促進部と、
を備えたプラズマ照射装置。 - 前記貯留容器の前記底面は、その外縁部から前記排液穴に向かって下方に傾斜する、
請求項1に記載のプラズマ照射装置。 - 前記貯留容器の前記底面は、円形状であり、
前記排液穴は、前記円形状の底面の略中心に設けられ、
前記排液促進部は、前記円形状の底面の略直径に相当する長さ及び位置に設けられる、請求項2に記載のプラズマ照射装置。 - 前記貯留容器の前記底面は、円形状であり、
前記排液穴は、前記円形状の底面の略中心に設けられ、
前記排液促進部は、前記円形状の底面の略半径に相当する長さ及び位置に設けられる、請求項2に記載のプラズマ照射装置。 - 前記排液促進部は、前記貯留容器とは別体で形成され、前記貯留容器の前記底面上に載せることにより立設される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマ照射装置。 - 前記排液促進部は、前記貯留容器と一体的に形成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマ照射装置。 - 被処理液体を貯留し、貯留した前記被処理液体を排液する排液穴を底面に設けた貯留容器と、前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体に照射するプラズマを発生するプラズマ発生装置と、前記貯留容器の前記底面上に立設され、前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体を前記排液穴に導くバー状の排液促進部と、を備えたプラズマ照射装置を用いて、前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体にプラズマを照射することによりプラズマ処理液体を製造するプラズマ処理液体製造方法。
- 前記貯留容器内に貯留された前記被処理液体にプラズマを照射するときには、その液面が前記バー状の排液促進部の高さより高い状態で照射する、
請求項7に記載のプラズマ処理液体製造方法。
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